以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
<画像形成システム100>
図1は、本実施の形態が適用される画像形成システム100の構成を示した図である。画像形成システム100は、用紙Pなどの記録媒体(シート)に対して電子写真方式等を用いて画像を形成する画像形成装置1と、画像形成装置1により画像が形成された複数枚の用紙Pに対して後処理を行う後処理装置2とを備える。
なお、以下の説明においては、図1における上下方向(鉛直方向)を単に「上下方向」ということがある。また、図1における上下方向における上側を単に「上側」、上下方向における下側を単に「下側」ということがある。また、図1に示す画像形成システム100における紙面の奥行方向を、単に「幅方向」ということがある。また、図1における紙面手前側を単に「前側」、紙面奥側を単に「後側」ということがある。
<画像形成装置1>
画像形成装置1は、用紙Pを収容する用紙収容部11、12と、用紙Pに画像を形成する画像形成部13と、画像が形成された用紙Pを排出する排出ロール15と、画像形成装置1の動作を制御する本体制御部16とを備える。
用紙収容部11、12は、各々サイズや種類の異なる用紙Pを収容する。図示の例においては、用紙収容部11、12は各々紙面手前側、すなわち幅方向前側に引き出し可能である。そして、用紙収容部11、12を引き出した状態で、ユーザなどによる用紙Pの補充作業がなされる。
画像形成部13は、用紙収容部11、12から搬送されてくる用紙Pに画像を形成する。図示の例における画像形成部13は、感光体に付着させたトナーを用紙Pに転写して像を形成する電子写真方式により用紙Pに画像を形成するが、インクを用紙P上に吐出して像を形成するインクジェット方式により画像を形成してもよい。
排出ロール15は、画像形成部13によって画像が形成された用紙Pを排出する。図示の例における排出ロール15は、ロール対からなり、このロール対が各々回転することにともない、用紙Pが画像形成装置1から排出される。
本体制御部16は、画像形成装置1に設けられる各構成部材の動作を制御する。また、図示の例における本体制御部16は、後処理装置2に対して用紙Pの処理を実行する旨の指示信号を出力する。
ここで、画像形成装置1の動作について説明をする。まず、本体制御部16から指示信号が出力されることにともない、用紙収容部11、12から用紙Pが1枚ずつ送り出される。そして、画像形成部13によって用紙Pに画像が形成された後、画像が形成された用紙Pが排出ロール15から排出される。
<後処理装置2>
後処理装置2は、画像形成装置1に接続されたトランスポートユニット21と、トランスポートユニット21により搬送されてきた用紙Pに対して予め定められた処理を施すフィニッシャユニット22とを備える。
トランスポートユニット21は、画像形成装置1にて画像形成された用紙Pをフィニッシャユニット22に向けて搬送する複数の搬送ロール24と、用紙Pに対して2穴や4穴等の穴あけ(パンチ)を施すパンチ機能部25とを備える。
フィニッシャユニット22には、用紙束Bに対する綴じ処理を行う綴じ処理装置30と、綴じ処理装置30に向けて用紙Pを搬送する搬送ロール31と、綴じ処理装置30によって綴じ処理が施された用紙束Bを排出する排出ロール35と、排出された用紙束Bを積載する積載部36と、後処理装置2に設けられる各構成部材の動作を制御する用紙処理制御部37とを備える。
ここで、後処理装置2の動作について説明をする。まず、本体制御部16から用紙処理制御部37に対し、用紙Pに対する処理を実行する旨の指示信号が出力されることを契機として、用紙処理制御部37が後処理装置2の各構成部材に対して用紙Pの処理を実行する指示信号を出力する。
そして、後処理装置2のトランスポートユニット21に対し、画像形成装置1により画像形成が行われた用紙Pが供給される。トランスポートユニット21では、パンチ機能部25による穴あけが行われた後、搬送ロール24により搬送される用紙Pがフィニッシャユニット22に供給される。
そして、フィニッシャユニット22に供給された用紙Pは、搬送ロール31によって搬送され、綴じ処理装置30によって綴じ処理が施される。そして、綴じ処理装置30によって綴じ処理が施された用紙束Bは、排出ロール35によって積載部36へと排出される。
<用紙綴じ処理装置30>
図2は、図1における矢印IIからみた綴じ処理装置30の図である。
次に、図1および図2を参照しながら、用紙綴じ処理装置30について説明をする。用紙綴じ処理装置30は、用紙Pを集積し用紙束Bを形成するとともに、用紙束Bに対する綴じ処理を施す。詳細は後述するが、図示の例における用紙綴じ処理装置30は、印刷ジョブによって、ステープル(針)を用いずに用紙束Bに対して綴じ処理を行う針無し綴じ処理と、ステープルを用いて用紙束Bに対する綴じ処理を行う針有り綴じ処理とを選択でき、さらに各々の綴じ処理が施される用紙束Bにおける位置も選択可能である。
図示の用紙綴じ処理装置30は、用紙Pを集積して用紙束Bを形成する用紙集積部40と、針無し綴じ処理を実行する針無し綴じ部70と、針有り綴じ処理を実行する針有り綴じ部90と、針無し綴じ部70および針有り綴じ部90を案内する綴じ案内部50とを備える。
<用紙集積部40>
次に、図1および図2を参照しながら、用紙集積部40について説明をする。
用紙集積部40は、用紙Pを上下方向下側から支持するとともに用紙Pを必要枚数だけ集積させて用紙束Bを生成する集積板41と、集積板41に進入する用紙Pの先端が突き当たる突き当て部45と、用紙Pを突き当て部45に向けて搬送する搬送パドル46と、集積板41に集積される用紙Pの幅方向の位置を揃える幅方向揃え部47とを有する。
ここで、図1に示すように、集積板41は水平方向に対して傾斜して設けられる。図示の例においては、用紙Pを集積する面が、水平方向に対して30度傾けて設けられる。このように集積板41が傾けて設けられることにより、用紙Pが自重で集積板41に沿って落下する。そして、用紙Pの先端が突き当て部45に突き当たり、用紙Pの先端が揃えられる。なお、集積板41で集積され綴じ処理が施された用紙束Bは、排出ロール35によって、突き当て部45から離間する向き(集積板41に沿って上昇する向き)に排出される。
以下の説明においては、集積板41に沿って落下あるいは上昇しながら用紙Pが搬送される方向を単に「搬送方向」ということがある。また、搬送方向における下側に向かう向き、すなわち突き当て部45に向けて用紙Pが進入する向きを「進入側」ということがある。また、搬送方向における上側に向かう向き、すなわち突き当て部45から退避する(離間する)向きに用紙P(用紙束B)が排出される向きを「退避側」ということがある。
突き当て部45は、集積板41に対する搬送方向進入側において、用紙Pの先端が突き当たる位置に設けられる。また、この突き当て部45に突き当たる用紙Pの先端は、幅方向に沿って揃えられる。ここで、以下の説明においては、搬送方向進入側に搬送される用紙Pの先端を、単に「用紙Pの先端」ということがある。
搬送パドル46は、集積板41の上下方向上側に設けられる。この搬送パドル46は、不図示の駆動源からの駆動を受けて回転することで、用紙Pを突き当て部45側(搬送方向進入側)に搬送する。
幅方向揃え部47は、集積板41を挟んで幅方向両側に設けられる。この幅方向揃え部47は、不図示の駆動源からの駆動を受けて幅方向に移動することで、用紙Pの幅方向の位置を揃える。
<綴じ案内部50>
図3は、綴じ案内部50を説明するための図である。
次に、図1乃至図3を参照しながら、綴じ案内部50について説明をする。
