JP2020176309A - 水電解システム及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型且つ簡素な構成で、水素ガスを効果的に除湿できる水電解システム及びその制御方法を提供する。【解決手段】水電解システム10は、酸素ガスよりも高圧の水素ガスを製造する。ペルチェ冷却器84は、水素ガス流路18の気液分離器80と背圧弁20との間に設けられ、水素ガスを冷却して除湿する。温度センサ86は、ペルチェ冷却器84の周辺温度を測定して温度測定値を出力する。圧力センサ78は、水素ガス流路18のカソード14と背圧弁20との間の水素ガスの圧力を測定して圧力測定値を出力する。制御部22は、温度測定値が、圧力測定値に対応する水の凝固点を超える目標温度となるように、ペルチェ冷却器84による冷却温度を制御する。目標温度の少なくとも一部は、圧力測定値が高いほど低くなる。【選択図】図1

Description

本発明は、水を電気分解して酸素ガスを発生させるアノード及び水素ガスを発生させるカソードを有する水電解装置を備える水電解システム及びその制御方法に関する。
一般的に、燃料電池の発電反応に使用される燃料ガスとして、水素ガスが使用されている。この水素ガスは、例えば、水電解装置を備える水電解システムにより製造することができる。水電解装置は、水を分解して水素ガス(及び酸素ガス)を発生させるべく、固体高分子電解質膜(イオン交換膜)を用いている。固体高分子電解質膜の両面に電極触媒層及び給電体を設けて電解質膜・電極構造体を構成し、該電解質膜・電極構造体の両側にセパレータを配設して単位セルを構成する。固体高分子電解質膜の一方の電極触媒層及び給電体からアノードが構成され、他方の電極触媒層及び給電体からカソードが構成される。
複数の単位セルが積層されたセルユニットには、積層方向両端に電圧が付与されるとともに、アノード側の給電体に水が供給される。このため、アノード側の電極触媒層では、水が分解されて水素イオン(プロトン)と酸素ガスが発生し、この水素イオンが固体高分子電解質膜を透過してカソード側に移動し、カソード側の電極触媒層で電子と結合することで水素ガスが発生する。一方、アノードで発生した酸素ガスは、余剰(未反応)の水を伴ってセルユニットから排出される。
上記の水電解装置のカソードでは、水分を含んだ水素ガス(以下、非処理水素ガスともいう)が発生するが、例えば、燃料電池自動車等に供給される製品水素ガスは、所望の乾燥状態(水濃度)、例えば、水分量が5ppm以下であることが要求される。そこで、例えば、特許文献1には、水電解装置で発生させた非処理水素ガスから水分を分離して除湿水素ガスを製造する水電解システムが提案されている。この水電解システムは、非処理水素ガスを冷却する冷却装置を備え、該冷却装置により非処理水素ガスを冷却してその飽和水蒸気量を低下させることで、非処理水素ガスから水分を分離して除湿水素ガスを製造する。
また、この水電解システムでは、製造した除湿水素ガスを外部に供給するための供給口と、水電解装置のカソードとの間であって、冷却装置よりも後段に背圧弁が設けられている。このため、カソードと背圧弁との間の水素ガスの圧力は、水電解装置で継続的に水素ガスが発生することに伴い、背圧弁が開弁する設定圧力まで上昇する。冷却装置では、非処理水素ガスが高圧であるほど、その飽和水蒸気量が減少する傾向にあるため、少ない冷却量でも非処理水素ガスを所定の水分濃度まで除湿することが可能となる。
そこで、冷却装置による消費電力が、非処理水素ガスを所定の水分濃度まで除湿できる最小限の大きさとなるように、非処理水素ガスの圧力に応じて冷却装置に加えられる電流値を調整している。すなわち、非処理水素ガスの圧力が大きくなるほど、冷却装置に加えられる電流値を小さくしている。これによって、例えば、消費電力が大きくなり易い温度変動吸着方法(TSA)や、設備が複雑で大掛かりとなり易い圧力変動吸着方法(PSA)、頻繁なメンテナンスを必要とする交換式の吸着剤を用いる方法等とは異なり、消費電力を可及的に抑制しつつ、小型で簡素な構成により経済的に非処理水素ガスの除湿を行うことを可能としている。
特開2013−49906号公報
本発明は、この種の技術に関連してなされたものであり、小型且つ簡素な構成で、水素ガスを効果的に除湿できる水電解システム及びその制御方法を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態は、水を電気分解して酸素ガスを発生させるアノード及び水素ガスを発生させるカソードを有する水電解装置と、前記カソードで発生した前記水素ガスを流通させる水素ガス流路に設けられた背圧弁とを備え、前記酸素ガスよりも高圧の前記水素ガスを製造する水電解システムであって、前記水素ガス流路の前記カソードと前記背圧弁との間に設けられ前記水素ガスから水分を分離する気液分離器と、前記水素ガス流路の前記気液分離器と前記背圧弁との間であって前記気液分離器より高い位置に設けられ、前記気液分離器で水分が分離された前記水素ガスをペルチェ素子により冷却することで、該水素ガスに含まれる水分をさらに分離するペルチェ冷却器と、前記ペルチェ冷却器の温度又は該ペルチェ冷却器の周辺の温度を測定して温度測定値を出力する温度センサと、前記水素ガス流路の前記カソードと前記背圧弁との間の前記水素ガスの圧力を測定して圧力測定値を出力する圧力センサと、前記圧力測定値及び前記温度測定値に基づき、前記温度測定値が、前記圧力測定値に対応する水の凝固点を超える目標温度となるように、前記ペルチェ冷却器による冷却温度を制御する制御部と、を備え、前記目標温度の少なくとも一部は、前記圧力測定値が高いほど低くなる。
