JP7292326B2 - 電気化学式水素昇圧システム - Google Patents

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Description

本発明は、電気化学式水素昇圧システムに関するものである。
一般的に、燃料電池車両等に搭載される燃料電池の発電反応では、燃料ガスとして水素ガスが使用される。水素ガスは、水電解装置を備える水素製造システムにより製造することができる。水素製造システムは、水電解装置により水を電気分解することで、水電解装置のカソードに水素ガスを生じさせる。
生成された水素ガスは、輸送コストの低減や、燃料電池への供給のしやすさ等の観点で、高密度に貯蔵されることが望ましい。水素ガスを昇圧する装置として、電気化学式水素昇圧装置がある(例えば、特許文献1参照)。電気化学式水素昇圧装置は、電解質膜、並びに電解質膜の両面に設けられたアノード極およびカソード極と、アノード極およびカソード極間に流れる電流量を調整する電流調整器と、を備え、電流調整器によりアノード極およびカソード極間に電流を流すことにより、アノード極側に供給される水素を昇圧してカソード極側に供給し、昇圧された水素を排出する。
ところで、電気化学式水素昇圧装置において、電解質膜の良好なプロトン伝導性を確保してエネルギー効率の向上を図るために、電解質膜が湿潤状態にあることが要求される。特許文献1に記載の水素供給システムでは、アノード極側から排出される水素含有ガスおよび外部から供給される水素含有ガスが混合された混合ガスの露点を調整する露点調整器を設けている。これにより、電解質膜のプロトン伝導性が低下する可能性、および混合ガス中の水蒸気が凝縮することで凝縮水によりガス流路の閉塞が発生する可能性を低減できるとされている。
特開2019-099915号公報
しかしながら、上記従来技術では、電気化学式水素昇圧装置内での水素ガスの流れの分布によって生じ得る、電解質膜における湿潤状態の分布を制御できない。そのため、電解質膜の湿潤状態に分布が生じることを抑制して、電気化学式水素昇圧装置を高効率で運転させるという点で、従来技術には改善の余地がある。
そこで本発明は、電気化学式水素昇圧装置を高効率で運転させることができる電気化学式水素昇圧システムを提供するものである。
本発明の電気化学式水素昇圧システムは、水素供給源(例えば、実施形態における水素供給源5)と、電解質膜(例えば、実施形態におけるプロトン交換膜82)、および前記電解質膜の両面に設けられたアノード(例えば、実施形態におけるアノード83)およびカソード(例えば、実施形態におけるカソード84)により形成された単位セル(例えば、実施形態における単位セル81)を有し、前記アノードおよび前記カソード間に電流が印加されることで水素を昇圧する電気化学式水素昇圧装置(例えば、実施形態における水素ガス昇圧部7)と、前記水素供給源から排出される水素を前記電気化学式水素昇圧装置に導く供給管路(例えば、実施形態における供給管路10,10A)と、を有する電気化学式水素昇圧システム(例えば、実施形態における電気化学式水素昇圧システム1)であって、前記電気化学式水素昇圧装置は、前記水素供給源から供給された水素が流入する流入口(例えば、実施形態における流入口94)と、前記流入口に流入した水素のうち未反応の水素が排出される排出口(例えば、実施形態における低圧側排出口95)と、を有し、前記アノードおよび前記カソード間に印加される電流を供給する電源(例えば、実施形態における電源80)と、前記電解質膜の湿潤状態に関する情報を取得する取得部(例えば、実施形態における膜抵抗計101、電圧計103)と、前記排出口の水素の排出を規制する規制部(例えば、実施形態における第4開閉部42、第3減圧部44、第5開閉部47)と、前記規制部を制御する制御装置(例えば、実施形態における制御装置9)と、をさらに備え、前記制御装置は、少なくとも前記湿潤状態に基づいて前記規制部を制御する。
本発明によれば、規制部によって排出口の水素の排出を規制できるので、単位セル内における水素ガスの流れが単位セル間で均一化されるとともに、全ての単位セルにおいて流入した水素ガスおよび水蒸気を各単位セルに滞留させることができる。よって、電解質膜の湿潤状態に分布が生じることを抑制し、電解質膜を良好な湿潤状態とすることができる。したがって、アノードおよびカソード間の電圧上昇に伴う電力消費量の増加を抑制して、電気化学式水素昇圧装置を高効率で運転させることができる。
上記の電気化学式水素昇圧システムにおいて、前記制御装置は、前記湿潤状態に基づいて前記規制部による規制状態を変化させ、前記排出口側に流通する水素の圧力を変化させてもよい。
本発明によれば、アノードにおける水素ガスの圧力と、電解質膜の含水率と、の関係を適切にすることができる。したがって、電解質膜を良好な湿潤状態とすることができる。
上記の電気化学式水素昇圧システムにおいて、前記供給管路に設けられ、前記供給管路を流通する水素を加湿する加湿器(例えば、実施形態における加湿器13)と、前記加湿器の上流側で前記供給管路から分岐し、前記加湿器の下流側で前記供給管路に合流する分岐管路(例えば、実施形態における分岐管路20)と、前記分岐管路への水素の流通を切り替える切替部(例えば、実施形態における第1開閉部12、第3開閉部21)と、をさらに備え、前記制御装置は、前記湿潤状態に基づいて前記切替部を制御してもよい。
本発明によれば、電解質膜において含水率が過多の状態にある場合に、単位セルに水素供給源からドライ水素ガスを供給して、電解質膜における含水率が過多の状態を解消できる。よって、電解質膜を良好な湿潤状態とすることができる。したがって、アノードおよびカソード間の電圧上昇に伴う電力消費量の増加を抑制して、電気化学式水素昇圧装置を高効率で運転させることができる。
上記の電気化学式水素昇圧システムにおいて、前記供給管路に設けられ、前記供給管路を流通する水素を加湿する加湿器(例えば、実施形態における加湿器13)と、前記供給管路の一部であり、前記加湿器の下流側で分岐して前記電気化学式水素昇圧装置に接続された分配管路(例えば、実施形態における分配管路18)と、前記分配管路それぞれにおける水素の流量を制御する分配制御弁(例えば、第2流量調整部19)と、をさらに備え、前記電気化学式水素昇圧装置は、前記単位セルが積層されたセルユニット(例えば、実施形態におけるセルユニット71)を有し、前記セルユニットは、前記電気化学式水素昇圧装置の動作時における温度分布に基づいて分けられた複数の領域(例えば、実施形態における領域A、領域B)を有し、前記分配管路は、前記セルユニットの前記複数の領域それぞれに少なくとも1つ接続されていてもよい。
本発明によれば、セルユニットの温度分布に対応して電解質膜の湿潤状態に分布が生じ得るところ、セルユニットにおける温度分布に基づいて分けられた複数の領域に供給される水素ガスを分配制御弁により各別に制御できるので、セルユニット内における湿潤状態のばらつきを抑制できる。したがって、電気化学式水素昇圧装置を高効率で運転させることができる。
上記の電気化学式水素昇圧システムにおいて、前記単位セルのそれぞれには、前記分配管路が接続されていてもよい。
