JP2020167215A - コンデンサユニット - Google Patents

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裕也 木内
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健史郎 檜田
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Abstract

【課題】バスバへの応力集中軽減とインダクタンス低減との両立を図ったコンデンサユニットを提供する。【解決手段】コンデンサユニット10は、コンデンサ100、正極バスバ200、負極バスバ300、封止樹脂材600および絶縁部材400を備える。正極バスバ200は、コンデンサ100の正電極111に接合されている。負極バスバ300は、コンデンサ100の負電極112に接合されている。封止樹脂材600は、正極バスバ200および負極バスバ300の一部とともにコンデンサ100を封止する。絶縁部材400は、正極バスバ200と負極バスバ300の間に配置される。絶縁部材400のうち正極バスバ200に対向する部分には、対向するバスバから離間する向きに凹む凹部411が形成されている。凹部411の少なくとも一部は、封止樹脂材600から露出している。【選択図】図1

Description

この明細書における開示は、コンデンサユニットに関する。
特許文献1には、複数のコンデンサを1つにユニット化したコンデンサユニットが記載されている。このコンデンサユニットは、正極バスバ、負極バスバ、ケース、充填樹脂(封止樹脂材)、および絶縁シートを備える。
正極バスバおよび負極バスバの一端は、コンデンサの正電極および負電極の各々に接合されている。両バスバの他端(外部接続部)は、コンデンサユニット外部の部材に接続されている。正極バスバおよび負極バスバの間には、両バスバの短絡を防ぐための絶縁シートが配置されている。ケースは、複数のコンデンサを収容して保持する。
充填樹脂は、コンデンサを封止するようにケース内に充填されている。具体的には、バスバが接続された状態のコンデンサをケース内に設置し、ケース内へ溶融樹脂を充填する。その溶融樹脂の固化したものが充填樹脂となる。
国際公開第2017/204065号
ここで、両バスバの他端が接続対象から振動を受けると、バスバのうち充填樹脂で拘束されている部分と拘束されていない部分との境界部分に、応力が集中する。したがって、このような応力集中によるバスバの折損が生じないように、バスバの強度を設定する必要がある。
その一方で、バスバ間隔を狭くするほど、インダクタンス低減の効果が大きくなる。正極バスバを流れる電流によって生じる磁界と、負極バスバを流れる電流によって生じる磁界との打ち消し合う効果が、高くなるからである。
しかしながら、バスバ間隔を狭くすると、充填樹脂の製造過程における溶融樹脂が、バスバと絶縁シートの間を毛細管現象で這い上がりやすくなる。その結果、上述した境界部分がバスバの他端に近づくこととなる。すると、他端での振動による変位量に対する、境界部分での変位量が大きくなる。その結果、境界部分での応力集中が増長され、バスバの強度不足が懸念されるようになる。
本明細書の開示による目的は、このような課題に鑑みてなされたものであり、バスバへの応力集中軽減とインダクタンス低減との両立を図ったコンデンサユニットを提供することである。
上記した目的を達成するための開示された第1の態様は、
正電極(111)および負電極(112)を有するコンデンサ(100)と、
正電極に接合された正極バスバ(200)と、
負電極に接合された負極バスバ(300)と、
正極バスバおよび負極バスバの一部とともにコンデンサを封止する封止樹脂材(600)と、
正極バスバと負極バスバの間に配置される絶縁部材(400)と、
を備え、
絶縁部材のうち正極バスバに対向する部分、および、絶縁部材のうち負極バスバに対向する部分の少なくとも一方には、対向するバスバから離間する向きに凹む凹部(411、411A)が形成されており、
凹部の少なくとも一部は、封止樹脂材から露出しているコンデンサユニットである。
