JP2020196165A - 液体吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】不吐出が生じているか否かと、ノズルからの液体の吐出についての不吐出以外の異常が発生しているか否かと、を区別して判定する。【解決手段】判定回路からの信号に基づいて、インクジェットヘッドの各ノズルが不吐出のであるか否かを判定する不吐出判定処理を実行し(S102)、その結果に基づいて不吐出が発生しているか否かを判定する(S103)。不吐出が発生していないときには(S103:NO)、ユーザが選択した場合に(S108:YES)テストパターンを記録し、テストパターンの色の情報に基づいて、ノズル内のインクに混色が発生しているか否かを判定する(S112)。【選択図】図7

Description

本発明は、ノズルから液体を吐出する液体吐出装置に関する。
ノズルから液体を吐出する液体吐出装置の一例として、特許文献1には、ノズルからインクを吐出して記録を行うプリンタが記載されている。特許文献1のプリンタでは、ノズルからインクを吐出させるようにヘッドを駆動し、このときの検出用電極における電位の変化に基づいて、ノズルからインクが吐出されたか否かを判定する。
特開2013-103464号公報
ここで、特許文献1のプリンタでは、ヘッドの同一面上に複数色のインクを吐出するノズルが形成されている。そのため、ある色のインクを吐出するノズル内に別の色のインクが流れ込み、上記ある色のインクを吐出するノズル内のインクに混色が発生してしまうことがある。上述の検出用電極における電位の変化に基づいては、ノズルからインクが吐出されたか否かを判定することはできるが、混色が発生しているか否かを判定することはできない。また、ノズルからインクが吐出されたか否かを判定することのできる特許文献1にプリンタにおいて、混色が発生しているか否かを判定しようとする場合、ノズルからインクが吐出されたか否かと、混色が発生しているか否かと、を区別して判定することが要求される。
本発明の目的は、ノズルからインクが吐出されない不吐出が発生しているか否かと、ノズルからの液体の吐出についての不吐出とは別の異常が発生しているか否かと、を区別して判定することが可能な液体吐出装置を提供することである。
本発明の液体吐出装置は、ノズルを有する液体吐出ヘッドと、制御部と、を備え、前記制御部は、前記ノズルから液体が吐出されない不吐出が発生しているか否かを判定するための第1情報と、前記ノズルからの液体の吐出についての前記不吐出とは別の異常が発生しているか否かを判定するための第2情報であって、前記不吐出が発生しているか否かによっても変化する第2情報と、 前記不吐出が発生しているか否かを判定することと前記別の異常が発生しているか否かを判定することとを含む異常判定を指示する異常判定指令と、が入力され、前記異常判定指令が入力されたときに、前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、前記不吐出が発生しているか否かと、前記別の異常が発生しているか否かと、を区別して判定する。
上記別の異常が発生しているか否かを判定する第2情報は、不吐出が発生しているか否かによっても変わる。本発明では、不吐出が発生しているか否かを判定するための第1情報と、第2情報とに基づいて、不吐出が発生しているか否かと、上記別の異常が発生しているか否かと、を区別して判定することができる。
第1実施形態に係るプリンタの概略構成図である。 図1のインクジェットヘッドの平面図である。 図2のIII−III線断面図である。 キャップ内に配置された検出用電極、及び、検出用電極と高電圧電源回路及び判定回路との接続関係を説明するための図である。 (a)はノズルからインクが吐出された場合の検出用電極の電圧値の変化を示す図であり、(b)はノズルからインクが吐出されなかった場合の検出用電極の電圧値の変化を示す図である。 プリンタの電気的構成を示すブロック図である。 異常判定指令が入力されたときの処理の流れを示すフローチャートである。 図7の不吐出判定処理の流れを示すフローチャートである。 (a)は、第1実施形態で記録されるテストパターンを示す図であり、(b)は、テストパターンの色の入力画面を説明するための図である。 第2実施形態の、異常判定指令が入力されたときの処理の流れを示すフローチャートである。 不吐出ノズルの数及び選択された基準色パターンと、異常判定の判定結果とを関連付けたテーブルを説明するための図である。 第3実施形態の、異常判定指令が入力されたときの処理の流れを示すフローチャートである。 (a)は、図12のパターン記録処理の流れを示すフローチャートであり、(b)は、記録されるテストパターンを示す図である。 第4実施形態の、異常判定指令が入力されたときの処理の流れを示すフローチャートである。 第4実施形態において、テストパターンの濃度の情報を入力させるための入力画面を説明するための図である。 変形例1において、異常判定指令が入力されたときの処理の流れを示すフローチャートである。 変形例2のプリンタの構成を示す図6相当のブロック図である。 変形例2において、異常判定指令が入力されたときの処理の流れを示すフローチャートである。 (a)は、変形例3で記録されるテストパターンを説明するための図であり、(b)は、変形例3におけるテストパターンの色の入力画面を説明するための図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の好適な第1実施形態について説明する。
<プリンタの全体構成>
図1に示すように、第1実施形態に係るプリンタ1(本発明の「液体吐出装置」)は、キャリッジ2、サブタンク3、インクジェットヘッド4(本発明の「液体吐出ヘッド」)、プラテン5、搬送ローラ6,7、メンテナンスユニット8などを備えている。
キャリッジ2は、走査方向に延びた2本のガイドレール11,12に支持されている。キャリッジ2は、図示しないベルトなどを介してキャリッジモータ86(図6参照)に接続されており、キャリッジモータ86を駆動させると、キャリッジ2がガイドレール11,12に沿って走査方向に移動する。なお、以下では、図1に示すように、走査方向の右側及び左側を定義して説明を行う。
サブタンク3は、キャリッジ2に搭載されている。ここで、プリンタ1は、カートリッジホルダ14を備えており、カートリッジホルダ14に4つのインクカートリッジ15が取り外し可能に装着されている。4つのインクカートリッジ15には、走査方向の右側に配置されたものから、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインク(本発明の「液体」)が貯留されている。サブタンク3は、4本のチューブ13を介してカートリッジホルダ14に装着された4つのインクカートリッジ15と接続されている。これにより、4つのインクカートリッジ15からサブタンク3に上記4色のインクが供給される。
インクジェットヘッド4は、キャリッジ2に搭載され、サブタンク3の下端部に接続されている。インクジェットヘッド4には、サブタンク3から上記4色のインクが供給される。また、インクジェットヘッド4は、その下面であるノズル面4aに形成された複数のノズル10からインクを吐出する。より詳細に説明すると、複数のノズル10は、走査方向と直交する搬送方向に配列されることによってノズル列9を形成しており、インクジェットヘッド4は、走査方向に並んだ4列のノズル列9を有する。複数のノズル10からは、走査方向の右側のノズル列9を構成するものから、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインクが吐出される。
プラテン5は、インクジェットヘッド4の下方に配置され、複数のノズル10と対向している。プラテン5は、走査方向に記録用紙Pの全長にわたって延び、記録用紙Pを下方から支持する。搬送ローラ6は、インクジェットヘッド4及びプラテン5よりも搬送方向の上流側に配置されている。搬送ローラ7は、インクジェットヘッド4及びプラテン5よりも搬送方向の下流側に配置されている。搬送ローラ6,7は、図示しないギヤなどを介して搬送モータ87(図6参照)に接続されている。搬送モータ87を駆動させると、搬送ローラ6,7が回転し、記録用紙Pが搬送方向に搬送される。
メンテナンスユニット8は、後述するように吸引パージを行って複数のノズル10からインクジェットヘッド4内のインクを排出させるためのものである。メンテナンスユニット8については後程詳細に説明する。
<インクジェットヘッド>
次に、インクジェットヘッド4について詳細に説明する。図2、図3に示すように、インクジェットヘッド4は、流路ユニット21と圧電アクチュエータ22とを備えている。
<流路ユニット>
流路ユニット21は、4枚のプレート31〜34が上からこの順に積層されることによって形成されている。プレート31〜33は、ステンレスなどの金属材料からなる。プレート34は、ポリイミドなどの合成樹脂材料からなる。
プレート34には、複数のノズル10が形成されている。複数のノズル10は、上述したような4列のノズル列9を形成している。そして、プレート34の下面が、インクジェットヘッド4のノズル面4aとなっている。プレート31には複数の圧力室40が形成されている。圧力室40は、走査方向を長手方向とする楕円の平面形状を有している。また、複数の圧力室40は、複数のノズル10に個別のものであり、走査方向の左側の端部がノズル10と上下方向に重なっている。これにより、プレート31には、複数の圧力室40が搬送方向に配列されることによってそれぞれ形成され、走査方向に並んだ4列の圧力室列29が形成されている。
プレート32には、各圧力室40の走査方向の右側の端部と上下方向に重なる部分に円形の貫通孔42が形成されている。また、プレート32には、各圧力室40の走査方向の左側の端部及びノズル10と上下方向に重なる部分に、円形の貫通孔43が形成されている。
プレート33には、4つのマニホールド流路41が形成されている。4つのマニホールド流路41は、4つの圧力室列29に対応している。マニホールド流路41は、搬送方向に延び、対応する圧力室列29を構成する複数の圧力室40の走査方向の右側の部分と上下方向に重なっている。これにより、各圧力室40が、貫通孔42を介してマニホールド流路41と連通する。また、各マニホールド流路41の搬送方向の上流側の端部には供給口39が設けられている。インクジェットヘッド4は、供給口39においてサブタンク3内の流路と接続されている。これにより、マニホールド流路41には、供給口39からインクが供給される。また、プレート33には、各貫通孔43及びノズル10と上下方向に重なる部分に、円形の貫通孔44が形成されている。これにより、各ノズル10が貫通孔43,44を介して圧力室40と連通する。
そして、流路ユニット21では、1つのノズル10と、このノズル10に対応する圧力室40及び貫通孔42〜44とによって、個別流路46が形成されている。そして、流路ユニット21は、このような個別流路46を複数備えている。
<圧電アクチュエータ>
圧電アクチュエータ22は、振動板51と、圧電層52と、共通電極53と、複数の個別電極54とを備えている。振動板51は、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との混晶であるチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電材料からなり、流路ユニット21の上面に配置され、複数の圧力室40を覆っている。なお、振動板51は、次に説明する圧電層52とは異なり、圧電材料以外の絶縁性材料からなるものであってもよい。
