JP2020193704A - ガスケット付きフランジ及び管の接続方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フランジとガスケットの相対位置決めを正確に行えるようにしてガスケットのパッキン効果を最大限に発揮できるようにするとともに、ガスケットの付け忘れの恐れを無くし、コストの低減も図る。【解決手段】内燃機関の排気系統の管を接続するための金属製のフランジ10の、相手側被接続部材との接続時にその被接続部材の接合面と対向するシール面13に、金属製のガスケット30を位置決め結合して一体に設け、ガスケット付きフランジ2とする。そのガスケット30は、シール面13における排気の通路となるポート孔11の周縁部の有効シール領域を含み、フランジ10の外形より小さい所定領域にのみ設けるとよい。フランジに複数のポート孔が形成されている場合は、複数のガスケットを各ポート孔に対応して個別に位置決め結合する。【選択図】 図5

Description

この発明は、自動車等の内燃機関(エンジン)の排気系統の管(排気管)を接続するためのフランジとガスケット及び管の組付け方法に関する。
自動車等における内燃機関の排気系統の管を接続する場合、一般に、被接続側と接続側の各管(パイプ)の端部にそれぞれフランジを固着し、そのフランジ同士を、ガスケット(パッキンとも言う)を挟んでボルトとナットで締め付けて接続する方法がとられている。
例えば、図13に示すように、被接続側の管101の端部と接続側の管102の端部を、それぞれフランジ201,202の開口201a,202aに嵌入させ、管101,102の外周にそのフランジ201,202を固着する。その固着は、通常、全周に亘る溶接によって行う。図13においては、その溶接部の断面を小さい黒三角で示す。
そして、その各フランジ201,202の対向する接合面であるシール面201b,202bの間に、各フランジ201,202と同じ平面形状のガスケット300を挟んで、そのフランジ201,202同士を複数本のボルト400とナット500によって均等に締め付ける。それによって、管101と管102を気密に接続することができる。
そのフランジは配管継手の一種であり、上述のような管同士の接続の他に、エンジンのシリンダブロックやシリンダヘッド等の流体を吸入あるいは排出する機器の吸入口や排出口に、管を直接接続する場合にも使用される。
フランジの材料は用途によって異なるが、一般に炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼、銅合金、アルミニウム合金などの金属が使用される。
ガスケットには、ゴムや樹脂等で形成された軟質ガスケットと、銅やステンレス、アルミニウム等の金属板を打ち抜いて形成される金属ガスケット(メタルガスケット)があるが、内燃機関の排気系統における排気管の接続部のような高温になる接続部には金属ガスケットが使用される。金属ガスケットを使用した管(パイプ)の接続構造は、例えば特許文献1に記載されている。
このような管の接続に使用されるフランジは、排気ガスの外部への流出を防ぐため及び内燃機関近傍の形状から、車種ごとに特有の形状になっている。そして、ガスケットもそのフランジの形状に合わせて個別に作られていた。そのフランジとガスケットとを車等の最終製品の組立時に合わせて組み付け、上述のように排気管等の接続を行っていた。
そのフランジとガスケットの位置決めは、組み付け時に、フランジとガスケットの対応する位置に形成されたボルト孔にボルトを通して締め付けることによってなされていた。
特開2010−169184号公報
しかしながら、このような管接続用のフランジとガスケットは別々に設計され、別のメーカで製造されていた。そのため、相互の情報も少なく、充分な気密性を得るために過剰な性能が要求され、余計なコストが掛っていた。
また、ガスケットは通常、排気の通路となる開口(ポート孔)の周縁部にパッキン効果を高めるためのビード等を形成しているが、そのガスケットとフランジとの相対位置を決めるのが、フランジを連結するためのボルトのみであった。
