JP2021000733A - 液体吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノズルの吐出異常検知とパージによりノズルから液体が適正に排出されるか否かの判定との2つの機能を1つの吐出異常検知手段で実現する。【解決手段】プリンタは、複数のノズルのそれぞれについて、吐出異常が生じた異常ノズルであるか否かに応じた信号を出力する吐出異常検知手段と、吸引パージを行うメンテナンスユニットと、制御装置とを含む。制御装置は、メンテナンスユニットにより吸引パージを行わせているときに、吐出異常検知手段から出力される信号に基づいて、メンテナンスユニットによりノズルからインクが排出されるか否かを判定する。【選択図】図8

Description

本発明は、被吐出媒体に液体を吐出する液体吐出装置に関する。
特許文献1には、回復処理の過程におけるパージ時の圧力室内の圧力を検出し、検出された圧力状態に基づいて、ポンプの故障や劣化によるパージ能力の低下を判定することが可能なインクジェット記録装置について記載されている。一方、特許文献2には、印刷ヘッドのノズルから検査領域にインク滴を吐出し、その吐出されたインク滴を検査領域で受けたときの電圧の変化に基づいて、当該印刷ヘッドのノズルにおける吐出異常検知が可能なインクジェットプリンタについて記載されている。
特開2012−96492号公報 特開2007−118560号公報
上記特許文献1に記載のパージ能力の低下を判定と、上記特許文献2に記載のノズルの吐出異常検知とを1つの液体吐出装置において実現するには、これら2つの機能を実現するための各構成要素を設ける必要がある。
本発明の目的は、ノズルの吐出異常検知とパージによりノズルから液体が適正に排出されるか否かの判定との2つの機能を1つの吐出異常検知手段で実現可能な液体吐出装置を提供することである。
本発明の液体吐出装置は、複数のノズルを有する液体吐出ヘッドと、前記複数のノズルのそれぞれについて、吐出異常が生じた異常ノズルであるか否かに応じた信号を出力する吐出異常検知手段と、前記ノズルから前記液体吐出ヘッド内の液体を排出させるパージを行うパージ手段と、制御部と、を備えている。そして、前記制御部は、前記複数のノズルのそれぞれについて、前記吐出異常検知手段から出力される信号に基づいて、前記異常ノズルであるか否かの判定を行い、さらに、前記パージ手段により前記パージを行わせているときに、前記吐出異常検知手段から出力される前記信号に基づいて、前記パージ手段により前記ノズルから液体が排出されるか否かを判定する。
本発明の液体吐出装置によると、複数のノズルのそれぞれについて吐出異常を検知するための吐出異常検知手段で、パージ手段によるパージが行われる際にノズルから液体が適正に排出されるか否かを判定することが可能となる。この結果、ノズルの吐出異常検知とパージによりノズルから液体が適正に排出されるか否かの判定との2つの機能を1つの吐出異常検知手段で実現可能となる。
本発明の一実施形態に係るプリンタの概略構成図である。 図1のインクジェットヘッドの平面図である。 図2のIII−III線断面図である。 キャップ内に配置された検出用電極、及び、検出用電極と高電圧電源回路及び判定回路との接続関係を説明するための図である。 (a)は吐出異常検知においてノズルからインクが吐出された場合の検出用電極の電圧値の変化を示す図であり、(b)は吐出異常検知においてノズルからインクが吐出されなかった場合の検出用電極の電圧値の変化を示す図であり、(c)は吸引パージを行う際にノズルからインクが排出された場合の検出用電極の電圧値の変化を示す図である。 プリンタの電気的構成を示すブロック図である。 記録時の処理の流れを示すフローチャートである。 パージ処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
<プリンタ全体の構成>
図1に示すように、本実施形態に係るプリンタ1(液体吐出装置)は、キャリッジ2、サブタンク3、インクジェットヘッド4、プラテン5、搬送ローラ6,7、及び、メンテナンスユニット8などを有している。
キャリッジ2は、走査方向に延びた2本のガイドレール11,12に支持されている。キャリッジ2は、図示しないベルトなどを介してキャリッジモータ86(図6参照)に接続されており、キャリッジモータ86を駆動させると、キャリッジ2がガイドレール11,12に沿って走査方向に移動し、キャップ61と対向するメンテナンス位置(対向位置)とキャップ61と対向しない非メンテナンス位置(非対向位置)との間においてインクジェットヘッド4を移動させる。本実施形態における2本のガイドレール11,12、キャリッジ2及びキャリッジモータ86により、本発明に係る移動機構が構成されている。なお、以下では、図1に示すように、走査方向の右側及び左側を定義して説明を行う。
サブタンク3は、キャリッジ2に搭載されている。ここで、プリンタ1には、カートリッジホルダ14が設けられており、カートリッジホルダ14に4つのインクカートリッジ15が取り外し可能に装着されている。4つのインクカートリッジ15には、走査方向の右側に配置されたものから、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインクが貯留されている。サブタンク3は、4本のチューブ13を介してカートリッジホルダ14に装着された4つのインクカートリッジ15と接続されている。これにより、4つのインクカートリッジ15からサブタンク3に上記4色のインクが供給される。
インクジェットヘッド4は、キャリッジ2に搭載されている。インクジェットヘッド4には、サブタンク3から上記4色のインクが供給される。また、インクジェットヘッド4は、その下面であるノズル面4aに形成された複数のノズル10からインクを吐出する。より詳細に説明すると、複数のノズル10は、走査方向と直交する搬送方向に沿ったノズル列9を形成しており、インクジェットヘッド4は、走査方向に並んだ4列のノズル列9を有する。複数のノズル10からは、走査方向の右側のノズル列9を構成するものから、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインクが吐出される。本実施形態におけるインクジェットヘッド4は、本発明に係る液体吐出ヘッドに相当する。
