JP5490654B2 - 高圧水電解装置の運転停止方法 - Google Patents

高圧水電解装置の運転停止方法 Download PDF

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Description

本発明は、電解質膜の両側に給電体が設けられ、前記給電体間に電解電圧を印加することにより、水を電気分解してアノード側に酸素を発生させるとともに、カソード側に前記酸素よりも高圧な水素を発生させる高圧水電解装置の運転停止方法に関する。
例えば、燃料電池を発電させるための燃料ガスとして、水素ガスが使用されている。一般的に、水素ガスを製造する際に、水電解装置が採用されている。この水電解装置は、水を分解して水素(及び酸素)を発生させるため、固体高分子電解質膜(イオン交換膜)を用いている。固体高分子電解質膜の両面には、電極触媒層が設けられて電解質膜・電極構造体が構成されるとともに、前記電解質膜・電極構造体の両側には、給電体を配設してユニットが構成されている。
そこで、複数のユニットが積層された状態で、積層方向両端に電圧が付与されるとともに、アノード側に水が供給される。このため、電解質膜・電極構造体のアノード側では、水が分解されて水素イオン(プロトン)が生成され、この水素イオンが固体高分子電解質膜を透過してカソード側に移動し、電子と結合して水素が製造される。一方、アノード側では、水素イオンと共に生成された酸素が、余剰の水を伴ってユニットから排出される。
この種の水電解装置では、カソード側に高圧(一般的には、1MPa以上)な水素を生成する高圧水素製造装置(高圧水電解装置)が採用されている。例えば、特許文献1に開示されているように、固体高分子膜と、該固体高分子膜の両側に相対向して設けられたカソード給電体と、アノード給電体と、各給電体に積層されたセパレータと、各セパレータに設けられて各給電体が露出する流体通路とを備え、アノード側セパレータの流体通路に水を供給するとともに、各給電体に通電することにより、アノード側セパレータの流体通路に供給された水を電気分解し、カソード側セパレータの流体通路に高圧の水素ガスを得る高圧水素製造装置が知られている。この高圧水素製造装置は、カソード給電体を固体高分子膜に押圧して密着せしめる押圧手段を備えている。
これにより、カソード側が高圧になったときには、押圧手段がカソード給電体を固体高分子膜に押圧して密着させるため、前記固体高分子膜と前記カソード給電体との間に間隙を生じることがなく、接触抵抗の増大を阻止することが可能になっている。
特開2006−70322号公報
ところで、上記の高圧水素製造装置では、固体高分子膜を挟んでカソード側セパレータの流体通路に高圧水素が充填される一方、アノード側セパレータの流体通路には、常圧の水及び酸素が存在している。このため、運転停止(生成水素の供給終了)時には、固体高分子膜を保護するために、前記固体高分子膜の両側の圧力差を除去する必要がある。
従って、通常、各給電体への電力の供給をゼロにして水電解処理を停止した後、カソード側の流体通路に充填されている水素の圧力を強制的に脱圧し、前記水素の圧力を常圧付近まで減圧させる処理が行われている。
その際、水素圧力の減圧が急激に行われると、固体高分子膜やシールに対して損傷を与えるおそれがあり、減圧は時間をかけて徐々に行う必要がある。これにより、電解処理が停止してから、カソード側の流体通路の水素圧力が常圧になるまでに相当な時間を要してしまい、その間にカソード側からアノード側へと水素が透過するおそれがある。このため、アノード触媒が水素によって還元され、水電解性能が低下するという問題がある。
本発明はこの種の問題を解決するものであり、運転停止後に、アノード側にリークする水素量を良好に削減することができ、触媒電極の劣化を阻止して良好な水電解処理が遂行可能な高圧水電解装置の運転停止方法を提供することを目的とする。
本発明は、電解質膜の両側に給電体が設けられ、前記給電体間に電解電圧を印加することにより、水を電気分解してアノード側に酸素を発生させるとともに、カソード側に前記酸素よりも高圧な水素を発生させる高圧水電解装置の運転停止方法に関するものである。
この運転停止方法は、給電体間に対する電解電圧の印加を停止する工程と、前記電解電圧の印加を停止した状態で、高圧水電解装置内に電解運転時よりも低温の冷却用媒体を供給することにより、前記高圧水電解装置を冷却する工程と、前記高圧水電解装置が冷却された状態で、少なくともカソード側の減圧を行う工程とを有している。
また、この運転停止方法は、水を高圧水電解装置に循環させる循環配管を備え、前記循環配管に配置された熱交換器により冷却された前記水を、冷却用媒体としてアノード側に供給することにより、前記高圧水電解装置を冷却することが好ましい。
