JP2014208714A - 毛穴を閉塞する皮脂硬化物の溶解能を有する養毛剤 - Google Patents
毛穴を閉塞する皮脂硬化物の溶解能を有する養毛剤 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】皮脂硬化物を十分に除去することができ、毛根や毛包、毛母細胞に栄養成分を効率的に供給することのできる頭皮用組成物を提供する。
【解決手段】本発明に係る頭皮用組成物では、毛髪の生育を促す栄養成分と、炭素数が1〜6のヒドロキシカルボン酸、植物エキスのうち少なくともいずれか一方を含有し、頭皮より分泌された皮脂の硬化物を溶解する皮脂溶解成分と、炭素数が7以上のヒドロキシカルボン酸と、を含有することとした。
【選択図】なし
【解決手段】本発明に係る頭皮用組成物では、毛髪の生育を促す栄養成分と、炭素数が1〜6のヒドロキシカルボン酸、植物エキスのうち少なくともいずれか一方を含有し、頭皮より分泌された皮脂の硬化物を溶解する皮脂溶解成分と、炭素数が7以上のヒドロキシカルボン酸と、を含有することとした。
【選択図】なし
Description
本発明は、頭皮に使用する頭皮用組成物に関する。
従来、毛髪の成長を促進または維持させることを目的とする養毛剤や、頭皮へ清涼感を与えるヘアートニックなど、様々な頭皮用組成物が開発されている。
これらの頭皮用組成物の多くは、例えば頭髪の養毛を目的とする場合、頭皮に栄養成分を含浸させて、頭髪の毛根や毛包、毛母細胞等に栄養成分を供給することにより、頭髪の生育を促進するようにしている。
ところが、頭皮には、皮膚の代謝活動に伴って発生した皮脂や剥離した角質などが多く存在し、これらが栄養成分の頭皮への浸透を妨げて、十分な養毛効果を生起することができない場合があった。
そこで、頭皮の皮脂や剥離した角質等を除去し、頭皮への栄養成分の浸透を促進することで、養毛効果を向上させた頭皮用組成物が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この頭皮の皮脂や剥離した角質を除去できる頭皮用組成物によれば、養毛効果をさらに発揮させることができるとしている。
しかしながら、上記従来の頭皮用組成物では、頭皮表面の皮脂や汚れは除去できるものの、皮脂や角質、頭皮に付着しているゴミや埃などが混ざり合い、時間が経つに伴って硬化した皮脂硬化物が毛穴内に形成されると、これを除去するのは困難であった。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、皮脂硬化物を十分に除去することができ、毛根や毛包、毛母細胞に栄養成分を効率的に供給することのできる頭皮用組成物を提供する。
上記従来の課題を解決するために、本発明に係る頭皮用組成物では、毛髪の生育を促す栄養成分と、炭素数が1〜6のヒドロキシカルボン酸、植物エキスのうち少なくともいずれか一方を含有し、頭皮より分泌された皮脂の硬化物を溶解する皮脂溶解成分と、炭素数が7以上のヒドロキシカルボン酸と、を含有することとした。
また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の頭皮用組成物において、前記炭素数が1〜6のヒドロキシカルボン酸は、クエン酸、乳酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、メバロン酸から選ばれるいずれか1つ、又は、これら2以上の混合物であることにも特徴を有する。
また、請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の頭皮用組成物において、前記栄養成分は、頭皮の毛細血管を拡張する成分として、センブリエキス、イチョウエキス、キナエキス、ショウブ根エキス、チョウジエキス、チンピエキス、トウヒエキス、トウガラシチンキ、ニコチン酸又はその誘導体、ニンニクエキス、ユズエキス、アセチルコリン、塩化カルプロニウム、γ−オリザノール、クロマカリム、サークレチン、セファランチン、ニコランジル、ビタミンE又はその誘導体、ビオチン、ピナシジル、ヒノキチオール、ミノキシジル、ニンジンエキス、ソフォラ抽出エキス、ハッカエキス、クララエキス、センキュウエキス、ショウキョウチンキ、アシタバエキス、オタネニンジンエキス、カンフル、シャクヤクエキス、シラカバエキス、セージエキスから選ばれる少なくともいずれか1つを含有することにも特徴を有する。
また、請求項4に記載の発明では、請求項1〜3いずれか1項に記載の頭皮用組成物において、前記栄養成分は、毛髪の毛根を刺激し発育を促進する毛髪活性成分として、パンテノール、酵母エキス、タイソウエキス、チクセツニンジンエキス、チョウセンニンジンエキス、プラセンタエキス、ローヤルゼリーエキス、アデノシン三リン酸ジナトリウム、アスパラギン酸カリウム、ペンタデカン酸グリセリド、タカナール、ヨウ化ニンニクエキス、ミノキシジル、ヒノキチオール、アラントイン、ランブータンエキス、ビオチン(ビタミンH)、ビャクヤクシエキス、t−フラバノンから選ばれる少なくともいずれか1つを含有することにも特徴を有する。
請求項1に記載の発明によれば、毛髪の生育を促す栄養成分と、炭素数が1〜6のヒドロキシカルボン酸、植物エキスのうち少なくともいずれか一方を含有し、頭皮より分泌された皮脂の硬化物を溶解する皮脂溶解成分と、炭素数が7以上のヒドロキシカルボン酸と、を含有することとしたため、皮脂硬化物を十分に除去することができ、毛根や毛包、毛母細胞に栄養成分を効率的に供給することのできる養毛剤を提供することができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、前記炭素数が1〜6のヒドロキシカルボン酸は、クエン酸、乳酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、メバロン酸から選ばれるいずれか1つ、又は、これら2以上の混合物であることとしたため、頭皮に過剰な刺激を与えることなく穏やかに刺激して、皮脂硬化物を形成する水溶性の汚れ成分を効率的に除去することができる。
