JP5872431B2 - 高圧水電解システム及びその起動方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電解質膜の両側に給電体が設けられ、水を電気分解してアノード側に酸素を発生させるとともに、カソード側に前記酸素よりも高圧な水素を発生させる高圧水電解装置を備える高圧水電解システム及びその起動方法に関する。
例えば、燃料電池を発電させるための燃料ガスとして、水素ガスが使用されている。一般的に、水素ガスを製造する際に、水電解装置を組み込む水素供給システムが採用されている。水電解装置は、水を電気分解して水素(及び酸素)を発生させるため、固体高分子電解質膜を用いている。固体高分子電解質膜の両面には、電極触媒層が設けられて電解質膜・電極構造体が構成されるとともに、前記電解質膜・電極構造体の両側には、それぞれ給電体を配設してユニットが構成されている。
そこで、複数のユニットが積層された状態で、積層方向両端に電圧が付与されるとともに、アノード給電体に水が供給される。このため、電解質膜・電極構造体のアノード側では、水が分解されて水素イオン(プロトン)が生成され、この水素イオンが固体高分子電解質膜を透過してカソード側に移動し、電子と結合して水素が製造される。一方、アノード側では、水素と共に生成された酸素が、余剰の水を伴ってユニットから排出される。
この種の水素供給システムでは、水素ガスを発生させるカソード側の圧力が、酸素ガスを発生させるアノード側の圧力よりも高圧に設定される差圧式水素生成システムを採用する場合がある。高圧水素ガスとして取り扱うことにより、迅速な水素供給処理が容易に遂行されるからである。
その際、差圧式水素生成システムでは、電解処理が停止した際に、カソード側に高圧水素ガスが存在する一方、アノード側に常圧の水及び酸素ガスが存在している。このため、電解停止後に、シールの損傷を防止すべくカソード側の圧力を徐々に開放しようとすると、その間に、水素が隔膜を透過して前記カソード側からアノード側に移動し易い(所謂、クロスリーク)。
これにより、アノード側の微細な空間に水素が入り込んで滞留し、システム再起動時に、滞留していた前記水素が循環水に混在して流動するおそれがある。そこで、例えば、特許文献1に開示されている水電解システムの運転方法が知られている。
この運転方法では、水電解装置が停止されたか否かを判断する工程と、前記水電解装置が停止されたと判断した際、カソード側の圧力を脱圧する工程と、前記カソード側の脱圧が終了した状態で、アノード側に残存する水素の濃度が規定値以下になるまで、水循環装置の運転を行う工程とを有している。
特開2011−149074号公報
ところで、上記の運転方法では、カソード側の水素ガスがアノード側に透過する際に、前記カソード側から前記アノード側に水分が透過し易い。このため、固体高分子電解質膜の保水量が低下する場合がある。この状態で、次回の起動時に、水素の昇圧速度を速めるために定格電流を印加すると、固体高分子電解質膜の膜成分が溶出するおそれがある。従って、膜劣化や該膜劣化に伴うシステム効率の低下が惹起されるという問題がある。
本発明は、この種の問題を解決するものであり、簡単な構成及び工程で、良好な起動を行うとともに、膜劣化やシステム効率の低下を有効に抑制することが可能な高圧水電解システム及びその起動方法を提供することを目的とする。
本発明は、電解質膜の両側に給電体が設けられ、水を電気分解してアノード側に酸素を発生させるとともに、カソード側に前記酸素よりも高圧な水素を発生させる高圧水電解装置を備える高圧水電解システム及びその起動方法に関するものである。
この高圧水電解システムでは、起動時に、電解質膜の保水率が閾値以上であるか否か判断する膜保水率検知部と、前記膜保水率検知部によって前記保水率が閾値以上であると判断された場合、水素の目標圧力値に昇圧させるための第1昇圧速度を設定する一方、前記膜保水率検知部によって前記保水率が閾値未満であると判断された場合、前記目標圧力値に昇圧させるための第2昇圧速度を設定する昇圧速度調整部と、を備えている。そして、第2昇圧速度は、第1昇圧速度よりも遅い速度である。
また、この高圧水電解システムでは、昇圧速度調整部は、目標圧力値への昇圧速度が速い程、印加電流値を大きく設定することが好ましい。
さらに、この高圧水電解システムでは、膜保水率検知部は、前回の脱圧時に電流が印加されていない場合に、保水率が閾値未満であると判断し、前回の脱圧時に電流が印加されている場合に、前記保水率が閾値以上であると判断することが好ましい。
