JP7325170B2 - 美容組成物及びミトコンドリアトランスファー促進剤 - Google Patents

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Description

本発明は、美容組成物及びミトコンドリアトランスファー促進剤に関する。
ミトコンドリアは細胞内の様々な活動に必要なエネルギーを生産する細胞内小器官である。このミトコンドリアは、加齢、紫外線等の環境要因、ストレス、遺伝的背景等により、機能障害や質の低下が起こることが知られている。また、炎症性疾患、ミトコンドリア病等の種々の疾患においても、細胞内のミトコンドリアの機能低下が起こることも知られている(非特許文献1参照)。このようなミトコンドリアの機能障害、質の低下等が引き起こされると、生体内でのエネルギー産生が弱まるほか、細胞内で活性酸素や脂質過酸化産物が生じる可能性も指摘されている。そこで、これまでにも特定化合物を用いたミトコンドリア機能障害抑制剤により、老化を防止する研究等も進められている(特許文献1参照)。
特開2007-55923号公報
Nature、2011 Jan 13;469(7329)、p.221-5
このような情況の中、加齢、環境要因、ストレス等が密接に関与する細胞内のミトコンドリアの機能障害や質の低下に伴う症状や状態の予防・改善に有効な新たな化粧品、薬剤、食品等が求められている。そこで本発明は、上記症状や状態の予防・改善に有効な組成物を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明者等が種々検討した結果、特定の植物エキス、藻類エキス、菌類エキス等の水溶性成分が、細胞間のミトコンドリアトランスファーを促進する効果を有することを見出した。とりわけ、これらの水溶性成分は、皮膚組織の構成に関与する特定の細胞の間で優れたミトコンドリアトランスファー促進効果を発揮する。このような特定の水溶性成分を含む組成物は、加齢、環境要因、ストレス等によりミトコンドリアの機能障害や質低下が生じている細胞が存在することにより引き起こされる症状又は状態の予防・改善、健康状態の維持、肌のハリ改善等の若返り等のために好適に使用することができる。
即ち、本発明の要旨は、以下に記載する通りである。
[1]ミトコンドリアトランスファー促進剤を含有する美容組成物。
[2]ミトコンドリアトランスファー促進剤が、キハダエキス、オウレンエキス、プルーンエキス、ウコンエキス、メリアアザジラクタエキス、ハマメリスエキス、トウガラシエキス、アルテアエキス、トウキンセンカエキス、セイヨウトチノキエキス、ショウガエキス、センチフォリアバラエキス、ブクリョウエキス、ユーカリエキス、ユズエキス、ハトムギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レモンエキス、オウゴンエキス、アロエエキス、カッコンエキス、サイシンエキス、ジオウエキス、シソエキス、サクラエキス、カミツレエキス、アセンヤクエキス、アルニカエキス、クララエキス、ブッチャーブルームエキス、ヘチマエキス、ヤグルマギクエキス、ルイボスエキス、モモエキス、アシタバエキス、セイヨウイラクサエキス、ウイキョウエキス、ゼニアオイエキス、オノニスエキス、オリーブエキス、アンズエキス、ウンシュウミカンエキス、フキタンポポエキス、ウメエキス、アマチャヅルエキス、緑藻エキス、紅藻エキス、褐藻エキス、シイタケエキス、フユムシナツクサタケエキス、レイシエキス、水溶性コラーゲン、及びローヤルゼリーエキスからなる群より選択される少なくとも1種の水溶性有効成分(A)を含む、[1]に記載の美容組成物。
[3]水溶性有効成分(A)が、キハダ樹皮エキス、オウレン根エキス、プルーン分解物、ウコン根茎エキス、メリアアザジラクタ葉エキス、ハマメリス葉エキス、トウガラシ果実エキス、アルテア根エキス、トウキンセンカ花エキス、セイヨウトチノキ種子エキス、ショウガ根茎エキス、センチフォリアバラ花エキス、ブクリョウエキス、ユーカリ葉エキス、ユズ果実エキス、ハトムギ種子エキス、ラベンダー花エキス、リンゴ果実エキス、レモン果実エキス、オウゴンエキス、アロエエキス、カッコンエキス、サイシンエキス、サクラ葉抽出液、カミツレ花エキス、アセンヤクエキス、アルニカ花エキス、クララ根エキス、ブッチャーブルーム根エキス、ヘチマエキス、ヤグルマギク花エキス、ルイボスエキス、モモ葉エキス、アシタバ葉/茎エキス、セイヨウイラクサ葉エキス、ウイキョウ果実エキス、ゼニアオイ花エキス、オノニスエキス、オリーブ葉エキス、アンズ種子エキス、ジオウ根エキス、シソ葉エキス、ウンシュウミカン果皮エキス、フキタンポポ花エキス、ウメ果実エキス、アマチャヅルエキス、クロレラエキス、ヒジキエキス、ワカメエキス、シイタケエキス、フユムシナツクサタケエキス、レイシ柄エキス、及び水溶性コラーゲンからなる群より選択される少なくとも1種の成分である、[2]に記載の美容組成物。
[4]水溶性有効成分(A)が、キハダ樹皮エキス、オウレン根エキス、プルーン分解物、ウコン根茎エキス、メリアアザジラクタ葉エキス、ハマメリス葉エキス、トウガラシ果実エキス、アルテア根エキス、トウキンセンカ花エキス、及びセイヨウトチノキ種子エキスからなる群より選択される少なくとも一種の植物エキスである、[3]に記載の美容組成物。
[5]ミトコンドリアトランスファーを促進するために用いられる、[1]から[4]のいずれかに記載の美容組成物。
[6]皮膚組織においてミトコンドリアトランスファーを促進するために用いられる、[1]から[5]のいずれかに記載の美容組成物。
[7]皮膚線維芽細胞、表皮角化細胞、脂肪由来間葉系幹細胞、表皮幹細胞及び真皮幹細胞からなる群より選択される1種又は2種の細胞間におけるミトコンドリアトランスファーを促進させるために用いられる、[1]から[6]のいずれかに記載の美容組成物。
[8]皮膚外用組成物として用いられる、[1]から[7]のいずれかに記載の美容組成物。
[9]経口用組成物として用いられる、[1]から[7]のいずれかに記載の美容組成物。
[10]キハダエキス、オウレンエキス、プルーンエキス、ウコンエキス、メリアアザジラクタエキス、ハマメリスエキス、トウガラシエキス、アルテアエキス、トウキンセンカエキス、セイヨウトチノキエキス、ショウガエキス、センチフォリアバラエキス、ブクリョウエキス、ユーカリエキス、ユズエキス、ハトムギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レモンエキス、オウゴンエキス、アロエエキス、カッコンエキス、サイシンエキス、ジオウエキス、シソエキス、サクラエキス、カミツレエキス、アセンヤクエキス、アルニカエキス、クララエキス、ブッチャーブルームエキス、ヘチマエキス、ヤグルマギクエキス、ルイボスエキス、モモエキス、アシタバエキス、セイヨウイラクサエキス、ウイキョウエキス、ゼニアオイエキス、オノニスエキス、オリーブエキス、アンズエキス、ウンシュウミカンエキス、フキタンポポエキス、ウメエキス、アマチャヅルエキス、緑藻エキス、紅藻エキス、褐藻エキス、シイタケエキス、フユムシナツクサタケエキス、レイシエキス、水溶性コラーゲン、及びローヤルゼリーエキスからなる群より選択される少なくとも1種の水溶性有効成分(A)を含む、美容組成物用のミトコンドリアトランスファー促進剤。
[11]脂肪由来幹細胞の遊走付与成分をさらに含む、[1]から[9]のいずれかに記載の美容組成物。
[12]コラーゲン産生機能成分をさらに含む、[1]から[9]のいずれかに記載の美容組成物。
[13]コラーゲン産生の促進、肌のハリの回復、ハリの源の再生、細胞再生の促進、肌老化症状の回復・改善のために用いられる、[1]から[9]、[11]、[12]のいずれかに記載の美容組成物。
本発明の美容組成物は、ミトコンドリアトランスファー促進剤を含むことで、細胞間のミトコンドリアトランスファーを効果的に促進し、ミトコンドリアの機能障害や質の低下が起こっている細胞に、健常な細胞から正常なミトコンドリアを補給することができ、それらの細胞の好気性呼吸を助けることができる。従って、生体内でミトコンドリアの機能障害や質の低下が起きている細胞が存在することにより引き起こされる症状又は状態の予防・改善、健康状態の維持、肌のハリ改善(回復)といった若返り(肌老化症状の回復・改善)等のために好適に使用することができる。また、コラーゲン産生の促進、ハリの源の再生、細胞再生の促進のために好適に用いられる。
ミトコンドリアトランスファーによるヒト繊維芽細胞内の遺伝子発現(SOD2)の変化を示す図である。 ミトコンドリアトランスファーによるヒト繊維芽細胞内の遺伝子発現(PPARGC1)の変化を示す図である。 ミトコンドリアトランスファー促進効果を有する物質のコラーゲン産生に対する効果を示す図である(ヒト繊維芽細胞)。
以下、本発明の美容組成物及びミトコンドリアトランスファー促進剤について詳細に説明する。
<美容組成物>
本発明の美容組成物は、ミトコンドリアトランスファー促進剤を含む。なお、「ミトコンドリアトランスファー」とは、ある細胞から別の細胞へとミトコンドリアが移行する現象を言う。ここで、ミトコンドリアが移行する細胞の種類は、同種の細胞間でもよいし、異種の細胞間でもよい。この移行は、例えば、細胞と細胞とをつなぐトンネリングナノチューブと呼ばれるトンネルの中を通って行われてもよいが、移行経路は特に限定されず、エキソサイトーシス及びエンドサイトーシスを介した経路等でもよい。また、トランスファーされるミトコンドリアとしては、ミトコンドリア自体の他、ミトコンドリアが含むミトコンドリア遺伝子(DNA、RNA)、及び各種タンパク、並びにこれらと他のタンパクや小胞体等の他の器官との複合体を含んでいてもよい。また、「ミトコンドリアトランスファー促進剤」とは、細胞間で起こるミトコンドリアトランスファーを促進する効果を奏する剤のことをいう。ここで、ミトコンドリアトランスファーを促進する効果とは、ミトコンドリアを供給する細胞の供給能力を高めること、ミトコンドリアを受容する側の受容する能力を高めることのいずれの意味も含む。本発明の美容組成物は、外見を美しくする(例えば美肌等の美容)を目的として用いられる組成物のことをいう。本発明の美容組成物は、必須成分であるミトコンドリアトランスファー促進剤に加えて、本発明の効果を損なわない範囲でその他の成分を含んでいてもよい。
[ミトコンドリアトランスファー促進剤]
本発明のミトコンドリアトランスファー促進剤は、以下の水溶性有効成分(A)を含む。水溶性有効成分(A)は、細胞間のミトコンドリアトランスファーを効果的に促進し、ミトコンドリアの機能障害や質の低下が起こっている細胞に、健常な細胞から正常なミトコンドリアを補給することができ、それらの細胞の好気性呼吸を助けることができる。従って、生体内でミトコンドリアの機能障害や質の低下が起きている細胞が存在することにより引き起こされる症状又は状態の予防・改善、健康状態の維持、肌のハリ改善といった若返り等のために好適に使用することができる。そのため、本発明のミトコンドリアトランスファー促進剤は、美容組成物に好適に用いられる。
上記水溶性有効成分(A)としては、以下の成分を挙げることができる;
キハダ、オウレン、プルーン(セイヨウスモモともいう)、ウコン、メリアアザジラクタ(ニームともいう)、ハマメリス、トウガラシ、アルテア、トウキンセンカ、セイヨウトチノキ、ショウガ、センチフォリアバラ、ブクリョウ、ユーカリ、ユズ、ハトムギ、ラベンダー、リンゴ、レモン、オウゴン、アロエ、カッコン、サイシン、ジオウ、シソ、サクラ、カミツレ、アセンヤク、アルニカ、クララ、ブッチャーブルーム、ヘチマ、ヤグルマギク、ルイボス、モモ、ダイズ、アシタバ、セイヨウイラクサ、ウイキョウ、ゼニアオイ、オノニス、オリーブ、アンズ、ウンシュウミカン、フキタンポポ、ウメ、アマチャヅル、等の植物エキス;
