JPH07243388A - スクリュー圧縮機 - Google Patents
スクリュー圧縮機Info
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- JPH07243388A JPH07243388A JP3335194A JP3335194A JPH07243388A JP H07243388 A JPH07243388 A JP H07243388A JP 3335194 A JP3335194 A JP 3335194A JP 3335194 A JP3335194 A JP 3335194A JP H07243388 A JPH07243388 A JP H07243388A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- screw
- torque
- rotor
- torque fluctuation
- stator
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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Abstract
(57)【要約】
【構成】スクリュ圧縮機本体の端部に、永久磁石の固定
子16と固定子15を対向させ、それらの間の磁力で噛
合周波数のトルク変動を発生する変動吸収機構11を設
ける。固定子ハウジング21は回転自在でアクチュエー
タ24で駆動され、ブレーキ25で静止される。 【効果】トルク変動吸収機構が発生する変動トルクはこ
の加振力に対して周波数と振幅が等しく逆位相なので相
殺する。したがって、振動や騒音が小さくなる。
子16と固定子15を対向させ、それらの間の磁力で噛
合周波数のトルク変動を発生する変動吸収機構11を設
ける。固定子ハウジング21は回転自在でアクチュエー
タ24で駆動され、ブレーキ25で静止される。 【効果】トルク変動吸収機構が発生する変動トルクはこ
の加振力に対して周波数と振幅が等しく逆位相なので相
殺する。したがって、振動や騒音が小さくなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スクリュ圧縮機に係
り、特に、圧縮機本体内部での圧縮気体の圧力の大きさ
と分布の変化に起因するトルク変動を原因とする振動を
打ち消し、さらに外的要因によりトルク変動の大きさあ
るいは位相のずれが生じても、トルク変動に追従して振
動を打ち消すことが可能で、その結果、騒音が少ないス
クリュ圧縮機に関する。
り、特に、圧縮機本体内部での圧縮気体の圧力の大きさ
と分布の変化に起因するトルク変動を原因とする振動を
打ち消し、さらに外的要因によりトルク変動の大きさあ
るいは位相のずれが生じても、トルク変動に追従して振
動を打ち消すことが可能で、その結果、騒音が少ないス
クリュ圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】スクリュ圧縮機はレシプロ圧縮機に比較
して往復運動が無いため、振動や騒音が小さいことを特
徴としている。しかし詳細に観察すればスクリュ圧縮機
にも振動源は存在し、レシプロ圧縮機に比べ小さいとは
いえ振動や騒音が問題となる場合がある。特に近年は居
住環境向上の要望や、圧縮機を専用の別棟から人間の作
業場所と同じ建屋内への設置が増えているため、振動騒
音低減は大きな課題となっている。スクリュ圧縮機の振
動源の存在理由と性質については後述するが、圧縮機本
体からの振動はケーシング表面などから直接騒音として
放出されたり、あるいは架台や台座を固体伝播した上で
騒音となって周囲へ拡散される。また、一部は床や地盤
を伝播し、そのまま振動として害を及ぼすこともある。
して往復運動が無いため、振動や騒音が小さいことを特
徴としている。しかし詳細に観察すればスクリュ圧縮機
にも振動源は存在し、レシプロ圧縮機に比べ小さいとは
いえ振動や騒音が問題となる場合がある。特に近年は居
住環境向上の要望や、圧縮機を専用の別棟から人間の作
業場所と同じ建屋内への設置が増えているため、振動騒
音低減は大きな課題となっている。スクリュ圧縮機の振
動源の存在理由と性質については後述するが、圧縮機本
体からの振動はケーシング表面などから直接騒音として
放出されたり、あるいは架台や台座を固体伝播した上で
騒音となって周囲へ拡散される。また、一部は床や地盤
を伝播し、そのまま振動として害を及ぼすこともある。
【0003】振動源の存在理由と性質について詳述す
る。スクリュロータを回転するには中に閉じ込めた気体
を圧縮するためにある値以上の駆動トルクを必要とす
る。十分なトルクをかけるとスクリュロータが回転し、
それに伴い中に閉じ込められた気体が圧縮されケーシン
グ内部の圧力分布が変化する。ケーシング内部の圧力分
布によって駆動トルクが決まるが、その値は刻々変化
し、1回転につき歯数分の回数だけ増減を繰り返す。こ
れは1回転につき歯数の回数だけスクリュロータの噛み
合い状態が同一となり、内部圧力分布が再現するからで
ある。周波数で表すと回転周波数に歯数を乗じた周波数
すなわち「噛み合い周波数」でトルク変動を繰り返すこ
とになる。したがって、電気工学における直流成分と交
流成分の分離のように、トルクの時間変化は周期性を持
ち、一定の正の値を持つ定常成分と噛み合い周波数の周
期で繰り返す変動成分に分離できる。定常成分が圧縮仕
事をしており、変動成分が振動源となっていると解釈す
ることができる。
る。スクリュロータを回転するには中に閉じ込めた気体
を圧縮するためにある値以上の駆動トルクを必要とす
る。十分なトルクをかけるとスクリュロータが回転し、
それに伴い中に閉じ込められた気体が圧縮されケーシン
グ内部の圧力分布が変化する。ケーシング内部の圧力分
布によって駆動トルクが決まるが、その値は刻々変化
し、1回転につき歯数分の回数だけ増減を繰り返す。こ
