JP2020193674A - ガスケット付きフランジ及び管の接続方法 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、図13に示すように、被接続側の管101の端部と接続側の管102の端部を、それぞれフランジ201,202の開口201a,202aに嵌入させ、管101,102の外周にそのフランジ201,202を固着する。その固着は、通常、全周に亘る溶接によって行う。図13においては、その溶接部の断面を小さい黒三角で示す。
そのフランジは配管継手の一種であり、上述のような管同士の接続の他に、エンジンのシリンダブロックやシリンダヘッド等の流体を吸入あるいは排出する機器の吸入口や排出口に、管を直接接続する場合にも使用される。
ガスケットには、ゴムや樹脂等で形成された軟質ガスケットと、銅やステンレス、アルミニウム等の金属板を打ち抜いて形成される金属ガスケット(メタルガスケット)があるが、内燃機関の排気系統における排気管の接続部のような高温になる接続部には金属ガスケットが使用される。金属ガスケットを使用した管(パイプ)の接続構造は、例えば特許文献1に記載されている。
そのフランジとガスケットの位置決めは、組み付け時に、フランジとガスケットの対応する位置に形成されたボルト孔にボルトを通して締め付けることによってなされていた。
また、ガスケットは通常、排気の通路となる開口(ポート孔)の周縁部にパッキン効果を高めるためのビード等を形成しているが、そのガスケットとフランジとの相対位置を決めるのが、フランジを連結するためのボルトのみであった。
そのため、組み付け後に外部からガスケットの存在を確認できるように、ガスケットの外形及び大きさを個々のフランジの平面形状と合わせていたので、ガスケットが必要以上の大きさになるばかりか共通化を図ることもできず、材料費や設計等に余分なコストが掛っていた。
そのガスケットは、上記シール面における排気の通路となる開口(ポート孔)の周縁部の有効シール領域を含み、上記フランジの外形より小さい所定領域にのみ設ければよい。
これらのガスケット付きフランジにおいて、上記フランジが、上記シール面における有効シール領域外の部分に、上記ガスケットの一部を嵌入させる窪みを備え、上記ガスケットの上記窪みと対応する箇所が押し曲げられて上記窪み内に嵌入することにより、上記シール面に上記ガスケットが位置決め結合されているとよい。
その場合、上記窪みの開口付近の対向する側壁部に、上記ガスケットの上記窪みに嵌入した部分を抜け止めする対の突起が形成されているのが望ましい。
さらに、組み付け後にガスケットの存在を外部から確認できるようにする必要がなく、ガスケットにボルト孔を設ける必要もなくなる。そのため、フランジのシール面に対してシールと位置決め結合に必要な領域だけにガスケットを設ければよいので、上記開口の径を基準にガスケットを共通化することも可能になり、コストを大幅に節減することができる。
〔第1の実施形態〕
まず、この発明によるガスケット付きフランジの基本的な第1の実施形態を図1から図3によって説明する。
図1と図2は、それぞれ第1の実施形態に使用するフランジとガスケットの平面図であり、図3はそのフランジにガスケットを位置決め結合して一体に設けたガスケット付きフランジを示す。(a)は平面図であり、(b)はそのY−Y線に沿う断面図である。
この明細書中でいう「相手側被接続部材」には、接続する相手側の管に固着されたフランジだけでなく、排気孔を有するシリンダブロック又はシリンダヘッドあるいはマフラ(消音器)や排気浄化装置等の排気系部材も含まれる。
このフランジ10のシール面13において、図1に示すポート孔11の内周と仮想線Cとの間の環状の領域、すなわちポート孔11(開口)の周縁部が、相手側被接続部材と接続する際の有効シール領域13aである。
この窪み14は、フランジ10を鍛造あるいはプレス加工等によって形成する際に同時に形成することができる。
そして、このガスケット20には、フランジ10の各窪み14と対応する箇所に、それぞれ窪み14の幅に対応する間隔で平行な2本の切り目であるスリット24を形成している。
