JP2020189686A - 蓋付容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】容器からの内容物の漏出が抑制された蓋付容器を提供する。【解決手段】底部及び側部を含み、収容部を画成する胴部と、収容部を囲うように側部の上部に連設されたフランジ部であって、平坦部と、平坦部よりも底部側に位置し、フランジ部の収容部側の縁である内縁から、フランジ部の内縁とは反対側の縁である外縁に向かって延びる溝部と、を含むフランジ部と、を有する容器と、容器の収容部及び溝部を覆う蓋と、蓋を容器のフランジ部の平坦部の上面に接合する閉鎖シール部であって、突出シール部を含む閉鎖シール部と、を備え、閉鎖シール部は、少なくとも溝部を囲う溝部側縁部を有し、溝部側縁部は、溝部の延びる方向にみて、内縁側に位置する内縁側端部と、外縁側に位置する外縁側端部とを有する。【選択図】図5

Description

本発明は、蓋付容器に関する。
従来、液体や紛体などの流動性を有する内容物を、プラスチック製の容器に収容し、フィルムなどからなる蓋で密封した蓋付容器が多く市場に出回っている。このような蓋付容器のうち特に小型のものは、ポーション、ポーション容器やポーションカップなどとも称される。小型の蓋付容器は、ガムシロップ、コーヒーフレッシュ、調味料、濃縮飲料など、様々な内容物を収容するために利用されている。
蓋付容器の一形態として、例えば特許文献1に開示されているように、容器の底部や側部に外力を加えて容器を変形させ、これによって容器内部の圧力を上昇させ、このことにより閉鎖シール部が部分的に分離するよう構成されたタイプのものが知られている。このような蓋付容器によれば、例えば、片手で容器の側部や底部を押圧することによって閉鎖シール部を分離させて、内容物を取り出すことができる。このため、一方の手で容器を保持した状態で他方の手で蓋を取り外す必要のあるタイプの蓋付容器に比べて、容易に内容物を取り出すことができる。また、閉鎖シール部を分離させる際に手に内容物が付着してしまうことを抑制することができる。また特許文献1に開示されているように、希釈飲料生成装置などの装置に、濃縮飲料が収容された蓋付容器をセットし、装置を利用して容器の底部や側部を押圧することにより、所望の濃度の飲料を生成することもできる。
特許文献1に開示されている蓋付容器において、蓋を容器のフランジ部に接合するための環状の閉鎖シール部の一部は、容器の収容部の径方向内側に向かって突出した突出シール部になっている。この場合、容器内部の圧力が上昇する時、突出シール部が、閉鎖シール部の他の部分よりも先に分離することになる。このため使用者は、内容物が収容部のどの位置から排出され易いかを予測することができる。
特開2015−9051号公報
容器の底部又は側部が意図せず押圧された場合には、意図しないタイミングで突出シール部がフランジ部から分離し、内容物が漏出してしまうことが考えられる。
本発明は、このような課題を効果的に解決し得る蓋付容器を提供することを目的とする。
本発明は、底部及び側部を含み、収容部を画成する胴部と、前記収容部を囲うように前記側部の上部に連設されたフランジ部であって、平坦部と、前記平坦部よりも前記底部側に位置し、前記フランジ部の前記収容部側の縁である内縁から、前記フランジ部の前記内縁とは反対側の縁である外縁に向かって、前記内縁及び前記外縁に達しないように延びる溝部と、を含むフランジ部と、を有する容器と、前記容器の前記収容部及び前記溝部を覆う蓋と、前記収容部及び前記溝部を外部から封止するように前記蓋を前記容器の前記フランジ部の前記平坦部の上面に接合する閉鎖シール部であって、前記溝部と前記収容部との間に位置し、前記容器の前記収容部に向かって突出する突出シール部を含む閉鎖シール部と、を備え、前記閉鎖シール部は、少なくとも前記溝部を囲う溝部側縁部を有し、前記溝部側縁部は、前記溝部の延びる方向にみて、前記内縁側に位置する内縁側端部と、前記外縁側に位置する外縁側端部とを有する、蓋付容器である。
本発明による蓋付容器において、前記フランジ部の、前記内縁側端部に重なる部分と前記外縁側端部に重なる部分との間には、前記溝部が延びる方向に交差する方向において前記フランジ部を破断させるための脆弱部が設けられていてもよい。
本発明による蓋付容器において、前記脆弱部は、前記フランジ部の少なくとも前記溝部に設けられ、前記溝部が延びる方向に交差する方向において前記溝部を破断させてもよい。
本発明による蓋付容器において、前記脆弱部は、前記溝部及び前記平坦部に跨るよう前記フランジ部に設けられていてもよい。
本発明による蓋付容器において、前記脆弱部は、前記フランジ部の下面側に設けられたハーフカットを含んでいてもよい。
本発明による蓋付容器において、前記蓋は、少なくとも前記脆弱部と重なる部分において、前記脆弱部が延びる方向における易裂き性を有してもよい。
本発明による蓋付容器において、前記脆弱部が延びる方向における前記蓋の引張強度は、前記脆弱部が延びる方向と直交する方向における前記蓋の引張強度よりも大きくてもよい。
本発明による蓋付容器において、前記脆弱部は、前記溝部及び前記平坦部に跨るとともに前記フランジ部の前記外縁に達するよう延びており、前記フランジ部の前記外縁のうち前記脆弱部が達する部分には切欠きが設けられていてもよい。
本発明による蓋付容器において、前記溝部の容積は、前記収容部の容積の1%以上であってもよい。
本発明による蓋付容器において、前記容器の前記側部には、前記収容部に向かって凹む凹部が設けられており、前記突出シール部は、上下方向に沿って見た場合に前記容器の前記側部の前記凹部内に少なくとも部分的に位置してもよい。
本発明によれば、意図しないタイミングで突出シール部がフランジ部から分離した場合に、容器からの内容物の漏出を抑制することができる。
本発明の実施の形態における蓋付容器を示す平面図である。 本発明の実施の形態における蓋付容器を示す底面図である。 図1の蓋付容器を矢印IIIに沿って見た場合を示す正面図である。 図1の蓋付容器を矢印IVに沿って見た場合を示す側面図である。 図3の蓋付容器を線V−Vに沿って切断した場合を示す縦断面図である。 図3の蓋付容器を線VI−VIに沿って切断した場合を示す横断面図である。 図1の蓋付容器の閉鎖シール部の突出シール部を拡大して示す平面図である。 容器の底部に押圧力を加える様子を示す斜視図である。 押圧力に基づいて変形した容器を示す斜視図である。 溝部に開口部を形成した様子を示す図である。 容器の一変形例を示す平面図である。 容器の一変形例を示す底面図である。 容器の一変形例を示す平面図である。 容器の一変形例を示す底面図である。 容器の一変形例を示す縦断面図である。 一変形例に係る容器の使用方法を示す図である。 一変形例に係る容器の使用方法を示す図である。 容器の一変形例を示す平面図である。 容器の一変形例を示す底面図である。 容器の一変形例を示す縦断面図である。 容器の一変形例を示す平面図である。 容器の一変形例を示す平面図である。
