JP2020173594A - 工事見積作成支援装置および工事見積作成支援システム - Google Patents

工事見積作成支援装置および工事見積作成支援システム Download PDF

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Abstract

【課題】新人であっても工事見積の作成に必要なポイントを正確に把握できる工事見積作成支援装置を提供し、これにより工事見積の質を担保し得る工事見積作成支援システムを提供する。【解決手段】携帯端末(工事見積作成支援装置)1と、携帯端末1で収集した情報を保存するサーバ2と、サーバ2から取得した情報から工事見積を作成する端末装置3とでシステムを構成する。携帯端末1に工事種別と工事種別ごとの撮影項目を記憶させておき、選択された工事種別に対応する撮影項目を表示部104に表示して撮影を促す。撮影された画像は撮影項目を対応付けて記憶する。また、画像を補う情報も画像と対応付けて記憶させ、これらをサーバ2に送信する。端末装置3は、サーバ2の情報から工事見積を作成し、作成した工事見積を携帯端末1に送信する。【選択図】 図1

Description

この発明は工事見積作成支援装置および工事見積作成支援システムに関し、より詳細には、リフォーム工事の工事見積を正確かつ容易に作成できるように支援する技術に関する。
近年、リフォームやリノベーションといった既存の建物の内・外装や水回り設備などの補修・修繕・改修・改築工事(以下、これらを「リフォーム工事」と総称する。)が盛んに行われている。この種の工事は、通常、リフォーム業者と称される専門業者などが請け負っているが、工事を行うにあたっては、事前に施工対象となる建物など(以下、「対象物件」と称する。)に専門業者が赴いて現場を確認したうえで工事見積を作成し、作成した工事見積を依頼主に交付している(特許文献1の段落[0003]参照)。
ところで、このようなリフォーム工事の内容は対象物件ごとに異なることから工事見積を画一的に作成するのは困難である。たとえば、外壁の塗装工事を例にとってみても、塗装する面積の広狭や使用する塗料の種類、さらには工事用足場設置の難易度(搬入・組立スペースの広狭)などといった様々な要素によって見積額が変動する。
そのため、従来この種のリフォーム工事の工事見積は、多様なリフォーム工事のことを熟知したベテランの社員(作業員)を現場に派遣し、ベテラン作業員の知識と経験に基づいて工事見積の作成に必要なポイント(見積額に影響を与える要素)を確認したうえで作成していた。つまり、工事見積の作成を含むリフォーム工事の商談の殆どをベテラン作業員が担っていた。
特開2002−63417号公報
しかしながら、このような従来の手法には以下のような問題があった。
すなわち、従来の工事見積の作成手法では、リフォーム工事を熟知していない新人の作業員は単独で工事見積の作成やリフォーム工事の商談を行うことができなかった。そのため、リフォーム業者は、新人をベテラン作業員とともに行動させ、現任訓練(OJT)を通じて新人に工事見積の作成に必要なポイントを習得させざるを得なかった。つまり、リフォーム業者は、新人が単独で工事見積を作成できる程度のベテランに育つまで、新人教育に人的リソース(ベテラン作業員)を割り振らねばならないという問題があった。
また、従来の工事見積の作成手法は、専らベテラン作業員の経験に基づいて工事見積を作成していたため、個人差によるバラツキがあるだけでなく、見積額に影響を与える重要な要素を確認し忘れるなどのヒューマンエラーが発生する可能性もあった。そのため、このようなバラツキや確認漏れなどによって、リフォーム業者が予想外の損害を被る可能性もあった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、新人であっても工事見積の作成に必要なポイントを正確に把握できる工事見積作成支援装置を提供し、これにより工事見積の質を担保し得る工事見積作成支援システムを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る工事見積作成支援装置は、工事見積作成用の情報を収集する携帯端末であって、画像を撮影する撮像部と、複数の工事種別および工事種別ごとに設定される撮影項目を記憶する撮影指示情報記憶部と、上記撮像部で撮影した画像を上記撮影項目と対応付けて記憶する画像情報記憶部と、上記画像情報記憶部に記憶された画像および当該画像に対応付けて記憶された情報をサーバに送信するデータ通信部と、情報を表示する表示部と、情報を入力する入力部と、これらを制御する制御部とを備えてなり、上記制御部は、選択された工事種別に対応する撮影項目を上記表示部に表示し、この表示に従って撮影された画像に対して撮影項目を対応付ける制御構成を有することを特徴とする。
