血液採取ウィンドウ。個々の反転性能が、血液採取ウィンドウ全体にわたって示されている。示されている反転:IBP4/SHBG;VTNC/VTDB;IBP4/SHBG;VTNC/SHBG;IBP4/SHBG;CATD/SHBG;PSG2/ITIH4;CHL1/ITIH4;PSG2/C1QB;PSG2/FBLN3;HEMO/IBP6;HEMO/PTGDS。
GABDの発見症例、裏付け症例、および検証症例。
妊娠中のタンパク質発現。種々のタンパク質は、公知のタンパク質挙動、および早産の影響を受けないタンパク質/経路を知ることに基づいて分析することができる。図3は、妊娠中の妊娠関連タンパク質の発現を示す。こうしたタンパク質とそれらのネットワークは、示されている妊娠期間では早産病理の影響を受けていない。
妊娠中のタンパク質発現。図4は、胎盤特異的成長ホルモンに関する、図3に示されているグラフの拡大版を示す。
妊娠中のタンパク質病理。インスリン様成長因子結合タンパク質4(IBP4)は、血液採取ウィンドウ19〜21週では、少なくとも10%過剰発現されていた。性ホルモン結合グロブリン(SHBG)は、血液採取ウィンドウ19〜21週では、少なくとも10%過少発現されていた。
裏付け選択基準。図6には、臨床的におよび分析的にロバストな高性能の早産検査を実施するための基準が記載されている。
モンテカルロ相互検証(MCVV)。MCCVは、分類器(classifier)が、同じ集団から採取された独立サンプルセットでどの程度良好な性能を示すかを推定する保守的な方法である(例えば、PAPR)。
[IBP4]/[SHBG CHL1 CLUS]の分析。CHL1およびCLUSは、IBP4/SHBGのみに対して0.03だけ性能を増加させた。
検出力および標本サイズ分析。検出力および標本サイズ分析は、研究が、標本数および性能推定の閾値において帰無仮説(AUC=0.5)を棄却するための十分な検出力があるかどうかの可能性を予測する。
妊娠時計および出産までの時間。妊娠中に増加するが、PTB症例および対照では違いがない複数の分析物を使用して、妊娠日数を生化学的に決定することができる。生化学日数決定は、最終月経の日付による日数決定または超音波日数決定の確認に、または後にsPTBリスク、TTB、もしくはGAB予測を決定する前に有用であり得る。
分類器開発。図11は、分類器を開発するための基準を示す。
発見アッセイでの経路網羅範囲。図12は、経路毎のタンパク質の分布を示す。
発見データのPCAは、血液採取ウィンドウ全体にわたって変更を検出し、したがってこの高度多重アッセイが妊娠期間に感受性であることを示す。
発見試料中で測定されたタンパク質の階層的クラスタリング。
より大きなクラスター内の胎盤特異的タンパク質ブランチ。右パネルには、Thompsonにより特定された、妊娠中に発現される遺伝子のモジュールが列挙されており、左のパネルには、発見血清プロテオミクスアッセイが、このモジュールの関連発現を再現することが示されている(Thompsonら、Genome Res.、12巻(10号):1517〜1522頁(2002年))。
調節異常タンパク質PreTRM(商標)試料。
強調された性ホルモン結合グロブリン(SHGB)生物学。SHBGは、胎盤細胞で発現される(右)。SHBGは、胎盤胎児区画における遊離テストステロンおよびエストロゲンレベルのレベルを制御することに関与する場合がある(左)。
IBP4、IGF2、PAPP−A、およびPRG2の相互作用。IBP4は、IGF2の負の制御因子である。IBP4は、PAPPA媒介性タンパク質分解によりIGF2から放出される。低レベルのPAPPAは、IUGRおよびPEに関与するとされている。高レベルのIBP4は、IGF2の活性抑制を示す。PTB症例は、PAPPA、PRG2のレベルを抑制し、IBP4のレベルを上昇させる。
インスリン様成長因子結合タンパク質4(IBP4)。IBP4は、PTB症例では上方制御される。IGF2は、妊娠初期ではEVTの増殖、分化、および侵入を刺激する。IGF活性は、正常な胎盤形成および胎児成長に不可欠である。IBP4は、母体−胎児インターフェースでのIGF2活性の自己分泌および傍分泌制御を媒介する。細胞栄養芽層により発現されるIGF2の活性は、脱落膜細胞により生成されるIBPによりバランスが保たれる。妊娠1期でのIBP4上昇およびIGF2低下は、胎盤機能不全と相関した(例えば、IUGR/SGA)。
IBP4、SHBG、およびCHL1についてのMS対ELISA相関性。主要分析物の質量分析およびELISAは、良好な一致を示した。2つの直交性プラットフォームで一致が得られることにより、分析物測定の信頼性が保証される。
19〜21週のGABDからの発見試料中のIBP4/SHBGによるPTB分類。妊娠19〜21週の発見試料をBMIの高低により分類した。IBP4/SHBG反転値は、SHBG値がより低かったため、高BMIカテゴリーでより高い。症例および対照の分離は、より低いBMIでより大きい。
低BMIのPTB症例でのSHBGレベル抑制。GABD全体にわたるPAPR対象のSHBG血清レベルの線形フィッティング。SHBGレベルは、高BMIにより抑制される。SHBGレベルは、妊娠全体にわたって増加する。低BMIのPTB症例は、妊娠全体にわたって加速度的に増加するSHBGレベルを低下させた。
図23には、PAPRの研究対象の分布が要約されている。
