以下、添付の図面を参照して、本発明を実施するための形態について説明する。各図における同一の符号は、同一の部分または相当する部分を示す。また、本開示では、重複する説明については、適宜に簡略化または省略する。なお、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において、以下の各実施の形態によって開示される構成のあらゆる変形およびあらゆる組み合わせを含み得るものである。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の浴室システムを構成する各要素の配置の一例を示す模式図である。図2は、実施の形態1の浴室システムの制御系統の一例を示す機能ブロック図である。なお、本開示の主旨を明確かつ簡潔に示すため、図1においては、図2に記載された構成要素の一部の図示を省略している。また、図2においては、図1に記載された構成要素の一部の図示を省略している。
本実施の形態の浴室システムは、図1および図2に示されるように、浴室100に設置された浴室乾燥装置110を備えている。浴室100は、使用者が入浴を行う部屋である。浴室100内には、浴槽120が設置されている。本実施の形態の浴室システムは、図1および図2に示されるように、浴槽120に給湯する給湯装置130を備えている。
浴室乾燥装置110は、浴室100内に送風する装置である。浴室乾燥装置110は、温風を吹き出す暖房運転および常温の風を吹き出す送風運転等を実行可能である。浴室乾燥装置110は、例えば、送風を行うためのファンおよび浴室100へ風を吹き出すための吹出口を有している。なお、浴室乾燥装置110は、例えば、冷風を吹き出す冷房運転を実行する機能を有していてもよい。
浴室乾燥装置110は、例えば、図1に示されるように、浴室100の天井部分に設置される。浴室乾燥装置110は、例えば、図1に示すように、浴槽120の上方に配置されている。浴室乾燥装置110は、ルーバー111を備える。浴室乾燥装置110が送風する方向は、ルーバー111が動くことで調整される。本実施の形態において、浴室乾燥装置110は、浴槽120内の入浴者に向けて送風可能に構成されている。
図1に示されるように、浴室乾燥装置110には、生体センサ112が設けられている。生体センサ112は、人に関する物理量を非接触で検出することができるセンサである。生体センサ112は、例えば、超音波、マイクロ波および赤外線の少なくとも1つを利用することで、人に関する物理量を非接触で検出する。生体センサ112は、浴室100にいる人に関する物理量を検出する。また、生体センサ112は、浴槽120内の入浴者に関する物理量を検出する。
生体センサ112が検出する「人に関する物理量」とは、浴室100にいる使用者、すなわち入浴者の状態に関係するパラメータを意味している。生体センサ112は、浴室100にいる入浴者の状態を判定するためのパラメータを検出するものである。本実施の形態において、生体センサ112は、浴槽120内の入浴者の状態を判定するためのパラメータを検出する。より具体的には、生体センサ112は、浴槽120内の入浴者ののぼせの予兆の有無を判定するためのパラメータを検出する。例えば、生体センサ112は、皮膚温度、心拍数、呼吸数および血圧の少なくとも1つを検出する。換言すると、生体センサ112が検出するパラメータには、一例として、皮膚温度、心拍数、呼吸数および血圧の少なくとも1つが含まれている。
生体センサ112は、例えば赤外線センサをアレイ状に配置させたサーモパイルを含む。サーモパイルは、マトリクス状に表面温度を検出することができる。サーモパイルを含む生体センサ112は、人の位置および人の動きを推定するためのパラメータを検出することができる。また、例えば、マイクロ波を利用した生体センサ112は、心拍数および呼吸数の推定値を検出することができる。
本実施の形態における生体センサ112は、浴槽120内の湯水から入浴者の身体に吸収される熱量に関係するパラメータを検出する入浴状態検出手段の一例を構成している。湯水から入浴者の身体に吸収される熱量は、当該入浴者がのぼせてしまう可能性に関係する。
また、本実施の形態における生体センサ112は、入浴者が浴槽120内へ入浴したことを検出する入浴検出手段の一例を構成している。本実施の形態の浴室システムは、例えば、生体センサ112によって取得された熱画像データ等から入浴者が浴槽120内へ入浴したことを検出する機能を有する。また、本実施の形態の浴室システムは、生体センサ112によって取得された熱画像データ等から浴槽120内の入浴者の位置を判定する機能を有する。
生体センサ112は、浴室乾燥装置110と通信を行う。一例として、浴室乾燥装置110に内蔵された制御装置は、生体センサ112の検出結果に基づいて、浴室乾燥装置110の動作を制御する。浴室乾燥装置110は、例えば、生体センサ112の検出結果に基づいて、入浴者に向けて送風することができる。
給湯装置130は、例えば、ヒートポンプユニットまたは電気式温水器等を有している。給湯装置130は、例えば、図1に示されるように、追い焚き配管131を介して、浴槽120へ湯水を供給可能に構成されている。
追い焚き配管131は、浴槽120内の水を、当該浴槽120と給湯装置130とに循環させるための配管である。追い焚き配管131には、例えば、図示しないポンプが設けられている。このポンプが駆動することで、浴槽120内と、追い焚き配管131内と、給湯装置130内とを、水が循環する。