本発明の別の一実施形態は、水を電気分解して酸素ガスを発生させるアノード及び水素ガスを発生させるカソードを有する水電解装置と、前記カソードで発生した前記水素ガスを流通させる水素ガス流路に設けられた背圧弁とを備え、前記酸素ガスよりも高圧の前記水素ガスを製造する水電解システムの制御方法であって、前記水電解装置による水の電気分解を開始する水電解工程と、前記水素ガス流路の前記カソードと前記背圧弁との間の前記水素ガスの圧力を測定して圧力測定値を得る圧力測定工程と、前記水素ガス流路の前記カソードと前記背圧弁との間に設けられるペルチェ冷却器の温度又は前記ペルチェ冷却器の周辺の温度を測定して得られる温度測定値が、前記圧力測定値に対応する水の凝固点を超える目標温度となるように、前記ペルチェ冷却器による冷却温度を制御する冷却温度制御工程と、を有し、前記目標温度の少なくとも一部は、前記圧力測定値が高いほど低くなる。
水素ガスに含まれる水の凝固点は、該水素ガスの圧力に応じて変化し、水素ガスが高圧であるほど水の凝固点は降下し、水素ガスが低圧であるほど水の凝固点は上昇する。この水電解システムのペルチェ冷却器では、温度測定値が、水素ガスの圧力測定値に対応する水の凝固点を超える目標温度となるように水素ガスを冷却する。目標温度の少なくとも一部は、圧力測定値が高いほど低くなる。このため、上記のように水素ガスを冷却することで、水素ガスに含まれる水分が凍結しない範囲で、該水素ガスを凝固点に近づけて、飽和水蒸気量を効果的に低減させることが可能となる。その結果、ペルチェ冷却器を用いた小型且つ簡素な構成で、水素ガスを効果的に除湿することが可能となる。
本発明の実施形態に係る水電解システムの概略構成説明図である。 水素圧力と、水の凝固点と、オン温度と、オフ温度と、下限温度と、上限温度との関係を示すマップ図である。 本発明の実施形態に係る水電解システムの制御方法を説明するフローチャートである。
本発明に係る水電解システム及びその制御方法について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の図において、同一又は同様の機能及び効果を奏する構成要素に対しては同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する場合がある。
図1に示すように、本実施形態に係る水電解システム10は、水(純水)を電気分解して、酸素ガスを発生させるアノード12及び水素ガスを発生させるカソード14を有する水電解装置16と、カソード14で発生した水素ガスを流通させる水素ガス流路18に設けられた背圧弁20と、システム全体の制御を行う制御部22とを備え、アノード12の酸素ガス(常圧)よりも高圧の水素ガスを製造する差圧式水電解システムである。
水電解装置16は、複数の単位セル24を積層したセルユニットを備える。単位セル24の積層方向一端には、ターミナルプレート26a、絶縁プレート28a及びエンドプレート30aが外方に向かって、順次、配設される。単位セル24の積層方向他端には、同様にターミナルプレート26b、絶縁プレート28b及びエンドプレート30bが外方に向かって、順次、配設される。エンドプレート30a、30b間は、一体的に締め付け保持される。ターミナルプレート26a、26bの側部には、端子部32a、32bが外方に突出して設けられる。端子部32a、32bは、配線34a、34bを介して電解電源36に電気的に接続される。
単位セル24は、例えば、円盤状の電解質膜・電極構造体38と、この電解質膜・電極構造体38を挟持する円盤状のアノード側セパレータ40及びカソード側セパレータ42とを備える。電解質膜・電極構造体38は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜46と、固体高分子電解質膜46の両面に設けられるアノード12及びカソード14とを備える。
アノード12は、何れも不図示ではあるが、固体高分子電解質膜46の一方の面に形成されたアノード電極触媒層と、アノード側給電体とを有する。カソード14は、何れも不図示ではあるが、固体高分子電解質膜46の他方の面に形成されたカソード電極触媒層と、カソード側給電体とを有する。アノード電極触媒層は、例えば、Ru(ルテニウム)系触媒を使用する一方、カソード電極触媒層は、例えば、白金触媒を使用する。