本発明に係る工事見積作成支援装置では、撮影指示情報記憶部に複数の工事種別と工事種別ごとに設定される撮影項目とが記憶されているので、工事見積作成支援装置を操作する作業員は、複数の工事種別の中から工事見積を作成する工事種別を選択することで、選択した工事種別において見積作成に必要な撮影項目を漏れなく容易かつ正確に把握することができる。そのため、工事見積の作成に必要なポイントを漏れなく撮影することができる。
また、工事種別が選択されると、選択された工事種別に対応する撮影項目が表示部に表示され、この表示に従って撮影された画像に対して撮影項目が対応付られるので、画像と撮影項目をデータ上で確実に紐付けることができる。そのため、画像情報記憶部に記憶された画像が何を撮影した画像であるか、換言すれば、どの撮影項目の画像であるのかを正確に把握・管理することができ、データ管理を容易に行える。
そして、本発明に係る工事見積作成支援装置は、その好適な実施態様として、以下の構成が採用され得る。
(1)上記表示部への撮影項目の表示は、複数の撮影項目から任意の撮影項目を選択可能に表示する態様とされ、上記制御部は、これら複数の撮影項目中から選択された撮影項目を撮影された画像に対応付ける制御構成を有する。
この実施態様では、撮影項目の表示に際し、複数の撮影項目から任意の撮影項目を選べるので、たとえば、近接する撮影箇所を指示する撮影項目から順に選択しながら撮影を進めることができるので、撮影を効率的に行うことができる。
(2)上記携帯端末は、対象物件を特定する物件情報を記憶する物件情報記憶部を備え、上記制御部は、上記物件情報記憶部に記憶された物件情報を上記撮像部で撮影した画像に対応付ける制御構成を有する。
この実施態様では、撮影した画像に対して物件情報記憶部に記憶された物件情報が対応付けられるので、画像と物件情報とをデータ上で紐付けることができる。そのため、画像情報記憶部に記憶された画像がどの物件の画像であるのかを正確に把握・管理でき、データ管理が容易になる。
(3)上記携帯端末は、撮影した画像に関する補足情報を記憶する補足情報記憶部を備え、上記制御部は、上記画像情報記憶部に記憶された画像に対する補足情報の入力要求を上記表示部に表示し、この表示に従って上記入力部から入力された補足情報を当該画像に対応付けて上記補足情報記憶部に記憶させる制御構成を有する。
この実施態様では、画像情報記憶部に記憶された画像に対して、画像ごとに補足情報の入力要求が表示される。そして、この表示に従って補足情報が入力されると、入力された補足情報が当該画像に対応付けられ、画像と当該画像の補足情報とがデータ上で紐付けられる。そのため、この実施態様では、画像の内容を補足する情報(たとえば、周辺環境などの情報)を画像に紐付けて管理することができ、画像からだけでは把握できない事柄を容易かつ正確に理解可能に記録できる。
(4)上記携帯端末は、上記撮影項目ごとにあらかじめ設定された複数の定型文を記憶する定型文記憶部を備え、上記制御部は、上記補足情報の入力要求時に、上記定型文記憶部に記憶された複数の定型文を上記表示部に表示し、この表示に従って選択された定型文を補足情報として画像に対応付ける制御構成を有する。
この実施態様では、補足情報が定型文としてあらかじめ設定されており、補足情報を入力する際に定型文から選択できるので、補足情報の入力作業を容易かつ迅速に行うことができる。
本発明に係る工事見積作成支援システムは、対象物件の画像を撮影する撮影者が有する携帯端末と、画像を保存するサーバと、対象物件の画像から工事見積を作成する端末装置とから構成されるシステムであって、上記携帯端末は、上述した工事見積作成支援装置で構成され、上記端末装置は、上記サーバから対象物件の画像および当該画像に対応付けて記憶された情報を取得する情報取得部と、上記情報取得部で取得した情報を基に作成された工事見積を所定のデータ形式で上記携帯端末に送信する見積送信部とを備えていることを特徴とする。