例えば、給湯装置130は、追い焚き配管131を介して浴槽120から当該給湯装置130へ導かれた水を、加熱する。給湯装置130は、水を、使用者によって設定された設定温度になるように加熱する。給湯装置130は、加熱した水を、追い焚き配管131を介して、浴槽120へ供給する。
また、給湯装置130は、例えば、図示しない外部の水源から供給された水を加熱した後に浴槽120へ供給してもよい。給湯装置130は、例えば、図示しない外部の水源から供給された水を加熱せずに浴槽120へ供給してもよい。また、給湯装置130は、外部の水源から供給された水および加熱した湯を内部に貯留可能に構成されていてもよい。給湯装置130は、即湯式の装置であってもよいし、貯湯式の装置であってもよい。
上記したように、本実施の形態の給湯装置130は、浴槽120へ低温の水を供給する機能を有する。本実施の形態の給湯装置130は、浴槽120内の湯温を低下させる機能を有している。
また、図1に示されるように、本実施の形態の給湯装置130は、自動排水栓132を備えている。自動排水栓132が開くことで、浴槽120内の湯水が排水される。本実施の形態の給湯装置130は、浴槽120内の湯水を排水する機能を有している。
図1に示されるように、浴室100には、例えば、操作装置140が設けられている。操作装置140は、使用者が給湯装置130を操作するためのものである。一例として、操作装置140は、浴室100の壁に取り付けられている。なお、操作装置140は、浴室100の壁から着脱自在な無線通信端末等であってもよい。
操作装置140は、無線または有線によって、給湯装置130と接続されている。一例として、この操作装置140は、給湯装置130と互いに通信を行う。操作装置140は、例えば、給湯装置130の状態を表示する液晶画面等の表示部と、給湯装置130を操作するためのボタン等の操作部と、を有している。
操作装置140は、使用者が浴室乾燥装置110を操作するための構成部品および機能を有していてもよい。使用者は、操作装置140によって浴室乾燥装置110を操作してもよい。また、使用者が浴室乾燥装置110を操作するための装置は、操作装置140とは別に設けられていてもよい。
図1に示されるように、生体センサ112は、操作装置140に設けられていてもよい。図1に示される構成例においては、生体センサ112は、浴室乾燥装置110と操作装置140との両方に設けられている。生体センサ112は、浴室乾燥装置110と操作装置140との一方に設けられてもよい。また、生体センサ112は、浴室乾燥装置110および操作装置140とは別の場所に設けられていてもよい。生体センサ112は、例えば、浴室100の壁等に設置されていてもよい。生体センサ112は、浴室100にいる人に関する物理量を検出可能に構成されていればよい。
また、図1に示されるように、操作装置140には、温度センサ141が設けられている。温度センサ141は、浴室100内の室温を検出するセンサである。温度センサ141は、浴室100内の室温と浴槽120内の湯温との温度差を検出するために設けられている。上記の温度差は、例えば、温度センサ141の検出値と給湯装置130の設定値とに基づいて算出される。
温度センサ141は、操作装置140とは別の場所に設けられていてもよい。温度センサ141は、例えば、浴室100の壁または浴室乾燥装置110等に設置されていてもよい。温度センサ141は、浴室100内の室温を検出可能に構成されていればよい。
本実施の形態における温度センサ141は、浴室100内の室温と浴槽120内の湯温との温度差を検出する温度差検出手段の一例を構成している。なお、本開示に係る浴室システムは、温度差検出手段を構成するセンサとして、例えば、浴槽120内の湯温を検出する湯温センサを備えていてもよい。湯温センサは、例えば、浴槽120または追い焚き配管131等に設けられる。
本実施の形態の浴室システムは、生体センサ112が検出したパラメータに基づいて、入浴者の状態を判定する機能を有するシステムである。具体的には、浴槽120内の入浴者ののぼせの予兆の有無が、生体センサ112が検出したパラメータに基づいて判定される。本実施の形態の浴室システムを構成する浴室乾燥装置110および給湯装置130は、入浴者ののぼせの予兆の有無の判定結果に応じて制御される。
入浴者ののぼせの予兆が有ると判定された場合、浴室乾燥装置110および給湯装置130は、入浴者ののぼせを抑制するように動作する。例えば、浴室乾燥装置110は、入浴者に対して送風することで当該入浴者の体温の上昇を抑制し、のぼせを抑制する。また、給湯装置130は、例えば、浴槽120内の湯温を低下させることで入浴者の体温の上昇を抑制し、のぼせを抑制する。
本実施の形態の浴室システムにおいて、浴室乾燥装置110は、浴室100内の室温と浴槽120内の湯温との温度差が予め設定された基準温度差を下回る場合には入浴者への送風が許可されるように制御される。一方、浴室100内の室温と浴槽120内の湯温との温度差が予め設定された基準温度差を上回る場合には、浴室乾燥装置110は、入浴者への送風が禁止されるように制御される。これにより、本実施の形態の浴室システムは、入浴者が立ちくらみを起こすリスクを低減しつつ、入浴者の入浴中におけるのぼせを抑制することができる。浴室システムのより具体的な動作例については、後述する。
上記のように構成された浴室システムの動作は、制御ユニット500によって制御される。図1においては、制御ユニット500の図示を省略している。図2に示されるように、制御ユニット500は、浴室乾燥装置110、給湯装置130および操作装置140に接続されている。本実施の形態における制御ユニット500は、浴室乾燥装置110および給湯装置130を制御する制御手段の一例である。
