JP2017213815A - フィルムの製造方法および積層体の製造方法 - Google Patents

フィルムの製造方法および積層体の製造方法 Download PDF

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和尊 辻
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孝男 干場
就明 藤井
Shiyuumei Fujii
就明 藤井
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正明 萩原
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Abstract

【課題】応力の残留が少なく、印刷加工性および外観に優れる熱可塑性樹脂フィルム並びにそれからなる積層体の製造方法を提供すること。【解決手段】課題を解決する本発明は、アクリル系熱可塑性樹脂を加熱溶融させた後にTダイより吐出し、第一のゴムロールと第二のゴムロールとで挟み込んで加圧する工程を含むフィルムの製造方法であり、特に前記アクリル系熱可塑性樹脂が、a)内層の少なくとも1層に、架橋弾性重合体層を有し、最外層に、メタクリル酸アルキルエステル単量体単位から主としてなる熱可塑性重合体層を有するアクリル系多層重合体粒子(A)100質量部に対しb)メタクリル酸メチル単位80質量%以上およびこれと共重合可能なビニル系単量体単位20質量%以下からなり、極限粘度が0.3〜1.0dl/gであるアクリル系熱可塑性重合体(B)1〜600質量部を配合してなるアクリル系熱可塑性樹脂であるフィルムの製造方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、基材の表面加飾に有用であり、良好な外観と印刷性を有する熱可塑性樹脂よりなるフィルムおよび積層体の製造方法に関する。
アクリル樹脂は透明性に優れており、美しい外観と耐候性を有する上に、成形が容易であることから、電器部品、車両部品、光学用部品、装飾品、看板などの用途に幅広く用いられている。その中でも近年は特に、コストの低減を意識したフィルムやシートなどの薄物成形品への展開が積極的に図られている。良好なフィルムには、第1に全面に亘って残留応力が少ないこと、第2に厚みむらやダイラインがなく、厚みも所望の厚みに等しくなること、第3にフィルム傷、異物の混入、しわ等が無いこと、といった特長が求められる。
アクリル樹脂をフィルム化するにあたり問題となるのは、樹脂の靭性が不足しているために巻き取ることが困難なことである。そこで樹脂の機械的特性、特に靭性を改善する方法としては、エマルジョン重合により合成されたゴム層とメタクリル系樹脂層とからなるコア−シェル型粒子を、ポリメタクリル酸メチルを主体とする熱可塑性重合体(メタクリル系樹脂)にブレンドする方法や、メタクリル酸メチルにガラス転移温度を低下させる他のモノマーを共重合する方法、メタクリル系樹脂に他のポリマーをブレンドする方法などが一般的に知られている。
上記のいずれかの方法で靭性が改善されたアクリル樹脂をフィルム化する方法の一つとしては、該樹脂をガラス転移温度より高温にして溶融状態にし、押出機を用いてダイから膜状に押出し、冷却ロールにて冷却して得る方法が挙げられる(特許文献1〜3)
しかしこの方法は、急冷されることにより発生した収縮応力によるひずみが除去しきれず、残留応力となってしてしまう。これを避けるためには、温度及びロールの回転速度とバンク量のコントロールに精密な制御を必要とするが、残留応力を低減することは難しい。更に、ダイからのネックインによる製膜両端の残留応力が特に大きく、大巾なトリミングを必要とする。
この溶融押出法の欠点を改善するために、押出機のダイから吐出した溶融樹脂を一対のロールによって挟圧する方法が提案されている(特許文献4参照)。しかしながら、この方法ではダイライン、ギヤマーク、厚みむらを解決したフィルムを提供することは困難である。また、一対のロールの挟圧ではロールのクラウン間の間隙制御しかなく、加工速度が速くなると運転条件が制約されて、上記各種のむらの解消には不十分である。
挟圧の方法を金属と金属間から金属とゴム物質との挟圧により、安定して薄肉シートを得る技術が開示されている(特許文献5参照)。しかし、そのような方法を用いても、フィルムの残留応力は充分に解消されてはいなかった。
特開平4−118213号公報 特開平4−166319号公報 特開平4−275129号公報 特開昭62−48523号公報 特開平8−132515号公報
本発明の目的は、応力の残留が少なく、印刷加工性および外観に優れる熱可塑性樹脂フィルム並びにそれからなる積層体の製造方法を提供することである。
上記の目的を達成すべく本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、アクリル系多層構造重合体を製膜する際に、第一のゴムロールと第二のゴムロールで挟み込むことにより優れた諸特性を有するアクリル系フィルムおよびそれを有する積層体が製造できる方法を見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下のことに関する。なお、本発明においてアクリル系熱可塑性樹脂とは、アクリル系重合体およびアクリル系重合体を含む組成物を総称する用語である。
(1)アクリル系熱可塑性樹脂を加熱溶融させた後にTダイより吐出し、第一のゴムロールと第二のゴムロールとで挟み込んで加圧する工程を含むフィルムの製造方法である。
(2)アクリル系熱可塑性樹脂が、
a)内層の少なくとも1層に、炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/または共役ジエン系単量体単位から主としてなる架橋弾性重合体層を有し、最外層に、炭素数1〜8のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単量体単位から主としてなる熱可塑性重合体層を有するアクリル系多層重合体粒子(A)100質量部に対し
b)メタクリル酸メチル単位80質量%以上およびこれと共重合可能なビニル系単量体単位20質量%以下からなり、極限粘度が0.3〜1.0dl/gであるアクリル系熱可塑性重合体(B)1〜100質量部;
を配合してなる、(1)に記載のフィルムの製造方法。
(3)アクリル系多層構造重合体粒子(A)が、3層構造重合体であって、第1層がメタクリル酸メチル単位30〜98.99質量%、炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単位1〜70質量%、および多官能性単量体単位0.01〜2質量%からなる架橋重合体層であり、第2層が炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単位70〜99.9質量%、メタクリル酸メチル単位0〜30質量%、および多官能性単量体単位0.1〜5質量%からなる架橋弾性重合体層であり、第3層がメタクリル酸メチル単位80〜99質量%、および炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単位1〜20質量%からなる硬質熱可塑性重合体層から構成され、かつ粒子径が0.05〜0.25μmであることを特徴とする、(2)に記載のアクリル系フィルムの製造方法。
