JP2020177136A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】安価かつ簡単な構成にて、装置内の温度不均一解消のための気流調整と、定着ベルトのベルト寄りの抑制とを実現可能な定着装置を提供する。【解決手段】気流発生手段20、及び外気と連通して気流を導く本体気流ダクト部材21を備えた画像形成装置に着脱可能に搭載される定着装置であって、本体気流ダクト部材21と接離可能に連結する接続ダクト部材22と、定着装置内の気流を導く定着気流ダクト部材23とを備え、接続ダクト部材22と定着気流ダクト部材23の内部空間が、複数の貫通穴27が形成された板金部材24(37)を介して連通している。【選択図】図3

Description

本発明は、定着装置および画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置は、トナー画像を転写紙等の記録媒体に定着するための定着装置(定着ユニット)を備えている。定着装置において、例えば、ヒータ等の加熱手段により加熱された定着部材(定着ローラや定着ベルト)に加圧部材(加圧ローラ)が圧接することによりニップ部が形成され、該ニップ部を記録媒体が通過することによって担持されたトナーが溶融し、記録媒体上にトナー画像が定着される。
省エネルギーを実現するとともにファーストプリントタイム向上させ、熱効率を更に高める方法として、無端ベルト状の定着部材(定着ベルト)を直接加熱する構成が提案されている。定着部材の加熱効率が悪いと、装置の立ち上がり時間が余計に掛かるばかりでは無く、消費電力そのものも高くなってしまうため、定着ベルトは低熱容量であることが好ましい。低熱容量化された定着ベルトにおいては、急速な昇温を防止し、熱応力による変形とそれに起因した異常画像を防止することが求められる。
定着装置の構成部品は、一般的にヒータ等の加熱手段により160〜170℃前後に加熱され、機構部によっては、200℃近くの高温にさらされる。
これに対し、定着装置内の温度を構成部材の耐熱温度以下に保つために、ファン等による冷却を行う構成が知られている。例えば、特許文献1には、機内冷却用の気流を生じさせることにより、トナー飛散の弊害を防ぐ技術が提案されており、具体的には、飛散トナーによる機内汚染を低減するとともに、温度の上昇を抑制可能な気流制御方法が開示されている。
また、定着装置が均一に加熱保温される為には、局所的な温度不均一の発生を避けつつ、効果的に機内気流を対流させる必要が有る。
一方、定着部材が無担ベルト状である場合、定着ユニット組み付け時のユニット歪み、装置本体の歪みなどに起因した張架ローラのずれ等に起因した「ベルト寄り」が発生してしまうことがある。ベルト寄りが生じると、回転走行中にベルト走行領域からベルトが脱落したり、ベルト端部が外部部品と接触してしまう等の問題が発生する。
これに対し、ベルトの片寄りを検知し、蛇行を補正する技術等が種々提案されている。
上述の定着装置機内の温度不均一の解消のための気流の調整、及びベルト寄りの補正を同時に実現するためには、それぞれ対応する機構を設ける必要があった。
しかしながら、レイアウト上の制約から両立のための対応が困難であり、構成部品の複雑化を招き、コストアップの要因となってしまう等の課題があった。
そこで本発明は、安価かつ簡単な構成にて、装置内の温度不均一解消のための気流調整と、定着ベルトのベルト寄りの抑制とを実現可能な定着装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の定着装置は、気流発生手段、及び外気と連通して気流を導く本体気流ダクト部材を備えた画像形成装置に着脱可能に搭載される定着装置であって、前記本体気流ダクト部材と接離可能に連結する接続ダクト部材と、定着装置内の気流を導く定着気流ダクト部材とを備え、前記接続ダクト部材と前記定着気流ダクト部材の内部空間が、複数の貫通穴が形成された板金部材を介して連通していることを特徴とする。
本発明によれば、安価かつ簡単な構成にて、装置内の温度不均一解消のための気流調整と、定着ベルトのベルト寄りの抑制とを実現可能な定着装置を提供することができる。
