以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1、図2等に本発明の電気機器が適用された自動車のエンジン1の本第1実施形態を示す。
本実施形態のエンジン1は、図1に示すように、エアクリーナー2aを通過した吸気をエンジン1の気筒1a内へ導く吸気通路2と、気筒内で発生した排気ガスをマフラーを通して大気中に排出する排気通路3とを備える。
吸気通路2の途中には、ターボチャージャTの吸気コンプレッサ4と、エンジン1の
気筒内に供給される吸気量の調整を行うスロットルバルブ5と、吸気を冷却するインタークーラ17とが設けられている。
吸気コンプレッサ4は、タービンホイール6aの回転力を受けて回転するコンプレッサホイール4aと、このコンプレッサホイール4aを収容する渦巻形状のコンプレッサハウジング4bとを備える。
排気通路3の途中には、ターボチャージャTの排気タービン6が設けられている。排気タービン6は、エンジン1の気筒から排出された排気ガスによって回転駆動されるタービンホイール6aと、このタービンホイール6aを収容する渦巻形状のタービンハウジング6bとを備える。
タービンハウジング6bには、タービンホイール6aを迂回して排気ガスをマフラーに流すバイパス通路8が設けられる。バイパス通路8は、タービンハウジング6bに流入した排気ガスを直接、タービンハウジング6bの排気出口へ導く。
このバイパス通路8は、ウエストゲートバルブ9によって開閉可能に設けられる。ウエストゲートバルブ9は、タービンハウジング6bの内部で回動可能に支持されるスイングバルブである。
具体的に、図2に示すウエストゲートバルブ9は、タービンハウジング6bに対して回転自在に支持されるバルブ軸10を介して回動操作される。このウエストゲートバルブ9は、エンジン1の高回転時などに、バイパス通路8の開度を調整してターボチャージャTによる過給圧をコントロールする。
ウエストゲートバルブ9を回動操作する手段として、ターボチャージャTは、電気機器としての電動アクチュエータ11を備える。
この電動アクチュエータ11は、エンジン制御を行う電子制御装置によって通電制御される。電動アクチュエータ11は、排気ガスの熱影響を回避する目的で、排気タービン6から離れた吸気コンプレッサ4に搭載される。
このように、電動アクチュエータ11は、ウエストゲートバルブ9から離れた位置に搭載される。このため、ターボチャージャTには、電動アクチュエータ11の出力をウエストゲートバルブ9に伝達するためのリンク機構が設けられる。
リンク機構は、所謂4節リンクであり、電動アクチュエータ11によって回動操作されるアクチュエータレバー13と、バルブ軸10に結合されるバルブレバー14と、アクチュエータレバー13に付与される回動トルクをバルブレバー14に伝えるロッド15とを備える。
次に、本実施形態の電動アクチュエータ11の構造について図3、図4を参照して説明する。
電動アクチュエータ11は、図3に示すように、吸気コンプレッサに取り付けられるアクチュエータハウジング20と、このアクチュエータハウジング20の収納室20a内に収納される電動モータ21と、ウェーブワッシャ22とを備える。
電動モータ21は、モータハウジング23、アーマチャ25、回転軸26、軸受27a、27b、ブラシ29a、29b、コンミテータ31、および、永久磁石(図示省略)を備える直流モータである。モータハウジング23は、ヨーク23aおよびフロントフレーム23bを備える。
ヨーク23aは、軸線Sを中心とする円筒状に形成されて軸線方向一方側に開口する開口部と軸線方向他方側に底部24を有している。ヨーク23aは、磁束を通過させる磁束通路を構成するものであって、鉄等の磁性材料によって構成されている。軸線方向とは、軸線Sが延びる方向である。
本実施形態の底部24には、軸線方向他方側に突起する突起部24aが設けられている。突起部24aは、軸線Sを中心とする円筒状に形成されている。
フロントフレーム23bは、ヨーク23aに対して軸線方向一方側に配置されている。フロントフレーム23bは、ヨーク23aに対してかしめ等によって固定されている。フロントフレーム23bは、ヨーク23aの開口部を覆うように形成されている。
フロントフレーム23bは、アクチュエータハウジング20に対して固定部としての複数のねじ23cによって固定されている。このことにより、モータハウジング23のうち軸線方向一方側が複数のねじ23cによってアクチュエータハウジング20に対して固定されていることになる。アーマチャ25は、モータハウジング23内に配置されている。
アーマチャ25は、アーマチャコア25b、および巻線25cを備える。アーマチャコア25bは、回転軸26の軸線Sを中心とする略円筒状に形成されている。アーマチャコア25bの中空部には、回転軸26が貫通されている。アーマチャコア25bは、回転軸26に支持されている。つまり、アーマチャ25は、回転軸26に支持されていることになる。
