JP2020193132A - 中空ガラスの製造方法、及び中空ガラス - Google Patents

中空ガラスの製造方法、及び中空ガラス Download PDF

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Abstract

【課題】高コスト化を抑えると共に、密閉性の改善を図ることができる中空ガラスの製造方法及び中空ガラスを提供する。【解決手段】同一の素材の板ガラス11,12間に中空部Hが形成されるように板ガラス11,12同士を積層し、積層状態の板ガラス11,12を、その軟化点以下且つ所定圧以上で当該素材を拡散接合可能な温度まで加熱し、加熱した積層状態の板ガラス11,12を成形金型Dで所定圧以上に押圧すると共に中空部Hにガスを送り込んでガス圧力を印加し、又は、成形金型Dで所定圧以上に押圧するのに続けて中空部Hにガスを送り込んでガス圧力を印加する。次いで、中空部Hにガス圧力を印加されている積層状態の板ガラス11,12を成形金型Dで保持した状態で歪点まで冷却させる。【選択図】図2

Description

本発明は、中空ガラスの製造方法、及び中空ガラスに関する。
従来、2枚の板ガラスの周端部に枠体等の他部材を設けて積層することにより、2枚の板ガラス間に中空部を形成し、この中空部を例えば真空とした中空ガラスが提案されている(例えば特許文献1参照)。また、特許文献1では、2枚の板ガラスの周端部に、板ガラスよりも融点が低い低融点ガラス(例えばフリットガラス)を設け、低い温度で低融点ガラスのみを溶かして2枚の板ガラスを溶着させた中空ガラスも提案されている。低融点ガラスを用いた中空ガラスは、枠体等の他部材を用いる中空ガラスと比較した場合、他部材と板ガラスとの隙間を介して外部の空気が中空部に侵入し難くすることができる。
再表2017−043054号公報
しかし、一般にフリットガラスは非常に高価であり、中空ガラスの高コスト化を招いてしまう。そこで、低融点ガラスに代えて、低融点金属による融着を行うこともあるが、この低融点金属も高価であることから高コスト化を招くと共に、金属とガラスとが融着することから融着後の冷却時に割れ易くなる等、密閉性の点で改善の余地がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、高コスト化を抑えると共に、密閉性の改善を図ることができる中空ガラスの製造方法及び中空ガラスを提供することにある。
本発明に係る中空ガラスの製造方法は、同一の素材の板ガラス間に中空部が形成されるように板ガラス同士を積層し、積層状態の板ガラスを、その軟化点以下且つ所定圧以上で当該素材を拡散接合可能な温度まで加熱し、加熱した積層状態の板ガラスを成形金型で所定圧以上に押圧すると共に中空部にガスを送り込んでガス圧力を印加し、又は、成形金型で所定圧以上に押圧するのに続けて中空部にガスを送り込んでガス圧力を印加する。次いで、中空部にガス圧力を印加している積層状態の板ガラスを成形金型で保持した状態で歪点まで冷却させる。
本発明に係る中空ガラスは、少なくとも2枚の板ガラスと、少なくとも2枚の板ガラスの間に中空部を形成するように接合された接合部を有する枠ガラスと、を備え、少なくとも2枚の板ガラスと枠ガラスとは同一素材で形成されているため、低融点のガラスや金属を用いることなく、接合により同一素材によって囲まれる中空部を形成することができる。従って、高コスト化を抑えると共に、密閉性の改善を図ることができる中空ガラスを提供することができる。
本発明によれば、高コスト化を抑えると共に、密閉性の改善を図ることができる中空ガラスの製造方法及び中空ガラスを提供することができる。
本発明の実施形態に係る中空ガラスの一例を示す断面図である。 本実施形態に係る中空ガラスの製造方法を示す工程図であり、(a)は第1工程を示し、(b)は第2工程を示し、(c)は第3工程を示し、(d)は第4工程を示し、(e)は第5工程を示している。 第2実施形態に係る中空ガラスの一例を示す断面図である。 図3に示した中空ガラスを構成するための2枚の板ガラス21,22を製造するための工程を示す工程図であり、(a)は用意工程を示し、(b)は加熱工程を示し、(c)はプレス工程を示し、(d)は徐冷工程を示している。 第2実施形態に係る中空ガラスの製造方法を示す工程図であり、(a)は第1工程を示し、(b)は第2工程を示し、(c)は第3工程を示し、(d)は第4工程を示している。 第3実施形態に係る中空ガラスの一例を示す断面図である。 第3実施形態に係る中空ガラスの製造方法を示す工程図であり、(a)は第1工程を示し、(b)は第2工程を示し、(c)は第3工程を示し、(d)は第4工程を示している。
以下、本発明を好適な実施形態に沿って説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す実施形態においては、一部構成の図示や説明を省略している箇所があるが、省略された技術の詳細については、以下に説明する内容と矛盾点が発生しない範囲内において、適宜公知又は周知の技術が適用されていることはいうまでもない。
