JP2020187917A - ケーブル端末加工方法 - Google Patents

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裕一 中島
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Abstract

【課題】絶縁体または芯線の位置ずれを抑えることができるケーブル端末加工方法を提供する。【解決手段】ケーブル10の端末部に対して、被覆を切断するための端末加工を行うケーブル端末加工方法であって、ケーブル10における端末加工位置P2,P3を含む加工部分に対して、ケーブル10における加工部分を除く残余部分を曲げた状態で、ケーブル10を端末加工する。【選択図】図3

Description

この発明は、ケーブルに端末加工を施すケーブル端末加工方法に関するものである。
一般的に、センサ等に使用されるケーブルは、芯線、芯線を被覆する絶縁体、及び、絶縁体を被覆するシースから構成されている。このようなケーブルとしては、例えば、特許文献1に開示されている。
特開2013−41739号公報
ケーブルの端末部は、センサまたは回路基板等に電気的に接続されるため、シース及び絶縁体に切り込みを入れて、それらを切断し、芯線を露出させる必要がある。このような、端末部に対する加工は、端末加工と称されており、センサ出荷時及びセンサ取付時に行われる。
しかしながら、ケーブルの端末部に対する加工方法によっては、絶縁体または芯線が引っ張られてしまい、当該絶縁体または芯線の位置ずれが発生してしまう。このような問題に対して、シースと絶縁体との間に、滑り止め剤となるタルクを予め入れておくことができるが、シース及び絶縁体の材質によっては、十分にその効果を発揮することができないおそれがある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、絶縁体または芯線の位置ずれを抑えることができるケーブル端末加工方法を提供することを目的とする。
この発明に係るケーブル端末加工方法は、ケーブルの端末部に対して、被覆を切断するための端末加工を行うケーブル端末加工方法であって、ケーブルにおける端末加工位置を含む加工部分に対して、ケーブルにおける加工部分を除く残余部分を曲げた状態で、ケーブルを端末加工するものである。
この発明によれば、絶縁体または芯線の位置ずれを抑えることができる。
実施の形態1に係るケーブル端末加工方法が適用されるケーブルの構成を示した図である。図1Aはケーブルの正面図である。図1Bはケーブルの側面図である。 従来のケーブル端末加工方法を示した図である。図2Aは長尺ケーブルにおけるケーブルの一端側が端末加工される様子を示した図である。図2Bは長尺ケーブルからケーブルが切断される様子を示した図である。図2Cはケーブルの他端側が端末加工される様子を示した図である。 実施の形態1に係るケーブル端末加工方法を示した図である。 実施の形態1に係るケーブル端末加工方法と従来のケーブル端末加工方法とによる絶縁体引っ張り力の実証実験を示した図である。図4Aは曲げられていない状態のケーブルから3本の絶縁体を同時に引き抜く動作を示した図である。図4Bは曲げられた状態のケーブルから3本の絶縁体を同時に引き抜く動作を示した図である。図4Cは実証実験結果となる最大引っ張り力を示した図である。 実施の形態2に係るケーブル端末加工方法を示した図である。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
先ず、実施の形態1に係るケーブル端末加工方法が適用されるケーブル10の構成について、図1A及び図1Bを用いて説明する。図1Aは、ケーブル10の正面図である。図1Bは、ケーブル10の側面図である。
ケーブル10は、例えば、光電センサと回路基板との間を電気的に接続する多芯ケーブルである。即ち、ケーブル10は、光電センサ用ケーブルである。光電センサは、ケーブル10が接続された状態で出荷され、設置場所にて、回路基板にケーブル10を介して接続される。図1A及び図1Bに示したケーブル10は、光電センサ及び回路基板の双方と電機的に接続していない状態を想定している。
ケーブル10は、複数の導線を撚った芯線11、芯線11を個別に被覆した絶縁体12、及び、複数の絶縁体12を束ねて被覆した、絶縁素材であるシース13から構成されている。絶縁体12及びシース13の材質は、例えば、ポリ塩化ビニルである。
