JP2002370324A - 熱可塑性樹脂積層体 - Google Patents

熱可塑性樹脂積層体

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JP2002370324A
JP2002370324A JP2001181827A JP2001181827A JP2002370324A JP 2002370324 A JP2002370324 A JP 2002370324A JP 2001181827 A JP2001181827 A JP 2001181827A JP 2001181827 A JP2001181827 A JP 2001181827A JP 2002370324 A JP2002370324 A JP 2002370324A
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Japan
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acrylic resin
thermoplastic resin
polycarbonate resin
ultraviolet absorber
acrylic
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JP2001181827A
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English (en)
Inventor
Masahiro Kurokawa
正弘 黒川
Toshikazu Hirota
俊積 広田
Yasumitsu Higuchi
泰光 樋口
Masahiro Harada
正広 原田
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリカーボネート樹脂が、本来備えている耐
衝撃性、透明性、耐熱性等の諸特性を損なうことなく、
外観表面性に優れた熱可塑性樹脂積層体を提供する。 【解決手段】 ポリカーボネート樹脂層の少なくとも一
方の面に紫外線吸収剤を含有するアクリル樹脂層を設け
た熱可塑性樹脂積層体であって、該アクリル樹脂のガラ
ス転移温度が95℃以上でメタクリル酸メチルを主成分
とする連続重合法により製造されたものである熱可塑性
樹脂積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は積層板及びその製造
方法に関し、より詳細には高い透明性を維持し、表面外
観に優れたアクリル樹脂で被覆されたポリカーボネート
積層板及びその製造方法に関する。本発明の積層板は各
種グレージング材、光学部材、LCDやEL表示用保護
シート、また看板、自動車の窓、道路の防音壁、自動販
売機の前面板、カーポート等の耐候性が要求される分野
に使用される。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は優れた透明性、
耐衝撃性、及び高い熱変形温度を有し、寸法安定性、加
工性及び自己消火性に優れることよりグレージング材料
や光学材料として多くの用途で使用されている。しかし
ながら、ポリカーボネート樹脂は、耐候性に劣るため直
射日光などに曝される屋外用途の場合には衝撃強度の低
下や黄色変化すると云う問題点を有している。これらの
問題点を改善する方法として、従来からポリカーボネー
ト樹脂層をアクリル樹脂層で被覆する方法が知られてい
る。アクリル樹脂を被覆する方法としてポリカーボネー
トシート基材に(1)アクリル系プライマー塗料を塗布
し硬化させる方法、(2)アクリルフィルムを熱圧着さ
せる方法がある。(1)の方法はアクリル系プライマー
塗料を別途製造しなければならず、且つ塗装工程におい
てゴミ、埃、塵埃の混入等を防止する塗装環境が必要で
あり、工程が複雑になり経済性に劣るなどの欠点を有し
ている。(2)の方法は、薄膜のアクリルフィルムを製
造する必要があり、熱圧着する際の塵埃の混入問題等は
(1)法と同様に存在し、工程が煩雑で経済性に劣る欠
点を有している。
【0003】これらの問題点、特に工程の簡略化と経済
性を改善する方法として、(3)ポリカーボネート樹脂
とアクリル樹脂とを共押出により製造する方法が提案さ
れている(特開昭58−107316号公報、特開昭5
5−59929号公報)。また、共押出する際、耐衝撃
性を改善する方法として軟質アクリル樹脂を使用する方
法(特開平2−175245号公報、特開平4−270
652号公報)や、架橋アクリル酸エステル系弾性体を
5〜70%添加する方法(特開平11−58627号公
報)などが開示されている。しかしながら、これらアク
リル樹脂の製造方法は、乳化重合法もしくは懸濁重合法
であるため、重合反応時に乳化剤もしくは懸濁分散剤を
使用しなくてはならない。重合反応終了後、これらの乳
化剤及び懸濁分散剤は次の洗浄工程にておおむね除去さ
れるが、その一部はポリマー中に残存することになる。
このアクリル樹脂を用いてポリカーボネート樹脂と共押
出された積層板には乳化剤及び懸濁分散剤に起因すると
考えられる焼けこげ、ブツ、スジ、気泡などが見られ外
観の優れた積層板を製造するに到っておらず、その使用