以下、図1乃至図10を参照して、本発明の実施の形態について説明する。まず図1乃至図5を参照して、本実施の形態における蓋付容器10全体について説明する。図1は、蓋付容器10を蓋50側から見た場合を示す平面図であり、図2は、蓋付容器10を容器20の底部22側から見た場合を示す底面図である。また、図3は、図1の蓋付容器10を矢印IIIに沿って見た場合を示す正面図であり、図4は、図1の蓋付容器10を矢印IVに沿って見た場合を示す側面図である。図5は、図3の蓋付容器10を線V−Vに沿って切断した場合を示す縦断面図である。
(蓋付容器)
蓋付容器10は、収容部16が形成された容器20と、容器20の収容部16を覆う蓋50と、蓋50を容器20に接合する閉鎖シール部30と、を備えている。図1においては、蓋50によって覆われている容器20及びその構成要素が点線で表されている。符号Cは、収容部16の中心点を表す。中心点Cは、収容部16の重心であり、本実施形態では、平面視において収容部16の外縁に外接するように仮想的に描かれた円の中心点として定義される。
(容器)
次に容器20について説明する。図1乃至図5に示すように、容器20は、底部22及び側部23を含み、収容部16を画成する胴部21と、収容部16を囲うように側部23の上部に連設されたフランジ部27と、を有する。側部23は、底部22の外縁に沿って一周にわたって広がるよう底部22から立設された部分である。底部22の厚みT3は、例えば30μm以上且つ400μm以下である。また側部23の厚みT4は、例えば20μm以上且つ300μm以下である。フランジ部27は、収容部16を囲うように側部23の上部に連設され、外側に向かって水平方向に延びている。上述の蓋50は、容器20のフランジ部27に接合されている。なお本明細書において、「側部」、「上部」、「上面」、「下面」、「上下方向」、「水平方向」などの用語は、容器20の底部22が下方に位置するように蓋付容器10や容器20が載置されている状態を基準として蓋付容器10、容器20、蓋50やそれらの構成要素の位置や方向を表すものである。
図1乃至図5においては、収容部16が平面視において略円形状の輪郭を有するよう容器20の底部22および側部23が構成される例が示されている。しかしながら、所望の内容物を容器20に収容することができる限りにおいて、容器20の形状が特に限られることはない。例えば、底部22の輪郭とフランジ部27および蓋50の輪郭とは、相似形であってもよく、相似していなくてもよい。
液体や粘調体や紛体などの流動性を有するものである限りにおいて、容器20に収容される内容物は特には限られない。なお、図1乃至図5に示す蓋付容器10は、片手で容器20の側部23や底部22を押圧することによって蓋50を容器20のフランジ部27から部分的に剥離させることができることを1つの特徴としている。このため、図1乃至図5に示す蓋付容器10の場合、内容物は、片手で押圧できる程度の小容量の容器20に収容されて使用されるものが好ましい。例えば、ガムシロップ、コーヒーフレッシュ、調味料、濃縮飲料などの食品、又はシャンプー、トリートメント、乳液などの化粧品などの内容物が好ましく容器20に収容される。内容物は、動粘体であってもよい。容器20に収容される内容物の充填率は、例えば60%以上である。なお小容量の容器20とは、平面視における収容部16の寸法が60mm以下であること、より好ましくは40mm以下であることを意味している。
(フランジ部)
容器20のフランジ部27について説明する。図1及び図2に示すように、フランジ部27は、フランジ部27の収容部16側の縁である内縁272と、フランジ部27の内縁272とは反対側の縁である外縁271とを有する。図1及び図2に示す例において、内縁272は、円弧状に延びる円弧部分272aと、円弧部分から内側に突出した内側突出部分272xと、を有する。円弧部分272aの中心角は、例えば240°以上340°以下であり、図1及び図2に示す例においては約320°である。また、外縁271は、内縁272と略平行に延びる平行部分271aと、平行部分271aから外側に突出した外側突出部分271yと、を有する。
なお「内側」とは、フランジ部27の上面の法線方向に沿って蓋付容器10を見た場合に中心点Cに向かう側である。また「外側」とは、フランジ部27の上面の法線方向に沿って蓋付容器10を見た場合に中心点Cからフランジ部27に向かう側である。以下の説明において、フランジ部27の上面274の法線方向を「上下方向」とも称する。また、上下方向に沿って見ることを、平面視とも称する。
図1及び図5に示すように、フランジ部27は、平坦部273と、平坦部273よりも底部22側に位置する溝部29と、を有する。上述の蓋50は平坦部273に接合されている。なお、平坦部273は、蓋50に接合されていない部分を含んでいてもよい。平坦部273のうち蓋50に接合されている部分と、蓋50に接合されていない部分とは、同一平面上に位置する。フランジ部27の平坦部273の厚みT5は、例えば150μm以上且つ700μm以下である。
(溝部)
溝部29について詳細に説明する。溝部29は、フランジ部27の内縁272から外縁271に向かって、内縁272及び外縁271に達しないように延びている。図1及び図2に示す例において、溝部29は、フランジ部27の内縁272の内側突出部分272xと外縁271の外側突出部分271yとの間に位置している。好ましくは、溝部29は、平面視において、中心点Cと内側突出部分272xの先端とを結ぶ仮想的な直線Lcと重なっている。また、好ましくは、溝部29は、平面視において、中心点Cと外側突出部分271yの先端とを結ぶ仮想的な直線に沿って延びている。
溝部29は、閉鎖シール部30の意図しない分離に起因して収容部16から内容物が漏れ出た場合に、内容物を受け入れるバッファーとして機能し得る。溝部29の容積は、好ましくは収容部16の容積の1%以上である。
後述するように、溝部29の一部は、使用者が蓋付容器10を開封する際、後述の脆弱部において破断される。破断を適切に生じさせるためには、図5に示す溝部29の厚みT6が100μm以上であることが好ましい。溝部29の厚みT6は、底部22の厚みT3及び側部23の厚みT4よりも大きくてもよい。また、溝部29の厚みT6は、例えば700μm以下である。
