JP2020186218A - 発毛因子産生促進剤及び/又は毛再生剤及び/又は脱毛抑制剤 - Google Patents

発毛因子産生促進剤及び/又は毛再生剤及び/又は脱毛抑制剤 Download PDF

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沙予 黒瀬
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Abstract

【課題】 発毛因子産生促進剤及び/又は毛再生剤及び/又は脱毛抑制剤を提供することを課題とする。【解決手段】 本発明では、ビタミン類、有機酸、及び有機酸の塩からなる群より選択される1種以上を含有する、幹細胞における発毛因子の産生促進剤及び/又は毛再生剤及び/又は脱毛抑制剤を提供する。ここで、発毛因子は、例えば、血管内皮細胞増殖因子A(VEGF−A)、塩基性線維芽細胞増殖因子2(FGF−2)、塩基性線維芽細胞増殖因子7(FGF−7)、胎盤増殖因子(PGF)、血小板由来成長因子D(PDGF−D)、及びスーパーオキシドディスムターゼ2(SOD2)から選択される1種又は2種以上である。【選択図】なし

Description

本発明は発毛因子産生促進剤及び/又は毛再生剤及び/又は脱毛抑制剤に関する。
毛髪は一定の周期で生え替わっており、その周期をヘアサイクルという。ヘアサイクルは、成長期(2〜6年間)、退行期(2週間)、休止期(3〜4カ月間)に大別される。薄毛は成長期が数カ月〜1年に短くなった状態であり、薄毛を改善するためには短くなった成長期を元に戻し、ヘアサイクルを正常な状態に再生する必要がある。ヘアサイクルは、種々の因子によってコントロールされており、そのような因子として、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、胎盤増殖因子(PGF)、血小板由来成長因子(PDGF)等が知られている(非特許文献1〜4)。また、男性型脱毛症では、スーパーオキシドディスムターゼ2(SOD2)活性が低いことが知られている(非特許文献5)。
一方、近年、脂肪由来幹細胞が発毛に重要な役割を果たすことが明らかとなってきている。例えば、脂肪由来幹細胞から分泌されるタンパク質は毛髪の再生に効果があることが報告されている(非特許文献6)。また、脂肪由来幹細胞をPDGF−Dで処理することにより、発毛効果が高まることが報告されている(非特許文献7)。
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本発明は、発毛因子産生促進剤及び/又は毛再生剤及び/又は脱毛抑制剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、ビタミン類、有機酸、及び有機酸の塩からなる群より選択される1種以上が、幹細胞において、いくつかの発毛因子の発現を増強し、その産生を増強することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ビタミン類、有機酸、及び有機酸の塩からなる群より選択される1種以上を含有する、幹細胞における発毛因子産生促進剤及び/又は毛再生剤及び/又は脱毛抑制剤を提供する。
項1.
ビタミン類、有機酸、及び有機酸の塩からなる群より選択される1種以上を含有する、幹細胞における発毛因子の産生促進剤。
項2.
前記発毛因子が、血管内皮細胞増殖因子A(VEGF−A)、塩基性線維芽細胞増殖因子2(FGF−2)、塩基性線維芽細胞増殖因子7(FGF−7)、胎盤増殖因子(PGF)、血小板由来成長因子D(PDGF−D)、及びスーパーオキシドディスムターゼ2(SOD2)からなる群より選択される1種以上である、項1に記載の発毛因子の産生促進剤。
項3.
前記ビタミン類が、ビタミンB群に属する化合物である、項1又は2に記載の発毛因子の産生促進剤。
項4.
前記ビタミンB群に属する化合物が、パントテン酸若しくはその塩、又はそれらの誘導体である、項3に記載の発毛因子の産生促進剤。
項5.
前記有機酸が、ヒドロキシ酸である、項1又は2に記載の発毛因子の産生促進剤。
項6.
前記ヒドロキシ酸が、酒石酸、クエン酸、乳酸、及びグルコン酸から選択される1種以上である、項5に記載の発毛因子の産生促進剤。
項7.
前記幹細胞が、脂肪由来幹細胞である、項1〜6のいずれか1項に記載の発毛因子の産生促進剤。
項8.
項1〜7のいずれかに記載の産生促進剤を含有する、毛再生剤及び/又は脱毛抑制剤。
本発明はまた、下記の方法に関する。
項9.
外用組成物に、ビタミン類、有機酸、及び有機酸の塩からなる群より選択される1種以上を含有することにより、幹細胞における発毛因子の産生促進作用を付与する方法。
項10.
前記発毛因子が、血管内皮細胞増殖因子A(VEGF−A)、塩基性線維芽細胞増殖因子2(FGF−2)、塩基性線維芽細胞増殖因子7(FGF−7)、胎盤増殖因子(PGF)、血小板由来成長因子D(PDGF−D)、及びスーパーオキシドディスムターゼ2(SOD2)からなる群より選択される1種以上である、項9記載の方法。
項11.
前記ビタミン類が、ビタミンB群に属する化合物である、項9又は10に記載の方法。
項12.
前記ビタミンB群に属する化合物が、パントテン酸若しくはその塩、又はそれらの誘導体である、項11に記載の方法。
項13.
前記有機酸が、ヒドロキシ酸である、項9又は10に記載の方法。
項14.
前記ヒドロキシ酸が、酒石酸、クエン酸、乳酸、及びグルコン酸から選択される1種以上である、項13に記載の方法。
項15.
前記幹細胞が、脂肪由来幹細胞である、項9〜14のいずれか1項に記載の方法。
項16.