れは1回転につき歯数の回数だけスクリュロータの噛み
合い状態が同一となり、内部圧力分布が再現するからで
ある。周波数で表すと回転周波数に歯数を乗じた周波数
すなわち「噛み合い周波数」でトルク変動を繰り返すこ
とになる。したがって、電気工学における直流成分と交
流成分の分離のように、トルクの時間変化は周期性を持
ち、一定の正の値を持つ定常成分と噛み合い周波数の周
期で繰り返す変動成分に分離できる。定常成分が圧縮仕
事をしており、変動成分が振動源となっていると解釈す
ることができる。
【0004】スクリュ圧縮機本体はその外部に設けられ
た電動機などによってトルクの定常成分を供給されて回
転する。従来技術では変動成分の供給が無く、残った変
動成分が加振力となってスクリュロータやケーシングに
作用し振動源となっていた。なお、電動機の供給するト
ルクにはトルクリップルと呼ばれる僅かなトルク変動成
分が含まれているが、圧縮機側のトルク変動に比較して
十分に小さいので共振などの特殊な状態でなければ無視
できる。
た電動機などによってトルクの定常成分を供給されて回
転する。従来技術では変動成分の供給が無く、残った変
動成分が加振力となってスクリュロータやケーシングに
作用し振動源となっていた。なお、電動機の供給するト
ルクにはトルクリップルと呼ばれる僅かなトルク変動成
分が含まれているが、圧縮機側のトルク変動に比較して
十分に小さいので共振などの特殊な状態でなければ無視
できる。
【0005】トルク変動による振動を防止しようという
試みは既にいくつかの方法が知られている。例えば特開
昭54−94109 号公報では、軸端に設けたピストン(この
公報中の用語では回転部材)にかかる圧力を利用し、ス
クリュロータを軸方向に押しつけ、軸方向振動を低減す
ることが述べられている。また、特開昭58−200093号公
報では振動減衰器(この公報中の用語では制振部材)に
よって、振動系の減衰係数を増し、軸方向振動を低減す
ることが述べられている。一方、回転方向の制振に関し
ては、特開昭56−75993 号公報でスクリュロータ自身を
磁化することによって雄雌スクリュロータ相互間の回転
方向の歯面分離振動(この公報中の用語では歯面ばな
れ)を防止することが述べられている。軸方向と回転方
向の両者を同時に制振する方法は特開昭54−62515 号公
報で左右対象に構成する方法が示されている。トルク変
動を積極的に解消する方法は特開昭60−60286 号公報に
示されている。これはローリングピストン形圧縮機を駆
動するのに必要なトルクを変動成分をも含めてモータで
発生させて余剰トルクや不足トルクを無くし、回転変動
を防止する方法であり、「トルク制御」の名称で実用化
されている。
試みは既にいくつかの方法が知られている。例えば特開
昭54−94109 号公報では、軸端に設けたピストン(この
公報中の用語では回転部材)にかかる圧力を利用し、ス
クリュロータを軸方向に押しつけ、軸方向振動を低減す
ることが述べられている。また、特開昭58−200093号公
報では振動減衰器(この公報中の用語では制振部材)に
よって、振動系の減衰係数を増し、軸方向振動を低減す
ることが述べられている。一方、回転方向の制振に関し
ては、特開昭56−75993 号公報でスクリュロータ自身を
磁化することによって雄雌スクリュロータ相互間の回転
方向の歯面分離振動(この公報中の用語では歯面ばな
れ)を防止することが述べられている。軸方向と回転方
向の両者を同時に制振する方法は特開昭54−62515 号公
報で左右対象に構成する方法が示されている。トルク変
動を積極的に解消する方法は特開昭60−60286 号公報に
示されている。これはローリングピストン形圧縮機を駆
動するのに必要なトルクを変動成分をも含めてモータで
発生させて余剰トルクや不足トルクを無くし、回転変動
を防止する方法であり、「トルク制御」の名称で実用化
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特開昭54−94109 号公
報や特開昭58−200093号公報で述べられている技術は振
動を抑制する効果はあるものの、加振力そのものは依然
残っており、振動低減効果が不十分である。特開昭56−
75993 号公報は雄雌スクリュロータ間の相互的な回転振
動に関しての効果は期待できるが、雄雌がそろって振動
する場合には制振効果が期待できない。また、スクリュ
ロータに用いられる材質は歯形を高精度に加工する観点
から選択されるので、通常は残留磁気が弱く本公報のよ
うな強い磁力を持ったスクリュロータを実現することは
難しい。特開昭54−62515 号公報による方法は制振効果
は十分に期待できるが、構造が複雑となり、設計や制御
が難しいなどの問題がある。特開昭60−60286 号公報に
よる技術は効果が大きいが、制御装置や電力素子の制限
から比較的低速域でのみ可能である。本公報が適用され
ているローリングピストン形圧縮機に比較して回転数の
高いスクリュ圧縮機では実用化に無理がある。また、専
用の制御装置を必要とするなど高価になる問題点があ
る。
報や特開昭58−200093号公報で述べられている技術は振
動を抑制する効果はあるものの、加振力そのものは依然
残っており、振動低減効果が不十分である。特開昭56−
75993 号公報は雄雌スクリュロータ間の相互的な回転振
動に関しての効果は期待できるが、雄雌がそろって振動
する場合には制振効果が期待できない。また、スクリュ
ロータに用いられる材質は歯形を高精度に加工する観点
から選択されるので、通常は残留磁気が弱く本公報のよ
うな強い磁力を持ったスクリュロータを実現することは
難しい。特開昭54−62515 号公報による方法は制振効果
は十分に期待できるが、構造が複雑となり、設計や制御
が難しいなどの問題がある。特開昭60−60286 号公報に
よる技術は効果が大きいが、制御装置や電力素子の制限
から比較的低速域でのみ可能である。本公報が適用され