図1、図2、図4及び図5に示すように、フランジ部27のうち、少なくとも溝部29には、溝部29が延びる方向に交差する方向において溝部29を破断させるための脆弱部40が設けられている。脆弱部40とは、フランジ部27の他の部分に比べて破断が生じ易くなるよう構成された部分である。脆弱部40において生じる破断の形態は任意である。例えば、脆弱部40においてフランジ部27を引き裂くことによって破断が生じてもよく、脆弱部40においてフランジ部27を折り曲げることによって破断が生じてもよい。
図1及び図2に示す例において、脆弱部40は、溝部29が延びる方向に交差する方向において、溝部29及び平坦部273に跨るように延びている。脆弱部40は、フランジ部27の外縁271に達していてもよく、達していなくてもよい。
脆弱部40の構造は、溝部29が延びる方向に交差する方向においてフランジ部27を破断させることができる限り、特に限られない。本実施の形態における脆弱部40は、図5に示すように、フランジ部27の下面側に設けられたハーフカットを含む。脆弱部40のハーフカットの深さは、例えば溝部29の厚さT6の50%以上である。溝部29の厚さT6が0.6mmである場合には、ハーフカットの深さは、例えば0.3mmである。
(側部)
容器20の側部23について説明する。図1及び図2に示すように、容器20の側部23には、収容部16に向かって凹む凹部24が設けられていてもよい。凹部24は、平面視において、上述のフランジ部27の内縁272の内側突出部分272xに対応した形状を有する。
凹部24について詳細に説明する。凹部24は、図3に示すように、フランジ部27から底部22に向かう方向に延びる一対の基部25及び最深部26を含んでいる。また、凹部24は、図3及び図4に示すように、フランジ部27から底部22まで延びている。最深部26は、凹部24のうち最も収容部16側(中心点C側)に突出している部分である。図1及び図2に示す例において、凹部24は平面視において円弧状の部分を含んでいる。円弧状の部分の曲率半径は、例えば3mm以上且つ20mm以下である。
(閉鎖シール部)
次に、閉鎖シール部30について説明する。図1に示すように、閉鎖シール部30は、平面視において容器20の収容部16を囲うように一周にわたって連続的に延びる環状のシール部である。閉鎖シール部30は、容器20のフランジ部27の平坦部273における上面274と蓋50の下面との間に位置する。蓋50の下面は、この閉鎖シール部30によって容器20のフランジ部27の平坦部273における上面274に接合されている。なお本明細書において、「接合」とは、溶着および接着の両方を含む概念である。「溶着」とは、容器20または蓋50の少なくともいずれかを少なくとも部分的に溶融させることによって、閉鎖シール部30が構成されていることを意味している。また「接着」とは、接着剤などの、容器20および蓋50とは別個の構成要素によって、閉鎖シール部30が構成されていることを意味している。図1及び図2や後述する図7などの平面図又は底面図においては、閉鎖シール部30にハッチングを施している。
上述のように、フランジ部27の溝部29は平坦部273よりも底部22側に位置している。このため、蓋50の下面は溝部29には接合されない。すなわち、蓋50と溝部29との間は、閉鎖シール部30が形成されない非シール部である。
図1に示すように、収容部16及び溝部29を囲うように環状に延びる閉鎖シール部30は、主要シール部31及び突出シール部34を含む。突出シール部34は、閉鎖シール部30のうち、平面視においてフランジ部27の溝部29と収容部16との間に位置し、収容部16に向かって突出しているシール部である。本実施の形態において、突出シール部34は、上下方向D1に沿って見た場合に容器20の側部23の凹部24内に少なくとも部分的に位置している。例えば、突出シール部34は、上下方向D1に沿って見た場合に凹部24内に位置する先端部分を含んでいる。主要シール部31は、閉鎖シール部30のうち突出シール部34以外のシール部であり、本実施形態ではフランジ部27の内縁272に沿って設けられている。
主要シール部31の内縁及び突出シール部34の内縁はそれぞれ、一端及び他端を有する。主要シール部31の内縁の一端と突出シール部34の内縁の一端とは、後述する第1点において接続されている。また、主要シール部31の内縁の他端と突出シール部34の内縁の他端とは、後述する第2点において接続されている。言い換えると、主要シール部31の内縁と突出シール部34の内縁とは、第1点及び第2点を境界として区別される。第1点及び第2点の定義については後述する。なお、閉鎖シール部30、主要シール部31及び突出シール部34において、内縁とは、閉鎖シール部30、主要シール部31及び突出シール部34の縁のうち収容部16側に位置する縁を意味する。
図7を参照して、突出シール部34について詳細に説明する。図7は、図1の蓋付容器10の閉鎖シール部30の突出シール部34を拡大して示す平面図である。
はじめに、突出シール部34の定義について説明する。本実施の形態において、突出シール部34とは、閉鎖シール部30の内縁から収容部16の中心点Cまでの距離を、閉鎖シール部30の各位置で時計回りに測定した場合に、距離が第1の一定値から減少し始め、その後に極小値となり、その後に距離が増加し始め、その後に第2の一定値に戻る、という変化を示す部分のことである。図7において、閉鎖シール部30の内縁上の点のうち、距離が第1の一定値から増加し始める第1点、距離が極小値を示す極小点、および距離が第2の一定値に戻る第2点がそれぞれ符号351、371および361で表されている。なお、閉鎖シール部30の外縁とは、閉鎖シール部30の縁のうち、内縁の反対側に位置する縁である。
突出シール部34は、先端部分37と、先端部分37を挟むよう配置された第1突出シール部35および第2突出シール部36と、を含んでいる。先端部分37は、突出シール部34のうち、容器20の収容部16の平面視における中心点Cに最も近接する部分であり、上述の極小点371を含む部分である。また、第1突出シール部35は、閉鎖シール部30のうち第1点351から先端部分37に至るまで延びる部分である。また第2突出シール部36は、閉鎖シール部30のうち第2点361から先端部分37に至るまで延びる部分である。
第1点351から収容部16の中心点Cまでの距離d1と、極小点371から収容部16の中心点Cまでの距離d3との差は、例えば5mm以上である。また、第2点361から収容部16の中心点Cまでの距離d2と、距離d3との差は、例えば5mm以上である。