プラテン5は、インクジェットヘッド4の下方に配置され、複数のノズル10と対向している。プラテン5は、走査方向に用紙Pの全長にわたって延び、用紙Pを下方から支持する。搬送ローラ6は、インクジェットヘッド4、及び、プラテン5よりも搬送方向の上流側に配置されている。搬送ローラ7は、インクジェットヘッド4及びプラテン5よりも搬送方向の下流側に配置されている。搬送ローラ6,7は、図示しないギヤなどを介して搬送モータ87(図6参照)に接続されている。搬送モータ87を駆動させると、搬送ローラ6,7が回転し、用紙Pが搬送方向に搬送される。
メンテナンスユニット8は、後述するように吸引パージを行って複数のノズル10からインクジェットヘッド4内のインクを排出させるためのパージ手段である。メンテナンスユニット8については後程詳細に説明する。
<インクジェットヘッド>
次に、インクジェットヘッド4について詳細に説明する。図2、図3に示すように、インクジェットヘッド4は、流路ユニット21と圧電アクチュエータ22とを有している。
<流路ユニット>
流路ユニット21は、図3に示すように、4枚のプレート31〜34が上からこの順に積層されることによって形成されている。プレート31〜33は、ステンレスなどの金属材料からなる。プレート34は、ポリイミドなどの合成樹脂材料からなる。
プレート34には、複数のノズル10が形成されている。複数のノズル10は、上述したような4列のノズル列9を形成している。そして、プレート34の下面が、インクジェットヘッド4のノズル面4aとなっている。プレート31には複数の圧力室40が形成されている。圧力室40は、図2に示すように、走査方向を長手方向とする楕円の平面形状を有している。また、複数の圧力室40は、複数のノズル10に個別のものであり、走査方向の左側の端部がノズル10と上下方向に重なっている。これにより、プレート31には、複数の圧力室40が搬送方向に配列されることによってそれぞれ形成され、走査方向に並んだ4列の圧力室列29が形成されている。
プレート32には、図2及び図3に示すように、各圧力室40の走査方向の右側の端部と上下方向に重なる部分に円形の貫通孔42が形成されている。また、プレート32には、各圧力室40の走査方向の左側の端部及びノズル10と上下方向に重なる部分に、円形の貫通孔43が形成されている。
プレート33には、図2及び図3に示すように、4つのマニホールド流路41が形成されている。4つの圧力室列29に対応している。マニホールド流路41は、搬送方向に延び、対応する圧力室列29を構成する複数の圧力室40の走査方向の右側の部分と上下方向に重なっている。これにより、各圧力室40が、貫通孔42を介してマニホールド流路41と連通する。また、各マニホールド流路41の搬送方向の上流側の端部には供給口39が設けられている。インクジェットヘッド4は、供給口39においてサブタンク3内の流路と接続されている。これにより、マニホールド流路41には、供給口39からインクが供給される。また、プレート33には、各貫通孔43及びノズル10と上下方向に重なる部分に、円形の貫通孔44が形成されている。これにより、各ノズル10が貫通孔43,44を介して圧力室40と連通する。
そして、流路ユニット21では、ノズル10と、圧力室40と、ノズル10と圧力室40とを接続する貫通孔43、44と、圧力室40をマニホールド流路41に接続する貫通孔42とによって、個別流路46が形成される。また、各ノズル列9に対応する複数の個別流路46が、それぞれ、対応する1つのマニホールド流路41に接続されている。
<圧電アクチュエータ>
圧電アクチュエータ22は、図2及び図3に示すように、振動板51と、圧電層52と、共通電極53と、複数の個別電極54とを有している。振動板51は、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電材料からなり、流路ユニット21の上面に配置され、複数の圧力室40を覆っている。なお、振動板51は、次に説明する圧電層52とは異なり、圧電材料以外の絶縁性材料からなるものであってもよい。
圧電層52は、上記圧電材料からなり、図2に示すように、振動板51の上面に配置され、複数の圧力室40にわたって連続的に延びている。共通電極53は、図3に示すように、振動板51と圧電層52との間に配置され、複数の圧力室40にわたって連続的に延びている。共通電極53は、図示しない配線部材などを介して図示しない電源回路に接続され、グランド電位に保持されている。
複数の個別電極54は、図2に示すように、複数の圧力室40に対して個別に対応するものである。個別電極54は、圧力室40よりも一回り小さい楕円の平面形状を有し、圧電層52の上面に配置され、圧力室40の中央部と上下方向に重なっている。また、個別電極54の走査方向の右側の端部は、圧力室40と上下方向に重ならない位置まで走査方向の右側まで延び、その先端部が接続端子54aとなっている。接続端子54aには図示しない配線部材が接続され、個別電極54は、この配線部材を介してドライバIC59(図6参照)に接続されている。そして、ドライバIC59により、複数の個別電極54に個別に、グランド電位及び所定の駆動電位(例えば20V程度)のいずれかが選択的に印加される。
また、共通電極53及び複数の個別電極54がこのように配置されているのに対応して、圧電層52の共通電極53と各個別電極54とに挟まれた部分が、それぞれ、上下方向に分極されている。そして、以上のような構造の圧電アクチュエータ22では、振動板51、圧電層52及び共通電極53の、各圧力室40と上下方向に重なる部分と、個別電極54とによって形成される部分が、それぞれ、圧力室40内のインクに圧力を付与する駆動素子50となっている。