外用組成物に、ビタミン類、有機酸、及び有機酸の塩からなる群より選択される1種以上を含有することにより、幹細胞における発毛因子の産生促進作用を付与する方法。
本発明によれば、ビタミン類、有機酸、及び有機酸の塩からなる群より選択される1種以上を含有する、幹細胞における発毛因子の産生促進剤により、毛の良好な状態を誘導できる。
図1は、異なる濃度でのパントテニールエチルエーテルの存在下又は非存在下で、ヒト脂肪由来間葉系幹細胞を培養し、複数の発毛因子をコードするそれぞれの遺伝子発現量を測定した結果を示すグラフである。 図2は、異なる濃度でのパントテニールエチルエーテルの存在下又は非存在下で、ヒト脂肪由来間葉系幹細胞を培養し、複数の発毛因子のタンパク質産生量を測定した結果を示すグラフである。 図3は、異なる濃度でのL−酒石酸の存在下又は非存在下で、ヒト脂肪由来間葉系幹細胞を培養し、複数の発毛因子をコードするそれぞれの遺伝子発現量を測定した結果を示すグラフである。 図4は、異なる濃度でのL−酒石酸の存在下又は非存在下で、ヒト脂肪由来間葉系幹細胞を培養し、PGFタンパク質産生量を測定した結果を示すグラフである。 図5は、異なる濃度でのミノキシジルの存在下又は非存在下で、ヒト脂肪由来間葉系幹細胞を培養し、複数の発毛因子をコードするそれぞれの遺伝子発現量を測定した結果を示すグラフである。 図6は、異なる濃度でのL−酒石酸の存在下又は非存在下で、ヒト脂肪由来間葉系幹細胞を培養し、その上清の存在下で、ヒト結合組織性毛包細胞を培養した際の発毛因子産生量を測定した結果を示すグラフである。
本発明は、ビタミン類、有機酸、及び有機酸の塩からなる群より選択される1種以上を含有する発毛因子産生促進剤、又は毛再生剤及び/又は脱毛抑制剤に関する。
本明細書において用語「発毛」とは、毛包内で毛の新たな発生を促す、あるいは毛の発育・成長を促すように有利にはたらく作用を包含する。なお、ここで毛とは、ヒトを含む動物における身体に生える任意の毛を意味し、例えば、毛髪(頭髪)、眉毛、睫毛、口髭、顎鬚、胸毛、背部毛などのあらゆる体毛を意味し、主には、毛髪、眉毛、又は睫毛を意味する。
本明細書において用語「毛再生」とは、毛包に眠る発毛因子遺伝子を覚醒し、乱れたヘアサイクルを再生することにより、一旦失われた毛を再生することを意味する。「毛再生」とは、毛包に眠る発毛因子遺伝子を覚醒し、乱れたヘアサイクルを再生することにより、一旦失われた毛を再生することを意味する。本発明においては、毛再生には、特に毛髪再生が含まれる。
[ビタミン類、有機酸、及び有機酸の塩からなる群より選択される1種以上]
本発明で用いられるビタミン類、有機酸、及び有機酸の塩からなる群より選択される1種以上は、当業者に知られているいかなるビタミン類、有機酸、及び有機酸の塩からなる群より選択される1種以上でもあり得る。
(ビタミン類)
本発明で用いられるビタミン類は、当業者に知られているいかなるビタミン類でもあり得る。
具体的には、ビタミン類としては、例えば、レチノール、レチノール誘導体(酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等)、レチナール、レチノイン酸、レチノイン酸メチル、レチノイン酸エチル、レチノイン酸レチノール、d−δ−トコフェリルレチノエート、α−トコフェリルレチノエート、及びβ−トコフェリルレチノエート等のビタミンA類;
β−カロチン、α−カロチン、γ−カロチン、δ−カロチン、リコピン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、及びエキネノン等のプロビタミンA類;
ジベンゾイルチアミン、ジベンゾイルチアミン塩酸塩、チアミン塩酸塩、チアミンセチル塩酸塩、チアミンチオシアン酸塩、チアミンラウリル塩酸塩、チアミン硝酸塩、チアミンモノリン酸塩、チアミンリジン塩、チアミントリリン酸塩、チアミンモノリン酸エステルリン酸塩、チアミンモノリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル塩酸塩、チアミントリリン酸エステル、及びチアミントリリン酸エステルモノリン酸塩等のビタミンB類;
リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンテトラ酪酸エステル、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム、及びリボフラビンテトラニコチン酸エステル等のビタミンB類;
塩酸ピリドキシン、酢酸ピリドキシン、塩酸ピリドキサール、5’−リン酸ピリドキサール、及び塩酸ピリドキサミン等のビタミンB類;
シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、及びデオキシアデノシルコバラミン等のビタミンB12類;
パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテニルアルコール(パンテノール)、D−パンテテイン、D−パンテチン、補酵素A、及びパントテニールエチルエーテル等のパントテン酸類;
葉酸、プテロイルグルタミン酸等の葉酸類;
ビオチン、及びビオシチン等のビオチン類;
ナイアシン、及びナイアシンアミド等のナイアシン類;
α−トコフェロール、β−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム、δ−トコフェロール、酢酸トコフェロール、及びニコチン酸トコフェロール等のビタミンE類;
ニコチン酸メチル、ニコチン酸、及びニコチン酸アミドなどのニコチン酸類;
ステアリン酸アスコルビル、ジパルミチン酸L−アスコルビル、テトライソパルミチン酸アスコルビル(テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル)、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、デヒドロアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、及びアスコルビン酸グルコシドなどのビタミンC類;
メチルヘスペリジン、エルゴカルシフェロール、及びコレカルシフェロールなどのビタミンD類;
フィロキノン、及びファルノキノン等のビタミンK類;並びに
カルニチン、フェルラ酸、α−リポ酸、オロット酸、及びγ−オリザノール等のビタミン様作用因子などが挙げられる。
これらの中でも、水溶性ビタミンに分類されるビタミン類が好ましく、ビタミンB群がより好ましい。ビタミンB群には、B、B、B、B12、ナイアシン、パントテン酸類、葉酸、ビオチンが含まれ得る。
これらの中でも、特に、パントテン酸類が好ましい。
(有機酸又はその塩)
本発明で用いられる有機酸又はその塩は、当業者に知られているいかなる有機酸又はその塩でもあり得る。ここで、限定はされないが、具体的には、有機酸は、直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸であり得る。あるいは脂環族カルボン酸が例として挙げられる。
