JP2020178429A - モータ駆動装置およびそれを用いた空気調和機の室外機 - Google Patents

モータ駆動装置およびそれを用いた空気調和機の室外機 Download PDF

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Abstract

【課題】騒音や振動を低減可能な汎用性の高いモータ駆動装置を提供する。【解決手段】永久磁石同期モータ101を駆動する電力変換回路103と、電力変換回路を制御する制御部102と、永久磁石同期モータに通電される三相電流を検出する電流センサ104と、を備え、制御部は、電流センサにより検出した三相検出電流をd軸検出電流およびq軸検出電流に変換する三相/dq変換部113と、永久磁石同期モータの駆動に寄与する指令電圧を演算する指令電圧演算部107と、永久磁石同期モータの誘起電圧の歪み成分に関する設定値に基づいて永久磁石同期モータの脈動トルクの低減に寄与する電圧補正指令を演算するトルク脈動抑制制御部108と、d軸検出電流およびq軸検出電流の少なくともいずれか一方の脈動成分が低減されるように設定値を補正するパラメータ推定部109と、指令電圧と電圧補正指令を加算する加算部110と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、モータ(電動機)を駆動するモータ駆動装置とその制御に係り、特に、静音性が求められる用途で使用されるモータ(電動機)の駆動制御に適用して有効な技術に関する。
永久磁石同期モータの誘起電圧は、理想的には基本波成分のみを含むが、実際には5次成分や7次成分といった空間高調波成分が存在する。この誘起電圧の歪み成分はモータトルクが脈動する一因となり、この変動するトルクが機械共振の励起源となることで、騒音や振動が発生する。
機械共振によって生じる騒音や振動は、例えば、モータを固定する箇所や回転軸受け部に防振ゴムを設けることで軽減できる。しかし、この方法では部品点数の増加に伴い構造が複雑化すること、さらにコストが増加することが問題となる。
本技術分野の背景技術として、例えば、特許文献1のような技術がある。特許文献1には「(防振ゴムを用いない対策法として)機械共振の励起源であるトルク脈動を、永久磁石(同期)モータの制御方法により抑制する技術」が開示されている。
特許文献1のモータ駆動装置では、所望のモータトルクを発生させるための指令電流に、誘起電圧の歪み成分に応じて生成される電流補正指令が重畳される。この電流補正指令は回転子位置に対して変動する指令であり、これによってトルク脈動をキャンセルすることができるとしている。
特開2011−151883号公報
ところで、上記のトルク脈動抑制制御は、予備試験で誘起電圧の歪み成分に関する情報を予め取得してメモリ等に保存しておき、駆動中に保存データに基づいてトルク脈動をキャンセルする指令を生成する等の方法で実現できる。本手法は、例えば運転状況が刻一刻と変化するモータ駆動装置において、高い制御安定性を確保しなければならない場合に有効である。
しかし、不特定のモータが接続されるモータ駆動装置においては、モータ毎に予備試験が必要となるため、汎用性の確保が難しいという課題がある。
上記特許文献1では、駆動中の指令信号を用いて誘起電圧の歪み成分に関する情報を推定し、トルク脈動抑制制御を行う。この方法は、誘起電圧の歪み成分を取得するための予備試験が不要であることから、不特定のモータが接続されるモータ駆動装置であっても、高い汎用性を確保できる。
しかしながら、指令信号を用いると、モデル化誤差や計算誤差等の影響により推定精度が劣化する恐れがあり、結果として十分なトルク脈動抑制効果を得られない可能性がある。
そこで、本発明の目的は、予備試験等による事前調整を必要とせずに機械共振に起因する騒音や振動を低減可能で、多様なモータに対応可能な汎用性の高いモータ駆動装置とそれを用いた空気調和機の室外機を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、永久磁石同期モータを駆動する電力変換回路と、前記電力変換回路を制御する制御部と、前記永久磁石同期モータに通電される三相電流を検出する電流センサと、を備え、前記制御部は、前記電流センサにより検出した三相検出電流をd軸検出電流およびq軸検出電流に変換する三相/dq変換部と、前記永久磁石同期モータの駆動に寄与する指令電圧を演算する指令電圧演算部と、前記永久磁石同期モータの誘起電圧の歪み成分に関する設定値に基づいて前記永久磁石同期モータの脈動トルクの低減に寄与する電圧補正指令を演算するトルク脈動抑制制御部と、前記d軸検出電流およびq軸検出電流の少なくともいずれか一方の脈動成分が低減されるように前記設定値を補正するパラメータ推定部と、前記指令電圧と前記電圧補正指令を加算する加算部と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、永久磁石同期モータと、前記永久磁石同期モータを駆動するモータ駆動装置と、前記永久磁石同期モータに接続されるファンと、前記永久磁石同期モータを取り付けるフレームと、圧縮機装置システムと、を備える空気調和機の室外機であって、前記モータ駆動装置は、上記の特徴を有するモータ駆動装置であることを特徴とする。