ているローリングピストン形圧縮機に比較して回転数の
高いスクリュ圧縮機では実用化に無理がある。また、専
用の制御装置を必要とするなど高価になる問題点があ
る。
【0007】圧縮機の構造によって、吸入圧力,吐出圧
力,ロータ回転速度などの使用条件により、トルク変動
の振幅と位相が変化することがある。したがって、その
場合にはある定格条件でのトルク変動の悪影響を防止す
るのみでは不十分であり、変化するトルク変動に追従し
振動低減効果を接続する必要がある。
力,ロータ回転速度などの使用条件により、トルク変動
の振幅と位相が変化することがある。したがって、その
場合にはある定格条件でのトルク変動の悪影響を防止す
るのみでは不十分であり、変化するトルク変動に追従し
振動低減効果を接続する必要がある。
【0008】本発明の目的は、簡単な構造で内部圧力分
布の変化で発生するトルク変動や軸方向の加振力を相殺
し振動や騒音の少ないスクリュ圧縮機を実現し、かつ、
吸入圧力や吐出圧力などの圧縮機の使用条件が変化しト
ルク変動の振幅や位相に変化が生じても、対応可能なト
ルク変動吸収機構を備えたスクリュ圧縦機を提供するこ
とにある。
布の変化で発生するトルク変動や軸方向の加振力を相殺
し振動や騒音の少ないスクリュ圧縮機を実現し、かつ、
吸入圧力や吐出圧力などの圧縮機の使用条件が変化しト
ルク変動の振幅や位相に変化が生じても、対応可能なト
ルク変動吸収機構を備えたスクリュ圧縦機を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに以下の手段を用いる。
めに以下の手段を用いる。
【0010】雄雌一対のスクリュロータのうちの少なく
とも一方の軸上にトルク変動吸収機構を備える。トルク
変動吸収機構は各々の中心が同軸上にある永久磁石の回
転子と固定子からなる。固定子,固定子の永久磁石の相
互間に働く吸引力あるいは反発力により、正負のトルク
を発生する。トルクの大きさは、固定子に対する回転子
の回転角度で定まり周期性を持たせる。スクリュロータ
軸に前記回転子を、ケーシングに前記固定子を固定す
る。トルク変動の周期は回転子を固定した側のスクリュ
ロータの噛み合い周期に一致させる。さらにトルク変動
の振幅と位相はスクリュロータの持つトルク変動を打ち
消すのに最適な値を選ぶ。
とも一方の軸上にトルク変動吸収機構を備える。トルク
変動吸収機構は各々の中心が同軸上にある永久磁石の回
転子と固定子からなる。固定子,固定子の永久磁石の相
互間に働く吸引力あるいは反発力により、正負のトルク
を発生する。トルクの大きさは、固定子に対する回転子
の回転角度で定まり周期性を持たせる。スクリュロータ
軸に前記回転子を、ケーシングに前記固定子を固定す
る。トルク変動の周期は回転子を固定した側のスクリュ
ロータの噛み合い周期に一致させる。さらにトルク変動
の振幅と位相はスクリュロータの持つトルク変動を打ち
消すのに最適な値を選ぶ。
【0011】ここで、最適な値とは、前述したように圧
縮機の使用条件により変化するため、一定しない。最適
値の変化に対応するため固定子は次に述べる手段によ
り、発生するトルクの位相や大きさを変化させる。トル
ク変動の位相が変化する場合には、固定子の回転軸に対
する固定角度に可変機構を設け、状態に応じて、固定子
を少しの角度だけ回転させ、トルク変動を相殺する所定
の角度で固定する。固定子の回転角度はトルク変動の1
周期である「360°/トルク変動吸収機構を備えたス
クリュロータの歯数」以下である。また、発生するトル
ク変動の大きさが変化する場合には固定子の発生する磁
力を加減する。磁力を加減する手段は固定子の永久磁石
を分割構造にし、それらの相対位置を変えることによ
り、互いの磁力を相乗あるいは相殺させるなどの方法が
ある。固定子の磁石を径方向に移動できる構造とし、固
定する径で固定子回転し間隔を調整し、トルク変動の振
幅を変える方法もある。
縮機の使用条件により変化するため、一定しない。最適
値の変化に対応するため固定子は次に述べる手段によ
り、発生するトルクの位相や大きさを変化させる。トル
ク変動の位相が変化する場合には、固定子の回転軸に対
する固定角度に可変機構を設け、状態に応じて、固定子
を少しの角度だけ回転させ、トルク変動を相殺する所定
の角度で固定する。固定子の回転角度はトルク変動の1
周期である「360°/トルク変動吸収機構を備えたス
クリュロータの歯数」以下である。また、発生するトル
ク変動の大きさが変化する場合には固定子の発生する磁
力を加減する。磁力を加減する手段は固定子の永久磁石
を分割構造にし、それらの相対位置を変えることによ
り、互いの磁力を相乗あるいは相殺させるなどの方法が
ある。固定子の磁石を径方向に移動できる構造とし、固
定する径で固定子回転し間隔を調整し、トルク変動の振
幅を変える方法もある。
【0012】
【作用】本発明では、上記の手段が以下のように作用
し、振動騒音を低減する。
し、振動騒音を低減する。
【0013】トルク変動吸収機構は圧縮機の運転によっ
てスクリュロータに生じるトルク変動と同等の振幅で逆
位相のトルクをスクリュロータに与える。言い替える
と、スクリュロータの必要とするトルクの内の一定成分
は従来どおり電動機で供給し、変動成分はトルク変動吸
収機構により供給することになる。すると、スクリュロ
ータの持つトルク変動とトルク変動吸収機構の持つトル
ク変動が互いに打ち消しあい、全体としてはトルク変動
が目立たなくなる。したがって、一定トルクで電動機が
スクリュ圧縮機本体を回しても、加振力が現われず、そ
れを起因とする振動や騒音の発生を防止できる。
てスクリュロータに生じるトルク変動と同等の振幅で逆
位相のトルクをスクリュロータに与える。言い替える
と、スクリュロータの必要とするトルクの内の一定成分
は従来どおり電動機で供給し、変動成分はトルク変動吸
収機構により供給することになる。すると、スクリュロ
ータの持つトルク変動とトルク変動吸収機構の持つトル
