JP2024027706A - 液体吐出装置 - Google Patents

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貴文 中瀬
Takafumi Nakase
竜児 洞田
Ryuji Dota
伸昌 田中
Nobumasa Tanaka
善一郎 佐々木
Zenichiro Sasaki
賢太 洞出
Kenta Horade
雅洋 林
Masahiro Hayashi
功 久保
Isao Kubo
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Abstract

【課題】ノズルに異常があるか否かを精度よく判定する。【解決手段】インクジェットヘッドの複数のノズルが複数のグループに分けられている。グループごとに閾値が設定されている。閾値をグループに対応する値に設定し(S202)、このグループを構成するノズルからインクを吐出させるための検査用駆動を行わせる(S204)。そして、当該検査用駆動が行われたときに信号処理回路78から出力される信号における電圧差が、対応するグループについての閾値以上であるか否かに基づいてノズルに異常があるか否かを判定する(S205)。【選択図】図5

Description

本発明は、ノズルから液体を吐出する液体吐出装置に関する。
複数のノズルから液体を吐出する液体吐出装置の一例として、特許文献1には、複数のノズルからインクを吐出して印刷を行う印刷装置が記載されている。特許文献1に記載の印刷装置では、高圧電源ユニットにより検出用電極を所定電位とし、ノズルプレートと検出用電極とを所定間隔空けて配置した状態で、各ノズルからインク滴を吐出させる。そして、このときに検出用電極に接続された増幅器から出力される電圧信号における最高電圧と最低電圧との差である電位差が第一閾値以上であれば、インクが正常に吐出されていると判断する。また、上記電位差が第二閾値よりも小さければ、インクが吐出されず目詰まりであると判断する。また、上記電位差が第一閾値よりも低く第二閾値以上であれば、不安定吐出状態であると判断する。
特開2011-152689号公報
ここで、特許文献1では、複数のノズルの各々について共通の閾値を用いてノズルに異常があるか否かを判定している。しかしながら、特許文献1では、複数のノズル間で吐出されたインクの検出用電極における着弾位置が異なる。そのため、複数のノズル間で、吐出されるインクの量等が同じであっても上記電位差が異なることがある。したがって、複数のノズルの各々について共通の閾値を用いてノズルに異常があるか否かを判定すると、判定の精度が悪くなることがある。
本発明の目的は、ノズルに異常があるか否かを精度よく判定することが可能な液体吐出装置を提供することである。
本発明の液体吐出装置は、液体を吐出する第1ノズルおよび第2ノズルを有するヘッドと、前記第1ノズルまたは前記第2ノズルから液体を吐出させる検査用駆動が行われたときに信号を出力する信号出力部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1ノズルから液体を吐出させる前記検査用駆動である第1検査用駆動が行われたときに前記信号出力部から出力される前記信号である第1信号の値が、第1閾値以上であるか否かに基づいて、前記第1ノズルに第1異常があるか否かを判定する第1判定処理と、前記第2ノズルから液体を吐出させる前記検査用駆動である第2検査用駆動が行われたときに前記信号出力部から出力される前記信号である第2信号の値が、前記第1閾値とは別の第2閾値以上であるか否かに基づいて、前記第2ノズルに前記第1異常があるか否かを判定する第2判定処理と、を実行する。
本発明では、第1閾値に基づいて第1ノズルに第1異常があるか否かを判定し、第2閾値に基づいて第2ノズルに第1異常があるか否かを判定する。これにより、第1ノズルおよび第2ノズルに第1異常があるか否かを精度よく判定することができる。
本発明の実施形態のプリンタの概略構成図である。 キャップ内に配置された電極、および、電極と高電圧電源回路および信号処理回路との接続関係を説明するための図である。 プリンタの電気的構成を示すブロック図である。 (a)がノズルに異常があるか否かを判定する処理の流れを示すフローチャートであり、(b)が電極の領域を説明するための図であり、(c)がグループ毎の閾値を説明するための図である。 図4(a)の検査共通処理の流れを示すフローチャートである。 (a)は検査用駆動によってノズルからインクが吐出されたときに信号処理回路から出力される信号を説明するための図であり、(b)は図5の判定処理の流れを示すフローチャートである。 (a)は、閾値を変更するための処理の流れを示すフローチャートであり、(b)は(a)の閾値変更処理の流れを示すフローチャートであり、(c)はグループ毎の閾値の適正範囲を説明するための図である。 図7(b)の閾値変更共通処理の流れを示すフローチャートである。 暫定閾値が適正範囲にないノズルについてのみ暫定閾値の決定をやり直す例における閾値変更共通処理の流れを示すフローチャートである。 暫定閾値が適正範囲にない場合に閾値を変更しない例における閾値変更共通処理の流れを示すフローチャートである。 グループ間での暫定閾値の差が大きい場合に暫定閾値の決定をやり直す例における閾値変更処理の流れを示すフローチャートである。 グループ間での暫定閾値の差が大きい場合に暫定閾値の決定をやり直す例における閾値変更共通処理の流れを示すフローチャートである。 ノズルに異常があるか否かを判定するタイミングに閾値の変更を行う例のノズルに異常があるか否かを判定する処理の流れを示すフローチャートである。 閾値と上限閾値とに基づく判定処理の流れを示すフローチャートである。 (a)は電極の領域の分け方の別の例を説明するための図であり、(b)は電極の領域の分け方のさらに別の例を説明するための図である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
<プリンタの全体構成>
図1に示すように、本実施形態に係るプリンタ1(本発明の「液体吐出装置」)は、キャリッジ2、サブタンク3、インクジェットヘッド4(本発明の「ヘッド」)、プラテン5、搬送ローラ6,7、メンテナンスユニット8などを備えている。
キャリッジ2は、走査方向に延びた2本のガイドレール11,12に支持されている。なお、以下では、図1に示すように、走査方向の右側および左側を定義して説明を行う。キャリッジ2は、図示しないベルトなどを介して、キャリッジモータ86(図3参照)に接続されている。キャリッジモータ86を駆動させると、キャリッジ2がガイドレール11,12に沿って走査方向に移動する。
サブタンク3は、キャリッジ2に搭載されている。ここで、プリンタ1は、カートリッジホルダ13を備えている。カートリッジホルダ13には、4つのインクカートリッジ14が取り外し可能に装着される。カートリッジホルダ13に装着された4つのインクカートリッジ14は、走査方向に並んでおり、走査方向の右側に位置するものから順に、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインク(本発明の「液体」)を貯留している。
インクジェットヘッド4は、キャリッジ2に搭載され、サブタンク3の下端部に接続されている。また、インクジェットヘッド4は、その下面であるノズル面4aに形成された複数のノズル10からインク滴を吐出する。より詳細に説明すると、複数のノズル10は、走査方向と直交する搬送方向に配列されることによってノズル列9を形成しており、ノズル面4aにおいて、4列のノズル列9が走査方向に並んでいる。4列のノズル列9間で、搬送方向のノズル10の位置は同じである。複数のノズル10には、右側のノズル列9を形成するものから順に、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインクがサブタンク3から供給される。これにより、複数のノズル10からは、走査方向の右側のノズル列9を構成するものから順に、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインク滴が吐出される。
また、インクジェットヘッド4は、複数のノズル10に個別の複数の駆動素子20(図3参照)を有する。駆動素子20は、対応するノズル10内のインクに吐出エネルギーを付与する。駆動素子20は、例えば、ノズル10に連通する図示しない圧力室内のインクに圧力を付与する圧電アクチュエータである。複数の駆動素子20は、ドライバIC89(図3参照)に接続されている。ドライバIC89は、駆動素子20に駆動信号を出力することによって駆動素子20に駆動電圧を印加して、駆動素子20を駆動させる。駆動素子20が駆動されると、対応するノズル10からインク滴が吐出される。
また、本実施形態では、ドライバIC89が、3種類の駆動信号を駆動素子20に出力することによって、対応するノズル10から大滴、中滴および小滴の3種類のインク滴の吐出を行わせることができる。3種類の駆動信号は、例えば、パルス信号であり、パルス幅、パルス数等が互いに異なる。大滴は、記録用紙P上に大ドットを形成するために吐出されるインク滴である。中滴は、記録用紙P上に大ドットよりも小さい中ドットを形成するために吐出されるインク滴である。小滴は、記録用紙P上に中ドットよりも小さい小ドットを形成するために吐出されるインク滴である。ここで、中ドットは大ドットよりも形成するのに必要なインクの量が少ない。また、小ドットは中ドットよりも形成するのに必要なインクの量が少ない。
プラテン5は、インクジェットヘッド4の下方に配置され、複数のノズル10と対向している。プラテン5は、走査方向に記録用紙Pの全長にわたって延び、記録用紙Pを下方から支持する。搬送ローラ6は、インクジェットヘッド4およびプラテン5よりも搬送方向の上流側に配置されている。搬送ローラ7は、インクジェットヘッド4およびプラテン5よりも搬送方向の下流側に配置されている。搬送ローラ6,7は、図示しないギヤなどを介して搬送モータ87(図3参照)に接続されている。搬送モータ87を駆動させると、搬送ローラ6,7が回転し、記録用紙Pが搬送方向に搬送される。
