JP2020192275A - 歯間ブラシ - Google Patents

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Lingling Hu
玲玲 胡
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【課題】I字型歯間ブラシ及びカーブ型歯間ブラシのように、ブラシ部を奥歯の歯間に挿入することが困難である歯間ブラシであっても、奥歯の歯間を容易に清掃することができる歯間ブラシを提供する。【解決手段】2つ折りにした金属ワイヤー11間に繊維状の複数のフィラメント12を挟持した状態で捻り合わすことにより形成されたブラシ部10と、把持部22、及び、ブラシ部10と接続されるブラシ接続部21からなる柄部20と、を備え、ブラシ部10とブラシ接続部21とが、相互の中心軸 が同一直線上に配置されるように接続されてなる歯間ブラシ1において、金属ワイヤー11はチタン合金からなり、奥歯の歯間に、「各歯間に最適な歯間ブラシのサイズ」であるブラシ部10を備えた歯間ブラシ1のブラシ部10を、「ブラシ挿入角度」を30〜55度として挿入した場合の挿入圧力が0.04〜0.36MPaの範囲内であることを特徴とする歯間ブラシ1。【選択図】図1

Description

本発明は、歯間の清掃に用いられる歯間ブラシに関する。
歯間の汚れを除去する目的で、歯間の清掃用具として歯間ブラシが広く用いられる。歯間ブラシは、一般的に、歯間の汚れを除去するためのブラシ部と、ユーザーが歯間ブラシを把持するためのハンドル部と、からなる。
歯間ブラシは、その全体の形状から、I字型、L字型及びカーブ型に大別される。I字型歯間ブラシは、I字状のハンドル部とブラシ部とが同軸上に設けられているものである(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。L字型歯間ブラシは、L字状のハンドル部の先端に、ブラシ部が設けられているものである(例えば、特許文献3参照)。L字状のハンドル部は、あらかじめL字状に成形されたものと、I字状のハンドル部を折り曲げてL字状のハンドル部として使用できるものと、が存在する。カーブ型歯間ブラシは、ブラシ側端部から他端部に向かって湾曲しているブーメラン状のハンドル部の先端に、ブラシ部が設けられているものである(例えば、特許文献4参照)。
特開2018−68515号公報 特許第3718264号公報 特許第4008284号公報 特許第5901096号公報
歯間ブラシを用いて歯間を清掃する際は、歯間ブラシのハンドル部を持ち、ブラシ部を顔面の正面から口腔内に誘導し、ブラシ部を歯間に挿入し、歯間ブラシを小刻みに動かす。このとき、ブラシ部を歯間に対して垂直な方向に歯間に挿入すると、ブラシ部と歯牙との干渉を最小限に抑えながらブラシ部をまっすぐ挿入することができることから、ブラシ部を歯間に挿入しやすくなるとともに、歯間を清掃しやすくなる。ブラシ部を歯間に対して垂直な方向に歯間に挿入することができない場合は、歯列に対して鋭角の角度をつけてブラシ部を歯間に挿入することとなるが、ブラシ部は歯間を形成する歯牙の形状に沿って湾曲しながら歯間に入っていくため、ブラシ部を歯間に挿入しにくくなる。
I字型歯間ブラシのブラシ部は、ブラシ部を口腔内に誘導したときに、自然と前歯の歯間に対して垂直な方向を向くため、ブラシ部を前歯の歯間に対してそのまま垂直な方向に前歯の歯間に挿入することができる。従って、I字型歯間ブラシを用いて前歯の歯間を清掃することは容易である。
