以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一または同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係るコンソール支持構造の外観を示す概略斜視図である。図2は、図1に示されたコンソール支持構造の部分断面図である。なお、図2は、図1のII−II線断面図である。
図1及び図2において、本実施形態のコンソール支持構造であるコンソール支持装置1は、車両の車幅方向(Y方向)の中央部に配置され、コンソールボックス2を支持する。コンソール支持装置1は、車室内のフロアにおける運転席と助手席との間に取り付けられている。
コンソール支持装置1は、第1ブラケット3と、この第1ブラケット3に固定された第2ブラケット4と、第1ブラケット3と第2ブラケット4とを連結する2本の連結部材5とを備えている。第1ブラケット3、第2ブラケット4及び連結部材5は、鉄板またはステンレス鋼板等の金属板で形成されている。なお、コンソールボックス2は、樹脂からなっている。
第1ブラケット3は、載置部6と、この載置部6に接続された2つの前脚部7(第1脚部)と、各前脚部7にそれぞれ接続された2つの取付部8とを有している。第1ブラケット3の車幅方向の両側縁には、突壁9がそれぞれ設けられている。
載置部6は、車両の前後方向(X方向)に延びている。載置部6は、コンソールボックス2が載置される載置面である上面6aと、載置面とは反対側の面である下面6bとを有している。前脚部7は、載置部6の前端6cから下方に折れるように設けられている。前脚部7は、車両の上下方向(Z方向)に延びている。取付部8は、前脚部7の下端7aから前方に折れるように設けられている。取付部8には、締結用ネジ(図示せず)が通る取付孔8aが設けられている。
第2ブラケット4は、第1ブラケット3に対して後側に配置されている。第2ブラケット4は、載置部6の下面6bに接合された接合部10と、この接合部10に接続された傾斜部11と、この傾斜部11に接続された2つの後脚部12(第2脚部)と、各後脚部12にそれぞれ接続された2つの取付部13とを有している。第2ブラケット4の車幅方向の両側縁には、突壁14が設けられている。接合部10及び傾斜部11の幅寸法は、載置部6の幅寸法よりも大きい。
接合部10は、載置部6の下面6bに溶接により接合されている。接合部10は、例えば載置部6の下面6bにおける車両の前後方向の中央部に接合されている。傾斜部11は、接合部10の後端10aから斜め後下方に折れるように設けられている。接合部10の後端10aは、接合部10の前後一方端である。傾斜部11は、接合部10に対して所定の角度(例えば45度)で傾斜している。
後脚部12は、傾斜部11の下端11aから下方に折れるように設けられている。後脚部12は、車両の上下方向に延びている。取付部13は、後脚部12の下端12aから後方に折れるように設けられている。取付部13には、締結用ネジ(図示せず)が通る取付孔13aが設けられている。後脚部12及び取付部13は、傾斜部11の下端11aから折れるように設けられた基部15を構成している。
第1ブラケット3の載置部6の後端6d側には、接合部10に片持ち支持された片持ち領域16が設けられている。載置部6の後端6dは、載置部6の前後一方端である。なお、載置部6の前端6cは、載置部6の前後他方端である。片持ち領域16の基端16aは、接合部10の後端10aに対応する位置である。片持ち領域16では、載置部6と傾斜部11との間の距離が載置部6の後端6d側に向かうに従って徐々に長くなっている。
第2ブラケット4において、接合部10と傾斜部11との接続部分は、傾斜部11が接合部10に対して折れた構造を呈する第1折れ部17を構成している。また、第2ブラケット4において、傾斜部11と基部15との接続部分は、基部15が傾斜部11に対して折れた構造を呈する第2折れ部18を構成している。
連結部材5は、第1ブラケット3の前脚部7と第2ブラケット4の後脚部12とを連結している。連結部材5は、車両の前後方向(X方向)に延びている。
以上において、図3に示されるように、衝突時等に車両の上方からの衝撃荷重Fがコンソールボックス2に入力されると、衝撃荷重Fがコンソールボックス2を介してコンソール支持装置1に伝達される。すると、コンソールボックス2が下側に押されることで、第1ブラケット3の載置部6の片持ち領域16が片持ち領域16の基端16aを起点として下側に折れ曲がって座屈変形する。
そして、第1ブラケット3の座屈変形が第2ブラケット4に伝達され、第2ブラケット4が下側に押されることで、接合部10、傾斜部11及び基部15が折れ曲がって座屈変形する。
具体的には、第2ブラケット4が下側に押されるため、接合部10と傾斜部11とが第1折れ部17を起点として広がるように座屈変形する。つまり、接合部10と傾斜部11とが第1折れ部17を起点として変形することで、接合部10と傾斜部11とのなす角度θ1が大きくなる。
また、載置部6が傾斜部11に当たり、傾斜部11が下側に押されるため、傾斜部11と基部15とが第2折れ部18を起点として狭くなるように座屈変形する。つまり、傾斜部11と基部15とが第2折れ部18を起点として変形することで、傾斜部11と基部15とのなす角度θ2が小さくなる。以上により、車両の上方からの衝撃荷重Fが吸収される。