巻線25cは、アーマチャコア25bに電線が巻かれることにより形成されている。巻線25cは、コンミテータ31に接続されている。巻線25cは、通電時にて、複数の永久磁石からの磁界を受けて軸線Sを中心とする回転力を発生させる。
アーマチャ25は、モータハウジング23に対して回転軸26とともに回転自在に支持されていることになる。アーマチャ25は、巻線25cに発生した回転力を回転軸26から出力する。
コンミテータ31は、モータハウジング23内に配置されている。コンミテータ31は、アーマチャ25に対して軸線方向一方側に配置されている。コンミテータ31は、回転軸26に対して固定されている。
コンミテータ31は、巻線25cの末端部が接続されて回転軸26の回転に伴ってブラシ29a、29bが摺接する電気接点部を構成する。コンミテータ31は、ブラシ29a、29bから与えられる直流電圧を巻線25cの一方側末端部と他方側末端部との間に与える役割を果たす。
ブラシ29a、29bは、コンミテータ31に対して軸線Sを中心とする外周側に配置されている。ブラシ29a、29bは、コンミテータ31に摺接するようにブラシホルダを介してヨーク23aに支持されている。ブラシ29a、29bは、電子制御装置に接続されている。
複数の永久磁石は、それぞれ、軸線Sを中心とする円弧状に形成されている。複数の永久磁石は、それぞれ、軸線Sを中心とする円周方向に並べられている。複数の永久磁石は、それぞれ、ヨーク23aとアーマチャ25との間に配置されている。
複数の永久磁石は、それぞれ、ヨーク23aの内周面に固定されている。複数の永久磁石は、磁界を与える。
回転軸26は、軸線Sに沿って延びるように形成されている。回転軸26は、モータハウジング23内に配置されている。回転軸26は、アーマチャコア25bの貫通孔を貫通している。
回転軸26のうち軸線方向一方側の先端側には、出力ギア26が接続されている。出力ギア26は、複数の減速ギア(図示省略)を介してアクチュエータレバー13(図2参照)に接続されている。
軸受27aは、回転軸26のうち軸線方向一方側を回転自在に支持する。軸受27aは、出力ギア26およびアーマチャコア25bの間に配置されている。軸受27aは、フロントフレーム23bによって支持されている。軸受27bは、回転軸26のうち軸線方向他方側を回転自在に支持する。
軸受27bは、ヨーク23aの底部24の突起部24aの内部に配置されている。軸受27bは、ヨーク23aの底部24の突起部24aによって支持されている。
ウェーブワッシャ22は、図4に示すように、ヨーク23aの底部24とアクチュエータハウジング20のうち収納室20aを形成する内壁20bとの間に配置されている。内壁20bは、ヨーク23aの底部24に対して軸線方向他方側に配置されている。
すなわち、ウェーブワッシャ22は、ヨーク23aの底部24に対して軸線方向他方側に配置されている。
ウェーブワッシャ22は、ヨーク23aの底部24の突起部24aを軸線Sを中心とする外周側から囲む環状に形成されている。ウェーブワッシャ22は、波状に形成されている。
ウェーブワッシャ22は、アクチュエータハウジング20の内壁20bによって支持されて、弾性力によって電動モータ21のヨーク23aの底部24を軸線方向一方側に押しつけるばねである。
このことにより、ウェーブワッシャ22は、アクチュエータハウジング20の内壁20bと、電動モータ21のヨーク23aの底部24とのそれぞれに弾性力を与えることになる。
本実施形態のウェーブワッシャ22は、ばね鋼等の金属材料によって形成されている。ヨーク23aは、鉄等の金属材料によって形成されている。アクチュエータハウジング20は、アルミニウム等の金属材料によって形成されている。
次に、本実施形態の電動アクチュエータ11の作動について説明する。
まず、電動モータ21において複数の永久磁石がアーマチャ25の巻線25cに磁界を与える。
ここで、電子制御装置がブラシ29aを正極電極として、ブラシ29bを負極電極としてブラシ29a、29bの間に直流電圧を与える。このため、ブラシ29aからコンミテータ31、および巻線25cを通してブラシ29bに直流電流が流れる。
この際に、巻線25cには、直流電流と磁界とによって軸線Sを中心とする回転力が発生する。このため、アーマチャ25が回転軸26とともに、軸線Sを中心として一方側に回転することになる。このことにより、アーマチャ25が回転軸26から回転力を出力する。
このため、回転軸26の回転力が出力ギア26→複数の減速ギア→アクチュエータレバー13→バルブレバー14→ウエストゲートバルブ9の順に伝達される。このため、ウエストゲートバルブ9が回転軸26の回転力によって回転されて開弁する。
