JP2016119894A - 穀類分解物含有発泡性飲料の泡描画方法 - Google Patents

穀類分解物含有発泡性飲料の泡描画方法 Download PDF

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川 英 幸 玉
田 博 岡
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田 博 岡
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Katsuya Matsuura
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Abstract

【課題】穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体層上に安定に描画を行うこと。【解決手段】穀類分解物含有発泡性飲料上に描画する方法であって、穀類分解物含有発泡性飲料上に形成される発泡体層上に描画発泡体を添加することを含み、描画発泡体が発泡体層と峻別可能な色度を有し、かつ描画発泡体の体積膨張率は該描画発泡体を発泡体層上に保持するための有効範囲に予め調整されていることを特徴とする方法を用いる。【選択図】図3

Description

本発明は、穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体による描画方法に関する。
近年、弁当や飲料の表面に模様や絵を描画して視覚的な付加価値を向上させることが広く行われている。中でも、カフェやレストランなどでは、ラテアート、デザインカプチーノなどのように飲料表面に模様や絵を描画してコーヒー飲料を提供することが行われており、若い女性をはじめとする様々な世代の人々に広く受け入れられている。ラテ・アートはエスプレッソ等のコーヒーの表面に安定性の高いミルクの泡(フォームドミルクとも言う)やホイップクリームを注いで模様や絵を描画する描画方法である。また、デザインカプチーノは、温度計針等の用具に黒色のエスプレッソ抽出液等を付着させて描画を行う。
一方、ビール、ノンアルコールビール、発泡酒をはじめとする穀類分解物含有発泡性飲料は広く消費者飲用されており、視覚的な美観等を付与することについても従前検討されてきた。例えば、特許文献1には、ビール等の穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体の表面に文字や図柄を描画することが報告されている。具体的には、特許文献1に記載の方法は、発泡体の表面にレーザを照射することにより発泡体を消泡し、発泡体の表面に凸凹を形成することにより描画する方法である。
しかしながら、穀類分解物含有発泡性飲料上に形成される発泡体層表面を着色して模様や絵を描画することは何ら報告されていない。これは、穀類分解物含有発泡性飲料の泡特有の性質に依拠するものと考えられる。穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体は、飲料の圧力が解放された際に内部の炭酸ガスが気化し、さらに、それがホップ樹脂や麦芽のタンパク質、炭水化物で形成された膜で包み込まれることにより形成されたものである。この発泡体は、非常に崩壊しやすく安定性が高いとはいえない。特許文献1の段落[0003]においても、発泡体の表面に文字や図形を描き出すために食用インクを吹き付けても、発泡体の表面張力を崩壊させるだけであって、発泡体層の表面に文字や図形をあらわすことはなされていない旨記載されている。
特開2006−305876号公報
本発明は、穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体層上に安定に描画を行うことを目的としている。
本発明者らは、今般、鋭意検討した結果、穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体の色度と体積膨張率を予め調節し、この発泡体を描画のために穀類分解物含有発泡性飲料上の発泡層上に添加したところ、飲料上に安定に描画を保持しうることを見出した(以下、描画のために穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体層上に添加する発泡体を「描画発泡体」ともいう)。本発明は、かかる知見に基づくものである。
