JP2021024095A - 液体吐出装置 - Google Patents

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Sasuhiro Nakano
靖大 中野
善一郎 佐々木
Zenichiro Sasaki
善一郎 佐々木
雄太 戸田
Yuta Toda
雄太 戸田
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Abstract

【課題】液体使用量の算出精度を向上させる。【解決手段】プリンタは、インクジェットヘッドと、複数のノズルのそれぞれについて、インクを吐出したか否かに応じた信号を出力する吐出検知手段と、制御装置とを含む。制御装置は、吐出判定の結果に基づいて、インク使用量を算出し、今回の吐出判定の結果が前回の吐出判定の結果と異なるという条件を満たす場合に、今回の吐出判定の結果を参照して、前回の吐出判定から今回の吐出判定までの第1所定期間におけるインク使用量を補正する。【選択図】図7

Description

本発明は、被吐出媒体に液体を吐出する液体吐出装置に関する。
液体吐出装置の一例として、印字ヘッドに設けた多数のノズルからインク滴を吐出して印刷を行うときに、インクを収容したインクカートリッジの総インク量と、インクの吐出指令とに基づいて、インク残量を算出するプリンタがある(例えば、特許文献1参照)。このようなプリンタにおいては、印字ヘッドに形成されたノズルの一部にインクの乾燥などによる増粘によって吐出不良が生じると、そのノズルの吐出指令によりインク滴が吐出されないため、算出されたインク残量よりも実際のインク残量が多くなる。つまり、実際にはインクがある程度残っているにもかかわらず、インクカートリッジの交換を促して、インクを有効に使用できなくなるという問題が生じる。
このような問題を解決するために、吐出異常検出部によりノズルの吐出不良を検出した後において、その吐出不良の総数に基づいてインクの未使用量を算出し、ノズルが吐出するべきインク滴の予定吐出数に基づいて算出されたインクの予定使用量から未使用量を減じることでインク使用量を算出する液滴吐出装置について記載されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平9−30006号公報 特開2009−39868号公報
上記特許文献2に記載の液滴吐出装置においては、吐出異常検出部によりノズルの吐出不良を検出する吐出判定後における予定使用量から未使用量を減じてインク使用量を算出している。このため、今回の吐出判定後から次回の吐出判定まで、すなわち、前回の吐出判定から今回の吐出判定までの期間中に判定されたノズルの状態が変化していない場合は、インク使用量の算出が比較的正確であるが、当該期間中にノズルの状態が、例えば吐出可能状態から不吐出状態に変化した場合、ノズルの吐出不良を検出するまでのインク使用量については未使用量が反映されておらず、インク使用量の算出精度が低下するという問題がある。
本発明の目的は、液体使用量の算出精度が向上した液体吐出装置を提供することである。
本発明の液体吐出装置は、複数のノズルを有する液体吐出ヘッドと、前記複数のノズルのそれぞれについて、液体の吐出量に応じた信号を出力する吐出検知手段と、前記複数のノズルのそれぞれについて、前記吐出検知手段から出力される信号に基づいて、前記複数のノズルのそれぞれについて所望の吐出量が吐出されているか否かの吐出判定を行う制御部と、前記吐出判定の結果を記憶する記憶手段とを備えている。そして、前記制御部は、前記吐出判定の結果に基づいて、前記液体吐出ヘッドを駆動することで使用した液体使用量を算出し、今回の前記吐出判定の結果が前記記憶手段に記憶された前回の前記吐出判定の結果と異なるという条件を満たす場合に、前記今回の吐出判定の結果を参照して、前記前回の吐出判定から前記今回の吐出判定までの期間における前記液体使用量を補正する。
本発明の液体吐出装置によると、吐出判定の結果が今回と前回とで異なるという条件を満たす場合に、今回の吐出判定の結果を参照して、前回の吐出判定から今回の吐出判定までの期間における液体使用量を補正することが可能となり、液体使用量の算出精度が向上する。
本発明の一実施形態に係るプリンタの概略構成図である。 図1のインクジェットヘッドの平面図である。 図2のIII−III線断面図である。 キャップ内に配置された検出用電極、及び、検出用電極と高電圧電源回路及び判定回路との接続関係を説明するための図である。 (a)は吐出判定においてノズルからインクが吐出された場合の検出用電極の電圧値の変化を示す図であり、(b)は吐出判定においてノズルからインクが吐出されなかった場合の検出用電極の電圧値の変化を示す図である。 プリンタの電気的構成を示すブロック図である。 第1所定期間におけるインク使用量の算出処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
<プリンタ全体の構成>
図1に示すように、本実施形態に係るプリンタ1(液体吐出装置)は、キャリッジ2、サブタンク3、インクジェットヘッド4、プラテン5、搬送ローラ6,7、及び、メンテナンスユニット8などを有している。
キャリッジ2は、走査方向に延びた2本のガイドレール11,12に支持されている。キャリッジ2は、図示しないベルトなどを介してキャリッジモータ86(図6参照)に接続されており、キャリッジモータ86を駆動させると、キャリッジ2がガイドレール11,12に沿って走査方向に移動し、キャップ61と対向するメンテナンス位置とキャップ61と対向しない非メンテナンス位置との間においてインクジェットヘッド4を移動させる。なお、以下では、図1に示すように、走査方向の右側及び左側を定義して説明を行う。
サブタンク3は、キャリッジ2に搭載されている。ここで、プリンタ1には、カートリッジホルダ14が設けられており、カートリッジホルダ14に4つのインクカートリッジ15が取り外し可能に装着されている。4つのインクカートリッジ15には、走査方向の右側に配置されたものから、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインクが貯留されている。サブタンク3は、4本のチューブ13を介してカートリッジホルダ14に装着された4つのインクカートリッジ15と接続されている。これにより、4つのインクカートリッジ15からサブタンク3に上記4色のインクが供給される。
