JP7153538B2 - パワー半導体モジュール、電力変換装置およびパワー半導体モジュールの製造方法 - Google Patents
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Description
従来のパワー半導体モジュールとして、半導体素子を挟持する一対の導体の上下に配線板を配し、配線板の上下面に放熱用のフィンを有する放熱部材を配置して、上下の放熱部材をボルト等の締結部材を用いて固定する構造が知られている。しかし、この構造は、締結部材による組付けに時間を要し、また、締結部材の緩み等により水密構造の信頼性に欠けるという課題がある。
一方、半導体素子に接続された導電層を有する基板を、一対の冷却ハウジングプレートを溶接シームにより接合して冷却プレートを形成するパワー半導体モジュールが知られている。このパワー半導体モジュールでは、半導体素子および基板の冷却プレート側と反対側の面は露出されており、水密構造とはなっていない(例えば、特許文献1参照)。
図面において示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
図1は、本発明のパワー半導体モジュールの第1の実施形態の断面図である。
以下の説明において、X方向、Y方向(X方向に直交する方向)およびZ方向を図示の通りとする。
パワー半導体モジュール1000は、樹脂7により内部の電子部品を封止した樹脂パッケージである半導体装置300および一対の固定部材106、206を備えている。
半導体装置300は、ほぼ直方体形状、換言すれば、Z方向から見た平面視でほぼ矩形形状を有し、樹脂7から外方に突出する複数の入出力端子3を有する。半導体装置300の厚さ方向(Z方向)の上下には、一対の放熱部材(第1ベース)103、203が接合されている。各放熱部材103、203には、厚さ方向に延在する複数の放熱用のフィン104、204が設けられている。
なお、一つの半導体素子を、複数の半導体素子の集合体として構成してもよい。
第3導体202および第4導体202aは絶縁部材201にろう付け等により一体に形成されている。
絶縁部材101、201として、例えば、AlN(窒化アルミニウム)セラミック基板を用いることができる。
なお、図示はしないが、入出力端子3は、正極端子、負極端子、交流出力端子および複数の制御用端子等を含んでおり、これら複数の端子がY方向に間隔をおいて配列されている。
なお、固定部材106と固定部材206は、図示しない冷却ケーシングの一部を構成する。冷却ケーシングは、水等の液体冷媒の冷媒流入口と冷媒流出口とを備えており、冷却ケーシング内部に冷媒の流路を有する流路形成体を構成している。従って、パワー半導体モジュール1000は冷却ケーシング内を流通する冷媒で冷却される。
なお、接地電位である第4導体202aは、パワー半導体モジュール1000をキャパシタケース600(図11参照)等に組付けて電力変換装置とした状態で、固定部材206を介して接地電位となるが、パワー半導体モジュール1000の状態では、固定部材206とは絶縁されている。
固定部材106と放熱部材103との接合部8は、第1導体102の外周の外側に配置されている。換言すれば、固定部材106と放熱部材103との接合部8は、平面視で第1導体102とは重ならない位置に設けられている。固定部材206と放熱部材203との接合部も同様である。
この構成による効果を、以下の比較例を示す図面を参照して説明する。
図4(a)は、レーザ溶接のレーザ出力が大きい場合や、レーザの走査速度が遅い場合に発生する課題を示すための図である。固定部材206と放熱部材203の接合部8へのレーザによる入射エネルギが大きすぎると、固定部材206と放熱部材203が溶融されるばかりでなく、絶縁部材201および第3導体202も溶融される。このため、放熱部材203と第3導体202が図4(a)に示すショート領域9でショートするリスクが高まる。図示はしないが、固定部材106と放熱部材103との接合についても同様であり、固定部材106と放熱部材103の接合部8へのレーザによる入射エネルギが大きすぎると、固定部材106と放熱部材103が溶融されるばかりでなく、絶縁部材101および第1導体102も溶融され、放熱部材103と第1導体102がショートするリスクが高まる。
