JP4910504B2 - 多心ケーブルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複数本の絶縁電線や同軸電線からなる多心ケーブルの製造方法に関し、特に中間部では束ねられ、両端部では複数本の電線がフラット状にされてコネクタ等が接続されているような多心ケーブルの製造方法に関する。
近年、ノートパソコン、携帯電話、小型ビデオカメラ等が普及しているが、これら携帯形の情報通信機器の小型化、軽量化が求められている。そのため、機器本体と液晶表示部の接続や機器内の配線等に、極めて細い絶縁電線や同軸電線(シールド電線を含む)が用いられ、また、配線の容易性から、これらの多数本の電線を集合一体化させたハーネス形状のコネクタ付き多心ケーブルが用いられている。電気接続は、予めケーブル端部に所定の配列で接続した電気コネクタで行なわれ、このための電気コネクタには、例えば、プリント回路等の接続に用いるような、多数のコンタクトを列状に配列したエッジ形状のコネクタが用いられる。
図6は、上記の情報通信機器等で用いられているコネクタ付き多心ケーブルの一例を示す図で、図6(A)はケーブルの中間部分が束ねられていない例を示し、図6(B)はケーブルの中間部分を束ねた例を示す図である。図中、1a,1bはコネクタ付き多心ケーブル、2は電線、3は電気コネクタ、4は束ね部材、5は接地接続部材を示す。
コネクタ付き多心ケーブル1aは、一般に、両端に電気コネクタ3を接続するために、図6(A)に示すように複数本の電線2を所定ピッチで平行一列に並べて一体化したフラットケーブル、或いは平形ケーブルと呼ばれている形態で用いられることが多い。しかし、このコネクタ付き多心ケーブル1aは、機器内の壁面に沿わせた配線には適しているが、例えば、携帯電話、ノートパソコン、ビデオカメラ等の本体部と液晶表示部間の接続のような回動部分を通しての配線を行なう場合は、回動部分における捻回特性が悪く、ヒンジ部の形状が大きくなってしまう。また、フラットケーブルに加わるストレスが大きく断線しやすいという問題がある。
このため、開閉ヒンジ等の回動部分を介しての配線では、図6(B)に示すように、電気コネクタ3が接続される両端部では複数本の電線2はフラット状にされているが、中間部分で電線2を1つに束ねた状態にしたコネクタ付き多心ケーブル1bが用いられている。複数本の電線2を束ねる形態としては、多心ケーブルの製造段階で両端部のみをフラット化し、中間部分は後の結束のためにばらけた状態としておいたり、或いは、フラット化された状態のまま円筒状に丸めるようにして束ねられている。複数本の電線2を束ねるのに、テープ状の束ね部材4を用いたり、また、電線2に同軸電線やシールド電線が用いられる場合、コネクタ付き多心ケーブルの中間部で接地用の接地接続部材5を設けることもある。
図6(A)の形状で製造されたコネクタ付き多心ケーブルの中間部分を束ねて、単純に図6(B)の形状のコネクタ付き多心ケーブルとすると、電線2の長さが全て同一であるので、中央に配列された電線は弛んだ状態となり、電線配列方向の両端側に配された電線は引張られた状態となって束ねられる。この結果、両端側に配された電線は、断線が生じやすくなる。このため、中央側に配される電線に対して、外側に配される電線長を長くして、弛みや引張りが生じないような形状の多心ケーブルが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開昭61−230208号公報 特開2000−294045号公報(図4とその説明)
特許文献1又は特許文献2において、コネクタ付き多心ケーブルの端末部でフラット状に配列される電線長を、中央側より外側が長くなるようにすることで、両側の電線に張力が加わるのを防止することが開示されている。しかし、外側に配される電線長をどの程度にするかまでの開示はなく、また、捻りを受けるような場合についての解明がなされていない。実際上は、図6に示すコネクタ付き多心ケーブルで、電線配列方向のケーブル幅をDとすると、多心ケーブルの長さ方向の距離Eが電線配列方向のケーブル幅Dの6倍以上あれば、図6(A)の形状で形成された多心ケーブルの中間部分を単に束ねて、図6(B)の形状として使用しても、問題ないことが確認されている。