上記した目的を達成するための開示された第2の態様は、
正電極(111)および負電極(112)を有するコンデンサ(100)と、
正電極に接合された正極バスバ(200)と、
負電極に接合された負極バスバ(300)と、
正極バスバおよび負極バスバの一部とともにコンデンサを封止する封止樹脂材(600)と、
正極バスバと負極バスバの間に配置される絶縁部材(400)と、
を備え、
正極バスバまたは負極バスバのうち絶縁部材に対向する部分には、絶縁部材から離間する向きに凹むバスバ凹部(230、330)が形成されており、
バスバ凹部の少なくとも一部は、封止樹脂材から露出しているコンデンサユニットである。
上記第1の態様によれば、凹部の部分においては、絶縁部材とバスバとの間隔が広くなる。また、上記第2の態様によれば、バスバ凹部の部分においては、絶縁部材とバスバとの間隔が広くなる。よって、これらの態様によれば、封止樹脂材の製造過程における溶融樹脂が、バスバと絶縁シートの間を毛細管現象で這い上がることを抑制できる。そのため、バスバのうち充填樹脂で拘束されている部分と拘束されていない部分との境界部分が、バスバの他端に近づくことを抑制できる。バスバの他端とは、バスバ両端のうち、コンデンサに接合されていない側の端部のことである。
したがって、上記第1および第2の態様によれば、バスバの他端が外部から振動を受けたとしても、その振動によって生じる境界部分での変位の大きさを軽減できる。よって、境界部分での応力集中を抑制でき、バスバが強度不足に陥る懸念を抑制できる。
尚、上記括弧内の参照番号は、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、技術的範囲を何ら制限するものではない。
第1実施形態のコンデンサユニットを模式的に示す断面図である。 第1実施形態において、ケースおよび封止樹脂材を取り除いた状態のコンデンサユニットを示す斜視図である。 図2の分解斜視図である。 第1実施形態において、バスバと絶縁部材との位置関係を示す斜視図である。 第1実施形態において、バスバと絶縁部材との位置関係を示す斜視図である。 第1実施形態において、絶縁部材に形成された凹部を示すとともに、凹部による効果を説明する断面図である。 第2実施形態において、絶縁部材の単体状態を示す斜視図である。 第3実施形態において、絶縁部材に形成された凹部を示すとともに、凹部による効果を説明する断面図である。 第4実施形態において、絶縁部材の単体状態を示す断面図である。 第5実施形態において、バスバに形成されたバスバ凹部を示すとともに、バスバ凹部による効果を説明する断面図である。
以下、図面を参照しながら複数の実施形態を説明する。複数の実施形態において、機能的に及び/又は構造的に対応する部分には同一の参照符号を付与する。以下において、コンデンサユニットが車両に搭載された状態における上下方向をZ方向、Z方向に直交する一方向をX方向と示す。また、Z方向およびX方向の両方向に直交する方向をY方向と示す。
(第1実施形態)
以下、図1〜図6を参照しつつ、本実施形態のコンデンサユニット10について説明する。コンデンサユニット10は、たとえば電気自動車(EV)やハイブリッド自動車(HV)などの車両に搭載された電力変換装置に適用可能である。以下では、ハイブリッド自動車に適用される例について説明する。なお、電力変換装置が適用される駆動システムは、直流電源、モータジェネレータ及び電力変換装置を備えている。直流電源は充放電可能な二次電池である。
電力変換装置は、コンバータ、インバータ、およびコンデンサ100(図1参照)などを備えている。コンバータおよびインバータは、直流電源とモータジェネレータとの間で電力変換を行う電力変換部である。コンバータおよびインバータは、スイッチング素子によって構成される上下アーム回路を有する。スイッチング素子には、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)が採用されている。