本発明の工事見積作成支援システムでは、工事見積支援装置で撮影された画像と当該画像に対応付けられた情報がサーバを経由して端末装置で取得できるので、端末装置上で工事見積を作成することができる。端末装置は、画像とともに当該画像に対応付けられた様々な情報(たとえば、撮影項目、物件情報、補足情報など)を取得できるので、工事見積の作成を容易に行うことができる。
そして、この端末装置には工事見積を所定のデータ形式で携帯端末に送信する見積送信部が備えられているので、作成された工事見積を携帯端末で読み取り可能なデータ形式で送信できる。携帯端末側では、工事見積を受け取り、表示部に表示することができる。
本発明によれば、工事種別が選択されると、選択された工事に関する見積作成に必要な撮影項目が工事見積作成支援装置に表示されるので、リフォーム工事を熟知しない新人の作業員であっても、単独で工事見積の作成に必要な撮影項目を漏れなく撮影することができる。そのため、本発明に係る工事見積作成支援装置を用いることで、新人教育として行われる現任訓練の期間を大幅に短縮することができ、新人教育にかかる負担を軽減することができるとともに、撮影漏れといったヒューマンエラーの発生を抑制することができ、工事見積の質を担保することができる。
しかも、工事見積作成支援装置で撮影された画像には撮影項目が自動的に対応付けられるので、作業員は画面の指示に従って撮影をするだけでよく、画像のデータ整理や管理に要する作業(たとえば、画像にファイル名を付与するなどの作業)を省力化することができる。
また、工事見積作成支援装置は、画像とともに当該画像に対応付けて記憶された情報も併せてサーバに送信するように構成されているので、たとえば、画像からだけでは把握できない情報(対象物件の住所や依頼主に関する情報、足場や資材の搬入ルートに関する情報など)をあらかじめ画像と対応付けて記憶させておくことで、工事見積の作成に必要な情報を網羅的にサーバで管理することができる。
本発明に係る工事見積作成支援システムの一例を示したシステム構成図である。 同工事見積作成支援システムにおける工事見積作成支援装置の一例を示す機能ブロック図である。 同工事見積作成支援装置を用いた工事見積作成用の情報収集手順の一例を示すフローチャートである。 同工事見積作成支援装置における撮影項目の一例を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明に係る工事見積作成支援システムは、主にリフォーム工事の工事見積の作成を支援するためのシステムであって、図1に示すように、対象物件の画像を撮影する撮影者(作業員)が有する携帯端末1と、画像を保存するサーバ2と、対象物件の画像から工事見積を作成する端末装置3と、ネットワークNとで構成される。
携帯端末1は、本発明における工事見積作成支援装置を構成するものであって、工事見積を作成するための情報(具体的には、対象物件の状態を示す画像や画像を説明したテキストなど)を収集するための装置であり、少なくとも、画像の撮影が可能で、かつ、持ち歩きが可能な端末装置、たとえば、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、ノート型コンピュータなどで構成される。
図2は、携帯端末1をスマートフォンで構成した場合を示している。この図に示すように、携帯端末1は、画像を撮影する撮像部101と、撮像部101で撮影された画像などのデータを記憶する記憶部102と、サーバ2などとデータの送受信を行うデータ通信部103と、情報を表示する表示部105と、情報を入力する入力部106と、これらを制御する制御部107とを主要部として構成される。図示例では、携帯端末1をスマートフォンで構成した場合を示しているため、携帯端末1には他の携帯端末や電話機などと音声通話を行うための電話機能を有する音声通話部104が備えられているが、タブレット型コンピュータやノート型コンピュータで携帯端末1を構成する場合には、音声通話部104は省略してもよい。
より詳細には、撮像部101は、イメージセンサを備えたカメラで構成される。撮像部101で撮影された画像はデジタル情報として記憶部102に記憶される。記憶部102は、携帯端末1に内蔵されたメモリまたは携帯端末1に接続可能な外部メモリ(たとえば、SDカードなどのフラッシュメモリ)で構成される。記憶部102は、記憶するデータの内容に応じて、撮影指示情報記憶部102a、画像情報記憶部102b、物件情報記憶部102c、補足情報記憶部102d、および定型文記憶部102eとして機能する(詳細は後述する)。