しかし、多心ケーブルの長さ方向の距離Eが短く、D/Eが1/6を超えると、最小長さの電線(束ねられる中央側に配列される電線)と最大長さの電線(一番外側に配列される電線)との差が問題となる。すなわち、フラット状に配列される複数本の電線を束ねるときに、単に引張りが生じる外側の電線を長くしても、電線が長くなりすぎて折れ曲がりが生じたり、断線しやすくなる。また、回動部分に使用される場合は、捻れに対しての考慮が払われていないと、依然として断線が発生するという問題がある。
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたもので、多心ケーブルの長さ方向の距離Eと電線配列方向のケーブル幅Dの関係から、捻りを受ける回動部所で使用するのにそれぞれの電線長が適切に選定された断線発生の少ない多心ケーブルを容易に且つ安価に製造することが可能な多心ケーブルの製造方法の提供を課題とする。
本発明による多心ケーブルの製造方法は、複数本の電線の両端末部分を所定のピッチで配列してフラット状にし、中間部分を1つに束ねる多心ケーブルの製造方法であって、両端末部分間に配列される前記複数本の電線を整列治具で整列するに際し、整列治具の平坦な整列面に設ける電線収納溝を、両端末部分の電線を所定のピッチで配列させる端末整列部の幅をDa、前記の溝の最短距離から両端の電気コネクタ接続分を除いた距離をEa、最小長さLsa、最大長さLmaとしたとき、
Da/Ea>1/6であり、
3×{2Da(21/2−1)}>(Lma−Lsa)>{(Da2+Ea21/2−Ea}
となるように、最小長さLsaから最大長さLmaの範囲で順次長さを異ならせた整列治具を用いる。
整列治具で複数本の電線を整列させた後、少なくとも両端末部分に位置する電線の露出面をテープ状に一体化させ、次いで、整列治具から整列状態で電線を取出して両端末部分に電気接続用の端末を形成し、この後、中間部分を1つに束ねる。
た、整列治具に単一の多心ケーブル形成用の電線収納溝が、電線の長手方向に縦接続で連続的に複数設けるようにしてもよい。
本発明によれば、簡単な形状の整線治具を用いることで、複数本の電線の長さを順次異ならせて容易に整列させることができ、コスト増を伴うことなく、上述した多心ケーブルの製造を可能にすることができる。そして、この多心ケーブルを用いることにより、全長の長さが短いコネクタ付き多心ケーブルの中間部分を、効果的に1つに束ねることができ、開閉等の回動操作が頻繁に行われる携帯小型機器の捻りを受けるような回動部所での使用で、断線が生じることのないコネクタ付き多心ケーブルを実現することができる。
図により、本発明の多心ケーブルの製造法により作製されるコネクタ付き多心ケーブルの実施形態を説明する。図1は、第1の実施形態を説明する図、図2は、同第2の実施形態を説明する図、図3はコネクタ付き多心ケーブルの詳細を説明する図である。図中、11a,11bはコネクタ付き多心ケーブル、12は電線、12aは端末部分、12bは中間部分、13は電気コネクタ、14は束ね部材、15は接地接続部材を示す。
本発明における多心ケーブルは、例えば、図1に示すように、複数本の電線12の両端末部分12aを所定のピッチで配列してフラット状にし、この端末部分12aに電気コネクタ13等を接続して形成される。このコネクタ付きの多心ケーブル11a,11bに用いられる複数本の電線12としては、絶縁電線、同軸電線(又はシールド電線)等の外径が比較的小径(例えば、1.0mm以下)の可撓性のよい単心線が望ましい。そして、複数本の電線12は、電線長を最小長さLsから最大長さLmまで順次異ならせてある。なお、端末部分12aにおける電線配列方向におけるケーブル幅をDとし、電気コネクタ13の後端から露出する電線の端末部分間の長手方向の距離をEとする。
図1(A)に示すように、最終のコネクタ付き多心ケーブル形状とされる前のコネクタ付き多心ケーブル11aにおいては、最小長さLsとされた以外の電線12は、余長分を有し弛みを持つ形状に形成される。電線の余長分は、中間部分12bで最小長さLsとされた電線12から遠のく配列位置にある電線ほど大きくなり、フラット状に配列すると側方に大きく膨らんだ形状となる。図1(A)においては、最小長さLsの電線を配列方向の中央に配した例で、その両側に配される電線が、その余長分だけ順次膨らむ形状となる。