しかし、I字型歯間ブラシを用いて奥歯の歯間を清掃しようとしても、歯間ブラシが頬の内側や口唇部と干渉してしまうため、ブラシ部を奥歯の歯間に対して垂直な方向に歯間に挿入することはできない。奥歯の歯間に対して垂直とまではいかなくても、歯間ブラシが頬の内側や口唇部と干渉しない程度に歯列に対して鋭角の角度をつけて、I字型歯間ブラシのブラシ部を奥歯の歯間に挿入しようとしても、従来の柔軟性の乏しいステンレス鋼製のブラシ部は歯牙の形状に沿って湾曲しにくいがゆえに、ブラシ部を奥歯の歯間に挿入することは困難であるという問題があった。そして、I字型歯間ブラシのブラシ部を奥歯の歯間に無理に捻じ込もうとして、付近の歯肉部や歯牙、補綴物などを傷めてしまうという問題もあった。
この点に関して、L字型歯間ブラシのハンドル部は、L字状に形成されているため、ブラシ部を奥歯の歯間に対して垂直に挿入しやすく、I字型歯間ブラシがもつ上記したような問題はない。
しかし、前歯である中切歯、側切歯及び犬歯と、奥歯である小臼歯及び大臼歯と、を含むすべての歯の歯間を清掃するためには、I字型歯間ブラシとL字型歯間ブラシとの両方を持ち替えて使用しなければならず、煩雑であるという問題があった。I字状のハンドル部を折り曲げてL字状のハンドル部として使用できる歯間ブラシであっても、そのハンドル部を折り曲げる作業が煩雑であるという問題があった。また、ハンドル部を繰り返し折り曲げることにより、ハンドル部が破断してしまうという問題もあった。
そこで、前歯の歯間及び奥歯の歯間の両方を清掃することができる歯間ブラシとして、カーブ型歯間ブラシが開発された。ハンドル部は、ブラシ部を奥歯の歯間に挿入しやすくするために、湾曲している。但し、ハンドル部が湾曲している角度は、ブラシ部を前歯の歯間にも挿入しやすくするために、緩やかな角度である。いわば、カーブ型歯間ブラシはI字型歯間ブラシとL字型歯間ブラシのハイブリッドとして開発されたものである。
しかし、カーブ型歯間ブラシの構造上、カーブ型歯間ブラシのブラシ部を奥歯の歯間に挿入する際のブラシ部の方向は、奥歯の歯間に対して垂直な方向とはならないため、歯列に対して鋭角の角度をつけてブラシ部を奥歯の歯間に挿入するほかない。上述したI字型歯間ブラシを奥歯の歯間に挿入する場合と同じように、従来の柔軟性の乏しいステンレス鋼製のブラシ部は歯牙の形状に沿って湾曲しにくいがゆえに、ブラシ部を奥歯の歯間に挿入することは困難であるという問題があった。そして、カーブ型歯間ブラシのブラシ部を奥歯の歯間に無理に捻じ込もうとして、付近の歯肉部や歯牙、補綴物などを傷めてしまうという問題もあった。
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであり、これ1本で、前歯の歯間は勿論のこと、すべての歯の歯間を無理なく清掃することができる歯間ブラシを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の歯間ブラシは、2つ折りにした金属ワイヤー間に繊維状の複数のフィラメントを挟持した状態で捻り合わすことにより形成されたブラシ部と、把持部、及び、前記ブラシ部と接続されるブラシ接続部からなる柄部と、を備え、前記ブラシ部と前記ブラシ接続部とが、相互の中心軸が同一直線上に配置されるように接続されてなる歯間ブラシにおいて、前記金属ワイヤーはチタン合金からなり、上下顎の歯列における第1小臼歯から第2大臼歯までの間の歯間に、以下に定義される「各歯間に最適な歯間ブラシのサイズ」である前記ブラシ部を備えた前記歯間ブラシの前記ブラシ部を、以下に定義される「ブラシ挿入角度」を30〜55度として挿入した場合の挿入圧力が0.04〜0.36MPaの範囲内であることを特徴とするものである。
2つの歯牙及び歯間乳頭の間に形成される歯間鼓形空隙を通過できる最大の円柱の直径をISO16409に規定される「通過孔直径」とした場合において、ISO16409の規定により当該「通過孔直径」に最適とされる「ブラシサイズ」を「各歯間に最適な歯間ブラシのサイズ」と定義する。
前記ブラシ部と前記ブラシ接続部との中心軸を通る直線と、前記歯間ブラシの前記ブラシ部を挿入する歯間が存在する上下いずれかの顎側における歯槽頂線の正中線と、が形成する角度を「ブラシ挿入角度」と定義する。