本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 定着装置の要部構成の一例を示す説明図である。 本発明に係る画像形成装置及び定着装置の気流ダクト部材の構成の一例を示す説明図である。 板金部材に形成された貫通穴の一例を示す説明図である。 板金部材が厚み方向に積層された2つの部材により構成される態様の一例を示す説明図である。 板金部材に形成された貫通穴の一例を示す説明図である。 貫通穴を遮蔽するシャッター部材の一例を示す説明図である。 ベルト寄りの発生を説明するための模式図である。 定着装置の板金部材が配設された面を模式的に示す図である。 カム機構の一例を模式的に示す斜視図である。 カム機構による板金部材及びローラ部材の位置調整を説明する図である。
以下、本発明に係る定着装置及び画像形成装置について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
本発明に係る画像形成装置の一実施形態について図1を参照して説明する。
図1は画像形成装置を示す概略構成図であり、具体的にはモノクロ画像を形成可能な複写印刷機である。また、PC接続によりプリンタとしても機能する。
なお、本実施形態の画像形成装置は複写機であるため、スキャナとして機能する原稿読取部を有しているが、PCオンライン出力専用機、所謂プリンタバージョン等でコントローラを内蔵する場合は原稿読取部を省略しても良い。
以下、本実施形態の画像形成装置の概略構成及び動作について説明する。
画像形成装置10は、照明装置、光学系及びCCDイメージセンサ等を内部に収めたスキャナユニット104を有する。
スキャナの上方には原稿自動読み取り装置(以下、「ADFユニット」という(ADF:Auto Document Feeder))103を設けている。ADFユニット103は原稿を自動搬送し、コンタクトガラスの読取面に原稿を送る。
オペレータはスキャナユニット104上部のコンタクトガラス、またはADFユニット103に原稿をセットし、操作パネル101上の機能選択キーでモードを選択し、液晶画面の表示内容を確認しつつ、テンキーやファンクションキー等を操作して所望の画像形成条件を設定する。なお、画像形成装置は、オペレータに動作状況を示すコールライト100を備えている。
スキャナユニット104で読み取られた画像信号は、SBU(Sensor Board Unit)にてA/D(Analog/Digital)変換された後、レーザ書き込みユニット112からのレーザ光として照射される。レーザ光はレーザ書き込みユニット112のシリンダレンズにより集光され、ポリゴンミラーにより主走査方向にライン走査され、感光体ドラム116上に静電潜像を形成する。
現像ユニット113は、感光体ドラム116の周囲にクリーニングユニット114、帯電チャージャを備えている。感光体ドラム116上の帯電には、帯電チャージャ115が用いられる。
帯電チャージャ115には、PSU(Power Supply Unit)からリセプタクル、電極端子、導電性軸受け等を介して高電圧が印加される。
トナー補給ユニット(トナーボトル)111から随時供給されるトナーと、予め現像ユニット113内に充填されていた現像剤は、内部の搬送スクリューにより攪拌混合されつつ現像ローラへと運ばれる。磁力により静電吸着しているトナーはマイナスに帯電している。
現像ローラに担持された二成分現像剤は、現像ローラ下方に配設されたドクタブレードやケーシング等の現像剤穂立ち規制部材によって適量規制された後、その二成分中の摩擦帯電したトナーがバイアス電圧に依り感光体ドラム116上へと移動し、静電潜像に応じて選択的に付着する。
現像ユニット113内部のトナー濃度は、底面位置に配置されたトナー濃度センサによってその帯電量から検出される。
転写後の感光体ドラム116上に残存する未転写のトナーは、クリーニングユニット114内に設けられたクリーニングブレードで掻き落とされ、廃トナーボトル125へと搬送、回収される。
また、現像ユニット113の周囲には、トナー飛散を防止するためのマイラーやスポンジ状材料からなる入口シールが適宜設けられている。
感光体ドラム116上のトナーで形成された顕像は、中間転写ベルトユニット105上に一旦転写される。