図3に示す綴じ案内部50は、針無し綴じ部70および針有り綴じ部90を支持する支持板51と、針無し綴じ部70および針有り綴じ部90を予め定めた方向に案内するレールとして機能する案内溝52と、針無し綴じ部70の移動経路に沿って設けられるラックギアである針無しラック53と、針有り綴じ部90の移動経路に沿って設けられるラックギアである針有りラック54と、針無し綴じ部70の姿勢を制御する針無し案内体55と、針有り綴じ部90の姿勢を制御する針有り案内体57とを備える。
支持板51は、板状部材であり、上下方向上側を向く上面511と、上下方向下側を向く下面513(後述する図4(a)参照)とを有する。支持板51は、集積板41に対する搬送方向進入側に位置し、集積板41に沿って設けられる。すなわち、支持板51は、集積板41と同様に、水平方向に対して傾斜して設けられる。図示の例においては、支持板51の上面511が、水平方向に対して30度傾いて設けられる。また、支持板51が傾斜して設けられていることにともない、支持板51が支持する針無し綴じ部70および針有り綴じ部90も傾斜している。すなわち、針無し綴じ部70および針有り綴じ部90は、集積板41(支持板51)にあわせて傾斜している。なお、図示の支持板51は、正面視略長方形状であり、板面(上面511、下面513)の長手方向が幅方向に沿うように配置されている。
図2に示すように、案内溝52は、支持板51の上面511に設けられた長孔(凹部)である。図示の例の案内溝52は、支持板51の厚さ方向に貫通した貫通孔として形成される。この案内溝52は、幅方向に延びる共通溝521と、共通溝521の幅方向後側に位置する分岐点523と、分岐点523を介して共通溝521と連続する針無し溝525および針有り溝527とを有する。なお、共通溝521、針無し溝525、および針有り溝527は共通する溝幅W1(図3参照)で形成されている。
ここで、図2に示すように、針無し綴じ部70は、分岐点523を介して共通溝521および針無し溝525との間を移動可能である(図中矢印D1参照)。また、針有り綴じ部90は、分岐点523を介して共通溝521および針有り溝527との間で移動可能である(図中矢印D2参照)。このような移動経路の切り替えにより、針無し綴じ部70および針有り綴じ部90を予め定めた退避位置に誘導することが可能である。さらに説明をすると、針無し綴じ部70が綴じ処理を施す際に、針有り綴じ部90は針有り溝527に退避する。また、針有り綴じ部90が綴じ処理を施す際に、針無し綴じ部70は針無し溝525に退避する。このことにより、針無し綴じ部70および針有り綴じ部90のうちの一方の綴じ処理動作が、他方によって妨げられることが抑制される。
共通溝521は、上記のように幅方向に延びるとともに、幅方向前側が搬送方向退避側に向けて湾曲する。さらに説明をすると、共通溝521は、幅方向に沿って設けられる幅方向直線部521Aと、幅方向直線部521Aの幅方向前側から搬送方向退避側に延びる前側湾曲部521Bとを有する。なお、針無し綴じ部70および針有り綴じ部90はともに共通溝521を通過する。
針無し溝525は、幅方向に沿って略直線状に延びる。さらに説明をすると、針無し溝525は、分岐点523を介して共通溝521の幅方向直線部521Aと連続するとともに、共通溝521の幅方向直線部521Aと一致する方向(幅方向)に設けられる。なお、針無し綴じ部70は針無し溝525を通過するのに対して、針有り綴じ部90は針無し溝525を通過しない。
針有り溝527は、分岐点523を介して共通溝521と連続するとともに、分岐点523から湾曲し搬送方向退避側に延びる。さらに説明をすると、針有り溝527は、共通溝521における幅方向直線部521Aの幅方向後側から搬送方向退避側に延びる後側湾曲部527Aと、後側湾曲部527Aから搬送方向に沿って延びる搬送方向直線部527Bとを有する。付言すると、搬送方向直線部527Bは、分岐点523からみて上下方向上側に向けて延びる部分である。なお、針有り綴じ部90は針有り溝527を通過するのに対して、針無し綴じ部70は針有り溝527を通過しない。また、針有り溝527の後側湾曲部527Aは、共通溝521の前側湾曲部521Bよりも曲率が大きい(曲率半径が小さい)。
さて、図示の例における針無し綴じ部70の重量と、針有り綴じ部90の重量とを比較すると、各構成部材の重量や数量などの差から、針無し綴じ部70の方がより重く、針有り綴じ部90の方がより軽い。したがって、針無し綴じ部70および針有り綴じ部90の各々の向きを変更する(回転させる)場合、より大きな駆動力が必要となるのは針無し綴じ部70である。そこで、図示の例においては、より重量の大きな針無し綴じ部70の向きの変化量(回転角)を抑制し、針無し綴じ部70を移動させるための駆動力を抑制している。具体的には、針無し溝525および針有り溝527のうち、針無し溝525を針無し綴じ部70の移動経路としている。すなわち、共通溝521における幅方向直線部521Aから直線状に連続する針無し溝525を針無し綴じ部70の移動経路としている。一方、より重量が軽い針有り綴じ部90は、針無し綴じ部70よりも向きの変更が容易であることから、針有り溝527を針有り綴じ部90の経路としている。すなわち、共通溝521における幅方向直線部521Aから湾曲して延びる針有り溝527を針有り綴じ部90の移動経路としている。
ここで、図示の例においては、針無し溝525は幅方向に沿って設けられるため、針無し溝525に沿って移動すると、搬送方向における位置、言い替えると上下方向における変位量が相対的に小さい。一方で、針有り溝527は搬送方向に沿って延びる部分を有するため、針有り溝527に沿って移動すると、搬送方向における変位量、言い替えると、上下方向における変位量が相対的に大きい。そして、上下方向における変位量が大きいほど、より大きな駆動力を必要とする。そこで、図示の例においては、より重い針無し綴じ部70の上下方向の変位量が小さくなるよう、針無し綴じ部70が針無し溝525を通過する構成としている。また、より軽い針有り綴じ部90が針有り溝527を通過する構成としている。
次に、針無しラック53および針有りラック54について説明をする。まず、針無しラック53は、共通溝521および針無し溝525に沿って設けられる。さらに説明をすると、図示の針無しラック53は、長手方向が幅方向に沿って延びる略直線状の針無しラック直線部53Aと、針無しラック直線部53Aの幅方向前側端部から前側湾曲部521Bに沿って湾曲して延びる針無しラック湾曲部53Bとを有する。この針無しラック53は、共通溝521および針無し溝525よりも搬送方向進入側に設けられる。なお、図示の例においては、針無しラック53は、支持板51の下面513(後述する図4(a)参照)側、すなわち支持板51の裏面側に設けられる。また、針無しラック53の歯面は、針無しラック53における搬送方向退避側(上下方向上側)を向く面に設けられている。
針有りラック54は、共通溝521および針有り溝527に沿って設けられる。さらに説明をすると、図示の針有りラック54は、長手方向が幅方向に沿って延びる略直線状の針有りラック直線部54Aと、針有りラック直線部54Aの幅方向前側端部から前側湾曲部521Bに沿って湾曲して延びる針有りラック前側湾曲部54Bと、針有りラック直線部54Aの幅方向後側端部から後側湾曲部527Aに沿って湾曲して延びる針有りラック後側湾曲部54Cとを有する。また、針有りラック54は、共通溝521よりも搬送方向退避側に設けられる。また、針有りラック54は、針有り溝527よりも幅方向前側に設けられる。また、図示の例においては、針有りラック54は、支持板51の下面513(後述する図4(a)参照)側、すなわち支持板51の裏面側に設けられる。また、針有りラック54の歯面は、針有りラック54における搬送方向退避側(上下方向上側)を向く面に設けられている。