また、請求項3に記載の発明によれば、前記栄養成分は、頭皮の毛細血管を拡張する成分として、センブリエキス、イチョウエキス、キナエキス、ショウブ根エキス、チョウジエキス、チンピエキス、トウヒエキス、トウガラシチンキ、ニコチン酸又はその誘導体、ニンニクエキス、ユズエキス、アセチルコリン、塩化カルプロニウム、γ−オリザノール、クロマカリム、サークレチン、セファランチン、ニコランジル、ビタミンE又はその誘導体、ビオチン、ピナシジル、ヒノキチオール、ミノキシジル、ニンジンエキス、ソフォラ抽出エキス、ハッカエキス、クララエキス、センキュウエキス、ショウキョウチンキ、アシタバエキス、オタネニンジンエキス、カンフル、シャクヤクエキス、シラカバエキス、セージエキスから選ばれる少なくともいずれか1つを含有することとしたため、血流を穏やかに促進して、毛根や毛包、毛母細胞に栄養成分を効率的に供給させることができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、前記栄養成分は、毛髪の毛根を刺激し発育を促進する毛髪活性成分として、パンテノール、酵母エキス、タイソウエキス、チクセツニンジンエキス、チョウセンニンジンエキス、プラセンタエキス、ローヤルゼリーエキス、アデノシン三リン酸ジナトリウム、アスパラギン酸カリウム、ペンタデカン酸グリセリド、タカナール、ヨウ化ニンニクエキス、ミノキシジル、ヒノキチオール、アラントイン、ランブータンエキス、ビオチン(ビタミンH)、ビャクヤクシエキス、t−フラバノンから選ばれる少なくともいずれか1つを含有することとしたため、栄養成分の受け手側である毛包の受容能力を向上させて、養毛効果をさらに生起することができる。
本発明は、毛髪の生育を促す栄養成分と、炭素数が1〜6のヒドロキシカルボン酸、植物エキスのうち少なくともいずれか一方を含有し、頭皮より分泌された皮脂の硬化物を溶解する皮脂溶解成分と、炭素数が7以上のヒドロキシカルボン酸と、を含有する頭皮用組成物を提供するものである。
従来、養毛剤等により頭髪の養毛を行う場合、毛穴を閉塞する皮脂硬化物が栄養成分の浸透を妨げていることは知られていたが、この皮脂硬化物を効果的に除去する方法は未だ知られていなかった。
すなわち、従来の養毛剤等では、頭皮表面の皮脂や汚れを除去することで、頭皮表面から頭皮内へ栄養成分を供給することができたものの、毛髪の直近傍である毛穴から栄養成分を浸透させることができなかったため、効果的な養毛を行うことができなかったのである。
そのため、特に医療分野では、中空状の微細な針により、頭皮の複数箇所に穿刺して栄養成分を注入する、いわゆるメソセラピーが行われている。
しかしながら、このメソセラピーは医療行為であり、個人が手軽に行えるものではなく、個人的に毛根や毛包、毛母細胞の近傍に栄養成分を供給するのは困難なものであった。
一方、本発明に係る頭皮用組成物によれば、従来の頭皮用組成物では除去することが困難であった皮脂硬化物、特に毛穴内に形成された皮脂硬化物を効率的に除去して、栄養成分を毛根や毛包、毛母細胞に供給することができることとなる。
すなわち、頭皮に穿刺することなく、元来頭皮にピット状に存在する毛穴を利用して栄養成分を毛根や毛包、毛母細胞に供給することにより、あたかもメソセラピーと同様の養毛効果を実現するようにしたものと言える。
しかも、本発明に係る頭皮用組成物は、頭皮に対する過剰な刺激が少なく、皮膚に炎症等を起こすおそれが低いという特徴や、毛髪への直接的なダメージを与えるおそれが少ないという特徴を有しており、若年層から高齢者に至るまで、頭髪の薄毛が気になる人に広く使用させることができる。
また、皮脂硬化物を効率よく溶解する一方、一旦溶解した皮脂が再度硬化物を形成することがないため、皮膚に形成された皮脂硬化物を効率よく除去することができる。
ここで、炭素数が1〜6のヒドロキシカルボン酸は、頭皮表層部に存在する古い角質を穏やかに剥離すると共に、比較的水溶性が高いため、毛穴内の水溶性の汚れを除去する役割を果たすものである。
この炭素数が1〜6のヒドロキシカルボン酸は、例えば、クエン酸、乳酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、メバロン酸から選ばれるいずれか1つ、またはこれらの混合物とするのが好ましい。
これらの成分を使用することにより、上述の効果に併せて、頭皮を穏やかに刺激して、角質再生を促すことができる。
なお、皮脂溶解成分として、例えばサリチル酸などのβ−ヒドロキシ酸を加えるようにしても良い。β−ヒドロキシ酸もまた、頭皮表層部に存在する古い角質を穏やかに剥離するものであるが、比較的油溶性が高い(水溶性が低い)ため、毛穴内に固着した皮脂などの油溶性の汚れを除去する役割を果たすものである。
植物エキスは、皮脂硬化物を溶解可能であれば特に限定されるものではなく、たとえば、延命草、オトギリソウ、オオムギ、オレンジ、キュウリ、ゴボウ、シイタケ、ジオウ、デューク、冬虫夏草、ビワ、ブドウ葉、プルーン、ヘチマ、マイカイ、ユリ、リンゴ等のエキスを使用することができる。
炭素数が7以上のヒドロキシカルボン酸は、前述の皮脂溶解成分と協働することにより、皮脂硬化物の溶解を助長する役割を担っている。この炭素数が7以上のヒドロキシカルボン酸としては、例えば、マンデル酸(C8H8O3)、クマル酸(C9H8O3)、コーヒー酸(C9H8O4)、フェルラ酸(C10H10O4)、ベンジル酸(C14H12O3)を好適に用いることができる。
この炭素数が7以上のヒドロキシカルボン酸は、頭皮用組成物中に約0.01〜10%含有することにより、皮脂溶解成分の皮脂硬化物溶解能を飛躍的に向上させることができる。