一方、電子制御装置がブラシ29aを負極電位としてブラシ29bを正極電位とするようにブラシ29a、29bの間に直流電圧を与える。このため、ブラシ29bからコンミテータ31および巻線25cを通してブラシ29aに直流電流が流れる。
この際に、巻線25cには、直流電流と磁界とによって軸線Sを中心とする回転力が発生する。このため、アーマチャ25が回転軸26とともに軸線Sを中心として他方側に回転することになる。すなわち、アーマチャ25が回転軸26から回転力を出力する。
このため、回転軸26の回転力が出力ギア26→複数の減速ギア→アクチュエータレバー13→バルブレバー14→ウエストゲートバルブ9の順に伝達される。このため、ウエストゲートバルブ9が回転軸26の回転力によって回転されて閉弁する。
このように電動モータ21の回転軸26の回転力によってウエストゲートバルブ9が開閉する。
このとき、エンジン1の振動がアクチュエータハウジング20に伝わる。アクチュエータハウジング20は、軸線Sを中心として径方向に振動する。この振動はアクチュエータハウジング20からウェーブワッシャ22を通してアーマチャ25に伝わる。これに伴い、アーマチャ25がエンジン1の振動に応じて図5の鎖線に示すように変位する。鎖線は、アーマチャ25が変位した状態を示している。
電動アクチュエータ11が振動しているとき、ウェーブワッシャ22およびヨーク23aの底部24の間には動摩擦として滑り摩擦が生じ、ウェーブワッシャ22およびアクチュエータハウジング20の内壁20bの間には動摩擦として滑り摩擦が生じる。
以下、説明の便宜上、ウェーブワッシャ22およびヨーク23aの底部24の間の滑り摩擦力(すなわち、第1摩擦力)を摩擦力Faとする。ウェーブワッシャ22およびアクチュエータハウジング20の内壁20bの間の滑り摩擦力(すなわち、第2摩擦力)を摩擦力Fbとする。
次に、摩擦力Faと摩擦力Fbとの合成について記述する。まず、摩擦力Faと摩擦力Fbとを合成した摩擦力を基準摩擦力Frとする。
摩擦力Faが摩擦力Fbよりも極端に小さいとき摩擦力Faを基準摩擦力Fr(=Fa)とする(Fa<<Fb)。具体的には、摩擦力Faの最小値が摩擦力Fbの最小値よりも小さいとき摩擦力Faを基準摩擦力Frとする。
また、摩擦力Fbが摩擦力Faよりも極端に小さいとき摩擦力Fbを基準摩擦力Fr(=Fb)とする(Fb<<Fa)。具体的には、摩擦力Fbの最小値が摩擦力Faの最小値よりも小さいとき摩擦力Fbを基準摩擦力Frとする。
摩擦力Faが摩擦力Fbと等しいとき摩擦力Faを基準摩擦力Fr(=Fa=Fb)とする。具体的には、摩擦力Faの最小値が摩擦力Fbの最小値と等しいとき摩擦力Faを基準摩擦力Fr(=Fa=Fb)とする。
ここで、図6に、基準摩擦力Fr(N)とアーマチャ25における軸線Sを中心とする径方向の変形量の最大値H(μm)と、軸線Sを中心とする径方向における振動の周波数fとの関係を示す。図6は、例えば、10Gの加速度で電動アクチュエータ11を振動させた例を示している。
基準摩擦力Fr「N」が0、10、20、100の場合における変形量の最大値H(μm)と周波数fとの関係を示す。
図6から分かるように、基準摩擦力Fr「N」が0(=K1)であるとき、ヨーク23aの共振周波数fy(=約800Hz)でアーマチャ25が軸線Sを中心とする径方向に振動する。この場合、基準摩擦力Fr「N」が10、20、100の場合に比べて、アーマチャ25の変形量H(μm)が大きくなる。
以下、説明の便宜上、電動モータ21のうちモータハウジング23のみに軸線Sを中心とする径方向の共振を生じさせる基準摩擦力Frを摩擦力K1(=0「N」)とする。
基準摩擦力Fr「N」が100(=K2)であるとき、アーマチャ25が自身の固有周波数fa(=約1650Hz)で軸線Sを中心とする径方向に振動する。つまり、アーマチャ25が共振する。この場合、基準摩擦力Fr「N」が10、20の場合に比べて、アーマチャ25の変形量H(μm)が大きくなる。
以下、説明の便宜上、電動モータ21のうちアーマチャ25のみに軸線Sを中心とする径方向の共振を生じさせる基準摩擦力Frを摩擦力K2「N」(=100)とする。
例えば、アーマチャ25の変形量が大きくなると、巻線25cの断線等の故障が生じる虞がある。
そこで、本実施形態では、ウェーブワッシャ22のうち軸線方向一方側と軸線方向他方側とに摩擦力安定化部としての薄膜22aが形成されている。薄膜22aは、ウェーブワッシャ22よりも表面硬度が高いものが用いられる。
具体的には、薄膜22aとしては、水溶性樹脂被膜、固体潤滑被膜、フッ素樹脂被膜、或いは、DLCコーティング(Diamond−Like Carbon)を用いてもよい。薄膜22aとしては、硬質クロムメッキや無電解NIメッキを用いることができる。
ここで、薄膜22aが設けられていない場合において、基準摩擦力Fr「N」が0(図7参照)であるときには、電動モータ21のうちモータハウジング23のみが共振する。