範囲は限られたものになっているのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、ポリカーボネート樹脂が本来備えている耐衝撃
性、透明性、耐熱性等の諸特性を損なうことなく、外観
表面性に優れた熱可塑性樹脂積層体を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記欠点、
特に外観の優れたポリカーボネート積層板を製造するた
めに、ポリカーボネート樹脂層の少なくとも一方の面に
紫外線吸収剤を含有するアクリル樹脂層を設けた熱可塑
性樹脂積層体であって、該アクリル樹脂のガラス転移温
度が95℃以上でメタクリル酸メチルを主成分とする連
続重合法により製造されたものであることを特徴とする
熱可塑性樹脂積層体。
【0006】更に詳しくは、ポリカーボネート樹脂層の
少なくとも一方の面に、連続重合法により製造されたア
クリル樹脂を使用し、アクリル樹脂に対して紫外線吸収
剤を0.01〜15重量%含有し、かつ該アクリル樹脂
層の膜厚が1〜100μmであることにより外観及び耐
候性に優れた積層板を得ることができることを見い出
し、本発明を完成した。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明における基板層を構成する
ポリカーボネート樹脂としては、特に制限されず、例え
ばビスフェノールAを主原料とする炭酸エステル重合物
が使用される。このポリカーボネート樹脂の分子量は特
に限定されないが、通常の押出成形によりシート、ボー
ド、プレートを製造できることが必要で、粘度平均分子
量が1.5万〜3万程度のものが好ましい。このポリカ
ーボネート樹脂には、一般に用いられる各種の添加剤を
添加しても良く、添加剤としては例えば、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、着色防止剤、難燃剤、着色剤などが挙
げられる。ポリカーボネート樹脂層の厚味としては特に
制限はないが、グレージング材料、光学材料用途とし
て、通常0.2mm〜20mm、好ましくは0.3mm〜15
mmが採用される場合が多い。
【0008】本発明で使用するアクリル樹脂は、メチル
メタクリレートとメチルアクリレート又はエチルアクリ
レートとの共重合体であり、共重合組成及び分子量は共
押出条件により適宜選択すればよいが、共重合組成比と
してはメチルメタクリレート80〜99%、メチル又は
エチルアクリレート1〜20%が好ましい。分子量は、
重量平均分子量で3〜30万程度であるが、これらだけ
に制限されるものではない。アクリル樹脂の耐熱性が劣
ると、成形時に焼けこげ等の問題を起こすため、熱変形
温度は90℃以上が良く、好ましくは95℃以上が、更
に好ましくは100℃以上が良い。
【0009】アクリル樹脂の製造方法は一般的に、乳化
重合法、懸濁重合法、連続重合法とに大別されるが、本
発明に使用されるアクリル樹脂は連続重合法により製造
された樹脂が使用される。更に、連続製造法には連続塊
状重合法と連続溶液重合法とに分けられるが、本発明に
おいてはどちらの製法で得られたアクリル樹脂でも用い
ることができる。
【0010】連続塊状重合法または連続溶液重合法は、
乳化剤及び懸濁分散剤のような添加剤は一切使用されて
おらず、ただ単に、重合を開始するための重合開始剤、
及び分子量を調節するための連鎖移動剤が添加されてい
るに過ぎない。連続溶液重合法では、溶媒としてトルエ
ン、エチルベンゼン、キシレン、ヘキサン、オクタン、
シクロヘキサン、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトンなどを
挙げることができるがこれらに限定されるもではなく、
重合反応をより有効に実施でき、得られたアクリル樹脂
中に残存することがなければよい。
【0011】重合開始剤としては、一般的なアゾ系重合
開始剤、またはパーオキサイド系重合開始剤を選択する
ことが有効である。日本油脂(株)、和光純薬工業
(株)、化薬アクゾ(株)などのカタログに記載の各種
重合開始の使用が可能である。例えばアゾ系重合開始剤
としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、
2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、
1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニト
リル)などが、パーオキサイド系重合開始としてはベン
ゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、ジーt−アミルパーオキサイドなどを例示すること
ができるがこられに限定されるものではない。連鎖移動
剤としては、メルカプタン類の使用が一般的であり、花
王(株)、日本油脂(株)などのカタログに記載の各種
メルカプタン類を使用することができる。メルカプタン
類としては、ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタ
ン、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタンなど
を例示することができるが、これらに限定されるもので
はない。これらの重合開始剤、連鎖移動剤はアクリル系
ポリマーの末端に存在するため、ブツ、スジなどの問題
を起こさない。ポリマー末端に結合しなかった重合開始
剤の分解物はアクリル系ポリマーに溶け込むために上記
問題を起こさない。未反応のメルカプタン類は、未反応
モノマーや溶剤を脱揮する工程でほぼ完全に除去される
が、極僅かに残存したメルカプタン類は、アクリル樹脂
及びポリカーボネート樹脂に対して完全に溶解するため
上記問題を引き起こすことはない。
【0012】アクリル樹脂中には、耐候性を長期間保持
する目的のために紫外線吸収剤を0.01〜15%含有
するのがよい。好ましくは0.05〜10%含有し、更
に好ましくは0.1〜8%含有するのがよい。アクリル
樹脂層へは紫外線吸収剤以外に、一般的に公知の酸化防
止剤、着色防止剤等を添加することができる。紫外線吸
収剤の添加量が0.01%以下の場合、十分な耐候性を
示さない。また、15%以上を添加してもさらなる耐候
性の向上は期待できないばかりでなく、これら添加剤が
ブリードアウトを起こし、白化の原因になったり、密着
性の低下、また耐衝撃性を損ねる場合も起こり得る。
【0013】これらアクリル樹脂層に添加される紫外線
吸収剤としてベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン
系、サリチル酸フェニルエステル系、トリアジン系の紫
外線吸収剤が挙げられる。ベンゾトリアゾール系紫外線
吸収剤としては、2−(5’−メチル−2’−ヒドロキ
シフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキ
シ−3,5−ビス(α,αジメチルベンジル)フェニ
ル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロ
キシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テ
トラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール
−2−イル)フェノール]等を例示することができ、ベ
ンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ
−4−オクトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキ
シベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−
4’−クロルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキ
シ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン等を例示する
ことができる。また、サリチル酸フェニルエステル系紫
外線吸収剤としては、p−t−ブチルフェニルサリチル
酸エステル等が例示でき、トリアジン系紫外線吸収剤と
しては、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−
4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エト
キシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ
フェニル−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニ
ル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−
(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,
5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒド
ロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリア
ジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4
−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジ
ン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−
オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデ
シルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,
4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジル
オキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−
ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシエト
キシ)−1,3,5−トリアジン等を挙げること出来る
が、これらに限定されるものではない。