図7において、符号W1は、主要シール部31の幅を表し、符号W2は、突出シール部34の先端部分37の幅を表す。突出シール部34の先端部分37の幅W2は、主要シール部31の幅W1よりも小さくなっている。例えば、先端部分37の幅W2と主要シール部31の幅W1との差は、2mm以上である。また、主要シール部31の幅W1に対する突出シール部34の先端部分37の幅W2の比(=W2/W1)は、例えば0.02以上0.75以下である。また、先端部分37の幅W2は、例えば0.5mm以上且つ3mm以下である。
収容部16の圧力が上昇すると、突出シール部34の特に先端部分37が、主要シール部31よりも先に分離し、先端部分37の位置において蓋50がフランジ部27から剥離されるようになる。
本実施の形態においては、図7において点線で示すように、主要シール部31のうち第1突出シール部35に接続された部分が、第1点351を越えてフランジ部27の外縁271に沿って溝部29まで延びている。同様に、主要シール部31のうち第2突出シール部36に接続された部分が、第2点361を越えてフランジ部27の外縁271に沿って溝部29まで延びている。主要シール部31のうち第1突出シール部35に接続された部分と、第2突出シール部36に接続された部分とは、溝部29からみて突出シール部34が位置する側とは反対側において、接続されている。これによって、溝部29は、平面視において主要シール部31と突出シール部34とによって囲まれている。
図7において、符号38は、主要シール部31及び突出シール部34を含む閉鎖シール部30のうち溝部29を囲んでいる部分の、溝部29側の縁部を示している。以下の説明において、符号38で示される縁部のことを、溝部側縁部とも称する。溝部側縁部38は、溝部29の延びる方向D2において内縁272側に位置する内縁側端部38aと、溝部29の延びる方向D2において外縁271側に位置する外縁側端部38bと、溝部29の延びる方向D2に沿って延びる一対の長手縁部38cと、を有する。図7に示す例において、内縁側端部38aは、突出シール部34の縁部の一部を構成している。外縁側端部38bは、溝部29の延びる方向D2において内縁側端部38aとは反対側の位置において、主要シール部31の縁部の一部を構成している。
図7において、符号39は、閉鎖シール部30のうち、溝部29の延びる方向D2において外縁側端部38bとフランジ部27の外縁271との間に位置する部分を表す。以下の説明において、符号39で示されるシール部のことを、溝部外縁側シール部とも称する。溝部外縁側シール部39は、主要シール部31の一部を構成している。図7において、符号W3は、溝部29の延びる方向D2における溝部外縁側シール部39の幅を表す。幅W3は、例えば2mm以上且つ15mm以下である。
図7に示す例において、溝部29の延びる方向D2における溝部外縁側シール部39の幅W3は、溝部29の延びる方向D2における突出シール部34の先端部分37の幅W2よりも小さい。しかしながら、これに限られることはなく、後述する図11、13、18、21、22に示す例のように、溝部外縁側シール部39の幅W3が突出シール部34の先端部分37の幅W2よりも大きくてもよい。
(容器の凹部の詳細)
続いて、本実施の形態に係る容器20の凹部24について、図6を用いて更に詳細に説明する。
上述のように、凹部24は、一対の基部25及び最深部26を含む。図6に示すように、最深部26は、一対の基部25に外接する接線L1又は接平面を仮想的に描いた場合に、凹部24のうち接線L1又は接平面から最も離れた部分として定義される。このような一対の基部25及び最深部26を含む凹部24は、リブとして機能するので、側部23のその他の部分に比べて変形しにくい。すなわち、凹部24は保形性を有する。このため、後述するように、容器20の胴部21に押圧力が加えられた時、凹部24の最深部26は外側に変形しにくい。
図6において、符号T1は、基部25における側部23の厚みを表し、符号T2は、最深部26における側部23の厚みを表す。最深部26における側部23の厚みT2は、例えば0.05mm以上且つ0.4mm以下である。最深部26における側部23の厚みT2は、基部25における側部23の厚みT1よりも小さくてもよい。例えば、厚みT2が厚みT1の1倍以下であってもよい。なお、凹部24が側部23のその他の部分に比べて高い保形性を安定的に有するようにするためには、厚みT2と厚みT1の差が小さいことが好ましい。
また、上述の図4及び図5に示すように、凹部24の基部25及び最深部26はいずれも、フランジ部27から底部22に向かうにつれて容器20の中心側へ変位するよう、上下方向D1に対して傾斜している。最深部26の傾斜角度θ2は、図5に示すように、最深部26の上端261と最深部26の下端262とを結ぶ直線L2が上下方向D1に対して成す角度である。図示はしないが、基部25の傾斜角度も同様に、基部25の上端251と基部25の下端252とを結ぶ直線が上下方向D1に対して成す角度である。
なお、シート成形法により容器20を作製する場合、基部25の傾斜角度が小さくなるほど、基部25における側部23の厚みT1が小さくなる。なぜなら、基部25の傾斜角度が小さくなるほど、基部25における側部23を構成するためにシート成形の際に用いられるシートの面積が小さくなるからである。最深部26に関しても同様に、最深部26の傾斜角度が小さくなるほど、最深部26における側部23の厚みT2が小さくなる。従って、厚みT2を大きくし、最深部26における凹部24の保形性を高めるためには、最深部26の傾斜角度が大きいことが好ましく、例えば3°以上であることが好ましい。なお、最深部26の傾斜角度が大きくなり過ぎると、収容部16の容積が小さくなり、好ましくない。従って、最深部26の傾斜角度は、例えば10°以下であることが好ましい。
また、最深部26における凹部24の保形性を高めるためには、基部25の傾斜角度と最深部26の傾斜角度との差が小さいことが好ましく、例えば7°以下であることが好ましい。これにより、凹部24の保形性を側部23のその他の部分に比べて安定的に高くすることができる。
次に、容器20の胴部21に押圧力が加えられた時に凹部24に生じる変形について、図8及び図9を参照して説明する。図8は、蓋50が接合されていない空の容器20の底部22に押圧力Fを加える様子を示す斜視図である。また、図9は、押圧力に基づいて変形した空の容器20を示す斜視図である。空の容器20は、例えば、蓋付容器10の蓋50を、容器20を変形させることなく容器20から剥がし、容器20から内容物を取り出すことによって得られる。