コンデンサ100は、上下アーム回路に並列接続されている。コンデンサ100は、コンバータ回路により昇圧された直流電流を平滑化する。コンデンサ100には、フィルムコンデンサが採用されている。具体的には、コンデンサ100は、フィルム巻回部110、正電極111および負電極112を有する。フィルム巻回部110は、誘電体フィルムの表面に金属膜が形成された金属化フィルムを、巻回して形成されたものである。
正電極111は、誘電体フィルム両面のうち、一方側の面に形成された金属膜に電気接続されている。負電極112は、誘電体フィルム両面のうち、他方側の面に形成された金属膜に電気接続されている。正電極111は、フィルム巻回部110における巻回軸方向の一方側に配置されている。負電極112は、フィルム巻回部110における巻回軸方向の他方側に配置されている。
コンデンサユニット10は、コンデンサ100、正極バスバ200、負極バスバ300、封止樹脂材600、絶縁部材400およびケース500を備える。コンデンサ100は、封止樹脂材600に封止された状態でケース500内に収容されている。コンデンサ100は、図2および図3に示すように複数設けられている。複数のコンデンサ100は、所定のX方向に1列に並べて配置されている。
正極バスバ200および負極バスバ300は、導電性を有する金属製であり、板形状である。正極バスバ200および負極バスバ300の各々は、電極接合部211、311、屈曲部221、331およびストレート部231、321を有する。
電極接合部211、311の各々は、正電極111および負電極112に接合されている。電極接合部211、311は、コンデンサ100の数に合わせて複数設けられている。つまり、複数の電極接合部211、311が1つのバスバ200、300に設けられている。
屈曲部221、331の各々は、上下アーム回路に接続されており、外部接続部とも称される。具体的には、正極バスバ200の屈曲部221は、上アームに接続されている図示しないバスバにボルトで接続されている。このバスバは、外部導電部材に相当する。負極バスバ300の屈曲部331は、下アームに接続されているバスバにボルトで接続されている(図示せず)。屈曲部221、331には、上記ボルトが挿入されるボルト穴222、332が形成されている。
屈曲部221、331は、上下アーム回路の数に合わせて複数設けられている。つまり、複数の屈曲部221、331が1つのバスバ200、300に設けられている。複数の屈曲部221、331は、Z方向において同じ位置に配置されている。
ストレート部231、321は、電極接合部211、311の一端から屈曲部221、331の一端まで直線状に延びる形状である。ストレート部231、321は、XZ平面に沿って板面が拡がる形状であり、Y方向に対して板面が垂直に拡がる形状である。
屈曲部221、331は、ストレート部231、321の延出端から屈曲する。電極接合部211、311と屈曲部221、331は、XY平面に沿って板面が拡がる形状であり、Z方向に対して板面が垂直に拡がる形状である。要するに、1枚の板材を曲げ加工することで、ストレート部231、321から折れ曲がる電極接合部211、311と屈曲部221、331が形成されている。
ケース500は、樹脂製であり、複数のコンデンサ100を収容している。ケース500は、開口部501を有する直方体形状である。封止樹脂材600は、電気絶縁性を有する樹脂製であり、ケース500内に充填されている。封止樹脂材600は、複数のコンデンサ100の全体を封止している。
さらに封止樹脂材600は、正極バスバ200の一部と負極バスバ300の一部を封止している。具体的には、封止樹脂材600は、電極接合部211、311の全体を封止している。ストレート部231、321は、開口部501を通じてケース500の内から外へと延びる形状であり、封止樹脂材600の内部から外部へと延びる形状である。つまり、ストレート部231、321の一部が、封止樹脂材600により封止されている。屈曲部221、331は封止樹脂材600の外部に位置する。
絶縁部材400は、電気絶縁性を有する樹脂製であり、板形状である。図4および図5に示すように、絶縁部材400は、正極バスバ200と負極バスバ300の間に配置されている。絶縁部材400は、絶縁本体部410と支持部420を有する。絶縁本体部410は、YZ平面に沿って板面が拡がる形状であり、Y方向に対して板面が垂直に拡がる形状である。支持部420は、XY平面に沿って板面が拡がる形状であり、Z方向に対して板面が垂直に拡がる形状である。