本発明によれば、予備試験等による事前調整を必要とせずに機械共振に起因する騒音や振動を低減可能で、多様なモータに対応可能な汎用性の高いモータ駆動装置とそれを用いた空気調和機の室外機を実現できる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施例1に係るモータ駆動装置の構成を示す図である。 モータのトルク・誘起電圧・電流の各動作波形を示す図である。(補正電流ΔIqを通電しない場合) モータのトルク・誘起電圧・電流の各動作波形を示す図である。(補正電流ΔIqを通電する場合) 図1のパラメータ推定部の構成を示す図である。 図4の脈動電流検出部の構成を示す図である。 図4のパラメータ補正部の構成を示す図である。 本発明の実施例2に係るパラメータ推定部の構成を示す図である。 図7の脈動電流検出部の構成と信号処理の概念を示す図である。 本発明の実施例3に係るパラメータ補正部の構成を示す図である。 本発明の実施例5に係るモータ駆動装置の構成を示す図である。 本発明の実施例6に係るモータ駆動装置の構成を示す図である。 図11のパラメータ推定部の構成を示す図である。 本発明の実施例7に係る空気調和機の室外機を示す図である。
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。なお、各図面において同一の構成については同一の符号を付し、重複する部分についてはその詳細な説明は省略する。
図1から図6を参照して、本発明の実施例1のモータ駆動装置とその制御方法について説明する。
図1は、本実施例のモータ駆動装置の構成図である。図1に示すように、本実施例のモータ駆動装置100は、制御部102と、永久磁石同期モータ101(以下、単に「モータ」とも呼ぶ)を駆動する電力変換回路103と、電流センサ104と、指令速度発生部105と、を備える。
制御部102は、ベクトル制御を基本構成とし、モータ101の回転速度を制御する。制御部102は、指令速度発生部105より与えられる指令速度ωr*と、電流センサ104にて検出される三相検出電流Iu,Iv,Iwに基づき、三相指令電圧Vu*,Vv*,Vw*を出力する。
電力変換回路103は、制御部102から出力される三相指令電圧Vu*,Vv*,Vw*に基づき、PWM(Pulse Width Modulation)制御を行い、パルス状の出力電圧を発生させることでモータ101を駆動する。電流センサ104は、モータ101の各相に通電される電流を検出し、三相検出電流Iu,Iv,Iwを出力する。
制御部102では、指令速度発生部105より与えられる指令速度ωr*に、ゲイン乗算部106でゲイン「モータ極数P/2」を乗算し、電気角速度ω1*を演算する。
指令電圧演算部107では、予め設定されるd軸指令電流Id*と、q軸検出電流Iqcから算出されるq軸指令電流Iq*と、電気角速度ω1*と、モータ定数の設定値に基づいて、d軸およびq軸指令電圧Vdc*,Vqc*を演算する。
トルク脈動抑制制御部108では、d軸およびq軸検出電流Idc,Iqcを平均化処理することでそれぞれの平均値Idc ̄,Iqc ̄を演算し、電気角速度ω1*と、Idc ̄,Iqc ̄と、d軸およびq軸上の誘起電圧係数の脈動成分の振幅値Kehd* ̄,Kehq* ̄と、回転子位置θdcと、モータ定数の設定値に基づいて、d軸およびq軸電圧補正指令ΔVd*,ΔVq*を演算する。
パラメータ推定部109では、回転子位置θdcに基づき正弦信号および余弦信号を発生させ、正弦信号および余弦信号を用いてd軸およびq軸検出電流Idc,Iqcの脈動成分に関する情報を抽出する。さらに、d軸およびq軸検出電流Idc,Iqcの脈動成分が低減されるように、d軸およびq軸上の誘起電圧係数の脈動成分の振幅値Kehd* ̄,Kehq* ̄を推定する。
加算器110a,110bで構成される加算部110では、指令電圧演算部107で演算したd軸およびq軸指令電圧Vdc*,Vqc*と、トルク脈動抑制制御部108で演算したd軸およびq軸電圧補正指令ΔVd*,ΔVq*をそれぞれ加算し、トルク脈動が抑制されるように補正されたd軸およびq軸指令電圧Vdc**,Vqc**を演算する。
回転子位置推定部111では、d軸およびq軸指令電圧Vdc*,Vqc*と、d軸およびq軸検出電流Idc,Iqcと、電気角速度ω1*と、モータ定数の設定値に基づいて、制御軸(dc軸)とモータの磁束軸(d軸)との位相偏差である軸誤差Δθcを演算する。そして、PLL(Phase Locked Loop)によりΔθcがゼロとなるように電気角速度ω1を制御し、得られたω1を積分することで回転子位置θdcを演算する。すなわち、本実施例は位置センサを不要とするセンサレスベクトル制御を構成するものである。
dq/3相変換部112では、回転子位置θdcに基づき、d軸およびq軸指令電圧Vdc**,Vqc**を三相指令電圧Vu*,Vv*,Vw*に変換する。また、3相/dq変換部113では、回転子位置θdcに基づき、三相検出電流Iu,Iv,Iwをd軸およびq軸検出電流Idc,Iqcに変換する。
以上が、本実施例の基本構成である。続いて、制御動作の原理を説明する。