ところが、例えばM10(Φ10mm)のボルトを使用する場合、取り付の容易さから、フランジ及びガスケットに形成するボルト孔の径はΦ11mm程度となる。そのボルト孔を位置決め孔にしているため、フランジに対するガスケットの位置すなわちビードの位置は、全方向に0.5mmの自由度があることになり、それによってパッキン効果が低減する恐れがあった。
さらに、車の場合、これまでフランジとガスケットは完成車メーカの最終組み立て工程で結合されていたので、組み付け忘れが発生する可能性が拭えなかった。
そのため、組み付け後に外部からガスケットの存在を確認できるように、ガスケットの外形及び大きさを個々のフランジの平面形状と合わせていたので、ガスケットが必要以上の大きさになるばかりか共通化を図ることもできず、材料費や設計等に余分なコストが掛っていた。
この発明は、内燃機関の排気系統の管を接続する場合の上記のような問題を解決するためになされたものであり、フランジとガスケットの相対位置決めを正確に行えるようにしてガスケットのパッキン効果を最大限に発揮できるようにするとともに、ガスケットの付け忘れの恐れを無くし、コストの低減も図ることを目的とする。
この発明によるガスケット付きフランジは、内燃機関の排気系統の管を接続するための金属製のフランジであって、相手側被接続部材との接続時にその被接続部材の接合面と対向するシール面に、金属製のガスケットを位置決め結合して一体に設けたことを特徴とする。
そのガスケットは、上記シール面における排気の通路となる開口(ポート孔)の周縁部の有効シール領域を含み、上記フランジの外形より小さい所定領域にのみ設ければよい。
上記ガスケット付きフランジは、上記フランジに、上記開口が間隔を置いて複数形成されており、その複数の開口のそれぞれと対応して、その開口の周縁部の有効シール領域を含む所定領域ごとに、個別に上記ガスケットが位置決め結合されていてもよい。
これらのガスケット付きフランジにおいて、上記フランジが、上記シール面における有効シール領域外の部分に、上記ガスケットの一部を嵌入させる窪みを備え、上記ガスケットの上記窪みと対応する箇所が押し曲げられて上記窪み内に嵌入することにより、上記シール面に上記ガスケットが位置決め結合されているとよい。
その場合、上記窪みの開口付近の対向する側壁部に、上記ガスケットの上記窪みに嵌入した部分を抜け止めする対の突起が形成されているのが望ましい。
この発明による管の接続方法は、内燃機関の排気系統の管の接続方法であって、接続する管に固着される金属製のフランジの、相手側被接続部材との接続時にその被接続部材の接合面と対向するシール面に、予め金属製のガスケットを位置決め結合しておき、そのフランジを上記管に固着し、その後、そのフランジと上記被接続部材とを上記ガスケットを挟んで接合することを特徴とする。
また、内燃機関の排気系統における複数の管を接続する管の接続方法であって、上記複数の管に固着される共通の金属製のフランジで、上記複数の管とそれぞれ対応する排気の通路となる複数の開口が間隔を置いて形成されているフランジの、相手側被接続部材との接続時にその被接続部材の接合面と対向するシール面に、予め上記複数の開口のそれぞれと対応してその開口の周縁部の有効シール領域を含む所定領域ごとに複数の金属製のガスケットを個別に位置決め結合しておき、そのフランジを上記複数の管に固着し、その後、そのフランジと上記被接続部材とを上記複数のガスケットを挟んで接合する、管の接続方法も提供する。
この発明によるガスケット付きフランジ及び管の接続方法によれば、フランジとガスケットの相対位置決めを、組み付け時のボルトに依存せずに予め正確に行うことができるので、排気の通路となる開口の回りの位置ずれを無くし、ガスケットのパッキン効果を最大限に発揮させることできる。また、ガスケット付け忘れの恐れを皆無にすることができる。
さらに、組み付け後にガスケットの存在を外部から確認できるようにする必要がなく、ガスケットにボルト孔を設ける必要もなくなる。そのため、フランジのシール面に対してシールと位置決め結合に必要な領域だけにガスケットを設ければよいので、上記開口の径を基準にガスケットを共通化することも可能になり、コストを大幅に節減することができる。
