JP2020196683A - 水溶液及び抗菌剤 - Google Patents

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麻由 伏見
寺尾 啓二
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啓二 寺尾
善行 石田
Yoshiyuki Ishida
善行 石田
千裕 上野
Chihiro Ueno
千裕 上野
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Abstract

【課題】抗菌作用に優れる水溶液及び抗菌剤を提供する。【解決手段】水、ジヨードメタン化合物及びβ−シクロデキストリン誘導体を含有し、上記ジヨードメタン化合物の濃度が10mg/mL〜80mg/mLである水溶液及び抗菌剤である。【選択図】なし

Description

本開示は、水溶液及び抗菌剤に関する。
従来より、ジヨードメタン化合物として、ジヨードメチルスルホニル基を有するベンゼン誘導体が知られている。
例えば、特許文献1にはジヨードメチルスルホン基を有する化合物の製造法が、特許文献2にはジヨードメチルスルホンがそれぞれ開示されている。
また、例えば、非特許文献1及び非特許文献2においてジヨードメチル基を有するベンゼン誘導体としてα,α−ジヨードアセトフェノン誘導体が開示されている。
上記のようなジヨードメチルスルホニル基を有するベンゼン誘導体の中でも、ジヨードメチルトリルスルホンは、工業用抗菌剤又は抗カビ剤として使用されることが知られており、例えば、樹脂又はゴムへの練りこみ、繊維への含浸及び後加工、皮革への後加工、塗料、コーティング剤、ワックス糊、セメント、漆喰への混入等の態様で使用される傾向にある。
例えば、特許文献3には、ジヨードメチル−p−トリルスルホンとシクロデキストリン誘導体との包接化合物が記載されている。
特許文献4には、有機ヨウ素系化合物をシクロデキストリンにより包接することを特徴とする防菌・防カビ剤組成物が開示されている。
米国特許第3,632,859号明細書 特公昭43−6609号公報 特開平11−279139号公報 特開平5−117105号公報
Tetrahedron Letters, 2011, 52,4320−4323 J. Org. Chem., 1998, 63, 4433−4437
ジヨードメタン化合物(例えば、ジヨードメチル−p−トリルスルホン)を微生物(例えば、細菌、カビ等)に適用して抗菌活性を得ようとする際、静菌作用は認められるものの、殺菌作用に乏しい場合があり、一旦微生物が繁茂してしまうと抗菌作用を示すことが困難となる場合がある。
また、ジヨードメチル−p−トリルスルホンは水に溶けにくいため、例えば水中に存在する微生物に対する抗菌作用は得られ難い場合が多い。
上記特許文献3において、微生物に対する殺菌作用、及び、カビ以外の微生物に対する静菌作用について検討されておらず、抗菌作用が不足する可能性がある。また、包接化合物の水に対する溶解性についても十分でないと推測される。
また、特許文献4において、有機ヨウ素系化合物に対するシクロデキストリンの包接性が不足しているために、有機ヨウ素系化合物が十分に水に溶解できていない可能性がある。
本開示の実施形態が解決しようとする課題は、抗菌作用に優れる水溶液及び抗菌剤を提供することである。
上記課題を解決する手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 水、ジヨードメタン化合物及びシクロデキストリン誘導体を含有し、前記ジヨードメタン化合物の濃度が10mg/mL〜80mg/mLである水溶液。
<2> 前記水及び前記シクロデキストリン誘導体の全量に対する前記シクロデキストリン誘導体の含有量が、10質量%〜58質量%である<1>に記載の水溶液。
<3> 前記ジヨードメタン化合物が、ジヨードメチル−p−トリルスルホンである<1>又は<2>に記載の水溶液。
<4> 前記シクロデキストリン誘導体が、β−シクロデキストリン誘導体である<1>〜<3>のいずれか1つに記載の水溶液。
<5> さらに、下記式1で表される化合物、及び、下記式2で表される化合物の少なくとも1つを含有する<1>〜<4>のいずれか1つに記載の水溶液。
式1中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキル基、アルキニル基又はアルケニル基を表す。
式2中、A1及びA2は、それぞれ独立に、−O、−S、又は−OHを表す。但し、A1及びA2の内、少なくとも1つは−Oである。
式2中、Xは、スルホニル基、スルフィニル基又はジスルフィニル基を表し、Bは1価のアルカリ金属イオン又は2価のアルカリ土類金属イオンを表し、l及びnは1又は2を表し、mは1−又は2−を表す。