また、上述してきた頭皮用組成物中には、頭皮の毛細血管を拡張する成分として、センブリエキス、イチョウエキス、キナエキス、ショウブ根エキス、チョウジエキス、チンピエキス、トウヒエキス、トウガラシチンキ、ニコチン酸又はその誘導体、ニンニクエキス、ユズエキス、アセチルコリン、塩化カルプロニウム、γ−オリザノール、クロマカリム、サークレチン、セファランチン、ニコランジル、ビタミンE又はその誘導体、ビオチン、ピナシジル、ヒノキチオール、ミノキシジル、ニンジンエキス、ソフォラ抽出エキス、ハッカエキス、クララエキス、センキュウエキス、ショウキョウチンキ、アシタバエキス、オタネニンジンエキス、カンフル、シャクヤクエキス、シラカバエキス、セージエキスから選ばれる少なくともいずれか1つを含有することとしても良い。
これらの成分を使用することにより、頭皮に炎症が起こるおそれを低くしながら、血流を穏やかに促進することができ、毛根周囲を取り巻く毛細血管を介して、毛根や毛包、毛母細胞に栄養成分を効率的に供給させることができる。
また、頭皮用組成物中には、毛髪の毛根を刺激し発育を促進する毛髪活性成分として、パンテノール、酵母エキス、タイソウエキス、チクセツニンジンエキス、チョウセンニンジンエキス、プラセンタエキス、ローヤルゼリーエキス、アデノシン三リン酸ジナトリウム、アスパラギン酸カリウム、ペンタデカン酸グリセリド、タカナール、ヨウ化ニンニクエキス、ミノキシジル、ヒノキチオール、アラントイン、ランブータンエキス、ビオチン(ビタミンH)、ビャクヤクシエキス、t−フラバノンから選ばれる少なくともいずれか1つを含有することとしても良い。
これらの成分を毛髪活性成分として使用することにより、栄養成分の受け手側である毛包の受容能力を向上させて、栄養成分を毛根や毛包、毛母細胞に効率的に吸収させて、養毛効果をさらに生起することができる。
また、頭皮用組成物には、皮脂硬化物溶解促進成分、保湿成分、毛髪成長促進成分、抗男性ホルモン成分、紫外線防御成分、消臭成分、毛髪生成周期改善成分、頭皮柔軟化成分、細胞賦活成分、頭皮環境改善成分等を添加するようにしても良い。
保湿成分や毛髪成長促進成分としては、例えばボタンピエキス、アマチャエキス、オトギリソウエキス、コレウスエキス、マサキ抽出物、コウカエキス、マイカイ花エキス、チョレイエキス、サンザシエキス、ローズマリーエキス、デュークエキス、カミツレエキス、オドリコソウエキス、レイシエキス、セイヨウノコギリソウエキス、アロエエキス、マロニエエキス、アスナロエキス、ヒバマタエキス、オスモインエキス、オーツ麦エキス、チューベロースポリサッカライド、冬虫夏草エキス、オオムギエキス、オレンジ抽出物、ジオウエキス、PCAメンチル、サンショウエキス及びヨクイニンエキスから選ばれるものなどを挙げることができる。上記した活性成分は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
抗男性ホルモン成分や紫外線防御成分や消臭成分としては、ベンゾフェノン類、桂皮酸類、パラアミノ安息香酸類、ベンゾトリアゾール類、リョクチャエキス、ローズマリーエキス、センブリエキス、クワエキス、クララエキス、バラエキス、リンゴエキス、ヨモギエキス、レモンエキス、ボダイジュエキス、ニンジンエキス、ユーカリエキス、オウゴンエキス、パセリエキス、ドクダミエキスから選ばれるものなどを挙げることができる。上記した活性成分は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
毛髪生成周期改善成分や頭皮柔軟化成分や細胞賦活成分や頭皮環境改善成分としては、サンショウ抽出物、ビタミン類、褐藻エキス、コリン、イチョウ葉エキス、必須脂肪酸、エイコサトリエン酸、女性ホルモン、副腎皮質ホルモン、抗高血圧剤、TCA回路関連物質、各種アミノ酸から選ばれるものなどを挙げることができる。上記した活性成分は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
なお、頭皮用組成物に添加する成分は、上述した以外にも、一般に養毛剤やヘアートニック等として使用される成分であれば添加しても良いのはいうまでもない。
ところで、本発明に係る頭皮用組成物は、上述の組成としているため、効率的に皮脂固化物を溶解可能でありながら、皮膚に対する刺激が比較的大きいエタノールの含量を減らすことができるという効果も有している。
具体的には、従来知られている皮脂を溶解するための養毛剤やヘアートニックには、例えば、70〜80%程度のエタノールが含まれていることが多い。
このエタノールは、皮脂を溶解するのに効果的ではあるものの、皮膚への刺激が大きく、肌荒れなどを引き起こすおそれもあった。
また、高濃度のエタノールが含まれている養毛剤やヘアートニックを頭部に滴下したり塗布した場合、液量が多いと顔面に流下することがあるが、流下した液が顔面皮膚に付着して肌荒れを誘発したり、目に入ると相当の痛みを感じるということがある。
一方、本発明に係る頭皮用組成物によれば、エタノール含量を例えば50%以下としても、高効率で皮脂硬化物を溶解させることができるため、頭皮や顔面皮膚、手指の皮膚に与える刺激を可及的低減させて、安全に養毛効果を生起できるという長所がある。
次に、本実施形態に係る頭皮用組成物の調製について述べる。なお、以下では、本発明に係る一実施形態として、養毛剤を例に挙げて説明する。
〔養毛剤の調製〕
まず、下記の表1に示す配合表に示した成分を配合した本発明に係る養毛剤A〜D(4種)を常法に従い調製した。各養毛剤A〜Dは、それぞれ、含有させた炭素数が7以上のヒドロキシカルボン酸の炭素数を違えたものである。
まず、下記の表1に示す配合表に示した成分を配合した本発明に係る養毛剤A〜D(4種)を常法に従い調製した。各養毛剤A〜Dは、それぞれ、含有させた炭素数が7以上のヒドロキシカルボン酸の炭素数を違えたものである。
〔比較対象用養毛剤の調製〕