(4)前記アクリル系熱可塑性樹脂が、
c)メタクリル酸メチル単位60質量%以上およびこれと共重合可能なビニル系単量体単位40質量%以下からなり、極限粘度が3〜6dl/gであるアクリル系重合体(C)を、前記アクリル系多層重合体粒子(A)と前記アクリル系熱可塑性重合体(B)との合計量100質量部に対して0.05〜10質量部含む、(2)または(3)に記載のフィルムの製造方法。
(5)前記第一および第二のゴムロールの少なくとも一方において、その両端部の外周面は、外径がロール中央部の外径よりも小さくなるように、0.5〜1.0mmの段差がそれぞれ形成されている、(1)〜(4)のいずれか1項に記載のフィルムの製造方法。
(6)前記第一のゴムロールと第二のゴムロールにおいて、いずれのゴム層の厚みも5〜10mmである、(1)〜(5)のいずれか1項に記載のフィルムの製造方法。
(7)前記フィルムが加飾用フィルムまたは建材用フィルムである(1)〜(6)のいずれか1項に記載のフィルムの製造方法。
(8)前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の製造方法により得られるフィルムを他の熱可塑性重合体を含む被着体と接合することを特徴とする積層体の製造方法。
(9)前記他の熱可塑性重合体を含む被着体が、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル系樹脂、フッ化ビニリデン系樹脂、メタクリル樹脂、ABS樹脂、AES樹脂およびAS樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む被着体である(8)に記載の積層体の製造方法。
本発明のフィルムの製造方法は、厚みのムラがなくフィルムを製造できる製膜性に優れており、フィルムの薄膜化にも適している。
以下に本発明を更に詳細に説明する。
本発明の熱可塑性樹脂は高透明性、高弾性率、高耐光性などの理由から、ポリメタクリル酸メチル系などのアクリル系樹脂である。
本発明のアクリル系樹脂組成物は、アクリル系多層重合体粒子(A)100質量部に対し、アクリル系熱可塑性樹脂(B)を1〜600質量部配合してなるのが好ましい。
本発明で使用するアクリル系多層構造重合体粒子(A)は、内層の少なくとも1層に、炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/または共役ジエン系単量体単位から主としてなる架橋弾性重合体層を有し、最外層に、炭素数1〜8のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単量体単位から主としてなる熱可塑性重合体層を有しているものであれば、特に制限無く使用できる。ここで、「主としてなる」とは、「主としてなる」単量体の含有量が重合体を構成する全単量体中最大であることであって、通常重合体を構成する全単量体の51モル%以上であり、70モル%以上であるのが好ましく、90モル%以上であるのがより好ましい。
本発明においてアクリル系多層構造重合体粒子(A)における最外層を除く内層の少なくとも1層を構成する架橋弾性体層は、この層の分子鎖と隣接する層中の分子鎖同士がグラフト結合により結合されていることが好ましい。この内層の架橋弾性体層を形成させるために使用される炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸プロピル等が挙げられる。また、ジエン系単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。これらの炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルまたはジエン系単量体は、これらと共重合可能なビニル系単量体と共重合させて用いてもよく、その共重合可能なビニル系単量体の例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル等のメタクリル酸エステル; スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;N−プロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−o−クロロフェニルマレイミド等のマレイミド系化合物;エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、アリルメタクリレート、トリアリルイソシアヌレート等の多官能性単量体などが挙げられる。炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単位および/または共役ジエン系単量体単位は、得られるアクリル系フィルムの耐衝撃性の点から架橋弾性体層の60質量%以上であるのが好ましく、70質量%以上であるのがより好ましい。
本発明においてアクリル系多層構造重合体粒子(A)における最外層の熱可塑性重合体層を形成させるために使用される炭素数1〜8のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。該メタクリル酸アルキルエステル単量体単位は、多層構造重合体粒子(A)の分散性の点から、最外層の熱可塑性重合体層の重量に対し70質量%以上であるのが好ましく、80質量%以上であるのがより好ましい。
本発明においてアクリル系多層構造重合体粒子(A)における最外層の熱可塑性重合体層を形成させるために使用される共役ジエンとしては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、クロロプレン、などが挙げられる。
本発明で使用するアクリル系多層構造重合体粒子(A)は、コア/シェルと称されている層構造、すなわち、最外層の熱可塑性重合体層により内層の架橋弾性体層が覆われている構造を有しており、2層または3層で構成されていても4層以上で構成されていてもよい。中でも、アクリル系多層構造重合体粒子(A)は、熱安定性および生産性の点で3層構造であるのが好ましい。たとえば、第1層がメタクリル酸メチル30〜98.99質量%、炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル1〜70質量%、および多官能性単量体0.01〜2質量%からなる架橋重合体層であり、第2層が炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル70〜99.9質量%、メタクリル酸メチル0〜30質量%、および多官能性単量体0.1〜5質量%からなる架橋弾性重合体層であり、第3層(最外層)がメタクリル酸メチル80質量%〜99質量%、および炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル1〜20質量%からなる硬質熱可塑性重合体層から構成されている3層構造のアクリル系多層構造重合体が好適に用いられる。