単位セル24の外周縁部には、該単位セル24をそれぞれ積層方向に連通する、水供給連通孔50と、排出連通孔52と、水素連通孔54とが設けられる。アノード側セパレータ40の電解質膜・電極構造体38に対向する面には、水供給連通孔50及び排出連通孔52に連通する第1流路56が設けられる。この第1流路56は、アノード側給電体の表面積に対応する範囲内に設けられるとともに、複数の流路溝や複数のエンボス等で構成される。第1流路56には、水供給連通孔50を介して水(純水)が供給される。また、第1流路56は、アノード12で発生した酸素ガス及び余剰の水を含むアノード排出流体を排出連通孔52に排出する。
カソード側セパレータ42の電解質膜・電極構造体38に向かう面には、水素連通孔54に連通する第2流路58が形成される。この第2流路58は、カソード側給電体の表面積に対応する範囲内に設けられるとともに、複数の流路溝や複数のエンボス等で構成される。第2流路58は、カソード14で発生した水素ガスを水素連通孔54に排出する。
水電解システム10は、水供給連通孔50に連通する水供給流路60と、排出連通孔52に連通するアノード排出流路62と、水素連通孔54に連通する水素ガス流路18とを有する。水供給流路60及び水供給連通孔50を介して水電解装置16のアノード12に水が供給される。アノード12で発生したアノード排出流体は排出連通孔52を介してアノード排出流路62に流入する。カソード14で発生した水素ガスは、水素連通孔54を介して水素ガス流路18に流入する。
水供給流路60には、水供給装置64と、水貯留装置66と、水循環装置68とが設けられている。水供給装置64は、例えば水道水等から純水を生成して水貯留装置66に供給する。水貯留装置66は、水供給装置64から供給された純水を貯留するタンク部70を有する。また、水貯留装置66は、アノード排出流路62を介してアノード排出流体が供給され、該アノード排出流体を水と酸素ガスとに分離する。アノード排出流体から分離された水は上記の純水とともにタンク部70に貯留され、アノード排出流体から分離された酸素ガスは酸素ガス流路72に流入する。
水循環装置68は、循環ポンプ74及びイオン交換器76を有する。循環ポンプ74は、水供給流路60及びアノード排出流路62を介して、水貯留装置66と水電解装置16との間で水を循環させる。イオン交換器76は、水供給連通孔50に供給される前の水から不純物を除去する。
水素ガス流路18には、背圧弁20の他に、圧力センサ78と、気液分離器80と、脱圧弁82と、ペルチェ冷却器84と、温度センサ86とが設けられている。背圧弁20は、その閉弁時に、水素ガス流路18のカソード14と該背圧弁20との間の水素ガスの圧力(以下、水素圧力ともいう)を設定圧力まで昇圧させ、該水素圧力が設定圧力に達すると開弁する。このため、水素ガス流路18の背圧弁20よりも後段には、設定圧力に達した高圧の水素ガスが供給される。なお、設定圧力は、例えば、1〜90MPaの範囲内で設定することができる。また、水電解システム10で製造した製品水素ガスを例えば燃料電池自動車の水素タンク等に供給する場合には、設定圧力を70〜85MPaの範囲内で設定することが好ましい。
圧力センサ78は、水素圧力を測定して制御部22に圧力測定値を出力する。なお、本実施形態では、圧力センサ78は、水素ガス流路18のカソード14と気液分離器80との間に配設されることとする。しかしながら、圧力センサ78は、カソード14と背圧弁20との間の水素圧力を測定可能であれば、水素ガス流路18の何れの箇所に設けられてもよい。
気液分離器80は、水素ガス流路18のカソード14と背圧弁20との間に設けられ、カソード14で発生した水素ガス(以下、非処理水素ガスともいう)から水分を分離して第1除湿水素ガスとする。非処理水素ガスから分離された水分は、気液分離器80の液体排出口88を介して排水流路90に流入可能となっている。排水流路90は排水用バルブ92によって開閉される。
本実施形態では、気液分離器80には、第1除湿水素ガスを排出する排出口として、それぞれ水素ガス流路18に連通する2個の気体排出口94a、94bが設けられている。このため、水素ガス流路18は、気液分離器80の一方の気体排出口94aに連通する第1水素ガス流路18aと、他方の気体排出口94bに連通する第2水素ガス流路18bとに分岐する。なお、以下では、第1水素ガス流路18aと第2水素ガス流路18bとを総称して水素ガス流路18ともいう。
第1水素ガス流路18aには、ペルチェ冷却器84、温度センサ86、背圧弁20が水素ガスの流通方向の上流側から下流側に向かってこの順に設けられている。また、第2水素ガス流路18bには脱圧弁82が設けられている。すなわち、脱圧弁82は、水素ガス流路18のカソード14とペルチェ冷却器84との間に設けられ、該脱圧弁82が開弁状態にあるときを除いて、第1除湿水素ガスを第1水素ガス流路18aに流入させる。一方、脱圧弁82が開状態にあるときには、第1除湿水素ガスが第2水素ガス流路18bを介して排出されることで、水素ガス流路18のカソード14と背圧弁20との間を脱圧することが可能となっている。