【0014】また、該アクリル樹脂層に添加される酸化
防止剤、着色防止剤としては、チバ・スペシャルティ・
ケミカルズ(株)、住友化学工業(株)、旭電化工業
(株)などのカタログに記載の各種の酸化防止剤、着色
防止剤の使用が可能である。これらの例として、2,6
−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−
メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−
フェノール)、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキ
サ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,
4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、エチレンビ
ス(オキシエチレン)ビス[3−(5−t−ブチル−4
−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサ
メチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート]、2,6−ジ−t
−ブチル−4−[4,6−ビス(オクチルチオ)−1,
3,5−トリアジン−2−イルアミノ]フェノール、ペ
ンタエリスリトールテタラキス[3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプ
ロピオナミド]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5,−
トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオ
ン、1,3,5−トリス[(4−t−ブチル−3−ヒド
ロキシ−2,6−キシリル)メチル]−1,3,5−ト
リアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオ
ン、ジアリル−3,3‘−チオジプロピオネート、ペン
タエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオ
ネート)、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、
トリス(ジノニルフェニル)フォスファイト、4,4’
−チオビス(3−6−t−ブチルフェノール)、チオジ
エチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート]、トリスノリルフ
ェニルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、
トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファ
イトなどがある。更に、旭電化工業(株)カタログの商
品名で記載されるところのPEP4C、PEP8,PE
P24G、PEP36、HP−10等の使用も可能であ
るが、これらに限定されるものではない。
【0015】共押出により製造されたアクリル樹脂層の
膜厚は、1〜100μmが良く、好ましくは3〜80μ
m、更に好ましくは5〜50μmである。1μm以下で
はその効果が発揮されず、100μm以上ではポリカー
ボネート樹脂の耐衝撃性を著しく低下させる場合があ
り、さらには経済性においても不利である。
【0016】積層体製造工程の具体例を以下に記す。積
層板の製造に用いられる押出装置としては、一般に基板
層を構成するポリカーボネート樹脂を押し出す一つのメ
イン押出機と、被覆層を構成するアクリル樹脂を押し出
す1又2以上のサブ押出機により構成され、通常サブ押
出機はメイン押出機より小型のものが採用される。メイ
ン押出機の温度条件は、通常230〜290℃、好まし
くは240〜280℃であり、またサブ押出機の温度条
件は通常220〜270℃、好ましくは230〜260
℃である。2種以上の溶融樹脂を被覆する方法として
は、フィードブロック方式、マルチマニホールド方式な
どの公知の方法を用いることができる。フィードブロッ
ク方式の場合、フィードブロックで積層された溶融樹脂
はTダイなどのシート成形ダイに導かれ、シート状に成
形された後、表面を鏡面処理された成形ロール(ポリッ
シングロール)に流入して、バンクを形成する。このシ
ート状成形物は、成形ロール通過中に鏡面仕上げと冷却
が行われ、積層板が形成される。また、マルチマニホー
ルド方式の場合は、該ダイ内で積層された溶融樹脂は同
様にダイ内部でシート状に成形された後、成形ロールに
て表面仕上げおよび冷却が行われ、積層板が形成され
る。ダイの温度としては、通常220〜280℃、好ま
しくは230〜270℃であり、成形ロール温度として
は、通常100〜190℃、好ましくは110〜180
℃である。ロールは縦型ロールまたは、横型ロールを適
宜使用することができる。
【0017】
【実施例】以下に本発明を実施例によってさらに詳述す
るが、本発明はこれによって限定されるものではない。
また、特に断らない限り、以下に記す「%」は「重量
%」を意味する。
【0018】〔紫外線吸収剤のチヌビン1577(2,