最終形状のコネクタ付き多心ケーブル11bは、図1(B)に示すように、フラット状の両端末部分12aを、電気コネクタ13側から中間部分12b側に向けて電線間隔を縮めて2等辺三角形状となるようにし、中間部分12bを1つに束ねた形状とされる。2等辺三角形状に変換された両端末部分12aの距離をそれぞれE1及びE2とし、1つに束ねられた中間部分12bの距離をE3とすると、「E1+E2+E3」が端末部分間の距離Eとなる。なお、端末部分間の距離Eは、コネクタ付き多心ケーブルを形成する複数本の電線の中で、最小長さLsとほぼ等しい値となる。最小長さLsの電線12を電線配列方向の中央に位置させたとき、この電線を中心に両側の電線が束ねられるので、コネクタ付き多心ケーブルの中心軸に対称な形状となる。
中間部分12bを束ねるには、接着テープ等の束ね部材14を用い、また、シールド電線が用いられている場合は、必要に応じて所定部分で接地が得られるように接地接続部材15を用いて束ねるようにしてもよい。束ねる形状は、複数本の電線12が1つに束ねられていればよく、不特定な形状であってもよい。また、束ね部材14は、1つで所定長さを束ねるようにしてもよく、複数に分割して複数個所で束ねるようにしてもよい。さらに、互いに束ねられた電線12は、密に結束されていてもよいが、互いに動きが拘束されない程度にゆるく結束されていてもよい。
図2に示す第2の実施形態は、複数本の電線12の両端末部分12aを所定のピッチで配列してフラット状にし、この端末部分12aに電気コネクタ13等を接続する点、及び、複数本の電線12の電線長を、最小長さLsから最大長さLmまで順次異ならせる点は、図1の実施形態と同じである。また、端末部分12aにおける電線配列方向におけるケーブル幅をDとし、電気コネクタ13の後端から露出する電線の端末部分間の距離をEとする点も同じである。
ただ、図2(A)に示すように、最終のコネクタ付き多心ケーブル形状とされる前のコネクタ付き多心ケーブル11aにおいては、最小長さLsを有する電線を配列方向の一方の端部側とし、最大長さLmを有する電線を反対の端部側にくるようにしている。すなわち、電線配列方向の一方の端から他方の端に向けて、電線長を最小長さLsから最大長さLmまで順次異ならせるようにしている点で、図1の例と異なる。したがって、図2(A)に示すように、最終のコネクタ付き多心ケーブル形状とされる前のコネクタ付き多心ケーブル11aにおいては、一方の端部側に配された最小長さLsとされた以外の電線12は、余長分を有し弛みを持つこととなる。この電線の余長分は、中間部分12bで最小長さLsとされた一方の端部側にある電線から、他方の端部側にある電線ほど大きくなり、フラット状に配列すると側方の一方に大きく膨らんだ形状となる。
最終形状のコネクタ付き多心ケーブル11bは、図2(B)に示すように、フラット状の両端末部分12aを電気コネクタ13側から中間部分12b側に、且つ、電線配列方向の一方の端側に向けて電線間隔を縮めて直角三角形状となるようにして、中間部分12bを1つに束ねた形状とされる。そして、図1(B)の場合と同様に、三角形状に変換される両端末部分12aの距離をE1及びE2とし、1つに束ねられた中間部分12bの距離をE3とすると、「E1+E2+E3」が端末部分12a間の距離Eとなる。最小長さLsの電線12を電線配列方向の一方の端側に位置させているので、この電線を中心に全ての電線を束ねると、コネクタ付き多心ケーブルの中心軸に非対称な形状となる。その他、束ね部材14や接地接続部材15による束ねる構成は、図1と同様である。
次に、図3により、多心ケーブルの長さEと配列幅Dの関係について説明する。図3(A)は図1で説明したコネクタ付き多心ケーブルの電線配列方向の中央側で電線を束ねる場合の説明図であり、図3(B)は図2で説明したコネクタ付き多心ケーブルの電線配列方向の一方の端部側で電線を束ねる場合の説明図である。