また、アクリル系多層構造重合体粒子(A)が3層構造である場合、各層の比率は、第1層が5〜40質量%、第2層が20〜55質量%、第3層(最外層)が40〜75質量%であるのが好ましい。
本発明において、アクリル系多層構造重合体粒子(A)の粒子径は0.05〜 0.25μmの範囲内であることが好ましい。粒子径が0.05μm未満であるとアクリル系多層構造重合体の取扱い性が低下し、一方、0.25μmを超えると得られるアクリル系フィルムの耐応力白化性が低下する。粒子径は耐応力白化性の観点から0.2μm以下であることがより好ましい。
アクリル系多層構造重合体粒子(A)を製造するための重合法については、特に制限がないが、乳化重合法によるのが好適である。乳化重合に用いることのできる乳化剤としては、例えば、アニオン系乳化剤であるジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジラウリルスルホコハク酸ナトリウム等のジアルキルスルホコハク酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ドデシル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩; ノニオン系乳化剤であるポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等; ノニオン・アニオン系乳化剤であるポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウムなどのアルキルエーテルカルボン酸塩等が挙げられる。ノニオン系乳化剤およびノニオン・アニオン系乳化剤の例示化合物におけるオキシエチレン単位の付加モル数は、乳化剤の発泡性が極端に大きくならないようにするために、一般に30モル以下、好ましくは2 0 モル以下、とくに好ましくは10モル以下であるのがよい。これらの乳化剤は2種以上を併用してもよい。
乳化重合に際しては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩系開始剤、パースルホキシレート/有機過酸化物、過硫酸塩/亜硫酸塩等のレドックス系開始剤のいずれの重合開始剤を用いてもよい。
乳化重合後のポリマーラテックスからのアクリル系多層構造重合体粒子(A)の分離取得は、塩析凝固法、凍結凝固法、噴霧乾燥法等の公知の方法により行うことができる。この中でも、アクリル系多層構造重合体粒子(A)に含まれる不純物を水洗により容易に除去できる点から、塩析凝固法および凍結凝固法が好ましい。その際、凝固工程の前段階で、エマルジョンに混入した異物を除去する目的で、目開き50μm以下の金網等で濾過することが好ましい。
本発明に用いるアクリル系熱可塑性樹脂には、さらにアクリル系熱可塑性重合体(B)を配合することができる。使用可能なアクリル系熱可塑性重合体(B)は、メタクリル酸メチル単位80質量% 以上およびこれと共重合可能なビニル系単量体単位20質量%以下から構成されるものである。ここで共重合可能なビニル系単量体の例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸エステル単量体;メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸エステル; 酢酸ビニル、スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル化合物; アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類; アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のα、β−不飽和カルボン酸;N−エチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド化合物などを挙げることができる。これらの共重合可能なビニル系単量体は2種以上を併用することができる。
アクリル系熱可塑性重合体(B)の極限粘度は、0.3〜1.0dl/gであることを要する。アクリル系熱可塑性重合体(B)の極限粘度が0.3dl/g未満であると、得られるアクリル系樹脂組成物を溶融成形する際の粘り強さが低下し好ましくなく、一方極限粘度が1.0dl/gを超えると、溶融成形する際の流動性が低下し好ましくない。アクリル系熱可塑性重合体(B)の配合量は、アクリル系多層重合体粒子(A)100質量部に対し、1〜600質量部であり、好ましくは10〜100質量部、より好ましくは30〜70質量部である。アクリル系熱可塑性重合体(B)の配合量が600質量部を超えると、得られるフィルムの耐衝撃性が低下し好ましくない。
アクリル系熱可塑性重合体(B)は、上記の条件が満たされる限り、市販のメタクリル樹脂であってもよく、さらにはISO8257−1に規定されている材料から選択されてもよい。
本発明においてアクリル系熱可塑性樹脂(B)を製造するための重合法については、特に制限はなく、乳化重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合等の公知の重合方法を採用することができる。
本発明におけるアクリル系重合体(C)は、メタクリル酸メチル単位60質量%以上およびこれと共重合可能なビニル系単量体単位40 質量% 以下からなり、極限粘度が3〜6dl/gの高分子化合物である。メタクリル酸メチルと共重合可能なビニル系単量体の例としては、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル等のメタクリル酸エステル;アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等のアクリル酸エステル;スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;N−プロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−o−クロロフェニルマレイミド等のマレイミド系化合物;エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、アリルメタクリレート、トリアリルイソシアヌレート等の多官能性単量体を挙げることができる。
アクリル系重合体(C)を含有させることで、本発明におけるフィルムの製膜性を向上させることができ、より薄膜化することができる。アクリル系重合体(C)は、通常、乳化重合法により0.05〜0.5μmの粒子径を有する重合体粒子として製造することができる。該重合体粒子は、単一組成および単一極限粘度のいわゆる単層粒子であっても、あるいは組成または極限粘度の異なる2層以上の多層構造であってもよい。この中でも好ましい構造としては、内層に低極限粘度の層を有し、外層に極限粘度5dl/g以上の高極限粘度の層を有する2層構造のものが挙げられる。アクリル系重合体(C)の極限粘度は3〜6dl/gであり、3dl/g未満ではアクリル系樹脂のフィルム製膜性の十分な改善効果が認められず、一方、6dl/gを超えると溶融流動性の低下を招きやすく好ましくない。