インクジェットヘッド4は、キャリッジ2に搭載されている。インクジェットヘッド4には、サブタンク3から上記4色のインクが供給される。また、インクジェットヘッド4は、その下面であるノズル面4aに形成された複数のノズル10からインクを吐出する。より詳細に説明すると、複数のノズル10は、走査方向と直交する搬送方向に沿ったノズル列9を形成しており、インクジェットヘッド4は、走査方向に並んだ4列のノズル列9を有する。複数のノズル10からは、走査方向の右側のノズル列9を構成するものから、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインクが吐出される。本実施形態におけるインクジェットヘッド4は、本発明に係る液体吐出ヘッドに相当する。
プラテン5は、インクジェットヘッド4の下方に配置され、複数のノズル10と対向している。プラテン5は、走査方向に用紙Pの全長にわたって延び、用紙Pを下方から支持する。搬送ローラ6は、インクジェットヘッド4、及び、プラテン5よりも搬送方向の上流側に配置されている。搬送ローラ7は、インクジェットヘッド4及びプラテン5よりも搬送方向の下流側に配置されている。搬送ローラ6,7は、図示しないギヤなどを介して搬送モータ87(図6参照)に接続されている。搬送モータ87を駆動させると、搬送ローラ6,7が回転し、搬送ローラ6,7によって挟持された用紙Pが搬送方向に搬送される。本実施形態における搬送ローラ6,7及び搬送モータ87により、本発明に係る搬送手段が構成されている。
メンテナンスユニット8は、後述するように吸引パージを行って複数のノズル10からインクジェットヘッド4内のインクを排出させるためのパージ手段である。メンテナンスユニット8については後程詳細に説明する。
<インクジェットヘッド>
次に、インクジェットヘッド4について詳細に説明する。図2、図3に示すように、インクジェットヘッド4は、流路ユニット21と圧電アクチュエータ22とを有している。
<流路ユニット>
流路ユニット21は、図3に示すように、4枚のプレート31〜34が上からこの順に積層されることによって形成されている。プレート31〜33は、ステンレスなどの金属材料からなる。プレート34は、ポリイミドなどの合成樹脂材料からなる。
プレート34には、複数のノズル10が形成されている。複数のノズル10は、上述したような4列のノズル列9を形成している。そして、プレート34の下面が、インクジェットヘッド4のノズル面4aとなっている。プレート31には複数の圧力室40が形成されている。圧力室40は、図2に示すように、走査方向を長手方向とする楕円の平面形状を有している。また、複数の圧力室40は、複数のノズル10に個別のものであり、走査方向の左側の端部がノズル10と上下方向に重なっている。これにより、プレート31には、複数の圧力室40が搬送方向に配列されることによってそれぞれ形成され、走査方向に並んだ4列の圧力室列29が形成されている。
プレート32には、図2及び図3に示すように、各圧力室40の走査方向の右側の端部と上下方向に重なる部分に円形の貫通孔42が形成されている。また、プレート32には、各圧力室40の走査方向の左側の端部及びノズル10と上下方向に重なる部分に、円形の貫通孔43が形成されている。
プレート33には、図2及び図3に示すように、4つのマニホールド流路41が形成されている。4つの圧力室列29に対応している。マニホールド流路41は、搬送方向に延び、対応する圧力室列29を構成する複数の圧力室40の走査方向の右側の部分と上下方向に重なっている。これにより、各圧力室40が、貫通孔42を介してマニホールド流路41と連通する。また、各マニホールド流路41の搬送方向の上流側の端部には供給口39が設けられている。インクジェットヘッド4は、供給口39においてサブタンク3内の流路と接続されている。これにより、マニホールド流路41には、供給口39からインクが供給される。また、プレート33には、各貫通孔43及びノズル10と上下方向に重なる部分に、円形の貫通孔44が形成されている。これにより、各ノズル10が貫通孔43,44を介して圧力室40と連通する。
そして、流路ユニット21では、ノズル10と、圧力室40と、ノズル10と圧力室40とを接続する貫通孔43、44と、圧力室40をマニホールド流路41に接続する貫通孔42とによって、個別流路46が形成される。また、各ノズル列9に対応する複数の個別流路46が、それぞれ、対応する1つのマニホールド流路41に接続されている。
<圧電アクチュエータ>
圧電アクチュエータ22は、図2及び図3に示すように、振動板51と、圧電層52と、共通電極53と、複数の個別電極54とを有している。振動板51は、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電材料からなり、流路ユニット21の上面に配置され、複数の圧力室40を覆っている。なお、振動板51は、次に説明する圧電層52とは異なり、圧電材料以外の絶縁性材料からなるものであってもよい。
圧電層52は、上記圧電材料からなり、図2に示すように、振動板51の上面に配置され、複数の圧力室40にわたって連続的に延びている。共通電極53は、図3に示すように、振動板51と圧電層52との間に配置され、複数の圧力室40にわたって連続的に延びている。共通電極53は、図示しない配線部材などを介して図示しない電源回路に接続され、グランド電位に保持されている。
複数の個別電極54は、図2に示すように、複数の圧力室40に対して個別に対応するものである。個別電極54は、圧力室40よりも一回り小さい楕円の平面形状を有し、圧電層52の上面に配置され、圧力室40の中央部と上下方向に重なっている。また、個別電極54の走査方向の右側の端部は、圧力室40と上下方向に重ならない位置まで走査方向の右側まで延び、その先端部が接続端子54aとなっている。接続端子54aには図示しない配線部材が接続され、個別電極54は、この配線部材を介してドライバIC59(図6参照)に接続されている。そして、ドライバIC59により、複数の個別電極54に個別に、グランド電位及び所定の駆動電位(例えば20V程度)のいずれかが選択的に印加される。
また、共通電極53及び複数の個別電極54がこのように配置されているのに対応して、圧電層52の共通電極53と各個別電極54とに挟まれた部分が、それぞれ、上下方向に分極されている。そして、以上のような構造の圧電アクチュエータ22では、振動板51、圧電層52及び共通電極53の、各圧力室40と上下方向に重なる部分と、個別電極54とによって形成される部分が、それぞれ、圧力室40内のインクに圧力を付与する駆動素子50となっている。
ここで、圧電アクチュエータ22を駆動して、ノズル10からインクを吐出させる方法について説明する。圧電アクチュエータ22では、予め、全ての個別電極54が、共通電極53と同じグランド電位に保持されている。あるノズル10からインクを吐出させるときには、そのノズル10に対応する駆動素子50における個別電極54の電位を、グランド電位から駆動電位に切り換える。すると、個別電極54と共通電極53との間の電位差により、振動板51及び圧電層52の圧力室40と上下方向に重なる部分が全体として圧力室40側に凸となるように変形する。これにより、圧力室40の容積が小さくなって圧力室40内のインクの圧力が上昇し、圧力室40に連通するノズル10からインクが吐出される。
