JP4550480B2 - 頭皮頭髪用組成物 - Google Patents
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Description
(担子菌類)
担子菌類としては、特に限定しないが、ヒダナシタケ目に属する菌を用いることが好ましくより好ましくは、マンネンタケ科および/またはタコウキン科に属する菌を用いる。マンネンタケ属に属する菌としては、マンネンタケ属にあっては、レイシ(Reishi Fungus ( Ganoderma Lucidum))を例示することができる。この菌は、生来、樹木に好んで繁殖するものの、自生菌は稀少である。なお、人工栽培も可能である。この菌は、つやのある、ワックス状のかさ部分と軸部とを有しており、その軸の長さは、15cm程度にも到達される。子実体の色は、赤色、青色、黄色、白色、紫色、黒色を呈する。この菌は、切り株上や、病気で弱った木の基部付近で生長し、白い糸状体となる。
また、本発明の組成物には、ウコギ科植物の根の抽出成分も有効成分として含有する。ウコギ科植物としては、典型的には、薬用人参である。薬用人参には、オタネ人参(Panax ginseng C. A. Meyer)の他、アメリカ人参(P. quinquefolium L.)、三七人参(田七人参、P. notogingseng)、竹節人参(チクセツニンジン)(珠子参、P. japonicusC. A. Meyer)等が含まれる。ウコギ科植物としては、1種類のみを使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。本発明においては、オタネニンジン及び/又はチクセツニンジンを用いることが好ましい。特に好ましくはチクセツニンジンであり、最も好ましくはチクセツニンジンのみを用いる。これらのニンジンは、いずれもその根を用いる。
本組成物は、まず、上述のような担子菌類およびウコギ科植物の根を、水,熱水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等の低級アルコールまたは、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール、あるいはこれらの有機溶媒と水との混液などを抽出溶媒として用いて得られた抽出成分を含有している。なかでも、水(熱水)や水・アルコール混液を用いて抽出することにより得られる抽出成分を用いることが好ましい。なお、組成物に含められる原料成分は、既に述べた組み合わせに基づいて選択する。
抽出は常温の水で抽出してもよいし、熱水にて行ってもよい。例えば、遮光状態で5℃以上40℃以下、好ましくは10℃以上37℃以下でさらに好ましくは15℃以上25℃以下で静置保存して水抽出液を得ることができる。このような抽出においては、長期(おおよそ2週間から一ヶ月程度、好ましくは3ヶ月以上、より好ましくは1年以上とすることができる。)で抽出することが好ましい。このような静置抽出の場合、密閉容器で行うことが好ましい。また、抽出原料に対する水の量は特に限定するものではないが、10重量部から30重量部の原料に対して、100重量部〜1000重量部程度の水で抽出するのが好ましい。
水・アルコール混液で抽出する場合、使用するアルコールは、エタノールを使用することが好ましい。水・アルコール混液を用いて抽出する場合、好ましくは、アルコール濃度が50v/v%以下であり、より好ましくは30〜40v/v%程度とする。最も好ましくは約35v/v%である。アルコール含有抽出液は、常温で静置すること等によっても得ることができる。好ましくは遮光状態で5℃以上40℃以下、好ましくは10℃以上37℃以下でさらに好ましくは15℃以上25℃以下で静置保存する。この場合、静置保存期間は、長期(おおよそ2週間から一ヶ月程度、好ましくは3ヶ月以上、より好ましくは1年以上とすることができる。)で抽出することができる。また、密閉容器で行うことが好ましい。また、抽出原料に対して用いる混液量も特に限定するものではないが、原料10重量部〜300重量部に対して混液を100重量部〜1000重量部とすることが好ましい。