緑藻(例えば、クロレラ等)、紅藻、褐藻(例えば、ヒジキ、ワカメ等)等の藻類(海藻類、淡水藻類を含む)エキス;
シイタケ、フユムシナツクサタケ、レイシ(マンネンタケともいう)等の菌類エキス;
水溶性コラーゲン、ローヤルゼリーエキス等の各種エキス由来物。
本発明のミトコンドリアトランスファー促進剤は、これらの水溶性有効成分(A)を1種単独で含んでいてもよいし、2種以上を組合せて含んでいてもよい。
より好ましくは、上記水溶性有効成分(A)としては、キハダ樹皮エキス、オウレン根エキス、プルーン分解物、ウコン根茎エキス、メリアアザジラクタ葉エキス(ニーム葉エキスともいう)、ハマメリス葉エキス、トウガラシ果実エキス、アルテア根エキス、トウキンセンカ花エキス、セイヨウトチノキ種子エキス、ショウガ根茎エキス、センチフォリアバラ花エキス、ブクリョウエキス、ユーカリ葉エキス、ユズ果実エキス、ハトムギ種子エキス、ラベンダー花エキス、リンゴ果実エキス、レモン果実エキス、オウゴンエキス、アロエエキス、カッコンエキス、サイシンエキス、ジオウエキス、シソエキス、サクラ葉抽出液、カミツレ花エキス、アセンヤクエキス、アルニカ花エキス、クララ根エキス、ブッチャーブルーム根エキス、ヘチマエキス、ヤグルマギク花エキス、ルイボスエキス、モモ葉エキス、アシタバ葉/茎エキス、セイヨウイラクサ葉エキス、ウイキョウ果実エキス、ゼニアオイ花エキス、オノニスエキス、オリーブ葉エキス、アンズ種子エキス、ジオウ根エキス、シソ葉エキス、ウンシュウミカン果皮エキス、フキタンポポ花エキス、ウメ果実エキス、アマチャヅルエキス、等の植物エキス;
緑藻エキス(クロレラエキス)、紅藻エキス、褐藻エキス(ヒジキエキス、ワカメエキス)等の海藻類又は淡水藻類の藻類エキス;
シイタケエキス、フユムシナツクサタケエキス、レイシ柄エキス等の菌類エキス;
水溶性コラーゲン等が挙げられる。
本発明のミトコンドリアトランスファー促進剤は、上記水溶性有効成分(A)のうち、ミトコンドリアトランスファー促進効果の観点から、上記植物エキスを含むことが好ましい。上記植物エキスの中でも、キハダ樹皮エキス、オウレン根エキス、プルーン分解物、ウコン根茎エキス、メリアアザジラクタ葉エキス、ハマメリス葉エキス、トウガラシ果実エキス、アルテア根エキス、トウキンセンカ花エキス、セイヨウトチノキ種子エキスがより好ましく、キハダ樹皮エキス、オウレン根エキス、プルーン分解物がさらに好ましい。
なお、本発明においてエキスとは、植物等から溶媒中にその成分が抽出されたものであれば特に限定されない。上記成分としては、植物等からの抽出が可能な成分であれば限定されないが、通常、溶媒に溶解する成分を意味する。また、溶媒に溶解しなくとも、単独で液状である成分であれば、それらもエキスに含み得る。また、本発明においてエキスと抽出液とは同義で用いられる。
本発明において、上記エキスの抽出方法は特に限定されず、植物等の種類に応じて適宜公知の方法を用いることができる。具体的には、抽出するための溶媒としては水;エタノール、ブチレングリコール(例えば、1,3-ブチレングリコール)、プロピレングリコール、メタノール、グリセリン等の有機溶剤等が挙げられる。エキスが本発明の組成物の有効成分として用いられることを考慮し、またより一層高い本発明の効果が期待できるという観点から、抽出溶媒としては、水、エタノール、ブチレングリコール等を用いることが好ましい。また、溶媒を用いずに抽出することも可能であり、例えば、植物を加熱してプレス等することによって得ることが出来る。また、本発明に用いられるエキスは、酵素分解、発酵、加水分解等により処理されたものであってもよい。さらに、上記水溶性有効成分(A)としては、市販品を用いることもできる。
本発明の美容組成物における上記ミトコンドリアトランスファー促進剤の含有量は、本発明の効果が得られる量であれば特に限定されるものではないが、本発明の美容組成物の全体に対して、上記水溶性有効成分(A)換算で、0.0001重量%以上が好ましく、0.0005重量%以上がより好ましく、0.001重量%以上がさらに好ましい。また、25重量%以下が好ましく、20重量%以下がより好ましく、15重量%以下がさらに好ましく、10重量%以下が特に好ましい。上記範囲であれば、細胞間のミトコンドリアトランスファー促進効果が得られるだけの十分な上記ミトコンドリアトランスファー促進剤(水溶性有効成分(A))が含まれることになる。また、本発明の美容組成物における上記ミトコンドリアトランスファー促進剤の含有量は、上記水溶性有効成分(A)換算で、0.0001~25重量%が好ましく、0.0005~20重量%がより好ましく、0.001~15重量%がさらに好ましく、0.001~10重量%が特に好ましい。
本発明の美容組成物は、上記水溶性有効成分(A)を含むミトコンドリアトランスファー促進剤を含有することにより、細胞間で起こるミトコンドリアトランスファーを促進する効果を奏する。ここで、ミトコンドリアトランスファーを促進する効果とは、ミトコンドリアを供給する細胞の供給能力を高めること、ミトコンドリアを受容する側の受容する能力を高めることのいずれの意味も含む。本発明のミトコンドリアトランスファー剤及び美容組成物が効果を奏し得る細胞としては、特に限定されないが、老化・ストレス・炎症等によりミトコンドリアの機能の低下した細胞、及びそれらの細胞に対してミトコンドリアトランスファーを起こす能力の高い細胞である。具体的には、限定されないが、皮膚(真皮)線維芽細胞、皮膚上皮細胞、表皮角化細胞、表皮幹細胞、真皮幹細胞、色素細胞、脂肪細胞、毛母細胞、毛乳頭細胞、血管内皮細胞、神経細胞、褐色脂肪細胞、ランゲルハンス細胞、メルケル細胞、免疫細胞(マクロファージ、樹状細胞等)、筋細胞、角膜上皮細胞、結膜上皮細胞、杯細胞、胚細胞・胚性幹(ES)細胞・iPS細胞・生殖幹細胞・卵子・精子・造血幹細胞・角膜上皮幹細胞・結膜上皮幹細胞・角膜幹細胞・結膜幹細胞・間葉系幹細胞(例えば、脂肪由来間葉系幹細胞)等の幹細胞等が挙げられる。
本発明のミトコンドリアトランスファー促進剤及び美容組成物は、とりわけ皮膚組織の細胞間において、優れたミトコンドリアトランスファー促進効果を示す。ここで皮膚組織とは、皮下組織を含む概念である。ミトコンドリアは細胞内のエネルギー生産に関与することが周知であり、加齢や環境要因、ストレス等でミトコンドリアが機能低下したり、その質が低下したりすると、組織の老化が促進されることが知られている。従って、本発明のミトコンドリアトランスファー促進剤及び美容組成物によると、皮膚組織の細胞間において高いミトコンドリアトランスファー促進効果が発揮されるため、衰えた皮膚線維芽細胞や表皮角化細胞が賦活化されて、それらの本来の細胞機能が戻り、例えば、コラーゲン等の細胞外マトリクス(ECM)成分産生能や細胞増殖能等が回復して、ハリの源が再生し、皮膚の弾力性が回復すること等が期待できる。実際、実施例で示したとおり、ミトコンドリアトランスファーを受けた細胞(受容側細胞)においては、抗酸化酵素(SOD2)の発現量が増加し、細胞の賦活化の指標である遺伝子(PPARGC1)の発現も増強される。さらに、健康な細胞や、本発明のミトコンドリアトランスファー促進剤及び美容組成物によってミトコンドリアトランスファー能(細胞内のミトコンドリアを他の細胞にトランスファーする能力)が増強された細胞から、衰えた皮膚線維芽細胞や表皮角化細胞に新たなミトコンドリアが供給されることで、細胞内のミトコンドリアが若返り、酸化ストレス耐性を獲得し、肌のしわやたるみ、くすみ等の皮膚組織の老化症状も改善して、肌の若返りに有効である。さらに、本発明のミトコンドリアトランスファー促進剤及び美容組成物は、皮膚組織中に存在する表皮幹細胞、真皮幹細胞等の幹細胞に対しても同様の効果を発揮することが期待でき、皮膚を若返らせ、ハリのある健康的な肌に蘇らせることができる。本発明のミトコンドリアトランスファー促進剤及び美容組成物は、コラーゲン産生の促進、肌のハリの回復、ハリの源の再生、細胞再生の促進、肌老化症状の回復・改善のために用いられる。
本発明のミトコンドリアトランスファー促進剤及び美容組成物は、特に皮膚組織に対して高いミトコンドリアトランスファー促進効果が発揮されることから、皮膚外用組成物として好適に用いられる。また、体内に取り込まれた後にも効果を奏することが期待されることから、サプリメントや食品等の経口用組成物としても好適に用いられる。本発明の美容組成物は、上記のミトコンドリアトランスファーを促進するために有効な水溶性有効成分(A)を含むミトコンドリアトランスファー促進剤に加えて、用途に合わせて、その他の成分を含んでもよい。
本発明の美容組成物は、上記水溶性有効成分(A)を含むミトコンドリアトランスファー促進剤に加えて、以下に記載する各種成分を常法に従って混合等して、調製することができる。
[皮膚外用組成物]
本発明の美容組成物は、化粧料、洗浄料、医薬品、医薬部外品、入浴剤等の皮膚外用組成物として用いられる。具体的には、例えば化粧水、乳液、ジェル、クリーム、美容液、パック、マスク、ハンドクリーム、ボディローション、ボディークリーム等の基礎化粧料;日焼け止め用化粧料;メイクアップ化粧料;洗顔料、メイク落とし、ボディーシャンプー、シャンプー、リンス、トリートメント等の洗浄料;育毛剤、発毛剤等の頭皮用組成物;歯磨き粉等の口腔用組成物;創傷用軟膏、ニキビ用外用剤、湿布剤等の医薬品・医薬部外品等が挙げられる。本発明の美容組成物を皮膚外用組成物として使用する場合、上記ミトコンドリアトランスファー促進剤以外のその他の成分としては、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば、基剤・担体、添加剤(界面活性剤、増粘剤、保存剤、pH調整剤、キレート剤、安定化剤、刺激軽減剤、防腐剤、着色剤、分散剤、香料、及びパール光沢付与剤等)等を含むことができる。