ここで、案内溝52、針無しラック53、および針有りラック54は、支持板51における幅方向前側まで延びる。このことにより、案内溝52に沿って移動する針無し綴じ部70および針有り綴じ部90は、画像形成装置1(図1)の前側に位置するユーザに接近することが可能である。言い替えると、針無し綴じ部70および針有り綴じ部90に対して、画像形成装置1(図1)の前側からユーザが作業を行う(アクセスする)ことができる。したがって、例えばステープル針の補充など、針有り綴じ部90に対するユーザの作業が容易となる。同様に、針無し綴じ部70の保守点検など針無し綴じ部70に対するユーザの作業も容易となる。
また、針無しラック53および針有りラック54は、共通溝521、針無し溝525、針有り溝527の外側に設けられる。そして、針無しラック53および針有りラック54は、共通溝521を挟んで対向する位置に設けられている。さらに説明をすると、図示の例における針無しラック53および針有りラック54は、共通溝521、針無し溝525、針有り溝527を間に挟んで設けられている。
また、上記のように針無しラック53の歯面は、上下方向上側に向けて設けられている。この上側を向く歯面で、針無し綴じ部70の針無しピニオンギア77(後述)と噛み合う。すなわち、針無し綴じ部70の荷重の一部を針無しラック53の歯面が支持する配置である。このことにより、針無しラック53と針無しピニオンギア77とが離間することが抑制される。
同様に、上記のように針有りラック54は、上側を向く歯面で針有り綴じ部90の針有りピニオンギア97(後述)と噛み合う。このように、針有り綴じ部90の荷重の一部を針有りラック54の歯面が支持する配置とすることで、針有りラック54と針有りピニオンギア97とが離間することが抑制される。
<針無し案内体55および針有り案内体57>
図4(a)乃至(c)は針無し案内体55および針有り案内体57を説明するための図である。具体的には、図4(a)は、針無し案内体55および針有り案内体57の斜視図であり、図4(b)は図4(a)のIVB-IVBにおける針無し案内体55の断面図であり、図4(c)は図4(a)のIVC-IVCにおける針有り案内体57の断面図である。
次に、図3および図4を参照しながら、針無し案内体55および針有り案内体57について説明をする。ここでは、針無し案内体55について説明した後に、針有り案内体57について説明をする。
まず、針無し案内体55について説明をする。図3および図4に示すように、針無し案内体55は、略直方体状であり、長手方向が共通溝521(幅方向)に沿って設けられている。この針無し案内体55は、針無し綴じ部70の通過領域に設けられる。具体的に説明をすると、針無し案内体55は、支持板51の上面511であって、共通溝521(針無し溝525)よりも搬送方向進入側(上下方向下側)に設けられる。また、針無し案内体55は、分岐点523よりも幅方向前側に設けられる。すなわち、共通溝521から針無し溝525に向かう針無し綴じ部70の移動方向において、針無し案内体55は、分岐点523よりも上流側に設けられている。
ここで、図4(b)に示すように、図示の針無し案内体55は、共通溝521側に形成される傾斜面550と、共通溝521側とは反対側に形成される第1平面551とを有する。ここで、傾斜面550は、支持板51から立ち上がる側面であって、支持板51から離間するに従い共通溝521から離間する向きに傾斜する。また、第1平面551は、支持板51から立ち上がる側面であって、支持板51と交差する(直交する)向きに延びる。付言すると、第1平面551は、共通溝521に沿う面であるとともに、搬送方向進入側(上下方向下側)を向く面である。詳細は後述するが、針無し案内体55の第1平面551は、針無し綴じ部70に設けられた針無し案内ピン78(後述)と掛かり合って、針無し綴じ部70の方向を制御する。なお、針無し案内体55は、分岐点523に設けられ針無し案内ピン78と対になるガイドとして捉えることができる。
次に、針有り案内体57について説明をする。針有り案内体57は、図3および図4に示すように、針有り溝527に沿って設けられる円弧状の部材である。この針有り案内体57は、針有り綴じ部90の通過領域に設けられる。具体的に説明をすると、針有り案内体57は、支持板51の上面511であって、共通溝521よりも搬送方向退避側(上下方向上側)に設けられる。また、針有り案内体57は、針有り溝527および分岐点523よりも幅方向前側に設けられる。すなわち、針有り綴じ部90が共通溝521から針有り溝527に向かう移動方向において、針有り案内体57は、分岐点523よりも上流側に設けられている。さらに説明をすると、針有り案内体57は、針有り溝527を挟んで分岐点523と対向する位置であって、針有り溝527の内側、すなわち針有り溝527の後側湾曲部527Aにおける湾曲面の径方向内側に設けられる。なお、図示の例のように共通溝521を挟んで対向する位置に針無し案内体55および針有り案内体57を設けることで、針無し案内ピン78および針有り案内ピン98の通過領域を分離させることができる。このことにより、針無し案内体55、針有り案内体57、針無し案内ピン78、および針有り案内ピン98を用いた移動経路の切り替えがより確実に実行される。
ここで、図4(c)に示すように、針有り案内体57は、針有り溝527とは反対側に切り欠き570を有し、段差が形成されている。いわば、針有り案内体57は、階段状に形成されている。この針有り案内体57は、針有り溝527とは反対側において、各々支持板51から立ち上がる向きに延びる面であり、かつ針有り溝527に沿って湾曲する面である第1湾曲面571および第2湾曲面573とを有する。付言すると、第1湾曲面571および第2湾曲面573は、ともに連続して針有り案内体57に設けられている。
ここで、第1湾曲面571は、支持板51と交差する(直交する)向きに延びる面であって支持板51に近い位置に形成される。この第1湾曲面571は、後述する第1針有りピン(スタッド)981を案内する。図示の第1湾曲面571は、共通溝521側に形成される平面部571Aと、この平面部571Aよりも針有り溝527側に形成され湾曲する湾曲部571Bとを有する。さらに説明をすると、第1湾曲面571は第1針有りピン981の移動経路に設けられ、第1針有りピン981が突き当たる(係合する)部分である。一方で、第1湾曲面571は、後述する第2針有りピン983の移動経路外に設けられ、第2針有りピン983は突き当たらない。すなわち、第1湾曲面571は、第2針有りピン983と非接触である。
また、第2湾曲面573は、支持板51と交差する(直交する)向きに延びる面であって第1湾曲面571よりも支持板51から遠い位置に形成される。この第2湾曲面573は、後述する第2針有りピン(スタッド)983を案内する。また、第2湾曲面573は、第1湾曲面571よりも針有り溝527側に位置する。さらに説明をすると、第2湾曲面573は、第2針有りピン983の移動経路に設けられ、第2針有りピン983が突き当たる(係合する)部分である。一方で、第2湾曲面573は、第1針有りピン981の移動経路外に設けられ、第1針有りピン981は突き当たらない。すなわち、第2湾曲面573は、第1針有りピン981と非接触である。付言すると、第1湾曲面571は第2針有りピン983と非接触であり、第2湾曲面573は第1針有りピン981と非接触であることから、第1湾曲面571および第2湾曲面573各々の形状の自由度が増す。すなわち、設計段階において、第1針有りピン981および第2針有りピン983の軌跡をより自由に定め得る。