ケーブル10の一端10aは、回路基板に接続される端末部である。この一端10aは、シース13が切断されて、絶縁体12が露出した状態となっている。なお、ケーブル10の一端10aは、後述する実施の形態1に係るケーブル端末加工方法において、引き出されたケーブル10の前端となるものである。
ケーブル10の他端10bは、光電センサに接続される端末部である。この他端10bは、シース13が切断されて、更に、絶縁体12が切断されて、芯線11が露出した状態となっている。
なお、ケーブル10は、3本の芯線11を有する多芯ケーブルとなっているが、芯線11を1本以上有していれば、実施の形態1に係るケーブル端末加工方法が適用可能となる。
次に、従来のケーブル端末加工方法について、図2Aから図2Cを用いて説明する。図2Aは、長尺ケーブル1におけるケーブル10の一端側が端末加工される様子を示した図である。図2Bは、長尺ケーブル1からケーブル10が切断される様子を示した図である。図2Cは、ケーブル10の他端側が端末加工される様子を示した図である。
図2A及び図2Bに示すように、従来のケーブル端末加工を行う場合には、ストリップ装置を使用する。このストリップ装置は、リール巻きされた長尺ケーブル1から、ケーブル10を所定の長さで切断(ストリップ)する装置である。ストリップ装置は、リール21、送り機構22、及び、ケーブル10を、上下一対の刃23a,23bを備えている。
リール21は、長尺ケーブル1をリール状に巻きつけるものであり、回転可能に支持されている。このリール21は、例えば、正回転すると、長尺ケーブル1を送り出し可能となり、逆回転すると、長尺ケーブル1を引き込み可能となっている。
送り機構22は、リール21に巻き付けられた長尺ケーブル1を、当該リール21から引き出すものである。この送り機構22は、上下二対のローラ22a,22b及び上下一対のベルト22c,22dを有している。
上側のローラ22aは、送り機構22の上部に回転可能に支持されている。2つのローラ22a間には、ベルト22cが掛け回されている。一方、下側のローラ22bは、送り機構22の下部に回転可能に支持されている。2つのローラ22b間には、ベルト22dが掛け回されている。そして、ローラ22aの回転方向とローラ22bの回転方向とは、互いに逆方向となっている。また、ベルト22c,22dは、ローラ22a,22bの回転に追従するように走行する。これにより、長尺ケーブル1は、ベルト22c,22d間に挿入された状態で、ローラ22a,22bが回転することにより、リール21から引き出される。
上下一対の刃23a,23bは、リール21と送り機構22との間に配置されている。上側の刃23aと下側の刃23bとは、リール21と送り機構22との間を繋ぐケーブル搬送経路を上下方向両側から挟み込むように設けられており、上下方向に開閉可能に支持されている。刃23a,23bは、当該刃23a,23bが閉状態になると、長尺ケーブル1またはケーブル10に対して、全切断(ストリップ)、または、被覆のみの切断(セミストリップ)を行うことができる。即ち、刃23a,23bは、ケーブル10に対して、端末加工を行うものである。
従って、図2Aに示すように、長尺ケーブル1は、送り機構22によって、所定の引き出し量で引き出されると、ケーブル10の一端10a側における端末加工位置P1に対して、刃23a,23bが上下方向において閉じる。これにより、長尺ケーブル1におけるケーブル10の一端10a側は、刃23a,23bによって、シース13が切断されて、絶縁体12が露出する。
次いで、図2Bに示すように、長尺ケーブル1は、送り機構22によって、所定の引き出し量で引き出されると、ケーブル10の長さに対応した切断位置PCに対して、刃23a,23bが上下方向において閉じる。これにより、ケーブル10は、長尺ケーブル1から所定の長さで切断されたことになり、送り機構22のベルト22c,22d間に保持された状態となる。ケーブル10の長さは、光電センサの型番に対応した長さである。
そして、図2Cに示すように、ケーブル10は、ローラ22a,22bの回転によって、他端10b側における2つの端末加工位置P2,P3に対して、刃23a,23bが順に上下方向において閉じる。これにより、ケーブル10の他端10b側は、刃23a,23bによって、シース13が切断されて、絶縁体12が露出する。次いで、ケーブル10の他端10b側は、刃23a,23bによって、絶縁体12が切断されて、芯線11が露出する。