メンテナンスユニット8は、キャップ71と、吸引ポンプ72(本発明の「排出手段」)と、廃液タンク73とを備えている。キャップ71は、プラテン5よりも走査方向の右側に配置されている。キャリッジ2を、プラテン5よりも走査方向の右側のメンテナンス位置に位置させると、複数のノズル10がキャップ71と対向する。
また、キャップ71は、キャップ昇降機構88(図3参照)に接続されている。キャップ昇降機構88を駆動させると、キャップ71が昇降する。キャリッジ2を上記メンテナンス位置に位置させることによって複数のノズル10とキャップ71とを対向させた状態で、キャップ昇降機構88によりキャップ71を上昇させると、キャップ71の上端部がノズル面4aに密着する。これにより、インクジェットヘッド4の複数のノズル10がキャップ71で覆われるキャップ状態となる。キャップ71を降下させた状態では、複数のノズル10がキャップ71に覆われない。なお、キャップ71はノズル面4aに密着することで複数のノズル10を覆うものであることには限られない。キャップ71は、例えば、インクジェットヘッド4のノズル面4aの周囲に配置される図示しないフレーム等に密着することで、複数のノズル10を覆うものであってもよい。
吸引ポンプ72はチューブポンプなどであり、キャップ71および廃液タンク73と接続されている。そして、メンテナンスユニット8では、上記キャップ状態としたうえで吸引ポンプ72を駆動させると、複数のノズル10からインクジェットヘッド4内のインクを排出させる吸引パージを行うことができる。吸引パージによって排出されたインクは廃液タンク73に貯留される。
なお、ここでは、便宜上、キャップ71が全てのノズル10をまとめて覆い、吸引パージにおいて、全てのノズル10からインクジェットヘッド4内のインクを排出させるものとして説明を行ったが、これには限られない。例えば、キャップ71が、ブラックインクを吐出する最も右側のノズル列9を構成する複数のノズル10を覆う部分と、カラーインクを吐出する左側3列のノズル列9を構成する複数のノズル10を覆う部分とを別々に備えており、吸引パージにおいて、インクジェットヘッド4内のブラックインクおよびカラーインクのいずれかを選択的に排出させることができるようになっていてもよい。あるいは、例えば、キャップ71が、ノズル列9毎に個別に設けられ、吸引パージにおいて、ノズル列9毎に個別に、ノズル10からインクを排出させることができるようになっていてもよい。
また、図2に示すように、キャップ71内には、それぞれ、矩形の平面形状を有する電極76が配置されている。キャリッジ2をメンテナンス位置に位置させた状態で、電極76の上面である電極面76aが、インクジェットヘッド4の複数のノズル10と対向する。電極76は、抵抗79を介して高電圧電源回路77に接続されている。そして、高電圧電源回路77は、電極76に所定の電圧(例えば600V程度)を印加する。一方で、インクジェットヘッド4は、グランド電位に保持されている。これにより、インクジェットヘッド4と電極76との間に所定の電位差が生じる。電極76には、信号処理回路78が接続されている。信号処理回路78は、微分回路などを含み、電極76における電圧の変化に応じた信号を出力する。ただし、信号処理回路78から出力される信号は、電流の信号であってもよい。なお、本実施形態では、電極76と高電圧電源回路77と信号処理回路78と抵抗79とを合わせたものが、本発明の「信号出力部」に相当する。
ここで、本実施形態では、電極76に所定電圧を印加し、インクジェットヘッド4をグランド電位に保持し、信号処理回路78が電極76の電圧に応じた信号を出力するように構成したが、これには限られない。電極76をグランド電位に保持し、インクジェットヘッド4に所定電圧を印加することによって、電極76とインクジェットヘッド4との間に電位差を生じさせ、信号処理回路78が、インクジェットヘッド4に接続され、インクジェットヘッド4における電圧の変化に応じた信号を出力するように構成してもよい。
<プリンタの電気的構成>
次に、プリンタ1の電気的構成について説明する。図3に示すように、プリンタ1は、制御部80を備えている。制御部80は、CPU(Central Processing Unit)81、ROM(Read Only Memory)82、RAM(Random Access Memory)83、フラッシュメモリ84、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)85などからなる。制御部80は、キャリッジモータ86、ドライバIC89、搬送モータ87、キャップ昇降機構88、吸引ポンプ72、高電圧電源回路77等の動作を制御する。なお、第1実施形態では、制御部80は、ドライバIC89を制御することによってインクジェットヘッド4の複数の駆動素子20を制御している。また、制御部80は、信号処理回路78等から信号を受信する。また、上記のようにインクジェットヘッド4は複数の駆動素子20を有するが、図3では便宜上、駆動素子20を1つだけ図示している。
なお、制御部80は、CPU81のみが各種処理を行うものであってもよいし、ASIC85のみが各種処理を行うものであってもよいし、CPU81とASIC85とが協働して各種処理を行うものであってもよい。また、制御部80は、1つのCPU81が単独で処理を行うものであってもよいし、複数のCPU81が処理を分担して行うものであってもよい。また、制御部80は、1つのASIC85が単独で処理を行うものであってもよいし、複数のASIC85が処理を分担して行うものであってもよい。
<ノズルに異常があるか否かの判定>
次に、プリンタ1において、インクジェットヘッド4の複数のノズル10の各々に異常があるか否かを判定するための処理について説明する。この処理は、適宜のタイミングで行われる。例えば、所定時刻となったときにこの処理が行われる。あるいは、記録用紙Pへの記録を指示する記録指示信号を受信した後、記録のための処理を開始する前にこの処理が行われてもよい。あるいは、前回この処理が行われてから所定枚数の記録用紙Pに記録が行われたときにこの処理が行われてもよい。あるいは、プリンタ1において所定のエラーが発生した後そのエラーが解消したときにこの処理が行われてもよい。
プリンタ1では、制御部80が、図4(a)のフローに沿って処理を行うことにより、各ノズル10に異常があるか否かを判定する。ここで、図4(a)のフローについて説明する前に、フラッシュメモリ84に記憶されている閾値について説明する。
本実施形態では、図4(b)に示すように、電極76の電極面76aに、搬送方向に並ぶ5つの領域R11~R15が設定されている。また、図4(b)では、キャリッジ2がメンテナンス位置に位置している状態で領域R11~R15と対向するノズル10を破線で示している。そして、インクジェットヘッド4の複数のノズル10が、キャリッジ2がメンテナンス位置に位置している状態で領域R11~R15とそれぞれ対向する5つのグループG1~G5にグループ分けされている。
そして、本実施形態では、図4(c)に示すように、グループG1~G5についての、大滴用の閾値F1a~F5a、中滴用の閾値F1b~F5b、および、小滴用の閾値F1c~F5cが設定され、フラッシュメモリ84に記憶されている。閾値F1a~F5a,F1b~F5b,F1c~F5cは、後述するS301で使用するためのものである。
図4(a)のフローについてより詳細に説明すると、制御部80は、まず、駆動素子20の駆動信号を大滴についての吐出検査用の駆動信号に設定し(S101)、フラッシュメモリ84から、グループG1~G5ついての大滴用の閾値F1a~F5aを読み出し(S102)、検査共通処理を実行する(S103)。
S103の検査用共通処理において、制御部80は、図5のフローに沿って処理を行う。図5のフローについて詳細に説明すると、制御部80は、まず、対象グループを決定する(S201)。より詳細には、制御部80は、グループG1~G5のうち1つのグループを対象グループに決定する。続いて、制御部80は、閾値Fを、S102で読み出した大滴用の閾値F1a~F5aのうち、S201で決定したグループに対応する値に設定する(S202)。
続いて、制御部80は、対象ノズルを決定する(S203)。より詳細には、制御部80は、S201で決定したグループを構成する複数のノズル10のうち1つのノズル10を対象ノズルに決定する。
続いて、制御部80は、上記キャップ状態とし、高電圧電源回路77により電極76に電圧を印加させたうえで、対象ノズルについて、ノズル10からインクを吐出させるための検査用駆動を行わせる(S204)。このとき、制御部80は、ドライバIC89に、対象ノズルに対応する駆動素子20をS101で設定した駆動信号で駆動させることによって検査用駆動を行わせる。
続いて、制御部80は、制御部S204の処理により検査用駆動が行われたときに信号処理回路78から出力される信号に基づいて、ノズル10において大滴の吐出に第1異常があるか否かを判定する判定処理を実行する(S205)。
より詳細に説明すると、高電圧電源回路77により電極76に電圧が印加された状態で、ノズル10から電極76に向けてインクが吐出されると、吐出されたインクが帯電しているため、電極76の電圧が変化する。すなわち、電極76に電気的な変化が生じる。これにより、図6(a)に示すように、信号処理回路78から出力される信号の電圧値が、検査用駆動が行われていないときの電圧値V0から、最大値Vmaxまで上昇した後、最小値Vminまで低下し、その後、減衰しながら上昇と低下とを繰り返し電圧値V0に戻る。このとき、電極76における電圧の変化が大きいほど、最大値Vmaxと最小値Vminとの電圧差H(=Vmax-Vmin)が大きくなる。
そこで、S205の判定処理では、制御部80は、図6(b)のフローに沿って処理を行う。より詳細に説明すると、電圧差Hが閾値F以上である場合に(S301:YES)、制御部80は、対象ノズルについて大滴の吐出が正常であると判定し、その判定結果をフラッシュメモリ84に記憶させる(S302)。一方、電圧差Hが閾値F未満である場合に(S301:NO)、制御部80は、対象ノズルについて大滴の吐出に第1異常があると判定し、その判定結果をフラッシュメモリ84に記憶させる(S303)。ここで、第1異常は、ノズル10からインクが吐出されない、あるいは、ほとんど吐出されずドットを形成できない不吐出異常、ノズル10から正常範囲よりも少ない量のインクが吐出される吐出不足異常などである。
