以下、本発明を具現化した建築分野用システム1について、図面を参照して説明する。まず、図1を参照し、建築分野用システム1の概要について説明する。建築分野用システム1は、例えば、建設、補修、リフォーム、及び道路工事など、建築分野における作業に用いられるシステムである。建築分野用システム1は、ネットワーク2、サーバ30、第一端末40、第二端末50を含む。なお、第一端末40と第二端末50とは同じ端末であってもよいし、異なる端末であってもよい。本実施形態は、第一端末40と第二端末50とが異なる場合を例にして説明する。
第一端末40と第二端末50は、夫々、ネットワーク2を介してサーバ30と通信可能である。第一端末40及び第二端末50は、例えば、建設、補修、リフォーム、及び道路工事など、建築に関する作業が行われる現場で使用される端末である。サーバ30は、第一端末40及び第二端末50とは異なる拠点に配置されている。
本実施形態では、サーバ30は、管理会社3に配置されているとする。なお、サーバ30が管理会社3とは異なるデータセンター等に配置されていてもよい。第一端末40と第二端末50は、建築関係の作業現場4において使用される端末である。第一端末40は、例えば、図5に示す現場代理人91(いわゆる現場監督等)等によって使用される。第二端末50は、例えば、図12に示す職人等の作業者92によって使用される。第一端末40及び第二端末50は、使用者の頭部に装着可能なヘッドマウントディスプレイであるとする(図5及び図12参照)。
詳細は後述するが、現場代理人91によって第一端末40に建築に関する指示の情報である建築指示情報が入力されると(図4のS12:YES、及び図8)、建築指示情報と、建築指示情報が入力された位置の情報がサーバ30に記憶される(図17のS52)。建築指示情報は、例えば、作業現場における補修の指示等である。現場代理人91によって建築指示情報が入力された後、第二端末50を使用する作業者が、作業現場4を訪れ、建築指示情報が入力された位置に近づくと、自動的に第二端末50のディスプレイ504に、建築指示情報が入力された位置と建築指示情報に基づく指示などが表示される(図10のS37及び図13)。作業者は、建築指示情報に基づく指示に応じて、作業を行う。
図1を参照し、サーバ30、第一端末40、及び第二端末50の電気的構成について説明する。サーバ30は、CPU301、ハードディスクドライブ(以下、HDD)302、RAM303、ディスプレイ304、及び入力部305を備えている。HDD302、RAM303、ディスプレイ304、及び入力部305は、CPU301に電気的に接続されている。CPU301は、サーバ30の制御を行う。RAM303は、各種データを一時的に記憶する。HDD302には、後述するサーバ処理(図17及び図18参照)等、CPU301に各種の処理を実行させるための種々のプログラムが記憶されている。また、HDD302には、後述する対応データテーブル95(図2参照)及び作業例データテーブル96(図3参照)が記憶されている。ディスプレイ304は、CPU301の制御によって種々の画像を表示する。入力部305は、サーバ30に各種の指示を入力可能な操作部である。
第一端末40は、CPU401、ROM402、RAM403、ディスプレイ404、GPS(Global Positioning System)部405、カメラ406、及び入力装置407を備えている。ROM402、RAM403、ディスプレイ404、GPS部405、及びカメラ406は、CPU401に電気的に接続されている。CPU401は、第一端末40の制御を行う。RAM403は、各種データを一時的に記憶する。ROM402には、後述する第一端末処理(図4参照)等、CPU401に各種の処理を実行させるための種々のプログラムが記憶されている。ディスプレイ404は、使用者の右眼の前に配置される透過型ディスプレイである(図5参照)。ディスプレイ404は、使用者に装着され、使用者が視認する現実空間に重ねて情報を表示可能である。
CPU401は、GPS部405を制御し、第一端末40の位置を測定可能である。カメラ406は、CPU401の制御によって画像を撮像する。カメラ406は、使用者の頭部の右側に配置されている(図5参照)。カメラ406は、使用者が視認する現実空間の少なくとも一部の画像を撮像可能である。
入力装置407は、例えば、使用者の手に把持されるポインティングデバイスである(図5参照)。CPU401は、空間において使用者が手を動かすことによって移動する入力装置407(より詳細には、図5に示す入力装置407の先端408)の軌跡をカメラ406で撮像し、軌跡に応じた指示を検出する。例えば、カメラ406の撮像範囲において、使用者が空間に文字を記載する動作をしたとする(図8参照)。CPU401は、カメラ406によって撮像された入力装置407の軌跡を検知し、使用者によって空間に記載された文字を検出する。また、使用者は、ディスプレイ404に表示された種々の情報(例えば、項目等)に対応する空間上の位置を、入力装置407で指定することで、項目を選択することもできる。この場合、CPU401は、カメラ406によって撮像された画像から、ディスプレイ404に表示された種々の情報(項目等)に対応する位置に応じた空間上の位置が指定されたことを検知し、項目を選択する。その他、CPU401は、入力装置407が所定の軌跡を描いたことを検知し、所定の軌跡に対応する指示を検知することができる。例えば、所定の軌跡の一つが、画像の拡大を指示する軌跡であるとする(図7に示す軌跡841参照)。使用者の操作によって、入力装置407が画像の拡大を指示する軌跡を描いた場合、CPU401は、画像を拡大する指示が入力されたことを検知できる。なお、入力装置407に図示しないスイッチを設け、使用者が文字等を記載する軌跡を描くときにだけ、スイッチを押下するようにしてもよい。この場合、CPU401は、スイッチが押下される間の軌跡のみを検知するようにしてもよい。
