JP3869336B2 - 軸方向駆動の振動体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、着信を無音で携帯者に感知させる携帯機器等に用いられる振動体の構成に関するものである。
【従来の技術】
従来から公共の場所、病院、電車・バス等の乗り物では、携帯機器の使用は制限されている場合が多い。特に、携帯機器の使用が許されている場合でも、所謂マナーモード(無音・体感振動)で着信を携帯者に感知させる方法が行われている。携帯機器には、最近の日進月歩の技術革新を反映して種々の商品が普及してきており、例えば携帯電話、PDA、ウエアラブル(身につける)コンピューティング機器等がある。これらには、無音で体感振動を感知させる振動モータやそれに近い機能を有するマルチファンクションデバイス(スピーカと振動体機能を併せ持つ)等が用いられている。以下では、従来の振動モータの代表例と思われるものについて説明する。
【0002】
従来例としては、公開実用平成3−83681号(以下では文献Aと称す)、特開平7−107699号(文献B)、特公平8−10972号(文献C)を挙げて説明する。文献Aは、ブラシとコンミテータを有する軸長型の直流モータを用いたものであり、振動モータの回転軸に装着する断面が扇型形状の偏心錘に関するものである。偏心錘として高比重ではあるものの加工が困難なタングステンのバルク材を用いずに、タングステンや鉛を含む金属の粉末焼結合金によって形成して回転軸への偏心錘の嵌着を容易にして振動出力を大きくしようとするものである。
【0003】
文献Bは、図8に概要を示すようにブラシとコンミュテータを有する軸長型の直流モータを用いた振動モータであり、偏心錘の構成と回転軸への固定方法の開示に関するものである。図8において、直流モータ331の軸受333に支持された回転軸336には回転軸336の外径より小さい溝335が設けられ、高比重材で形成されたタングステン等の粉末焼結合金からなる偏心錘334をカシメ部340で回転軸336の溝335にカシメる。そのため、偏心錘334の軸方向の両端部が盛りあがらずに偏心錘334は確実に回転軸336に固定されるので小型にも拘わらず出力を大きくすることができるとしている。また、多孔質な偏心錘334にはオイルが含浸されておりメッキによる表面処理なしで防錆効果があると記載されている。
【0004】
文献Cは、ブラシとコンミュテータを有する偏平型の直流モータに関するもので、少なくとも3個の開き角が60〜80°のコイルを重複しないように扇形に配設して回転子の構成で偏心錘を形成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
文献A、B、Cは直流モータの回転を前提としたものであり長軸型、扁平型の相違はあるものの、以下のような難点があった。(1)ブラシとコンミュテータを用いるのでコストもかかりまた整流の際のマイクロアークによる損傷で寿命と品質の維持に問題がある。(2)7000〜10000rpmまでの立ち上がりに時間がかかり音楽に合わせた振動を発生させる機器には向いていない。
そして、最近のように振動モータを搭載する携帯機器にはスペース効率を向上させて小型化、薄型化を図ると同時に振動特性の向上、即ち低消費電力で振動力の増大が振動モータに求められている。このような要求に応える一つとして本願と同一の出願人による特願2001−341285号(以下文献D)及び特願2002-20793号(以下文献E)に記載された技術内容が提案されている。以下では、図面に基づいて説明する。
【0006】
文献Dの概要を示す図5、図6において振動体200は、合成樹脂からなる円筒状のフレーム211と駆動コイル212と駆動子220とで構成される。フレーム211の軸方向の一側端には、金属材料例えば熱伝道性のよいアルミニュウムを陽極処理して表面を電気絶縁処理した円筒状のコイルボビン213にマグネットワイヤを巻回して形成され、端子235,236を有する駆動コイル212を片持ち状に固定する。駆動子220は、磁性材料からなるカップ状ヨーク221の中心部には磁性材料からなる円柱状のポールピース223を先端部に配設し、軸方向に単磁極に着磁された円柱状の永久磁石222を片持ち状に固定し、カップ状ヨーク221の内外周底面には質量の大きい例えばタングステン粉末を樹脂成型して形成された錘230が接着剤等で固着される。