ペルチェ冷却器84は、水素ガス流路18(第1水素ガス流路18a)の気液分離器80と背圧弁20との間であって気液分離器80より高い位置に設けられ、第1除湿水素ガスをペルチェ素子96により冷却して、その飽和水蒸気量を低下させる。これにより、ペルチェ冷却器84は、第1除湿水素ガスに含まれる水分をさらに分離して、所望の乾燥状態(水分量)の第2除湿水素ガスとする。第1除湿水素ガスから分離された水分は、重力により第1水素ガス流路18a内を下降して気液分離器80に流入し、上記のように非処理水素ガスから分離された水分とともに、液体排出口88を介して排水流路90に流入可能となっている。なお、非処理水素ガス、第1除湿水素ガス、第2除湿水素ガスを総称して単に水素ガスともいう。
背圧弁20を介して水電解システム10から排出される第2除湿水素ガス、すなわち、設定圧力まで昇圧し且つ所望の水分量まで除湿された第2除湿水素ガスが水電解システム10により製造された製品水素ガスとなる。この製品水素ガスを、例えば、燃料電池自動車の水素タンク等に供給する場合には、第2除湿水素ガスの所望の水分量を5ppm以下とすることが好ましい。
本実施形態では、ペルチェ冷却器84は、ペルチェ素子96の他に、ペルチェ素子96の冷却方向に供給する駆動電流をオン又はオフするスイッチング手段98を備える。なお、ペルチェ素子96では、冷却方向に駆動電流を供給することで、該ペルチェ素子96の第1除湿水素ガスと熱交換する部分の温度が低下する。一方、ペルチェ素子96では、冷却方向と反対の加熱方向に駆動電流を供給することで、該ペルチェ素子96の第1除湿水素ガスと熱交換する部分の温度が上昇する。また、ペルチェ冷却器84は、何れも不図示ではあるが、ペルチェ素子96の高温側の熱を逃すためのヒートシンク及びファン、又はペルチェ素子96の高温側と冷媒体とを熱交換させる冷媒用配管等を備えてもよい。
温度センサ86は、水素ガス流路18のペルチェ冷却器84(ペルチェ素子96)の近傍に設けられ、該ペルチェ冷却器84の周辺の温度を測定して制御部22に温度測定値を出力する。なお、温度センサ86は、ペルチェ冷却器84(ペルチェ素子96)に設けられ、該ペルチェ冷却器84の温度を測定して温度測定値を出力することとしてもよい。
制御部22は、不図示のCPUやメモリ等を備えるマイクロコンピュータとして構成され、該CPUは、制御プログラムに従って所定の演算を実行し、水電解システム10に関する種々の処理や制御を行う。また、制御部22は、温度センサ86による温度測定値が、圧力センサ78による圧力測定値に対応する水の凝固点を超える目標温度となるように、ペルチェ冷却器84による冷却温度を制御する。目標温度の少なくとも一部は、圧力測定値が高いほど低くなる。
具体的には、制御部22は、図2に示すマップ図に基づき、ペルチェ素子96の冷却方向に供給する駆動電流をスイッチング手段98によりオン・オフ制御する。つまり、図2において、破線で示す駆動電流をオフとする判断温度(以下、オフ温度ともいう)の近傍と、実線で示す駆動電流をオンとする判断温度(以下、オン温度ともいう)の近傍との間の範囲に目標温度が設定されている。
ペルチェ冷却器84で冷却される水素ガスに含まれる水の凝固点は、水素圧力に応じて変化する。つまり、水素圧力が高いほど水の凝固点は降下し、水素圧力が低いほど水の凝固点は上昇する。このため、水素圧力に応じた水の凝固点の変化に合わせて目標温度も変化するように設定され、本実施形態では、目標温度の全体が、水素圧力が高いほど低くなり、水素圧力が低いほど高くなる。なお、目標温度は、例えば、設定圧力等の所定の水素圧力以上では一定となるように設定してもよい。
また、目標温度は、例えば、制御部22により冷却温度を制御する際、制御誤差が生じたり、温度測定値に温度センサ86の測定誤差が含まれていたりした場合であっても、ペルチェ冷却器84の周辺の温度(測定温度)、ひいては、ペルチェ冷却器84で冷却される水素ガスの温度が、水の凝固点以下となることを回避しつつ、水の凝固点に可及的に近づくように設定されている。このように目標温度を設定することで、第1除湿水素ガスに含まれる水分が凍結することを抑制しつつ、第1除湿水素ガスの飽和水蒸気量を可及的に低下させることができる。このため、所望の水分量となるように効果的に除湿された第2除湿水素ガスを得ることが可能になる。なお、図2に示すように、例えば、水素圧力が、背圧弁20の設定圧力以上であるとき、目標温度は0℃以下となるように設定されることが好ましい。
また、図1に示す制御部22は、温度測定値が下限温度を下回った場合又は上限温度を上回った場合に脱圧弁82を開弁する。図2に二点鎖線で示すように、下限温度は、目標温度より低く設定されている。温度測定値が下限温度を下回ると、上記の制御誤差や測定誤差の大きさによっては、水素ガスが凝固点に達し、水素ガスに含まれる水分が凍結する懸念が生じる。このため、制御部22は、温度測定値が下限温度を下回った場合には、脱圧弁82を開弁して、ペルチェ冷却器84に水素ガスが供給されることを抑制する。これによって、水素ガス流路18等が凍結した水分で閉塞されること等を回避できる。