この発明の第1の実施形態と第2の実施形態に使用するフランジの平面図である。 この発明の第1の実施形態に使用するガスケットの平面図である。 この発明の第1の実施形態のガスケット付きフランジを示す平面図(a)とそのY−Y線に沿う断面図(b)である。 この発明の第2の実施形態に使用するガスケットの平面図である。 この発明の第2の実施形態のガスケット付きフランジを示す平面図(a)とそのY−Y線に沿う断面図(b)である。 図1に示したフランジにおける窪みが設けられた部分の拡大平面図(a)とそのA−A線に沿う断面図(b)及びB−B線に沿う断面図(c)である。 図5におけるフランジとガスケットの位置決め結合部分の拡大平面図(a)とそのA−A線に沿う断面図(b)及びB−B線に沿う断面図(c)である。 窪みの対向する側壁に抜け止め用の突起を形成した例を示す図7と同様な拡大平面図(a)とそのA−A線に沿う断面図(b)及びB−B線に沿う断面図(c)である。 この発明に使用するガスケットにおけるフランジの窪みに対応する箇所に形成されるスリットの異なる形状例を示す拡大平面図である。 この発明の第3の実施形態に使用するフランジの平面図である。 この発明の第3の実施形態に使用するガスケットの平面図である。 この発明の第3の実施形態のガスケット付きフランジを示す平面図である。 従来の金属製のフランジとガスケットを使用して管同士を接続した部分の管の軸線方向に沿う断面図である。
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
〔第1の実施形態〕
まず、この発明によるガスケット付きフランジの基本的な第1の実施形態を図1から図3によって説明する。
図1と図2は、それぞれ第1の実施形態に使用するフランジとガスケットの平面図であり、図3はそのフランジにガスケットを位置決め結合して一体に設けたガスケット付きフランジを示す。(a)は平面図であり、(b)はそのY−Y線に沿う断面図である。
図1に示すフランジ10は、内燃機関の排気系統における管を接続するための金属製のフランジであり、この例では、その平面形状が正三角形の各頂部にアールを付けた形状であって、中央部に、接続すべき円筒状の管を嵌入させて排気の通路となる開口(以下「ポート孔」と称す)11が形成されている。また、各頂部に近い3箇所にそれぞれ組み付け用のボルトを通すためのボルト孔12が形成されている。
このフランジ10は、後述する図3の(b)に示されるような厚板状のフランジであり、炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼、銅合金、アルミニウム合金などの耐熱性がある金属材によって形成されている。そして、図1に示されている一方の平面が、相手側被接続部材との接続時にその被接続部材の接合面(シール面でもある)と対向するシール面(接合面でもある)13である。
この明細書中でいう「相手側被接続部材」には、接続する相手側の管に固着されたフランジだけでなく、排気孔を有するシリンダブロック又はシリンダヘッドあるいはマフラ(消音器)や排気浄化装置等の排気系部材も含まれる。
このフランジ10のポート孔11に嵌入される管との接続をより確実にするために、シール面13と反対側の面にポート孔11と同じ内径で突出するハブを形成してもよい。そのようにハブを設けたフランジをハブフランジと称し、ハブを設けないフランジを板フランジと称する。
このフランジ10のシール面13において、図1に示すポート孔11の内周と仮想線Cとの間の環状の領域、すなわちポート孔11(開口)の周縁部が、相手側被接続部材と接続する際の有効シール領域13aである。
そして、そのシール面13における有効シール領域13aの外側の部分に、後述するガスケットの一部を嵌入させる長方形の窪み14を備えている。この例では、窪み14がポート孔11を挟むようにその内周方向に離れた2箇所に設けられているが、1箇所あるいは3箇所以上に設けてもよい。
この窪み14は、フランジ10を鍛造あるいはプレス加工等によって形成する際に同時に形成することができる。