駆動子220が軸方向にスムーズに駆動できるようにフレーム211の内周面には軸方向に複数列(実施例では3列)のガイド凸部(214a、214b,214c)、(215a、215b、215c)が配設されている。また、駆動コイル212と駆動子220は、軸方向に平行な円周状の空隙226,227を介して磁気的に係合する。即ち、円柱状永久磁石222が発生する磁束は先端部にあるポールピース223で直径方向に広がり、空隙226,227を介して駆動コイル212と鎖交してカップ状ヨーク221の外周部と底部を経て閉磁路を形成する。更に、駆動子220はフレーム211の両側端に設けたコイルばね224,225によって支持される。駆動子220の1次共振周波数は駆動子220の質量とコイルばね224,225のスティッフネスで決まり、携帯者への体感性がよいとされる100〜160Hzに設定される。駆動子220は、一対のコイルばね224,225によって平衡点で通常は停止している。
【0007】
しかしながら、文献Dでは駆動力の増大と軸方向の振動を円滑にする作用に特徴があるものの、フレーム211の内周と駆動子220の外周とが摺動する際に固体摩擦が生じてしまい、摩擦損失を低減するためいま一つ特性の向上が望まれていた。
【0008】
またもう一つの具体例である文献Eの概要を示す図7は、以下のような構成である。図7において、符号を共用して説明すれば、本発明の振動体250は、合成樹脂又は金属からなる円筒状のフレーム211と駆動コイル212と駆動子260とで構成される。フレーム211の軸方向の一側端には、形成されたフレーム軸受211aと同軸状に、金属材料例えば熱伝道性のよいアルミニュウムを陽極処理して表面を電気絶縁処理した円筒状のコイルボビン213にマグネットワイヤを巻回して形成された、端子235,236を有する駆動コイル212を片持ち状に固定する。駆動子260は、磁性材料からなるカップ状ヨーク221の中心部には軸方向に磁性材料からなる円柱状のポールピース223を単磁極に着磁された円柱状の永久磁石222と同軸状に配設して片持ち状に固定し、カップ状ヨーク軸221aを有するカップ状ヨーク221の内外周底面には質量の大きい例えばタングステン粉末を樹脂成型して形成された錘230が接着剤等で固着される。フレーム211の他端部には、フレーム軸受211aと同軸上になるブラケット軸受232aを有するブラケット232が配設されている。
【0009】
そして、フレーム211の一端とブラケット232の間には駆動子260のカップ状ヨーク軸221aが軸方向にフレーム軸受211a,ブラケット軸受232aの摺動面をスムーズに駆動できるようにコイルばね224,225で保持されている。この場合、駆動子260の振動振幅の大きさがフレーム軸受211aとブラケット軸受232aの摺動面内に収まるように構成される。円柱状の永久磁石による磁束は、空隙を介してポールピース223、カップ状ヨーク221を経由して駆動コイル212と係合する。固体摩擦はポールピース軸223aとカップ状ヨーク軸221aとフレーム軸受211aとブラケット軸受232aとで生じるので引用文献Dと比べて減少することがわかる。しかしながら、円柱状磁石222を介してポールピース軸223aとカップ状ヨーク軸221aを同軸に形成することは容易ではなく固体摩擦の影響の度合いが変動するという嫌いがあった。
本発明の目的は、前述の欠点を除去して、固体摩擦を低減できて効率が改善され、簡単な構成で多様化する携帯機器に最適な軸方向の振動体を提案するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
課題を解決するためになされた本発明の請求項1の軸方向駆動の振動体は、円筒状フレームの一側端に固定された円筒状の駆動コイルと、該駆動コイルと空隙を介して係合する磁性材料からなるカップ状ヨークと円柱状のポールピースと円柱状の永久磁石または円環状のポールピースと円筒状永久磁石とで形成され、錘を前記カップ状ヨークの外周底面に搭載された駆動子とで構成され、該駆動子をフレームの両側端に設けた一対のコイルばねによって前記駆動子が軸方向に振動するように配設した軸方向駆動の振動体において、前記駆動子は、先端部に円環状のヨークを有して軸方向に単磁極に着磁された円筒状磁石の後端部に磁性材料からなる円柱状のヨークを同軸に固定して磁気回路を構成し片持ち状に中心軸に保持し、前記駆動子の中心軸が機械的に摺動するように前記フレームの両側端部の軸受で支持されたことを特徴とする。