続いて、制御部80は、対象グループを構成するすべてのノズル10について、大滴の吐出に異常があるか否かの検査が完了しているか否かを判定する(S206)、対象グループを構成するいずれかのノズル10について上記検査が完了していない場合には(S206:NO)、対象ノズルを、対象グループを構成する複数のノズル10のうち、上記検査が完了していない別のノズル10に変更し(S207)、S204に戻る。
対象グループ内のすべてのノズル10について上記検査が完了している場合(S206:YES)、制御部80は、すべてのグループについて上記検査が完了しているか否かを判定する(S208)。上記検査が完了していないグループがある場合(S208:NO)、制御部80は、対象グループを、複数のグループのうち上記検査が完了していないいずれかのグループに変更し(S209)、S202に戻る。すべてのグループについて上記検査が完了している場合(S208:YES)、図4(a)のフローに戻る。
図4(a)に戻って、制御部80は、S103の共通検査処理に続いて、駆動素子20の駆動信号を中滴についての吐出検査用の駆動信号に設定し(S104)、フラッシュメモリ84から、グループG1~G5ついての中滴用の閾値F1b~F5bを読み出し(S105)、検査共通処理を実行する(S106)。
S106の検査共通処理においても、S103の検査共通処理と同様、制御部80は、図5のフローに沿って処理を行う。ただし、S106の検査共通処理ではS202において、制御部80は、閾値Fを、S105で読み出した中滴用の閾値F1b~F5bのうち、S201で決定したグループに対応する値に設定する。また、S106の検査共通処理では、S204において、制御部80は、ドライバIC89に、対象ノズルに対応する駆動素子20をS104で設定した駆動信号で駆動させることによって検査用駆動を行わせる。また、S106の検査共通処理では、S205の判定処理において対象ノズルについて中滴の吐出が正常であるか、中滴の吐出に第1異常があるかを判定する。
S106の検査共通処理に続いて、制御部80は、駆動素子20の駆動信号を小滴についての吐出検査用の駆動信号に設定し(S107)、フラッシュメモリ84から、グループG1~G5ついての小滴用の閾値F1c~F5cを読み出し(S108)、検査共通処理を実行する(S109)。
S109の検査共通処理においても、S103,S106の検査共通処理と同様、制御部80は、図5のフローに沿って処理を行う。ただし、S109の検査共通処理ではS202において、制御部80は、閾値Fを、S108で読み出した小滴用の閾値F1b~F5bのうち、S201で決定したグループに対応する値に設定する。また、S109の検査共通処理では、S204において、制御部80は、ドライバIC89に、対象ノズルに対応する駆動素子20をS107で設定した駆動信号で駆動させることによって検査用駆動を行わせる。また、S109の検査共通処理では、S205の判定処理において、対象ノズルについて小滴の吐出が正常であるか、小滴の吐出に第1異常があるかを判定する。
そして、制御部80が、図4(a)、図5のフローに沿って処理を行うことにより、インクジェットヘッド4の複数のノズル10の各々について、大滴の吐出、中滴の吐出および小滴の吐出にそれぞれ異常があるか否かが判定され、その判定結果がフラッシュメモリ84に記憶される。
また、この処理の結果が所定条件を満たすときに、制御部80は、吸引パージを行わせることによって、第1異常のあるノズル10を回復させる。所定条件は、例えば、大滴の吐出に第1異常があるノズルの数と、中滴の吐出に第1異常があるノズルの数と、小滴の吐出に第1異常のあるノズルの数との合計が所定個数以上であるという条件であってもよい。あるいは、所定条件は、大滴、中滴および小滴のいずれかの吐出に第1異常があるノズルの数が所定個数以上であるという条件であってもよい。また、上記吸引パージは、例えば、図4(a)、図5のフローに沿った処理の直後、あるいは、その後最初に記録を行う直前に行う。
<閾値の変更>
次に、閾値F1a~F5a,F1b~F5b,F1c~F5cの変更について説明する。プリンタ1においては、例えば、出荷時に、閾値F1a~F5a,F1b~F5b,F1c~F5cが、それぞれ、初期値に設定されており、その情報がフラッシュメモリ84に記憶されている。そして、本実施形態では、制御部80が図7(a)のフローに沿って処理を行うことによって、閾値F1a~F5a,F1b~F5b,F1c~F5cが変更される。図7(a)のフローは、例えば、プリンタ1に電力が供給され始めたときに開始される。そして、制御部80は、プリンタ1に電力が供給されている間、図7(a)のフローに沿って処理を行う。
図7(a)のフローについて詳細に説明すると、制御部80は、所定時刻でないとき(S401:NO)、および、前回吸引パージが行われてから所定時間が経過していないときには待機し(S402:NO)、所定時刻となり(S401:YES)、かつ、前回吸引パージが行われてから所定時間が経過しているときに(S402:YES)、閾値変更処理を実行する(S403)。
S403の閾値変更処理において、制御部80は、図7(b)のフローに沿って処理を行う。ここで、図7(b)のフローについて説明する前に、フラッシュメモリ84に記憶されている閾値の適正範囲について説明する。
本実施形態では、図7(c)に示すように、グループG1~G5についての、大滴用の閾値F1a,F2a,F3a,F4a,F5aの適正範囲Ea11~Ea12,Ea21~Ea22,Ea31~Ea32,Ea41~Ea42,Ea51~Ea52と、中滴用の閾値F1b,F2b,F3b,F4b,F5bの適正範囲Eb11~Eb12,Eb21~Eb22,Eb31~Eb32,Eb41~Eb42,Eb51~Eb52と、小滴用の閾値F1c,F2c,F3c,F4c,F5cの適正範囲Ec11~Ec12,Ec21~Ec22,Ec31~Ec32,Ec41~Ec42,Ec51~Ec52が設定され、フラッシュメモリ84に記憶されている。
例えば、図7(c)の適正範囲Ea11~Ea12というのは、Ea11以上Ea12未満の範囲を示している。なお、図7(c)において、Ea11<Ea12,Ea21<Ea22,Ea31<Ea32,Ea41<Ea42,Ea51<Ea52,Eb11<Eb12,Eb21<Eb22,Eb31<Eb32,Eb41<Eb42,Eb51<Eb52,Ec11<Ec12,Ec21<Ec22,Ec31<Ec32,Ec41<Ec42,Ec51<Ec52の大小関係である。図7(c)に示す適正範囲は、後述するS609の判定で使用するためのものである。
図7(b)のフローについてより詳細に説明すると、制御部80は、まず、駆動素子20の駆動信号を大滴についての閾値変更用の駆動信号に設定し(S501)、フラッシュメモリ84から、グループG1~G5ついての大滴用の閾値の適正範囲Ea11~Ea12,Ea21~Ea22,Ea31~Ea32,Ea41~Ea42,Ea51~Ea52を読み出し(S502)、閾値変更共通処理を実行する(S503)。
S503の閾値変更共通処理において、制御部80は、図8のフローに沿って処理を行う。図8のフローについて詳細に説明すると、制御部80は、まず、S201と同様に、対象グループを決定する(S601)。続いて、制御部80は、カウント値Mを0にリセットする(S602)。カウント値Mは、後述するようにS604~S610の処理をやり直した回数を示している。続いて、制御部80は、閾値の適正範囲を、S502で読み出した大滴用の閾値の適正範囲Ea11~Ea12,Ea21~Ea22,Ea31~Ea32,Ea41~Ea42,Ea51~Ea52のうち、S601で決定したグループに対応する範囲に設定する(S603)。
続いて、制御部80は、対象ノズルを決定する(S604)。より詳細には、制御部80は、S601で決定したグループを構成し、かつ、回復不能ノズルとして記憶されていない複数のノズル10(以下、正常ノズルとすることがある)のうち1つのノズル10を対象ノズルに決定する。
続いて、制御部80は、上記キャップ状態とし、高電圧電源回路77により電極76に電圧を印加させたうえで、対象ノズルについて、ノズル10からインクを吐出させるための検査用駆動を行わせる(S605)。このとき、制御部80は、ドライバIC89に、対象ノズルに対応する駆動素子20をS501で設定した駆動信号で駆動させることによって検査用駆動を行わせる。
続いて、制御部80は、S204の処理により検査用駆動が行われたときに信号処理回路78から出力される信号の電圧差Hをフラッシュメモリ84に記憶させる(S606)。
続いて、制御部80は、対象グループ内のすべての正常ノズルが対象ノズルとして選択済みであるか否かを判定する(S607)、対象グループを構成するいずれかの正常ノズルが対象ノズルとして選択済みでない場合には(S607:NO)、対象ノズルを、対象グループを構成する複数の正常ノズルのうち、上記検査が完了していない別のノズル10に変更し(S608)、S605に戻る。
対象グループ内のすべての正常ノズルについて対象ノズルとして選択済みである場合(S607:YES)、制御部80は、対象グループについての変更後の閾値の暫定値である暫定閾値を決定する(S609)。S609において、制御部80は、対象グループを構成するすべての正常ノズルについて記憶させた電圧差Hの情報に基づいて、暫定閾値を決定する。例えば、これらの電圧差Hのうち、最小の電圧差よりも所定量小さい値を暫定閾値に決定する。
続いて、制御部80は、S609で決定した暫定閾値が、S603で設定した閾値の適正範囲内であるか否かを判定する(S610)。暫定閾値が閾値の適正範囲内にある場合(S610:YES)、制御部80は、対象グループの大滴の吐出についての閾値を暫定閾値に変更する(S611)。すなわち、暫定閾値に基づいて、対象グループの大滴の吐出についての閾値を変更する。そして、その後、S613に進む。
暫定閾値が閾値の適正範囲内にない場合(S610:NO)、制御部80は、カウント値Mを1増加させる(S612)。続いて、カウント値Mが所定値Ma未満の場合には(S613:NO)、S604に戻る。すなわち、S604~S610の処理をやり直す。カウント値Mが所定値Ma以上の場合には(S613:YES)、S614に進む。