さらに、この運転停止方法は、カソード側に発生した水素に含まれる水分を気液分離する気液分離器を備え、前記気液分離器に貯留される水を、冷却用媒体としてカソード側に供給することにより、高圧水電解装置を冷却することが好ましい。
本発明によれば、給電体間に対する電解電圧の印加を停止した状態で、高圧水電解装置が冷却されている。従って、高圧水素が発生しない停止時に、高圧水電解装置の温度が低下するため、カソード側からアノード側にリークする水素量を良好に低減させることができる。水素のリーク量は、温度に依存しており、高温時にリーク量が増大するからである。
このため、カソード側の減圧を行っている間に、アノード側にリークする水素量が良好に削減され、触媒電極の水素による還元を阻止することが可能になる。これにより、運転停止後に、アノード側にリークする水素量を可及的に削減することができ、触媒電極の劣化を阻止して良好な水電解処理が遂行される。
本発明の第1の実施形態に係る高圧水電解装置の概略構成説明図である。 前記高圧水電解装置を構成する単位セルの分解斜視説明図である。 第1の実施形態に係る高圧水電解装置の運転停止方法を説明するフローチャートである。 水素圧力及び温度とクロスリーク量との関係説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る高圧水電解装置の概略構成説明図である。 第2の実施形態に係る高圧水電解装置の運転停止方法を説明するフローチャートである。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る運転停止方法が適用される高圧水電解装置10は、純水を電気分解することによって高圧水素(酸素よりも高圧、例えば、1MPa以上)を製造する高圧水電解機構12と、純水供給機構14を介して市水から生成された純水が供給され、この純水を前記高圧水電解機構12に供給するとともに、前記高圧水電解機構12から排出される余剰の前記水を、前記高圧水電解機構12に循環供給する水循環機構16と、前記高圧水電解機構12から導出される前記高圧水素に含まれる水分を除去する水素側気液分離器18と、前記水素側気液分離器18から供給される水素に含まれる水分を吸着して除去する水素除湿器20と、コントローラ(制御部)22とを備える。
高圧水電解機構12は、高圧水素製造装置(カソード側圧力>アノード側圧力)を構成しており、複数の単位セル24が積層される。単位セル24の積層方向一端には、ターミナルプレート26a、絶縁プレート28a及びエンドプレート30aが外方に向かって、順次、配設される。単位セル24の積層方向他端には、同様にターミナルプレート26b、絶縁プレート28b及びエンドプレート30bが外方に向かって、順次、配設される。エンドプレート30a、30b間は、一体的に締め付け保持される。
ターミナルプレート26a、26bの側部には、端子部34a、34bが外方に突出して設けられる。端子部34a、34bは、配線36a、36bを介して電解用電源38に電気的に接続される。
図2に示すように、単位セル24は、円盤状の電解質膜・電極構造体42と、この電解質膜・電極構造体42を挟持するアノード側セパレータ44及びカソード側セパレータ46とを備える。アノード側セパレータ44及びカソード側セパレータ46は、円盤状を有するとともに、例えば、カーボン部材等で構成され、又は、鋼板、ステンレス鋼板、チタン板、アルミニウム板、めっき処理鋼板、あるいはその金属表面に防食用の表面処理を施した金属板をプレス成形して、あるいは切削加工した後に防食用の表面処理を施して構成される。
電解質膜・電極構造体42は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜48と、前記固体高分子電解質膜48の両面に設けられるアノード側給電体50及びカソード側給電体52とを備える。
固体高分子電解質膜48の両面には、アノード電極触媒層50a及びカソード電極触媒層52aが形成される。アノード電極触媒層50aは、例えば、Ru(ルテニウム)系触媒を使用する一方、カソード電極触媒層52aは、例えば、白金触媒を使用する。
アノード側給電体50及びカソード側給電体52は、例えば、球状アトマイズチタン粉末の焼結体(多孔質導電体)により構成される。アノード側給電体50及びカソード側給電体52は、研削加工後にエッチング処理される平滑表面部を設けるとともに、空隙率が10%〜50%、より好ましくは、20%〜40%の範囲内に設定される。