本発明によれば、各単位セルに供給される水素ガスを各別に制御できるので、セルユニット内における湿潤状態のばらつきをより一層抑制できる。したがって、電気化学式水素昇圧装置を高効率で運転させることができる。
上記の電気化学式水素昇圧システムにおいて、前記加湿器の上流側で前記供給管路から分岐する分岐管路(例えば、実施形態における分岐管路20A)と、前記分岐管路への水素の流通を切り替える切替部(例えば、実施形態における第1開閉部12、第3開閉部21)と、をさらに備え、前記分岐管路は、前記分配管路のそれぞれに合流し、前記制御装置は、前記湿潤状態に基づいて前記切替部を制御してもよい。
本発明によれば、電解質膜において含水率が過多の状態にある場合に、単位セルに水素供給源からドライ水素ガスを供給して、電解質膜における含水率が過多の状態を解消できる。特に分岐管路が分配管路のそれぞれに合流しているので、含水率が過多の状態にある単位セルを含む領域にドライ水素ガスを選択的に供給できる。これにより、電解質膜における含水率が過多でない単位セルに対するドライ水素ガスの供給が過多となることを抑制できる。よって、電解質膜の湿潤状態のばらつきを抑制しつつ、電解質膜を良好な湿潤状態とすることができる。したがって、電気化学式水素昇圧装置を高効率で運転させることができる。
上記の電気化学式水素昇圧システムにおいて、前記供給管路に設けられ、前記水素供給源から排出された水素の流量を制御する制御弁(例えば、実施形態における第1流量調整部15)をさらに備え、前記制御装置は、前記排出口側に流通する水素の圧力が所定値未満となるように前記制御弁を制御してもよい。
本発明によれば、アノードへの水素ガスの供給が過多となることを抑制して、アノードにおける水素ガスの圧力と、電解質膜の含水率と、の関係を適切にすることができる。したがって、電解質膜を良好な湿潤状態とすることができる。
上記の電気化学式水素昇圧システムにおいて、前記供給管路に設けられ、前記水素供給源から排出された水素の流量を制御する制御弁(例えば、実施形態における第1流量調整部15)をさらに備え、前記制御装置は、前記アノードおよび前記カソード間への電流の印加状態に応じて前記制御弁を制御してもよい。
本発明によれば、印加電流の増減に応じてアノードにおける水素ガスの消費量の増減した場合に、水素ガスをアノードに適切に供給して、アノードで水素ガスの過不足が生じることを抑制できる。
本発明によれば、電気化学式水素昇圧装置を高効率で運転させることができる電気化学式水素昇圧システムを提供できる。
第1実施形態に係る電気化学式水素昇圧システムの構成を示す図である。 水素ガス昇圧部の断面構造を示す図である。 水素ガス昇圧部の単位セルの断面構造を示す図である。 第1実施形態に係る電気化学式水素昇圧システムにより実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る電気化学式水素昇圧システムにより実行される湿潤制御運転の処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る電気化学式水素昇圧システムにより実行される湿潤制御運転の処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第3実施形態に係る電気化学式水素昇圧システムの構成を示す図である。 図7に示す電気化学式水素昇圧システムにおける供給管路および水素ガス昇圧部の接続を示す図である。 第4実施形態に係る電気化学式水素昇圧システムにおける供給管路および水素ガス昇圧部の接続を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
実施形態の電気化学式水素昇圧システムは、水素ガスを例えば1~100MPaまで圧縮し、圧縮した高圧水素ガスを例えば電気化学式水素昇圧システムに着脱自在に取り付けられる水素ガスタンクに収容可能となっている。なお、以下の説明では、電気化学式水素昇圧システムを単に水素昇圧システムと称する場合がある。
(第1実施形態)
<電気化学式水素昇圧システム1の構成>
図1は、第1実施形態に係る水素昇圧システムの構成を示す図である。
図1に示すように、水素昇圧システム1は、水素供給源5と、水素ガスを昇圧する水素ガス昇圧部7と、水素昇圧システム1の各部を制御する制御装置9と、を備える。また、水素昇圧システム1は、水素供給源5から排出される水素ガスを水素ガス昇圧部7に導く供給管路10と、供給管路10の一部を迂回する分岐管路20と、水素ガス昇圧部7で昇圧された高圧水素ガスが流通する高圧排出管路30と、水素ガス昇圧部7で余剰とされた未反応水素ガスが流通する低圧排出管路40と、を備える。
水素供給源5は、貯留されたドライ水素ガスを排出可能に形成されている。例えば、水素供給源5は、水素ガスが貯留されたガスシリンダを集結させたカードルである。
供給管路10は、水素供給源5に接続されている。これにより、供給管路10には水素供給源5から排出された水素ガスが流通される。供給管路10には、水素供給源5側から水素ガス昇圧部7側に向かって、減圧部11と、第1開閉部12と、加湿器13と、第2開閉部14と、第1流量調整部15と、がこの順に設けられている。
減圧部11は、供給管路10の水素ガスの圧力を調整する。減圧部11は、減圧部11を通過する水素ガスを規制する。例えば、減圧部11は、二次側(下流側)の圧力を設定圧力に維持しつつ開弁する減圧弁である。ただし減圧部11は、減圧弁に限定されず、例えば制御装置9によって開閉制御されることで供給管路10の圧力を設定圧力に維持する開閉弁等であってもよい。また、減圧部11は、複数の減圧弁を備えていてもよい。
第1開閉部12は、加湿器13の上流側で供給管路10を開閉する。第1開閉部12は、例えば電磁弁または電気弁であり、制御装置9の制御に基づいて供給管路10を開閉する。第1開閉部12を開状態とすることで、供給管路10から加湿器13への水素ガスの供給が可能となる。
加湿器13は、供給管路10を流通する水素ガスを加湿する。例えば、加湿器13は、バブラー加湿方式で水素ガスを加湿する。この場合、加湿器13は、液水が貯留された密閉容器60を有し、密閉容器60内の液水中に水素供給源5側から導入された水素ガスをバブリングすることで加湿する。密閉容器60内には、液面上方に液水中を通過した水素ガスが溜まる水素ガス貯留空間が形成されている。密閉容器60には、水素ガス貯留空間に開口する取出口が設けられている。加湿された水素ガスは、取出口から排出される。
加湿器13には、貯留された液水を温度調整する温調装置61が接続されている。温調装置61は、熱交換器62と、熱交換器62と密閉容器60内との循環路を形成する循環流路63と、熱交換器62に接続されたチラー64と、を備える。循環流路63には、ポンプ65が設けられている。これにより、密閉容器60に貯留された液水は、加湿器13と熱交換器62との間を常時循環可能とされ、適宜設定された温度に維持可能とされている。
第2開閉部14は、加湿器13の下流側で供給管路10を開閉する。第2開閉部14は、例えば電磁弁または電気弁であり、制御装置9の制御に基づいて供給管路10を開閉する。第2開閉部14が閉状態にあるとき、加湿器13から水素ガス昇圧部7に向けた水素ガスの排出が規制される。