図24は、BMI階層化検証試料セットを分類するための、IBP4/SHBG予測因子を使用したROC曲線および対応するAUC値を示す。
図25は、予測因子スコアの関数としての、臨床リスクの尺度である有病率調整陽性予測値(PPV)を示す。予測因子スコアとPPVとの間に関連性があることが計算されることにより、任意の未知対象のsPTBリスクの確率を決定することが可能になる。リスク曲線グラフ下の最上部(紫色)の直線は、<35 0/7週のGABに対応し、最上部から2番目の直線(赤色)は、35 0/7〜37 0/7/週のGABに対応し、3番目の直線(緑色)は、37 0/7〜39 0/7/週のGABに対応し、最上部から4番目の直線(青色)は、39 0/7週≦GABのGABに対応する。
図26は、カプランマイヤー分析での事象としての高リスク群および低リスク群の出産割合を表示する。高リスクおよび低リスクは、図25のデータによるsPTBの平均集団リスク(=14.6%)の2倍超またはそれ未満の相対リスクと定義した。
図27は、至適BMIおよびGA区間内での盲検裏付けおよび検証分析からの対象の組合せを使用した、予測因子性能に対応するROC曲線を示す。組合せ試料のROC曲線は、0.72のAUROCに対応する(p=0.013)。
図28は、44個のタンパク質が、重複する3週GA区間で上方または下方のいずれかで制御され、分析フィルターを通過したことを示す。
図29は、全体的な上位高性能反転IBP4/SHBGが、19 0/7から21 6/7までの区間では、AUROC=0.74を有したことを示す。
図30は、2,000回のブートストラップ反復から得られた平均AUROCが0.76だったことを示す。裏付け試料の盲検IBP4/SHBG AUROC性能は、全対象およびBMI階層化対象で、それぞれ0.77および0.79だった。これは、発見で得られた性能と良好な一致を示した。盲検裏付けの後、発見および裏付け試料を、ブートストラップ性能決定のために組み合わせた。
図31は、MS対ELISAスコア値により導出されたsPTB症例対対照の分離を示す。
図32は、BMIを限定しないイムノアッセイ対MS ROC分析を示す。
図33は、BMIが22よりも大きく、37未満または37と等しい場合の、イムノアッセイ対MS ROC分析を示す。
図34は、BMI階層化対象(左パネル)および全対象(右パネル)の、MSおよびELISAで導出したGABD133〜146内のIBP4/SHBGスコア値間の相関性を示す。
図35は、対照および症例(BMI階層化)のELISAおよびMS分離を示す。
図36は、対照および症例(全BMI)のElisaおよびMS分離を示す。
図37は、Abbott社製Architect CMIA、半自動イムノアッセイ機を用いた、ならびに試料の免疫枯渇、酵素消化、およびAgilent6490質量分析計での分析を含むSera Prognosticsのプロテオミクス分析法によるSHBG測定値の比較を示す。
図38は、Roche社製cobas e602分析機、半自動イムノアッセイ機を用いた、ならびに試料の免疫枯渇、酵素消化、およびAgilent6490質量分析計での分析を含むSera Prognosticsのプロテオミクス分析法によるSHBG測定値の比較を示す。
図39は、Abbott社製Architect CMIAおよびRoche社製cobas e602分析機、両半自動イムノアッセイ機によるSHBG測定値の比較を示す。
図40は、IBP4タンパク質の最長アイソフォームのドメインおよび構造特徴を示す(Uniprot:P22692)。IBP4 QCHPALDGQR(aa、214〜223)ペプチドは、チログロブリン1型ドメイン内に位置する。IBP4は、残基125に単一のN連結グリコシル化部位を有する。
図41は、2つのIBP4アイソフォームのQCHPALDGQRペプチドの位置を強調して示す。
図42は、SHBGタンパク質の最長アイソフォームのドメインおよび構造特徴を示す(Uniprot:P04278)。SHBG IALGGLLFPASNLR(aa、170〜183)ペプチドは、最初のラミンG様ドメインに位置する。SHBGは、3つのグリコシル化部位を有する;残基380および396の2つのN連結部位;残基36の1つのO連結部位である。
図43は、SHBGの7つのアイソフォーム内のエキソン4のIALGGLLFPASNLRペプチドの位置を強調して示す。
図44は、血液採取時妊娠期間(GABD)全体にわたるsPTB症例および満期対照のIBP4レベルの平均応答比を別々に示す。横断的発見データは、10日間のウィンドウをスライドさせて平滑化することにより分析した。症例対対照シグナルは、およそ最大10%差異に相当する。
図45は、血液採取時妊娠期間(GABD)全体にわたるsPTB症例および満期対照のSHBGレベルの平均応答比を別々に示す。横断的発見データは、10日間のウィンドウをスライドさせて平滑化することにより分析した。症例対対照シグナルは、およそ最大10%差異に相当する。
図46は、血液採取時妊娠期間(GABD)全体にわたるsPTB症例および満期対照のIBP4/SHBG予測因子スコアを別々に示す。横断的発見データは、10日間のウィンドウをスライドさせて平滑化することにより分析した。2つの曲線間の最大差異は、個々の分析物のシグナルのおよそ10%の差異と比較して、ほぼ20%の差異に相当する(図45および図46)。これらデータは、IBP4/SHBG反転戦略を使用することにより、得られる診断シグナルが増幅されることを示す。