制御ユニット500は、浴室乾燥装置110に入浴者への送風を実行させる機能を有している。制御ユニット500は、給湯装置130に浴槽120内の湯温の低下を実行させる機能を有している。また、制御ユニット500は、給湯装置130に浴槽120内の湯水の排水を実行させる機能を有している。
一例として、制御ユニット500は、浴室乾燥装置110を介して、生体センサ112が検出したパラメータの情報を取得する。また、制御ユニット500は、操作装置140を介して、温度センサ141が検出したパラメータの情報を取得する。制御手段の一例である制御ユニット500は、生体センサ112が検出したパラメータおよび温度センサ141が検出したパラメータに応じた動作を行う。
なお、制御ユニット500は、浴室乾燥装置110を介さずに生体センサ112に接続していてもよい。制御ユニット500は、生体センサ112が検出したパラメータの情報を、当該生体センサ112から直接的に取得してもよい。同様に、制御ユニット500は、操作装置140を介さずに温度センサ141に接続していてもよい。制御ユニット500は、温度センサ141が検出したパラメータの情報を、当該温度センサ141から直接的に取得してもよい。
一例として、制御ユニット500は、図2に示されるように、演算部501および記憶部502を有する。演算部501は、各種の演算を行う機能を有するものである。記憶部502は各種の情報を記憶する機能を有するものである。記憶部502には、例えば、演算部501が各種の演算を行うためのアルゴリズムが、プログラムとして記憶される。
また、記憶部502には、生体センサ112が検出したパラメータおよび温度センサ141が検出したパラメータの情報が記憶される。本実施の形態において、演算部501は、生体センサ112が検出したパラメータおよび温度センサ141が検出したパラメータから、各種の演算を行う。
演算部501は、例えば、入浴開始時における入浴者の皮膚温度と現在入浴中の入浴者の皮膚温度との差を算出する機能を有してもよい。すなわち、演算部501は、例えば、入浴によって上昇した皮膚温度を算出する機能を有してもよい。また、演算部501は、例えば、入浴者の入浴時間を算出する機能を有しても良い。本実施の形態の演算部501は、のぼせの予兆を判定するためのパラメータを演算する機能を有している。
また、演算部501は、温度センサ141が検出したパラメータと給湯装置130の設定温度とに基づいて、浴室100内の室温と浴槽120内の湯温との温度差を算出する機能を有する。本実施の形態における演算部501は、浴室100内の室温と浴槽120内の湯温との温度差を検出する温度差検出手段の一例を構成している。なお、演算部501は、上記したように、浴槽120内の湯温を検出する湯温センサの検出結果と温度センサ141の検出結果とから、浴室100内の室温と浴槽120内の湯温との温度差を算出してもよい。
図2に示されるように、制御ユニット500は、一例として、判定部503および制御部504を有している。判定部503は、例えば、演算部501の算出結果および記憶部502に記憶された情報等に基づいて各種の判定を行う機能を有している。また、制御部504は、浴室乾燥装置110、給湯装置130および操作装置140を制御する機能を有している。
本実施の形態において、判定部503は、演算部501の算出結果に基づいて、浴室100内の室温と浴槽120内の湯温との温度差が基準温度差を下回っているか否か判定する機能を有している。また、判定部503は、演算部501の算出結果に基づいて、浴室100にいる入浴者の状態を判定する機能を有している。
判定部503は、例えば、生体センサ112の検出結果から、入浴者が浴槽120内への入浴を開始したか否か判定する。本実施の形態における判定部503は、入浴者が浴槽120内へ入浴したことを検出する入浴検出手段の一例を構成している。なお、浴室システムは、入浴者が浴槽120内への入浴したことを検出するためのセンサとして、生体センサ112とは別のセンサを備えていてもよい。例えば、判定部503は、浴槽120に設けられた水位センサが検出した水位の上昇量に基づいて、入浴者が浴槽120内への入浴を開始したか否か判定してもよい。また、浴室100内には、浴槽120内に入浴した人を検出する人感センサ等が設けられていてもよい。
また、判定部503は、浴槽120内の入浴者ののぼせの予兆の有無を判定する機能を有する。例えば、判定部503は、演算部501の算出結果に基づいて、入浴によって上昇した皮膚温度が予め設定された判定値を上回っているか判定してもよい。入浴によって上昇した皮膚温度が予め設定された判定値を上回っている場合とは、のぼせの予兆がある場合を意味する。また、判定部503は、例えば、生体センサ112の検出結果から、入浴者の心拍数が予め設定された判定値を上回っているか判定してもよい。入浴者の心拍数が予め設定された判定値を上回っている場合とは、のぼせの予兆がある場合を意味する。また、判定部503は、入浴時間に基づいてのぼせの予兆の有無を判定してもよい。
制御部504は、判定部503の判定結果に応じて浴室乾燥装置110および給湯装置130を制御する機能を有している。制御部504は、入浴者ののぼせの予兆が有ると判定された場合、入浴者ののぼせを抑制するように浴室乾燥装置110および給湯装置130を動作させる。