詳細は後述するが、針有り案内体57の第1湾曲面571および第2湾曲面573は、針有り綴じ部90が移動することにともない、針有り綴じ部90に設けられた針有り案内ピン98(第1針有りピン981、第2針有りピン983)と掛かり合って、針有り綴じ部90の方向を制御する。なお、針有り案内体57は、分岐点523に設けられ針有り案内ピン98と対になるガイドとして捉えることができる。
さて、第1湾曲面571および第2湾曲面573は、針有り溝527に沿う面であるとともに、搬送方向退避側(上下方向上側)を向く面である。また、第1湾曲面571は、第2湾曲面573よりも湾曲面の径方向内側に設けられる。また、図示の例においては、第1湾曲面571および第2湾曲面573は、各々の曲率などの形状が互いに異なる。具体的には、第1湾曲面571は平面部571Aを有するのに対して、第2湾曲面573は平面部571Aのような面を有しない。また、第1湾曲面571における湾曲部571Bは、第2湾曲面573よりも曲率が大きい(曲率半径が小さい)。
なお、針無し案内体55および針有り案内体57は、共通溝521を挟んで対向する位置に設けられている。また、針無し案内体55および針有り案内体57は、各々分岐点523に対向する位置に設けられている。また、針無し案内体55は、幅方向において針有り案内体57と異なる位置に設けられている。図示の例においては、針無し案内体55が針有り案内体57よりも幅方向前側に設けられている。なお、これら針無し案内体55および針有り案内体57の位置は固定であり、分岐点523に対する針無し案内体55および針有り案内体57の位置は変化しない。
<針有り綴じ部90>
図5は針有り綴じ部90の斜視図である。
図6は図5のVI-VIにおける針有り綴じ部90の断面図である。
図7は針有り綴じ部90および針無し綴じ部70を説明するための図である。
次に、図5乃至図7を参照しながら、針有り綴じ部90について説明をする。
図5乃至図7に示すように、針有り綴じ部90は、用紙P(図1参照)にステープル(針)を貫通させる針有り綴じ片91と、案内溝52内部に移動可能に設けられる針有り移動ローラ93と、駆動源である針有りモータ95と、針有りモータ95からの駆動を受けて回転するタイミングベルト96(図6参照)と、タイミングベルト96を介して針有りモータ95からの駆動を受けて回転する針有りピニオンギア97と、針有り案内体57に案内される針有り案内ピン98と、支持板51の上面(面)511を回転しながら移動する針有りホイール99とを有する。なお、針有り綴じ部90は、上記のように針有りモータ95を有することから、針有り綴じ部90が走査するための駆動源と一体化されている構成として捉えることができる。
ここで、図6に示すように、針有り綴じ部90は、支持板51の上面511に位置する上側ユニット901と、支持板51の下面513に位置する下側ユニット903とを有する。図示の例における上側ユニット901は、針有り綴じ片91と、針有りホイール99とを有する。また、図示の例における下側ユニット903は、針有りモータ95と、タイミングベルト96と、針有りピニオンギア97とを有する。そして、支持板51(案内溝52)を貫通して設けられる針有り移動ローラ93が、上側ユニット901および下側ユニット903を連結する。さらに説明をすると、針有り綴じ部90は、針有り移動ローラ93を中心として回転可能である。言い替えると、上側ユニット901および下側ユニット903は、針有り移動ローラ93と一体で回転する。
ここで、針有り移動ローラ93について説明をする。図6に示すように、針有り移動ローラ93は、案内溝52を貫通して設けられる針有り移動ピン930と、針有り移動ピン930の外周に設けられる針有りローラ体931と、針有りローラ体931の外周に設けられる鍔状部材である針有りフランジ933とを有する。さらに説明をすると、針有り移動ローラ93における針有り移動ピン930の外径D10は、案内溝52の溝幅W1よりも小さい(外径D10<溝幅W1)。また、針有り移動ローラ93における針有りフランジ933の外径D11は、案内溝52の溝幅W1よりも大きい(溝幅W1<外径D11)。この針有りフランジ933は、支持板51の下面513側に設けられている。そして、針有りフランジ933は、支持板51に対して針有り移動ローラ93が傾くこと、言い替えると支持板51に対して針有り綴じ部90が傾くことを抑制する。このことにより、例えば針有り綴じ部90が傾くことにより、針有り綴じ部90を移動させるための駆動力が増加することが抑制される。
次に、針有り案内ピン98について説明をする。図6に示すように、針有り案内ピン98は、上側ユニット901の一部として設けられる。さらに説明をすると、針有り案内ピン98は、上側ユニット901における上面511と対向する部分に設けられる枠体902から、上面511に向けて突出する突起形状として設けられている。この針有り案内ピン98は、第1針有りピン981および第2針有りピン983を有する。ここで、第1針有りピン981および第2針有りピン983は、各々略円柱状である。また、第1針有りピン981は、第2針有りピン983よりも軸方向の長さが長く、上面511に向けてより突出している。言い替えると、第1針有りピン981の先端981Aと上面511との距離は、第2針有りピン983の先端983Aと上面511との距離よりも小さい。
さて、図7に示すように、第1針有りピン981および第2針有りピン983は、針有り綴じ部90(上側ユニット901)における互いの位置が異なる。具体的には、共通溝521に配置した針有り綴じ部90において、第1針有りピン981および第2針有りピン983の幅方向の位置が異なる(図中距離G1参照)。さらに説明をすると、第1針有りピン981は幅方向後側に設けられ、第2針有りピン983は幅方向前側に設けられる。また、共通溝521に配置した針有り綴じ部90において、第1針有りピン981および第2針有りピン983の搬送方向の位置が異なる(図中距離G2参照)。さらに説明をすると、第1針有りピン981は搬送方向退避側に設けられ、第2針有りピン983は搬送向進入側に設けられる。
次に、針有りホイール99について説明をする。図7に示すように、針有りホイール99は、各々回転可能に設けられた略円柱状(円盤状)の部材である第1針有りホイール991、第2針有りホイール992、第3針有りホイール993、および第4針有りホイール994を有する。共通溝521に配置した針有り綴じ部90において、第1針有りホイール991乃至第4針有りホイール994は、各々の回転軸が搬送方向に沿う向きに配置されている。また、第1針有りホイール991および第2針有りホイール992は共通溝521よりも搬送方向進入側に設けられ、第3針有りホイール993および第4針有りホイール994は共通溝521よりも搬送方向退避側に設けられる。さらに説明をすると、第1針有りホイール991は共通溝521を挟んで第3針有りホイール993と対向して設けられ、第2針有りホイール992は共通溝521を挟んで第4針有りホイール994と対向して設けられる。
次に、第1針有りホイール991乃至第4針有りホイール994の寸法について説明をする。まず、第1針有りホイール991および第2針有りホイール992は、互いに一致する寸法で形成されている。また、第3針有りホイール993および第4針有りホイール994は、互いに一致する寸法である。そこで、以下の説明においては、第1針有りホイール991および第3針有りホイール993の寸法の関係について説明をする。
まず、第1針有りホイール991の外径D21は、第3針有りホイール993の外径D23よりも大きい(外径D21>外径D23)。また、第1針有りホイール991の軸に沿う方向の長さL21は、第3針有りホイール993の軸に沿う方向の長さL23よりも長い(長さL21>長さL23)。このように、第1針有りホイール991(第2針有りホイール992)を、第3針有りホイール993(第4針有りホイール994)よりも大きな寸法で構成することにより、第1針有りホイール991(第2針有りホイール992)が針無し溝525を跨いで移動する際に、第1針有りホイール991の端部(車輪端)が針無し溝525内に落下し、走行不良(脱輪)になることが抑制される(後述)。