本発明によれば以下の発明が提供される。
(1)穀類分解物含有発泡性飲料上に描画する方法であって、
上記穀類分解物含有発泡性飲料上に形成される発泡体層上に描画発泡体を添加することを含み、上記描画発泡体が上記発泡体層と峻別可能な色度を有し、かつ上記描画発泡体の体積膨張率が、該描画発泡体を上記発泡体層上に保持するための有効範囲に調整されていることを特徴とする、方法。
(2)上記体積膨張率の有効範囲が、発泡体層上から峻別可能に保持される描画発泡体のサイズの閾値および/または発泡体層上の描画発泡体の保持時間の閾値を参照して予め設定される、(1)に記載の方法。
(3)上記発泡体層を形成する発泡体と、描画発泡体との体積膨張率の差が1.0以上である、(1)または(2)に記載の方法。
(4)上記発泡体層を形成する発泡体および描画発泡体のうち少なくとも一方の体積膨張率が2.1以上である、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5)上記発泡体層を形成する発泡体と、描画発泡体との色度の差が10以上である、(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6)上記発泡体層を形成する発泡体および描画発泡体のうち少なくとも一方が、外気ガス成分を用いて穀類分解物含有発泡性飲料を発泡させることにより得られる、(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(7)上記発泡が、攪拌、振動、減圧および気体注入からなる群から選択される方法によって行われる、(6)に記載の方法。
(8)上記外気ガス成分の窒素含有割合が1〜100%である、(6)または(7)に記載の方法。
(9)上記描画発泡体によって形成される描画の保持時間が、上記描画発泡体の添加後5分間以上である、(6)〜(8)のいずれかに記載の方法。
(10)描画を有する穀類分解物含有発泡性飲料の製造方法であって、
上記穀類分解物含有発泡性飲料上に形成される発泡体層上に描画発泡体を添加することを含み、上記描画発泡体が上記発泡体層と峻別可能な色度を有し、かつ上記描画発泡体の体積膨張率が、該描画発泡体を発泡体層上に保持するための有効範囲に調整されていることを特徴とする、方法。
(11)(10)に記載の製造方法により得られた、穀類分解物含有発泡性飲料。
本発明者によれば、色度と体積膨張率を予め調節した描画発泡体を用いることにより、穀類分解物含有発泡性飲料上に安定に描画を保持することができる。また、本発明によれば、外気ガス成分を用いて穀類分解物含有発泡性飲料を発泡させることにより得られる発泡体を用いることにより、顕著に安定な描画を形成することができる。
描画発泡体を用いてグラス中のビールの発泡体層上に描画した円のサイズを測定した際の写真である。 描画発泡体(EBC=20.3、33.6、46.9、60.2、73.5、86.8、100.1、113.4または140)を用いて、グラス中のビールの発泡体層(EBC=7)上に円を描画した際の写真である。 描画発泡体を用いて、グラス中のビールの発泡体層上にハート型のモチーフを描画し、5分間保持した後に撮影した写真である。図3Aは、描画発泡体が空気置換発泡体で形成され、穀類分解物含有発泡性飲料上の発泡体層が通常発泡体で形成された場合を示す。図3Bは、描画発泡体が通常発泡体で形成され、類分解物含有発泡性飲料上の発泡体層が空気置換発泡体で形成された場合を示す。図3Cは、描画発泡体および類分解物含有発泡性飲料上の発泡体層が空気置換発泡体で形成された場合を示す。
発明の具体的説明
本明細書において「色度」とは、EBC(European Brewery Convention)法によって測定される色度を意味し、単位は「EBC」である。
また、本明細書において「体積膨張率」とは、発泡後に得られた穀類分解物含有発泡性飲料発泡体の体積を、その発泡体を構成している発泡前の穀類分解物含有発泡性飲料の体積で除することにより得られる値を意味しており、発泡処理を行っても発泡体にならずに液体のままであった部分、および発泡処理完了後に発泡体から液体に戻った部分は発泡体体積としては含めない。
本発明の穀類分解物含有発泡性飲料上に描画する方法は、穀類分解物含有発泡性飲料上に形成される発泡体層上に描画発泡体を添加することを含み、描画発泡体が前記発泡体層と峻別可能な色度を有し、かつ描画発泡体の体積膨張率を該描画発泡体が前記発泡体層上に保持されるための有効範囲に予め調整していることを特徴としている。