但し、A1及びA2の内、一方が−OHであり、他方が−O又は−Sであることにより、mが1−である場合、lは1でありBは1価のアルカリ金属イオンでありnは1である、又は、lは2でありBは2価のアルカリ土類金属イオンでありnは1である。
また、A1及びA2が、それぞれ独立に、−O又は−Sであることにより、mが2−である場合、lは1でありBは2価のアルカリ土類金属イオンでありnは1である、又は、lは1でありBは1価のアルカリ金属イオンでありnは2である。
<6> <1>〜<5>のいずれか1つに記載の水溶液を含む抗菌剤。
本開示の実施形態によれば、抗菌作用に優れる水溶液及び抗菌剤を提供することができる。
本開示において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本開示において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、「抗菌剤」とは、抗菌作用及び抗カビ作用の少なくとも一方を有するものをいう。
≪水溶液≫
本開示の水溶液は、水、ジヨードメタン化合物及びシクロデキストリン誘導体を含有し、前記ジヨードメタン化合物の濃度が10mg/mL〜80mg/mLである。
本開示の水溶液は、上記の構成とすることで、抗菌性が良好に向上する。
上記優れた抗菌性が得られる理由は以下のように推測される。
即ち、水溶液がジヨードメタン化合物及びシクロデキストリン誘導体を含有する場合には、シクロデキストリン誘導体にジヨードメタン化合物が包接されることで抗菌性を示すジヨードメタン化合物を水に溶解し得ると考えられる。ここで、本開示の水溶液は、濃度が10mg/mL〜80mg/mLであるジヨードメタン化合物、及び、シクロデキストリン誘導体を含有することで、ジヨードメタン化合物及びシクロデキストリン誘導体の水に対する溶解性が良好に向上すると考えられる。
そして、本開示の水溶液が優れた抗菌作用を示す理由は、ジヨードメタン化合物及びシクロデキストリン誘導体を良好に溶解した水溶液であること、及び、上記水溶液中の上記ジヨードメタン化合物の濃度が10mg/mL〜80mg/mLであること、が相俟っているためであると推測される。
以下、本開示における水溶液について詳細に説明する。
<ジヨードメタン化合物>
本開示の水溶液は、ジヨードメタン化合物を含有する。
本開示の水溶液は、ジヨードメタン化合物を含有することで、抗菌性を示すことができる。
本開示におけるジヨードメタン化合物としては、公知のジヨードメタン化合物を用いることができるが、良好な抗菌性を得る観点から、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。以下、一般式(1)で表されるヨード化合物を特定ヨード化合物と称することがある。

一般式(1)において、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜7のアシル基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜7のアルキルアミノカルボニル基又は炭素数3〜13のジアルキルアミノカルボニル基を示し、Rは、ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、nは0又は1を示す。
また、L1は、カルボニル基又はスルホニル基を示す。
で表される炭素数1〜6のアルキル基は、直鎖アルキル基であっても分岐を有するアルキル基であっても環状構造を有するアルキル基であってもよく、直鎖アルキル基又は分岐を有するアルキル基であることが好ましい。
で表されるアルキル基の炭素数は、1〜3であることが好ましく、1〜2であることがより好ましい。
で表される炭素数1〜6のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、ネオペンチル基、1−エチルプロピル基、シクロペンチル基、n−へキシル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
で表される炭素数1〜7のアシル基の具体例としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ペンタノイル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
で表される炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基を構成するアルコキシ基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基であることが好ましく、炭素数1〜3のアルコキシ基であることがより好ましく、炭素数1〜2のアルコキシ基であることが更に好ましい。
炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基を構成するアルコキシ基は、直鎖アルコキシ基であっても分岐を有するアルコキシ基であっても環状構造を有するアルコキシ基であってもよく、直鎖アルコキシ基又は分岐を有するアルコキシ基であることが好ましい。
炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基を構成するアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、シクロプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、シクロブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、2−メチルブトキシ基、ネオペンチルオキシ基、1−エチルプロポキシ基、シクロペンチルオキシ基、n−へキシルオキシ基、4−メチルペンチルオキシ基、3−メチルペンチルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、1−メチルペンチルオキシ基、3,3−ジメチルブトキシ基、2,2−ジメチルブトキシ基、1,1−ジメチルブトキシ基、1,2−ジメチルブトキシ基、1,3−ジメチルブトキシ基、2,3−ジメチルブトキシ基、2−エチルブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。
で表される炭素数2〜7のアルキルアミノカルボニル基又は炭素数3〜13のジアルキルアミノカルボニル基を構成するアルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜3のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜2のアルキル基であることが更に好ましい。
炭素数2〜7のアルキルアミノカルボニル基又は炭素数3〜13のジアルキルアミノカルボニル基を構成するアルキル基は、直鎖アルキル基であっても分岐を有するアルキル基であっても環状構造を有するアルキル基であってもよく、直鎖アルキル基又は分岐を有するアルキル基であることが好ましい。
炭素数2〜7のアルキルアミノカルボニル基又は炭素数3〜13のジアルキルアミノカルボニル基を構成するアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、ネオペンチル基、1−エチルプロピル基、シクロペンチル基、n−へキシル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
で表される炭素数3〜13のジアルキルアミノカルボニル基を構成する2つのアルキル基は、同じであってもよく、異なっていてもよい。また、2つのアルキル基が互いに結合して環状構造を形成してもよい。
としては、水素原子又は炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基であることが好ましく、水素原子又はエトキシカルボニル基であることがより好ましい。
で表される炭素数1〜6のアルキル基は、直鎖アルキル基であっても分岐を有するアルキル基であっても環状構造を有するアルキル基であってもよく、直鎖アルキル基又は分岐を有するアルキル基であることが好ましい。
で表されるアルキル基の炭素数は、1〜3であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが更に好ましい。
で表される炭素数1〜6のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、ネオペンチル基、1−エチルプロピル基、シクロペンチル基、n−へキシル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
で表されるハロゲン原子の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられる。
の置換位置は特に限定されるものではない。Rの置換位置は、一般式(1)のベンゼン環におけるL1の結合した炭素を基準として、オルト位であってもメタ位であってもパラ位であってもよく、パラ位であることが好ましい。
としては、メチル基、又はエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
nは0又は1を示し、1が好ましい。
L1は、カルボニル基又はスルホニル基を示す。上記の中でも、抗菌性の観点から、スルホニル基が好ましい。
本開示のジヨードメタン化合物としては、例えば、ジヨードメチル−p−トリルスルホン(以下、DMTSともいう)、ジヨードメチル−o−トリルスルホン、ジヨードメチル−m−トリルスルホン、ジヨードメチル−p−クロロフェニルスルホン、ジヨードメチル−p−ブロモフェニルスルホン、ジヨードメチル−p−エチルフェニルスルホン、ジヨードメチル−p−プロピルフェニルスルホン、ジヨードメチルフェニルケトン、ジヨードメチル(4−メチルフェニル)ケトン、ジヨードメチル(4−クロロフェニル)ケトン、メチル 2,2−ジヨード−3−オキソ−3−フェニルプロピオネート等が挙げられる。上記の中でも、良好な抗菌性を得る観点から、ジヨードメチル−p−トリルスルホン、ジヨードメチル−o−トリルスルホン、ジヨードメチル−m−トリルスルホン、ジヨードメチル−p−クロロフェニルスルホンが好ましく、ジヨードメチル−p−トリルスルホンがより好ましい。