<メンテナンスユニット>
次に、メンテナンスユニット8について説明する。図1に示すように、メンテナンスユニット8は、キャップ61と、吸引ポンプ62と、廃液タンク63とを有している。キャップ61は、プラテン5よりも走査方向の右側に配置されている。そして、キャリッジ2を、プラテン5よりも走査方向の右側のメンテナンス位置に位置させると、複数のノズル10がキャップ61と対向する。
キャップ61は、図4に示すように、上方に開口する凹部61aを有している。また、キャップ61は、キャップ昇降機構88(図6参照)によって昇降可能となっている。そして、キャリッジ2を上記メンテナンス位置に位置させて複数のノズル10とキャップ61とを対向させた状態で、キャップ昇降機構88によりキャップ61を上昇させると、キャップ61の周縁部の上端がノズル面4aの周縁部に密着し、複数のノズル10が凹部61aに対向した状態でキャップ61に覆われる。なお、キャップ61はノズル面4aに密着することで複数のノズル10を覆うものであることには限られない。キャップ61は、例えば、インクジェットヘッド4のノズル面4aの周囲に配置される図示しないフレーム等に密着することで、複数のノズル10を覆うものであってもよい。
吸引ポンプ62はチューブポンプなどであり、キャップ61及び廃液タンク63とチューブ64を介して接続されている。そして、メンテナンスユニット8では、上述したように複数のノズル10がキャップ61によって覆われた状態で吸引ポンプ62を駆動させると、複数のノズル10からインクジェットヘッド4内のインクを排出させる、いわゆる吸引パージを行うことができる。インクジェットヘッド4から排出されたインクは廃液タンク63に貯留される。
なお、ここでは、便宜上、キャップ61が全てのノズル10をまとめて覆い、吸引パージにおいて、全てのノズル10からインクジェットヘッド4内のインクを排出させるものとして説明を行ったが、これには限られない。例えば、キャップ61が、ブラックインクを吐出する最も右側のノズル列9を構成する複数のノズル10を覆う部分と、カラーインク(イエロー、シアン、マゼンタのインク)を吐出する左側3列のノズル列9を構成する複数のノズル10を覆う部分とを別々に備えており、吸引パージにおいて、インクジェットヘッド4内のブラックインク及びカラーインクのいずれかを選択的に排出させることができるようになっていてもよい。
また、図4に示すように、キャップ61の凹部61a内には、矩形の平面形状を有する検出用電極66が配置されている。したがって、キャリッジ2がメンテナンス位置に配置されると、検出用電極66は複数のノズル10と対向する。検出用電極66は、導電性材料から構成されており、抵抗69を介して高電圧電源回路67に接続されている。そして、検出用電極66には、高電圧電源回路67により所定の正の電位が印加される。一方で、インクジェットヘッド4の流路ユニット21は、グランド電位に保持されている。これにより、インクジェットヘッド4と検出用電極66との間に所定の電位差が生じる。検出用電極66には、判定回路68が接続されている。判定回路68は、検出用電極66から出力された電圧信号の電圧値と、閾値Vtとを比較し、その結果に応じた信号を出力する。これら検出用電極66、判定回路68及び高電圧電源回路67により、本発明の「吐出検知手段」が構成されている。
より詳細に説明すると、インクジェットヘッド4と、検出用電極66との間には電位差が生じている。ノズル10から吐出されたインクは帯電している。キャリッジ2を上記メンテンナンス位置に位置させた状態で、ノズル10から検出用電極66に向けてインクを吐出させると、図5(a)に示すように、帯電したインクが検出用電極66に近づき、検出用電極66にインクが着弾するまで、検出用電極66の電圧値が上昇し、インクジェットヘッド4が駆動されていないときの電圧値Vaと比べて高い電圧値Vbに達する。そして、帯電したインクが検出用電極66に着弾した後、検出用電極66の電圧値が徐々に電圧値Vaまで低下する。すなわち、インクジェットヘッド4の駆動期間Tdにおいて、検出用電極66の電圧値が変化する。
一方で、ノズル10からインクが吐出されていない場合には、図5(b)に示すように、インクジェットヘッド4の駆動期間Tdにおいて、検出用電極66から出力される電圧信号の電圧値は、電圧値Vaからほとんど変化しない。そこで、判定回路68は、これらを区別するために閾値Vt(Va<Vt<Vb)が設定されている。そして、判定回路68は、インクジェットヘッド4の駆動期間Tdにおいて、検出用電極66から出力される電圧信号の最大の電圧値と閾値Vtとを比較し、その判定結果に応じた信号を出力する。こうして、ノズル10に不吐出が生じているか否かを検知するための吐出判定が可能となる。
なお、ここでは、高電圧電源回路67により、検出用電極66に正の電位が印加されているが、高電圧電源回路67により、検出用電極66に負の電位が印加されていてもよい。吐出異常検知の場合には、上述したのとは逆に、キャリッジ2を上記メンテンナンス位置に位置させた状態で、ノズル10から検出用電極66に向けてインクを吐出させると、帯電したインクが検出用電極66に近づき、検出用電極66にインクが着弾するまで、検出用電極66の電圧値が低下する。
<プリンタの電気的構成>
次に、プリンタ1の電気的構成について説明する。プリンタ1の動作は、制御装置80によって制御される。図6に示すように、制御装置80は、CPU(Central Processing Unit)81、ROM(Read Only Memory)82、RAM(Random Access Memory)83、フラッシュメモリ(記憶手段)84、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)85などからなり、キャリッジモータ86、搬送モータ87、ドライバIC59、キャップ昇降機構88、高電圧電源回路67、吸引ポンプ62などの動作を制御する。また、制御装置80は、第1所定期間が経過する度に、上述の吐出判定を実行するように、キャリッジモータ86、キャップ昇降機構88、駆動素子50及び高電圧電源回路67を制御する。制御装置80は、実行した吐出判定の結果(少なくとも前回の吐出判定と今回の吐出判定の結果)をフラッシュメモリ84に記憶する。
また、プリンタ1は、カートリッジホルダ14にインクカートリッジ15が装着されたことを検知する装着検知センサ18を有しており、装着検知センサ18はカートリッジホルダ14にインクカートリッジ15が装着されたときに装着信号を制御装置80に出力する。