用紙搬送部117により搬送されレジストローラ部を通過した転写紙は、中間転写ベルトユニット105と二次転写ユニット118のニップ間を通過する際、二次転写ローラからのプラス帯電により中間転写ベルトユニット105上のトナーが転写される。
転写後の中間転写ベルトユニット105上に残存する未転写のトナーは、ベルトクリーニングユニット106内のクリーニングブレードで掻き落とされ、廃トナーボトル125へと搬送、回収される。
転写ローラには、PSUからリセプタクル、電極端子、導電性軸受け等を介して高電圧が印加される。
印刷環境や転写紙の種類等に起因した変動を抑制するために、定電流制御されると共に、転写電流は給紙トレイ、転写紙サイズ及び紙厚等に応じて適宜切り替えが行われる。
また、転写ローラに付着したトナーによって転写紙の裏汚れが生じるのを防止するために、所定のタイミングで転写ローラにマイナスバイアスを印加し、付着したトナーを中間転写ベルトユニット105に戻すようにすることができる。これにより、転写ローラがクリーニングされる。
トナーが転写された転写紙は、定着装置(定着ユニット)107に搬送され、一定の温度と圧力を加えてトナー画像が用紙上に熱融着される。
定着装置107内の定着ローラには、サーミスタを設けて表面温度検出を行い、ヒータのON/OFF制御を行っている。サーミスタは、接触型であっても非接触型であってもよい。また、温度過昇防止の為に温度ヒューズが設けられている。
本実施形態の定着装置107は、加熱ローラ、定着ローラ、加熱ローラと定着ローラに張架される定着ベルト、及び定着ローラを押圧して定着ベルトとの間にニップ部を形成する加圧ローラ等を備えている。ニップ部はカムにより加圧脱圧が制御されている。
なお、定着装置107の構成については後述する。
トナー画像が熱融着された転写紙は、定着分離板により加熱ローラ及び定着ベルトから分離された後、反転排紙ユニット109を経て、または設定条件に応じて両面印刷された後、排紙トレイ126に排出される。なお、後処理装置等が接続されている場合は、その接続された装置の転写紙入口へ搬送される。
また、画像形成装置は、本体移動用キャスタ127を備えている。
本実施形態の画像形成装置10は、上述の構成及び動作により、電子写真方式による画像形成が行われる。
次に、本発明に係る定着装置107の構成について図2及び図3に基づき説明する。
図2は、定着装置の要部構成の一例を示す説明図である。
図2に示すように、本実施形態の定着装置107は、加熱ローラ11、定着ローラ14、加熱ローラ11と定着ローラ14に張架される定着ベルト13、及び定着ローラ14を押圧して定着ベルト13との間にニップ部Nを形成する加圧ローラ15を備えている。
加熱ローラ11の内部には、ローラの長手方向に沿って加熱手段(ヒータ)12が内蔵されている。加熱ローラ11は熱伝導率の良い材質からなり、加熱手段12により加熱されると直ちに高温となる。
定着ベルト13は加熱ローラ11と定着ローラ14に張架され、張力が生じるように組み付けられており、加熱ローラ11と定着ローラ14の回転に伴って従動回転する。これにより、加熱ローラ11からの熱が定着ベルト13を介してニップ部Nに伝えられる。
記録媒体(用紙)16は、図中矢印17で示す方向に搬送される。記録媒体16がニップ部Nで挟持搬送されることにより、トナー像18は熱と圧力により記録媒体16に定着される。
なお、定着装置107は、加熱ローラ11、定着ローラ14及び定着ベルトを有する加熱ユニットと、加圧ローラ15を有する加圧ユニットとに分割される。図3(A)は、本実施形態に係る定着装置の加熱ユニットと、画像形成装置の一部を示す説明図である。
図3(A)に示すように、本発明に係る定着装置は、気流発生手段20、及び外気と連通して気流を導く本体気流ダクト部材21を備えた画像形成装置に着脱可能に搭載される定着装置であって、本体気流ダクト部材21と接離可能に連結する接続ダクト部材22と、定着装置内の気流を導く定着気流ダクト部材23とを備え、接続ダクト部材22と定着気流ダクト部材23の内部空間が、複数の貫通穴27が形成された板金部材を介して連通している。