データ通信部103は、ネットワークNに接続可能な通信装置で構成される。本実施形態では、携帯端末1をスマートフォンで構成しているので、データ通信部103は、スマートフォンが備える電話用の無線通信回線を利用したモバイルデータ通信機能または無線LAN機能によって実現される。また、音声通信部104は、スマートフォンが備える音声通話機能で実現される。
表示部105は、文字や画像などを表示する表示装置であって、たとえば、液晶パネルなどのフラットパネルディスプレイで構成される。また、入力部106は、文字入力や位置入力が可能な入力装置で構成される。本実施形態では、これら表示部105および入力部106は、両者を兼用したはタッチパネル式のフラットパネルディスプレイで構成されており、タッチパネルの位置入力機能を用いて文字入力などができるようになっている。
制御部107は、携帯端末1の各部を制御する制御装置であって、記憶部102に記憶されたアプリケーションプログラムに従って携帯端末1を制御することにより、携帯端末1を工事見積作成支援装置として機能させるように構成されている。
サーバ2は、ネットワークNを介して携帯端末1から送信される画像を含む各種データを保存するためのサーバコンピュータであって、このような各種データの保存に加え、ネットワークNを介した携帯端末1や端末装置3との通信機能を備えている。
端末装置3は、工事見積を作成するための装置であって、ネットワークNを介した通信機能を備えたコンピュータで構成される。具体的には、この端末装置3には、サーバ2から取得した情報を基にして、電子文書化された工事見積書を作成するのに必要となる各種のソフトウェア(たとえば、表計算ソフトウェア、文書作成ソフトウェア、ファイル形式変換ソフトウェアなど)が備えられており、後述するように、サーバ2から画像その他の情報を取得し、取得した情報を基に工事見積の電子文書を作成できるように構成されている。なお、この端末装置3としては、デスクトップ型のコンピュータやノート型のコンピュータやタブレット型のコンピュータが用いられる。
ネットワークNは、少なくとも携帯端末1とサーバ2、サーバ2と端末装置3をそれぞれ通信接続するコンピュータネットワークで構成される。具体的には、このネットワークNは、インターネットおよびインターネットに接続された無線LANや有線LANで構成される。
次に、本発明に係る工事見積作成支援システムの使用方法について、図1および図3を参照しながら説明する。
本発明に係る工事見積作成支援システムは、リフォーム工事に先立って行われる工事見積の作成を一か所で集中的に行えるように構成した、換言すれば、工事見積の作成を一元的に管理可能に構成したシステムである。このシステムの運用にあたっては、リフォーム工事を行う予定の現場に赴く作業員に携帯端末1を携行させる一方、端末装置3をリフォーム業者の管理部門など工事見積の作成を管理する部署に配置する。なお、サーバ2は、任意の場所(たとえば、リフォーム業者の施設内など)に配置される。
A:携帯端末1について
次に、携帯端末1の使用方法について説明する。なお、以下の説明における項目の選択や情報の入力といった作業は、いずれも携帯端末1に備えられた入力部106を作業員が操作して行う。
(1)携帯端末1の使用に際しては、はじめに携帯端末1を工事見積作成支援装置として機能させるアプリケーションプログラムを起動させる。これにより、携帯端末1が工事見積作成支援装置として機能するようになる。
(2)携帯端末1を工事見積作成支援装置として機能させると、表示部105には工事種別の選択を要求する画面が表示さる。作業員は、この画面表示に従って工事種別を選択する(図3のステップS1参照)。
ここで、工事種別は、リフォーム工事を内容に応じて種類分けしてなる分類であり、記憶部102の撮影指示情報記憶部102aにあらかじめ記憶されている。制御部107は、撮影指示情報記憶部102aに記憶された工事種別を読み出して、表示部105に工事種別の選択要求画面を表示する。工事種別は、あらかじめリフォーム業者側で決定され、決定した工事種別のデータがアプリケーションプログラムとともに携帯端末1に記憶されている。工事種別としては、たとえば、建物の外装リフォーム工事、建物の内装リフォーム工事、建物屋上の防水工事、水回りの修繕工事などが例示される。