さらにまた、この起動方法は、起動時に、電解質膜の保水率が閾値以上であるか否か判断する工程と、前記膜保水率検知部によって前記保水率が閾値以上であると判断された場合、水素の目標圧力値に昇圧させるための第1昇圧速度を設定する一方、前記膜保水率検知部によって前記保水率が閾値未満であると判断された場合、前記目標圧力値に昇圧させるための第2昇圧速度を設定する工程と、を有している。そして、第2昇圧速度は、第1昇圧速度よりも遅い速度である。
また、この起動方法では、目標圧力値への昇圧速度が速い程、印加電流値を大きく設定することが好ましい。
さらに、この起動方法では、前回の脱圧時に電流が印加されていない場合に、保水率が閾値未満であると判断し、前回の脱圧時に電流が印加されている場合に、前記保水率が閾値以上であると判断することが好ましい。
本発明によれば、電解質膜の保水率が閾値未満である際、水素の目標圧力値に昇圧させるための第2昇圧速度は、前記保水率が閾値以上である際の第1昇圧速度よりも遅い速度に設定されている。
従って、システム起動直後に、急激な昇圧が抑制されるため、電解質膜の保水率を有効に上昇させることができ、前記電解質膜を所望の保水状態に確保することが可能になる。これにより、簡単な構成及び工程で、良好な起動を行うとともに、膜劣化やシステム効率の低下を有効に抑制することができる。
本発明の実施形態に係る起動方法が適用される高圧水電解システムの概略構成説明図である。 通常起動時の印加電流及び水素ガス圧力の説明図である。 無電解脱圧後の起動時の印加電流及び水素ガス圧力の説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る高圧水電解システムの起動方法を説明するフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る起動方法を説明するフローチャートである。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る起動方法が適用される高圧水電解システム10は、水(純水)を電気分解することによって酸素(常圧)及び高圧水素(常圧よりも高圧な水素)を製造する高圧水電解装置12と、前記水を前記高圧水電解装置12に循環させる水循環装置14と、前記高圧水電解装置12から排出される前記酸素及び水素(ガス成分)を、前記水循環装置14内の水から分離し、前記水を貯留する気液分離装置16と、前記気液分離装置16に市水から生成された純水を供給する水供給装置18と、コントローラ(制御部)20とを備える。
高圧水電解装置12は、複数の単位セル24を積層して構成される。単位セル24の積層方向一端には、ターミナルプレート26a、絶縁プレート28a及びエンドプレート30aが外方に向かって、順次、配設される。単位セル24の積層方向他端には、同様にターミナルプレート26b、絶縁プレート28b及びエンドプレート30bが外方に向かって、順次、配設される。エンドプレート30a、30b間は、一体的に締め付け保持される。
ターミナルプレート26a、26bの側部には、端子部34a、34bが外方に突出して設けられる。端子部34a、34bは、配線36a、36bを介して電源38に電気的に接続される。
単位セル24は、電解質膜・電極構造体42と、この電解質膜・電極構造体42を挟持するアノード側セパレータ44及びカソード側セパレータ46とを備える。電解質膜・電極構造体42は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜48と、前記固体高分子電解質膜48の両面に設けられるアノード給電体50及びカソード給電体52とを備える。
固体高分子電解質膜48の両面には、アノード電極触媒層50a及びカソード電極触媒層52aが形成される。アノード電極触媒層50aは、例えば、Ru(ルテニウム)系触媒を使用する一方、カソード電極触媒層52aは、例えば、白金触媒を使用する。アノード給電体50及びカソード給電体52は、例えば、球状アトマイズチタン粉末の焼結体(多孔質導電体)により構成される。
単位セル24の外周縁部には、積層方向に互いに連通して、水(純水)を供給するための水供給連通孔56と、反応により生成された酸素及び未反応の水(混合流体)を排出するための排出連通孔58と、反応により生成された水素を流すための水素連通孔60とが設けられる。
アノード側セパレータ44の電解質膜・電極構造体42に向かう面には、水供給連通孔56及び排出連通孔58に連通する第1流路64が設けられる。カソード側セパレータ46の電解質膜・電極構造体42に向かう面には、水素連通孔60に連通する第2流路68が形成される。