なお、以下の説明では、板金部材37の複数の貫通穴27が形成された領域について符号24で示す。また、当該領域は「複数の貫通穴が形成された板金部材24」とも称する。
複数の貫通穴が形成された板金部材24は、板金部材37の一部を構成し、一体成形されたものであってもよく、独立した別部材であってもよい。
板金部材の材料としては、例えば、SECC、SPCC等が挙げられる。
複数の貫通穴が形成された板金部材24について、定着気流ダクト部材23側からみた外観図を図3(B)に示し、接続ダクト部材22との接続部の拡大図を図3(C)に示している。
気流発生手段20は、少なくとも外気を吸気可能なファンであり、本体気流ダクト部材21の内部へ導く。図3(A)では吸気時における本体気流ダクト部材21内の気流の流れを矢印25で示している。また気流発生手段20は、装置内の排熱を行うべく排気を行うことができる正逆転可能なファンであってもよい。
本体気流ダクト部材21は分岐部21aを有し、分岐部21aにて接続ダクト部材22と接離可能に連結する。
接続ダクト部材22は、上流側にて分岐部21aで本体気流ダクト部材21と連結し、下流側にて複数の貫通穴が形成された板金部材24を介して定着気流ダクト部材23と接続する。定着気流ダクト部材23内の気流は矢印26で示す方向に導かれる。
定着気流ダクト部材23は定着ベルト13近傍に設けられ、定着気流ダクト部材23内部の気流により、定着ベルト13近傍の装置内の温度不均一が解消される。
各ダクト部材間の連結態様は、接続部にて気流の流れが妨げられず、かつ十分な流量が得られる限り特に限定されない。
例えば、ダクトの連結部分をネジで固定しても良いし、ダクト部材間を篏合させるように連結し、篏合する部分の周囲を弾性のあるスポンジ等で囲いスポンジを潰しながら篏合させて密閉性を高めながら連結させても良い。
また、各ダクト部材の材質としては、PC、ABS等が挙げられる。
次に、板金部材に形成された貫通穴27の態様について図4〜図6に基づき説明する。
第1の実施態様を図4に示す。図4(A)は複数の貫通穴が形成された板金部材24の断面図であり、図4(B)は貫通穴27を模式的に示す斜視図である。
図4(A)及び図4(B)に示すように、本実施形態の定着装置では、板金部材24の貫通穴27の内周面に、ネジ部材29が係合可能なネジ溝29aが形成されている。
これにより、貫通穴27の開閉をネジ部材29の締結の有無により調整することができる。また、任意の貫通穴27に対して位置固定用のネジ部材29を締結することにより、板金部材37の位置調整を行い、後述するベルト寄りの抑制を実現することができる。
第2の実施態様を図5に示す。図5(A)は板金部材24の分解斜視図であり、図5(B)は貫通穴27の開口態様の例を示す模式図である。
図5(A)に示すように、本実施形態の定着装置では、板金部材の複数の貫通穴27が形成された領域24が、厚み方向に積層された2つの部材(24a、24b)により構成され、2つの部材(24a、24b)が摺動可能に接合されている。
2つの部材(24a、24b)のそれぞれの貫通穴27が重なる状態で接合されている場合、貫通穴27は図5(B)の(a)に示すように全開となる。これに対し、2つの部材(24a、24b)を摺動移動させ、それぞれの貫通穴27の重なり具合を変化させることで、図5(B)の(b)〜(d)に示すような開口態様とすることができる。また、一方の部材24aの貫通穴27と、他方の部材24bの貫通穴27とが重ならない配置とすることで、図5(B)の(e)に示すように、貫通穴27部分を遮蔽することができる。
このように、貫通穴27の開口状態を調整することで、接続ダクト部材22と定着気流ダクト部材23との間を流れる気流の流量を調整することができる。
なお、厚み方向に積層された2つの部材(24a、24b)は、貫通穴27が形成された領域24のみからなる別部材が積層された態様であっても、貫通穴27が形成された領域24が厚み方向に分割されて2つの部材となった態様であってもよい。
第3の実施態様を図6に示す。図6(A)は板金部材24の断面図であり、図6(B)は貫通穴27を模式的に示す斜視図である。
図6(A)及び図6(B)に示すように、本実施形態の定着装置では、板金部材24の貫通穴27は、外気の流入する上流側の開口面積が、下流側の開口面積よりも大きい。図中符号26は気流を示し、具体的には外気の流入方向を示している。