このとき、図2Cに示した、長尺ケーブル1から切断されたケーブル10は、その長さが長尺ケーブル1の長さよりも短くなるため、芯線11と絶縁体12との間の摩擦力、及び、絶縁体12とシース13との間の摩擦力についても、長尺ケーブル1のそれらよりも小さくなる。そして、このような状態のケーブル10の他端10b側に対して、刃23a,23bによって端末加工を行うと、絶縁体12または芯線11がリール21側に向けて引き戻されるように引っ張られてしまう。これにより、絶縁体12または芯線11は、シース13に対して位置がずれた状態となる。
このような、端末加工時における絶縁体12または芯線11の位置ずれは、ケーブル10の長さが、例えば、1m未満となる場合に顕著となるため、実施の形態1に係るケーブル端末加工方法は、長さが1m未満となるケーブル10に対して、特に好適である。
次に、実施の形態1に係るケーブル端末加工方法について、図3及び図4を用いて説明する。
図3は、実施の形態1に係るケーブル端末加工方法を示した図である。従来のケーブル端末加工方法を示した図2Aから図2Cのうち、図2Cに対応するものである。
図3に示すように、実施の形態1に係るケーブル端末加工方法では、送り機構22を、ケーブル10における端末加工位置P2,P3を含む加工部分に対して、傾斜するように配置することにより、ケーブル10における端末加工位置P2,P3を含む加工部分に対して、ケーブル10における上記加工部分を除く残余部分を曲げた状態で、当該ケーブル10の他端10bを端末加工する。
このように、実施の形態1に係るケーブル端末加工方法では、ケーブル10を曲げた状態で、その他端10bを端末加工することにより、曲げられたケーブル10における芯線11と絶縁体12との間の摩擦力及び絶縁体12とシース13との間の摩擦力を、曲げられていない(直線状をなす)ケーブル10のそれと比べて、大きくすることができる。これにより、長尺ケーブル1から切断されたケーブル10の他端10bを端末加工する場合であっても、絶縁体12または芯線11の位置ずれは、抑制される。この結果、実施の形態1に係るケーブル端末加工方法は、ケーブル10の生産性を向上させることができる。
ここで、実施の形態1に係るケーブル端末加工方法と従来のケーブル端末加工方法とによる絶縁体引っ張り力の実証実験について、図4Aから図4Cを用いて説明する。図4Aは、曲げられていない状態のケーブル10から3本の絶縁体12を同時に引き抜く動作を示した図である。図4Bは、曲げられた状態のケーブル10から3本の絶縁体12を同時に引き抜く動作を示した図である。図4Cは、実証実験結果となる最大引っ張り力を示した図である。なお、図4A及び図4Bに示した矢印は、絶縁体12の引っ張り方向を示している。また、図4Cでは、図4Aに示した実証実験を条件1とし、図4Bに示した実証実験を条件2として記載している。
図4Aに示すように、曲げられていない状態(直線状体)のケーブル10は、その端面がストッパ30に当接することにより、絶縁体12の引っ張り方向への移動が規制されている。実証実験では、その状態から、3本の絶縁体12を、ストッパ30の貫通穴を介して引っ張り、シース13から引き抜く。このとき、シース13の長さは、500mmとする。
また、図4Bに示すように、曲げられた状態のケーブル10は、その端面がストッパ30に当接することにより、絶縁体12の引っ張り方向への移動が規制されている。実証実験では、その状態から、3本の絶縁体12を、ストッパ30の貫通穴を介して引っ張り、シース13から引き抜く。このとき、シース13の長さは、500mmとし、シース13は、長さ方向中間部となる250mmの位置で、90度に折り曲げられている。
図4Cに示すように、曲げられた状態のケーブル10における絶縁体引っ張り力は、曲げられていない状態のケーブル10における絶縁体引っ張り力と比べて、平均値で約2倍大きくなることが分かる。従って、実施の形態1に係るケーブル端末加工方法は、従来のケーブル端末加工方法と比べて、芯線11と絶縁体12との間の摩擦力及び絶縁体12とシース13との間の摩擦力を向上させた状態で、端末加工を行うことができる。
以上より、実施の形態1に係るケーブル端末加工方法は、ケーブル10の端末部に対して、被覆を切断するための端末加工を行うケーブル端末加工方法であって、ケーブル10における端末加工位置P2,P3を含む加工部分に対して、ケーブル10における加工部分を除く残余部分を曲げた状態で、ケーブル10を端末加工する。これにより、実施の形態1に係るケーブル端末加工方法は、絶縁体12または芯線11の位置ずれを抑えることができる。
実施の形態2.