制御ユニット500は、図2に示すように、一例として、給湯装置130および操作装置140に接続されている。制御ユニット500は、例えば、給湯装置130から、当該給湯装置130の設定値の情報を取得する。この設定値には、給湯装置130が浴槽120へ供給する湯温の設定温度等が含まれる。また、制御ユニット500は、例えば、操作装置140から、使用者による当該操作装置140の操作に応じた信号を受信する。制御ユニット500は、この信号に基づいて動作する。
図3は、実施の形態1の制御ユニット500の機能を実現する構成の一例を示す図である。制御ユニット500の演算部501、記憶部502、判定部503および制御部504の機能は、例えば、処理回路により実現される。処理回路は、専用ハードウェア600であってもよい。処理回路は、プロセッサ601およびメモリ602を備えていてもよい。処理回路の一部が専用ハードウェア600として形成され、且つ、当該処理回路は更にプロセッサ601およびメモリ602を備えていてもよい。図3に示す例において、処理回路の一部は専用ハードウェア600として形成されている。また、図3に示す例において、処理回路は、専用ハードウェア600に加えて、プロセッサ601およびメモリ602を更に備えている。
一部が少なくとも1つの専用ハードウェア600である処理回路には、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらを組み合わせたものが該当する。
処理回路が少なくとも1つのプロセッサ601および少なくとも1つのメモリ602を備える場合、制御ユニット500の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。
ソフトウェアおよびファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ602に格納される。プロセッサ601は、メモリ602に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。プロセッサ601は、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータあるいはDSPともいう。メモリ602には、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROMおよびEEPROM等の不揮発性または揮発性の半導体メモリ、または磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスクおよびDVD等が該当する。
このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、制御ユニット500の各機能を実現することができる。
なお、図2は、あくまで、浴室システムの制御系統の一例を示しているものである。本開示に係る浴室システムの制御系統の構成は、図2に示すものに限定されるものではない。浴室システムの構成は、制御ユニット500のような単一の装置により動作が制御される構成に限定されるものではない。浴室システムは、複数の装置が連携することにより動作が制御されるように構成されてもよい。
図2に示す実施例において、制御ユニット500は、浴室乾燥装置110および給湯装置130の外部に設けられている。制御ユニット500の機能は、浴室乾燥装置110および給湯装置130の少なくとも1つに備えられていてもよい。制御ユニット500の機能は、例えば、浴室乾燥装置110に内蔵された制御装置および給湯装置130に内蔵された制御装置が連携することによって実現されてもよい。
次に、本実施の形態に係る浴室システムの制御例を、フローチャートを参照して説明する。図4は、実施の形態1の浴室システムの制御例を示すフローチャートである。なお、図4は、あくまで動作の一例を示すものであり、本開示に係る浴室システムの動作は、図4に示されるものに限定されない。
図4のフローチャートは、入浴者ののぼせを抑制する動作における制御例を示している。図4のフローチャートは、開始時点において使用者が浴室100にいることを前提としたもの、すなわち入浴者がいることを前提としたものである。まず、生体センサ112によって、浴室100内の入浴者の物理量の検出が実行される(ステップS101)。
ステップS101での生体センサ112の検出結果に基づいて、入浴者が浴槽120へ入浴しているか否かの判定が実行される(ステップS102)。ステップS102の判定は、上記したように、判定部503によって実行される。浴室100内の入浴者が浴槽120へ入っていない場合には、図4に示されるように、ステップS101およびステップS102の処理が継続される。
入浴者が浴槽120に入ると、生体センサ112によって当該入浴者の物理量が検出される(ステップS103)。ステップS103において生体センサ112が検出する物理量は、浴槽120内の湯水から入浴者の身体に吸収される熱量に関係するパラメータである。
ステップS103において生体センサ112が検出したパラメータに基づいて、入浴者ののぼせの予兆の有無の判定が行われる(ステップS104)。のぼせの予兆の有無の判定は、上記したように、判定部503によって実行される。入浴者ののぼせの予兆が無いと判定された場合は、図4に示されるように、ステップS101からステップS104までの処理が再び実行される。
のぼせの予兆が有ると判定された場合には、温度センサ141によって浴室100の室温が検出される(ステップS105)。ステップS105で温度センサ141が検出したパラメータに基づいて、浴室100内の室温と浴槽120内の湯温との温度差が基準温度差を下回っているか否か判定される。この基準温度差を図4においては「閾値」と表記している(ステップS106)。基準温度差の情報は、例えば、記憶部502に予め記憶されている。