貫通穴27はテーパ形状であり、気流26の上流側から下流側へ向かって断面積が小さくなることでいわゆるベンチュリ効果が得られ、所望の流速を得ることができる。
本実施形態の定着装置は、図7に示すように、画像形成装置から取り外す際に複数の貫通穴27を遮蔽するシャッター部材30を備える態様とすることができる。
図7(A)は定着装置が画像形成装置に取り付けられ、動作している状態を示したもので、図7(B)は定着装置を画像形成装置から取り外す際の状態を示したものである。
シャッター部材30が取り付けられる態様は、貫通穴27の遮蔽及び開放が可能であれば特に限定されず、例えば、上下方向にスライド可能に取り付けられる態様が挙げられる。この場合、脱落防止のために少なくとも上端部が側板等に係合固定される構造を有することが好ましい。
図7(A)に示すように、画像形成装置側にはシャッター部材30を支持するシャッター支持部材31が設けられており、定着装置が画像形成装置に取り付けられた状態において、定着装置に配設されたシャッター部材30は、複数の貫通穴27の上方に支持されている。
一方、図7(B)に示すように、定着装置が画像形成装置から取り外される際には、シャッター部材30とともに定着装置が図中符号32で示す方向に持ち上げられる。このときシャッター部材30はシャッター支持部材31による支持が外れ、自重により下降し、複数の貫通穴27を遮蔽する位置にて停止する。
定着装置が画像形成装置から取り外された際に貫通穴27が遮蔽されることにより、定着装置内部の温度低下を抑制することができる。これにより、メンテナンス時に定着装置の脱着を行う際、メンテナンス後のウォームアップ時間を短縮することができる。
次に、本実施形態の定着装置におけるベルト寄りの抑制について説明する。
まず、図8に一般的なベルト寄りの発生の機構を示す。
図8(A)に示すように、加熱ローラ11と定着ローラ14とが平行である位置関係を保っている場合、張架されて従動回転する定着ベルト13には回転方向の無駄な負荷がかからず、定着ベルト13は所定の位置に保持される。
一方、図8(B)に示すように、装置本体の歪みなどに起因して加熱ローラ11と定着ローラ14とが平行の位置関係からずれを生じている場合、張架されて従動回転する定着ベルト13に加わる力がローラの回転軸方向で不均一となるため、定着ベルト13は所定の位置から矢印19で示す方向に移動して片寄りが生じる。これにより定着ベルト13は、ベルト走行領域からの脱落や、他の構成部材との接触等の問題を生じるおそれがある。
この問題を解消するために、加熱ローラ11と定着ローラ14とを平行に維持するための機構が必要となる。
本実施形態の定着装置は、複数の貫通穴27のいずれかに係止されることにより板金部材37の位置を規制するカム機構を備え、板金部材37はローラ部材(加熱ローラ11)を挟持し、係止される貫通穴27の変更に伴い、板金部材37及びローラ部材(加熱ローラ11)が変位する構成とすることにより、上述の問題を解消することができる。
図9は、本実施形態の定着装置の板金部材37が配設された面を模式的に示す図である。
図9に示すように、定着装置の側板35にはカム機構を構成する偏心カム36が取りつけられている。偏心カム36は、偏心カム回転中心36aを基準として回転可能である。
複数の貫通穴27が形成された領域24を有する板金部材37は、偏心カム36の偏心円が接触するように、かつ加熱ローラ11を挟持するように側板35に組み付けられる。
カム機構を図10に示す。図10は、偏心カム36を回転させるように取り付けられた偏心カム板金部材38を模式的に示す斜視図である。
図10に示すように、偏心カム36はDカット形状が施され、偏心カム板金部材38は偏心カム36のDカット形状部に嵌合し、回動可能に固定される。
偏心カム板金部材38は長穴部38aを有する。長穴部38aを板金部材に形成された任意の貫通穴27と重なる位置に配置し、固定部材(例えば、ネジ部材等)を用いて固定することができる。
図11は、装置本体の歪みなどに起因したローラ部材のずれを調整する方法について説明する図である。