圧電層52は、上記圧電材料からなり、振動板51の上面に配置され、複数の圧力室40にわたって連続的に延びている。共通電極53は、振動板51と圧電層52との間に配置され、複数の圧力室40にわたって連続的に延びている。共通電極53は、図示しない配線部材などを介して図示しない電源回路に接続され、グランド電位に保持されている。
複数の個別電極54は、複数の圧力室40に個別のものである。個別電極54は、圧力室40よりも一回り小さい楕円の平面形状を有し、圧電層52の上面に配置され、圧力室40の中央部と上下方向に重なっている。また、個別電極54の走査方向の右側の端部は、圧力室40と上下方向に重ならない位置まで走査方向の右側に延び、その先端部が接続端子54aとなっている。接続端子54aには図示しない配線部材が接続され、個別電極54は、この配線部材を介してドライバIC59(図6参照)に接続されている。そして、ドライバIC59により、複数の個別電極54に個別に、グランド電位及び所定の駆動電位(例えば20V程度)のいずれかが選択的に付与される。
また、共通電極53及び複数の個別電極54がこのように配置されているのに対応して、圧電層52の共通電極53と各個別電極54とに挟まれた部分が、それぞれ、厚み方向に分極されている。そして、以上のような構造の圧電アクチュエータ22では、振動板51、圧電層52及び共通電極53の、各圧力室40と上下方向に重なる部分と、個別電極54とによって形成される部分が、それぞれ、圧力室40内のインクに圧力を付与する駆動素子50となっている。
ここで、圧電アクチュエータ22では、予め、各駆動素子50の個別電極54の電位が共通電極53と同じグランド電位に保持されている。各駆動素子50において、個別電極54の電位がグランド電位から駆動電位に切り換えられると、個別電極54と共通電極53との間の電位差により、圧電層52のこれらの電極に挟まれた部分に、分極方向と平行な厚み方向の電界が生じる。この電界により、圧電層52の上記部分が水平方向に収縮し、振動板51及び圧電層52の圧力室40と上下方向に重なる部分が全体として圧力室40側に凸となるように変形する。また、個別電極54の電位が駆動電位からグランド電位に切り換えられると、個別電極54と共通電極53とが同電位になり、振動板51及び圧電層52の圧力室40と上下方向に重なる部分が上記変形の前の状態に戻る。そして、個別電極54の電位をグランド電位と駆動電位との間で切り換えたときの、振動板51及び圧電層52の圧力室40と上下方向に重なる部分の変形により、圧力室40内の容積が変化して圧力室40内のインクに圧力が付与され、圧力室40に連通するノズル10からインクが吐出される。
<メンテナンスユニット>
次に、メンテナンスユニット8について説明する。図1に示すように、メンテナンスユニット8は、キャップ61と、吸引ポンプ62と、廃液タンク63とを備えている。キャップ61は、プラテン5よりも走査方向の右側に配置されている。そして、キャリッジ2を、プラテン5よりも走査方向の右側のメンテナンス位置に位置させると、複数のノズル10がキャップ61と対向する。
また、キャップ61は、キャップ昇降機構88(図6参照)によって昇降可能となっている。そして、キャリッジ2を上記メンテナンス位置に位置させて複数のノズル10とキャップ61とを対向させた状態で、キャップ昇降機構88によりキャップ61を上昇させると、キャップ61の上端部がノズル面4aに密着し、複数のノズル10がキャップ61に覆われる。なお、キャップ61はノズル面4aに密着することで複数のノズル10を覆うものであることには限られない。キャップ61は、例えば、インクジェットヘッド4のノズル面4aの周囲に配置される図示しないフレーム等に密着することで、複数のノズル10を覆うものであってもよい。
吸引ポンプ62はチューブポンプなどであり、キャップ61及び廃液タンク63と接続されている。そして、メンテナンスユニット8では、上述したように複数のノズル10がキャップ61によって覆われた状態で吸引ポンプ62を駆動させると、複数のノズル10からインクジェットヘッド4内のインクを排出させる、いわゆる吸引パージを行うことができる。インクジェットヘッド4から排出されたインクは廃液タンク63に貯留される。
なお、ここでは、便宜上、キャップ61が全てのノズル10をまとめて覆い、吸引パージにおいて、全てのノズル10からインクジェットヘッド4内のインクを排出させるものとして説明を行ったが、これには限られない。例えば、キャップ61が、ブラックインクを吐出する最も右側のノズル列9を構成する複数のノズル10を覆う部分と、カラーインク(イエロー、シアン、マゼンタのインク)を吐出する左側3列のノズル列9を構成する複数のノズル10を覆う部分とを別々に備えており、吸引パージにおいて、インクジェットヘッド4内のブラックインク及びカラーインクのいずれかを選択的に排出させることができるようになっていてもよい。あるいは、例えば、キャップ61が、ノズル列9毎に個別に設けられ、吸引パージにおいて、ノズル列9毎に個別に、ノズル10からインクを排出させることができるようになっていてもよい。なお、第1実施形態では、吸引パージを行うメンテンナンスユニット8が、本発明の「パージ手段」に相当する。
また、図4に示すように、キャップ61内には、矩形の平面形状を有する検出用電極66が配置されている。検出用電極66は、抵抗69を介して高電圧電源回路67に接続されている。そして、検出用電極66には、高電圧電源回路67により所定の正の電位(例えば300V程度)が付与される。一方で、インクジェットヘッド4の流路ユニット21は、グランド電位に保持されている。これにより、インクジェットヘッド4と検出用電極66との間に所定の電位差が生じる。検出用電極66には、判定回路68が接続されている。判定回路68は、検出用電極66から出力された電圧信号の電圧値と、閾値Vtとを比較し、その結果に応じた信号を出力する。
より詳細に説明すると、インクジェットヘッド4と、検出用電極66との間には電位差が生じているため、ノズル10から吐出されたインクは帯電している。キャリッジ2を上記メンテンナンス位置に位置させた状態で、ノズル10から検出用電極66に向けてインクを吐出させると、図5(a)に示すように、帯電したインクが検出用電極66に近づき、検出用電極66にインクが着弾するまで、検出用電極66の電圧値が上昇し、インクジェットヘッド4が駆動されていないときの電圧値V1と比べて高い電圧値V2に達する。そして、帯電したインクが検出用電極66に着弾した後、検出用電極66の電圧値が徐々に電圧値V1まで低下する。すなわち、インクジェットヘッド4の駆動期間Tdにおいて、検出用電極66の電圧値が変化する。
一方で、ノズル10からインクが吐出されていない場合には、図5(b)に示すように、インクジェットヘッド4の駆動期間Tdにおいて、検出用電極66から出力される電圧信号の電圧値は、電圧値V1からほとんど変化しない。そこで、判定回路68は、これらを区別するために閾値Vt(V1<Vt<V2)が設定されている。そして、判定回路68は、インクジェットヘッド4の駆動期間Tdにおいて、検出用電極66から出力される電圧信号の最大の電圧値と閾値Vtとを比較し、その判定結果に応じた信号を出力する。なお、第1実施形態では、検出用電極66と、高電圧電源回路67と抵抗69と判定回路68とを合わせたものが、本発明の「信号出力部」に相当する。そして、この信号出力部は、ノズル10からインクが吐出されたか否かによって、判定回路68から異なる信号を出力する。
また、ここでは、高電圧電源回路67により、検出用電極66に正の電位が付与されているが、高電圧電源回路67により、検出用電極66に負の電位(例えば−300V程度)が付与されていてもよい。この場合には、上述したのとは逆に、キャリッジ2を上記メンテンナンス位置に位置させた状態で、ノズル10から検出用電極66に向けてインクを吐出させると、帯電したインクが検出用電極66に近づき、検出用電極66にインクが着弾するまで、検出用電極66の電圧値が低下する。
<プリンタの電気的構成>
次に、プリンタ1の電気的構成について説明する。プリンタ1の動作は、制御装置80によって制御される。図6に示すように、制御装置80は、CPU(Central Processing Unit)81、ROM(Read Only Memory)82、RAM(Random Access Memory)83、フラッシュメモリ84、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)85などからなり、キャリッジモータ86、搬送モータ87、キャップ昇降機構88、高電圧電源回路67、吸引ポンプ62などの動作を制御する。また、制御装置80は、ドライバIC59を制御することによって、インクジェットヘッド4の圧電アクチュエータ22(複数の駆動素子50)を制御する。
また、制御装置80には、判定回路68からの信号が入力される。これにより、制御装置80には、判定回路68からの信号に基づく、ノズル10からインクが吐出されたか否かの情報(本発明の「第1情報」)が入力される。また、プリンタ1は、上述した構成のほかに、表示部89と操作部90(本発明の「入力部」)とを備えている。表示部89は、液晶ディスプレイなどであり、制御装置80は、表示部89を制御して、表示部89にプリンタ1の動作に必要な情報を表示させる。操作部90は、ボタン、表示部89に設けられたタッチパネルなどである。ユーザにより操作部90が操作されると、その操作結果に応じた信号が制御装置80に入力される。
なお、制御装置80は、CPU81のみが各種処理を行うものであってもよいし、ASIC85のみが各種処理を行うものであってもよいし、CPU81とASIC85とが協働して各種処理を行うものであってもよい。また、制御装置80は、1つのCPU81が単独で処理を行うものであってもよいし、複数のCPU81が処理を分担して行うものであってもよい。また、制御装置80は、1つのASIC85が単独で処理を行うものであってもよいし、複数のASIC85が処理を分担して行うものであってもよい。
<記録時の制御>
次に、プリンタ1において、記録用紙Pに記録を行うときの処理について説明する。記録用紙Pに記録を行うときには、制御装置80は、キャリッジモータ86を制御して、キャリッジ2を走査方向に移動させつつ、インクジェットヘッド4を制御して複数のノズル10から記録用紙Pに向けてインクを吐出させる記録パスと、搬送モータ87を制御して、搬送ローラ6,7に記録用紙Pを搬送方向に搬送させる搬送動作とを、画像の記録が完了するまで交互に繰り返す。そして、画像の記録の完了後、制御装置80は、搬送モータ87を制御して、搬送ローラ6,7に記録用紙Pを搬送方向に搬送させることで、記録用紙Pを排出させる。
<吐出の異常判定の制御>
次に、プリンタ1において、複数のノズル10からのインクの吐出についての異常が発生しているか否かを判定するときの処理について説明する。プリンタ1では、例えば、ユーザによる操作部90の操作によって、制御装置80に、複数のノズル10からのインクの吐出についての異常が発生しているか否かを判定することを指示する異常判定指令を入力することができる。