薄膜22aが設けられていない場合において、基準摩擦力Fr「N」が100(図7参照)であるときには、電動モータ21のうちアーマチャ25のみが共振する。
これに対して、本実施形態の薄膜22aがウェーブワッシャ22およびヨーク23aの底部24の間の第1動摩擦係数を下げる。薄膜22aがウェーブワッシャ22およびアクチュエータハウジング20の内壁20bの間の第2動摩擦係数を下げる。
これに加えて、ウェーブワッシャ22は、ヨーク23aの底部24に対して弾性力を与える。ウェーブワッシャ22は、アクチュエータハウジング20の内壁20bに弾性力を与える。
このような本実施形態では、0「N」(=K1)よりも大きく、かつ100「N」(=K2)未満の範囲内に基準摩擦力Frを保持させるように薄膜22aとウェーブワッシャ22の弾性力とが設定されていることになる。
つまり、ウェーブワッシャ22の弾性力が設定された状態で、薄膜22aが第1動摩擦係数と第2動摩擦係数とを下げることにより、0「N」よりも大きく、かつ100「N」未満の変化範囲内に基準摩擦力Frを保持させることになる。
このため、電動アクチュエータ11が振動しているとき、基準摩擦力Frの範囲のうち最小値が0「N」よりも大きくなり、基準摩擦力Frの変化範囲のうち最大値が100「N」よりも小さくなる。
このため、本実施形態の基準摩擦力Frの範囲Waは、薄膜22aを用いない対比例の基準摩擦力Frの範囲Wbに比べて、狭くなる(図7参照)。
本実施形態の基準摩擦力Frの範囲Waでは、最小値が約30Nで最大値が約40Nとなる。対比例の基準摩擦力Frの範囲Wbでは、最小値が約0Nで最大値が約130Nとなる。
以上説明した本実施形態によれば、電動アクチュエータ11は、電動モータ21と、電動モータ21を収納する収納室20aを形成する内壁20bを有するアクチュエータハウジング20とを備える。電動アクチュエータ11は、複数のねじ23c、ウェーブワッシャ22、および薄膜22aを備える。
電動モータ21は、モータハウジング23と、モータハウジング23に収納されて、軸線方向に延びるように形成されて軸線Sを中心とする回転が可能になるようにモータハウジング23によって支持されている回転軸26とを備える。
電動モータ21は、回転軸26に支持されて回転軸26に回転力を与えるアーマチャ25を備える。複数のねじ23cは、モータハウジング23のうち軸線方向一方側をアクチュエータハウジング20に固定する。
ウェーブワッシャ22は、アクチュエータハウジング20内にて電動モータ21に対して軸線方向の他方側に配置されている。ウェーブワッシャ22は、アクチュエータハウジング20の内壁20bによって支持された状態で弾性力によってモータハウジング23を軸線方向の他方側に押し付ける。
モータハウジング23とウェーブワッシャ22との間の滑り摩擦力を摩擦力Faとし、アクチュエータハウジング20の内壁20bとウェーブワッシャ22との間の滑り摩擦力を摩擦力Fbとする。
摩擦力Faと摩擦力Fbとを合成した摩擦力を基準摩擦力Frとする。摩擦力Faの最小値が摩擦力Fbの最小値よりも小さいとき摩擦力Faを基準摩擦力Frとする。摩擦力Fbの最小値が摩擦力Faの最小値よりも小さいとき摩擦力Fbを基準摩擦力Frとする。摩擦力Faの最小値が摩擦力Fbの最小値と等しいとき摩擦力Faを基準摩擦力Fr(=Fa=Fb)とする。
アクチュエータハウジング20に軸線Sを中心とする径方向の振動が生じた際に、電動モータ21のうちモータハウジング23のみに共振を生じさせる基準摩擦力を摩擦力K1(すなわち、第1値)とする。
アクチュエータハウジング20に軸線Sを中心とする径方向の振動が生じた際に、電動モータ21のうちアーマチャ25のみに共振を生じさせる基準摩擦力を摩擦力K2(すなわち、第2値)とする。
薄膜22aは、摩擦力安定化部として、ウェーブワッシャ22に対して軸線方向一方側と軸線方向他方側とに形成されている。薄膜22aは、ウェーブワッシャ22およびヨーク23aの底部24の間の第1動摩擦係数と、ウェーブワッシャ22およびアクチュエータハウジング20の内壁20bの間の第2動摩擦係数とをそれぞれ下げる。
本実施形態では、基準摩擦力Frを摩擦力K1および摩擦力K2の間の値に保持させるようにウェーブワッシャ22の薄膜22aとウェーブワッシャ22の弾性力とが設定されている。本実施形態の摩擦力K1としては0「N」が用いられて、摩擦力K2としては100「N」が用いられる。
例えば、アクチュエータハウジング20として、アルミダイカストによって形成されたもの用いて、ウェーブワッシャ22としてばね鋼によって形成されたものを用いる。この場合、アクチュエータハウジング20の硬度とウェーブワッシャ22の硬度とが著しく異なる。