図8において、符号H1は、押圧力Fが加えられて変形する前の容器20の高さ(変形前高さとも称する)を表す。変形前高さH1は、底部22のうち最も下方に位置する部分から、側部23の上部(側部23とフランジ部27とが接続されている部分)までの、上下方向における距離である。図9において、符号H2は、押圧力に基づいて変形した後の容器20の高さ(変形後高さとも称する)を表す。ここでは、押圧力Fが、変形後高さH2が0.9×H1となるよう調整されている。
容器20の底部22に押圧力が加えられると、底部22がフランジ部27側に変位するよう容器20が変形する。また、側部23が外側に変位するという変形も、少なくとも部分的に生じる。例えば、図9に示す矢印Tは、凹部24の最深部26が外側に変位する様子を表している。
上述のように、容器20の底部22に加えられた押圧力は、フランジ部27側への底部22の変形と、外側への側部23の変形を生じさせる。フランジ部27側への底部22の変形は、容器20の圧力を増加させることに寄与する。一方、外側への側部23の変形は、容器20の圧力の増加を阻害するよう作用する。このため、容器20の内部の圧力を効率良く増加させるためには、容器20の底部22をフランジ部27に向けて押圧した時に側部23が外側に変形することが抑制されるよう、側部23を構成することが好ましい。ここで、本実施の形態においては、側部23に凹部24が設けられている。凹部24の最深部26が外側に変形することは、側部23のその他の部分が外側に変形することに比べて、容器20の圧力の増加をより阻害するよう作用する。
このような課題を考慮し、容器20の底部22を押圧した時に凹部24が変形することが抑制されるように凹部24を構成することが好ましい。具体的には、変形後高さH2が0.9×H1となるまで容器20の底部22が押圧された時に、図9において符号Kで示す保形高さKが0.5×変形前高さH1以上となるよう、凹部24を構成することが好ましい。ここで、保形高さKとは、フランジ部27から最深部26の境界部263までの上下方向D1における距離である。境界部263とは、最深部26のうち、変形後高さH2が0.9×H1となるまで容器20の底部22をフランジ部27に向けて押圧した場合に一対の基部25に対応する位置(一対の基部25に外接する接線又は接平面の位置)まで外側に変形する部分である。このように凹部24を構成することにより、容器20の底部22に加えられた押圧力が凹部24の最深部26の変形に使用されることを抑制することができる。このことにより、容器20の内部の圧力を効率良く増加させて、より小さな押圧力で蓋付容器10を開封することができる。
保形高さK≧0.5×変形前高さH1が成立するよう凹部24を構成するための具体的な方法としては、様々なものが考えられる。例えば、最深部26における側部23の厚みT2の絶対値を調整することや、基部25における側部23の厚みT1に対する厚みT2の比を調整することなどが考えられる。また、上下方向D1に対する最深部26の傾斜角度θ2を調整することも考えられる。
(容器および蓋の材料)
以下、容器20および蓋50を構成する材料の一例について説明する。
容器20を構成する材料としては、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートなどのプラスチックを用いることができる。例えば、シート成形法により容器20を作製する場合、シート材として、未延伸ポリプロピレン、未延伸ナイロンなどの未延伸プラスチックフィルムを用いることができる。シート材は、単一の層から構成されていてもよく、複数の層を含んでいてもよい。なお、容器20は、射出成形によって作製されてもよい。
蓋50を構成する材料は、蓋50の下面が容器20のフランジ部27の平坦部273における上面274に接合され得るよう、選択される。例えば蓋50は、基材層と、蓋50の下面を構成するシーラント層と、を含んでいる。蓋50の厚みは、例えば20μm以上且つ100μm以下である。蓋50の基材層を構成する材料としては、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロンなどのポリアミド系樹脂や、ポリプロピレン等を用いることができる。またシーラント層を構成する材料としては、ポリプロピレンや、ポリプロピレンおよびポリエチレンの混合樹脂等を用いることができる。ポリプロピレンおよびポリエチレンの混合樹脂は、イージーピールシーラントとも称される、比較的小さな接合力を有する材料である。なお、基材層およびシーラント層がいずれもポリプロピレンを含む場合、基材層においては二軸延伸ポリプロピレンが用いられ、シーラント層においては未延伸ポリプロピレンが用いられる。
蓋50は、少なくとも脆弱部40と重なる部分において、脆弱部40が延びる方向における易裂き性を有することが好ましい。蓋50が、脆弱部40が延びる方向における易裂き性を有することよって、脆弱部40によって容器20の溝部29を破断させる際に、溝部29とともに蓋50も破断させることが容易になる。
易裂き性を実現するための構成は任意である。例えば、蓋50のうち脆弱部40と重なる部分に、脆弱部40が延びる方向に沿って延びるハーフカット線が設けられていてもよい。ハーフカット線は、蓋50の基材層を貫通していてもよく、貫通していなくてもよい。ハーフカット線は、例えばレーザー加工によって形成される。
また、蓋50の易裂き性は、蓋50を構成するフィルムや積層体自体の特性によって実現されていてもよい。例えば、蓋50の基材層を構成するフィルムの、脆弱部40が延びる方向における引張強度が、脆弱部40が延びる方向と直交する方向における引張強度よりも大きくてもよい。
(蓋付容器の製造方法)
次に、蓋付容器10の製造方法の一例として、図1乃至図5に示す蓋付容器10の製造方法について説明する。
まず、シート成形法を用いて容器20を作製する。例えば、図示はしないが、シート材の内面側に雄型を配置し、シート材の外面側に雌型を配置する。続いて、シート材のうちフランジ部27を構成する部分を固定した状態で、雄型を雌型に向けて相対的に移動させて、シート材のうち胴部21を構成する部分を雌型に押し込む。これによって、胴部21及びフランジ部27を有する容器20を得ることができる。次に、容器20のフランジ部27の溝部29及び平坦部273に、容器20の下面側から、フランジ部27の溝部29及び平坦部273の形状に対応した形状の刃を接触させる。これによって、脆弱部40として図5に示すようなハーフカットを形成する。