第1流量調整部15は、供給管路10から水素ガス昇圧部7に導入される水素ガスの流量および圧力を調整する。第1流量調整部15は、制御弁であり、制御装置9の制御に基づいて第1流量調整部15を通過する水素ガスの流量を調整する。
分岐管路20は、加湿器13を迂回する。分岐管路20は、加湿器13の上流側の分岐部16で供給管路10から分岐し、加湿器13の下流側の合流部17で供給管路10に合流する。分岐部16は、減圧部11の下流側、かつ第1開閉部12の上流側に設けられている。合流部17は、第2開閉部14の下流側、かつ第1流量調整部15の上流側に設けられている。分岐管路20は、第3開閉部21を有する。第3開閉部21は、分岐管路20を開閉する。第3開閉部21は、例えば電磁弁または電気弁であり、制御装置9の制御に基づいて分岐管路20を開閉する。第3開閉部21が閉状態にあるとき、分岐管路20における水素ガスの流通が規制される。第3開閉部21が開状態にあるとき、分岐管路20における水素ガスの流通が許容される。第3開閉部21は、第1開閉部12とともに、分岐管路20への水素の流通を切り替える切替部として機能する。
水素ガス昇圧部7は、供給管路10を流通した水素ガスを昇圧する。水素ガス昇圧部7は、電気化学的に水素ガスを圧縮することができる電気化学式水素昇圧装置(EHC:Electrochemical Hydrogen Compressor)である。水素ガス昇圧部7は、プロトン交換膜(電解質膜)82と、プロトン交換膜82を挟んで隔離されたアノード83およびカソード84と、アノード83およびカソード84に電流を印加する電源80と、を有し、アノード83に供給された水素ガスを昇圧してカソード84に高圧水素ガスを発生させる。
図2は、水素ガス昇圧部の断面構造を示す図である。
図2に示すように、水素ガス昇圧部7は、プロトン交換膜82、アノード83およびカソード84を1組備えた単位セル81を複数積層したセルユニット71を備える。セルユニット71における単位セル81の積層方向一端には、ターミナルプレート72A、絶縁プレート73A、押圧ユニット75およびエンドプレート74Aが外方に向かって、順次配設されている。また、セルユニット71における単位セル81の積層方向他端には、ターミナルプレート72B、絶縁プレート73Bおよびエンドプレート74Bが外方に向かって、順次配設されている。
複数の単位セル81は、エンドプレート74A,74B間で一体的に締め付け保持される。押圧ユニット75は、筒状のシリンダ76と、シリンダ76の内側に配置された一対のピストン77A,77Bと、一対のピストン77A,77Bの間に配置された付勢部材78と、を備える。シリンダ76は、絶縁プレート73Aとエンドプレート74Aとの間で単位セル81の積層方向に延びている。一対のピストン77A,77Bは、付勢部材78を挟んで積層方向に並んでいる。付勢部材78は、エンドプレート74A側のピストン77Aをエンドプレート74A側に付勢するとともに、セルユニット71側のピストン77Bをセルユニット71側に付勢する。これにより、押圧ユニット75は、絶縁プレート73Aおよびターミナルプレート72Aを介してセルユニット71をエンドプレート74B側に押圧して、複数の単位セル81を常に一体化している。ターミナルプレート72A,72Bの側部には、不図示の端子部が外方にそれぞれ突出して設けられる。端子部には、電源80が電気的に接続される。電源80は、端子部を介して各単位セル81のアノード83およびカソード84に電流を印加することができる。
図3は、水素ガス昇圧部の単位セルの断面構造を模式的に示す図である。
図3に示すように、各単位セル81は、例えば、円盤状の電解質膜・電極構造体85と、電解質膜・電極構造体85を挟持する円盤状のアノード側セパレータ86およびカソード側セパレータ87と、を備える。電解質膜・電極構造体85は、プロトン交換膜82と、プロトン交換膜82の両面に設けられたアノード83およびカソード84と、を有する。各単位セル81では、プロトン交換膜82や不図示のシール部材等によって、プロトン交換膜82を挟むアノード83およびカソード84が互いに連通することがないようにシール(隔離)されている。
プロトン交換膜82は、プロトンを選択的に移動させることが可能なプロトン伝導性を有する。プロトン交換膜82の材料は、特に限定されるものではないが、その一例としては、パーフルオロスルホン酸系ポリマ等のスルホン酸基を有するフッ素系高分子膜がある。この種のプロトン交換膜82は、湿潤状態に維持されることで、そのプロトン伝導性を良好に発現させる。
アノード83は、プロトン交換膜82の一方の面に形成されたアノード電極触媒層83aおよびアノード側給電体83bを有する。カソード84は、プロトン交換膜82の他方の面に形成されたカソード電極触媒層84aおよびカソード側給電体84bを有する。
アノード側セパレータ86は、アノード83に対向する。アノード側セパレータ86は、アノード83との間に、低圧水素ガス流路88を形成する。低圧水素ガス流路88は、アノード側セパレータ86におけるアノード83に対向する面に設けられた溝等の凹部によって形成されている。カソード側セパレータ87は、カソード84に対向する。カソード側セパレータ87は、カソード84との間に、高圧水素ガス流路89を形成する。高圧水素ガス流路89は、カソード側セパレータ87におけるカソード84に対向する面に設けられた溝等の凹部によって形成されている。
図2に示すように、水素ガス昇圧部7には、供給連通孔91と、第1排出連通孔92と、第2排出連通孔93と、が設けられる。供給連通孔91、第1排出連通孔92および第2排出連通孔93のそれぞれは、単位セル81を積層方向に貫通するように形成されている。供給連通孔91は、各単位セル81の低圧水素ガス流路88に連通している。第1排出連通孔92は、各単位セル81の低圧水素ガス流路88に連通しているとともに、低圧水素ガス流路88を介して供給連通孔91に連通している。供給連通孔91および第1排出連通孔92は、各単位セル81の外周部を貫通している。第2排出連通孔93は、各単位セル81の高圧水素ガス流路89に連通している。第2排出連通孔93は、各単位セル81の中心部を貫通している。さらに、第2排出連通孔93は、ターミナルプレート72A、絶縁プレート73A、押圧ユニット75およびエンドプレート74Aを積層方向に貫通している。
水素ガス昇圧部7は、供給管路10の下流端に接続された流入口94と、低圧排出管路40の上流端に接続された低圧側排出口95と、高圧排出管路30の上流端に接続された高圧側排出口96と、を備える。流入口94は、供給連通孔91と供給管路10の下流端とを連通している。流入口94には、水素供給源5から供給された水素が流入する。低圧側排出口95は、第1排出連通孔92と低圧排出管路40の上流端とを連通している。低圧側排出口95は、流入口94に流入した水素ガスのうち未反応の水素ガス(後述)を排出する。流入口94と供給連通孔91との接続部は、低圧側排出口95と第1排出連通孔92との接続部と、単位セル81の積層方向において異なる位置に形成されている。流入口94は、積層方向においてセルユニット71の中間部に対応する位置で、供給連通孔91に接続している。低圧側排出口95は、積層方向においてセルユニット71の両端部に対応する位置で、第1排出連通孔92に接続している。高圧側排出口96は、第2排出連通孔93と高圧排出管路30の上流端とを連通している。高圧側排出口96は、昇圧された高圧水素ガスを排出する。高圧側排出口96は、エンドプレート74Aで第2排出連通孔93を水素ガス昇圧部7の外部に向けて開放している。