本開示におけるジヨードメタン化合物は市販品を用いてもよく、市販品としては、例えば、ヨートルDP95(三井化学株式会社製)等が挙げられる。
本開示の水溶液において、ジヨードメタン化合物の濃度は10mg/mL〜80mg/mLである。
なお、本開示において「ジヨードメタン化合物の濃度」は、水溶液1mLに溶解されているジヨードメタン化合物のmg数を意味する。
ジヨードメタン化合物の濃度が80mg/mL以下であることで、本開示の水溶液中のジヨードメタン化合物を良好にシクロデキストリン誘導体に包接させることができるため、ジヨードメタン化合物の水溶性を向上させることができる。その結果、良好な抗菌性を得ることができる。
上記同様の観点から、水溶液におけるジヨードメタン化合物の濃度が60mg/mL以下であることが好ましく、50mg/mLであることがより好ましく、40mg/mL以下であることがさらに好ましく、35mg/mL以下であることが特に好ましい。
また、ジヨードメタン化合物の濃度が10mg/mL以上であることで、良好な抗菌性を得ることができる。
上記同様の観点から、水溶液におけるジヨードメタン化合物の濃度が20mg/mL以上であることが好ましく、25mg/mL以上であることがより好ましい。
ジヨードメタン化合物の濃度は、以下の方法により測定する。
水溶液中のジヨードメタン化合物の濃度を、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)を用いて下記の方法により求める。
水溶液中のジヨードメタン化合物の濃度は、予め作成した絶対検量線に基づいて求める。なお、上記絶対検量線は、水溶媒にDMTSを溶解させた溶液についてHPLC分析を行った場合における、溶液中のジヨードメタン化合物の濃度と、ピークのArea%と、の関係を示すグラフである。
HPLCの条件は、以下の通りである。
−HPLCの条件−
・カラム: (株)ワイエムシィ製「YMC−Pack ODS−A」(150×6mm)
・移動相: アセトニトリル:HO(0.1質量%トリフルオロ酢酸)=5:5→10:0 Over 15min、retention 10min、流速0.5mL/min
・温度:40℃
・検出波長:230nm
<シクロデキストリン誘導体>
本開示の水溶液は、シクロデキストリン誘導体を含有する。
これによって、本開示におけるシクロデキストリン誘導体及び上記ジヨードメタン化合物は、シクロデキストリン誘導体がジヨードメタン化合物を包接する包接化合物として存在することができるため、ジヨードメタン化合物の水溶性を向上させることができる。
なお、本開示においてシクロデキストリン誘導体とは、置換基を有するシクロデキストリンを指す。
シクロデキストリン誘導体における置換基としては、アルキル基、ヒドロキシアルキル基等が挙げられる。
上記アルキル基及びヒドロキシアルキル基における炭素数は1〜10が好ましく、1〜3がより好ましく、1がさらに好ましい。
本開示におけるシクロデキストリン誘導体としては、α−、β−及びγ−シクロデキストリン誘導体のいずれでもよく、これらの混合物でもよい。
上記の中でも、ジヨードメタン化合物の良好な包接性の観点から、β−シクロデキストリン誘導体が好ましい。
本開示におけるシクロデキストリン誘導体としては、メチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、メチル−γ−シクロデキストリン、メチル−α−シクロデキストリン等が挙げられる。
ジヨードメタン化合物の水溶性を向上させることで良好な抗菌性を有する水溶液を得る観点から、上記の中でも、メチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンが好ましく、メチル−β−シクロデキストリンがより好ましい。
本開示の水溶液は、水及びβ−シクロデキストリン誘導体の全量に対するβ−シクロデキストリン誘導体の含有量が、10質量%〜58質量%であることが好ましい。
水及びβ−シクロデキストリン誘導体の全量に対するβ−シクロデキストリン誘導体の含有量が10質量%以上であることで、β−シクロデキストリン誘導体が良好にジヨードメタン化合物を包接することができ、ジヨードメタン化合物の水溶性を向上させることができる。
上記の観点から、水及びβ−シクロデキストリン誘導体の全量に対するβ−シクロデキストリン誘導体の含有量が、15質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることがさらに好ましい。