以上のように本実施形態にあっては、車両の上方からの衝撃荷重がコンソールボックス2に入力されると、まず第2ブラケット4の接合部10に片持ち支持された第1ブラケット3の載置部6の片持ち領域16が折れて変形する。そして、片持ち領域16の変形が第2ブラケット4に伝達されると、接合部10と傾斜部11とが第1折れ部17を起点として折れると共に、傾斜部11と基部15とが第2折れ部18を起点として折れることで、第2ブラケット4が変形する。このように第2ブラケット4に第1折れ部17及び第2折れ部18という2つの折れ部が設けられているため、車両の上方からの衝撃荷重が入力された際に、第1ブラケット3及び第2ブラケット4をスムーズに変形させることができる。これにより、コンソール支持装置1にかかる衝撃を効果的に吸収することができる。
また、本実施形態では、第2ブラケットは第1ブラケットに対して後側に配置されているので、後部座席の乗員の体の一部がコンソールボックス2に接触した時の衝撃を吸収して軽減することができる。
また、本実施形態では、第2ブラケット4の後脚部12が傾斜部11の下端11aから下方に折れているため、傾斜部11と後脚部12とが第2折れ部18を起点として折れやすくなる。また、第1ブラケット3に前脚部7を設け、第2ブラケット4に後脚部12を設けることにより、コンソール支持装置1を車室内のフロアに取り付けやすくなる。
また、本実施形態では、前脚部7と後脚部12とが連結部材5により連結されているので、コンソール支持装置1の剛性が高くなる。
図4は、図1に示された第1ブラケット3の載置部6の変形例を示す概略斜視図である。図4において、本変形例の載置部6の車幅方向(Y方向)の両側縁には、車両の前後方向(X方向)に延びる断面L字状のフランジ部20が設けられている。フランジ部20は、側壁20aと、この側壁20aの上端から車幅方向の外側に張り出した張出壁20bとを有している。
載置部6における片持ち領域16の基端部には、載置部6の他の領域よりも強度が弱い脆弱部21が設けられている。脆弱部21は、車幅方向に延びる長孔22を有している。長孔22は、載置部6における片持ち領域16の基端部の各フランジ部20間に設けられている。
このように本変形例では、片持ち領域16の基端部に脆弱部21を設けることにより、車両の上方からの衝撃荷重がコンソールボックス2に入力されたときに、片持ち領域16が折れやすくなる。従って、第1ブラケット3及び第2ブラケット4をよりスムーズに変形させることができる。
また、本変形例では、片持ち領域16の基端部に車幅方向に延びる長孔22を設けることにより、脆弱部21を容易に形成することができる。
また、本変形例では、載置部6の車幅方向の両側縁に車両の前後方向に延びる断面L字状のフランジ部20を設けることにより、載置部6に長孔22が設けられていても、載置部6の剛性を確保することができる。
なお、本変形例では、載置部6の車幅方向の両側縁に断面L字状のフランジ部20が設けられているが、特にその形態には限られず、上記の実施形態と同様に、載置部6の車幅方向の両側縁に突壁9が設けられていてもよい。
図5は、図1に示された第1ブラケット3の載置部6の他の変形例を示す概略斜視図である。図5において、本変形例の載置部6の車幅方向の両側縁には、断面L字状の第1フランジ部30及び第2フランジ部31が設けられている。
第1フランジ部30は、載置部6の後端6dから片持ち領域16の基端部まで車両の前後方向に延びている。第1フランジ部30は、側壁30aと、この側壁30aの上端から車幅方向の外側に張り出した張出壁30bとを有している。第2フランジ部31は、載置部6の前端6c(図1参照)から片持ち領域16の基端部まで車両の前後方向に延びている。第2フランジ部31は、側壁31aと、この側壁31aの上端から車幅方向の外側に張り出した張出壁31bとを有している。
載置部6における片持ち領域16の基端部には、載置部6の他の領域よりも強度が弱い脆弱部32が設けられている。脆弱部32は、第1フランジ部30と第2フランジ部31との間に配置された凹状部33を有している。凹状部33は、片持ち領域16の基端部の両側縁に設けられている。
凹状部33は、底壁33aと、この底壁33aと第1フランジ部30の張出壁30bとをつなぐ端壁33bと、底壁33aと第2フランジ部31の張出壁31bとをつなぐ端壁33cとを有している。底壁33aの底面は、載置部6の上面6aと面一となっている。端壁33b,33cは、互いに対向配置されている。
このように本変形例では、片持ち領域16の基端部に脆弱部32を設けることにより、車両の上方からの衝撃荷重がコンソールボックス2に入力されたときに、片持ち領域16が折れやすくなる。従って、第1ブラケット3及び第2ブラケット4をよりスムーズに変形させることができる。
また、本変形例では、第1フランジ部30と第2フランジ部31との間に凹状部33を配置することにより、載置部6の剛性を高くしつつ、脆弱部32を形成することができる。
なお、本発明は、上記実施形態には限定されない。例えば上記実施形態では、第1ブラケット3は2つの前脚部7を有し、第2ブラケット4は2つの後脚部12を有しているが、前脚部7及び後脚部12の数としては、特に2つには限られず、それぞれ1つであってもよい。
また、第2ブラケット4は、特に後脚部12を有していなくてもよい。例えば、基部15は、傾斜部11の下端11aから後方に折れるように設けられた取付部を有していてもよい。
また、上記実施形態では、第2ブラケット4は、第1ブラケット3に対して後側に配置されているが、特にその形態には限られない。第2ブラケット4は、第1ブラケット3に対して前側に配置されていてもよい。