図3において、図1及び図2で説明したように、電線配列方向におけるケーブル幅をD、両端末部分間における距離をEとし、両端末部分側の変換部分の距離をE1,E2、束ねる部分の距離をE3、両端末部分間に配される電線の最小長さをLs,最大長さをLmとする。
図1又は図2のコネクタ付き多心ケーブルにおいて、一般に、両端末部分間における距離Eが、ケーブル幅Dの6倍以上あるときは、180°以下の回転による捻りが加わるようなことがあっても、断線が生じないことが確認されている。したがって、本発明においては、携帯小型機器の回動部分で捻りを受けるような部所に使用され、断線が生じやすいとされる両端末部分間における距離Eが、ケーブル幅Dの6倍未満、すなわち、D/E>1/6の関係にあるコネクタ付き多心ケーブルを対象とする。
図3(A)においては、最小長さLsの電線は、電線配列方向の中央にあり、距離Eにほぼ等しい長さ「E1+E2+E3」である。一方、電線配列方向の一番端に配列される電線が中間部分12bを束ねる際に、張力を受けずに屈曲できる長さは、両端部分12aの屈曲され傾斜した長さがLm1とLm2で、これに束ねる部分に相当する長さE3を加えた「Lm1+Lm2+E3」の長さとなる。すなわち、この電線長さが多心ケーブルの最大長さLmとなる。
ここで、最大長さLmと最小長さLsの差「Lm−Ls」は、「Lm1+Lm2−E1−E2」となる。すなわち、電線が互いに束ねられる中間部分の距離E3を除いた両端部分12aの合計の電線長さで、一番端に配列される電線の長さ(最大長さLmとなる)が、最小長さLsより「Lm1+Lm2−E1−E2」だけ長ければ、一応は中間部分12bを束ねてもこれによる張力が生じないこととなる。ここで、説明を簡略にするために、中間部分12bの束ねられる長さ部分E3=0として、両端部分12aのみについての最大長さLmと最小長さLsの差「Lm−Ls」について考える。また、「Lm1+Lm2」が最小となるのは、電線の束ねられる位置SがLm1=Lm2、すなわち、E1=E2=1/2Eの場合である。
この場合、「Lm−Ls」=「(E2+D21/2−E」で表すことができる。すなわち、最大長さLmと最小長さLsの差「Lm−Ls」が「(E2+D21/2−E」を超える値に設定されていれば、最大長さLmを有する配列方向の1番端に位置する電線が、張力を受けずに中央側の最小長さLsに沿わせて束ねることが可能となる。
また、図3(B)においては、最小長さLsの電線は、電線配列方向の一方の1番端の電線となるが、図3(A)と同じで、距離Eにほぼ等しい長さの「E1+E2+E3」となる。この最小長さLsを有する電線に沿わせて束ねられる他方の1番端側に配列される電線が、張力を受けずに屈曲できる長さは、両端部分12aの屈曲された傾斜長さがLm1とLm2に、これに束ねた部分に相当する長さE3を加えた「Lm1+Lm2+E3」の長さとなる。すなわち、この電線長さが多心ケーブルの最大長さLmとなる。
ここで、最大長さLmと最小長さLsの差「Lm−Ls」は、図3(A)の場合と同様に「Lm1+Lm2−E1−E2」となる。そして、電線が互いに束ねられる中間部分の距離E3を除いた両端部分12aの合計の電線長さで、一番端に配列される電線の長さ(最大長さLmとなる)が、最小の長さLsより「Lm1+Lm2−E1−E2」だけ長ければ、一応は中間部分12bを束ねてもこれによる張力が生じないこととなる。ここで、図3(A)の場合と同様に、中間部分12bの束ねられる長さ部分E3=0とし、電線の束ねられる位置SがLm1=Lm2、すなわち、E1=E2=1/2Eとする。
この場合、「Lm−Ls」=「(E2+4D21/2−E」で表すことができる。すなわち、最大長さLmと最小長さLsの差「Lm−Ls」が「(E2+4D21/2−E」を超える値に設定されていれば、最大長さLmを有する1番端側に位置する電線が、張力を受けずに中央側の最小長さLsに沿わせて束ねることが可能となる。