本発明において、描画発泡体を前記発泡体層上に保持するための有効範囲は、発泡体層上の描画発泡体の保持時間の閾値および/または発泡体層上から峻別可能に保持される描画発泡体のサイズ(描画のサイズ)の閾値を参照して予め適宜設定することができる。ここで、上記「閾値」は、飲料に付与する所望の描画サイズおよび保持時間を勘案して当業者が適宜決定してよく、後述する試験例1および3に準じて設定することができる。
また、本発明において、穀類分解物含有発泡性飲料上の発泡体層を形成する発泡体(以下、「ベース発泡体」ともいう。)の体積膨張率および/または描画発泡体の体積膨張率は、描画が発泡体層上に峻別可能に保持されるように予め調整することが好ましい。かかる発泡体の体積膨張率を好適な範囲に調整することにより描画の安定性が向上することは意外な事実である。
本発明の発泡体の体積膨張率は、例えば、後述する発泡処理によって得られる発泡体を、メスシリンダー等の公知の測定器内に所望の体積膨張率となるまで静置することにより調整することができる。
本発明において、ベース発泡体の体積膨張率と、描画発泡体との体積膨張率の差は、好ましくは0.1以上であり、より好ましくは0.2以上であり、さらに好ましくは0.3以上である。
また、描画発泡体およびベース発泡体のうち少なくとも一方の体積膨張率は、好ましくは2.1以上であり、より好ましくは2.2以上であり、さらに好ましくは2.3以上である。また、描画発泡体およびベース発泡体のうち少なくとも一方の体積膨張率の範囲は、好ましくは2.1〜2.3であり、より好ましくは2.2〜2.3である。
また、本発明の描画発泡体およびベース発泡体は、本発明の効果を妨げない限り、穀類分解物含有発泡性飲料を容器に注ぐ際に生じる炭酸ガスの封入された通常の発泡体であってもよいが、描画の安定な保持および泡持ちの向上のためには、外気ガスの封入された発泡体が好ましい。したがって、本発明の好ましい態様によれば、描画発泡体およびベース発泡体のうち少なくとも一方は、外気ガス成分を用いて穀類分解物含有発泡性飲料を発泡させることにより得られるものである。
上記外気ガスの封入された発泡体としては、大気と同一組成の気体または窒素等を含んだ発泡体が挙げられる。外気ガスの封入された発泡体の調製は、大気と同一組成(窒素が約78%、酸素が約21%、その他アルゴン、二酸化炭素など)か、または窒素含有割合が1〜100%の気体、好ましくは70〜100%の気体中で行われることが好ましい。また、外気ガスの封入された発泡体の調製は、特に限定されないが、大気圧下で行われることが好ましい。
また、外気ガスの封入された発泡体の調製方法は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されず、攪拌、振動、減圧または気体注入により処理する方法で行ってよいが、好ましくは撹拌処理または気体注入処理である。かかる調製の具体的手法はいずれも、公知装置を用いて実施することができる。
また、発泡体の調製工程は、穀類分解物含有発泡性飲料に対して攪拌、振動、減圧または気体注入処理を行う場合、攪拌速度、振動レベル、加圧レベルまたは気体注入速度を調整し、発泡体における体積膨張率を、描画発泡体を飲料の発泡体層上に保持するための有効範囲とする調整工程をさらに含むことが好ましい。かかる調整工程は、発泡体の調製中または調製後に、発泡体の体積膨張率を測定する工程を含んでなる。かかる測定工程を実施する具体的手法は、特に限定されず、直接的に体積膨張率をメスシリンダー等の測定容器を用いて測定する方法であってもよく、攪拌速度、振動レベル、加圧レベルまたは気体注入速度の測定による間接的方法であってもよい。
発泡体の調製を撹拌により行う場合、撹拌速度は、発泡体の体積膨張率が上記有効範囲となる限り特に限定されないが、例えば、7,000〜18,000rpmであり、好ましくは8000〜18,000rpmである。
穀類分解物含有発泡性飲料の撹拌時間は、特に限定されないが、好ましくは5秒以上であり、より好ましくは5〜30秒である。
また、描画発泡体およびベース発泡体は、視覚的に描画を峻別可能となるように十分な色度の差がある組み合わせを用いることが好ましい。ベース発泡体と描画発泡体との色度の差は、好ましくは10以上であり、より好ましくは50以上であり、さらに好ましくは100である。描画発泡体およびベース発泡体の色度の調整方法は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、例えば、描画発泡体の原料となる穀類分解物含有発泡性飲料に、種々の色度を有する別の穀類分解物含有発泡性飲料や着色料を適宜混合することにより実施してもよい。