アクリル系重合体(C)の配合量は、アクリル系多層重合体粒子(A)とアクリル系熱可塑性重合体(B)との合計量100質量部に対し、0.05〜10質量部であり、好ましくは0.1〜5質量部である。アクリル系樹脂(C)のの配合量が0.05質量部未満であると、アクリル系樹脂からフィルムを製造する際の十分な改善効果が認められないため好ましくない。一方、10質量部を超えると溶融流動性の低下を招きやすくなり好ましくない。
本発明の製法においては、上記した成分以外に、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて、1種または2種以上の任意成分を添加することができる。
任意成分としては、他の重合体または樹脂;および、光拡散剤、艶消し剤、フィラー、酸化防止剤、熱劣化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、難燃剤、染顔料、有機色素、耐衝撃性改質剤、発泡剤および蛍光体等の各種添加剤等が挙げられる。
上記任意成分を添加する方法は、特に制限されない。アクリル系多層重合体粒子(A)やアクリル系熱可塑性重合体(B)やアクリル系重合体(C)の重合時または重合後に添加されてもよいし、それら、アクリル系多層重合体粒子(A)、アクリル系熱可塑性重合体(B)、アクリル系重合体(C)およびその他の任意の成分の混練時又は混練後に添加されてもよい。
<他の重合体または樹脂>
他の重合体または樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、およびポリノルボルネン等のオレフィン樹脂;エチレン系アイオノマー;ポリスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ハイインパクトポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、AAS樹脂、ACS樹脂、およびMBS樹脂等のスチレン系樹脂;メチルメタクリレート−スチレン共重合体;ポリエチレンテレフタレート、およびポリブチレンテレフタレート等のエステル樹脂;ナイロン6、ナイロン66、およびポリアミドエラストマー等のポリアミド;ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアセタール、ポリフッ化ビニリデン、ポリウレタン、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、およびシリコーン変性樹脂;アクリルゴム、アクリル系熱可塑性エラストマー、およびシリコーンゴム;SEPS、SEBS、およびSIS等のスチレン系熱可塑性エラストマー;IR、EPR、およびEPDM等のオレフィン系ゴム等が挙げられる。
これらは1種または2種以上用いることができる。
上記の他の重合体または樹脂における各略号は、当業者が重合体または樹脂の略号として汎用しているものである。例えば、AS樹脂はアクリロニトリルスチレン樹脂を示し、EPRはエチレン−プロピレン共重合ゴムを示す。
本発明の製法において、他の重合体または樹脂の合計量は、アクリル系多層重合体粒子(A)とアクリル系熱可塑性重合体(B)との合計量100質量部に対し、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下、特に好ましくは0質量部である。
<光拡散剤または艶消し剤>
光拡散剤または艶消し剤としては、ガラス微粒子、ポリシロキサン系架橋微粒子、架橋ポリマー微粒子、タルク、炭酸カルシウム、および硫酸バリウム等が挙げられる。
これらは1種または2種以上用いることができる。
本発明の製法からなるアクリル系フィルムに配合される光拡散剤または艶消し剤のサイズは、製造するフィルムの厚さよりも小さい必要がある。光拡散剤または艶消し剤のサイズが製造するフィルムの厚さよりも大きいと、フィルム表面に光拡散剤または艶消し剤による突出ができてしまい、表面平滑性が不良になり印刷性が低下する恐れがある。例えば、厚さ75μmのフィルムを製造する際に、光拡散剤または艶消し剤のサイズは好ましくは50μm以下、より好ましくは30μm以下、さらに好ましくは10μm以下、よりさらに好ましくは5μm以下である。また、添加される量は、アクリル系多層重合体粒子(A)とアクリル系熱可塑性重合体(B)との合計量100質量部に対して、10質量部以下であり、添加量が10質量部より大きい場合にはフィルムの外観が低下する恐れがある。
<フィラー>
フィラーとしては、炭酸カルシウム、タルク、カーボンブラック、酸化チタン、シリカ、マイカ、クレー、硫酸バリウム、および炭酸マグネシウム等が挙げられる。
これらは1種または2種以上用いることができる。
本発明の製法で添加可能なフィラーの量としては、好ましくは5質量%以下である。
<酸化防止剤>
酸化防止剤は、酸素存在下においてそれ単体で樹脂の酸化劣化防止に効果を有するものである。
例えば、リン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、およびチオエーテル系酸化防止剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、同一分子中にリン系酸化防止剤の効果を持つ部分およびヒンダードフェノール系酸化防止剤の効果を持つ部分を含む酸化防止剤を用いることもできる。
これらの酸化防止剤は1種または2種以上を用いることができる。
中でも、着色による光学特性の劣化防止効果の観点から、リン系酸化防止剤およびヒンダードフェノール系酸化防止剤等が好ましく、リン系酸化防止剤とヒンダードフェノール系酸化防止剤との併用がより好ましい。
リン系酸化防止剤とヒンダードフェノール系酸化防止剤とを併用する場合、リン系酸化防止剤の使用量:ヒンダードフェノール系酸化防止剤の使用量は、質量比で、1:5〜2:1が好ましく、1:2〜1:1がより好ましい。
リン系酸化防止剤としては、2,2−メチレンビス(4,6−ジt−ブチルフェニル)オクチルホスファイト(ADEKA社製;商品名:アデカスタブHP−10)、トリス(2,4−ジt−ブチルフェニル)ホスファイト(BASF社製;商品名:IRGAFOS168)、および3,9−ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサー3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン(ADEKA社製;商品名:アデカスタブPEP−36)等が好ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(BASF社製;商品名IRGANOX1010)、およびオクタデシル−3−(3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(BASF社製;商品名IRGANOX1076)等が好ましい。
同一分子中にリン系酸化防止剤の効果を持つ部分およびヒンダードフェノール系酸化防止剤の効果を持つ部分を含む酸化防止剤としては、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]−ジオキサスホスフェピン(住友化学工業社製;商品名:Sumilizer GP)等が好ましい。
