本発明の実施形態のポジジョン照明装置において、照明器は、自車の少なくとも側方または前側方の路面上に光を照射する。当該照明器は自車に設けられている。車両には、通常、ヘッドライト、ウィンカおよびテールランプといった灯火器が設けられているが、本実施形態のポジジョン照明装置の照明器はこれらの灯火器とは別のものである。本実施形態のポジジョン照明装置の照明器において、光の光軸は、自車が走行している車線の隣の車線の路面上に光が照射されるように設定されている。例えば、光の光軸は、路面上において自車の位置から側方または前側方へ3.5メートル程度離れた位置に光が照射されるように設定されている。なお、3.5メートルは一般的な車線の幅である。また、当該照明器において、光の光量および照射角は、少なくとも周囲が暗いときに、例えば直径がおよそ0.3メートルないし数メートルの円形または楕円形の光が路面上に表示され、自車の周囲にいる者がその円形または楕円形の光を視認することができるように設定されている。
本発明の実施形態のポジジョン照明装置において、自車周辺検知部は、少なくとも2本の道路が合流する合流地点に自車が接近しているか否かを検知する。自車周辺検知部は、例えばGPS(Global Positioning System)および地図情報を用いて自車位置を認識し、例えば地図情報を用いて自車の周辺の合流地点を認識し、これらの認識結果に基づいて合流地点に自車が接近しているか否かを検知することが好ましい。
本発明の実施形態のポジジョン照明装置において、照明制御部は、自車周辺検知部により自車が合流地点に接近していることが検知された場合には照明器を点灯させる。すなわち、自車が合流地点に接近していない間、照明器は消灯している。自車が合流地点に接近したときに、照明制御部の制御により照明器が点灯する。
本発明の実施形態のポジション照明装置によれば、自車が合流地点に接近したときに照明器が自動的に点灯するので、運転者に負担をかけることなく、道路の合流地点において、路面上に照射された光によって自車の存在を他車の運転者等に顕示することができる。
以下、本発明のポジション照明装置の実施例について説明する。なお、上(U)、下(D)、前(F)、後(B)、左(L)、右(R)の方向を説明する際には、図2ないし図7、および図9ないし図11中の右下に示した矢印に従う。
(ポジション照明装置)
図1は本発明の実施例のポジション照明装置8の構成を示すブロック図である。ポジション照明装置8は、少なくとも2本の道路が合流する合流地点に自車が接近したときに、路面に光を照射することによって自車の存在を他車の運転者等に顕示する機能を有している。ポジション照明装置8は自車に設けられている。なお、本実施例において、自車とはポジション照明装置8が設けられた車両を意味する。また、自車以外の車両を他車という。
図1に示すように、ポジション照明装置8は、一対の照明ユニット11、12、接続切換回路20、GPS受信機25、地図情報26が記憶されたメモリ27、撮像装置28、LIDAR(Light Detection and Ranging)装置29およびコントローラ30を備えている。また、コントローラ30は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えている。コントローラ30は、例えばROMに記憶されたコンピュータプログラムを読み取って実行することにより、自車位置認識部31、合流地点認識部32、他車認識部33および照明制御部34として機能する。
(照明ユニット)
図2は照明ユニット11、12が取り付けられた自車5を示している。図2に示すように、本実施例において自車5は鞍乗型車両である。また、ポジション照明装置8は一対の照明ユニット11、12を備えている。各照明ユニット11、12は、自車5の側方の路面上に光を照射する複数の照明器13ないし16を備えたユニットである。一対の照明ユニット11、12のうち、一方の照明ユニット11は、自車5の前部の右側に設けられている。具体的には、照明ユニット11は、フロントフォーク51の上部の右部に取り付けられている。照明ユニット11は、前輪52よりも高く、ハンドル53よりも低い位置に配置されている。また、一対の照明ユニット11、12のうち、他方の照明ユニット12は、図2には図示していないが、自車5の前部の左側に設けられている。具体的には、照明ユニット12は、自車5の前部において、照明ユニット11が取り付けられた位置と左右対称の位置に取り付けられている。
図3は自車5の前部の右側に取り付けられた照明ユニット11を右方から見た状態を示している。図4は図3中の照明ユニット11を前方から見た状態を示している。図3に示すように、照明ユニット11は、近域照明器13、中域照明器14、遠域照明器15および強調照明器16を備えている。これらの照明器13ないし16は、図4に示すように、支持板17にブラケット18を介してそれぞれ支持されている。また、支持板17はフロントフォーク51の上部の右部に固定されている。また、図4において破線により模式的に示すように、支持板17には照明器13ないし16を覆う透明なカバー19が設けられている。照明ユニット11において、近域照明器13は支持板17の下部に設けられ、中域照明器14は支持板17の上下方向中央部に設けられ、遠域照明器15は支持板17の上部に設けられている。また、強調照明器16は、図3に示すように、支持板17の下部の後部、すなわち、近域照明器13の後ろ側に設けられている。また、図1に示すように、近域照明器13、中域照明器14、遠域照明器15および強調照明器16は接続切換回路20にそれぞれ電気的に接続されている。接続切換回路20はコントローラ30から出力される制御信号に従って、自車5に設けられたバッテリ21と各照明器13ないし16との電気的接続を切り換える回路であり、例えばトランジスタ等を用いたスイッチング回路である。
