以下、本発明の実施形態に係る中継搬送装置及び画像形成システムについて、図面に基づいて説明する。
図1及び図2は、本発明の一実施形態に係る中継搬送装置3が適用された画像形成システム1の内部構造を示す図である。画像形成システム1は、画像形成装置2と、中継搬送装置3と、後処理装置9とを備える。画像形成システム1は、画像形成装置2においてシートSに画像を形成し、中継搬送装置3において画像形成後のシートSを後処理装置9へ搬送し、後処理装置9においてシートSに所定の後処理を施すシステムである。なお、以下の説明では、シートSの搬送方向を示す水平面上の方向を「シート搬送方向D1」と称し、シート搬送方向D1と直交するシートSの幅を示す方向を「シート幅方向D2」と称する。また、シート搬送方向D1及びシート幅方向D2の両方向と直交し、画像形成システム1を構成する各装置の高さを示す鉛直に延びる方向を「高さ方向D3」と称する。
画像形成装置2は、シートSに画像を形成する装置である。画像形成装置2の画像形成方式は、特に限定されるものではないが、図1及び図2に示す例ではインクジェット方式が採用されている。画像形成装置2は、装置本体21と、給紙部22と、シート搬送部23と、画像形成部24と、排紙部25とを備える。
装置本体21は、シートSに画像を形成するための各種の装置を収容する箱形の筐体である。この装置本体21には、シートSの搬送経路としての第1搬送路GP1と第2搬送路GP2とが形成されている。第1搬送路GP1は、給紙部22から画像形成部24を通って排紙部25へ向かう搬送経路である。第2搬送路GP2は、シートSの表裏を反転させる搬送経路であって、シートSの搬送方向D1において画像形成部24の下流側で第1搬送路GP1から分岐し、画像形成部24の上流側で第1搬送路GP1に合流している。
給紙部22は、シートSを第1搬送路GP1へ給紙する。給紙部22は、給紙カセット221とピックアップローラー222とを備える。給紙カセット221は、装置本体21に対して着脱自在であり、内部にシートSを収容する。ピックアップローラー222は、給紙カセット221に収容されたシート束の最上層のシートSを1枚ずつ繰り出し、第1搬送路GP1へ送り出す。
第1搬送路GP1に給紙されたシートSは、その第1搬送路GP1に設けられた搬送ローラー対TRによって、シート搬送部23のレジストローラー対233まで搬送される。レジストローラー対233は、シートSのスキュー矯正を行うとともに、画像形成部24による画像形成処理のタイミングに合わせてシートSを、搬送ベルト231に向けて送り出す。レジストローラー対233によって送り出されたシートSは、その先端部が搬送ベルト231の外周面に接すると、搬送ベルト231の駆動により外周面上に保持された状態でシート搬送方向D1に搬送される。
シート搬送部23は、画像形成部24の高さ方向D3の下方側において、画像形成部24と対向するように配置されている。シート搬送部23は、搬送ベルト231と吸引部232とを備える。搬送ベルト231は、レジストローラー対233によって送り出されたシートSを外周面上に保持し、その状態で周回走行することにより、シートSをシート搬送方向D1に搬送する。また、搬送ベルト231は、外周面から内周面にわたって厚み方向に貫通した複数の吸引孔を有している。吸引部232は、搬送ベルト231の内周面に対向して配置される。吸引部232は、搬送ベルト231の外周面に保持されたシートSと搬送ベルト231との間に負圧を発生させることにより、シートSを搬送ベルト231の外周面に密着させる。吸引部232は、搬送ベルト231の吸引孔を介して搬送ベルト231の上側の空間から空気を吸引することにより吸引力を発生させる。この吸引力により、搬送ベルト231の上側の空間に吸引部232へ向かう気流(吸引風)が発生する。シートSが搬送ベルト231の外周面の一部を覆うと、シートSに吸引力(負圧)が作用して、シートSが搬送ベルト231の外周面に密着される。
画像形成部24は、シート搬送部23の上側において、搬送ベルト231の外周面と対向するように配置される。画像形成部24は、搬送ベルト231の外周面上に保持された状態でシート搬送方向D1に搬送されるシートSに、画像形成処理を施して画像を形成する。本実施形態では、画像形成部24は、画像形成方式がインクジェット方式であり、インクを吐出してシートSに画像を形成する。画像形成部24は、インクを吐出する記録ヘッドによって構成される。図1及び図2に示す例では、画像形成部24は、イエロー色、マゼンタ色、シアン色、及びブラック色の各色のインクをそれぞれ吐出する4台の記録ヘッドによって構成される。
画像形成部24によって画像が形成されたシートSは、第1搬送路GP1の下流端に設けられた排紙部25によって、排紙口251を介して中継搬送装置3に向けて排出される。一方、画像形成部24を通過したシートSが、第1面(表面)の画像形成処理が完了した両面印刷用のものである場合には、当該シートSは、第2搬送路GP2に送り出されて表裏が反転される。第2搬送路GP2を搬送されたシートSは、レジストローラー対233を介して、表裏が反転した状態で再び搬送ベルト231の外周面上に供給される。このように表裏が反転した状態で搬送ベルト231に供給されたシートSは、搬送ベルト231により搬送されながら、画像形成部24によって、第1面とは反対側の第2面(裏面)に画像形成処理が施される。両面印刷が完了したシートSは、排紙部25によって排紙口251を介して中継搬送装置3に向けて排出される。
中継搬送装置3は、シート搬送方向D1において画像形成装置2と後処理装置9との間に配置される。つまり、中継搬送装置3は、シート搬送方向D1において、画像形成装置2の下流側であって、後処理装置9の上流側に配置される。中継搬送装置3は、画像形成装置2から後処理装置9へのシートSの搬送を中継する装置である。中継搬送装置3は、画像形成装置2の排紙口251から排出されたシートSを受入口311から受け入れて、そのシートSを後処理装置9に向けて排出する。中継搬送装置3の詳細については、後述する。
後処理装置9は、中継搬送装置3から排出された画像形成後のシートSに、所定の後処理を施す装置である。後処理装置9としては、シートSが搬入される搬入口CIPの高さ方向D2の位置が異なる複数種の装置が存在する。画像形成システム1においては、複数種の後処理装置9から選択された1つの後処理装置が中継搬送装置3の下流側に連結される。図1では、中継搬送装置3に連結された後処理装置9として、フィニッシャー9Aが例示されている。フィニッシャー9Aは、穿孔処理、ステープル処理及び中折り処理を選択的にシートSに対して施す後処理装置である。図2では、中継搬送装置3に連結された後処理装置9として、スタッカー9Bが例示されている。スタッカー9Bは、大量のシートSを蓄積して収容する後処理装置である。
図1に示すフィニッシャー9A(後処理装置9)は、装置本体91と、当該装置本体91内に収容される穿孔装置92、ステープル装置93及び中折り装置94と、を備える。装置本体91においては、高さ方向D3に関して、上部に穿孔装置92が配置され、中間部にステープル装置93が配置され、下部に中折り装置94が配置されている。
装置本体91におけるシート搬送方向D1の上流側の側面であって、中継搬送装置3と対向する側の側面には、中継搬送装置3から排出されたシートSが搬入される搬入口CIPが形成されている。また、装置本体91の中継搬送装置3とは反対側の側面には、穿孔装置92の側方に第1排出口911が形成され、ステープル装置93の側方に第2排出口912が形成され、中折り装置94の側方に第3排出口913が形成されている。
また、装置本体91には、第1搬送路FP1、第2搬送路FP2及び第3搬送路FP3が形成されている。第1搬送路FP1は、搬入口CIPから穿孔装置92を通って第1排出口911に向かう搬送路である。第2搬送路FP2は、穿孔装置92の下流側で第1搬送路FP1から分岐してステープル装置93を通って第2排出口912に向かう搬送路である。第3搬送路FP3は、第2搬送路FP2から分岐して中折り装置94を通って第3排出口913に向かう搬送路である。