<熱劣化防止剤>
熱劣化防止剤は、実質上無酸素の状態下で高熱にさらされたときに生じるポリマーラジカルを捕捉することによって樹脂の熱劣化を防止できるものである。
熱劣化防止剤としては、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(住友化学社製;商品名スミライザーGM)、および2,4−ジt−アミル−6−(3’,5’−ジt−アミル−2’−ヒドロキシ−α−メチルベンジル)フェニルアクリレート(住友化学社製;商品名スミライザーGS)等が好ましい。
<紫外線吸収剤>
紫外線吸収剤は、紫外線を吸収する能力を有する化合物である。紫外線吸収剤は、主に光エネルギーを熱エネルギーに変換する機能を有すると言われる化合物である。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、トリアジン類、ベンゾエート類、サリシレート類、シアノアクリレート類、蓚酸アニリド類、マロン酸エステル類、およびホルムアミジン類等が挙げられる。
これらは1種または2種以上を用いることができる。
上記の中でも、ベンゾトリアゾール類、トリアジン類、または波長380〜450nmにおけるモル吸光係数の最大値εmaxが1200dm3・mol-1cm-1以下である紫外線吸収剤が好ましい。
ベンゾトリアゾール類は、紫外線被照による着色等の光学特性低下を抑制する効果が高い。
ベンゾトリアゾール類としては、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール(BASF社製;商品名TINUVIN329)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(BASF社製;商品名TINUVIN234)および2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−tert−オクチルフェノール](ADEKA社製;商品名アデカスタブLA−31)等が好ましい。
上記した紫外線吸収剤の中で、紫外線被照による樹脂劣化が抑えられるという観点から、ベンゾトリアゾール類等が好ましく用いられる。
また、波長380nm付近の波長を効率的に吸収したい場合は、トリアジン類の紫外線吸収剤が好ましく用いられる。
このような紫外線吸収剤としては、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ−3−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン(ADEKA社製;商品名アデカスタブLA−F70)、およびその類縁体であるヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤(BASF社製;TINUVIN477−DやTINUVIN460やTINUVIN479)等が挙げられる。
<光安定剤>
光安定剤は、主に光による酸化で生成するラジカルを捕捉する機能を有すると言われる化合物である。好適な光安定剤としては、2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン骨格を持つ化合物などのヒンダードアミン類等が挙げられる。
<滑剤>
滑剤としては、ステアリン酸、ベヘニン酸、ステアロアミド酸、メチレンビスステアロアミド、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド、パラフィンワックス、ケトンワックス、オクチルアルコール、および硬化油等が挙げられる。
これらは1種または2種以上用いることができる。
<離型剤>
離型剤としては、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール類;およびステアリン酸モノグリセライド、ステアリン酸ジグリセライド等のグリセリン高級脂肪酸エステル等が挙げられる。
これらは1種または2種以上用いることができる。
離型剤として、高級アルコール類とグリセリン脂肪酸モノエステルとを併用することが好ましい。高級アルコール類とグリセリン脂肪酸モノエステルとを併用する場合、その割合は特に制限されないが、高級アルコール類の使用量:グリセリン脂肪酸モノエステルの使用量は、質量比で、2.5:1〜3.5:1が好ましく、2.8:1〜3.2:1がより好ましい。
<有機色素>
有機色素としては、紫外線を可視光線に変換する機能を有する化合物等が好ましく用いられる。
<蛍光体>
蛍光体としては、蛍光顔料、蛍光染料、蛍光白色染料、蛍光増白剤、および蛍光漂白剤等が挙げられる。
これらは1種または2種以上用いることができる。
上記各種添加剤の合計量は、アクリル系多層重合体粒子(A)とアクリル系熱可塑性樹脂(B)との合計量100質量部に対して、50質量部以下であるのが好ましく、30質量部以下であるのがより好ましい。
また、本発明において、アクリル系熱可塑性樹脂に含まれる各成分、例えばアクリル系多層構造重合体粒子(A)、アクリル系熱可塑性重合体(B)、アクリル系重合体(C)、および必要に応じて他の成分を用いて上記したアクリル系熱可塑性樹脂を製造するに当たっては、これらの成分が均一に分散していることが重要である。そのためには、構成成分を溶融混練して熱可塑性樹脂組成物を得、これを成形(フィルム成形を含む)する方法が好ましい。
[溶融混練]
溶融混練は、一回のみ実施してもよいし、複数回に分けて実施してもよい。
例えば、アクリル系多層構造重合体粒子(A)と、アクリル系熱可塑性重合体(B)とを溶融混練した後、アクリル系重合体(C)、および必要に応じて他の重合体または樹脂を溶融混練することができる。
また、アクリル系多層構造重合体粒子(A)、アクリル系熱可塑性重合体(B)、アクリル系重合体(C)、および必要に応じて他の重合体または樹脂を一度に溶融混練してもよい。
溶融混練は例えば、ニーダールーダー、押出機、ミキシングロール、およびバンバリーミキサー等の溶融混練装置を用いて行うことができる。混練温度は、樹脂成分の軟化温度に応じて適宜調節され、140〜300℃の範囲内が好ましい。溶融混練時における熱可塑性樹脂組成物にかかる剪断速度は、好ましくは100sec-1以上であり、より好ましくは200sec-1以上である
上記温度にて溶融混練を実施した後、得られた溶融混練物を120℃以下の温度に冷却する。冷却は、自然放冷よりも急速冷却が好ましい。急速冷却法としては、溶融状態のストランドを冷水槽に浸漬する方法等が挙げられる。
溶融混練により得られる熱可塑性樹脂組成物は、保存、運搬または成形時の利便性を高めるために、ペレット、顆粒、および粉末等の任意の形態にしてもよい。
(フィルム成形)
本発明の製膜方法(フィルム成形法)は、押出成形法である。押出成形法によれば、比較的高い生産性で、また初期投資額も低く抑えることができることから安くフィルムを得ることができる。