図2に示すガスケット20は、フランジ10と同じ平面形状をなしており、フランジ10のポート孔11及びボルト孔12と対応する位置にポート孔21及びボルト孔22が形成されている。そのガスケット20における排気の通路となる開口であるポート孔21の周縁部において、フランジ10の有効シール領域13aと対応する部分に、パッキン効果を高めるためのビード23を形成している。
このガスケット20は金属製のガスケットであり、所定の厚さ(例えば0.2mm〜1.0mm程度)のステンレスやアルミニウム等の耐熱性及びばね性を有する金属板をプレス加工して製造される。
そして、このガスケット20には、フランジ10の各窪み14と対応する箇所に、それぞれ窪み14の幅に対応する間隔で平行な2本の切り目であるスリット24を形成している。
そして、図1に示したフランジ10のシール面13上に図2に示したガスケット20を、窪み14とスリット24の位置を一致させるように重ねて載置し、スリット24を形成した部分を加圧することにより、両者を位置決め結合して一体化する。それによって、図3に示すガスケット付きフランジ1を製造することができる。その結合部1aは、ガスケット20の一部、すなわちフランジ10に設けられた窪み14と対応する箇所に形成された2本のスリット24の間の部分が押し曲げられて窪み14内に嵌入しており、それによってフランジ10のシール面13にガスケットが位置決め結合されている。
その結合部1aの断面は図3の(b)には示されていないが、後で図6〜図8等によって詳述する第2の実施形態の結合部と同様である。
このようにシール面13に、予めガスケットを位置決め結合したガスケット付きフランジ1を、図13に示したように接続すべき管の端部に固着し、その後、そのガスケット付きフランジ1のフランジ10と、相手側の管の端部に固着したフランジ等の被接続部材とをガスケット20を挟んで接合し、ボルトとナット等で組み付けることによって、管同士あるいは管と他の排気孔を有する部材とを気密に接続することができる。これが、この発明による管の接続方法の一実施形態である。
このガスケット付きフランジを使用して管を接続すれば、フランジとガスケットが位置決め結合して一体化しているので、完成車メーカにおいて管を接続する工程でのガスケット付け忘れを皆無にすることができる。また、フランジとガスケットの相対位置決めを、組み付け時のボルトに依存せずに予め正確に行うことができるので、ポート孔の回りの位置ずれを無くし、ガスケットのパッキン効果を最大限に発揮させることできる。
フランジとガスケットを同じメーカで設計及び製造できるので、両者を精度よく位置決め結合することができ、必要な性能を十分に達成しながら過剰性能を抑制してコストを低減することができる。
しかも、組み付け後に外部からガスケットの存在を確認できるようにする必要がなくなり、ガスケットにボルト孔を設ける必要もなくなるので、次の第2の実施形態に示すように、ガスケットの平面形状及び大きさをシールと位置決め結合に必要な領域だけにすることが可能である。そのため、フランジの外形形状に係らず、ポート孔の径を基準にガスケットを共通化することも可能になり、ガスケットの材料費や設計・製造のコストを大幅に節減することが可能になる。
〔第2の実施形態〕
次に、この発明によるガスケット付きフランジのより好ましい第2の実施形態を、図1及び図4と図5によって説明する。
図1に示した金属製のフランジ10を、この第2の実施形態のフランジとしても使用する。図4はこの第2の実施形態に使用するガスケットの平面図であり、図5はそのガスケットを図1に示したフランジに位置決め結合して一体に設けたガスケット付きフランジを示す。(a)は平面図であり、(b)はそのY−Y線に沿う断面図である。
図4に示すガスケット30も、図2に示したガスケット20と同様な金属性のガスケットであり、中央部にフランジ10のポート孔11と対応する排気の通路となる開口であるポート孔31が形成されている。また、そのガスケット30におけるポート孔31の周縁部において、フランジ10の有効シール領域13aと対応する部分に、パッキン効果を高めるためのビード33を形成している。
しかし、このガスケット30の平面形状及び大きさはフランジ10の平面形状及び大きさと同じではなく、フランジ10のシール面13におけるポート孔11の周縁部の有効シール領域13aを含み、フランジ10の外形より小さい所定領域に対応する形状である。