図5は自車5の前部の右側に取り付けられた照明ユニット11の各照明器13ないし16から路面上に照射された光を示している。図5において、L1は近域照明器13から路面上に照射された光である。以下、この光を「近域照射光L1」という。L2は中域照明器14から路面上に照射された光である。以下、この光を「中域照射光L2」という。L3は遠域照明器15から路面上に照射された光である。以下、この光を「遠域照射光L3」という。L4は強調照明器16から路面上に照射された光である。以下、この光を「強調照射光L4」という。近域照射光L1、中域照射光L2、遠域照射光L3および強調照射光L4は、路面上に照射されたとき、路面上において、それぞれ円形または楕円形の形状になる。
近域照射光L1は、自車5が走行している車線の右隣りの車線の路面上に照射される。すなわち、一般に車線の幅は3.5メートルであるので、近域照射光L1は、路面上において自車5の位置から右方へ3.5メートル程度離れた位置に照射される。中域照射光L2は、路面上において自車5の位置から右方へ、近域照射光L1よりも離れた位置に照射される。遠域照射光L3は、路面上において自車5の位置から右方へ、中域照射光L2よりも離れた位置に照射される。強調照射光L4は、路面上において近域照射光L1の後方に照射される。近域照射光L1、中域照射光L2、遠域照射光L3および強調照射光L4が自車5に対してこのような位置に配置されるように、近域照明器13、中域照明器14、遠域照明器15および強調照明器16における光軸がそれぞれ設定されている。
また、近域照射光L1の直径はおよそ1メートルである。中域照射光L2の直径は近域照射光L1の直径よりも大きい。遠域照射光L3の直径は中域照射光L2の直径よりも大きい。強調照射光L4の直径は近域照射光L1の直径とほぼ同じである。近域照射光L1、中域照射光L2、遠域照射光L3および強調照射光L4の大きさがこのような大きさとなるように、近域照明器13、中域照明器14、遠域照明器15および強調照明器16における光の照射角がそれぞれ設定されている。
また、近域照射光L1、中域照射光L2、遠域照射光L3および強調照射光L4からそれぞれ照射される光の光量は、少なくとも周囲が暗いときに、円形または楕円形の光が路面上に表示され、自車5の周囲にいる者がその円形または楕円形の光を視認することができるような大きさに設定されている。
以上、自車5の前部の右側に取り付けられた照明ユニット11について説明したが、自車5の前部の左側に取り付けられた照明ユニット12も、自車5の前部の右側に取り付けられた照明ユニット11と同様に、近域照明器13、中域照明器14、遠域照明器15および強調照明器16を備えている。そして、照明ユニット12は、各照明器13ないし16の配置、支持板の形状、光の照射方向等が照明ユニット11におけるそれらと比較して左右逆であることを除き、照明ユニット11と同様に構成されている。
(自車周辺の検知)
図1に示すポジション照明装置8において、GPS受信機25、地図情報26が記憶されたメモリ27、撮像装置28、LIDAR装置29、自車位置認識部31、合流地点認識部32および他車認識部33は、自車5の周辺の状況を検知する役割を担っている。なお、これらの機器が特許請求の範囲に記載された「自車周辺検知部」の具体例である。ポジション照明装置8はこれらの機器により、道路の合流地点に自車5が接近しているか否か、自車5と合流地点との間の距離、合流地点に接近する他車または合流地点を通過する他車と自車5との間の距離、および自車5が合流地帯を出たこと等を検知する。
GPS受信機25は、GPS衛星から送信された信号を受信する装置である。メモリ27は例えば半導体記憶装置である。メモリ27には地図情報26が記憶されているが、メモリ27は地図情報26以外の種々の情報の記憶に用いられる。例えば、メモリ27には、後述する照明制御処理で用いられる第1距離基準、第2距離基準、第3距離基準および他車接近基準距離をそれぞれ示す数値が記憶されている。
撮像装置28は例えば単眼カメラまたはステレオカメラである。ポジション照明装置8は例えば2つの撮像装置28を備えており、一方の撮像装置28は自車5の前部に設けられ、自車5の前方の広範囲を撮像することができ、他方の撮像装置28は自車5の後部に設けられ、自車5の後方の広範囲を撮像することができる。各撮像装置28の水平方向の画角は広く、例えば180度に及ぶので、各撮像装置28により自車5の右方および左方をそれぞれ撮像することができる。
LIDAR装置29は、レーザ光の照射により自車5とその周囲の物体との間の距離を検知する装置である。ポジション照明装置8は例えば2つのLIDAR装置29を備えており、一方のLIDAR装置29は自車5の前部に設けられ、自車5とその前方に存在する物体との間の距離を検知することができ、他方のLIDAR装置29は自車5の後部に設けられ、自車5のその後方に存在する物体との間の距離を検知することができる。また、各LIDAR装置29はレーザ光の照射方向を水平方向に変化させることができる(レーザ光を水平方向に走査させることができる)ので、自車5の右前方、左前方、右後方および左後方に存在する物体と自車5との間の距離をも検知することができる。