本発明の歯間ブラシによれば、前歯の歯間の清掃に一般的に用いられるI字型歯間ブラシ及びカーブ型歯間ブラシであっても、奥歯の歯間を容易に清掃することができる。
本発明の一実施形態に係る歯間ブラシの側面図である。 本発明の一実施形態に係る歯間ブラシの他の例を示す側面図である。 本発明の一実施形態に係る歯間ブラシのさらに他の例を示す側面図である。 「各歯間に最適な歯間ブラシのサイズ」を説明するための概略図である。 「ブラシ挿入角度」を説明するための概略図である。 「ブラシ挿入角度」を説明するための概略図である。 (a)及び(b)は、一実施例を説明するための試験冶具の断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
図1から図3までに示すように、歯間ブラシ1は、ブラシ部10と、柄部20とを備えている。
ブラシ部10は、2つ折りにした金属ワイヤー11に繊維状の複数のフィラメント12を挟持した状態で捻じり合わすことにより形成されている。
金属ワイヤー11はチタン合金からなる。金属ワイヤー11は、単線の太さ(2つ折りにする前の状態での太さ)が0.1〜0.5mmのものを採用することができる。
フィラメント12は、例えばポリアミド(ナイロン)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどからなる合成樹脂製繊維、又は天然の繊維とすることができる。フィラメント12の線径は、例えば0.05〜0.1mm程度である。フィラメント12をカットして、ブラシ部10の形状を円錐状、円筒状、若しくはラグビーボール状、又はこれらの組み合わせの形状とすることができる。このときのフィラメント12のカット幅(金属ワイヤー11から放射状に突出する幅)は、例えば、2.0mm程度である。
柄部20は、適度な剛性と弾性を有する部材であり、例えば、ポリアミド(ナイロン)、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、又はこれらの組合せなどからなる合成樹脂製とすることができる。ユーザーが柄部を把持したときの指すべりを抑えるために、エラストマーなどを組み合わせることもできる。
柄部20は、ブラシ部10と接続されるブラシ接続部21と、把持部22とを備えている。
ブラシ部10とブラシ接続部21とは、相互の中心軸が同一直線上に配置されるように接続されている。ブラシ接続部21が柄部20において占める割合は、例えば、図1に示すように柄部20の長手方向の50パーセント未満としてもよいし、又は、図2に示すように柄部20の長手方向のおおよそ50パーセント程度としてもよい。
把持部22は、実際にユーザーが歯間ブラシ1を把持して歯間を清掃する際に、指で挟む部分である。把持部22は、例えば、図1及び図2に示すように、把持部22の中心軸がブラシ接続部21の中心軸と同一直線上に配置されるように形成されていてもよいし、又は、図3に示すように、把持部22の中心軸がブラシ接続部21の中心軸と角度をなすように形成されていてもよい。
まず、歯間ブラシ1の把持部22を指で挟んで把持し、歯間ブラシ1を口腔内に誘導する。そして、清掃したい奥歯の歯間にブラシ部10を挿入し、歯間ブラシを小刻みに動かすことにより、歯間の汚れが除去される。具体的には、ブラシ部10のフィラメント12が、歯間を形成する歯牙の表面と擦り合うと同時に、その歯牙の表面に付着した汚れ(歯垢や食物残滓など)がフィラメント12に絡め取られる。
ブラシ部10が奥歯の歯間に挿入される際に、ブラシ部10は、まず歯間を形成する2つの歯牙のいずれかに衝突し、これらの歯牙の形状に沿って湾曲しながら歯間に入っていく。つまり、歯牙の形状に沿いやすく、かつ、湾曲しやすいブラシ部10は、奥歯の歯間に挿入しやすいものであると同時に、歯間を清掃しやすいものであるといえる。
奥歯の歯間を清掃する際は、清掃したい歯間に応じて、「各歯間に最適な歯間ブラシのサイズ」であるブラシ部10を備えた歯間ブラシ1を用いる。以下、「各歯間に最適な歯間ブラシのサイズ」について説明する。