第二端末50は、CPU501、ROM502、RAM503、ディスプレイ504、GPS部505、カメラ506、及び入力装置507を備えている。ROM502、RAM503、ディスプレイ504、GPS部505、及びカメラ506は、CPU501に電気的に接続されている。CPU501は、第二端末50の制御を行う。RAM503は、各種データを一時的に記憶する。ROM502には、後述する第二端末処理(図10及び図11参照)等、CPU501に各種の処理を実行させるための種々のプログラムが記憶されている。CPU501は、GPS部505を制御し、第二端末50の位置を測定可能である。ディスプレイ504、カメラ506、及び入力装置507は、夫々、第一端末40のディスプレイ404、カメラ406、及び入力装置407と同様であるので、詳細な説明は省略する。
図2を参照し、対応データテーブル95について説明する。対応データテーブル95は、サーバ30のHDD302に記憶されている。対応データテーブル95には、第一位置情報、建築指示情報、画像位置情報、作業結果情報、及び工程進捗情報が記憶されている。図2に示す例では、建築指示情報として、「塗り壁のひび割れの補修」、「タイルのひび割れ補修」、「防犯ガラス設置」、「コンクリートのひび割れ補修」、及び「換気扇を設置」等の指示の情報が記憶されている。建築指示情報は、第一端末40を使用する現場代理人91(図5参照)によって入力され、サーバ30において対応データテーブル95に記憶されている。
第一位置情報は、第一端末40の位置の情報である。第一位置情報は、建築指示情報が入力された位置を示している。図2においては、経度をA1〜A5、緯度をB1〜B5で示しているが、実際には、経度と緯度を示す具体的な数値が記憶されている。
画像位置情報は、画像上の位置の情報である。なお、画像位置情報は、第一端末40を使用する現場代理人91によって画像の一部が指定されて建築指示情報が入力された場合にのみ取得され(図4のS18)、サーバ30において対応データテーブル95に記憶される(図17のS52)。図2に示す例では、第一位置情報「経度:A2、緯度:B2」に対応付けられた第一画像位置情報と、第一位置情報「経度:A4、緯度:B4」に対応付けられた第二画像位置情報とが記憶されている。画像位置情報は、画像データ全体における位置情報(座標)でもよいし、特徴物(例えば窓の角など)を基準にする位置情報(座標)でもよい。
作業結果情報は、作業後の結果の情報である。作業結果情報は、後述するS59(図17参照)において、対応データテーブル95に記憶される。工程進捗情報は、工程の進捗に関する情報である。工程進捗情報は、後述するS63(図18参照)において、対応データテーブル95に記憶される。
図3を参照し、作業例データテーブル96について説明する。作業例データテーブル96は、サーバ30のHDD302に記憶されている。作業例データテーブル96には、作業項目と、作業例情報とが記憶されている。作業項目は、種々の建築指示情報に対応する項目である。作業例情報は、作業例に関する情報である。作業例情報は、例えば、作業完了後の画像である。詳細は後述するが、本実施形態では、第二端末50を使用する作業者92(図12参照)は、作業例情報に基づく画像を参照して、作業を行うことができる。
図3に示す例では、作業項目「塗り壁のひび割れ補修」には、複数の作業例情報961〜964が対応付けられ、作業項目「タイルのひび割れ補修」には、複数の作業例情報965〜968が対応付けられている。同様に、作業項目「防犯ガラス設置」、「コンクリートのひび割れ補修」、「換気扇を設置」、及び「外壁のひび割れ補修」には、夫々、作業例情報969,970、作業例情報971〜973、作業例情報974、作業例情報975〜977が対応付けられている。
建築分野用システム1における処理について説明する。以下の説明においては、現場代理人91(図5参照)が、家屋70の外壁83のひび割れ84(図6参照)に対して補修作業を指示し、後日、作業者92が作業を行う場合を例示しながら説明する。外壁83のひび割れ84は、窓82の右上方に位置する部分である(図6参照)。
まず、作業の流れの一例について説明する。図5に示すように、第一端末40は、作業現場4において現場代理人91によって使用される。作業現場4は、家屋70を補修する現場である。図5においては、平面視の家屋70(屋根771の上側から見た家屋70)を図示している。家屋70には、窓82(図5及び図7参照)と、玄関ドア182(図5及び図13参照)が設けられている。現場代理人91は、作業現場4の家屋70の状況をチェックする。現場代理人91は、チェックの結果、補修箇所が見つかった場合、第一端末40に建築指示情報を入力する。本実施形態においては、外壁83のひび割れ84(図6参照)が現場代理人91によって発見され、建築指示情報が入力されるとする。第一端末40は、建築指示情報が入力された場合(図4のS12:YES、図8参照)、GPS部405を制御し、第一位置情報を取得する(図4のS16)。また、画像中の一部が指定されて建築指示情報が入力された場合には、画像位置情報を取得する(図4のS18)。第一端末40は、建築指示情報、第一位置情報、及び画像位置情報をサーバ30に送信する(図4のS19又はS20)。サーバ30に送信された情報は、対応データテーブル95に登録され、HDD302に記憶される(図17のS52)。
現場代理人91が作業現場4の状況をチェックした後(例えば、数日後)、作業者92が作業現場4において作業を行う(図12参照)。第二端末50は、作業者92によって使用される。作業者92が、第一位置情報に基づく位置(すなわち、現場代理人91が建築指示情報を入力した位置)に近づくと、ディスプレイ504に自動的に建築指示情報に基づく指示が表示される(図10のS37、及び図13参照)。作業者92は、表示された指示に基づいて作業箇所を特定し、作業を行う。また、第二端末50のディスプレイ504には、サーバ30から送信される作業例情報に基づく作業例が表示される(図10のS40、図11のS43、及び図15参照)。作業者92は、ディスプレイ504に表示された作業例を参照しながら、作業を行うことができる。その他、建築分野用システム1においては、第二端末50を介して入力される作業結果情報をサーバ30のHDD302に記憶し、作業の進捗の管理に利用することができる。また、第二端末50が撮像した完了画像を新たな作業例情報として、サーバ30のHDD302に記憶することもできる。
