JP2020174004A - 全固体電池 - Google Patents

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智明 ▲高▼井
Tomoaki Takai
愛子 長野
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愛子 長野
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Abstract

【課題】チタン酸リチウムを負極活物質として含む全固体電池において、ハイレート充放電時に抵抗を低減し、かつ負極内に生じたSOCの差を緩和する。【解決手段】全固体電池101は、正極30、固体電解質層50および負極40を含む。負極活物質層41は、第1層1および第2層2を含む。第1層1は、負極集電体41と第2層2との間に介在している。第2層2は、固体電解質層50と第1層1との間に介在している。第1層1は第1負極活物質を含む。第2層2は第2負極活物質を含む。第2負極活物質はチタン酸リチウムである。第1負極活物質の電子伝導性は、第2負極活物質の電子伝導性よりも高い。第1負極活物質の平均反応電位は、第2負極活物質の平均反応電位よりも低く、かつ黒鉛の平均反応電位よりも高い。【選択図】図3

Description

本開示は全固体電池に関する。
特開2015−185337号公報(特許文献1)は、全固体電池を開示している。特許文献1における全固体電池は、チタン酸リチウムを負極活物質として含む。
特開2015−185337号公報
リチウムイオン電池の全固体化が検討されている。すなわちリチウムイオン電池において、液体電解質から固体電解質への転換が検討されている。
従来、リチウムイオン電池の負極活物質として、黒鉛が普及している。黒鉛は、充放電に伴って膨張し収縮する。液系電池では、液体電解質が負極活物質の体積変化に追随し得ると考えられる。すなわち、負極活物質の体積が変化しても、液体電解質と負極活物質との接触が維持され得ると考えられる。
他方、全固体電池において、負極活物質の体積変化が大きい場合、固体電解質と負極活物質との接触を維持することが困難であると考えられる。固体電解質が負極活物質の体積変化に追随し難いためと考えられる。
全固体電池の負極活物質として、チタン酸リチウム(化学組成 Li2TiO3、以下「LTO」と略記され得る)が注目されている。LTOが、充放電に伴う体積変化が小さい傾向を有するためである。LTOの採用により、固体電解質と負極活物質との接触が安定することが期待される。これにより、例えばサイクル耐久性の向上が期待される。
ただし、次の点に改善の余地がある。
すなわちLTOが負極活物質に採用された場合、ハイレート充放電時に抵抗が高くなる傾向がある。さらに負極内の各位置の間において、一旦、SOC(state of charge)に差が生じると、SOCの差が解消され難い傾向もある。その結果、例えば局所的に過充電状態になる等の不都合も考えられる。
そこで本開示は、LTOを負極活物質として含む全固体電池において、ハイレート充放電時に抵抗を低減し、かつ負極内に生じたSOCの差を緩和することを目的とする。
以下、本開示における技術的構成および作用効果が説明される。ただし、本開示における作用メカニズムは推定を含んでいる。作用メカニズムの正否により、特許請求の範囲が限定されるべきではない。
〔1〕本開示における全固体電池は、正極、固体電解質層および負極を含む。
固体電解質層は、正極と負極との間に介在している。負極は、負極集電体および負極活物質層を含む。負極活物質層は、負極集電体の表面に配置されている。
負極活物質層は、第1層および第2層を含む。第1層は、負極集電体と第2層との間に介在している。第2層は、固体電解質層と第1層との間に介在している。
第1層は第1負極活物質を含む。第2層は第2負極活物質を含む。第2負極活物質はチタン酸リチウムである。
第1負極活物質の電子伝導性は、第2負極活物質の電子伝導性よりも高い。第1負極活物質の平均反応電位は、第2負極活物質の平均反応電位よりも低く、かつ黒鉛の平均反応電位よりも高い。