また、図4(b)に示すようなブローホールが発生すると、ブローホールに高い電界がかかり、部分放電が発生し、絶縁部材101、201を徐々に劣化させる。ブローホールにかかる電界は、接合部8と、第1導体102または第3導体202間との距離が小さい程、大きくなる。
予め、絶縁部材101の上面に第1導体102および第2導体102aを、また、下面に、放熱用のフィン104が形成された放熱部材103を、例えば、ろう付け等により一体に形成しておく。第1導体102および第2導体102aを形成するには、絶縁部材101の上面全体に導体を形成し、フォトリソグラフィ技術等を用いて、所定パターンの第1導体102および第2導体102aを形成する。また、放熱用のフィン104は、放熱部材103に溶接等により接合する。
絶縁部材101としては、AlNセラミック(窒化アルミニウム)基板を用いることができる。また、第1導体102、第2導体102aおよび放熱部材103の材料としては、アルミニウムを用いることができる。
図2(b)を参照して、図2(a)に続く製造工程を説明する。予め、絶縁部材201の下面に第3導体202を、絶縁部材201の上面に、放熱用のフィン204が形成された放熱部材203を、例えば、ろう付け等により一体に形成しておく。そして、絶縁部材201が一体に形成された第3導体202を、スペーサ205上およびスペーサ6上に、はんだ等の接合材4により接合する。図2(b)は、ここまでの製造工程で形成された封止前のパワー半導体モジュール中間体を示す。
同様に、放熱部材203の上面に固定部材206を位置決めして、放熱部材203の外周縁と固定部材206の内周縁が重なる領域にレーザを照射して、放熱部材203と固定部材206とを金属溶融接合する。
これにより、図1に図示されるパワー半導体モジュール1000が得られる。
図2(a)、(b)に示される手順により、図1に図示されるパワー半導体モジュール1000を、下記の条件で作製した。
絶縁部材101、102を、板厚0.635mmのAlNセラミック基板を用いて形成した。第1~第4導体102、102a、202、202aは、厚さ0.4mmのアルミニウム材により形成した。樹脂7による封止は、トランスファーモールドにより行った。固定部材106、206は、厚さ1.5mmのアルミニウム板により形成した。固定部材106、206と放熱部材103、203との接合は、レーザ溶接により行った。
レーザ溶接の条件は、レーザ出力1700W、走査速度8m/minとした。
実施例1とは、レーザ溶接の条件のみを変え、他の条件はすべて同一として実施例2のパワー半導体モジュール1000を作製した。
実施例2のレーザ溶接の条件は、レーザ出力1700W、走査速度6m/minとした。
図5は、比較例のパワー半導体モジュールの断面図である。
比較例として、図5に図示するパワー半導体モジュール1000Rを作製した。
比較例のパワー半導体モジュール1000Rは、図1に図示するパワー半導体モジュール1000に対し、固定部材106と放熱部材103との接合部8が、第1導体102と、平面視で重なる領域に設けられており、固定部材206と放熱部材203との接合部8が、第3導体202と、平面視で重なる領域に設けられている点で相違する。
比較例のパワー半導体モジュール1000Rの他の構成は、すべて図1に示す第1の実施形態のパワー半導体モジュール1000と同様である。
実施例1とは、レーザ溶接の条件のみを変え、他の条件はすべて同一として比較例1、比較例2および比較例3のパワー半導体モジュール1000Rを作製した。
比較例1のレーザ溶接の条件は、レーザ出力1700W、走査速度10m/minとした。
[比較例2]
比較例2のレーザ溶接の条件は、レーザ出力1700W、走査速度8m/minとした。
[比較例3]
比較例3のレーザ溶接の条件は、レーザ出力1700W、走査速度6m/minとした。
(1)接合状態の検査