中継搬送装置3から排出されたシートSは、搬入口CIPから装置本体91内に搬入されて、第1搬送路FP1に導かれる。フィニッシャー9AにおいてシートSに穿孔処理を施す場合を想定する。この場合、シートSは、第1搬送路FP1を通って穿孔装置92に搬送される。穿孔装置92は、シートSに穿孔処理を施す。穿孔処理後のシートSは、第1搬送路FP1を通って第1排出口911から排出されて第1排出トレイ95に積載される。フィニッシャー9Aにおいてステープル処理を施す場合を想定する。この場合、シートSは、第1搬送路FP1から第2搬送路FP2に沿ってステープル装置93に搬送される。ステープル装置93は、シートSにステープル処理を施す。ステープル処理後のシートSは、第2搬送路FP2を通って第2排出口912から排出されて第2排出トレイ96に積載される。フィニッシャー9Aにおいて中折り処理を施す場合を想定する。この場合、シートSは、第1搬送路FP1から第2搬送路FP2及び第3搬送路FP3に沿って中折り装置94に搬送される。中折り装置94は、シートSを中綴じして中折りする中折り処理を行う。中折り処理後のシートSは、第3搬送路FP3を通って第3排出口913から排出されて第3排出トレイ97に積載される。
図2に示すスタッカー9B(後処理装置9)は、装置本体98と、当該装置本体98内に収容される大容量トレイ99とを備える。装置本体98におけるシート搬送方向D1の上流側の側面であって、中継搬送装置3と対向する側の側面には、中継搬送装置3から排出されたシートSが搬入される搬入口CIPが形成されている。大容量トレイ99は、搬入口CIPから装置本体98内に搬入されたシートSを蓄積して収容する。一般に、スタッカー9Bの搬入口CIPの高さ方向D3の位置(高さ位置)は、フィニッシャー9Aの搬入口CIPの高さ位置よりも低い。
次に、中継搬送装置3について詳細に説明する。中継搬送装置3は、画像形成装置2及び後処理装置9とは別体に設けられ、画像形成装置2及び後処理装置9の各々に連結される。中継搬送装置3は、画像形成装置3から後処理装置9へのシートSの搬送を中継する間に、シートSの表裏反転と、シート幅方向D2におけるシートSの位置補正と、を選択的に行うことができる。
中継搬送装置3は、装置本体31と、装置本体31の内部に設けられた中継搬送路32及びシート排出部33と、を備える。
装置本体31におけるシート搬送方向D1の上流側の側面であって、画像形成装置2と対向する側の側面には、画像形成装置2の排紙口251から排出されたシートSを受け入れる受入口311が形成されている。受入口311の高さ方向D3の位置(高さ位置)は、排紙口251の高さ位置と一致している。なお、「高さ位置が一致している」とは、受入口311と排紙口251との高さ位置の差が、所定の許容範囲内に収まっている状態をいう。
受入口311から装置本体31内に受け入れられたシートSは、中継搬送路32に導かれる。中継搬送路32は、受入口311からシート排出部33に向かう搬送路である。中継搬送路32の各所には、シートSを搬送する搬送ローラー対TRが設けられている。中継搬送路32は、シート搬送方向D1における上流側から順に、第1共通路M1と、第1反転路I1及び第2反転路I2と、第2共通路M2と、第1補正路C1及び第2補正路C2と、第3共通路M3と、第4共通路M4と、を有している。第1反転路I1及び第2反転路I2は、シートSの表裏を反転する反転部である。第1補正路C1及び第2補正路C2は、シート幅方向D2におけるシートSの位置を補正する補正部である。
第1共通路M1は、受入口311から略水平に延びて、第1分岐点B1で第1反転路I1と第2反転路I2とに分岐している。
第1反転路I1は、シートの搬送方向が反転されるスイッチバック路I11と、スイッチバック路I11へシートSが搬送される往路I12と、スイッチバックされたシートSが搬送される復路I13と、を有している。往路I12は、第1分岐点B1からシート搬送方向D1の下流側へ略水平に延びている。スイッチバック路I11は、往路I12の出口から傾斜して下方に延びている。復路I13は、スイッチバック路I11の入口から下方に延びている。
第2反転路I2は、シートSの搬送方向が反転されるスイッチバック路I21と、スイッチバック路I21へシートSが搬送される往路I22と、スイッチバックされたシートSが搬送される復路I23と、を有している。往路I22は、第1分岐点B1から下方に延びている。スイッチバック路I21は、往路I22の出口から下方に延びている。復路I23は、スイッチバック路I21の入口からシート搬送方向D1の下流側へ延びている。
第1反転路I1の復路I13と第2反転路I2の復路I23とは、第1合流点J1で合流している。第2共通路M2は、第1合流点J1から下方に延びた後、湾曲しながら上方へ折り返されている。第2共通路M2は、第2分岐点B2で、第1補正路C1と第2補正路C2とに分岐している。
第1補正路C1と第2補正路C2とは、上下に並んで形成され、それぞれ略水平に延びている。第1補正路C1と第2補正路C2とには、3組の切換ローラー対CR1と補正ローラー対CR2とが、上流側から順に設けられている。各切換ローラー対CR1の上側のローラーは、下側のローラーと共にシートSを挟み込むニップ位置と、シートSから上方に離間したニップ解除位置との間で、高さ方向D3に移動可能である。また、補正ローラー対CR2は、シート幅方向D2に移動可能である。
第1補正路C1と第2補正路C2とは、第2合流点J2で合流している。第3共通路M3は、第2合流点J2から上方に延びている。第3共通路M3の出口は、後述のシート排出部33における第2ユニット支持部45に支持された場合の排出ユニット5に接続される(図2参照)。第4共通路M4は、第3共通路M3から更に上方に延びている。第4共通路M4の出口は、後述のシート排出部33における第1ユニット支持部44に支持された場合の排出ユニット5に接続される(図1参照)。
中継搬送路32は、第1副経路S1と第2副経路S2とを、更に有している。第1副経路S1は、反転及び位置補正と後処理が不要なシートSが搬送される搬送路である。第2副経路S2は、反転及び位置補正が不要で後処理のみが行われるシートSが搬送される搬送路である。第1副経路S1は、第1反転路I1の往路I12の途中の第3分岐点B3で上方に分岐して、排出トレイ312に向かって延びている。第2副経路S2は、第1反転路I1のスイッチバック路I11の途中の第4分岐点B4で分岐して、シート排出部33に向かって延びている。第2副経路S2は、第5分岐点B5で上経路S21と下経路S22とに分岐している。上経路S21は、シート排出部33における第1ユニット支持部44に向かって延びている。下経路S22は、シート排出部33における第2ユニット支持部44に向かって延びている。
画像形成装置2から排出されて中継搬送路32を通過したシートSは、シート排出部33に導かれる。シート排出部33は、装置本体31のシート搬送方向D1の下流端に配置される。シート排出部33について、図1及び図2に加えて、図3〜図5を参照して説明する。図3及び図4は、中継搬送装置3におけるシート排出部33の構成を示す斜視図である。図5は、シート排出部33の第2ユニット支持部45における排出ユニット5の支持状態を示す斜視図である。
シート排出部33は、排出部本体4と、排出ユニット5と、カール矯正ユニット57と、排出調整機構8と、を含んで構成される。
排出部本体4は、装置本体31のシート搬送方向D1の下流端部分を構成する。排出部本体4は、複数種の後処理装置9の各々の搬入口CIPの高さ方向D3の位置(高さ位置)に対応して設けられる第1ユニット支持部44及び第2ユニット支持部45を画定するための構造体である。排出部本体4は、第1枠体41と第2枠体42とを有する。