その結合部1aの断面は図3の(b)には示されていないが、後で図6〜図8等によって詳述する第2の実施形態の結合部と同様である。
フランジとガスケットを同じメーカで設計及び製造できるので、両者を精度よく位置決め結合することができ、必要な性能を十分に達成しながら過剰性能を抑制してコストを低減することができる。
次に、この発明によるガスケット付きフランジのより好ましい第2の実施形態を、図1及び図4と図5によって説明する。
図1に示した金属製のフランジ10を、この第2の実施形態のフランジとしても使用する。図4はこの第2の実施形態に使用するガスケットの平面図であり、図5はそのガスケットを図1に示したフランジに位置決め結合して一体に設けたガスケット付きフランジを示す。(a)は平面図であり、(b)はそのY−Y線に沿う断面図である。
しかし、このガスケット30の平面形状及び大きさはフランジ10の平面形状及び大きさと同じではなく、フランジ10のシール面13におけるポート孔11の周縁部の有効シール領域13aを含み、フランジ10の外形より小さい所定領域に対応する形状である。
その結合部2aの断面は図5の(b)には示されていないが、後で図6〜図8等によって詳述する。
さらに、ガスケット30の平面形状及び大きさを、フランジ10のシール面13における有効シール領域と位置決め結合に必要な所定領域に対応する形状及び大きさだけにしたので、比較的高いガスケットの材料費を大幅に節減できる。また、車種ごとに特有なフランジの外形形状に係らず、ポート孔の径を基準にガスケットを共通化して共通ガスケットとして使用することができるので、ガスケットの設計及び製造のコストも大幅に節減することができる。
ここで、図5の(a)に示した結合部2aの具体例を、図6〜図8と図9によって説明する。
図7及び図8では、結合部2aとして第2の実施形態の符号を用いて説明するが、第1の実施形態の図3に示した結合部1aについても、ガスケットのスリットが、延設部35に形成されている代わりにガスケット20の有効シール領域外の部分に形成されている以外は同様である。
窪み14は、フランジ10のシール面13における有効シール領域13a外の部分に設けられた凹部であり、平面形状が所定の長さ及び幅を有する長方形で、ガスケット30を結合できるだけの深さを有している。
フランジ10のシール面13上にガスケット30を、図6に示した窪み14とガスケット30の延設部35に形成された、図9の(a)に示す平行な2本のスリット34に挟まれた押し曲げ容易な部分P1とを一致させるように位置決め載置する。
その加圧力によって、ガスケット30の延設部35における押し曲げ容易な部分P1(図9参照)を図7に示すように逆台形状に押し曲げ、その押し曲げられた部分35aをフランジ10の窪み14内に嵌入させる。それによって、結合部2aが構成され、フランジ10のシール面13にガスケット30が位置決め結合して一体化される。
しかし、ガスケット30が劣化して交換が必要な場合には、ガスケット30の延設部35にフランジ10から引き離す方向の強い力を加えれば、結合部2aの押し曲げられた部分35aが窪み14から抜けて、ガスケット30をフランンジ10から離脱させることができる。
そのポンチ5の押し曲げ部5aの幅は、ガスケット30の図9の(a)に示す押し曲げ容易な部分P1の幅より僅かに狭い。その押し曲げ部5aの図7の(b)に示す長さ方向の形状は、上端が窪み14の長さより若干短く、下端面がそれより幾分短くなった逆台形状になっている。その押し曲げ部5aに続く上部には、その長さ方向の両側に抑え部5bが一体に設けられている。その抑え部5bによって、ポンチ5の押し曲げ部5aが下降してガスケット30の平行なスリット34の間の押し曲げ容易な部分を押し曲げたときに、窪み14の長手方向の両端より外側の部分が持ち上がらないように抑える機能を持つ。
この場合に使用するポンチ5′の最下降位置での先端部付近を、図8の(b)及び(c)に仮想線で示している。