まず、本開示において、ハイレート充放電時に抵抗が低減するメカニズムが説明される。
本開示における新知見によれば、全固体電池において、LTOが負極活物質に使用された場合、「有効電極深さ」が浅くなっている。そのため、ハイレート充放電時に抵抗が高くなっていると考えられる。
図1は、有効電極深さの説明図である。
負極活物質層42は、負極集電体41と固体電解質層50との間に介在している。図1には、負極活物質層42内の深さ位置が示されている。ここでは、負極集電体41に近いほど、「深い位置」と定義される。またここでは、固体電解質層50に近いほど、「浅い位置」と定義される。
負極活物質層42内には、少なくとも2種の抵抗成分が存在すると考えられる。1つは、リチウム(Li)イオンの移動抵抗(拡散抵抗)である。Liイオンの移動抵抗が存在するため、負極活物質層42の深さ方向に、Liイオンの移動抵抗による電位分布が生じると考えられる。もう1つの抵抗成分は、電子(e-)の移動抵抗である。電子の移動抵抗が存在するため、負極活物質層42の深さ方向に、電子の移動抵抗による電位分布が生じると考えられる。
負極反応の駆動力は、電位差によって生じると考えられる。すなわち、Liイオンの移動抵抗によって生じる電位(PLi)と、電子の移動抵抗によって生じる電位(Pe)との電位差(ΔP=PLi−Pe)が、所定の閾値を超えることにより、負極反応(充放電反応)が進行すると考えられる。
負極活物質層42内の位置が深くなるにつれて、電位差(ΔP)が小さくなる傾向がある。最終的に、ある位置において、電位差(ΔP)が閾値未満となり、負極反応が起こらなくなると考えられる。本開示における「有効電極深さ」は、固体電解質層50と負極活物質層42との界面から、負極反応が起こらなくなる位置までの距離を示す。
負極活物質層42に含まれる負極活物質がLTOのみである場合、有効電極深さが浅くなる傾向がある。この理由は次のように説明され得る。すなわち高いSOCにおいて、LTOは岩塩構造を有する。他方、低いSOCにおいて、LTOはスピネル構造を有する。スピネル構造は、岩塩構造に比して電子伝導性が低い。低いSOCにおいて、LTOが岩塩構造からスピネル構造へ遷移することにより、電子の移動抵抗が急激に大きくなると考えられる。そのため、図1において、電子の移動抵抗によって生じる電位(Pe)が上昇し、電位差(ΔP)が小さくなると考えられる。その結果、電位差(ΔP)が閾値を超える位置が、固体電解質層50側へとシフトすると考えられる。すなわち、有効電極深さが浅くなると考えられる。
本開示における全固体電池では、負極活物質層42が多層構造を有する。すなわち負極活物質層42は、第1層1および第2層2を少なくとも含む。第2層2は固体電解質層50に近い側に位置する。第2層はLTOを含む。第1層1は負極集電体41に近い側に位置する。第1層1は第1負極活物質を含む。
第1負極活物質はLTOよりも高い電子伝導性を有する。そのため、図1において、電子の移動抵抗によって生じる電位(Pe)が降下し、電位差(ΔP)が大きくなると考えられる。その結果、電位差(ΔP)が閾値を超える位置が、負極集電体41側へとシフトすると考えられる。すなわち、有効電極深さが深くなると考えられる。
有効電極深さが深くなることにより、ハイレート充放電時の抵抗が低減すると考えられる。第1負極活物質としては、例えば酸化マンガン(II)〔MnO〕等が考えられる。
なお、液系電池の負極にも、本開示における多層構造が適用され得る。ただし、液系電池の場合、Liイオンの移動抵抗の影響が圧倒的に大きく、電子の移動抵抗の影響は相対的に小さいと考えられる。そのため、本開示における多層構造が液系電池の負極に適用されても、全固体電池における効果と同様の効果は期待できないと考えられる。
次に、本開示において、負極活物質層42内に生じたSOCの差が緩和されるメカニズムが説明される。
図2は、SOC−反応電位曲線を示すグラフである。
図2の横軸は、負極活物質のSOCである。図2の縦軸は、負極活物質とLiイオンとの反応電位である。図2の反応電位は、Liの酸化還元平衡電位を基準(0V)としている。