次に、表2に示す配合表に示した成分を配合した比較対象用の養毛剤Zを常法に従い調製した。
次に、表2に示す配合表に示した成分を配合した比較対象用の養毛剤Zを常法に従い調製した。
〔比較試験1〕
前述の養毛剤A〜D及び養毛剤Zを用いて、ウサギ耳介を用いた皮脂硬化物抑制試験を以下の手法に従って行った。
前述の養毛剤A〜D及び養毛剤Zを用いて、ウサギ耳介を用いた皮脂硬化物抑制試験を以下の手法に従って行った。
まず、入荷して1週間訓化した12羽のウサギの耳介にリンシードオイルを14日間塗布し、皮脂硬化物を惹起させた。
次いで、このウサギを試験群6羽及び比較対照群6羽にそれぞれ分けて、被験部位については、右耳介をコントロール(無処置)とし、左耳介を試料塗布部位とした。
試験群には養毛剤A〜Dを、比較対照群には養毛剤Zを15日目に塗布し、7日間Klingman & Milssの方法により試験を行い、得られたデータから平均値を算出して評価を行った。なお、判定基準は表3に示す通りである。
判定基準に従って得られた結果を表4に示す。
表4にも示すように、養毛剤Zを塗布した比較対照群の各個体の試料塗布部位(左耳介)は、コントロール(右耳介)と比較して顕著な変化は認められなかった。一方、試験群の各個体の試料塗布部位(左耳介)は、コントロール(右耳介)に比して、1日目から皮脂硬化物の抑制効果が認められ、その後も経時的に皮脂硬化物を顕著に抑制する結果となった。中でも、養毛剤Cが顕著に皮脂硬化物を抑制した。
このように本比較試験1の結果から、本実施形態に係る養毛剤は、皮脂硬化物を十分に除去することができることが示された。
〔比較試験2〕
次に、前述の養毛剤A〜D及び養毛剤Zを用いて、ヒトを対象とした育毛試験を行った。
次に、前述の養毛剤A〜D及び養毛剤Zを用いて、ヒトを対象とした育毛試験を行った。
試験は、脱毛に悩む被験者90名を試験群と比較対照群の2群に分けて行った。試験群は、養毛剤Aを使用する試験群A、養毛剤Bを使用する試験群B、養毛剤Cを使用する試験群C、養毛剤Dを使用する試験群Dの4群に各18人づつ更に分けた。一方、養毛剤Zを使用する比較対照群も同様に18人を振り分けた。各群とも養毛剤を1日2回(朝及び夜)、3ヶ月間継続使用させ、育毛の状態を評価した。
育毛評価は二重盲検法にて実施し、表5に示す判定表に準じて評価を行った。
このようにして行った評価の結果を表6に示す。
表6にも示すように、比較対照群では、無効が6名(33.3%)、やや有効が9名(50.0%)、有効が3名(16.7%)、極めて有効が0名(0.0%)であったが、試験群Aにおいては、無効が5名(27.8%)、やや有効が9名(50.0%)、有効が2名(11.1%)、極めて有効が2名(11.1%)であり、試験群Bにおいては、無効が2名(11.1%)、やや有効が9名(50.0%)、有効が3名(16.7%)、極めて有効が4名(22.2%)であり、試験群Cにおいては、無効が0名(0.0%)、やや有効が3名(16.7%)、有効が4名(22.2%)、極めて有効が11名(61.1%)であり、試験群Dにおいては、無効が0名(0.0%)、やや有効が5名(27.8%)、有効が4名(22.2%)、極めて有効が9名(50.0%)であり、養毛剤A〜Dは育毛に極めて有効であることが示唆された。特に、評点の合算から、養毛剤B〜Dが特に有効であることが示された。
これは、比較試験1での結果にも見られたように、効果的に皮脂硬化物を除去し、栄養成分が効率的に頭皮に吸収されていることを裏付ける結果であるものと考えられる。
上述してきたように、本発明に係る頭皮用組成物では、毛髪の生育を促す栄養成分と、炭素数が1〜6のヒドロキシカルボン酸、植物エキスのうち少なくともいずれか一方の皮脂溶解成分と、炭素数が7以上のヒドロキシカルボン酸とを含有することとしたため、従来毛穴から除去するのが困難であった皮脂硬化物を効果的に除去して、栄養成分を毛髪に供給することができ、効率的な養毛を行うことができる。
最後に、上述した各実施の形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんである。
本発明は、頭皮に使用される毛穴を閉塞する皮脂硬化物の溶解能を有する養毛剤に関する。
従来、毛髪の成長を促進または維持させることを目的とする養毛剤や、頭皮へ清涼感を与えるヘアートニックなど、様々な頭皮用組成物が開発されている。
これらの頭皮用組成物の多くは、例えば頭髪の養毛を目的とする場合、頭皮に栄養成分を含浸させて、頭髪の毛根や毛包、毛母細胞等に栄養成分を供給することにより、頭髪の生育を促進するようにしている。
ところが、頭皮には、皮膚の代謝活動に伴って発生した皮脂や剥離した角質などが多く存在し、これらが栄養成分の頭皮への浸透を妨げて、十分な養毛効果を生起することができない場合があった。
そこで、頭皮の皮脂や剥離した角質等を除去し、頭皮への栄養成分の浸透を促進することで、養毛効果を向上させた頭皮用組成物が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この頭皮の皮脂や剥離した角質を除去できる頭皮用組成物によれば、養毛効果をさらに発揮させることができるとしている。
しかしながら、上記従来の頭皮用組成物では、頭皮表面の皮脂や汚れは除去できるものの、皮脂や角質、頭皮に付着しているゴミや埃などが混ざり合い、時間が経つに伴って硬化した皮脂硬化物が毛穴内に形成されると、これを除去するのは困難であった。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、皮脂硬化物を十分に除去することができ、毛根や毛包、毛母細胞に栄養成分を効率的に供給することのできる毛穴を閉塞する皮脂硬化物の溶解能を有する養毛剤を提供する。