図1は、本発明の実施形態に係る中空ガラスの一例を示す断面図である。図1に示す例に係る中空ガラス1は、内部に中空部Hを有するガラスであって、2枚の板ガラス11,12と、枠ガラス13と、ピラーガラス14とを備えている。2枚の板ガラス11,12は、例えば平板状に形成されている。枠ガラス13は、2枚の板ガラス11,12の周端部において両者の間に位置するものであって、中空部Hを形成するように2枚の板ガラス11,12を接合している。
ピラーガラス14は、2枚の板ガラス11,12と枠ガラス13とによって形成される中空部H内に位置し、一方の板ガラス11から他方の板ガラス12に向かって突出している。このピラーガラス14は、2枚の板ガラス11,12のうち一方と一体に形成されていることが好ましく、他方に対しては接合されていてもよいし、非接合とされていてもよい。なお、このピラーガラス14は、中空ガラス1を平面的に見た場合に点状に形成されていてもよいし、例えば水平方向に連続する線状に形成されていてもよい。
このような中空ガラス1において、2枚の板ガラス11,12、枠ガラス13、及びピラーガラス14は、全て同一素材で形成されている。このため、枠ガラス13の素材は2枚の板ガラス11,12よりも融点が低いフリットガラス等ではない。
なお、図1に示す例において中空ガラス1は、中空部Hが大気圧よりも低圧状態(特に真空に近い状態)とされているため、2枚の板ガラス11,12が外圧に耐え得るように中空部Hにピラーガラス14を備えている。ピラーガラス14は板ガラス11,12と一体に形成または接合されていなくても外圧によって板ガラス11,12間に保持されるが、脱落を防止するうえでは少なくとも一方の板ガラスと一体に形成されているか接合されていることが好ましい。なお、中空部Hがアルゴンガス等の他ガスで満たされる場合、中空ガラス1はピラーガラス14を備えていなくともよい。
図2は、本実施形態に係る中空ガラス1の製造方法を示す工程図であり、(a)は第1工程を示し、(b)は第2工程を示し、(c)は第3工程を示し、(d)は第4工程を示し、(e)は第5工程を示している。
図2(a)に示すように、まず、下型(成形金型)LD内に各種ガラス11〜14が積層される(第1工程)。詳細には、同一素材で形成された2枚の板ガラス11,12の間に中空部H(図1参照)が形成されるように板ガラス11,12及び枠ガラス13が積層される。さらに、本実施形態において製造される中空ガラス1は真空ガラスとすることを想定しているため、中空部H内にピラーガラス14が積層される。なお、ピラーガラス14は、四角の断面(例えば3mm角)を持つ四角柱によって構成されている。
次に、図2(b)に示すように、第1工程において積層された積層状態の各種ガラス11〜14が加熱される(第2工程)。この第2工程において各種ガラス11〜14は、各種ガラス11〜14を構成する素材の軟化点以下、且つ、所定圧(温度にもよるが例えば0.1MPa程度)以上で当該素材を拡散接合可能な温度まで加熱される。
その後、図2(c)に示すように、第2工程において加熱されて積層された各種ガラス11〜14が上型(成形金型)UDで所定圧以上に押圧される(第3工程)。この第3工程において、積層された各種ガラス11〜14が拡散接合して一体化される。
ここで、第3工程においては各種ガラス11〜14が柔らかくなっていることから、中空部Hが潰れていく傾向にある。そこで、本実施形態に係る製造方法では、第3工程において中空部H(図1参照)にガス(例えばアルゴンガス)が封入される。ガスは、各種ガラス11〜14の押圧と共に封入されてもよいし、押圧に続けて(連続して)封入されてもよい。また、中空部Hは必ずしも完全に閉じた空間である必要はなく、その場合ガスを注入し続けることで中空部Hを外部より高圧に保持することができる。すなわち、中空部Hにガスを送り続けることで中空部Hにガス圧力を印加するようにしてもよい。
次に、図2(d)に示すように、第3工程において中空部Hにガスを封入した積層状態の各種ガラス11〜14が、成形金型Dで保持された状態で歪点まで冷却させられる(第4工程)。ここでの冷却は自然冷却による徐冷となる。
その後、中空ガラス1は成形金型Dから取り外され、成形金型D外で冷却される。なお、上記の第4工程で徐冷により内部応力を除去したのち、再度徐冷点以上に温度を上げたうえで中空部Hに冷却空気を流してガラスを内側から急冷するとともに成形金型を水冷することによりガラスを外側からも急冷することにより、物理強化した中空ガラスを得ることもできる。
冷却後、図2(e)に示すように、中空ガラス1の中空部Hは真空引きされる(第5工程)。第5工程の真空引きは、例えば第3工程においてガスを封入するために中空ガラス1に形成されたガス封入孔(不図示)を利用して行われる。また、真空引き後、ガス封入孔(真空引き孔)はガスバーナ等により溶かされて封止される。