続いて、胴部21によって画成された収容部16に内容物を充填した後、容器20のフランジ部27の平坦部273における上面274上に蓋50を載置する。その後、蓋50のうち閉鎖シール部30が形成されるべき部分を、熱板などを用いて加熱して、蓋50のシーラント層を溶融させる。これによって、閉鎖シール部30を介して蓋50の下面を容器20のフランジ部27の平坦部273における上面274に溶着させることができる。その後、必要に応じて容器20や蓋50を所定の形状に切り抜く。このようにして、蓋付容器10を得ることができる。
なお容器20を作製する方法としては、上述のシート成形法以外にも、射出成形法などの公知の方法を適宜用いることができる。
(蓋付容器の作用)
次に、蓋付容器10の作用の一例について説明する。まず、意図しないタイミングで突出シール部34がフランジ部27から分離する場合の、蓋付容器10の作用の一例について説明する。
本実施の形態の蓋付容器10のフランジ部27は、上述のように、突出シール部34とフランジ部27の外縁271との間に位置する溝部29を有している。このため、蓋付容器10の搬送時などに蓋付容器10が受ける力に起因して突出シール部34が分離した場合であっても、収容部16から漏れ出た内容物を溝部29に収容することができる。また、収容部16で高まった圧力を溝部29で緩和することができる。また、閉鎖シール部30は、溝部29を囲う溝部側縁部38を有するよう構成されている。例えば、溝部29の延びる方向D2において溝部29とフランジ部27の外縁271との間には、閉鎖シール部30の溝部外縁側シール部39が設けられている。このため、収容部16から漏れ出た後に溝部29に収容されている内容物が蓋付容器10の外部に漏れ出ることを抑制することができる。
このように、本実施の形態においては、意図しない衝撃が蓋付容器10に加わって収容部16の圧力が高まることにより突出シール部34がフランジ部27から分離した場合であっても、溝部29によって圧力を緩和することができる。また、溝部29内の内容物が蓋付容器10の外部に漏れ出ることを溝部外縁側シール部39によって抑制することができる。このため、蓋付容器10の輸送適性や携帯性を向上させることができる。
後述する図11、13、18、21、22に示す例のように、閉鎖シール部30の溝部外縁側シール部39の幅W3は、突出シール部34の先端部分37の幅W2よりも大きくてもよい。これにより、収容部16から漏れ出た内容物が溝部29に収容されている状態のときに、溝部外縁側シール部39がフランジ部27から分離することを抑制することができる。このことにより、溝部29に収容されている内容物が蓋付容器10の外部に漏れ出ることを更に抑制することができる。
次に、通常時の蓋付容器10の作用の一例について説明する。すなわち、突出シール部34が分離していない状態の蓋付容器10を開封する方法について説明する。
蓋付容器10の開封時、使用者はまず、脆弱部40に沿って、フランジ部27を破断させる。例えば、脆弱部40に沿って、溝部29と交差するようにフランジ部27の一部を引き裂く。これによって、図10に示すように、外部に開口した開口部29aを溝部29に形成することができる。若しくは、脆弱部40に沿ってフランジ部27を折り曲げることにより、溝部29を含むフランジ部27を破断させ、溝部29に開口部29aを形成してもよい。
次に、使用者は、容器20の底部22に押圧力を加える。例えば、一方の手の親指を底部22に添え、一方の手のその他の指を蓋50に添えた状態で、蓋付容器10を挟圧する。
一例として、容器20の底部22を押圧する場合について説明する。この場合、底部22がフランジ部27に向けて押圧されると、底部22がフランジ部27側に変位するよう容器20が変形する。これにより、容器20の内部の圧力が増加する。
ここで、本実施の形態においては、閉鎖シール部30が、先端部分37を含む突出シール部34を有している。このため、容器20内の圧力の増加によって、主要シール部31よりも先に突出シール部34の先端部分37を分離させて、先端部分37の位置において容器20のフランジ部27と蓋50との間に隙間を形成することができる。このことにより、突出シール部34の位置において、容器20のフランジ部27と蓋50との間に隙間を形成し、溝部29と収容部16とを通じさせることができる。このため、収容部16に収容されている内容物を、突出シール部34が分離した部分、溝部29及び溝部29の開口部29aを介して外部に取り出すことができる。この際、溝部29は、容器20に収容されている内容物を外部に排出する際の流路として機能し得る。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、必要に応じて図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(容器の第1の変形例)
上述の実施の形態においては、収容部16が、すなわちフランジ部27の内縁272が、平面視において略円形状の輪郭を有する例を示した。しかしながら、所望の内容物を容器20に収容することができる限りにおいて、平面視におけるフランジ部27の内縁272の輪郭が特に限られることはない。以下、図11及び図12を参照して、フランジ部27の内縁272が略矩形状の輪郭を有する例について説明する。なお、図示はしないが、フランジ部27の内縁272は、平面視において矩形状以外の多角形状の輪郭を有していてもよい。
図11は、容器の第1の変形例に係る蓋付容器10を蓋50側から見た場合を示す平面図であり、図12は、蓋付容器10を容器20の底部22側から見た場合を示す底面図である。図11及び図12に示す例において、フランジ部27の内縁272は、略矩形状に延びる矩形部分272bと、矩形部分272bから内側に突出した内側突出部分272xと、を有する。外縁271は、内縁272と略平行に延びる平行部分271aと、平行部分271aから外側に突出した外側突出部分271yと、を有する。
図11及び図12に示すように、フランジ部27の内縁272の内側突出部分272xと外縁271の外側突出部分271yとの間には溝部29が設けられている。溝部29は、フランジ部27の内縁272から外縁271に向かって、内縁272及び外縁271に達しないように延びている。本変形例においても、好ましくは、溝部29は、平面視において、中心点Cと内側突出部分272xの先端とを結ぶ仮想的な直線Lcと重なっている。また、好ましくは、溝部29は、平面視において、中心点Cと外側突出部分271yの先端とを結ぶ仮想的な直線Lcに沿って延びている。