上記従来の課題を解決するために、本発明に係る毛穴を閉塞する皮脂硬化物の溶解能を有する養毛剤では、毛髪の生育を促す栄養成分としての、センブリエキス、イチョウエキス、ショウブ根エキス、チョウジエキス、チンピエキス、トウヒエキス、トウガラシチンキ、ニンニクエキス、ユズエキス、ニンジンエキス、ソフォラ抽出エキス、ハッカエキス、クララエキス、センキュウエキス、ショウキョウチンキ、アシタバエキス、オタネニンジンエキス、シャクヤクエキス、シラカバエキス、セージエキス等から選ばれる少なくともいずれか1つの頭皮の毛細血管を拡張する植物性のエキスと、炭素数が1〜6のヒドロキシカルボン酸を含有し、頭皮より分泌された皮脂の硬化物を溶解する皮脂溶解成分と、炭素数が9以上のヒドロキシカルボン酸と、を含有することとした。
また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の毛穴を閉塞する皮脂硬化物の溶解能を有する養毛剤において、前記植物性のエキスはセンブリエキス及び/又はイチョウエキスであることにも特徴を有する。
また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の毛穴を閉塞する皮脂硬化物の溶解能を有する養毛剤において、前記植物性のエキスはセンブリエキス及び/又はイチョウエキスであることにも特徴を有する。
また、請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の毛穴を閉塞する皮脂硬化物の溶解能を有する養毛剤において、前記炭素数が1〜6のヒドロキシカルボン酸は、クエン酸、乳酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、メバロン酸から選ばれるいずれか1つ、又は、これら2以上の混合物であることにも特徴を有する。
また、請求項4に記載の発明では、請求項1〜3いずれか1項に記載の毛穴を閉塞する皮脂硬化物の溶解能を有する養毛剤において、前記栄養成分は、頭皮の毛細血管を拡張する成分として、キナエキス、ショウブ根エキス、チョウジエキス、チンピエキス、トウヒエキス、トウガラシチンキ、ニコチン酸又はその誘導体、ニンニクエキス、ユズエキス、アセチルコリン、塩化カルプロニウム、γ−オリザノール、クロマカリム、サークレチン、セファランチン、ニコランジル、ビタミンE又はその誘導体、ビオチン、ピナシジル、ヒノキチオール、ミノキシジル、ニンジンエキス、ソフォラ抽出エキス、ハッカエキス、クララエキス、センキュウエキス、ショウキョウチンキ、アシタバエキス、オタネニンジンエキス、カンフル、シャクヤクエキス、シラカバエキス、セージエキスから選ばれる少なくともいずれか1つを含有することにも特徴を有する。
また、請求項5に記載の発明では、請求項1〜4いずれか1項に記載の毛穴を閉塞する皮脂硬化物の溶解能を有する養毛剤において、前記栄養成分は、毛髪の毛根を刺激し発育を促進する毛髪活性成分として、パンテノール、酵母エキス、タイソウエキス、チクセツニンジンエキス、チョウセンニンジンエキス、プラセンタエキス、ローヤルゼリーエキス、アデノシン三リン酸ジナトリウム、アスパラギン酸カリウム、ペンタデカン酸グリセリド、タカナール、パントテン酸エチル、ヨウ化ニンニクエキス、ミノキシジル、ヒノキチオール、アラントイン、ランブータンエキス、ビオチン(ビタミンH)、ビャクヤクシエキス、t−フラバノンから選ばれる少なくともいずれか1つを含有することにも特徴を有する。
請求項1に記載の発明によれば、毛髪の生育を促す栄養成分としての、センブリエキス、イチョウエキス、ショウブ根エキス、チョウジエキス、チンピエキス、トウヒエキス、トウガラシチンキ、ニンニクエキス、ユズエキス、ニンジンエキス、ソフォラ抽出エキス、ハッカエキス、クララエキス、センキュウエキス、ショウキョウチンキ、アシタバエキス、オタネニンジンエキス、シャクヤクエキス、シラカバエキス、セージエキス等から選ばれる少なくともいずれか1つの頭皮の毛細血管を拡張する植物性のエキスと、炭素数が1〜6のヒドロキシカルボン酸を含有し、頭皮より分泌された皮脂の硬化物を溶解する皮脂溶解成分と、炭素数が9以上のヒドロキシカルボン酸と、を含有することとしたため、皮脂硬化物を十分に除去することができ、毛根や毛包、毛母細胞に栄養成分を効率的に供給することのできる毛穴を閉塞する皮脂硬化物の溶解能を有する養毛剤を提供することができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、前記植物性のエキスはセンブリエキス及び/又はイチョウエキスであることとしたため、皮脂硬化物を十分に除去することができる毛穴を閉塞する皮脂硬化物の溶解能を有する養毛剤を提供することができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、前記植物性のエキスはセンブリエキス及び/又はイチョウエキスであることとしたため、皮脂硬化物を十分に除去することができる毛穴を閉塞する皮脂硬化物の溶解能を有する養毛剤を提供することができる。
また、請求項3に記載の発明によれば、前記炭素数が1〜6のヒドロキシカルボン酸は、クエン酸、乳酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、メバロン酸から選ばれるいずれか1つ、又は、これら2以上の混合物であることとしたため、頭皮に過剰な刺激を与えることなく穏やかに刺激して、皮脂硬化物を形成する水溶性の汚れ成分を効率的に除去することができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、前記栄養成分は、頭皮の毛細血管を拡張する成分として、キナエキス、ショウブ根エキス、チョウジエキス、チンピエキス、トウヒエキス、トウガラシチンキ、ニコチン酸又はその誘導体、ニンニクエキス、ユズエキス、アセチルコリン、塩化カルプロニウム、γ−オリザノール、クロマカリム、サークレチン、セファランチン、ニコランジル、ビタミンE又はその誘導体、ビオチン、ピナシジル、ヒノキチオール、ミノキシジル、ニンジンエキス、ソフォラ抽出エキス、ハッカエキス、クララエキス、センキュウエキス、ショウキョウチンキ、アシタバエキス、オタネニンジンエキス、カンフル、シャクヤクエキス、シラカバエキス、セージエキスから選ばれる少なくともいずれか1つを含有することとしたため、血流を穏やかに促進して、毛根や毛包、毛母細胞に栄養成分を効率的に供給させることができる。