【0011】
また、課題を解決するためになされた本願発明の請求項2の前記軸方向駆動の振動体は、円筒状フレームの一側端に固定された円筒状の駆動コイルと、該駆動コイルと空隙を介して係合する磁性材料からなるカップ状ヨークと円柱状のポールピースと円柱状の永久磁石または円環状のポールピースと円筒状永久磁石とで形成され、錘を前記カップ状ヨークの外周底面に搭載された駆動子とで構成され、該駆動子をフレームの両側端に設けた一対のコイルばねによって前記駆動子が軸方向に振動するように配設した軸方向駆動の振動体において、前記駆動子は、磁性材料からなるカップ状ヨークと該カップ状ヨークの中心部に軸方向に着磁された一対の円柱状の永久磁石と磁性材料からなる円柱状のポールピースを同軸に挟持固定して、前記カップ状ヨークの内周面と前記駆動コイルの外周面との空隙に摺動部材を配設したことを特徴とする。
【0012】
更に、課題を解決するためになされた本願発明の請求項3の前記軸方向駆動の振動体は、前記駆動子は、磁性材料からなるカップ状ヨークの中心部に軸方向に着磁された一対の円柱状の永久磁石と磁性材料からなる円柱状のポールピースを同軸に挟持固定して片持ち状に中心軸に保持し、前記駆動子の中心軸が機械的に摺動するように前記フレームの一側端部の軸受で支持されたことを特徴とする。
【0013】
また、課題を解決するためになされた本願発明の請求項4の前記軸方向駆動の振動体は、円筒状フレームの一側端に固定された円筒状の駆動コイルと、該駆動コイルと空隙を介して係合する磁性材料からなるカップ状ヨークと円柱状のポールピースと円柱状の永久磁石または円環状のポールピースと円筒状永久磁石とで形成され、錘を前記カップ状ヨークの外周底面に搭載された駆動子とで構成され、該駆動子をフレームの両側端に設けた一対のコイルばねによって前記駆動子が軸方向に振動するように配設した軸方向駆動の振動体において、前記駆動子は、磁性材料からなるカップ状ヨークの中心部に軸方向に着磁された一対の円柱状の永久磁石と磁性材料からなる円柱状のポールピースを同軸に挟持固定して片持ち状に中心軸に保持し、前記カップ状ヨークの内周面と前記駆動コイルの外周面との空隙に摺動部材を配設して、前記駆動子の中心軸が機械的に摺動するように前記フレーム一側端の軸受で支持されたことを特徴とする。
【0016】
課題を解決するためになされた本発明の請求項5の振動体は、前記円柱状の永久磁石の前部に磁性材料からなる円柱状のポールピースを形成したことを特徴とする。
【0017】
課題を解決するためになされた本発明の請求項6の振動体は、円筒状の絶縁処理した金属材料の上に巻回したことを特徴とする。
【0018】
課題を解決するためになされた本発明の請求項7の振動体は、ブリッジ回路で駆動することを特徴とする。
【0019】
課題を解決するためになされた本発明の請求項8の振動体は、正弦波または方形波の入力で駆動されることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の軸方向駆動の振動体の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の軸方向駆動の振動体(以下では振動体と略称)の構成半断面図である。図2は本発明の軸方向駆動の振動体の他の実施例の構成半断面図である。図3は本発明の軸方向駆動の振動体の他の実施例の構成半断面図である。図4は本発明の軸方向駆動の振動体の他の実施例の構成半断面図である。
【0021】