図11及び図12に示すように、本変形例においても、フランジ部27のうち、少なくとも溝部29には、溝部29が延びる方向に交差する方向において溝部29を破断させるための脆弱部40が設けられている。このため、蓋付容器10を開封する際、脆弱部40に沿って溝部29を含むフランジ部27を破断させ、溝部29に開口部29aを形成することができる。
図11及び図12に示すように、脆弱部40は、溝部29が延びる方向に交差する方向に延び、フランジ部27の外縁271に設けられた切欠き41を含んでいてもよい。この場合、脆弱部40の切欠き41は、溝部29が延びる方向に交差する方向に沿って溝部29を含むフランジ部27を引き裂くための起点として機能し得る。なお、図示はしないが、脆弱部40は、溝部29が延びる方向に交差する方向に延び、フランジ部27の外縁271に設けられた切り込みを含んでいてもよい。また、蓋50のうちフランジ部27の切欠き41又は切り込みに重なる部分において、蓋50の外縁に切欠き又は切り込みが形成されていてもよい。
また、図1及び図2に示す上述の蓋付容器10の脆弱部40が、これらの切り込みや切欠きを含んでいてもよい。
(容器の第2の変形例)
図13は、容器の第2の変形例に係る蓋付容器10を蓋50側から見た場合を示す平面図であり、図14は、蓋付容器10を容器20の底部22側から見た場合を示す底面図である。容器の第2の変形例に係る容器20の外縁271は、図13及び図14に示すように、溝部29に平行に延びる溝部平行部分271bを有する。図13及び図14に示す例において、外縁271は、溝部29が延びる方向に直交する方向にみて、溝部29を挟む一対の溝部平行部分271bを有する。脆弱部40は、一対の溝部平行部分271bの一方からもう一方まで延びている。
図15は、図13の蓋付容器10を線XV-XVに沿って切断した場合を示す縦断面図である。容器の第2の変形例に係る容器20の底部22は、図15に示すように、蓋50側に向かって突出する、くぼみ部221を有する。くぼみ部221は、図14に示すように、平面視において円形の形状を有する。
容器の第2の変形例に係る蓋付容器10の開封方法について説明する。なお、容器の第2の変形例に係る蓋付容器10の開封方法に関する説明は、矛盾しない限り上述の実施の形態及び他の変形例に係る蓋付容器10にも適用される。蓋付容器10の開封時、使用者はまず、脆弱部40に沿って、フランジ部27を破断させる。これによって、外部に開口した開口部29aを溝部29に形成する。
次に、使用者は、図16に示すように、蓋50が下方、容器20の底部22が上方に位置するように、蓋付容器10を保持する。図16に示す例において、使用者は、容器20の底部22に親指で触れ、蓋50にその他の指で触れるようにして、片手で蓋付容器10を保持している。図16に示す例において、使用者は、親指で、特に底部22のくぼみ部221に触れるようにして、蓋付容器10を保持している。
次に、使用者は、容器20の底部22に押圧力を加える。図17に示す例において、使用者は、親指以外の指で蓋50を支持しつつ、親指で底部22を押圧している。図17に示す例において、使用者は、親指で、特に底部22のくぼみ部221を押圧している。底部22の押圧により、容器20は底部22がフランジ部27側に変位するように変形し、容器20の内部の圧力が増加する。これによって、突出シール部34の先端部分37を分離させて、先端部分37の位置において容器20のフランジ部27と蓋50との間に隙間を形成し、溝部29と収容部16とを通じさせることができる。このため、収容部16に収容されている内容物を、突出シール部34が分離した部分、溝部29及び溝部29の開口部29aを介して外部に取り出すことができる。
(容器の第3の変形例)
上述の実施の形態及び各変形例においては、脆弱部40が、少なくとも溝部29に設けられている例を示した。しかしながら、脆弱部40の設けられる位置は、これに限られない。以下、図18、図19及び図20を参照して、容器の第3の変形例について説明する。図18は、容器の第3の変形例に係る蓋付容器10を蓋50側から見た場合を示す平面図である。図19は、蓋付容器10を容器20の底部22側から見た場合を示す底面図である。図20は、図18の蓋付容器10を線XX-XXに沿って切断した場合を示す縦断面図である。
図18及び図19に示すように、閉鎖シール部30は、少なくとも溝部29を囲う溝部側縁部38を有する。上述の実施の形態及び各変形例においては、閉鎖シール部30の溝部側縁部38がフランジ部27の溝部29の輪郭に一致している。一方、本変形例においては、閉鎖シール部30の溝部側縁部38とフランジ部27の溝部29の輪郭との間に部分的にフランジ部27の平坦部273が位置している。本変形例において、このような平坦部273は、溝部29が延びる方向において溝部29よりも外縁271側に位置する。言い換えると、溝部側縁部38は、溝部29と、平坦部273のうち溝部29の延びる方向にみて溝部29よりも外縁271側に位置する部分の一部とを囲っている。
図20に示すように、溝部側縁部38に囲われている部分のうち、平坦部273が位置する部分は、平坦部273と蓋50とが接合されていない、未シール部60となっている。溝部側縁部38は、図18、図19及び図20に示すように、溝部29の延びる方向にみて、内縁272側に位置する内縁側端部38aと、外縁271側に位置する外縁側端部38bとを有する。そして、フランジ部27の、内縁側端部38aに重なる部分と外縁側端部38bに重なる部分との間に、溝部29が延びる方向に交差する方向においてフランジ部27を破断させるための脆弱部40が設けられている。図18、図19及び図20に示す例において、脆弱部40は、平坦部273のうち、未シール部60が位置する部分に設けられている。図18、図19及び図20に示す蓋付容器10においては、脆弱部40を用いて、未シール部60が位置する部分における平坦部273を破断させることによって、溝部29に通じる開口部を形成することができる。この場合、収容部16に収容されている内容物を、突出シール部34が分離した部分、溝部29、未シール部60が位置する部分における平坦部273と蓋50との間、及び平坦部273の開口部を介して外部に取り出すことができる。
なお、上述の実施の形態、並びに容器の第1、2の変形例に係る蓋付容器10の形態は、溝部側縁部38が少なくとも溝部29を囲う形態のうち、溝部側縁部38が平坦部273の一部を囲わず、溝部29のみを囲う形態に相当するものと理解することができる。
(容器の第4の変形例)