低圧水素ガス流路88には、流入口94および供給連通孔91を介して供給管路10から水素ガスが流入する。これにより、アノード83に水素ガスが供給される。電源80によるアノード83およびカソード84への電流印加のもと、水素ガス昇圧部7は、アノード83に供給された水素ガスよりも高圧の水素ガスをカソード84で生成する。カソード84で生成された高圧水素ガスは、高圧水素ガス流路89を流通し、第2排出連通孔93および高圧側排出口96を介して水素ガス昇圧部7から排出される。また、水素ガス昇圧部7は、アノード83に供給された水素ガスのうち未反応の低圧水素ガスを、第1排出連通孔92および低圧側排出口95を介して水素ガス昇圧部7から排出可能とされている。
図1に示すように、水素ガス昇圧部7は、膜抵抗計101と、電流計102と、電圧計103と、を備える。膜抵抗計101は、各単位セル81のプロトン交換膜82の膜抵抗値を計測する。電流計102は、セルユニット71の全体に印加される電流値を計測する。電圧計103は、各単位セル81のアノード83およびカソード84間の電圧値を計測する。膜抵抗計101および電圧計103は、後述するプロトン交換膜82の湿潤状態に関する情報を取得する取得部として機能する。
高圧排出管路30は、水素ガス昇圧部7から排出された高圧水素ガスを水素ガスタンク3に導く。高圧排出管路30は、水素ガス排出規制部31を備える。水素ガス排出規制部31は、高圧排出管路30の水素ガスの圧力を調整する。水素ガス排出規制部31は、水素ガス排出規制部31を通過する水素ガスを規制する。例えば、高圧排出管路30は、水素ガス昇圧部7のカソード84における高圧水素ガスの生成量よりも、水素ガス排出規制部31における水素ガスの通過量を少なくする。これにより、水素ガス排出規制部31は、高圧排出管路30の水素ガスの圧力を上昇させて、高圧水素ガスとすることができる。
例えば、水素ガス排出規制部31は、一次側(上流側)の圧力を設定圧力に維持しつつ開弁する背圧弁である。ただし水素ガス排出規制部31は、背圧弁に限定されず、例えば制御装置9によって開閉制御されることで高圧排出管路30の圧力を設定圧力に維持する開閉弁等であってもよい。
水素ガス排出規制部31は、高圧排出管路30の水素ガスの圧力を1~100MPaに調整して高圧水素ガスとする。なお、水素ガス排出規制部31は、例えば、水素ガスタンク3への水素ガスの供給を容易にする観点から、高圧水素ガスの圧力を少なくとも8MPa以上とすることが好ましい。また、例えば、燃料電池自動車用の水素ガスタンク等に水素ガスを供給する場合には、水素ガス排出規制部31は、高圧水素ガスの圧力を70MPa以上とすることが好ましい。
高圧排出管路30には、水素ガス排出規制部31を迂回するバイパス部32が設けられている。バイパス部32には、上流側から下流側に向かって、第2減圧部33と、バイパス開閉部34と、がこの順に設けられている。第2減圧部33は、バイパス部32の水素ガスの圧力を調整する。第2減圧部33は、第2減圧部33を通過する水素ガスを規制する。第2減圧部33は、二次側(下流側)の圧力を設定圧力に維持しつつ開弁する減圧弁である。バイパス開閉部34は、バイパス部32を開閉する仕切弁である。例えば、バイパス開閉部34は、手動仕切弁である。バイパス開閉部34が閉状態にあるとき、バイパス部32における水素ガスの流通が規制される。バイパス開閉部34が開状態にあるとき、バイパス部32における水素ガスの流通が許容される。
低圧排出管路40は、水素ガス昇圧部7から排出された低圧水素ガスを流通させる。低圧排出管路40は、ベントライン41と、還流ライン46と、を備える。ベントライン41の上流端は、水素ガス昇圧部7の低圧側排出口95に接続されている。ベントライン41は、第4開閉部42を備える。第4開閉部42は、ベントライン41を開閉する。第4開閉部42は、例えば電磁弁または電気弁であり、制御装置9の制御に基づいてベントライン41を開閉する。第4開閉部42が開状態にあるとき、ベントライン41の水素ガスが外部へ排出される。ベントライン41には、第4開閉部42を迂回する調圧ライン43が接続されている。調圧ライン43には、第3減圧部44が設けられている。第3減圧部44は、第3減圧部44を通過する水素ガスを規制する。第3減圧部44は、一次側(上流側)の圧力を設定圧力に維持しつつ開弁する背圧弁である。
還流ライン46は、第4開閉部42よりも上流側で、ベントライン41から分岐している。還流ライン46の下流端は、加湿器13の密閉容器60内に連通している。還流ライン46は、上流側から下流側に向かって、第5開閉部47と、ポンプ48と、がこの順に設けられている。第5開閉部47は、還流ライン46を開閉する。第5開閉部47は、例えば電磁弁または電気弁であり、制御装置9の制御に基づいて還流ライン46を開閉する。ポンプ48は、第5開閉部47が開状態にあるとき、還流ライン46の水素ガスを加湿器13の密閉容器60内に圧送する。これにより、水素ガス昇圧部7における未反応の水素ガスを還流する。低圧排出管路40に設けられた第4開閉部42、第3減圧部44および第5開閉部47は、低圧側排出口95の水素の排出を規制する規制部として機能する。
制御装置9は、水素昇圧システム1の動作を統合的に制御する。制御装置9は、水素ガス昇圧部7の膜抵抗計101、電流計102および電圧計103の計測値を監視する。制御装置9は、水素昇圧システム1の各管路に設けられた不図示の圧力センサや流量計、温度計等の計測値を監視する。制御装置9は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサによって所定のプログラムが実行されることにより機能するソフトウェア機能部である。ソフトウェア機能部は、CPUなどのプロセッサ、プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)およびタイマーなどの電子回路を備えるECU(Electronic Control Unit)である。制御装置9の少なくとも一部は、LSI(Large Scale Integration)などの集積回路であってもよい。
<電気化学式水素昇圧システム1の動作>
第1実施形態の水素昇圧システム1の動作について説明する。
水素昇圧システム1の運転時には、第1開閉部12および第3開閉部21の開閉状態に応じて、水素供給源5から排出された水素ガスが加湿器13を通過して、または加湿器13を迂回して水素ガス昇圧部7に導入される。水素ガスが加湿器13を通過する場合には、水素ガスとともに水蒸気が水素ガス昇圧部7に導入される。一方で、水素ガスが加湿器13を迂回した場合には、水素供給源5に貯蔵されたドライ水素ガスが水素ガス昇圧部7に導入される。