LTOのSOC−反応電位曲線は非常に平坦である。すなわち、SOCの変化に対する、電位の変化が非常に小さい。ここで、例えば負極活物質層42内において、隣接するA地点とB地点とを考える。A地点におけるSOCと、B地点におけるSOCとの間に所定の差が生じている。しかしA地点における電位と、B地点における電位との間には、殆ど差が生じていないことがあり得る。SOC−反応電位曲線が非常に平坦であるためである。
A地点とB地点との間において電位差が大きい場合、電位差を緩和するように、A地点とB地点との間においてLiイオンまたは電子の移動が起こると考えられる。しかし電位差が小さい場合、Liイオンまたは電子の移動が起こり難いと考えられる。したがって、負極活物質がLTOのみである場合、一旦SOCに差が生じると、SOCの差が緩和され難いと考えられる。
本開示における全固体電池は、LTO(第2負極活物質)に加えて、第1負極活物質を含む。第1負極活物質は、LTOよりも低い平均反応電位を有する。本開示における「平均反応電位」は、SOC−反応電位曲線(例えば図2のグラフ)における反応電位の平均値である。
図2には、第1負極活物質の一例として、MnOが示されている。MnOの平均反応電位は、LTOの平均反応電位に比して0.3V程度低い。負極活物質層42に、LTOとMnO(第1負極活物質)とが含まれていることにより、LTOとMnOとの電位差を駆動力として、Liイオンまたは電子の移動が起こり得る。したがって、本開示においては、局所的にSOCの差が生じても、SOCの差が緩和され得ると考えられる。
さらに、本開示においては、第1負極活物質が、黒鉛に比して高い平均反応電位を有する。そのため、本開示においては、黒鉛が負極活物質として使用される場合に比して、Liイオンが金属に還元され難いと考えられる。これにより、例えばサイクル耐久性の向上が期待される。
〔2〕第1負極活物質は、例えば酸化マンガン(II)〔MnO〕、酸化コバルト(II)〔CoO〕、酸化ニッケル(II)〔NiO〕、酸化銅(II)〔CuO〕および酸化スズ(II)〔SnO〕からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
第1負極活物質の平均反応電位と、LTOの平均反応電位との間に、例えば0.15V程度の差があれば、Liイオンまたは電子の移動が促進されると考えられる。この観点から、CoO、NiO、CuOおよびSnOは、好適な平均反応電位を有し得ると考えられる。さらに、CoO、NiO、CuOおよびSnOは、LTOよりも高い電子伝導性を有し得る。
〔3〕第1負極活物質は、例えばMnOであってもよい。
MnOは、例えば黒鉛に比しても、高い電子伝導性を有し得る。第1負極活物質がMnOであることにより、有効電極深さがいっそう深くなることが期待される。
〔4〕第1層の厚さ(T1)と第2層の厚さ(T2)との合計(T1+T2)に対する、第1層の厚さの比率{T1/(T1+T2)}は、例えば15%以上35%以下であってもよい。
以下、本開示においては、当該厚さの比率が「第1層の比率」とも記される。
第1層1の比率が15%以上であることにより、有効電極深さがいっそう深くなることが期待される。すなわち、ハイレート充放電時に抵抗がいっそう低減することが期待される。
LTOは熱安定性に優れた材料である。負極活物質層42の熱安定性の観点から、第2層2(LTOを含む層)は、ある程度の厚さを有することが望ましい。第1層1の比率が35%以下であることにより、第2層2の比率が65%以上になる。第2層2の比率が65%以上であることにより、例えば負極活物質層42の熱安定性の向上が期待される。
図1は、有効電極深さの説明図である。 図2は、SOC−反応電位曲線を示すグラフである。 図3は、本実施形態における全固体電池の構成を示す断面概念図である。 図4は、粉体の抵抗を示すグラフである。 図5は、釘刺し試験における最高温度のシミュレーション結果を示すグラフである。 図6は、充電試験の結果を示すグラフである。
以下、本開示における実施形態(本明細書では「本実施形態」とも記される)が説明される。ただし、以下の説明は特許請求の範囲を限定するものではない。
<全固体電池>
図3は、本実施形態における全固体電池の構成を示す断面概念図である。