パワー半導体モジュール1000、1000R完成後に、放熱部材(第1ベース)103と固定部材(第2ベース)106との接合状態を、接続部の断面を切断し、観察することにより実施した。
放熱部材103と、能動素子1の全端子および第1導体102とは、電気的に絶縁されていなければならない。必要な耐電圧が確保できているかを確認するため、耐電圧試験を実施した。
耐電圧試験は、能動素子1およびダイオード2との入出力端子3の全ての端子を同電位となるように短絡し、全端子と放熱部材103との間にAC電圧5kvrmsを1分間印加し、耐電圧が確保できているかを確認した。
固定部材106と放熱部材103とを溶接する際、絶縁部材101と放熱部材103との界面付近にブローホールが形成され、電圧印加時にブローホールへの電界が高くなると部分放電が発生する。パワー半導体モジュール1000の絶縁信頼性を確保するには、部分放電の発生を防止する必要がある。部分放電の発生を評価するために部分放電試験を実施した。
部分放電試験は、能動素子1およびダイオード2との入出力端子3の全ての端子を同電位となるように短絡し、全端子と放熱部材103との間にAC電圧0Vrmsを印加し、徐々に電圧を5kVrmsまで上昇させ、5kVrmsで1分間保持し、電圧印加時の最大放電電荷量を測定した。
(1)接合状態の検査結果
比較例1では、部分的に固定部材106と放熱部材103とが接合されていない部分が観察された。これは、比較例1では、走査速度が、他のいずれの実施例および比較例よりも速い10m/minであったため、入熱が小さく、接合されない部分が残ったと考えられる。
これに対し比較例2、3および実施例1、2では、観察範囲内全体に亘って、固定部材106と放熱部材103との接合は良好であった。
(耐電圧試験)
耐電圧試験の結果、比較例1と2、および実施例1、2では、5kVrmsで1分間、絶縁破壊することはなく、耐電圧試験はクリアした。しかし、比較例3では、放熱部材103と固定部材106とが電気的にショートしており、耐電圧試験は満足できなかった。
部分放電試験の結果、比較例1および実施例1、2では、部分放電の最大放電電荷量は検出限界の1pC以下であった。これに対し、比較例2では、部分放電の最大放電電荷量100pCを検出した。比較例2では、固定部材106と放熱部材103の接続は良好になされていたが、観察を実施しなかった部分でブローホールが形成され、その部分で部分放電が発生した可能性がある。また比較例3では、耐電圧試験で説明したとおり、放熱部材103と固定部材106とがショートされており、電圧を印加することができなかった。
以上の試験の結果、総合判定は、図6にも示されている通り、比較例1~3は、いずれかの試験においてNGであった。これに対し、実施例1、2では、すべての試験結果が良好であった。これにより、本実施形態による効果を確認することができた。
(1)パワー半導体モジュール1000は、能動素子(半導体素子)1と、一方側の面に能動素子1が電気的に接続され、接地電位以外の電位を有する第1導体102と、第1導体102の、能動素子1が設けられた一方側の面とは反対側の他方側の面に設けられた絶縁部材101と、絶縁部材101の、第1導体102が設けられた一方側の面とは反対側の他方側の面に設けられ、金属材料により形成された放熱部材(第1ベース)103と、半導体素子1と第1導体102と絶縁部材101との外周側面を封止する樹脂7と、を備えた半導体装置300と、第1ベース103と接合部8において金属溶融により接合され、金属材料により形成された固定部材(第2ベース)106と、を備え、第1ベース103と第2ベース106とを接合する接合部8は、平面視で、第1導体102とは重ならない位置に設けられている。このため、固定部材106と放熱部材103との接合強度が向上すると共に電気的なショートが抑制され、また、ブローホール発生に起因する絶縁部材101の劣化を抑制することができ、固定部材106と放熱部材103との接合の信頼性を向上することができる。また、固定部材106と放熱部材103との組付けを、ボルト等の締結部材を用いずに行うことができるので、部品点数が削減され、かつ、組付け作業が容易となるのでコストダウンを図ることができる。