工事種別の選択要求画面は、適宜自由に設定可能であるが、工事種別は複数種の工事で構成されるので、複数の工事種別を一覧可能に表示し、その中から該当する工事種別を選択させる態様(たとえば、プルダウン方式で工事種別をメニュー表示し、その中から該当する工事種別を選択させる方式)で表示させる。
(3)工事種別の選択が完了すると、表示部105には物件情報の入力を要求する画面が表示され、作業員に物件情報を入力させる(図3のステップS2参照)。
物件情報は、リフォーム工事の対象物件を特定するための情報であり、たとえば、リフォーム工事を行う建物等の住所、依頼主の氏名、連絡先などが例示される。この工程で入力された物件情報は、携帯端末1の記憶部102の物件情報記憶部102cに記憶される。なお、物件情報は、工事種別に関係なく工事見積の作成に必要な情報であることから、工事種別の選択前に物件情報を入力させるようにアプリケーションプログラムを設定してもよい。
(4)物件情報の入力が完了すると、表示部105には撮影項目が表示される(図3のステップS3参照)。
撮影項目は、撮像部101で撮影すべき場所を指示する項目であって、工事種別ごとにあらかじめ設定されており、工事種別ごとに対応付けられた撮影項目が撮影指示情報記憶部102aに記憶されている。制御部107は、選択された工事種別に対応付けられた撮影項目を撮影指示情報記憶部102aから読み出して、表示部105に表示する。
ここで、撮影項目を工事種別ごとに設定するのは、撮影すべき場所が工事種別によって相違するからである。図4は工事種別の一つである外装リフォーム工事に対応付けて記憶される撮影項目の一例を示している。外装リフォーム工事の場合、建物に作業用の仮設足場を設置しなければならないので、仮設足場の設置に関連した複数の撮影項目(図示例では、「仮設足場・搬入状況」「仮設足場・近隣状況」「仮設足場・障害物状況」「仮設足場・障害物状況2」)が設けられるなど、外装リフォーム工事の工事見積作成に必要な画像を指定する項目が撮影項目として設定される。
これらの撮影項目は、工事種別と同様に、あらかじめリフォーム業者側で決定され、決定した撮影項目のデータが撮影指示情報記憶部102aに記憶される。なお、図4における「ピックアップ1〜3」は、撮影項目として明示的に指示された項目以外で現場において作業員が撮影しておくべき(換言すれば、工事見積の作成に必要である)と判断したものを撮影する際に用いる項目として設定されたものであり、この項目の数は任意に設定され得る。
また、撮影項目の表示にあたっては、1つの工事種別に対して複数の撮影項目が設定されることから、これら複数の撮影項目から作業員が任意の撮影項目を選択できるような表示態様での表示が行われる。たとえば、工事種別の表示と同様に、複数の撮影項目をプルダウン方式でメニュー表示したり、あるいは、画面上に複数の撮影項目をスクロール可能な状態で表示し、そこから撮影項目を選択できるようにするなどの態様が用いられる。つまり、この撮影項目の表示は、次の工程である撮影項目の選択を促す選択要求画面として機能するようになっている。
(5)このようにして、表示部105に撮影項目が表示されると、作業員は画面表示に従って、これから撮影する項目を選択する(図3のステップS4参照)。
ここで、撮影項目を作業者が任意に選択できるようにしているのは、撮影しやすい項目から順に撮影できるようにするためである。したがって、たとえば、工事種別として外装リフォーム工事が選択され、図4に示す順番で撮影項目が表示されている場合に、仮設足場や屋根に関連する撮影を後回しにして、外壁の既存状況から撮影を開始したりすることが可能になり、撮影作業を効率的に進めることができる。
(6)撮影項目が選択すると、作業員(撮影者)は撮像部101を用いて撮影項目の撮影を行う(図3のステップS5参照)。
この撮影に関して、本実施形態では、撮影項目の選択が行われると自動的に携帯端末1のカメラ(撮像部101)が起動するようにアプリケーションプログラムが設定されている。そのため、作業員は撮影項目の選択から撮影までを一連の動作として確実に実施することができる。もちろん、撮影項目の選択後に作業員が手動でカメラを起動させるようにアプリケーションプログラムを設定してもよい。
撮影項目の選択と撮影が行われると、制御部107は、撮影された画像と選択した撮影項目とを対応付けて自動的に記憶部102の画像情報記憶部102bに記憶する。すなわち、撮影された画像と撮影項目とが対応付け(紐付け)られた状態で画像情報記憶部102bに記憶される。なお、本実施形態では、この画像の記憶にあたり、画像と物件情報との対応付けも併せて行われる。