ク変動が互いに打ち消しあい、全体としてはトルク変動
が目立たなくなる。したがって、一定トルクで電動機が
スクリュ圧縮機本体を回しても、加振力が現われず、そ
れを起因とする振動や騒音の発生を防止できる。
【0014】圧縮機の使用条件によって、スクリュロー
タに生じるトルク変動の位相や大きさが変化する場合に
は、トルク変動吸収機構の発生するトルクもそれに合わ
せて追従させ、振動抑制を維持する。トルク変動の位相
と大きさは圧縮機の使用条件でおよそ定まっている。そ
こで、予め起こりうる使用条件において発生するトルク
変動の位相や大きさを記憶しておき、圧縮機の状態を感
知して加えるトルク変動を決定する方法がある。また、
圧縦機の発生する振動を常に監視し、その値が大きくな
らないようにフィードバックし、加えるトルク変動の位
相や大きさを自動制御する方法もある。
タに生じるトルク変動の位相や大きさが変化する場合に
は、トルク変動吸収機構の発生するトルクもそれに合わ
せて追従させ、振動抑制を維持する。トルク変動の位相
と大きさは圧縮機の使用条件でおよそ定まっている。そ
こで、予め起こりうる使用条件において発生するトルク
変動の位相や大きさを記憶しておき、圧縮機の状態を感
知して加えるトルク変動を決定する方法がある。また、
圧縦機の発生する振動を常に監視し、その値が大きくな
らないようにフィードバックし、加えるトルク変動の位
相や大きさを自動制御する方法もある。
【0015】
【実施例】以下、図1ないし図3を用いて、本発明の第
1の実施例を説明する。
1の実施例を説明する。
【0016】図1は本発明によるスクリュ圧縮機本体の
側面断面図である。図2は本発明によるスクリュ圧縮機
に付与されるトルク変動吸収機構の軸直角の断面図であ
る。雄スクリュロータ1と雌スクリュロータ2は互いに
噛み合い、ケーシング3に収納されている。ケーシング
3内部に構成され一部が重複する二つの円筒状穴からな
るボア5の壁面はスクリュロータ1,2とは微小なすき
まをはさんで接触しない。本実施例においてスクリュ歯
の歯数は雄が4、雌が6である。ケーシング3は分割構
造でメインケーシング3a,吸収側ケーシング3b,吐
出側ケーシング3cよりなる。各スクリュロータは軸受
4a,4b,4c,4dにより軸支される。このうち軸
受4a,4cはアンギュラ玉軸受を含む組合わせ軸受で
圧縮気体の圧力による吐出側から吸入側へのスラスト力
を受けている。ボア5の吸入側端部には吸入口7が設け
られ、外部とボアを貫通している。同様に、ケーシング
3内部のボアの吐出側端部には吐出口8が設けられ、外
部とボアを貫通している。吸入口7と吐出口8のボア端
面への開口形状はスクリュロータの歯形と圧縮比から最
適な形となっている。雄ロータ軸の吸入口側端部13a
にはプーリ9と軸シール8が備えられる。プーリ9は外
部に設けられた電動機(図示せず)の出力軸とベルトを
介して接続される。
側面断面図である。図2は本発明によるスクリュ圧縮機
に付与されるトルク変動吸収機構の軸直角の断面図であ
る。雄スクリュロータ1と雌スクリュロータ2は互いに
噛み合い、ケーシング3に収納されている。ケーシング
3内部に構成され一部が重複する二つの円筒状穴からな
るボア5の壁面はスクリュロータ1,2とは微小なすき
まをはさんで接触しない。本実施例においてスクリュ歯
の歯数は雄が4、雌が6である。ケーシング3は分割構
造でメインケーシング3a,吸収側ケーシング3b,吐
出側ケーシング3cよりなる。各スクリュロータは軸受
4a,4b,4c,4dにより軸支される。このうち軸
受4a,4cはアンギュラ玉軸受を含む組合わせ軸受で
圧縮気体の圧力による吐出側から吸入側へのスラスト力
を受けている。ボア5の吸入側端部には吸入口7が設け
られ、外部とボアを貫通している。同様に、ケーシング
3内部のボアの吐出側端部には吐出口8が設けられ、外
部とボアを貫通している。吸入口7と吐出口8のボア端
面への開口形状はスクリュロータの歯形と圧縮比から最
適な形となっている。雄ロータ軸の吸入口側端部13a
にはプーリ9と軸シール8が備えられる。プーリ9は外
部に設けられた電動機(図示せず)の出力軸とベルトを
介して接続される。
【0017】本件の吐出側外端部にはエンドプレート1
2を介してトルク変動吸収機構11が設けられる。吸収
機構ケーシング14の円筒状内面におよそ円筒形状の固
定子ハウジング21が回転自在に備えられる。固定子ハ
ウジング21の外周にウォームホイール22が歯切りさ
れ、ウォーム23と噛み合う。ウォーム23はアクチュ
エータ24の出力軸に直結し、アクチュエータ24は吸
収機構ケーシング14に固定される。吸収機構ケーシン
グ14にはさらにブレーキ25が備えられ、アクチュェ
ータ24の非動作時に固定子ハウジング21が吸収機構
ケーシング14に固定できる。固定子ハウジング21の
内面には固定子16が備えられ、それと対向して同心で
回転子15が雄ロータ軸の吐出側13bに固定される。
回転子15と固定子16の間にはすきまがあり、その間
隔は異物の噛み込みや熱膨張による接触を防止し、同時
に目標とするトルク変動を発生するに都合の良い大きさ
になっている。回転子15も固定子16も永久磁石でそ
れぞれ8個ずつの小片からなり、S,N交互に向きを変
えて接着剤で固定されている。永久磁石の磁性強度は後
で述べるように、圧縮機本体のトルク変動と等しいトル
ク変動を発生させる値とする。
2を介してトルク変動吸収機構11が設けられる。吸収
機構ケーシング14の円筒状内面におよそ円筒形状の固
定子ハウジング21が回転自在に備えられる。固定子ハ
ウジング21の外周にウォームホイール22が歯切りさ
れ、ウォーム23と噛み合う。ウォーム23はアクチュ
エータ24の出力軸に直結し、アクチュエータ24は吸
収機構ケーシング14に固定される。吸収機構ケーシン
グ14にはさらにブレーキ25が備えられ、アクチュェ
ータ24の非動作時に固定子ハウジング21が吸収機構
ケーシング14に固定できる。固定子ハウジング21の