図4〜図20を参照し、建築分野用システム1において実行される処理をより詳細に説明する。まず、図4を参照し、第一端末40のCPU401によって実行される第一端末処理について説明する。現場代理人91によって第一端末40が操作され、第一端末処理を開始する指示が入力されると、CPU401は、ROM402から第一端末処理のプログラムを読み出す。CPU401は、読み出したプログラムをRAM403に展開し、第一端末処理を実行する。以下の説明においては、具体例として、図5に示すように、現場代理人91が第一端末40を装着し、作業現場4をチェックする場合を例示しながら説明する。
図4に示すように、第一端末処理においては、まず、カメラ406(図1参照)が制御され、画像の取得が開始される(S11)。図4には図示しないが、S11が行われた後、使用者が視認する現実空間の少なくとも一部の画像が、CPU401に取得される処理が継続される。例えば、図5に示すように、現場代理人91が位置P1に移動した場合、現場代理人91は、透過型のディスプレイ404を介して、図6に示す風景81を視認可能である。風景81は、家屋70の一部であり、窓82が含まれる。窓82の周囲は全て外壁83であるとする。外壁83における、窓82の右上方には、外壁83のひび割れ84が存在する。本実施形態においては、カメラ406が制御されることで、風景81の一部の範囲89の画像が取得されるとする(図6参照)。なお、本実施形態では、取得された画像が、ディスプレイ404に表示されないとするが、表示されてもよい。
次いで、入力装置407が使用され、建築指示情報が入力されたか否かが判断される(S12)。建築指示情報が入力されていない場合(S12:NO)、画像の一部を拡大する指示の情報である拡大指示情報が取得されたか否かが判断される(S13)。拡大指示情報が取得されていない場合(S13:NO)、CPU401は処理をS12に戻す。
例えば、現場代理人91が入力装置407を操作し、拡大指示情報を入力したとする。本実施形態では一例として、現場代理人91が入力装置407を使用し、図7に示す略円形の軌跡841を描く動作が、拡大指示情報を入力する動作であるとする。CPU401は、S11において取得が開始された画像を解析し、入力装置407が略円形の軌跡841を描いたことを検出した場合に、拡大指示情報が取得されたと判断する。なお、図7においては、入力装置407を把持する現場代理人91の手の図示は省略している。
CPU401は、拡大指示情報を取得した場合(S13:YES)、撮像された画像を使用して、拡大指示情報が示す画像上の部位を拡大し、ディスプレイ404に表示する(S14)。具体例の場合、図7に示すように、ディスプレイ404の一部に画像891が表示される。画像891は、S13において軌跡841によって示される拡大指示情報が取得された箇所を含む領域が拡大された画像である。これによって、外壁83のひび割れ84が拡大される。よって、現場代理人91は、拡大した部位を確認し易くなる。CPU401は、S14を実行した後、処理をS12に戻す。
以下の説明では、現場代理人91は、拡大した部位を指定し、建築指示情報を入力するとする。具体例においては、図8に示すように、拡大された画像891に表示された外壁83のひび割れ84から、入力装置407を使用して引出線842が描かれ、建築指示情報を示すテキストの軌跡843「外壁のひび割れ補修」が描かれたとする。CPU401は、カメラ406を介して取得される入力装置407が描く引出線842及び軌跡843を解析し、外壁83のひび割れ84の位置に、建築指示情報「外壁のひび割れ補修」が入力されたと判断する。なお、点線で示す引出線845のように、カメラ406によって撮像される画像の範囲89における、外壁83のひび割れ84の位置が入力装置407によって指定されてもよい。
建築指示情報が入力された場合(S12:YES)、CPU401は、入力された建築指示情報を取得する(S15)。CPU401は、取得した建築指示情報をRAM403に記憶する。具体例においては、建築指示情報「外壁のひび割れ補修」が取得され、RAM403に記憶される。以下では特に記載しないが、CPU401によって取得された種々の情報は、適宜RAM403に記憶される。
次いで、GPS部405が制御され、第一位置情報が取得される(S16)。これによって、外壁83のひび割れ84の前に立つ現場代理人91に装着された第一端末40の位置情報が取得されたこととなる。具体例の場合、第一位置情報として、「経度:A6、緯度:B6」が取得されたとする。第一位置情報「経度:A6、緯度:B6」は、図5に示す位置P1の情報である。次いで、S12において建築指示情報が入力された際に、画像中の一部のみが指定され、建築指示情報が入力されたか否かが判断される(S17)。具体例の場合、図8に示す引出線842又は引出線845によって範囲89を示す画像における外壁83のひび割れ84の位置が指定されているので、CPU401は、画像中の一部のみが指定され、建築指示情報が入力されたと判断する(S17:YES)。
次いで、画像位置情報が取得される(S18)。画像位置情報は、入力装置407によって建築指示情報が入力された位置であって、取得された画像上の位置情報である。具体例の場合、画像位置情報として、範囲89の画像と、引出線842又は引出線845において示される外壁83のひび割れ84の位置(例えば、画像中の座標)が取得される。具体例において取得される画像位置情報を第三画像位置情報という。