(7)画像情報記憶部102bへの画像の記憶が完了すると、次に制御部107は、記憶させた画像に対する補足情報の入力を要求する画面を表示部105に表示する(図3のステップS6、S7参照)。
補足情報は、画像から得られる情報を補うために追加するテキスト情報であって、本実施形態では、補足情報の入力を定型文から選択する方法と、文字等で直接入力する方法の2通りの入力方法を用いている。
定型文から選択する方法は、記憶部102の定型文記憶部102eに撮影項目ごとに複数の定型文をあらかじめ設定・記憶させておき、補足情報の入力要求画面を表示する際に、制御部107が画像に対応する撮影項目から当該撮影項目に対応する定型文を読み出して、表示部105に表示する。このとき、各撮影項目にはそれぞれ複数の定型文が設けられているので、表示部105には複数の定型文を選択可能に表示する。なお、この表示は、上述した撮影項目の表示と同様に、複数の定型文をプルダウン方式でメニュー表示したり、あるいは、画面上に複数の定型文をスクロール可能な状態で表示し、そこから定型文を選択できるようにする態様が用いられる。
ここで、定型文の一例を示すと、画像の撮影項目が「仮設足場・搬入状況」である場合、その補足情報の定型文としては、たとえば、「足場の搬入にあたり、入り口も広くスペースもあるため作業をするにあたり問題はありません。」、「足場の搬入にあたり、入り口が狭くスペースがないため作業をする際に注意が必要です。」、「足場の搬入にあたり、道幅が狭く、トラックの駐車位置に配慮して作業をする必要があります。」、「足場の搬入にあたり、障害物があるため作業をする際に注意が必要です。」といった4通りの定型文を記憶させておくことが例示される。このように、補足情報を定型文中から選択できるようにしておくことで、現場での情報の入力作業を容易かつ迅速に行えるようになる。
そして、画像の補足情報として選択された定型文は、当該画像と対応付けられる。つまり、画像情報記憶部102bに記憶された画像と、定型文記憶部102eに記憶された定型文とが紐づけられる。画像と紐づけられた定型文は、後述する補足情報のテキストデータと同様に補足情報記憶部102dに記憶される。
一方、補足情報を文字等で直接入力する方法は、表示部105の画面上にテキストの入力待ち受け画面を表示し、この表示に従っての作業員に補足情報のテキストを入力させる。作業員によって入力されたテキストデータ(補足情報)は、補足情報の入力を行った画像と対応付けられ、記憶部102の補足情報記憶部102dに記憶される。このように、文字等で補足情報を直接入力できるようにしておくことで、定型文では説明できないような状態でも的確に状況・状態を説明することができるようになる。なお、本実施形態では、補足情報の入力方法として、定型文からの選択と文字等を直接入力する方法の双方を採用たが、これらはいずれか一方だけを採用する構成であってもよい。
(8)このようにして、補足情報の入力が完了すると、1つの画像に対して、画像とその補足情報との対応付けが完了するので、作業員は未撮影の撮影項目の選択に戻って、上述した図3ステップS4からステップS7の工程を行う。作業員は、未撮影の撮影項目がなくなるまで、換言すれば、図3のステップS8が肯定的な判断になるまで、この一連の作業(図3ステップS4からステップS7の工程)を繰り返す。その際、未撮影の撮影項目の有無を制御部107に判断させ、未撮影の撮影項目が残っている場合には、表示部105に撮影項目の選択を要求する画面が表示されるように構成してもよい。
(9)そして、すべての撮影項目の撮影および補足情報の入力が完了すると、次に、出力するデータの編集を行う(図3のステップS9参照)。
この出力データの編集は、サーバ2に送信するデータを編集・作成する工程である。具体的には、これまでの工程で撮影された画像にはすでに物件情報、撮影項目、補足情報が対応付けられているが、この工程で更なる情報(たとえば、撮影者の氏名や撮影日など)を画像に対応付けたり、あるいは、明らかに送信不要な画像を送信ファイルから除外するなどの画像の取捨選択、さらには、送信ファイルのデータ形式の設定・変更などが行われる。