第1枠体41は、中央部に開口を有する矩形枠状に形成され、排出部本体4のシート搬送方向D1の下流側端部を画定する。第1枠体41は、シート幅方向D2に所定の間隔を隔てて互いに対向配置され、高さ方向D3に延びる第1側柱411及び第2側柱412を有する。第1側柱411は、高さ方向D3において、上方側の第1側柱上方部4111と、下方側の第1側柱下方部4112とに区画される。第2側柱412には、第2枠体42まで延びる側面板43が取り付けられている。この側面板43のシート搬送方向D1の下流端部には、第1側柱上方部4111に対応した高さ方向D3の位置に第1支持部材431が固定され、第1側柱下方部4112に対応した高さ方向D3の位置に第2支持部材432が固定されている。
第2枠体42は、中央部に開口を有する矩形枠状に形成され、排出部本体4のシート搬送方向D1の上流側端部を画定する。第2枠体42は、高さ方向D3において、上方側の第2枠体上方部421と、下方側の第2枠体下方部422とに区画される。
第1ユニット支持部44は、第1側柱上方部4111及び第1支持部材431と、第2枠体上方部421とを含んで構成される。第1ユニット支持部44においては、シート搬送方向D1の下流端部分が第1側柱上方部4111及び第1支持部材431によって構成され、シート搬送方向D1の上流端部分が第2枠体上方部421によって構成される。第1ユニット支持部44は、後処理装置9としてのフィニッシャー9Aの搬入口CIPの高さ方向D3の位置に対応して設けられ、基準のユニット支持部である(図1参照)。フィニッシャー9Aが中継搬送装置3に連結される場合には、第1ユニット支持部44において排出ユニット5を支持する(図3)。
第2ユニット支持部45は、第1側柱下方部4112及び第2支持部材432と、第2枠体下方部422とを含んで構成される。第2ユニット支持部45においては、シート搬送方向D1の下流端部分が第1側柱下方部4112及び第2支持部材432によって構成され、シート搬送方向D1の上流端部分が第2枠体下方部422によって構成される。第2ユニット支持部45は、後処理装置9としてのスタッカー9Bの搬入口CIPの高さ方向D3の位置に対応して設けられ、第1ユニット支持部44に対して高さ方向D3の位置が異なる(図2参照)。スタッカー9Bが中継搬送装置3に連結される場合には、第2ユニット支持部45において排出ユニット5を支持する(図4)。
なお、シート排出部33においては、第1ユニット支持部44及び第2ユニット支持部45の数は、中継搬送装置3への連結が想定される後処理装置9の数に応じて設定される。基準の第1ユニット支持部44が1つ設けられるのに対し、当該第1ユニット支持部44とは高さ方向D3の位置が異なる少なくとも1つの第2ユニット支持部45が設けられる。例えば、搬入口CIPの高さ位置が異なる2台の後処理装置9の連結が想定される場合、1つの第1ユニット支持部44が設けられると共に、1つの第2ユニット支持部45が設けられる。搬入口CIPの高さ位置が異なる3台の後処理装置9の連結が想定される場合、1つの第1ユニット支持部44が設けられると共に、2つの第2ユニット支持部45が設けられる。
中継搬送装置3に連結される後処理装置9の搬入口CIPの高さ方向D3の位置に対応した第1ユニット支持部44及び第2ユニット支持部45のいずれかに、排出ユニット5が支持される。排出ユニット5は、中継搬送路32(図1,2)を通過したシーSを受け入れると共に、当該シートSを後処理装置9の搬入口CIPに向けて排出する。また、図3及び図4に示すように、排出ユニット5には、カール矯正ユニット57が着脱自在に装着される。カール矯正ユニット57は、排出ユニット5によって受け入れられたシートSに所定の処理を施す処理ユニットの一例である。カール矯正ユニット57は、画像が形成され、中継搬送路32を通過したシートSのカールを矯正するためのユニットである。
図6は排出ユニット5の斜視図であり、図7及び図8は排出ユニット5においてカール矯正ユニット57を取り外した状態を示す斜視図である。排出ユニット5は、第1フレーム51と、第2フレーム52と、装着部54と、受入部55と、ユニット排出部56とを含む。
第1フレーム51と第2フレーム52とは、シート幅方向D2に所定の間隔を隔てて互いに対向配置され、シート搬送方向D1に沿って延びるフレームである。第1フレーム51と第2フレーム52とは、互いに平行となる姿勢が維持されるように、シート幅方向D2に延びる連結部材53によって連結されている。排出ユニット5が第1ユニット支持部44及び第2ユニット支持部45のいずれかに支持された状態において、第1フレーム51は第1枠体41における第1側柱411が立設される側に配置され、第2フレーム52は第1枠体41における第2側柱412が立設される側に配置される。
第1フレーム51は、シート搬送方向D1に互いに離れた第1被支持部511及び第2被支持部512を有している。本実施形態では、第1フレーム51において、第1被支持部511はシート搬送方向D1の下流端に配置され、第2被支持部512はシート搬送方向D1の上流端に配置される。第1フレーム51は、第1被支持部511及び第2被支持部512を介して、第1ユニット支持部44及び第2ユニット支持部45のいずれかに支持される。第1フレーム51において、第1被支持部511には第1挿通孔511H(図7)が設けられ、第2被支持部512には第2挿通孔512H(図8)が設けられている。
排出ユニット5が第1ユニット支持部44に支持される場合を想定する。この場合、第1フレーム51においては、第1被支持部511が第1枠体41の第1側柱411における第1側柱上方部4111に支持され、第2被支持部512が第2枠体42における第2枠体上方部421に支持される。第1側柱上方部4111と、第2枠体上方部421の第1側柱上方部4111に対応する部分とには、それぞれ支持突起が設けられている。第1フレーム51は、第1被支持部511の第1挿通孔511Hに第1側柱上方部4111の支持突起が挿通されると共に、第2被支持部512の第2挿通孔512Hに第2枠体上方部421の支持突起が挿通された状態で、第1ユニット支持部44に支持される。
一方、排出ユニット5が第2ユニット支持部45に支持される場合を想定する。この場合、第1フレーム51においては、第1被支持部511が第1枠体41の第1側柱411における第1側柱下方部4112に支持され、第2被支持部512が第2枠体42における第2枠体下方部422に支持される。第1側柱下方部4112においては、後述の排出調整機構8の支持ピン81が突設されている(図5)。第2枠体下方部422の第1側柱下方部4112に対応する部分には、支持突起が設けられている。第1フレーム51は、第1被支持部511の第1挿通孔511Hに排出調整機構8の支持ピン81が挿通されると共に、第2被支持部512の第2挿通孔512Hに第2枠体下方部422の支持突起が挿通された状態で、第2ユニット支持部45に支持される。
第2フレーム52は、シート搬送方向D1に互いに離れた第3被支持部521及び第4被支持部522を有している。本実施形態では、第2フレーム52において、第3被支持部521はシート搬送方向D1の下流端に配置され、第4被支持部522はシート搬送方向D1の上流端よりも所定の範囲で下流側に配置される。第2フレーム52は、第3被支持部521及び第4被支持部522を介して、第1ユニット支持部44及び第2ユニット支持部45のいずれかに支持される。第2フレーム52において、第3被支持部521には第3挿通孔521H(図7)が設けられ、第4被支持部522には第4挿通孔522H(図8)が設けられている。
排出ユニット5が第1ユニット支持部44に支持される場合を想定する。この場合、第2フレーム52においては、第3被支持部521が側面板43に固定された第1支持部材431に支持され、第4被支持部522が第2枠体42における第2枠体上方部421に支持される。第1支持部材431と、第2枠体上方部421の第1支持部材431に対応する部分とには、それぞれ支持突起が設けられている。第2フレーム52は、第3被支持部521の第3挿通孔521Hに第1支持部材431の支持突起が挿通されると共に、第4被支持部522の第4挿通孔522Hに第2枠体上方部421の支持突起が挿通された状態で、第1ユニット支持部44に支持される。