制御装置80は、インクカートリッジ15の装着による装着信号を受信すると、今まで装着していたインクカートリッジ15の後述のインク使用量の累積値をリセットして、今回装着されたインクカートリッジ15のインク使用量の算出を開始し、インクカートリッジ15毎(色毎)にフラッシュメモリ84にインク使用量の累積値を記憶する。なお、インクカートリッジ15に代えてインク補充可能なインクタンクを採用している場合は、インクを満タンまで補充した時点で、今まで算出したインク使用量の累積値をリセットし、新たなインク使用量の算出を開始すればよい。
インク使用量は、ノズル10からインク滴を吐出するために駆動素子50を駆動することでカウントされた吐出回数にインク滴の量を乗じることで算出する。算出されたインク使用量を前回算出したインク使用量に加算していくことで、インク使用量の累積値が算出される。インク使用量の算出は、制御装置80が駆動素子50を駆動するための指令(記録ジョブやフラッシング指令)を実行する度に実行される。制御装置80は、フラッシュメモリ84に記憶された吐出判定の結果に基づいて、吐出回数を導出する。つまり、吐出判定を行った結果、特定のノズル10に不吐出が生じている場合は、当該吐出判定以降における不吐出ノズルに関する吐出回数をカウントせずに、インクを吐出可能であると判定された吐出ノズルに関する吐出回数をカウントして、吐出回数を導出する。また、制御装置80は、前回の吐出判定から今回の吐出判定までの第1所定期間において、算出するインク使用量毎の吐出回数もフラッシュメモリ84に記憶させている。また、制御装置80は、吸引パージが行われる毎に、吸引パージで排出されるインク排出量をインク使用量の累積値に加算する。なお、インク排出量は、予め実験で求められたインク排出量である。
また、制御装置80は、今回の吐出判定の結果がフラッシュメモリ84に記憶された前回の吐出判定の結果と異なるという条件を満たした場合、今回の吐出判定の結果を参照して後述の諸条件(図7に示す判定処理)に基づいて、前回の吐出判定から今回の吐出判定までの第1所定期間のインク使用量を補正する。
また、制御装置80は、上述の第1所定期間よりも短い期間である第2所定期間が経過する度に、及び、フラッシング指令を受信したときに、すべてのノズル10からインクを吐出させるフラッシングを実行するように、駆動素子50を制御する。また、制御装置80は、第1所定期間以上の第3所定期間が経過する度、及び、吸引パージ指令を受信したときに、吸引パージ及びその直後にフラッシングを行う回復動作を行うように、キャリッジモータ86、キャップ昇降機構88、吸引ポンプ62及び駆動素子50を制御する。
また、プリンタ1は、搬送方向において搬送ローラ6とプラテン5との間に配置された用紙センサ90を有しており、搬送ローラ6によって搬送される用紙Pを検出し、その検出信号を制御装置80に出力する。制御装置80は、用紙センサ90から検出信号の有無に基づいて用紙Pにジャムが生じているか否かを判定する。また、制御装置80は、第1所定期間において実行された印刷、回復動作、フラッシング及びジャムの発生などの動作履歴についてもフラッシュメモリ84に記憶している。
また、プリンタ1は、上記の構成のほかに、ディスプレイなどの表示部70を有し、制御装置80は、表示部70の制御を行う。また、プリンタ1は、スイッチ、タッチパネルなどの操作部65を有している。操作部65は、ユーザによる操作に応じた信号を制御装置80に送信する。
本実施形態における制御装置80は、CPU81とASIC85とが協働して各種処理を行う。つまり、CPU81とASIC85とが、本発明の「制御部」に相当する。なお、制御装置80は、ASIC85のみが各種処理を行うものであってもよいし、CPU81のみが各種処理を行うものであってもよい。また、制御装置80は、1つのCPU81が単独で処理を行うものであってもよいし、複数のCPU81が処理を分担して行うものであってもよい。また、制御装置80は、1つのASIC85が単独で処理を行うものであってもよいし、複数のASIC85が処理を分担して行うものであってもよい。また、フラッシュメモリ84に代えて、制御装置80に外部記憶装置を接続し、当該外部記憶装置を本発明の記憶手段としてもよい。
<第1所定期間におけるインク使用量の算出処理>
続いて、プリンタ1において、前回の吐出判定から今回の吐出判定までの第1所定期間におけるインクカーリッジ15のインク使用量の算出処理について説明する。なお、インクカートリッジ15のインク使用量の累積値には、色毎に、第1所定期間中のインク使用量を足し合わせたものが含まれる。以下においては、1つのインクカートリッジ15についてのインク使用量の算出処理を述べるが、他のインクカートリッジ15においても同様であるため、他のインクカートリッジ15に関する説明を省略する。プリンタ1では、制御装置80が図7のフローに沿って処理を行うことによって、第1所定期間におけるインクカーリッジ15のインク使用量の算出処理が実行される。
制御装置80は、まず、S1において、第1所定期間経過したか否かを判定する。第1所定期間経過した場合(S1:YES)、S2に進む。なお、第1所定期間内には、ジャムが発生したり、回復動作を実行していることがあり、これらの後では所定期間が経過していなくても、S2の吐出判定処理が実行される。第1所定期間経過していない場合(S1:NO)、S1を繰り返す。なお、S1が繰り返される間中、制御装置80は、前回の吐出判定が実行されてからの印刷やフラッシング時におけるそれぞれの吐出回数及びインク滴の量に基づいて算出されたインク使用量をフラッシュメモリ84に記憶されたインク使用量に加算して、現状のインクカートリッジ15毎のインク使用量の累積値をフラッシュメモリ84に記憶させている。また、制御装置80は、前回の吐出判定が実行されてから今回の吐出判定(S2)が実行されるまで、当該期間(すなわち、第1所定期間)における印刷及びフラッシング毎の各ノズル10の吐出回数も記憶させている。
次に、S2において、制御装置80は、吐出判定処理を実行する。まず、制御装置80は、キャリッジ2をメンテナンス位置に配置させ、高電圧電源回路67により所定の正の電位を検出用電極66に印加する。この後、制御装置80は、複数のノズル10のうちの対象ノズルを設定し、対象ノズルに対応する駆動素子50を駆動させる。そして、このときに判定回路68から出力された信号に基づいて、不吐出ノズルであるか否かを判定する。このときの結果(対象ノズルが不吐出ノズルであるか否か)をフラッシュメモリ84に記憶する。そして、制御装置80は、対象ノズルの設定を他のノズルに変更し、当該変更した対象ノズルについても、上述と同様に、結果を記憶する。このような吐出判定を、すべてのノズル10に実行する。
次に、制御装置80は、S3において、今回の吐出判定による結果が前回の吐出判定による結果と異なるか否かを判定する。吐出判定結果が同じ場合(S3:NO)、S4に進む。