指令電圧演算部107では、以下の式(1)に従って、d軸指令電流Id*と、q軸指令電流Iq*と、電気角速度ω1*と、モータ定数の設定値に基づいて、d軸およびq軸指令電圧Vdc*,Vqc*を演算する。
Figure 2020178429
式(1)において、Rは巻線抵抗、Ldはd軸インダクタンス、Lqはq軸インダクタンス、Keは誘起電圧係数をそれぞれ表し、上付き文字*は各モータ定数の設定値を意味する。
指令電圧演算部107では、d軸指令電流Id*として予め設定した一定値を用い、q軸指令電流Iq*としてq軸検出電流Iqcにローパスフィルタ処理を施した値を用いて、式(1)の演算を行う。このことから、モータ101が一定速度で駆動される定常状態においては、Id*,Iq*は一定となり、d軸およびq軸指令電圧Vdc*,Vqc*も同様に一定となる。
回転子位置推定部111では、以下の式(2)に従って、d軸およびq軸指令電圧Vdc*,Vqc*と、d軸およびq軸検出電流Idc,Iqcと、電気角速度ω1*と、モータ定数の設定値にもとづいて、軸誤差Δθcを演算する。
Figure 2020178429
式(2)において、ω1は電気角速度であり、PLLにより軸誤差Δθcがゼロとなるように電気角速度ω1*を調整することで得られる信号である。
回転子位置推定部111では、電気角速度ω1を積分することで、回転子位置θdcを演算する。
ここで、誘起電圧に歪み成分を含有するモータの場合、トルクτmは、以下の式(3)で表される。
Figure 2020178429
式(3)において、Kehdはd軸上の誘起電圧係数の脈動成分、Kehqはq軸上の誘起電圧係数の脈動成分をそれぞれ表す。また、式(3)の第1項と第2項はモータの回転に寄与する有効トルク成分、第3項と第4項は脈動トルク成分に相当する。
d軸指令電流Id*をゼロに設定する場合、式(3)の第1項と第3項はゼロとなるため、式(3)は式(4)に書き改められる。
Figure 2020178429
式(4)において、トルク脈動を抑制するためのq軸電流Iq_optは、以下の式(5)で表される。
Figure 2020178429
式(5)において、ΔIq(=−(Kehq/Ke)・Iq ̄)は補正電流を表す。また、Iq ̄はq軸電流Iqの平均値である。
式(5)を式(4)に代入すると、以下の式(6)を得られる。
Figure 2020178429
式(6)において、第1項はモータの回転に寄与する有効トルク成分、第2項は脈動トルク成分に相当する。
式(4)において、補正電流ΔIqを通電しない場合(Iq=Iq ̄)は、トルク脈動成分が「Kehq・Iq ̄」になるのに対して、補正電流ΔIqを通電する場合は式(6)よりトルク脈動成分が「―(Kehq^2)/Ke・Iq ̄」となることが分かる。すなわち、式(4)に示す電流Iq_optを通電することによって、トルク脈動を「Kehq/Ke」の比率で低減することができる。
上記のトルク脈動抑制制御の動作イメージを図2と図3を用いて説明する。
図2は、補正電流ΔIqを通電しない場合(Id=0,Iq=Iq ̄)の動作波形を示している(図中において、EuはU相誘起電圧、EhuはU相誘起電圧の歪み成分を表す)。同図において、U相電流Iuは理想的な正弦波となり、d軸およびq軸電流Id,Iqは一定となっている。しかし、誘起電圧に歪み成分が含有するため、モータトルクτmは一定とはならず、トルク脈動が発生する。
一方、図3は、補正電流ΔIqを通電する場合の動作波形を示している。同図に示すように、回転子位置に同期して変化する補正電流がq軸電流Iqに重畳されることで、モータトルクτmが平滑化され、トルク脈動を抑制することができる。
トルク脈動抑制制御部108は要するに、式(5)に示す補正電流ΔIqを実現するd軸およびq軸電圧補正指令ΔVd*,ΔVq*を演算する。ここで、d軸およびq軸上の誘起電圧係数の脈動成分Kehd,Kehqを以下の式(7)で表す。
Figure 2020178429
式(7)において、Kehd ̄およびKehq ̄はd軸およびq軸上の誘起電圧係数の脈動成分の振幅値、nは正の整数(n=1,2,3…)をそれぞれ表す。
式(7)を前提とすると、トルク脈動抑制制御部108では、以下の式(8)に従ってd軸およびq軸電圧補正指令ΔVd*,ΔVq*を演算する。
Figure 2020178429
式(8)の演算では、正弦関数(sin(n・θdc))と余弦関数(cos(n・θdc))が乗算されることから、d軸およびq軸電圧補正指令ΔVd*,ΔVq*は回転子位置θdcに同期して変化する脈動信号となる。これらの信号を、加算部110においてd軸およびq軸の指令電圧Vdc*,Vqc*に加算することで、補正電流ΔIqが通電され、トルク脈動が抑制される。
また、加算部110をdq/3相変換部112の後に設ける構成としても同様の動作を実現できる。すなわち、ΔVd*,ΔVq*をdq/3相変換部112で変換し、それらの信号を三相指令電圧Vu*,Vv*,Vw*それぞれに加算する構成としてもよい。
式(8)の演算では、d軸およびq軸上の誘起電圧係数の脈動成分の振幅値Kehd* ̄,Kehq* ̄が必要となる。これらのパラメータはモータ毎に異なり、また設計時に手に入る情報ではないため、予備試験等を実施して事前に取得しておく必要がある。本発明では、パラメータ推定部109においてKehd* ̄,Kehq* ̄をオンラインで推定することによって、予備試験等を必要としない自律的なトルク脈動抑制制御を実現するものである。