内面には固定子16が備えられ、それと対向して同心で
回転子15が雄ロータ軸の吐出側13bに固定される。
回転子15と固定子16の間にはすきまがあり、その間
隔は異物の噛み込みや熱膨張による接触を防止し、同時
に目標とするトルク変動を発生するに都合の良い大きさ
になっている。回転子15も固定子16も永久磁石でそ
れぞれ8個ずつの小片からなり、S,N交互に向きを変
えて接着剤で固定されている。永久磁石の磁性強度は後
で述べるように、圧縮機本体のトルク変動と等しいトル
ク変動を発生させる値とする。
【0018】図示は省略するが、圧縮機の使用条件を感
知するためのセンサ類も備える。信選サの種類として
は、吸入,吐出圧力を測定する圧力センサやスクリュロ
ータの回転速度センサなどがある。また、センサの出力
を整理,演算,判断し、その結果を出力としてアクチュ
エータ24に駆動信号を送る制御装置も備える。
知するためのセンサ類も備える。信選サの種類として
は、吸入,吐出圧力を測定する圧力センサやスクリュロ
ータの回転速度センサなどがある。また、センサの出力
を整理,演算,判断し、その結果を出力としてアクチュ
エータ24に駆動信号を送る制御装置も備える。
【0019】次にトルク変動吸収機構の特性を図3を用
いて説明する。図3はトルク変動吸収機構の回転子位置
と発生トルクの関係を図示したものである。回転子の矢
印方向への回転によって発生トルクは正弦波状に変化す
る。回転弊の位置が(a)→(b)→(c)→(d)と
推移した時にそれぞれの位置で発生するトルクのグラフ
中での位置を線で結んだ。(d)の次は再び(a)の状
態になり順に繰り返す。(a)の位置に回転子がある
時、各永久磁石は同極同士が接近しているので互いに反
発するが、回転方向に対してはポテンシャルの高い不安
定な位置ながら中立となりトルクを発生しない。(b)
の位置では回転方向の先に異極の磁石があり引き寄せら
れ、回転の反対方向に同極の磁石があり反発するので、
その合力は回転を進ませる正のトルクとなる。(c)の
位置では異極どうしの磁石が面しており、安定で中立と
なりトルクは発生しない。(d)の位置では(b)と逆
の関係にあり、合力は回転を阻害する負のトルクとな
る。このように回転子が回転するにつれ、かかるトルク
が正負交互に繰返し正弦波状に変化する。そして、その
周期は固定子も回転子も8個ずつあることから回転子1
回転につき4周期のトルク変動がある。
いて説明する。図3はトルク変動吸収機構の回転子位置
と発生トルクの関係を図示したものである。回転子の矢
印方向への回転によって発生トルクは正弦波状に変化す
る。回転弊の位置が(a)→(b)→(c)→(d)と
推移した時にそれぞれの位置で発生するトルクのグラフ
中での位置を線で結んだ。(d)の次は再び(a)の状
態になり順に繰り返す。(a)の位置に回転子がある
時、各永久磁石は同極同士が接近しているので互いに反
発するが、回転方向に対してはポテンシャルの高い不安
定な位置ながら中立となりトルクを発生しない。(b)
の位置では回転方向の先に異極の磁石があり引き寄せら
れ、回転の反対方向に同極の磁石があり反発するので、
その合力は回転を進ませる正のトルクとなる。(c)の
位置では異極どうしの磁石が面しており、安定で中立と
なりトルクは発生しない。(d)の位置では(b)と逆
の関係にあり、合力は回転を阻害する負のトルクとな
る。このように回転子が回転するにつれ、かかるトルク
が正負交互に繰返し正弦波状に変化する。そして、その
周期は固定子も回転子も8個ずつあることから回転子1
回転につき4周期のトルク変動がある。
【0020】本実施例のスクリュ圧縮機は以下のように
動作する。
動作する。
【0021】電動機からベルトを介して回転がプーリ9
に入力される。雄スクリュロータ1が回転するとそれと
噛み合っている雌スクリュロータ2も回転する。スクリ
ュロータどうしは接触回転するのでボア5内部は連続的
に給油される。両スクリュロータの回転に従って、各々
のスクリュロータの歯溝とボア内壁とに囲まれた作動室
と呼ぶ空間が図1で向かって右から左へ移動しながら容
積を縮小する。吸入口7から作動室に入った気体は閉じ
込められて移送されながら圧縮され吐出口8から外へ出
る。作動室内部の気体圧力は圧縮に伴い次第に上昇する
が、同時に作動室の位置や形状も変わる。したがって、
気体の圧力によって発生するスクリュロータに作用する
力、ならびにその反作用としてボア面に作用する力は回
転の進行に従って、変化する。その変化は作動室の形状
が同一となる度に同様に繰り返すので、噛み合い周波数
を基本周波数に持つ加振力として働く。本実施例におい
ては雄スクリュロータの歯数が4なので噛み合い周波数
は雄スクリュロータ回転周波数の4倍となり、雄スクリ
ュロータ1回転につき4周期の振動が発生する。この加
振力はトルク変動や軸方向加振力となって、従来のスク
リュ圧縮機ではスクリュロータやケーシングを振動させ
騒音源となっていたものである。
に入力される。雄スクリュロータ1が回転するとそれと
噛み合っている雌スクリュロータ2も回転する。スクリ
ュロータどうしは接触回転するのでボア5内部は連続的
に給油される。両スクリュロータの回転に従って、各々
のスクリュロータの歯溝とボア内壁とに囲まれた作動室
と呼ぶ空間が図1で向かって右から左へ移動しながら容
積を縮小する。吸入口7から作動室に入った気体は閉じ
込められて移送されながら圧縮され吐出口8から外へ出
る。作動室内部の気体圧力は圧縮に伴い次第に上昇する
が、同時に作動室の位置や形状も変わる。したがって、
気体の圧力によって発生するスクリュロータに作用する
力、ならびにその反作用としてボア面に作用する力は回
転の進行に従って、変化する。その変化は作動室の形状
が同一となる度に同様に繰り返すので、噛み合い周波数
を基本周波数に持つ加振力として働く。本実施例におい
ては雄スクリュロータの歯数が4なので噛み合い周波数