4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシル
オキシフェニル)−1,3,5−トリアジン)、酸化防
止剤のBHT(2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シトルエン)及びPEP36(旭電化工業社製)の定量
方法〕 1.試料調製方法 PC/アクリル共押出板を約2cm角試験片を切り出
し、縦・横の長さをマイクロメーターで正確に測定した。 試験片(BHT及びPEP36の場合は2枚)を1
00ml試料管に入れ、クロロホルム40mlを加え、1.
5時間超音波洗浄器内で溶解させた。 の溶液をn−ヘキサン400mlに滴下15分攪
拌、その後静置し、ポリマー成分を沈殿させた。 メンブランフィルター(0.45μm)で濾過し、
濾液と沈殿物とに分けた。 の濾液を500mlのナスフラスコに入れ、エバポ
レータで約2mlまで濃縮した。 のの濾液を10mlにメスアップし、GC用バイア
ル瓶に移し、GC分析に供した。 検量線用標準試料:チヌビン1577の濃度10,
50,100,500ppm の標準試料を調製、試料液同
様GC分析に供した。 2.GC条件 機器:アジレント製6890A GC装置 カラム:J&W社製キャピラリーカラムDB−1、長さ
15m ×直径0.25mm×液層膜厚0.1μm カラム温度:100〜300℃、10℃/minで昇温 注入口温度:300℃ 検出器温度:300℃ 検出器:FID スプリット比:50/1 試料注入量:1μl
【0019】本実施例で用いた評価、試験方法を以下に
示す。 〔外観評価方法〕外観を見た目で5段階評価した。 欠陥種:a.ブツ(有色・透明・その他) b.スジ(ブツとスジが同時にあるものも含む) c.その他外観(光学歪みやダイライン) 評価基準:
【表1】 サンプルサイズ:1m2 観察場所:外観観察に適するよう照明等を配慮した部屋 総合判定:ブツ、スジ、その他外観における評点の平均
値が4点以上を合格とする。
【0020】また実施例で用いたポリカーボネート樹
脂、アクリル樹脂、紫外線吸収剤、酸化防止剤、および
着色防止剤を以下に示す。 〔ポリカーボネート樹脂〕 (A)E−2000(三菱ガス化学、粘度平均分子量
2.7万) (B)S−1000(三菱ガス化学、粘度平均分子量
2.5万) (C)S−3000(三菱ガス化学、粘度平均分子量
2.2万) 〔アクリル樹脂〕
【表2】 〔紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色防止剤〕 ・チヌビン1577(チバ・スペシャルティ・ケミカル
ズ) ・スミライザーBHT(住友化学工業) ・PEP36(旭電化工業)
【0021】製造例1(アクリル樹脂MGC−10、特
開平7-133303号報記載の方法) メチルメタクリレート88部、メチルアクリレート4
部、メタノール8部、ジ−t−ブチルパーオキサイド
0.032部(2×10-3モル/l)及びn−ドデシル
メルカプタン0.21部(10×10-3モル/l)を混
合した後、窒素吹き込みによって溶存酸素を除去し原料
液を調製した。熱媒を循環するジャケットとヘリカルリ
ボン撹拌翼を備えた内容積6Lの重合槽に予めこの原料
液5kgを添加して密閉し、十分撹拌して均一混合状態
を保ちながら、150℃に昇温して単量体転化率75%
及び重合体濃度69%に到達するまで重合させた後、こ
の原料液を1kg/hの割合で重合槽に連続的に供給し
た。
【0022】重合温度を150℃及び平均滞留時間を約
5時間に維持したところ、重合液の粘度は45Pa・
秒、単量体転化率は75%及び重合体濃度は69%で安
定に保たれた。この重合液を1kg/hの流量で抜き出
し、250℃まで加熱した後、減圧下にある脱揮タンク
内にフラッシュした。脱揮された重合体は脱揮タンク底
部より溶融状態で抜き出し、ダイスによりストランド状
に取り出され、水冷後ペレタイザーにてペレット化し
た。得られたペレットは残存揮発成分としてメチルメタ
クリレート0.27%、メチルアクリレート0.01%
で、重合開始剤及び連鎖移動剤のn−ドデシルメルカプ
タンはGC分析では観察されなかった。得られたペレッ
トの外観は無色透明で良好であった。GPC測定より重
量平均分子量(Mw)10.3万で、ガラス転移温度は
105℃であった。
【0023】実施例1 ポリカーボネートを押し出す押出機として、バレル直径
65mm、スクリュウのL/D=35、シリンダー温度2
70℃とした。また、被覆層を形成するアクリル樹脂を
押し出す押出機は、バレル直径32mm、スクリュウのL
/D=32、シリンダー温度250℃に設定した。2種
類の樹脂を同時に溶融押出し、積層する際にはフィード
ブロック(幅500mm)を使用し、ポリカーボネート樹
脂の片面にアクリル樹脂を積層した。ダイヘッド内温度
は260℃とし、ダイ内で積層一体化された樹脂は、鏡
面仕上げされた3本のポリッシングロールに導かれ、1
番ロール温度110℃、2番ロール温度180℃、3番
ロール温度180℃に設定した。最初に流入するロール
間隔にて、バンクを形成した後、2番、3番ロールを通
過させた。引き取り速度は1.2m/分、引き取り用ピ
ンチロール速度1.6m/分とした。得られたシート厚