水素ガス昇圧部7に導入された水素ガスは、供給連通孔91を経て低圧水素ガス流路88を流通する。これにより、アノード83に水素ガスが供給される。具体的には、低圧水素ガス流路88内の水素ガスが多孔質のアノード側給電体83bを通過し、アノード電極触媒層83aに供給される。プロトン交換膜82は、水素ガスが加湿器13を通過した場合に、アノード83に供給された水蒸気を利用して湿潤状態を維持する。
アノード83およびカソード84に電流が印加されることで、アノード83では水素ガスをイオン化してプロトンを生成する。生成されたプロトンは、水分子を同伴しながらプロトン交換膜82を透過してカソード84に到達することで水素ガスに戻る。このようにして水素ガス昇圧部7は、アノード83からカソード84に向かってプロトンを移動させることで、カソード84に高圧水素ガスを生成して水素ガスを昇圧する。
カソード84で生成された高圧水素ガスは、高圧水素ガス流路89を流通し、第2排出連通孔93を経て高圧排出管路30に排出される。このため、水素ガス昇圧部7は、アノード83に供給された水素ガスよりも高圧の水素ガスをカソード84から排出できる。高圧排出管路30に排出された高圧水素ガスは、バイパス開閉部34の開閉状態に応じて水素ガス排出規制部31またはバイパス部32を通過し、水素ガスタンク3に貯蔵される。
アノード83でイオン化されなかった余剰の未反応水素ガスは、低圧水素ガス流路88を流通し、第1排出連通孔92を経て低圧排出管路40に排出される。低圧排出管路40に排出された未反応水素ガスは、第4開閉部42の開閉状態に応じて、第4開閉部42を通過して外部に放出される、または低圧排出管路40の圧力が第3減圧部44の設定圧力に達するまで低圧排出管路40の流通を規制される。また、未反応水素ガスは、第4開閉部42が閉状態とされ、かつ第5開閉部47が開状態とされることで、加湿器13に還流される。
<電気化学式水素昇圧システム1の制御方法>
第1実施形態の水素昇圧システム1の制御方法について説明する。なお、水素昇圧システム1の各部の制御は、制御装置9によって行われる。制御装置9は、例えばシステム停止指示を受けるまで、以下で説明する処理フローを実行する。
図4は、第1実施形態に係る水素昇圧システムにより実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4に示すように、最初に制御装置9は、ステップS10の処理を行う。ステップS10では、水素昇圧システム1の始動に伴い、昇圧運転を行う。昇圧運転では、第1開閉部12を開状態とし、第3開閉部21を閉状態として、水素ガスを水素ガス昇圧部7に供給する。水素供給源5から水素ガス昇圧部7への水素ガスの供給量は、制御装置9によって適宜制御される(供給量ゼロも含む)。そして、水素ガス昇圧部7が高圧水素ガスを生成可能な状態になるまで、アノード83およびカソード84間に所定電流を印加するように電源80を制御する。電源80は、水素ガス昇圧部7が高圧水素ガスを生成可能な状態となると、アノード83およびカソード84間に付与する電圧を大きくすることで、アノード83およびカソード84に電流を印加して水素ガスの昇圧を開始する。これにより、水素ガス昇圧部7は、カソード84で高圧水素ガスを発生させる。続いて、ステップS20の処理に移行する。
ステップS20では、制御装置9は、カソード84の水素ガスの圧力が所定圧力以上に達したか否かを判定する。カソード84の圧力が所定圧力未満の場合(S20:NO)、再度ステップS10の処理を行う。カソード84の圧力が所定圧力以上の場合(S20:YES)、ステップS30の処理に移行する。
ステップS30では、制御装置9は、定常運転を行う。定常運転では、水素ガスタンク3に水素ガスを貯蔵するべく、高圧排出管路30における水素ガスの圧力や流量、供給管路10における水素ガスの流量等を監視して、第1流量調整部15の開度やアノード83およびカソード84間への印加電流を制御する。続いてステップS40の処理に移行する。例えば、制御装置9は、ステップS30の処理を所定時間実行した場合に、ステップS40の処理に移行する。
ステップS40では、制御装置9は、湿潤制御運転を行う。湿潤制御運転では、制御装置9は、プロトン交換膜82を所望の湿潤状態に維持するように、水素昇圧システム1の各部を制御する。本実施形態では、制御装置9は、水素ガス昇圧部7の電圧計103の計測値に基づき、プロトン交換膜82の湿潤状態を判定する。その後、制御装置9は、再度ステップS30の処理を行う。湿潤制御運転の具体的な処理については後述する。
なお、ステップS30およびステップS40の処理において、制御装置9は、低圧側排出口95側に流通する水素ガスの圧力が所定値未満となるように第1流量調整部15を制御してもよい。また、制御装置9は、水素ガス昇圧部7のアノード83およびカソード84間への電流の印加状態に応じて第1流量調整部15を制御してもよい。
<湿潤制御運転>
図5は、第1実施形態に係る水素昇圧システムにより実行される湿潤制御運転の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5に示すように、制御装置9は、湿潤制御運転を行うにあたり、最初にステップS410の処理を行う。ステップS410では、制御装置9は、各単位セル81におけるアノード83およびカソード84間の電圧を取得し、複数の単位セル81のうち少なくとも1つの単位セル81における単位時間当たりの電圧上昇速度が第1所定速度以上であるか否かを判定する。第1所定速度は、予め定められた速度であってもよいし、単位セル81の温度等により変化してもよい。電圧上昇速度が第1所定速度未満の場合、ステップS420の処理に移行する。電圧上昇速度が第1所定速度以上の場合、ステップS430の処理に移行する。
ステップS420では、制御装置9は、複数の単位セル81のうち少なくとも1つの単位セル81における単位時間当たりの電圧上昇速度が第2所定速度以上であるか否かを判定する。第2所定速度は、予め定められた速度であってもよいし、単位セル81の温度等により変化してもよい。電圧上昇速度が第2所定速度未満の場合、スタック湿潤制御運転の処理を終了する。電圧上昇速度が第2所定速度以上の場合、ステップS440の処理に移行する。
ステップS430では、制御装置9は、湿潤運転を行う。湿潤運転では、第1開閉部12を開状態とし、かつ第3開閉部21を閉状態としたうえで、湿潤状態に基づいて第4開閉部42、第3減圧部44および第5開閉部47の少なくともいずれか1つを制御する。具体的には、湿潤運転では、第4開閉部42および第5開閉部47を閉状態とすることによって、低圧側排出口95の水素の排出を規制する。これにより、セルユニット71内に水素ガスが滞留するので、セルユニット71内での水素ガスの流れの偏りが解消される。
さらに湿潤運転では、湿潤状態に基づいて第3減圧部44による規制状態を変化させ、低圧側排出口95側に流通する水素の圧力を変化させる。第3減圧部44による規制状態は、第3減圧部44の開度(設定圧力)である。例えば、制御装置9は、定常運転時よりも低圧側排出口95側に流通する水素ガスの圧力を低くするように第3減圧部44を制御する。制御装置9は、ステップS430の処理を終了すると、再度ステップS410の処理に移行する。例えば、制御装置9は、ステップS430の処理を所定時間実行した場合に、ステップS410の処理に移行する。