は雄スクリュロータ回転周波数の4倍となり、雄スクリ
ュロータ1回転につき4周期の振動が発生する。この加
振力はトルク変動や軸方向加振力となって、従来のスク
リュ圧縮機ではスクリュロータやケーシングを振動させ
騒音源となっていたものである。
【0022】本実施例によるスクリュ圧縮機は、トルク
変動にトルク変動吸収機構の発生するトルク変動を加え
てトルクの変動成分を相殺する。両者は周波数が雄スク
リュロータ回転数の4倍で等しく、さらに、トルク変動
吸収機構の発生する変動トルクの振幅は圧縮に伴う変動
トルクと等しい。この結果、加振力となる力の変動は外
部に出ず、振動や騒音の発生が小さい。なお、トルク変
動は雄ロータ軸のスクリュ部と回転子15の間の軸無分
13b,固定子16の固定子ハウジング21や吸収機構
ケーシング14や吐出側ケーシング3cの内部応力やそ
れら相互間には現われるが、これらの部材は十分な強度
を持つので振動は小さく、問題になる量ではない。
変動にトルク変動吸収機構の発生するトルク変動を加え
てトルクの変動成分を相殺する。両者は周波数が雄スク
リュロータ回転数の4倍で等しく、さらに、トルク変動
吸収機構の発生する変動トルクの振幅は圧縮に伴う変動
トルクと等しい。この結果、加振力となる力の変動は外
部に出ず、振動や騒音の発生が小さい。なお、トルク変
動は雄ロータ軸のスクリュ部と回転子15の間の軸無分
13b,固定子16の固定子ハウジング21や吸収機構
ケーシング14や吐出側ケーシング3cの内部応力やそ
れら相互間には現われるが、これらの部材は十分な強度
を持つので振動は小さく、問題になる量ではない。
【0023】スクリュ圧縮機の使用条件によっては、吸
入圧力や吐出圧力が変わり、それに伴い、ボア5やスク
リュロータ1,2に作用する圧力分布も変化する。その
結果、スクリュロータの入力軸に発生するトルク変動の
位相や振幅も変化する。したがって、ある使用条件で有
効に使用するトルク変動吸収機構であっても、圧縮機の
使用条件が変化してしまうと、トルク変動の相殺が機能
しなくなるばかりか、かえって増大させてしまう懸念も
ある。
入圧力や吐出圧力が変わり、それに伴い、ボア5やスク
リュロータ1,2に作用する圧力分布も変化する。その
結果、スクリュロータの入力軸に発生するトルク変動の
位相や振幅も変化する。したがって、ある使用条件で有
効に使用するトルク変動吸収機構であっても、圧縮機の
使用条件が変化してしまうと、トルク変動の相殺が機能
しなくなるばかりか、かえって増大させてしまう懸念も
ある。
【0024】本実施例は、発生する振幅の位相が圧縮機
の使用条件の変化で動く場合についての追従が次に述べ
る作用によって可能である。通常はブレーキ25によっ
て固定子ハウジング21は吸収機構ケーシング14に固
定される。圧縮機の使用条件に変化があり、発生するト
ルク変動の位相がずれる時にはブレーキ25が開放さ
れ、アクチュエータ24が作動し、ウォーム23とウォ
ームホイール22の噛み合いを介して、固定子ハウジン
グ21が回転される。所定の角度だけ回転すると、回転
を停止し、再びブレーキ25によって固定する。回転す
べき所定の角度は圧縮機の使用条件(例えば、吸入圧
力,吐出圧力,スクリュロータの回転速度)をセンサで
感知し、そのデータから制御装置に予め記憶されている
トルク変動の相殺に最適の固定角度が出力される。
の使用条件の変化で動く場合についての追従が次に述べ
る作用によって可能である。通常はブレーキ25によっ
て固定子ハウジング21は吸収機構ケーシング14に固
定される。圧縮機の使用条件に変化があり、発生するト
ルク変動の位相がずれる時にはブレーキ25が開放さ
れ、アクチュエータ24が作動し、ウォーム23とウォ
ームホイール22の噛み合いを介して、固定子ハウジン
グ21が回転される。所定の角度だけ回転すると、回転
を停止し、再びブレーキ25によって固定する。回転す
べき所定の角度は圧縮機の使用条件(例えば、吸入圧
力,吐出圧力,スクリュロータの回転速度)をセンサで
感知し、そのデータから制御装置に予め記憶されている
トルク変動の相殺に最適の固定角度が出力される。
【0025】本実施例によれば、スクリュ圧縮機本体の
吐出側端部にトルク変動吸収機構を付加するだけでよ
く、従来のスクリュ圧縮機の設計を大きく変更せずに振
動騒音の低減が可能である。よって、使用中のスクリュ
圧縮機を短時間で改良し振動低減を図る場合や、トルク
変動吸収機構をオプションとしてユーザの希望に応じ
て、搭載,非搭載が決定される場合に、対応が容易であ
る。
吐出側端部にトルク変動吸収機構を付加するだけでよ
く、従来のスクリュ圧縮機の設計を大きく変更せずに振
動騒音の低減が可能である。よって、使用中のスクリュ
圧縮機を短時間で改良し振動低減を図る場合や、トルク
変動吸収機構をオプションとしてユーザの希望に応じ
て、搭載,非搭載が決定される場合に、対応が容易であ
る。
【0026】また、固定子ハウジングの駆動が専用のア
クチュエータによるため、動きが確実で信頼性の高いシ
ステムとすることができる。
クチュエータによるため、動きが確実で信頼性の高いシ
ステムとすることができる。
【0027】本実施例において、回転伝達機構にウォー
ムギアを用いたが、他のリング機構や直接駆動方式を採
用しても機能に変化は無い。ブレーキについても粘性の
高いダンパを用いても同様の効果を期待できる。その動
きは振動といえる高い周波数に対しては反力を与え、位
相変化への追従のゆっくりした動きに対しては自由であ
るためで、固定や解除の動作が必要なブレーキが不用と
なり構造が単純化できる。
ムギアを用いたが、他のリング機構や直接駆動方式を採
用しても機能に変化は無い。ブレーキについても粘性の
高いダンパを用いても同様の効果を期待できる。その動
きは振動といえる高い周波数に対しては反力を与え、位
相変化への追従のゆっくりした動きに対しては自由であ
るためで、固定や解除の動作が必要なブレーキが不用と
なり構造が単純化できる。
