JP2020179600A - (メタ)アクリル系樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリル系樹脂フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】均一な膜厚を有するフィルムを製造することができる(メタ)アクリル系樹脂フィルムの製造方法を提供する。【解決手段】270℃、せん断速度61/秒における溶融粘度が200〜2,000Pa・sである(メタ)アクリル系樹脂組成物をスタティックミキサー4により混合してTダイ5から押出す工程を含む(メタ)アクリル系樹脂フィルムの製造方法であって、前記スタティックミキサーは、管の内部に配置され、エレメント数が5〜30であり、且つ前記管を加温することを特徴とする(メタ)アクリル系樹脂フィルムの製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、(メタ)アクリル系樹脂フィルムの製造方法に関する。
(メタ)アクリル系樹脂フィルムは、高い透明性や低複屈折率等の光学特性に優れると共に、溶融成形によるフィルム製膜も容易なことから、光学用途や加飾用途に使用されている。(メタ)アクリル系樹脂フィルムの一般的な成形方法の1つに、原料となる(メタ)アクリル系樹脂をホッパーから押出機に供給して加熱溶融した後、ダイから押出すことによりフィルムを成形する方法がある。
しかしながら、(メタ)アクリル系樹脂を押出成形により製膜する場合、フィルムの幅方向に厚みムラが発生するという問題があった。フィルムに厚みムラが発生すると、力学物性ムラや光学特性ムラが生じるだけでなく、フィルム表面にコーティング層を付与した場合に外観不良の原因となる場合がある。
これらの問題を解決し、厚みが均一な(メタ)アクリル系樹脂フィルムを成膜する方法として、特許文献1には、フィルム端部の温度を制御することにより厚みムラを抑制する方法が提案されている。また、特許文献2には、ダイ吐出前後の温度分布を測定しフィードバックすることでダイ吐出後の温度を均一化する方法が提案されている。更に特許文献3には、ダイ吐出後の樹脂を再加熱する方法が提案されている。
特開2006−123460号公報 特開2017−30279号公報 特開2009−78359号公報
特許文献1〜3に記載の方法によれば、フィルムの幅方向における端部の膜厚制御が可能になるものの、依然としてフィルムの幅方向の中央部では膜厚変動が発生するという問題があった。また、吐出された樹脂を長時間加熱することにより、樹脂焼けによる付着物がTダイリップに発生して厚みムラが生じるという問題や、加熱により発生した揮発成分が加熱装置に付着し、生産性が低下するという問題があった。
本発明は、前記従来の問題を鑑みてなされたものであって、均一な膜厚を有するフィルムを製造することができる(メタ)アクリル系樹脂フィルムの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく検討を重ねた結果、スタティックミキサーが内部に配置された管を加熱することにより、Tダイから吐出する(メタ)アクリル系樹脂組成物の温度分布を均一化することが可能になることを見出し、その知見に基づいて更に検討を進め、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記[1]〜[4]を要旨とするものである。
[1]270℃、せん断速度61/秒における溶融粘度が200〜2,000Pa・sである(メタ)アクリル系樹脂組成物をスタティックミキサーにより混合してTダイから押出す工程を含む(メタ)アクリル系樹脂フィルムの製造方法であって、
前記スタティックミキサーは、管の内部に配置され、エレメント数が5〜30であり、且つ前記管を加温することを特徴とする(メタ)アクリル系樹脂フィルムの製造方法。
[2]前記Tダイ吐出口から5cm下の位置にて測定した前記(メタ)アクリル系樹脂組成物のメルトカーテンの温度について、前記メルトカーテン中央部の温度(T)に対する、前記メルトカーテンの両端部から100mm中央側の温度のうちTとの差の絶対値が大きい方の温度(T)の比率[〔(T)/(T)〕×100]が95〜105%である、[1]に記載の(メタ)アクリル系樹脂フィルムの製造方法。
[3]前記スタティックミキサーが内部に配置された管の出口から前記Tダイの入口までの距離が2.0m以下である、[1]又は[2]に記載の(メタ)アクリル系樹脂フィルムの製造方法。
[4]前記(メタ)アクリル系樹脂組成物が多層構造を有するアクリル系重合体(B)を含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の(メタ)アクリル系樹脂フィルムの製造方法。
本発明によれば、均一な膜厚を有するフィルムを製造することができる(メタ)アクリル系樹脂フィルムの製造方法を提供することができる。
フィルムの製造方法における成形装置の一例を示す図である。
フィルムを溶融押出法によって成形する場合において、圧力損失を抑えながら溶融状態の樹脂に層流を起こして効率的に撹拌することを目的として、スタティックミキサーを用いることがある。スタティックミキサーは、通常、管及び該管の内部に配置されたスタティックミキサーとで構成されるスタティックミキサー部として用いられるが、このスタティックミキサー部では、一般的に内部の流体の熱が外部へ放出(放熱)される傾向にあり、放熱の程度は外部環境、内部の流体の熱伝導度等の影響を受ける。また、内部の流体が高粘度の流体(ペースト)である場合には、樹脂のせん断発熱などの影響を受ける場合がある。放熱やせん断発熱の程度が大きいと、内部の流体の温度ムラにつながり、温度ムラはフィルムの厚みムラにつながる可能性がある。そこで本発明は、スタティックミキサーを加温できる管の内部に配置し、且つ溶融粘度が特定の範囲にある(メタ)アクリル系樹脂組成物を用いることにより厚みムラを解消することを特徴とするものである。
[(メタ)アクリル系樹脂フィルムの製造方法]
本発明の(メタ)アクリル系樹脂フィルムの製造方法は、270℃、せん断速度61/秒における溶融粘度が200〜2,000Pa・sである(メタ)アクリル系樹脂組成物をスタティックミキサーにより混合してTダイから押出す工程を含む(メタ)アクリル系樹脂フィルムの製造方法であって、前記スタティックミキサーは、管の内部に配置され、エレメント数が5〜30であり、且つ前記管を加温することを特徴とする。
本発明の(メタ)アクリル系樹脂フィルムの製造方法によれば、エレメント数を特定範囲内としたスタティックミキサーを管の内部に配置し、更に、前記管を加温するため、スタティックミキサー部での外部への放熱の影響を受けることなく、(メタ)アクリル系樹脂組成物(原料樹脂組成物)の温度が十分に均一化された状態でTダイへ送られる。その結果、Tダイでの原料樹脂組成物の温度ムラを抑えることができ、膜厚の制御が容易になり、特に温度の影響を受けやすかったり、温度ムラを解消することが比較的難しい原料樹脂組成物を用いた場合においても、均一な膜厚を有する(メタ)アクリル系樹脂フィルムを製造することが可能になる。