図4に示すガスケットは所定幅の円環状をなし、その外周から径方向の外方へ突出するように、フランジ10の各窪み14と対応する箇所を含む1対の延設部35を設けている。その各延設部35のそれぞれ窪み14と対応する箇所に、その窪み14の幅に対応する間隔で平行な2本のスリット34を形成している。したがって、このスリット34を形成した延設部35の数は、フランジ10の窪み14の数と同じである。
図1に示したフランジ10のシール面13に図4に示したガスケット30を重ねて載置し、前述した第1の実施形態と同様に位置決め結合して一体化することによって、図5に示すガスケット付きフランジ2を製造することができる。その結合部2aは、ガスケット30におけるフランジ10に設けられた窪み14と対応する箇所、すなわち各延設部35に形成された2本のスリット34の間の部分が押し曲げられて窪み14内に嵌入している。それによってフランジ10のシール面13にガスケット30が位置決め結合される。
その結合部2aの断面は図5の(b)には示されていないが、後で図6〜図8等によって詳述する。
この第2の実施形態のガスケット付きフランジ2を使用した、内燃機関の排気系統の管の接続方法によっても、前述した第1の実施形態のガスケット付きフランジ1を使用した場合と同様の効果が得られる。
さらに、ガスケット30の平面形状及び大きさを、フランジ10のシール面13における有効シール領域と位置決め結合に必要な所定領域に対応する形状及び大きさだけにしたので、比較的高いガスケットの材料費を大幅に節減できる。また、車種ごとに特有なフランジの外形形状に係らず、ポート孔の径を基準にガスケットを共通化して共通ガスケットとして使用することができるので、ガスケットの設計及び製造のコストも大幅に節減することができる。
〔結合部の具体例の説明〕
ここで、図5の(a)に示した結合部2aの具体例を、図6〜図8と図9によって説明する。
図7及び図8では、結合部2aとして第2の実施形態の符号を用いて説明するが、第1の実施形態の図3に示した結合部1aについても、ガスケットのスリットが、延設部35に形成されている代わりにガスケット20の有効シール領域外の部分に形成されている以外は同様である。
図6はフランジ10のシール面13における窪み14が設けられた部分の拡大図であり、(a)は平面図、(b)はそのA−A線に沿う断面図、(c)はB−B線に沿う断面図である。
窪み14は、フランジ10のシール面13における有効シール領域13a外の部分に設けられた凹部であり、平面形状が所定の長さ及び幅を有する長方形で、ガスケット30を結合できるだけの深さを有している。
図7は、図5におけるフランジとガスケットの位置決め結合部分である結合部2aの拡大図であり、(a)は平面図、(b)はそのA−A線に沿う断面図、(c)はB−B線に沿う断面図である。図9の(a)は、ガスケットにおけるフランジの窪みに対応する箇所に形成されたスリットの拡大平面図である。
フランジ10のシール面13上にガスケット30を、図6に示した窪み14とガスケット30の延設部35に形成された、図9の(a)に示す平行な2本のスリット34に挟まれた押し曲げ容易な部分P1とを一致させるように位置決め載置する。
そして、そのガスケット30(図7ではその延設部35のみを示す)を載置したフランジ10をプレス機械にセットし、そのプレス機械に装着したポンチ5を下降させる。
その加圧力によって、ガスケット30の延設部35における押し曲げ容易な部分P1(図9参照)を図7に示すように逆台形状に押し曲げ、その押し曲げられた部分35aをフランジ10の窪み14内に嵌入させる。それによって、結合部2aが構成され、フランジ10のシール面13にガスケット30が位置決め結合して一体化される。
ガスケット30はばね性を有するため、押し曲げられた部分35aは復元力によってフランジ10の窪み14に対して長手方向に突っ張る力が作用し、容易に抜けることはない。
しかし、ガスケット30が劣化して交換が必要な場合には、ガスケット30の延設部35にフランジ10から引き離す方向の強い力を加えれば、結合部2aの押し曲げられた部分35aが窪み14から抜けて、ガスケット30をフランンジ10から離脱させることができる。
