JP2020171329A - 微細泡飲料およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]ゾル比重が0.85以下であり、かつ、分離速度が0.7mm/秒以下である、微細泡飲料(ここで、「ゾル比重」は一定容量の非微細泡飲料の質量に対する一定容量の微細泡飲料の質量の比率をいい、「分離速度」は微細泡飲料を評価用容器に注いだときの、容器満注時から100秒後の容器底から微細な泡の最も低い位置までの垂直距離(mm)から容器満注時の容器底から微細な泡の最も低い位置までの垂直距離(mm)を引いた値を100秒(s)で除した値をいう)。
[2]液粘度が2.5mPa・s以下である、上記[1]に記載の微細泡飲料。
[3]飲料が清涼飲料である、上記[1]または[2]に記載の微細泡飲料。
[4]飲料液を3000〜50000rpm、1秒〜60分の条件で混合する工程を含んでなる、微細泡飲料の製造方法。
[5]製造された飲料のゾル比重(ここで、ゾル比重は上記[1]で定義された内容と同義である)が0.85以下である、上記[4]に記載の製造方法。
[6]製造された飲料の分離速度(ここで、分離速度は上記[1]で定義された内容と同義である)が0.7mm/秒以下である、上記[4]または[5]に記載の製造方法。
[7]製造された飲料の液粘度が2.5mPa・s以下である、上記[4]〜[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8]窒素を含有する気体の存在下で混合を行う、上記[4]〜[7]のいずれかに記載の製造方法。
[9]飲料が清涼飲料である、上記[4]〜[8]のいずれかに記載の製造方法。
[10]上記[4]〜[9]のいずれかに記載の製造方法により製造された、微細泡飲料。
(A)口腔内に十分な気泡が含有された飲料を含むことで、さらさらとした溶液が気泡を含んで軽くエアリーな食感が得られる。含んだ気泡は弾性がなく柔らかい。
(B)口腔内に含んだ気泡は、飲用中に発泡し弾けることなく口腔内で静かに消失し、溶液としての流動性を十分に感じることができる。
(C)嚥下後に口腔内での後残りがなく、優しく、刺激が少ないためごくごくと飲用できる。
(1)飲料の調製
コーヒー飲料をベースとする微細泡飲料を調製した。具体的には、コーヒー豆(キリマンジャロ)をコーヒーミルで中挽きに粉砕し、ペーパーフィルターに粉砕したコーヒー豆100gを入れ、95℃の熱水で抽出した。ろ液1000gを採取したところで抽出を止め、1000gのコーヒー抽出液を得た。得られたコーヒー抽出液を20℃まで冷却して、該抽出液のpHが6.5になるように調製しながら炭酸水素ナトリウムを加え、イオン交換水を用いて全量を2000gとした(コーヒー調合液)。コーヒー調合液を90℃に加温し、飲料用スチール缶に190gを充填後、121℃、5分間でレトルト殺菌処理してブラックコーヒー飲料ベース(以下、「コーヒー飲料ベース1」ということがある)を調製した。
各試験区の飲料は以下の手順でゾル比重、分離速度、液粘度を測定した。
微細泡飲料を製造完了後、直ちにプラスチック製カップ(容量150mL、旭化成社製、プロマックスEI−150D)に満量となるまで注ぎ、満注容量の質量を測定した。次に、微細泡飲料を遠心エバポレーター(Genevac社製)を用いて脱泡処理に付し、脱泡後の飲料(非微細泡飲料)の満注容量の質量を微細泡飲料と同様に測定した。
微細泡飲料を製造完了後、直ちに分離速度評価用ガラス(容量300mL、φ52mm、高さ140mm)に満量となるまで注ぎ、容器満注時と容器満注時から100秒後に容器内で最も低い位置に存在する微細泡の位置を、底部からの距離(mm)として測定した。微細泡の有無は、色評価用蛍光ランプを用いて2000±500luxとなる環境下に分離速度評価用ガラスを設置し、目視によって判定した。容器満注時から数秒後の試験区1の飲料と容器満注時から100秒経過後の試験区1の飲料はそれぞれ図1Bおよび図1Cに示される通りである。なお、試験区1および2の飲料は、容器満注時に飲料ベースのすべてが微細な泡が形成された飲料となっていることを目視で確認した(下記数式(II)においてY=0(mm))。