ブラシ部10を奥歯の歯間に挿入するとき、ブラシ部10は、図4に示すように、歯牙30a及び歯牙30b並びに歯間乳頭35の間に形成される歯間鼓形空隙40を通過する。ブラシ部10の大きさが歯間鼓形空隙40に対して大きすぎると、ブラシ部10は歯間鼓形空隙40を通過することができないため、歯間を清掃することができない。一方、ブラシ部10の大きさが歯間鼓形空隙40に対して小さすぎると、ブラシ部10のフィラメント12が、歯牙30aの表面及び歯牙30bの表面と満足に擦り合わないため、歯間を適切に清掃することができない。歯間を適切に清掃するためには、ブラシ部10が大きすぎず、かつ、小さすぎないものを用いることとなる。
歯間鼓形空隙40の大きさは、歯牙30a及び歯牙30bの形状及び位置、並びに歯間乳頭35の形状等によって個人差がある。歯間の清掃に適した歯間ブラシのサイズは、歯間鼓形空隙40の大きさを基準として決められる。
例えば、ISO16409には、歯間ブラシの「ブラシサイズ」が規定されている。ISO16409には、「通過孔直径」が、ブラシ部(10)が変形することなく通過することができる孔の最小直径であると定義された上で、その「通過孔直径」ごとに適した歯間ブラシの「ブラシサイズ」が規定されている。
ここで、ISO16409に規定される「通過孔直径」が、図4に示す歯間鼓形空隙40を通過できる最大の円柱である直径φとしたならば、その「通過孔直径」に最適とされる「ブラシサイズ」であるブラシ部10は、歯間鼓形空隙40を通過することができるものであり、かつ、ブラシ部10のフィラメント12は、歯牙30aの表面及び歯牙30bの表面と擦り合うことができるものである。つまり、歯間鼓形空隙40を通過できる最大の円柱の直径φを「通過孔直径」とした場合においての、ISO16409の規定により当該「通過孔直径」に最適とされる「ブラシサイズ」であるブラシ部10を備えた歯間ブラシ1は、歯間を適切に清掃することができるものであるといえる。
従って、2つの歯牙及び歯間乳頭の間に形成される歯間鼓形空隙を通過できる最大の円柱の直径をISO16409に規定される「通過孔直径」とした場合において、ISO16409の規定により当該「通過孔直径」に最適とされる「ブラシサイズ」を「各歯間に最適な歯間ブラシのサイズ」と定義する。
勿論のこと、ブラシ部が「各歯間に最適な歯間ブラシのサイズ」である場合においての、フィラメント12を除外したブラシ部10の直径は、上記の「通過孔直径」よりも小さい。
以下、ブラシ部10を歯間に挿入する際の「ブラシ挿入角度」について説明する。
図5に示すように、ブラシ部10は、ある一定のブラシ挿入角度αを持って、歯列50における奥歯の歯間に挿入される。歯列50は、一般的な歯科学実習用顎模型(例えば、株式会社ニッシン製「500HPROシリーズ」)の歯列と同じものである。ブラシ挿入角度αは、歯列50における歯槽頂線52の正中線51を基準として、直線53が形成する角度とする。直線53は、図6に示すように、ブラシ部10とブラシ接続部21との中心軸を通る直線である。
従って、ブラシ部10とブラシ接続部21との中心軸を通る直線53と、歯間ブラシ1のブラシ部10を挿入する歯間が存在する上下いずれかの顎側における歯槽頂線52の正中線51と、が形成する角度を「ブラシ挿入角度」と定義する。
なお、歯間方向線54aは、第1小臼歯と第2小臼歯の間の歯間に対して垂直な方向を示す。同じように、歯間方向線54bは、第2小臼歯と第1大臼歯の間の歯間に対して垂直な方向を示し、歯間方向線54cは、第1大臼歯と第2大臼歯の間の歯間に対して垂直な方向を示す。