<針無し綴じ部70>
図8は、針無し綴じ部70の断面図である。
次に、図7および図8を参照しながら、針無し綴じ部70について説明をする。
図7に示すように、針無し綴じ部70は、用紙Pを構成する繊維同士を絡ませ綴じ処理を行う針無し綴じ片71と、案内溝52内部に移動可能に設けられる針無し移動ローラ73と、駆動源である針無しモータ75と、針無しモータ75からの駆動を受けて回転するタイミングベルト76と、タイミングベルト76を介して針無しモータ75からの駆動を受けて回転する針無しピニオンギア77と、針有り案内体57に案内される針無し案内ピン78と、支持板51の上面511を回転しながら移動する針無しホイール79とを有する。なお、針無し綴じ部70は、上記のように針無しモータ75を有することから、針無し綴じ部70が移動(走査)するための駆動源と一体化されている構成として捉えることができる。
ここで、図8に示すように、針無し綴じ部70は、支持板51の上面511に位置する上側ユニット701と、支持板51の下面513に位置する下側ユニット703とを有する。そして、上側ユニット701は、針無し綴じ片71と、針無しホイール79とを有する。また、図示の例における下側ユニット703は、針無しモータ75と、タイミングベルト76と、針無しピニオンギア77とを有する。そして、支持板51(案内溝52)を貫通して設けられる針無し移動ローラ73が上側ユニット701および下側ユニット703を連結する。さらに説明をすると、針無し綴じ部70は、針無し移動ローラ73を中心として回転可能である。言い替えると、上側ユニット701および下側ユニット703は、針無し移動ローラ73と一体で回転する。
ここで、針無し移動ローラ73について説明をする。図8に示すように、針無し移動ローラ73は、案内溝52を貫通して設けられる針無し移動ピン730と、針無し移動ピン730の外周に設けられる針無しローラ体731と、針無しローラ体731の外周に設けられる鍔状部材である針無しフランジ733とを有する。さらに説明をすると、針無し移動ローラ73における針無し移動ピン730の外径D30は、案内溝52の溝幅W1よりも小さい(外径D30<溝幅W1)。また、針有り移動ローラ93における針無しフランジ733の外径D31は、案内溝52の溝幅W1よりも大きい(溝幅W1<外径D31)。この針無しフランジ733は、支持板51の下面513側に設けられている。そして、針無しフランジ733は、支持板51に対する針無し移動ローラ73が傾くこと、言い替えると支持板51に対して針無し綴じ部70が傾くことを抑制する。
次に、針無し案内ピン78について説明をする。図8に示すように、針無し案内ピン78は、上側ユニット701の一部として設けられる。さらに説明をすると、針無し案内ピン78は、上側ユニット701における上面511と対向する部分に設けられる枠体702から、上面511に向けて突出する突起形状として設けられている。
次に、針無しホイール79について説明をする。図7に示すように、針無しホイール79は、各々回転可能に設けられた略円盤状の部材であり、第1針無しホイール791、第2針無しホイール792、第3針無しホイール793、および第4針無しホイール794を有する。共通溝521に配置した針無し綴じ部70において、第1針無しホイール791乃至第4針無しホイール794は、回転軸が搬送方向に沿う向きに配置されている。また、第1針無しホイール791および第2針無しホイール792は共通溝521よりも搬送方向進入側に設けられ、第3針無しホイール793および第4針無しホイール794は共通溝521よりも搬送方向退避側に設けられる。さらに説明をすると、第1針無しホイール791は共通溝521を挟んで第3針無しホイール793と対向して設けられ、第2針無しホイール792は共通溝521を挟んで第4針無しホイール794と対向して設けられる。また、これらの第1針有りホイール991乃至第4針有りホイール994は、互いに一致する寸法で形成されている。
<針無し綴じ部70の動作>
図9は、針無し綴じ部70の動作を説明するための図である。
次に、図7および図9を参照しながら、針無し綴じ部70の動作について説明をする。
まず、図7に示すように、針無し綴じ部70の針無し移動ローラ73が案内溝52内に配置され、針無しピニオンギア77は針無しラック53と噛み合う。そして、針無しモータ75の駆動力を受けることで、針無しピニオンギア77が回転し、針無しラック53に沿って針無し綴じ部70が移動する。このとき、針無し移動ローラ73が案内溝52によって案内されることで、針無し綴じ部70の移動方向が定まる。なお、針無し移動ローラ73が案内溝52内に配置されていることにより、針無しピニオンギア77および針無しラック53の距離が安定する(維持される)。その結果、例えば針無しピニオンギア77が針無しラック53から離間することや、針無しピニオンギア77および針無しラック53における歯飛びなどの損傷が抑制される。
次に、図9を参照しながら、針無し綴じ部70が共通溝521から分岐点523を経て針無し溝525へと移動する動作を説明する。なお、この針無し綴じ部70の移動にともない、針無し案内ピン78が対になる針無し案内体55と掛かり合い、針無し綴じ部70の向きが制御される。
まず、図9(a)に示すように、針無し綴じ部70の針無し移動ローラ73が共通溝521に配置されているものとする。このとき、図9(a)に示すように、針無し案内ピン78は針無し案内体55よりも幅方向前側に配置されており、針無し案内ピン78と針無し案内体55とは離間している。
そして、図9(b)に示すように、針無し綴じ部70の針無し移動ローラ73が分岐点523に接近する。このとき、図9(b)に示すように、針無し案内ピン78が針無し案内体55を通過する。このとき、針無し案内ピン78は、針無し案内体55の第1平面551に誘導され、第1平面551に沿って進む。そして、例えば、針無し綴じ部70を搬送方向退避側に向かわせる外力、すなわち針有り溝527に進入させる向きの外力が針無し綴じ部70に加わったとしても、第1平面551が針無し案内ピン78を支持する。従って、針無し綴じ部70が針有り溝527に向けて移動(回転)することが抑制される。すなわち、針無し綴じ部70による分岐点523の通過が円滑になる。
そして、図9(c)に示すように、針無し綴じ部70の針無し移動ローラ73が分岐点523を通過し、針無し溝525に配置される。このとき、図9(c)に示すように、針無し案内ピン78は針無し案内体55よりも幅方向後側に配置されており、針無し案内ピン78と針無し案内体55とは離間している。
なお、詳細な説明は省略するが、針無し綴じ部70が針無し溝525から分岐点523を経て共通溝521へと移動する動作においては、上記とは反対の順に動作が進行する。すなわち、図9(c)に示す状態から、図9(b)に示す状態を経て、図9(a)に示す状態へと変化する。
<針有り綴じ部90の動作>
図10は、針有り綴じ部90の動作を説明するための図である。
次に、図7および図10を参照しながら、針有り綴じ部90の動作について説明をする。
まず、図7に示すように、針有り綴じ部90の針有り移動ローラ93が案内溝52内に配置され、針有りピニオンギア97は針有りラック54と噛み合う。そして、針有りモータ95の駆動力を受けることで、針有りピニオンギア97が回転し、針有りラック54に沿って針有り綴じ部90が移動する。このとき、針有り移動ローラ93が案内溝52によって案内されることで、針有り綴じ部90の移動方向が定まる。なお、針有り移動ローラ93が案内溝52内に配置されていることにより、針有りピニオンギア97および針有りラック54の距離が安定する(維持される)。その結果、例えば針有りピニオンギア97が針有りラック54から離間することや、針有りピニオンギア97および針有りラック54における歯飛びなどの損傷が抑制される。