なお、本実施形態に係る製造方法では中空部Hを真空とする中空ガラス1の製造方法を説明しているが、中空部Hを真空としない場合には第5工程を行わなくともよい。例えば内部に空気を満たしてもよいが、第3工程で中空部Hに封入したアルゴンガスを封じ込めたままガス封入孔を封止すれば、アルゴンガスは空気の2/3程度と低い熱伝導率を持つため、空気で満たされている場合と比べて断熱性の高い中空ガラス1を得ることができる。同様にクリプトンガスを使用すればクリプトンガスの熱伝導率は空気のおよそ1/3であることからさらに断熱性の高い中空ガラス1を得ることができる。
このようにして、本実施形態に係る中空ガラス1の製造方法によれば、中空部Hが形成されるように板ガラス11,12同士を積層して、軟化点以下且つ所定圧以上で当該素材を拡散接合可能な温度まで加熱し、積層状態の板ガラス11,12を成形金型Dで所定圧以上に押圧するため、低融点のガラスや金属を用いることなく、拡散接合により同一素材によって囲まれる中空部Hを形成することができる。さらに、成形金型Dで保持した状態で歪点まで冷却させるため、成型した形を保持することとなる。加えて、中空部Hにはガスが封入されることから、加熱された板ガラス11,12間の中空部Hが潰れてしまうことを防止することができる。従って、高コスト化を抑えると共に、密閉性の改善を図ることができる中空ガラス1の製造方法を提供することができる。
また、板ガラス11,12間の中空部Hに対して真空引きを行うため、中空部Hの形状を保つために封入されたガスを抜いて真空断熱ガラスを製造することができる。
また、中空部H内に板ガラス11,12と同一素材のピラーガラス14を積層し、ガラス部材とピラーガラス14とを拡散接合させるため、ピラーガラス14を板ガラス11,12と一体化させることができる。よって、中空ガラス1からピラーガラス14が脱落してしまうことを防止することができる。
また、本実施形態に係る中空ガラス1によれば、2枚の板ガラス11,12と、2枚の板ガラス11,12の間に中空部Hを形成するように接合された接合部を有する枠ガラス13と、を備え、2枚の板ガラス11,12と枠ガラス13とは同一素材で形成されているため、低融点のガラスや金属を用いることなく、接合により同一素材によって囲まれる中空部Hを形成することができる。従って、高コスト化を抑えると共に、密閉性の改善を図ることができる中空ガラス1を提供することができる。
また、板ガラス11,12と同一素材で形成されて、板ガラス11,12の一方から他方に向かって突出し、他方と接合状態又は非接合状態とされたピラーガラス14を備えれば、ピラーガラス14は少なくとも板ガラス21,22の一方とは一体化されており、中空ガラス1からピラーガラス14が脱落してしまうことを防止することができる。
次に、本発明に係る第2実施形態を説明する。第2実施形態に係る中空ガラス及びその製造方法は第1実施形態のものと同様であるが、一部構成及び方法が異なっている。以下、第1実施形態との相違点について説明する。
図3は、第2実施形態に係る中空ガラスの一例を示す断面図である。図3に示すように、第2実施形態に係る中空ガラス2は、第1実施形態と同様に2枚の板ガラス21,22と、枠ガラス23と、不図示のピラーガラスとを備えて構成されている。これらガラス21〜23(ピラーガラスを含む)は、全て同一素材で構成されている。
第2実施形態に係る中空ガラス2は、非常に微細なピラーガラスを備えているため、図示を省略している。さらに、第2実施形態に係る中空ガラス2は、枠ガラス23が予め2枚の板ガラス21,22のそれぞれと一体に形成されている(拡散接合前に一体化されている)。加えて、第2実施形態に係る中空ガラス2は、予めピラーガラスが板ガラス21と一体に形成されている。このため、例えば中空ガラス2は、枠ガラス23及びピラーガラスを有する板ガラス21と、枠ガラス23を有する板ガラス22との2部材を拡散接合して形成されたものとなっている。
なお、ピラーガラスは板ガラス22と一体となっていてもよいし、中空部Hを真空化しない場合には設けられていなくともよい。さらに、枠ガラス23は、2枚の板ガラス21,22のそれぞれと一体とされる場合に限らず、いずれか一方のみと一体とされていてもよい。
さらに、第2実施形態に係る中空ガラス2は、中空部Hがジグザグ状に形成されている。すなわち、2枚の板ガラス21,22のうち中空部Hに面する部位が三角プリズムTPとして機能するようになっている。三角プリズムTPは、用いられる用途に応じて適宜セラミック塗装等により鏡面付けされる。
図4は、図3に示した中空ガラス2を構成するための2枚の板ガラス21,22を製造するための工程を示す工程図であり、(a)は用意工程を示し、(b)は加熱工程を示し、(c)はプレス工程を示し、(d)は徐冷工程を示している。