このうち、本発明で用いられる有機酸としては、水酸基とカルボン酸とを併せ持つヒドロキシ酸が好ましく、中でも脂肪族ヒドロキシ酸がより好ましい。脂肪族ヒドロキシ酸としては、具体的には、酒石酸、クエン酸、乳酸、グルコン酸、グリコール酸、タルトロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、リンゴ酸、シトラマル酸、イソクエン酸、ロイシン酸、メバロン酸、パントイン酸、リシノール酸、リシネライジン酸、セレブロン酸、キナ酸、及びシキミ酸からなる群より選択される1種又は2種以上が挙げられる。これらのうち、好ましくは、酒石酸、クエン酸、乳酸、グルコン酸であり、特に好ましくは、酒石酸である。これらは、D体でもL体でもよいが、好ましくはL体である。
有機酸の塩としては、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩やトリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、トリブチルアミン塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、リジン塩、アルギニン塩、コリン塩等の有機アンモニウム塩が挙げられる。
ここで、「有効成分として含有する」とは、ビタミン類、有機酸、及び有機酸の塩からなる群より選択される1種以上以外の有効成分を含むと含まざるとに関わらず、ビタミン類、有機酸、及び有機酸の塩からなる群より選択される1種以上の単独又は他の有効成分との併用の作用によって、毛再生、脱毛抑制、発毛因子産生促進、幹細胞のような発毛関連細胞の賦活化、細胞同士の接着力強化が発揮されることを明示する意味である。毛再生や脱毛抑制作用は、発毛因子産生促進などの発毛に関する、特には幹細胞の賦活化、細胞同士の接着力強化などの作用によって誘導される。有効成分は、実製品の表示に有効成分と表示するか否かとは直接関連はない。
[幹細胞における発毛因子産生促進剤]
(幹細胞)
本発明において幹細胞とは、特に限定されないが、例えば間葉系幹細胞が挙げられる。
本発明において間葉系幹細胞とは、間葉系に属する一種以上の細胞(骨細胞、心筋細胞、軟骨細胞、腱細胞、脂肪細胞など)への分化能を有し、当該能力を維持したまま増殖できる細胞を意味する。本発明において用いる間葉系幹細胞なる用語は、間質細胞と同じ細胞を意味し、両者を特に区別するものではない。また、単に間葉系細胞と表記される場合もある。間葉系幹細胞を含む組織としては、一般的には、例えば、脂肪組織、臍帯、骨髄、臍帯血、子宮内膜、胎盤、羊膜、絨毛膜、脱落膜、真皮、骨格筋、骨膜、歯小嚢、歯根膜、歯髄、歯胚等が挙げられる。例えば脂肪組織由来間葉系幹細胞とは、脂肪組織に含有される間葉系幹細胞を意味し、脂肪由来間葉系幹細胞と称してもよい。有効性の観点等から、間葉系幹細胞としては、幹細胞脂肪由来間葉系幹細胞が好ましい。
幹細胞としては、皮膚に存在する脂肪前駆細胞や毛包幹細胞が特に好ましい。毛包幹細胞などの毛に関連する幹細胞を活性化することで、休止期から成長期への移行を促すことができ、ヘアサイクル再生が促進される。
このような本発明における幹細胞は、主には、処置される対象(被検体)と同種由来の意味である。本発明における間葉系幹細胞の種として、ヒト、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、イヌ、ネコ、ラビット、マウス、ラットが挙げられ、好ましくは処置される対象(被検体)と同種由来細胞である。本発明における間葉系幹細胞は、処置される対象(被検体)に由来、すなわち自家細胞であってもよいし、同種の別の対象に由来、すなわち他家細胞(同種異系)であってもよい。好ましくは他家細胞(同種異系)である。
本発明において幹細胞とは、幹細胞を含む任意の細胞集団を意味する。当該細胞集団は、少なくとも20%以上、好ましくは、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、93%、96%、97%、98%又は99%が幹細胞である。
本発明における幹細胞は、成長特徴(例えば、継代から老化までの集団倍加能力、倍加時間)、核型分析(例えば、正常な核型、母体系統又は新生児系統)、フローサイトメトリー(例えば、FACS分析)による表面マーカー発現、免疫組織化学及び/又は免疫細胞化学(例えば、エピトープ検出)、遺伝子発現プロファイリング(例えば、遺伝子チップアレイ;逆転写PCR、リアルタイムPCR、従来型PCR等のポリメラーゼ連鎖反応)、miRNA発現プロファイリング、タンパク質アレイ、サイトカイン等のタンパク質分泌(例えば、血漿凝固解析、ELISA、サイトカインアレイ)、代謝産物(メタボローム解析)、本分野で知られている他の方法等によって、特徴付けられてもよい。
(発毛因子)
毛髪のヘアサイクルは、成長期、退行期、休止期を繰り返すものであり、毛包細胞間のシグナル伝達によって制御されている。このようなシグナル分子を、本発明では、発毛因子と称する。発毛因子には、特に限定はされないが、血管内皮細胞増殖因子、塩基性線維芽細胞増殖因子、胎盤増殖因子、血小板由来成長因子、及びスーパーオキシドディスムターゼなどが含まれる。
血管内皮細胞増殖因子(VEGF)は、脈管形成及び血管新生に関与する一群の糖タンパクであり、いくつかの種類が知られている。血管内皮細胞増殖因子A(VEGF−A)を始めとする各種血管内皮細胞増殖因子は、頭皮下の新しい血管を増やす作用、及び既にある血管の枝分かれを増やす作用を通じて、より多くの栄養を毛母細胞に与えることで、毛再生復活促進や髪の育毛に効果を有する。血管内皮細胞増殖因子は、より具体的には、ヘアサイクルの成長期を延ばす効果に優れている。本明細書では、血管内皮細胞増殖因子とVEGFは、互換可能性のある用語として同義で用いる。
塩基性線維芽細胞増殖因子(FGF)は、血管新生、創傷治癒、胚発生に関係する成長因子の一種で、多くの種類が知られている。このうち、特に塩基性線維芽細胞増殖因子7(FGF−7)と塩基性線維芽細胞増殖因子10(FGF−10)は、それぞれケラチノサイト成長因子KGFとKGF−2としても知られており、上皮細胞の増殖、移動、分化を刺激することで、皮膚と粘膜組織の修復再生を促進する。塩基性線維芽細胞増殖因子2(FGF2)は、毛髪成長及び皮膚再生を制御していることが報告されている。塩基性線維芽細胞増殖因子は、毛根において、休止期の毛包を成長期に導き、さらに成長期の発展を刺激する作用があることも知られている。本明細書では、塩基性線維芽細胞増殖因子とFGFとは、互換可能性のある用語として同義で用いる。
胎盤増殖因子(PGF)もまた、毛根において、休止期の毛包を成長期に導き、さらに成長期の発展を刺激する作用があることも知られている。本明細書では、胎盤増殖因子とPGFとは、互換可能性のある用語として同義で用いる。