ここで、第1実施形態では、以下に説明するように、上記異常が発生しているか否かとして、ノズル10からインクが吐出されない不吐出が発生しているか否かと、ノズル10内に、吐出するインクとは別の色のインクが流れ込むことで、ノズル10から吐出されるインクの色に異常が生じる混色(本発明の「別の異常」)が発生しているか否かを判定する。ここで、第1実施形態では、1つのノズル面4aに4色のインクを吐出するノズル10が配置されているため、ノズル10内に別の色のインクが流れ込んで上記混色が発生することがある。
第1実施形態では、制御装置80は、異常判定指令が入力されたときに、図7のフローに沿って処理を行う。より詳細に説明すると、異常判定指令が入力されたときに、制御装置80は、まず、前回不吐出が発生していないと判定されてからの経過時間Tが所定時間Th以上であるか否かを判定する(S101)。経過時間Tが所定時間Th未満の場合には(S101:NO)、後述のS106に進み、経過時間Tが所定時間Th以上の場合には(S101:YES)、制御装置80は、続いて、不吐出判定処理を実行する(S102)。
不吐出判定処理では、図8に示すように、制御装置80は、まず、インクが吐出されない不吐出ノズルであるか否かの判定の対象となる対象ノズルを設定する(S201)。S201では、インクジェットヘッド4の複数のノズル10のうち、いずれかのノズル10を対象ノズルに設定する。例えば、最も右側のノズル列9を構成する複数のノズル10のうち、搬送方向の最も上流側のノズル10を対象ノズルに設定する。
続いて、制御装置80は、キャリッジ2を上記メンテナンス位置に位置させた状態で、対象ノズルから検出用電極66に向けてインクを吐出させるようにインクジェットヘッド4を駆動する(S202)。具体的には、対象ノズルに対応する駆動素子50を駆動させる。そして、このときに判定回路68から出力される信号の値に基づいて、対象ノズルが不吐出ノズルであるか否かを判定する(S203)。
続いて、制御装置80は、インクジェットヘッド4の全てのノズル10について、不吐出ノズルであるか否かの判定が完了していない場合には(S204:NO)、対象ノズルを変更し(S205)、S202に戻る。そして、全てのノズル10について、不吐出ノズルであるか否かの判定が完了したときに(S204:YES)、図7のフローに戻る。
S205では、対象ノズルを、不吐出ノズルであるか否かを判定していないいずれかノズル10に変更する。例えば、現在の対象ノズルが、あるノズル列9を構成する複数のノズル10のうち、搬送方向の最も下流側のノズル10以外のノズル10である場合には、対象ノズルを、現在の対象ノズルの搬送方向の下流側に隣接するノズル10に変更する。また、現在の対象ノズルが、あるノズル列9を構成する複数のノズル10のうち、搬送方向の最も下流側のノズル10である場合には、対象ノズルを、現在の対象ノズルを含むノズル列9の左側に隣接するノズル列9を構成する複数のノズル10のうち、搬送方向の最も上流側のノズル10に変更する。
図7に戻って、S102の不吐出判定処理の後、制御装置80は、不吐出が発生しているか否かを判定する(S103)。S103では、S102の不吐出判定処理において、1つ以上のノズル10が不吐出ノズルであると判定されたときに、不吐出が発生していると判定する。不吐出が発生している場合には(S103:YES)、上述の吸引パージを行わせて(S104)、処理を終了する。
不吐出が発生していない場合には(S103:NO)、制御装置80は、経過時間Tを0にリセットし(S105)、ユーザにテストパターンEの記録の要否を選択させるための画面を表示部89に表示させ(S106)、操作部90からのテストパターンEの記録の要否を選択する信号(本発明の「選択信号」)を受付可能な状態となる。
そして、制御装置80は、テストパターンEの記録の要否を選択する信号が入力されるまで待機する(S107:NO)。上記信号が入力されたときに(S107:YES)、入力された信号がテストパターンEを記録しないことを選択する信号である場合には(S108:NO)、そのまま処理を終了する。
入力された信号が、テストパターンEを記録することを選択する信号である場合には(S108:YES)、制御装置80は、続いて、パターン記録処理を実行する(S109)。S109のパターン記録処理では、上述の記録パスと搬送動作とを交互に繰り返し、記録パス毎にインクを吐出するノズル列9を切り換えることによって、図9(a)に示すような、4つのテストパターンEを記録させる。4つのテストパターンEは、それぞれ、矩形の塗りつぶしパターンであり、搬送方向に並んでいる。また、4つのテストパターンEは、搬送方向の下流側に配置されたものから、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインクによって記録されたものである。
続いて、制御装置80は、ユーザにテストパターンEの色の情報を入力させるための、図9(b)に示すような入力画面G1を表示部89に表示させ(S110)、操作部90からのテストパターンEの色の情報(本発明の「第2情報」)の信号を受付可能な状態となる。入力画面G1は、図の左右方向に1列に並んだ4つの基準色パターンR1〜R4と、これらを識別するための番号B1(図の「1」,「2」,「3」,「4」)とを有する。
基準色パターンR1〜R4は、例えば、図中最も左側の基準色パターンR1が、理想的な色(混色が発生していない場合の色)に最も近く、図中右側のものほど、基準色パターンR1の色との色差が大きい色となっている。そして、ユーザは、操作部90を操作して、上記4つの基準色パターンR1〜R4のうち、記録されたテストパターンEの色に最も近い基準色パターンを選択して、対応する番号B1を入力することによって、テストパターンEの色の情報の信号を入力することができる。
ここで、図9(b)では、1つのテストパターンE(1色のインク)についての基準色パターンR1〜R4及び番号B1のみを示しているが、実際には、4つのテストパターンE(4色のインク)の各々について基準色パターンR1〜R4及び番号B1を表示部89に表示させる。このとき、例えば、4つのテストパターンEの各々について基準色パターンR1〜R4及び番号B1を表示部89に同時に表示させる。この場合には、ユーザは、4つのテストパターンEのそれぞれについて、記録されたテストパターンEの色に最も近い基準色パターンを選択して、対応する番号B1を入力することによって、テストパターンEの色の情報を入力することができる。あるいは、1つのテストパターンEについての入力画面G1を表示部89に表示させ、上記のようにして当該1つのテストパターンEの色の情報が入力される毎に、表示部89に表示される画面を、別のテストパターンEに対応する入力画面G1に変更するようにしてもよい。
S110の後、制御装置80は、4つのテストパターンEの全てについて、テストパターンの色の情報の信号が入力されるまで待機し(S111:NO)、これらの信号が全て入力されたときに(S111:YES)、制御装置80は、入力された信号が示すテストパターンEの色の情報に基づいて、混色が発生しているか否かを判定する(S112)。
S112では、例えば、4つのテストパターンEの各々について、基準色パターンR1が選択されている場合には、対応するノズル列9を構成するノズル10において混色が発生していないと判定する。一方、4つのテストパターンEの各々について、基準色パターンR2,R3,R4のいずれかが選択されている場合には、対応するノズル列9を構成するノズル10において混色が発生していると判定する。これにより、テストパターンEの色と基準色パターンR1の色とに、一定以上の色差がない場合に混色が発生していないと判定され、一定以上の色差がある場合に混色が発生していると判定される。
なお、第1実施形態では、4色のインクの中の任意の異なる2色インクのうち、一方のインクの色が本発明の「第1色」に相当し、他方のインクの色が本発明の「第2色」に相当する。また、インクジェットヘッド4の複数のノズル10のうち、第1色のインクを吐出するノズル10が本発明の「第1ノズル」に相当し、第2色のインクを吐出するノズル10が本発明の「第2ノズル」に相当する。また、第1色のインクで記録されたテストパターンEが本発明の「第1テストパターン」に相当し、第2色のインクで記録されたテストパターンEが、本発明の「第2テストパターン」に相当する。また、第1色に対応する基準色パターンR1の色が、本発明の「第1基準色」に相当し、第2色に対応する基準色パターンR1の色が、本発明の「第2基準色」に相当する。
そして、混色が発生していないと判定した場合には(S112:NO)、そのまま処理を終了する。一方、混色が発生していると判定した場合には(S112:YES)、制御装置80は、混色が発生しているノズル列9の各々について、インクの排出量を決定する(S113)。S113では、基準色パターンR1との色差が大きい、図8(b)の右側の基準色パターンが選択されている場合ほどインクの排出量が多くなるように、インクの排出量を決定する。続いて、制御装置80は、混色が発生しているノズル列9に対応する駆動素子50を駆動して、複数のノズル10からインクジェットヘッド4内のインクを排出させるフラッシングを行わせ(S114)、処理を終了する。S114では、S113で決定した排出量のインクを排出させる。例えば、S113で決定した排出量に応じた回数、駆動素子50を駆動させる。なお、第1実施形態では、フラッシングを行う駆動素子50が、本発明の「排出手段」に相当する。
<効果>
第1実施形態では、テストパターンEは、混色が発生しているか否かを判定するためのパターンである。しかしながら、テストパターンEは、ノズル10から記録用紙Pに向けてインクを吐出することによって記録するものであるため、混色が発生しているか否かに加えて、不吐出が発生しているか否かによっても記録結果が変わる。
そこで、第1実施形態では、判定回路68からの信号から得られる、不吐出ノズルであるか否かの情報に基づいて、不吐出が発生しているか否かを判定する。そして、不吐出が発生していないと判定した場合に、テストパターンEを記録し、テストパターンEの記録結果に基づいて入力される、テストパターンEの色の情報に基づいて、混色が発生しているか否かを判定する。これにより、不吐出が発生しているか否かと、混色が発生しているか否かと、を区別して判定することができる。
また、不吐出が発生していないと判定されてからの経過時間が短い間は、不吐出が発生しない状態が維持されていると推定される。そこで、第1実施形態では、異常判定指令が入力されたときに、前回、不吐出が発生していないと判定してからの経過時間Tが所定時間Th未満の場合に、S102,S103の処理を経ずに不吐出が発生していないと判定し、S107以降のテストパターンEの記録のための処理に進む。これにより、ノズルからのインクの吐出させる不吐出判定処理を実行しない分、ノズルからの液体の吐出に異常が発生しているか否かの判定に必要な時間を短縮することができる。
また、プリンタ1で画像を記録する際に、ユーザによっては、ノズル10から正常にインクが吐出されて画像が記録されさえすれば、画像の色については高い品質を要求しないこともある。そこで、第1実施形態では、不吐出が発生していないと判定した後、テストパターンEを記録することを選択する信号が入力された場合にのみ、テストパターンEを記録し、テストパターンEの色の情報に基づいて混色が発生しているか否かを判定する。これにより、不吐出が発生していないことが確認されたときに、ユーザが必要と判断した場合にのみ、混色が発生しているか否かを判定することができる。