自車位置認識部31は、GPS受信機25がGPS衛星から受信した信号、およびメモリ27に記憶された地図情報26を用いて、自車5の位置を認識する。合流地点認識部32は地図情報26を用いて合流地点の位置を認識する。また、自車位置認識部31は、合流地点認識部32により認識された合流地点の位置情報を用いて、自車5と合流地点との間の距離を検知する。また、自車位置認識部31は自車5が合流地帯を出たことを検知する。なお、合流地帯については後述する。
なお、自車位置認識部31は、自車5が合流地点に接近したときに、撮像装置28により撮像された自車5の前方、右前方または左前方の画像を用いて、自車5と合流地点との間の距離を認識することができる。GPS信号および地図情報に基づく自車5と合流地点との間の距離の情報と、撮像装置28により得られた画像に基づく自車5と合流地点との間の距離の情報との双方を用いることで、自車5と合流地点との間の距離の検知精度を高めることができる。
他車認識部33は、撮像装置28から得られた画像およびLIDAR装置29から出力された検知信号に基づいて、合流地点に接近する他車の位置、または合流地点を通過する他車の位置を検知する。また、他車認識部33は、自車位置認識部31により認識された自車5の位置情報を用いて、自車5と他車との間の距離を検知する。
(照明器の制御)
図1に示すポジション照明装置8において、照明制御部34は、自車位置認識部31による自車5と合流地点との間の距離の検知結果、および他車認識部33による自車5と他車との間の距離の検知結果に基づいて、照明器13ないし16の点灯および消灯を制御する。照明制御部34による照明器13ないし16の制御は、コントローラ30から接続切換回路20に出力される制御信号により実現される。照明制御部34による照明器13ないし16の点灯および消灯の制御につき、図6および図7を用いて具体的に説明する。
図6は、支線2を走行している自車5が合流地点Xaに接近する間に、ポジション照明装置8の照明制御部34によって、自車5の前部の右側に取り付けられた照明ユニット11の近域照明器13、中域照明器14、遠域照明器15および強調照明器16が制御される様子を示している。図7は、本線1の左側車線を走行している自車5が合流地点Xaに接近する間に、ポジション照明装置8の照明制御部34によって、自車5の前部の左側に取り付けられた照明ユニット12の近域照明器13、中域照明器14、遠域照明器15および強調照明器16が制御される様子を示している。
図6および図7のそれぞれにおいて、合流地点Xaは支線2と本線1とが合流する地点である。この例では、本線1は片側2車線の道路であり、支線2は1車線の道路である。本線1は例えば高速道路である。支線2は、例えば、インタチェンジにおけるランプ、ジャンクションにおいて一方の高速道路から他方の高速道路へ接続する接続路、またはサービスエリアの出口から本線1への加速車線等である。また、合流地点Xaの前後には、車両が支線2から本線1へ移動することが可能になる位置Xb、および支線2が本線1と合流し終えて消失する位置Xcがある。位置Xbから位置Xcまでが合流地帯Zである。また、合流地点Xaは位置Xbと位置Xcとの間に位置する。なお、位置Xbと位置Xcとの間における合流地点Xaの具体的な位置は限定されないが、本実施例では、合流地点Xaが位置Xbと位置Xcとの略中間に位置するものとする。
また、図6において、位置Aは合流地点Xaから第1基準距離、離れた位置である。位置Bは合流地点Xaから第2基準距離、離れた位置である。位置Cは合流地点Xaから第3基準距離、離れた位置である。また、図7において、位置Pは合流地点Xaから第1基準距離、離れた位置である。位置Qは合流地点Xaから第2基準距離、離れた位置である。位置Rは合流地点Xaから第3基準距離、離れた位置である。第2基準距離は第1基準距離よりも長く、第3基準距離は第2基準距離よりも長い。第1基準距離は例えば50メートルないし100メートル程度に設定される。また、第2基準距離は例えば第1基準距離の1.5倍に設定され、第3基準距離は例えば第1基準距離の2倍に設定される。なお、第1基準距離を、車両が道路を安全に走行するに当たり、直前の車両との間に確保すべき車間距離に設定してもよい。例えば、本線1の法定速度が時速100キロメートルである場合、第1基準距離を100メートルに設定し、第2基準距離を150メートルに設定し、第3基準距離を200メートルに設定してもよい。なお、図6および図7では、説明の便宜上、位置Xbから位置Xcまでの間の距離、第1基準距離、第2基準距離および第3基準距離が実際の距離よりも短く描かれている。
照明制御部34は、自車位置認識部31による自車5と合流地点との間の距離の検知結果に基づいて、自車5と合流地点Xaとの間の距離が短くなるに従って路面上に照射する光が自車5に近づくように、照明ユニット11の各照明器13ないし15または照明ユニット12の各照明器13ないし15の点灯および消灯を制御する。これと同時に、照明制御部34は、自車位置認識部31による自車5と合流地点との間の距離の検知結果に基づいて、自車5と合流地点Xaとの間の距離が短くなるに従って路面上に照射する光の大きさが小さくなるように、照明ユニット11の各照明器13ないし15または照明ユニット12の各照明器13ないし15の点灯および消灯を制御する。