【0028】圧縮機の吐出ポートに吐出タイミングを可
変とするためのスライドバルブが備えられている機種の
場合には、固定子ハウジングを回転する専用のアクチュ
エータを持たずとも、スライドバルブ駆動用のピストン
の動きを流用し、固定子ハウジングを回転することも可
能である。
変とするためのスライドバルブが備えられている機種の
場合には、固定子ハウジングを回転する専用のアクチュ
エータを持たずとも、スライドバルブ駆動用のピストン
の動きを流用し、固定子ハウジングを回転することも可
能である。
【0029】本実施例では圧縮機の使用条件をセンサ類
で感知し、制御装置にてあらかじめ求めておいた所定の
固定子ハウジング角度を指令しているが、次の手段を用
いてもよい。圧縮機のケーシングあるいはその関連部材
に振動センサを備えておき、制御装置で常に振動を監視
する。振動がある定められた値を超えた場合には固定子
ハウジングの固定角度を若干動かして、より振動の小さ
くなる角度を探索する。以上の動作を繰り返すことによ
り、トルク変動の位相の変化に追従が可能である。ま
た、経年変化や使用環境の違いで、製造時のトルク変動
の性質に差異が生じたとしても、対応が可能である。
で感知し、制御装置にてあらかじめ求めておいた所定の
固定子ハウジング角度を指令しているが、次の手段を用
いてもよい。圧縮機のケーシングあるいはその関連部材
に振動センサを備えておき、制御装置で常に振動を監視
する。振動がある定められた値を超えた場合には固定子
ハウジングの固定角度を若干動かして、より振動の小さ
くなる角度を探索する。以上の動作を繰り返すことによ
り、トルク変動の位相の変化に追従が可能である。ま
た、経年変化や使用環境の違いで、製造時のトルク変動
の性質に差異が生じたとしても、対応が可能である。
【0030】以下、図4ならびに図5を用いて、本発明
の第2の実施例を説明する。なお、本実施例において第
1の実施例と共通する項目については説明を省略する。
図4は第2の実施例によるスクリュ圧縮機本体の側面断
面図である。図5は部材の一部が動作した状態を示す部
分断面図である。
の第2の実施例を説明する。なお、本実施例において第
1の実施例と共通する項目については説明を省略する。
図4は第2の実施例によるスクリュ圧縮機本体の側面断
面図である。図5は部材の一部が動作した状態を示す部
分断面図である。
【0031】永久磁石の固定子16が接着された固定子
ハウジング31は吸収機構ケーシング33に回転方向に
は拘束され、軸方向には移動できる。固定子ハウジング
31はアクチュエータ32の出力軸に直結する。アクチ
ュエータ32はソレノイドあるいは電動機にねじ機構を
負荷したものなど直線運動の駆動源であり、制御装置
(図示せず)の指令で動作する。
ハウジング31は吸収機構ケーシング33に回転方向に
は拘束され、軸方向には移動できる。固定子ハウジング
31はアクチュエータ32の出力軸に直結する。アクチ
ュエータ32はソレノイドあるいは電動機にねじ機構を
負荷したものなど直線運動の駆動源であり、制御装置
(図示せず)の指令で動作する。
【0032】圧縮機の性質によっては、使用条件により
トルク変動がほとんど発生しなくなることもある。その
場合には、制御装置の判断でアクチュエータ32が固定
子ハウジング31を引き寄せ、図5に示す状態となる。
固定子15と固定子16の空隙が大きくなり、磁力が弱
くなるため、トルク変動はほとんど発生しなくなる。
トルク変動がほとんど発生しなくなることもある。その
場合には、制御装置の判断でアクチュエータ32が固定
子ハウジング31を引き寄せ、図5に示す状態となる。
固定子15と固定子16の空隙が大きくなり、磁力が弱
くなるため、トルク変動はほとんど発生しなくなる。
【0033】以上の作用により、発生するトルク変動が
小さくなりトルク変動吸収機構の相殺用トルク変動がか
えって害となる場合には、相殺用トルク変動を無くし、
低振動状態を持続できる。
小さくなりトルク変動吸収機構の相殺用トルク変動がか
えって害となる場合には、相殺用トルク変動を無くし、
低振動状態を持続できる。
【0034】本実施例において磁力を減らすために固定
子を軸方向に遠ざけたが、固定子を2分割構造にし、一
方を半ピッチだけ回転させて固定し内部で磁力を相殺す
る手段を用いても同様の効果がある。また、固定子の軸
方向移動量を加振することにより、軸方向の加振力を発
生させ、ガス圧変動によってスクリュロータにかかる軸
方向加振力と相殺させることも可能である。
子を軸方向に遠ざけたが、固定子を2分割構造にし、一
方を半ピッチだけ回転させて固定し内部で磁力を相殺す
る手段を用いても同様の効果がある。また、固定子の軸
方向移動量を加振することにより、軸方向の加振力を発
生させ、ガス圧変動によってスクリュロータにかかる軸
方向加振力と相殺させることも可能である。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、簡単な構造で内部圧力
分布の変化で発生するトルク変動による加振力を相殺し
振動や騒音の少ないスクリュ圧縮機を実現することがで
きる。さらに、圧縮機の使用条件によって発生するトル
ク変動の位相や大きさが変化したとしても、トルク変動
の相殺を維持することが可能で、使用条件が変化しても
振動や騒音の少ないスクリュ圧縦機を実現することがで
きる。
分布の変化で発生するトルク変動による加振力を相殺し
振動や騒音の少ないスクリュ圧縮機を実現することがで
きる。さらに、圧縮機の使用条件によって発生するトル
ク変動の位相や大きさが変化したとしても、トルク変動
の相殺を維持することが可能で、使用条件が変化しても
振動や騒音の少ないスクリュ圧縦機を実現することがで
きる。
【図1】本発明の第1の実施例の断面図。
【図2】図1のスリュ圧縦機に付与されるトルク変動吸
収機構の断面図。
収機構の断面図。
【図3】トルク変動吸収機構のトルク特性図。
【図4】本発明の第2の実施例の断面図。