抽出のための容器は、熱水で抽出する場合と同様のものを使用することが好ましい。抽出操作は、環流凝縮器を用いて行うのが好ましい。
こうして得られた抽出液、例えば、水抽出液および/または水・アルコール混液抽出液は、そのまま本組成物とすることもできるし、適宜宜希釈して本発明の組成物として用いることもできる。必要に応じて濃縮して濃縮物し、これを有効成分とすることもできる。また、さらに乾燥することにより、乾燥抽出成分が得られる。なお、本組成物の投与形態や剤形を考慮して、抽出液の濃縮時あるいは乾燥時に、製剤化あるいは抽出成分を安定化する添加剤を加えることもできる。特に、液状形態の剤型には、抽出液をそのまま、あるいは必要に応じて濃縮あるいは希釈して用いることが容易である。
(育毛養毛ローションの製造例)
レイシ10重量部、カワラタケ5重量部の混合物(計15重量部)に対してチクセツニンジン3重量部の割合で5mm以下の細片に微小片加工した原料50gに水・アルコール混合溶液(35v/v%濃度アルコール)1000mlを添加し、容器を密閉し、この容器を15℃程度に温度管理された暗室にて放置して自然抽出を行った。1年間経過後、密閉容器内の抽出液をろ過して、ろ液を水・アルコール混液(アルコール濃度35v/v%)抽出液とした。この抽出液100mlに、ハチミツとローヤルゼリーとの混合基剤900gおよびアラビアゴム18gを添加し混合し、育毛養毛ローションとした。なお、ハチミツ・ローヤルゼリー混合基剤は、次のようにして調製した。はちみつ2重量部に対して、ローヤルゼリー7重量部を加えて、攪拌した。攪拌は、スターラー型の攪拌装置を用いて攪拌速度200rpmで、5分間行い、均一な混合物とし、これを本例のローションとした。なお、このローションのpHは5.5であった。
以下の被験者に対して調製した育毛養毛ローションを使用させて評価を行った。
(被験者の状況)
(被験者1:男性49歳)
ローションの使用方法:7日に1回の割合で育毛養毛ローションを脱毛部位に直接塗布した。塗布量は1回約20mlとした。これを4週間継続した。
頭皮及び頭髪の管理:試験期間中、2日に一回水あるいはぬるま湯にて頭皮および頭髪をすすいだ。また、試験期間中、本例のローション以外は、頭皮及び頭髪に対してなんら塗布しなかった。
評価:最初の適用から4週間経過後まで、被験者以外の熟練した観察者の目視にて脱毛部位の頭皮および頭髪状態を観察し、同時に被験者の官能評価を行った。また、頭皮の状態(pH、油分、水分、はり、うるおい、つや)を、測定した。なお、pH測定には、Hannna Instruments製pH測定装置、油分および水分については、油分水分計(株式会社Moritex製、油分については反射式0〜15段階評価、水分は容量式0〜15段階評価)、はり、うるおい、つやはTANITA製Face Peekを用いた。目視および官能評価を表1に示し、機器による測定結果を表2に示す。
ローションの使用方法:7日に1回の割合で育毛養毛ローションを脱毛部位(主として前頭部および頭頂部)に直接塗布した。塗布量は1回約10mlとした。これを6週間継続した。
ローションの使用方法:7日に1回の割合で育毛養毛ローションを脱毛部位(主として頭頂部)に直接塗布した。塗布量は1回約10mlとした。これを9週間継続した。
(育毛養毛シャンプーの製造例)
レイシ子実体10重量部、カワラタケ子実体5重量部の混合物(計15重量部)に対してチクセツニンジンの根3重量部の割合で5mm以下の細片に微小片加工した原料18gに水1000mlを添加し、還流冷却器を装着して95℃に加熱し、2時間保持した。得られた抽出液をろ過し、ろ液を水抽出液とした。この水抽出液10mlと実施例1で調製した水・アルコール混液10mlに、脂肪酸カリウム5gを加えて、本例のシャンプーとした。なお、得られたシャンプーのPHは5.9であった。
以下の被験者に対して調製した育毛養毛シャンプーを使用させて評価を行った。
(被験者の状況)
性別:男性(44歳)