本発明の(メタ)アクリル系樹脂フィルムの製造方法は、例えば、図1に示す装置により実施することができる。
図1の装置において、まず原料樹脂である(メタ)アクリル系樹脂組成物を押出機1にて溶融する。次いで、溶融した(メタ)アクリル系樹脂組成物はギアポンプ2を経て、ポリマーフィルター3にてろ過される。その後、熱可塑性樹脂組成物は、管及び該管の内部に配置されたスタティックミキサーとで構成されるスタティックミキサー部4を経て、Tダイ5からフィルム状に吐出される。吐出された溶融樹脂は、ロール6とロール7とに挟圧されて所望の膜厚に成形される。成形された(メタ)アクリル系樹脂フィルムは、例えばロール状に巻き取られる。
<押出機>
(メタ)アクリル系樹脂組成物を溶融し、押出すための押出機としては、例えば単軸押出機、二軸押出機、及び多軸押出機等を用いることができる。(メタ)アクリル系樹脂組成物を混合する際に発生する揮発分を除去するため、押出機はベント機構を備えることが好ましい。
押出機のスクリューとしてはバリアフライトやミキシングセクション付きスクリュー等を用いることができる。スクリューのL/D(Lは押出機のシリンダー長さ、Dはシリンダー内径を表す)としては、(メタ)アクリル系樹脂組成物の充分な可塑化や混合状態を得る観点から、好ましくは10以上であり、より好ましくは20以上であり、更に好ましくは25以上であり、そして、好ましくは100以下であり、より好ましくは50以下であり、更に好ましくは40以下である。L/Dが前記下限値以上であることにより(メタ)アクリル系樹脂組成物の十分な可塑化や混合状態が得られる。また、L/Dが前記上限値以下であることにより、剪断発熱による(メタ)アクリル系樹脂組成物の分解を抑制しつつ混合が可能になる。
押出機のシリンダー温度は、使用する(メタ)アクリル系樹脂組成物の組成やそのガラス転移温度にもよるが、好ましくは150℃以上であり、より好ましくは180℃以上であり、そして、好ましくは310℃以下であり、より好ましくは280℃以下である。シリンダー温度が前記下限値以上であることにより(メタ)アクリル系樹脂組成物を十分に溶融することができる。一方、シリンダー温度が前記上限値以下であることにより、(メタ)アクリル系樹脂組成物の熱劣化に伴う分解によって発生する低沸点の分解物、ヤケ、ゲル化等を抑制することができる。
<ギアポンプ>
本発明においては、後述するポリマーフィルターやスタティックミキサーでの圧力損失を補うため、押出機の後にギアポンプを設置してもよい。ギアポンプとしては特に制限はないが、インバータ制御のギアポンプが好ましい。インバータ制御のギアポンプを用いることにより、押出機から吐出される溶融樹脂流量の脈動を抑制することができる。
ギアポンプ入口の樹脂圧は10MPa以下であることが好ましく、8MPa以下であることがより好ましい。ギアポンプ入口の樹脂圧が前記上限値以下であるとスタティックミキサーのエレメント数が増加した場合でも押出不良が発生しにくくなる。樹脂圧の下限値は、1MPaであることが好ましく、3MPaであることがより好ましい。ギアポンプ入口の樹脂圧が前記下限値以上であるとギアポンプの樹脂吐出量の変動が小さくなる。
<ポリマーフィルター>
本発明においては、ギアポンプとスタティックミキサーとの間にポリマーフィルターを用いることが好ましい。ポリマーフィルターとしては(メタ)アクリル系樹脂組成物をろ過するフィルターエレメント部と、溶融状態の(メタ)アクリル系樹脂組成物(溶融樹脂組成物)が導入及び排出されるハウジング部とからなることが好ましい。
フィルターエレメントとしては、ディスク型や筒型のものが挙げられるが、1エレメント当たりのろ過面積を大きくとれる筒型がコスト面で優れることから、筒型のものを用いることが好ましい。
筒型のフィルターエレメントは通常、外周面から流体をろ過するろ過部、ろ過された流体が流れる中空部、端部に存在し、前記中空部から流体を排出する排出部、及びフィルターエレメントの先端部を備える。筒型のフィルターエレメントとしては、例えばチューブタイプ、キャンドルタイプ等が挙げられ、中でも、キャンドルタイプのフィルターエレメントが好ましい。
キャンドルタイプのフィルターエレメントの形状に特に制限はなく、波型又はプリーツ型等が使用できる。前記プリーツ型におけるプリーツは、フィルターエレメントの半径方向に延びたものでもよいし、半径方向に対して斜めに延び、湾曲した断面形状又はアーチ型の断面形状を有する、いわゆるスパイラルプリーツであってもよい。
フィルターエレメントのろ過精度は、好ましくは5μm以上であり、より好ましくは8μm以上であり、そして、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは30μm以下である。ろ過精度が前記範囲内であることにより、生産性と異物混入の抑制とのバランスを向上させることができる。特にろ過精度が前記下限値以上であることにより、フィルターエレメントに溶融状態の(メタ)アクリル系樹脂組成物を通過させる際に生じる剪断発熱による熱劣化を抑制できる。一方、ろ過精度が前記上限値以下であることにより、異物の効果的な除去が可能となる。
<スタティックミキサー>
本発明においては、圧力損失を小さくしつつ、内部に生じる層流により高粘度の流体(ペースト)を効率的に撹拌混合するためにスタティックミキサーを用いるが、本発明においてはスタティックミキサーのエレメント数(単位混合要素の数)を5〜30とする。エレメント数が前記下限値未満であると、(メタ)アクリル系樹脂組成物の温度の均一性や、各配合成分の均一性が低下する。また、エレメント数が前記上限値を超えるとエレメントの表面積が増え、劣化した樹脂がエレメント表面に付着することでフィルムの品質低下につながる。これらの観点から、前記エレメント数は、好ましくは6以上であり、より好ましくは8以上であり、更に好ましくは11以上であり、そして、好ましくは28以下であり、より好ましくは25以下であり、更に好ましくは20以下である。
エレメントの配置は、管内に四角形状の板を右方向に180゜ねじり曲げて構成した右エレメントと、管内に四角形状の板を左方向に180゜ねじり曲げて構成した左エレメントとを交互に配置することが好ましい。各エレメントの配置を上記のようにすることにより剪断を抑制しつつ効果的に混合できる。
本発明のスタティックミキサーのエレメント1つあたりの長さLeは、実施するスケールにもよるが、(メタ)アクリル系樹脂組成物の滞留による熱劣化を抑制する観点から、好ましくは30mm以上であり、より好ましくは40mm以上であり、そして、好ましくは160mm以下であり、より好ましくは100mm以下である。また、同様の観点から、スタティックミキサーのエレメント1つあたりの径Deは、好ましくは25mm以上であり、より好ましくは30mm以上であり、そして、好ましくは110mm以下であり、より好ましくは80mm以下である。