絶縁本体部410は、正極バスバ200のストレート部231と負極バスバ300のストレート部321との間に配置されている。支持部420は、正極バスバ200の屈曲部221に対向して配置されている。支持部420は、屈曲部221を支持する。これにより、屈曲部221がストレート部231に対して折れ曲がることが、抑制される。
正極バスバ200のストレート部231と絶縁本体部410との間には、隙間S1が形成されている。負極バスバ300のストレート部321と絶縁本体部410との間には、隙間S2が形成されている。隙間S1、S2は、絶縁部材400のうちY方向の全域に亘って拡がっている。
絶縁部材400のうち正極バスバ200に対向する部分には、正極バスバ200から離間する向きに凹む凹部411が形成されている。詳細には、凹部411は、絶縁本体部410に形成されている。凹部411は、Y方向から見て矩形形状である。
図3に示すように、凹部411は、複数の屈曲部221毎に対応して設けられている。複数の凹部411は、X方向に1列に並べて配置されている。X方向における凹部411の中心位置は、X方向における屈曲部221の中心位置と一致する。
図4に示すように、凹部411のX方向長さを幅寸法L1とする。凹部411に対向するバスバの外部接続部のX方向長さを、幅寸法L2とする。つまり正極バスバ200の屈曲部221のX方向長さが、幅寸法L2に相当する。そして、凹部411の幅寸法L1は、正極バスバ200の屈曲部221の幅寸法L2より大きい。
凹部411の一部には封止樹脂材600が充填され、凹部411の一部は封止樹脂材600から露出している。封止樹脂材600のうち、両バスバ200、300間の外に位置する封止樹脂材を、外樹脂材と称する。封止樹脂材600のうち、両バスバ200、300間に位置する封止樹脂材を、中樹脂材と称する。さらに、中樹脂材のうち、絶縁部材400と正極バスバ200の間に位置する封止樹脂材を、第1樹脂材610と称する。バスバ間樹脂材のうち、絶縁部材400と負極バスバ300の間に位置する封止樹脂材を、第2樹脂材620と称する。
したがって、凹部411の一部を充填する封止樹脂材は第1樹脂材610である。1対のバスバのうち凹部411に対向するバスバは、正極バスバ200である。屈曲部221がストレート部231から屈曲する側において、正極バスバ200は凹部411に対向する。
中樹脂材の外部空気(外気)との界面611、621は、外樹脂材の外気との界面601よりも、Z方向においてコンデンサ100から遠い側に位置する。なお、外樹脂材の界面601はケース500内に位置し、中樹脂材の界面611、621はケース500外に位置する。
第1樹脂材610の外気との界面611、612は、第2樹脂材620の外気との界面621よりも、Z方向において外樹脂材の界面601に近い側に位置する。第1樹脂材610の界面611、612のうち、凹部411内における界面611は、凹部411外における界面612よりも、Z方向において外樹脂材の界面601に近い側に位置する(図3と図6参照)。
絶縁部材400のうち凹部411の縁部を形成するエッジ部分412(図6参照)は、直角に形成されている。具体的には、絶縁部材400をXZ平面で切った図6に示す断面視において、エッジ部分412は直角である。
次に、コンデンサユニット10の製造方法について説明する。この製造方法は、概略、組付工程、バスバ接合工程、ポッティング工程および硬化工程を含む。これらの工程は、溶融樹脂を射出する装置や溶接装置等の装置を用いて、作業者が実行する工程である。
先ず、組付工程において、正極バスバ200と負極バスバ300の間に絶縁部材400を組み付ける。次に、バスバ接合工程において、両バスバ200、300の電極接合部211、311を、コンデンサ100の電極111、112にはんだで接合する。次に、ポッティング工程において、両バスバ200、300が接合された状態のコンデンサ100を、ケース500内の所定位置に配置する。そして、加熱されて溶融した状態の溶融樹脂を、ケース500内に注入する。次に、硬化工程において、溶融樹脂の温度を上昇させて溶融樹脂を硬化させることで、封止樹脂材600を形成する。なお、封止樹脂材600には熱硬化性樹脂が用いられている。