一方、排出ユニット5が第2ユニット支持部45に支持される場合を想定する。この場合、第2フレーム52においては、第3被支持部521が側面板43に固定された第2支持部材432に支持され、第4被支持部522が第2枠体42における第2枠体下方部422に支持される。第2支持部材432と、第2枠体下方部422の第2支持部材432に対応する部分とには、それぞれ支持突起SPが設けられている。第2フレーム52は、第3被支持部521の第3挿通孔521Hに第2支持部材432の支持突起SPが挿通されると共に、第4被支持部522の第4挿通孔522Hに第2枠体下方部422の支持突起が挿通された状態で、第2ユニット支持部45に支持される。
図7に示すように、装着部54は、第1フレーム51と第2フレーム52との間に配置され、排出ユニット5においてカール矯正ユニット57が装着される部分である。
受入部55は、第1フレーム51と第2フレーム52との間において、装着部54に対してシート搬送方向D1の上流側に配置される。受入部55は、例えばシート幅方向D2に延びる搬送ローラー対によって構成され、ローラー軸回りに回転することにより、中継搬送路32を通過したシートSを受け入れる。受入部55によって受け入れられたシートSは、装着部54に装着されたカール矯正ユニット57へ導入される。カール矯正ユニット57は、受入部55によって導入されたシートSに対してカール矯正処理を施しつつ、下流側へ向けて送出する。
ユニット排出部56は、第1フレーム51と第2フレーム52との間において、装着部54に対してシート搬送方向D1の下流側に配置される。ユニット排出部56は、例えばシート幅方向D2に延びる搬送ローラー対によって構成され、ローラー軸回りに回転することにより、カール矯正ユニット57から送出されたシートSを更に下流側へ搬送して排出する。ユニット排出部56から排出されたシートSは、中継搬送装置3に連結された後処理装置9の搬入口CIPを介して当該後処理装置9に搬入される。
本実施形態では、受入部55とユニット排出部56とは、排出ユニット5が第1ユニット支持部44及び第2ユニット支持部45のいずれかに支持された状態において、高さ方向D3の位置(高さ位置)が後処理装置9の搬入口CIPと一致している。なお、「高さ位置が一致している」とは、受入部55及びユニット排出部56の各々と搬入口CIPとの高さ位置の差が、所定の許容範囲内に収まっている状態をいう。ユニット排出部56の高さ位置を搬入口CIPと一致させることにより、シートSを、ユニット排出部56から水平に排出させることで搬入口CIPに導入することができる。これにより、排出ユニット5は、後処理装置9の搬入口CIPに向けて円滑にシートSを排出することができる。
次に、排出ユニット5の装着部54に装着されるカール矯正ユニット57について、図9〜図13を参照して説明する。図9は、排出ユニット5の装着部54に設けられた第1処理位置調整部6を拡大して示す斜視図である。図10はカール矯正ユニット57の斜視図であり、図11はカール矯正ユニット57の内部構造を概略的に示す図である。図12及び図13は、カール矯正ユニット57に設けられた第2処理位置調整部7の分解斜視図である。
カール矯正ユニット57は、排出ユニット5の第1フレーム51と第2フレーム52との間に支持されるように、装着部54に装着される。カール矯正ユニット57は、受入部55によって導入されたシートSに対してカール矯正処理を施し、その処理後のシートSをユニット排出部56へ送出するユニットである。カール矯正ユニット57は、ハウジング571と、デカールベルト572と、一対の支持ローラーである第1支持ローラー573及び第2支持ローラー574と、カール矯正ローラー575と、テンションローラー576と、を含む。
ハウジング571は、カール矯正ユニット57を構成する各種の構造を収容する箱形の筐体である。ハウジング571は、図10に示すように、第2フレーム52と対向する側の第1側壁57Aに、シート搬送方向D1に互いに離れた第1被支持領域部5711及び第2被支持領域部5712が設定されている。ハウジング571の第1側壁57Aにおいて、第1被支持領域部5711はシート搬送方向D1の上流側に配置され、第2被支持領域部5712はシート搬送方向D1の下流側に配置される。また、ハウジング571は、第1フレーム51と対向する側の第2側壁57Bに、シート搬送方向D1に互いに離れた第3被支持領域部5713及び第4被支持領域部5714が設定されている。ハウジング571の第2側壁57Bにおいて、第3被支持領域部5713はシート搬送方向D1の上流側に配置され、第4被支持領域部5714はシート搬送方向D1の下流側に配置される。
ハウジング571は、第1被支持領域部5711及び第2被支持領域部5712において第2フレーム52に支持されると共に、第3被支持領域部5713及び第4被支持領域部5714において第1フレーム51に支持される。具体的には、第1被支持領域部5711には、第2処理位置調整部7が設けられている。第2被支持領域部5712には、第1支持ローラー573を回転駆動させるための駆動力を伝達する伝達ギアが配設された支持軸571Aが設けられている。更に、第3被支持領域部5713及び第4被支持領域部5714の各々には支持突起571Bが設けられている。ハウジング571は、第1被支持領域部5711及び第2被支持領域部5712での第2処理位置調整部7及び支持軸571Aにおいて第2フレーム52に支持されると共に、第3被支持領域部5713及び第4被支持領域部5714での各支持突起571Bにおいて第1フレーム51に支持される。
デカールベルト572は、シート幅方向D2に幅を有した無端ベルトである。デカールベルト572は、第1支持ローラー573及び第2支持ローラー574に架け渡される。デカールベルト572は、第1支持ローラー573及び第2支持ローラー574の回転に伴って周回走行する。第1支持ローラー573及び第2支持ローラー574は、ハウジング571内において互いに対向配置される。第1支持ローラー573は、シート幅方向D2に沿って延びる駆動ローラーである。第1支持ローラー573は、ハウジング571の長手方向の両端部となる第1側壁57A及び第2側壁57Bに回転可能に支持される。第1支持ローラー573は、支持軸671Aの前記伝達ギアを介して入力される駆動モーターの駆動力によって回転駆動され、デカールベルト572を周回走行させる。第2支持ローラー574は、シート幅方向D2に沿って延びる従動ローラーである。第2支持ローラー574は、ハウジング571の長手方向の両端部となる第1側壁57A及び第2側壁57Bに回転可能に支持される。第2支持ローラー574は、デカールベルト572の周回走行に連動して従動回転する。
デカールベルト572の外周面において、カール矯正ローラー575と対向する領域であって、第1支持ローラー573と第2支持ローラー574との間の領域が、シートSを搬送するための搬送領域となる。すなわち、第1支持ローラー573は、カール矯正ユニット57におけるシート搬送方向D1の下流端を画定し、第2支持ローラー574は、カール矯正ユニット57におけるシート搬送方向D1の上流端を画定する。
カール矯正ローラー575は、シート幅方向D2に沿って延びるローラーである。カール矯正ローラー575は、ハウジング571の長手方向の両端部となる第1側壁57A及び第2側壁57Bに回転可能に支持される。カール矯正ローラー575は、第1支持ローラー573と第2支持ローラー574との間においてデカールベルト572の外周面に圧接され、デカールベルト572の周回走行に連動して従動回転する。デカールベルト572は、カール矯正ローラー575との間に、シートSが通過するニップ部NPを形成する。ニップ部NPは、カール矯正ローラー575の外周面に沿って湾曲した形状を有する。換言すると、湾曲形状のニップ部NPにおける曲率半径は、カール矯正ローラー575の半径と等しい。画像が形成されたシートSは、周回走行するデカールベルト572によって搬送されつつ湾曲形状のニップ部NPを通過することにより、カールが矯正される。