また、請求項5に記載の発明によれば、前記栄養成分は、毛髪の毛根を刺激し発育を促進する毛髪活性成分として、パンテノール、酵母エキス、タイソウエキス、チクセツニンジンエキス、チョウセンニンジンエキス、プラセンタエキス、ローヤルゼリーエキス、アデノシン三リン酸ジナトリウム、アスパラギン酸カリウム、ペンタデカン酸グリセリド、タカナール、パントテン酸エチル、ヨウ化ニンニクエキス、ミノキシジル、ヒノキチオール、アラントイン、ランブータンエキス、ビオチン(ビタミンH)、ビャクヤクシエキス、t−フラバノンから選ばれる少なくともいずれか1つを含有することとしたため、栄養成分の受け手側である毛包の受容能力を向上させて、養毛効果をさらに生起することができる。
本発明は、毛髪の生育を促す栄養成分と、炭素数が1〜6のヒドロキシカルボン酸、植物エキスのうち少なくともいずれか一方を含有し、頭皮より分泌された皮脂の硬化物を溶解する皮脂溶解成分と、炭素数が7以上のヒドロキシカルボン酸と、を含有する頭皮用組成物を提供するものである。
従来、養毛剤等により頭髪の養毛を行う場合、毛穴を閉塞する皮脂硬化物が栄養成分の浸透を妨げていることは知られていたが、この皮脂硬化物を効果的に除去する方法は未だ知られていなかった。
すなわち、従来の養毛剤等では、頭皮表面の皮脂や汚れを除去することで、頭皮表面から頭皮内へ栄養成分を供給することができたものの、毛髪の直近傍である毛穴から栄養成分を浸透させることができなかったため、効果的な養毛を行うことができなかったのである。
そのため、特に医療分野では、中空状の微細な針により、頭皮の複数箇所に穿刺して栄養成分を注入する、いわゆるメソセラピーが行われている。
しかしながら、このメソセラピーは医療行為であり、個人が手軽に行えるものではなく、個人的に毛根や毛包、毛母細胞の近傍に栄養成分を供給するのは困難なものであった。
一方、本発明に係る頭皮用組成物によれば、従来の頭皮用組成物では除去することが困難であった皮脂硬化物、特に毛穴内に形成された皮脂硬化物を効率的に除去して、栄養成分を毛根や毛包、毛母細胞に供給することができることとなる。
すなわち、頭皮に穿刺することなく、元来頭皮にピット状に存在する毛穴を利用して栄養成分を毛根や毛包、毛母細胞に供給することにより、あたかもメソセラピーと同様の養毛効果を実現するようにしたものと言える。
しかも、本発明に係る頭皮用組成物は、頭皮に対する過剰な刺激が少なく、皮膚に炎症等を起こすおそれが低いという特徴や、毛髪への直接的なダメージを与えるおそれが少ないという特徴を有しており、若年層から高齢者に至るまで、頭髪の薄毛が気になる人に広く使用させることができる。
また、皮脂硬化物を効率よく溶解する一方、一旦溶解した皮脂が再度硬化物を形成することがないため、皮膚に形成された皮脂硬化物を効率よく除去することができる。
ここで、炭素数が1〜6のヒドロキシカルボン酸は、頭皮表層部に存在する古い角質を穏やかに剥離すると共に、比較的水溶性が高いため、毛穴内の水溶性の汚れを除去する役割を果たすものである。
この炭素数が1〜6のヒドロキシカルボン酸は、例えば、クエン酸、乳酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、メバロン酸から選ばれるいずれか1つ、またはこれらの混合物とするのが好ましい。
これらの成分を使用することにより、上述の効果に併せて、頭皮を穏やかに刺激して、角質再生を促すことができる。
なお、皮脂溶解成分として、例えばサリチル酸などのβ−ヒドロキシ酸を加えるようにしても良い。β−ヒドロキシ酸もまた、頭皮表層部に存在する古い角質を穏やかに剥離するものであるが、比較的油溶性が高い(水溶性が低い)ため、毛穴内に固着した皮脂などの油溶性の汚れを除去する役割を果たすものである。
植物エキスは、皮脂硬化物を溶解可能であれば特に限定されるものではなく、たとえば、延命草、オトギリソウ、オオムギ、オレンジ、キュウリ、ゴボウ、シイタケ、ジオウ、デューク、冬虫夏草、ビワ、ブドウ葉、プルーン、ヘチマ、マイカイ、ユリ、リンゴ等のエキスを使用することができる。
炭素数が7以上のヒドロキシカルボン酸は、前述の皮脂溶解成分と協働することにより、皮脂硬化物の溶解を助長する役割を担っている。この炭素数が7以上のヒドロキシカルボン酸としては、例えば、マンデル酸(C8H8O3)、クマル酸(C9H8O3)、コーヒー酸(C9H8O4)、フェルラ酸(C10H10O4)、ベンジル酸(C14H12O3)を好適に用いることができる。
この炭素数が7以上のヒドロキシカルボン酸は、頭皮用組成物中に約0.01〜10%含有することにより、皮脂溶解成分の皮脂硬化物溶解能を飛躍的に向上させることができる。
また、上述してきた頭皮用組成物中には、頭皮の毛細血管を拡張する成分として、センブリエキス、イチョウエキス、キナエキス、ショウブ根エキス、チョウジエキス、チンピエキス、トウヒエキス、トウガラシチンキ、ニコチン酸又はその誘導体、ニンニクエキス、ユズエキス、アセチルコリン、塩化カルプロニウム、γ−オリザノール、クロマカリム、サークレチン、セファランチン、ニコランジル、ビタミンE又はその誘導体、ビオチン、ピナシジル、ヒノキチオール、ミノキシジル、ニンジンエキス、ソフォラ抽出エキス、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ハッカエキス、クララエキス、センキュウエキス、ショウキョウチンキ、アシタバエキス、オタネニンジンエキス、カンフル、シャクヤクエキス、シラカバエキス、セージエキス、ナイアシンアミドから選ばれる少なくともいずれか1つを含有することとしても良い。