図47は、多数の異なる反転の形成の結果としての診断シグナルの増幅を示す。反転の形成による診断シグナルの増幅が一般的なものか否かを調査するため、本発明者らは、ROC分析により多数の異なるタンパク質で形成される反転の診断性能を検討した。妊娠19/0週〜21/6週で収集された試料に由来するデータセットを使用したAUC値(sPTB症例対満期対照)の範囲が上段パネルに示されている。隣接するボックスプロットは、関連する反転を形成するために使用された個々の上方制御および下方制御されたタンパク質のROC性能の範囲を示す。同様に、下段パネルは、反転のウィルコクソン検定(sPTB症例対満期対照)から導出されたp値が、対応する個々のタンパク質のものよりも有意であることを示す。
図48は、個々のIBP4およびSHBG応答比の測定値および対応する反転スコア計算値の分析的変動係数(CV)を示す。生物学的な変動性のない妊娠ドナーに由来するプールした対照血清試料(pHGS)を、複数のバッチで数日にわたって分析した。反転変動性は、個々のタンパク質で変動性未満である。これらデータは、試料の実験室処理中に生じる分析変動性の反転対照の形成を示す。分析的変動性は、生物学的な現象ではない。
図49は、多数の反転およびそれらの個々の上方および下方制御されたタンパク質の分析的CVを示す。反転の形成による診断シグナルの増幅が一般的なものか否かを調査するために、本発明者らは、多数のタンパク質の比により形成された高性能の反転(AUC>0.6)のROC性能(AUC)を検討した。妊娠19/0週〜21/6週で収集された試料に由来するデータセットを使用したAUC値(sPTB症例対満期対照)の範囲が上段パネルに示されている。隣接するボックスプロットは、関連する反転を形成するために使用された個々の上方制御および下方制御されたタンパク質のROC性能の範囲を示す。同様に、反転のウィルコクソン検定(sPTB症例対満期対照)から導出されたp値は、対応する個々のタンパク質のものよりも有意である。
図50は、他の徴候と比較した、子癇前症であると医学的に示されたと注釈されている対象のPreTRM(商標)スコア比較を示す。
図51は、検証試料セット(BMI>22<=37)のIBP4/SHBG予測因子性能のメトリックの表を示す。異なる境界を使用して対照(カットオフ超)から症例(カットオフ未満)を規定するため、予測因子感度、特異性、ROC曲線下面積(AUC)、およびオッズ比を決定した。
図52は、糖尿病注釈での反転強度ヒートマップを示す。赤色の矢印は糖尿病症例を示す。試料は、下部に列挙されており、スクリーンの右側がPTB症例であり、左側が満期出産である。糖尿病患者は、右側にクラスター化されており、妊娠糖尿病を予測するためのバイオマーカーから診断検査を構築することが可能であることを示す。
図53は、分析物応答比の階層的クラスタリングを示す。
図54は、細胞外マトリックス相互作用で機能する発現の異なるタンパク質を示す。
図55は、18週で最大の分離を示す、IGF−2経路で機能する発現の異なるタンパク質の動態プロットを示す。
図56Aは、sPTBにおける、これらタンパク質の生物学的利用能に影響を及ぼすIGF−2、IBP4、PAPP1、およびPRG2タンパク質間の相互作用の模式図を示す。図56Bは、IR−Bに結合するインスリンにより、ならびにIR−AまたはIGF1Rのいずれかに結合するインスリンおよびIGFにより、優先的に活性化される細胞内シグナルの模式図を示す。
図57は、代謝ホルモンバランスに関する機能を有する、発現の異なるタンパク質の動態プロットを示す。
図58は、血管新生に関する機能を有する、発現の異なるタンパク質の動態プロットを示す。
図59は、自然免疫に関する機能を有する、発現の異なるタンパク質の動態プロットを示す。
図60は、凝固に関する機能を有する、発現の異なるタンパク質の動態プロットを示す。
図61は、発現の異なる血清/分泌タンパク質の動態プロットを示す。
図62は、発現の異なるPSG/IBPの動態プロットを示す。
図63は、発現の異なるECM/細胞表面タンパク質の動態プロットを示す。
図64は、発現の異なる補体/急性期タンパク質−1の動態プロットを示す。
図65は、発現の異なる補体/急性期タンパク質−2の動態プロットを示す。
図66は、発現の異なる補体/急性期タンパク質−3の動態プロットを示す。
図67は、発現の異なる補体/急性期タンパク質−4の動態プロットを示す。
図68は、17週0日から28週6日までの血液採取時妊娠期間(GABD)のデータを用いた、パネルA〜Iに指定されている分析物の動態プロットを示す。
図69は、17週0日から28週6日までのGABDのデータを用いた、パネルA〜Iに指定されている分析物の動態プロットを示す。
図70は、17週0日から28週6日までのGABDのデータを用いた、パネルA〜Iに指定されている分析物の動態プロットを示す。
図71は、17週0日から28週6日までのGABDのデータを用いた、パネルA〜Iに指定されている分析物の動態プロットを示す。
図72は、17週0日から28週6日までのGABDのデータを用いた、パネルA〜Iに指定されている分析物の動態プロットを示す。