ステップS440では、制御装置9は、乾燥運転を行う。乾燥運転では、第1開閉部12を閉状態とし、かつ第3開閉部21を開状態とする。これにより、セルユニット71には、水素供給源5から排出されたドライ水素ガスが直接供給される。なお、乾燥運転では、湿潤運転と同様に、第4開閉部42、第3減圧部44および第5開閉部47の少なくともいずれか1つを制御してもよい。
さらに乾燥運転では、湿潤状態に基づいて第3減圧部44による規制状態を変化させ、低圧側排出口95側に流通する水素の圧力を変化させる。例えば、制御装置9は、乾燥運転時において、定常運転時よりも低圧側排出口95側に流通する水素ガスの圧力を高くするように第3減圧部44を制御する。制御装置9は、ステップS440の処理を終了すると、再度ステップS410の処理に移行する。例えば、制御装置9は、ステップS440の処理を所定時間実行した場合に、ステップS410の処理に移行する。
<電気化学式水素昇圧システム1の作用>
第1実施形態の水素昇圧システム1の作用について説明する。
水素ガス昇圧部7において、水素ガスは、流入口94から供給連通孔91に導入された後、各単位セル81の低圧水素ガス流路88に分配されることで、アノード83に供給される。アノード83において未反応となった水素ガスは、各単位セル81の低圧水素ガス流路88から第1排出連通孔92に合流した後、低圧側排出口95から低圧排出管路40に排出される。このため、流入口94、および低圧側排出口95に対する単位セル81の距離に応じて、単位セル81同士で低圧水素ガス流路88における水素ガスの流れが相違し得る。例えば、流入口94、および低圧側排出口95に近い単位セル81の低圧水素ガス流路88ほど、水素ガスが流通しやすくなる。本実施形態では、単位セル81の積層方向において、セルユニット71における両端部および中間部に位置する単位セル81の低圧水素ガス流路88に水素ガスが流通しやすくなる。
また、セルユニット71は、単位セル81の積層方向の両端でターミナルプレート72A,72Bに接している。このため、複数の単位セル81のうち積層方向におけるセルユニット71の両端に近い単位セル81ほど、ターミナルプレート72A,72Bを介して放熱されやすくなる。これにより、セルユニット71は、積層方向の中間部において高温となり得る。
ここで、単位セル81は、低圧水素ガス流路88における水素ガスの流量が小さいほど、水素ガスに含まれる水蒸気の供給量も小さくなる。水蒸気の供給量が減少すると、プロトン交換膜82が乾燥して湿潤状態が悪化し得る。プロトン交換膜82が乾燥すると、プロトン交換膜82の膜抵抗が上昇する。また、内部温度上昇によってプロトン交換膜82の水分透過係数が増大することで、水分が多く透過して滞留しやすくなる。つまり、プロトン交換膜82の含水率が過多な状態で、この状態はプロトン交換膜82の湿潤状態が悪化した状態である。アノード側給電体83bおよびアノード電極触媒層83aの境界近傍で液水(凝縮水)が滞留すると、アノード電極触媒層83aからアノード側給電体83bへの水素ガスの供給が阻害され、一定の電流印加のもと、アノード83およびカソード84間の電圧が上昇し得る。
本実施形態の水素昇圧システム1では、プロトン交換膜82の湿潤状態に基づいて、第4開閉部42および第5開閉部47を制御する。これにより、第4開閉部42および第5開閉部47を閉状態とすることによって、低圧側排出口95の水素の排出を規制できるので、全ての単位セル81の低圧水素ガス流路88において水素ガスの排出が規制される。つまり、低圧水素ガス流路88における水素ガスの流れが単位セル81間で均一化されるとともに、全ての単位セル81において低圧水素ガス流路88に流入した水素ガスおよび水蒸気を低圧水素ガス流路88に滞留させることができる。よって、本実施形態の水素昇圧システム1によれば、プロトン交換膜82の湿潤状態に分布が生じることを抑制し、プロトン交換膜82を良好な湿潤状態とすることができる。したがって、アノード83およびカソード84間の電圧上昇に伴う電力消費量の増加を抑制して、水素ガス昇圧部7を高効率で運転させることができる。
また、制御装置9は、プロトン交換膜82の湿潤状態に基づいて、第3減圧部44による規制状態を変化させ、低圧側排出口95側に流通する水素ガスの圧力を変化させる。これにより、アノード83における水素ガスの圧力と、プロトン交換膜82の含水率と、の関係を適切にすることができる。したがって、プロトン交換膜82を良好な湿潤状態とすることができる。
また、制御装置9は、プロトン交換膜82の湿潤状態に基づいて、第1開閉部12および第3開閉部21を制御して、分岐管路20への水素ガスの流通を切り替える。これにより、プロトン交換膜82において含水率が過多の状態にある場合に、単位セル81に水素供給源5からドライ水素ガスを供給して、プロトン交換膜82における含水率が過多の状態を解消できる。よって、プロトン交換膜82を良好な湿潤状態とすることができる。したがって、アノード83およびカソード84間の電圧上昇に伴う電力消費量の増加を抑制して、水素ガス昇圧部7を高効率で運転させることができる。
また、制御装置9は、低圧側排出口95側に流通する水素ガスの圧力が所定値未満となるように、第1流量調整部15を制御する。これにより、アノード83への水素ガスの供給が過多となることを抑制して、アノード83における水素ガスの圧力と、プロトン交換膜82の含水率と、の関係を適切にすることができる。したがって、プロトン交換膜82を良好な湿潤状態とすることができる。
また、制御装置9は、アノード83およびカソード84間への電流の印加状態に応じて第1流量調整部15を制御する。これにより、印加電流の増減に応じてアノード83における水素ガスの消費量の増減した場合に、水素ガスをアノード83に適切に供給して、アノード83で水素ガスの過不足が生じることを抑制できる。
(第2実施形態)
<湿潤制御運転>
次に、図6を参照して、第2実施形態の湿潤制御運転について説明する。第1実施形態の湿潤制御運転では、水素ガス昇圧部7の電圧計103の計測値に基づいてプロトン交換膜82の湿潤状態を判定している。これに対して第2実施形態の湿潤制御運転は、水素ガス昇圧部7の膜抵抗計101の計測値に基づいてプロトン交換膜82の湿潤状態を判定している点で、第1実施形態とは異なる。なお、以下で説明する以外の構成は、第1実施形態と同様である。