浴室100内の室温と浴槽120内の湯温との温度差が基準温度未満である場合には、浴室乾燥装置110は、入浴者への送風を実行する(ステップS107)。浴室乾燥装置110は、制御部504によって制御される。入浴者への送風が実行されることで、当該入浴者の体温上昇が抑制され、のぼせが抑制される。
浴室100内の室温と浴槽120内の湯温との温度差が基準温度差以上の場合には、浴室乾燥装置110による送風ではなく、給湯装置130による湯温の低下および排水の少なくとも一方が実行される(ステップS108)。給湯装置130は、制御部504によって制御される。給湯装置130による湯温の低下および排水の少なくとも一方が実行されることで、当該入浴者の体温上昇が抑制され、のぼせが抑制される。また、入浴者の頭部が急激に冷やされることなく、湯につかっている部位の体温上昇が抑制されるため、立ちくらみを起こすリスクを低減することができる。
なお、ステップS108の処理の後、例えば、生体センサ101の検知結果に基づいて、入浴者の体温が基準体温を下回ったと判定された場合には、ステップS107と同様に入浴者への送風が行われてもよい。これにより、立ちくらみを起こすリスクを低減しつつ、より効果的にのぼせを抑制することができる。
以上に示したように、本実施の形態の浴室システムは、浴槽120内の湯水から入浴者の身体に吸収される熱量に関係するパラメータを検出する生体センサ112と、生体センサ112により検出されたパラメータに応じて、入浴者の体温の上昇を抑制してのぼせを抑制するように浴室乾燥装置110および給湯装置130を制御する制御ユニット500と、浴室100内の室温と浴槽120内の湯温との温度差を検出するための温度センサ141と、を備える。制御ユニット500は、上記の温度差が基準温度差を下回る場合には浴室乾燥装置110に送風を実行させ、当該温度差が基準温度差を上回る場合には給湯装置130に浴槽120内の湯温の低下および浴槽120内の湯水の排水の少なくとも一方を実行させる。上記のように構成された浴室システムによれば、入浴者が立ちくらみを起こすリスクを低減しつつ当該入浴者の入浴中におけるのぼせを抑制することができる。
実施の形態2.
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態1と同一または相当する部分については、同じ符号を付し、説明を簡略化または省略する。図5は、実施の形態2の浴室システムを構成する各要素の配置の一例を示す模式図である。図6は、実施の形態2の浴室システムの制御系統の一例を示す機能ブロック図である。
本実施の形態の浴室システムは、実施の形態1の浴室システムの構成に加えて、脱衣室200に設置された脱衣室空調機210を備える。脱衣室空調機210は、脱衣室200の空気調和を行う空気調和装置である。脱衣室空調機210は、例えば、ヒートポンプユニットまたは電気式の加熱温水器等を用いて、空気の温度を調節する。脱衣室空調機210は、温風を吹き出す暖房運転、冷風を吹き出す冷房運転および常温の風を吹き出す送風運転等を実行可能である。
図5に示されるように、脱衣室空調機210には、生体センサ211が設けられている。生体センサ211は、生体センサ112と同様、人に関する物理量を非接触で検出することができるセンサである。生体センサ211は、脱衣室200にいる使用者の状態を判定するためのパラメータを検出する。例えば、生体センサ211は、生体センサ112と同様、皮膚温度、心拍数、呼吸数および血圧の少なくとも1つを検出する。
生体センサ211は、例えば赤外線センサをアレイ状に配置させたサーモパイルを含む。サーモパイルは、マトリクス状に表面温度を検出することができる。サーモパイルを含む生体センサ211は、人の位置および人の動きを推定するためのパラメータを検出することができる。また、例えば、マイクロ波を利用した生体センサ211は、心拍数および呼吸数の推定値を検出することができる。
図5に示されるように、本実施の形態において、脱衣室200は、浴室100に隣接している。浴室100での入浴を終えた使用者は、換言すると出浴後の入浴者は、当該浴室100を出て脱衣室200へ移動する。脱衣室200にいる人に関する物理量を検出可能に構成された生体センサ211は、浴室100を出て脱衣室200へ移動した入浴者の状態に関係するパラメータを検出することができる。生体センサ211は、出浴後の入浴者ののぼせの予兆の有無を判定するためのパラメータを検出する。本実施の形態の生体センサ211は、出浴後の入浴者に関する物理量を検出する出浴状態検出手段の一例である。
また、本実施の形態における生体センサ211は、入浴者が浴室100から脱衣室200へ移動したこと、すなわち出浴したことを検出する出浴検出手段の一例を構成している。本実施の形態の浴室システムは、例えば、生体センサ211によって取得された熱画像データ等から入浴者が出浴したことを検出する機能を有する。また、本実施の形態の浴室システムは、生体センサ211によって取得された熱画像データ等から脱衣室200内にいる出浴後の入浴者の位置を判定する機能を有する。
生体センサ211は、脱衣室空調機210と通信を行う。一例として、脱衣室空調機210に内蔵された制御装置は、生体センサ211の検出結果に基づいて、脱衣室空調機210の動作を制御する。脱衣室空調機210は、例えば、生体センサ211の検出結果に基づいて、出浴後の入浴者に向けて送風することができる。