本発明におけるフィルムの製造方法は、押出機に取り付けられたダイから溶融状態の熱可塑性樹脂を押出し、ダイより押し出された熱可塑性樹脂を、第一のゴムロールと第二のゴムロールとで挟み込んで加圧してフィルム成形することを特徴とする。熱可塑性樹脂を溶融する方法としては、押出機により樹脂を溶融する方法が好ましく、当該溶融樹脂をギアポンプにより定量供給し、これをポリマーフィルター等でろ過して不純物を除去した後、ダイにてフィルム形状にしつつ押し出す方法が好ましい。
通常、厚みが5〜250μmの場合は主に「フィルム」に分類され、250μmより厚い場合には主に「シート」に分類されるが、本明細書では、フィルムとシートとを明確に区別せず、
両者を合わせて「フィルム」と称す。
本発明のフィルムの製造方法は、厚みのムラがなくフィルムを製造できる製膜性に優れており、フィルムの薄膜化にも適している。また得られるフィルムは折り曲げにより白化が生じることがなく、耐応力白化性に優れている。
本発明の製造方法で得られるフィルムの厚みは、用途によってそれぞれ好適な厚みとすればよいが、好ましくは10μm〜500μm、より好ましくは30μm〜400μm、さらに好ましくは40μm〜300μm、よりさらに好ましくは50μm〜200μmである。10μm未満のフィルムは、製膜時の膜厚制御が困難であり、極薄のため破断しやすいという不具合があり製造が難しい。500μmより厚くなると、ラミネート性、ハンドリング性、切断性、および打抜き性等の二次加工性が低下し、単位面積あたりの材料コストも増大する。
本発明の製造方法で得られるフィルムの加熱収縮率は、好ましくは−5〜10%、より好ましくは−3〜7%、さらに好ましくは−2〜5%である。
本発明の製造方法で得られるフィルムの光沢度は、好ましくは少なくとも片面が30未満、より好ましくは少なくとも片面が15未満、さらに好ましくは両面が15未満である。
本発明の製造方法で得られた未延伸フィルムに、延伸処理を施して、延伸フィルムとしてもよい。延伸処理によって機械的強度が高まり、ひび割れし難いフィルムを得ることができる。
延伸方法は特に限定されず、同時二軸延伸法、逐次二軸延伸法、およびチュブラー延伸法等が挙げられる。均一に延伸でき、高強度のフィルムが得られるという観点から、延伸温度の下限は好ましくは熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)より10℃高い温度であり、延伸温度の上限は好ましくは熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)より40℃高い温度である。
本発明において、熱可塑性樹脂の加工温度、即ち押出機およびTダイの温度は、好ましくは160〜270℃、より好ましくは220〜260℃に設定する。異物除去の観点から、押出機には不純物をベントで除去できる設備が付いていることが好ましく、ポリマーフィルターを設置して製造するとよい。また、厚み精度を高いものとするために、ギアポンプを設置して製造するのが好ましい。
上記の温度で溶融状態となったアクリル系熱可塑性樹脂は、Tダイの吐出口から鉛直方向である下方向に向かってシート状に押し出される。Tダイの温度分布は好ましくは±15℃以下、より好ましくは±5℃以下、さらに好ましくは±1℃以下である。Tダイの温度分布が±15℃より大きくなると、樹脂の溶融粘度差により厚みムラや応力分布のムラによる歪みなどが生じやすくなり、好ましくない。
本発明において、Tダイからシート状に押出されたアクリル系熱可塑性樹脂は、第一のゴムロールと第二のゴムロールとで挟み込んで加圧する工程を経てフィルムに成形される。
本発明において、前記第一のゴムロールと第二のゴムロールは、金属製のロールの外周をゴムで被膜したものでもよいし、全体をゴムで形成したものでもよい。また、第ニのゴムロールは第一のゴムロールと同じものでもよいし、異なるものでもよい。
ゴムの材質としてはフッ素ゴム(FPM)、エチレン−プロピレンゴム(EPM、EPDM)、ウレタンゴム(U)、シリコンゴム(Si)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリルゴム(ACM 、ANM)、クロロプレンゴム、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、ポリエステルエラストマーなどが挙げられ、耐熱性、離形性の観点からシリコンゴムが一般的に使用される。
上記のゴムロールが金属製のロールの外周をゴムで被膜したものである場合、その被膜厚みとしては3〜20mmが好ましく、4〜15mmがより好ましく、5〜10mmがさらに好ましい。ゴムの被膜厚みが20mm以上になると、冷却効率が低下するためにフィルムを十分に冷却できず、表面が荒れる恐れがある。ゴムの被膜厚みが3mm未満になると、狭圧した際の変形量が少ないために十分な押し付け力をかけることができず、所望の厚さのフィルムを得ることが難しくなる。
また、本発明に用いるゴムロールの硬度は、23℃の温度条件でデュロメータータイプA硬度計を使って測定した値において、好ましくは50〜90度、より好ましくは60〜90度である。ゴムロールの表面硬度が50度未満になると、十分な押し付け力を得ることが難しくなり、好ましくない。このような表面硬度のゴムロールを用いることにより、溶融状シートにかかる線圧を均一に維持することが容易である。
本発明に用いる第一のゴムロールおよび第二のゴムロールの少なくとも一方は、その両端部の外周面において、外径がロール中央部の外径よりも小さくなるように、0.5mm〜1.0mmの段差がそれぞれ形成されていることが好ましい。この段差が形成されていることにより、フィルムの両端部に厚みをもたせることができ、フィルムの端部からの切れの発生を抑制して生産性を向上させることができる。該段差は急峻であってもよいし、複数段にわたってもよいし、傾斜をつけたテーパー状であってもよい。
本発明におけるゴムロールで挟み込む際の線圧は、好ましくは2N/mm以上、より好ましくは10N/mm以上、さらに好ましくは30N/mm以上である。
Tダイより吐出されたアクリル樹脂を上記ゴムロールで挟み込んで冷却するために、ゴムロールの温度としては90℃以下が好ましく、より好ましくは70℃以下、さらに好ましくは60℃以下である。表面温度が90℃より高くなるとゴムロールとフィルムの剥離性が悪くなる可能性がある。
一般的に、ゴムロールは除熱が難しく、蓄熱して表面温度が高くなる傾向にある。ゴムロールの表面を冷却するために、ゴムロールに冷却ロールを接触させてもよいし、エアーノズルからエアーを吹き付けて冷却してもよい。
本発明の製造方法により得られるフィルムは、その表面に各種機能層を設けて、各種用途に供してもよい。
機能層としては、ハードコート層、アンチグレア層、反射防止層、スティッキング防止層、拡散層、防眩層、静電気防止層、防汚層、および、微粒子等を含む易滑性層等が挙げられる。
さらに、本発明の製造方法により得られるフィルムは熱可塑性重合体との接着性に優れているので、そのフィルムからなる層および他の熱可塑性重合体を含む被着体を有する積層体の製造に適している。このような積層体の製造法について、特に制限はなく、例えば、他の熱可塑性重合体を含む樹脂を溶融押出し、本発明の製造方法からなるフィルムとともに冷却ロールて積層体を製造する方法、他の熱可塑性重合体から予めフィルム、シート、板などを製造しておき、その上に該フィルムを押出被覆して積層体を製造する方法、他の熱可塑性重合体から予め製造したフィルム、シート、板などと本発明の製法からなるアクリル系フィルムをプレス成形して積層体を製造する方法などを挙げることができる。