また、第1実施形態では、各ノズル列9(インクの色)について個別にテストパターンEを記録し、テストパターンEの記録結果に基づいて、各テストパターンEの色の情報が入力される。そして、各テストパターンの色と、対応する基準色パターンR1の色との色差に基づいて、混色が発生しているか否かを判定することができる。
また、混色については、個別流路46のうち、ノズル10とその近傍のインクが排出されれば解消される可能性が高い。これに対して、不吐出については、個別流路46のうち上記よりも広い範囲のインクが排出されないと解消されない可能性が高い。そこで、第1実施形態では、不吐出が発生していると判定したときには吸引パージを行い、混色が発生していると判定したときには、パージよりも排出量の少ないフラッシングを行う。これにより、混色が発生している場合にも、不吐出が発生している場合と同じ程度の量のインクを排出させる場合と比較して、ノズル10の吐出の異常を解消させるために排出させるインクの量を少なくすることができる。また、この場合には、ノズル10内に気泡が入り込むことによって不吐出が生じているような場合にも、吸引パージによって不吐出を確実に解消することができる。
また、テストパターンEの色(基準色パターンR1の色との色差)は、ノズル10内のインクにおける混色の程度によって変わる。そこで、第1実施形態では、混色が発生していると判断したときに、フラッシングにより、上記色差に応じた量のインクを排出させる。これにより、ノズル10内におけるインクの混色の程度に応じて、混色の解消に必要な量のインクを排出させることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の好適な第2実施形態について説明する。第2実施形態では、異常判定指令が入力されたときに、制御装置80が、図10のフローに沿って処理を行う。
より詳細に説明すると、異常判定指令が入力されたときに、制御装置80は、まず、変数Mを1にリセットしてから(S301)、第1実施形態のS102と同様の不吐出判定処理を実行する(S302)。変数Mの値は、フラッシュメモリ84に記憶されており、初期値が1に設定されている。続いて、制御装置80は、第1実施形態のS109,S110と同様に、パターン記録処理を実行し(S303)、ユーザにテストパターンの色の情報を入力させるための画面を表示部89に表示させる(S304)。
そして、制御装置80は、4つのテストパターンEの全てについてテストパターンEの色の情報の信号が入力されるまで待機し(S305:NO)、これらの信号が全て入力されたときに(S305:YES)、異常判定処理を実行する(S306)。
S306の異常判定処理では、S302の不吐出判定処理での判定結果から得られる不吐出ノズルの数、及び、S304で表示させた画面に応じて入力されたテストパターンの色(選択された基準色パターン)と、図11に示すテーブルとに基づいて、「正常」、「不吐出(小)」、「不吐出(中)」、「不吐出(大)」、「混色」、「誤検知」のいずれに該当するかを判定する。図11のテーブルは、不吐出ノズルの数、及び、テストパターンの色と、「正常」、「不吐出(小)」、「不吐出(中)」、「不吐出(大)」、「混色」、「誤検知」のいずれに該当するかと、を関連付けたものである。ここで、図11の「不吐出なし」は、不吐出ノズルがないことを示している。また、図11の「不吐出(小)」は、不吐出ノズルが存在し、且つ、不吐出ノズル数NfがNf1個以下であることを示している。また、図11の表の「不吐出(中)」は、不吐出ノズル数NfがNf1個より多く、且つ、Nf2個以下であることを示している。図11の表の「不吐出(大)」は、不吐出ノズル数NfがNf2個より多いことを示している。また、図11のテーブルのデータは、例えば、制御装置80のフラッシュメモリ84に予め記憶されている。
そして、S306の異常判定処理で「正常」に該当すると判定した場合には(S307:YES)、そのまま、処理を終了する。また、S306の異常判定処理で「誤検知」に該当すると判定した場合には(S307:NO,S308:YES)、変数Mが所定値Ma未満の場合には(S309:YES)、変数Mの値を1増加させたうえで(S310)、S304に戻る。一方、変数Mが所定値Ma以上の場合には(S309:NO)、制御装置80は、エラー画面を表示部89に表示させ(S311)、処理を終了する。
また、S306の異常判定処理で「不吐出(小)」、「不吐出(中)」、「不吐出(大)」、「混色」のいずれかに該当すると判定した場合には(S307:NO,S308:NO)、制御装置80は、クリーニング処理を実行する(S312)。S312では、S306の異常判定処理の結果に基づいて、吸引パージ及びフラッシングのいずれかを選択的に行う。
一例を挙げると、S302の不吐出判定処理での結果が、「不吐出(中)」又は「不吐出(大)」で、且つ、S306で「不吐出(中)」、「不吐出(大)」、「混色」のいずれかに該当すると判定された場合に、クリーニング処理において吸引パージを行わせる。また、S302の不吐出判定処理での結果が、「不吐出なし」又は「不吐出(小)」で、且つ、S306で「混色」に該当すると判定された場合に、クリーニング処理においてフラッシングを行わせる。また、S306で「不吐出(小)」に該当すると判定された場合には、クリーニング処理において吸引パージ及びフラッシングのいずれをも行わせない。
また、別の一例を挙げると、S302の不吐出判定処理での結果が、「不吐出(大)」の場合に、クリーニング処理において吸引パージを行わせる。また、S302の不吐出判定処理での結果が、「不吐出なし」、「不吐出(小)」及び「不吐出(中)」のいずれかで、且つ、S306で「混色」に該当すると判定された場合に、クリーニング処理においてフラッシングを行わせる。また、S306で「不吐出(小)」又は「不吐出(中)」に該当すると判定された場合には、クリーニング処理において吸引パージ及びフラッシングのいずれをも行わせない。
<効果>
第1実施形態でも説明したように、テストパターンEは、混色が発生しているか否かに加えて、不吐出が発生しているか否かによっても記録結果が変わる。そこで、第2実施形態では、判定回路68からの信号から得られる、不吐出ノズルであるか否かの情報、及び、テストパターンEの色の情報と、図11のテーブルとに基づいて、「正常」、「不吐出(小)」、「不吐出(中)」、「不吐出(大)」、「混色」、「誤検知」のいずれに該当するかを判定する。これにより、不吐出が発生しているか否かと、混色が発生しているか否かと、を区別して判定することができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の好適な第3実施形態について説明する。第3実施形態では、異常判定指令が入力されたときに、制御装置80が、図12のフローに沿って処理を行う。
より詳細に説明すると、異常判定指令が入力されたときに、制御装置80は、第1実施形態のS101〜S108と同様のS401〜S408の処理を実行する。
ここで、第3実施形態では、プリンタの製造段階において、記録用紙Pへの記録時のノズル10からのインクの吐出タイミングが、所定の基準タイミングに設定されている。そして、S404の吸引パージを行わせたときには、その後、記録用紙Pへの記録時のノズル10からのインクの吐出タイミングを、基準タイミングにリセットする(S409)。
また、テストパターンを記録することを選択する信号が入力された場合に(S408:YES)、制御装置80は、複数のテストパターンUを記録させるパターン記録処理を実行する(S410)。
S410のパターン記録処理では、図13(a)に示すように、制御装置80は、まず、変数Mを1にリセットする(S501)。続いて、制御装置80は、4つのテストパターンUに対応する4つの第1部分U1を記録させる(S502)。より詳細に説明すると、S502では、制御装置80は、キャリッジモータ86を制御してキャリッジ2を走査方向の左側(本発明の「一方側」)に移動させつつ、インクジェットヘッド4に各ノズル列9を構成する複数のノズル10からそれぞれインクを吐出させることによって、図13(b)に示すように、それぞれが搬送方向と平行に延び、走査方向に並んだ、4つのテストパターンUに対応する4つの第1部分U1を記録させる。ここで、4つのテストパターンU(第1部分U1及び後述の第2部分U2)は、図13(b)の右側に位置するものから順に、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインクを吐出するノズル10から吐出されたインクによって記録されたものである。
続いて、制御装置80は、4つのテストパターンUに対応する4つの第2部分U2を記録させる(S503)。より詳細に説明すると、S503では、制御装置80は、キャリッジモータ86を制御してキャリッジ2を走査方向の右側(本発明の「他方側」)に移動させつつ、インクジェットヘッド4に各ノズル列9を構成する複数のノズル10からインクを吐出させることによって、それぞれが搬送方向に対して傾いて延び、対応する第1部分U1と交差する4つの第2部分U2を記録させる。
そして、S502,S503によって、交差する第1部分U1と第2部分U2とによってそれぞれ形成される4つのテストパターンUが記録される。また、S502及びS503のいずれかにおいて、これら4つのテストパターンUに対して共通の識別用の番号B2を記録させる。
続いて、制御装置80は、変数Mが所定値Mh(≧2)でない場合には(S504:NO)、搬送処理を実行する(S505)S505の搬送処理では、制御装置80は、搬送モータ87を制御して、搬送ローラ6,7に記録用紙Pを、搬送方向に、テストパターンUの長さよりも長い所定距離搬送させる。
続いて、制御装置80は、第2部分U2の記録時のノズル10からのインクの吐出タイミングを変更し(S506)、変数Mを1増加させてから(S507)、S502に戻る。S506では、例えば、第2部分U2の記録時のノズル10からのインクの吐出タイミングを、現在の吐出タイミングから所定時間遅れたタイミングに変更する。
そして、このように処理を行うことにより、変数Mが所定値Mhとなるまでは、S502,S503によるテストパターンU及び番号B2の記録が繰り返され、図13(b)に示すように、記録用紙Pに、走査方向に並ぶ4つのテストパターンU及び番号B2の組が、搬送方向にMh組並んで記録される。なお、図13(b)はMh=5の場合の一例を示している。
また、S506で、第2部分U2を記録するときの吐出タイミングを変更しているため、搬送方向に並ぶ、同じノズル列9を構成する複数のノズル10から吐出されたインクによって記録されたMh個のテストパターンU間で、第1部分U1と第2部分U2との走査方向の位置関係が異なる。これにより、これらMh個のテストパターンU間で、第1部分U1と第2部分U2の中心を基準とする、第1部分U1と第2部分U2との交点Xの搬送方向の位置が異なる。
そして、S503の第2部分U2に記録後に、変数Mが所定値Mhである場合には(S504:YES)、制御装置80は、排紙処理を実行し(S508)、図12のフローに戻る。S508の排紙処理では、制御装置80は、搬送モータ87を制御して、搬送ローラ6,7に記録用紙Pを排出させる。