単位セル24の外周縁部には、積層方向である矢印A方向に互いに連通して、水(純水)を供給するための水供給連通孔56と、反応により生成された酸素及び使用済みの水(混合流体)を排出するための排出連通孔58と、反応により生成された高圧水素を流すための水素連通孔60とが設けられる。
アノード側セパレータ44の電解質膜・電極構造体42に向かう面44aには、水供給連通孔56に連通する供給通路62aと、排出連通孔58に連通する排出通路62bとが設けられる。面44aには、供給通路62a及び排出通路62bに連通する第1流路64が設けられる。この第1流路64は、アノード側給電体50の表面積に対応する範囲内に設けられるとともに、複数の流路溝や複数のエンボス等で構成される。
カソード側セパレータ46の電解質膜・電極構造体42に向かう面46aには、水素連通孔60に連通する排出通路66が設けられる。面46aには、排出通路66に連通する第2流路68が形成される。この第2流路68は、カソード側給電体52の表面積に対応する範囲内に設けられるとともに、複数の流路溝や複数のエンボス等で構成される。
アノード側セパレータ44及びカソード側セパレータ46の外周端部を周回して、シール部材70a、70bが一体化される。このシール部材70a、70bには、例えば、EPDM、NBR、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレンゴム、クロロプレーン又はアクリルゴム等のシール材、クッション材、あるいはパッキン材が用いられる。
図1に示すように、水循環機構16は、高圧水電解機構12の水供給連通孔56に連通する循環配管72を備え、この循環配管72には、熱交換器73、循環ポンプ74、イオン交換器76及び酸素側気液分離器78が配設される。
酸素側気液分離器78の上部には、戻り配管80の一端部が連通するとともに、前記戻り配管80の他端は、高圧水電解機構12の排出連通孔58に連通する。酸素側気液分離器78には、純水供給機構14に接続された純水供給配管82と、前記酸素側気液分離器78で純水から分離された酸素を排出するための酸素排気配管84とが連結される。
酸素側気液分離器78の出口側(下流側)には、熱交換器73が接続される。熱交換器73には、冷却水供給配管86aと冷却水排出配管86bとが設けられる。冷却水供給配管86aには、所定の温度に冷却された冷却水(冷却用媒体)が供給され、この冷却水は、酸素側気液分離器78内に導入されて前記酸素側気液分離器78内に循環供給される純水を冷却する。
高圧水電解機構12の水素連通孔60には、高圧水素配管88の一端が接続され、この高圧水素配管88の他端が水素側気液分離器18に接続される。高圧水素配管88から脱圧配管88aが分岐するとともに、前記脱圧配管88aには、脱圧用バルブ89が設けられる。
水素側気液分離器18で水分が除去された高圧水素は、水素除湿器20によって除湿されることにより、ドライ水素配管90にドライ水素が供給される。ドライ水素配管90には、背圧弁91が配設されており、水素連通孔60に生成される水素圧力は、酸素側よりも高圧に維持される。水素側気液分離器18の下部には、ドレン配管92が接続される。このドレン配管92には、排水用バルブ94が配設される。
このように構成される高圧水電解装置10の動作について、以下に説明する。
先ず、高圧水電解装置10の始動時には、純水供給機構14を介して市水から生成された純水が、水循環機構16を構成する酸素側気液分離器78に供給される。
水循環機構16では、循環ポンプ74の作用下に、循環配管72を介して純水が高圧水電解機構12の水供給連通孔56に供給される。一方、ターミナルプレート26a、26bの端子部34a、34bには、電気的に接続されている電解用電源38を介して電解電圧が付与される。
このため、図2に示すように、各単位セル24では、水供給連通孔56からアノード側セパレータ44の第1流路64に水が供給され、この水がアノード側給電体50内に沿って移動する。
従って、水は、アノード電極触媒層50aで電気により分解され、水素イオン、電子及び酸素が生成される。この陽極反応により生成された水素イオンは、固体高分子電解質膜48を透過してカソード電極触媒層52a側に移動し、電子と結合して水素が得られる。
これにより、カソード側セパレータ46とカソード側給電体52との間に形成される第2流路68に沿って水素が流動する。この水素は、水供給連通孔56よりも高圧に維持されており、水素連通孔60を流れて高圧水電解機構12の外部に取り出し可能となる。
一方、第1流路64には、反応により生成した酸素と、使用済みの水とが流動しており、これらの混合流体が排出連通孔58に沿って水循環機構16の戻り配管80に排出される(図1参照)。この使用済みの水及び酸素は、酸素側気液分離器78に導入されて分離された後、水は、循環ポンプ74を介して循環配管72からイオン交換器76を通って水供給連通孔56に導入される。水から分離された酸素は、酸素排気配管84から外部に排出される。