このため、薄膜22aを用いない場合には、アクチュエータハウジング20およびウェーブワッシャ22のそれぞれの表面粗さの製品毎の初期バラツキが起因して、摩擦力Fbが製品毎に大きく異なる場合がある。
さらに、ヨーク23aおよびウェーブワッシャ22のそれぞれの表面粗さの製品毎の初期バラツキが起因して、摩擦力Faが製品毎に大きく異なる場合がある。
このため、製品によっては、基準摩擦力Frが摩擦力K1、或いは摩擦力K2に一致して、アーマチャ25が共振周波数fy、faで振動する場合がある。
薄膜22aを用いない場合には、電動アクチュエータ11を長期間使用した結果、アクチュエータハウジング20およびウェーブワッシャ22が摩擦により摩耗して摩擦力Fbが変化する場合がある。
また、薄膜22aを用いない場合には、電動アクチュエータ11を長期間使用した結果、ヨーク23aおよびウェーブワッシャ22が摩擦により摩耗して摩擦力Faが変化する場合がある。
このように摩耗によって摩擦力Fa、Fbが変化すると、基準摩擦力Frが摩擦力K1、或いは摩擦力K2に一致して、アーマチャ25が共振周波数fy、faで振動する場合がある。
これに対して、本実施形態では、アクチュエータハウジング20およびウェーブワッシャ22のそれぞれの表面粗さの製品毎の初期バラツキが生じていても、薄膜22aが基準摩擦力Frを摩擦力K1およびK2の間に保持させることができる。
これに加えて、薄膜22aは、ヨーク23aおよびウェーブワッシャ22の間で摩耗が生じることを抑えることができる。さらに、薄膜22aは、アクチュエータハウジング20およびウェーブワッシャ22の間で摩耗が生じることを抑えることができる。
これにより、摩耗が起因して摩擦力Fa、Fbが変化することを抑えることができる。このため、アーマチャ25がモータハウジング23の共振周波数で振動することを未然に防ぐことができる。
以上により、アクチュエータハウジング20に軸線Sを中心とする径方向の振動が生じた際に、アーマチャ25の変形量Hがウェーブワッシャ22に薄膜22aを形成しない場合に比べて、小さくなる。このため、アーマチャ25における巻線25cの断線等の故障が生じることを未然に抑えることができる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、ウェーブワッシャ22の薄膜22aを摩擦力安定化部として、用いた例について説明した。しかし、これに代えて、摩擦力安定化部としての薄膜をモータハウジング23およびアクチュエータハウジング20の内壁20bに設けた本第2実施形態について図8を参照して説明する。
本実施形態の電動アクチュエータ11は、上記第1実施形態の電動アクチュエータ11において、薄膜22aに代わる薄膜40、41を備える。本実施形態のウェーブワッシャ22には、薄膜22aが形成されていない。
薄膜40は、モータハウジング23の底部24の外壁に沿って薄膜状に形成されている。薄膜40は、ウェーブワッシャ22およびヨーク23aの底部24の間の第1動摩擦係数を下げる。
薄膜40は、モータハウジング23よりも表面硬度が高いものが用いられる。すなわち、薄膜40は、モータハウジング23よりも動摩擦係数が低いものが用いられる。
薄膜41は、アクチュエータハウジング20の内壁20bに沿って薄膜状に形成されている。薄膜41は、ウェーブワッシャ22およびアクチュエータハウジング20の内壁20bの間の第2動摩擦係数を下げる。
薄膜41は、アクチュエータハウジング20よりも表面硬度が高いものが用いられる。本実施形態の薄膜40、41は、突起部24aを軸線Sを中心とする外周側から囲む環状に形成されている。
薄膜40、41としては、水溶性樹脂被膜、固体潤滑被膜、フッ素樹脂被膜、或いはDLCコーティング(Diamond−Like Carbon)を用いてもよい。薄膜40、41としては、硬質クロムメッキや無電解NIメッキを用いることができる。
本実施形態の電動アクチュエータ11と上記第1実施形態の電動アクチュエータ11とは、薄膜40、41およびウェーブワッシャ22以外の他の構成は、同一である。
以上説明した本実施形態によれば、電動アクチュエータ11は、薄膜40は、摩擦力安定化部として、モータハウジング23の底部24の外壁に形成されている。薄膜41は、摩擦力安定化部として、アクチュエータハウジング20の内壁20bに形成されている。ウェーブワッシャ22には、薄膜22aが形成されていない。
本実施形態では、摩擦力K1よりも大きく、かつ摩擦力K2よりも小さい範囲内に基準摩擦力Frを保持させるように薄膜40、41とウェーブワッシャ22の弾性力とが設定されている。
つまり、ウェーブワッシャ22の弾性力が設定された状態で、薄膜40が第1動摩擦係数を下げて、薄膜41が第2動摩擦係数とを下げることにより、摩擦力K1よりも大きく、かつ摩擦力K2未満の変化範囲内に基準摩擦力Frを保持させることになる。