さて、両バスバ200、300のストレート部231、321は、できるだけ近づけて配置されていると、インダクタンス低減の効果が大きくなる。正極バスバ200を流れる電流によって生じる磁界と、負極バスバ300を流れる電流によって生じる磁界との打ち消し合う効果が高くなるからである。
しかしながら、このように両バスバ200、300を近づけるほど、隙間S1、S2が小さくなり、以下に説明する這い上がりが生じやすくなる。すなわち、上記ポッティング工程において、ケース500内に注入された溶融樹脂の一部が、毛細管現象で隙間S1、S2を這い上がりやすくなる。そして、このように這い上がった状態で溶融樹脂が硬化するため、第1樹脂材610および第2樹脂材620が形成されることとなる。
<作用効果>
上記したコンデンサユニット10では、絶縁部材400のうち正極バスバ200に対向する部分に凹部411が形成されている。そのため、凹部411の部分においては隙間S1が大きくなるので、上述した這い上がりを抑制できる。つまり、第1樹脂材610の界面611を低くできる。そうすると、正極バスバ200のうち封止樹脂材600から露出している部分のZ方向長さLa(図6参照)が長くなる。
ここで、両バスバ200、300の屈曲部221、332がボルトから振動を受けると、バスバ200、300の境界部分に応力が集中する。境界部分とは、バスバ200、300のうち、封止樹脂材600で拘束されている部分と拘束されていない部分との境界の部分である。そして、バスバ200、300の露出長さLaが長くなるということは、屈曲部221、332が受ける振動の変位量に対する、境界部分での変位量が小さくなると言える。そうすると、境界部分にかかる応力を緩和でき、バスバ200、300が境界部分近傍で損傷することを抑制できる。
したがって、凹部411が形成されることで正極バスバ200の露出長さLaを長くできる本実施形態によれば、正極バスバ200の境界部分にかかる応力を緩和できる。よって、正極バスバ200が境界部分近傍で損傷することを抑制できる。
さらに本実施形態では、凹部411は、バスバのストレート部231に対向している。そのため、這い上がる溶融樹脂がバスバの屈曲部221に到達することを抑制できる。
さらに本実施形態では、凹部411に対向するバスバは正極バスバ200である。正極バスバ200は、封止樹脂材600の界面601から封止樹脂材600の外へ直線状に延びるストレート部231と、ストレート部231の延出端から屈曲する屈曲部221と、を有する。このようにバスバが屈曲部を有する場合には応力集中による損傷が生じやすいので、先述した応力緩和の効果が好適に発揮される。
ここで、バスバのうち屈曲側での応力集中は、その反対側での応力集中に比べてバスバ損傷を生じさせやすい。つまり、屈曲側に封止樹脂材600が位置することとなる正極バスバ200の方が、反屈曲側に封止樹脂材600が位置することとなる負極バスバ300に比べて、露出長さLaが短くなることによる損傷が生じやすい。
これらの点を鑑み、本実施形態では、両バスバ200、300のうち、屈曲側に凹部411を対向させている。つまり、正極バスバ200に対向する位置に凹部411が形成されている。よって、露出長さLaを長くすることによるバスバ損傷抑制の効果が、好適に発揮される。
さらに本実施形態では、凹部411の幅寸法L1は、凹部411に対向するバスバつまり正極バスバ200の屈曲部221の幅寸法L2より大きい。そのため、屈曲部221のZ方向延長線上においては、先述した這い上がり抑制の効果を確実に発揮させることができる。
さらに本実施形態では、絶縁部材400のうち凹部411の縁部を形成するエッジ部分412は直角である(図6参照)。そのため、毛細管現象で這い上がってきた第1樹脂材610がエッジ部分412でせき止められやすくなる。よって第1樹脂材610の界面611が上昇することを抑制でき、応力集中による正極バスバ200損傷抑制の効果を向上できる。但し、図6の例では、隙間S1の大きさが想定よりも狭くなっており、エッジ部分412を乗り越えて第1樹脂材610が這い上がってきた状態を示す。