更に、本発明のスタティックミキサーのエレメント1つあたりの長さLeと径Deとの比Le/Deは、(メタ)アクリル系樹脂組成物の滞留による熱劣化を抑制する観点から、好ましくは1.2以上であり、より好ましくは1.3以上であり、そして、好ましくは1.8以下であり、より好ましくは1.7以下である。
スタティックミキサーは全エレメントを連続して接続する必要はなく、複数の管に分割して接続してもよいが、分割数を多くするとスタティックミキサーによる混合効果が低下するため、少なくとも5つのエレメントは連続して設置することが望ましい。
スタティックミキサーが内部に配置された管を通過する直前の(メタ)アクリル系樹脂組成物の温度(TSB)及び通過直後の(メタ)アクリル系樹脂組成物の温度(TSA)は、使用する(メタ)アクリル系樹脂組成物のガラス転移温度にもよるが、それぞれ好ましくは230℃以上であり、より好ましくは250℃以上であり、そして、好ましくは300℃以下であり、より好ましくは280℃以下である。(メタ)アクリル系樹脂組成物の温度を前記下限値以上にすることにより、(メタ)アクリル系樹脂組成物の粘度が小さくなりスタティックミキサー部での圧力損失を小さくすることができる。一方、(メタ)アクリル系樹脂組成物の温度を前記上限値以下にすることにより、せん断発熱による樹脂の分解を抑制することが可能になる。TSAは(TSB−5)℃以上TSB℃以下であることが好ましく、(TSB−3)℃以上TSB℃以下であることがより好ましく、(TSB−1)℃以上TSB℃以下であることがさらに好ましく、TSAとTSBとが同じであってもよい。
スタティックミキサーは、前記ポリマーフィルターと後記するTダイとの間に配置され、(メタ)アクリル系樹脂組成物の温度分布を均一にする観点から、スタティックミキサーが内部に配置された管の出口からTダイの入口までの距離は、好ましくは2.0m以下であり、より好ましくは1.8m以下であり、更に好ましくは1.5m以下である。なお、スタティックミキサーが内部に配置された管の出口からTダイの入口までの距離は通常0.3m以上である。スタティックミキサーが内部に配置された管の出口からTダイの入口までの距離が前記上限値以下であることにより、スタティックミキサーによって均一化された温度分布を維持したまま製膜することが可能になる。
本発明は、前記スタティックミキサーが内部に配置された管を加温することを特徴とする。これにより、(メタ)アクリル系樹脂組成物の温度分布を均一化でき、均一な膜厚を有するフィルムを製膜しやすくなる。
管を加温する方法は、管がムラなく加温される方法であれば特に制限はないが、管にヒーターを巻き付ける方法、加温機能を有する管を用いる方法等が挙げられ、これらの中でも、(メタ)アクリル系樹脂組成物の温度分布を均一化しやすく、製造装置の構築容易性の観点から、管にヒーターを巻き付ける方法が好ましい。
本発明において用いることができる管としては、例えば、銅製、ステンレス製等であって、内径が好ましくは25〜110mmであり、より好ましくは30〜50mmであるものが挙げられる。なお、管の内径は内部に配置するスタティックミキサーの直径に応じて適宜変更することができる。
管の加温温度は、原料樹脂組成物となる(メタ)アクリル系樹脂組成物のガラス転移温度にもよるが、好ましくは230℃以上であり、より好ましくは250℃以上であり、そして、好ましくは300℃以下であり、より好ましくは280℃以下である。加温温度を前記下限値以上にすることにより、(メタ)アクリル系樹脂組成物の粘度が小さくなり圧力損失を小さくすることができる。一方、加温温度を前記上限値以下にすることにより、樹脂の分解を抑制することが可能になる。
また、前記管の内部の温度(スタティックミキサー部における熱可塑性樹脂組成物の温度)と前記管の加温温度との差は、3℃以下であることが好ましく、2℃以下であることがより好ましく、1℃以下であることがさらに好ましい。
<Tダイ>
本発明においては、マニホールドダイ、フィッシュテールダイ、及びコートハンガーダイ等のTダイを用いることができる。なお、膜厚を安定化させるため、製膜したフィルムの厚みを測定して、リップ開度のボルトを自動で調整する機構を備える自動調整ダイを用いることが好ましい。
本発明において、ダイからの吐出量Qは、ダイサイズにもよるが、好ましくは100〜1,000kg/時間であり、より好ましくは100〜800kg/時間であり、更に好ましくは100〜700kg/時間である。
ダイリップクリアランスLは、膜厚精度を高め、またダイラインの少ないフィルムを得やすくする観点から、好ましくは0.2〜2.0mmであり、より好ましくは0.3〜1.0mmである。
ダイリップ幅Wは、ダイリップクリアランスLと同様の観点から、好ましくは300〜4,000mmであり、より好ましくは1,000〜3,500mmであり、更に好ましくは1,500〜3,200mmである。
本発明において、溶融状態の(メタ)アクリル系樹脂組成物がダイから押出される速度(V)は、好ましくは0.4〜24m/分であり、より好ましくは0.8〜21m/分であり、更に好ましくは1.1〜18m/分である。
なお、Vは以下のとおり定義される。
(m/分)= Q ÷ 60 ÷ D ÷ (L× W)× 1000 式(2)
式(2)中、Q(kg/時間)はダイからの吐出量、Dは樹脂組成物の密度(g/cm)、L(mm)はダイリップクリアランス、W(mm)はダイリップ幅を示す。
また、本発明において前記フィルムの引取り速度(V)は、好ましくは5〜80m/分であり、より好ましくは10〜50m/分であり、更に好ましくは15〜30m/分である。VとVがそれぞれ前記範囲内であることによって、製膜速度を高くした場合であってもより膜厚精度に優れた(メタ)アクリル系樹脂フィルムを得ることが可能となる。
フィルムの引き取り速度(V)は、ダイから吐出された溶融物を最初に引き取る金属ロールの直径及び回転数から算出した速度とすることができる。
本発明においては、均一な膜厚のフィルムを得る観点から、前記Tダイ吐出口から5cm下の位置にて測定した前記(メタ)アクリル系樹脂組成物のメルトカーテンの温度について、前記メルトカーテン中央部の温度(T)に対する、前記メルトカーテンの両端部から100mm中央側の温度のうちTとの差の絶対値が大きい方の温度(T)の比率[〔(T)/(T)〕×100]が95〜105%であることが好ましい。ダイから吐出した直後のフィルムの幅方向の温度が均一であると、均一なフィルムを得やすくなる。この観点から、前記比率は、より好ましくは96%以上であり、そして、好ましくは103%以下であり、より好ましくは101%以下である。
<ロール>
本発明においては、(メタ)アクリル系樹脂フィルムの表面平滑性及び膜厚精度を向上させる観点から、押出された溶融物を、好ましくは金属製の鏡面ロール又は鏡面ベルトを用いて引き取り、挟圧することが好ましい。金属製の鏡面ロールとしては、金属弾性ロールや金属剛体ロール等が挙げられるが、(メタ)アクリル系樹脂フィルムの表面平滑性を向上させる観点から、金属弾性ロールと金属剛体ロールを組み合わせて用いることが好ましい。