図7の(b)と(c)には、ポンチ5がこの押し曲げ工程で最下降位置になる少し前の状態の先端部付近を仮想線で示している。
そのポンチ5の押し曲げ部5aの幅は、ガスケット30の図9の(a)に示す押し曲げ容易な部分P1の幅より僅かに狭い。その押し曲げ部5aの図7の(b)に示す長さ方向の形状は、上端が窪み14の長さより若干短く、下端面がそれより幾分短くなった逆台形状になっている。その押し曲げ部5aに続く上部には、その長さ方向の両側に抑え部5bが一体に設けられている。その抑え部5bによって、ポンチ5の押し曲げ部5aが下降してガスケット30の平行なスリット34の間の押し曲げ容易な部分を押し曲げたときに、窪み14の長手方向の両端より外側の部分が持ち上がらないように抑える機能を持つ。
図8は、フランジの窪みに抜け止め用の突起を形成した結合部の例を示す図7と同様な拡大図であり、(a)平面図、(b)はそのA−A線に沿う断面図、(c)はB−B線に沿う断面図である。
この場合に使用するポンチ5′の最下降位置での先端部付近を、図8の(b)及び(c)に仮想線で示している。
そのポンチ5′の押し曲げ部5aの上部には、長手方向の中央付近の両側部に、下端面が幾分凸曲面になった押し潰し部5cが設けられ、その押し潰し部5cに対応する位置の押し曲げ部5aの両側面には突起逃がし用凹部5dを形成している。これによって、後述する突起16が形成されても、ポンチ5′の上下動が阻害されない。
そして、そのポンチ5′を下降させて、押し曲げ部5aによってガスケット30の平行なスリット34の間の押し曲げ容易な部分を押し曲げて、フランジ10の窪み14内に嵌入させたとき、その最終工程近くでポンチ5′の押し潰し部5cが、窪み14の長手方向の中央付近の両側部のシール面13をガスケット30の延設部35の一部と共に押し潰す。図8における15はその押し潰された部分である。
それによって、フランジ10の窪み14の開口付近の対向する側壁部の一部が窪み14内に膨出して、図8の各図に示すように対の突起16が形成される。その対の突起16によって、ガスケット30の押し曲げられた部分35a(フランジ10の窪み14に嵌入した部分)が、窪み14から抜け出るのを確実に防止する。すなわち抜け止めする。
図9は、この発明に使用するガスケットにおけるフランジの窪みに対応する箇所に形成されるスリットの異なる形状例を示す拡大平面図である。
図9の(a)に示す例は、前述した平行な2本のスリット34によって、両持ちブリッジ状の押し曲げ容易な部分P1を形成している。
(b)に示す例は、(a)に示した押し曲げ容易な部分P1を長手方向の中央で分断する幅方向のスリット36も設けて、片持ちの二片の押し曲げ容易な部分P2を形成している。
図9の(c)に示す例は、直角に曲がった点対称の4本のスリット37によって十字形の押し曲げ容易な部分P3を形成している。この場合は、フランジに設ける窪みも十字形にし、ポンチの押し曲げ部も十字形にする必要がある。十字形の押し曲げ容易な部分P3の中央部に×状のスリットを形成して、片持ちの四片の押し曲げ容易な部分を形成してもよい。
フランジとガスケットの相対位置決め及び結合を確実にするために、その他種々のスリット形状及び窪み形状を採用することができる。
〔第3の実施形態〕
次に、この発明によるガスケット付きフランジの第3の実施形態を、図10〜図12によって説明する。
図10、図11、図12はそれぞれ、その第3の実施形態に使用するフランジ及びガスケット、そのフランジに4個のガスケットを位置決め結合したガスケット付きフランジを示す平面図である。
図10に示すフランジ40は、前述したフランジ10と同様な金属性のフランジであるが、排気の通路となる開口であるポート孔41が、間隔を置いて複数(この例では4個)形成されており、その配列方向に長い特殊な形状をしている。各ポート孔41の形状及び大きさは同じである。そして、その外周に沿って間隔を置いて5個のボルト孔42が設けられている。
さらに、このフランジ40には、相手側被接続部材との接続時にその被接続部材の接合面と対向するシール面43の、各ポート孔41の周縁部の有効シール領域外の部分に、それぞれ図11に示すガスケット50の一部を嵌入させる窪み44を1対ずつ設けている。