まず、図4(a)に示すように、中空ガラス2と同程度の面積を有すると共に表面に三角プリズムTP(図3参照)、枠ガラス23(図4(d)参照)及びピラーガラスが形成されていない大判の平板ガラス100が用意される(用意工程)。なお、用意工程では、平板ガラス100に限らず、多少の凹凸を有した平板でない板ガラスが用意されてもよい。特に、用意工程では、最終形状となるガラス素材になるべく近い形状のものが用意されることが好ましい。加えて、第1工程では、後述の第2工程における加熱温度がなるべく小さく、熱膨張係数も比較的小さいものが選択されてもよいが、ソーダ石灰ガラスの青板と呼ばれるものや白板と呼ばれるもののように、加熱温度や熱膨張係数が比較的大きいものが選択されてもよい。
次に、図4(b)に示すように、平板ガラス100が下型LD1に搭載された状態で加熱される(加熱工程)。この加熱工程において、平板ガラス100は、平板ガラス100の素材の歪点(例えば500℃)より高く軟化点(例えば720℃)よりも低く、且つ、所定圧(温度にもよるが例えば2.5MPa程度)以上のプレスによって形状変化可能な温度(例えば690℃付近)まで加熱される。また、加熱工程における加熱は平板ガラス100が略均一に温度上昇するようにされる。
その後、図4(c)に示すように、平板ガラス100に対して上型(成形金型)UD1を所定圧以上で押圧してプレスを行う(プレス工程)。ここで、上型UD1は、三角プリズムTP(図3参照)に対応すると共に、枠ガラス23(図4(d)参照)に対応した型構造となっており、プレス成型によって三角プリズムTP及び枠ガラス23を有した加熱状態の板ガラス21,22が製造される。
なお、第2実施形態においては、板ガラス21,22の一方に微細なピラーガラスを形成することを想定しているため、板ガラス21,22の一方を製造する上型UD1には、三角プリズムTP及び枠ガラス23に対応すると共にピラーガラスにも対応した型構造となっている。加えて、上型UD1は、三角プリズムTP(図3参照)の各面の平滑度が高くなるように、上型UD1についても平滑度が高いものとされている。下型LD1も同様である。
次に、図4(d)に示すように、三角プリズムTP等が形成された板ガラス21,22を上型UD1及び下型LD1で保持した状態で歪点(例えば500℃)まで冷却させる(第4工程)。ここでの冷却は自然冷却による徐冷となる。
その後、歪点まで徐冷されると板ガラス21,22は成形金型D1から取り外され、成形金型D1外で冷却される。
このように、図3に示した三角プリズムTP及び枠ガラス23(更にはピラーガラス)を有した板ガラス21,22が製造される。なお、上記した製造方法では板ガラス21,22が冷却されるまで上型UD1及び下型LD1によって保持されることから、精密な形状を形成し易く、また平滑度と高くする鏡面処理を行うことができる。よって、板ガラス21,22に鏡面処理すると共に精度の高い形状を形成することができる。
ここで、大判の板ガラス21,22を製造する場合には、加熱工程における加熱温度から歪点までの冷却の間に板ガラス21,22が割れてしまう可能性がある。例えば、1m×2mの大判の板ガラス21,22を製造する場合、2mの長さの成形金型D1と板ガラス21,22とで膨張係数に2.0×10−6/Kの差があると、約200℃の冷却(690℃付近から500℃までの冷却)によって0.8mmの長さの差が生じてしまう。そして、これを超える長さの差が生じると大判の板ガラス21,22には割れが生じてしまう。特に、成形しようとする形状が複数の凹または複数の凸を持ち、成形金型D1の熱膨張係数より板ガラス21,22の熱膨張係数が大きい場合には、成形金型D1と板ガラス21,22とがグリップし合い、板ガラス21,22に引っ張り応力が発生するため、割れやすい。
そこで、第2実施形態に係る板ガラス21,22の製造方法においてプレス工程では、成形温度から板ガラス21,22の歪点の間の温度帯においての熱膨張係数の、板ガラス21,22の歪点での熱膨張係数との差が2.0×10−6/K以下の成形金型D1でプレスを行う。これにより、大判の板ガラス1の割れを防止することができる。より好ましくは成形温度から板ガラス21,22の歪点の間の温度帯において熱膨張係数が板ガラス21,22の歪点での熱膨張係数より0〜2.0×10−6/Kの範囲で大きい成形金型D1でプレスを行う。この場合、徐冷中の成形金型D1の収縮量が板ガラス21,22よりわずかに大きいために板ガラス21,22に適度な範囲の圧縮力がかかり、引っ張りに弱いガラスに引っ張り力がかかり割れの原因になることを防止できる。
なお、一般にガラスには歪点と軟化点との間に転移点と呼ばれる温度があり、その前後で熱膨張係数が大きく変わる。転移点より下、常温から歪点の温度域では熱膨張係数はほぼ一定である。転移点は熱処理等により変動する等特定が困難なため具体的な温度を例示しないが、本発明の成形温度は軟化点に近いため、成形後の徐冷中にこの転移点を通過する。転移点以上ではガラスに流動性があるため徐冷中の熱膨張差による割れが生じにくいが転移点以下で生じやすいため、歪点におけるガラスの熱膨張係数と、金型の熱膨張係数を比較している。