本発明の穀類分解物含有発泡性飲料は、穀類の分解物を含む炭酸飲料であればどのような態様の飲料であっても含まれるが、麦芽の分解物を含む飲料であることが好ましい。本発明において、穀類とは、本発明の効果を奏する穀物であれば特に限定されないが、大麦、小麦、大豆、エンドウ豆またはトウモロコシであることが好ましく、より好ましくは大麦である。穀類の分解物の具体的な態様としては、特に限定されないが、大麦、小麦、大豆、エンドウ豆またはトウモロコシの分解物であり、例えば大豆タンパク、エンドウタンパク、コーンタンパク分解物が挙げられる。
また、本発明の穀類分解物含有発泡性飲料は、好ましくは麦芽分解物含有炭酸飲料であり、より好ましくはビール系飲料である。ビール系飲料とは、通常にビールを製造した場合、すなわち、酵母等による発酵に基づいてビールを製造した場合に得られるビール特有の味わい、香りを有する飲料をいい、例えば、ビール、発泡酒、リキュール等の発酵麦芽飲料や、その他の醸造酒、もしくは完全無アルコール麦芽飲料等の非発酵麦芽飲料が挙げられる。また、ビール系飲料である限り、麦芽飲料に限定されるものではなく、麦や麦芽を使用しない非麦飲料の形態であってもよい。本発明において「非麦飲料」は炭酸ガス等により清涼感が付与された清涼飲料も含まれるものとする。非麦飲料としては、アルコール含量が0重量% である完全無アルコール飲料のような非発酵飲料や、アルコールを含有するアルコール含有飲料が挙げられるが、アルコールを含む態様が好ましい。このアルコール含有非麦飲料としては、発酵して得られた発酵飲料とアルコールが添加された飲料が挙げられる。非麦飲料としては、また、発酵して得られた発酵飲料からアルコール、その他の低沸点成分や低分子成分を除去して得られた非アルコール発酵飲料が挙げられる。ビール系飲料の好ましい態様としては、ビール、発泡酒、完全無アルコール麦芽飲料、非麦飲料が挙げられ、中でもビールが特に好ましい。本発明の穀類分解物含有発泡性飲料は市販の飲料を用いてもよい。
また、本発明の方法に用いられる際の穀類分解物含有発泡性飲料の温度は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、好ましくは0〜20℃であり、より好ましくは0〜10℃である。
また、本発明における描画の形状は、特に限定されず、図形、模様、絵等の所望の形状であってよい。かかる描画は所望の形状となるように本発明の描画発泡体を発泡層上に添加することにより実施することができる。
本発明の描画の保持時間は、穀類分解物含有発泡性飲料の種類、描画発泡体およびベース発泡体の体積膨張率等を適宜選択することにより調節することができる。本発明の描画の保持時間は、特に限定されないが、好ましくは、描画発泡体の添加後5分間以上であり、より好ましくは10〜20分間である。
本発明の穀類分解物含有発泡性飲料は、容器に収容して消費者に提供することが好ましい。かかる容器としては、特に限定されないが、プラスチックカップまたはジョッキ等の上面の開口した容器が挙げられる。したがって、本発明の穀類分解物含有発泡性飲料は、好ましくは容器入り飲料である。
また、本発明の別の好ましい態様によれば、描画を有する穀類分解物含有発泡性飲料の製造方法であって、穀類分解物含有発泡性飲料上に形成される発泡体層上に描画発泡体を添加することを含み、描画発泡体が前記発泡体層と峻別可能な色度を有し、かつ描画発泡体の体積膨張率は、該描画発泡体を発泡体層上に保持するための有効範囲に予め調整されていることを特徴とする方法が提供される。また、本発明の別のより好ましい態様によれば、上記製造方法によって得られた、描画を有する穀類分解物含有発泡性飲料が提供される。上記製造方法は、本発明の上記描画方法に準じて実施することができる。
本発明を以下の例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
試験例1:発泡体の体積膨張率が泡の沈み込み具合へ及ぼす影響
(1)ベース発泡体(飲料上の発泡体層を形成する発泡体)の調製
通常発泡体