次に、制御装置80は、S4において、前回の吐出判定から今回の吐出判定までの第1所定期間の吐出回数を導出する。S3からS4に進む場合、前回の吐出判定から今回の吐出判定までの第1所定期間において、吐出判定の結果が同じであるため、制御装置80は、前回の吐出判定の結果に基づいて記憶された第1所定期間における吐出回数を導出する。このときの吐出回数は、前回の吐出判定を行った結果、特定のノズル10に不吐出が生じている場合は、当該吐出判定以降における不吐出ノズルに関する吐出回数をカウントせずに、インクを吐出可能であると判定された吐出ノズルに関する吐出回数をカウントして導出されたものである。
制御装置80は、S3において、吐出判定結果が異なる場合(S3:YES)、S6に進む。制御装置80は、S6において、今回の判定結果で前回と異なるノズル10が不吐出ノズルであるか否かを判定する。今回の判定結果での異なるノズル10が不吐出ノズルである場合(S6:YES)、S7に進む。この場合、今回の判定結果と前回の判定結果とが異なるため、今回の吐出判定で前回の判定と異なるノズル(以降、異なるノズルとも称する)10であって不吐出ノズルであると判定されたノズル10は、前回の吐出判定では吐出可能な吐出ノズルであることがわかる。一方、今回の判定結果が吐出ノズルである場合(S6:NO)、S14に進む。この場合、異なるノズル10であって吐出ノズルであると判定されたノズル10は、前回の吐出判定では不吐出ノズルであることがわかる。
次に、制御装置80は、S7において、前回の吐出判定から今回の吐出判定が行われるまでの間にジャムが発生していたか否かを判定する。ジャムが発生している場合(S7:YES)、S8に進む。一方、ジャムが発生していない場合(S7:NO)、S9に進む。
次に、制御装置80は、S8において、今回の吐出判定がジャム発生の後であってジャム発生後から今回の吐出判定を行うまでにおいてインクジェットヘッド4(駆動素子50)を駆動してノズル10からインクを吐出したか否かを判定する。ジャム発生後から今回の吐出判定までにインク吐出をしていない、すなわち、ジャム発生から今回の吐出判定が行われるまでに、回復動作のフラッシングや印刷が実行されていない場合(S8:NO)、S4に進む。S8からS4に進む場合は、ジャムが発生し、当該ジャムの搬送回復処理(詰まった用紙Pなどを取り除く処理)を行っている最中に、ノズル10のインクが乾燥によって増粘し、吐出ノズルから不吐出ノズルになったと考えられる。つまり、前回の吐出判定で吐出可能と判定され今回の吐出判定で不吐出ノズルと判定されたノズル10は、ジャムが生じるまでは吐出可能であったと考えられる。このため、S4に進み、後述のS10などのように吐出回数を補正せずに導出する。一方、ジャム発生後から今回の吐出判定までにインク吐出をしている場合、すなわち、ジャム発生から今回の吐出判定が行われるまでに、回復動作のフラッシングや印刷の少なくともいずれかが実行されている場合(S8:YES)、S9に進む。
次に、制御装置80は、S9において、今回の吐出判定による不吐出ノズル数が閾値以上であるか否かを判定する。本実施形態における閾値は、例えば、ユーザが目視により画像品質の低下がわかる程度にインク吐出が不可能なノズル10が生じる数(例えば、全ノズル数の半数)に設定されている。閾値未満である場合(S9:NO)、S10に進む。一方、閾値以上である場合(S9:YES)、S11に進む。
次に、制御装置80は、S10において、現状記憶されている第1所定期間の吐出回数から異なるノズル(今回の吐出判定により不吐出ノズルとなったノズル)10における第1期間の吐出回数分を減算する。本実施形態における第1期間は、第1所定期間中の約1/2の長さに該当する期間であって、第1所定期間の前回の吐出判定から半分経過した時点から今回の吐出判定が行われるまでの期間である。つまり、第1期間中に印刷などが実行されており、当該印刷時における異なるノズル10の吐出回数分を第1所定期間の吐出回数から減算する。こうして、制御装置80は、第1所定期間における吐出回数(インク使用量)が少なくなるように補正する。そして、S5に進む。S10からS5に進む場合、制御装置80は、S5において、S10で算出された第1所定期間の吐出回数に基づいて当該第1所定期間のインク使用量が算出される。
次に、制御装置80は、S11において、現状記憶されている第1所定期間の吐出回数から異なるノズル10における第2期間の吐出回数分を減算する。本実施形態における第2期間は、第1期間よりも短い期間であって第1所定期間中の約1/3の長さに該当する期間である。また、第2期間は、第1所定期間の前回の吐出判定から2/3経過した時点から今回の吐出判定が行われるまでの期間である。第2期間が第1期間よりも短く設定されるのは、何らかの理由により、短期間の間に不吐出ノズル数が増大したと考えられるためである。不吐出ノズルが徐々に増加し不吐出ノズルが多くなる場合は、不吐出ノズルが増加する期間中に行われる印刷によりユーザが気付いて回復動作が行われる。これより、印刷が行われない短期間の間に不吐出ノズル数が増大すると考えられ、第2期間が短く設定される。つまり、第2期間中に実行されたフラッシングにおける異なるノズル10の吐出回数分を第1所定期間の吐出回数から減算する。こうして、制御装置80は、第1所定期間における吐出回数(インク使用量)が少なくなるように補正する。また、第1期間の方が第2期間よりも長くなるため、印刷やフラッシングによるインク吐出回数が多くなる機会が存在する。したがって、S11よりもS10の方が、第1所定期間における吐出回数を少なくするような補正となることが多い。なお、第1及び第2期間の長さは、第1所定期間よりも短く第1期間が第2期間よりも長ければ、適宜、変更してもよい。
次に、制御装置80は、S12において、第1所定期間中の第3期間において、第1所定期間中における最後の印刷後にフラッシングが実行されたか否かを判定する。本実施形態における第3期間は、第1所定期間の前回の吐出判定から第2期間までの期間である。この第3期間において最後の印刷があり且つ当該印刷と第2期間までの間にフラッシングが実行された場合(S12:YES)、S13に進む。一方、第3期間においてフラッシングが実行されていない場合(S12:NO)、S5に進む。S12からS5に進む場合、制御装置80は、S5において、S11で算出された第1所定期間の吐出回数に基づいて当該第1所定期間のインク使用量が算出される。
次に、制御装置80は、S13において、第3期間中に実行されたフラッシングのうち、異なるノズル10の吐出回数分をS11で算出した吐出回数から減算する。そして、S5に進む。S13からS5に進む場合、制御装置80は、S5において、S13で算出された第1所定期間の吐出回数に基づいて当該第1所定期間のインク使用量が算出される。