前述の通り、ブラシ部10を奥歯の歯間に挿入する際に、ブラシ部10を歯間に対して垂直な方向に歯間に挿入すると、ブラシ部10を歯間に挿入しやすくなる。例えば、ブラシ部10を第1小臼歯と第2小臼歯の間の歯間に挿入する際は、直線53が歯間方向線54aと一致するようにブラシ挿入角度αを設定し、このブラシ挿入角度αをもってブラシ部10を歯間に挿入すると、ブラシ部10を歯間に挿入しやすくなる。このときのブラシ挿入角度αは約70度となる。同じく、歯間方向線54bと直線53が一致するときのブラシ挿入角度αと、歯間方向線54cと直線53が一致するときのブラシ挿入角度αとは、それぞれ約70度となる。
以下、実施例及び比較例に基づき、本発明をさらに詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[試験1:ブラシ挿入角度の評価]
歯間ブラシ1を用いて奥歯の歯間を清掃しやすいブラシ挿入角度αの範囲を特定した。
歯間ブラシ1は、デンタルプロ株式会社製のI字型歯間ブラシを使用した。ブラシ部10の金属ワイヤー11は、ステンレス鋼製として、ワイヤー径は0.28mmとした。ブラシ部10の長さは13mmとして、柄部20の長さは40mmとした。
歯間の清掃しやすさを、ブラシ挿入角度αをパラメータとして、I字型歯間ブラシを使用した経験のある評価者10人による評価点により評価した。具体的には、各評価者に、上顎歯列模型(株式会社ニッシン製「500HPROシリーズ」を、同社製「ニッシムタイプ1プラス頬粘膜ボックスフルカバー」と合わせたものを、同社製「シンプルマネキンIII」に固定したもの)の第2小臼歯と第1大臼歯の間に歯間ブラシ1のブラシ部10を挿入してもらい、ブラシ部10が歯間を通過するときの通過しやすさを、0点(通過が極めて困難)から10点(通過が極めて容易)までの1点刻みとして、ブラシ挿入角度毎に採点してもらった。併せて、ブラシ部10を歯間に挿入する際の柄部20の移動しやすさを、0点(移動が極めて困難)から10点(移動が極めて容易)までの1点刻みとして、ブラシ挿入角度毎に採点してもらった。そして、上記のブラシ部10の通過しやすさの点数と、上記の柄部20の移動しやすさの点数との合計を、歯間の清掃しやすさの評価点とした。この結果を表1に示す。
Figure 2020192275
表1の結果から、ブラシ挿入角度αが30〜55度の範囲においては、評価点は10点を超える。従って、奥歯の歯間を清掃しやすいブラシ挿入角度αの範囲は、30〜55度の範囲内であると判断できる。このことから、I字型歯間ブラシ等のように、ブラシ部10と、ブラシ部10に接続されるブラシ接続部21とが、相互の中心軸が同一直線上に配置されるように接続されてなる歯間ブラシ1を用いた場合における奥歯の歯間を清掃しやすいブラシ挿入角度αの範囲は、30〜55度の範囲内であると結論付けることができる。
なお、ブラシ挿入角度αが0〜10度の範囲においては、ブラシ部10が歯間を通過することができないため、歯間を清掃することができない。ブラシ挿入角度αが60度を超える範囲においては、柄部20が上顎歯列模型の人工頬(上記ボックスフルカバー)と干渉してしまうため、ブラシ部10を歯間に挿入することができず、歯間を清掃することができない。これより、ブラシ挿入角度αが0〜10度の範囲及び60度を超える範囲においての歯間の清掃しやすさの評価点は、上記結果から除外する。
[試験2:ブラシの挿入圧力の評価1]
次に、歯間ブラシ1のブラシ部10を奥歯の歯間に挿入する際の挿入圧力を評価した。
ブラシ部10の試験片として、金属ワイヤーを2つ折りにして捻ったものを使用した。試験片の金属ワイヤーのワイヤー径は0.28mmとした。そして、金属ワイヤーは、ステンレス鋼製のものと、チタン合金(Ti−6Al−4V)製のものと、を使用した。
試験冶具として、ブラシ部10を第2小臼歯と第1大臼歯の間の歯間に挿入する際のブラシ挿入角度αを再現したレジン製の試験冶具60を使用した。この試験冶具60は、断面図を図7(a)及び(b)に示すものを合体させたものである。