血小板由来成長因子(PDGF)は、血小板α顆粒に貯蔵されている液性因子であり、血液が凝固し、血小板が崩壊する際に放出される。血小板由来成長因子(PDGF)は、血小板だけでなく、マクロファージ、平滑筋細胞、内皮細胞、塩基性線維芽細胞からも分泌され、細胞遊走と細胞増殖によって組織を修復、創傷治癒に関わる。PDGFをコードする遺伝子として4種類(A鎖、B鎖、C鎖、D鎖)見出されている。血小板由来成長因子は、毛包の形成、及び、成長期の誘導と維持に重要な役割を担っている。本明細書では、血小板由来成長因子とPDGFとは、互換可能性のある用語として同義で用いる。
スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)は、抗酸化に関連する酵素であり、毛髪の休止期を短縮して成長期の毛包を増やす作用があることが知られている。本明細書では、スーパーオキシドディスムターゼとSODとは、互換可能性のある用語として同義で用いる。
これらのうち、本発明で特に好ましい発毛因子は、血管内皮細胞増殖因子A(VEGF−A)、塩基性線維芽細胞増殖因子2(FGF−2)、塩基性線維芽細胞増殖因子7(FGF−7)、胎盤増殖因子(PGF)、血小板由来成長因子D(PDGF−D)、及びスーパーオキシドディスムターゼ2(SOD2)から選択される1種以上である。
なお、本発明における、ビタミン類、有機酸、及び有機酸の塩からなる群より選択される1種以上を含有する発毛因子産生促進剤は、発毛因子のタンパク質の発現量そのものの増加あるいは発毛因子のタンパク質をコードする遺伝子の発現量の増加のいずれか一方又はその両方を促す。
これらの発毛因子産生促進剤中における、有機酸及び/又は有機酸の塩の濃度は、製品により、特に限定はされないが、効果の点から、有機酸として、0.0001質量%以上が好ましく、0.001質量%以上がより好ましく、0.005質量%以上がさらに好ましく、また5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい。具体的な範囲としては、0.0001〜5質量%が好ましく、0.001〜1質量%がより好ましく、0.005〜0.5質量%がさらに好ましい。
これらの発毛因子産生促進剤中における、ビタミン類の濃度は、製品により、特に限定はされないが、効果の点から、ビタミン類として、0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上がさらに好ましく、また10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましい。具体的な範囲としては、0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましく、0.05〜3質量%がさらに好ましい。
これらの発毛因子産生促進剤中における、パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテニルアルコール(パンテノール)、D−パンテテイン、D−パンテチン、補酵素A、及びパントテニールエチルエーテル等のパントテン酸類の濃度は、製品により、特に限定はされないが、効果の点から、0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上がさらに好ましく、また10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましい。具体的な範囲としては、0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましく、0.05〜3質量%がさらに好ましい。
[幹細胞における発毛の賦活]
発毛の過程には、毛乳頭細胞、外毛根鞘細胞、内毛根鞘細胞、毛母細胞の他に、脂肪細胞、脂肪由来間葉系幹細胞、毛包幹細胞などの細胞が関わっている。このうち、脂肪由来幹細胞、毛包幹細胞などからの発毛因子の産生促進により、休止期から成長期への移行を促すことができ、成長期の延期に役立ち、ヘアサイクル再生が促進される。
脂肪細胞由来幹細胞、毛包幹細胞などからの発毛因子の産生促進により、促進された物質は、さらに、結合組織性毛包細胞などの他の細胞に対して、発毛因子の遺伝子発現を促進させることが可能である。本発明の発毛因子促進剤は、幹細胞に作用し、幹細胞からの発毛因子の分泌を促進させるとともに、直接的のみならず他の細胞を介して間接的にもヘアサイクルを再生させることができる。
[毛再生剤及び/又は脱毛抑制剤]
本発明では、ビタミン類、有機酸、及び有機酸の塩からなる群より選択される1種以上を有効成分として含有する毛再生剤及び/又は脱毛抑制剤が提供される。本発明では、特には、ビタミン類、有機酸、及び有機酸の塩からなる群より選択される1種以上を有効成分として含有する毛再生剤及び/又は脱毛抑制剤が提供される。すなわち、本発明によれば、ビタミン類、有機酸、及び有機酸の塩からなる群より選択される1種以上が、幹細胞における発毛因子をコードする遺伝子発現を増強し、それらの産生を促進することで、細胞の休止期から成長期への移行を促すと共に、成長期が適切な期間維持されることを促すことができ、ヘアサイクルを正常な状態に再生することができるので、毛を再生することができ、或いは脱毛の進行を予防することができる。
[外用組成物]
本発明の外用組成物として、好ましくは、毛再生用製品、毛髪再生用製品、発毛用製品(発毛剤等)、養毛用製品(育毛剤等)、又は脱毛抑制用製品等として、調製される。このうち、本発明の外用組成物の用途として、特に好ましくは、頭皮頭髪用化粧品(例えば、シャンプー、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアエッセンス、ヘアミスト、頭皮用ローション、頭皮用クリーム、ヘアトニック、泡タイプ育毛剤、液タイプ育毛剤等)、スキンケア用化粧品(例えば、ローション、クリーム、顔用クリーム、顔用ローション、乳液、パック、液体洗顔料、石鹸、まつげ美容液)、メーキャップ化粧品(例えば、アイライナー、アイブロー)が例示され、最も好ましくは、シャンプー、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアエッセンス、頭皮用ローション、頭皮用クリーム、ヘアトニック、まつげ美容液、アイライナー、アイブローであり得るが、これらに限定されない。
このように、本発明の外用組成物の剤形は、特に限定されず、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ゲル剤、リニメント剤、ローション剤、及びエアゾール剤等が挙げられる。また、ビタミン類、有機酸、及び有機酸の塩からなる群より選択される1種以上を溶解させることができる程度の水を含む場合は軟膏とすることもできる。中でも、液剤、懸濁剤、乳剤、ローション剤、エアゾール剤が好ましく、液剤、ローション剤、エアゾール剤がより好ましい。本発明の外用組成物の剤形は、クリーム剤、乳剤、及び場合により軟膏剤、エアゾール剤等のように、油性基剤と水性基剤とを含む場合は、W/O型でもよく、O/W型でもよいが、使用感が良い点で、O/W型が好ましい。製剤は、第17改正日本薬局方総則に従い、又はこれに準拠して、各成分を混合することにより製造できる。