具体的に第2実施形態では、平板ガラス100として安価で鏡面処理されているフロートガラスを想定している。フロートガラスには、ソーダ石灰ガラスで製作される青板と呼ばれるものや、鉄分の少ない白板と呼ばれるものがある。青板や白板の熱膨張係数は常温から歪点までの間で8.5〜10.0x10−6/K、より典型的には9.0〜9.5×10−6/Kであり、歪点は450〜520℃程度、軟化点は690〜730℃程度である。一方、一般的な鋳造可能な金型材料の500℃近辺での熱膨張係数はこれより大きく、また高融点材料や相溶性の低い材料の組み合わせ等、通常粉末の焼結により得られる金型材料の500℃近辺での熱膨張係数はこれより小さい。例えば一般的な成形金型D1の素材の500℃近辺での熱膨張係数は、マルテンサイト系ステンレス鋼(熱膨張係数:13×10−6/K以上)、超硬合金(熱膨張係数:7×10−6/K以下)、及び、炭化ケイ素(熱膨張係数:3.9×10−6/K)等である。鉄とニッケルを組み合わせたインバー、さらにコバルトを組み合わせたスーパーインバー等の鉄・ニッケル系合金は鋳造可能でありながら原子間距離の膨張と原子半径の収縮の相殺により特異的に熱膨張係数を抑えられることが知られているが、500〜700℃の温度域では使えない。アルミナやジルコニア等の金属酸化物系のセラミックは同様に金属酸化物であるガラスに近い熱膨張係数を持つが、加工が困難であり、また表面に水酸基を持つことから金属酸化物同士で結合性を持つため離型性が悪い。このため、本実施形態に係る成形金型D1については特殊な金型素材を用いることとなる。なお、サーメットやその他のセラミック材料で製作した型も金型と呼ぶことにする。
本実施形態において成形金型D1の素材には、バインダーを増やして熱膨張係数を高めた超硬合金、熱膨張係数を高めたサーメット(特開2016−125073号公報、特開2017−206403号公報)、金属酸化物・窒化物・ホウ化物・ケイ化物等のセラミックスの一部、ガラスマトリックス中にフッ素金雲母の結晶を分散させ熱膨張係数を合わせたもの、単体でソーダ石灰ガラスに近い熱膨張係数を持つ白金族又は白金族系合金やクロム又はクロム系・クロム含有合金、熱膨張係数の大きい鉄に鉄膨張係数の小さい金属を組み合わせたモリブデン含有合金、タングステン含有合金等が考えられる(より具体的には冨士ダイス社WC−40%CO超硬合金、冨士ダイス社炭化クロム基合金、冨士ダイス社KF合金、インコロイ909、日立金属HRA929、ケイ化クロム、黒崎播磨マセライト等)。
さらに、本実施形態に係る製造方法においてプレス工程では、板ガラス21,22との接触面において高い離型性を持つか、離型性を高めるための表面処理が施された成形金型D1でプレスを行うことが好ましい。
詳細に説明すると、従来のリヒート成型では小型のガラス材を製造する関係上、金型とガラス材との貼り付き防止するために、むしろ熱膨張係数の差を設けるようにしていた。一方、本実施形態に係る大判の板ガラス21,22の製造方法においては、熱膨張係数の差が小さいことから板ガラス21,22が成形金型D1に貼り付き易くなってしまう。さらにリヒート成形では、押圧の圧力が増すほど、また型とガラス材との接触時間が増すほど、離型性が悪化することが知られている。特に、大判の板ガラス21,22を製造する場合には、小型のものを製造する場合よりも時間を掛けて加熱及び冷却を行うこととなるため、一層貼り付きが促進してしまう。
ところが、金型母材が高い離型性を持つか、離型性を高めるための表面処理が施された成形金型D1でプレスを行うことで、貼り付きによる問題を解消して板ガラス21,22を成形金型D1から取り外し易くすることができる。このためには、溶融状態のガラスと成形金型D1の表面の接触角が70度以上であることが好ましく、90度以上であることがより好ましい。成形金型D1の母材に表面処理が施される場合には、さらに表面処理の熱膨張係数も板ガラス21,22や成形金型D1の母材の熱膨張係数との差が2.0×10−6/K以内であることが好ましい。
具体的に表面処理は、例えば、特異的に溶融ガラスの濡れ性が悪く貼り付きの心配が少ない白金族系メッキや金合金メッキ、(特開2001−278631号公報)、硬質金メッキやクロムメッキのメッキ処理であったり、クロム系合金の蒸着処理、金属窒化物やホウ化物、炭化物、ケイ化物等の超硬質膜であったりする。さらには特に成形金型D1の素材をクロムやクロム系合金としたときには、クロムメッキのメッキ処理やクロム系合金の蒸着処理は相性が良い。白金族金属は溶融ガラスに濡れにくいことが知られており、白金やロジウムは単体でも70度以上の接触角を持つが、少量でも金を加えることでさらに接触角が増すことが知られており、好ましい。金は単体で160度程度の接触角を持つことが知られており、金をベースとして硬度等を改善した金合金メッキも好ましい。これらの粒子サイズが小さいものほど硬度が高く摩擦係数が小さいことが知られており、好ましい。さらには非晶質のアモルファスメッキであればさらに硬度が高く摩擦係数が小さく、なお好ましい。窒化物では、例えばCrAlSiNが80度程度の接触角を持ち、好ましい。窒化クロム、ケイ化クロムも120度程度以上の接触角を持つことが知られており(特開2007−84411)、好ましい。また、フッ素金雲母結晶を含有するガラスセラミックやそれにクロム化合物を混合して成形したものもガラスの非濡れ性が高いことが知られており(特開平6−64937)、好ましい。これらの中でも特に金属クロムやクロム合金、白金や白金合金、ケイ化クロム、フッ素金雲母結晶を含有するガラスセラミックやそれにクロム化合物を混合して成形したものは熱膨張係数がガラスに近く、特に好ましい。これらは金型母材として使用されてもよいし、熱膨張係数は好適だが離型性のよくない金型母材で製作された金型の肉盛り、または薄膜の表面処理として使用されてもよい。