S614において、制御部80は、すべてのグループについてS602~S613の処理を行ったか否かを判定する。S602~S612が行われていないグループがある場合(S614:NO)、制御部80は、対象グループを、複数のグループのうち、S602~S613が行われていないいずれかのグループに変更し(S615)、S602に戻る。すべてのグループについてS602~S613が行われている場合(S615:YES)、図7(b)のフローに戻る。
図7(b)に戻って、制御部80は、S503の共通検査処理に続いて、駆動素子20の駆動信号を中滴についての閾値変更用の駆動信号に設定し(S504)、フラッシュメモリ84から、グループG1~G5ついての中滴用の閾値の適正範囲Eb11~Eb12,Eb21~Eb22,Eb31~Eb32,Eb41~Eb42,Eb51~Eb52を読み出し(S505)、閾値変更共通処理を実行する(S506)。
S506の閾値変更共通処理においても、S503の検査共通処理と同様、制御部80は、図8のフローに沿って処理を行う。
ただし、S506の検査共通処理では、S603において、制御部80は、閾値の適正範囲を、S505で読み出した中滴用の閾値の適正範囲Eb11~Eb12,Eb21~Eb22,Eb31~Eb32,Eb41~Eb42,Eb51~Eb52のうち、S601で決定したグループに対応する値に設定する。また、S506の検査共通処理では、S605において、制御部80は、ドライバIC89に、対象ノズルに対応する駆動素子20をS504で設定した駆動信号で駆動させることによって検査用駆動を行わせる。また、S506の検査共通処理では、S611において、制御部80は、対象グループの中滴の吐出についての閾値を暫定閾値に変更し(S611)、S613に進む。
S506の閾値変更共通処理に続いて、制御部80は、駆動素子20の駆動信号を小滴についての閾値変更用の駆動信号に設定し(S507)、フラッシュメモリ84から、グループG1~G5ついての小滴用の閾値の適正範囲Ec11~Ec12,Ec21~Ec22,Ec31~Ec32,Ec41~Ec42,Ec51~Ec52を読み出し(S508)、閾値変更共通処理を実行する(S509)。
S509の閾値変更共通処理においても、S503,S506の検査共通処理と同様、制御部80は、図8のフローに沿って処理を行う。
ただし、S509の検査共通処理では、S603において、制御部80は、閾値の適正範囲を、S508で読み出した小滴用の閾値の適正範囲Ec11~Ec12,Ec21~Ec22,Ec31~Ec32,Ec41~Ec42,Ec51~Ec52のうち、S601で決定したグループに対応する値に設定する。また、S509の検査共通処理では、S605において、制御部80は、ドライバIC89に、対象ノズルに対応する駆動素子20をS507で設定した駆動信号で駆動させることによって検査用駆動を行わせる。また、S506の検査共通処理では、S611において、制御部80は、対象グループの小滴の吐出についての閾値を暫定閾値に変更し(S611)、S613に進む。
なお、本実施形態では、領域R11~R15のうち、1つの領域が、本発明の「第1領域」に相当し、別の1つの領域が本発明の「第2領域」に相当する。また、第1領域と対向するノズル10が、本発明の「第1ノズル」に相当し、第2領域と対向するノズル10が本発明の「第2ノズル」に相当する。また、本実施形態では、第1ノズルは、走査方向に隣接する少なくとも2つのノズル10を含み、第2ノズルは、走査方向に隣接する少なくとも2つのノズル10を含む。また、同じノズル列9を構成するノズル10が、第1ノズルと第2ノズルを含み、この第1ノズルとこの第2ノズルとで吐出するインクの種類が同じである。また、あるノズル列9を構成する複数のノズル10が第1ノズルを含み、別のノズル列9を構成する複数のノズル10が第2ノズルを含み、この第1ノズルとこの第2ノズルとで吐出するインクの種類が異なる。
また、領域R12~R14のうち1つの領域と対向するノズル10を第2ノズルとし、上記1つの領域よりも搬送方向の外側の領域と対向するノズル10を第1ノズルとした場合、電極面76aの第1ノズルと対向する部分は、電極面76aの第2ノズルと対向する部分よりも電極面の搬送方向の外縁76bに近い。
また、本実施形態では、第1ノズルについての大滴、中滴および小滴のうちの1つのである第1インク滴を吐出させるためにS204で行わせる検査用駆動が、本発明の「第1検査用駆動」に相当し、この検査用駆動が行われたときに信号処理回路78から出力される信号が本発明の「第1信号」に相当する。また、第2ノズルについての上記第1インク滴を吐出させるためにS204で行わせる検査用駆動が、本発明の「第2検査用駆動」に相当し、この検査用駆動が行われたときに信号処理回路78から出力される信号が本発明の「第2信号」に相当する。
また、第1ノズルの上記第1インク滴の吐出についてのS205の判定処理が、本発明の「第1判定処理」に相当し、このときの判定に用いる閾値Fが、本発明の「第1閾値」に相当する。また、第2ノズルの上記第1インク滴の吐出についてのS205の判定処理が本発明の「第2判定処理」に相当し、このときの判定に用いる閾値Fが、本発明の「第2閾値」に相当する。
また、本実施形態では、第1ノズルについての大滴、中滴および小滴のうち第1インク滴とは別の1つである第2インク滴を吐出させるためのS204の検査用駆動が、本発明の「第5検査用駆動」に相当し、この検査用駆動が行われたときに信号処理回路78から出力される信号が本発明の「第5信号」に相当する。また、第2ノズルについての上記第2インク滴を吐出させるためのS204の検査用駆動が、本発明の「第6検査用駆動」に相当し、この検査用駆動が行われたときに信号処理回路78から出力される信号が本発明の「第6信号」に相当する。
また、第1ノズルの上記第2インク滴の吐出についてのS205の判定処理が、本発明の「第3判定処理」に相当し、このときの判定に用いる閾値Fが、本発明の「第3閾値」に相当する。また、第2ノズルの上記第2インク滴の吐出についてのS205の判定処理が本発明の「第4判定処理」に相当し、このときの判定に用いる閾値Fが、本発明の「第4閾値」に相当する。
また、本実施形態では、図7(b)、図8のフローに沿った処理のうち、第1ノズルについての閾値を変更するための処理が、本発明の「第1閾値変更処理」に相当し、第2ノズルについての閾値を変更するための処理が、本発明の「第2閾値変更処理」に相当する。また、本実施形態では、第1ノズルについての上記第1インク滴を吐出させるためのS605で行わせる検査用駆動が、本発明の「第3検査用駆動」に相当し、第2ノズルについての上記第1インク滴を吐出させるためのS605で行わせる検査用駆動が、本発明の「第4検査用駆動」に相当する。
また、本実施形態では、上記第1インク滴についての吐出検査用の駆動信号と、上記第1インク滴についての閾値変更用の駆動信号とが、同じ駆動信号であってもよい。あるいは、これら2つの駆動信号が異なる駆動信号であってもよい。これら2つの駆動信号が異なる駆動信号である場合、上記第1インク滴についての吐出検査用の駆動信号が本発明の「第1駆動信号」に相当し、上記第1インク滴についての閾値変更用の駆動信号が本発明の「第2駆動信号」に相当する。
また、本実施形態では、第1ノズルの上記第1インク滴の吐出についてのS610の判定に用いる閾値の適正範囲が、本発明の「第1所定範囲」に相当し、第2ノズルの上記第1インク滴の吐出についてのS610の判定に用いる閾値の適正範囲が、本発明の「第2所定範囲」に相当する。
<効果>
本実施形態では、第1閾値に基づいて第1ノズルに第1異常があるか否かを判定し、第2閾値に基づいて第2ノズルに第1異常があるか否かを判定する。これにより、第1ノズルおよび第2ノズルに第1異常があるか否かを精度よく判定することができる。
第1ノズルと第2ノズルとが同じノズル列を構成するノズルであり、第1ノズルと第2ノズルとで吐出するインクの種類が同じであっても、第1検査用駆動を行わせたときと第2検査用駆動を行わせたときとで、信号処理回路78から出力される信号の値が異なることがある。また、第1ノズルと第2ノズルとで吐出するインクの種類が異なる場合、第1検査用駆動を行わせたときと第2検査用駆動を行わせたときとで、信号処理回路78から出力される信号の値が異なることがある。そこで、本実施形態では、第1閾値に基づいて第1ノズルに第1異常があるか否かを判定し、第2閾値に基づいて第2ノズルに第1異常があるか否かを判定する。これにより、第1ノズルおよび第2ノズルに第1異常があるか否かを精度よく判定することができる。
また、第1ノズルと第2ノズルとで、インクが吐出されたときの電極76における電気的な変化の程度が異なることがある。そこで、本実施形態では、第1閾値に基づいて第1ノズルに第1異常があるか否かを判定し、第2閾値に基づいて第2ノズルに第1異常があるか否かを判定する。これにより、第1ノズルおよび第2ノズルに第1異常があるか否かを精度よく判定することができる。
また、電極面76aの搬送方向の外縁76bから遠い領域においては、搬送方向におけるこの領域の両側に十分な面積の電極面76aの別の領域が存在するのに対して、電極面76aの搬送方向の外縁76bに近い領域においては、搬送方向におけるこの領域の片側にしか十分な面積の電極面76aの別の領域が存在しない。したがって、電極面76aの搬送方向の外縁76bに近い領域と対向する第1ノズルと、電極面76aの搬送方向の外縁76bから遠い領域と対向する第2ノズルとで、インクが吐出されたときの電極76における電気的な変化の程度が異なることがある。そこで、本実施形態では、第1閾値に基づいて電極面76aの搬送方向の外縁76bに近い領域と対向する第1ノズルに第1異常があるか否かを判定し、第2閾値に基づいて電極面76aの搬送方向の外縁76bから遠い領域と対向する第2ノズルに第1異常があるか否かを判定する。これにより、第1ノズルおよび第2ノズルに第1異常があるか否かを精度よく判定することができる。
ノズル10から吐出されたインクが電極面76aのどの領域に着弾するかによって、検査用駆動を行わせたときに信号処理回路78から出力される信号が異なることがある。そこで、本実施形態では、第1閾値に基づいて電極面76aの第1領域と対向する第1ノズルに第1異常があるか否かを判定し、第2閾値に基づいて電極面76aの第2領域と対向する第2液体を吐出する第2ノズルに第1異常があるか否かを判定する。これにより、第1ノズルおよび第2ノズルに第1異常があるか否かを精度よく判定することができる。