基剤又は担体としては、特に限定されないが、例えば、パラフィン、流動パラフィン、スクワラン、白ロウ、ゲル化炭化水素(プラスチベース等)、オゾケライト、セレシン、ワセリン、ハードファット、マイクロクリスタリンワックス、α-オレフィンオリゴマー、及び軽質流動パラフィンのような炭化水素;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、及びイソステアリン酸のような脂肪酸;トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル(トリオクタノイン)、及びトリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルのようなトリ脂肪酸グリセリド;セタノール、ステアリルアルコール、及びベヘニルアルコールのような高級アルコール;メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン・メチル(ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルセチルオキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合体、アクリル酸アルキル共重合体メチルポリシロキサンエステル、架橋型メチルポリシロキサン、架橋型メチルフェニルポリシロキサン、架橋型ポリエーテル変性シリコーン、架橋型アルキルポリエーテル変性シリコーン、架橋型アルキル変性シリコーン、デカメチルシクロペンタシロキサン、エチルトリシロキサン、メチルトリメチコン、メチルシロキサン網状重合体、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、メチルハイドロジェンポリシロキサン、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン、及びジメチルポリシロキサンのようなシリコーン油;エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、トリエチレングリコールジアセタート、ヘキシレングリコールジアセタート、及び2-メチル-2-プロペン-1,1-ジオールジアセタートのようなグリコールアセタート;トリエチレングリコールジバレラート、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールモノイソブチラート、及び2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールジイソブチラートのようなグリコールエステル;エチレングリコールジアクリラート、ジエチレングリコールジアクリラート、プロピレングリコールモノアクリラート、2,2-ジメチル-トリメチレングリコールジアクリラート、及び1,3-ブチレングリコールジアクリラートのようなグリコールアクリラート;エチレングリコールジニトラート、ジエチレングリコールジニトラート、トリエチレングリコールジニトラート、及びプロピレングリコールジニトラートのようなグリコールジニトラート;2,2′-[1,4-フェニレンジオキシ]ジエタノール;エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロース誘導体;ポリビニルピロリドン;カラギーナン;ポリビニルブチラート;ポリエチレングリコール;ジオキサン;ブチレングリコールアジピン酸ポリエステル;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、及びテトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスエリットのようなエステル類;デキストリン、及びマルトデキストリンのような多糖類;エタノール、及びイソプロパノールのような低級アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、及びジプロピレングリコールモノプロピルエーテルのようなグリコールエーテル;並びに水等の水系基剤等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ペンタ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、及びテトラ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタンのようなソルビタン脂肪酸エステル類;モノステアリン酸グリセリル、及びモノステアリン酸グリセリンリンゴ酸のようなグリセリン脂肪酸類;モノステアリン酸ポリグリセリル、モノイソステアリン酸ポリグリセリル、及びジイソステアリン酸ポリグリセリルのようなポリグリセリン脂肪酸類;モノステアリン酸プロピレングリコールのようなプロピレングリコール脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40(HCO-40)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50(HCO-50)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(HCO-60)、及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80のような硬化ヒマシ油誘導体;モノラウリル酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート80)、及びイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタンのようなポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノヤシ油脂肪酸グリセリル;グリセリンアルキルエーテル;アルキルグルコシド;ポリオキシエチレンセチルエーテルのようなポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ステアリルアミン、及びオレイルアミンのようなアミン類;ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、及びPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンのようなシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。
増粘剤としては、例えば、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、キサンタンガム、デキストラン、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト、デキストリン脂肪酸エステル、ペクチン、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、トリイソステアリン酸エチレングリコール、及びトリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)メチルグルコシド等が挙げられる。
保存剤、又は防腐剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ベンジル、パラオキシ安息香酸メチル、及びフェノキシエタノール等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、無機酸(塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、及びホウ酸等)、有機酸(乳酸、酢酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、コハク酸ナトリウム、シュウ酸、グルコン酸、フマル酸、プロピオン酸、酢酸、アスパラギン酸、イプシロン-アミノカプロン酸、グルタミン酸、及びアミノエチルスルホン酸等)、グルコノラクトン、酢酸アンモニウム、無機塩基(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、及び水酸化マグネシウム等)、並びに有機塩基(モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、及びリジン等)等が挙げられる。
キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン4酢酸(エデト酸)、エチレンジアミン4酢酸塩(ナトリウム塩(エデト酸ナトリウム:日本薬局方、EDTA-2Na等)、及びカリウム塩等)、フィチン酸、グルコン酸、ポリリン酸、並びにメタリン酸等が挙げられる。
安定化剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、及びブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。
刺激低減剤としては、例えば、甘草エキス、アルギン酸ナトリウム、及び2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン等が挙げられる。
着色剤としては、例えば、無機顔料、及び天然色素等が挙げられる。
パール光沢付与剤としては、例えば、ジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸エチレングリコール、及びジステアリン酸トリエチレングリコール等が挙げられる。
皮膚外用組成物としての美容組成物には、本発明の効果を妨げない範囲で、例えば、抗酸化成分、老化防止成分、抗炎症成分、美白成分、角質柔軟成分、細胞賦活化成分、ビタミン類、血行促進成分、保湿成分、DNAの損傷の予防及び/又は修復作用を有する成分、紫外線吸収成分、紫外線散乱成分、洗浄成分、抗菌成分、収斂成分、脂肪由来幹細胞の遊走付与成分(脂肪由来幹細胞を遊走させるか遊走を促進する効果を有する素材)、コラーゲン産生機能成分等の、化粧品に添加し得る他の活性成分を配合することができる。他の活性成分は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
抗酸化成分としては、例えば、植物(例えば、ブドウ、オタネニンジン、又はコンフリー等)に由来する成分(水溶性有効成分(A)を除く);プロアントシアニジン、トコフェロール及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、へスペリジン、グルコシルヘスペリジン、エルゴチオネイン、亜硫酸水素ナトリウム、エリソルビン酸及びその塩、フラボノイド、グルタチオン、グルタチオンペルオキシダーゼ、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ、カタラーゼ、スーパーオキサイドジスムターゼ、チオレドキシン、タウリン、チオタウリン、及びヒポタウリン等が挙げられる。
老化防止成分としては、例えば、加水分解大豆タンパク、レチノイド(レチノール及びその誘導体、レチノイン酸、及びレチナール等)、パンガミン酸、カイネチン、ウルソール酸、ウコンエキス、スフィンゴシン誘導体、ケイ素、ケイ酸、N-メチル-L-セリン、並びにメバロノラクトン等が挙げられる。
抗炎症成分としては、例えば、植物(例えば、コンフリー)に由来する成分(水溶性有効成分(A)を除く);アラントイン、カラミン、グリチルリチン酸又はその誘導体、グリチルレチン酸又はその誘導体、酸化亜鉛、グアイアズレン、塩酸ピリドキシン、メントール、カンフル、テレピン油、インドメタシン、及びサリチル酸又はその誘導体等が挙げられる。
美白成分としては、例えば、アルブチン、ハイドロキノン、コウジ酸、エラグ酸、フィチン酸、ルシノール、カモミラET、アスコルビン酸又はその誘導体、ビタミンE又はその誘導体、パントテン酸又はその誘導体、トラネキサム酸、及び美白作用を有する水溶性有効成分(A)以外の植物成分(例えば、植物エキス、又は精油)等が挙げられる。
角質柔軟成分としては、例えば、ラノリン、尿素、フィチン酸、乳酸、乳酸塩、グリコール酸、サリチル酸、リンゴ酸、及びクエン酸等が挙げられる。
細胞賦活化成分としては、例えば、植物(例えば、ビルベリー)に由来する成分(水溶性有効成分(A)を除く);γ-アミノ酪酸、及びε-アミノプロン酸等のアミノ酸類;レチノール及びその誘導体、チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、及びパントテン酸類等のビタミン類;グリコール酸、及び乳酸等のα-ヒドロキシ酸類;タンニン;フラボノイド;サポニン;アラントイン;並びに感光素301号等が挙げられる。