以下に、本発明の特徴であるパラメータ推定部109の動作原理を説明する。
まず、本実施例における駆動中のd軸電流Idは、式(9)で表される。
Figure 2020178429
式(9)において、ωrはモータ速度を表す。
d軸指令電流Id*をゼロに設定する場合、式(1)と式(8)より、d軸指令電圧Vdc**は式(10)で表される。
Figure 2020178429
式(10)を式(9)に代入すると、式(11)を得られる。
Figure 2020178429
式(11)において「0≪ω1*」と仮定すると、「ω1*=(P/2)・ωr」であることから、ω1*あるいはωrが含まれない第4項は無視できるので、式(12)を得られる。
Figure 2020178429
式(12)において、「Iq*=Iq ̄」とし、モータ定数の設定において誤差がないと仮定すれば、q軸電流Iqは「Iq ̄+ΔIq」に相当することから、第2項の「−Lq*・Iq*」と第3項の直流分「Lq・Iq ̄」は相殺され、「Lq・ΔIq」のみが残る。したがって、式(12)は式(13)に書き改められる。
Figure 2020178429
補正電流ΔIqは、式(5)と式(7)より、q軸上の誘起電圧係数の脈動成分Kehqと同位相となることから、式(14)で表される。
Figure 2020178429
式(14)において、ΔIq ̄はq軸電流Iqの脈動成分の振幅値を表す。
式(14)を式(13)に代入し、「θdc=θd」と仮定すると、式(15)を得られる。
Figure 2020178429
式(15)において、「R≪ω1*・Ld」を仮定して巻線抵抗Rを無視すると、入力と出力の関係から式(16)を得られる。
Figure 2020178429
式(16)より、電流Idのcos(n・θdc)成分に係数a(=ω1*・(Kehd* ̄−Kehd ̄))が含まれているため、本情報に基づいてd軸上の誘起電圧係数の脈動成分の振幅値Kehd* ̄における設定誤差を補正することできる。
続いて、本実施例における駆動中のq軸電流Iqは、式(17)で表される。
Figure 2020178429
d軸指令電流Id*をゼロに設定する場合、式(1)と式(8)より、d軸指令電圧Vd**は式(18)で表される。
Figure 2020178429
式(18)を式(17)に代入すると、式(19)を得られる。
Figure 2020178429
式(19)において「0≪ω1*」と仮定すると、「ω1*=(P/2)・ωr」であることから、ω1*あるいはωrが含まれない第1項、第4項、第6項は無視できるので、式(20)を得られる。
Figure 2020178429
式(20)において、第2項に含まれるd軸電流Idは、式(16)に示すように脈動成分のみを有する。パラメータを補正する手段によって、d軸上の誘起電圧係数の脈動成分の振幅値Kehd* ̄における設定誤差が除去されるとすれば、d軸電流Idは以下の式(21)で表される。
Figure 2020178429
式(21)を式(20)に代入し、モータ定数の設定において誤差がなく、さらに「θdc=θd」と仮定すると、式(22)を得られる。
Figure 2020178429
式(22)において、「R≪ω1*・Lq」を仮定して巻線抵抗Rを無視すると、入力と出力の関係から式(23)を得られる。
Figure 2020178429
式(23)より、電流Iqのsin(n・θdc)成分に係数d(=ω1*・(Kehq* ̄−Kehq ̄))が含まれているため、本情報に基づいてq軸上の誘起電圧係数の脈動成分の振幅値Kehq* ̄における設定誤差を補正することできる。
図4は、本実施例(図1)におけるパラメータ推定部109の構成図である。図4に示すように、本実施例におけるパラメータ推定部109は、脈動電流検出部400と、パラメータ補正部401と、を備える。
脈動電流検出部400は、d軸およびq軸検出電流Idc,Iqcと、回転子位置θdcに基づき、Idc・cos(n・θdc)とIqc・sin(n・θdc)を演算する。また、パラメータ補正部401は、Idc・cos(n・θdc)と、Iqc・sin(n・θdc)に基づき、d軸およびq軸上の誘起電圧係数の脈動成分の振幅値Kehd* ̄,Kehq* ̄を推定する。
図5は、本実施例(図4)における脈動電流検出部400の構成図である。脈動電流検出部400は、cos(n・θdc)信号発生部500と、sin(n・θdc)信号発生部502と、乗算器501,504と、を備える。
cos(n・θdc)信号発生部500は、回転子位置θdcにもとづき、cos(n・θdc)を演算する。乗算器501は、d軸検出電流Idcとcos(n・θdc)を乗算し、Idc・cos(n・θdc)を演算する。
同様に、sin(n・θdc)信号発生部502は、回転子位置θdcにもとづいて、sin(n・θdc)を演算する。そして、乗算器504において、q軸検出電流Iqcとsin(n・θdc)を乗算し、Iqc・sin(n・θdc)を演算する。