高圧水電解機構12内に生成された水素は、高圧水素配管88を介して水素側気液分離器18に送られる。この水素側気液分離器18では、水素に含まれる水蒸気が、この水素から分離される。一方、水素は、水素除湿器20を介して除湿された後、背圧弁91の設定圧力に至ると、ドライ水素としてドライ水素配管90に導入される。このドライ水素は、図示しない燃料電池車両に供給される。
次いで、本発明の第1の実施形態に係る高圧水電解装置10の運転停止方法について、図3に示すフローチャートに沿って以下に説明する。
コントローラ22では、図示しない燃料電池車両に対するドライ水素の充填が完了すると、高圧水電解装置10の運転が停止したと判断する(ステップS1)。なお、運転停止の判断基準は、例えば、図示しないスイッチによるオフ操作等、他の方式を採用してもよい。
次いで、ステップS2に進み、電解用電源38による電解電圧の印加が停止された後、高圧水電解機構12の冷却処理が開始される(ステップS3)。この冷却処理では、図1に示すように、冷却水供給配管86aには、所定の温度に冷却された冷却水が供給されるため、この冷却水は、酸素側気液分離器78内に導入される。
従って、酸素側気液分離器78内に循環供給される純水は、冷却水により強制的に冷却され、循環ポンプ74の作用下に、高圧水電解機構12の水供給連通孔56から第1流路64に供給される。これにより、高圧水電解機構12は、通常運転時よりも低温の純水が供給されることによって、強制的に冷却される。
この状態で、カソード側の高圧水素の減圧が開始される(ステップS4)。具体的には、脱圧用バルブ89が開放されて、脱圧配管88aが水素連通孔60に連通する。このため、カソード側である第2流路68に充填されている高圧水素は、脱圧用バルブ89の開度調整によって徐々に減圧処理される。
そして、第2流路68内の水素圧力が、第1流路64内の圧力(常圧)と同圧になった際(ステップS5中、YES)、ステップS6に進んで、高圧水電解機構12の冷却処理が停止される。
なお、第2流路68内の水素圧力が、第1流路64内の圧力と同圧になったか否かの判断は、例えば、圧力センサ96の検出圧力に基づいて行われる。また、圧力センサ96に代えて、減圧処理開始からの経過時間を計測し、所定の時間が経過したか否かに基づいて行うことも可能である。
この場合、第1の実施形態では、電解用電源38による電解電圧の印加が停止された状態で、熱交換器73の作用下に、高圧水電解機構12を強制冷却している。従って、高圧水素が発生しない停止時に、高圧水電解機構12の温度が低下するため、カソード側から固体高分子電解質膜48を透過してアノード側にリークする水素量を良好に低減させることができる。
実際上、図4に示すように、カソード側からアノード側への水素のリーク量(クロスリーク量)は、温度及び圧力に依存している。このため、停止処理時に、高圧水電解機構12が高温に維持されていると、水素のリーク量が増大してしまう。
これにより、高圧水電解機構12を強制冷却することによって、カソード電極触媒層52a側の減圧を行っている間に、アノード電極触媒層50a側にリークする水素量が良好に削減され、前記アノード電極触媒層50aの水素による還元を阻止することが可能になる。従って、運転停止後に、アノード電極触媒層50a側にリークする水素量を可及的に削減することができ、前記アノード電極触媒層50aの劣化を阻止して良好な水電解処理が遂行されるという効果が得られる。
なお、第1の実施形態では、カソード側のみを減圧処理する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、アノード側も必要に応じて同様の減圧処理を施してもよい。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る高圧水電解装置100の概略構成説明図である。
なお、第1の実施形態に係る高圧水電解装置10と同一の構成要素には、同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
高圧水電解装置100では、高圧水素配管88に、水素側気液分離器18に代えて水素側気液分離器102が接続される。水素側気液分離器102は、内部に冷却器104を収容しており、前記水素側気液分離器102内に貯留されている水を冷却することができる。ここで、冷却器104は、必須ではなく、例えば、水素側気液分離器102内の水が外気等の雰囲気温度により冷却可能であれば、前記冷却器104を削除することも可能である。