すなわち、図6において、支線2を走行している自車5と合流地点Xaとの間の距離が第3基準距離よりも離れているときには、各照明ユニット11、12のすべての照明器13ないし16が消灯している。そして、支線2を走行している自車5が位置Cに達したとき、すなわち、自車5と合流地点Xaとの間の距離が第3基準距離になったとき、そのことが自車位置認識部31により検知され、その検知結果に基づいて、照明制御部34が右側の照明ユニット11の遠域照明器15を点灯させる。次に、自車5が位置Bに達したとき、すなわち、自車5と合流地点Xaとの間の距離が第2基準距離になったとき、そのことが自車位置認識部31により検知され、その検知結果に基づいて、照明制御部34が右側の照明ユニット11の遠域照明器15を消灯させると同時に中域照明器14を点灯させる。次に、自車5が位置Aに達したとき、すなわち、自車5と合流地点Xaとの間の距離が第1基準距離になったとき、そのことが自車位置認識部31により検知され、その検知結果に基づいて、照明制御部34が右側の照明ユニット11の中域照明器14を消灯させると同時に近域照明器13を点灯させる。続いて、自車5は位置Xbを超えて合流地帯Z内に入り、本線1へ合流し、位置Xaを超え、さらに位置Xcを超えて合流地帯Zから出る。自車5が合流地帯Zから出たとき、そのことが自車位置認識部31により検知され、その検知結果に基づいて、照明制御部34が右側の照明ユニット11の近域照明器13を消灯させる。
以上の結果、支線2を走行している自車5が位置Cから位置Bへ移動している間、本線1の左側車線の路面上には遠域照射光L3が照射される。次に、自車5が位置Bから位置Aへ移動している間、本線1の左側車線の路面上には中域照射光L2が照射される。次に、自車5が位置Aから位置Xcに向かって移動している間、本線1の左側車線の路面上には、近域照射光L1が照射される。すなわち、自車5が支線2から本線1へ移動する間に、路面上に照射される光が遠域照射光L3から中域照射光L2に切り換えられ、続いて、中域照射光L2から近域照射光L1に切り換えられる。その結果、支線2を走行している自車5と合流地点Xaとの間の距離が短くなるに従って、路面上に照射される光が自車5に近づく。一方、支線2を走行している自車5は、自車5と合流地点Xaとの間の距離が短くなるに従って本線1に近づく。このように、自車5と合流地点Xaとの間の距離が短くなるに従って、路面上に照射される光が自車5に近づくと同時に、自車5自体が本線1に近づくので、図6に示すように、路面上に照射される光の位置は本線1の左側車線内に維持される。その結果、自車5が支線2から本線1へ合流しようとしているときに、本線1の左側車線を走行している他車、例えば他車6Bが自車5の右後方から自車5に接近している場合には、他車6Bの運転者は、自車5の右側の照明ユニット11の各照明器13ないし15から順次連続的に照射される光を長い時間見続けることとなる。それゆえ、他車6Bの運転者は、光を介して自車5を容易に発見することができる。よって、自車5の見落としが抑制される。
また、図6に示すように、支線2を走行している自車5と合流地点Xaとの間の距離が短くなるに従って、本線1の左側車線の路面上に照射される光の大きさが徐々に小さくなる。このように、路面上に照射される光の大きさが変化するので、他車6Bの運転者は、照射された光に気付き易くなる。よって、自車5の見落としが一層抑制される。
また、図6に示すように、支線2を走行している自車5が本線1に接近するに従って、右側の照明ユニット11の各照明器13ないし15から照射される光の光軸が徐々に下向きになると同時に、路面上における光の大きさが小さくなる。その結果、支線2を走行している自車5が本線1に接近したときに、各照明器13ないし15から照射された光が、本線1を走行する他車6A、6B、6Cのそれぞれの運転者の目に直接入ることが防止される。よって、他車6A、6B、6Cのそれぞれの運転者が各照明器13ないし15から照射された光を眩しいと感じることが防止される。
また、支線2を走行している自車5が本線1に合流し、位置Xcを超えて合流地帯Zを出たとき、近域照射光L1の照射が停止される。すなわち、自車5が合流地帯Zを出るまで、近域照射光L1の照射が維持される。その結果、他車6A、6B、6Cのそれぞれの運転者は、自車5が支線2から本線1に完全に移動し終えるまで、路面上に照射された光を介して自車5を認識することができる。よって、自車5の見落としがより一層抑制される。