図6は、本実施例(図4)におけるパラメータ補正部401の構成図である。パラメータ補正部401は、積分制御器600,603と、初期値設定部601,604と、加算器602,605と、を備える。
積分制御器600は、Idc・cos(n・θdc)の直流成分に応じて、補正信号ΔKehd ̄を出力する。そして、加算器602において、初期値設定部601で設定される初期値Kehd0 ̄にΔKehd ̄を加算することで、d軸上の誘起電圧係数の脈動成分の振幅値Kehd* ̄を推定する。具体的には、以下の式(24)の演算を行う。
Figure 2020178429
式(24)において、KIdは積分制御ゲインを表す。
同様に、積分制御器603は、Iqc・sin(n・θdc)の直流成分に応じて、補正信号ΔKehq ̄を出力する。そして、加算器605において、初期値設定部604で設定される初期値Kehq0 ̄にΔKehq ̄を加算することで、q軸上の誘起電圧係数の脈動成分の振幅値Kehq* ̄を推定する。具体的には、以下の式(25)の演算を行う。
Figure 2020178429
式(25)において、KIqは積分制御ゲインを表す。
パラメータ推定部109が動作すると、パラメータ補正部401の積分制御器600,603の働きにより、Idc・cos(n・θdc)とIqc・sin(n・θdc)の直流成分がゼロに漸近するように動作する。そして、式(16)と式(23)に示すように、これら信号がゼロに収束した時点でd軸およびq軸上の誘起電圧係数の脈動成分の振幅値Kehd* ̄,Kehq* ̄における設定誤差が除去され、推定演算が完了する。
d軸およびq軸上の誘起電圧係数の脈動成分の振幅値Kehd* ̄,Kehq* ̄の推定が完了するまでの時間は、それぞれ積分制御器600,603の積分制御ゲインKId,KIqの設定によって調整することができる。KIdとKIqは、モータ速度ωrが指令速度ωr*に収束するまでの時間よりも、Kehd* ̄とKehq* ̄の推定が完了するまでの時間が十分に長くなるように設定するのが望ましい。
初期値設定部601,604において、初期値Kehd0 ̄,Kehq0 ̄には任意の値を設定でき、ゼロを設定してもよい。
図7及び図8を参照して、本発明の実施例2のモータ駆動装置とその制御方法について説明する。
パラメータ推定部109は、必ずしも同一の演算周期で処理する必要はなく、部分的に長い演算周期で処理することで演算負荷を低減する構成としても良い。
図7は、本実施例におけるパラメータ推定部109’の構成図であり、実施例1(図4)の変形例に相当する。図7に示すパラメータ推定部109’では、脈動電流検出部700は演算周期Ts1で処理され、パラメータ補正部701は演算周期Ts2で処理される。
図8は、本実施例における脈動電流検出部700の構成と、信号処理の概念を示した図であり、実施例1(図5)の変形例に相当する。本構成では、図5に示す脈動電流検出部400に対して、フィルタ800,801が付加されている。フィルタ800,801は、例えばローパスフィルタである。
図8に示すように、d軸およびq軸検出電流Idc,Iqcはn次脈動成分を含み、乗算器501,504の出力は2n次脈動成分を含む。これらの交流信号を精度良く扱う都合上、脈動電流検出部700は十分に短い演算周期で処理される必要がある。ただし、フィルタ800,801通過後は直流成分のみを含む信号となるため、次の処理部であるパラメータ補正部701は長い演算周期で処理しても演算精度は劣化しない。
以上のことから、図7に示すパラメータ推定部109’において、演算周期Ts2を演算周期Ts1よりも長く設定することで、演算負荷を低減することができる。
演算周期Ts2は、振幅値Kehd* ̄,Kehq* ̄の推定演算において、所望の応答速度を実現するのに十分な値を設定するのが望ましい。
図9を参照して、本発明の実施例3のモータ駆動装置とその制御方法について説明する。
ファンモータ等では、各相における誘起電圧の歪み成分を電気角5次成分まで考慮すれば、トルク脈動の発生具合を十分に考慮できる場合がある。
各相における誘起電圧の歪み成分において、電気角5次成分のみが存在すると仮定すると、誘起電圧係数の脈動成分の振幅値がd軸とq軸上で等しくなり、以下の式(26)式が成立する。
Figure 2020178429
図9は、本実施例におけるパラメータ補正部401’の構成図であり、実施例1(図6)の変形例に相当する。パラメータ補正部401’では、図6に示すパラメータ補正部401に対して、平均化処理部900を付加されている。
平均化処理部900は、以下の式(27)に示す演算を行う。
Figure 2020178429
式(27)に示す演算を行うことによって、d軸およびq軸上の誘起電圧係数の脈動成分の振幅値Kehd* ̄,Kehq* ̄それぞれに含まれる推定誤差が平均化され、動作精度を向上させることができる。
上述した実施例1の図4から図6を参照して、本発明の実施例4のモータ駆動装置とその制御方法について説明する。