図5に示されるように、脱衣室200には、例えば、操作装置220が設けられている。操作装置220は、使用者が脱衣室空調機210を操作するためのものである。一例として、操作装置220は、脱衣室200の壁に取り付けられている。なお、操作装置220は、浴室100の壁から着脱自在な無線通信端末等であってもよい。
操作装置220は、無線または有線によって、脱衣室空調機210と接続されている。一例として、この操作装置220は、脱衣室空調機210と互いに通信を行う。操作装置220は、例えば、脱衣室空調機210の状態を表示する液晶画面等の表示部と、脱衣室空調機210を操作するためのボタン等の操作部と、を有している。
図5に示されるように、生体センサ211は、操作装置220に設けられていてもよい。図5に示される構成例においては、生体センサ211は、脱衣室空調機210と操作装置220との両方に設けられている。生体センサ211は、脱衣室空調機210と操作装置220との一方に設けられてもよい。また、生体センサ211は、脱衣室空調機210および操作装置220とは別の場所に設けられていてもよい。生体センサ211は、例えば、脱衣室200の壁等に設置されていてもよい。生体センサ211は、脱衣室200にいる人に関する物理量を検出可能に構成されていればよい。
図5に示されるように、操作装置220には、脱衣室センサ221が設けられている。脱衣室センサ221は脱衣室200内の温度および湿度を検出するセンサである。脱衣室センサ221は、脱衣室200内の温度および湿度の一方を検出するセンサであってもよい。本開示では、脱衣室センサ221によって検出された物理量の値を、「脱衣室センサ検出値」とも称することがある。
脱衣室センサ221は、操作装置220とは別の場所に設けられていてもよい。脱衣室センサ221は、例えば、脱衣室200の壁または脱衣室空調機210等に設置されていてもよい。脱衣室センサ221は、浴室100内の温度および湿度の少なくとも一方を検出可能に構成されていればよい。本実施の形態における脱衣室センサ221は、浴室100内の温度および湿度の少なくとも一方を検出する脱衣室情報検出手段の一例を構成している。
なお、操作装置220の機能は、操作装置140に備えられていてもよい。操作装置140の機能は、操作装置220に備えられていてもよい。本実施の形態の浴室システムは、操作装置140および操作装置220の一方のみを備えていてもよい。
本実施の形態の浴室システムは、生体センサ211が検出したパラメータに基づいて、入浴者の状態を判定する機能を有するシステムである。具体的には、脱衣室200内の入浴者ののぼせの予兆の有無が、生体センサ211が検出したパラメータに基づいて判定される。本実施の形態の浴室システムを構成する脱衣室空調機210は、入浴者ののぼせの予兆の有無の判定結果に応じて制御される。入浴者ののぼせの予兆が有ると判定された場合、脱衣室空調機210は、入浴者ののぼせを抑制するように動作する。脱衣室空調機210は、入浴者に対して送風することで当該入浴者の体温の上昇を抑制し、のぼせを抑制する。
本実施の形態の浴室システムにおいて、脱衣室空調機210は、脱衣室センサ221が検出した脱衣室センサ検出値が予め設定された基準値を下回る場合には、冷やし過ぎを防止するため、入浴者に対して送風運転を行うように制御される。一方、脱衣室センサ221が検出した脱衣室センサ検出値が予め設定された基準値を上回る場合には、脱衣室空調機210は、入浴者に対して冷風を当て、当該入浴者を効率よく冷却する。
実施の形態1と同様、浴室システムの動作は、制御ユニット500によって制御される。制御ユニット500は、脱衣室空調機210に出浴後の入浴者への送風を実行させる機能を有している。本実施の形態において、制御部504は、脱衣室空調機210の動作を制御する。
本実施の形態において、判定部503は、生体センサ211が検出したパラメータに基づいて、入浴者が浴室100から脱衣室200へ出浴したか否か判定する機能を有している。本実施の形態における判定部503は、入浴者が出浴したことを検出する出浴検出手段の一例を構成している。
なお、浴室システムは、入浴者が出浴したことを検出するためのセンサとして、生体センサ211とは別のセンサを備えていてもよい。例えば、脱衣室200内には、当該脱衣室200内への入室を検出する人感センサ等が設けられていてもよい。また、判定部503は、例えば、脱衣室センサ221の検出値の変化量に基づいて、入浴者が出浴したか否かを判定してもよい。
また、本実施の形態の判定部503は、脱衣室200内にいる出浴後の入浴者ののぼせの予兆の有無を判定する機能を有する。判定部503は、例えば、生体センサ211の検出結果から、入浴者の心拍数が予め設定された判定値を上回っているか判定する。入浴者の心拍数が予め設定された判定値を上回っている場合とは、のぼせの予兆がある場合を意味する。また、判定部503は、生体センサ112の検出結果と生体センサ211の検出結果との双方に基づいて、出浴後の入浴者ののぼせの予兆の有無を判定してもよい。例えば、判定部503は、入浴者に関する物理量の変化量に基づいて、のぼせの予兆の有無を判定してもよい。また、実施の形態1と同様に、判定部503は、生体センサ112の検出結果からのぼせの予兆の有無を判定してもよい。
制御部504は、判定部503の判定結果に応じて脱衣室空調機210を制御する機能を有している。制御部504は、入浴者ののぼせの予兆が有ると判定された場合、入浴者ののぼせを抑制するよう脱衣室空調機210を動作させる。
本実施の形態の制御ユニット500の各機能は、実施の形態1と同様、処理回路によって実現される。また、制御ユニット500の機能の少なくとも一部は、脱衣室空調機210に内蔵された制御装置によって実現されてもよい。