図73は、17週0日から28週6日までのGABDのデータを用いた、パネルA〜Iに指定されている分析物の動態プロットを示す。
図74は、17週0日から28週6日までのGABDのデータを用いた、パネルA〜Iに指定されている分析物の動態プロットを示す。
図75は、17週0日から28週6日までのGABDのデータを用いた、パネルA〜Iに指定されている分析物の動態プロットを示す。
図76は、17週0日から28週6日までのGABDのデータを用いた、パネルA〜Iに指定されている分析物の動態プロットを示す。
図77は、17週0日から28週6日までのGABDのデータを用いた、パネルA〜Iに指定されている分析物の動態プロットを示す。
図78は、17週0日から28週6日までのGABDのデータを用いた、パネルA〜Iに指定されている分析物の動態プロットを示す。
図79は、17週0日から28週6日までのGABDのデータを用いた、パネルA〜Iに指定されている分析物の動態プロットを示す。
図80は、17週0日から28週6日までのGABDのデータを用いた、パネルA〜Iに指定されている分析物の動態プロットを示す。
図81は、17週0日から28週6日までのGABDのデータを用いた、パネルA〜Iに指定されている分析物の動態プロットを示す。
図82は、17週0日から28週6日までのデータを用いた、パネルA〜Iに指定されている分析物の動態プロットを示す。
図83は、17週0日から28週6日までのGABDのデータを用いた、パネルA〜Iに指定されている分析物の動態プロットを示す。
図84は、17週0日から28週6日までのGABDのデータを用いた、パネルA〜Iに指定されている分析物の動態プロットを示す。
図85は、17週0日から28週6日までのGABDのデータを用いた、パネルA〜Gに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
図86は、<37 0/7週対>=37 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Iに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
図87は、<37 0/7週対>=37 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Iに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
図88は、<37 0/7週対>=37 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Iに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
図89は、<37 0/7週対>=37 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Iに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
図90は、<37 0/7週対>=37 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Iに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
図91は、<37 0/7週対>=37 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Iに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
図92は、<37 0/7週対>=37 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Iに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
図93は、<37 0/7週対>=37 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Iに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
図94は、<37 0/7週対>=37 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Iに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
図95は、<37 0/7週対>=37 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Cに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
図96は、<35 0/7週対>=35 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Iに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
図97は、<35 0/7週対>=35 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Iに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