図3は、本発明のパワー半導体モジュールの第2の実施形態の断面図である。
第2の実施形態のパワー半導体モジュール1000は、固定部材107、207が、放熱用のフィン104、204を覆うカバー部107a、207aを有する点で、第1の実施形態とは相違する。
固定部材107、207のカバー部107a、207aは、放熱部材103、203に接合される接合部8の内周側近傍から放熱用のフィン104、204の先端部に向かって、内周側に向けて傾斜する傾斜状に延出され、すべての放熱用のフィン104、204の上部を覆っている。図3では、固定部材107、207のカバー部107a、207aの内面が放熱用のフィン104、204の先端面に接触する構造として例示されている。しかし、固定部材107、207のカバー部107a、207aの内面と放熱用のフィン104、204の先端面との間に隙間が設けられた構造としてもよい。
第2の実施形態の他の構成は、第1の実施形態と同様であり、対応する部材に同一の符号を付して説明を省略する。
従って、第2の実施形態においても。第1の実施形態の効果(1)、(2)を奏する。
実施例1とは、レーザ溶接の条件のみを変え、他の条件はすべて同一として、図3に示される構造のパワー半導体モジュール1000を作製した。
実施例3の、レーザ溶接の条件は、レーザ出力1700W、走査速度8m/minとした。
実施例1とは、レーザ溶接の条件のみを変え、他の条件はすべて同一として、図3に示される構造のパワー半導体モジュール1000を作製した。
実施例4の、レーザ溶接の条件は、レーザ出力1700W、走査速度6m/minとした。
図6を参照して明らかな通り、(1)接合状態の検査結果は、実施例3、4でも、実施例1、2と同様、良好であった。
また、(2)耐電圧試験結果は、実施例1、2と同様、5kVrmsで1分間、絶縁破壊することはなかった。
さらに、(3)部分放電試験結果、実施例1、2と同様、部分放電の最大放電電荷量は検出限界の1pC以下であった。
従って、試験結果の総合判定は、実施例3、4は、実施例1、2と同様、すべての試験結果が良好であり、これにより、第2の実施形態による効果を確認することができた。
図7は、本発明のパワー半導体モジュールの第3の実施形態の断面図である。
第3の実施形態のパワー半導体モジュール1000では、絶縁部材101上に設けられた第1導体102の外周に第5導体108が設けられ、入出力端子3の第5導体108に対応する領域に、凹部31が設けられた構造を有する。
第5導体108は、第1導体102とは絶縁されている。第5導体108は、接地電位に接続された接地導体であるか、あるいは能動素子1およびダイオード2とは電気的に接続されていない、すなわち、絶縁された導体(浮き導体)である。浮き導体は、絶縁部材101、第1導体102、第2導体102aおよび放熱部材103から構成される配線板が強度的に弱い領域や変形しやすい領域に補強用として設けられる導体である。
第3の実施形態においても、接合部8は、平面視で、第1導体102とは重ならない位置に設けられている。
従って、第3の実施形態においても。第1の実施形態の効果(1)、(2)を奏する。
図8は、本発明のパワー半導体モジュールの第4の実施形態の断面図である。
第4の実施形態のパワー半導体モジュール1000は、第1の実施形態(図1参照)に示されている厚さ方向(Z方向)上方の第3導体202、第4導体202a、絶縁部材201および放熱用のフィン204を有する放熱部材203を備えていない。また、第4の実施形態のパワー半導体モジュール1000は、放熱部材203を備えていないので、放熱部材203に接合される固定部材206も備えていない。
すなわち、第4の実施形態のパワー半導体モジュール1000では、能動素子1およびダイオード2の+Z方向の表面側は、樹脂7で封止されているだけである。
第4の実施形態の上記以外の構成は、第1の実施形態と同様であり、接合部8は、平面視で、第1導体102とは重ならない位置に設けられている。