上記の式(26)が成立する場合、d軸およびq軸上の誘起電圧係数の脈動成分の振幅値Kehd* ̄,Kehq* ̄において、Kehd* ̄をKehq* ̄として扱ったり、Kehq* ̄をKehd* ̄として扱っても問題はない。このことから、実施例1(図5,図6)の脈動電流検出部400とパラメータ補正部401において、Kehd* ̄,Kehq* ̄を推定する部分のいずれか一方を削除し、単一の推定結果をKehd* ̄とKehq* ̄として共有する構成としても良い。このように構成することで、実施例1(図4)のパラメータ推定部109の演算負荷を半減でき、安価な演算装置に対しても本発明を適用することが可能となる。
図10を参照して、本発明の実施例5のモータ駆動装置とその制御方法について説明する。
駆動するモータによっては、誘起電圧の歪み成分において、特定のn次成分を考慮するだけでは十分なトルク脈動抑制効果を得られない場合がある。複数の次数成分を扱う場合は、例えば実施例1(図1)におけるトルク脈動抑制制御部108とパラメータ推定部109を各成分毎に設ける構成としても良いが、同時に演算負荷が増加し、高価な演算処理装置が必要となる可能性がある。
これを解決する手段として、パラメータ推定部109においてd軸およびq軸上の誘起電圧係数の脈動成分の振幅値Kehd* ̄,Kehq* ̄を次数毎に段階的に推定し、それらの結果をメモリ等に保存する構成が考えらえる。
図10は、本実施例におけるモータ駆動装置100の構成図であり、実施例1(図1)の変形例に相当する。本構成では、図1に示すモータ駆動装置にメモリ1000が付加されている。メモリ1000では、d軸およびq軸上の誘起電圧係数の脈動成分の振幅値Kehd* ̄,Kehq* ̄が次数毎に記録される。
このように構成することで、複数の誘起電圧の歪み成分を扱う場合であっても、パラメータ推定部109を複数設ける必要がないため、演算負荷の増加を抑えることができる。
図11及び図12を参照して、本発明の実施例6のモータ駆動装置とその制御方法について説明する。
実施例1において、上記の式(12)や式(20)を導出する際、「0≪ω1*」の仮定を適用しており、「ω1*=(P/2)・ωr」であることから、パラメータ推定部109の動作精度は、モータ速度ωrに依存する。具体的には、ωrが低下していくにつれて式(11)と式(19)で無視した項の影響が顕著となり、パラメータ推定部109の動作精度が劣化する可能性がある。
これを解決する手段として、指令速度ωr*に応じて、d軸およびq軸上の誘起電圧係数の脈動成分の振幅値Kehd* ̄,Kehq* ̄を推定する構成が考えられる。
図11は、本実施例におけるモータ駆動装置100の構成図であり、実施例1(図1)の変形例に相当する。本構成では、図1のパラメータ推定部109に代わり、パラメータ推定部1100を備えており、入力信号に電気角速度ω1*が追加されている。
図12は、本実施例におけるパラメータ推定部1100の構成図であり、実施例1(図4)の変形例に相当する。図12に示すパラメータ推定部1100は、図4に示すパラメータ推定部109に判定部1200と、乗算器1201,1202を付加したものである。
判定部1200は、電気角速度ω1*にもとづいて、0あるいは1の値となる判定信号Sjを演算する。そしてSjは、乗算器1201と1202において、Idc・cos(n・θdc)とIqc・sin(n・θdc)それぞれに乗算される。
ここで、パラメータ推定部1100の動作範囲を、電気角速度ω1*における下限値ω1_min、上限値ω1_maxで定義する。
「ω1_min≦|ω1*|≦ω1_max」を満たす、すなわちパラメータ推定部1100が動作範囲内となる場合、判定部1200は「Sj=1」を出力する。このとき、乗算器1201,1202の演算結果はそれぞれIdc・cos(n・θdc)とIqc・sin(n・θdc)となり、これらの信号にもとづいてパラメータ補正部401が動作することで、d軸およびq軸上の誘起電圧係数の脈動成分の振幅値Kehd* ̄,Kehq* ̄の推定が行われる。
一方、「|ω1*|<ω1_minもしくはω1_max<|ω1*|」を満たす、すなわちパラメータ推定部1100が動作範囲外となる場合、判定部1200は「Sj=0」を出力する。このとき、乗算器1201,1202の演算結果はいずれもゼロとなるため、パラメータ補正部401内の積分制御器600,603では既出力値が保持され、Kehd* ̄,Kehq* ̄の推定が停止する。
このように構成することによって、所定の指令速度ωr*の範囲でのみパラメータ推定部1100を動作させることができるため、例えばモータ速度ωrが低下する条件等で動作精度が劣化するのを回避することができる。
なお、パラメータ推定部1100にリセット機能を設けて、「ω1_min≦|ω1*|≦ω1_max」を満たす、すなわちパラメータ推定部1100が動作範囲内に復帰した場合、Kehd* ̄,Kehq* ̄の推定を停止する前の値(前回値)を用いて再びKehd* ̄,Kehq* ̄の推定を開始するように構成してもよく、或いは、その都度初期値に戻してKehd* ̄,Kehq* ̄の推定を再開するように構成してもよい。
図13を参照して、本発明の実施例7の空気調和機の室外機について説明する。図13は、上記の実施例1から実施例6のいずれかの実施形態によるモータ駆動装置を、空気調和機の室外機に搭載されるファンモータシステムに適用した例を示している。