鏡面ロール又は鏡面ベルトを用いる場合、その線圧は、(メタ)アクリル系樹脂フィルムの表面平滑性を向上させる観点から、好ましくは5N/mm以上であり、より好ましく10N/mm以上であり、更に好ましくは15N/mm以上である。また、線圧は通常45N/mm以下である。
また、鏡面ロール又は鏡面ベルトを用いる場合、その表面温度は、(メタ)アクリル系樹脂フィルムの表面平滑性、ヘーズ及び外観等を向上させる観点から、好ましくは50〜130℃であり、より好ましくは60〜100℃である。
<(メタ)アクリル系樹脂組成物>
本発明に用いる(メタ)アクリル系樹脂組成物は、270℃、せん断速度61/秒における溶融粘度が200〜2,000Pa・sである。
270℃、せん断速度61/秒における溶融粘度が前記下限値未満である場合、粘度が低すぎることによって製膜性が低下する可能性がある。一方、前記上限値を超えることにより、十分に混合することができず温度分布が均一にならず、結果として膜厚ムラが発生しやすくなる。これらの観点から、270℃、せん断速度61/秒における溶融粘度は、好ましくは300Pa・s以上であり、より好ましくは400Pa・s以上であり、更に好ましくは500Pa・s以上であり、そして、好ましくは1,500Pa・s以下であり、より好ましくは1,300Pa・s以下であり、更に好ましくは1,000Pa・s以下である。
270℃、せん断速度61/秒における溶融粘度は、実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明に用いる(メタ)アクリル系樹脂組成物のガラス転移温度は、好ましくは95℃以上であり、より好ましくは100℃以上であり、更に好ましくは105℃以上である。ガラス転移温度が前記範囲内であることによって(メタ)アクリル系樹脂フィルムの膜厚精度が更に向上する。本発明に用いる(メタ)アクリル系樹脂組成物のガラス転移温度は通常130℃以下である。
(メタ)アクリル系樹脂組成物のガラス転移温度は、JIS K7121:2012に準拠して実施例に記載の方法で測定することができる。
また、ガラス転移温度が複数存在する場合、そのうちの最も高い値を(メタ)アクリル系樹脂組成物のガラス転移温度とする。
〔(メタ)アクリル系樹脂(A)〕
本発明に用いる(メタ)アクリル系樹脂組成物は、少なくとも(メタ)アクリル系樹脂(A)を含む。(メタ)アクリル系樹脂(A)としては特に制限はないが、メチルメタクリレートに由来する構造単位と、必要に応じてアクリル酸エステルに由来する構造単位とを含有することが好ましい。(メタ)アクリル系樹脂(A)に用いることができるアクリル酸エステルとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、s−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、n−へキシルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、ペンタデシルアクリレート、ドデシルアクリレート、シクロへキシルアクリレート、ノルボルネニルアクリレート、イソボニルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、アリルアクリレート、フェニルアクリレート等を挙げることができる。これらのうち、アルキル基の炭素数が1〜6であるアルキルアクリレートが好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂(A)中のメチルメタクリレートに由来する構造単位の量は、(メタ)アクリル系樹脂フィルムの機械強度を向上させる観点から、好ましくは85〜100質量%であり、より好ましくは90〜100質量%であり、更に好ましくは95〜100質量%であり、より更に好ましくは99〜100質量%である。
また、(メタ)アクリル系樹脂(A)中のアクリル酸エステルに由来する構造単位の含有量は、(メタ)アクリル系樹脂フィルムの膜厚精度を向上させる観点から、(メタ)アクリル系樹脂(A)中に、好ましくは0〜15質量%であり、より好ましくは0〜10質量%であり、さらに好ましくは0〜5質量%であり、特に好ましくは0〜1質量%である。
(メタ)アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量は60,000〜150,000であることが好ましい。重量平均分子量が前記下限値以上であると機械物性が高くなり、前記上限値以下であると加工性が向上する。重量平均分子量は、前記観点から、より好ましくは70,000〜120,000であり、更に好ましくは80,000〜100,000である。
(メタ)アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量は実施例に記載の方法で測定することができる。
前記(メタ)アクリル系樹脂(A)の製造方法は特に制限されず、例えば、ラジカル重合法、アニオン重合法等の公知の重合法によって製造することができる。製造条件に特に制限はなく、重合温度、重合時間、連鎖移動剤の種類や量、重合開始剤の種類や量等を適宜調整することにより所望の(メタ)アクリル系樹脂(A)を得ることができる。
本発明に用いる(メタ)アクリル系樹脂組成物中の(メタ)アクリル系樹脂(A)の含有量は、(メタ)アクリル系樹脂フィルムの透明性を向上させる観点から、好ましくは60質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上であり、更に好ましくは75質量%以上である。
〔多層構造を有するアクリル系重合体(B)〕
本発明に用いる(メタ)アクリル系樹脂組成物は、多層構造を有するアクリル系重合体(B)を含有してもよい。
多層構造を有するアクリル系重合体(B)は、多層構造を有するものであれば特に制限はなく、例えば、コアシェル多層構造を有するアクリル系重合体を挙げることができる。また、多層構造を構成する層の数に特に制限はなく、2層でも3層以上でもよい。
これらの中でも、(メタ)アクリル系樹脂フィルムの耐衝撃性を向上させる観点から、コアシェル多層構造を有するアクリル系弾性重合体であることが好ましく、より具体的には、コア(内層)、インナーシェル(中間層)、及びアウターシェル(外層)の3層からなるコアシェル多層構造を有するアクリル系弾性重合体が好ましい。本発明において、3層からなるコアシェル多層構造を有するアクリル系重合体とは、コアとインナーシェル、インナーシェルとアウターシェルが各々異なる重合体で構成されたものを指す。
なお、前記の3層からなるコアシェル多層構造を有するアクリル系重合体は、これを含む(メタ)アクリル系樹脂組成物を混合した場合に、前記アウターシェルの全部又は一部が(メタ)アクリル系樹脂(A)と融着、合一してマトリックスを形成し、該マトリックスがコアとインナーシェルの2層からなるコアシェル粒子を含有するようになる。