従って、第4の実施形態においても、第1の実施形態の効果(1)を奏する。
図9は、本発明のパワー半導体モジュールの第5の実施形態の断面図である。
第5の実施形態のパワー半導体モジュール1000は、第2の実施形態(図3参照)に示されている厚さ方向(Z方向)上方の第3導体202、第4導体202a、絶縁部材201および放熱用のフィン204を有する放熱部材203を備えていない。また、第5の実施形態のパワー半導体モジュール1000は、放熱部材203を備えていないので、放熱部材203に接合される固定部材207も備えていない。
すなわち、第5の実施形態のパワー半導体モジュール1000では、能動素子1およびダイオード2の+Z方向の表面側は、樹脂7で封止されているだけである。
第5の実施形態の上記以外の構成は、第2の実施形態と同様であり、接合部8は、平面視で、第1導体102とは重ならない位置に設けられている。
従って、第5の実施形態においても、第1の実施形態の効果(1)を奏する。
図10は、本発明のパワー半導体モジュールの第6の実施形態の断面図である。
第6の実施形態のパワー半導体モジュール1000は、第1の実施形態に示されている半導体装置300を複数個(図10では、3個として図示されている)備えている。固定部材106、206は、隣接する各半導体装置300の放熱部材103,203に、接合部8で接合されている。なお、図10は、図1に示すパワー半導体モジュール1000の断面とは、直交する方向の断面を示す図であり、入出力端子3は図示されていないが、第1の実施形態と同様、接合部8は、平面視で、第1導体102とは重ならない位置に設けられている。固定部材106と固定部材206は、図示しない冷却ケーシングの一部を構成する。冷却ケーシングは、水等の液体冷媒の冷媒流入口と冷媒流出口とを備えており、冷却ケーシング内部に冷媒の流路を有する流路形成体を構成している。したがって、パワー半導体モジュール1000は冷却ケーシング内を流通する冷媒で冷却される。
従って、第6の実施形態においても、第1の実施形態の効果(1)、(2)を奏する。
また、図10では、第1の実施形態に示す複数個の半導体装置300を固定部材106、206により連結したパワー半導体モジュール1000として例示した。しかし、第2~第5の実施形態に示す半導体装置300に対しても、同様に、複数個の半導体装置300を固定部材106(107)、206(207)または固定部材106により連結したパワー半導体モジュールとすることができる。
図11は、本発明のパワー半導体モジュールを有する電力変換装置の断面図である。
電力変換装置2000は、パワー半導体モジュール1000と、制御基板500と、キャパシタケース600とを備えている。
パワー半導体モジュール1000は、図3に図示された半導体装置300と固定部材107、207とを有する。キャパシタケース600の内部には、複数個(図11では、2個として図示されている)のキャパシタ601が収納されている。図11では、パワー半導体モジュール1000は、1個のみが図示されているが、3個のパワー半導体モジュール1000を備えるようにしてもよい。各パワー半導体モジュール1000を構成する半導体装置300は、それぞれ、上述した通り、能動素子1およびダイオード2により構成される上アーム回路および下アーム回路を内蔵しており、3個の半導体装置300を並列接続して三相インバータ回路を構成することができる。
図11に図示されるように、接合部8は、平面視で、第1導体102とは重ならない位置に設けられている。
このように、第2の実施形態に示されたパワー半導体モジュール1000を用いて、電力変換装置2000を構成することが可能である。
なお、図11では、第2の実施形態に示されたパワー半導体モジュール1000を用いた電力変換装置2000として例示した。しかし、第1、第3~第6の実施形態に示されたパワー半導体モジュール1000を用いて電力変換装置2000を構成することもできる。
2 ダイオード(半導体素子)
3 入出力端子
7 樹脂
8 接合部
9 ショート領域
10 ブローホール
31 凹部