ここで、圧電アクチュエータ22を駆動して、ノズル10からインクを吐出させる方法について説明する。圧電アクチュエータ22では、予め、全ての個別電極54が、共通電極53と同じグランド電位に保持されている。あるノズル10からインクを吐出させるときには、そのノズル10に対応する駆動素子50における個別電極54の電位を、グランド電位から駆動電位に切り換える。すると、個別電極54と共通電極53との間の電位差により、振動板51及び圧電層52の圧力室40と上下方向に重なる部分が全体として圧力室40側に凸となるように変形する。これにより、圧力室40の容積が小さくなって圧力室40内のインクの圧力が上昇し、圧力室40に連通するノズル10からインクが吐出される。
<メンテナンスユニット>
次に、メンテナンスユニット8について説明する。図1に示すように、メンテナンスユニット8は、キャップ61と、吸引ポンプ62と、廃液タンク63とを有している。キャップ61は、プラテン5よりも走査方向の右側に配置されている。そして、キャリッジ2を、プラテン5よりも走査方向の右側のメンテナンス位置に位置させると、複数のノズル10がキャップ61と対向する。
キャップ61は、図4に示すように、上方に開口する凹部61aを有している。また、キャップ61は、キャップ昇降機構88(図6参照)によって昇降可能となっている。そして、キャリッジ2を上記メンテナンス位置に位置させて複数のノズル10とキャップ61とを対向させた状態で、キャップ昇降機構88によりキャップ61を上昇させると、キャップ61の周縁部の上端がノズル面4aの周縁部に密着し、複数のノズル10が凹部61aに対向した状態でキャップ61に覆われる。なお、キャップ61はノズル面4aに密着することで複数のノズル10を覆うものであることには限られない。キャップ61は、例えば、インクジェットヘッド4のノズル面4aの周囲に配置される図示しないフレーム等に密着することで、複数のノズル10を覆うものであってもよい。
吸引ポンプ62はチューブポンプなどであり、キャップ61及び廃液タンク63とチューブ64を介して接続されている。そして、メンテナンスユニット8では、上述したように複数のノズル10がキャップ61によって覆われた状態で吸引ポンプ62を駆動させると、複数のノズル10からインクジェットヘッド4内のインクを排出させる、いわゆる吸引パージを行うことができる。インクジェットヘッド4から排出されたインクは廃液タンク63に貯留される。
なお、ここでは、便宜上、キャップ61が全てのノズル10をまとめて覆い、吸引パージにおいて、全てのノズル10からインクジェットヘッド4内のインクを排出させるものとして説明を行ったが、これには限られない。例えば、キャップ61が、ブラックインクを吐出する最も右側のノズル列9を構成する複数のノズル10を覆う部分と、カラーインク(イエロー、シアン、マゼンタのインク)を吐出する左側3列のノズル列9を構成する複数のノズル10を覆う部分とを別々に備えており、吸引パージにおいて、インクジェットヘッド4内のブラックインク及びカラーインクのいずれかを選択的に排出させることができるようになっていてもよい。
また、図4に示すように、キャップ61の凹部61a内には、矩形の平面形状を有する検出用電極66が配置されている。したがって、キャリッジ2がメンテナンス位置に配置されると、検出用電極66は複数のノズル10と対向する。検出用電極66は、導電性材料から構成されており、抵抗69を介して高電圧電源回路67に接続されている。そして、検出用電極66には、高電圧電源回路67により所定の正の電位が印加される。一方で、インクジェットヘッド4の流路ユニット21は、グランド電位に保持されている。これにより、インクジェットヘッド4と検出用電極66との間に所定の電位差が生じる。検出用電極66には、判定回路68が接続されている。判定回路68は、検出用電極66から出力された電圧信号の電圧値と、閾値Vtとを比較し、その結果に応じた信号を出力する。これら検出用電極66、判定回路68及び高電圧電源回路67により、本発明の「吐出異常検知手段」が構成されている。つまり、検出用電極66が本発明の「導電性部材」に相当し、判定回路68が本発明の「検知回路」に相当し、高電圧電源回路67が本発明の「電源」に相当する。
より詳細に説明すると、インクジェットヘッド4と、検出用電極66との間には電位差が生じている。ノズル10から吐出されたインクは帯電している。キャリッジ2を上記メンテンナンス位置に位置させた状態で、ノズル10から検出用電極66に向けてインクを吐出させると、図5(a)に示すように、帯電したインクが検出用電極66に近づき、検出用電極66にインクが着弾するまで、検出用電極66の電圧値が上昇し、インクジェットヘッド4が駆動されていないときの電圧値Vaと比べて高い電圧値Vbに達する。そして、帯電したインクが検出用電極66に着弾した後、検出用電極66の電圧値が徐々に電圧値Vaまで低下する。すなわち、インクジェットヘッド4の駆動期間Tdにおいて、検出用電極66の電圧値が変化する。
一方で、ノズル10からインクが吐出されていない場合には、図5(b)に示すように、インクジェットヘッド4の駆動期間Tdにおいて、検出用電極66から出力される電圧信号の電圧値は、電圧値Vaからほとんど変化しない。そこで、判定回路68は、これらを区別するために閾値Vt(Va<Vt<Vb)が設定されている。そして、判定回路68は、インクジェットヘッド4の駆動期間Tdにおいて、検出用電極66から出力される電圧信号の最大の電圧値と閾値Vtとを比較し、その判定結果に応じた信号を出力する。こうして、ノズル10に吐出異常が生じているか否かを検知するための吐出異常検知が可能となる。また、本実施形態において実行される吐出異常検知において、吐出されるインク量は、吸引パージにおけるよりも大幅に少ない。