次に、図10を参照しながら、針有り綴じ部90が共通溝521から分岐点523を経て針有り溝527へと移動する動作を説明する。なお、この針有り綴じ部90の移動にともない、針有り案内ピン98が対になる針有り案内体57と掛かり合い、針有り綴じ部90の向きが制御される。
まず、図10(a)に示すように、針有り綴じ部90の針有り移動ローラ93が共通溝521に配置されているものとする。このとき、図10(a)に示すように、針有り案内ピン98は針有り案内体57よりも幅方向前側に配置されており、針有り案内ピン98と針有り案内体57とは離間している。
そして、図10(b)に示すように、針有り綴じ部90の針有り移動ローラ93が分岐点523に接近する。このとき、図10(b)に示すように、針有り案内ピン98の第1針有りピン981が針有り案内体57の第1湾曲面571に突き当たり、第1湾曲面571に誘導され、第1湾曲面571に沿って進む。このことにより、針有り綴じ部90を針有り溝527に向けて回転させる動作が、針有り案内体57によって補助される。また、例えば、針有り綴じ部90を搬送方向進入側に向かわせる外力、すなわち針無し溝525に進入させる向きの外力が針有り綴じ部90に加わったとしても、第1湾曲面571が第1針有りピン981を支持する。従って、針有り綴じ部90が針無し溝525へと移動(回転)することが抑制される。
そして、図10(c)に示すように、針有り綴じ部90の針有り移動ローラ93が分岐点523を通過する。このとき、図10(c)に示すように、針有り案内ピン98の第2針有りピン983が針有り案内体57の第2湾曲面573に突き当たり、第2湾曲面573に沿って進む。このことにより、針有り案内体57は、針有り案内体57をさらに回転させる。また、例えば、針有り溝527を進む針有り綴じ部90の進行方向が針無し溝525側に向けて回転すること(図中矢印R2参照)が抑制される。さらに説明をすると、第1針有りピン981が針有り案内体57を通過した後においても、針有り溝527を進む針有り綴じ部90の向きが安定する。
そして、図10(d)に示すように、針有り綴じ部90の針有り移動ローラ93が分岐点523を通過し、針有り溝527に配置される。このとき、図10(d)に示すように、針有り案内ピン98は針有り案内体57よりも搬送方向退避側に配置されており、針有り案内ピン98と針有り案内体57とは離間している。
なお、詳細な説明は省略するが、針有り綴じ部90が針有り溝527から分岐点523を経て共通溝521へと移動する動作においては、上記とは反対の順に動作が進行する。すなわち、図10(d)に示す状態から、図10(c)に示す状態および図10(b)に示す状態を経て、図10(a)に示す状態へと変化する。
<針無し綴じ部70および針有り綴じ部90の動作>
上記で説明したように、針無し綴じ部70は共通溝521から針無し溝525へと移動する一方で、針有り綴じ部90は共通溝521から針有り溝527へと移動する。すなわち、針無し綴じ部70および針有り綴じ部90各々の進入経路が切り替わる。ここで、進入経路の切り替えは、対となる針無し案内ピン78と針無し案内体55との掛かり合い、および対となる針有り案内ピン98と針有り案内体57との掛かり合いにより行われる。
ここで、図示の構成においては、例えば、針無し綴じ部70および針有り綴じ部90各々の進入経路を切り替えるため、可動式の分岐部材である振り分け弁などを、分岐点523の近傍であって案内溝52の内側に設けることが不要である。すなわち、針無し綴じ部70および針有り綴じ部90が共通して通過する共通溝521から、針無し溝525および針有り溝527への振り分けが、レール切り替え機構(切り替え制御)などを用いることなく実行される。したがって、レール切り替え機構などを用いる場合と比較して、針無し案内ピン78および針無し案内体55の組み合わせ、または針有り案内ピン98および針有り案内体57の組み合わせのみの簡易な機構で、安価に針無し綴じ部70および針有り綴じ部90が分岐される。付言すると、図示の構成においては、電子部品の不具合などによる、進入経路の切り替え不良が発生することが抑制される。また、図示の構成においては、進入経路の切り替え不良にともない発生する、綴じ手段同士の衝突が抑制される。
ここで、上記では説明を省略した針有り案内ピン98の機能について説明する。まず、上記のように図示の例における集積板41は、水平方向に対して傾斜して設けられる。そして、針有り綴じ部90も、集積板41に合わせて傾斜して設けられる。また、針有り綴じ片91などを有する上側ユニット901は重量が重く、針有り綴じ部90は自重により傾きやすい構成である(図6における矢印R1参照)。そこで、図示の例においては、針有り案内ピン98(第1針有りピン981、第2針有りピン983)が、針有り綴じ部90によって支持されることで、針有り綴じ部90の傾きが抑制される。
また、仮に針有り綴じ部90が図6における矢印R1の向きに傾くと、下側ユニット903に設けられた針有りピニオンギア97は、針有りラック54から離間する向きに移動する。図示の例における針有り案内ピン98(第1針有りピン981、第2針有りピン983)は、針有りピニオンギア97が針有りラック54から離間することを抑制する。また、仮に針有り綴じ部90が図6における矢印R1の向きに傾くと、第1針有りホイール991および第2針有りホイール992は、第3針有りホイール993および第4針有りホイール994よりも大きな荷重を受ける状態となる。
さて、針有り案内体57は、幅方向に延びる案内溝52における幅方向後側の位置に設けられており、幅方向前側には設けられていない(図3参照)。ここで、上記のように針有り溝527の後側湾曲部527Aは、共通溝521の前側湾曲部521Bよりも曲率が大きい。したがって、針有り綴じ部90が後側湾曲部527Aを通過する際の方が、前側湾曲部521Bを通過する際と比較して、針有り綴じ部90を回転させるためにより大きな力が必要となる。そこで、図示の例においては、針有り案内体57が案内溝52の幅方向後側に設けられる。付言すると、針有り案内体57を設けることにより、後側湾曲部527Aの曲率が大きい場合であっても、針有り綴じ部90の移動が妨げられない。なお、このように曲率を大きくすることで、後側湾曲部527A周辺の寸法が抑制され得る。
また、針有り溝527は、針無し溝525と比較して、より大きく湾曲している(曲率が大きい)。そこで、図示の例においては、より重量の軽い針有り綴じ部90が、より湾曲するルートである針有り溝527に案内されるように構成されている。このように、針有り綴じ部90が針有り溝527に案内されることにより、針無し綴じ部70が針有り溝527に案内される場合と比較して、針有り綴じ部90の移動が安定しやすい。また、針無し綴じ部70の駆動機構が簡略化され得る。ここで、駆動機構の簡略化としては、例えば供給すべき駆動力が低減されることや、駆動機構の部品数や寸法が抑制されることなどがある。付言すると、針有り溝527は、分岐点523からみて上下方向上側に向けて延びる。そこで、図示の例においては、より重量の軽い針有り綴じ部90が針有り溝527に案内されるように構成されている。このことにより、針無し綴じ部70が針有り溝527に案内される場合と比較して、駆動機構が簡略化され得る。