テンションローラー576は、デカールベルト572の内周面側に設けられ、デカールベルト572を周回可能に支持しつつ当該デカールベルト572に張力を付与するローラーである。テンションローラー576は、シート幅方向D2に沿って延び、デカールベルト572の周回走行に連動して従動回転する。
既述の通り、カール矯正ユニット57においてハウジング571は、第1側壁57Aが第1被支持領域部5711及び第2被支持領域部5712において第2フレーム52に支持されると共に、第2側壁57Bが第3被支持領域部5713及び第4被支持領域部5714において第1フレーム51に支持されている。本実施形態では、排出ユニット5の装着部54に装着されたカール矯正ユニット57の傾きを調整するための第1処理位置調整部6(図9)及び第2処理位置調整部7(図10)が設けられている。
第1処理位置調整部6及び第2処理位置調整部7は、排出ユニット5が第1ユニット支持部44に支持された状態において、カール矯正ユニット57が所定の基準姿勢を取るように、シート幅方向D2に対するカール矯正ユニット57の高さ方向D3の傾きの調整が可能とされている。なお、カール矯正ユニット57において第1支持ローラー573及び第2支持ローラー574がシート幅方向D2に沿う状態となるような姿勢が、カール矯正ユニット57の基準姿勢である。第1処理位置調整部6及び第2処理位置調整部7によってカール矯正ユニット57が基準姿勢を取るように調整されることにより、第1支持ローラー573及び第2支持ローラー574が互いに平行な状態となる。これにより、第1支持ローラー573及び第2支持ローラー574に架け渡されるデカールベルト572の蛇行を抑制することが可能となる。このため、デカールベルト572の蛇行に起因したベルト破損や異常音の発生を可及的に抑止することができると共に、デカールベルト572に形成されたニップ部NPを通過するシートSのカールの矯正を適切に実施することができる。なお、本実施形態では、第1処理位置調整部6及び第2処理位置調整部7は、ハウジング571における第1被支持領域部5711の、第2被支持領域部5712、第3被支持領域部5713及び第4被支持領域部5714に対する高さ方向D3の位置の調整が可能となるように構成されている。
第1処理位置調整部6及び第2処理位置調整部7は、ハウジング571における第1被支持領域部5711の高さ方向D3の位置を調整するための構造体であって、第1処理位置調整部6が第2フレーム52に設けられ、第2処理位置調整部7がハウジング571の第1被支持領域部5711に設けられる。
既述の通り、ハウジング571の第1側壁57Aは、第1被支持領域部5711に設けられた第2処理位置調整部7と、第2被支持領域部5712に設けられた支持軸571Aとによって第2フレーム52に支持されている。また、ハウジング571の第2側壁57Bは、第3被支持領域部5713及び第4被支持領域部5714の各々に設けられた支持突起571Bによって第1フレーム51に支持されている。
ハウジング571の第1被支持領域部5711は、詳細については後述するが、図9、図12及び図13を参照して、第2処理位置調整部7におけるカム部材71が当接対象部621に当接することにより、第2フレーム52に支持される。この場合、第2処理位置調整部7における固定ピン73の胴部732が第2フレーム52の第1切欠き部52Aに挿入された状態となる。第1切欠き部52Aは、前記胴部732に対してシート搬送方向D1及び高さ方向D3に裕度をもっている。すなわち、ハウジング571の第1被支持領域部5711は、第2処理位置調整部7による高さ方向D3の位置調整時において、シート搬送方向D1及び高さ方向D3の変位が許容された状態で、第2処理位置調整部7を介して第2フレーム52に支持されている。
ハウジング571の第2被支持領域部5712は、支持軸571Aが第2フレーム52に設けられた位置決め孔に挿入されることにより、第2フレーム52に支持される。前記位置決め孔は、支持軸571Aに対してシート搬送方向D1及び高さ方向D3に裕度をもたない。すなわち、ハウジング571の第2被支持領域部5712は、シート搬送方向D1及び高さ方向D3の変位が規制された状態で、支持軸571Aを介して第2フレーム52に支持されている。
ハウジング571の第3被支持領域部5713は、支持突起571Bが第1フレーム51に設けられた支持穴に挿入されることにより、第1フレーム51に支持される。前記支持穴はシート搬送方向D1に延びる長穴であって、支持突起571Bに対して高さ方向D3には裕度はなく、高さ方向D3に裕度をもっている。すなわち、ハウジング571の第3被支持領域部5713は、シート搬送方向D1の変位が許容され、且つ高さ方向D3の変位が規制された状態で、支持突起571Bを介して第1フレーム51に支持されている。
ハウジング571の第4被支持領域部5714は、支持突起571Bが第1フレーム51に設けられた位置決め孔に挿入されることにより、第1フレーム51に支持される。前記位置決め孔は、支持突起571Bに対してシート搬送方向D1及び高さ方向D3に裕度をもたない。すなわち、ハウジング571の第4被支持領域部5714は、シート搬送方向D1及び高さ方向D3の変位が規制された状態で、支持突起571Bを介して第1フレーム51に支持されている。
ハウジング571における第1〜第4被支持領域部5711,5712,5713,5714の各フレーム6051,52に対する支持態様が上記の態様とされているので、ハウジング571は、シート搬送方向D1の位置ずれに起因したねじれは発生せず、高さ方向D3の位置ずれに起因してねじれが発生することとなる。ハウジング571にねじれが発生すると、第1支持ローラー573及び第2支持ローラー574がねじれの位置関係で配置され、デカールベルト572が蛇行してしまう。このようなデカールベルト572の蛇行の原因となる、ハウジング571のねじれを防止するために、第1処理位置調整部6及び第2処理位置調整部7の少なくともいずれかの位置調整部による、第1被支持領域部5711の高さ方向D3の位置調整が必要となる。
第1処理位置調整部6は、図9に示すように、第1板体61と、第2板体62とを含む。第1処理位置調整部6は、排出ユニット5の第2フレーム52における装着部54の領域部分に設けられている。
第1処理位置調整部6が設けられる第2フレーム52における装着部54の領域部分は、高さ方向D3の上方側の端縁から下方側に切り欠かれた第1切欠き部52A及び第2切欠き部52Bと、第1切欠き部52Aの近傍に形成された目盛部52Cとを有する。第1切欠き部52Aには、ハウジング571の第1被支持領域部5711に設けられた第2処理位置調整部8の固定ピン73における胴部732が挿入される。この状態において、ハウジング571の第1被支持領域部5711が第2処理位置調整部7を介して第2フレーム52に支持される。また、第2切欠き部52Bには、ハウジング571の第2被支持領域部5712に設けられた支持軸571Aが挿入される。この状態において、ハウジング571の第2被支持領域部5712が支持軸571Aを介して第2フレーム52に支持される。目盛部52Cは、詳細については後述するが、第1処理位置調整部6の第1板体61がシート搬送方向D1に沿って移動されるときの移動量の目安となる。
第1板体61は、シート搬送方向D1に沿った移動が可能となるように第2フレーム52に取り付けられる略矩形状の板体である。第1板体61は、第2フレーム52において目盛部52Cの上方側に取り付けられる。第1板体61は、第1突出ピン611と、第2突出ピン612と、位置決め孔613とを有している。
第1突出ピン611は、第1板体61から第1フレーム51に向かって突出したピンであって、後述の第2板体62の挿通孔622に挿通される。第2突出ピン612は、第1板体61から第2フレーム52に向かって突出したピンである。第2突出ピン612は、第2フレーム52に形成されたピン案内孔に挿通される。位置決め孔613は、シート搬送方向D1に沿って延びる長穴である。ハウジング571における第1被支持領域部5711の、第1処理位置調整部6による高さ方向D3の位置調整後において、第1板体61を第2フレーム52に対して位置決めして固定するときに、位置決め孔613には、ねじ部材SCが挿通される。