また、図3に示すように、最大長さLmを有する配列方向の1番端に位置する電線が、経験的には、端末部分12aから束ねられる中間部分に至る電線と束ねられる中間部分の軸方向との角度θが45°未満で形成されていることが好ましい。θ=45°とすると、図3(A)においては、D=Eとすることができ、これにより、「Lm−Ls」=「D(21/2−1)≒0.41D」とすることができる。また、図3(B)においては、2D=Eとすることができ、これにより、「Lm−Ls」=「2D(21/2−1)≒0.83D」とすることができる。
上述したように、各種の実施形態で最大長さLmと最小長さLsの差「Lm−Ls」を最も小さくすることができるのは、図3(A)で説明した電線配列方向の中央側で電線を束ねる場合である。また、両端末部分12aの屈曲され傾斜した部分の長さを等しく(Lm1=Lm2又はE1=E2)したときで、このときの「Lm−Ls」は、「(E2+D21/2−E」となる。したがって、「Lm−Ls」>「(E2+D21/2−E」で多心ケーブルを形成することが必要である。また、この場合、端末部分12aから中間部分12bの軸方向との角度θを45°未満とするなら、「Lm−Ls」<0.41Dとすることができる。
上述のように構成されたコネクタ付き多心ケーブルは、携帯電話、ノートパソコン、ビデオカメラ等の携帯小型機器の本体部と液晶表示部間の接続のような回動部分を通しての配線を行なう場合は、図3に示すように90°〜180°程度の回転(余裕を見込むと80°〜190°)による捻りを受ける。また、複数本の電線が束ねられるので、全体としてある程度の太さが生じるため、電線を屈曲した時の中心側位置がずれたりして「Lm−Ls」を計算値通りとするのは難しい。このため、ある程度の余裕を持たせて、最大長さLmと最小長さLsの差「Lm−Ls」を設定する必要がある。
しかし、必要以上に「Lm−Ls」を大きくすると、束ねられる中間部分での余長が大きくなりすぎて弛みが生じ、全体的に見苦しく、座屈状の折れ曲がりや断線を生じやすくなる。図3の説明で、各種の実施形態で最大長さLmと最小長さLsの差「Lm−Ls」が最大となるのは、図3(B)で説明した電線配列方向の1番端の電線を中心にして束ねる場合である。このときの「Lm−Ls」が「(E2+4D21/2−E」である。また、この場合、端末部分12aから束ねられる中間部分に至る電線と束ねられる中間部分の軸方向との角度θを45°未満とするなら、「Lm−Ls」<0.83Dとすることができる。そこで、本発明においては、種々検証した結果、この想定される値の3倍以下であれば、折れ曲がりや断線を抑制できることが判明した。したがって、「Lm−Ls」<3×0.83D≒2.5Dとすることが望ましい。
図4及び図5は、本発明の多心ケーブル製造方法で使用する整列治具の一例を説明する図で、図4は単一のケーブル用を示す図、図5は複数個のケーブル用を示す図である。図中、20a,20bは電線整列治具、21は整列面、21aはエッジ部、22は電線収納溝、22aは端末整列部、22bは中間整列部、23はカット用溝を示す。
図4は、図1に示した形状の多心ケーブルを製造する場合の、電線整列治具の一例で、整列治具20aは、平坦な整列面21を有する矩形状のブロックで形成される。整列面21には複数本の長さの異なる電線収納溝22が形成される。この電線収納溝22は、溝断面がV字状またはU字状で、電線が収納されたときに、電線が整列面21の表面と同じになるか僅かに突出する程度の深さとなるような溝で形成される。
電線収納溝22は、両端の端末整列部22aを、製造される多心ケーブルの端末部分の電線配列ピッチに合わせて互いに平行な溝で形成する。中間整列部22bは、溝の長さが中央の1番短い直線状の最小長さLsaとし、1番外側の最大長さLmaの溝に移行するにしたがって、順次長くなるように屈曲或いは湾曲させた形状で形成する。この整列治具20aの整列面21上に複数本の電線を並べ、ヘラ等を用いて電線を電線収納溝22内に押込んで整列させる。
次いで、少なくとも両端の端末整列部22aの上から接着テープ等を貼りつけてテープ状に一体化し、電線収納溝22に電線が収納された配列状態を維持できるように固定する。この後、整列治具20aのエッジ部21aに沿って電線の両端を切断するなどで揃え、次いで、整列治具20aから整列状態が維持された電線を取出す。そして、図1(A)で示すように両端部分に電気コネクタ等の端末部材を接続し、図1(B)に示すように電線の中間部分を束ねて、多心ケーブルとする。