図98は、<35 0/7週対>=35 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Iに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
図99は、<35 0/7週対>=35 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Iに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
図100は、<35 0/7週対>=35 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Iに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
図101は、<35 0/7週対>=35 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Iに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
図102は、<35 0/7週対>=35 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Iに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
図103は、<35 0/7週対>=35 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Iに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
図104は、<35 0/7週対>=35 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Iに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
図105は、<35 0/7週対>=35 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Cに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
図106は、sPTB症例および対照のIBP4およびSHBGレベルならびにIBP4/SHBG反転値を別々に示す。
図107は、市販ELISAキットおよびMS−MRMによるMSD結果の相関性を示す。
図108は、PPROMを伴わない19〜20週の早期陣痛(PTL)で良好な性能を有する反転の例を示すボックスプロットを提供する。
図109は、19〜20週の予定日前の早期破水(PPROM)で良好な性能を有する反転の例を示すボックスプロットを提供する。
図109は、19〜20週の予定日前の早期破水(PPROM)で良好な性能を有する反転の例を示すボックスプロットを提供する。
図110は、<37 0/7妊娠週対>=37 0/7妊娠週のカットオフを使用した、sPTBの予測因子スコア(ln IBP4/SHBG)と有病率調整相対リスク(陽性予測値)との関係性を示すリスク曲線である。リスク曲線グラフ下の最上部の直線(紫色)は、sPTB(GAB<35週)に対応し、最上部から2番目の直線(赤色)は、sPTB(35≦GAB<37週)に対応し、3番目の直線(緑色)は、TERM(37≦GAB<39週)に対応し、最上部から4番目の直線(青色)は、TERM(39週≦GAB)に対応する。
図111は、<35 0/7妊娠週対>=35 0/7妊娠週のカットオフを使用した、sPTBの予測因子スコア(ln IBP4/SHBG)と有病率調整相対リスク(陽性予測値)との関係性を示すリスク曲線である。リスク曲線グラフ下の最上部の直線(紫色)は、sPTB(GAB<35週)に対応し、最上部から2番目の直線(赤色)は、sPTB(35≦GAB<37週)に対応し、3番目の直線(緑色)は、TERM(37≦GAB<39週)に対応し、最上部から4番目の直線(青色)は、TERM(39週≦GAB)に対応する。
(詳細な説明)
本開示は、概して、妊娠女性から得られた生物学的試料中のあるタンパク質およびペプチドが、対照と比べて早産のリスク増加を示す妊娠女性では発現が異なるという発見に基づく。本開示は、さらに特に、本明細書で開示されているバイオマーカーの対の反転値を、妊娠女性の早産確率を高感度および高特異性で決定するための方法に使用することができるという予期しない発見に部分的に基づく。成分比および/または反転対として本明細書中で開示されているタンパク質およびペプチドは、個々に、比で、反転対で、またはバイオマーカー/反転対のパネルのいずれかにより、試験試料を分類するための、早産確率を予測するための、満期出産の確率を予測するための、出産時妊娠期間(GAB)を予測するための、出産までの時間(TTB)を予測するための、および/またはPTBリスクのある妊娠女性の予防療法の進行をモニタリングするためのバイオマーカーとしての役割を果たす。反転値は、下方制御されたバイオマーカーの相対的ピーク面積に対する上方制御されたバイオマーカーの相対的ピーク面積の比であり、変動性の標準化および診断シグナル増幅の両方の役割を果たす。本発明は、部分的には、一緒に対にすると、反転値に基づいて早産確率を予測することができる特定のバイオマーカーの選択にある。したがって、本発明の根底にあるのは、新規性のある反転にて対にすると有益な情報をもたらす特定のバイオマーカーの選択におけるヒトの独創性である。