図11に示すガスケット50も、前述したガスケット30と同様な金属製のガスケットであり、フランジ40の各ポート孔41の周縁部の有効シール領域を含む所定領域に対応する長円環状の平面形状をなしている。そして、排気の通路となる開口であるポート孔51が形成され、その周縁部に沿ってパッキン性能を高めるためのビード53が形成されている。
さらに、このガスケット50の外周部には、フランジ40の1対の窪み44と対応する位置を含むように外方へ延びる1対の延設部55を設け、そこにそれぞれ2本の平行なスリット54を形成している。
図10に示したフランジ40のシール面43における各ポート孔41の周辺の所定領域ごとに、それぞれ図11に示したガスケット50をそのポート孔51をポート孔41と一致させるように位置決めして、図12に示すように載置する。そして、各ガスケット50の延設部55に形成された平行なスリット54の間の部分を、前述した例と同様にポンチで押し曲げてフランジ40に設けられた窪み44内に嵌入させ、結合部3aにする。
それによってフランジ40のシール面43に、4個の各ガスケット50が位置決め結合されて一体に設けられ、図12に示すガスケット付きフランジ3が完成する。フランジ40のポート孔41の数は接続する管の数と同じであり、この例では4個であるが2個以上(複数)の各種のフランジがあり、その形状や大きさも種々のものがある。
このガスケット付きフランジ3は、例えば、エンジンの各気筒から排出されるガスを1本にまとめるエキゾーストマニホールドの複数の入口管を、複数の排気孔を有するシリンダブロック又はシリンダヘッドに接続する場合などに使用される。
この第3の実施形態を適用した内燃機関(エンジン)の排気系統における複数の管を接続する管の接続方法を説明する。
複数の管に固着される共通の金属製のフランジであって、複数の管とそれぞれ対応する排気の通路となる複数の開口であるポート孔41が間隔を置いて形成されているフランジ40の、相手側被接続部材との接続時に該被接続部材の接合面と対向するシール面43に、予め複数のポート孔41のそれぞれと対応して、そのポート孔41の周縁部の有効シール領域を含む所定領域ごとに複数の金属製のガスケット50を個別に位置決め結合しておく。
それがガスケット付きフランジ3である。そして、そのガスケット付きフランジ3のフランジ40を複数の管に固着する。
その後、そのフランジ40と被接続部材とを複数のガスケット50を挟んで接合する。
この場合、フランジ40のシール面43に、予め複数のポート孔41のそれぞれと対応して、複数のガスケット50を個別に位置決め結合しておく工程、すなわちガスケット付きフランジ3を作製する工程は、フランジメーカで行うことができる。
そのガスケット付きフランジ3のフランジ40を複数の管に固着する工程と、フランジ40と被接続部材とを複数のガスケット50を挟んで接合する工程は、エンジンメーカでエンジンを組み立てる際、あるいは完成品メーカでエンジンを搭載した製品の最終組み立て時等に行う。
上記被接続部材は、相手側の被接続管に固着されたフランジやエンジンのシリンダヘッド又はシリンダブロックの取付座部などであり、フランジ40に設けられた各ボルト孔42にボルトを通して、相手側のナットあるいは被接続部材の雌ネジ穴にねじ込んで均等に締め付けて、組み付ける。
この第3の実施形態によるガスケット付きフランジ、およびそれを用いた管の接続方法によっても、前述した第2の実施形態の場合と同様な効果が得られるが、ガスケットの材料費の節減効果が大きくなる。また、このような複数の管を接続するためのフランジは、エンジンの種類及びその近隣の形状に応じて特殊な異形状に形成されるが、ガスケットはそのフランジの形状に合わせて個々に製作する必要がなくなる。すなわち、ポート孔の大きさにだけに対応した同じ形状のガスケット(共通ガスケット)を複数個使用すればよく、他のフランジ用のガスケットとも共通化できるので、新たにガスケットを製作する必要が殆どなくなる。
なお、図12に示したような複数のガスケットを、2個づつ連結した形状あるいは4個すべてを連結した形状にして、それを共通のフランジに位置決め結合して一体化することもできる。