また、照明制御部34は、他車認識部33による自車5と他車との間の距離の検知結果に基づいて、路面上に照射される光の個数が変化するように各照明器13、16の点灯および消灯を制御する。すなわち、図6において、支線2を走行している自車5が位置Aに達した後、すなわち、自車5と合流地点Xaとの間の距離が第1基準距離以下になったときに、自車5と、本線1を走行する他車、例えば他車6Aとの距離が、他車接近基準距離以下になった場合には、そのことが他車認識部33により検知され、その検知結果に基づいて、照明制御部34が右側の照明ユニット11の強調照明器16を点灯させる。この結果、路面上に強調照射光L4が表示される。照明制御部34は、強調照明器16を点灯させるときに、近域照明器13を消灯させない。したがって、強調照明器16の点灯により、路面上に照射される光は、近域照射光L1と強調照射光L4になり、すなわち、路面上に照射される光の個数が増加する。自車5に接近した他車6Aの運転者は、路面上に照射される光の個数が増加したことに気付き、それに基づいて自車5に接近していることを認識し、他車6Aの速度を調節して自車5との安全な車間距離をとることができる。他車接近基準距離は例えば50メートルないし100メートル程度に設定することが好ましい。また、自車5が合流地帯Zを出たとき、強調照射光L4の照射は停止される。
また、図7に示すように、自車5が本線1の左側車線を走行しているときも、図6に示すように自車5が支線を走行しているときと同様の制御が行われる。すなわち、図7において、本線1の左側車線を走行している自車5が位置Rに達したとき、すなわち、自車5と合流地点Xaとの間の距離が第3基準距離になったとき、そのことが自車位置認識部31により検知され、その検知結果に基づいて、照明制御部34が左側の照明ユニット12の遠域照明器15を点灯させる。その結果、遠域照射光L3が支線2の路面上に照射される。次に、自車5が位置Qに達したとき、すなわち、自車5と合流地点Xaとの間の距離が第2基準距離になったとき、そのことが自車位置認識部31により検知され、その検知結果に基づいて、照明制御部34が左側の照明ユニット12の遠域照明器15を消灯させると同時に中域照明器14を点灯させる。その結果、中域照射光L2が支線2の路面上に照射される。次に、自車5が位置Pに達したとき、すなわち、自車5と合流地点Xaとの間の距離が第1基準距離になったとき、そのことが自車位置認識部31により検知され、その検知結果に基づいて、照明制御部34が左側の照明ユニット12の中域照明器14を消灯させると同時に近域照明器13を点灯させる。その結果、近域照射光L1が支線2の路面上に照射される。続いて、自車5は位置Xbを超えて合流地帯Z内に入り、位置Xaを超え、さらに位置Xcを超えて合流地帯Zから出る。自車5が合流地帯Zから出たとき、そのことが自車位置認識部31により検知され、その検知結果に基づいて、照明制御部34が左側の照明ユニット12の近域照明器13を消灯させる。その結果、近域照射光L1の照射が停止される。
図7に示すように、本線1の左側車線を走行する自車5と合流地点Xaとの間の距離が短くなるに従って、路面上に照射される光が自車5に近づくと同時に、支線2が本線1に近づくので、路面上に照射される光の位置は支線2内に維持される。その結果、支線2から本線1へ合流しようとしている他車、例えば他車6Eの運転者は、自車5の左側の照明ユニット12の各照明器13ないし15から順次連続的に照射される光を長い時間見続けることとなる。それゆえ、他車6Eの運転者は、光を介して自車5を容易に発見することができる。よって、自車5の見落としが抑制される。
また、本線1の左側車線を走行している自車5と合流地点Xaとの間の距離が短くなるに従って、支線2の路面上に照射される光の大きさが徐々に小さくなるので、他車6Eの運転者は、照射された光に気付き易くなり、よって、自車5の見落としが一層抑制される。
また、本線1の左側車線を走行している自車5が合流地点Xaに接近するに従って、左側の照明ユニット12の各照明器13ないし15から照射される光の光軸が徐々に下向きになると同時に、路面上における光の大きさが小さくなる。その結果、支線2を走行する他車6Dまたは6Eが本線1に接近したときに、各照明器13ないし15から照射された光が、他車6D、6Eのそれぞれの運転者の目に直接入ることが防止され、よって、他車6D、6Eの運転者が各照明器13ないし15から照射された光を眩しいと感じることが防止される。
また、本線1の左側車線を走行している自車5が合流地帯Zを出るまで、近域照射光L1の照射が維持される。その結果、他車6D、6Eのそれぞれの運転者は、自車5が合流地帯Zを出るまで、支線2の路面上に照射された光を介して自車5を認識することができ、よって、自車5の見落としがより一層抑制される。
また、本線1の左側車線を走行している自車5が位置Pに達した後、すなわち、自車5と合流地点Xaとの間の距離が第1基準距離以下になったときに、自車5と、支線2を走行する他車、例えば他車6Dとの距離が、他車接近基準距離以下になった場合には、そのことが他車認識部33により検知され、その検知結果に基づいて、照明制御部34が左側の照明ユニット12の強調照明器16を点灯させる。その結果、近域照射光L1に加え、強調照射光L4が支線2の路面上に照射される。自車5に接近した他車6Dの運転者は、支線2の路面上に照射される光の個数が増加したことに気付き、それに基づき他車6Dが自車5に接近していることを認識し、他車6Dの速度を調節して自車5との安全な車間距離をとることができる。
(照明制御処理の流れ)
図8は、ポジション照明装置8における照明制御処理の流れを示している。例えば自車5のエンジンを始動させたとき、照明制御処理が開始される。図8において、照明制御処理が開始されると、コントローラ30が、GPS受信機25におけるGPS衛星からの信号の受信状態が正常か否かを判断する(ステップS1)。GPS受信機25における信号の受信状態が正常でない場合には(ステップS1:NO)、その旨を告げるメッセージを例えば自車5のハンドル53の近傍に設けられた運転操作パネルの表示部に表示し、照明制御処理を終了させる。