実施の形態2に係るケーブル端末加工方法について、図5を用いて説明する。図5は、実施の形態2に係るケーブル端末加工方法を示した図である。
上述した実施の形態1に係るケーブル端末加工方法では、ケーブル10を曲げた状態で、当該ケーブル10を端末加工している。これに対して、実施の形態2に係るケーブル端末加工方法は、その実施の形態1に係るケーブル端末加工方法の実現例とするものであり、複数の送り機構22を用いて、ケーブル10を曲げた状態で、当該ケーブル10を端末加工する。図5は、3つの送り機構22を用いて、ケーブル10を端末加工する場合を説明するものである。
図5に示すように、隣接した送り機構22同士は、筒状をなすガイド部材24によって連結されている。このガイド部材24は、その内部に長尺ケーブル1が通過可能となっており、通過する長尺ケーブル1をガイドするものである。長尺ケーブル1は、3つの送り機構22によって引き出されるが、リール21に近い側から1つ目の送り機構22によって引き出された長尺ケーブル1に対して、2つ目及び3つ目の送り機構22が傾斜するように配置されている。これにより、長尺ケーブル1は、1つ目の送り機構22と2つめの送り機構22との間で、折り曲げられる。このように、実施の形態2に係るケーブル端末加工方法では、複数の送り機構22を用いることにより、長尺ケーブル1を容易に曲げることができる。
また、図5に示した実施の形態2に係るケーブル端末加工方法では、2つ目及び3つ目の送り機構22の長尺ケーブル1(ケーブル10における端末加工位置P2,P3を含む加工部分)に対する傾斜角度を、段階的に大きくしている。これにより、実施の形態2に係るケーブル端末加工方法は、芯線11と絶縁体12との間の摩擦力及び絶縁体12とシース13との間の摩擦力の増大を図ることができる。なお、2つ目及び3つ目の送り機構22の長尺ケーブル1に対する傾斜角度は、同じ傾斜角度であっても構わない。
以上より、実施の形態2に係るケーブル端末加工方法は、ケーブル10の端末部に対して、被覆を切断するための端末加工を行うケーブル端末加工方法であって、ケーブル10における端末加工位置P2,P3を含む加工部分に対して、ケーブル10における加工部分を除く残余部分を曲げた状態で、ケーブル10を端末加工する。これにより、実施の形態2に係るケーブル端末加工方法は、絶縁体12または芯線11の位置ずれを抑えることができる。
なお、本願発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは、各実施の形態における任意の構成要素の変形、もしくは、各実施の形態における任意の構成要素の省略が可能である。
1 長尺ケーブル
10 ケーブル
10a 一端
10b 他端
11 芯線
12 絶縁体
13 シース
21 リール
22 送り機構
22a,22b ローラ
22c,22d ベルト
23a,23b 刃
24 ガイド部材
30 ストッパ
P1〜P3 端末加工位置
PC 切断位置

Claims (4)

  1. ケーブルの端末部に対して、被覆を切断するための端末加工を行うケーブル端末加工方法であって、
    前記ケーブルにおける端末加工位置を含む加工部分に対して、前記ケーブルにおける前記加工部分を除く残余部分を曲げた状態で、前記ケーブルを端末加工する
    ことを特徴とするケーブル端末加工方法。
  2. 前記ケーブルは、
    複数の導線を撚った芯線と、
    前記芯線を被覆する絶縁体と、
    前記絶縁体を被覆する絶縁素材であるシースから構成され、
    前記絶縁体及び前記シースの材質は、ポリ塩化ビニルである
    ことを特徴とする請求項1記載のケーブル端末加工方法。
  3. 前記ケーブルの長さは、1m未満である
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のケーブル端末加工方法。
  4. 前記ケーブルは、光電センサ用ケーブルである
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載のケーブル端末加工方法。
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