上記構成の第1板体61は、第1突出ピン611が第2板体62の挿通孔622に挿通された状態において、第2突出ピン612が第2フレーム52のピン案内孔に挿通される。これにより、第1板体61は、シート搬送方向D1に沿った移動が可能となるように第2フレーム52に取り付けられる。第1板体61が目盛部52Cを移動量の目安としてシート搬送方向D1に沿って移動されるときには、第2突出ピン612は第2フレーム52のピン案内孔に沿って移動する。
第2板体62は、高さ方向D3への移動が可能となるように第1突出ピン611によって第1板体61に支持される略矩形状の板体である。第2板体62は、第2フレーム52における第1切欠き部52Aに対向するように配置される。第2板体62は、当接対象部621と、挿通孔622と、ピン干渉回避孔623と、第3突出ピン624とを有している。
当接対象部621は、第2板体62における高さ方向D3の上方側の端縁に設定された部分である。当接対象部621は、固定ピン73の胴部732が第1切欠き部52Aに挿入された状態の第2処理位置調整部7における、カム部材71のカム面711が当接する。第3突出ピン624は、第2板体62におけるシート幅方向D2から見て第1板体61と重ならない領域で、第2フレーム52に向かって突出したピンである。第3突出ピン624は、第2フレーム52に形成されたピン案内孔に挿通される。
挿通孔622は、シート搬送方向D1に対して高さ方向D3に傾斜するようにシート搬送方向D1に沿って延びている。すなわち、第2板体62において挿通孔622は、シート搬送方向D1に対して高さ方向D3に傾斜して延びる長穴である。本実施形態では、図9に示すように、挿通孔622は、シート搬送方向D1の下流側端縁よりも上流側端縁が上方側に位置するように、下流側から上流側に向かって先上がりに傾斜している。第2板体62において挿通孔622には、第1板体61の第1突出ピン611が挿通される。
ピン干渉回避孔623は、挿通孔622と同様に、シート搬送方向D1に対して高さ方向D3に傾斜するようにシート搬送方向D1に沿って延びている。ピン干渉回避孔623は、挿通孔622に対して上方側に位置し、第2板体62が第1板体61の第2突出ピン612と干渉することを回避するための孔部である。
なお、図9においては図示が省略されているが、第2板体62には、挿通孔622に対して下方側の所定位置と、ピン干渉回避孔623に対して上方側の所定位置とに、高さ方向D3に延びる長穴の位置決め孔が形成されている。ハウジング571における第1被支持領域部5711の、第1処理位置調整部6による高さ方向D3の位置調整後において、第2板体62を第2フレーム52に対して位置決めして固定するときに、前記位置決め孔には、ねじ部材SCが挿通される。
上記構成の第2板体62においては、挿通孔622に第1板体61の第1突出ピン611が挿通された状態で、第1板体61がシート搬送方向D1に沿って移動される。第1板体61がシート搬送方向D1に沿って移動すると、この移動に伴う第1突出ピン611の移動力が、第2板体62において挿通孔622に作用する。挿通孔622がシート搬送方向D1に対して高さ方向D3に傾斜しているので、第1突出ピン611が挿通孔622に作用する力によって、第2板体62は、高さ方向D3に移動する。第2板体62が高さ方向D3に移動するときには、第3突出ピン624は第2フレーム52のピン案内孔に沿って移動する。なお、第2板体62において挿通孔622の、シート搬送方向D1に対する傾斜角は、第2板体62の高さ方向D3への移動量が第1板体61のシート搬送方向D1に沿った移動量と同一となるように、設定されている。
第1板体61をシート搬送方向D1に沿って移動させることで第2板体62を高さ方向D3に移動させる作業は、作業者によって行われる。作業者は、所定の専用治具を用いて第2フレーム52の傾きを確認し、その傾きに応じて目盛部52Cを見ながら第1板体61を移動させ、第2板体62に設定された当接対象部621の高さ方向D3の位置を調整する。
上記のように、第1処理位置調整部6では、第2板体62は、第1板体61のシート搬送方向D1に沿った移動に応じた高さ方向D3の移動によって、第2処理位置調整部7における、当接対象部621にカム面711が当接するカム部材71を高さ方向D3に移動させることができる。これにより、第2板体62は、カム部材71を構成の一部とする第2位置調整部7が設けられた、ハウジング571における第1被支持領域部5711の高さ方向D3の位置を調整することができる。第1板体61のシート搬送方向D1に沿った移動に応じて第2板体62を高さ方向D3に移動させるに際しては、カール矯正ユニット57が前記基準姿勢を取るように、ハウジング571における第1被支持領域部5711の高さ方向D3の位置を調整する。これにより、第1支持ローラー573及び第2支持ローラー574が互いに平行な状態となるので、当該第1支持ローラー573及び第2支持ローラー574に架け渡されるデカールベルト572の蛇行を抑制することが可能となる。
第2処理位置調整部7は、ハウジング571における第1被支持領域部5711に設けられている(図10)。第2処理位置調整部7は、図12及び図13に示すように、カム部材71と、保持部材72と、固定ピン73とを含む。第2処理位置調整部7においては、シート幅方向D2の外側から内側に向かって、固定ピン73、カム部材71及び保持部材72の順番に並んでいる。すなわち、第2処理位置調整部7においては、カム部材71が保持部材72と固定ピン73との間に挟み込まれている。
カム部材71は、第2フレーム52に設定された所定の当接対象部621に当接するカム面711を有するカムである。カム部材71においてカム面711は、半径の異なる複数のカム領域711A,711B,711C,711D,711E,711Fに区画されており、各カム領域は互いに周方向に所定の間隔を置いて等間隔に配置されている。図12及び図13に示す例では、前記カム面711は、6つのカム領域711A,711B,711C,711D,711E,711Fに区画されており、各カム領域の半径が周方向の一方向に向かって段階的に変化するように構成されている。また、カム部材71は、カム面711の半径の中心となる中心部に形成された円形状の貫通孔712と、側面部において保持部材72が配置される側に突出した円柱状の突起部713と、を有している。
保持部材72は、ハウジング571の第1被支持領域部5711から第2フレーム52に向けて突出して設けられ、カム部材71を保持する。保持部材72は、円柱状の基部721と、フランジ部722と、ボス部723とを有する。
保持部材72において、基部721は、その一端部721Aがハウジング571の第1被支持領域部5711に固設される部分である。フランジ部722は、基部721の他端部において当該基部721の外周面から外方に延出して設けられた部分である。フランジ部722は、カム部材71との対向面722Aに、カム部材71の突起部713が嵌合可能な複数の嵌合凹部722Bを有している。前記嵌合凹部722Bの数は、カム部材71のカム面711におけるカム領域の数と同数である。すなわち、前記カム面711が6つのカム領域711A,711B,711C,711D,711E,711Fに区画されていることに対応して、フランジ部722の対向面722Aには、6つの嵌合凹部722Bが周方向に等間隔に形成されている。ボス部723は、フランジ部722の対向面722Aに設けられた円筒状の部分である。ボス部723の内周面723Aには雌ねじ部が形成されている。基部721、フランジ部722及びボス部723によって構成される保持部材72は、基部721の一端部721Aがハウジング571の第1被支持領域部5711に固設され、フランジ部722の何れかの嵌合凹部722Bにカム部材71の突起部713が嵌合され、且つ、ボス部723がカム部材71の貫通孔712に挿通された状態において、カム部材71を保持する。