また、水及びβ−シクロデキストリン誘導体の全量に対するβ−シクロデキストリン誘導体の含有量が58質量%以下であることで、水溶液の粘度が低下するため、水溶液の攪拌効率を向上させることができる。また製造コストを低減させることができる。
上記の観点から、水及びβ−シクロデキストリン誘導体の全量に対するβ−シクロデキストリン誘導体の含有量が、45質量%以下であることがより好ましく、35質量%以下であることがさらに好ましい。
β−シクロデキストリン誘導体としては、市販品を用いてもよく、例えば、CAVASOL W7 M(メチル−β−シクロデキストリン、シクロケム社製)、CAVASOL W7 HP(ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、シクロケム社製)、化学修飾サイクロデキストリン メチル−β−CD(塩水港精糖社製)、化学修飾サイクロデキストリン HP−β−CD(塩水港精糖社製)、セルデックス HP−β−CD(日本食品化工社製)等を用いることができる。
<水>
本開示の水溶液は、水を含む。
本開示における水は、イオン交換水等を用いることができる。
水溶液の全量に対する水の含有量としては、42質量%以上が好ましく、55質量%以上がより好ましい。
水溶液中の水の含有量の上限としては特に制限はなく、水溶液の全量に対する水の含有量として、99質量%以下としてもよく85質量%以下としてもよい。
(着色防止剤)
本開示の水溶液は、着色防止剤として、上記ジヨードメタン化合物及びβ−シクロデキストリン誘導体に加えて、さらに下記式1で表される化合物、及び、下記式2で表される化合物の少なくとも1つを含有することが好ましい。
これによって、本開示の水溶液は色味を良好に抑制することができる。
式1中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキル基、アルキニル基又はアルケニル基を表す。
式2中、A1及びA2は、それぞれ独立に、−O、−S、又は−OHを表す。但し、A1及びA2の内、少なくとも1つは−Oである。
式2中、Xは、スルホニル基、スルフィニル基又はジスルフィニル基を表し、Bは1価のアルカリ金属イオン又は2価のアルカリ土類金属イオンを表し、l及びnは1又は2を表し、mは1−又は2−を表す。
但し、A1及びA2の内、一方が−OHであり、他方が−O又は−Sであることにより、mが1−である場合、lは1でありBは1価のアルカリ金属イオンでありnは1である、又は、lは2でありBは2価のアルカリ土類金属イオンでありnは1である。
また、A1及びA2が、それぞれ独立に、−O又は−Sであることにより、mが2−である場合、lは1でありBは2価のアルカリ土類金属イオンでありnは1である、又は、lは1でありBは1価のアルカリ金属イオンでありnは2である。
上記式1によって表される化合物としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−iso−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、メチルビニルケトン、好ましくはアセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン等が挙げられる。
上記の中でも、着色防止性の観点から、アセトンが好ましい。
上記式2で表される化合物としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素カリウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、亜硫酸マグネシウム、亜硫酸水素マグネシウム、チオ硫酸マグネシウム、ハイドロサルファイトナトリウム、ハイドロサルファイトカリウム、ハイドロサルファイトマグネシウム等が挙げられる。
上記の中でも、着色防止性の観点から、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素カリウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、亜硫酸マグネシウム、亜硫酸水素マグネシウム及びチオ硫酸マグネシウムが好ましく、チオ硫酸ナトリウムがより好ましい。
上記の化合物を含有する場合に色味が抑制される理由は以下のように推測される。
本開示の水溶液が上記式1又は上記式2で表される化合物を含む場合には、水溶液中にわずかに存在する色味成分と反応することにより、水溶液の色味が抑制されると推測される。
上記の中でも、色味を抑制する観点から、本開示の水溶液は、アセトン及びチオ硫酸ナトリウムの少なくとも1種を含むことがより好ましく、アセトンを含むことがさらに好ましい。
着色防止剤の含有量としては、色味抑制の観点から、ジヨードメタン化合物の全量に対して、上記式1で表される化合物の場合には1質量%〜80質量%が好ましく、10質量%〜70質量%がより好ましい。上記式2で表される化合物の場合には0.1質量%〜40質量%が好ましく、0.3質量%〜20質量%がより好ましい。