これらの外用組成物中における、有機酸及び/又は有機酸の塩の濃度は、製品により、特に限定はされないが、効果の点から、有機酸として、0.0001質量%以上が好ましく、0.001質量%以上がより好ましく、0.005質量%以上がさらに好ましく、また5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい。具体的な範囲としては、0.0001〜5質量%が好ましく、0.001〜1質量%がより好ましく、0.005〜0.5質量%がさらに好ましい。
これらの外用組成物中における、ビタミン類の濃度は、製品により、特に限定はされないが、効果の点から、0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上がさらに好ましく、また10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましい。具体的な範囲としては、0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましく、0.05〜3質量%がさらに好ましい。
これらの外用組成物中における、パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテニルアルコール(パンテノール)、D−パンテテイン、D−パンテチン、補酵素A、及びパントテニールエチルエーテル等のパントテン酸類の濃度は、製品により、特に限定はされないが、効果の点から、0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上がさらに好ましく、また10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましい。具体的な範囲としては、0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましく、0.05〜3質量%がさらに好ましい。
基剤・担体
本発明において、外用組成物は、ビタミン類、有機酸、及び有機酸の塩からなる群より選択される1種以上の他、本発明の効果を損なわない範囲で、医薬外用剤、医薬部外品、化粧品用の薬学的又は生理学的に許容される基剤又は担体を含むことができる。
このような基剤又は担体としては、水、エタノール(無水エタノール等)、流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、ワセリン、ゲル化炭化水素(プラスチベースなど)、オゾケライト、a−オレフィンオリゴマー、及び軽質流動パラフィンのような炭化水素;メチルポリシロキサン、ジメチコン、高重合メチルポリシロキサン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリグリセリン変性シリコーン、ポリエーテル変性分岐シリコーン、ポリグリセリン変性分岐シリコーン、アクリルシリコーン、フェニル変性シリコーン、及びシリコーンレジンのようなシリコーン油;ヤシ油、オリーブ油、コメヌカ油、シアバター、ローズヒップ油、アーモンド油のような油脂;ホホバ油、ミウロウ、キャンデリラロウ、及びラノリンのようなロウ類;セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、フィトステロール、及びコレステロールのような高級アルコール;エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロース誘導体;ポリビニルピロリドン;カラギーナン;ポリビニルブチラート;ポリエチレングリコール;ジオキサン;ブチレングリコールアジピン酸ポリエステル;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、及びテトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリットのようなエステル類;デキストリン、及びマルトデキストリンのような多糖類;カルボキシビニルポリマー、及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーのようなビニル系高分子;メタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、test−ブチルアルコール等のような低級(炭素数1〜4)アルコール;並びにエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、及びジプロピレングリコールモノプロピルエーテルのようなグリコールエーテル;グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、プロパンジオール、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、ソルビトール、マンニトール、トレハロース、エリスリトール、キシリトールなどのポリオール類などが挙げられる。
基剤又は担体は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
添加剤
本発明において、外用組成物は、医薬外用剤、医薬部外品、化粧品用の薬学的又は生理学的に許容される添加剤を含むことができる。このような添加剤としては、酸化防止剤、界面活性剤、増粘剤、防腐剤・保存剤、pH調整剤、安定化剤、刺激軽減剤、着色剤、香料、溶解補助剤等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えばアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、カルボン酸系アニオン界面活性剤、スルホン酸系アニオン界面活性剤、リン酸系アニオン界面活性剤、蛋白加水分解物系アニオン界面活性剤等が挙げられる。カルボン酸系アニオン界面活性剤としては、脂肪酸塩、エーテルカルボン酸塩、アミドエーテルカルボン酸塩等が挙げられる。脂肪酸塩としては、例えばC8〜C22の脂肪酸等の塩が挙げられ、具体的にはカプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、アラキジン酸、ベヘン酸等の塩が挙げられる。エーテルカルボン酸塩としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボキシレート、ポリオキシエチレンココイルエーテルカルボキシレート、ポリオキシエチレンラウリルエーテルカルボキシレート、ポリオキシエチレンミリスチルエーテルカルボキシレート等の塩(ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸塩等)が挙げられる。