図1において、本発明の振動体100は、合成樹脂又は金属からなる円筒状のフレーム111と駆動コイル112と駆動子120とで構成される。フレーム111の軸方向の一側端には、形成されたフレーム軸受111aと同軸状に、金属材料例えば熱伝道性のよいアルミニュウムを陽極処理して表面を電気絶縁処理した円筒状のコイルボビン113にマグネットワイヤを巻回して形成された、駆動コイル112を片持ち状に固定する。駆動子120は、磁性材料からなるカップ状ヨーク121の中心部には軸方向に磁性材料からなる円柱状のポールピース123を単磁極に着磁された一対の円柱状の永久磁石122aと円柱状の補強磁石122bとで挟持して片持ち状に固定し、カップ状ヨーク121の内外周底面には質量の大きい例えばタングステン粉末を樹脂成型して形成された錘128が接着剤等で固着される。そしてフレーム111のフレーム軸受111aに対して駆動子120のカップ状ヨーク軸121aが片持ち状に支持されて軸方向に摺動面をスムーズに駆動できるようにコイルばね124,125で保持されている。この場合、駆動子120の振動振幅の大きさがフレーム軸受111aの摺動面内に収まるように構成される。円柱状の永久磁石122a、補強磁石122bによる磁束は、空隙130,131を介してポールピース123、カップ状ヨーク121を経由して駆動コイル112と係合する。固体摩擦はフレーム軸受111aとカップ状ヨーク軸121aとで生じるので引用文献Dと比べて減少し、また文献Eと比べて簡単な構成で効果的である。
【0022】
本発明の他の実施例である図2において、図1と符号を共通にして説明すれば本発明の振動体150は、合成樹脂又は金属からなる円筒状のフレーム111と駆動コイル112と駆動子155とで構成される。フレーム111の軸方向の一側端には、形成された、金属材料例えば熱伝道性のよいアルミニュウムを陽極処理して表面を電気絶縁処理した円筒状のコイルボビン113にマグネットワイヤを巻回して形成された、駆動コイル112を片持ち状に固定する。駆動子155は、磁性材料からなるカップ状ヨーク121の中心部には軸方向に磁性材料からなる円柱状のポールピース123を単磁極に着磁された円柱状の永久磁石122aと122bとで同軸状に挟持固定し、カップ状ヨーク121の内外周底面には質量の大きい例えばタングステン粉末を樹脂成型して形成された錘128が接着剤等で固着される。そして駆動子155は軸方向に駆動できるようにコイルばね124,125で保持されている。円柱状の永久磁石122a、補強磁石122bによる磁束は、空隙130,131を介してポールピース123、カップ状ヨーク121を経由して駆動コイル112と係合する。固体摩擦を低減するために駆動コイル112の外周面とカップ状ヨーク121の内周面には潤滑性または摺動性のよい部材151例えば潤滑材を含有した樹脂、チタン酸カルシューム入りの樹脂、テフロン(登録商標)樹脂、フッソ樹脂等を塗布、コーティングする。駆動子155のカップ状軸121aが摺動するので引用文献Dと比べて固体摩擦は減少することがわかる。
【0023】
図3において、本発明の振動体170は、図1と符号を共通して説明すれば、合成樹脂又は金属からなる円筒状のフレーム111と駆動コイル112と駆動子175とで構成される。フレーム111の軸方向の一側端には、形成されたフレーム軸受111aと同軸状に、金属材料例えば熱伝道性のよいアルミニュウムを陽極処理して表面を電気絶縁処理した円筒状のコイルボビン113にマグネットワイヤを巻回して形成された、駆動コイル112を片持ち状に固定する。駆動子175は、磁性材料からなるカップ状ヨーク121の中心部には軸方向に磁性材料からなる円柱状のポールピース123を単磁極に着磁された一対の円柱状の永久磁石122aと円柱状の補強磁石122bとで挟持して片持ち状に固定し、カップ状ヨーク121の内外周底面には質量の大きい例えばタングステン粉末を樹脂成型して形成された錘128が接着剤等で固着される。そしてフレーム111のフレーム軸受111aに対して駆動子175のカップ状ヨーク軸121aが片持ち状に支持されて軸方向に摺動面をスムーズに駆動できるようにコイルばね124,125で保持されている。この場合、駆動子175の振動振幅の大きさがフレーム軸受111aの摺動面内に収まるように構成される。円柱状の永久磁石122a、補強磁石122bによる磁束は、空隙130,131を介してポールピース123、カップ状ヨーク121を経由して駆動コイル112と係合する。固体摩擦はフレーム軸受111aとカップ状ヨーク軸121aと、駆動コイル112の外周面とカップ状ヨーク121の内周面とで生じるが軸方向振動の安定性がよく全体で引用文献D,Eと比べて減少する。
【0024】