そのポンチ5′の押し曲げ部5aの上部には、長手方向の中央付近の両側部に、下端面が幾分凸曲面になった押し潰し部5cが設けられ、その押し潰し部5cに対応する位置の押し曲げ部5aの両側面には突起逃がし用凹部5dを形成している。これによって、後述する突起16が形成されても、ポンチ5′の上下動が阻害されない。
それによって、フランジ10の窪み14の開口付近の対向する側壁部の一部が窪み14内に膨出して、図8の各図に示すように対の突起16が形成される。その対の突起16によって、ガスケット30の押し曲げられた部分35a(フランジ10の窪み14に嵌入した部分)が、窪み14から抜け出るのを確実に防止する。すなわち抜け止めする。
図9の(a)に示す例は、前述した平行な2本のスリット34によって、両持ちブリッジ状の押し曲げ容易な部分P1を形成している。
(b)に示す例は、(a)に示した押し曲げ容易な部分P1を長手方向の中央で分断する幅方向のスリット36も設けて、片持ちの二片の押し曲げ容易な部分P2を形成している。
フランジとガスケットの相対位置決め及び結合を確実にするために、その他種々のスリット形状及び窪み形状を採用することができる。
次に、この発明によるガスケット付きフランジの第3の実施形態を、図10〜図12によって説明する。
図10、図11、図12はそれぞれ、その第3の実施形態に使用するフランジ及びガスケット、そのフランジに4個のガスケットを位置決め結合したガスケット付きフランジを示す平面図である。
さらに、このフランジ40には、相手側被接続部材との接続時にその被接続部材の接合面と対向するシール面43の、各ポート孔41の周縁部の有効シール領域外の部分に、それぞれ図11に示すガスケット50の一部を嵌入させる窪み44を1対ずつ設けている。
さらに、このガスケット50の外周部には、フランジ40の1対の窪み44と対応する位置を含むように外方へ延びる1対の延設部55を設け、そこにそれぞれ2本の平行なスリット54を形成している。
それによってフランジ40のシール面43に、4個の各ガスケット50が位置決め結合されて一体に設けられ、図12に示すガスケット付きフランジ3が完成する。フランジ40のポート孔41の数は接続する管の数と同じであり、この例では4個であるが2個以上(複数)の各種のフランジがあり、その形状や大きさも種々のものがある。
この第3の実施形態を適用した内燃機関(エンジン)の排気系統における複数の管を接続する管の接続方法を説明する。
それがガスケット付きフランジ3である。そして、そのガスケット付きフランジ3のフランジ40を複数の管に固着する。
その後、そのフランジ40と被接続部材とを複数のガスケット50を挟んで接合する。
そのガスケット付きフランジ3のフランジ40を複数の管に固着する工程と、フランジ40と被接続部材とを複数のガスケット50を挟んで接合する工程は、エンジンメーカでエンジンを組み立てる際、あるいは完成品メーカでエンジンを搭載した製品の最終組み立て時等に行う。
また、接続する部材がシリンダヘッドや排気浄化装置等の管以外の部材である場合に、その部材にこの発明によるガスケット付きフランジを固着し、それを管に固着したフランジと接合して管と接続することもできる。
以上、この発明の各実施形態について説明してきたが、この発明は上述した各実施形態に限るものではなく、特許請求の範囲の各請求項に規定する範囲内で、種々の変更、追加、省略や組合せ等が可能で有ることは勿論である。
5,5′:ポンチ 10,40:フランジ
11,41:フランジのポート孔(排気の通路となる開口)
12,42:フランジのボルト孔 13,43:シール面
14,44:窪み 13a:有効シール領域 15:押し潰された部分
16:抜け止め用の突起 20,30,50:ガスケット
21,31,41:ガスケットのポート孔(排気の通路となる開口)
22:ガスケットのボルト孔 23,33,53:ビード
24,34,36,37,54:スリット 35,55:延設部
35a:押し曲げられた部分
そのガスケットは、上記シール面における排気の通路となる開口(ポート孔)の周縁部の有効シール領域を含み、上記フランジの外形より小さい所定領域にのみ設ければよい。