一方、図2に一点鎖線で示すように、上限温度は、目標温度より高く設定されている。温度測定値が上限温度を上回ると、ペルチェ冷却器84で第1除湿水素ガスが十分に冷却されておらず、第2除湿水素ガスが所望の水分量となるまで除湿されていない懸念が生じる。このため、制御部22は、温度測定値が上限温度を上回った場合には、脱圧弁82を開弁して、水素圧力を低下させることで、背圧弁20を閉弁状態とする。これによって、水電解システム10から所望の水分量となるまで除湿されていない製品水素ガスが供給されること等を回避できる。
制御部22は、上記のように、水素圧力の関数として予め定められたオフ温度と、オン温度と、上限温度と、下限温度とを図2に示すマップの状態でメモリに記憶していてもよい。
さらに、制御部22は、水電解装置16による水の電気分解(水電解)を開始する前に、温度測定値と、予め設定された開始温度とを比較し、温度測定値が開始温度より高かった場合には、ペルチェ冷却器84の冷却方向に対する駆動電流をオンとして冷却温度を低下させる。これによって温度測定値が開始温度に達した後に、水電解装置16の電解電源36をオンとして水電解を開始する。なお、開始温度は、水電解を開始して発生した水素ガスがペルチェ冷却器84に到達した際に、該水素ガスをペルチェ冷却器84において目標温度まで効率的に冷却することが可能となるように設定されればよい。
本実施形態に係る水電解システム10は、基本的には上記のように構成される。図3に示すフローチャートに沿って、本実施形態に係る水電解システム10の制御方法の一例を説明する。この制御方法では、水電解装置16での水電解処理を開始する前の準備工程として、温度測定値と開始温度とを比較し、温度測定値が開始温度より高かった場合には、ペルチェ冷却器84による冷却温度を制御して、温度測定値を開始温度まで低下させる(ステップS1)。
準備工程で温度測定値が開始温度以下であった場合、又は準備工程での冷却温度の制御により温度測定値が開始温度に達した場合、水電解装置16による水電解を開始する水電解工程を行う(ステップS2)。水電解工程では、図1において、先ず、水供給装置64により純水を生成し、水貯留装置66のタンク部70に供給する。また、水循環装置68の循環ポンプ74の作用下に、タンク部70からイオン交換器76を介して水電解装置16の水供給連通孔50に水を供給する。これによって、各単位セル24では、水供給連通孔50からアノード側セパレータ40の第1流路56に水が供給され、この水がアノード側給電体内に沿って移動する。
この際、ターミナルプレート26a、26bの端子部32a、32bには、電解電源36を介して電圧が付与される。このため、アノード側給電体に供給された水は、アノード電極触媒層で電気分解され、これによって、水素イオンと、電子と、酸素ガスとが生成する。このようにして生成した水素イオンは、固体高分子電解質膜46を透過してカソード電極触媒層に移動し、電子と結合して水素ガスとなる。つまり、カソード14では、水素ガスが発生する。この水素ガスは、カソード側セパレータ42とカソード側給電体との間に形成される第2流路58に沿って流動し、水素連通孔54を介して水素ガス流路18へと流入する。
一方、アノード12で発生した酸素ガスと、余剰(未反応)の水は、アノード排出流体として第1流路56及び排出連通孔52を介してアノード排出流路62に排出される。アノード排出流路62を介して水貯留装置66に供給されたアノード排出流体は、酸素ガスと水に分離され、酸素ガスは酸素ガス流路72を介して水電解システム10の外部に排出される。水はタンク部70に貯留され、水供給装置64からタンク部70に供給された純水とともに、循環ポンプ74の作用下にイオン交換器76で不純物を除去された後に水供給連通孔50に再び導入される。すなわち、水供給流路60及びアノード排出流路62を介して、水貯留装置66と水電解装置16との間で水が循環する。
上記のように、水電解装置16により水電解処理が行われ、水素ガスが継続して発生すると、背圧弁20の設定圧力に達するまで水素圧力が上昇していく。この水素圧力を圧力センサ78により測定して圧力測定値を得る圧力測定工程を行う(図3のステップS3)。なお、背圧弁20は、制御部22によって圧力測定値と設定圧力とを比較した結果に基づいて開閉制御されてもよい。
次に、制御部22は、温度センサ86で得られた温度測定値が、圧力測定工程で得られた圧力測定値に対応する水の凝固点を超える目標温度となるように、ペルチェ冷却器84による冷却温度を制御する冷却温度制御工程を行う(図3のステップS4)。具体的には、図2に示すマップ図に基づき、温度測定値がオン温度以上であった場合には、ペルチェ素子96の冷却方向に駆動電流を供給して冷却温度を低下させる。