図11(A)では、偏心カム板金部材38の長穴部38aは、貫通穴27Aと重なる位置に図示しない固定部材(例えば、ネジ部材等)により固定されている。この場合における板金部材37に形成された調整用の開口部39に嵌合するピン40の中心位置を一点鎖線Aで示している。
一方、図11(B)では、偏心カム板金部材38の長穴部38aは、貫通穴27Bと重なる位置に図示しない固定部材(例えば、ネジ部材等)により固定されている。この場合における板金部材37に形成された調整用の開口部39に嵌合するピン40の中心位置は一点鎖線Bに示す位置であり、図11(A)の一点鎖線Aと比較して、Wで示す量の変位が生じている。
図11(A)及び図11(B)に示すように、偏心カム板金部材38を回動させ、長穴部38aを固定する貫通穴27を適宜選択することにより、板金部材37を変位させることができる。これに伴い、挟持されたローラ部材(加熱ローラ11)を変位させることが可能となり、装置本体の歪みなどに起因したローラ部材のずれを調整することができる。
すなわち、上述の気流を調整可能に形成された貫通穴27を、ローラ部材の位置調整のためにも使用することができ、安価かつ簡単な構成にて、装置内の気流調整と定着ベルトのベルト寄りの抑制との両立を実現することができる。
なお、本実施形態の構成が適用される対象は、上述の電子写真方式の画像形成装置に搭載される定着装置に限定されず、装置内の気流調整と装置本体の歪みに起因するローラ部材等の位置調整とを両立する目的において適宜選択することができる。例えば、インクジェット記録方式の画像形成装置において、記録媒体上に吐出されたインク等の液滴を短時間で乾燥させるための乾燥装置等にも適用することができる。
10 画像形成装置
11 加熱ローラ
12 加熱手段
13 定着ベルト
14 定着ローラ
15 加圧ローラ
20 気流発生手段
21 本体気流ダクト部材
22 接続ダクト部材
23 定着気流ダクト部材
24 板金部材(貫通穴が形成された領域)
27 貫通穴
30 シャッター部材
31 シャッター支持部材
36 偏心カム
37 板金部材
38 偏心カム板金部材
特許第3364536号公報

Claims (7)

  1. 気流発生手段、及び外気と連通して気流を導く本体気流ダクト部材を備えた画像形成装置に着脱可能に搭載される定着装置であって、
    前記本体気流ダクト部材と接離可能に連結する接続ダクト部材と、定着装置内の気流を導く定着気流ダクト部材とを備え、
    前記接続ダクト部材と前記定着気流ダクト部材の内部空間が、複数の貫通穴が形成された板金部材を介して連通していることを特徴とする定着装置。
  2. 前記板金部材の前記貫通穴の内周面に、ネジ部材が係合可能なネジ溝が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記板金部材の前記複数の貫通穴が形成された領域が、厚み方向に積層された2つの部材により構成され、前記2つの部材が摺動可能に接合されていることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記貫通穴は、外気の流入する上流側の開口面積が、下流側の開口面積よりも大きいことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の定着装置。
  5. 前記定着装置を前記画像形成装置から取り外す際に複数の前記貫通穴を遮蔽するシャッター部材を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の定着装置。
  6. 複数の前記貫通穴のいずれかに係止されることにより前記板金部材の位置を規制するカム機構を備え、
    前記板金部材はローラ部材を挟持し、係止される前記貫通穴の変更に伴い、前記板金部材及び前記ローラ部材が変位することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の定着装置。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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