また、両端末部分の電線を所定のピッチで配列させる整列治具20aの端末整列部22aにおけるDaは、図1(A)に示した両端末部分における電線配列方向のケーブル幅Dとほぼ等しくする。そして、電線収納溝22の両端に電気コネクタ等への接続分としての距離ΔEを除いた溝の実質的な距離Eaを、図1(A)に示した両端末部分間における距離をEと等しくする。このとき、整列治具20aの電線収納溝22の構成を、
Da/Ea>1/6とし、
3×2Da(2 1/2 −1)」>「Lma−Lsa」>「(Ea2+Da21/2−Ea」、となるようにする。
図5に示す整列治具20bは、図4の整列治具20aを電線の長手方向に縦接続で複数設けたもので、複数個の多心ケーブルを同時に製造することができるようにしたものである。整列治具20bの整列面21上には、図4で示したのと同様な多心ケーブルの端末部分のための端末整列部22aと、束ねられる中間部分のための中間整列部22bを交互に形成し、複数個の多心ケーブル用の電線整列を同時に行なうことができる。なお、端末整列部22a部分に、カット用溝23等を設けておくことにより、電線収納溝22に電線を収納し接着テープ等でテープ状に一体化した後、単一品に分割するのを容易にすることができる。
上述した整列治具を用いることにより、コネクタ付きの多心ケーブルの製造に際して、両端末部分間の電線を最小長さから最大長さまで順次異なる長さで自動的に設定でき、作業者のスキルに依存することなく、均一の品質で安価に製造することができる。なお、図4及び図5では、図1に示した形状のコネクタ付き多心ケーブルの製造例で示したが、図2に示した形状のコネクタ付き多心ケーブルの製造に対しても、同様な整列治具を用いることにより、均一の品質で安価に製造することができる。
本発明におけるコネクタ付き多心ケーブルの第1の実施形態の概略を説明する図である。 本発明におけるコネクタ付き多心ケーブルの第2の実施形態の概略を説明する図である。 本発明におけるコネクタ付き多心ケーブルの詳細を説明する図である。 本発明の多心ケーブルの製造方法に用いる整列治具の一例を説明する図である。 本発明の多心ケーブルの製造方法に用いる整列治具の他の例を説明する図である。 従来技術を説明する図である。
符号の説明
11a,11b…コネクタ付き多心ケーブル、12…電線、12a…端末部分、12b…中間部分、13…電気コネクタ、14…束ね部材、15…接地接続部材、20a,20b…電線整列治具、21…整列面、21a…エッジ部、22…電線収納溝、22a…端末整列部、22b…中間整列部、23…カット用溝。

Claims (2)

  1. 複数本の電線の両端末部分を所定のピッチで配列してフラット状にし、中間部分を1つに束ねる多心ケーブルの製造方法であって、
    前記両端末部分間に配列される前記複数本の電線を整列治具で整列するに際し、前記整列治具の平坦な整列面に設ける電線収納溝を、前記両端末部分の電線を所定のピッチで配列させる端末整列部の幅をDa、前記溝の最短距離から両端の電気コネクタ接続分を除いた距離をEa、最小長さLsa、最大長さLmaとしたとき、
    Da/Ea>1/6であり、
    3×{2Da(21/2−1)}>(Lma−Lsa)>{(Da2+Ea21/2−Ea}
    となるように、最小長さLsaから最大長さLmaの範囲で順次長さを異ならせた整列治具を用い、
    前記整列治具で前記複数本の電線を整列させた後、少なくとも前記両端末部分に位置する電線の露出面をテープ状に一体化させ、次いで、前記整列治具から整列状態で電線を取出して前記両端末部分に電気接続用の端末を形成し、この後、前記中間部分を1つに束ねることを特徴とする多心ケーブルの製造方法。
  2. 前記整列治具に単一の多心ケーブル形成用の前記電線収納溝が、前記電線の長手方向に縦接続で連続的に複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の多心ケーブルの製造方法。
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