固定ピン73は、保持部材72との間にカム部材71を挟み込むようにして保持部材72に装着されることにより、カム部材71を保持部材72に固定する。固定ピン73は、頭部731と、雄ねじ部が形成されたねじ部733と、頭部731とねじ部733との間において両者を連結する胴部732と、を有する。固定ピン73は、貫通孔712にボス部723が挿通されることによりカム部材71が保持部材72に保持された状態において、ねじ部733の雄ねじ部がボス部723の内周面723Aに形成された雌ねじ部と螺合することによって、保持部材72に装着される。ねじ部733とボス部723とが螺合することにより固定ピン73が保持部材72に装着された状態において、固定ピン73の胴部732が、カム部材71を保持部材72に向けて押圧する。これにより、固定ピン73は、カム部材71を保持部材72に固定する。
上記のように、第2処理位置調整部7は、ハウジング571の第1被支持領域部5711に設けられる。この第2処理位置調整部7では、カム部材71の突起部713が嵌合される嵌合凹部722Bの位置によって、第1処理位置調整部6の第2板体62に設定された当接対象部621に当接するカム面711のカム領域が決まる。カム部材71は、カム面711の複数のカム領域711A,711B,711C,711D,711E,711Fにおいて、当接対象部621に当接するカム領域が変更されることによって、ハウジング571における第1被支持領域部5711の高さ方向D3の位置を調整することができる。カム部材71のカム面711において、当接対象部621に当接するカム領域を変更するに際しては、カール矯正ユニット57が前記基準姿勢を取るように、ハウジング571における第1被支持領域部5711の高さ方向D3の位置を調整する。これにより、第1支持ローラー573及び第2支持ローラー574が互いに平行な状態となるので、当該第1支持ローラー573及び第2支持ローラー574に架け渡されるデカールベルト572の蛇行を抑制することが可能となる。
なお、ハウジング571における第1被支持領域部5711の高さ方向D3の位置を、第2処理位置調整部7によって調整する作業は、作業者によって行われる。作業者は、所定の専用治具を用いてデカールベルト572の蛇行が発生しているか否かを確認し、蛇行が発生した場合にカム部材71の突起部713を嵌合させる嵌合凹部722Bを切替える。この切替え作業によって、カム部材71において当接対象部621に当接するカム面711のカム領域を変更することができる。これにより、ハウジング571における第1被支持領域部5711の高さ方向D3の位置を調整することができる。
カール矯正ユニット57が装着部54に装着される構成の排出ユニット5においては、後処理装置9の搬入口CIPの高さ位置に応じて単純に、排出ユニット5を支持するユニット支持部を第1ユニット支持部44と第2ユニット支持部45との間で変更するだけでは、カール矯正ユニット57が所定の基準姿勢とは異なる姿勢を取る虞がある。カール矯正ユニット57が基準姿勢とは異なる姿勢を取った場合、シートSに対する適切なカール矯正処理が実施できなくなる。そこで、本実施形態に係る中継搬送装置3は、排出調整機構8(図5)を備えている。
排出調整機構8は、シート幅方向D2に対する排出ユニット5の高さ方向D3の傾きの調整が可能とされた機構である。排出調整機構8は、排出ユニット5が第1ユニット支持部44及び第2ユニット支持部45のいずれに支持された場合においても、装着部54に装着されたカール矯正ユニット57が所定の基準姿勢を取るように、排出ユニット5の傾きの調整が可能とされている。排出調整機構8は、第1フレーム51の第1被支持部511及び第2被支持部512と、第2フレーム52の第3被支持部521及び第4被支持部522とのいずれか一箇所の高さ方向D3の位置を調整することによって、排出ユニット5の傾きの調整が可能とされている。本実施形態では、排出調整機構8は、第1フレーム51の第1被支持部511の高さ方向D3の位置を調整することによって、排出ユニット5の傾きの調整が可能とされている。これにより、後処理装置9の搬入口CIPの高さ位置に対応して排出ユニット5が支持されるユニット支持部を第1ユニット支持部44と第2ユニット支持部45との間で変更することが可能であると共に、その排出ユニット5に装着されたカール矯正ユニット57の基準姿勢の維持が可能となる。この結果、排出ユニット5は、カール矯正ユニット57において適切なカール矯正処理が施されたシートSを、後処理装置9の搬入口CIPに向けて排出することができる。
排出調整機構8について、図5に加えて図14及び図15を参照して、より詳しく説明する。図14は、排出調整機構8を示す図である。図15は、排出調整機構8を用いた排出ユニット5の傾き調整作業の様子を示す図である。
排出調整機構8は、第2ユニット支持部45に設けられる。具体的には、排出調整機構8は、排出部本体4の第1枠体41において、第2ユニット支持部45を構成する第1側柱下方部4112に設けられる(図5参照)。排出調整機構8は、排出ユニット5における第1フレーム51の第1被支持部511を支持する支持ピン81と、第1側柱下方部4112に設けられた回動軸部82と、第1側柱下方部4112に取り付けられた調整板83と、を含む。
排出ユニット5が第2ユニット支持部45に支持される場合を想定する。この場合、既述の通り、排出ユニット5の第1フレーム51は、第1被支持部511の第1挿通孔511Hに排出調整機構8の支持ピン81が挿通されると共に、第2被支持部512の第2挿通孔512Hに第2枠体下方部422の支持突起が挿通された状態で、第2ユニット支持部45に支持される。一方、排出ユニット5の第2フレーム52は、第3被支持部521の第3挿通孔521Hに第2支持部材432の支持突起が挿通されると共に、第4被支持部522の第4挿通孔522Hに第2枠体下方部422の支持突起が挿通された状態で、第2ユニット支持部45に支持される。排出調整機構8は、排出ユニット5が第2ユニット支持部45に支持された場合において、カール矯正ユニット57の姿勢が、第1処理位置調整部6及び第2処理位置調整部7による調整後の前記基準姿勢を維持するように、排出ユニット5の第1フレーム51における第1被支持部511の高さ方向D3の位置の調整が可能とされている。
図14(A)を参照して、支持ピン81は、取付部材811に固定されたピン部材である。支持ピン81は、取付部材811が第1ねじ部材SC1によって調整板83に取り付けられることにより、調整板83に保持される。支持ピン81は、排出ユニット5の第1フレーム51における第1被支持部511の第1挿通孔511Hに挿通された状態において、当該第1被支持部511を支持する。
調整板83は、支持ピン81を保持する板体である。調整板83は、第1側柱下方部4112に設けられたシート搬送方向D1に突出した回動軸部82回りの回動が可能となるように、第1側柱下方部4112に取り付けられる。調整板83は、回動軸部82回りの回動に応じて支持ピン81を高さ方向D3に変位させることによって、排出ユニット5の第1フレーム51における第1被支持部511の高さ方向D3の位置の調整が可能とされている。
調整板83は、図14(B)に示すように、第1支持ピン挿通孔83H1と、回動軸挿通孔83H2と、第1位置決め孔83H3と、第2位置決め孔83H4と、を有している。
第1支持ピン挿通孔83H1は、調整板83において、高さ方向D3の上方側の端部であって、シート幅方向D2の外方側の端部に配置される。第1支持ピン挿通孔83H1は、支持ピン81が挿通される孔部であって、シート幅方向D2に対して高さ方向D3に傾斜するようにシート幅方向D2に延びている。すなわち、第1支持ピン挿通孔83H1は、シート幅方向D2に対して高さ方向D3に傾斜して延びる長穴である。本実施形態では、図14に示すように、第1支持ピン挿通孔83H1は、シート幅方向D2の内側端縁よりも外側端縁が上方側に位置するように、内側から外側に向かって先上がりに傾斜している。