用語「反転値」は、下方制御された分析物の相対的ピーク面積に対する上方制御された分析物の相対的ピーク面積の比を指し、変動性の標準化および診断シグナル増幅の両方の役割を果たす。狭域ウィンドウ内のあらゆる考え得る反転の中から、個々の単変量性能に基づいてサブセットを選択することができる。本明細書に開示されているように、本明細書では反転値と呼ばれる、下方制御されたバイオマーカーの相対的ピーク面積に対する上方制御されたバイオマーカーの相対的ピーク面積の比を使用して、ロバストで正確な分類器(classifier)を特定し、早産確率を予測し、満期出産の確率を予測し、出産時妊娠期間(GAB)を予測し、出産までの時間を予測し、および/または妊娠女性の予防療法の進行をモニタリングすることができる。したがって、本発明は、部分的には、PTBと非PTBとの間で反転値の変化を示す、バイオマーカー対の相対的発現が反転するバイオマーカー対を特定することに基づく。本明細書で開示されている方法でバイオマーカーの比を使用することにより、妊娠女性から生物学的試料を取り出した後の人為的操作の結果である変動性が補正させる。そのような変動性は、例えば、試料に存在するバイオマーカーの測定に使用される方法の試料収集中、処理中、枯渇中、消化中、または任意の他のステップで導入される可能性があり、バイオマーカーが自然界においてどのように挙動するかとは無関係である。したがって、本発明は、概して、変動性を低減するための、および/または診断シグナルを増幅、標準化、もしくは明瞭化するための、診断または予後の方法における反転対の使用を包含する。
用語「反転値」は、下方制御された分析物の相対的ピーク面積に対する上方制御された分析物の相対的ピーク面積の比を指し、変動性の標準化および診断シグナル増幅の両方の役割を果たすが、本発明のバイオマーカーの対は、任意の他の手段、例えば相対的ピーク面積の減算、加算、または乗算により測定することができることも企図される。本明細書で開示されている方法は、そのような他の手段によるバイオマーカー対の測定を包含する。
本方法は、データ標準化に依存せず、過剰フィッティングの回避を支援し、診療所で簡単に実施される非常に単純な実験検査をもたらす、考え得る最も単純な分類器を提供するため有利である。データ標準化に依存しない反転値の変化に基づくマーカー対の使用は、本明細書で開示されている臨床関連バイオマーカーの開発を可能にした。任意の単一のタンパク質の定量化は、測定変動性、通常の流動性、および基線発現の個々の関連するばらつきにより引き起こされる不確実性の影響下にあるため、協調的および系統的な調節下にあり得るマーカーの対を特定することにより、個別化された診断および予後のロバストな方法が可能になる。
本開示は、妊娠女性の早産確率を決定するためのバイオマーカー反転対および反転対の関連パネル、方法、およびキットを提供する。本開示の1つの主要な利点は、早産の発症リスクを妊娠初期に評価することができることであり、早期出産を防止するための適当なモニタリングおよび臨床管理を適宜開始することができる。本発明は、早産についての任意のリスク因子を欠いており、本来ならば、特定および処置されない女性に特に有益である。
例として、本開示は、早産を予測する反転値の変化を示すことが特定されたバイオマーカー対の相対的発現に関する定量データを少なくとも含む、試料に関連するデータセットを得ること、およびこのデータセットを、データセットを使用して妊娠女性の早産確率を決定するのに有用な結果を生成する分析プロセスに入力することにより、妊娠女性の早産確率を決定するのに有用な結果を生成するための方法を含む。以下にさらに記載する通り、定量的データは、アミノ酸、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、ヌクレオチド、核酸、ヌクレオシド、糖、脂肪酸、ステロイド、代謝物、炭水化物、脂質、ホルモン、抗体、生物学的高分子のためのサロゲートとしての役割を果たす目的の領域、およびそれらの組合せを含むことができる。
例えば、公共のデータベース、配列、または参考文献における受託番号により、本開示において特定された特定のバイオマーカーに加えて、本発明では、また、現在公知である、または後に発見される、本発明の方法のための有用性を有する例示の配列と少なくとも90%または少なくとも95%または少なくとも97%同一であるバイオマーカー変異体の使用が検討される。これらの変異体は、多型、スプライス変異体、突然変異などを示しうる。この点において、本明細書は、本発明の文脈において、複数の当技術分野において公知のタンパク質を開示し、1つまたは複数の公的データベースならびにこれらの当技術分野において公知のタンパク質に関連する公開された雑誌論文への例示的な参考文献に関連付けられた例示的な受託番号を提供する。しかし、当業者は、開示されたバイオマーカーの追加の特徴を提供できる、追加の受託番号および雑誌記事を簡単に特定でき、例示の参照は、開示されたバイオマーカーに関して決して限定的ではないことを理解する。本明細書に記載される通り、種々の技術および試薬では、本発明の方法における使用が見出される。本発明の文脈における適切な試料は、例えば、血液、血漿、血清、羊水、膣分泌物、唾液、および尿を含む。一部の実施形態において、生物学的試料は、全血、血漿、および血清からなる群から選択される。特定の実施形態において、生物学的試料は血清である。本明細書において記載する通り、バイオマーカーは、当技術分野において公知の種々のアッセイおよび技術を介して検出することができる。本明細書においてさらに記載される通り、そのようなアッセイは、非限定的に、質量分析(MS)ベースのアッセイ、抗体ベースのアッセイならびに両者の側面を組み合わせたアッセイを含む。