図5は、第2実施形態に係る中空ガラス2の製造方法を示す工程図であり、(a)は第1工程を示し、(b)は第2工程を示し、(c)は第3工程を示し、(d)は第4工程を示している。
図5(a)に示すように、まず、下型LD内に三角プリズムTP(図3参照)及び枠ガラス23(更にはピラーガラス)を有した板ガラス21,22が積層される(第1工程)。この積層によって、板ガラス21,22の間には中空部Hが形成される。次に、図5(b)に示すように、第1工程において積層された積層状態の板ガラス21,22が加熱される(第2工程)。この第2工程において板ガラス21,22は、軟化点以下、且つ、所定圧以上で板ガラス21,22を拡散接合可能な温度まで加熱される。
その後、図5(c)に示すように、第2工程において加熱されて積層された板ガラス21,22が上型(成形金型)UDで所定圧以上に押圧される(第3工程)。この第3工程において、積層された板ガラス21,22(特に枠ガラス23部分)が拡散接合して一体化される。
ここで、一方側の板ガラス21にピラーガラスが一体に形成され、他方側の板ガラス22にピラーガラスが形成されていない場合において、ピラーガラスを他方側の板ガラス22に拡散接合させたくない場合には、板ガラス21,22の全体を均一に加熱することなく、枠ガラス23部分を加熱するようにすればよい。
また、第2実施形態においても第3工程では板ガラス21,22が柔らかくなっていることから、中空部Hが潰れていく傾向にある。そこで、第2実施形態に係る製造方法においても中空部Hにガス(例えばアルゴンガス)が封入される。ガスは、板ガラス21,22の押圧と共に封入されてもよいし、押圧に続けて(連続して)封入されてもよい。
次に、図5(d)に示すように、第3工程において中空部Hにガスを封入した積層状態の板ガラス21,22が、成形金型Dで保持された状態で歪点まで冷却させられる(第4工程)。ここでの冷却は自然冷却による徐冷となる。その後、第5工程(図2(e)参照)を経て、中空ガラス2が製造される。なお、徐冷による応力除去の後再加熱、急冷により物理強化ガラスとすることができるのは第1実施形態と同様である。
このようにして、第2実施形態に係る中空ガラス2の製造方法によれば、第1実施形態と同様に、高コスト化を抑えると共に、密閉性の改善を図ることができる中空ガラス2の製造方法を提供することができる。また、中空部Hの形状を保つために封入されたガスを抜いて真空断熱ガラスを製造することができる。
さらに、第2実施形態によれば、中空部H内に位置して積層の一方側の板ガラス21,22と一体に形成され、他方側の板ガラス21,22に向かって突出するピラーガラスを備える板ガラス21,22を積層するため、一方側の板ガラス21,22にピラーが形成されていることから、ピラーガラスを有しない板ガラス21,22間にピラーガラスを規則的に配置する必要がなく、更にはピラーガラスが一方側と一体であるため、中空ガラス2からピラーガラスが脱落してしまうことも防止することができる。
また、第2実施形態に係る中空ガラス2によれば、第1実施形態と同様に、高コスト化を抑えると共に、密閉性の改善を図ることができる中空ガラス2を提供することができる。また、中空ガラス2からピラーガラスが脱落してしまうことを防止することができる。
次に、本発明に係る第3実施形態を説明する。第3実施形態に係る中空ガラス及びその製造方法は第1実施形態のものと同様であるが、一部構成及び方法が異なっている。以下、第1実施形態との相違点について説明する。
図6は、第3実施形態に係る中空ガラスの一例を示す断面図である。図6に示すように、第3実施形態に係る中空ガラス3は、4枚の板ガラス31〜34を備え、4枚の板ガラス31〜34が一体化されて3列の中空部H1〜H3を有したものとなっている。
第1ガラス31は、他面側に三角プリズムTPが形成されており、一面側が平面となる板ガラスである。第2〜第4ガラス32〜34のそれぞれは、平板ガラスの他面側の周端部に枠ガラス35が一体化されると共に、中間側にピラーガラス36が一体化されたものである。
第3実施形態に係る中空ガラス3において、第2列目の中空部H2内は真空とされて真空断熱部を形成している。
第1及び第3列目の中空部H1,H3内は、不図示の接続管によって接続されて冷媒が循環する構造となっており、特に中空ガラス3の一面側が他面側よりも温度が高いときに、中空ガラス3の一面側の熱を他面側に破棄する構造となっている。