試験治具60は、角度βに屈曲した直径0.9mmのパイプ状の空洞61を備える。角度βは、ブラシ部10を奥歯に挿入する際にブラシ部10が湾曲するブラシ部湾曲角度を再現したものである。ブラシ部10がブラシ挿入角度αをもって第2小臼歯と第1大臼歯の間の歯間に挿入されたとき、ブラシ部10は、第2小臼歯及び第1大臼歯に衝突しながら、第2小臼歯と第1大臼歯の間の歯間に対して垂直な方向を示す歯間方向線54bに沿って、湾曲しながら歯間に入っていく。このとき、ブラシ部10が湾曲するブラシ部湾曲角度は、約(110+α)度となる。試験治具60の空洞61が屈曲する角度βは、このブラシ部湾曲角度を再現するものであるから、(110+α)度となる。ブラシ挿入角度αを30〜55度の範囲において、5度刻み毎に計6個の試験冶具60を準備した。
試験冶具60の開口部にゆっくりと試験片を挿入し、測定機器(アイコーエンジニアリング株式会社製「CPUゲージModel−9800シリーズ」)を用いて挿入圧力を測定した。測定した挿入圧力の平均値を、表2に示す。
Figure 2020192275
表2の結果から、チタン合金製の試験片は、ステンレス鋼製の試験片よりも、挿入圧力が低いと判断できる。これより、チタン合金製の金属ワイヤー11からなるブラシ部10は、ステンレス鋼製の金属ワイヤーからなるブラシ部10よりも、奥歯の歯間に挿入しやすいものであると結論付けることができる。
上記試験結果における、チタン合金製の試験片を使用したときの挿入圧力の範囲を、表3に示す。
Figure 2020192275
表3の結果から、チタン合金製の金属ワイヤー11からなるブラシ部10の歯間への挿入圧力は、ブラシ挿入角度αが30〜55度の範囲内においては、0.04〜0.36MPaの範囲内であると結論付けることができる。
[試験3:ブラシの挿入圧力の評価2]
上記試験2と同じ手順で、ブラシ部10の試験片として、2つ折りにした金属ワイヤーにフィラメントを挟持した状態で捻じり合わせたものを使用し、ブラシ部10を奥歯の歯間に挿入する際の挿入圧力を評価した。金属ワイヤーは、ワイヤー径が0.2mmのものと、0.28mmのものと、を使用した。ブラシ挿入角度αは、35度と、45度と、に設定した。なお、試験冶具60はステンレス製とし、パイプ状の空洞の直径は1.2mmとした。ブラシ挿入角度αを35度に設定したときの試験の結果を表4に、ブラシ挿入角度αを45度に設定したときの試験の結果を表5に、それぞれ示す。
Figure 2020192275
Figure 2020192275
表4及び表5の結果から、チタン合金製の金属ワイヤー11からなるブラシ部10は、ステンレス鋼製の金属ワイヤーからなるブラシ部10よりも、金属ワイヤー11のワイヤー径にかかわらず、奥歯の歯間に挿入する際の挿入圧力が低いと判断できる。このことから、チタン合金製の金属ワイヤー11からなるブラシ部10は、奥歯の歯間に挿入しやすいものであると結論付けることができる。
[試験4:ブラシの挿入圧力の評価3]
上記試験3と同じ手順で、ブラシ部10を備えたI字型の歯間ブラシ1を使用して、歯間ブラシ1のブラシ部10を奥歯の歯間に挿入する際の挿入圧力を評価した。ブラシ挿入角度αを35度に設定したときの試験の結果を表6に、ブラシ挿入角度αを45度に設定したときの試験の結果を表7に、それぞれ示す。
Figure 2020192275
Figure 2020192275
表6及び表7の結果から、上記試験3の結果と同様に、チタン合金製の金属ワイヤー11からなるブラシ部10を備える歯間ブラシ1は、ステンレス鋼製の金属ワイヤーからなるブラシ部10を備える歯間ブラシ1よりも、金属ワイヤー11のワイヤー径にかかわらず、奥歯の歯間に挿入する際の挿入圧力が低いと判断できる。このことから、チタン合金製の金属ワイヤー11からなるブラシ部10を備える歯間ブラシ1は、奥歯の歯間に挿入しやすいものであると判断できる。
[試験5:歯間ブラシの使用感の評価]