水素側気液分離器102は、高圧水電解機構12よりも高い位置に配置される。この水素側気液分離器102の下部には、ドレン配管92と並列して戻し配管106の一端部が接続されるとともに、前記戻し配管106の他端部は、水素連通孔60に連通して高圧水電解機構12の底部に接続される。戻し配管106の途上には、開閉弁108が配設される。なお、水循環機構16には、第1の実施形態の熱交換器73が設けられていない。
このように構成される高圧水電解装置100による運転停止方法は、図6に示すフローチャートに沿って行われる。なお、図3に示す第1の実施形態に係る高圧水電解装置10の運転停止方法と同一の工程については、その詳細な説明は省略する。
コントローラ22は、高圧水電解装置100の運転が停止すると(ステップS11)、ステップS12に進んで、電解用電源38による電解電圧の印加を停止する。次いで、開閉弁108が開放されることにより(ステップS13)、水素側気液分離器102内に貯留されている水は、自重によって戻し配管106を流通し、冷却水として高圧水電解機構12内の水素連通孔60に供給される。なお、水素側気液分離器102内では、冷却器104が駆動されており、通常運転時よりも低温の水が貯留されている。
このため、高圧水電解機構12内では、冷却水が水素連通孔60から各カソード側である第2流路68に導入されて各単位セル24が強制的に冷却される。この冷却水は、高圧水素配管88に排出されて水素側気液分離器102に循環される。従って、高圧水電解機構12が強制冷却される。
この状態で、カソード側の高圧水素の減圧が開始される(ステップS14)。そして、第2流路68内の水素圧力が、第1流路64内の圧力(常圧)と同圧になった際(ステップS15中、YES)、ステップS16に進んで、開閉弁108が閉塞されて高圧水電解機構12の冷却処理が停止される。
これにより、第2の実施形態では、水素側気液分離器102内に貯留されている水が、冷却用媒体として高圧水電解機構12に供給され、この高圧水電解機構12を強制冷却している。このため、運転停止後に、アノード側にリークする水素量を良好に削減することができ、良好な水電解処理が遂行される等、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
10、100…高圧水電解装置 12…高圧水電解機構
14…純水供給機構 16…水循環機構
18、102…水素側気液分離器 20…水素除湿器
22…コントローラ 24…単位セル
38…電解用電源 42…電解質膜・電極構造体
44…アノード側セパレータ 46…カソード側セパレータ
48…固体高分子電解質膜 50…アノード側給電体
52…カソード側給電体 56…水供給連通孔
58…排出連通孔 60…水素連通孔
64、68…流路 72…循環配管
73…熱交換器 78…酸素側気液分離器
80…戻り配管 86a…冷却水供給配管
86b…冷却水排出配管 88…高圧水素配管
88a…脱圧配管 89…脱圧用バルブ
90…ドライ水素配管 91…背圧弁
92…ドレン配管 94…排水用バルブ
104…冷却器 106…戻し配管
108…開閉弁

Claims (3)

  1. 電解質膜の両側に給電体が設けられ、前記給電体間に電解電圧を印加することにより、水を電気分解してアノード側に酸素を発生させるとともに、カソード側に前記酸素よりも高圧な水素を発生させる高圧水電解装置の運転停止方法であって、
    前記給電体間に対する前記電解電圧の印加を停止する工程と、
    前記電解電圧の印加を停止した状態で、前記高圧水電解装置内に電解運転時よりも低温の冷却用媒体を供給することにより、該高圧水電解装置を冷却する工程と、
    前記高圧水電解装置が冷却された状態で、少なくとも前記カソード側の減圧を行う工程と、
    を有することを特徴とする高圧水電解装置の運転停止方法。
  2. 請求項1記載の運転停止方法において、前記水を前記高圧水電解装置に循環させる循環配管を備え、前記循環配管に配置された熱交換器により冷却された前記水を、前記冷却用媒体として前記アノード側に供給することにより、前記高圧水電解装置を冷却することを特徴とする高圧水電解装置の運転停止方法。
  3. 請求項1記載の運転停止方法において、前記カソード側に発生した前記水素に含まれる水分を気液分離する気液分離器を備え、前記気液分離器に貯留される水を、前記冷却用媒体として前記カソード側に供給することにより、前記高圧水電解装置を冷却することを特徴とする高圧水電解装置の運転停止方法。
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