室外機1300は、ファンモータ用駆動装置1301と、圧縮機モータ用駆動装置1302と、ファンモータ1303と、ファン1304と、フレーム1305と、圧縮機装置1306を搭載する。ファンモータ用駆動装置1301は、上記の実施例1から実施例6のいずれかの実施形態によるモータ駆動装置である。
室外機1300におけるファンモータシステムの動作を説明する。交流電源1307は、圧縮機モータ用駆動装置1302に接続される。圧縮機モータ用駆動装置1302は、供給される交流電圧VACを直流電圧VDCに整流し、圧縮機装置1306を駆動する。同時に、圧縮機モータ用駆動装置1302は、ファンモータ用駆動装置1301にも直流電圧VDCを供給し、さらにモータ速度指令ωr*を出力する。
ファンモータ用駆動装置1301は、入力されたモータ速度指令ωr*にもとづいて動作し、三相電圧をファンモータ1303に供給する。これにより、ファンモータ1303が駆動し、接続されたファン1304が回転する。以上が、ファンモータシステムの動作である。
空気調和機の室外機では、低コスト化のために、ファンモータ用駆動装置1301に安価な演算装置を搭載するのが一般的である。また、ファンモータ1303には位置センサが付加されていない場合が多い。このような用途でも、本発明によるモータ駆動装置をファンモータ用駆動装置として用いることで、トルク脈動抑制制御を実現できる。その結果、ファンモータ1303に起因するフレーム1305への振動が低減され、室外機ユニット1300より放出される騒音を低減することができる。
本発明によるモータ駆動装置は、予備試験や調整作業等が不要であるため、適用が非常に容易である。また、自律的なトルク脈動抑制制御であることから、モータ特性の測定が困難な既設の設備に対しても本発明を適用することができる。
なお、実施例1から実施例6の実施形態によるモータ駆動装置は、圧縮機モータ用駆動装置として用いることも可能である。要するに、ベクトル制御を基本構成とするモータ駆動装置であれば、本発明を適用することが可能である。
また、実施例1から実施例7の実施形態では、位置センサレス方式によるモータ駆動装置を例に説明したが、エンコーダ、レゾルバ、磁極位置センサなどの位置センサを備えるモータ駆動装置にも本発明を適用することができる。例えば、図1,図10,図11に示すモータ101に位置センサを付加し、制御部102に位置センサの情報に基づく速度フィードバック制御を付加する構成としても、本発明を適用することができる。
また、図1,図10,図11の各指令電圧演算部107に代わり、d軸指令電流Id*とd軸検出電流Idcの偏差と、q軸指令電流Iq*とq軸検出電流Iqcの偏差に基づく電流フィードバック制御を含む構成としても、本発明を適用することができる。
また、本発明の各実施例によれば、検出信号の一つであるd軸およびq軸検出電流に基づいて、誘起電圧の歪み成分に関する情報を推定できる。指令信号に代わり、検出信号を用いることで、モデル化誤差や計算誤差等の影響を極力排して、高い精度で上記推定を行うことができる。検出信号を用いる場合、センサ等の追加に伴うコストの増加が懸念されるが、モータ駆動装置はモータ電流の検出手段を備える場合がほとんどである。すなわち本発明は、自律的に動作するトルク脈動抑制制御を既設センサのみで実現するものである。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記の実施例は本発明に対する理解を助けるために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
100…モータ駆動装置、101…永久磁石同期モータ(モータ)、102…制御部、103…電力変換回路、104…電流センサ、105…指令速度発生部、106…ゲイン乗算部、107…指令電圧演算部、108…トルク脈動抑制制御部、109,109’,1100…パラメータ推定部、110…加算部、110a,110b…加算器、111…回転子位置推定部、112…dq/3相変換部、113…3相/dq変換部、400,700…脈動電流検出部、401,401’,701…パラメータ補正部、500…cos(n・θdc)信号発生部、502…sin(n・θdc)信号発生部、501,504…乗算器、600,603…積分制御器、601,604…初期値設定部、602,605…加算器、800,801…フィルタ、900…平均化処理部、1000…メモリ、1200…判定部、1201,1202…乗算器、1300…室外機、1301…ファンモータ用駆動装置、1302…圧縮機モータ用駆動装置、1303…ファンモータ、1304…ファン、1305…フレーム、1306…圧縮機装置、1307…交流電源、ωr…モータ速度、ωr*…指令速度、ω1*…電気角速度、ω1…PLLにより得られる電気角速度、Vu*,Vv*,Vw*…三相指令電圧、Vdc*,Vqc*…d軸およびq軸指令電圧、ΔVd*,ΔVq*…d軸およびq軸電圧補正指令、Iu,Iv,Iw…三相検出電流、Id,Iq…d軸およびq軸電流、Idc,Iqc…d軸およびq軸検出電流、θd…回転子位置、θdc…回転子位置の推定値、Δθc…軸誤差、τm…モータトルク、P…モータ極数、R…巻線抵抗、Ld,Lq…d軸およびq軸インダクタンス、Ke…誘起電圧係数、Kehd,Kehq…d軸およびq軸上の誘起電圧係数の脈動成分、Kehd ̄,Kehq ̄…KehdおよびKehqの振幅値、Kehd* ̄,Kehq* ̄…振幅値Kehd ̄,Kehq ̄の推定値、ΔKehd ̄,ΔKehq ̄…Kehd* ̄およびKehq* ̄の推定演算における補正値、Kehd0 ̄,Kehq0 ̄…Kehd* ̄およびKehq* ̄の推定演算における初期値、Sj…判定信号、VAC…交流電圧、VDC…直流電圧。