以上により、本実施形態では、上記第1実施形態と同様に、アーマチャ25が共振周波数fy、faで振動することを未然に防ぐことができる。よって、アーマチャ25の変形量Hがウェーブワッシャ22に薄膜22aを形成しない場合に比べて、小さくなる。このため、巻線25cの断線等の故障が生じることを未然に抑えることができる。
(第3実施形態)
上記第2実施形態では、モータハウジング23の底部24の外壁に形成されている薄膜40とアクチュエータハウジング20の内壁20bに形成されている薄膜41とを摩擦力安定化部として用いた例について説明した。
これに代えて、モータハウジング23およびウェーブワッシャ22の間に摩擦力安定部43を配置し、アクチュエータハウジング20およびウェーブワッシャ22の間に摩擦力安定部44を配置した本第3実施形態について図9を参照して説明する。
図9に示すように、本実施形態の摩擦力安定部43は、金属材料によって薄板状に形成されている部材43aと、部材43aのうち軸線方向他方側に配置されて部材43aに沿って薄膜状に形成されている薄膜43bとを備える。薄膜43bは、ウェーブワッシャ22およびヨーク23aの底部24の間の第1動摩擦係数を下げる。
部材43aは、突起部24aを軸線Sを中心とする外周側から囲む環状に形成されている。部材43aは、モータハウジング23の底部24の外壁に固定されている。薄膜43bは、部材43aに固定されている。薄膜43bは、突起部24aを軸線Sを中心とする外周側から囲む環状に形成されている。
摩擦力安定部44は、金属材料によって薄板状に形成されている部材44aと、部材44aのうち軸線方向一方側に配置されて部材44aに沿って薄膜状に形成されている薄膜44bとを備える。部材44aは、アクチュエータハウジング20の内壁20bに固定されている。
部材44aは、突起部24aを軸線Sを中心とする外周側から囲む環状に形成されている。薄膜44bは、突起部24aを軸線Sを中心とする外周側から囲む環状に形成されている。薄膜44bは、ウェーブワッシャ22およびアクチュエータハウジング20の内壁20bの間の第2動摩擦係数を下げる。
薄膜43b、44bとしては、上記第1実施形態の薄膜22aと同様に、水溶性樹脂被膜、固体潤滑被膜、フッ素樹脂被膜、或いはDLCコーティング(Diamond−Like Carbon)を用いてもよい。或いは、薄膜43b、44bとしては、硬質クロムメッキや無電解NIメッキを用いることができる。
以上により、摩擦力K1よりも大きく、かつ摩擦力K2よりも小さい範囲内に基準摩擦力Frを保持させるように薄膜43b、44bとウェーブワッシャ22の弾性力とが設定されていることになる。
つまり、ウェーブワッシャ22の弾性力が所定値に設定された状態で、薄膜43bが第1動摩擦係数を下げて薄膜44bが第2動摩擦係数を下げた状態で、0(=K1)よりも大きく、かつ100「N」(=K2)未満の変化範囲内に基準摩擦力Frを保持させることになる。
よって、上記第1実施形態と同様に、アーマチャ25の変形量Hがウェーブワッシャ22に薄膜22aを形成しない場合に比べて、小さくなる。このため、巻線25cの断線等の故障が生じることを未然に抑えることができる。
(第4実施形態)
上記第3実施形態では、部材43a、44aに薄膜43a、43bを設けて摩擦力安定部43、44を形成した例について説明した。しかし、これに代えて、本第4実施形態では、次のように、摩擦力安定部43、44を形成する例について図10を参照して説明する。
本実施形態の摩擦力安定部43は、図10に示すように、部材43aのうち軸線方向他方側において部材43aに沿って潤滑剤43cが付着されている。潤滑剤43cは、ウェーブワッシャ22およびヨーク23aの底部24の間の第1動摩擦係数を下げる。
摩擦力安定部44は、部材44aのうち軸線方向他方側において部材44aに沿って潤滑剤44cが付着されている。潤滑剤44cは、ウェーブワッシャ22およびアクチュエータハウジング20の内壁20bの間の第2動摩擦係数を下げる。
本実施形態の潤滑剤43c、44cとして、ウェーブワッシャ22、モータハウジング23、およびアクチュエータハウジング20のそれぞれの表面を潤滑させるための潤滑油やグリースを用いることができる。
本実施形態では、摩擦力K1よりも大きく、かつ摩擦力K2よりも小さい範囲内に基準摩擦力Frを保持させるように潤滑剤43c、44cとウェーブワッシャ22の弾性力とが設定されている。
つまり、ウェーブワッシャ22の弾性力が設定された状態で、潤滑剤43cが第1動摩擦係数を下げて、潤滑剤44cが第2動摩擦係数とを下げることにより、摩擦力K1よりも大きく、かつ摩擦力K2未満の変化範囲内に基準摩擦力Frを保持させることになる。