また、本実施形態における検出用電極66、判定回路68及び高電圧電源回路67によって構成された吐出異常検知手段により、吸引パージによってノズル10からインクが排出されたか否かの排出検知も可能である。この排出検知においては、吸引パージを実行する際に吸引ポンプ62を駆動するタイミングで、高電圧電源回路67により検出用電極66に所定の正の電位(上述の吐出異常検知におけるよりも小さい電位)を印加する。つまり、検出用電極66から出力される電圧信号の電圧値が、図5(c)に示すように、グランド電位から電圧値Vcとなる。その後、検出用電極66から出力される電圧信号の電圧値は、吸引ポンプ62の駆動により凹部61a内の圧力が低下してノズル10からインクが排出されるまで、電圧値Vcからほとんど変化しない。吸引ポンプ62により凹部61a内の圧力が所定圧力まで低下することでノズル10から排出されるインクは、ノズル10から連続的に排出されるため、インクジェットヘッド4と検出用電極66とが排出されるインクによって導通する。つまり、検出用電極66から出力される電圧信号の電圧値は、図5(c)に示すように、ノズル10からのインクが排出されるタイミングと同時に電圧値Vcからグランド電位へと低下する。判定回路68は、検出用電極66から出力される電圧信号の電圧値が電圧値Vcへと立ち上がるタイミング(吸引ポンプ62を駆動し始めるタイミング)から電圧値Vcから立ち下がるタイミング(ノズル10からインクが排出されるタイミング)までのリーク時間を導出し、この導出リーク時間Teと予め設定された閾値としての設定リーク時間(後述の基本リーク時間、長リーク時間、短リーク時間のうちの設定されたリーク時間)とを比較し、その判定結果に応じた信号を出力する。こうして、吸引パージによりノズル10からインクが適正に排出されているか否かを検知することが可能となる。また、本実施形態において実行される排出検知において、検出用電極66に印加される電圧は、吐出異常検知のときに印加される電圧よりも小さい。なお、高電圧電源回路67により検出用電極66に所定の正の電位を印加するタイミングが、吸引ポンプ62を駆動し始めるタイミング以外のタイミングである場合、導出リーク時間Teは、吸引ポンプ62を駆動し始めるタイミングから、検出用電極66から出力される電圧信号の電圧値が電圧値Vcから立ち下がるタイミングまでの時間とすればよい。
なお、ここでは、高電圧電源回路67により、検出用電極66に正の電位が印加されているが、高電圧電源回路67により、検出用電極66に負の電位が印加されていてもよい。吐出異常検知の場合には、上述したのとは逆に、キャリッジ2を上記メンテンナンス位置に位置させた状態で、ノズル10から検出用電極66に向けてインクを吐出させると、帯電したインクが検出用電極66に近づき、検出用電極66にインクが着弾するまで、検出用電極66の電圧値が低下する。排出検知の場合にも、上述したのとは逆に、ノズル10から検出用電極66にインクが排出されると、検出用電極66の電圧値が上昇する。
<プリンタの電気的構成>
次に、プリンタ1の電気的構成について説明する。プリンタ1の動作は、制御装置(制御部)80によって制御される。図6に示すように、制御装置80は、CPU(Central Processing Unit)81、ROM(Read Only Memory)82、RAM(Random Access Memory)83、フラッシュメモリ84、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)85などからなり、キャリッジモータ86、搬送モータ87、ドライバIC59、キャップ昇降機構88、高電圧電源回路67、吸引ポンプ62などの動作を制御する。また、制御装置80には、判定回路68から上述の信号が入力される。また、制御装置80は、後述の温度センサ17で検出された温度信号及び装着検知センサ18からの装着信号が入力される。
また、プリンタ1は、インクジェットヘッド4周辺の温度を検出する温度センサ17を有しており、温度センサ17は検出した温度を示す温度信号を制御装置80に出力する。また、プリンタ1は、カートリッジホルダ14にインクカートリッジ15が装着されたことを検知する装着検知センサ18を有しており、装着検知センサ18はカートリッジホルダ14にインクカートリッジ15が装着されたときに装着信号を制御装置80に出力する。
また、プリンタ1は、上記の構成のほかに、ディスプレイなどの表示部70を有し、制御装置80は、表示部70の制御を行う。また、プリンタ1は、スイッチ、タッチパネルなどの操作部65を有している。操作部65は、ユーザによる操作に応じた信号を制御装置80に送信する。本実施形態における表示部70は、本発明に係る報知部に相当する。
なお、制御装置80は、CPU81のみが各種処理を行うものであってもよいし、ASIC85のみが各種処理を行うものであってもよいし、CPU81とASIC85とが協働して各種処理を行うものであってもよい。また、制御装置80は、1つのCPU81が単独で処理を行うものであってもよいし、複数のCPU81が処理を分担して行うものであってもよい。また、制御装置80は、1つのASIC85が単独で処理を行うものであってもよいし、複数のASIC85が処理を分担して行うものであってもよい。
<記録時の処理>
続いて、プリンタ1において、用紙Pに画像記録を行うときの処理について説明する。プリンタ1では、制御装置80が図7のフローに沿って処理を行うことによって、用紙Pに画像記録を行う。
制御装置80は、まず、S1において、記録指令を受信したか否かを判定する。記録指令を受信した場合(S1:YES)、S2に進む。記録指令を受信していない場合(S1:NO)、S1を繰り返す。
次に、S2において、制御装置80は、吐出異常検知を実行する。まず、制御装置80は、キャリッジ2をメンテナンス位置に配置させ、高電圧電源回路67により所定の正の電位を検出用電極66に印加する。この後、制御装置80は、複数のノズル10のうちの対象ノズルを設定し、対象ノズルに対応する駆動素子50を駆動させる。そして、このときに判定回路68から出力された信号に基づいて、異常ノズルであるか否かを判定する。このときの結果(対象ノズルが異常ノズルであるか否か)を記憶する。そして、制御装置80は、対象ノズルの設定を他のノズルに変更し、当該変更した対象ノズルについても、上述と同様に、結果を記憶する。このような吐出異常検知を、すべてのノズル10に実行する。