スルホン酸系アニオン界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸塩(ラウリル硫酸塩等のC8〜C22アルキル硫酸塩)、アルキルスルホン酸塩(オレフィンスルホン酸塩、ラウリルスルホン酸塩等のC8〜C22アルキルスルホン酸塩)、アルキルオキシアルキルスルホン酸塩(アルキルオキシC8〜C22アルキルスルホン酸塩)、アルキルアリール硫酸塩(ラウリルフェニル硫酸塩等のC8〜C22アルキルアリール硫酸塩)、アルキルベンゼンスルホン酸塩(ラウリルベンゼンスルホン酸塩等のC8〜C22アルキルベンゼンスルホン酸塩)、アルキルポリオキシエチレン硫酸塩、グリセリル硫酸塩、アシルアルキルタウリン塩(ココイルメチルタウリン塩等のC8〜C22アルカノイルアルキルタウリン塩)、アシルアルキルタウリンタウリン塩(ココイルメチルメチルタウリン等のC8〜C22アルカノイルアルキルタウリンとタウリン塩との混合物)、アシルイセチオン酸塩(ラウロイルイセチオン酸塩等のC8〜C22アルカノイルイセチオン酸塩)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン等)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等)、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミドエーテル硫酸塩、スルホコハク酸塩(C8〜C22アルキルスルホサクシネート、ポリオキシエチレンC8〜C22アルキルスルホサクシネート、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンスルホサクシネート等)等が挙げられる。リン酸系アニオン界面活性剤としては、例えば、モノアルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルリン酸塩等が挙げられる。アミノ酸系アニオン界面活性剤としては、例えば、アシルグルタミン酸塩(ステアロイルグルタミン酸塩、ココイルグルタミン酸塩等のC8〜C22アルカノイルグルタミン酸塩)、アシルグリシン塩(ココイルグリシン塩等のC8〜C22アルカノイルグリシン塩)、アシルアラニン塩(ココイルアラニン塩等のC8〜C22アルカノイルアラニン塩)、アシルアルキルアラニン塩(ラウロイルメチルアラニン塩等のC8〜C22アルカノイルアルキルアラニン塩、例えば、ラウロイルメチルアラニン塩等を含む)、アシルアスパラギン酸塩(ラウロイルアスパラギン酸塩等のC8〜C22アルカノイルアスパラギン酸塩)、モノアルキルリン酸塩(C8〜C22アルキルリン酸塩等)、アシルサルコシン塩(ココイルサルコシン塩等のC8〜C22アルカノイルサルコシン塩)等が挙げられる。蛋白加水分解物系アニオン界面活性剤としては、例えば、アルキル加水分解コラーゲン塩、ヤシ油脂肪酸加水分解コラーゲン塩、アルキル加水分解シルク塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム等を含む)、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩等が挙げられる。これらの塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、カルボベタイン、スルホベタイン、イミダゾリニウムベタイン、アミドベタイン、スルタイン等が挙げられる。具体的には、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等の脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヒドロキシプロピルスルホベタイン、脱塩処理した2級のイミダゾリニウムベタイン、ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン等が挙げられる。
非イオン界面活性剤としては、例えば、アミンオキサイド、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、ショ糖脂肪酸エステル、アルキル糖アミド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油、アルキルモノグリセリルエーテル等が挙げられる。具体的には、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ミリスチルジメチルアミンオキサイド、ミリスチン酸モノエタノールアミド、ミリスチン酸ジノエタノールアミド、イソステアリン酸モノグリセライド、ラウリン酸モノエタノールアミド、オレイン酸モノグリセライド、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタントリオレエート、イソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80等)、モノイソステアリルグリセリルエーテル、ポリオキシエチレンモノステアリルグリセリルエーテル、アルキルポリグルコシド、ココイルグルタミン酸トリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸トリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド等が挙げられる。
添加剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
防腐剤・保存剤としては、イソプロピルメチルフェノール、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ベンジル、パラオキシ安息香酸メチル(メチルパラベン)、フェノキシエタノール、塩化ベンザルコニウム等が挙げられる。
安定化剤としては、エデト酸2ナトリウム、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)等が挙げられる。
薬理活性成分・生理活性成分
本発明において、外用組成物は、ビタミン類、有機酸、及び有機酸の塩からなる群より選択される1種以上以外の、医薬外用剤、医薬部外品、化粧品用の薬理活性成分又は生理活性成分を含むことができる。このような成分としては、血行促進成分、血管新生促進因子、保湿成分、抗炎症成分、ペプチド又はその誘導体、アミノ酸又はその誘導体、細胞賦活化成分、老化防止成分、角質軟化若しくは角質溶解成分、美白成分、収斂成分、血管拡張成分、抗ヒスタミン成分、抗酸化成分、代謝賦活剤、l−メントールなどの清涼化剤等が挙げられる。
保湿成分としては、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、アセチルヒアルロン酸、アセチルヒアルロン酸ナトリウム、加水分解ヒアルロン酸、ヘパリン、及びコンドロイチンのようなムコ多糖等、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-39、ポリクオタニウム-51等のポリクオタニウム等が挙げられる。
抗炎症成分としては、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル、アラントイン、イプシロンアミノカプロン酸、及びそれらの塩(例えば、グリチルリチン酸ジカリウム等が挙げられる。