また、図8および図9を参照しながら説明をしたように、より重量が重い針無し綴じ部70においては、針無し案内体55の鉛直方向下側(搬送方向進入側)を針無し案内ピン78が通過する。そして、案内ピン78は、鉛直方向下側(搬送方向進入側)から針無し案内体55に接触する。一方で、より重量が軽い針有り綴じ部90においては、針有り案内体57の鉛直方向上側(搬送方向退避側)を針有り案内ピン98(第1針有りピン981、第2針有りピン983)が通過する。そして、針有り案内ピン98は、鉛直方向上側(搬送方向退避側)から針有り案内体57に接触する。このような構成とすることで、より重い針有り綴じ部90の案内ピン78にかかる負荷が低減される。
<針有りホイール99の動作>
図11乃至図13は、針有り綴じ部90における針有りホイール99の動作を説明するための図である。
次に、図11乃至図13を参照しながら、針有り綴じ部90における針有りホイール99の動作について説明をする。ここでは、針有り綴じ部90が共通溝521から分岐点523を経て針有り溝527へと移動する際の針有りホイール99の動作について説明をする。具体的には、針有りホイール99の第1針有りホイール991および第2針有りホイール992が針無し溝525を跨いで通過する動作について説明する。
まず、図11(a)および(b)に示すように、針有り綴じ部90の針有り移動ローラ93が共通溝521内を移動しながら分岐点523に接近する。このとき針有り綴じ部90が回転を開始し、第1針有りホイール991が針無し溝525を跨ぎ始める(通過し始める)。
そして、図12(a)および(b)に示すように、針有り綴じ部90の針有り移動ローラ93が分岐点523に到達する。このとき、第1針有りホイール991は針無し溝525を通過し終え、第2針有りホイール992が針無し溝525を跨ぎ始める。
そして、図13(a)および(b)に示すように、針有り綴じ部90の針有り移動ローラ93が分岐点523を通過する。このとき、第2針有りホイール992が針無し溝525を通過し終わる。
<第1針有りホイール991および第2針有りホイール992の寸法>
図14は、第2針有りホイール992の寸法を説明するための図である。
次に、図7および図14を参照しながら、第1針有りホイール991および第2針有りホイール992の寸法について説明をする。
上記のように、第1針有りホイール991および第2針有りホイール992は、針無し溝525を跨いで通過する際に、第1針有りホイール991および第2針有りホイール992が針無し溝525内に嵌ることが抑制される寸法で形成されている。さらに説明をすると、第1針有りホイール991および第2針有りホイール992が針無し溝525内に落下し、針有り綴じ部90が移動不可能となることが抑制される寸法で、第1針有りホイール991および第2針有りホイール992が形成されている。
ここで、第2針有りホイール992の寸法について具体的に説明をする。なお、ここでは第2針有りホイール992についてのみ説明をするが、上記のように第1針有りホイール991および第2針有りホイール992は互いに一致する寸法で構成されている。
まず、上記のように第2針有りホイール992の軸方向の長さL21は、第4針有りホイール994(第3針無しホイール993)の全長、すなわち軸方向の長さL23(図7参照)よりも長い(長さL21>長さL23)。また、第2針有りホイール992の外径(車輪径)D21は、第4針有りホイール994(第3針無しホイール993)の外径D23(図7参照)よりも大きい(外径D21>外径D23)。
また、第2針有りホイール992の外径D21は、針無し溝525の溝幅W1よりも大きい(溝幅W1<外径D21)。さらに、第2針有りホイール992の針無し溝525と交差する方向、すなわち搬送方向における第2針有りホイール992の長さL23は、溝幅W1よりも長い(溝幅W1<長さL23)。
なお、第2針有りホイール992が針無し溝525を跨いで通過する際に、針有り綴じ部90の向きが変化する。このことにともない、第2針有りホイール992の軸と針無し溝525とにより形成される角度αも変化する。そして、図示の第2針有りホイール992は、この角度αが最も小さくなる際に、針無し溝525の溝幅方向の両側と同時に接触する寸法、すなわち針無し溝525を跨ぐことが可能な寸法で形成されている。ここで、第2針有りホイール992が針無し溝525の溝幅方向の両側を跨ぐ配置においては、第2針有りホイール992における針無し溝525よりも外側に位置する領域A1、A2が針無し溝525の溝幅方向の両側に形成されることが好ましい。
また、上記のように第2針有りホイール992の外径D21を大きくすることで、仮に針無し溝525内に第2針有りホイール992の一部が落下(進入)したとしても、その進入量が少なくなる。言い替えると、第2針有りホイール992が針無し溝525内に嵌る量が低減される。このことにより、第2針有りホイール992が針無し溝525内に嵌りづらくなる。また、針有り綴じ部90の移動(走行)がフラットになる。
付言すると、図示の例においては、上記のように針有りフランジ933が設けられている。この針有りフランジ933により、第2針有りホイール992が針無し溝525を乗り越える際に、針有り綴じ部90が傾くことが抑制される。また、図示の例においては、第2針有りホイール992の外径または軸方向長さの形状最適化や、針有りフランジ933を設けることで脱輪防止機構が実現されるので、脱輪防止機構の製造コストを削減し得る。
<変形例>
図15(a)は変形例1における針無しラック153および針有りラック154を説明する図であり、図15(b)は変形例2における針無しラック253および針有りラック254を説明する図である。
図16(a)は変形例3における針有り綴じ部190を説明する図であり、図16(b)は変形例4における針無しラック353および針有りラック354を説明する図である。
次に、図15および図16を参照しながら、上記実施の形態の変形例について説明をする。なお、図15および図16において上記実施の形態と同一の部分には同一の符号をつけ、その詳細な説明は省略する。
まず、上記の説明においては、針無しラック53および針有りラック54の歯面が、同一の向き、すなわち搬送方向退避側(上下方向上側)を向くことを説明したが、これに限定されない。例えば、針無しラック53および針有りラック54の歯面が、互いに異なる向きに形成されていてもよい。
例えば、図15(a)に示すように、針無しラック153の歯面が搬送方向退避側を向くのに対して、針有りラック154の歯面が搬送方向進入側を向く構成でもよい。そして、針無しラック153は、搬送方向退避側に位置する針無しピニオンギア177と噛み合う。また、針有りラック154は、搬送方向進入側に位置する針有りピニオンギア197と噛み合う。
また、図15(b)に示すように、針無しラック253の歯面が搬送方向進入側を向くのに対して、針有りラック254の歯面が搬送方向退避側を向く構成でもよい。そして、針無しラック253は、搬送方向進入側に位置する針無しピニオンギア277と噛み合う。また、針有りラック254は、搬送方向退避側に位置する針有りピニオンギア297と噛み合う。
ここで、図15(a)の針無しラック153のように、歯面が搬送方向退避側(上下方向上側)を向く構成とすることで、重力により搬送方向進入側に向かう針無しピニオンギア177を針無しラック153が支持する配置となる。したがって、針無しラック153と針無しピニオンギア177との距離が安定する。同様に、図15(b)の針無しラック254においては、針有りピニオンギア297との距離が安定する。付言すると、例えば複数の綴じ手段(針無し綴じ部70、針有り綴じ部90)のうち、より重量が重い綴じ手段を移動させるラックの歯面が搬送方向退避側(上下方向上側)を向き、より重量が軽い綴じ手段を移動させるラックの歯面が搬送方向進入側(上下方向下側)を向く構成としてもよい。