全固体電池は電極群100を含む。電極群100は、所定の外装材(不図示)に収納されていてもよい。外装材は、例えばアルミラミネートフィルム製のパウチ等であってもよい。外装材は、例えば金属製のケース等であってもよい。電極群100は、正極30、固体電解質層50および負極40を含む。すなわち全固体電池が、正極30、固体電解質層50および負極40を含んでいる。
《固体電解質層》
固体電解質層50は、正極30と負極40との間に介在している。固体電解質層50は、例えば1μm以上1mm(1000μm)以下の厚さを有していてもよい。固体電解質層50は固体電解質材料を含む。固体電解質層50は、実質的に固体電解質材料のみからなっていてもよい。固体電解質層50は、固体電解質材料に加えて、例えばバインダ等をさらに含んでいてもよい。
固体電解質材料は、特に限定されるべきではない。固体電解質材料は酸化物であってもよい。固体電解質材料は硫化物であってもよい。固体電解質材料は、例えばLi2S−SiS2、LiI−Li2S−SiS2、LiI−Li2S−P25、LiI−Li2S−P25、LiI−Li3PO4−P25、Li2S−P25、Li7311、Li3PS4、およびLi3.250.754からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。ここで、例えば「Li2S−P25」は、Li2SとP25との混合物を示している。混合比は、例えば「Li2S:P25=5:5〜9:1(モル比)」であってもよい。
バインダも特に限定されるべきではない。バインダは、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)およびスチレンブタジエンゴム(SBR)からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
《負極》
負極40は、負極集電体41および負極活物質層42を含む。負極集電体41は、例えば銅(Cu)箔等であってもよい。負極活物質層42は、負極集電体41の表面に配置されている。負極活物質層42は、例えば10μm以上100μm以下の厚さを有していてもよい。負極活物質層42は、第1層1および第2層2を含む。負極活物質層42は、第1層1および第2層2を含む限り、第3層(不図示)、第4層(不図示)等をさらに含んでいてもよい。
(第2層)
第2層2は、固体電解質層50と第1層1との間に介在している。すなわち、第2層2は、第1層1よりも固体電解質層50の近くに位置している。第2層2は、第2負極活物質を含む。第2層2は、実質的に第2負極活物質のみからなっていてもよい。第2層2は、第2負極活物質に加えて、例えば固体電解質材料、導電材およびバインダ等をさらに含んでいてもよい。
第2負極活物質はLTOである。LTOは、充放電に伴う体積変化が小さい傾向を有する。LTOの採用により、サイクル耐久性の向上が期待される。ただし、LTOの採用により、有効電極深さが浅くなる等の不都合が生じ得る。本実施形態においては、第1層1(後述)により、LTOの採用に伴う不都合が解消され得る。
第2層2に含まれる固体電解質材料は、固体電解質層50に含まれる固体電解質材料と同一であってもよいし、異なっていてもよい。第2層2において、第2負極活物質と固体電解質材料との比は、例えば「第2負極活物質:固体電解質材料=50:50〜95:5(体積比)」であってもよい。
導電材は、特に限定されるべきではない。導電材は、例えばアセチレンブラック(AB)、気相成長炭素繊維(VGCF)およびカーボンナノチューブ(CNT)からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。第2層2における導電材の含量は、100質量部のLTOに対して、例えば0.1質量部以上10質量部以下であってもよい。
バインダも、特に限定されるべきではない。バインダは例えばSBR等を含んでいてもよい。第2層2におけるバインダの含量は、100質量部のLTOに対して、例えば0.1質量部以上10質量部以下であってもよい。
(第1層)