これにより、上記第3実施形態と同様に、振動に伴うアーマチャ25の変形量Hがウェーブワッシャ22に摩擦力安定部43、44を形成しない場合に比べて、小さくなる。このため、巻線25cの断線等の故障が生じることを未然に抑えることができる。
本実施形態では、コンミテータ31は、ブラシ29a、29bとの間の電気接点を構成する。例えば、コンミテータ31に潤滑剤43c、44cが付着すると、コンミテータ31およびブラシ29a、29bの間の接触に悪影響を与える虞がある。
ここで、コンミテータ31は、アーマチャ25に対して軸線方向一方側に配置されている。潤滑剤43c、44cは、ヨーク23aの底部24に対して軸線方向他方側に配置されている。このため、コンミテータ31は、アーマチャ25に対して軸線方向他方側に配置する場合に比べて、潤滑剤43c、44cおよびコンミテータ31の間の距離を大きくすることができる。
このため、潤滑剤43c、44cとして、流動性を有する潤滑油や半固体性のグリースを用いる場合においても、潤滑剤43c、44cが流動してコンミテータ31に付着することを未然に防ぐことができる。したがって、潤滑剤43c、44cが起因してコンミテータ31およびブラシ29a、29bの間に接触不良が生じることを未然に防ぐことができる。
(他の実施形態)
(1)上記第1〜第4実施形態では、回転電気機械として直流モータを用いた例について説明したが、これに限らず、回転電気機械として、同期モータ、或いは誘導モータを用いてもよい。
(2)上記第1〜第4実施形態では、回転力を回転軸から出力する電動モータを回転電気機械とした例について説明したが、回転軸の回転力によって発電する発電機を回転電気機械としてもよい。例えば、発電機としては、同期発電機、誘導発電機、或いは直流型発電機としてもよい。
(3)上記第1〜第4実施形態では、直流モータの駆動対象をウェストゲートバルブとした例について説明したが、これに代えて、直流モータの駆動対象をスロットバルブとしてもよい。
(4)上記第1〜第4実施形態では、付勢部としてウェーブワッシャ22を用いた例について説明したが、これに代えて、付勢部として、スプリング型のばね等の各種のバネを用いてもよい。
(5)上記第1実施形態では、ウェーブワッシャ22の表面に摩擦力安定化部としての薄膜22aを形成した例について説明したが、これに代えて、潤滑油、グリース等の潤滑剤22cを摩擦力安定化部として用いてもよい。
つまり、ウェーブワッシャ22およびモータハウジング23の間に潤滑剤22cが配置される。ウェーブワッシャ22およびアクチュエータハウジング20の内壁20bに潤滑剤22c(図11参照)が配置される。
この場合、摩擦力K1よりも大きく、かつ摩擦力K2よりも小さい範囲内に基準摩擦力Frを保持させるように潤滑剤22cおよびウェーブワッシャ22の弾性力が設定されている。
潤滑剤22cおよびウェーブワッシャ22の弾性力のうち潤滑剤22cのみよって摩擦力K1よりも大きく、かつ摩擦力K2よりも小さい範囲内に基準摩擦力Frを保持させるようにしてもよい。
このため、アーマチャ25がモータハウジング23の共振周波数で振動することを未然に防ぐことができる。これに加えて、アーマチャ25が共振することを未然に防ぐことができる。
(6)上記第1第実施形態では、ウェーブワッシャ22のうち軸線方向一方側と軸線方向他方側とのそれぞれに薄膜22aを形成した例について説明した。しかし、これに代えて、ウェーブワッシャ22において軸線方向一方側および軸線方向他方側のうち一方側のみに薄膜22aを形成してもよい。
つまり、ウェーブワッシャ22のうち軸線方向一方側のみに薄膜22aを形成して、ウェーブワッシャ22のうち軸線方向他方側に薄膜22aを形成しないようにしてもよい。
(7)上記第2実施形態では、電動アクチュエータ11において、モータハウジング23の底部24の外壁に沿って形成されている薄膜40と、アクチュエータハウジング20の内壁20bに沿って薄膜状に形成されている薄膜41とを備える例について説明した。
しかし、これに代えて、電動アクチュエータ11において、薄膜40、41のうち一方のみを設けてもよい。
(8)上記第3実施形態および第4実施形態では、モータハウジング23の底部24の外壁に固定されている摩擦力安定部43と、アクチュエータハウジング20の内壁20bに固定されている摩擦力安定部44とを備える例について説明した。
しかし、これに代えて、電動アクチュエータ11において、摩擦力安定部43、44のうち一方のみを設けてもよい。
(9)上記第1実施形態では、摩擦力K1よりも大きく、かつ摩擦力K2よりも小さい範囲内に基準摩擦力Frを保持させるようにウェーブワッシャ22の薄膜22aとウェーブワッシャ22の弾性力とを設定した例について説明した。
しかし、これに代えて、薄膜22aおよびウェーブワッシャ22の弾性力のうち薄膜22aだけで摩擦力K1よりも大きく、かつ摩擦力K2よりも小さい範囲内に基準摩擦力Frを保持させるようにしてもよい。