Claims (12)

  1. 永久磁石同期モータを駆動する電力変換回路と、
    前記電力変換回路を制御する制御部と、
    前記永久磁石同期モータに通電される三相電流を検出する電流センサと、を備え、
    前記制御部は、前記電流センサにより検出した三相検出電流をd軸検出電流およびq軸検出電流に変換する三相/dq変換部と、
    前記永久磁石同期モータの駆動に寄与する指令電圧を演算する指令電圧演算部と、
    前記永久磁石同期モータの誘起電圧の歪み成分に関する設定値に基づいて前記永久磁石同期モータの脈動トルクの低減に寄与する電圧補正指令を演算するトルク脈動抑制制御部と、
    前記d軸検出電流およびq軸検出電流の少なくともいずれか一方の脈動成分が低減されるように前記設定値を補正するパラメータ推定部と、
    前記指令電圧と前記電圧補正指令を加算する加算部と、
    を有することを特徴とするモータ駆動装置。
  2. 請求項1に記載のモータ駆動装置であって、
    前記パラメータ推定部は、前記d軸検出電流およびq軸検出電流の少なくともいずれか一方の脈動成分に関する情報を検出する脈動電流検出部と、
    前記脈動電流検出部の演算結果に基づいて前記設定値を補正するパラメータ補正部と、を有することを特徴とするモータ駆動装置。
  3. 請求項2に記載のモータ駆動装置であって、
    前記制御部は、前記指令電圧と前記d軸検出電流およびq軸検出電流に基づいて、前記永久磁石同期モータの回転子位置を演算する回転子位置推定部を有し、
    前記脈動電流検出部は、前記回転子位置推定部の推定値に基づき正弦信号と余弦信号を発生させ、
    前記正弦信号と前記余弦信号を前記d軸検出電流およびq軸検出電流に乗算することを特徴とするモータ駆動装置。
  4. 請求項2に記載のモータ駆動装置であって、
    前記パラメータ補正部は、前記脈動電流検出部の演算結果を積分し、
    当該積分演算結果を前記誘起電圧の歪み成分に関する初期設定値に加算することで前記設定値を補正することを特徴とするモータ駆動装置。
  5. 請求項2に記載のモータ駆動装置であって、
    前記脈動電流検出部を第1演算周期で処理し、
    前記パラメータ補正部を第2演算周期で処理し、
    前記第1演算周期を前記第2演算周期よりも短い演算周期に設定することを特徴とするモータ駆動装置。
  6. 請求項3に記載のモータ駆動装置であって、
    前記脈動電流検出部は、前記正弦信号と前記余弦信号を前記d軸検出電流およびq軸検出電流にそれぞれ乗算した結果から脈動成分を除去するフィルタを有することを特徴とするモータ駆動装置。
  7. 請求項2に記載のモータ駆動装置であって、
    前記パラメータ補正部は、d軸およびq軸上の誘起電圧の歪み成分に関する設定値を個別に演算した結果を平均化処理する平均化処理部を有することを特徴とするモータ駆動装置。
  8. 請求項1に記載のモータ駆動装置であって、
    前記パラメータ推定部は、d軸およびq軸上のいずれか一方の誘起電圧の歪み成分に関する設定値を補正した結果を前記設定値とすることを特徴とするモータ駆動装置。
  9. 請求項1に記載のモータ駆動装置であって、
    前記制御部は、前記パラメータ推定部の演算結果を記録するメモリを有し、
    前記メモリに記録されるデータに基づいて、前記トルク脈動抑制制御部を制御することを特徴とするモータ駆動装置。
  10. 請求項2に記載のモータ駆動装置であって、
    前記パラメータ推定部は、前記永久磁石同期モータのモータ速度に基づいて判定信号を発生させる判定部を有し、
    前記パラメータ補正部は、前記判定信号に基づいて前記設定値の補正を実行または停止させることを特徴とするモータ駆動装置。
  11. 請求項10に記載のモータ駆動装置であって、
    前記パラメータ推定部はリセット機能を有し、
    前記モータ速度が前記パラメータ推定部の動作範囲内に復帰した場合、前記パラメータ補正部による前記設定値の補正の停止前の値、或いは、前記設定値の初期値を用いて前記パラメータ補正部による前記設定値の補正を再開することを特徴とするモータ駆動装置。
  12. 永久磁石同期モータと、
    前記永久磁石同期モータを駆動するモータ駆動装置と、
    前記永久磁石同期モータに接続されるファンと、
    前記永久磁石同期モータを取り付けるフレームと、
    圧縮機装置システムと、を備える空気調和機の室外機であって、
    前記モータ駆動装置は、請求項1から11のいずれか1項に記載のモータ駆動装置であることを特徴とする空気調和機の室外機。
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