一方、温度測定値がオフ温度以下であった場合には、ペルチェ素子96に対する駆動電流の供給を停止して冷却温度を上昇させる。これによって、温度測定値が、オン温度近傍とオフ温度近傍との間に設定された目標温度となるように冷却温度を制御することができる。その結果、ペルチェ冷却器84では、第1除湿水素ガスを、その圧力に応じて、第1除湿水素ガスに含まれる水分が凍結しない範囲で可及的に凝固点に近づけることができる。これによって、第1除湿水素ガスの飽和水蒸気量を効果的に低下させることができるため、所望の水分量まで除湿した第2除湿水素ガスを得ることが可能になる。
この際、背圧弁20が閉弁しているため、水素圧力が、例えば、70〜85MPaの範囲内で設定された設定圧力に達するまで上昇する。すなわち、水素ガス流路18の背圧弁20よりもカソード14側に配設されたペルチェ冷却器84では、常温よりも昇圧している分、飽和水蒸気量及び流速が低下した第1除湿水素ガスを冷却することになる。これによっても、第1除湿水素ガスを効果的に除湿することが可能となる。その結果、水電解システム10では、所望の水分量とした第2除湿水素ガスを設定圧力まで昇圧させた製品水素ガスを製造することが可能になる。
なお、第2除湿水素ガスの水分量を効果的に低減させる観点から、目標温度の少なくとも一部は、0℃以下となることが好ましい。このため、例えば、冷却温度制御工程では、水素圧力が上記の設定圧力に達した以降の水電解システム10の定常運転時には、0℃以下の目標温度となるように冷却温度を制御することが好ましい。上記の設定圧力まで水素圧力を上昇させた場合、該水素圧力に応じて水の凝固点も降下しているため、温度測定値を0℃以下の目標温度としても水素ガスに含まれる水分が凍結することを回避できる。
また、水電解システム10では、上記のように、水電解工程により継続的に水素ガスを発生させることによる水素圧力の昇圧中に圧力測定値が変化していく場合に加え、水電解装置16による水素ガスの発生量が低減ないしは水素ガスの発生が停止することや、他の何らかの要因で水素圧力の降圧中に圧力測定値が変化していく場合がある。これらの何れの場合であっても、上記のように、圧力測定値に対応する水の凝固点を超える目標温度となるように、冷却温度を制御することで、第1除湿水素ガスを、該第1除湿水素ガスに含まれる水分が凍結しない範囲で可及的に凝固点に近づけて、所望の水分量まで効果的に除湿した第2除湿水素ガスを得ることができる。
次に、制御部22は、温度測定値が下限温度以上且つ上限温度以下の範囲にあるか否かを判定する脱圧判定工程を行う(図3のステップS5)。脱圧判定工程で、温度測定値が下限温度以上且つ上限温度以下の範囲にあると判定した場合(図3のステップS5:YES)には、ステップS3の圧力測定工程に戻る。この圧力測定工程で得られる圧力測定値に基づき、ステップS4の冷却温度制御工程を行うことで、圧力測定値の変動に関わらず、温度測定値が圧力測定値に応じた目標温度となるように、冷却温度を制御して、所望の水分量となる第2除湿水素ガスの製造を継続することができる。
一方、脱圧判定工程で、温度測定値が下限温度以上且つ上限温度以下の範囲にないと判定した場合(図3のステップS5:NO)、脱圧弁82を開弁して、水素ガス流路18のカソード14と背圧弁20との間を脱圧する脱圧工程を行う(図3のステップS6)。脱圧弁82を開弁することで、第1除湿水素ガスは第2流路58へと流通するため、ペルチェ冷却器84に供給される第1除湿水素ガスの流量を低減ないしはゼロとすることができる。また、脱圧弁82を開弁することで、水素圧力が設定圧力よりも低下するため、背圧弁20が閉弁状態となる。
上記の通り、温度測定値が下限温度を下回ると、水素ガスに含まれる水分が凍結する懸念が生じる。このため、温度測定値が下限温度を下回った場合に、脱圧弁82を開弁して、ペルチェ冷却器84への水素ガスの供給を抑制することで、水素ガスに含まれる水分が凍結するまで冷却されて、水素ガス流路18等が閉塞されること等を回避できる。
一方、温度測定値が上限温度を上回ると、水素ガスの飽和水蒸気量が十分に低下しておらず、第2除湿水素ガスが所望の水分量まで除湿されていない懸念が生じる。このため、温度測定値が上限温度を上回った場合に、脱圧弁82を開弁して、背圧弁20を閉弁状態とすることで、水電解システム10から所定の水分濃度まで除湿されていない製品水素ガスが供給されること等を回避できる。
また、上記の通り、脱圧判定工程で、温度測定値が下限温度以上且つ上限温度以下の範囲にないと判定した場合、ペルチェ冷却器84の冷却温度が正常に制御されていないことが懸念される。この場合、水電解装置16の異常時や水素ガス流路18等の閉塞時とは異なり、水電解システム10に設けられた電解電源36や各種電磁バルブ等の電源をオフして、アノード12とカソード14に差圧が生じた状態で水電解処理を強制停止したり、水素ガス流路18に通常とは逆方向に水素ガスを流通させたりする必要性は少ない。