詳細に説明すると、中空部H3は蒸発器として機能するようになっており、第4ガラス34の一面側からの熱によって中空部H3内の液冷媒が蒸発するようになっている。この結果、第4ガラスの34の一面側から熱が奪われることとなる。蒸発により得られた冷媒蒸気は不図示の接続管を通じて第1列目の中空部H1に移動する。
一方、中空部H1内は凝縮器として機能するようになっており、第1ガラス31側の他面側の外気によって中空部H1内が冷却され、中空部H3からの冷媒蒸気が凝縮することとなる。凝縮熱は第1ガラス31の他面側から破棄されることとなる。
以上より、第3実施形態に係る中空ガラス3は、一面側が他面側よりも温度が高いときに、一面側の熱を他面側に破棄することとなる。なお、中空ガラス3の他面側が一面側よりも温度が高いときには、第2列目の中空部H2によって断熱されて、他面側から一面側への熱貫流を抑える構造となっている。
さらに、第3実施形態に係る中空ガラス3は、第1ガラス31の他面側が三角プリズムTPを形成している。この三角プリズムTPは第2実施形態のものと同様に用途に応じて適宜セラミック塗料で鏡面付けされ、設置状態や太陽高度等の条件に応じて太陽光を取り込んだり反射したりする。
なお、第1〜第4ガラス31〜34については、図4を参照して説明した方法によって形状精度よく作成することができる。
図7は、第3実施形態に係る中空ガラス3の製造方法を示す工程図であり、(a)は第1工程を示し、(b)は第2工程を示し、(c)は第3工程を示し、(d)は第4工程を示している。
図7(a)に示すように、まず、下型LD内に枠ガラス35(図6参照)及びピラーガラス36(図6参照)を有した第2〜第4ガラス32〜34が積層されると共に、三角プリズムTP(図6参照)を有した第1ガラス31が積層される(第1工程)。この積層によって、各ガラス31〜34の間には中空部H1〜H3が形成される。次に、図7(b)に示すように、第1工程において積層された積層状態の第1〜第4ガラス31〜34が加熱される(第2工程)。この第2工程において第1〜第4ガラス31〜34は、軟化点以下、且つ、所定圧以上で第1〜第4ガラス31〜34を拡散接合可能な温度まで加熱される。
その後、図7(c)に示すように、第2工程において加熱されて積層された第1〜第4ガラス31〜34が上型(成形金型)UDで所定圧以上に押圧される(第3工程)。この第3工程において、積層された第1〜第4ガラス31〜34(特に枠ガラス35及びピラーガラス36)が拡散接合して一体化される。なお、第2工程において枠ガラス35部分を加熱してピラーガラス36を接合しなくともよい。
また、第3工程では、第1実施形態と同様に中空部H1〜H3にガス(例えばアルゴンガス)が封入される。ガスは、第1〜第4ガラス31〜34の押圧と共に封入されてもよいし、押圧に続けて(連続して)封入されてもよい。
特に、第3実施形態においては第1〜第4ガラス31〜34を積層して上下に3列の中空部H1〜H3を形成している。このため、第3工程における押圧時には、例えば、第1〜第4ガラス31〜34の重みによって第1列目の中空部H1よりも第2列目の中空部H2が潰れ易く、第2列目の中空部H2よりも第3列目の中空部H3が潰れ易い。そこで、第3実施形態においては、中空部H1〜H3のうち積層の下側に位置するものほど封入するガス圧力を高くする。すなわち、第3実施形態においては、第3列目の中空部H3の圧力>第2列目の中空部H2の圧力>第1列目の中空部H1の圧力とされる。具体的には、中空部H1の圧力は第1ガラス31の自重を支えられる程度以上の圧力とし、中空部H2の圧力は中空部H1の圧力に加えて第2ガラス32の自重を支えられる圧力とし、中空部H3の圧力は中空部H2の圧力に加えて第3ガラス33の自重を支えられる圧力にする。
次に、図7(d)に示すように、第4工程において中空部H1〜H3にガスを封入した積層状態の第1〜第4ガラス31〜34が、成形金型Dで保持された状態で歪点まで冷却させられる(第4工程)。ここでの冷却は自然冷却による徐冷となる。その後、第5工程(図2(e)参照)を経て、中空ガラス3が製造される。なお、徐冷による内部応力除去の後の再加熱、急冷により物理強化ガラスとすることができるのは第1及び第2実施形態と同様である。
なお、第1ガラス31については、図4に示した工程を経ることなく、図7に示した第1〜第4工程によって三角プリズムTPが形成されてもよい。すなわち、図7に示す例において上型UDは、三角プリズムTPに対応した型構造となっている。このため、図7に示す工程(具体的は第3工程)に図4に示した三角プリズムTPを形成する工程(具体的にはプレス工程)を含むようにして、第1ガラス31の表面に三角プリズムTPを形成するようにしてもよい。図7(c)でのプレス工程における中空部H1の圧力は図4(c)のプレス工程同様に例えば2.5MPa程度とし、プレスの押圧はそれに加えて拡散接合に必要な圧力を、例えば0.1MPaを加えた2.6MPa程度とするとよい。中空部H2の圧力を中空部H1よりわずかに高く、中空部H3の圧力を中空部H2よりさらに高くする点は上記と同様である。