図12に戻って、S410パターン記録処理の後、制御装置80は、続いて、ユーザにテストパターンUを選択させるための画面を表示部89に表示させ(S411)、操作部90からのテストパターンUを選択する信号を受付可能な状態となる。S411では、例えば、4列のノズル列9(4色のインク)の各々について、搬送方向に並ぶMh個のテストパターンUの中から、交点Xが第1部分U1及び第2部分U2の中心に最も近いテストパターンUを選択して、対応する番号B2を入力させるための画面を表示部89に表示させる。
そして、制御装置80は、4列のノズル列9全てについての、テストパターンUを選択する信号が入力されるまで待機し(S412:NO)、これらの信号が全て入力されたときに(S412:YES)、4列のノズル列9の各々について、選択されたテストパターンUに基づいて、ノズル10からのインクの吐出速度の異常(本発明の「別の異常」)が発生しているか否かを判定する(S413)。そして、吐出速度の異常が発生していないと判定した場合には(S413:NO)、そのまま処理を終了する。一方、吐出速度の異常が発生していると判定した場合には(S413:YES)、制御装置80は、吐出速度に異常が発生しているノズル列9について、記録時の、ノズル10からのインクの吐出タイミングを補正し(S414)、処理を終了する。
S413の判定及びS414の吐出タイミングの補正について、具体的に説明する。例えば、S410のパターン記録処理では、ノズル10からのインクの吐出速度がある基準速度である場合に、搬送方向に並ぶ5つのテストパターンUのうち、搬送方向の中央に位置する「3」の番号B2に対応するテストパターンUにおいて、交点Xが第1部分U1及び第2部分U2の中心となるように、S502及びS503でのノズル10からのインクの吐出タイミングを設定する。したがって、吐出速度と基準速度との速度差が所定値未満である場合には、「3」の番号B2に対応するテストパターンUにおいて、交点Xが第1部分U1及び第2部分U2の中心に最も近くなる。これに対して、吐出速度と基準速度との速度差が所定値以上である場合には、「1」、「2」、「4」、「5」の番号B2に対応するテストパターンUにおいて、交点Xが第1部分U1及び第2部分U2の中心に最も近くなる。すなわち、第3実施形態では、選択されたテストパターンの情報が、吐出速度の情報(本発明の「第2情報」)となっている。
そして、S413では、4列のノズル列9の全てについて「3」に対応するテストパターンUが選択されている場合には、吐出速度の異常が発生していないと判定する。一方、いずれかのノズル列9について「1」、「2」、「4」、「5」に対応するテストパターンUが選択されている場合には、吐出速度の異常が発生していると判定する。すなわち、吐出速度と上記基準速度との速度差が所定値以上の場合に、吐出速度に異常が発生していると判定する。
また、S414では、「3」に対応するテストパターンUよりも搬送方向の下流側に位置する「1」、「2」のテストパターンUが選択されているノズル列9について、吐出タイミングを早めるように補正する。また、S414では、「3」に対応するテストパターンUよりも搬送方向の上流側に位置する「4」、「5」のテストパターンUが選択されているノズル列9について、吐出タイミングを遅らせるように補正する。また、このように吐出タイミングを補正するときに、「3」から離れたに対応するテストパターンUが選択されている場合ほど、吐出タイミングの補正量を大きくする。
<効果>
第3実施形態では、第1部分U1と第2部分U2との交点Xが第1部分U1及び第2部分U2の中心に最も近いテストパターンUが示す吐出速度の情報と、上記基準速度との速度差に基づいて、吐出速度に異常が発生しているか否かを判定することができる。
また、第3実施形態では、上記速度差に応じて、記録時のノズル10からのインクの吐出タイミングを補正することによって、キャリッジ2を走査方向の右側及び左側に移動させつつノズル10から記録用紙Pに向けてインクを吐出させるときに、記録用紙Pの走査方向における適切な位置にインクを着弾させることができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の好適な第4実施形態について説明する。第4実施形態では、異常判定指令が入力されたときに、制御装置80が、図14のフローに沿って処理を行う。
より詳細に説明すると、異常判定指令が入力されたときに、制御装置80は、まず、第1実施形態のS102と同様の不吐出判定処理を実行し(S601)、続いて、不吐出判定処理の結果に基づいて、ノズル列9毎に、不吐出ノズルの数N1の情報を取得する(S602)。
続いて、制御装置80は、パターン記録処理を実行して、テストパターンを記録させる(S603)。S603で記録させるテストパターンは、例えば、第1実施形態のテストパターンEと同様の、4列のノズル列9(4色のインク)に個別の塗りつぶしパターンである。
続いて、制御装置80は、図15に示すような、ユーザに、記録されたテストパターンの濃度の情報を入力させるための入力画面G2を表示部89に表示させ(S604)、操作部90からのテストパターンの濃度の情報の信号を受付可能な状態となる。入力画面G2は、図の左右方向に1列に並んだ4つの基準濃度パターンD1〜D4と、これらを識別するための番号B3とを有する。4つの基準濃度パターンD1〜D4は、例えば、最も左側の基準濃度パターンD1の濃度が、不吐出ノズルがない場合のテストパターンの濃度に最も近く、右側の基準濃度パターンほど濃度が薄くなっている。ここで、S603で記録されるテストパターンは、不吐出ノズルの数が多いほど濃度が薄くなる。したがって、右側の基準濃度パターンほど、不吐出ノズルの数が多い場合のテストパターンの濃度に近くなっている。また、第4実施形態でも、第1実施形態で説明したのと同様に、4つのテストパターン(4色のインク)の各々について、基準色パターンD1〜D4及び番号B3を表示部89に表示させる。
そして、制御装置80は、ユーザにより操作部90が操作されて、4つのテストパターンの濃度の情報の信号が全て入力されるまで待機し(S605:NO)、これらの信号が全て入力されたときに(S605:YES)、入力された信号に基づいて、ノズル列9毎にテストパターンの記録結果に基づく不吐出ノズルの数N2の情報を取得する(S606)。
続いて、制御装置80は、不吐出ノズルの数N1が所定値Na以下の場合には(S607:NO)、S613に進む。ここで、所定値Naの値は、例えば、フラッシュメモリ84に記憶され、初期値が0に設定されている。
一方、不吐出ノズルの数N1が所定値Naよりも大きい場合には(S607:YES)、続いて、制御装置80は、4つのノズル列9の各々について、不吐出ノズルの数N2から不吐出ノズルの数N1を差し引いた[N2−N1]が所定値Nbよりも大きいか否かを判定する(S608)。すなわち、不吐出ノズルの数N2が、不吐出ノズルの数N1よりも多く、且つ、その差が所定値Nbよりも大きいか否かを判定する。
そして、[N2−N1]が所定値Nb以下の場合には(S608:NO)、不吐出解消用クリーニング処理を実行し(S609)、[N2−N1]が所定値Nbよりも大きい場合には(S608:YES)、混色解消用クリーニング処理を実行する(S610)。
第4実施形態では、メンテナンスユニット8において、キャップをノズル列9毎に個別に設け、ノズル列9毎に個別に吸引パージを行うことができるようにする。そして、不吐出解消用クリーニング処理、及び、混色解消用クリーニング処理では、制御装置80は、吸引パージとフラッシングとを行わせる。ただし、混色解消用クリーニング処理では、不吐出解消用クリーニング処理よりも、フラッシングによるインクの排出量を少なくする。これにより、不吐出が発生しているか、混色が発生しているかに応じて、適切な量のインクを排出させることができ、不吐出が発生しているか、混色が発生しているかによらず同じ量のインクを排出する場合と比較して、インクの排出量を抑えることができる。
また、制御装置80は、S609の不吐出解消用クリーニング処理の後、ノズル列9毎に、不吐出ノズルの数N1から不吐出ノズルの数N2を差し引いた[N1−N2]が、所定値Nbよりも大きいか否かを判定する(S611)。すなわち、不吐出ノズルの数N1が、不吐出ノズルの数N2よりも多く、且つ、これらの差が所定値Nbよりも大きいか否かを判定する。
そして、[N1−N2]が所定値Nb以下の場合には(S611:NO)、そのままS613に進み、[N1−N2]が所定値Nbよりも大きい場合には(S611:YES)、S607の判定に使用する所定値Naを補正してから(S612)、S613に進む。S612では、例えば、所定値Naを現在の値よりも一定値大きい値に補正する。
ここで、不吐出ノズルの数N1が不吐出ノズルの数N2よりも大きい場合、例えば、ユーザが、不吐出ノズルの数が少ない場合や混色の程度が小さい場合には、極力クリーニングを行わないことを望んでいて、テストパターンの実際の濃度よりも濃度の濃い基準色パターンを選択していることが考えられる。そこで、[N1−N2]が所定値Nbよりも大きい場合には、上記のように、所定値Naを大きくなるように補正する。これにより、今後の異常判定指令が入力されたときのS607において、今回のS607よりも、不吐出ノズルの数N1がより多い場合にのみ、不吐出解消用クリーニング処理及び混色解消用クリーニング処理のいずれかが実行されるようになる。
S613では、制御装置80は、不吐出ノズルの数N1とN2との差の絶対値|N1−N2|が所定値Nb以下であるか否かを判定する。そして、|N1−N2|が所定値Nb以下である場合には(S613:YES)、変数Kを0にリセットして(S614)、処理を終了する。ここで、変数Kの値は、例えば、フラッシュメモリ84に記憶されており、初期値が0に設定されている。
|N1−N2|が所定値Nbよりも大きい場合(S613:NO)、制御装置80は、さらに、|N1−N2|が所定値Nc(>Nb)よりも大きいか否かを判定する(S615)。そして、|N1−N2|が所定値Ncよりも大きい場合には、S618に進む。
|N1−N2|が所定値Nc以下の場合には(S615:NO)、変数Kの値を1増加させる(S616)。続いて、制御装置80は、変数Kが所定値Kh以下であれば(S617:NO)、そのまま処理を終了し、変数Kが所定値Khよりも大きい場合には(S617:YES)、S618に進む。
S618では、制御装置80は、表示部89に、プリンタが故障している可能性がある旨を報知する画面を表示させる、故障通知処理を実行する。なお、第4実施形態では、表示部89が本発明の「報知部」に相当する。
<効果>
第4実施形態では、S603のパターン記録処理で記録されるテストパターンの濃度が、不吐出ノズルの数に対応している。一方で、このテストパターンの濃度は、不吐出ノズルの数に加えて、混色が発生しているか否かによっても変わる。これらのことから、第4実施形態では、不吐出判定処理の結果に基づいて得られる不吐出ノズルの数N1と、テストパターンの記録結果に基づいて得られる不吐出ノズルの数N2との差に基づいて、不吐出が発生しているか否かと、混色が発生しているか否かと、を区別して判定することができる。そして、不吐出が発生していると判定した場合には、不吐出解消用クリーニング処理を実行して不吐出を解消することができる。また、混色が発生していると判定した場合には、混色解消用クリーニング処理を実行して混色を解消することができる。