本明細書に記述されている反転対の成分であるタンパク質バイオマーカーとしては、例えば、インスリン様成長因子結合タンパク質4(IBP4)、性ホルモン結合グロブリン(SHBG)、ビトロネクチン(VTNC)、群特異成分(ビタミンD結合タンパク質)(VTDB)、カテプシンD(リソソームアスパルチルプロテアーゼ)(CATD)、妊娠特異的ベータ−1−糖タンパク質2(PSG2)、インターアルファ−トリプシンインヒビター重鎖ファミリーメンバー4(ITIH4)、細胞接着分子L1様(CHL1)、補体成分1、QサブコンポーネントB鎖(C1QB)、フィビュリン3(FBLN3)、ヘモペキシン(HEMOまたはHPX)、インスリン様成長因子結合タンパク質6(IBP6)、プロスタグランジンD2シンターゼ21kDa(PTGDS)が挙げられる。
一部の実施形態では、本発明は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、図1を含む添付の図面および表のいずれかに列挙されている対を含む群から選択される、バイオマーカーの少なくとも1対の反転値を測定することを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、IBP4/SHBG、VTNC/VTDB、VTNC/SHBG、CATD/SHBG、PSG2/ITIH4、CHL1/ITIH4、PSG2/ITIH4、CHL1/ITIH4、PSG2/C1QB、PSG2/FBLN3、HPX/IBP4、HPX/PTGDSからなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも1対の反転値を測定して、妊娠女性の早産確率を決定することを含む方法を提供する。
本発明は、表26に示されている群から選択される単離されたバイオマーカーを提供する。本発明のバイオマーカーは、妊娠女性の早産リスクを予測することができる。一部の実施形態では、単離されたバイオマーカーは、IBP4、SHBG、VTNC、VTDB、CATD、PSG2、ITIH4、CHL1、C1QB、FBLN3、HPX、およびPTGDSからなる群から選択される。一部の実施形態では、単離されたバイオマーカーは、IBP4、SHBG、PSG3、LYAM1、IGF2、CLUS、IBP3、INHBC、PSG2、PEDF、CD14、およびAPOC3からなる群から選択される。
本発明は、表26に示されている群から選択される単離されたバイオマーカーの代用ペプチドを提供する。一部の実施形態では、単離されたバイオマーカーの代用ペプチドは、表26に示されている代用ペプチドの群から選択される。本発明のバイオマーカーおよびそれらの代用ペプチドは、妊娠女性の早産リスクを予測するための方法に使用することができる。一部の実施形態では、代用ペプチドは、IBP4、SHBG、VTNC、VTDB、CATD、PSG2、ITIH4、CHL1、C1QB、FBLN3、HPX、およびPTGDSからなる群から選択される単離されたバイオマーカーに対応する。一部の実施形態では、代用ペプチドは、IBP4、SHBG、PSG3、LYAM1、IGF2、CLUS、IBP3、INHBC、PSG2、PEDF、CD14、およびAPOC3からなる群から選択される単離されたバイオマーカーに対応する。
本発明は、表26に示されている群から選択される代用ペプチドに対応する安定同位体標識標準ペプチド(SISペプチド)を提供する。本発明のバイオマーカー、それらの代用ペプチド、およびSISペプチドは、妊娠女性の早産リスクを予測するための方法に使用することができる。一部の実施形態では、SISペプチドは、IBP4、SHBG、VTNC、VTDB、CATD、PSG2、ITIH4、CHL1、C1QB、FBLN3、HPX、およびPTGDSからなる群から選択される単離されたバイオマーカーの代用ペプチドに対応する。一部の実施形態では、SISペプチドは、IBP4、SHBG、PSG3、LYAM1、IGF2、CLUS、IBP3、INHBC、PSG2、PEDF、CD14、およびAPOC3からなる群から選択される単離されたバイオマーカーの代用ペプチドに対応する。
一部の実施形態では、本発明は、満期対照と比較して早産リスクのある妊娠女性間で反転値の変化を示す単離されたバイオマーカーの対IBP4/SHBGを提供する。さらなる実施形態では、本発明は、満期対照と比較して早産リスクのある妊娠女性でより高い比を示す単離されたバイオマーカーの対IBP4/SHBGを提供する。