次に、制御装置80は、S14において、前回の吐出判定から今回の吐出判定が行われるまでの間に回復動作を実行していたか否かを判定する。回復動作を実行していない場合(S14:NO)、S15に進む。一方、回復動作を実行している場合(S14:YES)、S16に進む。
次に、制御装置80は、S15において、現状記憶されている第1所定期間の吐出回数に、異なるノズル10における第4期間の吐出回数分を加算する。本実施形態における第4期間は、上述の第1期間と同様であって、第1所定期間の前回の吐出判定から半分経過した時点から今回の吐出判定が行われるまでの期間である。つまり、第1期間中に印刷などが実行されており、当該印刷時における異なるノズル10の吐出回数分を第1所定期間の吐出回数に加算する。こうして、制御装置80は、第1所定期間における吐出回数(インク使用量)が多くなるように補正する。そして、S5に進む。S15からS5に進む場合、制御装置80は、S5において、S15で算出された第1所定期間の吐出回数に基づいて当該第1所定期間のインク使用量が算出される。
次に、制御装置80は、S16において、今回の吐出判定が回復動作の直後であり、前回の吐出判定が回復動作の直前であるか否かを判定する。例えば、回復動作から今回の吐出判定までの間に印刷が実行されている場合、今回の吐出判定が回復動作の直後でないため(S16:NO)、S17に進む。この場合、回復動作の吸引パージにより、異なるノズル10の吐出状態が不吐出状態から吐出可能状態に回復したと考えられるため、S17において、制御装置80は、現状記憶されている第1所定期間の吐出回数に、回復動作から今回の吐出判定が実行されるまでの印刷や吸引パージ後のフラッシングにおける異なるノズル10の吐出回数分を加算する。こうして、制御装置80は、第1所定期間における吐出回数(インク使用量)が多くなるように補正する。S17からS5に進む場合、制御装置80は、S5において、S17で算出された第1所定期間の吐出回数に基づいて当該第1所定期間のインク使用量が算出される。
一方、S16において、今回の吐出判定が回復動作の直後であり、前回の吐出判定が回復動作の直前である場合(S16:YES)、S18に進む。この場合、回復動作の吸引パージにより、異なるノズル10の吐出状態が不吐出状態から吐出可能状態に回復したと考えられるため、S18において、制御装置80は、現状記憶されている第1所定期間の吐出回数に、吸引パージ後のフラッシングにおける異なるノズル10の吐出回数分を加算する。こうして、制御装置80は、第1所定期間における吐出回数(インク使用量)が多くなるように補正する。S18からS5に進む場合、制御装置80は、S5において、S18で算出された第1所定期間の吐出回数に基づいて当該第1所定期間のインク使用量が算出される。
次に、制御装置80は、S5において、S5へと進んできた前処理(S4,S10,S11,S13,S15,S17,S18のいずれか)において導出された第1所定期間の吐出回数に、インク滴の量を乗じることで、第1所定期間のインク使用量を算出し決定する。なお、S10,S11,S13,S15,S17,S18からS5に進んでくる場合は、第1所定期間の吐出回数が補正されてS5に進んでくる。このため、インク使用量も補正されることになる。制御装置80は、第1所定期間内において吸引パージを実行している場合は、算出したインク使用量に当該吸引パージによるインク排出量も加算する。こうして、図7に示す第1所定期間におけるインク使用量の算出処理のフローが終了する。
以上に述べたように、プリンタ1によると、吐出判定の結果が今回と前回とで異なるという条件を満たす場合に、今回の吐出判定の結果を参照して、S10,S11,S13,S15,S17,S18に進む場合、前回の吐出判定から今回の吐出判定までの第1所定期間におけるインク使用量を補正することが可能となり、インク使用量の算出精度が向上する。
また、制御装置80は、S6からS10又はS11へと進む場合、第1所定期間におけるインク使用量を適正に補正することが可能となる。したがって、インク使用量の算出精度がより一層向上する。
また、制御装置80は、S6からS17又はS18へと進む場合、第1所定期間におけるインク使用量を適正に補正することが可能となる。したがって、インク使用量の算出精度がより一層向上する。
また、制御装置80は、異なるノズル10が吸引パージによって回復し、S16からS18へと進む場合、フラッシュメモリ84に記憶された第1所定期間における吐出回数に、吸引パージ後のフラッシングにおける異なるノズル10の吐出回数を加算することが可能となり、S5でのインク使用量の算出精度がより一層向上する。
本実施形態においては、回復動作として吸引パージ後にフラッシングが行われるが、変形例として、回復動作として吸引パージだけが行われフラッシングが行われなくてもよい。この場合、上述のS16の代わりに、制御装置80が、今回の吐出判定が吸引パージの後であって吸引パージ後から今回の吐出判定を行うまでにおいてインクジェットヘッド4(駆動素子50)を駆動してノズル10からインクを吐出したか否かを判定する(S19:図7中二点鎖線で示す)。吸引パージ後から今回の吐出判定までにインク吐出をしていない、すなわち、吸引パージ後から今回の吐出判定が行われるまでに、回復動作のフラッシングや印刷が実行されていない場合(S19:NO)、S4に進む。S19からS4に進む場合は、吸引パージにより、異なるノズル10の吐出状態が不吐出状態から吐出可能状態に回復したと考えられる。つまり、前回の吐出判定で不吐出ノズルと判定され今回の吐出判定で吐出可能と判定されたノズル10は、吸引パージが実行されるまでは不吐出ノズルであったと考えられる。このため、S4に進み、吐出回数を補正せずに導出する。つまり、前回の吐出判定から今回の吐出判定までの期間におけるインク使用量を補正しない。したがって、インク使用量の算出精度がより一層向上する。
一方、吸引パージ後から今回の吐出判定までにインク吐出をしている、すなわち、吸引パージ後から今回の吐出判定が行われるまでに、フラッシングや印刷の少なくともいずれかが実行されている場合(S19:YES)、S20に進む。この場合、吸引パージにより、異なるノズル10の吐出状態が不吐出状態から吐出可能状態に回復したと考えられるため、S20において、制御装置80は、現状記憶された第1所定期間の吐出回数に、パージ後に実行されたフラッシング及び印刷における異なるノズル10の吐出回数分を加算する。こうして、制御装置80は、第1所定期間における吐出回数(インク使用量)が多くなるように補正する。S20からS5に進む場合、制御装置80は、S5において、S20で算出された第1所定期間の吐出回数に基づいて当該第1所定期間のインク使用量が算出される。