GPS受信機25における信号の受信状態が正常である場合には(ステップS1:YES)、続いて、自車位置認識部31が、GPS受信機25により受信された信号、および地図情報26を用いて自車5の位置を認識する(ステップS2)。なお、これ以降、照明制御処理の実行中において、自車位置認識部31は自車5の位置の認識を継続し、移動している自車5の位置を逐次認識する。
続いて、合流地点認識部32が地図情報26を用いて自車5の周辺の合流地点を認識する(ステップS3)。
続いて、自車位置認識部31が自車5の合流パターンを認識する(ステップS4)。合流パターンには次のものがある。
パターン(1):支線が本線に当該本線の左側から合流し、自車5が合流地点に向かって支線を走行している。
パターン(2):支線が本線に当該本線の左側から合流し、自車5が合流地点に向かって本線を走行している。
パターン(3):支線が本線に当該本線の右側から合流し、自車5が合流地点に向かって支線を走行している。
パターン(4):支線が本線に当該本線の右側から合流し、自車5が合流地点に向かって本線を走行している。
合流パターンがパターン(1)または(4)である場合には 照明制御部34は、照明制御処理のステップS5〜S14において、自車5の前部の右側に取り付けられた照明ユニット11の各照明器13ないし16を制御する。一方、合流パターンがパターン(2)または(3)である場合には、照明制御部34は、照明制御処理のステップS5〜S14において、自車5の前部の左側に取り付けられた照明ユニット12の各照明器13ないし16を制御する。ここでは、図6に示すように、支線2が本線1に当該本線1の左側から合流し、自車5が合流地点Xaに向かって支線2を走行している場合を例にあげて説明する。この場合、自車位置認識部31は自車5の合流パターンがパターン(1)であると認識する。
続いて、自車位置認識部31が、自車5と合流地点Xaとの間の距離が第3基準距離になったか否かを判断する(ステップS5)。そして、自車5と合流地点Xaとの間の距離が第3基準距離になったときに(ステップS5:YES)、照明制御部34が、右側の照明ユニット11の遠域照明器15を点灯させる(ステップS6)。
続いて、自車位置認識部31が、自車5と合流地点Xaとの間の距離が第2基準距離になったか否かを判断する(ステップS7)。そして、自車5と合流地点Xaとの間の距離が第2基準距離になったときに(ステップS7:YES)、照明制御部34が、右側の照明ユニット11の遠域照明器15を消灯させると同時に、中域照明器14を点灯させる(ステップS8)。
続いて、自車位置認識部31が、自車5と合流地点Xaとの間の距離が第1基準距離になったか否かを判断する(ステップS9)。そして、自車5と合流地点Xaとの間の距離が第1基準距離になったときに(ステップS9:YES)、照明制御部34が、右側の照明ユニット11の中域照明器14を消灯させると同時に、近域照明器13を点灯させる(ステップS10)。
続いて、他車認識部33が、本線1を走行している他車、例えば他車6Aを認識し、自車5と他車6Aとの間の距離が他車接近基準距離以下になったか否かを判断する(ステップS11)。そして、自車5と他車6Aとの間の距離が他車接近基準距離以下になったときには(ステップS11:YES)、照明制御部34が、右側の照明ユニット11の強調照明器16を点灯させる(ステップS12)。一方、本線1を走行している他車が認識されない場合、または本線1を走行している他車が認識されたが、自車5と当該他車との間の距離が他車接近基準距離よりも大きい場合には(ステップS11:NO)、照明制御部34は、右側の照明ユニット11の強調照明器16を点灯させない。
続いて、自車位置認識部31は、自車5が合流地帯Zを出たか否かを判断する(ステップS13)。そして、自車5が合流地帯Zを出ていない場合には(ステップS13:NO)、自車位置認識部31は処理をステップS11へ戻す。他車認識部33は、自車5と合流地点Xaとの間の距離が第1基準距離になってから、自車5が合流地帯Zを出るまでの間、自車5との距離が他車接近基準距離以下となる他車の認識を行い、そのような他車が認識された場合には、照明制御部34が右側の照明ユニット11の強調照明器16を点灯させる。
一方、自車5が合流地帯Zを出た場合には(ステップS13:YES)、照明制御部34が右側の照明ユニット11のすべての照明器を消灯させる(ステップS14)。具体的には、自車5が合流地帯Zを出た時点で、右側の照明ユニット11の近域照明器13のみが点灯している場合には、当該近域照明器13を消灯させ、自車5が合流地帯Zを出た時点で、右側の照明ユニット11の近域照明器13および強調照明器16が点灯している場合には、当該近域照明器13および当該強調照明器16を消灯させる。
続いて、コントローラ30が、自車5のエンジンが停止したか否かを判断し、自車5のエンジンが停止していない場合には、処理をステップS3へ戻り、照明制御処理を継続する。なお、このように照明制御処理が繰り返し実行されている間、自車位置認識部31による自車5の位置の認識は継続される。一方、自車5のエンジンが停止した場合には、コントローラ30は照明制御処理を終了させる(ステップS15)。