次いで、S15において取得された建築指示情報と、S16において取得された第一位置情報と、S18において取得された画像位置情報とが、サーバ30に送信される(S19、図1の矢印751参照)。S19において送信された建築指示情報、第一位置情報、及び画像位置情報は、後述するサーバ30のS51(図17参照)において受信され、S52において対応データテーブル95に記憶される。具体例においては、図9に示すように、第一位置情報「経度:A6、緯度:B6」、建築指示情報「外壁のひび割れ補修」、及び画像位置情報「第三画像位置情報」が対応データテーブル95に記憶される。次いで、CPU401は処理をS12に戻す。
S17において、建築指示情報が入力された際に、画像の一部が指定されていない場合(S17:NO)、S15において取得された建築指示情報と、S16において取得された第一位置情報とが、サーバ30に送信される(S20、図1の矢印751参照)。S20において送信された建築指示情報及び第一位置情報は、後述するサーバ30のS51(図17参照)において受信され、S52において対応データテーブル95に記憶される。次いで、CPU401は処理をS12に戻す。以上のように、第一端末処理が実行される。
現場代理人91によって第一端末40が使用され、建築指示情報等がサーバ30に送信され(図4のS19及びS20)、サーバ30において対応データテーブル95に記憶された後(図17のS52)、職人等の作業者92(図12参照)が作業現場4において作業を行う。作業者92は、第二端末50を使用する。
図10及び図11を参照し、第二端末50のCPU501によって実行される第二端末処理について説明する。作業者92によって第二端末50が操作され、第二端末処理を開始する指示が入力されると、CPU501は、ROM502から第二端末処理のプログラムを読み出す。CPU501は、読み出したプログラムをRAM503に展開し、第二端末処理を実行する。
第二端末処理においては、まず、カメラ506が制御され、画像の取得が開始される(S31)。S11(図4参照)の場合と同様に、S31が行われた後、使用者が視認する現実空間の少なくとも一部の画像が、CPU501に取得される。本実施形態では、図13に示す範囲189の画像が取得される。なお、本実施形態では、取得された画像はディスプレイ504に表示されないとするが、表示されてもよい。
次いで、GPS部505が制御され、第二端末50の位置の情報である第二位置情報が取得される(S32)。次いで、S32において取得された第二位置情報がサーバ30に送信される(S33、図1の矢印752参照)。以下、後述するS34、図11に示すS42、S44、及びS46のいずれかにおいて、「YES」と判断されるまで、S32〜S34、S42:NO、S44:NO、及びS46:NOの処理が繰り返される。すなわち、第二位置情報が取得され(S32)、第二位置情報がサーバ30に送信される(図33、図1の矢印752参照)。
S33が実行された後、サーバ30のS57(図17参照)において送信される第一位置情報、建築指示情報、画像位置情報、及び作業例情報が受信されたか否かが判断される(S52)。図12に示すように、具体例の場合、作業指示情報が入力されたときの第一端末40の位置は位置P1である(図5参照)。図12においては、位置P1から所定範囲内の範囲を、円155で示す。
例えば、作業者92が、図12に示す位置P2に位置する場合、位置P1に対して所定範囲を示す円155より離れている。この場合、サーバ30において対応データテーブル95の第一位置情報「経度:A6,緯度:B6」に基づく位置P1から所定範囲内にないと判断され(図17のS54:NO)、サーバ30のS57(図17参照)が実行されず、第一位置情報、建築指示情報、画像位置情報、及び作業例情報が第二端末50に送信されない。したがって、第二端末50においては、第一位置情報、建築指示情報、画像位置情報、及び作業例情報が受信されていないと判断される(S34:NO)。
例えば、図12に示すように、作業者92が、位置P2より位置P1に近づき、円155より内側の位置P3に移動したとする。この場合、サーバ30において対応データテーブル95の第一位置情報「経度:A6,緯度:B6」に基づく位置P1から所定範囲内であると判断され(図17のS54:YES)、第一位置情報、建築指示情報、画像位置情報、及び作業例情報が第二端末50に送信される(図17のS57、図1の矢印753参照)。なお、対応データテーブル95の第一位置情報に画像位置情報及び作業例情報が対応付けられていない場合、画像位置情報及び作業例情報はサーバ30から送信されない。また、具体例の場合、第一位置情報「経度:A6、緯度:B6」、建築指示情報「外壁のひび割れ補修」、画像位置情報「第三画像位置情報」、及び作業例情報975〜977(図3参照)がサーバ30から第二端末50に送信される(図17のS57、図1の矢印753参照)。
図10に示すように、第一位置情報、建築指示情報、画像位置情報、及び作業例情報が受信された場合(S34:YES)、S34において受信された情報に、画像位置情報が含まれるか否かが判断される(S35)。画像位置情報が含まれていない場合(S35:NO)、後述するS37の処理が実行される。画像位置情報が含まれる場合(S35:YES)、カメラ506を介して取得された画像が参照され、画像位置情報に基づく位置が特定される(S36)。
例えば、位置P3(図12参照)にいる作業者92は、図13に示すように、ディスプレイ504を介して風景181を視認しているとする。位置P1に比べて、位置P3は、家屋70から離れているので、風景181における視認可能な家屋70の範囲は、図6に示す風景81よりも広くなっている。このため、風景181には、図6に示す窓82だけでなく、玄関ドア182も含まれている。
CPU501は、カメラ506を制御し、風景181の一部の範囲189の画像を取得する。S36においては、範囲189の画像と、画像位置情報に含まれる範囲89(図8参照)の画像とが比較され、外壁83のひび割れ84の位置が特定される。外壁83のひび割れ84の特定方法は、一例として、画像マッチング法が用いられる。