次に、制御装置80は、S3において、吐出異常検知結果に基づいて、複数のノズル10の中に異常ノズルがあるか否かを判定する。S3において、異常ノズルがない場合(S3:NO)、S6に進み、記録処理が実行される。一方、異常ノズルがある場合(S3:YES)、S4に進み、パージ処理が実行される。
次に、S3からS4に進む場合、制御装置80は、パージ指令を出力し、当該パージ指令に基づいてパージ処理を実行する。パージ処理は、図8のフローに沿って処理を行うことによって実行される。
制御装置80は、図8に示すように、S10において、まずは推定インク粘度が所定範囲内であるか否かを判定する。本実施形態における推定インク粘度は、制御装置80が、予め記憶されたインク粘度情報、インクカートリッジ15の装着経過時間及び温度履歴情報に基づいて導出する。インクカートリッジ15の装着経過時間は、新たなインクカートリッジ15がカートリッジホルダ14に装着されてからの経過時間であり、制御装置80が装着検知センサ18からの装着信号に基づいて、各インクカートリッジ15について導出する。温度履歴情報は、温度センサ17から温度信号に基づいて記憶される。また、上記の記憶されたインク粘度情報とは、インクカートリッジ15が装着されてからの経過時間に伴うインクカートリッジ15のインク粘度と、温度変化に応じたインク粘度に関する情報である。そして、制御装置80は、導出したインクカートリッジ15の装着経過時間に対応したインク粘度と、温度履歴情報に応じたインク粘度とに基づいて、各インクカートリッジ15についての推定インク粘度を導出する。本実施形態においては、上述のように装着経過時間と温度履歴情報に関するインク粘度情報に基づいて推定インク粘度を導出しているが、種々の関係式に基づいて、制御装置80が推定インク粘度を導出してもよく、特に限定するものではない。
また、ここでいう所定範囲とは、用紙Pに対して画像記録を行う際に通常の駆動条件でインクジェットヘッド4を駆動するときのインク粘度範囲であり、基本リーク時間に対応するインク粘度範囲である。基本リーク時間は、インク粘度が所定範囲内であるときに、吸引ポンプ62を駆動し始めてからノズル10からインクがキャップ61内に排出されるまでに要する基本となる閾値である。つまり、推定インク粘度が所定範囲内の場合に閾値が基本リーク時間に設定され、吸引パージによるインク排出が当該基本リーク時間内に行われた場合は、キャップ61、吸引ポンプ62及びこれらを繋ぐチューブ64などによる吸引パージが正常に動作して行われ、インクが適正に排出されていることが判定可能である。また、基本リーク時間よりも長い長リーク時間と、基本リーク時間よりも短い短リーク時間とがある。長リーク時間は、推定インク粘度が所定範囲よりも高いときに設定されるリーク時間である。これは、インク粘度が高いため、ノズル10から排出されるまでに要する時間が基本リーク時間に比べて長くなるために設定される閾値である。つまり、推定インク粘度が高い場合に閾値が長リーク時間に設定され、吸引パージによるインク排出が当該長リーク時間内に行われた場合は、吸引パージが正常に動作して行われ、インクが適正に排出されていることが判定可能である。短リーク時間は、推定インク粘度が所定範囲よりも低いときに設定されるリーク時間である。これは、インク粘度が低いため、ノズル10から排出されるまでに要する時間が基本リーク時間に比べて短くなるために設定される閾値である。つまり、推定インク粘度が低い場合に閾値が短リーク時間に設定され、吸引パージによるインク排出が当該短リーク時間内に行われた場合は、吸引パージが正常に動作して行われ、インクが適正に排出されていることが判定可能である。本実施形態におけるインクが適正に排出されるとは、吸引パージによって(吸引ポンプ62を所定時間駆動させたときに)、所定量のインクをノズル10から排出することが可能であるということである。吸引ポンプ62を駆動し始めてからノズル10からインクが排出されるまでの時間(導出リーク時間)が設定された閾値(設定リーク時間)以下である場合、メンテナンスユニットが正常に動作しており、メンテナンスユニット8が所定時間の駆動により所定量のインクをノズル10から排出させることができるパージ能力を保っている。
そして、制御装置80は、S10において、導出したインク粘度が所定範囲内でない場合(S10:NO)、S11に進み、所定範囲内である場合(S10:YES)、S14に進む。
次に、制御装置80は、S11において、推定インク粘度が所定範囲よりも高いか否かを判定する。推定インク粘度が所定範囲よりも高い場合(S11:YES)、S12に進む。一方、推定インク粘度が所定範囲よりも低い場合(S11:NO)、S13に進む。
次に、S12において、制御装置80は、排出検知における閾値としての設定リーク時間を長リーク時間に設定する。なお、当該閾値が予め基本リーク時間又は短リーク時間に設定されている場合は、長リーク時間に再設定し、長リーク時間に設定されている場合はそのまま長リーク時間が設定される。これにより、推定インク粘度が所定範囲よりも高い場合においても、後述の吸引パージが正常に行われ、インクが適正に排出されているか否かを判定可能となる。
次に、S13において、制御装置80は、排出検知における閾値としての設定リーク時間を短リーク時間に設定する。なお、当該閾値が予め基本リーク時間又は長リーク時間に設定されている場合は、短リーク時間に再設定し、短リーク時間に設定されている場合はそのまま短リーク時間が設定される。これにより、推定インク粘度が所定範囲よりも低い場合においても、後述の吸引パージが正常に行われ、インクが適正に排出されているか否かを判定可能となる。
次に、制御装置80は、S14において、排出検知における閾値としての設定リーク時間を基本リーク時間に設定する。なお、当該閾値が予め短リーク時間又は長リーク時間に設定されている場合は、基本リーク時間に再設定し、基本リーク時間に設定されている場合はそのまま基本リーク時間が設定される。これにより、推定インク粘度が所定範囲内の場合において、後述の吸引パージが正常に行われ、インクが適正に排出されているか否かを判定可能となる。