ビタミン類としては、例えば、レチノール、酢酸レチノール、及びパルミチン酸レチノール等のレチノール誘導体、レチナール、レチノイン酸、レチノイン酸メチル、レチノイン酸エチル、レチノイン酸レチノール、d-δ-トコフェリルレチノエート、α-トコフェリルレチノエート、及びβ-トコフェリルレチノエート等のビタミンA類;β-カロチン、α-カロチン、γ-カロチン、δ-カロチン、リコピン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、及びエキネノン等のプロビタミンA類;δ-トコフェロール、α-トコフェロール、β-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロールカルシウム、δ-トコフェロール、及びニコチン酸トコフェロール等のビタミンE類;リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンテトラ酪酸エステル、リボフラビン5’-リン酸エステルナトリウム、及びリボフラビンテトラニコチン酸エステル等のビタミンB2類;ニコチン酸メチル、及びニコチン酸、ニコチン酸アミド等のニコチン酸類;ステアリン酸アスコルビル、ジパルミチン酸L-アスコルビル、テトライソパルミチン酸アスコルビル(テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビル)、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、デヒドロアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、及びアスコルビン酸グルコシド等のビタミンC類;メチルヘスペリジン、エルゴカルシフェロール、及びコレカルシフェロール等のビタミンD類;フィロキノン、及びファルノキノン等のビタミンK類;ジベンゾイルチアミン、ジベンゾイルチアミン塩酸塩、チアミン塩酸塩、チアミンセチル塩酸塩、チアミンチオシアン酸塩、チアミンラウリル塩酸塩、チアミン硝酸塩、チアミンモノリン酸塩、チアミンリジン塩、チアミントリリン酸塩、チアミンモノリン酸エステルリン酸塩、チアミンモノリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル塩酸塩、チアミントリリン酸エステル、及びチアミントリリン酸エステルモノリン酸塩等のビタミンB1類;塩酸ピリドキシン、酢酸ピリドキシン、塩酸ピリドキサール、5’-リン酸ピリドキサール、及び塩酸ピリドキサミン等のビタミンB6類、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、及びデオキシアデノシルコバラミン等のビタミンB12類;葉酸、及びプテロイルグルタミン酸等の葉酸類;パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテニルアルコール(パンテノール)、D-パンテテイン、D-パンテチン、補酵素A、及びパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類;ビオチン、及びビオシチン等のビオチン類;並びにカルニチン、フェルラ酸、α-リポ酸、オロット酸、及びγ-オリザノール等のビタミン様作用因子等が挙げられる。
血行促進作用成分としては、例えば、植物(例えば、オタネニンジン、イチョウ、エンメイソウ、オランダカシ、カロット、ゴボウ、コメ、サンザシ、セイヨウサンザシ、セイヨウネズ、センキュウ、センブリ、タイム、チョウジ、トウニン、ニンニク、ブッチャーブルーム、ブドウ、ボタン、マロニエ、メリッサ、ユズ、ヨクイニン、ローズマリー、ローズヒップ、チンピ、トウキ、トウヒ、モモ、アンズ、クルミ、又はトウモロコシ)に由来する成分(水溶性有効成分(A)を除く);ニコチン酸トコフェロール;グルコシルヘスペリジン;及びヘスペリジンが挙げられる。
保湿成分としては、例えば、植物(例えば、チガヤ)に由来する成分(水溶性有効成分(A)を除く);アラニン、セリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、グルコサミン、及びテアニンのようなアミノ酸及びその誘導体;コラーゲン、ゼラチン、及びエラスチンのようなタンパク質、ペプチド、又はそれらの加水分解物;グリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、及びジグリセリン等の多価アルコール;ソルビトールのような糖アルコール;レシチン、及び水素添加レシチンのようなリン脂質;ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、アセチルヒアルロン酸、アセチルヒアルロン酸ナトリウム、ヘパリン、及びコンドロイチンのようなムコ多糖;乳酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、及び尿素のようなNMF由来成分;ポリグルタミン酸;MPCポリマー(例えば、LIPIDURE(登録商標)等)等のリン脂質極性基を有する高分子;ポリオキシプロピレンメチルグルコシド;トリメチルグリシン(ベタイン);ヒドロキシエチルウレア;アクリル酸・アクリルアミド・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体;並びにソルビトール等が挙げられる。
DNAの損傷の予防及び/又は修復作用を有する成分としては、例えば、動物(例えば、アルテミア)に由来する成分;植物(例えば、キャッツクロー)に由来する成分(水溶性有効成分(A)を除く);並びにDNA、DNA塩、RNA、及びRNA塩等の核酸成分が挙げられる。
紫外線吸収成分としては、例えば、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル、2,4,6-トリス[4-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、ジメトキシベンジリデンオキソイミダゾリジンプロピオン酸2-エチルヘキシル、及び2,4-ビス-[{4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ}-フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン等が挙げられる。
紫外線散乱成分としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、ケイ酸チタン、ケイ酸亜鉛、無水ケイ酸、ケイ酸セリウム、及び含水ケイ酸等の無機化合物が挙げられる。また、それらの無機化合物を含水ケイ酸、水酸化アルミニウム、マイカ、若しくはタルク等の無機粉体で被覆したもの、それらの無機化合物をポリアミド、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、若しくはナイロン等の樹脂粉体と複合化したもの、及びそれらの無機化合物をシリコン油、又は脂肪酸アルミニウム塩等で処理したもの等が挙げられる。
洗浄成分としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸塩、アルキル(又はアルケニル)硫酸塩、高級脂肪酸塩、エーテルカルボン酸塩、アミドエーテルカルボン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、N-アシルアミノ酸塩、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミドエーテル硫酸塩、アシル化イセチオン酸塩、及びアシル化タウレート等のアニオン界面活性剤;アミンオキサイド、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルサッカライド、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、及びポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油等の非イオン界面活性剤;アルキレンオキサイドが付加していてもよい、及び直鎖又は分岐鎖の長鎖アルキル基を有するモノ又はジ長鎖アルキル第4級アンモニウム塩等のカチオン界面活性剤;カルボベタイン、スルホベタイン、イミダゾリニウムベタイン、及びアミドベタイン等の両性界面活性剤が挙げられる。
抗菌成分としては、例えば、クロルヘキシジン、サリチル酸、塩化ベンザルコニウム、アクリノール、エタノール、塩化ベンゼトニウム、クレゾール、グルコン酸及びその誘導体、ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、イソプロピルメチルフェノール、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノール、1,2-ペンタンジオール、及び塩酸アルキルジアミノグリシン等が挙げられる。
収斂成分としては、例えば、ミョウバン、クロロヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、アラントインアルミニウム塩、硫酸亜鉛、及び硫酸アルミニウムカリウム等の金属塩;並びにタンニン酸、クエン酸、乳酸、及びコハク酸等の有機酸を挙げることができる。
脂肪由来幹細胞の遊走付与成分、コラーゲン産生機能成分としては、例えば、単糖類、二糖類、オリゴ糖類、多糖類、ムコ多糖類、コラーゲン類、オリゴペプチド類(ジペプチド類、トリペプチド類、テトラペプチド類およびそれらの誘導体)、ポリペプチド類等の親水性生体物質、ジプロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、エチレングリコールおよびジエチレングリコール等の炭素数3~6のアルキル基に水酸基を2つ以上有するポリオール化合物等が挙げられる。
本発明の美容組成物が皮膚外用組成物である場合の、上記ミトコンドリアトランスファー促進剤の水溶性有効成分(A)換算の含有量は、皮膚外用組成物の全体に対して、0.0001重量%以上が好ましく、0.0005重量%以上がより好ましく、0.001重量%以上がさらに好ましい。また、10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましく、3重量%以下がさらに好ましく、1重量%以下が特に好ましい。上記範囲であれば、皮膚組織においてミトコンドリアトランスファー促進効果が得られるだけの十分な上記水溶性有効成分(A)が含まれることになる。また、皮膚外用組成物における上記ミトコンドリアトランスファー促進剤の水溶性有効成分(A)換算の含有量は、0.0001~10重量%が好ましく、0.0005~5重量%がより好ましく、0.001~3重量%がさらに好ましく、0.001~1重量%が特に好ましい。
本発明の皮膚外用組成物は、皮膚外用組成物の通常の使用方法、使用回数で塗布等すればよい。例えば、本発明の皮膚外用組成物は、ミトコンドリアの機能障害や質の低下に起因する症状又は状態(例えば、ハリや弾力性の低下、しわ、たるみ、くすみ等)が気になる皮膚の部位に適量(例えば、約0.05~5g程度)を1日数回(1日あたり約1~3回程度)、塗布等の手段により適用し、皮膚に浸透させるようにして使用することができる。