次いで、ディスプレイ504が制御され、S34において受信された第一位置情報に基づく位置に、建築指示情報に基づく指示が表示される(S37)。具体例のように、S36において画像位置情報に基づく位置が特定されている場合、第一位置情報に基づく位置において、S36で特定された位置に、建築指示情報に基づく指示が表示される(S37)。具体例の場合、図13に示すように、建築指示情報「外壁のひび割れ補修」のテキスト871が、外壁83のひび割れ84の位置を示して表示される。すなわち、作業者92が位置P1から所定範囲内(図12の円155の範囲内)の位置P2に移動するだけで、自動的に、外壁83のひび割れ84の位置を示す建築指示情報が表示される。このため、作業者92は建築指示情報によって指示された箇所をより確実に特定できる。作業者92は、表示された建築指示情報を示すテキスト871を確認し、補修作業のために、外壁83のひび割れ84の位置に移動する。図12の位置P1に移動した場合、図6に示す風景81と同様の風景が視認される(図14参照)。
次いで、S34において受信された情報の中に、作業例情報があるか否かが判断される(S38)。作業例情報がない場合(S38:NO)、CPU501は処理をS32に戻す。作業例情報がある場合(S38:YES)、S34において受信された作業例情報が複数あるか否かが判断される(S39)。作業例情報が1つである場合(S39:NO)、1つの作業例情報に基づく作業例が、ディスプレイ504に表示される(S40)。S40においては、例えば、後述する図15に示す作業例を示す画像702の場合と同様に、作業例が表示される。また、作業例情報に作業の説明の情報が含まれる場合、説明のテキストが表示されてもよい。
作業例情報が複数ある場合(S40:YES)、複数の作業例情報に基づく作業例の一覧が、ディスプレイ504に表示される(S41)。具体例においては、図14に示すように作業例の一覧100が表示される。一覧100には、画像701〜703が含まれる。画像701〜703は、夫々、作業例情報975〜977(図3参照)に基づく画像である。画像701〜703は、夫々、過去に行われた外壁のひび割れ補修の作業例である。次いで、CPU501は処理をS32に戻す。次に、S34が実行されるときには、第一位置情報、建築指示情報、画像位置情報、及び作業例情報が受信されていないと判断され(S34:NO)。図11に示すように、S41において表示された作業例の一覧の中から、1つの作業例が選択されたか否かが判断される(S42)。なお、作業者92によって入力装置507が操作されることによって、1つの作業例が選択される。図14に示す例においては、入力装置507によって作業例を示す画像702が選択されている。なお、図14においては、作業者92の手の図示は省略している。
1つの作業例が選択された場合(S42:YES)、選択された1つの作業例が、ディスプレイ504に表示される(S43)。例えば、図14に示すように、作業例を示す画像702が選択された場合、図15に示すように、画像702のみが拡大して表示される。作業者92は、S40又はS43において表示された作業例を参照しながら、S37において表示された建築指示情報に基づく指示に関する作業を行うことができる。CPU501は処理をS31に戻す。
1つの作業例が選択されていない場合(S42:NO)、作業後の作業結果の情報である作業結果情報が入力されたか否かが判断される(S44)。作業結果情報は、作業者92によって入力装置507が操作されることによって入力される。作業結果情報は、例えば、「第一工程完了しました」等のコメントである。なお作業結果情報は、後述する完了画像と同様に、作業の完了時の画像であってもよい。
作業結果情報が入力された場合(S44:YES)、作業結果情報がサーバ30に送信される(S45、図1の矢印752参照)。送信された作業結果情報は、サーバ30のS58(図17参照)において受信され、S59においてHDD302に記憶される。例えば、作業結果情報「第一工程完了しました」が入力された場合(S44:YES)、サーバ30に送信される(S45、図1の矢印752参照)。そして、図16に示すように、対応データテーブル95の第一位置情報「経度:A6:A6,緯度:B6」に対応付けて、作業結果情報「第一工程完了しました」が記憶される。CPU501は処理をS32に戻す。なお、第一工程が完了した後日に、続きの作業が行われてもよい。この場合、作業者92が他の作業者に変わってもよい。
作業結果情報が入力されていない場合(S44:NO)、作業の完了時の画像である完了画像を取得する指示が入力されたか否かが判断される(S46)。完了画像を取得する指示が入力されていない場合(S46:NO)、CPU501は処理をS32に戻す。
完了画像を取得する指示は、作業者92によって入力装置507が操作されることによって第二端末50に入力される。完了画像を取得する指示が入力された場合(S46:YES)、カメラ506が制御され、完了画像が取得される(S47)。具体例の場合、外壁83のひび割れ84が補修された新たな完了画像が取得される。次いで、S47において取得された完了画像が、サーバ30に送信される(S48、図1の矢印752参照)。送信された完了画像は、サーバ30のS64(図18参照)において受信され、S65(図18参照)において、新たな作業例情報としてHDD302に記憶される。なお、完了画像だけでなく、入力装置507を介して入力されるコメントが含まれていてもよい。次いで、CPU501は処理をS32に戻す。以上のように、第二端末処理が実行される。
図17及び図18を参照し、サーバ30によるサーバ処理について説明する。サーバ処理を実行する指示がサーバ30に入力されると、CPU301は、HDD302からサーバ処理のプログラムを読み出す。CPU301は、読み出したプログラムをRAM303に展開し、サーバ処理を実行する。
サーバ処理では、まず、第一端末40のS19又はS20(図4参照)によって送信される第一位置情報、画像位置情報、及び建築指示情報(図1の矢印751参照)が受信されたか否かが判断される(S51)。第一位置情報、画像位置情報、及び建築指示情報が受信された場合(S51:YES)、CPU301は、受信された各種情報を対応付けてHDD302に記憶する。