次に、制御装置80は、S15において、キャリッジモータ86、キャップ昇降機構88及び吸引ポンプ62を制御して、吸引パージを開始する。つまり、キャリッジ2をメンテナンス位置に配置し、キャップ61をノズル面4aに密着させる。この後、吸引ポンプ62を駆動し、吸引パージを開始する。ここでいう吸引パージの開始とは、吸引ポンプ62を駆動し始めることで、凹部61a内の圧力を所定圧力へと低下させ始めることである。また、このとき、制御装置80は、吸引パージの排出検知を行うために、高電圧電源回路67により、S2の吐出異常検知での電位より小さい所定の正の電位を検出用電極66に印加する。本実施形態において、検出用電極66に電位を印加するタイミングは、吸引ポンプ62を駆動するタイミングに行っているが、吸引ポンプ62を駆動する前又はその後(より詳細にはノズル10からインクが排出されるまで)に電位を印加してもよい。
次に、制御装置80は、S16において、ノズル10からインクが排出されたか否かを判定する。つまり、検出用電極66から出力される電圧信号の電圧値が、電圧値Vcのままであり、ノズル10からインクが排出されない場合(S16:NO)、S17に進む。S17において、制御装置80は、所定時間経過したか否かを判定し、所定時間経過していない場合(S17:NO)、S16に戻る。一方、所定時間経過した場合(S17:YES)、S22に進む。なお、ここでいう所定時間は、長リーク時間よりも長い時間であって、吸引パージにおいて吸引ポンプ62を駆動する駆動時間と同じである。したがって、ノズル10からインクが排出されるまでに当該所定時間経過する場合は、吸引ポンプ62などに不具合が生じて吸引パージが実行できない状態であると判定可能となる。一方、S16において、検出用電極66から出力される電圧信号の電圧値が、電圧値Vcからグランド電位へと低下し、ノズル10からインクが排出された場合(S16:YES)、S18に進む。このとき、制御装置80は、導出リーク時間Teを導出する。
次に、制御装置80は、S18において、導出リーク時間Teが閾値を超えたか否かを判定する。このときの閾値は、S18に至るまでの中でS12〜S14のいずれかで設定された設定リーク時間である。そして、導出リーク時間Teが閾値を超えた場合(S18:YES)、S19に進む。一方、導出リーク時間Teが閾値以下である場合(S18:NO)、吸引パージが正常に動作して行われ、インクが適正に排出されているため、制御装置80は、吸引ポンプ62を所定の駆動時間だけ駆動させ、ノズル10から所定量のインクを排出させた後に、パージ処理を終了させる。このとき、制御装置80は、後述のS19においてカウントする閾値を超えた回数もリセットする。そして、図7のS5に進む。このようにS18において、メンテナンスユニット8によって吸引パージを行わせているときに、ノズル10からインクが排出されるか否かの排出検知が可能となる。
次に、制御装置80は、S19において、閾値を超えた回数をカウントアップする。次に、制御装置80は、S20において、閾値を超えた回数が連続して所定回数(例えば、3回)に達したか否かを判定する。なお、所定回数は適宜設定すればよく、特に限定するものではない。閾値を超えた回数が所定回数に達した場合(S20:YES)、S22に進む。一方、閾値を超えた回数が所定回数に達していない場合(S20:NO)、S21に進む。
次に、制御装置80は、S21において、吸引ポンプ62の単位時間当たりのポンプ回転数(ポンプの駆動量)を現状の回転数よりも増加させるように再設定する。なお、本実施形態においては、吸引ポンプ62にチューブポンプを採用していたが、例えば、ダイアフラム型真空ポンプを採用してもよい。この場合、ダイアフラムの動作数(ポンプの駆動量)を現状の動作数よりも増加させるように再設定すればよい。また、ポンプの駆動量とは、ポンプ能力を変更する際のポンプの駆動量をいう。S18〜S20と処理が進んでくる場合、吸引ポンプ62の劣化による吸引能力の低下、キャップ61のノズル面4aに対する密着力の低下、キャップ61及び吸引ポンプ62を繋ぐチューブ64の劣化などメンテナンスユニット8に何らかの不具合が生じて吸引パージの能力が低下していることが考えられる。したがって、S21では、一旦、吸引ポンプ62のポンプ回転数を増加させて、次回の吸引パージでの吸引力の低下を抑制する。こうして、制御装置80は、吸引ポンプ62を所定の駆動時間だけ駆動させた後に、パージ処理を終了し、図7のS5に進む。
S17やS20からS22に処理が進んできた場合、メンテナンスユニット8になんらかの不具合が生じ、パージ能力が低下していると考えられる。このため、制御装置80は、S22において、メンテナンスユニット8に不具合が生じていることをユーザに報知するように、表示部70にメッセージなどを表示させる。また、このとき、S20からS22に進んできた場合、制御装置80は、閾値を超えた回数のカウントをリセットする。こうして、制御装置80は、吸引ポンプ62を所定の駆動時間だけ駆動させた後に、パージ処理を終了し、図7のS5に進む。
パージ処理の終了後、制御装置80は、図7に示すように、S5において、メンテナンスユニットの状態が良好か否かを判定する。S22からS5に進んできた場合、つまり、メンテナンスユニットの状態が良好でない場合(S5:NO)、パージ処理が適正に実行されなかったと判定しフローを終了する。一方、S18やS21からS5に進んできた場合、つまり、メンテナンスユニット8の状態が良好である場合(S5:YES)、S2に戻って再度、吐出異常検知が実行される。
次に、S3からS6に進む場合、制御装置80は、記録処理を実行する。つまり、制御装置80は、キャリッジモータ86、搬送モータ87、ドライバIC59を制御して、記録指令に基づいて、用紙Pを搬送し、その用紙Pに画像を記録する。こうして、図7に示すフローが終了する。
以上に述べたように、プリンタ1によると、S15〜S18において、複数のノズル10のそれぞれについて吐出異常を検知するための検出用電極66、判定回路68及び高電圧電源回路67で構成された吐出異常検知手段で、メンテナンスユニット8(パージ手段)による吸引パージが行われる際に、ノズル10からインクが適正に排出されるか否かを判定することが可能となる。この結果、ノズル10の吐出異常検知と吸引パージによりノズル10からインクが適正に排出されるか否かを判定との2つの機能を1つの吐出異常検知手段で実現可能となる。