このようにして、第3実施形態に係る中空ガラス3の製造方法によれば、第2実施形態と同様に、高コスト化を抑えると共に、密閉性の改善を図ることができる中空ガラス3の製造方法を提供することができる。また、中空部H1〜H3の形状を保つために封入されたガスを抜いて真空断熱ガラスを製造することができる。
さらに、第3実施形態によれば、4枚の板ガラス31〜34を積層して上下に3列の中空部H1〜H3を形成し、3列の中空部H1〜H3のうち下側のものほど封入するガスの圧力を高くするため、4層に板ガラス31〜34を積層する場合において、重量に応じて潰れ易くなる下側の中空部H1〜H3の形状を適切に保持することができる。
また、第3実施形態に係る中空ガラス3によれば、第1実施形態と同様に、高コスト化を抑えると共に、密閉性の改善を図ることができる中空ガラス3を提供することができる。また、中空ガラス3からピラーガラス36が脱落してしまうことを防止することができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、可能な範囲で適宜公知又は周知の技術を組み合わせてもよい。
例えば、図4に示す例において成形金型D1には表面処理が施されて離型性が高められているが、これに限らず、表面処理が施されることなく、エアーの吹込みにより板ガラス21,22を成形金型D1から取り外し易くする等、他の手段が講じられてもよい。
さらに、第2実施形態に係る成形金型D1は、熱膨張係数差が考慮され、離型性を高める表面処理がされているが、これらは図2、図5及び図7に示した成形金型Dに適用されてもよい。
さらに、第3実施形態においては第1〜第4ガラス31〜34が積層されているが、これに限らず、3枚又は5枚以上の板ガラスが積層されるようになっていてもよい。
1〜3 :中空ガラス
11,12,21,22,31〜34 :板ガラス
13,23,35 :枠ガラス
14,36 :ピラーガラス
D :成形金型
H,H1,H2,H3 :中空部
LD :下型(成形金型)
UD :上型(成形金型)

Claims (7)

  1. 内部に中空部を有する中空ガラスの製造方法であって、
    同一の素材の板ガラス間に中空部が形成されるように板ガラス同士を積層する第1工程と、
    前記第1工程において積層された積層状態の板ガラスを、その軟化点以下且つ所定圧以上で当該素材を拡散接合可能な温度まで加熱する第2工程と、
    前記第2工程において加熱された積層状態の板ガラスを成形金型で所定圧以上に押圧すると共に前記中空部にガスを送り込んでガス圧力を印加し、又は、前記成形金型で所定圧以上に押圧するのに続けて前記中空部にガスを送り込んでガス圧力を印加する第3工程と、
    前記第3工程において前記中空部にガス圧力が印加されている積層状態の板ガラスを成形金型で保持した状態で歪点まで冷却させる第4工程と、
    を備えることを特徴とする中空ガラスの製造方法。
  2. 前記第4工程において歪点まで冷却させられた板ガラス間の中空部に対して真空引きを行う第5工程をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の中空ガラスの製造方法。
  3. 前記第1工程では、前記中空部内に位置して積層される一方側の板ガラスと一体に形成され、他方側の板ガラスに向かって突出するピラーガラスを備える板ガラスを積層する
    ことを特徴とする請求項2に記載の中空ガラスの製造方法。
  4. 前記第1工程では、前記中空部内に前記板ガラスと同一素材のピラーガラスを積層し、
    前記第3工程では、前記板ガラスと前記ピラーガラスとを拡散接合させる
    ことを特徴とする請求項2に記載の中空ガラスの製造方法。
  5. 前記第1工程では、3枚以上の板ガラスを積層して、上下に2列以上の中空部を形成し、
    前記第3工程では、2列以上の中空部のうち下側の中空部ほど、印加するガス圧力を高くする
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の中空ガラスの製造方法。
  6. 少なくとも2枚の板ガラスと、
    前記少なくとも2枚の板ガラスの間に中空部を形成するように接合された接合部を有する枠ガラスと、を備え、
    前記少なくとも2枚の板ガラスと前記枠ガラスとは同一素材で形成されている
    ことを特徴とする中空ガラス。
  7. 前記中空部を形成する2枚の板ガラスのうち、少なくとも一方には、他方に向かって突出すると共に他方と接合状態又は非接合状態とされたピラーガラスを備え、
    前記ピラーガラスは、前記少なくとも2枚の板ガラス及び前記枠ガラスと同一素材で形成されている
    ことを特徴とする請求項6に記載の中空ガラス。
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