より詳細には、第一端末40のS20(図4参照)によって送信された第一位置情報及び建築指示情報が受信された場合(S51:YES)、第一位置情報と建築指示情報とが対応付けられて、対応データテーブル95に記憶される(S52)。第一端末40のS19によって送信された第一位置情報、画像位置情報、及び建築指示情報が受信された場合(S51:YES)、第一位置情報、画像位置情報、及び建築指示情報が対応付けられ、対応データテーブル95に記憶される(S52)。具体例の場合、図2に示す対応データテーブル95が更新され、図9に示すように、第一位置情報「経度:A6、緯度:B6」、建築指示情報「外壁のひび割れ補修」、及び画像位置情報「第三画像位置情報」が対応付けられ、対応データテーブル95に記憶される。次いで、CPU301は、処理をS51に戻す。
第一位置情報、画像位置情報、及び建築指示情報が受信されていない場合(S51:NO)、第二端末50のS33(図10参照)によって送信される第二位置情報(図1の矢印752参照)が受信されたか否かが判断される(S53)。第二位置情報が受信された場合(S53:YES)、S53において受信された第二位置情報に基づく位置と、HDD302に記憶された第一位置情報に基づく位置とが所定範囲内にあるか否かが判断される(S54)。例えば、第二端末50の位置が図12に示す位置P2である場合、第一位置情報「経度:A6、緯度:B6」に基づく位置P1から所定範囲(円155で示す範囲)より外側に位置するので、第二位置情報に基づく位置と、第一位置情報に基づく位置とが所定範囲内にないと判断される(S54:NO)。CPU301は、処理をS51に戻す。すなわち、第二端末50の位置が、第一端末40によって建築指示情報が入力された位置P1から、所定範囲より離れている場合には、後述するS57において送信される各情報が第二端末50には送信されない。
図12に示すように、第二端末50が位置P3に移動したとする。この場合、第二位置情報に基づく位置と、HDD302に記憶された第一位置情報に基づく位置とが所定範囲内であると判断され(S54:YES)、所定範囲内にあると判断された第一位置情報に対応付けられた建築指示情報が特定される(S55)。すなわち、対応データテーブル95(図9)が参照され、第一位置情報「経度:A6、緯度:B6」に対応付けられた建築指示情報「外壁のひび割れ補修」が特定される。
次いで、作業例データテーブル96(図3参照)が参照され、S55において特定された建築指示情報に対応する作業例情報が特定される(S56)。具体例の場合、作業例データテーブル96(図3参照)における建築指示情報が示す作業項目「外壁のひび割れ補修」に対応する作業例情報975〜977が特定される。
次いで、第一位置情報、建築指示情報、画像位置情報、及び作業例情報が第二端末50に送信される(S57、図1の矢印753参照)。送信される第一位置情報は、S54において第二位置情報に基づく位置と所定範囲内にあると判断された第一位置情報である。送信される建築指示情報は、S55において特定された建築指示情報である。送信される画像位置情報は、第一位置情報に対応付けられた画像位置情報である。なお、第一位置情報に対応付けられた画像位置情報がない場合には、画像位置情報は送信されない。送信される作業例情報は、S56において特定された作業例情報である。次いで、CPU301は処理をS51に戻す。
S53において、第二位置情報が受信されていない場合(S53:NO)、作業結果情報が受信されたか否かが判断される(S58)。なお、作業結果情報は、第二端末50のS45(図11参照)において、サーバ30に送信される(図1の矢印752参照)。作業結果情報が受信された場合(S58:YES)、作業結果情報が第一位置情報に対応付けられ、HDD302に記憶される(S59)。例えば、作業結果情報「第一工程完了しました」が受信されると(S58:YES)、図2に示す対応データテーブル95が、図16に示すように更新され、作業結果情報「第一工程完了しました」が登録された状態となる。これによって、作業後の結果がHDD302に記憶される。次いで、CPU301は処理をS51に戻す。
S58において、作業結果情報が受信されていない場合(S58:NO)、図18に示すように、作業結果の提示の指示が入力されたか否かが判断される(S60)。本実施形態では、一例として、管理会社3の職員又は、管理会社3に移動した現場代理人91が、入力部305を介して、作業結果の提示の指示をサーバ30に入力するとする。具体例の場合、第一位置情報「緯度:A6、緯度:B6」に対応する作業結果の提示の指示が入力されるとする。なお、管理会社3の職員又は現場代理人91は、サーバ30以外の装置を使用してサーバ30にアクセスし、作業結果の提示の指示をサーバ30に入力してもよい。
作業結果の提示の指示が入力された場合(S60:YES)、S59において対応データテーブル95に記憶された作業結果情報に基づく作業の結果が、使用者である管理会社3の職員又は現場代理人91に提示される(S61)。例えば、作業結果の提示の指示によって選択された第一位置情報「緯度:A6、緯度:B6」に対応する作業結果情報に基づく作業の結果「第一工程完了しました」のコメントが表示される。なお、作業結果情報に作業の結果の画像が含まれていれば、その画像が表示されてもよい。次いで、CPU301は処理をS51に戻す。
作業結果の提示の指示が入力されていない場合(S60:NO)、S61において提示された作業の結果に応じて入力される、工程の進捗に関する情報である工程進捗情報が入力されたか否かが判断される(S62)。例えば、管理会社3の職員又は現場代理人91は、S61において提示された作業の結果を確認し、作業の結果に応じて、工程進捗情報を入力する。具体例においては、工程進捗情報として、「第一工程完了」が入力されたとする。
工程進捗情報が入力された場合(S62:YES)、入力された工程進捗情報が、対応データテーブル95に登録され、HDD302に記憶される(S63)。具体例においては、図19に示すように、対応データテーブル95に工程進捗情報「第一工程完了」が記憶される。次いで、CPU301は処理をS51に戻す。