なお、上記の通り、第4実施形態の場合には、テストパターンの濃度は、不吐出ノズルの数に加えて、混色が発生しているか否かによっても変わる。すなわち、テストパターンの濃度の情報が、混色が発生しているか否かを判定するための、本発明の「第2情報」に相当する。
また、第4実施形態では、プリンタが故障していなければ、不吐出ノズルの数N1と不吐出ノズルの数N2との差|N1−N2|は、それほど大きなものとはならない(所定値Nb以下となる)。そのため、|N1−N2|があまりに大きい場合には、プリンタが故障している可能性が高い。そこで、第4実施形態では、|N1−N2|が所定値Ncよりも大きいときに、表示部89に、プリンタが故障している可能性がある旨を報知する画面を表示させる。
また、|N1−N2|が、所定値Nc以下であるが、これよりも小さい所定値Nbよりも大きいと判定される状況が連続して続く場合にも、プリンタが故障している可能性が高い。そこで、第4実施形態では、|N1−N2|が、所定値Nbよりも大きく且つ所定値Nc以下と判定される状況が連続して続いたときに、変数Kの値が増加するようにする。そして、変数Kの値が所定値Khを超えた場合に、表示部89に、プリンタが故障している可能性がある旨を報知する画面を表示させる。
<変形例>
以上、本発明の好適な第1〜第4実施形態について説明したが、本発明は第1〜第4実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載の限りにおいて様々な変更が可能である。
例えば、第1実施形態では、不吐出が発生していると判定したときに、吸引パージを行わせ、混色が発生していると判定したときに、フラッシングを行わせたが、これには限られない。
例えば、第1実施形態において、不吐出が発生していると判定したときに、吸引パージとフラッシングとを行わせ、混色が発生していると判定したときに、フラッシングを行わせてもよい。
あるいは、例えば、変形例1では、インクジェットヘッド4が、フラッシングとして、不吐出解消用フラッシング(本発明の「第1フラッシング」)と、混色解消用フラッシング(本発明の「第2フラッシング」)のいずれかを選択的に行うことができるように構成されている。混色解消用フラッシングは、不吐出解消用フラッシングよりも、ノズル10からのインクの排出量が少ない。例えば、不吐出解消用フラッシングと混色解消用フラッシングとで、駆動素子50を駆動するための駆動波形、駆動素子50の駆動回数、上述の駆動電位などを変えることで、インクの排出量を異ならせることができる。
そして、変形例1では、異常判定指令が入力されたときに、制御装置80が、図16のフローに沿って処理を行う。図16のフローにおけるS701〜S703,S705〜S712は、第1実施形態のS101〜S103,S105〜S112と同様である。そして、変形例1では、S703で不吐出が発生していると判定したときに(S703:YES)、不吐出解消用フラッシングを行わせて、不吐出ノズルからインクを排出させる(S704)。また、変形例1では、S712で混色が発生していると判定したときに(S712:YES)、混色解消用フラッシングを行わせる(S713)。
第1実施形態でも説明したように、混色については、個別流路46のうち、ノズル10とその近傍のインクが排出されれば解消される可能性が高い。これに対して、不吐出については、個別流路46のうち上記よりも広い範囲のインクが排出されないと解消されない可能性が高い。変形例1では、不吐出が発生していると判定したときには、インクの排出量の多い不吐出解消用フラッシングを行い、混色が発生していると判定したときには、インクの排出量の少ない混色解消用フラッシングを行う。これにより、混色が発生している場合にも、不吐出が発生している場合と同じ程度の量のインクを排出させる場合と比較して、ノズル10からのインクの吐出の異常を解消させるために排出させるインクの量を少なくすることができる。
また、変形例1では、S713の混色解消用フラッシングにおいて、不吐出解消用フラッシングよりもインクの排出量が少ない範囲で、第1実施形態と同様に、入力されたテストパターンEの色(基準色パターンR1の色との色差)に応じて、インクの排出量を異ならせてもよい。
また、第2実施形態において、S312のクリーニング処理において、吸引パージの代わりに不吐出解消用フラッシングを行わせ、フラッシングの代わりに混色解消用フラッシングを行わせてもよい。また、第3実施形態のS404の吸引パージの代わりに不吐出解消用フラッシングを行わせてもよい。
また、第1実施形態では、混色が発生していると判定したときに、テストパターンEの色と、基準色パターンR1の色との色差が大きいほど、フラッシングによるインクの排出量を多くしたが、これには限られない。例えば、メンテナンスユニット8において、キャップをノズル列9毎に個別に設け、ノズル列9毎に個別に吸引パージを行うことができるようにする。そして、混色が発生していると判定したときに、吸引パージによって、混色が発生しているノズル列9を構成するノズル10からインクを排出させるようにし、さらに、上記色差が大きい場合ほど、吸引パージによるインクの排出量を多くしてもよい。例えば、吸引ポンプ62の駆動時間等を変えることによって、吸引パージでのインクの排出量を変えることができる。なお、この場合には、吸引パージを行うメンテンナンスユニット8が、本発明の「排出手段」に相当する。
さらには、上記色差によってインクの排出量を変えることにも限られない。例えば、混色が発生していると判定した場合に、上記色差によらず一律の量のインクを排出させてもよい。
また、第1〜第4実施形態では、ユーザによる、操作部90の操作によって、テストパターンの記録結果に応じた信号の入力が行われていたが、これには限られない。
変形例2では、図17に示すように、プリンタ100が、プリンタ1と同様の構成のほかに、読取部101を備えている。読取部101はスキャナなどであり、画像の読取を行う。すなわち、プリンタ100は、記録用紙Pへの記録のほか、画像の読取なども可能ないわゆる複合機である。
そして、変形例2では、異常判定指令が入力されたときに、制御装置80が、図18のフローに沿って処理を行う。より詳細に説明すると、異常判定指令が入力されたときに、制御装置80は、第1実施形態のS101〜S109と同様のS801〜S809の処理を実行する。そして、制御装置80は、S809のパターン記録処理の後、表示部89に、テストパターンEの読取を促す画面を表示させる(S810)。この画面は、例えば、テストパターンEが記録された記録用紙Pを読取部101にセットしたうえで、操作部90を操作してテストパターンの読取を指示する読取指示の信号の入力することを、ユーザに指示するメッセージを含む画面である。
そして、制御装置80は、読取指示の信号が入力されるまで待機し(S811:NO)、読取指示の信号が入力されたときに(S811:YES)、読取部101に、テストパターンEの読取を行わせて、読取部101の読取結果に基づいて、テストパターンEの色の情報を取得する(S812)。
続いて、制御装置80は、S812で取得したテストパターンEの色の情報に基づいて、混色が発生しているか否かを判定する(S813)。S813では、S812で取得したテストパターンEの色と、基準となる色(例えば、第1実施形態の基準色パターンR1の色)とに、一定以上の色差がない場合に混色が発生していないと判定し、一定以上の色差がある場合に混色が発生していると判定する。
そして、混色が発生していないと判定した場合には(S813:NO)、そのまま処理を終了する。また、混色が発生していると判定した場合には(S813:YES)、第1実施形態のS113,S114と同様のS814,S815の処理を行う。
また、第2実施形態においても、S304,S305の処理の代わりに、読取部にテストパターンを読み取らせ、その結果を用いてS306の異常判定処理を行ってもよい。読取部にテストパターンを読み取らせる場合でも、例えば、ユーザが、テストパターンが記録された記録用紙Pを読取部にセットするときの記録用紙Pの向きを間違えた場合などに、上述の「誤検知」に該当すると判定されることがある。
また、第3実施形態においても、S411,S412の処理の代わりに、読取部にテストパターンを読み取らせ、その結果を用いてS306の異常判定処理を行ってもよい。また、第4実施形態においても、S604,S605の処理の代わりに、読取部にテストパターンを読み取らせ、その結果を用いて不吐出ノズルの数N2の情報を取得してもよい。
また、第1、第2実施形態では、4列のノズル列9(4色のインク)について個別にテストパターンを記録したが、これには限られない。
変形例3では、第1、第2実施形態のパターン記録処理において、図19(a)に示すような、搬送方向に並ぶ2つのテストパターンWを記録させる。テストパターンWは、異なる2色の塗りつぶし部分W1,W2が重なったものである。また、変形例3のパターン記録処理では、塗りつぶし部分W1を記録するときと、塗りつぶし部分W2を記録するときとで、計算上の記録用紙Pにおけるインクの着弾位置が重なるように、ノズル10からのインクの吐出タイミングを設定することにより、上述したようなテストパターンWを記録する。なお、図19(a)では、テストパターンWが2色の塗りつぶし部分W1,W2が重なったものであることをわかりやすくするために、塗りつぶし部分W1と塗りつぶし部分W2とを走査方向及び搬送方向にずらして図示しているが、実際には、塗りつぶし部分W1と塗りつぶし部分W2とは、走査方向及び搬送方向の位置が同じであり、完全に重なっている。
また、図19(a)に示す2つのテストパターンWのうち、搬送方向の下流側のテストパターンWでは、塗りつぶし部分W1,W2が、それぞれ、イエローインク及びシアンインクによって記録されたものである。また、図19(a)に示す22つのテストパターンWのうち、搬送方向の上流側のテストパターンWでは、塗りつぶし部分W1,W2が、それぞれ、シアンインク及びマゼンタインクによって記録されたものである。ただし、2つのテストパターンWにおける、塗りつぶし部分W1,W2のイエロー、シアン、マゼンタの色の組み合わせは、2つのテストパターンW間で組み合わせが異なっていれば、上述したものと別の組み合わせであってもよい。
そして、変形例3では、図19(b)に示すような、テストパターンWの色の情報を入力させるための入力画面G3を表示部89に表示させる。入力画面G3は、9つの基準色パターンQ1〜Q9と、これらを識別するための番号B4(図の「1」,「2」,「3」,・・,「8」,「9」)とを有する。
基準色パターンQ1〜Q9は、テストパターンWにおける2つの塗りつぶし部分W1,W2の2色が混ざった色のパターンであり、図の上下方向及び左右方向に3つずつ並んでいる。また、基準色パターンQ1〜Q9のうち、図中最も左側且つ最も上側の基準色パターンQ1が、理想的な色(2色のインクを吐出するノズル10のどちらにも混色が発生していない場合の色)に最も近い。
そして、基準色パターンQ1よりも図中右側の基準色パターンQ2,Q3,Q5,Q6,Q8,Q9は、塗りつぶし部分W1に対応するノズル10に混色が発生している場合の色に対応している。そして、図中右側に位置する基準色パターンの色ほど、混色の程度が大きい場合の色に対応し、基準色パターンQ1の色に対する色差が大きい。