本発明の皮膚外用組成物としての美容組成物の使用対象は特に限定されないが、ミトコンドリアの機能障害や質の低下により生じる症状又は状態、例えば、肌の張り若しくは弾力性の低下、シワ、タルミ、ツヤの低下、又は肌のキメの低下が認められるヒト、コラーゲン産生の低下が原因で上記症状が認められるヒト、肌の老化症状が気になるヒト、及び高齢者等が好適な対象となる。また、小児、青少年を含む若年層、健康な成人も対象にでき、加齢、紫外線、日焼け、又は過度の洗浄等による、ミトコンドリアの機能障害や質の低下に起因する肌の張り若しくは弾力性の低下、シワ、タルミ、ツヤの低下、又は肌のキメの低下、コラーゲン産生の低下が原因で起こる症状等を予防し、又は進行を抑えることができる。本発明の皮膚外用組成物としての美容組成物は、コラーゲン産生の促進、肌のハリの回復、ハリの源の再生、細胞再生の促進、肌老化症状の回復・改善のために用いられる。
[経口用組成物]
本発明の美容組成物は、機能性表示食品、保健機能食品(特定保健用食品(疾病リスク低減表示、規格基準型を含む)、条件付き特定保健用食品、又は栄養機能食品を含む)、健康食品、栄養補助食品(バランス栄養食、サプリメント等を含む)等の経口用組成物とすることができる。
剤型は、特に限定されないが、上記ミトコンドリアトランスファー促進剤(水溶性有効成分(A)を含有する)、及びこれに食品に通常用いられている賦形剤若しくは添加剤を配合して、錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤、粉剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤を含む)、水和剤、乳剤、液剤、ゼリー剤、ゲル剤、エキス剤、またはエリキシル剤等の剤型に、公知の手法にて製剤化することもできる。これらのうち、服用および携帯が容易である点で、錠剤、丸剤、粉末剤、顆粒剤、カプセル剤、液剤、ゼリー剤、ゲル剤、及びドロップ剤のような製剤が好適である。賦形剤又は添加剤としては、油脂、安定剤、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、香料、増粘剤、甘味料、着色剤、香料、保存料、酸化防止剤、及び有機酸等が挙げられる。
油脂としては、例えば、落花生油、ココアバター、コメ胚芽油、シソ油、亜麻仁油等の天然植物油等やこれらの硬化油、脂肪酸(中鎖脂肪酸を含む)のグリセリド(グリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド等)、及びミツロウ等が挙げられる。
乳化剤、分散剤、懸濁化剤、又は安定剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、及びソルビトールのような多価アルコール;グリセリン脂肪酸エステル;並びにカルボキシメチルセルロースナトリウム等が挙げられる。
増粘剤としては、例えば、ローカストビーンガム、グアーガム、キサンタンガム、タマリンドガム、ペクチン、及びカラギーナン等が挙げられる。
甘味料としては、例えば、ショ糖、果糖、麦芽糖、エリスリトール、トレハロース、マルチトール、甘草抽出物、ステビア加工甘味料、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ソルビトール、及びキシリトール等が挙げられる。
保存料としては、例えば、安息香酸又はその塩、ソルビン酸又はその塩、パラオキシ安
息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、及びパラオキシ安息香酸エチル等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、アスコルビン酸ステアリン酸ナトリウム、アスコルビン酸パルミチン酸エステル、亜硫酸水素塩、次亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、EDTAカルシウム二ナトリウム、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、及びトコフェロール等が挙げられる。
有機酸としては、例えば、クエン酸、コハク酸、酒石酸、アスパルギン酸、乳酸、リンゴ酸、マロン酸、フマル酸、及びマレイン酸等が挙げられる。
賦形剤、及び食品添加剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
また、経口用組成物としての美容組成物は、一般の食品に上記ミトコンドリアトランスファー促進剤(水溶性有効成分(A)を含有)を添加して調製することもできる。食品としては、例えば、牛乳、乳飲料、乳酸菌飲料、果汁入り清涼飲料、炭酸飲料、菜汁飲料、茶飲料、果汁飲料、イオン飲料、スポーツ飲料、機能性飲料、ビタミン補給飲料、栄養補給バランス飲料、ゼリー飲料、アルコール飲料、及びスープ類のような飲料;カスタードプリン、ミルクプリン、及び果汁入りプリン等のプリン類、ゼリー類、ドレッシング類、並びにクリーム類のようなゲル状菓子、チューインガム、及び風船ガムのようなガム類(板ガム、糖衣状粒ガム等)、チョコレート類、ソフトキャンディ(キャラメル、ヌガー、グミキャンディ、及びマシュマロ等を含む)、タフィ等のキャラメル類、ビスケット類(ハードビスケット、ソフトビスケット、ソフトクッキー、クラッカー、及び半生ビスケット等)、並びにケーキ類等の菓子類;アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、シャーベット、及び氷菓等の冷菓類;パン類;麺類;並びにペットフード等が挙げられる。
経口用組成物としての美容組成物には、本発明の効果を妨げない範囲で、更なる活性成分を配合してもよい。例えば、皮膚外用組成物に配合され得る成分として例示された抗酸化成分、老化防止成分、抗炎症成分、美白成分、ビタミン類、血行促進成分等のうち、経口にも適した任意の成分を配合することができる。これらの活性成分は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の美容組成物が経口用組成物である場合の、上記ミトコンドリアトランスファー促進剤の含有量は、経口用組成物の全体に対して、本発明の効果が得られる量であれば特に限定されるものではないが、水溶性有効成分(A)換算で、0.0001重量%以上が好ましく、0.001重量%以上がより好ましく、0.005重量%以上がさらに好ましく、0.01重量%以上が特に好ましい。また、25重量%以下が好ましく、20重量%以下がより好ましく、15重量%以下がさらに好ましく、10重量%以下が特に好ましい。上記範囲であれば、細胞間のミトコンドリアトランスファー促進効果が得られるだけの十分な上記水溶性有効成分(A)が含まれることになる。また、経口用組成物における上記ミトコンドリアトランスファー促進剤の水溶性有効成分(A)換算の含有量は、0.0001~25重量%が好ましく、0.001~20重量%がより好ましく、0.005~15重量%がさらに好ましく、0.01~10重量%が特に好ましい。
経口用組成物については、皮膚外用組成物の好ましい適用対象として列挙したヒトの他、ミトコンドリアの機能障害や質の低下により生体内のコラーゲン産生能力等が低下したヒト、例えば、角膜潰瘍等の角膜障害;リューマチ;変形性関節炎、及び骨関節炎のような関節炎等の関節障害;又は炎症性疾患等を有する患者も好適な対象となる。また、小児、青少年を含む若年者、健康な成人等の健常人も対象にできる。また、加齢、紫外線、日焼け、又は過度の洗浄等による、肌の張り若しくは弾力性の低下、シワ、タルミ、ツヤの低下、又は肌のキメの低下を予防し、又は進行を抑えることができる。経口用組成物としての本発明の美容組成物は、コラーゲン産生の促進、肌のハリの回復、ハリの源の再生、細胞再生の促進、肌老化症状の回復・改善のために用いることができる。
[ミトコンドリアトランスファー促進効果の評価方法]
本発明のミトコンドリアトランスファー促進剤又は美容組成物のミトコンドリアトランスファー促進効果を評価する方法として、例えば、以下に説明する方法が挙げられる。即ち、複数の細胞を共培養した場合に、受容側の細胞全体のうちミトコンドリアのトランスファーを受けた細胞の割合(%)を確認し、ミトコンドリアトランスファー率(%)を算定し、その数値の増加の程度によって、ミトコンドリアトランスファー促進効果を評価する方法が挙げられる。
具体的には、ミトコンドリアトランスファー促進効果の有無を調べたいサンプルで処理した細胞におけるミトコンドリアトランスファー率を測定する工程(以下「工程1」ともいう)、及び得られたミトコンドリアトランスファー率を、基準となるミトコンドリアトランスファー率(コントロール)と比較する工程(以下「工程2」ともいう)を少なくとも含む。
以下に、各工程について詳細に説明する。
[工程1:ミトコンドリアトランスファー率を測定する工程]
ミトコンドリアの供給側となる細胞をミトコンドリア染色試薬で染色し、ミトコンドリアの受容側となる細胞を細胞質染色試薬で染色する。これらの試薬による細胞の染色は、例えば、室温~37℃で所定の時間インキュベートすることにより行われる。ミトコンドリア染色試薬としては、CytoPainter Cell Tracking Staining Kit-Green Fluorescence(abcam社製)、MitoTracker Mitochondrion-Selective Probes Green FM(Molecular Probes社製)等を用いることができる。また、細胞質染色試薬としては、例えば、CellTrace(商標) Far Red Cell Proliferation Kit(invitrogen社製)、CellTrace Violet Cell Proliferation Kit, for flow cytometry(Life tech.社製)、CellTrace Red Cell Proliferation Kit,for flow cytometry(Life tech.社製)等を用いることができる。染色後、細胞をHBSS(+)又はHBSS(-)等で洗浄し、トリプシン等の酵素、EDTA等にて細胞を剥離して、HBSS(+)又はHBSS(-)等で洗浄後、両方の細胞を同じプレート(96well plate等)に播種する。両方の細胞を共培養し、評価したいサンプルを添加し、4時間~24時間程度培養を行う。その後、核染色試薬を添加して所定時間、室温~37℃でインキュベートし、ImageXpress等のイメージングシステムで画像撮影する。上記核染色試薬としては、例えばDAPI、DRAQ5(biostatus社製)、Hoechst33342(DOJINDO社製)等を使用することができる。細胞カウントプログラム等を用いて解析し、ミトコンドリアトランスファー率を計算することができる。
また、ミトコンドリア供給側又は受容側の細胞の一方のみを、評価したいサンプルを添加した培地中で4時間~24時間培養し、細胞をHBSS(+)又はHBSS(-)等で洗浄後、トリプシン等の酵素、EDTA等にて細胞を剥離する。上記供給側及び受容側の両方の細胞を混合して1つのプレート(ウェル)に播種して4時間~24時間共培養を行う。その後、上記と同様に核染色試薬を添加して所定時間(例えば、15分間程度)、室温~37℃でインキュベートし、ImageXpress等の共焦点レーザーイメージシステムで画像撮影する。細胞カウントプログラム等を用いて解析し、ミトコンドリアトランスファー率を計算することができる。ミトコンドリア供給側又は受容側の細胞の一方のみをサンプルで処理することで、どちらの細胞にサンプルが作用してミトコンドリアトランスファー促進効果をより奏させているのかを確認することができる。