また、プリンタ1の使用環境の変化などにより適切な第1閾値および第2閾値が変化することがある。本実施形態では、第1閾値を変更する第1閾値変更処理と、第2閾値を変更する第2閾値変更処理とを実行する。これにより、プリンタ1の使用環境の変化などに応じて第1閾値および第2閾値を変更することができる。
また、第1閾値変更処理において、第3検査用駆動が行われたときに信号処理回路78から出力される第3信号に基づいて第1閾値を変更することができる。また、第2閾値変更処理において、第4検査用駆動が行われたときに信号処理回路78から出力される第4信号に基づいて第2閾値を変更することができる。
また、本実施形態において、同じ駆動信号でインクジェットヘッド4の駆動素子20を駆動動させることによって第1~第4検査用駆動を行わせる場合には、制御部80によるインクジェットヘッド4の制御を簡単にすることができる。
また、本実施形態において、第3検査用駆動および第4検査用駆動のためにインクジェットヘッド4の駆動素子20を駆動させる駆動信号を、第1検査用駆動および第2検査用駆動のためにインクジェットヘッド4の駆動素子20を駆動させる駆動信号と別の信号とする場合には、第3検査用駆動および第4検査用駆動のためにインクジェットヘッド4の駆動素子20を駆動させる駆動信号の設定の自由度を高くすることができる。
また、本実施形態では、種々の要因によって、適切な第1暫定閾値および第2暫定閾値が得られないことがある。そこで、本実施形態では、第1暫定閾値を決定し、第1暫定閾値が第1所定範囲内にある場合には第1暫定閾値に基づいて第1閾値を変更し、第1暫定閾値が第1所定範囲内にない場合には第1暫定閾値の決定をやり直す。また、第2暫定閾値を決定し、第2暫定閾値が第2所定範囲内にある場合には第2暫定閾値に基づいて第2閾値を変更し、第2暫定閾が値第2所定範囲内にない場合には第2暫定閾値の決定をやり直す。これにより、第1、第2閾値を適切に変更することができる。
また、異常のある第1ノズルについての検査用駆動が行われたときに信号処理回路78から出力される信号に基づいて第1閾値を変更すると、変更後の第1閾値が適切な値とならない可能性が高い。同様に、異常のある第2ノズルについての検査用駆動が行われたときに信号処理回路78から出力される信号に基づいて第2閾値を変更すると、変更後の第2閾値が適切な値とならない可能性が高い。
そこで、本実施形態では、複数の第1ノズルのうち、前回の第1判定処理で異常がないと判定された第1ノズルについての上記信号のみに基づいて第1閾値を変更する。また、複数の第2ノズルのうち、前回の第2判定処理で異常がないと判定された第2ノズルについての上記信号のみに基づいて第2閾値を変更する。これにより、第1閾値および第2閾値を適切に変更することができる。
また、電極76にインクが付着している状態と、電極76にインクが付着していない状態とで、検査用駆動によりノズル10からインクが吐出されたときの電極76における電気的な変化の程度が異なり、信号処理回路78から出力される信号の値が異なることがある。そこで、本実施形態では、最後に吸引パージが行われてから所定時間が経過している状態でのみ第1閾値変更処理および第2閾値変更処理を実行する。これにより、第1閾値および第2閾値を適切に変更することができる。
また、本実施形態では、所定時刻となったときに、第1閾値変更処理および第2閾値変更処理を実行する。これにより、所定時刻となる毎に第1閾値および第2閾値が更新されるため、第1閾値および第2閾値を、プリンタ1の状況などに応じた適切なものとすることができる。
また、本実施形態では、ノズル10から第1インク滴および第2インク滴を吐出させる(第1駆動信号および第3駆動信号でインクジェットヘッド4の駆動素子20を駆動させてインクを吐出させる)構成において、第1ノズルおよび第2ノズルについて、それぞれ、上記第1インク滴を吐出させる(第1駆動信号でインクジェットヘッド4の駆動素子20を駆動させる)場合と、上記第2インク滴を吐出させる(第3駆動信号でインクジェットヘッド4の駆動素子20を駆動させる)場合とに個別の閾値を設定して、第1ノズルに第1異常があるか否か、および、第2ノズルに第1異常があるか否かを判定する。これにより、インクジェットヘッド4の駆動素子20を第1駆動信号および第3駆動信号のどちらで駆動させるときにも、第1、第2ノズルに第1異常があるか否かを精度よく判定することができる。
<変形例>
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態には限られず、特許請求の範囲に記載の限りにおいて様々な変更が可能である。
また、上述の実施形態では、グループの暫定閾値を決定し、決定した暫定閾値が適正範囲にない場合に、暫定閾値の決定をやり直す。この場合、グループを構成する複数のノズル10すべてについて検査用駆動をやり直すことになる。しかしながら、これには限られない。
例えば、変形例1では、制御部80は、閾値変更共通処理において、図9のフローに沿って処理を行う。図9のフローについて詳細に説明すると、制御部80は、上述の実施形態と同様のS601,S603,S604の処理を実行する。また、S604の処理に続いて、制御部80は、カウント値Mを0にリセットする(S701)。なお、変形例1では、カウント値Mは、後述するS605,S702をやり直した回数に対応する。
続いて、制御部80は、上述の実施形態と同様のS605の処理を実行し、S605の処理により検査用駆動が行われたときに信号処理回路78から出力される信号に基づいて、対象ノズルについての暫定閾値を決定する(S702)。例えば、信号処理回路78から出力される信号の電圧差Hよりも若干小さい値を暫定閾値に決定する。
続いて、制御部80は、S702で決定した暫定閾値が適正範囲内にあるか否かを判定する(S703)。暫定閾値が適正範囲内にある場合(S703:YES)、S707に進む。暫定閾値が適正範囲内にない場合(S703:NO)、制御部80は、カウント値Mを1増加する(S704)。続いて、カウント値Mが所定値Ma未満の場合には(S705:NO)、S605に戻る。すなわち、S605,S702の処理をやり直す。カウント値Mが所定値Ma以上の場合には(S705:YES)、制御部80は、S702で決定した暫定閾値を破棄し(S706)、S707に進む。これにより、破棄された暫定閾値は、後述するS708の閾値の変更には使用されない。
S707において、制御部80は、上述の実施形態のS607と同様、対象グループ内のすべての正常ノズルが対象ノズルとして選択済みであるか否かを判定する。対象グループを構成するいずれかの正常ノズルが対象ノズルとして選択済みでない場合には(S707:NO)、上述の実施形態のS608と同様に対象ノズルを変更し(S708)、S701に戻る。
対象グループ内のすべての正常ノズルについて対象ノズルとして選択済みである場合(S707:YES)、制御部80は、対象グループを構成する複数のノズル10についての暫定閾値に基づいて、対象グループについての閾値を変更する(S709)。S709において、制御部80は、例えば、対象グループについての閾値を、対象グループを構成する複数のノズル10についての暫定閾値の最小値に決定する。続いて、制御部80は、上述の実施形態と同様、S614,S615の処理を実行する。
変形例1の場合、複数の第1ノズルのうち、第1暫定閾が第1所定範囲内にない第1ノズルについてのみ第1暫定閾値の決定がやり直される。また、複数の第2ノズルのうち、第2暫定閾値が第2所定範囲内にない第2ノズルについてのみ第2暫定閾値の決定がやり直される。これにより、すべての第1ノズルについて第1暫定閾値の決定をやり直す場合よりも処理に必要な時間を短くすることができる。また、すべての第2ノズルについて第2暫定閾値の決定をやり直す場合よりも処理に必要な時間を短くすることができる。
また、上述の実施形態では、暫定閾値が適正範囲内にない場合にS604~S610処理をやり直したが、これには限られない。変形例2では、制御部80は、閾値変更共通処理において、図10のフローに沿って処理を行う。図10のフローについて詳細に説明すると、制御部80は、上述の実施形態と同様のS601~S610の処理を実行する。また、S610において暫定閾値が適正範囲内にあると判定した場合に(S610:YES)、制御部80は、上述の実施形態と同様にS611,S614,S615の処理を実行する。一方、S610において暫定閾値が適正範囲内にないと判定した場合に(S610:NO)、制御部80は、S614,S615の処理を実行する。すなわち、S604~S610をやり直さず、閾値を変更しない。
種々の要因によって、適切な第1暫定閾値および第2暫定閾値が得られないことがある。そこで、変形例2は、第1暫定閾値を決定し、第1暫定閾値が第1所定範囲内にある場合には第1閾値を第1暫定閾値に変更し、第1暫定閾値が第1所定範囲内にない場合には第1閾値を変更しない。また、第2暫定閾値を決定し、第2暫定閾値が第2所定範囲内にある場合には第2閾値を第2暫定閾値に変更し、第2暫定閾が値第2所定範囲内にない場合には第2閾値を変更しない。これにより、第1閾値および第2閾値が適切でない値に変更されないようにすることができる。
また、上述の実施形態では、暫定閾値が適正範囲内にあるか否かに基づいて暫定閾値が適切な値であるか否かを判断したが、これには限られない。変形例3では、閾値変更処理において、制御部80は図11のフローに沿って処理を行う。図11のフローは、図7(b)のフローからS502,S505,S508の処理を除いたものである。また、変形例3では、閾値変更共通処理において、制御部80は、図12のフローに沿って処理を行う。
図12のフローについて詳細に説明すると、制御部80は、カウント値Mを0にリセットする(S801)。変形例3において、カウント値Mは、後述するようにS601,S604~S609,S802,S803の処理がやり直された回数に対応する。続いて、制御部80は、上述の実施形態と同様のS601,S604~S609の処理を実行する。また、S609の処理に続いて、制御部80は、すべてのグループについての暫定閾値が決定済みであるか否かを判定する(S802)。暫定閾値が決定されていないグループがある場合には(S802:NO)、制御部80は、上述の実施形態のS614と同様に対象グループを変更し(S803)、S604に戻る。