本発明の製造方法からなるフィルムを含む積層体に使用する他の熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリカーボネート系重合体、塩化ビニル系重合体、フッ化ビニリデン系重合体、メタクリル樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、AS樹脂などを挙げることができる。
本発明の製法からなるアクリル系フィルムまたはそれを含む積層フィルムは、良好な成形性、美麗な外観、高い透明性、優れた耐候性、耐応力白化性を活かして、広告塔、スタンド看板、袖看板、欄間看板、屋上看板等の看板部品やマーキングフィルム; ショーケース、仕切板、店舗ディスプレイ等のディスプレイ部品; 蛍光灯カバー、ムード照明カバー、ランプシェード、光天井、光壁、シャンデリア等の照明部品; 家具、ペンダント、ミラー等のインテリア部品; ドア、ドーム、安全窓ガラス、間仕切り、階段腰板、バルコニー腰板、レジャー用建築物の屋根等の建築用部品; 航空機風防、パイロット用バイザー、オートバイ風防、モーターボート風防、バス用遮光板、自動車用サイドバイザー、リアバイザー、ヘッドウィング、ヘッドライトカバー、自動車内装部材、バンパーなどの自動車外装部材等の輸送機関係部品; 音響映像用銘板、ステレオカバー、テレビ保護マスク、自動販売機、携帯電話、パソコン等の電子機器部品; 保育器、レントゲン部品等の医療機器部品; 機械カバー、計器カバー、実験装置、定規、文字盤、観察窓等の機器関係部品;液晶保護板、導光板、導光フィルム、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、各種ディスプレイの前面板、拡散板等の光学関係部品;道路標識、案内板、カーブミラー、防音壁等の交通関係部品; その他、温室、大型水槽、箱水槽、浴室部材、時計パネル、バスタブ、サニタリー、デスクマット、遊技部品、玩具、熔接時の顔面保護用マスク等の表面の加飾フィルム兼保護フィルム、壁紙、太陽電池のバックシート、フレキシブル太陽電池用フロントシート; パソコン、携帯電話、家具、自動販売機、浴室部材などに好適に用いられる。
本発明の製造方法からなるフィルムを用いて、鋼材、プラスチックシート、木材、ガラス等からなる基材に接着、ラミネート、インサート成形、あるいはインモールド成形などで成形すると、それら基材の意匠性を向上させ、また基材を保護することができる。さらに、基材に複合させた本発明の製法からなるフィルムの上に紫外線(UV)または電子線(EB)の照射によって硬化してなるコーティング層を付与することによって、さらに意匠性と保護性を高めることができる。本発明の製造方法からなるフィルムと、鋼材、プラスチック、木材、ガラス等からなる基材とを共押し出しすることによって基材の意匠性を向上させることができる。また、優れた意匠性を活かして、壁紙; 自動車内装部材表面; バンパーなどの自動車外装部材表面; 携帯電話表面; 家具表面; パソコン表面; 自動販売機表面; 浴槽などの浴室部材表面等にも好適に用いることができる。
以下に、実施例および比較例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
なお、以下の記載において、特に明記しない限り、「部」は「質量部」を表し、「%」は「質量%」を表す。また、実施例および比較例の評価は以下の方法により行った。
(加熱収縮率)
得られたフィルムの表面に、70mmの長さの直線を、フィルムの流れ方向に記入し、100℃の温度に保たれた強制温風循環式恒温オーブン内で30分間加熱した。記入した直線の加熱後の長さ(L(mm))をスケールで読取り、下記式により加熱収縮率を求めた。
加熱収縮率(%)={(70−L)/70}×100
(積層フィルムの印刷加工性)
得られたフィルムにスクリーン印刷で木目調の図柄をつけた後に、接着剤を用いて塩化ビニルフィルムと貼りあわせた後に、80℃で1時間の熱処理を施した際の様子を目視で評価した。なお、判定基準は以下のものを用いた。
○ : 成形後に印刷ズレは見られない
× : 成形後に印刷ズレが見られる
(製造例1)
(I)アクリル系多層重合体粒子(A−I)の重合
(1)攪拌機、温度計、窒素ガス導入部、単量体導入管および還流冷却器を備えた反応器内に、脱イオン水2 0 0 部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部および炭酸ナトリウム0.05部を仕込み、容器内を窒素ガスで十分に置換して実質的に酸素がない状態にした後、内温を80℃に設定した。そこに、過硫酸カリウム0.01部を投入し、5分間攪拌した後、メタクリル酸メチル9.48部、アクリル酸n−ブチル0.5部およびメタクリル酸アリル0.02部からなる単量体混合物を20分かけて連続的に滴下供給し、添加終了後、重合率が98%以上になるようにさらに30分間重合反応を行った。
(2)次いで、同反応器内に、過硫酸カリウム0.03部を投入して5分間攪拌した後、メタクリル酸メチル1.45部、アクリル酸n−ブチル27.67部およびメタクリル酸アリル0.88部からなる単量体混合物を40分間かけて連続的に滴下供給した。添加終了後、重合率が98%以上になるようにさらに30分間重合反応を行った。
(3)次に、同反応器内に、過硫酸カリウム0.06部を投入して5分間攪拌した後、メタクリル酸メチル53.73部、アクリル酸n−ブチル5.97部およびn−オクチルメルカプタン(連鎖移動剤)0.3部を含む単量体混合物を100分間かけて連続的に滴下供給し、添加終了後、重合率が98%以上になるようにさらに60分間重合反応を行って、アクリル系多層構造重合体粒子(A−I)を含むラテックスを得た。粒子径は0.09μmであった。
続いて、アクリル系多段階重合体粒子(A−I)を含むエマルジョンを−30℃で4時間かけて凍結させた。凍結したエマルジョンの2倍量の80℃ 温水に凍結エマルジョンを投入、溶解してスラリーとした後、20分間80℃に保持した後、脱水し、70℃で乾燥して粉体状に凝固したアクリル系多層重合体(A−I)を得た。
(II)アクリル系熱可塑性樹脂(B−I)の重合
アクリル系熱可塑性樹脂として懸濁重合によりメタクリル酸メチル単位94質量%、アクリル酸メチル単位6質量%からなり、極限粘度が0.71dl/gのビーズ状重合体を作製し、アクリル系熱可塑性樹脂(B−I)を得た。
(III)アクリル系樹脂(C−I)の重合