上記細胞カウントプログラムでの解析は以下のように行うことができる。
(1)Cy5フィルター又はDAPIフィルター等の核染色を認識するフィルターで観察し、核を認識、計測させる(=細胞数の測定)。
(2)Cy5フィルター又はDAPIフィルター等の受容側細胞染色を認識するフィルターで観察し、ミトコンドリアを受け取る側の細胞(受容側)である細胞質を認識、計測させる(Red染色又はViolet染色された細胞=受容側)。
(3)GFPフィルター又はFITCフィルター等のミトコンドリア染色を認識するフィルターで観察し、ミトコンドリアを持つ細胞(供給側)を認識、計測させる(Green染色又はMitoTracker染色された細胞=供給側)。
(4)下記計算式により、ミトコンドリアトランスファー率(%)を算出することができる。
また、(1)の細胞数を計測することで薬剤の細胞毒性を評価することができる。
計算式:((2)かつ(3)の細胞数/(2)の細胞数)×100
[工程2:基準となるミトコンドリアトランスファー率(%)と比較する工程]
本工程においては、工程1で得られた、細胞のミトコンドリアトランスファー率(%)を、サンプル無添加のコントロール実験において算出されたミトコンドリアトランスファー率(%)と比較する。多くの場合には、得られた細胞のミトコンドリアトランスファー率が基準と決めたコントロールのミトコンドリアトランスファー率より高い場合に、そのサンプルはミトコンドリアトランスファー促進効果があると判断される。逆に、工程1で得られた細胞のミトコンドリアトランスファー率がコントロールのミトコンドリアトランスファー率よりも低い場合、そのサンプルはミトコンドリアトランスファー抑制効果があると判断される。
以下に本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
《実施例1》NHDF(ヒト皮膚線維芽細胞) x NHDF(ヒト皮膚線維芽細胞)
NHDF(ヒト皮膚線維芽細胞)間のミトコンドリアトランスファーに対する各エキスの効果を以下の方法により検討した。
(ミトコンドリアトランスファー能の評価試験)
冷凍保存のNHDF(ヒト皮膚繊維芽細胞)をT75フラスコに起眠し、1日培養した後、HBSS(+)で3回洗浄した。ミトコンドリア供給側の細胞にはミトコンドリア染色試薬を添加して30分間、受容側の細胞には細胞質染色試薬を添加して1時間、37℃インキュベータ内で染色後、DMEM(10%FBS、1%AB)培地に置換した。翌日、HBSS(+)で3回洗浄後、トリプシン/EDTAで細胞を剥がし、供給側、受容側ともに2,000cells/wellになるよう96wellプレートに播種し、一晩37℃インキュベータで共培養した。その際、各エキスを終濃度1/1,000で添加した。翌日、核染色試薬をPBS(-)に希釈し、well内培地と置換した。15分間室温で染色した後、ImageXpressで画像撮影した(16視野/well)。各画像について、細胞カウントプログラムで解析し、ミトコンドリアトランスファー率を計算した。各エキスを添加していないコントロール(100%)と比較してミトコンドリアトランスファー率を上昇させる効果があったエキスについての結果を表1に示した。
細胞カウントプログラムでの解析は以下のように行った。
(1)DAPIフィルター等の核染色を認識するフィルターで観察し、核を認識、計測させる(=細胞数の測定)。
(2)Cy5フィルター等の受容側細胞染色を認識するフィルターで観察し、ミトコンドリアを受け取る側の細胞(受容側)である細胞質を認識、計測させる(Red染色された細胞=受容側)。
(3)FITCフィルター等のミトコンドリア染色を認識するフィルターで観察し、ミトコンドリアを持つ細胞(供給側)を認識、計測させる(Green染色された細胞=供給側)。
(4)下記計算式により、ミトコンドリアトランスファー率(%)を算出することができる。
また、(1)の細胞数を計測することで薬剤の細胞毒性を評価することができる。
計算式:((2)かつ(3)の細胞数/(2)の細胞数)×100
(ミトコンドリア供給側細胞又は受容側細胞の前処理の検討)
上記試験でミトコンドリアトランスファー率を特に再現性高く示した数種類のエキスを選び、これらのエキスが供給側の細胞と受容側の細胞のどちらに作用するのかについて、更なる評価を行った。
冷凍保存のNHDF(ヒト皮膚繊維芽細胞)を起眠し、6wellプレートに播種(3x10cells/well)し4日間培養した。HBSS(+)で3回洗浄した後、ミトコンドリア供給側の細胞にミトコンドリア染色試薬を添加して30分間、受容側の細胞に細胞質染色試薬を添加して1時間、37℃インキュベータ内で染色後、DMEM(10%FBS,1%AB)培地に置換した。次いで、供給側又は受容側となる細胞にウコン根茎エキス、キハダ樹皮エキス、メリアアザジラクタ葉エキスを終濃度1/1000で添加し、一晩37℃インキュベータで培養した。なお、甘草エキスの主成分であるグリチルリチン酸ジカリウム、キハダ樹皮エキスの主成分であるベルベリンの硫酸塩についても同様に試験を行った。翌日、HBSS(+)で3回洗浄後、トリプシン/EDTAで細胞を剥がし、供給側、受容側ともに2,000cells/wellになるよう96wellプレートに播種し、処理なしの細胞(2,000cells/well)と共培養した。一晩37℃インキュベータで培養した。その翌日、核染色試薬をPBS(-)に希釈し、well内培地と置換した。15分間室温で染色した後、ImageXpressで画像撮影した(16視野/well)。細胞カウントプログラムで解析し、ミトコンドリアトランスファー率を計算した。カウントプログラムは上記と同様である。各エキスを添加していないコントロール(100%)と比較してミトコンドリアトランスファー率を上昇させる効果があったエキスの前処理についての結果を表2に示した。
上記実験に使用した細胞、培地、薬剤、染色試薬を以下に示す。
細胞:NHDFヒト皮膚線維芽細胞:Human Dermal Fibroblast(KURABO社製 KF-4009)
培地:DMEM(Gibco社製 11995065)+10%FBS+1%AB* 細胞培養時、共培養時
*AB:Antibiotic-Antimycotic(Gibco社製)
薬剤:トリプシン/EDTA(KURABO社製)HK-3120
ミトコンドリア染色試薬:Mito Tracker(登録商標) Green FM(MolecularProbes社製 M7514)1/7,000希釈in HBSS(+)(最終70nM)
細胞質染色試薬:CellTrace(商標) Far Red Cell Proliferation Kit(Invitrogen(商標) C34564)1/1,000希釈in HBSS(+)(最終5uM)
核染色試薬:Hoechst 33342 (DOJINDO社製 346-07951)1/1,000希釈
Figure 0007325170000001
Figure 0007325170000002
表1に示すエキス類は、ヒト皮膚線維芽細胞間でミトコンドリアトランスファー率を上昇させる効果を奏することが分かった。なかでも、ウコン根茎エキス、キハダ樹皮エキス、ハマメリス葉エキス、メリアアザジラクタ葉エキスは、ヒト線維芽細胞間におけるミトコンドリアトランスファー率を再現性高く、顕著に上昇させることがわかった。さらに、表2に示すとおり、ウコン根茎エキス、メリアアザジラクタ葉エキスは、特にミトコンドリアを供給する側の皮膚線維芽細胞に対して優れた効果を示すことがわかった。グリチルリチン酸ジカリウムも同様の効果を示した。一方、キハダ樹皮エキスは、ミトコンドリアを受容する側の皮膚線維芽細胞に対して優れた効果を示すことがわかった。ベルベリンの硫酸塩も同様の効果を示した。この結果から、供給側に作用する傾向が高いエキス類と、受容側に作用する傾向が高いエキス類とを組み合わせて用いることで、より効果的にミトコンドリアトランスファー能が高められることが期待できる。
《実施例2》NHEK(ヒト表皮角化細胞) x NHEK(ヒト表皮角化細胞)
NHEK(ヒト表皮角化細胞)間のミトコンドリアトランスファーに対する各エキスの効果を以下の方法により検討した。
(ミトコンドリアトランスファー能の評価試験)
冷凍保存のNHEK(ヒト表皮角化細胞)をT75フラスコに起眠し、4日間培養した。HBSS(-)で3回洗浄した後、ミトコンドリア供給側の細胞にミトコンドリア染色試薬を添加して30分間、受容側の細胞に細胞質染色試薬を添加して1時間、37℃インキュベータ内で染色後、Humedia KG2培地に置換した。翌日、HBSS(-)で3回洗浄後、トリプシン/EDTAで細胞を剥がし、供給側、受容側ともに2,000cells/wellになるよう96wellプレートに播種し、共培養した。その時、エキスを終濃度1/1,000で添加し、一晩37℃インキュベータで培養した。その翌日、核染色試薬をPBS(-)に希釈し、well内培地と置換した。15分間室温で染色した後、ImageXpressで画像撮影した(16視野/well)。各画像について、細胞カウントプログラムで解析し、ミトコンドリアトランスファー率を計算した。細胞カウントプログラムは上記と同様である。各エキスを添加していないコントロール(100%)と比較してミトコンドリアトランスファー率を上昇させる効果があったエキスについての結果を表3に示した。
(ミトコンドリア供給側細胞又は受容側細胞の前処理の検討)
上記試験でミトコンドリアトランスファー率を特に再現性高く示した数種類のエキスを選び、これらのエキスが供給側の細胞と受容側の細胞のどちらに作用するのかについて、更なる評価を行った。
冷凍保存のNHEK(ヒト表皮角化細胞)を起眠し、12wellプレートに播種(2x10cells/well)し5日間培養した。HBSS(-)で3回洗浄した後、ミトコンドリア供給側の細胞にミトコンドリア染色試薬を添加して30分間、受容側の細胞に細胞質染色試薬を添加して1時間、37℃インキュベータ内で染色後、Humedia KG2培地に置換した。次いで、供給側又は受容側となる細胞にアルテア根エキス、キハダ樹皮エキスを終濃度1/1,000で添加し添加し、一晩37℃インキュベータで培養した。なお、キハダ樹皮エキスの主成分であるベルベリンの硫酸塩、ウコン根茎エキスの主成分であるクルクミンについても同様に試験を行った。翌日、HBSS(-)で3回洗浄後、トリプシン/EDTAで細胞を剥がし、供給側、受容側ともに2,000cells/wellになるよう96wellプレートに播種し、処理なしの細胞(2,000cells/well)と共培養した。一晩37℃インキュベータで培養した。その翌日、核染色試薬をPBS(-)に希釈し、well内培地と置換した。15分間室温で染色した後、ImageXpressで画像撮影した(16視野/well)。細胞カウントプログラムで解析し、ミトコンドリアトランスファー率を計算した。カウントプログラムは上記と同様である。各エキスを添加していないコントロール(100%)と比較してミトコンドリアトランスファー率を上昇させる効果があったエキスの前処理についての結果を表4に示した。
上記実験に使用した細胞、培地、薬剤、染色試薬を以下に示す。
細胞:NHEK(ヒト表皮角化細胞)KK-4009(KURABO社製)
培地:Humedia-KG2培地 KK-2150S(KURABO社製)細胞培養時、共培養時
薬剤:トリプシン/EDTA(KURABO社製)HK-3120