第1層1は、負極集電体41と第2層2との間に介在している。すなわち、第1層1は、第2層2よりも負極集電体41の近くに位置している。第1層1は、第1負極活物質を含む。第1層1は、実質的に第1負極活物質のみからなっていてもよい。第1層1は、第1負極活物質に加えて、例えば固体電解質材料、導電材およびバインダ等をさらに含んでいてもよい。第1層1における固体電解質材料、導電材およびバインダは、例えば前述の第2層2における固体電解質材料、導電材およびバインダと、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
第1負極活物質の電子伝導性は、第2負極活物質(LTO)の電子伝導性よりも高い。そのため本実施形態においては、負極活物質層42がLTOを含むにもかかわらず、所望の有効電極深さが実現され得る。
本実施形態における「電子伝導性」は、例えば負極活物質の粉体の抵抗率により評価され得る。すなわち、粉体の抵抗率が低い程、電子伝導性が高いと評価され得る。粉体の抵抗率は、例えば、粉体抵抗測定システム(型式「MCP−PD51型」、三菱ケミカルアナリテック社製)および抵抗率計(型式「MCP−T610」、三菱ケミカルアナリテック社製)等により測定され得る。これらの装置と同等の装置が使用されてもよい。測定時の温度は、室温(20℃±15℃)でよい。測定時の荷重は、例えば20kNである。粉体の抵抗率は3回以上測定される。本実施形態においては、3回以上の測定結果の算術平均値が採用される。
第1負極活物質の平均反応電位は、第2負極活物質の平均反応電位よりも低い。そのため本実施形態においては、負極活物質層42がLTOを含むにもかかわらず、負極活物質層42内に生じたSOCの差が緩和され得る。
さらに、第1負極活物質の平均反応電位は、黒鉛の平均反応電位よりも高い。そのため本実施形態においては、黒鉛が負極活物質として使用される場合に比して、Liイオンが金属に還元され難いと考えられる。
本実施形態における「平均反応電位」は、負極活物質のSOC−反応電位曲線における反応電位の平均値である。「SOC−反応電位曲線(例えば図2)」は、ハーフセルにおいて測定され得る。ハーフセルにおいては、第1層1(または第2層2)と実質的に同一組成の活物質層が、作用極(WE)として使用される。Li箔が対極(CE)として使用される。作用極と対極との間には固体電解質層が配置される。測定時の電流レートは、例えば0.1C程度であってもよい。「C」は電流レートの単位である。「1Cの電流レート」では、電池の設計容量(理論容量)が1時間で放電(または充電)される。
第1負極活物質は、例えばMnO、CoO、NiO、CuOおよびSnOからなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
図4は、粉体の抵抗を示すグラフである。
CoOおよびNiOは、黒鉛と略同等の抵抗を有し得る。さらに、MnOは黒鉛よりも低い抵抗を有し得る。すなわちMnOは、黒鉛よりも高い電子伝導性を有し得る。第1負極活物質がMnOであることにより、有効電極深さがいっそう深くなることが期待される。
第1層1の比率は、例えば15%以上35%以下であってもよい。第1層1の比率が15%以上であることにより、有効電極深さがいっそう深くなることが期待される。すなわち、ハイレート充放電時に抵抗がいっそう低減することが期待される。
図5は、釘刺し試験における最高温度のシミュレーション結果を示すグラフである。
第1層1の比率が35%以下であることにより、最高温度が低くなる傾向がみられる。第1層1の比率は、例えば15%以上21%以下であってもよい。第1層1の比率は、例えば21%以上35%以下であってもよい。
《正極》
正極30は、正極集電体31および正極活物質層32を含む。正極集電体31は、例えばアルミニウム(Al)箔等であってもよい。正極活物質層32は、正極集電体31の表面に配置されている。正極活物質層32は、例えば10μm以上100μm以下の厚さを有していてもよい。
正極活物質層32は、正極活物質を含む。正極活物質層32は、実質的に正極活物質のみからなっていてもよい。正極活物質層32は、正極活物質に加えて、例えば固体電解質材料、導電材およびバインダ等をさらに含んでいてもよい。