また、基準色パターンQ1よりも図中下側の基準色パターンQ4〜Q9は、塗りつぶし部分W2に対応するノズル10に混色が発生している場合の色に対応している。そして、図中下側に位置する基準パターンの色ほど、混色の程度が大きい場合の色に対応し、基準色パターンQ1の色に対する色差が大きい。
そして、ユーザは、第1実施形態で説明したのと同様に、操作部7を操作して、上記4つの基準色パターンQ1〜Q9のうち、記録されたテストパターンWの色に最も近い基準色パターンを選択して、対応する番号B4を入力することによって、テストパターンWの色の情報を入力することができる。
そして、変形例3では、制御装置80が、S112において、テストパターンWの色と、基準色パターンQ1の色との色差に基づいて、テストパターンWに対応する2列のノズル列9を構成するノズル10に混色が発生しているか否かを判定する。具体的には、基準色パターンQ2,Q3が選択された場合には、塗りつぶし部分W1の色に対応するノズル10にのみ混色が発生していると判定する。また、基準色パターンQ4,Q7が選択された場合には、塗りつぶし部分W2の色に対応するノズル10にのみ混色が発生していると判定する。また、基準色パターンQ5,Q6,Q8,Q9が選択された場合には、塗りつぶし部分W1に対応するノズル10と塗りつぶし部分W2に対応するノズル10の両方に混色が発生していると判定する。
そして、S112で混色が発生していると判定された場合には、S113において、基準色パターンQ1から遠い基準色パターンが選択された場合(テストパターンWと基準色パターンQ1との色差が大きい場合)ほど、インクの排出量が多くなるように、インクの排出量を決定する。そして、S114において、フラッシングを行わせて、混色が発生しているノズル列9を構成するノズル10から、S113で決定した排出量のインクを排出させる。
なお、変形例3の場合には、各テストパターンWにおける2つの塗りつぶし部分W1,W2の色が、本発明の「第1色」及び「第2色」に相当する。また、基準色パターンQ1の色が、本発明の「基準色」に相当する。また、フラッシングを行う駆動素子50が、本発明の「排出手段」に相当する。
また、詳細な説明は省略するが、変形例3の場合、テストパターンWにおける塗りつぶし部分W1,W2のいずれかをブラックインクによって記録されるものとすると、混色が発生しているか否かによらず、テストパターンWの色がほぼブラックとなってしまう。そこで、変形例3においても、ブラックインクを吐出するノズル10については、第1実施形態と同様にして、混色が発生しているか否かを判定する。
変形例3では、2色のインクが混ざったテストパターンWの色と、上記2色が混ざった色に対応する基準色との色差に基づいて、上記2色のインクを吐出する2種類のノズルの片方又は両方において混色が発生しているか否かを判定することができる。
また、テストパターンWの色(基準色パターンQ1の色との色差)は、上記2種類のノズルのいずれに混色が発生しているか、及び、混色の程度によって変わる。そこで、変形例3では、混色が発生していると判定したときに、フラッシングにより、混色が発生しているノズル10から、テストパターンWの色と基準色パターンQ1のとの色差に応じた量のインクを排出させる。これにより、どのノズル10に混色が発生しているか、及び、混色の解消のためにインクの排出が必要なノズル10から、混色の程度に応じて適切な量のインクを排出させることができる。
また、変形例3では、混色が発生していると判定したときに、フラッシングによってテストパターンWの色と基準色パターンQ1のとの色差に応じた量のインクを排出させたが、これには限られない。例えば、吸引パージによって上記色差に応じた量のインクを排出させてもよい。さらには、上記色差に応じた量のインクを排出させることにも限られない。変形例3において、混色が発生していると判定したときに、上記色差によらず一律の量のインクを排出させてもよい。
また、第1、第3実施形態では、不吐出が発生していないと判定されたときに、ユーザが、操作部90を操作することで、テストパターンの記録の要否を選択することができるように構成されていたが、これには限られない。例えば、第1、第3実施形態において、プリンタに、PC等との接続を行うためのインターフェース部、あるいは、スマートフォン等と無線通信するための通信部を設けてもよい。そして、不吐出が発生していないと判定されたときに、ユーザがPCやスマートフォン等を操作することで、インターフェース部あるいは通信部を介して、テストパターンの記録の要否を選択する信号をプリンタに入力することができるように構成されていてもよい。なお、この場合には、上記インターフェース部及び通信部が、本発明の「入力部」に相当する。
また、第1、第3実施形態では、不吐出が発生していないと判定されたときに、ユーザに、テストパターンの記録の要否を選択させ、テストパターンの記録を行うことが選択された場合にのみ、テストパターンの記録、及び、テストパターンの記録結果に基づく異常の判定を行ったが、これには限られない。例えば、不吐出が発生していないと判定されたときに、常に、テストパターンの記録、及び、テストパターンの記録結果に基づく異常の判定を行うようにしてもよい。
また、第1、第3実施形態では、前回不吐出が発生していないと判定されてからの経過時間Tが所定時間Th未満の場合には、不吐出判定処理を実行せずに不吐出が発生していないと判定したが、これには限られない。例えば、上記経過時間Tに関係なく、不吐出判定処理を実行し、その結果に基づいて不吐出が発生しているか否かを判定するようにしてもよい。
また、第3実施形態では、吐出速度の異常が発生している場合に、吐出速度に応じて、記録時のノズル10からのインクの吐出タイミングを補正したが、これには限られない。例えば、吐出速度の異常が発生しているときに、吸引パージやフラッシングを行って、ノズル10内のインクの増粘を解消することで、吐出速度が基準速度となるようにしてもよい。
また、第4実施形態では、|N1−N2|が、所定値Ncよりも大きいと判定された場合、及び、|N1−N2|が、所定値Nbよりも大きく且つ所定値Nc以下と判定される状況が連続して続いて変数Kの値が所定値Khを超えた場合に、表示部89にプリンタが故障している可能性がある旨を報知する画面を表示させたが、これには限られない。例えば、|N1−N2|が、所定値Ncよりも大きい場合にのみ、表示部89に上記画面を表示させてもよい。
また、第4実施形態では、表示部89にプリンタが故障している可能性がある旨を報知する画面を表示させたが、これには限られない。例えば、LEDランプ、スピーカ等、表示部89以外の報知部を設け、この報知部に、プリンタが故障している可能性がある旨を報知させてもよい。さらには、第4実施形態では、|N1−N2|に基づく、プリンタが故障している可能性がある旨の報知を行わなくてもよい。
また、以上の例では、ノズル10から検出用電極66に向けてインクを吐出させたときの検出用電極66の電圧値に応じて、判定回路68から、異常ノズルであるか否かを示す信号を出力したが、これには限られない。
例えば、上下方向に延びた検出用電極を配置し、ノズル10から検出用電極と対向する領域を通過するようにインクを吐出させたときの検出用電極の電圧値に応じて、判定回路から、異常ノズルであるか否かについての信号を出力してもよい。あるいは、ノズル10から吐出されたインクを検出する光センサを設け、光センサから、不吐出ノズルであるか否かについての信号を出力してもよい。
あるいは、例えば、特許第4929699号公報に記載されているのと同様に、インクジェットヘッドのノズルが形成されたプレートに、ノズルからインクが吐出されたときの電圧の変化を検出する電圧検出回路(本発明の「信号出力部」)を接続して、電圧検出回路から制御装置80に、不吐出ノズルであるか否かについての信号を出力するようにしてもよい。
あるいは、例えば、特許第6231759号公報に記載されているのと同様に、インクジェットヘッドの基板を、温度検知素子を備えたものとしてもよい。そして、インクの吐出のために第1印加電圧を印加してヒータを駆動した後に、インクが吐出されないように第2印加電圧を印加してヒータを駆動し、第2印加電圧を印加してから、その後、所定時間が経過するまでの間の、温度検知素子で検知された温度の変化に基づいて、ノズル10が不吐出ノズルであるか否かについての信号を出力するようにしてもよい。
また、混色が発生しているか否かを判定するためのテストパターンや、吐出速度の異常が発生しているか否かを判定するためのテストパターンは、以上に説明したものであることには限られず、別のテストパターンであってもよい。また、テストパターンは、混色及び吐出速度の異常以外の、ノズル10からのインクの吐出についての異常が発生しているか否かを判定するためのものであってもよい。
また、以上の例では、判定回路68からの信号に基づく、不吐出が発生しているか否かを判定するための第1情報と、テストパターンの記録結果に基づいて入力される、ノズル10からのインクの吐出についての不吐出とは別の異常が発生しているか否かを判定するための第2情報とに基づいて、不吐出が発生しているか否かと、上記別の異常が発生しているか否かと、を区別して判定した。しかしながら、これには限られない。例えば、ノズル10からインクが吐出されたか否かを判定するためのテストパターンを記録し、このテストパターンの記録結果に対応する第1情報が制御装置80に入力されるようにしてもよい。また、例えば、プリンタに上記別の異常が発生しているか否かを判定するための構成を設け、この構成から制御装置80に第2情報が入力されるようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、駆動素子50により圧力室40内のインクに圧力を付与することで、ノズル10からインクを吐出させたが、これには限られない。例えば、インクを加熱してインク流路内に気泡を発生させることで、ノズルからインクを吐出させてもよい。
また、以上の例では、プリンタが、メンテナンスユニット8を備え、吸引パージによって、複数のノズル10からインクジェットヘッド4内のインクを排出させることができるようになっていたが、これには限られない。例えば、サブタンク3とインクカートリッジ15とを接続するチューブ13の途中部分に加圧ポンプが設けられていてもよい。あるいは、プリンタにインクカートリッジと接続された加圧ポンプが設けられていてもよい。そして、複数のノズル10がキャップ61で覆われた状態で、上記加圧ポンプを駆動させることで、インクジェットヘッド4内のインクを加圧してノズル10からインクジェットヘッド4内のインクを排出させる、いわゆる加圧パージを行ってもよい。なお、この場合には、キャップ61と加圧ポンプとを合わせたものが、本発明の「パージ手段」に相当する。
さらには、パージにおいて、吸引ポンプ62による吸引と加圧ポンプによる加圧の両方を行ってもよい。この場合には、メンテナンスユニット8と加圧ポンプとを合わせたものが、本発明の「パージ手段」に相当する。
また、第1、第2、第4実施形態では、インクジェットヘッド4が、キャリッジ2に搭載され、走査方向に移動しつつ、複数のノズル10からインクを吐出する、いわゆるシリアル式のヘッドであったが、これには限られない。例えば、第1、第2、第4実施形態において、インクジェットヘッドが、走査方向において記録用紙Pの全長にわたって延びた、いわゆるラインヘッドであってもよい。