図6は、第2実施形態に係る水素昇圧システムにより実行される湿潤制御運転の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6に示すように、制御装置9は、湿潤制御運転を行うにあたり、最初にステップS450の処理を行う。ステップS450では、制御装置9は、各単位セル81におけるプロトン交換膜82の膜抵抗値を取得し、複数の単位セル81のうち、一の単位セル81におけるプロトン交換膜82の膜抵抗値と、他の単位セル81におけるプロトン交換膜82の膜抵抗値と、の差が第1所定値以上であるか否かを判定する。例えば、制御装置9は、プロトン交換膜82の膜抵抗値が最大の単位セル81と、アノード83およびカソード84間の電圧が最小の単位セル81と、を比較する。ただし、比較対象の単位セル81はこれに限定されず、所定の2つ単位セル81を比較してもよい。第1所定値は、予め定められた抵抗値であってもよいし、単位セル81の温度等により変化してもよい。膜抵抗値の差が第1所定値未満の場合、ステップS460の処理に移行する。膜抵抗値の差が第1所定値以上の場合、ステップS430の処理に移行する。
ステップS460では、制御装置9は、複数の単位セル81のうち少なくとも1つの単位セル81におけるプロトン交換膜82の膜抵抗値が第2所定値以下であるか否かを判定する。すなわち、制御装置9は、複数の単位セル81のうちプロトン交換膜82の膜抵抗値が最も小さい単位セル81における膜抵抗値が第2所定値以下であるか否かを判定する。第2所定値は、予め定められた抵抗値であってもよいし、単位セル81の温度等により変化してもよい。膜抵抗値が第2所定値よりも大きい場合、スタック湿潤制御運転の処理を終了する。膜抵抗値が第2所定値以下の場合、ステップS440の処理に移行する。
このように、本実施形態では、プロトン交換膜82の膜抵抗値を用いて判定した湿潤状態に基づいて湿潤運転および乾燥運転を行うので、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
(第3実施形態)
<電気化学式水素昇圧システム1Aの構成>
図7は、第3実施形態に係る水素昇圧システムの構成を示す図である。
第3実施形態の水素昇圧システム1Aでは、供給管路10Aに分配管路18が設けられ、分岐管路20Aが分配管路18それぞれに合流している点で第1実施形態と異なる。なお、以下で説明する以外の構成は、第1実施形態と同様である。
図7に示すように、水素昇圧システム1Aは、水素ガス昇圧部7に接続された複数の分配管路18を備える。分配管路18は、供給管路10Aの一部であり、加湿器13の下流側で分岐している。分配管路18は、第1流量調整部15の下流側で互いに分岐している。分配管路18は、後述するセルユニット71の領域A,Bと同数設けられている。各分配管路18には、第2流量調整部19(分配制御弁)が設けられている。第2流量調整部19は、制御弁であり、制御装置9の制御に基づいて第2流量調整部19を通過する水素ガスの流量を調整する。すなわち、第2流量調整部19は、分配管路18それぞれにおける水素の流量を制御する。
分岐管路20Aは、加湿器13の上流側の分岐部16で供給管路10Aから分岐している。分岐管路20Aには、第3流量調整部22が設けられている。第3流量調整部22は、制御弁であり、制御装置9の制御に基づいて第3流量調整部22を通過する水素ガスの流量を調整する。第3流量調整部22は、第3開閉部21の下流側に設けられている。分岐管路20Aは、第3開閉部21および第3流量調整部22の下流側で互いに枝分かれした複数の枝部26を備える。枝部26は、分配管路18と同数設けられている。枝部26のそれぞれは、分配管路18のそれぞれに対して1対1で接続している。枝部26は、第2流量調整部19の下流側で分配管路18に合流している。
図8は、図7に示す水素昇圧システムにおける供給管路および水素ガス昇圧部の接続を示す図である。
図8に示すように、水素ガス昇圧部7のセルユニット71は、水素ガス昇圧部7の動作時における温度分布に基づいて分けられた複数の領域A,Bを有する。複数の領域A,Bは、単位セル81の積層方向に並んでいる。セルユニット71が有する単位セル81のそれぞれは、複数の領域A,Bのうちいずれかの領域に含まれる。複数の領域A,Bは、所定条件で水素ガス昇圧部7を動作させた際の単位セル81の温度に基づいて設定される。例えば、複数の領域A,Bは、所定温度よりも高温となる単位セル81を含む高温領域Aと、所定温度よりも低温となる単位セル81を含む低温領域Bと、である。上述したように、本実施形態のセルユニット71は、積層方向の中間部において高温となり得る。このため、高温領域Aは、セルユニット71における単位セル81の積層方向の中間部を含む。また、低温領域Bは、セルユニット71における積層方向の両端部を含み、高温領域Aを積層方向で挟むように設けられる。
分配管路18の下流端は、セルユニット71の複数の領域A,Bそれぞれに1つずつ接続されている。各分配管路18は、セルユニット71の各領域A,Bにおいて供給連通孔91(図3参照)に連通している。各分配管路18は、接続先の領域の単位セル81に対し、他の領域の単位セル81を介さずに水素を供給することを可能とされている。なお本実施形態において供給連通孔91は、セルユニット71の各領域A,B間で連通を遮断されていてもよい。例えば、水素ガス昇圧部7は、分配管路18の下流端が接続される流入口94(図2参照)を、セルユニット71の複数の領域A,Bそれぞれに1つずつ備える。
<湿潤制御運転>
第3実施形態の水素昇圧システム1の制御方法について説明する。
第3実施形態では、セルユニット71の複数の領域A,Bそれぞれにおける湿潤状態に基づいて第2流量調整部19を制御し、各領域A,Bの単位セル81に供給される水素ガスに含まれる水蒸気の供給量を調整する。例えば、複数の領域A,Bそれぞれにおける湿潤状態は、第1実施形態と同様に電圧計103の計測値に基づいて判定してもよいし、第2実施形態と同様に膜抵抗計101の計測値に基づいて判定してもよい。また、制御装置9は、各領域A,Bの計測値に基づいて各領域A,Bの湿潤状態を判定してもよいし、複数の領域A,Bのうち一部の領域の計測値に基づいて他の領域の湿潤状態を判定してもよい。
このように、本実施形態では、セルユニット71は、水素ガス昇圧部7の動作時における温度分布に基づいて分けられた複数の領域A,Bを有し、供給管路10Aの一部である分配管路18は、セルユニット71の複数の領域A,Bそれぞれに少なくとも1つ接続されている。この構成によれば、セルユニット71の温度分布に対応してプロトン交換膜82の湿潤状態に分布が生じ得るところ、セルユニット71における温度分布に基づいて分けられた複数の領域A,Bに供給される水素ガスを第2流量調整部19により各別に制御できるので、セルユニット71内における湿潤状態のばらつきを抑制できる。したがって、水素ガス昇圧部7を高効率で運転させることができる。
また、分岐管路20Aは分配管路18のそれぞれに合流し、制御装置9は、プロトン交換膜82の湿潤状態に基づいて、第1開閉部12および第3開閉部21を制御して、分岐管路20Aへの水素ガスの流通を切り替える。これにより、プロトン交換膜82において含水率が過多の状態にある場合に、単位セル81に水素供給源5からドライ水素ガスを供給して、プロトン交換膜82における含水率が過多の状態を解消できる。特に分岐管路20Aの枝部26が分配管路18のそれぞれに合流しているので、セルユニット71の領域A,Bのうち含水率が過多の状態にある単位セル81を含む領域にドライ水素ガスを選択的に供給できる。これにより、プロトン交換膜82における含水率が過多でない単位セル81に対するドライ水素ガスの供給が過多となることを抑制できる。よって、プロトン交換膜82の湿潤状態のばらつきを抑制しつつ、プロトン交換膜82を良好な湿潤状態とすることができる。したがって、水素ガス昇圧部7を高効率で運転させることができる。