本実施形態では、この出力データの編集において、画像と他の情報(物件情報、撮影項目、補足情報)とが対応付けられていることを利用して、上記アプリケーションプログラムによって、物件情報、撮影項目、画像、補足情報などを所定のレイアウトに配置した帳票形式のデータ(たとえば、PDF形式のデータ)に変換する。これにより、作業者は、自分が作成した工事見積用の情報を、データの送信前に表示部105の画面上で目視確認することができる。
(10)出力データの編集が完了すると、編集した出力データをデータ通信部103からネットワークNを介してサーバ2に送信する(図3のステップS10参照)。これにより、サーバ2には、画像と当該画像に対応付けられた情報とが帳票形式で送信され、サーバ2に記憶される。
B:端末装置3について
リフォーム工事を予定している対象物件の画像および画像に対応付けられた情報がサーバ2に記憶・保存されると、端末装置3側は、サーバ2に保存された対象物件の画像および画像に対応付けられた情報をネットワークNを介して読み出し、読み出した対象物件の画像および画像に対応付けられた情報を端末装置3の表示部に表示する。
そして、読み出した情報を基にして、端末装置3のオペレータが工事見積の電子文書を作成し、作成した工事見積の電子文書を所定のデータ形式で携帯端末1側に送信する。具体的には、工事見積を携帯端末1で読み取り・表示が可能なデータ形式(たとえば、帳票形式のPDFファイル)にして、ネットワークNなどを介して携帯端末1側に送信する。
つまり、端末装置3は、機能上、サーバ2から対象物件の画像および当該画像に対応付けて記憶された情報を取得する情報取得部と、情報取得部で取得した情報を基に作成された工事見積を所定のデータ形式で携帯端末1に送信する見積送信部とを備えた構成とされている。
これにより、携帯端末1は、端末装置3から読み取り・表示が可能な形式の工事見積の電子文書を取得する。作業員は、受信した工事見積の電子文書を依頼者に提示することで、工事見積を依頼者に提示できるようになる。
このように、本発明に係る工事見積作成支援システムによれば、携帯端末1の撮影指示情報記憶部102aに複数の工事種別と工事種別ごとに設定される撮影項目とが記憶されているので、携帯端末1を操作する作業員は、複数の工事種別の中から工事見積を作成する工事種別を選択するだけで、見積作成に必要な撮影項目を漏れなく把握することができる。
そのため、リフォーム工事を熟知しない新人であっても工事見積の作成に必要な画像を漏れなく撮影することができるようになる。これにより、工事見積作成に関わる現任訓練を簡略化することができるとともに、工事見積作成に影響を与える重要な項目の撮影漏れを解消し得る。
また、携帯端末1は、選択された工事種別に対応する撮影項目を表示部105に表示するとともに、この表示に従って撮影された画像に対して当該撮影項目を対応付けて記憶するので、画像と撮影項目をデータ上で確実に紐付けることができる。そのため、画像の管理が容易に行えるようになり、データの利用が容易に行えるようになる。
なお、上述した実施形態はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれらに限定されることなくその範囲内で種々の設計変更が可能である。
たとえば、上述した実施形態では、本発明に係る工事見積作成支援システムをリフォーム工事の見積作成に適用した場合を示したが、本発明はリフォーム工事以外の他の建築・建設工事などにも適用することができる。
また、上述した実施形態では、携帯端末1が1台である場合を図示したが、リフォーム工事を行う予定の現場が複数ある場合、各現場ごとに携帯端末1を携行した作業員を派遣することももちろん可能である。すなわち、本発明に係る工事見積作成支援システムは、複数の携帯端末1でシステムを構成してもよい。この場合、各携帯端末1,1…で取得された情報は端末装置3側に集約され、各携帯端末1,1…に対する工事見積の作成を一元的に管理することができ、見積作成業務の一元化や見積の質の均一化を図ることができるようになる。
また、上述した実施形態では、携帯端末1のデータ通信部103がモバイルデータ通信機能または無線LAN機能によって実現される場合を示したが、データ通信部103を有線LAN機能によって実現してもよい。要は、データ通信部103は、ネットワークNと通信接続可能な通信装置で構成されていればよい。