図4において、本発明の振動体190は、図1と符号を共通して説明すれば、合成樹脂又は金属からなる円筒状のフレーム111と駆動コイル112と駆動子195とで構成される。フレーム111の軸方向の一側端には、形成されたブラケット軸受181aとフレーム軸受111aと同心状に、金属材料例えば熱伝道性のよいアルミニュウムを陽極処理して表面を電気絶縁処理した円筒状のコイルボビン113にマグネットワイヤを巻回して形成された、駆動コイル112を片持ち状に固定する。駆動子195は、磁性材料からなる円柱状のヨーク軸182に、先端部に円環状のポールピース184を配設した中空円筒状の軸方向に単磁極に着磁された永久磁石185はメインヨーク186を介して片持ち状に固定して形成する。メインヨーク186の外周底面には質量の大きい例えばタングステン粉末を樹脂成型して形成された錘128が接着剤等で固着される。そしてヨーク軸182が軸方向にブラケット軸受181aとフレーム軸受111aの摺動面をスムーズに駆動できるようにコイルばね124,125で保持されている。この場合、駆動子195の振動振幅の大きさがブラッケット軸受181aとフレーム軸受111aの摺動面内に収まるように構成される。中空円筒状の永久磁石185による磁束は、空隙130,131を介してポールピース184、メインヨーク186を経由して駆動コイル112と係合する。固体摩擦は、ヨーク軸182とブラケット軸受181a及びフレーム軸受111aとで生じるが駆動を安定させることができてしかも引用文献D、Eと比べて減少する。
【0025】
今までの本発明の振動体の説明では、フレーム111、駆動コイル112、駆動子120,155、175、195等の軸方向の断面形状を製造が容易な円筒状としているが、これに限定される必要はなく、楕円形状、方形状等携帯機器への取り付け配置等を考慮して軸方向への駆動子120、155、175、195の運動を妨げないのであれば任意の形状でよい。
【0026】
駆動子120,155,175,195の駆動は、駆動コイル112の端子間に駆動子120、155、175、195の1次共振周波数とほぼ同一の基本周波数を有する正弦波または方形波等の交流信号でブリッジ回路等によって付勢されて駆動される。無論、正弦波または方形波によるユニポーラ駆動でも駆動することができる。
【0027】
駆動子120,155,175,195にはコイルばね124,125が一対用いられているが、コイルばねは1個でもよい。この場合は、駆動子120,155,175,195は1方向に押し付けられるように設定され、駆動はコイルばねの静的な力に打ち勝つように駆動される。この方法によれば、携帯機器の振動、衝撃等によって駆動子120、155,175,195が1方向に保持されているので振動体が搬送時の衝撃等から保護される。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、簡単な構成で個体摩擦が少なく振動発生効率のよいコスト/パフォーマンスが優れた、無音で体感特性の優れた携帯機器用の振動体が容易に実現できる。
【0029】
また、本発明によれば、直流モータを用いないので直流モータ特有のブラシ・コンミテータ間の長寿命化や品質維持を課題としなくてよいので製造管理が容易である。
【0030】
また、本発明によれば、駆動子の共振を用いるので運動変換効率がよく小型で高性能な振動体を実現することができる。
【0031】
また、本発明によれば、通常の振動モータのように立ち上がりに時間がかかることが少なく、音楽に合わせてリズムを奏することも可能であり、携帯機器の機能を豊富にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の振動体の構成半断面図である。
【図2】本発明の駆動体の他の半断面図である。
【図3】本発明の駆動体の他の半断面図である。
【図4】本発明の駆動体の他の半断面図である。
【図5】特願2001−341285号の概念図である。
【図6】特願2001−341285号の概念図である。
【図7】特願2002−020793号の概念図である。
【図8】従来例の振動モータである。
【符号の説明】
100、150,170,190 振動体
111 フレーム
111a フレーム軸受
112 駆動コイル
113 コイルボビン
120,155,175,195 駆動子
121 カップ状ヨーク
121a カップ状ヨーク軸
122a 円柱状永久磁石
122b 補強磁石
123,184 ポールピース
124,125 コイルばね
128 錘
130、131 空隙