なお、本実施形態では、分岐管路20Aは分配管路18のそれぞれに対して第2流量調整部19の下流側で合流しているが、この構成に限定されない。すなわち、分岐管路は、供給管路10Aに対して第2流量調整部19の上流側で合流していてもよい。
(第4実施形態)
<電気化学式水素昇圧システム1Bの構成>
図9は、第4実施形態に係る水素昇圧システムにおける供給管路および水素ガス昇圧部の接続を示す図である。
第4実施形態の水素昇圧システム1Bでは、単位セル81それぞれに分配管路18が1つずつ接続されている点で第3実施形態と異なる。なお、以下で説明する以外の構成は、第3実施形態と同様である。
図9に示すように、分配管路18は、単位セル81と同数設けられている。分配管路18には、分岐管路20Aの枝部26が1対1で接続されている。分配管路18の下流端は、単位セル81それぞれに1つずつ接続されている。各分配管路18は、各単位セル81において供給連通孔91(図3参照)に連通している。各分配管路18は、接続先の単位セル81に対し、他の単位セル81を介さずに水素を供給することを可能とされている。なお本実施形態において供給連通孔91は、隣り合う単位セル81間で連通を遮断されていてもよい。例えば、水素ガス昇圧部7は、分配管路18の下流端が接続される流入口94(図2参照)を、単位セル81それぞれに1つずつ備える。
このように、本実施形態では、供給管路10Aの一部である分配管路18は、セルユニット71の複数の領域A,Bそれぞれに少なくとも1つ接続されている。このため、第3実施形態と同様に作用効果を奏する。
さらに本実施形態では、分配管路18は単位セル81それぞれに接続されている。この構成によれば、各単位セル81に供給される水素ガスを各別に制御できるので、セルユニット71内における湿潤状態のばらつきをより一層抑制できる。したがって、水素ガス昇圧部7を高効率で運転させることができる。
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態では、水素供給源5は、水素ガスが貯留されたカードルとされている。しかしながら水素供給源はこれに限定されず、例えば水電解装置であってもよい。
また、上記実施形態では水素ガス昇圧部は複数の単位セル81を備えているが、単位セル81の数はこれに限定されない。仮に単位セル81が1つであっても、本発明によれば単位セル81内で湿潤状態の分布を解消できるので、上述した作用効果を奏することができる。
また、上記第1実施形態では、制御装置9は、ステップS410において複数の単位セル81のうち一対の単位セル81におけるアノード83およびカソード84間の電圧の差を判定対象としている。しかし、制御装置9は、複数の単位セル81のうちアノード83およびカソード84間の電圧が最も大きい単位セル81における電圧を判定対象としてもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
1,1A,1B…電気化学式水素昇圧システム 5…水素供給源 7…水素ガス昇圧部(電気化学式水素昇圧装置) 9…制御装置 10,10A…供給管路 12…第1開閉部(切替部) 13…加湿器 15…第1流量調整部(制御弁) 18…分配管路 19…第2流量調整部(分配制御弁) 20,20A…分岐管路 21…第3開閉部(切替部) 42…第4開閉部(規制部) 44…第3減圧部(規制部) 47…第5開閉部(規制部) 80…電源 81…単位セル 82…プロトン交換膜(電解質膜) 83…アノード 84…カソード 94…流入口 95…低圧側排出口(排出口) 101…膜抵抗計(取得部) 103…電圧計(取得部)

Claims (6)

  1. 水素供給源と、
    電解質膜、および前記電解質膜の両面に設けられたアノードおよびカソードにより形成された単位セルを有し、前記アノードおよび前記カソード間に電流が印加されることで水素を昇圧する電気化学式水素昇圧装置と、
    前記水素供給源から排出される水素を前記電気化学式水素昇圧装置に導く供給管路と、
    を有する電気化学式水素昇圧システムであって、
    前記電気化学式水素昇圧装置は、
    前記水素供給源から供給された水素が流入する流入口と、
    前記流入口に流入した水素のうち未反応の水素が排出される排出口と、
    前記単位セルが積層されたセルユニットと、
    を有し、
    前記アノードおよび前記カソード間に印加される電流を供給する電源と、
    前記電解質膜の湿潤状態に関する情報を取得する取得部と、
    前記排出口の水素の排出を規制する規制部と、
    前記規制部を制御する制御装置と、
    前記供給管路に設けられ、前記供給管路を流通する水素を加湿する加湿器と、
    前記供給管路の一部であり、前記加湿器の下流側で分岐して前記電気化学式水素昇圧装置に接続された分配管路と、
    前記分配管路それぞれにおける水素の流量を制御する分配制御弁と、
    をさらに備え、
    前記セルユニットは、前記電気化学式水素昇圧装置の動作時における温度分布に基づいて分けられた複数の領域を有し、
    前記分配管路は、前記セルユニットの前記複数の領域それぞれに少なくとも1つ接続され、
    前記制御装置は、少なくとも前記湿潤状態に基づいて前記規制部を制御する、
    電気化学式水素昇圧システム。
  2. 前記制御装置は、前記湿潤状態に基づいて前記規制部による規制状態を変化させ、前記排出口側に流通する水素の圧力を変化させる、
    請求項1に記載の電気化学式水素昇圧システム。
  3. 前記単位セルのそれぞれには、前記分配管路が接続される、
    請求項に記載の電気化学式水素昇圧システム。
  4. 前記加湿器の上流側で前記供給管路から分岐する分岐管路と、
    前記分岐管路への水素の流通を切り替える切替部と、
    をさらに備え、
    前記分岐管路は、前記分配管路のそれぞれに合流し、
    前記制御装置は、前記湿潤状態に基づいて前記切替部を制御する、
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電気化学式水素昇圧システム。
  5. 前記供給管路に設けられ、前記水素供給源から排出された水素の流量を制御する制御弁をさらに備え、
    前記制御装置は、前記排出口側に流通する水素の圧力が所定値未満となるように前記制御弁を制御する、
    請求項1から請求項のいずれか1項に記載の電気化学式水素昇圧システム。
  6. 前記供給管路に設けられ、前記水素供給源から排出された水素の流量を制御する制御弁をさらに備え、
    前記制御装置は、前記アノードおよび前記カソード間への電流の印加状態に応じて前記制御弁を制御する、
    請求項1から請求項のいずれか1項に記載の電気化学式水素昇圧システム。
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