これらの成分を使用することにより、頭皮に炎症が起こるおそれを低くしながら、血流を穏やかに促進することができ、毛根周囲を取り巻く毛細血管を介して、毛根や毛包、毛母細胞に栄養成分を効率的に供給させることができる。
また、頭皮用組成物中には、毛髪の毛根を刺激し発育を促進する毛髪活性成分として、パンテノール、酵母エキス、タイソウエキス、チクセツニンジンエキス、チョウセンニンジンエキス、プラセンタエキス、ローヤルゼリーエキス、アデノシン三リン酸ジナトリウム、アスパラギン酸カリウム、ペンタデカン酸グリセリド、タカナール、パントテン酸エチル、ヨウ化ニンニクエキス、ミノキシジル、ヒノキチオール、アラントイン、ランブータンエキス、ビオチン(ビタミンH)、ビャクヤクシエキス、t−フラバノンから選ばれる少なくともいずれか1つを含有することとしても良い。
これらの成分を毛髪活性成分として使用することにより、栄養成分の受け手側である毛包の受容能力を向上させて、栄養成分を毛根や毛包、毛母細胞に効率的に吸収させて、養毛効果をさらに生起することができる。
また、頭皮用組成物には、皮脂硬化物溶解促進成分、保湿成分、毛髪成長促進成分、抗男性ホルモン成分、紫外線防御成分、消臭成分、毛髪生成周期改善成分、頭皮柔軟化成分、細胞賦活成分、頭皮環境改善成分等を添加するようにしても良い。
保湿成分や毛髪成長促進成分としては、例えばボタンピエキス、アマチャエキス、オトギリソウエキス、コレウスエキス、マサキ抽出物、コウカエキス、マイカイ花エキス、チョレイエキス、サンザシエキス、ローズマリーエキス、デュークエキス、カミツレエキス、オドリコソウエキス、レイシエキス、セイヨウノコギリソウエキス、アロエエキス、マロニエエキス、アスナロエキス、ヒバマタエキス、オスモインエキス、オーツ麦エキス、チューベロースポリサッカライド、冬虫夏草エキス、オオムギエキス、オレンジ抽出物、ジオウエキス、PCAメンチル、サンショウエキス及びヨクイニンエキスから選ばれるものなどを挙げることができる。上記した活性成分は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
抗男性ホルモン成分や紫外線防御成分や消臭成分としては、ベンゾフェノン類、桂皮酸類、パラアミノ安息香酸類、ベンゾトリアゾール類、リョクチャエキス、ローズマリーエキス、クワエキス、クララエキス、バラエキス、リンゴエキス、ヨモギエキス、レモンエキス、ボダイジュエキス、ニンジンエキス、ユーカリエキス、オウゴンエキス、パセリエキス、ドクダミエキスから選ばれるものなどを挙げることができる。上記した活性成分は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
毛髪生成周期改善成分や頭皮柔軟化成分や細胞賦活成分や頭皮環境改善成分としては、サンショウ抽出物、ビタミン類、褐藻エキス、コリン、イチョウ葉エキス、必須脂肪酸、エイコサトリエン酸、女性ホルモン、副腎皮質ホルモン、抗高血圧剤、TCA回路関連物質、各種アミノ酸から選ばれるものなどを挙げることができる。上記した活性成分は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
なお、頭皮用組成物に添加する成分は、上述した以外にも、一般に養毛剤やヘアートニック等として使用される成分であれば添加しても良いのはいうまでもない。
ところで、本発明に係る頭皮用組成物は、上述の組成としているため、効率的に皮脂固化物を溶解可能でありながら、皮膚に対する刺激が比較的大きいエタノールの含量を減らすことができるという効果も有している。
具体的には、従来知られている皮脂を溶解するための養毛剤やヘアートニックには、例えば、70〜80%程度のエタノールが含まれていることが多い。
このエタノールは、皮脂を溶解するのに効果的ではあるものの、皮膚への刺激が大きく、肌荒れなどを引き起こすおそれもあった。
また、高濃度のエタノールが含まれている養毛剤やヘアートニックを頭部に滴下したり塗布した場合、液量が多いと顔面に流下することがあるが、流下した液が顔面皮膚に付着して肌荒れを誘発したり、目に入ると相当の痛みを感じるということがある。
一方、本発明に係る頭皮用組成物によれば、エタノール含量を例えば50%以下としても、高効率で皮脂硬化物を溶解させることができるため、頭皮や顔面皮膚、手指の皮膚に与える刺激を可及的低減させて、安全に養毛効果を生起できるという長所がある。
次に、本実施形態に係る頭皮用組成物の調製について述べる。なお、以下では、本発明に係る一実施形態として、養毛剤を例に挙げて説明する。
〔養毛剤の調製〕
まず、下記の表1に示す配合表に示した成分を配合した本発明に係る養毛剤A〜D(4種)を常法に従い調製した。各養毛剤A〜Dは、それぞれ、含有させた炭素数が7以上のヒドロキシカルボン酸の炭素数を違えたものである。
まず、下記の表1に示す配合表に示した成分を配合した本発明に係る養毛剤A〜D(4種)を常法に従い調製した。各養毛剤A〜Dは、それぞれ、含有させた炭素数が7以上のヒドロキシカルボン酸の炭素数を違えたものである。
〔比較対象用養毛剤の調製〕
次に、表2に示す配合表に示した成分を配合した比較対象用の養毛剤Zを常法に従い調製した。
次に、表2に示す配合表に示した成分を配合した比較対象用の養毛剤Zを常法に従い調製した。
〔比較試験1〕
前述の養毛剤A〜D及び養毛剤Zを用いて、ウサギ耳介を用いた皮脂硬化物抑制試験を以下の手法に従って行った。
前述の養毛剤A〜D及び養毛剤Zを用いて、ウサギ耳介を用いた皮脂硬化物抑制試験を以下の手法に従って行った。
まず、入荷して1週間訓化した12羽のウサギの耳介にリンシードオイルを14日間塗布し、皮脂硬化物を惹起させた。