181a ブラケット軸受
182 ヨーク軸
185 円筒状永久磁石
186 メインヨーク
Claims (8)
- 円筒状フレームの一側端に固定された円筒状の駆動コイルと、該駆動コイルと空隙を介して係合する磁性材料からなるカップ状ヨークと円柱状のポールピースと円柱状の永久磁石または円環状のポールピースと円筒状永久磁石とで形成され、錘を前記カップ状ヨークの外周底面に搭載された駆動子とで構成され、該駆動子をフレームの両側端に設けた一対のコイルばねによって前記駆動子が軸方向に振動するように配設した軸方向駆動の振動体において、前記駆動子は、先端部に円環状のヨークを有して軸方向に単磁極に着磁された円筒状磁石の後端部に磁性材料からなる円柱状のヨークを同軸に固定して磁気回路を構成し片持ち状に中心軸に保持し、前記駆動子の中心軸が機械的に摺動するように前記フレームの両側端部の軸受で支持されたことを特徴とする軸方向駆動の振動体。
- 円筒状フレームの一側端に固定された円筒状の駆動コイルと、該駆動コイルと空隙を介して係合する磁性材料からなるカップ状ヨークと円柱状のポールピースと円柱状の永久磁石または円環状のポールピースと円筒状永久磁石とで形成され、錘を前記カップ状ヨークの外周底面に搭載された駆動子とで構成され、該駆動子をフレームの両側端に設けた一対のコイルばねによって前記駆動子が軸方向に振動するように配設した軸方向駆動の振動体において、前記駆動子は、磁性材料からなるカップ状ヨークと該カップ状ヨークの中心部に軸方向に着磁された一対の円柱状の永久磁石と磁性材料からなる円柱状のポールピースを同軸に挟持固定して、前記カップ状ヨークの内周面と前記駆動コイルの外周面との空隙に摺動部材を配設したことを特徴とする軸方向駆動の振動体。
- 前記駆動子は、磁性材料からなるカップ状ヨークの中心部に軸方向に着磁された一対の円柱状の永久磁石と磁性材料からなる円柱状のポールピースを同軸に挟持固定して片持ち状に中心軸に保持し、前記駆動子の中心軸が機械的に摺動するように前記フレームの一側端部の軸受で支持されたことを特徴とする請求項2に記載の軸方向駆動の振動体。
- 円筒状フレームの一側端に固定された円筒状の駆動コイルと、該駆動コイルと空隙を介して係合する磁性材料からなるカップ状ヨークと円柱状のポールピースと円柱状の永久磁石または円環状のポールピースと円筒状永久磁石とで形成され、錘を前記カップ状ヨークの外周底面に搭載された駆動子とで構成され、該駆動子をフレームの両側端に設けた一対のコイルばねによって前記駆動子が軸方向に振動するように配設した軸方向駆動の振動体において、前記駆動子は、磁性材料からなるカップ状ヨークの中心部に軸方向に着磁された一対の円柱状の永久磁石と磁性材料からなる円柱状のポールピースを同軸に挟持固定して片持ち状に中心軸に保持し、前記カップ状ヨークの内周面と前記駆動コイルの外周面との空隙に摺動部材を配設して、前記駆動子の中心軸が機械的に摺動するように前記フレーム一側端の軸受で支持されたことを特徴とする軸方向駆動の振動体。
- 前記軸方向駆動の振動体を構成する駆動子は、前記円柱状の永久磁石の前部に磁性材料からなる円柱状のポールピースを形成したことを特徴とする請求項2、3、又は4記載の軸方向駆動の振動体。
- 前記軸方向駆動の振動体の駆動コイルは、円筒状の絶縁処理した金属材料の上に巻回したことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の軸方向駆動の振動体。
- 前記軸方向駆動の振動体の駆動は、ブリッジ回路で駆動することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の軸方向駆動の振動体。
- 前記軸方向駆動の振動体の駆動は、正弦波または方形波の入力で駆動されることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の軸方向駆動の振動体。
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JP2002236824A JP3869336B2 (ja) | 2002-08-15 | 2002-08-15 | 軸方向駆動の振動体 |
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