次に、上記の実施の形態においては、針有り綴じ部90が針有り案内ピン98として、第1針有りピン981および第2針有りピン983を有することを説明したが、針有り案内ピン98の数はこれに限定されない。例えば、図16(a)に示す針有り綴じ部190のように、針有り案内ピン198が1本設けられる構成であってもよい。図示の例においては、針有り案内ピン198が針有り綴じ部190における幅方向略中央に設けられているが、針有り綴じ部190における位置も特に限定されない。
また、上記の実施の形態においては、針無し綴じ部70が1本の針無し案内ピン78を有することを説明したが、針無し案内ピン78の数もこれに限定されない。図示は省略するが、針無し案内ピン78が複数設けられる構成であってもよい。また、上記の説明においては、針無し案内ピン78および針有り案内ピン98が略円柱状であることを説明したが、針無し案内体55および針有り案内体57と掛かり合う突起であれば、形状は特に限定されない。
また、上記の実施の形態においては、案内溝52が分岐することを説明したが、これに限定されない。また、共通溝521においては、針無し綴じ部70および針有り綴じ部90の両者が通過することを説明したが、これに限定されない。
例えば、図16(b)に示すように、複数の案内溝352、356が互いに沿うように設けられる構成であってもよい。そして、案内溝352、356の各々に沿って、針無しラック353および針有りラック354が設けられてもよい。そして、針無しラック353および針有りラック354の各々に、針無しピニオンギア377または針有りピニオンギア397が噛み合うように配置される。付言すると、図16(b)に示すように、複数の案内溝352、356を接近して配置した場合においても、各々を針無しラック353および針無しピニオンギア377、あるいは針有りラック354および針有りピニオンギア397により駆動することで、互いに干渉することが抑制される。
また、上記の実施の形態においては、分岐する案内溝52に沿って、針無し案内体55および針有り案内体57を設けるとともに、針無しラック53および針有りラック54を設けることを説明したが、これに限定されない。例えば、分岐する案内溝52に沿って、針無し案内体55および針有り案内体57を設け、針無しラック53および針有りラック54を設けなくてもよい。さらに説明をすると、例えばタイミングベルトなど、針無しラック53および針有りラック54以外の機構により、針無し綴じ部70および針有り綴じ部90が駆動される構成でもよい。あるいは、分岐する案内溝52に沿って、針無しラック53および針有りラック54を設け、針無し案内体55および針有り案内体57を設けなくてもよい。さらに説明をすると、針無し案内体55および針有り案内体57以外の機構により、針無し綴じ部70および針有り綴じ部90の移動先を切り替えてもよい。
また、上記の実施の形態においては、針有り溝527が分岐点523からみて搬送方向退避側(上下方向上側)に湾曲することを説明したが、これに限定されない。例えば、針有り溝527が分岐点523からみて搬送方向進入側(上下方向下側)に湾曲してもよい。また、針有り溝527が湾曲せず、直線状に形成されてもよい。すなわち、針無し溝525および針有り溝527がともに直線状に形成されてもよい。
また、上記の実施の形態においては、支持板51が水平方向に対して傾斜して設けられることを説明したが、これに限定されない。例えば、支持板51の板面が水平方向に沿って設けられてもよい。
また、上記の実施の形態においては、針無し綴じ部70と針有り綴じ部90とがともに案内溝52に沿って移動することを説明したが、これに限定されない。例えば、案内溝52に針有り綴じ部90のみが設けられ、案内溝52に沿って針有り綴じ部90のみが移動する構成でもよい。さらに説明をすると、針有り綴じ部90のみが、案内溝52が有する湾曲する部分や分岐点を通過する構成であってもよい。同様に、針無し綴じ部70のみが案内溝52に沿って移動する構成でもよい。
また、上記の実施の形態においては、針有り案内体57が段差を有し、第1湾曲面571および第2湾曲面573を有する構成を説明したが、これに限定されない。例えば、第1湾曲面571および第2湾曲面573を各々独立した部材として設けてもよい。また、針有り案内体57に段差がなく、第1針有りピン981および第2針有りピン983の両者が突き当たる湾曲面を針有り案内体57が有する構成でもよい。なお、上記のように針無し案内ピン78は1本でもよい。したがって、1本の針無し案内ピン78が、段差のない針有り案内体57に突き当たる構成でもよい。
また、上記の実施の形態においては、第1針有りホイール991および第2針有りホイール992が、針無し溝525の溝幅方向の両側を跨ぐ寸法であることを説明した。ここで、第1針有りホイール991(第2針有りホイール992)は複数のホイールにより構成されてもよい。すなわち、共通溝521に配置した針有り綴じ部90において、軸方向に複数のホイールを並べて、第1針有りホイール991としてもよい。また、針有り綴じ部90の移動方向に沿う向きに複数の小径ホイールを並べて第1針有りホイール991としてもよい。このように複数の小径ホイールにより第1針有りホイール991を構成することにより、針無し溝525への落下を抑制しつつ、支持板51の上面511からの第1針有りホイール991の高さが低減される。
また、上記の実施の形態においては、第1針有りホイール991および第2針有りホイール992が、第3針有りホイール993および第4針有りホイール994よりも大きな寸法であることを説明したが、第1針有りホイール991(第2針有りホイール992)が、第3針有りホイール993(第4針有りホイール994)よりも、針無し溝525への落下することが抑制された構成であればよい。例えば、第1針有りホイール991の重量が、第3針有りホイール993の重量よりも軽い構成や、第1針有りホイール991の外周面が、第3針有りホイール993の外周面よりも摩擦係数が大きい部材で構成されているなどでもよい。
また、上記の実施の形態においては、針無し綴じ部70および針有り綴じ部90の両者を備えることを説明したが、これに限定されない。針無し綴じ部70および針有り綴じ部90のいずれか一方を有する構成でもよい。また、針無し綴じ部70および針有り綴じ部90各々の数も特に限定されない。さらに、針無し綴じ部70のみを複数備える構成や、針有り綴じ部90のみを複数有する構成であってもよい。
なお、上記の説明において、針有り綴じ部90は第1綴じ手段および綴じ手段の一例である。針無し綴じ部70は第2綴じ手段の一例である。針有り移動ローラ93および針有り案内ピン98は第1突起部および突起部の一例である。針無し移動ローラ73および針無し案内ピン78は第2突起部の一例である。針有り案内体57は第1突当体の一例である。針無し案内体55は第2突当体の一例である。共通溝521は共通溝および溝の一例である。針有り溝527は第1溝および退避溝の一例である。針無し溝525は第2溝の一例である。後側湾曲部527Aは湾曲部の一例である。針有りモータ95は第1駆動源の一例である。針無しモータ75は第2駆動源の一例である。針有りピニオンギア97は第1ギアの一例である。針無しピニオンギア77は第2ギアの一例である。針有りラック54は第1ラックギアの一例である。針有りラック53は第2ラックギアの一例である。集積板41は傾斜面の一例である。案内体57は突当体の一例である。画像形成部13は画像形成手段の一例である。
なお、上記では種々の実施形態および変形例を説明したが、これらの実施形態や変形例同士を組み合わせて構成してももちろんよい。
また、本開示は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。