ミトコンドリア染色試薬:Mito Tracker(登録商標)Green FM(molecularprobesM7514)1/7,000希釈in HBSS(-)(最終70nM)
細胞質染色試薬:CellTrace(商標) Far Red Cell Proliferation Kit(Invitrogen(商標) C34564)1/1,000希釈in HBSS(-)(最終5uM)
核染色試薬:Hoechst 33342 (DOJINDO社製 346-07951)1/1,000希釈
Figure 0007325170000003
Figure 0007325170000004
表3に示すエキス類は、ヒト表皮角化細胞間でミトコンドリアトランスファー率を上昇させる効果を奏することが分かった。なかでも、アルテア根エキス、キハダ樹皮エキス、オウレン根エキス、トウガラシ果実エキス、セイヨウトチノキ種子エキスは、ヒト表皮角化細胞間におけるミトコンドリアトランスファー率を再現性高く、顕著に上昇させることがわかった。さらに、表4に示すとおり、アルテア根エキス、キハダ樹皮エキスは、特にミトコンドリアを受容する側の表皮角化細胞に対して優れた効果を示すことがわかった。また、ベルベリンの硫酸塩、クルクミンも同様の効果を示した。
《実施例3》AD-MSC(脂肪由来間葉系幹細胞) x NHDF(ヒト皮膚線維芽細胞)
AD-MSC(脂肪由来間葉系幹細胞)とNHDF(ヒト皮膚線維芽細胞)間のミトコンドリアトランスファーに対する各エキスの効果を以下の方法により検討した。
(ミトコンドリアトランスファー能の評価試験)
冷凍保存のAD-MSC(脂肪由来間葉系幹細胞)及びNHDF(ヒト皮膚線維芽細胞)をT75フラスコに起眠し、5日間培養した。HBSS(+)で3回洗浄した後、ミトコンドリア供給側の細胞にミトコンドリア染色試薬を添加して30分間、受容側の細胞に細胞質染色試薬を添加して1時間、37℃インキュベータ内で染色後、AD-MSCはStem life培地に、NHDFはDMEM(10%FBS、1%AB)培地に置換した。翌日、HBSS(+)で3回洗浄後、トリプシン/EDTAで細胞を剥がし、供給側、受容側ともに2,000cells/wellになるよう96wellプレートに播種し、共培養した。その時、エキスを終濃度1/1,000で添加し、一晩37℃インキュベータで培養した。その翌日、核染色試薬をPBS(-)に希釈し、well内培地と置換した。15分間室温で染色した後、ImageXpressで画像撮影した(16視野/well)。各画像について、細胞カウントプログラムで解析し、ミトコンドリアトランスファー率を計算した。細胞カウントプログラムは上記と同様である。
(ミトコンドリア供給側細胞又は受容側細胞の前処理の検討)
上記試験でミトコンドリアトランスファー率を特に再現性高く示した数種類のエキスを選び、これらのエキスが供給側の細胞と受容側の細胞のどちらに作用するのかについて、更なる評価を行った。
冷凍保存のAD-MSC(脂肪由来間葉系幹細胞)を12wellプレートに播種(3.6x10cells/well)し、NHDF(ヒト皮膚線維芽細胞)を起眠し、12wellプレートに播種(8.5x10cells/well)し、4日間培養した。HBSS(+)で3回洗浄した後、ミトコンドリア供給側の細胞にミトコンドリア染色試薬を添加して30分間、受容側の細胞に細胞質染色試薬を添加して1時間、37℃インキュベータ内で染色後、AD-MSCはStem life培地に、NHDFはDMEM(10%FBS、1%AB)培地に置換した。次いで、供給側又は受容側となる細胞に、キハダ樹皮エキス、プルーン分解物を終濃度1/1,000で添加し添加し、一晩37℃インキュベータで培養した。ウコン根茎エキスの主成分であるクルクミンについても同様に試験を行った。翌日、HBSS(+)で3回洗浄後、トリプシン/EDTAで細胞を剥がし、供給側、受容側ともに2,000cells/wellになるよう96wellプレートに播種し、処理なしの細胞(2,000cells/well)と共培養した。一晩37℃インキュベータで培養した。その翌日、核染色試薬をPBS(-)に希釈し、well内培地と置換した。15分間室温で染色した後、ImageXpressで画像撮影した(16視野/well)。細胞カウントプログラムで解析し、ミトコンドリアトランスファー率を計算した。カウントプログラムは上記と同様である。
上記実験に使用した細胞、培地、薬剤、染色試薬を以下に示す。
細胞:AD-MSC(脂肪由来間葉系幹細胞) Adipose derived stem cell(Life Line KW-4109)
NHDFヒト皮膚線維芽細胞:Human Dermal Fibroblast(KURABO社製 KF-4009)
培地:
(1)Stem life MSC Comp Kit(Life Line LL-0034) (AD培養時)
(2)DMEM(Gibco社製 11995065)+10%FBS+1%AB (NHDF細胞培養時、共培養時)
AB:Antibiotic-Antimycotic(Gibco社製)
薬剤:トリプシン/EDTA(KURABO社製)HK-3120
ミトコンドリア染色試薬:Mito Tracker(登録商標)Green FM(molecularprobesM7514)1/7,000希釈in HBSS(+)(最終70nM)
細胞質染色試薬:CellTrace(商標) Far Red Cell Proliferation Kit(Invitrogen(商標) C34564)1/1,000希釈in HBSS(+)(最終5uM)
核染色試薬:Hoechst 33342 (DOJINDO社製 346-07951)1/1,000希釈
Figure 0007325170000005
Figure 0007325170000006
表5に示すエキス類は、脂肪由来間葉系幹細胞と皮膚線維芽細胞との間でミトコンドリアトランスファー率を上昇させる効果を奏することが分かった。なかでも、ウコン根茎エキス、キハダ樹皮エキス、オウレン根エキス、トウキンセンカ花エキス、プルーン分解物は、脂肪由来間葉系幹細胞とヒト皮膚線維芽細胞の間におけるミトコンドリアトランスファー率を再現性高く、顕著に上昇させることがわかった。さらに、表6に示すとおり、プルーン分解物は、特にミトコンドリアを供給する側の脂肪由来間葉系幹細胞に対して優れた効果を示すことがわかった。一方、キハダ樹皮エキスは、ミトコンドリアを受容する側の皮膚線維芽細胞に対して優れた効果を示すことがわかった。クルクミンも同様の効果を示した。従って、供給側に作用する傾向が高いエキス類と、受容側に作用する傾向が高いエキス類とを組み合わせて用いることで、より効果的にミトコンドリアトランスファー能が高められることが期待できる。
《実施例4》NHDF(ヒト皮膚線維芽細胞) x NHEK(ヒト表皮角化細胞)
NHDF(ヒト皮膚線維芽細胞)とNHEK(ヒト表皮角化細胞)間のミトコンドリアトランスファーに対する各エキスの効果を以下の方法により検討した。
(ミトコンドリアトランスファー能の評価試験)
冷凍保存のNHDF(ヒト皮膚線維芽細胞)とNHEK(ヒト表皮角化細胞)をT75フラスコに起眠し、5日間培養した。NHDFはHBSS(+)で、NHEKはHBSS(-)で3回洗浄した後、ミトコンドリア供給側の細胞にミトコンドリア染色試薬を添加して30分間、受容側の細胞に細胞質染色試薬を添加して1時間、37℃インキュベータ内で染色後、NHDFはDMEM(10%FBS、1%AB)培地に、NHEKはHumedia KG2培地に置換した。翌日、NHDFはHBSS(+)で、NHEKはHBSS(-)で3回洗浄後、トリプシン/EDTAで細胞を剥がし、供給側、受容側ともに2,000cells/wellになるよう96wellプレートに播種し、共培養した。その時、エキスを終濃度1/1,000で添加し、一晩37℃インキュベータで培養した。その翌日、核染色試薬をPBS(-)に希釈し、well内培地と置換した。15分間室温で染色した後、ImageXpressで画像撮影した(16視野/well)。各画像について、細胞カウントプログラムで解析し、ミトコンドリアトランスファー率を計算した。細胞カウントプログラムは上記と同様である。
(ミトコンドリア供給側細胞又は受容側細胞の前処理の検討)
上記試験でミトコンドリアトランスファー率を特に再現性高く示した数種類のエキスを選び、これらのエキスが供給側の細胞と受容側の細胞のどちらに作用するのかについて、更なる評価を行った。
冷凍保存のNHDF(ヒト皮膚線維芽細胞)を6wellプレートに播種(5x10cells/well)してT25フラスコに1.5x10cells/well)で播種し、別途NHEK(ヒト表皮角化細胞)を起眠し、6wellプレートに播種(4x10cells/well)してT25フラスコに2x10cells/well)で播種し、4日間培養した。NHDFはHBSS(+)で、NHEKはHBSS(-)で3回洗浄した後、ミトコンドリア供給側の細胞にミトコンドリア染色試薬を添加して30分間、受容側の細胞に細胞質染色試薬を添加して1時間、37℃インキュベータ内で染色後、NHDFはDMEM(10%FBS、1%AB)培地に、NHEKはHumedia KG2培地に置換した。次いで、供給側又は受容側となる細胞にキハダ樹皮エキスを終濃度1/1,000で添加し添加し、一晩37℃インキュベータで培養した。ウコン根茎エキスの主成分であるクルクミンについても同様に試験を行った。翌日、NHDFはHBSS(+)で、NHEKはHBSS(-)で3回洗浄後、トリプシン/EDTAで細胞を剥がし、供給側、受容側ともに2,000cells/wellになるよう96wellプレートに播種し、処理なしの細胞(2,000cells/well)と共培養した。一晩37℃インキュベータで培養した。その翌日、核染色試薬をPBS(-)に希釈し、well内培地と置換した。15分間室温で染色した後、ImageXpressで画像撮影した(16視野/well)。細胞カウントプログラムで解析し、ミトコンドリアトランスファー率を計算した。カウントプログラムは上記と同様である。
上記実験に使用した細胞、培地、薬剤、染色試薬を以下に示す。
細胞:NHDFヒト皮膚線維芽細胞:Human Dermal Fibroblast(KURABO社製 KF-4009)
NHEK(ヒト表皮角化細胞)KK-4009(KURABO社製)
培地:
(1)Humedia-KG2培地 KK-2150S(KURABO社製) (NHEK細胞培養時)
(2)DMEM(Gibco社製 11995065)+10%FBS+1%AB (NHDF細胞培養時)
AB:Antibiotic-Antimycotic(Gibco社製)
(3)上記2種類の培地を1:1で混合した培地 (共培養時)
薬剤:トリプシン/EDTA(KURABO社製)HK-3120
ミトコンドリア染色試薬:Mito Tracker(登録商標)Green FM(molecularprobesM7514)1/7,000希釈in HBSS(+)(最終70nM)
細胞質染色試薬:CellTrace(商標) Far Red Cell Proliferation Kit(Invitrogen(商標) C34564)1/1,000希釈in HBSS(-)(最終5uM)
核染色試薬:Hoechst 33342 (DOJINDO社製 346-07951)1/1,000希釈
Figure 0007325170000007
Figure 0007325170000008