次いで、このウサギを試験群6羽及び比較対照群6羽にそれぞれ分けて、被験部位については、右耳介をコントロール(無処置)とし、左耳介を試料塗布部位とした。
試験群には養毛剤A〜Dを、比較対照群には養毛剤Zを15日目に塗布し、7日間Klingman & Milssの方法により試験を行い、得られたデータから平均値を算出して評価を行った。なお、判定基準は表3に示す通りである。
判定基準に従って得られた結果を表4に示す。
表4にも示すように、養毛剤Zを塗布した比較対照群の各個体の試料塗布部位(左耳介)は、コントロール(右耳介)と比較して顕著な変化は認められなかった。一方、試験群の各個体の試料塗布部位(左耳介)は、コントロール(右耳介)に比して、1日目から皮脂硬化物の抑制効果が認められ、その後も経時的に皮脂硬化物を顕著に抑制する結果となった。中でも、養毛剤Cが顕著に皮脂硬化物を抑制した。
このように本比較試験1の結果から、本実施形態に係る養毛剤は、皮脂硬化物を十分に除去することができることが示された。
〔比較試験2〕
次に、前述の養毛剤A〜D及び養毛剤Zを用いて、ヒトを対象とした育毛試験を行った。
次に、前述の養毛剤A〜D及び養毛剤Zを用いて、ヒトを対象とした育毛試験を行った。
試験は、脱毛に悩む被験者90名を試験群と比較対照群の2群に分けて行った。試験群は、養毛剤Aを使用する試験群A、養毛剤Bを使用する試験群B、養毛剤Cを使用する試験群C、養毛剤Dを使用する試験群Dの4群に各18人づつ更に分けた。一方、養毛剤Zを使用する比較対照群も同様に18人を振り分けた。各群とも養毛剤を1日2回(朝及び夜)、3ヶ月間継続使用させ、育毛の状態を評価した。
育毛評価は二重盲検法にて実施し、表5に示す判定表に準じて評価を行った。
このようにして行った評価の結果を表6に示す。
表6にも示すように、比較対照群では、無効が6名(33.3%)、やや有効が9名(50.0%)、有効が3名(16.7%)、極めて有効が0名(0.0%)であったが、試験群Aにおいては、無効が5名(27.8%)、やや有効が9名(50.0%)、有効が2名(11.1%)、極めて有効が2名(11.1%)であり、試験群Bにおいては、無効が2名(11.1%)、やや有効が9名(50.0%)、有効が3名(16.7%)、極めて有効が4名(22.2%)であり、試験群Cにおいては、無効が0名(0.0%)、やや有効が3名(16.7%)、有効が4名(22.2%)、極めて有効が11名(61.1%)であり、試験群Dにおいては、無効が0名(0.0%)、やや有効が5名(27.8%)、有効が4名(22.2%)、極めて有効が9名(50.0%)であり、養毛剤A〜Dは育毛に極めて有効であることが示唆された。特に、評点の合算から、養毛剤B〜Dが特に有効であることが示された。
これは、比較試験1での結果にも見られたように、効果的に皮脂硬化物を除去し、栄養成分が効率的に頭皮に吸収されていることを裏付ける結果であるものと考えられる。
上述してきたように、本発明に係る頭皮用組成物では、毛髪の生育を促す栄養成分と、炭素数が1〜6のヒドロキシカルボン酸、植物エキスのうち少なくともいずれか一方の皮脂溶解成分と、炭素数が7以上のヒドロキシカルボン酸とを含有することとしたため、従来毛穴から除去するのが困難であった皮脂硬化物を効果的に除去して、栄養成分を毛髪に供給することができ、効率的な養毛を行うことができる。
最後に、上述した各実施の形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんである。
Claims (4)
- 毛髪の生育を促す栄養成分と、炭素数が1〜6のヒドロキシカルボン酸、植物エキスのうち少なくともいずれか一方を含有し、頭皮より分泌された皮脂の硬化物を溶解する皮脂溶解成分と、炭素数が7以上のヒドロキシカルボン酸と、を含有する頭皮用組成物。
- 前記炭素数が1〜6のヒドロキシカルボン酸は、クエン酸、乳酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、メバロン酸から選ばれるいずれか1つ、又は、これら2以上の混合物であることを特徴とする請求項1に記載の頭皮用組成物。
- 前記栄養成分は、頭皮の毛細血管を拡張する成分として、センブリエキス、イチョウエキス、キナエキス、ショウブ根エキス、チョウジエキス、チンピエキス、トウヒエキス、トウガラシチンキ、ニコチン酸又はその誘導体、ニンニクエキス、ユズエキス、アセチルコリン、塩化カルプロニウム、γ−オリザノール、クロマカリム、サークレチン、セファランチン、ニコランジル、ビタミンE又はその誘導体、ビオチン、ピナシジル、ヒノキチオール、ミノキシジル、ニンジンエキス、ソフォラ抽出エキス、ハッカエキス、クララエキス、センキュウエキス、ショウキョウチンキ、アシタバエキス、オタネニンジンエキス、カンフル、シャクヤクエキス、シラカバエキス、セージエキスから選ばれる少なくともいずれか1つを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の頭皮用組成物。
- 前記栄養成分は、毛髪の毛根を刺激し発育を促進する毛髪活性成分として、パンテノール、酵母エキス、タイソウエキス、チクセツニンジンエキス、チョウセンニンジンエキス、プラセンタエキス、ローヤルゼリーエキス、アデノシン三リン酸ジナトリウム、アスパラギン酸カリウム、ペンタデカン酸グリセリド、タカナール、ヨウ化ニンニクエキス、ミノキシジル、ヒノキチオール、アラントイン、ランブータンエキス、ビオチン(ビタミンH)、ビャクヤクシエキス、t−フラバノンから選ばれる少なくともいずれか1つを含有することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の頭皮用組成物。
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