また、制御装置80は、S8からS4に進む場合、S6で異なるノズル10が不吐出ノズルであると判定されても、当該ノズル10は搬送時に生じたジャムを復帰させる間に不吐出ノズルになったと推定されるため、S4に進み、第1所定期間におけるインク使用量を補正しない。インク使用量の算出において不必要な補正を行うのを防ぐことが可能となる。したがって、インク使用量の算出精度がより一層向上する。
また、制御装置80は、S6からS13に進む場合、第1所定期間内であって第3期間中のフラッシング分の吐出回数を加算することが可能となり、インク使用量を適正に補正することが可能となる。したがって、インク使用量の算出精度がより一層向上する。変形例として、S6からS13へと進む際に、S11を経由せずにS9からS12に相当する処理を介してS13へと進んでもよい。このときのS12に相当する処理とは、制御装置80は、第1所定期間における吐出回数から、第1所定期間内に最後の印刷から今回の吐出判定までの間において異なるノズル10のフラッシングに係る吐出回数分を減算する補正を行ってもよい。これにおいても、上述と同様に、インク使用量の算出精度がより一層向上する。
また、制御装置80は、S9からS11に進む場合、第1所定期間における吐出回数から第2期間における異なるノズル10に係る吐出回数分が減算される。このため、比較的短期間である第2期間において不吐出ノズルが増加した分をインク使用量の算出精度に加味することが可能となる。
また、制御装置80は、第1所定期間の吐出回数を導出し、導出された吐出回数に基づいてインク使用量を算出する。そして、第1所定期間におけるインク使用量を補正する際には、当該期間における吐出回数を補正することで、インク使用量を補正する。これにより、インク使用量を吐出回数に基づいて算出することが可能となり、第1所定期間における吐出回数を補正することで、インク使用量を補正することが可能となる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述の実施形態及び変形例においては、ノズル10からインクを吐出する吐出回数をカウントし(ソフトカウント)、その吐出回数にインク滴の量を乗ずることでベースとなるインク使用量を算出しているが、このようなソフトカウントによるインク使用量の算出方法以外の方法(例えば、印刷時の画像データから直接的に導出するなど)を採用してもよい。この場合においても、今回の吐出判定の結果が前回の吐出判定の結果と異なるという条件を満たす場合に、今回の吐出判定の結果を参照しつつ図7に示すようなフローを行って、第1所定期間におけるインク使用量を算出する際に用いる数値を補正することで、第1所定期間のインク使用量を補正すればよい。これにおいても、上述と同様の効果を得ることができる。また、S6からS8へと進む際のインク使用量の補正としては0超え1未満の係数を乗じ、S6からS16又はS19に進む際のインク使用量の補正としては1を超える係数を乗じて、概略的に算出してもよい。これらにおいても、異なるノズル10からインクが吐出されている分又はインクが吐出されていない分を考慮することが可能となって、上述と同様の効果を得ることができる。
また、上述の吐出判定においては、ノズル10からインクが吐出されているか否かを判定し、不吐出ノズルか吐出可能ノズルかを判定しているが、ノズル10から吐出されたインク量から所望量のインクが吐出されているか否かを判定し、所望量のインクが吐出されていないノズル10に対しては、所望量のインクよりも少なくなった分に応じて、インク使用量を補正してもよい。つまり、吐出判定において、判定回路68が、ノズル10からインクが吐出されたときの検出用電極66に印加された電圧値の変化量に基づいて、ノズル10から所望量(吐出可能ノズルからのインク吐出量と同様であり、印刷やフラッシングに必要なインク量)のインクが吐出されているか、当該所望量のインクよりも少ないインク量であってどの程度のインク量が吐出されているかを判定すればよい。なお、検出用電極66に印加された電圧値と所望量に対応する閾値としての電圧値との差に応じて、ノズル10からのインク吐出量が所望量に対してどの程度であるかを導出すればよい。そして、S6において、今回の吐出判定において、異なるノズル10からのインクの吐出量が所望量よりも少ないか否かを判定してもよい。ノズル10からのインク吐出量が少ない場合はS7へと進み、所望量である場合はS14へと進めばよい。さらに、ノズル10から所望量のインクが吐出されていないときに、インク使用量を補正する際には、例えば、所望量から当該インク吐出量を差し引いて導出した単位インク量に基づいて導出したインク量を減算する補正をすればよい。一方、ノズル10から所望量のインクが吐出されている場合は、前回の吐出判定によるノズル10のインク吐出量を所望量から差し引いた単位インク量に基づいて導出したインク量を加算する補正をすればよい。これにおいても上述の実施形態と同様に、インク使用量を補正することが可能となって、インク使用量の算出精度が向上する。
また、上述の実施形態では、ノズル10から検出用電極66に向けてインクを吐出させたときの検出用電極66の電圧値を用いて、ノズル10からインクが吐出されたか否かを判定したが、これには限られない。
例えば、上下方向に延びた検出用電極を配置し、ノズル10から検出用電極と対向する領域を通過するようにインクを吐出させたときの検出用電極の電圧値を用いて、ノズル10からインクが吐出されたか否かを判定してもよい。あるいは、ノズル10から吐出されたインクを検出する光センサを設け、光センサによる検出結果に基づいて、ノズル10からインクが吐出されたか否かを判定してもよい。
また、上述の実施形態では、吸引パージによって、複数のノズル10からインクジェットヘッド4内のインクを排出させたが、これには限られない。例えば、サブタンク3とインクカートリッジ15とを接続するチューブ13の途中部分に加圧ポンプが設けられていてもよい。あるいは、プリンタにインクカートリッジと接続された加圧ポンプが設けられていてもよい。そして、複数のノズル10がキャップ61で覆われた状態で、上記加圧ポンプを駆動させることで、インクジェットヘッド4内のインクを加圧してノズル10からインクジェットヘッド4内のインクを排出させる、いわゆる加圧パージを行ってもよい。なお、この場合には、キャップ61と加圧ポンプとを合わせたものが、本発明の「パージ手段」に相当する。
さらには、パージにおいて、吸引ポンプ62による吸引と加圧ポンプによる加圧の両方を行ってもよい。この場合には、メンテナンスユニット8と加圧ポンプとを合わせたものが、本発明の「パージ手段」に相当する。
また、上述の実施形態では、駆動素子50により圧力室40内のインクに圧力を付与することで、ノズル10からインクを吐出させたが、これには限られない。例えば、インクを加熱してインク流路内に気泡を発生させることで、ノズル10からインクを吐出させてもよい。