シャンプーの使用方法:試験期間中、洗髪は2日に一回として、本例のシャンプーを用い、従来と同様に洗髪した。また、試験期間中、本例のシャンプー以外は、頭皮及び頭髪に対してなんら適用しなかった。これを2週継続した。
評価:2週間経過後まで、被験者以外の熟練した観察者の目視にて脱毛部位の頭皮および頭髪状態を観察した。同時に被験者による官能評価を行った。また、頭皮の状態(pH、はり、うるおい、つや)を、測定した。なお、測定は、実施例1と同様の方法で行った。目視および官能評価を表3に示し、機器による測定結果を表4に示す。
(着色剤組成物の製造例)
イカ墨乾燥粉末1gを実施例1で調製した水・アルコール混液抽出液2gを加えイカ墨スラリーを調製しイカ墨水溶液とする。次にローヤルゼリー4.8g、はちみつ1.2gを混合したものに純水1gを加え攪拌溶解する。更にこれに、定着剤として米のり溶液10gとアラビアゴム溶液1.5gを加え、混合して着色剤組成物とした。
定着剤の調整はアラビアゴム0.5gに純水0.5g、水・アルコール溶液0.5gを混合攪拌して調製したものである。なお、このようにしてできた組成物のpHは、4.5であった。
被験者の乾燥した毛髪(白髪部分)に調製した着色剤組成物を塗布してもらいそのまま放置して乾燥させた後の毛髪状態を観察して評価を行った。
白髪が他の正常な頭髪同様の黒い色になる。櫛通りもよい。乾燥後においてベタつきもなく、着色をしていることがわからない自然な仕上がりであった。また、着色剤組成物の塗布により、頭頂部周辺の頭髪の薄い部分の頭髪をコートするため、頭髪の薄さをカバーする効果があつた。なお、通常の洗髪により着色剤組成物は洗浄されるが、洗髪後白髪が全体的に黒ずんできた感じであった。さらに、塗布部位においては、頭部の疾疹などの障害もなく、また白髪を含む頭髪全体にパサツキが減り、つや、うるおいがましてきた。
側頭部両側の白髪に塗布したが、他の部位の頭髪と変わらず自然な着色状態に仕上がり、乾燥後ベタツキもなく櫛通りもよかった。頭皮や頭髪への疾疹などの副作用もなかった。2日後の洗髪剤による洗浄後において、白髪が全体的に黒色化していた。
頭髪全体に塗布した。既に市販の毛染め剤によりダークブラウン系に染められていたものの、発生していた白髪は本剤によって着色され、着色後も全体として自然な仕上りとなっていた。また、櫛通りもよく、頭髪や頭皮に対する副作用は見受けられなかった。本剤塗布後、2〜3日後の洗髪、白髪が全体的に黒ずんできていた。
頭髪全体の塗布を行った。本剤塗布後、頭髪にツヤや潤い感が回復し、乾燥後にベタツキもなかった。前頭部や頭頂部位などの頭髪の薄い部分においては、頭髪がコーティングされることにより頭髪の薄さをカバーする効果があった。頭部の疾疹などの障害もなく、洗髪剤にて着色剤洗浄された。
Claims (4)
- 頭皮頭髪用の外用組成物であって、
レイシ(Ganoderma Lucidum)の子実体を水・アルコール混液に浸漬して光を遮断して5℃以上40℃以下で静置保存して得られる抽出液中の成分と、
カワラタケ(Coriolus Versicolor)の子実体を水・アルコール混液に浸漬して光を遮断して5℃以上40℃以下で静置保存して得られる抽出液中の成分と、
チクセツニンジンの根を水・アルコール混液に浸漬して光を遮断して5℃以上40℃以下で静置保存して得られる抽出液中の成分と、
ハチミツと、
ローヤルゼリーと、
を含有する、組成物。 - pHが4.5以上6.5以下であり、アルコール濃度が5重量%以下であるヘアーローション又はヘアートニックである、請求項1に記載の組成物。
- 前記レイシの子実体及び前記カワラタケの子実体の総量20重量部に対して前記ウコギ科植物の根0.2重量部以上20重量部以下の原料組成を有する、請求項1又は2に記載の組成物。
- さらに、イカ墨成分を含む請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
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