<抗菌剤>
本開示の抗菌剤は、本開示の水溶液を含むことが好ましい。
即ち、本開示の水溶液は優れた抗菌作用を有するため、抗菌剤として用いることが好適である。
本開示の水溶液は、抗菌剤として種々の用途に用いることができる。
上記用途としては、本開示の抗菌剤を含む細菌やカビが発生する製品全てを含み、例えば、塗料、壁紙、接着剤、壁用ボード、タイル、セメント、コンクリート、樹脂成型体(プラスチック類等)、繊維(衣類・布団等)、紙・パルプ製品、陶磁器(食器類等)、洗浄剤 などの各種工業用製品類や、化粧品、トイレタリー製品、殺菌消毒剤、防臭剤、防腐剤、洗剤などの日用品を包含するものが挙げられる。
上記の中でも、本開示の抗菌剤を含む塗料、壁紙、接着剤、樹脂成型体(プラスチック類等)、繊維(衣類・布団等)、陶磁器(食器類等)、紙・パルプ製品、洗浄剤、防臭剤、防腐剤が好適である。
本開示の抗菌剤を適用できる微生物としては、例えば細菌としては、Klebsiella pneumonia(肺炎桿菌)、Bacillus subtilis(枯草菌)、Bacillus cereus(セレウス菌)、Clostridium botulinum(ボツリヌス菌)、Clostridium tetani(破傷風菌)、Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)、Streptococcus pneumoniae(肺炎レンサ球菌)、MRSA(多剤耐性黄色ブドウ球菌)等のグラム陽性菌、Pseudomonas aeruginosa(緑膿菌)、Serratia marcescens(セラチア マルセッセンス菌)、Acinetobacter baumannii(多剤耐性アシネトバクター菌)、Escherichia coli(大腸菌)、egionella pneumophila(レジオネラ菌)、Methylobacterium(メチロバクテリウム属)等のグラム陰性菌が挙げられる。Aspegillus niger、Penicillium citrinum、Cladosporium cladosporioides等のカビ、Candida albicans、Saccharomyces cerevisiae等の酵母、Corynebacterium glutamicum、Mycobacterium bovis等の放線菌などが挙げられる。
<水溶液の製造方法>
本開示の水溶液の製造方法としては、例えば、反応器に、β−シクロデキストリン誘導体(例えば、メチル−β−シクロデキストリン)と希釈溶媒である水(100mL)とを装入した後、着色防止剤(例えばアセトン)とジヨードメタン化合物(例えばジヨードメチル−p−トリルスルホン)とを添加し、加熱攪拌する。その後、加圧ろ過を行うことで、本開示の水溶液を含む水溶液を製造することができる。
上記着色防止剤を添加する時期は、特に制限はなく、適宜選択できる。例えば、上記着色防止剤を添加する時期は、β−シクロデキストリン誘導体等が添加される際、上記加熱撹拌が行われる際、加圧ろ過が行われた後であってもよい。
撹拌温度は、所望のジヨードメタン化合物の濃度によって調整することができるが、30℃〜130℃としてもよく、40℃〜100℃としてもよい。
撹拌時間は、所望のジヨードメタン化合物の濃度によって調整することができるが、3時間〜7時間としてもよく、4時間〜6時間としてもよい。
以下、本開示を実施例により更に具体的に説明するが、本開示はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
<水溶液の調製>
(実施例1)
以下に記載の方法により、水、ジヨードメタン化合物及びβ−シクロデキストリン(以下、βCDともいう。)誘導体を含有する水溶液を調製した。
反応器(300mL)に、βCD誘導体であるM−βCD(メチル−β−シクロデキストリン、シクロケム社、商品名 CAVASOL W7 M、50g)と希釈溶媒としての水(100mL)とを装入した後、着色防止剤としてのアセトン(2.5mL)とジヨードメタン化合物としてのDMTS(ジヨードメチル−p−トリルスルホン、三井化学社、商品名 ヨートルDP95、5g)とを添加し、40℃で5時間攪拌した。その後、0.3MPa下で加圧ろ過を行い、本開示における水溶液を得た。
(実施例2〜実施例15、及び比較例6)
βCD誘導体又はβCDの種類、希釈溶媒の種類は表1に記載の通りとし、βCD誘導体又はβCD、及び、希釈溶媒の全量に対する、βCD誘導体又はβCDの含有量の比(単位:質量%、A/A+B)が、表1に記載の通りとなるようにβCD誘導体又はβCDの添加量及び希釈溶媒の添加量を調整し、ジヨードメタン化合物の全質量に対するアセトンの質量比が表1に記載の通りとなるようにアセトンの添加量を調整することで、ジヨードメタン化合物の濃度を表1に記載の濃度とした。
(比較例1)