また、以上では、ノズルからインクを吐出して記録用紙Pに記録を行うプリンタに本発明を適用した例について説明したが、これには限られない。インク以外の液体、例えば、液体状にした樹脂や金属を吐出する液体吐出装置にも適用され得る。
1 プリンタ(液体吐出装置)
4 インクジェットヘッド(液体吐出ヘッド)
6,7 搬送ローラ(搬送手段の一部)
8 メンテナンスユニット(パージ手段)
10 ノズル
61 キャップ(パージ手段の一部)
61a 凹部
62 吸引ポンプ(パージ手段の一部)
66 検出用電極(導電性部材:吐出検知手段の一部)
67 高電圧電源回路(電源:吐出検知手段の一部)
68 判定回路(検知回路:吐出検知手段の一部)
80 制御装置(制御部)
87 搬送モータ(搬送手段の一部)

Claims (9)

  1. 複数のノズルを有する液体吐出ヘッドと、
    前記複数のノズルのそれぞれについて、液体の吐出量に応じた信号を出力する吐出検知手段と、
    前記複数のノズルのそれぞれについて、前記吐出検知手段から出力される信号に基づいて、前記複数のノズルのそれぞれについて所望の吐出量が吐出されているか否かの吐出判定を行う制御部と、
    前記吐出判定の結果を記憶する記憶手段とを備え、
    前記制御部は、
    前記吐出判定の結果に基づいて、前記液体吐出ヘッドを駆動することで使用した液体使用量を算出し、
    今回の前記吐出判定の結果が前記記憶手段に記憶された前回の前記吐出判定の結果と異なるという条件を満たす場合に、前記今回の吐出判定の結果を参照して、前記前回の吐出判定から前記今回の吐出判定までの期間における前記液体使用量を補正することを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記制御部は、
    前記今回の吐出判定で吐出された吐出量が所望吐出量よりも少ないと判定された前記ノズルが、前記前回の吐出判定で吐出された吐出量が所望吐出量であると判定されていた場合、当該ノズルに係る前記期間における前記液体使用量が少なくなるように補正することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記制御部は、
    前記今回の吐出判定で吐出された吐出量が所望吐出量であると判定された前記ノズルが、前記前回の吐出判定で吐出された吐出量が所望吐出量よりも少ないと判定されていた場合、当該ノズルに係る前記期間における前記液体使用量が多くなるように補正することを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記ノズルから前記液体吐出ヘッド内の液体を排出させるパージを行うパージ手段をさらに備えており、
    前記制御部は、
    前記パージ後に前記今回の吐出判定を行うときに、当該パージが行われてから前記今回の吐出判定までの間に前記ノズルから液体を吐出するための前記液体吐出ヘッドの駆動が行われておらず、更に、当該今回の吐出判定で吐出された吐出量が所望吐出量であると判定された前記ノズルが、前記前回の吐出判定で吐出された吐出量が所望吐出量よりも少ないと判定されていた場合には、前記期間における前記液体使用量を補正しないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  5. 前記ノズルから前記液体吐出ヘッド内の液体を排出させるパージを行うパージ手段をさらに備えており、
    前記制御部は、
    前記パージの後に、前記液体吐出ヘッドを駆動して前記複数のノズルから液体を吐出させるフラッシングを実行するように構成され、
    更に、
    前記今回の吐出判定を前記パージ及びその後の前記フラッシングが実行された直後に行うときに、前記前回の吐出判定が前記パージの直前に行われ、更に、当該今回の吐出判定で吐出された吐出量が所望吐出量であると判定された前記ノズルが、前記前回の吐出判定で吐出された吐出量が所望吐出量よりも少ないと判定されていた場合には、前記期間における前記液体使用量に、吐出量が所望吐出量であると判定された前記ノズルの前記フラッシングに係る液体使用量を加える補正を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  6. 被吐出媒体を搬送する搬送手段をさらに備えており、
    前記制御部は、
    前記搬送手段による被吐出媒体の搬送時にジャムが生じた後に前記今回の吐出判定を行うときに、当該ジャムが発生してから前記ノズルから液体を吐出するための前記液体吐出ヘッドの駆動が行われておらず、更に、当該今回の吐出判定で吐出された吐出量が所望吐出量よりも少ないと判定された前記ノズルが、前記前回の吐出判定で吐出された吐出量が所望吐出量であると判定されていた場合には、前記期間における前記液体使用量を補正しないことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  7. 前記制御部は、
    所定期間が経過する度に、前記液体吐出ヘッドを駆動して前記複数のノズルから液体を吐出させるフラッシングを実行し、
    前記今回の吐出判定で吐出された吐出量が所望吐出量よりも少ないと判定された前記ノズルが前記前回の吐出判定で吐出された吐出量が所望吐出量であると判定され、且つ前記今回の吐出判定で吐出された吐出量が所望吐出量よりも少ないと判定された前記ノズルの数が閾値以上である場合、前記期間内における最後の印刷から前記今回の吐出判定までの間において、当該ノズルの前記フラッシングに係る液体使用量分を前記液体使用量から減算する補正を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  8. 前記制御部は、
    前記今回の吐出判定で吐出された吐出量が所望吐出量よりも少ないと判定された前記ノズルの数が閾値未満である場合、前記期間内の第1期間における前記ノズルに係る前記液体使用量が少なくなるように補正し、
    前記今回の吐出判定で吐出された吐出量が所望吐出量よりも少ないと判定された前記ノズルの数が前記閾値以上である場合、前記期間内の前記第1期間よりも短い第2期間における前記ノズルに係る前記液体使用量が少なくなるように補正することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  9. 前記制御部は、
    前記液体吐出ヘッドを駆動することで前記ノズルから液体を吐出する吐出回数を導出し、導出された吐出回数に基づいて前記液体使用量を算出し、
    前記期間における前記液体使用量を補正する際には、当該期間における前記吐出回数を補正することで、前記液体使用量を補正することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
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