さ0.9mm、アクリル樹脂の被覆層は20μmであっ
た。
【0024】ここで使用したポリカーボネート樹脂は三
菱ガス化学社製E−2000を、アクリル樹脂は連続溶
液(トルエン)重合法にて製造されたアトフィナ製アト
グラスV020を使用した。紫外線吸収剤としてチヌビ
ン1577(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
2.5%と、酸化防止剤としてスミライザーBHT(住
友化学工業社製)0.1%及びアデガスタブPEP−3
6(旭電化工業社製)0.05%添加した樹脂を用い
た。成形されたシートのアクリル樹脂中のチヌビン15
77、及びBHT濃度はGC分析の結果、2.2%及び
0.05%であった。
【0025】得られたシートの外観はブツ、スジ等はほ
とんど観察されることがなく優れた品質であることが分
かった。詳細を表3に示す。
【0026】比較例1〜2 実施例1と同様の装置、条件にてシート成形した。ここ
で使用したポリカーボネート樹脂は三菱ガス化学社製E
−2000(比較例1)もしくはS−1000(比較例
2)を、アクリル樹脂はクラレ製パラペットHR−L
(懸濁重合品、比較例1)、クラレ製耐衝撃アクリル樹
脂SH−N(懸濁重合品、比較例2)を使用し、紫外線
吸収剤としてチヌビン1577(チバ・スペシャルティ
・ケミカルズ社製)2.5%と、酸化防止剤としてスミ
ライザーBHT(住友化学工業社製)0.1%及びアデ
ガスタブPEP−36(旭電化工業社製)0.05%添
加した樹脂を用いた。得られたシートはブツ、スジ等に
よる外観不良が目立ち、不良製品と判定された。詳細な
結果は表3に示す。成形されたシートのアクリル樹脂中
のチヌビン1577はGC分析の結果2.1%残存して
いた。
【0027】これらのブツ発生原因の多くは、アクリル
樹脂層とポリカーボネート樹脂層との界面に存在し、屈
折率の差により異物として観察されるものであった(図
1)。このシート中のブツ(図1)を顕微IR装置にて
観察した結果(図2)、ポリカーボネート樹脂及ポリメ
チルメタクリレート樹脂のIRとも異なっていたので、
懸濁分散剤に由来するものと推定された。また、スジは
ブツを基点して発生しており、ダイヘッド内のブツを基
点として発生していると考えられる。即ち、ブツによる
アクリル樹脂とポリカーボネート樹脂との界面の乱れ
(混合)により、屈折率に変化をきたし、白く光って見
え、スジとして観察されると考えられる。スジはポリカ
ーボネート樹脂とアクリル樹脂との混合物と思われ、こ
のブツを起点にしてダイス内等でスジになったと考えて
いる。
【0028】実施例2〜4 実施例1と同様の装置を用い、シート成形した。ここで
使用したポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂は表3に
記した組合せで行い、それぞれのシートについて評価、
判定した。その結果を表3に示す。
【0029】
【表3】
【0030】
【発明の効果】本発明の積層板及びその製造方法は、ポ
リカーボネート樹脂に紫外線吸収剤を含有する連続製造
法にて製造されたアクリル樹脂を共押出することによ
り、ブツ、スジ等の異物のない、従来にない外観の優れ
た積層板が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】比較例1のシート断面(押出機のダイに対し
て、垂直方向)のSEM写真
【図2】図1で認められたブツの顕微IRのチャート
【図3】ポリカーボネート(ビスフェノールAホモポリ
マー)のIRチャート
【図4】ポリメタクリル酸メチルのIRチャート
フロントページの続き (72)発明者 樋口 泰光 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱瓦斯化学株式会社平塚研究所内 (72)発明者 原田 正広 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱瓦斯化学株式会社平塚研究所内 Fターム(参考) 4F100 AK25B AK45A BA02 BA07 CA06B CA07B GB07 GB32 GB41 GB90 JA05B JA20B JN30 YY00B

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネート樹脂層の少なくとも一
    方の面に紫外線吸収剤を含有するアクリル樹脂層を設け
    た熱可塑性樹脂積層体であって、該アクリル樹脂のガラ
    ス転移温度が95℃以上でメタクリル酸メチルを主成分
    とする連続重合法により製造されたものであることを特
    徴とする熱可塑性樹脂積層体。
  2. 【請求項2】 紫外線吸収剤の添加量がアクリル樹脂に
    対して0.01〜15重量%である請求項1に記載の熱
    可塑性樹脂積層体。
  3. 【請求項3】 ポリカーボネート樹脂層と紫外線吸収剤
    を含有するアクリル樹脂とが共押出法により同時に成形
    され、該アクリル樹脂層の膜厚が1〜100μmである
    請求項1に記載の熱可塑性樹脂積層体。
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