次に、本実施の形態に係る浴室システムの制御例を、フローチャートを参照して説明する。図7は、実施の形態1の浴室システムの制御例を示すフローチャートである。なお、図7は、あくまで動作の一例を示すものであり、本開示に係る浴室システムの動作は、図7に示されるものに限定されない。
図7のフローチャートは、出浴後の入浴者ののぼせを抑制する動作における制御例を示している。まず、生体センサ211によって、脱衣室200内の検出が行われる。(ステップS201)。
ステップS201での生体センサ211の検出結果に基づいて、入浴者が浴室100から脱衣室200へと出浴したか否かの判定が実行される(ステップS202)。ステップS202の判定は、上記したように、判定部503によって実行される。入浴者が出浴していない場合には、図7に示されるように、ステップS201およびステップS202の処理が継続される。
入浴者が出浴すると、生体センサ211によって当該入浴者の物理量が検出される(ステップS203)。ステップS203において生体センサ211が検出する物理量は、脱衣室200におけるのぼせに関係するパラメータである。
ステップS203において生体センサ211が検出したパラメータに基づいて、入浴者ののぼせの予兆の有無の判定が行われる(ステップS204)。のぼせの予兆の有無の判定は、判定部503によって実行される。なお、のぼせの予兆の有無の判定は、上記したように、生体センサ112が検出した入浴中の入浴者のパラメータに基づいて行われてもよい。のぼせの予兆の有無の判定は、生体センサ112の検出結果と生体センサ211の検出結果との双方に基づいて行われてもよい。出浴後の入浴者ののぼせの予兆が無いと判定された場合は、図7に示されるように、ステップS201からステップS204までの処理が再び実行される。
一方、のぼせの予兆が有ると判定された場合には、脱衣室センサ221によって脱衣室200の温湿度が検出される(ステップS205)。そして、ステップS205で脱衣室センサ221が検出した脱衣室センサ検出値が、基準値を下回っているか否か判定される。この基準値を図7においては「閾値」と表記している(ステップS206)。この基準値の情報は、例えば、記憶部502に予め記憶されている。
脱衣室センサ検出値が基準値未満である場合には、脱衣室空調機210は、出浴後の入浴者への送風を実行する(ステップS207)。入浴者への送風が実行されることで、当該入浴者の体温上昇が抑制され、のぼせが抑制される。また、入浴者が冷やされすぎることがない。
脱衣室センサ検出値が基準値以上の場合には、脱衣室空調機210は出浴後の入浴者へ冷風を吹き当てる(ステップS208)。これにより、のぼせる可能性がある出浴後の入浴者が効率よく冷却される。
以上のように構成された本実施の形態の浴室システムによれば、出浴後におけるのぼせを抑制するこができる。なお、実施の形態1において図4で示した動作と本実施において図7で示した動作とは、両方行われてもよいし、一方のみが行われてもよい。両動作、すなわち浴室100でののぼせを抑制する動作と脱衣室200でののぼせを抑制する動作との両方が行われた場合、使用者ののぼせをより効果的に抑制することができる。
実施の形態3.
次に、実施の形態3について説明する。上記の各実施の形態と同一または相当する部分については、同じ符号を付し、説明を簡略化または省略する。図8は、実施の形態3の浴室システムを構成する各要素の配置の一例を示す模式図である。
本実施の形態の浴室システムの構成は、基本的には、実施の形態1の浴室システムと同様である。本実施の形態の浴室システムにおいて、浴室乾燥装置110は、浴室100の換気を行う機能を備えている。すなわち、浴室乾燥装置110は、外気を取り込んで浴室100内へ供給することができるように構成されている。一例として、浴室乾燥装置110は、図8に示すように、外気を給気して浴室100内へ吹き出す換気部113を有している。また、実施の形態の浴室システムは、外気温を検出する外気温センサ114を備えている。なお、外気を給気して浴室100内へ吹き出す換気部113は、図8に示すように暖房等を行う機器と別体として形成されていてもよいし、一体であってもよい。
図9は、実施の形態3の浴室システムの制御例を示すフローチャートである。図9に示される各フローのうち、ステップS301からステップS306までの処理は、実施の形態1におけるステップS101からステップS106までの処理と同様である。また、ステップS307の処理は、実施の形態1におけるステップS108の処理と同様である。ステップS301からステップS307までの説明を省略する。
ステップS306において浴室100内の室温と浴槽120内の湯温との温度差が基準温度未満であると判定された場合には、外気温が浴室100内の室温よりも低いか否かの判定が実行される(ステップS308)。ステップS308の判定は、例えば、外気温センサ114の検出結果および温度センサ141の検出結果に基づいて行われる。
外気温が浴室100内の室温よりも低い場合には、浴室乾燥装置110は、入浴者への送風と同時に、換気部113によって外気を浴室内へ取りこませる(ステップS309)。すなわち、浴室乾燥装置110は、入浴者への送風と換気とを同時に行う。換気によって浴室100内の室温が低下することで、入浴者の体温上昇がより効果的に抑制される。また、ステップS308において外気温が浴室100内の室温よりも低くない場合には、実施の形態1におけるステップS107と同様、浴室乾燥装置110は、入浴者への送風を行う(ステップS310)。
実施の形態4.