工程進捗情報が入力されていない場合(S62:NO)、作業の完了時の画像である完了画像が受信されたか否かが判断される(S64)。完了画像は、第二端末50のS48(図11参照)によってサーバ30に送信される(図1の矢印752参照)。
完了画像が受信された場合(S64:YES)、受信された完了画像を含む情報が作業例情報として作業例データテーブル96に記憶される(S65)。具体例の場合、第二端末50のS48(図11参照)によって送信された完了画像を含む情報が、図20に示す作業例データテーブル96のように、新たな作業例情報978として、作業指示情報に対応する作業項目「外壁のひび割れ補修」に対応付けられて記憶される。次いで、CPU301は処理をS51に戻す。
以上のように本実施形態における処理が実行される。本実施形態では、第一端末40を使用する現場代理人91等によって建築指示情報が入力されると(図4のS12:YES及びS15)、建築指示情報がサーバ30に送信され(S19又はS20、図1の矢印751参照)、サーバ30のHDD302に建築指示情報と、第一位置情報とが記憶される(図17のS52)。そして、第二端末50を使用する作業者92が、第一位置情報に基づく位置から所定範囲内に近づくと、サーバ30から第二端末50に第一位置情報と建築指示情報が送信され(図17のS57、図1の矢印753参照)、建築指示情報に基づく指示がディスプレイ504に表示される(図10のS37及び図13参照)。このように、第二端末50を使用する作業者92が、建築指示情報が入力された位置P1に近づくだけで(図12参照)、建築指示情報に基づく指示が表示される(図13参照)。よって、建築物等の図面に指示が記載される場合に比べて、作業者92は、指示が入力された位置を特定しやすい。故に、補修する箇所などを誤って特定する可能性が低くなり、より確実に、現場代理人91が意図した箇所に対して作業が行われる。よって、再度の作業が必要になる可能性が低くなり、作業効率が向上する。
また、図11のS44において入力された作業結果情報がサーバに送信され(図12のS45、図1の矢印752参照)、第一位置情報に対応付けられてHDD302に記憶される(図17のS59)。このため、サーバ30側で作業結果の管理が可能である。このため、現場代理人91等は、入力部305又はサーバ30とは異なる装置を使用してサーバ30にアクセスすることで、作業の結果を確認することができる。
また、HDD302に記憶された作業結果情報に基づく作業の結果が、使用者に提示される(図18のS61)。そして、提示された作業の結果に応じて入力される、工程の進捗に関する情報である工程進捗情報が、HDD302に記憶される(図18のS63)。このように、管理会社3の職員又は現場代理人91等は、S61において提示された作業結果に応じて、工程進捗情報を入力し、作業の工程を管理することができる。よって、工程を別途管理する必要がなく、管理会社3の職員又は現場代理人91等の作業効率が向上する。
また、作業例情報を記憶するHDD302から、建築指示情報に対応する作業例情報が特定され(図17のS56)、第二端末50に送信される(図17のS57、図1の矢印753参照)。そして、第二端末50において、作業例情報に基づく作業例がディスプレイ504に表示される(図10のS40、図11のS43、及び図15参照)。よって、第二端末50を使用する作業者92は、ディスプレイ504に表示された作業例を参考にしながら、作業を行うことができる。よって、作業例が表示されない場合に比べ、作業品質及び作業効率が向上する。また、作業者92は、たとえ経験が浅くても、作業例を確認しながら作業を行うことができるので、作業品質及び作業効率を確保した上で作業を行うことができる。
また、作業が完了した後には、作業の完了時の画像である完了画像が取得され(図11のS47)、サーバ30に送信される(図11のS48、図1の矢印752参照)。完了画像を含む情報が、作業例情報としてHDD302にさらに記憶される(図18のS65)。このように、新たに作業された結果が、新たな作業例情報としてサーバ30のHDD302に追加される。このため、作業者92が次回の作業を行う場合に参照できる作業例が多くなり、作業者92の作業効率が向上する。
また、例えば、図8に示すように、外壁83における窓82の右上方の位置のひび割れ84の補修作業等を指示する場合、第一端末40の位置を示す第一位置情報だけでは、作業者92が補修作業を指示する位置を特定し難い可能性がある。本実施形態では、第一端末40において建築指示情報が入力された画像上の位置を示す画像位置情報が取得され(図4のS18)、サーバ30に送信される(図5のS19、図1の矢印751参照)。そして、画像位置情報がサーバ30のHDD302に記憶される(図17のS52)。第二端末50を使用する作業者92が、第一位置情報に基づく位置に近づくと、建築指示情報、第一位置情報、及び画像位置情報が第二端末50に送信される(図17のS57、図12、及び図1の矢印753参照)。第二端末50では、画像位置情報に基づく位置が特定され(図10のS37)、建築指示情報に基づく指示がディスプレイ504に表示される(図10のS37、及び図13参照)。具体例のように、第一端末40を使用する現場代理人91によって、外壁83の一部の補修作業が指示された場合に、第二端末50において、外壁83の一部に、建築指示情報に基づく指示が表示される(図13参照)。よって、作業者92は、より確実に、補修する位置を特定することができる。故に、作業者92の作業効率が向上する。
また、建築分野においては、例えば、屋根の軒下など、地面から離れた箇所に対して補修等の指示を行う場合がある。この場合、補修の必要性を判断する箇所が離れているので、現場代理人91は、対象箇所を視認し難い。本実施形態においては、拡大指示情報が取得された場合(図4のS13:YES)、ディスプレイ404において、対象部位が拡大表示される(S14)。よって、第一端末40を使用する現場代理人91は、拡大表示された部位を確認して、指示を入力するか否かを判断し、建築指示情報を第一端末40に入力することが可能となる。よって、第一端末40を使用する現場代理人等の作業効率が向上する。また、図12に示す具体例のように、外壁83の小さなひび割れ84を拡大して確認できるため、現場代理人91がより容易に指示を入力するか否かを判断できる。よって、第一端末40を使用する現場代理人等の作業効率が向上する。