上述の実施の形態及び各変形例においては、容器20のフランジ部27に脆弱部40が設けられている例を示した。しかしながら、容器20には、脆弱部40が設けられていなくてもよい。以下、図21及び図22を参照して、容器の第4の変形例について説明する。図21は、容器の第4の変形例に係る蓋付容器10の一例を、蓋50側から見た場合を示す平面図である。図22は、容器の第4の変形例に係る蓋付容器10のその他の一例を、蓋50側から見た場合を示す平面図である。図21に示す蓋付容器10は、図11に示す上述の第1の変形例に係る蓋付容器10において容器20の脆弱部40を削除したものに相当する。図22に示す蓋付容器10は、図13に示す上述の第2の変形例に係る蓋付容器10において容器20の脆弱部40を削除したものに相当する。図21に示すように、フランジ部27の内縁272が平面視において略矩形状の輪郭を有する蓋付容器10において、容器20に脆弱部40が設けられていなくてもよい。また、図22に示すように、フランジ部27の内縁272が平面視において略円形状の輪郭を有する蓋付容器10において、容器20に脆弱部40が設けられていなくてもよい。
なお、図11に示す上述の第1の変形例に係る蓋付容器10の形態は、図21に示す蓋付容器10の容器20のフランジ部27に脆弱部40を設けた形態に相当する。また、図13に示す第2の変形例に係る蓋付容器10の形態は、図22に示す蓋付容器10の容器20のフランジ部27に脆弱部40を設けた形態に相当する。
図21及び図22に示す蓋付容器10においても、意図しない衝撃が蓋付容器10に加わって収容部16の圧力が高まることにより突出シール部34がフランジ部27から分離した場合に、溝部29によって圧力を緩和することができる。また、図21及び図22に示す蓋付容器10においても、閉鎖シール部30は、溝部29を囲う溝部側縁部38を有するよう構成されている。このため、溝部29内の内容物が蓋付容器10の外部に漏れ出ることを溝部外縁側シール部39によって抑制することができる。これにより、蓋付容器10の輸送適性や携帯性を向上させることができる。
図21及び図22に示す蓋付容器10において、蓋付容器10の開封時にフランジ部27を破断させる方法は任意である。例えば、使用者は、はさみなどの刃物を用いて溝部29を含むフランジ部27を破断させることによって、溝部29に開口部29aを形成することができる。
10 蓋付容器
16 収容部
20 容器
21 胴部
22 底部
221 くぼみ部
23 側部
24 凹部
25 基部
26 最深部
263 境界部
27 フランジ部
271 外縁
271a 平行部分
271b 溝部平行部分
271y 外側突出部分
272 内縁
272a 円弧部分
272b 矩形部分
272x 内側突出部分
273 平坦部
274 上面
28 凸部
29 溝部
29a 開口部
30 閉鎖シール部
31 主要シール部
34 突出シール部
35 第1突出シール部
36 第2突出シール部
37 先端部分
38 溝部側縁部
38a 内縁側端部
38b 外縁側端部
39 溝部外縁側シール部
40 脆弱部
41 切欠き
50 蓋
60 未シール部

Claims (11)

  1. 底部及び側部を含み、収容部を画成する胴部と、前記収容部を囲うように前記側部の上部に連設されたフランジ部であって、平坦部と、前記平坦部よりも前記底部側に位置し、前記フランジ部の前記収容部側の縁である内縁から、前記フランジ部の前記内縁とは反対側の縁である外縁に向かって、前記内縁及び前記外縁に達しないように延びる溝部と、を含むフランジ部と、を有する容器と、
    前記容器の前記収容部及び前記溝部を覆う蓋と、
    前記収容部及び前記溝部を外部から封止するように前記蓋を前記容器の前記フランジ部の前記平坦部の上面に接合する閉鎖シール部であって、前記溝部と前記収容部との間に位置し、前記容器の前記収容部に向かって突出する突出シール部を含む閉鎖シール部と、を備え、
    前記閉鎖シール部は、少なくとも前記溝部を囲う溝部側縁部を有し、
    前記溝部側縁部は、前記溝部の延びる方向にみて、前記内縁側に位置する内縁側端部と、前記外縁側に位置する外縁側端部とを有する、蓋付容器。
  2. 前記フランジ部の、前記内縁側端部に重なる部分と前記外縁側端部に重なる部分との間には、前記溝部が延びる方向に交差する方向において前記フランジ部を破断させるための脆弱部が設けられている、請求項1に記載の蓋付容器。
  3. 前記脆弱部は、前記フランジ部の少なくとも前記溝部に設けられ、前記溝部が延びる方向に交差する方向において前記溝部を破断させる、請求項2に記載の蓋付容器。
  4. 前記脆弱部は、前記溝部及び前記平坦部に跨るよう前記フランジ部に設けられている、請求項3に記載の蓋付容器。
  5. 閉鎖シール部の前記溝部側縁部は、前記フランジ部の前記溝部と、前記フランジ部の前記平坦部のうち前記溝部の延びる方向にみて前記溝部よりも前記外縁側に位置する部分の一部と、を囲っており、
    前記脆弱部は、前記フランジ部の前記平坦部の、前記溝部の延びる方向にみて前記溝部よりも前記外縁側に位置する前記一部に少なくとも設けられ、前記溝部が延びる方向に交差する方向において前記一部を破断させる、請求項2に記載の蓋付容器。
  6. 前記脆弱部は、前記フランジ部の下面側に設けられたハーフカットを含む、請求項2乃至5のいずれか一項に記載の蓋付容器。
  7. 前記蓋は、少なくとも前記脆弱部と重なる部分において、前記脆弱部が延びる方向における易裂き性を有する、請求項2乃至6のいずれか一項に記載の蓋付容器。
  8. 前記脆弱部が延びる方向における前記蓋の引張強度は、前記脆弱部が延びる方向と直交する方向における前記蓋の引張強度よりも大きい、請求項7に記載の蓋付容器。
  9. 前記脆弱部は、前記フランジ部の前記外縁に達するよう延びており、
    前記フランジ部の前記外縁のうち前記脆弱部が達する部分には切欠きが設けられている、請求項2乃至8のいずれか一項に記載の蓋付容器。
  10. 前記溝部の容積は、前記収容部の容積の1%以上である、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の蓋付容器。
  11. 前記容器の前記側部には、前記収容部に向かって凹む凹部が設けられており、
    前記突出シール部は、上下方向に沿って見た場合に前記容器の前記側部の前記凹部内に少なくとも部分的に位置する、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の蓋付容器。
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