水循環装置14は、高圧水電解装置12の水供給連通孔56に連通する循環配管72を備え、この循環配管72は、循環ポンプ74及びイオン交換器76を配置して気液分離装置16を構成するタンク部78の底部に接続される。タンク部78の上部には、戻り配管80の一端部が連通するとともに、前記戻り配管80の他端部は、高圧水電解装置12の排出連通孔58に連通する。
タンク部78には、水供給装置18に接続された純水供給配管84と、前記タンク部78で純水から分離された酸素を排出するための酸素排気配管86とが連結される。酸素排気配管86には、水素濃度を検出するための水素濃度検出器87が配設される。なお、タンク部78には、水素希釈用のブロアBRが必要に応じて装着される。
高圧水電解装置12の水素連通孔60には、高圧水素配管88の一端が接続され、この高圧水素配管88の他端は、図示しない高圧水素供給部(燃料タンク等)に接続される。
コントローラ20は、固体高分子電解質膜48の保水率を検知する膜保水率検知部90と、検知された前記保水率が閾値以上である際、水素の目標圧力値に昇圧させるための第1昇圧速度を設定する一方、検知された前記保水率が閾値未満である際、前記目標圧力値に昇圧させるための第2昇圧速度を設定する昇圧速度調整部92とを設ける。後述するように、第2昇圧速度は、第1昇圧速度よりも遅い速度である。
このように構成される高圧水電解システム10の動作について、以下に説明する。
先ず、水循環装置14では、循環ポンプ74の作用下に、タンク部78内の水が循環配管72を介して高圧水電解装置12の水供給連通孔56に供給される。また、ターミナルプレート26a、26bの端子部34a、34bには、電気的に接続されている電源38を介して電圧が付与される。
このため、各単位セル24では、水供給連通孔56からアノード側セパレータ44の第1流路64に水が供給され、この水がアノード給電体50内に沿って移動する。従って、水は、アノード電極触媒層50aで電気により分解され、水素イオン、電子及び酸素が生成される。この生成された水素イオンは、固体高分子電解質膜48を透過してカソード電極触媒層52a側に移動し、電子と結合して水素が得られる。
これにより、カソード側セパレータ46とカソード給電体52との間に形成される第2流路68に沿って水素が流動する。この水素は、水供給連通孔56よりも高圧に維持されており、水素連通孔60を流れて高圧水素配管88を介して高圧水電解装置12の外部に取り出し可能となる。
一方、第1流路64には、反応により生成した酸素と、未反応の水とが流動しており、これらの混合流体が排出連通孔58に沿って水循環装置14の戻り配管80に排出される。この未反応ガスの水及び酸素は、タンク部78に導入されて気液分離された後、水は、循環ポンプ74を介して循環配管72からイオン交換器76を通って水供給連通孔56に導入される。水から分離された酸素は、酸素排気配管86から外部に排出される。
上記の高圧水電解システム10では、電解運転が停止される際に、第2流路68側の脱圧処理が行われる。第2流路68は、水素が生成されており、酸素が生成される第1流路64よりも高圧に設定されている。このため、第2流路68に連通する高圧水素配管88から分岐する図示しないパージ流路に、水素ガスを放出させることにより、前記第2流路68の脱圧処理が行われる。
この脱圧工程は、高圧水電解装置12を構成するシール部材等に対し、急速な脱圧処理による影響(損傷等)を与えないように、徐々に脱圧処理が行われている。従って、差圧式の高圧水電解装置12では、第2流路68に生成された水素は、固体高分子電解質膜48を透過して第1流路64に移動し易い。
そこで、第2流路68の脱圧時に、電源38が駆動されて運転時の電解電圧よりも低圧な電圧が印加される(電解脱圧処理)。このため、アノード電極触媒層50aにリークした水素は、再度、プロトン化して固体高分子電解質膜48の膜ポンプ効果により、カソード電極触媒層52a側に戻される。そして、第2流路68内の水素圧力が、第1流路64内の圧力(常圧)と同圧になった際、電源38による電圧印加が停止され、高圧水電解装置12の運転が停止される。
一方、第2流路68の脱圧時に、電源38による電解電圧を印加しない無電解脱圧処理が行われることがある。例えば、高圧水電解システム10の緊急停止時等である。この無電解脱圧処理では、循環ポンプ74が駆動されている。従って、第1流路64に移動した水素は、未反応の水及び残存酸素に伴って戻り配管80に排出され、タンク部78内に導入される。