表7に示すエキス類は、皮膚線維芽細胞と表皮角化細胞との間で高いミトコンドリアトランスファー促進効果を奏することが分かった。なかでも、キハダ樹皮エキス、オウレン根エキスは、ヒト皮膚線維芽細胞とヒト表皮角化細胞の間におけるミトコンドリアトランスファー率を再現性高く、顕著に上昇させることがわかった。さらに、表8に示すとおり、キハダ樹皮エキスは、ミトコンドリアを受容する側の表皮角化細胞に対して優れた効果を示すことがわかった。クルクミンも同様の効果を示した。
《ミトコンドリアトランスファーが細胞に与える効果の検討》
ミトコンドリアトランスファーを受けた細胞(受容側細胞)内で、どのような機能変化が生じているかを確認する目的で、遺伝子(SOD2及びPPARGC1)の発現変化を調べた。
ミトコンドリア供給側としてAD-MSC(ヒト脂肪由来間葉系幹細胞)を、受容側としてNHDF(ヒト皮膚線維芽細胞)を、それぞれ-80℃保存の細胞を推奨播種密度でフラスコに起眠して3日間37℃、5%CO2インキュベータ内で培養した。4日目にNHDFのみをPBS(-)で2回洗浄し、細胞質染色試薬を添加してインキュベータ内で1時間染色した。染色後PBS(-)で2回洗浄し、通常培地に置換すると同時にロテノン/DMSO(最終1uM)を添加し、一晩インキュベータ内で培養した。この際、コントロール比較サンプルとして、ロテノンを添加せずに細胞質染色したNHDFも同様に準備した。5日目にAD-MSC、NHDF(ロテノンあり、なし)ともにPBS(-)で2回洗浄し、トリプシンを添加して培養フラスコから細胞を剥がし、AD-MSCに対してNHDFを1:1の割合で混合して共培養した。この際、共培養との比較サンプルとして、単培養のNHDF(ロテノンあり、なし)も準備した。6日目に上記と同様に細胞を剥がし、1%BSA/PBS(-)で2回洗浄した後、1%BSA/PBSに細胞を懸濁し、セルストレーナーに通した。その後セルソーター(SONY社製 SH800Z)を使用して、細胞質染色試薬の蛍光を指標に、受容側NHDFをソートした。ソートした細胞は15mLファルコンチューブで分取した。ソート後の単培養NHDF(ロテノンあり、なし)、共培養NHDF(ロテノンあり、なし)の計4種類をPBS(-)で2回洗浄し、RNA抽出キットを使用してRNAを抽出し、cDNA合成キットを使用してcDNAを合成した。それをサンプルとしてリアルタイムPCRにてSOD2、PPARGC1の発現を確認した。遺伝子発現の内在性コントロールとしては、GAPDHを用いた。結果を図1(SOD2)、図2(PPARGC1)に示した。
なお、上記実験に使用した細胞、培地、薬剤、機器は以下のとおりである。
細胞:
AD-MSC(脂肪由来間葉系幹細胞HMSC-Ad):Adipose derived stem cell(Life Line FC-0034);
NHDFヒト皮膚線維芽細胞:Human Dermal Fibroblast(KURABO社製 KF-4009)
培地:
AD培養時:Stem life MSC Comp Kit(Life Line LL-0034)
NHDF培養時、共培養時:DMEM(Gibco社製)+10%FBS+1%AB*
*AB:Antibiotic-Antimycotic(Gibco社製)
試薬:
細胞質染色試薬:CellTrace Violet Cell Proliferation Kit, for flow cytometry (Invitrogen)C34557 1/1000希釈in HBSS (+) (最終5uM)
ロテノン:(SIGMA社製) R8875-1G
トリプシン/ EDTA:(KURABO社製) HK-3120
BSA:(SIGMA社製)Bovine Serum Albumin A2153-50G
RNA抽出キット:(QIAGEN社製) RNeasy Mini Kit(250) 74106
cDNA合成キット:(TOYOBO社製) ReverTra Ace(登録商標)qPCR Master Mix with gDNA RemoverFSQ-301
リアルタイムPCR試薬:(applied biosystems社製)TaqMan(登録商標) Fast Advanced Master Mix 4444557
TaqMan probe:(applied biosystems社製) SOD2, PPARGC1, GAPDH
機器:
CELL SORTER:(SONY社製)SH800Z
Thermal Cycler:(Applied Biosystems社製) 2720
Real-time PCR System:QuantStudio (applied biosystems社製)
SOD2はミトコンドリアに局在する抗酸化酵素であり、ミトコンドリアで機能することから、ミトコンドリア機能障害回復に寄与する可能性がある。今回の遺伝子発現の結果では、図1に示すとおり、単培養群と比較して共培養群でSOD2遺伝子の発現が高くなった。また、ロテノン処理したダメージ細胞においても、共培養することでSOD2の発現が有意に上昇した。以上から、障害を受けた細胞に対して、ミトコンドリアトランスファーが起こることによって機能回復につながることが確認できた。また、図2に示すとおり、ミトコンドリア量増加の指標であるPPARGC1においても、SOD2と同様の傾向が示された。すなわち、PPARGC1の発現が高くなったことから、ミトコンドリアトランスファーが起こることによって細胞賦活化につながることが確認できた。
《ヒト繊維芽細胞のコラーゲン産生能に対する、プルーン分解物及びアロエエキスの効果の検討》
上記試験の結果、プルーン分解物、アロエエキスはミトコンドリアトランスファー促進効果を有することがわかった。これらの物質のコラーゲン産生に対する効果を検討するために、以下の試験を行った。すなわち、冷凍保存のヒト線維芽細胞(クラボウ社製)を推奨播種密度細胞数フラスコに起眠して37℃、5%COインキュベータ内で培養した。培養4日目にこの細胞をPBS(-)で2回洗浄し、トリプシンを添加して培養フラスコから細胞を剥がし、48wellプレートにDMEM/10%FBS/1%AB培地(Gibco社製)を使用して3x10cells/wellで播種した。そして、6時間後に培地をDMEM/0.1%FBS/1%ABに置換した。翌日、プルーン分解物(最終0.002%)、アロエエキス(最終0.002%)、コンプレックスA(トリペプチド-1-銅 最終0.1mg/ml、コラーゲン 最終1mg/ml、カプロオイルテトラペプチド-3 最終0.075mg/ml)、アスコルビン酸(最終1mg/ml)を細胞に添加し、52時間後に細胞上清を回収した。
蛋白量測定(コラーゲン量測定)は、ELISA法によるR&D systems Human Pro-Collagen I alpha1 Duo Set ELISAを使用し、プロトコルに従って測定した。サンプルは、上記回収した上清を150倍希釈で使用した。結果を図3に示した。
本試験において使用した細胞、培地、試薬は以下のとおりであり。
細胞:NHDFヒト皮膚線維芽細胞:Human Dermal Fibroblast(KURABO社製 KF-4009)
培地:DMEM(Gibco社製)+10%FBS+1%AB*
*AB:Antibiotic-Antimycotic(Gibco社製)
試薬:トリプシン/EDTA(KURABO社製)HK-3120
プルーン分解物、アロエエキスについては市販の化粧品原料を使用した。
図1に示すとおり、コンプレックスA(脂肪由来幹細胞の遊走付与効果、コラーゲン産生機能を有することが知られている成分である、トリペプチド-1-銅、コラーゲン、カプロオイルテトラペプチド-3を含む)単独でもヒト繊維芽細胞におけるコラーゲン産生促進効果がみられたが、ミトコンドリアトランスファー促進効果を有するプルーン分解物及びアロエエキスを加えると、その効果が顕著に増強された。
また、上記と同様に、ジプロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、エチレングリコールおよびジエチレングリコール等の炭素数3~6のアルキル基に水酸基を2つ以上有するポリオール化合物、単糖類、二糖類、オリゴ糖類、多糖類、ムコ多糖類、コラーゲン類、オリゴペプチド類、ポリペプチド類等の親水性生体物質等、脂肪由来幹細胞の遊走付与効果(脂肪由来幹細胞を遊走させるか遊走を促進する効果)を有する物質である素材や、コラーゲン産生機能が知られている素材に、本発明のミトコンドリアトランスファー機能を有する素材とを組み合わせることで、細胞のコラーゲン産生量を増加させることができる。
本発明の美容組成物の処方例(製剤実施例)を以下に示す。以下は全て皮膚外用組成物であり、常法により調製することができる。本発明はこれらの製剤処方例に限定されるものではない。
Figure 0007325170000009
本発明のミトコンドリアトランスファー促進剤及び美容組成物は、加齢、環境要因、ストレス等に起因して、ミトコンドリアの機能障害や質の低下が生じている細胞を含むことにより引き起こされる症状や状態の予防・改善、健康状態の維持、肌のハリ改善といった若返り等のために好適に使用することができる。

Claims (15)

  1. 水溶性有効成分としてのプルーンエキスを含むミトコンドリアトランスファー促進剤。
  2. プルーンエキスが、プルーン分解物である、請求項1に記載のミトコンドリアトランスファー促進剤
  3. らにアロエエキスを含有する、請求項1又は2に記載のミトコンドリアトランスファー促進剤
  4. らにアルテア根エキスを含有する、請求項1からのいずれか1項に記載のミトコンドリアトランスファー促進剤
  5. 皮膚組織においてミトコンドリアトランスファーを促進するために用いられる、請求項1からのいずれか1項に記載のミトコンドリアトランスファー促進剤
  6. 皮膚線維芽細胞、表皮角化細胞、脂肪由来間葉系幹細胞、表皮幹細胞及び真皮幹細胞からなる群より選択される1種又は2種の細胞間におけるミトコンドリアトランスファーを促進させるために用いられる、請求項1からのいずれか1項に記載のミトコンドリアトランスファー促進剤
  7. 皮膚外用組成物として用いられる、請求項1からのいずれか1項に記載のミトコンドリアトランスファー促進剤
  8. 経口用組成物として用いられる、請求項1からのいずれか1項に記載のミトコンドリアトランスファー促進剤
  9. ルーンエキスを使用することを特徴とする、細胞間のミトコンドリアトランスファー促進方法。
  10. プルーンエキス、プルーン分解物である、請求項に記載の細胞間のミトコンドリアトランスファー促進方法。
  11. 上記細胞が皮膚組織の細胞である、請求項9又は10に記載の細胞間のミトコンドリアトランスファー促進方法。
  12. 皮膚線維芽細胞、表皮角化細胞、脂肪由来間葉系幹細胞、表皮幹細胞及び真皮幹細胞からなる群より選択される1種又は2種の細胞間におけるミトコンドリアトランスファーを促進させる方法である、請求項9又は10に記載の細胞間のミトコンドリアトランスファー促進方法。
  13. プルーンエキスが皮膚外用組成物の成分として使用される、請求項から12のいずれか1項に記載の細胞間のミトコンドリアトランスファー促進方法。
  14. プルーンエキスが経口用組成物の成分として使用される、請求項から12のいずれか1項に記載の細胞間のミトコンドリアトランスファー促進方法。
  15. プルーンエキスが美容組成物の成分として使用される、請求項から14のいずれか1項に記載の細胞間のミトコンドリアトランスファー促進方法。
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