次に、実施の形態4について説明する。上記の各実施の形態と同一または相当する部分については、同じ符号を付し、説明を簡略化または省略する。図10は、実施の形態4の浴室システムを構成する各要素の配置の一例を示す模式図である。
本実施の形態の浴室システムの構成は、基本的には、実施の形態2の浴室システムと同様である。本実施の形態の浴室システムにおいて、脱衣室空調機210は、脱衣室200の換気を行う機能を備えている。すなわり、脱衣室空調機210は、外気を取り込んで脱衣室200内へ供給することができるように構成されている。一例として、脱衣室空調機210は、実施の形態3の浴室乾燥装置110と同様、外気を給気して浴室100内へ吹き出す換気部113を有している。また、本実施の形態の浴室システムは、外気温を検出する外気温センサ114を備えている。
図11は、実施の形態4の浴室システムの制御例を示すフローチャートである。図11に示される各フローのうち、ステップS401からステップS406までの処理は、実施の形態2におけるステップS201からステップS206までの処理と同様である。ステップS407の処理は、実施の形態2におけるステップS208の処理と同様である。ステップS401からステップS407までの説明を省略する。
ステップS406において脱衣室センサ検出値が基準値未満である判定された場合には、外気温が浴室100内の室温よりも低いか否かの判定が実行される(ステップS408)。ステップS408の判定は、例えば、外気温センサ114の検出結果および脱衣室センサ221の検出結果に基づいて行われる。
外気温が脱衣室200内の室温よりも低い場合には、脱衣室空調機210は、出浴者への送風と同時に、換気部113によって外気を浴室内へ取りこませる(ステップS409)。脱衣室空調機210は、出浴者への送風と換気とを同時に行う。換気によって脱衣室200内の室温が低下することで、出浴者の体温上昇がより効果的に抑制される。また、ステップS408において外気温が脱衣室200内の室温よりも低くない場合には、実施の形態2におけるステップS207と同様、脱衣室空調機210は、出浴者への送風を行う(ステップS410)。
実施の形態5.
次に、実施の形態5について説明する。上記の各実施の形態と同一または相当する部分については、同じ符号を付し、説明を簡略化または省略する。図12は、実施の形態5の浴室システムを構成する各要素の配置の一例を示す模式図である。
本実施の形態の浴室システムの構成は、基本的には、実施の形態1の浴室システムと同様である。本実施の形態の浴室システムにおいて、給湯装置130は、浴室100内に水を放水可能なシャワー端末133を備えている。シャワー端末133は、浴室100内への放水を行う放水手段の一例である。
図13は、実施の形態5の浴室システムの制御例を示すフローチャートである。図13に示される各フローのうち、ステップS501からステップS506までの処理は、実施の形態1におけるステップS101からステップS106までの処理と同様である。また、ステップS507の処理は、実施の形態1におけるステップS108の処理と同様である。ステップS501からステップS507までの説明を省略する。
ステップS506において浴室100内の室温と浴槽120内の湯温との温度差が基準温度未満であると判定された場合には、浴室乾燥装置110による入浴者への送風と併せて、シャワー端末133による放水が実行される(ステップS508)。シャワー端末133は,低温の水を放出する。これにより、浴室100内の室温が低下し、入浴者の体温上昇がより効果的に抑制される。
実施の形態6.
次に、実施の形態6について説明する。上記の各実施の形態と同一または相当する部分については、同じ符号を付し、説明を簡略化または省略する。図14は、実施の形態6の浴室システムを構成する各要素の配置の一例を示す模式図である。
本実施の形態の浴室システムの構成は、基本的には、実施の形態1の浴室システムと同様である。本実施の形態の浴室システムは、浴室100とは別の部屋300に設けられた操作装置301を備えている、部屋300には、例えば、リビングおよびキッチン等が該当する。また、部屋300は、実施の形態2における脱衣室200であってもよい。本実施の形態における操作装置301は、実施の形態2における操作装置220であってもよい。
上記した操作装置301は、実施の形態1における操作装置140および実施の形態2における操作装置220等と同様の装置である。そして、操作装置301は、使用者に対する各種の報知を行う機能を有する。本実施の形態の操作装置301は、報知手段の一例である。
操作装置301は、判定部503によってのぼせの予兆が有ると判定された場合に報知を行う。操作装置301は、例えば、入浴者がのぼせてしまう可能性がある旨を当該入浴者の同居人に対して報知する。なお操作装置301は、スマートフォン等の携帯端末であってもよい。
また、報知手段は、例えば、浴室100内の操作装置140であってもよい。操作装置140は、入浴者に対してのぼせてしまう可能性がある旨および対処法等を報知してもよい。操作装置140は、例えば、「あと5分でのぼせます。注意してください。」、「のぼせています。お風呂から上がってください。」、「かなりのぼせています。ゆっくり立ち上がり、出浴後、水分補給を行い、横になって安静にしてください。」等のメッセージを画面表示または音声表示してもよい。本実施の形態によれば、のぼせる可能性を低減し、また、のぼせてしまった場合にもすみやかに対処することが可能となる。