タンク部78内に導入された酸素及び水素は、酸素排気配管86に排出される。その際、水素濃度が、水素濃度検出器87により検出される。検出された水素濃度が、規定濃度以下であると判断されると、循環ポンプ74がオフされた後、高圧水電解装置12の運転が停止される。
コントローラ20では、前回の高圧水電解システム10の脱圧処理が、電解脱圧処理であるか、無電解脱圧処理であるかを把握している。そして、コントローラ20を構成する膜保水率検知部90は、前回の脱圧処理が電解脱圧処理である際に、固体高分子電解質膜48の保水率が閾値以上であると検知する一方、前回の脱圧処理が無電解脱圧処理である際に、前記固体高分子電解質膜48の保水率が閾値未満であると検知する。
昇圧速度調整部92は、保水率が閾値以上である際の第1昇圧速度と、前記保水率が閾値未満である際の第2昇圧速度とを、予め設定している。具体的には、第1昇圧速度は、図2に示すように、電解開始直後から定格電流値の電流を印加することにより、設定される。
第2昇圧速度は、図3に示すように、電解開始直後に第1昇圧速度の電解電流値よりも小さな電解電流値の電流を印加することにより、実質的に、常圧近傍の圧力を所定の時間だけ維持するように、すなわち、保水率回復期間を確保するように、設定される。
次いで、本発明の第1の実施形態に係る高圧水電解システム10の起動方法について、図4に示すフローチャートに沿って、以下に説明する。
先ず、高圧水電解システム10のシステム電源がオンされ、前記高圧水電解システム10の電解準備が開始される(ステップS1)。電解準備では、例えば、水供給装置18を介して市水から生成された純水が、気液分離装置16を構成するタンク部78に供給される。また、高圧水電解システム10のアイドリング運転が開始される。
さらに、ステップS2に進んで、前回の高圧水電解システム10の脱圧処理が、無電解脱圧処理であるか否かが判断される。前回、無電解脱圧処理が行われたと判断されると(ステップS2中、YES)、すなわち、膜保水率検知部90では、固体高分子電解質膜48の保水率が閾値未満であると検知すると、ステップS3に進む。
ステップS3では、昇圧速度調整部92は、第2昇圧速度に設定し、図3に示すように、電解開始直後に定格電流値よりも小さな電解電流値の電流を印加する。このため、高圧水電解装置12では、低電流により始動が開始され、水電解処理により生成される水素は、常圧近傍の圧力を所定の時間だけ維持している。従って、固体高分子電解質膜48は、膜保水率を回復することができる。
次に、ステップS4に進んで、定格電流値の電流が印加されることにより、通常の電解が開始される。そして、高圧水電解システム10のシステム電源がオフされ、停止信号が入力されると(ステップS5中、YES)、ステップS6に進んで、停止処理(脱圧処理)が行われる。
一方、前回の高圧水電解システム10の脱圧処理が、電解脱圧処理であると判断されると(ステップS2中、NO)、すなわち、膜保水率検知部90では、固体高分子電解質膜48の保水率が閾値以上であると検知すると、ステップS4に進む。このため、高圧水電解システム10では、通常電解処理が開始される。
この場合、第1の実施形態では、固体高分子電解質膜48の保水率が閾値未満である際、水素の目標圧力値に昇圧させるための第2昇圧速度は、前記保水率が閾値以上である際の第1昇圧速度よりも遅い速度に設定されている。
従って、高圧水電解システム10の起動後に、生成される水素ガスの急激な昇圧が抑制されるため、固体高分子電解質膜48の保水率が有効に上昇することができ、前記固体高分子電解質膜48を所望の保水状態に確保することが可能になる。これにより、簡単な構成及び工程で、良好な起動を行うとともに、固体高分子電解質膜48の膜劣化や高圧水電解システム10のシステム効率の低下を有効に抑制することができるという効果が得られる。
さらに、昇圧速度調整部92は、目標圧力値への昇圧速度が速い程、印加電流値を大きく設定している。具体的には、第2昇圧速度では、電解開始直後に第1昇圧速度の電解電流値よりも小さな電解電流値の電流を印加している。このため、印加電流値を制御するだけで、昇圧率を調整することができ、制御が有効に簡素化するという利点がある。
さらにまた、膜保水率検知部90は、前回の脱圧時に電流が印加されていない場合(無電解脱圧処理)、保水率が閾値未満であると検知している。従って、固体高分子電解質膜48の膜成分が溶出することを確実に抑制することが可能になり、膜劣化や該膜劣化に伴うシステム効率の低下を阻止することができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る起動方法について、図5に示すフローチャートに沿って以下に説明する。なお、第1の実施形態の運転方法と同様に、高圧水電解システム10が使用される。また、ステップS11〜ステップS16は、第1の実施形態のステップS1〜ステップS6と同様に行われる。