ジヨードメタン化合物及びアセトンを添加せず、A/A+B、及び、撹拌温度を表1の通りに変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。
(比較例2〜比較例5、比較例7〜比較例9)
βCD誘導体又はβCD、及びアセトンを添加せず、表1に記載した種類の希釈溶媒を、ジヨードメタン化合物の濃度が表1に記載の濃度となるように添加し、攪拌温度を表1の通りに変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。
なお、比較例2〜比較例5及び比較例7の操作によって得られた溶液はDMSO(ジメチルスルホキシド)溶液ともいう。
<DMTSの濃度の測定>
各実施例及び比較例におけるDMTSの濃度を、以下の方法により測定した。結果を表1に記載した。
水溶液又はDMSO溶液中のDMTSの濃度を、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)を用いて下記の方法により求めた。
水溶液又はDMSO溶液中のDMTSの濃度は、予め作成した絶対検量線に基づいて求めた。なお、上記絶対検量線は、水溶媒にDMTSを溶解させた溶液についてHPLC分析を行った場合における、溶液中のDMTSの濃度と、ピークのArea%と、の関係を示すグラフであり、以下の方法で作成した。
アセトニトリル:水=1:1である溶媒を用いて、濃度の異なるDMTS溶液を3種類用意し、HPLCを用いてDMTSに相当するピークのArea%を算出した。その後、DMTS濃度を縦軸、得られたArea%を横軸として絶対検量線を作成した。
HPLCの条件は、以下の通りとした。
−HPLCの条件−
・カラム: (株)ワイエムシィ製「YMC−Pack ODS−A」(150×6mm)
・移動相: アセトニトリル:HO(0.1質量%トリフルオロ酢酸)=5:5→10:0 Over 15min、retention 10min、流速0.5mL/min
・温度:40℃
・検出波長:230nm
なお、本開示において「DMTSの濃度」は、水溶液又はDMSO溶液1mLに溶解されているDMTSのmg数を意味する。
<細菌に対する最小発育阻止濃度(MIC)及び最小殺菌濃度(MBC)>
1.前培養
(供試菌種)
I.Staphylococcus aureus(NBRC−12732、分与機関 独立行政法人 製品評価技術基盤機構、黄色ブドウ球菌)・・・実施例1〜実施例8、及び、比較例1〜比較例3
II.Escherichia coli(NBRC−3972、分与機関 独立行政法人 製品評価技術基盤機構、大腸菌)・・・実施例9〜実施例10、比較例4及び比較例5
上記I及びIIは、121℃20分でオートクレーブ滅菌した斜面培地(普通寒天培地)を用いて35℃にて12時間培養された供試菌種である。
III.Bacillus subtilis(NBRC−13719、分与機関 独立行政法人 製品評価技術基盤機構、枯草菌)・・・実施例11〜実施例12、及び、比較例7
上記IIIは、121℃20分でオートクレーブ滅菌した液体培地(トリプトソイ培地)を用いて30℃にて18時間培養された供試菌種である。
IV.Candida albicans(KSS−0246、分与機関 NPO法人カビ相談センター、カンジダ・アルビカンス)・・・実施例13〜実施例14、及び、比較例8
V.Saccharomyces cerevisiae(KSS−0627、分与機関 NPO法人カビ相談センター、酵母)・・・実施例15、及び、比較例9
上記IV及びVは、121℃20分でオートクレーブ滅菌した平板培地(トリプトソイ培地)を用いて30℃にて72時間培養された供試菌種である。
2.サンプル調製
上記で調製した実施例1〜実施例15又は比較例1〜比較例9に係る水溶液又はDMSO溶液を、121℃20分でオートクレーブ滅菌したLB培地に加えて、DMTSの最大濃度を1000ppmとして8段階の2倍希釈系列を作製した。なおジメチルスルホキシドの濃度は水溶液の抗菌性に対する溶媒の影響を少なくするため最大5質量%とした。
また、実施例13〜実施例15に係る水溶液について、上記に加えてさらに、DMTSの濃度の上限を16,000ppmとし、下限を0.122ppmとする2倍希釈系列を作製した。
3.菌液調製
実施例13〜実施例15以外の実施例及び比較例において、上記でサンプル調製した表1に記載の供試菌種を121℃20分でオートクレーブ滅菌したリン酸緩衝液に懸濁後、上記懸濁液のO.D.(Optical Density)を測定し、0.3〜0.5となるように調整した。
また、実施例13〜実施例15において、上記でサンプル調製した表1に記載の供試菌種を含む水溶液を、ヘモサイトメーターを用いて1×10/ml〜2×10/mlの菌液(即ち、菌数が1×10/ml〜2×10/mlである菌液)に調製した。
4.MIC測定試験
実施例1〜実施例15、比較例1〜比較例5、及び、比較例7〜比較例9について、以下のMIC測定試験を行った。