さらに本実施形態では、両バスバ200、300のうち電極が接続されている端部とは反対側端部が、ボルトで外部導電部材に固定されている。そのため、バスバ200、300が受ける振動エネルギが大きくなり、応力集中によるバスが200、300の損傷が懸念される。よって、境界部分にかかる応力を緩和でき、バスバ200、300が境界部分近傍で損傷することを抑制できる、といった先述の効果が好適に発揮される。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、図3、4、6に示すように、凹部411が、屈曲部221からZ方向に離間して配置されている。これに対し本実施形態では、図7に示すように、凹部411が、屈曲部221に隣接して配置されている。なお、いずれの実施形態に係る凹部411においても、絶縁本体部410のZ方向全域ではなく、Z方向の一部に形成されている。
ここで、溶融樹脂の這い上がりがストレート部231を越えて屈曲部221に達すると、応力集中によるバスバ損傷のおそれが高くなる。よって、溶融樹脂が屈曲部221に達していないことが望ましい。図6の例で言うと、ストレート部231と屈曲部221とを繋ぐ湾曲部分に溶融樹脂が達していないことが望ましい。
しかしながら、隙間S1が極めて狭い場合においては、凹部411が屈曲部221から離間して配置されていると、溶融樹脂が凹部411を乗り越えて上記湾曲部分に達することが懸念される。
この点を鑑みると、本実施形態では凹部411が屈曲部221に隣接して配置されているので、溶融樹脂が上記湾曲部分に達する懸念を軽減できる。
(第3実施形態)
本実施形態では、図8に示すように、正極バスバ200に対向する凹部411に加え、負極バスバ300に対向する凹部411Aも絶縁部材400に形成されている。
なお、凹部411が正極側凹部に相当し、凹部411Aが負極側凹部に相当する。正極バスバ200は、屈曲部221が屈曲する側において凹部411に対向するバスバに相当する。負極バスバ300は、屈曲部331が屈曲する側の反対側において凹部411Aに対向するバスバに相当する。
正極側凹部および負極側凹部は、絶縁部材400の板面に対して垂直な方向(Y方向)から見て、異なる領域に形成されている。具体的には、両凹部は、Z方向において異なる領域に形成されている(図8参照)。両凹部は、Y方向から見て重複しないように配置されている。
図8に示す例では、凹部411が、凹部411Aよりも界面601に近い側に位置している。なお、凹部411Aが、凹部411よりも界面601に近い側に位置していてもよい。
以上により、本実施形態によれば、凹部411、411Aは、絶縁部材400のうち正極バスバ200に対向する部分、および負極バスバ300に対向する部分の両方に形成されている。そのため、上述した這い上がりを抑制して露出長さLaを長くすることを、両バスバに対して実現できる。よって、両バスバに対して、境界部分にかかる応力を緩和できる。
さらに本実施形態では、正極側凹部および負極側凹部は、絶縁部材400の板面に対して垂直な方向(Y方向)から見て異なる領域に形成されている。そのため、絶縁部材400のうち凹部により板厚が薄くなる部分について、両方の凹部により薄くなることが回避される。よって、両面に凹部を形成しつつも、絶縁部材400の強度不足を抑制できる。
(第4実施形態)
上記第1実施形態では、絶縁部材400のうち凹部411の縁部を形成するエッジ部分412は直角である。これに対し本実施形態では、図9に示すように、エッジ部分413は鋭角である。また、エッジ部分413は、凹部411に対向するバスバつまり正極バスバ200に向けて突出する形状である。エッジ部分413は、Y方向から見て、凹部411を取り囲む環状に形成されている。エッジ部分413は、絶縁部材400を樹脂成形する際に形成されるバリであり、そのバリを除去せずに利用されたものである。