これらのガスケット付きフランジにおいて、上記フランジが、上記シール面における有効シール領域外の部分に、上記ガスケットの一部を嵌入させる窪みを備え、上記ガスケットの上記窪みと対応する箇所が押し曲げられて上記窪み内に嵌入することにより、上記シール面に上記ガスケットが位置決めされ、容易に抜けることがないように結合されているとよい。
その場合、上記窪みの開口付近の対向する側壁部に、上記ガスケットの上記窪みに嵌入した部分を抜け止めする対の突起が形成されているのが望ましい。
その加圧力によって、ガスケット30の延設部35における押し曲げ容易な部分P1(図9参照)を図7に示すように逆台形状に押し曲げ、その押し曲げられた部分35aをフランジ10の窪み14内に嵌入させる。それによって、結合部2aが構成され、フランジ10のシール面13にガスケット30が位置決め結合して一体化される。
さらに、このフランジ40には、相手側被接続部材との接続時にその被接続部材の接合面と対向するシール面43の、各ポート孔41の周縁部の有効シール領域外の部分に、それぞれ図11に示すガスケット50の一部を嵌入させる窪み44を1対ずつ設けている。
それがガスケット付きフランジ3である。そして、そのガスケット付きフランジ3のフランジ40を複数の管の端部に固着する。
その後、そのフランジ40と被接続部材とを複数のガスケット50を挟んで接合する。
Claims (7)
- 内燃機関の排気系統の管を接続するための金属製のフランジであって、相手側被接続部材との接続時に該被接続部材の接合面と対向するシール面に、金属製のガスケットを位置決め結合して一体に設けたことを特徴とするガスケット付きフランジ。
- 前記ガスケットが、前記シール面における排気の通路となる開口の周縁部の有効シール領域を含み、前記フランジの外形より小さい所定領域にのみ設けられたことを特徴とする請求項1に記載のガスケット付きフランジ。
- 請求項2に記載のガスケット付きフランジであって、前記フランジに、前記開口が間隔を置いて複数形成されており、該複数の開口のそれぞれと対応して、該開口の周縁部の有効シール領域を含む所定領域ごとに、個別に前記ガスケットが位置決め結合されていることを特徴とするガスケット付きフランジ。
- 前記フランジが、前記シール面における有効シール領域外の部分に、前記ガスケットの一部を嵌入させる窪みを備え、
前記ガスケットの前記窪みと対応する箇所が、押し曲げられて前記窪み内に嵌入することにより、前記シール面に前記ガスケットが位置決め結合されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のガスケット付きフランジ。 - 前記窪みの開口付近の対向する側壁部に、前記ガスケットの前記窪みに嵌入した部分を抜け止めする対の突起が形成されていることを特徴とする請求項4に記載のガスケット付きフランジ。
- 内燃機関の排気系統の管の接続方法であって、
接続する管に固着される金属製のフランジの、相手側被接続部材との接続時に該被接続部材の接合面と対向するシール面に、予め金属製のガスケットを位置決め結合しておき、
該フランジを前記管に固着し、
その後、該フランジと前記被接続部材とを前記ガスケットを挟んで接合することを特徴とする、管の接続方法。 - 内燃機関の排気系統における複数の管を接続する管の接続方法であって、
前記複数の管に固着される共通の金属製のフランジで、前記複数の管とそれぞれ対応する排気の通路となる複数の開口が間隔を置いて形成されているフランジの、相手側被接続部材との接続時に該被接続部材の接合面と対向するシール面に、予め前記複数の開口のそれぞれと対応して該開口の周縁部の有効シール領域を含む所定領域ごとに複数の金属製のガスケットを個別に位置決め結合しておき、
該フランジを前記複数の管に固着し、
その後、該フランジと前記被接続部材とを前記複数のガスケットを挟んで接合することを特徴とする、管の接続方法。
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