101、201 絶縁部材
102 第1導体
102a 第2導体
202 第3導体
202a 第4導体
103 放熱部材(第1ベース)
104、204 放熱用のフィン
106、107 固定部材(第2ベース)
107a カバー部
108 第5導体
202 第3導体
203 放熱部材
206、207 固定部材
207a カバー部
300 半導体装置
1000 パワー半導体モジュール
2000 電力変換装置
Claims (12)
- 半導体素子と、
一方側の面に前記半導体素子が電気的に接続され、接地電位以外の電位を有する第1導体と、
前記第1導体の、前記半導体素子が設けられた前記一方側の面とは反対側の他方側の面に設けられた絶縁部材と、
前記絶縁部材の、前記第1導体が設けられた前記一方側の面とは反対側の他方側の面に設けられ、金属材料により形成された第1ベースと、
前記半導体素子と前記第1導体と前記絶縁部材との外周側面を封止する樹脂と、を備えた半導体装置と、
前記第1ベースと接合部において金属溶融により接合され、金属材料により形成された第2ベースと、を備え、
前記絶縁部材の前記一方側の面には前記第1導体が接合されるとともに、前記他方側の面には前記第1ベースが接合されることで、前記第1導体および前記第1ベースはそれぞれ前記絶縁部材と一体に形成され、
前記第1ベースは、平面視で前記絶縁部材と重なるとともに前記樹脂の表面から露出した表面領域において、前記第2ベースと金属溶融により接合され、
前記第1ベースと前記第2ベースとを接合する前記接合部は、平面視で、前記第1導体とは重ならない位置に設けられているパワー半導体モジュール。 - 請求項1に記載のパワー半導体モジュールにおいて、
前記半導体装置は、前記絶縁部材の前記半導体素子側に設けられ、前記第1導体とは電気的に絶縁された第2導体をさらに備えるパワー半導体モジュール。 - 請求項1に記載のパワー半導体モジュールにおいて、
前記半導体装置は、さらに、前記半導体素子の前記一方側の面と反対側の他面側に配置された別の絶縁部材と、
前記別の絶縁部材の前記半導体素子側とは反対側に配置された、金属材料により形成された別の第1ベースと、を備え、
前記別の第1ベースと接合部において金属溶融により接合された、金属材料により形成された別の第2ベースと、をさらに備えるパワー半導体モジュール。 - 請求項3に記載のパワー半導体モジュールにおいて、
前記別の絶縁部材の前記半導体素子側に設けられた第3導体をさらに備えるパワー半導体モジュール。 - 請求項1に記載のパワー半導体モジュールにおいて、
前記半導体装置は、
前記絶縁部材の前記半導体素子側に設けられ、前記第1導体とは電気的に絶縁された別の導体と、
前記別の導体に対応する領域に凹部が形成された入出力端子と、をさらに備えるパワー半導体モジュール。 - 請求項5に記載のパワー半導体モジュールにおいて、
前記別の導体は、接地電位を有する接地導体、または前記半導体素子とは電気的に絶縁された浮き導体であるパワー半導体モジュール。 - 請求項1に記載のパワー半導体モジュールにおいて、
前記第1ベースは、放熱用のフィンを有するパワー半導体モジュール。 - 請求項7に記載のパワー半導体モジュールにおいて、
前記第2ベースは、前記放熱用のフィンを覆うカバー部を有するパワー半導体モジュール。 - 請求項1から8までのいずれか一項に記載のパワー半導体モジュールにおいて、
前記半導体装置を複数個、備え、
前記第2ベースは、隣接する前記半導体装置を連結する部材であるパワー半導体モジュール。 - 請求項9に記載のパワー半導体モジュールにおいて、前記第2ベースは、前記半導体装置を冷却するための冷却用流路を有するパワー半導体モジュール。
- 請求項9または10に記載のパワー半導体モジュールを有する電力変換装置。
- 請求項1から10までのいずれか一項に記載のパワー半導体モジュールを製造する方法において、
前記第1ベースと前記第2ベースとをレーザ溶接により接合するパワー半導体モジュールの製造方法。
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