以下、コア(内層)、インナーシェル(中間層)、及びアウターシェル(外層)の3層からなるコアシェル多層構造を有するアクリル系重合体について詳細に説明する。なお、コアを構成する重合体を「重合体(a)」、インナーシェルを構成する重合体を「重合体(b)」、及びアウターシェルを構成する重合体を「重合体(c)」として説明する。
(重合体(a):コアを構成する重合体)
重合体(a)は、メチルメタクリレートに由来する構造単位、アルキルアクリレートに由来する構造単位、グラフト化剤に由来する構造単位、及び必要に応じて架橋剤に由来する構造単位を含む重合体であることが好ましい。なお、本発明においてグラフト化剤とは、異なる重合性基を2個以上有する単量体を意味し、架橋剤とは、同種の重合性基を2個以上有する単量体(ただし、前記グラフト化剤を除く)を意味する。
重合体(a)に用いるアルキルアクリレートに特に制限はないが、アルキル基の炭素数が好ましくは1〜8であり、より好ましくは1〜6である。アルキルアクリレート中のアルキル基の炭素数が前記範囲内であることによって、多層構造を有するアクリル系重合体(B)の耐熱分解性が向上すると共に(メタ)アクリル系樹脂フィルムの耐温水白化性や耐沸水白化性が向上する。具体的なアルキルアクリレートとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、s−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−ブチルメチルアクリレート、n−ヘプチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート等が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも前記の観点から、メチルアクリレートが特に好ましい。
重合体(a)は、重合体(a)と重合体(b)とを化学的に結合させることを目的として、また、重合体(a)の架橋構造の形成を補助することを目的として、グラフト化剤に由来する構造単位を含むことが好ましい。
重合体(a)に用いるグラフト化剤としては、例えば、アリルメタクリレート、アリルアクリレート、モノ−又はジ−アリルマレエート、モノ−又はジ−アリルフマレート、クロチルアクリレート、及びクロチルメタクリレート等を挙げることができる。これらのグラフト化剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、重合体(a)と重合体(b)との間の結合能を向上させ、(メタ)アクリル系樹脂フィルムの耐応力白化性及び透明性を向上させる観点から、アリルメタクリレートが好ましい。
重合体(a)は、重合体(a)中で架橋構造を形成することを目的として、また、重合体(a)と重合体(b)との間でグラフト構造を形成することを目的として、架橋剤に由来する構造単位を含んでいてもよい。
重合体(a)に用いる架橋剤としては、例えば、ジアクリル化合物、ジメタクリル化合物、ジアリル化合物、ジビニル化合物、ジエン化合物、トリビニル化合物等が挙げられる。より具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、エチレングリコールジアリルエーテル、プロピレングリコールジアリルエーテル、ブタジエン等を挙げることができる。これらの架橋剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
重合体(a)におけるメチルメタクリレートに由来する構造単位の量は、重合体(a)の全構造単位中に、好ましくは40〜98.99質量%であり、より好ましくは45〜96.9質量%である。メチルメタクリレートに由来する構造単位の量が前記下限値以上であることによって(メタ)アクリル系樹脂フィルムの耐候性が向上し、前記上限値以下であることによって(メタ)アクリル系樹脂フィルムの耐衝撃性が向上する。
重合体(a)におけるアルキルアクリレートに由来する構造単位の量は、重合体(a)の全構造単位中に、好ましくは1〜59質量%であり、より好ましくは3〜55質量%である。アルキルアクリレートに由来する構造単位の量が前記下限値以上であることによって多層構造を有するアクリル系重合体(B)の耐熱分解性が向上し、前記上限値以下であることによって(メタ)アクリル系樹脂フィルムの耐温水白化性や耐沸水白化性が向上する。
重合体(a)におけるグラフト化剤に由来する構造単位の量は、重合体(a)の全構造単位中に、好ましくは0.01〜1質量%であり、より好ましくは0.1〜0.5質量%である。グラフト化剤に由来する構造単位の量が前記下限値以上であることによって、重合体(a)と重合体(b)との結合力が向上し、また前記上限値以下であることによって(メタ)アクリル系樹脂フィルムの耐衝撃性が向上する。
重合体(a)における架橋剤に由来する構造単位の量は、重合体(a)の全構造単位中に、好ましくは0〜0.5質量%であり、より好ましくは0〜0.2質量%である。架橋剤に由来する構造単位の量が前記範囲内であることによって(メタ)アクリル系樹脂フィルムの耐衝撃性が向上する。
重合体(a)及び後述する重合体(b)は、アセトン等の溶媒に不溶なもの、すなわち、グラフト化されたものであることが好ましい。重合体(a)及び重合体(b)がグラフト化されたものであると、後述する重合体(c)のマトリックス中に重合体(a)及び重合体(b)が2層構造の粒子として存在するようになり、(メタ)アクリル系樹脂フィルムの耐衝撃性を向上させるため好ましい。
(重合体(b):インナーシェルを構成する重合体)
重合体(b)は、アルキルアクリレートに由来する構造単位、グラフト化剤に由来する構造単位、及び必要に応じて芳香族ビニル化合物に由来する構造単位、架橋剤に由来する構造単位を含む重合体であることが好ましい。
重合体(b)に用いるアルキルアクリレートとしては、前記重合体(a)で例示したアルキルアクリレートを挙げることができ、多層構造を有するアクリル系重合体(B)の耐熱分解性が向上すると共に(メタ)アクリル系樹脂フィルムの耐温水白化性や耐沸水白化性を向上させる観点から、n−ブチルアクリレートが特に好ましい。
重合体(b)に用いる芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物を挙げることができ、多層構造を有するアクリル系重合体(B)の耐熱分解性を向上させる観点から、スチレンが好ましい。
また、重合体(b)に用いるグラフト化剤としては、前記重合体(a)で例示したグラフト化剤を挙げることができ、重合体(a)と重合体(b)との間の結合能を向上させ、(メタ)アクリル系樹脂フィルムの耐応力白化性及び透明性を向上させる観点から、アリルメタクリレートが好ましい。
重合体(b)に用いる架橋剤としては、前記重合体(a)で例示した架橋剤を挙げることができ、重合体(b)中で架橋構造を形成する観点、及び重合体(a)と重合体(b)との間で架橋構造を形成する観点から、ジアクリル化合物、ジメタクリル化合物、ジアリル化合物、ジビニル化合物等が好ましい。