正極活物質は特に限定されるべきではない。正極活物質は、例えばコバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケルコバルトアルミン酸リチウム、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム(例えばLiNi1/3Co1/3Mn1/32等)およびリン酸鉄リチウムからなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
正極活物質層32に含まれる固体電解質材料は、固体電解質層50および負極活物質層42に含まれる固体電解質材料と同一であってもよいし、異なっていてもよい。正極活物質層32において、正極活物質と固体電解質材料との比は、例えば「正極活物質:固体電解質材料=50:50〜95:5(体積比)」であってもよい。
導電材は、例えばAB、VGCFおよびCNTからなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。正極活物質層32における導電材の含量は、100質量部の正極活物質に対して、例えば0.1質量部以上10質量部以下であってもよい。
バインダも、特に限定されるべきではない。バインダは、例えばPVdF等を含んでいてもよい。正極活物質層32におけるバインダの含量は、100質量部の正極活物質に対して、例えば0.1質量部以上10質量部以下であってもよい。
例えば、正極活物質(粒子)の表面が固体電解質材料によって被覆されていてもよい。正極活物質を被覆する固体電解質材料は、酸化物であってもよい。正極活物質を被覆する固体電解質材料は、例えばLiNbO3およびLi3PO4からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。正極活物質が固体電解質材料によって被覆されていることにより、例えばハイレート充放電時に抵抗の低減が期待される。
以下、本開示における実施例(本明細書では「本実施例」とも記される)が説明される。ただし、以下の説明は特許請求の範囲を限定するものではない。
<全固体電池の製造>
実施例および比較例として、下記表1の構成を備える全固体電池がそれぞれ製造された。
Figure 2020174004
<評価>
図6は、充電試験の結果を示すグラフである。
充電時の電流レートは1Cであった。充電は2.08Vから開始し、3.05Vで終了した。充電終了後、負極活物質の利用率が測定された。実施例における利用率は、比較例における利用率よりも高くなっていた。実施例においては、MnOを含む第1層1が設けられているため、有効電極深さが深くなったと考えられる。
本実施形態および本実施例は、すべての点で例示であって、制限的なものではない。特許請求の範囲の記載によって確定される技術的範囲は、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含む。
1 第1層、2 第2層、30 正極、31 正極集電体、32 正極活物質層、40 負極、41 負極集電体、42 負極活物質層、50 固体電解質層、100 電極群。

Claims (1)

  1. 正極、固体電解質層および負極を含み、
    前記固体電解質層は、前記正極と前記負極との間に介在しており、
    前記負極は、負極集電体および負極活物質層を含み、
    前記負極活物質層は、前記負極集電体の表面に配置されており、
    前記負極活物質層は、第1層および第2層を含み、
    前記第1層は、前記負極集電体と前記第2層との間に介在しており、
    前記第2層は、前記固体電解質層と前記第1層との間に介在しており、
    前記第1層は第1負極活物質を含み、
    前記第2層は第2負極活物質を含み、
    前記第2負極活物質はチタン酸リチウムであり、
    前記第1負極活物質の電子伝導性は、前記第2負極活物質の電子伝導性よりも高く、
    前記第1負極活物質の平均反応電位は、前記第2負極活物質の平均反応電位よりも低く、かつ黒鉛の平均反応電位よりも高い、
    全固体電池。
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