抗ヒスタミン成分としては、ジフェニルピラリン、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、ジフェニルイミダゾール、又はそれらの塩(例えば、ジフェンヒドラミン塩酸塩)等が挙げられる。
また、例えば、スピラノラクトン、センブリエキス、カプサイシノイド、角質増殖因子(KGF等)、人参エキス(ニンジン抽出物)、ワレモコウエキス、ビワ葉エキス、フコイダン、ハルパゴフィタム根エキス、大豆たん白加水分解物、ミノキシジル、カルプロニウム塩化物、ヒノキチオール、エストラジオール安息香酸エステル、ピリドキシン塩酸塩、レゾルシン、チクセツニンジンチンキ、カシュウチンキ等の育毛成分を含むこともできる。薬理活性成分又は生理活性成分は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
pH
本発明において、外用組成物のpHは、特に限定はされない。好ましくは、約4.0〜8.0、約4.0〜7.5、約4.0〜7.0、約5.0〜8.0、約5.0〜7.5、約5.0〜7.0、約6.0〜8.0、約6.0〜7.5、約6.0〜7.0が挙げられる。
上記範囲であれば、高pHによる頭皮への刺激を避けることができる。また、ビタミン類、有機酸、及び有機酸の塩からなる群より選択される1種以上が溶解し易くなる。
pHの調整は、リン酸、塩酸、硫酸のような無機酸などのpH調整剤を用いて行えばよい。また、必要に応じて、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンのような有機塩基;水酸化カリウム、水酸化ナトリウムのような無機塩基などのpH調整剤を用いて行えばよい。
pH調整剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
[容器]
本発明において、外用組成物を充填する容器は特に限定されない。医薬品外用剤、医薬部外品、化粧品用の容器として用いられるものであればよい。
このような容器材質として、例えば、外用組成物との接触面の一部又は全部、好ましくは全部が、ポリオレフィン、アクリル酸樹脂、テレフタル酸エステル、2、6−ナフタレンジカルボン酸エステル、ポリカーボネート、ポリメチルテルペン、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ABS樹脂、AS樹脂、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエテル、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリイミド、セルロースアセテート、アルミニウム、及びガラスからなる群より選ばれる少なくとも1種の材料で構成されている容器が挙げられる。
[使用方法]
本発明において、外用組成物の使用方法は、使用対象の毛の状態、頭皮の状態、年齢、性別などによって異なるが、例えば以下の方法とすればよい。
即ち、1日数回(例えば、約1〜5回、好ましくは1〜3回)、適量(例えば、約0.5〜2g、又は0.5〜2ml)を皮膚(例えば、頭皮)に適用すればよい。また、ビタミン類、有機酸、及び有機酸の塩からなる群より選択される1種以上の1日使用量が、例えば約0.1〜50mgとなるように組成物を皮膚(例えば、頭皮)に適用すればよい。適用方法は、剤形に合わせて、塗布、又は噴霧等とすればよい。適用期間は、例えば約7日間以上とすればよい。また、本発明の効果が十分に得られるまで適用すればよく、例えば6か月以内、少なくとも4か月以内とすればよい。
本発明の外用組成物は、毛再生、及び/又は脱毛抑制のために使用できる。
[発毛因子産生促進作用付与方法等〕
本発明はまた、外用組成物に、ビタミン類、有機酸、及び有機酸の塩からなる群より選択される1種以上を含有することにより、幹細胞における発毛因子産生促進作用を付与する方法、毛再生及び/又は脱毛抑制作用を付与する方法、に関する。
これらの方法において、ビタミン類、有機酸、及び有機酸の塩からなる群より選択される1種以上、発毛因子等は、外用組成物で説明した内容と同様である。
さらに、本発明は、脂肪細胞由来幹細胞、毛包幹細胞などからの発毛因子の産生促進により、促進された物質を、さらに、結合組織性毛包細胞などの他の細胞に作用させることによって、発毛因子の遺伝子発現を促進させることが可能である。そのような方法においても、ビタミン類、有機酸、及び有機酸の塩からなる群より選択される1種以上、発毛因子等は、外用組成物で説明した内容と同様である。
次に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
発毛促進因子の産生に及ぼすパントテニールエチルエーテル又はL−酒石酸の効果を調べるため、以下の試験を行った。以下の試験では、細胞の培養はCO(5%)インキュベーター内で、37℃にて行った。なお、培地への被験サンプル(パントテニールエチルエーテル又はL−酒石酸)の添加により、培地のpHに変化がないことは確認している。
<試験1:パントテニールエチルエーテルが幹細胞に及ぼす影響>
<試験1−1:遺伝子発現に関する評価>
ヒト脂肪由来間葉系幹細胞(AdMSC)(KURABO社製KW−4109)を5×10cells/wellとなるようにStemLife(KURABO社製LWC−LL0034)を用いて24ウェルプレートに播種し、48時間培養した後、パントテニールエチルエーテルを添加した。その後、さらに24時間あるいは48時間培養し、細胞を回収した。24時間暴露で回収した細胞について、VEGFA及びPDGFDの遺伝子発現を、48時間暴露で回収した細胞について、PGF及びSOD2の遺伝子発現量を、それぞれリアルタイムPCR法にて測定した。なお、コントロールとして、パントテニールエチルエーテルを添加しないものを用いた。結果を図1に示す。
図1に示されるとおり、パントテニールエチルエーテルは0.3%でAdMSCにおけるPDGFDの遺伝子発現を促進した。
また、パントテニールエチルエーテルは0.3%でAdMSCにおけるSOD2の遺伝子発現を促進した。
さらに、パントテニールエチルエーテルは0.03%及び0.3%でAdMSCにおけるVEGFAの遺伝子発現を促進した。
加えて、パントテニールエチルエーテルは0.03〜0.3%でAdMSCにおけるPGFの遺伝子発現を促進し、その濃度が高ければ高いほど遺伝子の発現量が増加した。
これらの結果は、パントテニールエチルエーテルが幹細胞における発毛因子の遺伝子発現を促進することを示している。
<試験1−2:タンパク質産生に関する評価>
AdMSCを5×10cells/wellとなるようにStemLifeを用いて96ウェルプレートに播種し、24時間培養した後、パントテニールエチルエーテルを添加した。その後、さらに72時間培養し、培養上清を回収した。得られた培養上清を用いてVEGF−Aの産生量をHuman VEGF−A ELISA Kit (Ray Bio社製ELH−VEGF)を用いて、FGF−7の産生量をHuman KGF/FGF−7 Quantikine ELISA Kit(R&D systems社製DKG00)を用いてELISA法にて測定した。また、培養上清を採取した後の96ウェルプレートに、培地により1,000倍希釈した細胞核染色剤Hoechst33342(DOJINDO社製H342)を100μL/well添加し、30分後にイメージング機器を用いて核を計数し、細胞数を得た。細胞数あたりのVEGF−AならびにFGF−7濃度を算出し、産生能とした。結果を図2に示す。