【図5】本発明の第2の実施例の動作例の説明図。
1…雄スクリュロータ、2…雌スクリュロータ、3…ケ
ーシング、3a…メインケーシング、3b…吸込側ケー
シング、3c…吐出側ケーシング、4a,4b,4c,
4d…軸受、5…ボア、7…吸込口、8…吐出口、9…
プーリ、11…トルク変動吸収機構、12…エンドプレ
ート、13a…雄ロータ軸の吸入側、13b…雄ロータ
軸の吐出側、14…吸収機構ケーシング、15…回転
子、16…固定子、21…固定子ハウジング、23…ウ
ォーム、24…アクチュエータ。
ーシング、3a…メインケーシング、3b…吸込側ケー
シング、3c…吐出側ケーシング、4a,4b,4c,
4d…軸受、5…ボア、7…吸込口、8…吐出口、9…
プーリ、11…トルク変動吸収機構、12…エンドプレ
ート、13a…雄ロータ軸の吸入側、13b…雄ロータ
軸の吐出側、14…吸収機構ケーシング、15…回転
子、16…固定子、21…固定子ハウジング、23…ウ
ォーム、24…アクチュエータ。
Claims (1)
- 【請求項1】互いに軸平行でかつねじり方向が逆をなす
スクリュ歯を噛み合わせてなり同期回転する雄雌二つの
スクリュロータと、前記二つのスクリュロータを微小す
き間を介して収容するボアを有し、前記ボアの一方の端
面に吸入口が、他方の端面に吐出口が形成されたケーシ
ングを備えたスクリュ圧縮機において、 永久磁石を備えた回転子と固定子からなり、前記永久磁
石相互の吸引力と反発力によって正負を交互に繰り返す
トルク変動を回転角度に対し周期的に繰り返す機能を有
するトルク変動機構を持ち、周期は前記二つのスクリュ
ロータ相互間の噛み合い周期に一致し、前記トルク変動
機構は雄雌の内の少なくとも一方のスクリュロータと同
軸上に備え、スクリュロータ軸に前記回転子を固定し、
前記ケーシングに前記固定子を備え、 前記固定子はスクリュロータ回転軸を回転中心とする固
定角度,軸方向の固定位置もしくは磁力強度のうちの少
なくとも一つを可変とする手段を設けたことを特徴とす
るスクリュ圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3335194A JPH07243388A (ja) | 1994-03-03 | 1994-03-03 | スクリュー圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3335194A JPH07243388A (ja) | 1994-03-03 | 1994-03-03 | スクリュー圧縮機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07243388A true JPH07243388A (ja) | 1995-09-19 |
Family
ID=12384165
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3335194A Pending JPH07243388A (ja) | 1994-03-03 | 1994-03-03 | スクリュー圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07243388A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009522082A (ja) * | 2005-12-30 | 2009-06-11 | アルファ ラバル タンク イクイップメント エイ/エス | タンク用クリーニングヘッドの駆動システム |
CN102536821A (zh) * | 2012-02-29 | 2012-07-04 | 大连亿斯德制冷设备有限公司 | 氨用半封闭螺杆制冷压缩机 |
WO2021051697A1 (zh) * | 2019-09-18 | 2021-03-25 | 珠海格力电器股份有限公司 | 螺杆压缩机及空调机组 |
CN114962345A (zh) * | 2022-06-20 | 2022-08-30 | 浙江大学 | 变频冲程扰震降噪型螺杆制冷压缩机 |
-
1994
- 1994-03-03 JP JP3335194A patent/JPH07243388A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009522082A (ja) * | 2005-12-30 | 2009-06-11 | アルファ ラバル タンク イクイップメント エイ/エス | タンク用クリーニングヘッドの駆動システム |
JP4734423B2 (ja) * | 2005-12-30 | 2011-07-27 | アルファ ラバル タンク イクイップメント エイ/エス | タンク用クリーニングヘッドの駆動システム |
US9023157B2 (en) | 2005-12-30 | 2015-05-05 | Alfa Laval Tank Equipment A/S | Drive system for a cleaning head disposed in a tank |
CN102536821A (zh) * | 2012-02-29 | 2012-07-04 | 大连亿斯德制冷设备有限公司 | 氨用半封闭螺杆制冷压缩机 |
WO2021051697A1 (zh) * | 2019-09-18 | 2021-03-25 | 珠海格力电器股份有限公司 | 螺杆压缩机及空调机组 |
CN114962345A (zh) * | 2022-06-20 | 2022-08-30 | 浙江大学 | 变频冲程扰震降噪型螺杆制冷压缩机 |
CN114962345B (zh) * | 2022-06-20 | 2023-08-04 | 浙江大学 | 变频冲程扰震降噪型螺杆制冷压缩机 |
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