すべてのグループについての暫定閾値が決定済みである場合(S802:YES)、制御部80は、複数のグループについての暫定閾値の差が所定量未満であるか否かを判定する(S804)。ここで、複数のグループについての暫定閾値の差が所定量未満であるとは、複数のグループについての暫定閾値のうち最大の暫定閾値と最小の暫定閾値との差が所定量未満であることである。なお、変形例3では、上記最大の暫定閾値および上記最小の暫定閾値のうち、一方が本発明の「第1暫定閾値」に相当し、他方が本発明の「第2暫定閾値」に相当する。また、上記最大の暫定閾値に対応するグループおよび最小の暫定閾値に対応するグループのうち、一方を構成するノズル10が本発明の「第1ノズル」に相当し、他方を構成するノズル10が本発明の「第2ノズル」に相当する。
複数のグループについての暫定閾値の差が所定量未満である場合(S804:YES)、制御部80は、各グループについての閾値を対応する暫定閾値に変更する(S805)。すなわち、各グループについての暫定閾値に基づいて各グループについての閾値を変更する。そして、その後、図11のフローに戻る。複数のグループについての暫定閾値の差が所定量以上の場合(S804:YES)、制御部80は、カウント値Mを1増加させ(S806)、カウント値Mが所定値Ma以上であるか否かを判定する(S807)。カウント値Mが所定値Ma未満である場合(S807:NO)、S601に戻る。すなわち、S601,S604~S609,S802,S803の処理をやり直す。カウント値Mが所定値Ma以上である場合(S807:YES)、図11のフローに戻る。この場合、閾値は変更されない。
第1暫定閾値と第2暫定閾値とには多少の差が生じるが、この差が大きすぎる場合には、第1暫定閾値および第2暫定閾値の少なくとも一方が適切でない可能性が高い。そこで、変形例3では、第1暫定閾値と第2暫定閾値との差が所定量未満の場合に、第1閾値を第1暫定閾値に変更し、第2閾値を第2暫定閾値に変更する。一方、第1暫定閾値と第2暫定閾値との差が所定量以上である場合に、第1暫定閾値および第2暫定閾値の決定やり直す。これにより、第1閾値および第2閾値を適切に決定することができる。
また、上述の実施形態では、複数の第1ノズルのうち、前回の第1判定処理で異常がないと判定された第1ノズルについての、検査用駆動が行われたときに信号処理回路78から出力された信号のみに基づいて第1閾値を変更し、複数の第2ノズルのうち、前回の第2判定処理で異常がないと判定された第2ノズルについての上記信号のみに基づいて第2閾値を変更したが、これには限られない。例えば、回復不能ノズルの記憶を行っていない場合に、すべての第1ノズルについての上記信号に基づいて第1閾値を変更してもよい。また、すべての第2ノズルについての上記信号に基づいて第2閾値を変更してもよい。
また、上述の実施形態では、所定時刻となり、かつ、最後に吸引パージが行われてから所定時間が経過している場合に、閾値変更処理を実行したが、これには限られない。例えば、所定時刻となったときに、最後に吸引パージが行われてから所定時間が経過しているか否かに関係なく、閾値変更処理を実行してもよい。あるいは、例えば、最後に吸引パージが行われてから所定時間が経過している状態で、所定時刻になったという条件とは別の条件を満たすときに、閾値変更処理を実行してもよい。あるいは、これらのいずれとも異なる条件を満たしたときに閾値変更処理を実行してもよい。
また、ノズル10に第1異常があるか否かを判定するのと別のタイミングで閾値変更処理を実行することにも限られない。変形例4では、上述の実施形態と同様に、S101~S109の処理を実行することによってノズル10に第1異常があるか否かの判定を行った後に、閾値変更処理を実行する(S901)。
S901の閾値変更処理では、S103の検査共通処理におけるS204の検査用駆動が行われたときに信号処理回路78から出力された信号に基づいて、各グループの大滴の吐出についての暫定閾値を決定する。そして、例えば、上述の実施形態で説明したのと同様に、暫定閾値が適正範囲内にあるグループの、大滴の吐出についての閾値を、対応する暫定閾値に変更する。あるいは、例えば、変形例1で説明したのと同様に、各グループの複数のノズル10の大滴の吐出についての暫定閾値を決定し、これらの暫定閾値に基づいて対応するグループの大滴の吐出についての閾値を変更する。あるいは、例えば、変形例3で説明したのと同様に、各グループの大滴の吐出についての暫定閾値の差が所定量未満の場合に、各グループの大滴の吐出についての閾値を、対応する暫定閾値に変更する。
また、S901の閾値変更処理では、S106の検査共通処理におけるS204の検査用駆動が行われたときに信号処理回路78から出力された信号に基づいて、上述したのと同様にして、中滴の吐出についての閾値を変更する。また、S901の閾値変更処理では、S109の検査共通処理におけるS204の検査用駆動が行われたときに信号処理回路78から出力された信号に基づいて、上述したのと同様にして、小滴の吐出についての閾値を変更する。
変形例4では、第1ノズルに第1異常があるか否かを判定するための検査用駆動が行われたときに信号処理回路78から出力される信号を利用して、第1閾値を変更することができる。また、第2ノズルに第1異常があるか否かを判定するための検査用駆動が行われたときに信号処理回路78から出力される信号を利用して、第2閾値を変更することができる。
また、第1閾値および第2閾値を変更することにも限られない。例えば、上述の実施形態の閾値F1a~F5a,F1b~F5b,F1c~F5cは、初期値から変更されなくてもよい。
また、上述の実施形態では、電圧差Hが閾値F以上である場合に、常にノズル10が正常であると判定したが、これには限られない。変形例5では、S205の判定処理において、制御部80が、図14のフローに沿って処理を行う。
より詳細に説明すると、制御部80は、電圧差Hが、閾値F以上であり(S1001:YES)、かつ、閾値FよりもΔF大きい上限閾値[F+ΔF]未満である場合に(S1002:YES)、ノズル10が正常であると判定し、その情報をフラッシュメモリ84に記憶させる(S1003)。
また、制御部80は、電圧差Hが、閾値F未満の場合には、(S1001:NO)、ノズル10に第1異常があると判定し、その情報をフラッシュメモリ84に記憶させる(S1004)。また、制御部80は、電圧差Hが、閾値F以上であり(S1001:YES)、さらに、上限閾値[F+ΔF]以上であるも場合に(S1002:NO)、ノズル10に第2異常があると判定し、その情報をフラッシュメモリ84に記憶させる(S1005)。ここで、第2異常は、ノズル10からインクが飛び散るしぶき異常、ノズル10からのインクの吐出方向が曲がるヨレ異常、ノズル10から正常範囲よりも多い量のインクが吐出される吐出過多異常などである。
なお、変形例5では、ΔFが本発明の「第1所定値」および「第2所定値」に相当し、上述の実施形態の第1閾値よりもΔF大きい値が本発明の「第1上限閾値」に相当し、上述の実施形態の第2閾値よりもΔF大きい値が本発明の「第2上限閾値」に相当する。
変形例5では、第1閾値および第1上限閾値に基づいて、第1ノズルに第1異常があるか否か、および、第1ノズルに第2異常があるか否かを判定する。また、第2閾値および第2上限閾値に基づいて、第2ノズルに第1異常があるか否か、および、第2ノズルに第2異常があるか否かを判定する。これにより、第1ノズルおよび第2ノズルに異常があるか否かを精度よく判定することができる。
また、変形例5では、第1上限閾値を第1閾値よりもΔF大きい値とし、第2上限閾値を第2閾値よりもΔF大きい値としている。これにより、第1上限閾値および第2上限閾値を簡単に設定することができる。
また、変形例5では、大滴、中滴および小滴のいずれの吐出についての判定であるか、および、いずれのグループを構成するノズル10についての判定であるかによらず、ΔFを同じ値としたが、これには限られない。例えば、大滴、中滴および小滴の吐出についての判定間でΔFを異ならせてもよい。あるいは、グループ間でΔFを異ならせてもよい。すなわち、第1上限閾値が、第1閾値よりも第1所定値大きい値であり、第2上限閾値が、第2閾値よりも第1所定値と異なる第2所定値大きい値であってもよい。
また、変形例5では、上限閾値を閾値FよりもΔF大きい値[F+ΔF]としたが、これには限られない。上限閾値は、[F+ΔF]と異なる値であってもよい。また、この場合、上限閾値は、閾値Fに基づいて設定されてもよいし、閾値Fとは関係なく設定されてもよい。
また、上述の実施形態では、電極76の電極面76aに搬送方向に並ぶ複数の領域R11~R15が設定され、インクジェットヘッド4の複数のノズル10が領域R11~R15とそれぞれ対向する5つのグループに分かれていたが、インクジェットヘッド4の複数のノズル10のグループ分けはこれには限られない。
例えば、変形例6では、図15(a)に示すように、電極76の電極面76aに走査方向に並ぶ4つの領域R21~R24が設定され、インクジェットヘッド4の複数のノズル10が、キャリッジ2がメンテナンス位置に位置している状態で領域R21~R24とそれぞれ対向する4つのグループに分かれている。
なお、変形例6では、領域R21~R24のうち1つの領域と対向するノズル10の各々が本発明の「第1ノズル」に相当し、領域R21~R24のうち別の1つの領域と対向するノズル10が本発明の「第2ノズル」に相当する。また、第1ノズルは、搬送方向に隣接する少なくとも2つのノズル10を含み、第2ノズルは、搬送方向に隣接する少なくとも2つのノズル10を含む。
また、領域R22,R23のいずれかと対向するノズル10を第2ノズルとし、領域R21,R24のいずれかと対向するノズル10を第1ノズルとした場合、電極面76aの第1ノズルと対向する部分は、電極面76aの第2ノズルと対向する部分よりも電極面76aの走査方向の外縁76cに近い。