回動軸挿通孔83H2は、調整板83において、第1支持ピン挿通孔83H1に対して高さ方向D3の下方側であり、且つシート幅方向D2の内方側に配置される。回動軸挿通孔83H2は、回動軸部82が挿通される孔部である。調整板83は、回動軸挿通孔83H2に回動軸部82が挿通された状態において、第2ねじ部材SC2によって第1側柱下方部4112に取り付けられる。
第1位置決め孔83H3は、調整板83において、第1支持ピン挿通孔83H1に対して高さ方向D3の位置が略同一であって、且つシート幅方向D2の内方側に配置される。第1位置決め孔83H3は、第1支持ピン挿通孔83H1と同様に、シート幅方向D2に対して高さ方向D3に傾斜するようにシート幅方向D2に延びている。第1位置決め孔83H3は、支持ピン81が固定された取付部材811を調整板83に対して取り付けるための第1ねじ部材SC1が挿通される。
第2位置決め孔83H4は、調整板83において、高さ方向D3の下方側の端部であって、シート幅方向D2の内方側の端部に配置される。第2位置決め孔83H4は、高さ方向D3に沿って延びる長穴である。第2位置決め孔83H4は、調整板83を第1側柱下方部4112に対して取り付けるための第2ねじ部材SC2が挿通される。
図14(C)に示すように、排出調整機構8が設けられる第1側柱下方部4112には、シート搬送方向D1に突出した回動軸部82が設けられると共に、目盛部4112A及び第2支持ピン挿通孔4112Hと、第1ねじ孔SC1H及び第2ねじ孔SC2Hとが設けられている。目盛部4112Aは、詳細については後述するが、調整板83が回動軸部82回りに回動されるときの回動量の目安となる。第2支持ピン挿通孔4112Hは、支持ピン81が挿通される孔部であって、高さ方向D3に沿って延びる長穴である。第1ねじ孔SC1Hは、前記第1ねじ部材SC1が螺合されるねじ孔である。第2ねじ孔SC2Hは、前記第2ねじ部材SC2が螺合されるねじ孔である。
調整板83は、第2位置決め孔83H4に挿通された第2ねじ部材SC2が第2ねじ孔SC2Hに螺合されることによって、第1側柱下方部4112に取り付けられる。この状態の調整板83においては、回動目印部83Pが目盛部4112Aの近傍に配置され、回動軸挿通孔83H2に回動軸部82が挿通された状態とされる。支持ピン81が固定された取付部材811は、第1位置決め孔83H3に挿通された第1ねじ部材SC1が第1ねじ孔SC1Hに螺合されることによって、調整板83を介して第1側柱下方部4112に取り付けられる。取付部材811が調整板83を介して第1側柱下方部4112に取り付けられた状態において、支持ピン81は、第1支持ピン挿通孔83H1及び第2支持ピン挿通孔4112Hに挿通された状態とされる。
調整板83を回動軸部82回りに回動させる作業は、作業者によって行われる。作業者は、排出ユニット5が第2ユニット支持部45に支持された状態で、カール矯正ユニット57においてデカールベルト572の蛇行が発生しているか否かを所定の専用治具を用いて確認する。デカールベルト572の蛇行が発生した場合、作業者は、調整板83を回動軸部82回りに回動させる作業を行う。作業者は、調整板83を回動させる前に、第1ねじ部材SC1及び第2ねじ部材SC2の第1ねじ孔SC1H及び第2ねじ孔SC2Hに対する螺合を緩めた状態とする。そして、作業者は、調整板83に設けられた回動操作部83Aを把持し、回動目印部83Pの目盛部4112Aに対する位置を見ながら調整板83を回動させる。これにより、取付部材811を介して調整板83に取り付けられた支持ピン81は、高さ方向D3に変位される。この結果、第2ユニット支持部45に支持された排出ユニット5の装着部54においてカール矯正ユニット57が所定の基準姿勢を取るように、支持ピン81に支持される、排出ユニット5の第1フレーム51における第1被支持部511の高さ方向D3の位置を調整することができる。
図15を参照して、調整板83の回動に応じた支持ピン81の、高さ方向D3への変位の様子を説明する。
第1ねじ部材SC1及び第2ねじ部材SC2の第1ねじ孔SC1H及び第2ねじ孔SC2Hに対する螺合を緩めた状態で、調整板83が回動軸部82回りに反時計方向CD1に回動された場合を想定する(図15(B))。この場合、第1ねじ孔SC1Hに挿通された第1ねじ部材SC1は、調整板83における第1位置決め孔83H3のシート幅方向D2の外方側の端縁に近づくことになる。同様に、第2ねじ孔SC2Hに挿通された第2ねじ部材SC2は、調整板83における第2位置決め孔83H4の高さ方向D3の上方側の端縁に近づくことになる。
調整板83が反時計方向CD1に回動されると、その調整板83の回動力が、第1支持ピン挿通孔83H1に挿通された支持ピン81に作用する。第1支持ピン挿通孔83H1がシート幅方向D2の内側から外側に向かって先上がりに傾斜しているので、支持ピン81は、第1支持ピン挿通孔83H1に沿って高さ方向D3の上方側へ変位する。支持ピン81は、第1側柱下方部4112の第2支持ピン挿通孔4112Hにも挿通されている。第2支持ピン挿通孔4112Hが高さ方向D3に延びた長穴であるので、支持ピン81は、第1支持ピン挿通孔83H1に沿って変位するときに、高さ方向D3への変位が許容されつつシート幅方向D2への変位が規制される。調整板83の回動に応じた支持ピン81の高さ方向D3への変位によって、排出ユニット5の第1フレーム51における第1被支持部511の高さ方向D3の位置を調整することができる。
次に、第1ねじ部材SC1及び第2ねじ部材SC2の第1ねじ孔SC1H及び第2ねじ孔SC2Hに対する螺合を緩めた状態で、調整板83が回動軸部82回りに時計方向CD2に回動された場合を想定する(図15(C))。この場合、第1ねじ孔SC1Hに挿通された第1ねじ部材SC1は、調整板83における第1位置決め孔83H3のシート幅方向D2の内方側の端縁に近づくことになる。同様に、第2ねじ孔SC2Hに挿通された第2ねじ部材SC2は、調整板83における第2位置決め孔83H4の高さ方向D3の下方側の端縁に近づくことになる。
調整板83が時計方向CD2に回動されると、その調整板83の回動力が、第1支持ピン挿通孔83H1に挿通された支持ピン81に作用する。第1支持ピン挿通孔83H1がシート幅方向D2の内側から外側に向かって先上がりに傾斜しているので、支持ピン81は、第1支持ピン挿通孔83H1に沿って高さ方向D3の下方側へ変位する。このとき、支持ピン81は、第2支持ピン挿通孔4112Hによって高さ方向D3への変位が許容されつつシート幅方向D2への変位が規制される。調整板83の回動に応じた支持ピン81の高さ方向D3への変位によって、排出ユニット5の第1フレーム51における第1被支持部511の高さ方向D3の位置を調整することができる。
排出ユニット5の第1フレーム51における第1被支持部511の、高さ方向D3の位置の調整が終了すると、第1ねじ部材SC1及び第2ねじ部材SC2の第1ねじ孔SC1H及び第2ねじ孔SC2Hに対する螺合を締め付け状態とする。これにより、調整板83が第1側柱下方部4112に対して固定されると共に、取付部材811が調整板83を介して第1側柱下方部4112に対して固定される。この結果、取付部材811に固定された支持ピン81は、第1側柱下方部4112に対して位置決めされる。第1側柱下方部4112に対して位置決めされた支持ピン81は、第1支持ピン挿通孔83H1によって高さ方向D3の変位が規制され、且つ第2支持ピン挿通孔4112Hによってシート幅方向D2への変位が規制されている。
以上説明したように、本実施形態に係る中継搬送装置3において、排出調整機構8は、第1フレーム51の第1被支持部511の高さ方向D3の位置を調整することによって、排出ユニット5の傾きの調整が可能とされている。これにより、後処理装置9の搬入口CIPの高さ位置に対応して排出ユニット5が支持されるユニット支持部を第1ユニット支持部44と第2ユニット支持部45との間で変更することが可能であると共に、その排出ユニット5に装着されたカール矯正ユニット57の基準姿勢の維持が可能となる。この結果、排出ユニット5は、カール矯正ユニット57において適切なカール矯正処理が施されたシートSを、後処理装置9の搬入口CIPに向けて排出することができる。