また、本実施形態における吐出異常検知手段が、検出用電極66、判定回路68及び高電圧電源回路67で構成されているため、吸引パージによってノズル10から排出されたインクによってインクジェットヘッド4と検出用電極66とが導通する。このとき、判定回路68が検出用電極66の電圧の変化を検知することで、ノズル10からインクが適正に排出されたか否かの排出検知が可能となる。
また、制御装置80は、S15において、検出用電極66に印加する電圧が、吐出異常検知において検出用電極66に印加する電圧よりも小さい。これにより、排出検知における消費電力を低下させることが可能となる。
また、本実施形態におけるパージ手段であるメンテナンスユニット8が、キャップ61と、吸引ポンプ62とを含んでいる。これにより、吸引ポンプ62を駆動させて凹部61a内を減圧させることで、吸引パージさせることが可能となる。
また、制御装置80は、S18からS21へと進んできた場合、次回の吸引パージにおける単位時間当たりの吸引ポンプ62の回転数を、当該S18の判定前のポンプの回転数よりも多いポンプ回転数に変更するように設定する。これにより、判定後に行われる吸引パージにおけるポンプの回転数が適正な回転数となる。本実施形態においては、S18からS21へと進んできた場合、ポンプの回転数を上昇させているが、導出リーク時間Teが閾値の設定リーク時間よりも大幅に短い場合は、吸引ポンプ62のよる減圧能力が高いと考えられるため、単位時間当たりのポンプの回転数(ポンプの駆動量)を減少させるように設定してもよい。
また、プリンタ1が表示部70を有し、S20からS22へと進んできた場合、制御装置80は表示部70を制御して、メンテナンスユニット8に不具合が生じていることをユーザに報知する。なお、このときの報知内容は、上述のメンテナンスユニット8に不具合が生じていること以外の内容であってもよく、何らかの情報をユーザに報知可能な構成とすればよい。
また、制御装置80は、パージ指令に基づいて吸引パージを行う際に、S18において、排出検知を行う。これにより、パージ指令により吸引パージを行う際に、ノズル10からインクが適正に排出されたか否かの判定を行うことが可能となり、パージ能力の判定を行うための特別なパージを実行する必要がなくなる。この結果、消費インク量を抑制することが可能となる。なお、ノズル10からインクが適正に排出されたか否かの判定(排出検知)は、所定期間経過する度に行う定期パージを実行する際のパージ指令や、ユーザが操作部65や外部装置を介して入力されたパージ指令に基づいて実行してもよい。
また、制御装置80は、S18において、導出した導出リーク時間Teが閾値を超えたか否かで、メンテナンスユニット8によりノズル10からインクが適正に排出されるか否かを判定する。これにより、導出リーク時間Teが閾値を超えると、メンテナンスユニット8に何らかの不具合が生じパージ能力の低下があると判定可能となる。一方、導出リーク時間Teが閾値以下であると、当該パージ能力が適正であると判定可能となる。
また、制御装置80は、S10〜S14において、導出した推定インク粘度に基づいて、閾値となる設定リーク時間を変更する。これにより、インクジェットヘッド4に供給されるインクの粘度に応じて、閾値が変更される。このため、パージ能力の適正を精度よく判定可能となる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、吸引パージによりノズル10からインクが排出されるか否かの判定を、パージ指令を受信してからノズル10からインクが排出されるまでの時間が適正か否かで判定してもよい。このように上述の実施形態における吐出異常検知手段では、ノズル10からインクが排出されるタイミングを検出可能であるため、パージにおいて、所定のタイミングから、ノズル10からインクが排出されるタイミングまでの導出リーク時間を、設定リーク時間(閾値)と比較することで、メンテナンスユニット8が正常に吸引パージを実行し、ノズルからインクが排出されるか否かを判定可能となる。
また、パージを実行する際の排出検知において、判定回路68が、ノズル10からインクが排出されたときの検出用電極66に印加された電圧値の変化量に基づいて、ノズル10からの単位時間当たりの排出量を示す信号を出力してもよい。そして、この出力信号に基づいて、メンテナンスユニット8が単位時間当たりのインク排出量を確保できるか否かでインクが適正に排出されるか否かを判定してもよい。
また、温度センサ17や装着検知センサ18を有していなくてもよい。この場合、これらからの信号を使用せずに、推定インク粘度を導出すればよい。
また、上述の実施形態では、吸引パージによって、複数のノズル10からインクジェットヘッド4内のインクを排出させたが、これには限られない。例えば、サブタンク3とインクカートリッジ15とを接続するチューブ13の途中部分に加圧ポンプが設けられていてもよい。あるいは、プリンタにインクカートリッジと接続された加圧ポンプが設けられていてもよい。そして、複数のノズル10がキャップ61で覆われた状態で、上記加圧ポンプを駆動させることで、インクジェットヘッド4内のインクを加圧してノズル10からインクジェットヘッド4内のインクを排出させる、いわゆる加圧パージを行ってもよい。なお、この場合には、キャップ61と加圧ポンプとを合わせたものが、本発明の「パージ手段」に相当する。
さらには、パージにおいて、吸引ポンプ62による吸引と加圧ポンプによる加圧の両方を行ってもよい。この場合には、メンテナンスユニット8と加圧ポンプとを合わせたものが、本発明の「パージ手段」に相当する。
また、上述の実施形態では、ノズル10から検出用電極66に向けてインクを吐出させたときの検出用電極66の電圧値を用いて、ノズル10からインクが吐出されたか否かを判定したが、これには限られない。