重合体(b)におけるアルキルアクリレートに由来する構造単位の量は、重合体(b)の全構造単位中に、好ましくは70〜99.5質量%であり、より好ましくは80〜99質量%である。アルキルアクリレートに由来する構造単位が前記下限値以上であることによって(メタ)アクリル系樹脂フィルムの耐衝撃性が向上し、前記上限値以下であることによって(メタ)アクリル系樹脂フィルムの耐応力白化性及び透明性が向上する。
重合体(b)における芳香族ビニル化合物に由来する構造単位の量は、重合体(b)の全構造単位中に、好ましくは0〜29質量%であり、より好ましくは0〜20質量%である。メチルメタクリレートに由来する構造単位の量が前記範囲内であることによって(メタ)アクリル系樹脂フィルムの透明性が向上する。
重合体(b)におけるグラフト化剤に由来する構造単位の量は、重合体(b)の全構造単位中に、好ましくは0.5〜5質量%であり、より好ましくは1〜4質量%である。グラフト化剤に由来する構造単位の量が前記下限値以上であることによって(メタ)アクリル系樹脂フィルムの耐応力白化性が向上する。一方、前記上限値以下であることによって(メタ)アクリル系樹脂フィルムの耐衝撃性が向上する。
重合体(b)における架橋剤に由来する構造単位の量は、重合体(b)の全構造単位中に、好ましくは0〜5質量%であり、より好ましくは0〜2質量%である。架橋剤に由来する構造単位の量が前記範囲内であることによって(メタ)アクリル系樹脂フィルムの耐衝撃性が向上する。
本発明において、重合体(b)は、重合体(a)及び重合体(c)よりも軟らかいことが好ましい。重合体(b)が、重合体(a)及び重合体(c)よりも軟らかいことによって耐衝撃性が向上する。
(重合体(c):アウターシェルを構成する重合体)
重合体(c)は、メチルメタクリレートに由来する構造単位、及びアルキルアクリレートに由来する構造単位を含む重合体であることが好ましい。
重合体(c)に用いるアルキルアクリレートとしては、前記重合体(a)で例示したアルキルアクリレートを挙げることができ、多層構造を有するアクリル系重合体(B)の耐熱分解性が向上すると共に(メタ)アクリル系樹脂フィルムの耐温水白化性や耐沸水白化性を向上させる観点から、メチルアクリレートが特に好ましい。
重合体(c)におけるメチルメタクリレートに由来する構造単位の量は、重合体(c)の全構造単位中に、好ましくは80〜99質量%であり、より好ましくは85〜98質量%である。メチルメタクリレートに由来する構造単位の量が前記下限値以上であることによって(メタ)アクリル系樹脂フィルムの耐応力白化性が向上する。一方、前記上限値以下であることによって(メタ)アクリル系樹脂フィルムの耐熱分解性が向上する。
重合体(c)におけるアルキルアクリレートに由来する構造単位の量は、重合体(c)の全構造単位中に、好ましくは1〜19質量%であり、より好ましくは2〜15質量%である。アルキルアクリレートに由来する構造単位の量が前記下限値以上であることによって多層構造を有するアクリル系重合体(B)の耐熱分解性が向上し、前記下限値以上であることによって(メタ)アクリル系樹脂フィルムの耐応力白化性が向上する。
重合体(c)はアセトン等の溶剤に可溶なものであること、すなわち、架橋されていないことが好ましい。重合体(c)が架橋されていない場合、重合体(a)、重合体(b)及び重合体(c)からなる多層構造を有するアクリル系重合体(B)を用いた際に、重合体(c)がマトリックスを形成し、その中に重合体(a)及び重合体(b)からなる粒子が存在するようになり、(メタ)アクリル系樹脂フィルムの製造容易性が向上する。
(重合体(a)、重合体(b)及び重合体(c)の質量比)
多層構造を有するアクリル系重合体(B)中の重合体(a)の量は、好ましくは1〜50質量%であり、より好ましくは5〜45質量%であり、更に好ましくは10〜40質量%である。重合体(a)の量が前記下限値以上であることによって(メタ)アクリル系樹脂フィルムの熱安定性及び生産性が向上する。一方、重合体(a)の量が前記上限値以下であることによって(メタ)アクリル系樹脂フィルムの耐衝撃性及び柔軟性が向上する。
多層構造を有するアクリル系重合体(B)中の重合体(b)の量は、好ましくは20〜60質量%であり、より好ましくは25〜55質量%であり、更に好ましくは30〜50質量%である。重合体(b)の量が前記下限値以上であることによって(メタ)アクリル系樹脂フィルムの熱安定性及び生産性が向上する。一方、重合体(b)の量が前記上限値以下であることによって(メタ)アクリル系樹脂フィルムの耐衝撃性及び柔軟性が向上する。
多層構造を有するアクリル系重合体(B)中の重合体(c)の量は、好ましくは5〜40質量%であり、より好ましくは10〜35質量%であり、更に好ましくは15〜30質量%である。重合体(c)の量が前記下限値以上であることによって多層構造を有するアクリル系重合体(B)の流動性及び(メタ)アクリル系樹脂フィルムの成形性が向上する。重合体(c)の量が前記上限値以下であることによって(メタ)アクリル系樹脂フィルムの耐衝撃性及び耐応力白化性が向上する。
(多層構造を有するアクリル系重合体(B)の製造方法)
本発明に用いられる多層構造を有するアクリル系重合体(B)の製造方法に特に制限はないが、例えば国際公開第2014/167868号、国際公開第2017/204243号に記載の方法で製造することができる。
多層構造を有するアクリル系重合体(B)の平均粒子径は、好ましくは0.01μm以上であり、より好ましくは0.04μm以上であり、更に好ましくは0.05μm以上であり、特に好ましくは0.07μm以上であり、好ましくは0.35μm以下であり、より好ましくは0.30μm以下である。平均粒子径が大きすぎると(メタ)アクリル系樹脂フィルムの耐応力白化性は低下する傾向がある。平均粒子径は、光散乱法に基づいて実施例に記載の方法により求められる。
多層構造を有するアクリル系重合体(B)の含有量は、(メタ)アクリル系樹脂フィルムの機械強度と加工性とを向上させる観点から、(メタ)アクリル系樹脂100質量部に対して好ましくは5〜50質量部であり、より好ましくは10〜40質量部であり、更に好ましくは15〜30質量部である。
<任意成分>
本発明に用いる(メタ)アクリル系樹脂組成物は、必要に応じて紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、可塑剤、高分子加工助剤、滑剤、染料、顔料等の公知の添加剤を含んでいてもよい。
(メタ)アクリル系樹脂組成物が添加剤を含有する場合、その含有量は(メタ)アクリル系樹脂組成物中に20質量%以下であることが好ましい。
添加剤は、例えば、フィルム成形機内で溶融している(メタ)アクリル系樹脂組成物に添加してもよいし、ペレット化された(メタ)アクリル系樹脂組成物にドライブレンドしてもよいし、多層構造を有するアクリル系重合体(B)及び/又は(メタ)アクリル系樹脂をペレット化する際に添加してもよい(マスターバッチ法)。