また、上述した実施形態では、選択した工事種別に対応するすべての撮影項目の撮影が完了すると、データの送信前に、出力データを編集する工程(図3ステップS9)を有する場合を示したが、出力データの編集工程を省略することも可能である。すなわち、すべての撮影項目について補足情報の入力が完了すると、その時点で、撮影した画像には、物件情報、撮影項目、補足情報が対応付けられているので、これらのデータを帳票化せずに未加工でサーバ2に送信するように構成してもよい。
また、上述した実施形態では、1の撮影項目に対して1の画像を撮影するように構成した場合を示したが、1の撮影項目に対して複数の画像を撮影するように構成することも可能である。この場合、1の撮影項目に対して撮影された複数の画像を1つの画像グループとして相互に対応付けて管理し、これら画像グループごとに物件情報や補足情報などの情報を対応付けるように構成してもよい。
1 携帯端末(工事見積作成支援装置)
2 サーバ
3 端末装置
101 撮像部
102 記憶部
102a 撮影指示情報記憶部
102b 画像情報記憶部
102c 物件情報記憶部
102d 補足情報記憶部
102e 定型文記憶部
103 データ通信部
105 表示部
106 入力部
107 制御部
N ネットワーク

Claims (6)

  1. 工事見積作成用の情報を収集する携帯端末であって、
    画像を撮影する撮像部と、複数の工事種別および工事種別ごとに設定される撮影項目を記憶する撮影指示情報記憶部と、前記撮像部で撮影した画像を前記撮影項目と対応付けて記憶する画像情報記憶部と、前記画像情報記憶部に記憶された画像および当該画像に対応付けて記憶された情報をサーバに送信するデータ通信部と、情報を表示する表示部と、情報を入力する入力部と、これらを制御する制御部とを備えてなり、
    前記制御部は、選択された工事種別に対応する撮影項目を前記表示部に表示し、この表示に従って撮影された画像に対して撮影項目を対応付ける制御構成を有する
    ことを特徴とする工事見積作成支援装置。
  2. 前記表示部への撮影項目の表示は、複数の撮影項目から任意の撮影項目を選択可能に表示する態様とされ、前記制御部は、これら複数の撮影項目中から選択された撮影項目を撮影された画像に対応付ける制御構成を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の工事見積作成支援装置。
  3. 前記携帯端末は、対象物件を特定する物件情報を記憶する物件情報記憶部を備え、
    前記制御部は、前記物件情報記憶部に記憶された物件情報を前記撮像部で撮影した画像に対応付ける制御構成を有する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の工事見積作成支援装置。
  4. 前記携帯端末は、撮影した画像に関する補足情報を記憶する補足情報記憶部を備え、
    前記制御部は、前記画像情報記憶部に記憶された画像に対する補足情報の入力要求を前記表示部に表示し、この表示に従って前記入力部から入力された補足情報を当該画像に対応付けるて前記補足情報記憶部に記憶させる制御構成を有する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の工事見積作成支援装置。
  5. 前記携帯端末は、前記撮影項目ごとにあらかじめ設定された複数の定型文を記憶する定型文記憶部を備え、
    前記制御部は、前記補足情報の入力要求時に、前記定型文記憶部に記憶された複数の定型文を前記表示部に表示し、この表示に従って選択された定型文を補足情報として画像に対応付ける制御構成を有する
    ことを特徴とする請求項4に記載の工事見積作成支援装置。
  6. 対象物件の画像を撮影する撮影者が有する携帯端末と、画像を保存するサーバと、対象物件の画像から工事見積を作成する端末装置とから構成されるシステムであって、
    前記携帯端末は、請求項1から5のいずれかに記載の工事見積作成支援装置で構成され、
    前記端末装置は、前記サーバから対象物件の画像および当該画像に対応付けて記憶された情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部で取得した情報を基に作成された工事見積を所定のデータ形式で前記携帯端末に送信する見積送信部とを備えている
    ことを特徴とする工事見積作成支援システム。
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