例えば、上下方向に延びた検出用電極を配置し、ノズル10から検出用電極と対向する領域を通過するようにインクを吐出させたときの検出用電極の電圧値を用いて、ノズル10からインクが吐出されたか否かを判定してもよい。あるいは、ノズル10から吐出されたインクを検出する光センサを設け、光センサによる検出結果に基づいて、ノズル10からインクが吐出されたか否かを判定してもよい。これらの吐出異常検知手段を用いても、上述の実施形態と同様に、パージを行う際にノズル10からインクが排出されるタイミングを検出することができ、同様に、ノズル10からインクが排出されるか否かを判定することができる。
また、上述の実施形態では、ノズル10からインクが吐出されたか否かによって、ノズル10に異常が生じているか否かを判定したが、これには限られない。例えば、ノズル10から吐出されたインクの飛翔速度が所定の速度範囲にあるか否か、ノズル10から吐出されたインクが所定の着弾位置に着弾したか否か、ノズル10から所望量のインクが吐出されたか否か等に基づいて、ノズル10に異常が生じているか否かを判定してもよい。
また、上述の実施形態では、駆動素子50により圧力室40内のインクに圧力を付与することで、ノズル10からインクを吐出させたが、これには限られない。例えば、インクを加熱してインク流路内に気泡を発生させることで、ノズル10からインクを吐出させてもよい。
また、以上では、ノズルからインクを吐出して記録用紙Pに記録を行うプリンタに本発明を適用した例について説明したが、これには限られない。インク以外の液体、例えば、液体状にした樹脂や金属を吐出する液体吐出装置にも適用され得る。
1 プリンタ(液体吐出装置)
2 キャリッジ(移動機構の一部)
4 インクジェットヘッド(液体吐出ヘッド)
8 メンテナンスユニット(パージ手段)
10 ノズル
11,12 ガイドレール(移動機構の一部)
61 キャップ(パージ手段の一部)
61a 凹部
62 吸引ポンプ(パージ手段の一部)
66 検出用電極(導電性部材:吐出異常検知手段の一部)
67 高電圧電源回路(電源:吐出異常検知手段の一部)
68 判定回路(検知回路:吐出異常検知手段の一部)
70 表示部(報知部)
80 制御装置(制御部)
86 キャリッジモータ(移動機構の一部)

Claims (9)

  1. 複数のノズルを有する液体吐出ヘッドと、
    前記複数のノズルのそれぞれについて、吐出異常が生じた異常ノズルであるか否かに応じた信号を出力する吐出異常検知手段と、
    前記ノズルから前記液体吐出ヘッド内の液体を排出させるパージを行うパージ手段と、
    制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記複数のノズルのそれぞれについて、前記吐出異常検知手段から出力される信号に基づいて、前記異常ノズルであるか否かの判定を行い、
    さらに、前記パージ手段により前記パージを行わせているときに、前記吐出異常検知手段から出力される前記信号に基づいて、前記パージ手段により前記ノズルから液体が排出されるか否かを判定することを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記吐出異常検知手段は、
    導電性部材と、
    前記導電性部材に印加する電圧を生成する電源と、
    前記導電性部材に印加された電圧の変化を検知する検知回路とを含んでおり、
    前記液体吐出ヘッドの前記複数のノズルと前記導電性部材とが対向する対向位置と、前記複数のノズルと前記導電性部材とが対向しない非対向位置との間において前記液体吐出ヘッドを移動させる移動機構をさらに備えており、
    前記パージ手段は、前記液体吐出ヘッドが前記対向位置にあるときに、電圧が印加された前記導電性部材に向けて前記ノズルから液体を排出させることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記パージ手段により前記ノズルから液体が排出されるか否かを判定する際に前記導電性部材に印加される電圧が、前記異常ノズルであるか否かの判定を行う際に前記導電性部材に印加される電圧よりも小さいことを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記パージ手段は、
    前記導電性部材が内部に収容された凹部を有するキャップと、
    前記凹部内に接続されるポンプとを含んでいることを特徴とする請求項2又は3に記載の液体吐出装置。
  5. 前記制御部は、前記パージ手段により前記ノズルから液体が排出されていないと判定した場合、当該判定後に行われる前記パージにおける単位時間当たりの前記ポンプの駆動量を、判定前の前記パージにおける前記ポンプの駆動量と異なる駆動量に変更することを特徴とする請求項4に記載の液体吐出装置。
  6. 報知部をさらに備えており、
    前記制御部は、前記パージ手段により前記ノズルから液体が排出されていないと連続して判定した回数が所定回数に達した場合、前記報知部を制御して報知することを特徴とする請求項5に記載の液体吐出装置。
  7. 前記制御部は、パージ指令により前記パージを行う際に、前記パージ手段により前記ノズルから液体が排出されるか否かの判定を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  8. 前記制御部は、前記パージ手段により前記パージを行わせているときに、前記吐出異常検知手段から出力される前記信号に基づいて、前記パージを実行するために前記パージ手段を駆動し始めてから前記ノズルから液体が排出されるまでのリーク時間を導出し、当該リーク時間が閾値を超えたか否かで、前記パージ手段により前記ノズルから液体が排出されるか否かを判定することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  9. 前記制御部は、
    前記液体吐出ヘッドに供給する液体の粘度を導出し、
    導出された液体の粘度に基づいて、前記閾値を変更することを特徴とする請求項8に記載の液体吐出装置。
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