第2の実施形態では、ステップS12において、固体高分子電解質膜48の保水率が閾値未満であるか否かの判断が、第1の実施形態と異なっている。すなわち、コントローラ20では、前回の脱圧処理から高圧水電解システム10の停止時間を把握し、この停止時間が設定時間を超えたと判断した際、保水率が閾値未満であると検知する。
また、コントローラ20では、高圧水電解装置12の温度を検出し、検出された温度が設定温度を超えたと判断した際、保水率が閾値未満であると検知することもできる。さらにまた、高圧水電解装置12のカソード側の湿度を検出して、保水率の判断を行ってもよい。さらに、固体高分子電解質膜48のインピーダンスを計測して、水分量を判定してもよい。
これにより、第2の実施形態では、簡単な構成及び工程で、良好な起動を行うとともに、固体高分子電解質膜48の膜劣化や高圧水電解システム10のシステム効率の低下を有効に抑制することが可能になる等、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
10…高圧水電解システム 12…高圧水電解装置
14…水循環装置 16…気液分離装置
18…水供給装置 20…コントローラ
24…単位セル 38…電源
42…電解質膜・電極構造体 44…アノード側セパレータ
46…カソード側セパレータ 48…固体高分子電解質膜
50…アノード給電体 52…カソード給電体
56…水供給連通孔 58…排出連通孔
60…水素連通孔 64、68…流路
72…循環配管 74…循環ポンプ
76…イオン交換器 78…タンク部
80…戻り配管 86…酸素排気配管
88…高圧水素配管 90…膜保水率検知部
92…昇圧速度調整部

Claims (6)

  1. 電解質膜の両側に給電体が設けられ、水を電気分解してアノード側に酸素を発生させるとともに、カソード側に前記酸素よりも高圧な水素を発生させる高圧水電解装置を備える高圧水電解システムであって、
    起動時に、前記電解質膜の保水率が閾値以上であるか否か判断する膜保水率検知部と、
    前記膜保水率検知部によって前記保水率が閾値以上であると判断された場合、前記水素の目標圧力値に昇圧させるための第1昇圧速度を設定する一方、前記膜保水率検知部によって前記保水率が閾値未満であると判断された場合、前記目標圧力値に昇圧させるための第2昇圧速度を設定する昇圧速度調整部と、
    を備えるとともに、
    前記第2昇圧速度は、前記第1昇圧速度よりも遅い速度であることを特徴とする高圧水電解システム。
  2. 請求項1記載の高圧水電解システムにおいて、前記昇圧速度調整部は、前記目標圧力値への昇圧速度が速い程、印加電流値を大きく設定することを特徴とする高圧水電解システム。
  3. 請求項1又は2記載の高圧水電解システムにおいて、前記膜保水率検知部は、前回の脱圧時に電流が印加されていない場合に、前記保水率が閾値未満であると判断し、前回の脱圧時に電流が印加されている場合に、前記保水率が閾値以上であると判断することを特徴とする高圧水電解システム。
  4. 電解質膜の両側に給電体が設けられ、水を電気分解してアノード側に酸素を発生させるとともに、カソード側に前記酸素よりも高圧な水素を発生させる高圧水電解装置を備える高圧水電解システムの起動方法であって、
    起動時に、前記電解質膜の保水率が閾値以上であるか否か判断する工程と、
    膜保水率検知部によって前記保水率が閾値以上であると判断された場合、前記水素の目標圧力値に昇圧させるための第1昇圧速度を設定する一方、前記膜保水率検知部によって前記保水率が閾値未満であると判断された場合、前記目標圧力値に昇圧させるための第2昇圧速度を設定する工程と、
    を有するとともに、
    前記第2昇圧速度は、前記第1昇圧速度よりも遅い速度であることを特徴とする高圧水電解システムの起動方法。
  5. 請求項4記載の起動方法において、前記目標圧力値への昇圧速度が速い程、印加電流値を大きく設定することを特徴とする高圧水電解システムの起動方法。
  6. 請求項4又は5記載の起動方法において、前回の脱圧時に電流が印加されていない場合に、前記保水率が閾値未満であると判断し、前回の脱圧時に電流が印加されている場合に、前記保水率が閾値以上であると判断することを特徴とする高圧水電解システムの起動方法。
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