上記実施形態において、入力装置407は本発明の「指示入力手段」の一例である。図4のS16の処理を行うCPU401は、本発明の「第一位置情報取得手段」の一例である。S19及びS20の処理を行うCPU401は、本発明の「第一送信手段」の一例である。HDD302は、本発明の「第一記憶部」及び「第二記憶部」の一例である。図17のS52の処理を行うCPU301は、本発明の「記憶制御手段」の一例である。S53の処理を行うCPU301は、本発明の「第二位置情報受信手段」の一例である。S54及びS57の処理を行うCPU301は、本発明の「第二送信手段」の一例である。図17のS32の処理を行うCPU501は、本発明の「第二位置情報取得手段」の一例である。S33の処理を行うCPU501は、本発明の「第三送信手段」の一例である。S37の処理を行うCPU501は、本発明の「指示表示手段」の一例である。ディスプレイ404は本発明の「第一端末表示部」の一例である。ディスプレイ504は本発明の「第二端末表示部」の一例である。
入力装置507は本発明の「作業結果入力手段」の一例である。図11のS45の処理を行うCPU501は、本発明の「作業結果送信手段」の一例である。図17のS59の処理を行うCPU301は、本発明の「作業結果記憶手段」の一例である。図18のS61の処理を行うCPU301は、本発明の「提示手段」の一例である。S63の処理を行うCPU301は、本発明の「工程記憶制御手段」の一例である。
図17のS56の処理を行うCPU301は、本発明の「作業例特定手段」の一例である。S57において作業例情報を送信する処理を行うCPU301は、本発明の「作業例送信手段」の一例である。図10のS40及び図11のS43の処理を行うCPU501は、本発明の「作業例表示手段」の一例である。S47の処理を行うCPU501は、本発明の「完了画像取得手段」の一例である。S48の処理を行うCPU501は、本発明の「完了画像送信手段」の一例である。図18のS65の処理を行うCPU301は、本発明の「作業例追加手段」の一例である。
カメラ406は本発明の「第一撮像部」の一例である。カメラ506は本発明の「第二撮像部」の一例である。図4のS11及びS11以降に画像を取得する処理を行うCPU401は、本発明の「第一画像取得手段」の一例である。S18の処理を行うCPU401は、本発明の「画像位置情報取得手段」の一例である。図10のS36の処理を行うCPU501は、本発明の「画像位置特定手段」の一例である。図4のS13の処理を行うCPU401は、本発明の「拡大指示取得手段」の一例である。S14の処理を行うCPU401は、本発明の「拡大表示手段」の一例である。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、拡大指示情報が示す画像上の部位が拡大されて表示されていたが(図4のS13及びS14、図7参照)、拡大されなくてもよい。また、ディスプレイ404が設けられなくてもよい。また、画像位置情報が取得され(S18)、サーバ30に送信されていたが(S19)。画像位置情報が取得及び送信されなくてもよい。この場合、図17のS52においてHDD302に画像位置情報が記憶されなくてもよいし、S57において画像位置情報が送信されなくてもよい。また、S36において画像位置情報に基づく位置が特定されなくてもよい。また、第二端末50のカメラ506が設けられなくてもよい。また、第一端末40のディスプレイ404が設けられなくてもよい。また、入力装置407,507の態様は限定されず、例えば、キーボード等の入力デバイスであってもよい。また、第一端末40及び第二端末50が頭部に装着可能なヘッドマウントディスプレイでなくてもよい。例えば、第一端末40及び第二端末50は、ユーザに把持されるタブレット端末であってもよい。
また、完了画像が取得されてサーバ30に送信され(図18のS47及びS48)、サーバ30において新たな作業例情報としてHDD302に記憶されていた。しかし、完了画像が取得されなくてもよく、また、作業例情報として記憶されなくてもよい。また、作業例情報がサーバ30から第二端末50に送信され(図17のS56及びS57)、第二端末50において作業例が表示されていた(図10のS42及びS43)。しかし、作業例情報が表示されなくてもよい。また、作業例情報がHDD302に記憶されていなくてもよい。
また、作業結果情報に基づく作業の結果が提示され(図18のS61)、工程進捗情報が入力されていたが(S63)、作業の結果が提示されなくてもよいし、工程進捗情報が入力されなくてもよい。また、第二端末50において入力された作業結果情報がサーバ30送信され(図11のS45)、サーバ30においてHDD302に記憶されていたが(図17のS59)、これに限定されない。例えば、作業結果情報が第二端末50から送信されなくてもよいし、サーバ30においてHDD302に記憶されなくてもよい。
また、現場代理人91が第一端末40を使用し、建築指示情報を入力していたが、これに限定されない。例えば、現場代理人91とは異なる人物が第一端末40を使用し、現場代理人91は、管理会社3にいてもよい。この場合、カメラ406によって撮像された画像を第一端末40からサーバ30に送信し、現場代理人91が管理会社3において確認できるようにしてもよい。そして、現場代理人91が管理会社3から、第一端末40を使用する人物に、建築指示情報を入力するように指示してもよい。この場合、経験豊富な現場代理人91が作業現場4に赴くことなく、建築指示情報を入力させることができる。よって、作業現場4にいる人物の経験が浅くても、経験豊富な現場代理人91の指示が反映された建築指示情報をサーバ30に記憶させることができる。