攪拌機、温度計、窒素ガス導入部、単量体導入管および還流冷却器を備えた反応器内に、脱イオン水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリム1部および炭酸ナトリム0.05部を仕込み、容器内を窒素ガスで十分に置換して実質的に酸素がない状態にした後、内温を80℃に設定した。そこに、過硫酸カリウム0.1部を投入し、5分間攪拌した後、メタクリル酸メチル95部、アクリル酸エチル5部およびn−オクチルメルカプタン(連鎖移動剤)0.0002部からなる単量体混合物を200分かけて連続的に滴下供給し、添加終了後、重合率が98%以上になるようにさらに60分間重合反応を行ってアクリル系高分子量重合体を含むラテックスを得た。粒子径は0.09μmであった。続いて、アクリル系高分子量重合体を含むエマルジョンを−30℃で4時間かけて凍結させた。凍結したエマルジョンの2倍量の80℃温水に凍結エマルジョンを投入、溶解してスラリーとした後、20分間80℃に保持して、脱水し、80℃で乾燥して粉体状に凝固したアクリル系樹脂(C−I)を得た。得られた重合体0.1gを100mlのクロロホルムに溶解し、20℃ の温度で極限粘度を測定した結果4dl/gであった。
(IV)アクリル系樹脂の製造
上記のアクリル系多層重合体(A−I)100質量部に対し、アクリル系熱可塑性樹脂(B−I)42質量部、およびアクリル系樹脂(C−I)1質量部をスーパーミキサーにて混合し、40φベント付き単軸押出機を用いて240℃ で混練することによりペレットを得た。
<実施例1>
製造例1で得られたアクリル系樹脂ペレットを、260℃に設定されたスクリュー径75mm、単軸、ベント付きの押出機を用いて溶融状態とし、60kg/hの吐出速度でリップ幅900mm、リップ開度0.7mmのTダイよりシート状にして押出した後、タイプA硬度が80度のシリコンゴム製の厚みが10mmの第一のゴムロールと、タイプA硬度が80度のシリコンゴム製の厚みが5mmのゴムロールで、両端部の外周面の外径がロールの中央部の外径よりも小さく、0.6mmの段差がつけられている第二のゴムロールとで、線圧3N/mmで挟み込むことで、厚さ75μmのアクリルフィルムを得た。
得られたフィルムについて各種評価を行った結果を表1に示した。
<実施例2>
第一のゴムロールの被膜厚みを15mm、第二のゴムロールの被膜厚みを10mmとした以外は、実施例1と同様にしてアクリルフィルムを得た。その評価結果を表1に示した。
<実施例3>
第一のゴムロールに用いるゴムの種類をフッ素ゴムとした以外は、実施例1と同様にしてアクリルフィルムを得た。その評価結果を表1に示した。
<比較例1〜4>
金属剛体ロールはメッキ処理した剛体ロール、金属弾性ロールは日立造船のUFロールを用いて、表1に示す構成にした以外は、実施例1と同様にしてアクリルフィルムを得た。その評価結果を表1に示した。
Figure 2017213815
表1から明らかなように、実施例1〜3では、熱収縮による変形が小さく、積層して印刷後に加工した際もズレなどが生じない、良好なアクリルフィルムを得られていることがわかる。
一方、比較例1〜4では、金属剛体ロールまたは金属弾性ロールを用いていることにより、フィルムの内部に残存するひずみが大きく、得られたフィルムの加熱収縮率が高く、また積層して印刷後に加工した際にズレが生じてしまい、良好なアクリルフィルムが得られていないことがわかる。
以上のことから、溶融したアクリル樹脂を2本のゴムロールで狭圧するという製法により、フィルム内部のひずみが小さく、印刷性にも優れた、基材の加飾に有用なアクリルフィルムが製造できるということが言える。

Claims (9)

  1. アクリル系熱可塑性樹脂を加熱溶融させた後にTダイより吐出し、第一のゴムロールと第二のゴムロールとで挟み込んで加圧する工程を含むフィルムの製造方法。
  2. 前記アクリル系熱可塑性樹脂が、
    a)内層の少なくとも1層に、炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/または共役ジエン系単量体単位から主としてなる架橋弾性重合体層を有し、最外層に、炭素数1〜8のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単量体単位から主としてなる熱可塑性重合体層を有するアクリル系多層重合体粒子(A)100質量部に対し
    b)メタクリル酸メチル単位80質量%以上およびこれと共重合可能なビニル系単量体単位20質量%以下からなり、極限粘度が0.3〜1.0dl/gであるアクリル系熱可塑性重合体(B)1〜600質量部;
    を配合してなるアクリル系熱可塑性樹脂である請求項1に記載のフィルムの製造方法。
  3. 前記アクリル系多層構造重合体粒子(A)が、3層構造重合体であって、第1層がメタクリル酸メチル単位30〜98.99質量%、炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単位1〜70質量%、および多官能性単量体単位0.01〜2質量%からなる架橋重合体層であり、第2層が炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単位70〜99.9質量%、メタクリル酸メチル単位0〜30質量%、および多官能性単量体単位0.1〜5質量%からなる架橋弾性重合体層であり、第3層がメタクリル酸メチル単位80〜99質量%、および炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単位1〜20質量%からなる硬質熱可塑性重合体層から構成され、かつ粒子径が0.05〜0.25μmであることを特徴とする、請求項2に記載のフィルムの製造方法。
  4. 前記アクリル系熱可塑性樹脂が、
    c)メタクリル酸メチル単位60質量%以上およびこれと共重合可能なビニル系単量体単位40質量%以下からなり、極限粘度が3〜6dl/gであるアクリル系重合体(C)を、前記アクリル系多層重合体粒子(A)と前記アクリル系熱可塑性重合体(B)との合計量100質量部に対して0.05〜10質量部含む、請求項2または3に記載のフィルムの製造方法。
  5. 前記第一および第二のゴムロールの少なくとも一方において、その両端部の外周面は、外径がロール中央部の外径よりも小さくなるように、0.5〜1.0mmの段差がそれぞれ形成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィルムの製造方法。
  6. 前記第一のゴムロールと第二のゴムロールにおいて、いずれのゴム層の厚みも5〜10mmである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のフィルムの製造方法。
  7. 前記フィルムが加飾用フィルムまたは建材用フィルムである請求項1〜6のいずれか1項に記載のフィルムの製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法により得られるフィルムを他の熱可塑性重合体を含む被着体に接合することを特徴とする積層体の製造方法。
  9. 他の熱可塑性重合体を含む被着体が、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル系樹脂、フッ化ビニリデン系樹脂、メタクリル樹脂、ABS樹脂、AES樹脂およびAS樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む被着体である請求項8に記載の積層体の製造方法。
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