以上説明した通り、本発明の実施例のポジション照明装置8は、自車5が合流地点に自車が接近していること、具体的には、自車5と合流地点との間の距離が第3基準距離、第2基準距離および第1基準距離に順次なったことを検知し、このように自車5が合流地点に自車が接近していることが検知した場合には、自車5に取り付けられた照明ユニット11または12の照明器13ないし15を順次点灯させる。この構成により、自車5が合流地点に接近したときに、照明器13ないし15から路面上に光が自動的に照射される。すなわち、運転者は自車5が合流地点に接近したときに照明器13ないし15を点灯させるための手動操作を行う必要がない。したがって、本発明の実施例のポジション照明装置8によれば、運転者に負担をかけることなく、合流地点において、路面に照射された光により、自車5の存在を他車の運転者等に顕示することができる。そして、合流地点において路面に光を照射して自車5の存在を他車に顕示することにより、合流地点に接近する自車5を他車の運転者が見落とすことを抑制することができる。特に、夜間や悪天候時等、視界が悪いときには、他車の運転者にとって、自車5自体の視認は困難となるが、路面に照射された光の反射光は視認が容易である。したがって、このように視界が悪いときに、ポジション照明装置8による自車5の見落としを効果的に抑制することができる。よって、他車による自車5の無理な幅寄せや無理な追い越しを抑制することができ、また、他車と自車5との異常接近を抑制することができ、自車5の予防安全性能を高めることができる。
また、本発明の実施例のポジション照明装置8は、自車5と合流地点との間の距離が短くなるに従って路面上に照射する光が自車5に近づくように照明ユニット11または12の照明器13ないし15を制御する。この構成により、照明ユニット11または12の照明器13ないし15から照射される光の位置を、合流地点において合流する2本の道路のうち、自車5が走行していない道路の路面上に維持することができる。したがって、合流地点において合流する2本の道路のうち、自車5が走行していない道路を走行している他車の運転者に、路面上に照射された光を確実に視認させることができ、その光を介して自車5の存在を他車の運転者に確実に認識させることができる。すなわち、自車5が支線を走行している場合には、照明器13ないし15から照射される光の位置を本線の路面上に維持することができ、本線を走行している他車の運転者に、その光を介して自車5の存在を確実に認識させることができる。また、自車5が本線を走行している場合には、照明器13ないし15から照射される光の位置を支線の路面上に維持することができ、支線を走行している他車の運転者に、その光を介して自車5の存在を確実に認識させることができる。
また、自車5と合流地点との間の距離が短くなるに従って路面上に照射する光を自車5に近づけさせることにより、照明器13ないし15の光軸が下向きになるので、照明器13ないし15から照射された光が他車の運転者の目に直接入ることを防止することができる。
また、本発明の実施例のポジション照明装置8は、照明ユニット11または12の照明器13ないし15を制御し、自車5と合流地点との間の距離が短くなるに従って路面上に照射する光の大きさを小さくする。このように路面上に照射される光に変化を与えることで、その光を目立たせることができる。したがって、路面上に照射された光を他車の運転者に認識させ易くすることができる。また、自車5と合流地点との間の距離が短くなるに従って路面上に照射する光の大きさを小さくすることによっても、照明器13ないし15から照射された光が他車の運転者の目に直接入ることを防止することができる。
また、本発明の実施例のポジション照明装置8は、照明ユニット11または12の照明器13、16を制御し、自車5と他車とが互いに接近したときに、路面上に照射する光の個数を増加させる。このように、他車の自車5への接近に応じて、路面上に照射される光に変化を与えて、当該光を目立たせることで、自車5に接近した他車の運転者に自車5の存在を認識させ易くすることができる。
また、本発明の実施例のポジション照明装置8は、自車5が合流地帯を出たときに各照明ユニット11、12のすべての照明器を自動的に消灯させる。この構成により、自車5の運転者において照明器13ないし16を手動で消灯する手間をなくすことができる。また、自車5が合流地帯を出るまで路面上への光の照射が維持されるので、自車5が合流を完了するまで、自車5の存在を他車の運転者等に顕示し続けることができる。
また、本発明の実施例のポジション照明装置8は鞍乗型車両に適用されている。これにより、鞍乗型車両のような、視認され難い小型の車両の存在を、路面上に照射された光によって顕示することができ、合流を行う小型の車両が他車の運転者により見落とされることを抑制することができる。
また、本発明の実施例のポジション照明装置8において、照明ユニット11、12は、鞍乗型車両である自車5の前部に設けられている。この構成により、照明ユニット11、12の照明器13ないし16から照射される光が、例えば自車5のシートに座した運転者等の身体により遮られることを防止することができる。