これによれば、エッジ部分413は、凹部411に対向するバスバに向けて突出する形状である。そのため、這い上がってきた溶融樹脂がエッジ部分413で堰き止められやすくなる。よって、上述した這い上がりを抑制して露出長さLaを長くすることを、促進できる。
(第5実施形態)
上記各実施形態では、溶融樹脂の這い上がりを抑制する機能を有した凹部411、411Aが、絶縁部材400に形成されている。これに対し本実施形態では、図10に示すように、上記機能を有したバスバ凹部230、330が、正極バスバ200および負極バスバ300に形成されている。なお、絶縁部材400の凹部411、411Aは廃止されている。
バスバ凹部230、330はプレス成型されている。凹部230、330は、Y方向から見て矩形形状である。バスバ凹部230、330は、複数の屈曲部221毎に対応して設けられている。複数のバスバ凹部230、330は、X方向に1列に並べて配置されている。X方向におけるバスバ凹部230、330の中心位置は、X方向における屈曲部221の中心位置と一致する。X方向における正極バスバ200のバスバ凹部230の中心位置は、負極バスバ300のバスバ凹部330の中心位置と一致する。また、バスバ凹部230、330の幅寸法は、バスバの屈曲部221、331の幅寸法より大きい。
バスバ凹部230、330の一部には封止樹脂材600が充填され、バスバ凹部230、330の一部は封止樹脂材600から露出している。第1樹脂材610の界面611、612のうち、バスバ凹部230内における界面611は、バスバ凹部230外における界面612よりも、Z方向において外樹脂材の界面601に近い側に位置する。第2樹脂材620の界面621、622のうち、バスバ凹部330内における界面621は、バスバ凹部330外における界面622よりも、Z方向において外樹脂材の界面601に近い側に位置する。第1樹脂材610の界面611、612と、第2樹脂材620の界面621、622とは、Z方向において同じ位置にある。
以上により、本実施形態によっても、上述した這い上がりを抑制して露出長さLaを長くすることを、両バスバに対して実現できる。よって、両バスバに対して、境界部分にかかる応力を緩和できる。
(他の実施形態)
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。たとえば、開示は、実施形態において示された要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものと解されるべきである。
上記各実施形態では、バスバ200、300は、ストレート部231、321と屈曲部221、331を有した形状である。これに対し、バスバ200、300は、屈曲部221、331を廃止したストレート形状であってもよい。
上記第1実施形態では、凹部411に対向するバスバは、屈曲側において凹部411に対向しているバスバ、つまり正極バスバ200である。これに対し、凹部に対向するバスバは、屈曲側の反対側において凹部に対向しているバスバ、つまり負極バスバ300であってもよい。
上記第1実施形態では、凹部411の幅寸法L1は、正極バスバ200の屈曲部221の幅寸法L2より大きい。これに対し、凹部411の幅寸法L1は屈曲部221の幅寸法L2と同じであってもよい。或いは、凹部411の幅寸法L1は屈曲部221の幅寸法L2より小さくてもよい。
上記第3実施形態では、両凹部は、Y方向から見て重複しないように配置されている。これに対し、両凹部は、Y方向から見て部分的に重複するように配置されていてもよい。
上記各実施形態では、コンデンサユニット10が備えるコンデンサ100は、コンバータ回路により昇圧された直流電流を平滑化する平滑コンデンサである。これに対し、ノイズを除去するフィルタコンデンサであってもよい。
上記各実施形態では、コンデンサユニット10は、車両に搭載された電動モータに取り付けられていても良い。この場合、コンデンサユニット10のケース500が、電動モータのケースにボルトや溶接で固定されていればよい。或いは、コンデンサユニット10のケース500が、電動モータのケースと金属で一体に成形されていてもよい。
上記第1実施形態では、ボルトを用いて両バスバ200、300に外部導電部材が固定されている。これに対し、上記ボルトに替えて溶接で固定されていてもよい。