また、以上では、ノズルからインクを吐出して記録用紙Pに記録を行うプリンタに本発明を適用した例について説明したが、これには限られない。Tシャツ、屋外広告用のシート、スマートフォン等の携帯端末のケース、段ボール、樹脂部材など、記録用紙以外の被記録媒体に画像を記録する画像記録装置にも適用され得る。また、インク以外の液体、例えば、液体状にした樹脂や金属を吐出する液体吐出装置にも適用され得る。
1 プリンタ
2 キャリッジ
4 インクジェットヘッド
8 メンテナンスユニット
10 ノズル
46 個別流路
50 駆動素子
80 制御装置
89 操作部
100プリンタ

Claims (16)

  1. ノズルを有する液体吐出ヘッドと、
    制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記ノズルから液体が吐出されない不吐出が発生しているか否かを判定するための第1情報と、前記ノズルからの液体の吐出についての前記不吐出とは別の異常が発生しているか否かを判定するための第2情報であって、前記不吐出が発生しているか否かによっても変化する第2情報と、前記不吐出が発生しているか否かを判定することと前記別の異常が発生しているか否かを判定することとを含む異常判定を指示する異常判定指令と、が入力され、
    前記異常判定指令が入力されたときに、
    前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、前記不吐出が発生しているか否かと、前記別の異常が発生しているか否かと、を区別して判定することを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記ノズルから液体が吐出されたか否かによって異なる信号を出力する信号出力部、を備え、
    前記制御部は、
    前記異常判定指令が入力されたときに、
    前記液体吐出ヘッドを制御して前記ノズルから液体を吐出させ、
    前記信号出力部からの信号に基づく前記第1情報が入力され、
    前記液体吐出ヘッドを制御して、被吐出媒体にテストパターンを記録させ、
    前記テストパターンに対応する第2情報が入力されることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記制御部は、
    前記異常判定指令が入力されたときに、
    前記液体吐出ヘッドを制御して、前記ノズルから液体を吐出させ、
    前記信号出力部からの信号に基づく前記第1情報が入力され、
    入力された前記第1情報に基づいて、前記不吐出が発生しているか否かを判定し、
    前記不吐出が発生していないと判定したときに、
    前記液体吐出ヘッドを制御して、被吐出媒体に前記テストパターンを記録させ、
    前記テストパターンの記録結果に対応する前記第2情報が入力され、
    入力された前記第2情報に基づいて、前記別の異常が発生しているかを判定することを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記制御部は、
    前記異常判定指令が入力されたときに、
    前回、前記第1情報に基づいて前記不吐出が発生していないと判定してからの経過時間が所定時間未満の場合には、
    前記不吐出が発生していないと判定し、
    前記液体吐出ヘッドを制御して、被吐出媒体に前記テストパターンを記録させ、
    前記テストパターンの記録結果に対応する前記第2情報に基づいて、前記別の異常が発生しているかを判定することを特徴とする請求項3に記載の液体吐出装置。
  5. 入力部、を備え、
    前記制御部は、
    前記第1情報に基づいて前記不吐出が発生していないと判定したときに、
    前記入力部を介して、前記テストパターンの記録を行うか否かを選択する選択信号を受付可能な状態となり、
    前記入力部を介して、前記テストパターンを記録することを選択する前記選択信号が入力された場合に、
    前記液体吐出ヘッドを制御して、被吐出媒体に前記テストパターンを記録させ、
    前記テストパターンの記録結果に対応する前記第2情報に基づいて、前記別の異常が発生しているかを判定することを特徴とする請求項3又は4に記載の液体吐出装置。
  6. 前記液体吐出ヘッドが、前記ノズルとして、
    前記液体として第1色の第1インクを吐出する第1ノズルと、
    前記液体として第1色とは別の第2色の第2インクを吐出する第2ノズルと、を有し、
    前記制御部は、
    前記液体吐出ヘッドを制御して前記第1ノズルから前記第1インクを吐出させて、被吐出媒体に前記テストパターンとしての第1テストパターンを記録させ、
    前記液体吐出ヘッドを制御して前記第2ノズルから前記第2インクを吐出させて、被吐出媒体に前記テストパターンとしての第2テストパターンを記録させ、
    前記第1テストパターンの記録結果に対応する前記第2情報としての前記第1テストパターンの色の情報が示す色と、前記第1色に対応する第1基準色との色差に基づいて、前記別の異常として、前記第1ノズル内の前記第1インクに混色が発生しているか否かを判定し、
    前記第2テストパターンの記録結果に対応する前記第2情報としての前記第2テストパターンの色の情報が示す色と、前記第2色に対応する第2基準色との色差に基づいて、前記別の異常として、前記第2ノズル内の前記第2インクに混色が発生しているか否かを判定することを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の液体吐出装置。
  7. 前記液体吐出ヘッドが、前記ノズルとして、
    前記液体として第1色の第1インクを吐出する第1ノズルと、
    前記液体として、第1色とは別の第2色の第2インクを吐出する第2ノズルと、を有し、
    前記制御部は、
    前記液体吐出ヘッドを制御して、被吐出媒体上で前記第1インクの着弾位置と前記第2インクの着弾位置とが重なるように、前記第1ノズル及び前記第2ノズルからインクを吐出させて、被吐出媒体に前記テストパターンを記録させ、
    前記テストパターンの記録結果に対応する前記第2情報としての前記テストパターンの色の情報が示す色と、前記第1色と前記第2色とが混ざった色に対応する基準色との色差に基づいて、前記別の異常として、前記第1ノズル内の前記第1インクに混色が発生しているか否か、及び、前記第2ノズル内の前記第2インクに混色が発生しているか否かを判定することを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の液体吐出装置。
  8. 前記ノズルから前記液体吐出ヘッド内のインクを排出させるパージを行うパージ手段、を備え、
    前記制御部は、
    前記不吐出が発生していると判定したときには、前記パージ手段に前記パージを行わせ、
    前記混色が発生していると判定したときには、前記液体吐出ヘッドを制御して、混色が発生している前記ノズルからインクを排出させるフラッシングを行わせることを特徴とする請求項6又は7に記載の液体吐出装置。
  9. 前記液体吐出ヘッドは、
    前記ノズルからインクを排出させる第1フラッシングと、
    前記ノズルからインクを排出させ、前記第1フラッシングよりもインクの排出量が少ない第2フラッシングと、のいずれかを選択的に行うことが可能であり、
    前記制御部は、
    前記不吐出が生じていると判定したときには、前記液体吐出ヘッドに前記第1フラッシングを行わせて、前記不吐出が発生している前記ノズルからインクを排出させ、
    前記混色が生じていると判定したときには、前記液体吐出ヘッドに前記第2フラッシングを行わせて、前記混色が発生している前記ノズルからインクを排出させることを特徴とする請求項6又は7に記載の液体吐出装置。
  10. 前記ノズルから前記液体吐出ヘッド内のインクを排出させる排出動作を行う排出手段、を備え、
    前記制御部は、
    前記混色が発生していると判定したときに、
    前記色差に応じて、前記第1ノズル及び前記第2ノズルのうち少なくとも片方のノズルからインクを排出させるように前記排出手段に前記排出動作を行わせることを特徴とする請求項7に記載の液体吐出装置。
  11. 前記ノズルから前記液体吐出ヘッド内のインクを排出させる排出動作を行う排出手段、を備え、
    前記制御部は、
    前記混色が発生していると判定したときに、
    前記色差に応じた排出量のインクを排出させるように、前記排出手段に前記排出動作を行わせることを特徴とする請求項6〜10のいずれかに記載の液体吐出装置。
  12. 前記液体吐出ヘッドが、
    前記ノズルをそれぞれ含む複数の個別流路と、
    前記複数の個別流路に個別に設けられ、前記個別流路内の液体に前記ノズルからの吐出のための圧力を付与する、前記排出手段としての駆動素子と、を有し、
    前記制御部は、
    前記駆動素子を制御して、前記排出動作として、前記ノズルから前記液体吐出ヘッド内の液体を排出させるフラッシングを行わせることを特徴とする請求項10又は11に記載の液体吐出装置。
  13. 前記液体吐出ヘッドを搭載し、走査方向に移動するキャリッジ、を備え、
    前記制御部は、
    前記キャリッジを前記走査方向の一方側に移動させつつ、前記液体吐出ヘッドを制御して前記ノズルから液体を吐出させて、被吐出媒体に前記テストパターンの第1部分を記録させ、
    前記キャリッジを前記走査方向の他方側に移動させつつ、前記液体吐出ヘッドを制御して前記ノズルから液体を吐出させて、被吐出媒体に前記テストパターンの第2部分を記録させ、
    前記第2情報は、前記第1部分と前記第2部分との前記走査方向の位置関係に対応する、前記ノズルからの液体の吐出速度の情報であり、
    前記制御部は、前記第2情報が示す前記吐出速度と、所定の基準速度との速度差に基づいて、前記別の異常として、前記吐出速度に異常が発生しているか否かを判定することを特徴とする請求項3〜11のいずれかに記載の液体吐出装置。
  14. 前記制御部は、
    前記吐出速度の異常が発生していると判定したときに、前記液体吐出ヘッドを制御して、前記ノズルから被吐出媒体に向けて液体を吐出させるときの前記ノズルからの液体の吐出タイミングを、前記吐出速度に応じて補正することを特徴とする請求項13に記載の液体吐出装置。
  15. 前記制御部は、
    前記異常判定指令が入力されたときに、
    前記第1情報として、前記信号出力部からの信号に基づく、液体が吐出されなかった不吐出ノズルの数の情報が入力され、
    前記第2情報として、前記テストパターンに対応する前記不吐出ノズルの数の情報が入力され、
    前記第1情報が示す前記不吐出ノズルの数と、前記第2情報が示す前記不吐出ノズルの数との差に基づいて、不吐出が発生しているか否かと、前記別の異常が発生しているか否かと、を区別して判定することを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
  16. 報知部、を備え、
    前記制御部は、前記第1情報が示す前記不吐出ノズルの数と、前記第2情報が示す前記不吐出ノズルの数との差が、所定値よりも大きい場合に、前記報知部に報知を行わせることを特徴とする請求項15に記載の液体吐出装置。
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