本発明に用いる(メタ)アクリル系樹脂組成物は、紫外線吸収剤を含むことが好ましい。紫外線吸収剤としては、例えば2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]を挙げることができる。紫外線吸収剤の含有量は、樹脂組成物の合計量100質量部に対して、好ましくは0.05〜5質量部である。
本発明に用いる(メタ)アクリル系樹脂組成物の製造方法に特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリル系樹脂(A)、多層構造を有するアクリル系重合体(B)、及び任意成分を公知の混合方法によって混合することにより製造することができる。
本発明によれば、例えば、膜厚20〜200μmの(メタ)アクリル系樹脂フィルムを高い膜厚精度で得ることができる。(メタ)アクリル系樹脂フィルムのハンドリング性の向上やコストを低く抑える観点から、膜厚は、好ましくは25〜180μmであり、より好ましくは30〜150μmであり、さらに好ましくは40〜80μmである。膜厚が前記下限値以上であることによって剛性が高くなり、(メタ)アクリル系樹脂フィルムのハンドリング性が向上する。また、膜厚が前記上限値以下であることによって、(メタ)アクリル系樹脂フィルムの強度と製造コストとのバランスが向上する。
本発明によって得られる(メタ)アクリル系樹脂フィルムの膜厚の変動係数は、好ましくは10%以下であり、より好ましくは5%以下であり、更に好ましくは3%以下であり、特に好ましくは1%以下である。膜厚の変動係数が前記上限値以下であることにより、膜厚ムラがない均一なフィルムとなる。
なお、本明細書において、(メタ)アクリル系樹脂フィルムの膜厚の変動係数とは、製造したフィルムについて、幅方向に等間隔で200点測定を行いながら、ロール全幅、全長にわたって合計10000点の膜厚を測定し、その測定値から算出した値であり、具体的には実施例に記載の方法にしたがって測定した値である。
本発明によって得られる(メタ)アクリル系樹脂フィルムの膜厚の最大値と最小値との差は、平均膜厚に対して、10%以下であることが好ましく、8%以下であることがより好ましく、7%以下であることがさらに好ましい。この値が10%以下であると力学物性や光学物性のムラが小さくなる。
本発明により得られる(メタ)アクリル系樹脂フィルムは、以下の各種用途に使用することができる。例えば、自動車内外装、パソコン内外装、携帯電話内外装、太陽電池内外装、太陽電池バックシート、道路標識、浴室設備、床材、道路透光板、ペアガラス用レンズ、採光窓、カーポート、照明カバー、建材用サイジング等の建築・建材分野、電子レンジ調理容器(食器)、家電製品のハウジング、玩具、サングラス、文房具等に使用することができる。また、転写箔シートを使用した成形品の代替用途としても使用できる。
また、光学用フィルムに好適であり、液晶用導光板、拡散板、バックシート、反射シート、偏光フィルム透明樹脂シート、位相差フィルム、光拡散フィルム、プリズムシート、光学的等方フィルム、偏光子保護フィルム、透明導電フィルム等の液晶ディスプレイ用フィルム等として液晶表示装置周辺;表面保護フィルム等の情報機器分野;有機EL用フィルムとして有機EL装置周辺等の公知の光学的用途に適用できる。
以下、実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、本実施例における測定方法等は以下のとおりである。
<Tダイ吐出口から5cm下のメルトカーテンの温度>
Tダイより吐出した樹脂組成物のロールによる狭圧開始前の垂れ流しの状態で、メルトカーテンより1m離れた位置から赤外線サーモグラフィ(R300SR、日本アビオニクス、放射率設置1.0)にて温度測定を実施した。赤外線サーモグラフィの視野角の都合により垂れ流している樹脂の全幅を5回に分けて撮影した。解析ソフト(InfReC Analyzer、日本アビオニクス)により、撮影箇所の温度分布を解析した。Tダイの樹脂吐出口より5cm下の位置におけるメルトカーテンの温度について線状解析を実施し、メルトカーテン中央部の温度(T)、メルトカーテンの両端部より100mm中央側の温度のうちTとの差の絶対値が大きい方の温度(T)を測定し、TとTの比率[〔(T)/(T)〕×100]を求めた。
<フィルムの膜厚測定>
製膜し、搬送しているフィルムに対しβ線式膜厚計(サーモフィッシャー社製)にてβ線部をトラバースしながら測定した。幅方向に等間隔で200点測定を行いながら、ロール全幅、全長にわたって合計10,000点の膜厚を測定した。10,000点の膜厚から、平均膜厚、標準偏差を下記の計算式より算出した。
平均膜厚:μ=(Z1+Z2+…Zn)/n
標準偏差:σ=(1/nΣ(Zn−μ))0.5
変動係数(%):CV=σ/μ×100
Z1〜Zn:各膜厚データ、n:データ数
<重量平均分子量(Mw)>
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により標準ポリスチレン換算分子量で求めた。測定装置及び条件は、以下のとおりである。
・装置 :東ソー株式会社製GPC装置「HLC−8320」
・分離カラム :東ソー株式会社製「TSKgel SuperMultipore HZM−M」と「SuperHZ4000」を直結
・検出器 :東ソー株式会社製「RI−8020」
・溶離液 :テトラヒドロフラン
・溶離液流量 :0.35ml/分
・サンプル濃度:8mg/10ml
・カラム温度 :40℃
<ガラス転移温度(Tg)>
ガラス転移温度は、JIS K7121:2012に準拠して測定した。すなわち、試料を200℃まで一度昇温し、次いで室温まで冷却し、その後室温から200℃までを10℃/分で昇温させる条件にて、示差走査熱量測定法にてDSC曲線を測定し、2回目の昇温時に測定されるDSC曲線から求められる中間点ガラス転移温度を本発明におけるガラス転移温度とした。
<多層構造を有するアクリル系重合体(B)の平均粒子径>
多層構造を有するアクリル系重合体(B)の平均粒子径は、試料粒子を含むラテックスを水で200倍に希釈し、レーザー回折散乱式粒子径分布測定装置(株式会社堀場製作所製、装置名「LA−950V2」)を用いて25℃で係る希釈液を分析し、粒子径を測定した。この際、多層構造を有するアクリル系重合体(B)及び水の絶対屈折率をそれぞれ、1.4900、1.3333とした。
<溶融粘度>
溶融粘度は、キャピログラフ(東洋精機製作所社製 型式1D、キャピラリー 直径1mm、長さ40mm)を用いて、270℃、せん断速度61/秒の条件で測定した。
<製造例1:(メタ)アクリル系樹脂(A)の製造>
メチルメタクリレート99.3質量部及びメチルアクリレート0.7質量部に重合開始剤〔2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、水素引抜能:1%、1時間半減期温度:83℃〕0.008質量部、及び連鎖移動剤(n−オクチルメルカプタン)0.26質量部を加え、溶解させて3000kgの原料液を得た。