また、接続する部材がシリンダヘッドや排気浄化装置等の管以外の部材である場合に、その部材にこの発明によるガスケット付きフランジを固着し、それを管に固着したフランジと接合して管と接続することもできる。
この発明によるガスケット付きフランジを保管中や運搬中あるいは組付け作業中などに、ガスケットの表面が汚れたり傷付いたりすると、管接続後の気密性が低下する恐れがある。そこで、完成したガスケット付きフランジのガスケット側の全面を覆うように、保護カバーを装着するとよい。
以上、この発明の各実施形態について説明してきたが、この発明は上述した各実施形態に限るものではなく、特許請求の範囲の各請求項に規定する範囲内で、種々の変更、追加、省略や組合せ等が可能で有ることは勿論である。
1,2,3:ガスケット付きフランジ 1a,2a,3a:結合部
5,5′:ポンチ 10,40:フランジ
11,41:フランジのポート孔(排気の通路となる開口)
12,42:フランジのボルト孔 13,43:シール面
14,44:窪み 13a:有効シール領域 15:押し潰された部分
16:抜け止め用の突起 20,30,50:ガスケット
21,31,41:ガスケットのポート孔(排気の通路となる開口)
22:ガスケットのボルト孔 23,33,53:ビード
24,34,36,37,54:スリット 35,55:延設部
35a:押し曲げられた部分

Claims (7)

  1. 内燃機関の排気系統の管を接続するための金属製のフランジであって、相手側被接続部材との接続時に該被接続部材の接合面と対向するシール面に、金属製のガスケットを位置決め結合して一体に設けたことを特徴とするガスケット付きフランジ。
  2. 前記ガスケットが、前記シール面における排気の通路となる開口の周縁部の有効シール領域を含み、前記フランジの外形より小さい所定領域にのみ設けられたことを特徴とする請求項1に記載のガスケット付きフランジ。
  3. 請求項2に記載のガスケット付きフランジであって、前記フランジに、前記開口が間隔を置いて複数形成されており、該複数の開口のそれぞれと対応して、該開口の周縁部の有効シール領域を含む所定領域ごとに、個別に前記ガスケットが位置決め結合されていることを特徴とするガスケット付きフランジ。
  4. 前記フランジが、前記シール面における有効シール領域外の部分に、前記ガスケットの一部を嵌入させる窪みを備え、
    前記ガスケットの前記窪みと対応する箇所が、押し曲げられて前記窪み内に嵌入することにより、前記シール面に前記ガスケットが位置決め結合されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のガスケット付きフランジ。
  5. 前記窪みの開口付近の対向する側壁部に、前記ガスケットの前記窪みに嵌入した部分を抜け止めする対の突起が形成されていることを特徴とする請求項4に記載のガスケット付きフランジ。
  6. 内燃機関の排気系統の管の接続方法であって、
    接続する管に固着される金属製のフランジの、相手側被接続部材との接続時に該被接続部材の接合面と対向するシール面に、予め金属製のガスケットを位置決め結合しておき、
    該フランジを前記管に固着し、
    その後、該フランジと前記被接続部材とを前記ガスケットを挟んで接合することを特徴とする、管の接続方法。
  7. 内燃機関の排気系統における複数の管を接続する管の接続方法であって、
    前記複数の管に固着される共通の金属製のフランジで、前記複数の管とそれぞれ対応する排気の通路となる複数の開口が間隔を置いて形成されているフランジの、相手側被接続部材との接続時に該被接続部材の接合面と対向するシール面に、予め前記複数の開口のそれぞれと対応して該開口の周縁部の有効シール領域を含む所定領域ごとに複数の金属製のガスケットを個別に位置決め結合しておき、
    該フランジを前記複数の管に固着し、
    その後、該フランジと前記被接続部材とを前記複数のガスケットを挟んで接合することを特徴とする、管の接続方法。
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