ベース発泡体を調製するビールとして、市販の黄金色のビール(商品名:一番搾り、麒麟麦酒株式会社、EBC=7)を用いた。通常発泡体の調製には、ニットク社製ビールサーバー付属の泡出し機能部を用いた。体積膨張率2.0倍、2.1倍または2.3倍の通常発泡体は、排液に至る時間を変化させることで調製した。なお、体積膨張率は、発泡前のビールの体積と、発泡体の体積をそれぞれメスシリンダーで測定し、後者の体積を前者の体積で除することにより算出した。
空気置換発泡体
また、上記に示した市販のビール100mLを、大気圧下、大気(空気)中で5〜10秒、18000rpmで攪拌することで、発泡体内が大気に置換されている発泡体(空気置換発泡体)を得た。得られた空気置換発泡体をメスシリンダー内に静置してその体積を調整し、体積膨張率2.0倍、2.1倍または2.3倍の空気置換発泡体を得た。
(2)描画発泡体の調製
通常発泡体
描画発泡体を調製するビールとして、市販の黒ビール(商品名:一番搾りスタウト、麒麟麦酒株式会社、EBC=140)を用いた。また、(1)に示した方法を用いて体積膨張率2.0倍、2.1倍または2.3倍の通常発泡体を調製した。
空気置換発泡体
また、(2)に示したビールを用いて(1)に示した方法に従い、体積膨張率2.0倍、2.1倍または2.3倍の空気置換発泡体を得た。
(3)描画
市販のビール(300mL)を予め注いだ透明プラスチックカップ(容量430mL)を用意した。注出時に生じた発泡体は、スプーンで取り除いた。
次に、注出時の発泡体を取り除いたビールの液面上に、(1)において得られたベース発泡体を添加し、ベース発泡体層を形成した。その後、(2)において得られた描画発泡体(約1mL)を、ベース発泡体層上に垂らすことにより、円形の描画を行った。
(4)発泡体の沈み込み具合の測定
発泡体を用いて描画したビールを消費者へ提供することを勘案すると、描画発泡体がベース発泡体層中に沈み込むのを抑制して、一定時間描画をベース発泡体層上に保持することが必要である。そこで、描画発泡体がベース発泡体層上に保持される程度について、以下の手順に従って評価を行った。
ベース発泡体の上の描画発泡体をベース発泡体層の上面から垂直方向に10cmの地点からから写真を撮影し、円形の描画の直径を測定した(図1)。次に、データをグラス直径に対する円の直径の割合で標準化を行った。結果はN=6の描画円の平均で算出した。
評価基準は以下に表1に記載の通りである。評価スコアが、B、AまたはSの場合の典型的な写真を図2に示す。
ベース発泡体を通常発泡体とし、描画発泡体を空気置換発泡体とした場合の結果は、表2に示される通りであった。
ベース発泡体を空気置換発泡体とし、描画発泡体を通常発泡体とした場合の結果は、表3に示される通りであった。
描画発泡体およびベース発泡体をいずれも空気置換発泡体とした場合の結果は、表4に示される通りであった。
表2〜表4の結果から、体積膨張率の高い通常発泡体または空気置換発泡体を利用すると、描画発泡体の沈み込みが抑制されて泡描画がベース発泡体層上に保持される傾向が観察された。
さらに、描画発泡体およびベース発泡体の少なくとも一方の体積膨張率が2.1以上、好ましくは2.3以上であることが、描画発泡体の沈み込みを抑制して描画をベース発泡体層上に保持するうえで望ましいことが示された。さらに、描画発泡体およびベース発泡体の少なくとも一方を空気置換発泡体とした場合には、描画発泡体の沈み込みが顕著に抑制され描画がベース発泡体層上に保持される傾向が確認された。
なお、描画発泡体およびベース発泡体のいずれも通常発泡体とした場合についても検討を行った。その結果、描画発泡体の体積膨張率が2.1以上である場合またはベース発泡体の体積膨張率が2.3以上である場合のスコアはいずれもAであった。
試験例2:ベース発泡体と描画発泡体とが区別されるのに必要な色度差の検討
試験例1と同様の手法により、ベース発泡体(空気置換発泡体−体積膨張率:2.3、EBC=7.0)を調製し、ビール上にベース発泡体層を形成した。
さらに、試験例1と同様の手法により、描画発泡体(空気置換発泡体-体積膨張率:2.3)を調製した。この際、通常のビールと黒ビールの混合比率を調整することにより、描画発泡体のEBCを、20.3、33.6、46.9、60.2、73.5、86.8、100.1、113.4または140に調整した。
次に、試験例1の(3)と同様の手法により、ベース発泡体層上に描画を行った。そして、健常人である訓練されたパネラー3名(両目視力:1.0以上)により、以下の基準にしたがって、泡面からの垂直方向10cmの地点から目視により描画が確認できるか否か評価を行った。