変形例7では、図15(b)に示すように、電極76の電極面76aに4つの領域R31~R34が設定され、インクジェットヘッド4の複数のノズル10が、キャリッジ2がメンテナンス位置に位置している状態で領域R31~R34とそれぞれ対向する4つのグループに分かれている。領域R31は、電極76の中央部の領域である。領域R32は、領域R31の全周を取り囲む領域である。領域R33は、領域R32の全周を取り囲む領域である。領域R34は、領域R33の全周を取り囲む領域である。
なお、変形例7では、領域R31~R34のうち1つの領域と対向するノズル10が本発明の「第1ノズル」に相当し、領域R31~R34のうち別の1つの領域と対向するノズル10が本発明の「第2ノズル」に相当する。また、第1ノズルは、走査方向または搬送方向に隣接する少なくとも2つのノズル10を含み、第2ノズルは、走査方向または搬送方向に隣接する少なくとも2つのノズル10を含む。また、第1ノズルと第2ノズルは、同じノズル列9を構成するノズル10を含む。
また、同じノズル列9を構成するノズル10が、第1ノズルと第2ノズルを含み、この第1ノズルとこの第2ノズルとで吐出するインクの種類が同じである。また、あるノズル列9を構成する複数のノズル10が第1ノズルを含み、別のノズル列9を構成する複数のノズル10が第2ノズルを含み、この第1ノズルとこの第2ノズルとで吐出するインクの種類が異なる。
また、領域R31~R33のうち1つの領域と対向するノズル10を第2ノズルとし、領域R32~R34のうち上記1つの領域よりも外側に位置する領域と対向するノズル10を第1ノズルとした場合、電極面76aの第1ノズルと対向する部分は、電極面76aの第2ノズルと対向する部分よりも電極面76aの外縁76b,76cに近い。
また、以上の例では、ノズル10が電極76のどの領域と対向するかを基準として、第1ノズルおよび第2ノズルを設定したが、これには限られない。第1ノズルと第2ノズルとは、電極76のどの領域と対向するかとは別の基準に基づいて設定されてもよい。
また、上述の実施形態では、同じノズル10について、大滴、中滴および小滴の吐出について個別に、異常があるか否かを判定したが、これには限られない。例えば、大滴、中滴および小滴のうち1つのインク滴についてのみ、ノズル10に異常があるか否かを判定してもよい。
また、上述の実施形態では、吸引パージによってノズル10からインクを排出させたが、これには限られない。例えば、インクカートリッジ14とインクジェットヘッド4との間の流路等にインクジェットヘッド4内のインクを加圧する加圧ポンプが設けられていてもよい。そして、パージとして、複数のノズル10がキャップ71で覆われた状態で上記加圧ポンプを駆動させることによってインクジェットヘッド4内のインクを排出させる加圧パージを行ってもよい。なお、この場合には、加圧ポンプが本発明の「排出手段」に相当する。
あるいは、吸引ポンプ72を駆動させることによる吸引パージと、上述の加圧ポンプを駆動させることによる加圧パージの両方行ってもよい。なお、この場合には、吸引ポンプ72と加圧ポンプとが本発明の「排出手段」を構成している。
また、上述の実施形態では、信号処理回路78から出力される信号の電圧値の最大値Vmaxと最小値Vminとの差である電圧差Hが閾値以上であるか否かに基づいてノズル10に第1異常があるか否かを判定したが、これには限られない。例えば、最大値Vmaxと電圧値V0との差(=Vmax-V0)が閾値以上であるか否かに基づいてノズル10に第1異常があるか否かを判定してもよい。あるいは、電圧値V0と最小値Vminとの差(=V0-Vmin)が閾値以上であるか否かに基づいてノズル10に第1異常があるか否かを判定してもよい。
また、以上の例では、インクジェットヘッド4に検査用駆動を行わせたときの、ノズル10からキャップ71内に配置された電極76における電圧の変化に応じて信号処理回路78から出力される信号に基づいて、ノズル10に異常があるか否かを判定したが、これには限られない。
例えば、電極76の代わりに、鉛直方向に延びており、キャリッジ2がメンテナンス位置に位置している状態でノズル10の下方の空間と対向する電極を設けてもよい。そして、信号処理回路78から、キャリッジ2をメンテナンス位置に位置させた状態で検査用駆動を行ったときの上記電極の電圧の変化に応じた信号を出力するようにしてもよい。そして、この信号に基づいて、ノズル10に異常があるか否かを判定してもよい。
あるいは、例えば、キャリッジ2がメンテナンス位置等の所定位置に位置している状態で、ノズル10から吐出されたインクを直接検出し、検出結果に応じた信号を出力する光センサを設けてもよい。そして、この光センサから出力される信号に基づいて、ノズル10に異常があるか否かを判定してもよい。
あるいは、例えば、特許第4929699号公報に記載されているのと同様に、インクジェットヘッドのノズルが形成されたプレートに、ノズルからインクが吐出されたときの電圧の変化を検出する電圧検出回路を接続し、キャリッジを検査位置に移動させた状態でノズルからインクを吐出させるための動作を行わせたときに電圧検出回路から出力された信号に基づいて、ノズル10に異常があるか否かを判定してもよい。
あるいは、例えば、特許第6231759号公報に記載されているのと同様に、インクジェットヘッドの基板を、温度検知素子を備えたものとしてもよい。そして、インクの吐出のために第1印加電圧を印加してヒータを駆動した後に、インクが吐出されないように第2印加電圧を印加してヒータを駆動し、第2印加電圧を印加してから、その後、所定時間が経過するまでの間の、温度検知素子で検知された温度の変化に基づいて、ノズル10に第1~第3異常があるか否かに応じた信号を出力するようにしてもよい。そして、この信号に基づいて、ノズル10に異常があるか否かを判定してもよい。
また、上述の実施形態では、インクジェットヘッド4が、ノズル10から大滴、中滴および小滴の3種類のインク滴を吐出するものであったが、これには限られない。インクジェットヘッド4は、2種類または4種類以上のインク滴を吐出するものであってもよい。あるいは、インクジェットヘッド4は、ノズル10から1種類のインク滴のみを吐出可能であってもよい。
また、以上の例では、インクジェットヘッド4の全てのノズル10について、検査用駆動を行わせて、ノズル10に異常があるか否かを判定したが、これには限られない。例えば、各ノズル列9における1つおきのノズル10等、インクジェットヘッド4の一部のノズル10についてのみ、検査用駆動を行わせてノズル10に異常があるか否かを判定してもよい。そして、それ以外のノズル10については、上記一部のノズル10についての判定結果に基づいてノズル10に異常があるか否かを推定してもよい。
また、上述の実施形態では、キャリッジとともに走査方向に移動しつつ複数のノズルからインクを吐出する、いわゆるシリアルヘッドを備えたプリンタに本発明を適用した例について説明したが、これには限られない。例えば、走査方向に記録用紙の全長にわたって延び、走査方向に配列された複数のノズルを有する、いわゆるラインヘッドを備えたプリンタに本発明を適用することも可能である。
また、以上では、ノズルからインクを吐出して記録用紙Pに記録を行うプリンタに本発明を適用した例について説明したが、これには限られない。Tシャツ、屋外広告用のシート、スマートフォン等の携帯端末のケース、段ボール、樹脂部材など、記録用紙以外の被記録媒体に画像を記録するプリンタにも適用され得る。また、インク滴以外の液滴、例えば、液体状にした樹脂や金属の液滴を吐出する液体吐出装置にも適用され得る。
1:プリンタ
4:インクジェットヘッド
10:ノズル
71:キャップ
72:吸引ポンプ
76:電極
77:高電圧電源回路
78:信号処理回路
79:抵抗
80:制御部

Claims (22)

  1. 液体を吐出する第1ノズルおよび第2ノズルを有するヘッドと、
    前記第1ノズルまたは前記第2ノズルから液体を吐出させる検査用駆動が行われたときに信号を出力する信号出力部と、
    制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記第1ノズルから液体を吐出させる前記検査用駆動である第1検査用駆動が行われたときに前記信号出力部から出力される前記信号である第1信号の値が、第1閾値以上であるか否かに基づいて、前記第1ノズルに第1異常があるか否かを判定する第1判定処理と、
    前記第2ノズルから液体を吐出させる前記検査用駆動である第2検査用駆動が行われたときに前記信号出力部から出力される前記信号である第2信号の値が、前記第1閾値とは別の第2閾値以上であるか否かに基づいて、前記第2ノズルに前記第1異常があるか否かを判定する第2判定処理と、を実行することを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記第1ノズルから吐出される液体の種類と前記第2ノズルから吐出される液体の種類とが同じであることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記ヘッドを搭載し、第1方向に移動するキャリッジ、を備え、
    前記ヘッドは、
    前記複数のノズルが第1方向と交差する第2方向に配列されることによってそれぞれ形成され、前記第1方向に並んだ複数のノズル列、を有し、
    前記第1ノズルと前記第2ノズルとが同じ前記ノズル列を構成する前記ノズルであることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記第1ノズルから吐出される液体の種類と前記第2ノズルから吐出される液体の種類とが異なることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  5. 前記信号検出部は、
    前記検査用駆動によって前記第1ノズルおよび前記第2ノズルから液体が吐出されたときに電気的な変化が生じる電極を有し、
    前記検査用駆動が行われたときの前記電極における電気的な変化に応じた前記信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  6. 前記電極が、前記第1ノズルおよび前記第2ノズルと対向する電極面、を有し、
    前記電極面の前記第1ノズルと対向する部分は、前記電極面の前記第2ノズルと対向する部分よりも前記電極面の外縁に近いことを特徴とする請求項5に記載の液体吐出装置。