このため、上記のように、温度測定値が下限温度以上且つ上限温度以下の範囲にないと判定された場合には、水電解処理を強制停止することや、水電解装置16に水素ガスを逆流させること等に代えて、脱圧工程を行うことで、電解質膜等の保護が容易となり、ひいては、水電解装置16の耐久性の向上を図ること等が可能となる。
脱圧工程を行うことで、水素圧力が所定の圧力まで低下した後に、すなわち、水電解装置16のアノード12とカソード14の差圧を十分に低減させた後に、水電解システム10に設けられた電解電源36や各種電磁バルブ等の電源をオフする水電解停止工程を行って(図3のステップS7)、本実施形態に係るフローチャートを終了する。
以上から、本実施形態に係る水電解システム10及びその制御方法によれば、ペルチェ冷却器84で冷却される水素ガスの圧力に応じて、該水素ガスに含まれる水分を凍結させることなく効果的に分離することができる。このため、ペルチェ冷却器84を用いた小型且つ簡素な構成で、水素ガスを効果的に除湿することが可能となる。
上記の実施形態に係る水電解システム10では、水素ガス流路18のカソード14とペルチェ冷却器84との間に設けられ、水素ガス流路18のカソード14と背圧弁20との間を脱圧可能な脱圧弁82を備え、制御部22は、温度測定値が目標温度より低く設定された下限温度を下回った場合又は目標温度より高く設定された上限温度を上回った場合に脱圧弁82を開弁することとした。
また、上記の実施形態に係る水電解システム10の制御方法では、冷却温度制御工程の後、温度測定値が目標温度より低く設定された下限温度以上且つ目標温度より高く設定された上限温度以下の範囲にあるか否かを判定する脱圧判定工程を行い、脱圧判定工程で、温度測定値が下限温度以上且つ上限温度以下の範囲にないと判定した場合、水素ガス流路18のカソード14と背圧弁20との間に設けられた脱圧弁82を開弁して、水素ガス流路18のカソード14と背圧弁20との間を脱圧する脱圧工程を行うこととした。
これらの場合、ペルチェ冷却器84の冷却温度の制御に異常が生じた場合であっても、水素ガス流路18等が凍結した水分で閉塞されることや、所定の水分濃度まで除湿されていない製品水素ガスが製造されること等を回避できる。また、アノード12とカソード14に差圧が生じた状態で水電解装置16による水電解処理を強制停止することや、水電解装置16に水素ガスを逆流させること等を回避できるため、固体高分子電解質膜46を容易に保護することが可能となり、水電解装置16の耐久性を向上させることが可能となる。
なお、制御部22は、温度測定値が下限温度を下回った場合又は上限温度を上回った場合以外にも脱圧弁82を開弁する制御を行うことができる。例えば、水電解システム10のユーザが、制御部22に対して水電解システム10の運転を停止する指示を行った場合等に脱圧弁82を開弁する脱圧工程を行ってもよい。これによって、水電解装置16のアノード12とカソード14の差圧を十分に低減させた後に、水電解システム10を停止することができるため、水電解装置16の耐久性を向上させることが可能となる。
上記の実施形態に係る水電解システム10では、制御部22は、冷却温度を制御して、温度測定値を予め設定された開始温度とした後に、水電解装置16による水の電気分解を開始することとした。
また、上記の実施形態に係る水電解システム10の制御方法では、温度測定値が予め設定された開始温度となるように、冷却温度を制御する準備工程を行った後に、水電解工程を行うこととした。
これらの場合、例えば、真夏等において水電解システム10が比較的高温下にある場合であっても、水素ガスをペルチェ冷却器84で良好に冷却することができるため、水素ガスを効率的に除湿することが可能になる。
上記の実施形態に係る水電解システム10及びその制御方法では、目標温度の少なくとも一部は、0℃以下であることとした。水素ガスの圧力が、例えば、70〜85MPaの設定圧力にあるとき、目標温度を0℃以下としても、水素ガスに含まれる水分が凍結することを回避しつつ、水素ガスの飽和水蒸気量を低下させることができるため、水素ガスに含まれる水分を効果的に分離することが可能となる。
本発明は、上記した実施形態に特に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
例えば、上記の実施形態では、ペルチェ冷却器84がスイッチング手段98を備え、ペルチェ素子96の冷却方向への駆動電流をオン・オフ制御することとした。この場合、ペルチェ冷却器84の簡素化を良好に図ることができる。しかしながら、特にこれに限定されるものではなく、ペルチェ冷却器84は不図示の可変電源等を備え、ペルチェ素子96の冷却方向及び加熱方向の少なくとも一方に供給する駆動電流の大きさを調整することで、冷却温度を制御してもよい。この場合、冷却温度をより高精度に制御することが可能となる。