(10)上記第2実施形態においても、摩擦力K1よりも大きく、かつ摩擦力K2よりも小さい範囲内に基準摩擦力Frを保持させるように薄膜40、41とウェーブワッシャ22の弾性力とを設定する例について説明した。
しかし、これに代えて、薄膜40、41およびウェーブワッシャ22の弾性力のうち薄膜40、41のみによって、摩擦力K1よりも大きく、かつ摩擦力K2よりも小さい範囲内に基準摩擦力Frを保持させるようにしてもよい。
(11)上記第3実施形態においても、摩擦力K1よりも大きく、かつ摩擦力K2よりも小さい範囲内に基準摩擦力Frを保持させるように薄膜43b、44bとウェーブワッシャ22の弾性力とを設定した例について説明した。
しかし、これに代えて、薄膜43b、44bおよびウェーブワッシャ22の弾性力のうち薄膜43b、44bのみによって摩擦力K1よりも大きく、かつ摩擦力K2よりも小さい範囲内に基準摩擦力Frを保持させるようにしてもよい。
(12)上記第4実施形態においても、摩擦力K1よりも大きく、かつ摩擦力K2よりも小さい範囲内に基準摩擦力Frを保持させるように潤滑剤43c、44cとウェーブワッシャ22の弾性力とを設定した例について説明した。
しかし、これに代えて、潤滑剤43c、44cおよびウェーブワッシャ22の弾性力のうち潤滑剤43c、44cのみよって摩擦力K1よりも大きく、かつ摩擦力K2よりも小さい範囲内に基準摩擦力Frを保持させるようにしてもよい。
(13)なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。
このように構成される上記第1〜5実施形態、および他の実施形態では、次のような発明を構成することができる。
電気機器において、ロータは、回転軸に支持されている巻線部(25c)を備える。
回転電気機械は、ケーシングに支持されている複数のブラシ(29a、29b)と、
回転軸のうちロータに対して軸線方向一方側には、巻線部に接続されて、回転軸の回転に伴って複数のブラシに摺接する接点部(31)と、を備える。
複数のブラシから接点部を通して巻線部に直流電圧を与えることにより、巻線部に直流電流を流して回転軸に対して軸線を中心とする回転力を与える。
このため、ケーシングおよび付勢部の間と、ハウジングの内壁および付勢部の間とのうち、少なくとも一方に潤滑剤としての摩擦力安定化部を設けても、潤滑剤および接点部の間を離すことができる。このため、接点部および複数のブラシの間の接触に潤滑剤が悪影響を与えることを未然に防ぐことができる。
(まとめ)
上記第1〜5実施形態、および他の実施形態の一部または全部に記載された第1の観点によれば、電気機器は、回転電気機械と、回転電気機械を収納する収納室を形成する内壁を有するハウジングと、固定部と、付勢部と、摩擦力安定化部とを備える。
回転電気機械は、ケーシングと、軸線が延びる方向を軸線方向とした場合において、ケーシングに収納されて、軸線方向に延びるように形成されて軸線を中心とする回転が可能になるようにケーシングによって支持されている回転軸とを備える。
回転電気機械は、回転軸に支持されて回転軸とともに軸線を中心とする回転が可能になるように構成されているロータを備える。
固定部は、ケーシングのうち軸線方向一方側をハウジングに固定し、付勢部は、ハウジング内にて回転電気機械に対して軸線方向の他方側に配置されて、ハウジングの内壁によって支持された状態で弾性力によってケーシングを軸線方向の一方側に押し付ける。
ケーシングと付勢部との間の滑り摩擦力を第1摩擦力とし、ハウジングの内壁と付勢部との間の滑り摩擦力を第2摩擦力とする。
第1摩擦力と第2摩擦力とを合成した摩擦力を基準摩擦力とする。ハウジングに軸線を中心とする径方向に振動が生じた際に、回転電気機械のうちケーシングのみに共振を生じさせる基準摩擦力を第1値とする。
ハウジングに軸線を中心とする径方向に振動が生じた際に、回転電気機械のうちロータのみに共振を生じさせる基準摩擦力を第2値とした場合に、摩擦力安定化部は、基準摩擦力を第1値および第2値の間の値に保持させる。
第2の観点によれば、摩擦力安定化部は、ケーシングおよび付勢部の間と、ハウジングの内壁および付勢部の間とのうち、少なくとも一方に配置されている潤滑剤を備える。
第3の観点によれば、摩擦力安定化部は、ケーシング、付勢部、およびハウジングの内壁のうち少なくとも1つに形成されている膜を備える。
第4の観点によれば、摩擦力安定化部は、
ケーシングおよび付勢部の間と、ハウジングの内壁および付勢部の間とのうち、少なくとも一方に配置されている部材と、この部材に形成されている膜とを備える。
第5の観点によれば、摩擦力安定化部は、ケーシングおよび付勢部の間と、ハウジングの内壁および付勢部の間とのうち、少なくとも一方に配置されている部材と、この部材に形成されている潤滑剤とを備える。