Y=容器満注時の容器底から微細な泡の最も低い位置までの垂直距離(mm)
微細泡飲料は遠心エバポレーター(Genevac社製)を用いて脱泡処理に供し、脱泡後の溶液について液粘度を測定した。液粘度の測定は落球式マイクロ粘度計(アントンパール社製)により実施した。測定時の溶液温度は20℃とし、対象の液粘度に応じてキャピラリーおよびボールを、該粘度計指定の方法に従って選択して測定を行った。
各試験区の飲料は、さらに官能評価に供した。官能評価は訓練されたパネリスト6名により実施した。具体的には、各試験区の飲料について、以下の4項目を評価し、最も得票数が多かった評価点を採用した。ただし、得票数が同数の場合は、より低い評価点を採用した。
A:口腔内に含んだ溶液がさらさらとして、気泡を含んで軽くエアリーな食感が得られ、且つ、含んだ気泡は弾性がなく柔らかい。
B:口腔内に含んだ溶液が気泡を含んで少しエアリーな食感が得られ、且つ、含んだ気泡が柔らかい。
C:口腔内に含んだ溶液が気泡を含んでいることは感じられるが、エアリーではない。
D:口腔内に含んだ溶液に気泡を感じられない。
A:口腔内に含んだ気泡が弾けることなく静かに、次々に消失し、溶液としての流動性が十分に感じられる。
B:口腔内に含んだ気泡の一部が弾けることなく消失し、溶液としての流動性が感じられる。
C:口腔内に含んだ気泡が少し消失した感覚があるものの、溶液としての流動性が得られにくい。
D:口腔内に含んだ気泡がとどまり続け、嚥下に少し抵抗感がある。
A:口腔内での後残りがなく、キレがとても良く感じられる。
B:口腔内での後残りが少なく、キレが良く感じられる。
C:嚥下後も口腔内に少し溶液が感じられ、キレが悪い。
D:嚥下後も口腔内に残液感がある。
A:飲料全体における「泡融け感」を十分に感じる。
B:飲料全体における「泡融け感」を感じる。
C:飲料全体における「泡融け感」があまり感じられない。
D:飲料全体における「泡融け感」が感じられない。
表2に従って試験用飲料ベースを調製し、該飲料ベースと気体との混合処理を行い、微細泡飲料(試験区7〜19)を調製した。製造完了時に試験用飲料ベースのすべてが微細な泡が形成された飲料に変化していることを目視で確認した。
表4に従って試験用飲料ベースを調製し、該飲料ベースと気体との混合処理を行い、微細泡飲料(試験区20〜30)を調製した。製造完了時に試験用飲料ベースのすべてが微細な泡が形成された飲料に変化していることを目視で確認した。
Claims (10)
- ゾル比重が0.85以下であり、かつ、分離速度が0.7mm/秒以下である、微細泡飲料(ここで、「ゾル比重」は一定容量の非微細泡飲料の質量に対する一定容量の微細泡飲料の質量の比率をいい、「分離速度」は微細泡飲料を評価用容器に注いだときの、容器満注時から100秒後の容器底から微細な泡の最も低い位置までの垂直距離(mm)から容器満注時の容器底から微細な泡の最も低い位置までの垂直距離(mm)を引いた値を100秒で除した値をいう)。
- 液粘度が2.5mPa・s以下である、請求項1に記載の微細泡飲料。
- 飲料が清涼飲料である、請求項1または2に記載の微細泡飲料。
- 飲料液を3000〜50000rpm、1秒〜60分の条件で混合する工程を含んでなる、微細泡飲料の製造方法。
- 製造された飲料のゾル比重(ここで、ゾル比重は請求項1で定義された内容と同義である)が0.85以下である、請求項4に記載の製造方法。
- 製造された飲料の分離速度(ここで、分離速度は請求項1で定義された内容と同義である)が0.7mm/秒以下である、請求項4または5に記載の製造方法。
- 製造された飲料の液粘度が2.5mPa・s以下である、請求項4〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
- 窒素を含有する気体の存在下で混合を行う、請求項4〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
- 飲料が清涼飲料である、請求項4〜8のいずれか一項に記載の製造方法。
- 請求項4〜9のいずれか一項に記載の製造方法により製造された、微細泡飲料。
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