また、上記の実施形態では、気液分離器80に、第1水素ガス流路18aに連通する気体排出口94aと第2水素ガス流路18bに連通する気体排出口94bとが設けられ、第2水素ガス流路18bに脱圧弁82が設けられることとした。しかしながら、特にこれに限定されるものではない。気液分離器80には、第1水素ガス流路18aに連通する気体排出口94aのみが設けられていてもよい。また、脱圧弁82は、水素ガス流路18のカソード14とペルチェ冷却器84との間の何れの箇所に設けられていてもよい。
10…水電解システム 12…アノード
14…カソード 16…水電解装置
18…水素ガス流路 20…背圧弁
22…制御部 78…圧力センサ
80…気液分離器 82…脱圧弁
84…ペルチェ冷却器 86…温度センサ
96…ペルチェ素子

Claims (8)

  1. 水を電気分解して酸素ガスを発生させるアノード及び水素ガスを発生させるカソードを有する水電解装置と、前記カソードで発生した前記水素ガスを流通させる水素ガス流路に設けられた背圧弁とを備え、前記酸素ガスよりも高圧の前記水素ガスを製造する水電解システムであって、
    前記水素ガス流路の前記カソードと前記背圧弁との間に設けられ前記水素ガスから水分を分離する気液分離器と、
    前記水素ガス流路の前記気液分離器と前記背圧弁との間であって前記気液分離器よりも高い位置に設けられ、前記気液分離器で水分が分離された前記水素ガスをペルチェ素子により冷却することで、該水素ガスに含まれる水分をさらに分離するペルチェ冷却器と、
    前記ペルチェ冷却器の温度又は該ペルチェ冷却器の周辺の温度を測定して温度測定値を出力する温度センサと、
    前記水素ガス流路の前記カソードと前記背圧弁との間の前記水素ガスの圧力を測定して圧力測定値を出力する圧力センサと、
    前記圧力測定値及び前記温度測定値に基づき、前記温度測定値が、前記圧力測定値に対応する水の凝固点を超える目標温度となるように、前記ペルチェ冷却器による冷却温度を制御する制御部と、
    を備え、
    前記目標温度の少なくとも一部は、前記圧力測定値が高いほど低くなる水電解システム。
  2. 請求項1記載の水電解システムにおいて、
    前記水素ガス流路の前記カソードと前記ペルチェ冷却器との間に設けられ、前記水素ガス流路の前記カソードと前記背圧弁との間を脱圧可能な脱圧弁を備え、
    前記制御部は、前記温度測定値が前記目標温度より低く設定された下限温度を下回った場合又は前記目標温度より高く設定された上限温度を上回った場合に前記脱圧弁を開弁する、水電解システム。
  3. 請求項1又は2記載の水電解システムにおいて、
    前記制御部は、前記冷却温度を制御して、前記温度測定値を予め設定された開始温度とした後に、前記水電解装置による水の電気分解を開始する、水電解システム。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の水電解システムにおいて、
    前記目標温度の少なくとも一部は、0℃以下となる、水電解システム。
  5. 水を電気分解して酸素ガスを発生させるアノード及び水素ガスを発生させるカソードを有する水電解装置と、前記カソードで発生した前記水素ガスを流通させる水素ガス流路に設けられた背圧弁とを備え、前記酸素ガスよりも高圧の前記水素ガスを製造する水電解システムの制御方法であって、
    前記水電解装置による水の電気分解を開始する水電解工程と、
    前記水素ガス流路の前記カソードと前記背圧弁との間の前記水素ガスの圧力を測定して圧力測定値を得る圧力測定工程と、
    前記水素ガス流路の前記カソードと前記背圧弁との間に設けられるペルチェ冷却器の温度又は前記ペルチェ冷却器の周辺の温度を測定して得られる温度測定値が、前記圧力測定値に対応する水の凝固点を超える目標温度となるように、前記ペルチェ冷却器による冷却温度を制御する冷却温度制御工程と、
    を有し、
    前記目標温度の少なくとも一部は、前記圧力測定値が高いほど低くなる水電解システムの制御方法。
  6. 請求項5記載の水電解システムの制御方法において、
    前記冷却温度制御工程の後、前記温度測定値が前記目標温度より低く設定された下限温度以上且つ前記目標温度より高く設定された上限温度以下の範囲にあるか否かを判定する脱圧判定工程を行い、
    前記脱圧判定工程で、前記温度測定値が下限温度以上且つ上限温度以下の範囲にないと判定した場合、前記水素ガス流路の前記カソードと前記背圧弁との間に設けられた脱圧弁を開弁して、前記水素ガス流路の前記カソードと前記背圧弁との間を脱圧する脱圧工程を行う、水電解システムの制御方法。
  7. 請求項5又は6記載の水電解システムの制御方法において、
    前記温度測定値が予め設定された開始温度となるように、前記冷却温度を制御する準備工程を行った後に、前記水電解工程を行う、水電解システムの制御方法。
  8. 請求項5〜7の何れか1項に記載の水電解システムの制御方法において、
    前記目標温度の少なくとも一部は、0℃以下となる、水電解システムの制御方法。
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