各試験サンプルの写真は図2に示される通りであった。ベース発泡体のEBC(7.0)と、描画発泡体のEBC(20.3)との差が約10以上である場合には、いずれのパネラーによっても描画が目視により確認された(スコアSまたはスコアA)。
一方で、ベース発泡体のEBCと、描画発泡体のEBCとの差が10未満である場合には、いずれのパネラーにおいても描画を目視により確認することは困難であった(スコアB)。
試験例3:泡描画のデザイン保持時間の検討
描画発泡体およびベース発泡体を試験例1と同様にして調製し、ベース発泡体層上に描画発泡体を添加して描画を行った。ベース発泡体と描画発泡体との組合せは、以下の表6に記載の通りである。また、泡描画に用いたデザインは、試験例1で用いた形状よりも複雑なデザインであるハート型のモチーフとした。次に、評価区1〜4について、描画してから5分後の泡描画のデザインの保持性について、試験例2の手法に準じて評価を行った。
その結果、描画発泡体およびベース発泡体をいずれも通常発泡体とした評価区1ではハート型のモチーフを確認することは困難であった(スコアB)。一方で、描画発泡体およびベース発泡体のいずれか一方を空気置換発泡体とした評価区2〜4では、ハート型のモチーフを確認することができた。
描画してから5分後の評価区2〜4の写真は図3に示される通りである。評価区2(図3A)よりも評価区3(図3B)の方が保持性は高く、評価区3(図3B)よりも評価区4(図3C)の方が保持性は高かった。特に、評価区4(図3C)については、描画してから5分後でも非常に高いデザインの保持性を有していた。

Claims (11)

  1. 穀類分解物含有発泡性飲料上に描画する方法であって、
    前記穀類分解物含有発泡性飲料上に形成される発泡体層上に描画発泡体を添加することを含み、前記描画発泡体が前記発泡体層と峻別可能な色度を有し、かつ前記描画発泡体の体積膨張率は該描画発泡体を前記発泡体層上に保持するための有効範囲に予め調整されていることを特徴とする、方法。
  2. 前記体積膨張率の有効範囲が、発泡体層上から峻別可能に保持される描画発泡体のサイズの閾値および/または発泡体層上の描画発泡体の保持時間の閾値を参照して予め設定される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記発泡体層を形成する発泡体の体積膨張率と、描画発泡体との体積膨張率の差が0.1以上である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記発泡体層を形成する発泡体および描画発泡体のうち少なくとも一方の体積膨張率が2.1以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記発泡体層を形成する発泡体と、描画発泡体との色度の差が10以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記発泡体層を形成する発泡体および描画発泡体のうち少なくとも一方が、外気ガス成分を用いて穀類分解物含有発泡性飲料を発泡させることにより得られる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記発泡が、攪拌、振動、減圧、および気体注入からなる群から選択される方法によって行われる、請求項6に記載の方法。
  8. 前記外気ガス成分が大気と同一組成である、請求項6または7に記載の方法。
  9. 前記描画発泡体によって形成される描画の保持時間が、前記描画発泡体の添加後5分間以上である、請求項6〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 描画を有する穀類分解物含有発泡性飲料の製造方法であって、
    前記穀類分解物含有発泡性飲料上に形成される発泡体層上に描画発泡体を添加することを含み、前記描画発泡体が前記発泡体層と峻別可能な色度を有し、かつ前記描画発泡体の体積膨張率は、該描画発泡体を前記発泡体層上に保持するための有効範囲に予め調整されていることを特徴とする、方法。
  11. 請求項10に記載の方法により得られた、穀類分解物含有発泡性飲料。
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