また、本発明の実施例のポジション照明装置8において、照明ユニット11、12は、自車5のハンドル53(またはステアリング)よりも低い位置に設けられている。この構成により、他車の運転者の目の高さよりも低い位置から路面上に向けて光が照射されるので、その光が他車の運転者の目に直接入ることを防止することができる。
なお、上記実施例では、一対の照明ユニット11、12をフロントフォーク51の上部に取り付ける場合を例にあげた(図2参照)。この場合、フロントフォーク51はハンドル53と連動するので、運転者がハンドル53を操作すると、フロントフォーク51が動き、これに伴って各照明ユニット11、12の位置が変わる。その結果、照明器13ないし16から路面へ照射される光の位置が変化する。この光の位置の変化をなくすために、一対の照明ユニット11、12を、自車5の車体においてハンドル53と連動しない部分、例えば車体フレーム等に取り付けてもよい。
また、上記実施例では、照明ユニット11、12を、鞍乗型車両である自車5の前部の右側および左側にそれぞれ取り付ける場合を例にあげたが、本発明はこれに限らない。照明ユニット11、12を自車5に取り付ける位置は、照明ユニット11、12の照明器13ないし16から照射される光が、自車5のシートに座した運転者または同乗者の身体により遮られない位置であれば、他の位置でもよい。例えば、図9に示すように、照明ユニット11、12を、鞍乗型車両61の後部の右側および左側にそれぞれ取り付けてもよい(図9においては右側の照明ユニット11のみを図示)。この場合においても、照明ユニット11、12はハンドル62よりも低い位置に配置する。例えば、照明ユニット11、12を、鞍乗型車両61の車体において後輪63とリアシート64との間の側部(例えばシートレールまたはそのカバーの側部等)に取り付ける。また、図10に示すように、車体の広い範囲を覆うカウル72を備えた鞍乗型車両71の場合には、照明ユニット11、12を、カウル72の右部および左部にそれぞれ取り付けてもよい(図10においては右側の照明ユニット11のみを図示)。この場合においても、照明ユニット11、12はハンドル73よりも低い位置に配置する。
また、合計4つの照明ユニットを用意し、自車の前部の右側および左側と、自車の後部の右側および左側の合計4箇所に照明ユニットを取り付けてもよい。この場合には、上記照明制御処理において、合流パターンがパターン(1)または(4)のときには、自車の前部右側および後部右側に取り付けられた2つの照明ユニットの照明器をそれぞれ同時に点灯させ、自車が走行している車線の右隣りの車線の路面上に2つ以上の光を同時に照射する。また、上記照明制御処理において、合流パターンがパターン(2)または(3)のときには、自車の前部左側および後部左側に取り付けられた2つの照明ユニットの照明器をそれぞれ同時に点灯させ、自車が走行している車線の左隣りの車線の路面上に2つ以上の光を同時に照射する。
また、上記実施例では、自車5の側方(右方または左方)の路面上に光を照射する場合を例にあげたが、自車5の前側方(右斜め前方または左斜め前方)の路面上に光を照射してもよい。
また、上記実施例では、各照明ユニット11、12に、近域照明器13、中域照明器14および遠域照明器15を設け、これらの照明器の点灯を切り換えることで路面上の光を自車5に近づける構成を例あげたが、本発明はこれに限らない。例えば、図11に示す照明ユニット81ように、照明器82を動かして照明器82の光軸を変化させることによって路面上の光を自車5に近づける構成としてもよい。
また、上記実施例では、各照明ユニット11、12において、自車5と合流地点との間の距離に応じて点灯、消灯を切り換える照明器を、近域照明器13、中域照明器14および遠域照明器15の3つとしたが、自車5と合流地点との間の距離に応じて点灯、消灯切り換える照明器を2つにしてもよいし、4つ以上にしてもよい。
また、複数の照明器から光を同時に照射し、それらの光を路面上で重ね合わせてもよい。これにより、路面に照射される光の光量を大きくすることができ、光を目立たせることができる。この方法によれば、自車から長い距離(例えば第3基準距離程度)離れた位置の路面上に光を表示するときに、明るく目立つ光を表示することができる。
また、上記実施例では、自車5と合流地点との距離に応じて路面上における光の位置および光の大きさを変化させる場合を例にあげたが、自車5と合流地点との距離に応じて路面上における光の個数を変化させてもよい。
また、上記実施例では、自車5と他車との間の距離に応じて路面上における光の個数を変化させる場合を例にあげたが、自車5と他車との間の距離に応じて路面上における光の位置また光の大きさを変化させてもよい。
また、上記実施例では、図6または図7に示すように、自車5が合流地帯Zから出たときに照明器13(および16)を消灯させる場合を例にあげたが、照明器13(および16)を消灯させるタイミングを早めてもよい。例えば、自車5が合流地点Xaに到達したとき、または自車5が合流地点Xaを通過したときに照明器13(および16)を消灯させてもよい。
また、自車5から路面上に照射する光としてレーザー光を用いてもよい。また、本発明のポジション照明装置を設ける自車は、自動二輪車に限らず、自動三輪車でもよく、自動四輪車でもよい。
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うポジション照明装置もまた本発明の技術思想に含まれる。