  7. 前記ヘッドが複数のノズルを有し、
    前記電極が、前記複数のノズルと対向する電極面、を有し、
    前記第1ノズルは、前記複数のノズルのうち、前記電極面の第1領域と対向する少なくとも2つの隣接するノズルであり、
    前記第2ノズルは、前記複数のノズルのうち、前記電極面の前記第1領域とは別の第2領域と対向する少なくとも2つの隣接するノズルであることを特徴とする請求項5に記載の液体吐出装置。
  8. 前記制御部は、
    前記第1閾値を変更する第1閾値変更処理と、
    前記第2閾値を変更する第2閾値変更処理と、を実行することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  9. 前記制御部は、
    前記第1検査用駆動とは別の第3検査用駆動が行われたときに前記信号出力部から出力される前記信号である第3信号に基づいて前記前記第1閾値変更処理を行い、
    前記第2検査用駆動とは別の第4検査用駆動が行われたときに前記信号出力部から出力される前記信号である第4信号に基づいて前記前記第2閾値変更処理を行う、ことを特徴とする請求項8に記載の液体吐出装置。
  10. 前記制御部は、
    前記ヘッドを同じ駆動信号で駆動させることにより、前記第1検査用駆動、前記第2検査用駆動、前記第3検査用駆動および前記第4検査用駆動を行わせることを特徴とする請求項9に記載の液体吐出装置。
  11. 前記制御部は、
    前記ヘッドを第1駆動信号で駆動させることによって、前記第1検査用駆動および前記第2検査用駆動を行わせ、
    前記ヘッドを前記第1駆動信号とは別の第2駆動信号で駆動させることによって、前記第3検査用駆動および前記第4検査用駆動を行わせる、ことを特徴とする請求項9に記載の液体吐出装置。
  12. 前記制御部は、
    前記第1検査用駆動が行われたときに前記信号出力部から出力される前記第1信号に基づいて前記第1閾値変更処理を行い、
    前記第2検査用駆動が行われたときに前記信号出力部から出力される前記第2信号に基づいて前記第2閾値変更処理を行う、ことを特徴とする請求項8に記載の液体吐出装置。
  13. 前記制御部は、
    前記第1閾値変更処理において、
    変更後の前記第1閾値の暫定値である第1暫定閾値を決定し、
    前記第1暫定閾値が第1所定範囲内にある場合には、前記第1暫定閾値に基づいて前記第1閾値を変更し、
    前記第1暫定閾値が前記第1所定範囲内にない場合には、前記第1暫定閾値の決定をやり直し、
    前記第2閾値変更処理において、
    変更後の前記第2閾値の暫定値である第2暫定閾値を決定し、
    前記第2暫定閾値が第2所定範囲内にある場合には、前記第2暫定値に基づいて前記第2閾値を変更し、
    前記第2暫定閾値が前記第2所定範囲内にない場合には、前記第2暫定閾値の決定をやり直すことを特徴とする請求項8に記載の液体吐出装置。
  14. 前記ヘッドが、複数の前記第1ノズルと、複数の前記第2ノズルとを有し、
    前記制御部は、
    複数の前記第1ノズルの各々について前記第1暫定閾値を決定し、
    複数の前記第1ノズルの各々についての前記第1暫定閾値の中に、前記第1所定範囲内にない前記第1暫定閾値がある場合に、複数の前記第1ノズルのうち、前記第1暫定閾値が前記第1所定範囲内にない前記第1ノズルについてのみ前記第1暫定閾値の決定をやり直し、
    複数の前記第2ノズルの各々について前記第2暫定閾値を決定し、
    複数の前記第2ノズルの各々についての前記第2暫定閾値の中に、前記第2所定範囲内にない前記第2暫定閾値がある場合に、複数の前記第2ノズルのうち、前記第2暫定閾値が前記第2所定範囲内にない前記第2ノズルについてのみ前記第2暫定閾値の決定をやり直すことを特徴とする請求項13記載の液体吐出装置。
  15. 前記制御部は、
    前記第1閾値変更処理において
    変更後の前記第1閾値の暫定値である第1暫定閾値を決定し、
    前記第1暫定閾値が第1所定範囲内にある場合には、前記第1暫定閾値に基づいて前記第1閾値を変更し、
    決定した変更後の前記第1閾値が前記第1所定範囲内にない場合には前記第1閾値を変更せず、
    前記第2閾値変更処理において、
    変更後の前記第2閾値の暫定値である第2暫定閾値を決定し、
    前記第2暫定閾値が第2所定範囲内にある場合には、前記第2暫定閾値に基づいて前記第2閾値を変更し、
    前記第2暫定閾値が前記第2所定範囲内にない場合には、前記第2閾値を変更しない、ことを特徴とする請求項8に記載の液体吐出装置。
  16. 前記制御部は、
    前記第1閾値変更処理と前記第2閾値変更処理とを合わせた閾値変更処理を実行し、
    前記閾値変更処理において、
    変更後の前記第1閾値の暫定値である第1暫定閾値、および、変更後の前記第2閾値の暫定値である第2暫定閾値を決定し、
    前記第1暫定閾値と前記第2暫定閾値との差が所定量未満のときには、前記第1暫定閾値に基づいて前記第1閾値を変更し、前記第2暫定閾値に基づいて前記第2閾値を変更し、
    前記第1暫定閾値と前記第2暫定閾値との差が前記所定量以上のときには、前記第1暫定閾値および前記第2暫定閾値の決定をやり直すことを特徴とする請求項8に記載の液体吐出装置。
  17. 前記ヘッドが、複数の前記第1ノズルと、複数の前記第2ノズルと、を有し、
    前記制御部は、
    前記第1閾値変更処理において、複数の前記第1ノズルのうち、前回の前記第1判定処理で異常がないと判定された前記第1ノズルについての前記信号出力部から出力された前記信号のみに基づいて前記第1閾値を変更し、
    前記第2閾値変更処理において、複数の前記第2ノズルのうち、前回の前記第2判定処理で異常がないと判定された前記第2ノズルについての前記信号出力部から出力された前記信号のみに基づいて前記第2閾値を変更する、ことを特徴とする請求項8に記載の液体吐出装置。
  18. 前記第1ノズルおよび前記第2ノズルを覆うキャップと、
    前記第1ノズルおよび前記第2ノズルから前記キャップに液体を排出させる排出手段と、を備え、
    前記信号検出部は、
    前記キャップ内に配置され、前記第1ノズルおよび前記第2ノズルから液体が吐出されたときに電気的な変化が生じる電極を有し、
    前記検査用駆動が行われたときの前記電極における電気的な変化に応じた前記信号を出力し、
    前記制御部は、
    最後に前記排出手段により前記ノズルから前記キャップに液体が排出されてから、所定時間以上経過している状態で、前記第1閾値変更処理および前記第2閾値変更処理を実行し、
    最後に前記排出手段により前記第1ノズルおよび前記第2ノズルから前記キャップに液体が排出されてから、前記所定時間以上経過していない状態では、前記第1閾値変更処理および前記第2閾値変更処理を実行しないことを特徴とする請求項8に記載の液体吐出装置。
  19. 前記制御部は、所定時刻になったときに、前記第1閾値変更処理および前記第2閾値変更処理を実行することを特徴とする請求項8に記載の液体吐出装置。
  20. 前記制御部は、
    前記ヘッドを第1駆動信号で駆動させることによって前記ヘッドに前記第1検査用駆動を行わせ、前記第1信号の値が前記第1閾値以上であるか否かに基づいて、前記ヘッドを前記第1駆動信号で駆動させる場合に、前記第1ノズルに前記第1異常があるか否かを判定する前記第1判定処理と、
    前記ヘッドを前記第1駆動信号で駆動させることによって前記ヘッドに前記第2検査用駆動を行わせ、前記第2信号の値が前記第2閾値以上であるか否かに基づいて、前記ヘッドを前記第1駆動信号で駆動させる場合に、前記第2ノズルに前記第1異常があるか否かを判定する前記第2判定処理と、
    前記ヘッドを前記第1駆動信号とは別の前記第3駆動信号で駆動させることによって、前記ヘッドに前記第1ノズルから液体を吐出させるための前記検査用駆動である第5検査用駆動を行わせ、前記第5検査用駆動が行われたときに前記信号出力部から出力された前記信号である第5信号の値が、第3閾値以上であるか否かに基づいて、前記ヘッドを前記第2駆動信号で駆動させる場合に前記第1ノズルに前記第1異常があるか否かを判定する第3判定処理と、
    前記ヘッドを前記第3駆動信号で駆動させることによって、前記ヘッドに前記第2ノズルから液体を吐出させるための前記検査用駆動である第6検査用駆動を行わせ、前記第6検査用駆動が行われたときに前記信号出力部から出力された前記信号である第6信号の値が、第4閾値以上であるか否かに基づいて、前記ヘッドを前記第2駆動信号で駆動させる場合に前記第2ノズルに前記第1異常があるか否かを判定する第4判定処理と、を実行することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  21. 前記制御部は、
    前記第1判定処理において、
    前記第1信号の値が前記第1閾値以上で、かつ、前記第1閾値よりも大きい第1上限閾値未満である場合に、前記第1ノズルが正常であると判定し、
    前記第1信号の値が前記第1閾値未満の場合に、前記第1ノズルに前記第1異常があると判定し、
    前記第1信号の値が前記第1上限閾値以上の場合に、前記第1ノズルに前記第1異常とは別の第2異常があると判定し、
    前記第2判定処理において、
    前記第2信号の値が前記第2閾値以上で、かつ、前記第2閾値よりも大きい第2上限閾値未満である場合に、前記第2ノズルが正常であると判定し、
    前記第2信号の値が前記第2閾値未満の場合に、前記第2ノズルに前記第1異常があると判定し、
    前記第2信号の値が前記第2上限閾値以上の場合に、前記第2ノズルに前記第2異常があると判定することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  22. 前記第1上限閾値は、前記第1閾値に第1所定値を加えた値であり、
    前記第2上限閾値は、前記第2閾値に第2所定値を加えた値であることを特徴とする請求項21に記載の液体吐出装置。
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