100 コンデンサ、 111 正電極、 112 負電極、 200 正極バスバ、 221 屈曲部、 230 バスバ凹部、 231 ストレート部、 300 負極バスバ、 330 バスバ凹部、 400 絶縁部材、 411 凹部、 411 正極側凹部、 411A 凹部、 411A 負極側凹部、 412、413 エッジ部分、 600 封止樹脂材、 L1、L2 幅寸法。

Claims (11)

  1. 正電極(111)および負電極(112)を有するコンデンサ(100)と、
    前記正電極に接合された正極バスバ(200)と、
    前記負電極に接合された負極バスバ(300)と、
    前記正極バスバおよび前記負極バスバの一部とともに前記コンデンサを封止する封止樹脂材(600)と、
    前記正極バスバと前記負極バスバの間に配置される絶縁部材(400)と、
    を備え、
    前記絶縁部材のうち前記正極バスバに対向する部分、および、前記絶縁部材のうち前記負極バスバに対向する部分の少なくとも一方には、対向するバスバから離間する向きに凹む凹部(411、411A)が形成されており、
    前記凹部の少なくとも一部は、前記封止樹脂材から露出しているコンデンサユニット。
  2. 前記凹部に対向するバスバは、前記封止樹脂材の界面から前記封止樹脂材の外へ直線状に延びるストレート部(231)と、前記ストレート部の延出端から屈曲する屈曲部(221)と、を有し、
    前記凹部は、前記ストレート部に対向している請求項1に記載のコンデンサユニット。
  3. 前記凹部に対向するバスバは、前記屈曲部が屈曲する側において前記凹部に対向している請求項2に記載のコンデンサユニット。
  4. 前記凹部は、前記屈曲部に隣接して配置されている請求項2または3に記載のコンデンサユニット。
  5. 前記凹部の幅寸法(L1)は、前記凹部に対向するバスバの幅寸法(L2)より大きい請求項1〜4のいずれか1つに記載のコンデンサユニット。
  6. 前記絶縁部材のうち前記凹部の縁部を形成するエッジ部分(412、413)は、直角または鋭角である請求項1〜5のいずれか1つに記載のコンデンサユニット。
  7. 前記エッジ部分は、前記凹部に対向するバスバに向けて突出する形状である請求項6に記載のコンデンサユニット。
  8. 前記凹部は、前記絶縁部材のうち前記正極バスバに対向する部分、および前記負極バスバに対向する部分の両方に形成されている請求項1〜7のいずれか1つに記載のコンデンサユニット。
  9. 前記正極バスバに対向する部分に形成されている前記凹部を正極側凹部(411)、前記負極バスバに対向する部分に形成されている前記凹部を負極側凹部(411A)とし、
    前記絶縁部材は、一方の板面に前記正極側凹部が形成され、他方の板面に前記負極側凹部が形成された板形状であり、
    前記正極側凹部および前記負極側凹部は、前記絶縁部材の板面に対して垂直な方向から見て異なる領域に形成されている請求項8に記載のコンデンサユニット。
  10. 前記正極バスバのうち前記正電極の反対側端部、および前記負極バスバのうち前記負電極の反対側端部は、ボルトまたは溶接で外部導電部材に固定されている請求項1〜9のいずれか1つに記載のコンデンサユニット。
  11. 正電極(111)および負電極(112)を有するコンデンサ(100)と、
    前記正電極に接合された正極バスバ(200)と、
    前記負電極に接合された負極バスバ(300)と、
    前記正極バスバおよび前記負極バスバの一部とともに前記コンデンサを封止する封止樹脂材(600)と、
    前記正極バスバと前記負極バスバの間に配置される絶縁部材(400)と、
    を備え、
    前記正極バスバまたは前記負極バスバのうち前記絶縁部材に対向する部分には、前記絶縁部材から離間する向きに凹むバスバ凹部(230、330)が形成されており、
    前記バスバ凹部の少なくとも一部は、前記封止樹脂材から露出しているコンデンサユニット。
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