イオン交換水100質量部、硫酸ナトリウム0.03質量部、及びポリメタクリル酸カリウム0.45質量部を混ぜ合わせて6000kgの混合液を得た。耐圧重合槽に、当該混合液と前記原料液(合計9000kg)を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら、温度を70℃にして重合反応を開始させた。重合反応開始後、3時間経過時に、温度を90℃に上げ、撹拌を引き続き1時間行うことによりビーズ状共重合体が分散した液を得た。なお、重合槽壁面あるいは撹拌翼にポリマーが若干付着したが、泡立ちもなく、円滑に重合反応が進んだ。
得られた共重合体分散液を適量のイオン交換水で洗浄し、バケット式遠心分離機により、ビーズ状共重合体を取り出し、80℃の熱風乾燥機で12時間乾燥し、ビーズ状の(メタ)アクリル系樹脂(A)を得た。
得られた(メタ)アクリル系樹脂(A)は、メタクリル酸メチル単位の含有量が99.3質量%、アクリル酸メチル単位の含有量が0.7質量%であり、重量平均分子量(Mw)が92,000、ガラス転移温度は120℃であった。
<製造例2:多層構造を有するアクリル系重合体(B)の製造>
以下の手順にしたがって、コア(内層)、インナーシェル(中間層)、及びアウターシェル(外層)の3層からなるコアシェル多層構造を有するアクリル系重合体(B)を製造した。
(1)内層の合成
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、単量体導入管及び還流冷却器を備えた反応器内に、イオン交換水1050質量部、ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム0.3質量部及び炭酸ナトリウム0.7質量部(合計2100kg)を仕込み、反応器内を窒素ガスで十分に置換した。次いで内温を80℃にし、過硫酸カリウム0.25質量部を投入し、5分間撹拌した。これに、メチルメタクリレート95.4質量%、メチルアクリレート4.4質量%及びアリルメタクリレート0.2質量%からなる単量体混合物245質量部を60分間かけて連続的に滴下した。滴下終了後、重合転化率が98%以上になるように更に30分間重合反応を行った。
(2)中間層の合成
次いで、同反応器内に、過硫酸カリウム0.32質量部を投入して5分間撹拌した。その後、n−ブチルアクリレート80.5質量%、スチレン17.5質量%及びアリルメタクリレート2質量%からなる単量体混合物315質量部を60分間かけて連続的に滴下した。滴下終了後、重合転化率が98%以上になるように更に30分間重合反応を行った。
(3)外層の合成
次に、同反応器内に、過硫酸カリウム0.14質量部を投入して5分間撹拌した。その後、メチルメタクリレート95.2質量%、メチルアクリレート4.4質量%及びn−オクチルメルカプタン0.4質量%からなる単量体混合物140質量部を30分間かけて連続的に滴下した。滴下終了後、重合転化率が98%以上になるように更に60分間重合反応を行った。
以上の操作によって、多層構造を有するアクリル系重合体(B)を含むラテックスを得た後、多層構造を有するアクリル系重合体(B)を含むラテックスを凍結して凝固させた。次いで水洗、及び乾燥して多層構造を有するアクリル系重合体(B)を得た。当該粒子の平均粒子径は0.23μmであった。
<実施例1>
図1の装置を用いて(メタ)アクリル系樹脂フィルムを作成した。具体的には、(メタ)アクリル系樹脂(A)80質量部と多層構造を有するアクリル系重合体(B)20質量部および紫外線吸収剤としてアデカスタブLA−31(株式会社アデカ製)2質量部とをヘンシェルミキサーで混合し、260℃に設定されたスクリュー径58mm、ベント付きの二軸押出機を用いて混合を行って(メタ)アクリル系樹脂組成物を得た。
この(メタ)アクリル系樹脂組成物を265℃に設定されたスクリュー径75mm(L/D=34)、ベント付きの単軸押出機を用いて溶融状態とし、スタティックミキサー部(スタティックミキサーが内部に配置された管)の出口からTダイの入口までの距離1mを経由した後、170kg/時間の吐出速度でリップ幅1850mm、リップクリアランス0.8mmのTダイよりフィルム状にして押出し、90℃に設定した金属弾性ロールと90℃に設定した金属剛体ロールにより、30N/mmの線圧で挟圧して、フィルムの引取り速度(ライン速度)20m/分で膜厚75μm、全長2200mの(メタ)アクリル系樹脂フィルムを得た。
ギアポンプは、平歯の外接ギアポンプ(株式会社東芝機械製)を使用し、入口圧力5MPaで送り出した。
ポリマーフィルターはろ過精度10μmのキャンドルフィルターを4本並列に設置したものを用いた。
スタティックミキサーは、Le/De=1.5(Le=57mm、De=38mm)の捻り羽根型エレメントを7個設置した。
また、スタティックミキサーを内部に配置した管(ステンレス製、内径38mm)にヒーターを取り付け、スタティックミキサー設置部前後の設定温度が265℃、その後のダイまでの温度も265℃に設定して(メタ)アクリル系樹脂フィルムを製造した。製造したフィルムについて前記方法により、膜厚測定を行った。
[実施例2〜3、比較例1〜3]
実施例1において、スタティックミキサーのエレメント数、スタティックミキサーが内部に配置された管の加温の有無を表1に示す通りに変更したこと以外は実施例1と同様に(メタ)アクリル系樹脂フィルムを製膜した。評価結果を表1に示す。
本発明の(メタ)アクリル系樹脂フィルムの製造方法によれば、均一な膜厚を有する(メタ)アクリル系樹脂フィルムを製造することができる。
1 押出機
2 ギアポンプ
3 ポリマーフィルター
4 スタティックミキサー部
5 Tダイ
6、7 ロール

Claims (4)

  1. 270℃、せん断速度61/秒における溶融粘度が200〜2,000Pa・sである(メタ)アクリル系樹脂組成物をスタティックミキサーにより混合してTダイから押出す工程を含む(メタ)アクリル系樹脂フィルムの製造方法であって、
    前記スタティックミキサーは、管の内部に配置され、エレメント数が5〜30であり、且つ前記管を加温することを特徴とする(メタ)アクリル系樹脂フィルムの製造方法。
  2. 前記Tダイ吐出口から5cm下の位置にて測定した前記(メタ)アクリル系樹脂組成物のメルトカーテンの温度について、前記メルトカーテン中央部の温度(T)に対する、前記メルトカーテンの両端部から100mm中央側の温度のうちTとの差の絶対値が大きい方の温度(T)の比率[〔(T)/(T)〕×100]が95〜105%である、請求項1に記載の(メタ)アクリル系樹脂フィルムの製造方法。
  3. 前記スタティックミキサーが内部に配置された管の出口から前記Tダイの入口までの距離が2.0m以下である、請求項1又は2に記載の(メタ)アクリル系樹脂フィルムの製造方法。
  4. 前記(メタ)アクリル系樹脂組成物が多層構造を有するアクリル系重合体(B)を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の(メタ)アクリル系樹脂フィルムの製造方法。
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