(i) 実施例1〜実施例10、比較例1〜比較例5、及び、比較例7〜比較例9では、各試験濃度に調整した化合物含有培地500μLにそれぞれ菌液を50μL接種し24時間35℃で培養した。
実施例11及び実施例12では、各試験濃度に調整した121℃20分でオートクレーブ滅菌した液体培地(トリプトソイ培地)5mLにそれぞれ菌液を100μL接種し48時間30℃で培養した。
実施例13〜実施例15では、各試験濃度に調整した121℃20分でオートクレーブ滅菌した液体培地(トリプトソイ培地)5mLにそれぞれ菌液を100μL接種し48時間72℃で培養した。
(ii) 目視にて菌の発育を確認し、発育のない最大希釈濃度をMIC値とした。
5.MBC測定試験
実施例1〜実施例10、及び、比較例1〜比較例5について、さらに、以下のMIC測定試験を行った。
(i) 上記、MIC測定を行った培地25μLを、DMTSの入っていない純粋な培地500μLに接種し、24時間35℃培養した。
(ii) 目視にて菌の発育を確認し、発育のない最大希釈濃度をMBC値とした。得られた結果を表1に示す。
<着色防止性>
各実施例及び比較例において得られた水溶液について、下記評価基準に従って着色防止性を評価した。
−評価基準−
A:水溶液の色味が視認できない。
B:水溶液の色味が視認できる。

表1における用語の詳細は以下の通りである。なお、表1中「−」は該当する成分又は値が存在しないことを意味する。
M−βCD・・・メチル−β−シクロデキストリン、シクロケム社、商品名 CAVASOL W7 M
HP−βCD・・・ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(CAVASOL W7 HP、株式会社シクロケム製)
βCD・・・β−シクロデキストリン(CAVASOL W7 M、株式会社シクロケム製)
表1に示す通り、実施例1〜実施例15は、MIC値及びMBC値が低く抗菌性に優れていた。
中でも、ジヨードメタン化合物の濃度が33mg/mL以上である実施例4は、ジヨードメタン化合物の濃度が33mg/mL未満である実施例2と比較して、より抗菌性に優れていた。
一方、ジヨードメタン化合物を含まない比較例1は、MIC値及びMBC値が高く、抗菌性に劣っていた。
βCD誘導体を用いなかった比較例2〜比較例5は、MIC値及びMBC値の少なくとも一方が高く抗菌性に劣っており、βCD誘導体でなく、無置換のβCDを用いた比較例6は、ジヨードメタン化合物の濃度が0.069mg/mLであり、ジヨードメタン化合物の濃度が10mg/mL以上の水溶液を得られなかった。

Claims (6)

  1. 水、ジヨードメタン化合物及びシクロデキストリン誘導体を含有し、
    前記ジヨードメタン化合物の濃度が10mg/mL〜80mg/mLである水溶液。
  2. 前記水及び前記シクロデキストリン誘導体の全量に対する前記シクロデキストリン誘導体の含有量が、10質量%〜58質量%である請求項1に記載の水溶液。
  3. 前記ジヨードメタン化合物が、ジヨードメチル−p−トリルスルホンである請求項1又は請求項2に記載の水溶液。
  4. 前記シクロデキストリン誘導体が、β−シクロデキストリン誘導体である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の水溶液。
  5. さらに、下記式1で表される化合物、及び、下記式2で表される化合物の少なくとも1つを含有する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の水溶液。

    式1中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキル基、アルキニル基又はアルケニル基を表す。

    式2中、A1及びA2は、それぞれ独立に、−O、−S、又は−OHを表す。但し、A1及びA2の内、少なくとも1つは−Oである。
    式2中、Xは、スルホニル基、スルフィニル基又はジスルフィニル基を表し、Bは1価のアルカリ金属イオン又は2価のアルカリ土類金属イオンを表し、l及びnは1又は2を表し、mは1−又は2−を表す。
    但し、A1及びA2の内、一方が−OHであり、他方が−O又は−Sであることにより、mが1−である場合、lは1でありBは1価のアルカリ金属イオンでありnは1である、又は、lは2でありBは2価のアルカリ土類金属イオンでありnは1である。
    また、A1及びA2が、それぞれ独立に、−O又は−Sであることにより、mが2−である場合、lは1でありBは2価のアルカリ土類金属イオンでありnは1である、又は、lは1でありBは1価のアルカリ金属イオンでありnは2である。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の水溶液を含む抗菌剤。
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