図2に示されるとおり、パントテニールエチルエーテルは0.03%及び0.3%でAdMSCにおけるVEGF−Aの産生を促進した。
また、パントテニールエチルエーテルは0.1〜0.3%でAdMSCにおけるFGF−7の産生を促進した。
これらの結果は、パントテニールエチルエーテルが幹細胞における発毛因子の産生を促進することを示している。
<試験2:L−酒石酸が幹細胞に及ぼす影響>
<試験2−1:遺伝子発現に関する評価>
AdMSCを3×10cells/wellとなるようにStemLifeを用いて24ウェルプレートに播種し、72時間培養した後、L−酒石酸を添加した。その後、さらに6時間培養し、細胞を回収した。回収した細胞について、FGF2及びPGFの遺伝子発現量をリアルタイムPCR法にて測定した。なお、コントロールとして、酒石酸を添加しないものを用いた。結果を図3に示す。
図3に示されるとおり、L−酒石酸は1〜3mMでAdMSCにおけるFGF2の遺伝子発現を促進した。
また、L−酒石酸は0.3〜3mMでAdMSCにおけるPGFの遺伝子発現を促進し、その濃度が高ければ高いほど遺伝子の発現量が増加した。
これらの結果は、L−酒石酸が幹細胞における発毛因子の遺伝子発現を促進することを示している。
<試験2−2:タンパク質産生に関する評価>
AdMSCを9.3×10cells/wellとなるようにStemLifeを用いて96ウェルプレートに播種し、24時間培養した後、L−酒石酸を添加した。その後、さらに72時間培養し、培養上清を回収した。得られた培養上清を用いてPGFの産生量をHuman PGF ELISA Kit (abcam社製ab100629)を用いてELISA法にて測定した。また、培養上清を採取した後の96ウェルプレートに、培地により1,000倍希釈した細胞核染色剤Hoechst33342を100μL/well添加し、30分後にイメージング機器を用いて核を計数し、細胞数を得た。細胞数あたりのPGF濃度を算出し、PGF産生能とした。結果を図4に示す。
図4に示されるとおり、L−酒石酸は2mMでAdMSCにおけるPGFの産生を促進した。
これらの結果は、L−酒石酸が幹細胞における発毛因子の産生を促進することを示している。
<試験3:ミノキシジルが幹細胞に及ぼす影響>
AdMSCを3×10cells/wellとなるようにStemLifeを用いて24ウェルプレートに播種し、72時間培養した後、ミノキシジルを添加した。その後、さらに6又は48時間培養し、細胞を回収した。6時間後に回収した細胞を用いて、FGF2及びPGFの遺伝子発現量をリアルタイムPCR法にて測定した。48時間後に回収した細胞を用いて、PDGFDの遺伝子発現量をリアルタイムPCR法にて測定した。なお、コントロールとして、ミノキシジル及び酒石酸を添加しないものを用いた。結果を図5に示す。
図5に示されるとおり、ミノキシジルは50μMでAdMSCにおけるFGF2の遺伝子発現を促進した。
また、ミノキシジルは20〜50μMでAdMSCにおけるPGFの遺伝子発現を促進した。
さらに、ミノキシジルは20〜50μMでAdMSCにおけるPDGFDの遺伝子発現を促進した。
これらの結果は、ミノキシジルが幹細胞における発毛因子の遺伝子発現を促進することを示している。
<試験4:L−酒石酸添加幹細胞の培養上清が結合組織性毛包細胞に及ぼす影響>
(1)幹細胞の培養上清の調製
AdMSCを5×10cells/wellとなるようにStemLifeを用いて24ウェルプレートに播種し、24時間培養した後、L−酒石酸を培地に添加した。その後、さらに48時間培養し、培養上清を得た。なお、コントロールとして、酒石酸を添加しないで培養した培養上清を得た。
(2)結合組織性毛包細胞における遺伝子発現に関する評価
ヒト結合組織性毛包細胞(ScienCell research laboratories 社製2420)を5×10cells/wellとなるようにMesenchymal Stem Cell Medium(ScienCell research laboratories 社製7501)を用いて24ウェルプレートに播種し、48時間培養した後、(1)で得たAdMSC培養上清を添加した。その後、さらに24時間培養し、細胞を回収した。回収した細胞について、線維芽細胞増殖因子7(FGF7)及び肝細胞増殖因子(HGF)の遺伝子発現量をリアルタイムPCR法にて測定した。なお、コントロールとして、酒石酸を添加しないで得たAdMSC培養上清にて培養したHHORSCを用いた。結果を図6に示す。
図6に示されるとおり、L−酒石酸を1mM添加して培養したAdMSCの培養上清は、結合組織性毛包細胞におけるFGF7及びHGFの遺伝子発現を促進した。
これらの結果は、L−酒石酸により幹細胞からの分泌が促進される物質があること、その物質は結合組織性毛包細胞において発毛因子の遺伝子発現を促進することを示している。
以上のことから、L−酒石酸により幹細胞からの分泌が促進される物質は、直接的のみならず他の細胞を介して間接的にもヘアサイクルを再生するものと考えられる。
[製剤例]
下記表1〜2に製剤例を示す。製剤例中の含有量を示す数値は、いずれも質量%である。

Claims (8)

  1. ビタミン類、有機酸、及び有機酸の塩からなる群より選択される1種以上を含有する、幹細胞における発毛因子の産生促進剤。
  2. 前記発毛因子が、血管内皮細胞増殖因子A(VEGF−A)、塩基性線維芽細胞増殖因子2(FGF−2)、塩基性線維芽細胞増殖因子7(FGF−7)、胎盤増殖因子(PGF)、血小板由来成長因子D(PDGF−D)、及びスーパーオキシドディスムターゼ2(SOD2)から選択される1種以上である、請求項1に記載の発毛因子の産生促進剤。
  3. 前記ビタミン類が、ビタミンB群に属する化合物である、請求項1又は2に記載の発毛因子の産生促進剤。
  4. 前記ビタミンB群に属する化合物が、パントテン酸若しくはその塩、又はそれらの誘導体である、請求項3に記載の発毛因子の産生促進剤。
  5. 前記有機酸が、ヒドロキシ酸である、請求項1又は2に記載の発毛因子の産生促進剤。
  6. 前記ヒドロキシ酸が、酒石酸、クエン酸、乳酸、及びグルコン酸から選択される1種以上である、請求項5に記載の発毛因子の産生促進剤。
  7. 前記幹細胞が、脂肪由来幹細胞である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発毛因子の産生促進剤。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の産生促進剤を含有する、毛再生剤及び/又は脱毛抑制剤。
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