チタン合金製の金属ワイヤー11からなるブラシ部10を備える歯間ブラシ1の使用感を評価した。金属ワイヤー11は、ワイヤー径が0.2mmのものと、0.28mmのものと、を使用した。評価者5人に、実際に歯間ブラシ1を使用して奥歯の歯間を清掃してもらい、清掃しやすさを0点(清掃が極めて困難)から10点(清掃が極めて容易)までの1点刻みとして、採点してもらった。そして、評価者全員から得られた点数の平均値を、歯間ブラシ1の使用感の評価点とした。この結果を表8に示す。
Figure 2020192275
表8の結果から、I字型歯間ブラシ等のように、ブラシ部10と、ブラシ部10に接続されるブラシ接続部21とが、相互の中心軸が同一直線上に配置されるように接続されてなる歯間ブラシ1であっても、チタン合金製の金属ワイヤー11からなり、かつ、ブラシ挿入角度αが30〜55度の範囲内における挿入圧力が0.04〜0.36MPaの範囲内である歯間ブラシ1であれば、奥歯の歯間を無理なく清掃することができると結論付けることができる。
上記の実施形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。従って、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
1 歯間ブラシ
10 ブラシ部
11 金属ワイヤー
12 フィラメント
20 柄部
21 ブラシ接続部
22 把持部
30a 歯牙
30b 歯牙
35 歯間乳頭
40 歯間鼓形空隙
φ 歯間鼓形空隙40を通過できる最大の円柱の直径
50 歯列
51 正中線
52 歯槽頂線
53 直線
54a 第1小臼歯と第2小臼歯の間の歯間に対して垂直な方向を示す歯間方向線
54b 第2小臼歯と第1大臼歯の間の歯間に対して垂直な方向を示す歯間方向線
54c 第1大臼歯と第2大臼歯の間の歯間に対して垂直な方向を示す歯間方向線
α ブラシ挿入角度
60 試験冶具
61 空洞
β 空洞61が屈曲する角度

Claims (2)

  1. 2つ折りにした金属ワイヤー間に繊維状の複数のフィラメントを挟持した状態で捻り合わすことにより形成されたブラシ部と、
    把持部、及び、前記ブラシ部と接続されるブラシ接続部からなる柄部と、
    を備え、
    前記ブラシ部と前記ブラシ接続部とが、相互の中心軸 が同一直線上に配置されるように接続されてなる歯間ブラシにおいて、
    前記金属ワイヤーはチタン合金からなり、
    上下顎の歯列における第1小臼歯から第2大臼歯までの間の歯間に、以下に定義される「各歯間に最適な歯間ブラシのサイズ」である前記ブラシ部を備えた前記歯間ブラシの前記ブラシ部を、以下に定義される「ブラシ挿入角度」を30〜55度として挿入した場合の挿入圧力が0.04〜0.36MPaの範囲内であることを特徴とする歯間ブラシ。

    <各歯間に最適な歯間ブラシのサイズ>
    2つの歯牙及び歯間乳頭の間に形成される歯間鼓形空隙を通過できる最大の円柱の直径をISO16409に規定される「通過孔直径」とした場合において、ISO16409の規定により当該「通過孔直径」に最適とされる「ブラシサイズ」。

    <ブラシ挿入角度>
    前記ブラシ部と前記ブラシ接続部との中心軸を通る直線と、前記歯間ブラシの前記ブラシ部を挿入する歯間が存在する上下いずれかの顎側における歯槽頂線の正中線と、が形成する角度。
  2. 前記柄部が、前記把持部の中心軸 と前記ブラシ接続部の中心軸 が同一直線上に配置されるように形成されてなる請求項1に記載の歯間ブラシ。
JP2019101558A 2019-05-30 2019-05-30 歯間ブラシ Pending JP2020192275A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0670812A (ja) * 1991-01-14 1994-03-15 Katerun:Kk 歯用ブラシ
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