一部の実施形態では、本発明は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、IBP4/SHBG、VTNC/VTDB、VTNC/SHBG、およびCATD/SHBGからなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも1対の反転値を測定して、上記妊娠女性の早産確率を決定することを含む方法を提供する。追加の実施形態では、試料は、19〜21週のGABDで得られる。さらなる実施形態では、試料は、19〜22週のGABDで得られる。
一部の実施形態では、本発明は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、IBP4/SHBGの反転値を測定して、上記妊娠女性の早産確率を決定することを含む方法を提供する。追加の実施形態では、試料は、19〜21週のGABDで得られる。さらなる実施形態では、試料は、19〜22週のGABDで得られる。
一部の実施形態では、本発明は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、IBP4/SHBG、VTNC/VTDB、VTNC/SHBG、CATD/SHBG、PSG2/ITIH4、CHL1/ITIH4、PSG2/C1QB、PSG2/FBLN3、HPX/IBP4、およびHPX/PTGDSからなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも1対の反転値を測定して、上記妊娠女性の早産確率を決定することを含み、妊娠女性と満期対照との間に反転値の変化が存在することが、妊娠女性の早産確率を決定する方法を提供する。追加の実施形態では、試料は、19〜21週のGABDで得られる。さらなる実施形態では、試料は、19〜22週のGABDで得られる。
本発明の実施形態内には、妊娠女性の早産確率を決定するための反復方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、IBP4/SHBG、VTNC/VTDB、VTNC/SHBG、CATD/SHBG、PSG2/ITIH4、CHL1/ITIH4、PSG2/C1QB、PSG2/FBLN3、HPX/IBP4、HPX/PTGDSからなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも1対、および本明細書に記載および/または例示されているタンパク質から選択される、バイオマーカーの任意の他の対の反転値を測定して、上記妊娠女性の早産確率を決定することを含み、妊娠女性と満期対照との間に反転値の変化が存在することが、妊娠女性の早産確率を決定する反復方法が含まれる。本明細書に記載の方法の反復実施は、単一試料から得られるその後の測定値、ならびにその後の試料を測定のために取得することを含む。例えば、リスクスコアとして表すことができる妊娠女性の早産確率が、指定されている値を超えていると決定される場合、上記方法を、同じ試料の異なる反転対、またはその後の試料の同じもしくは異なる反転対を繰り返し使用して、sPTBのリスクをさらに階層化することができる。
特定のバイオマーカーに加えて、本開示は、さらに、例示の配列と約90%、約95%、または約97%同一であるバイオマーカー変異体を含む。変異体は、本明細書において使用される通り、多型、スプライス変異体、突然変異などを含む。反転値の変化は、タンパク質バイオマーカーを参照して説明されているが、バイオマーカーの対の、タンパク質発現レベルで特定してもよく、または遺伝子発現レベルで特定してもよい。
追加のマーカーは、母体の特徴、病歴、過去の妊娠歴、および産科歴を含むが、これらに限定されない1つまたは複数のリスク兆候から選択することができる。そのような追加のマーカーは、例えば、以前の低出生体重または早期出産、複数の妊娠第2期自然流産、以前の妊娠第1期人工流産、家族性および世代間要因、不妊歴、未産、胎盤異常、子宮頸部および子宮の異常、短い子宮頸長の測定値、妊娠出血、子宮内発育制限、子宮内ジエチルスチルベストロール曝露、多胎妊娠、幼児の性別、低身長、低い妊娠前体重、低または高ボディ・マス・インデックス、糖尿病、高血圧、泌尿生殖器感染症(即ち、尿路感染症)、喘息、不安および抑うつ、喘息、高血圧、甲状腺機能低下症を含みうる。早産についての人口統計学的なリスク兆候は、例えば、母体年齢、人種/民族、単一婚姻状況、低い社会経済的地位、母体年齢、雇用関連の身体活動、職業曝露および環境曝露、ならびにストレスを含みうる。さらなるリスク兆候は、不適切な胎教、喫煙、マリファナおよび他の違法薬物の使用、コカイン使用、アルコール消費、カフェイン摂取、母体の体重増加、食事摂取、妊娠後期の間での性的活動、および余暇の身体活動を含みうる(Preterm
Birth: Causes, Consequences, and Prevention、Institute of Medicine (US) Committee on Understanding Premature Birth and Assuring Healthy Outcomes;Behrman RE、Butler AS編 Washington (DC):National Academies Press (US);2007年)。マーカーとして有用な追加のリスク兆候は、当技術分野において公知の学習アルゴリズム、例えば線形判別分析、サポートベクターマシン分類、再帰的特徴排除、マイクロアレイの予測分析、ロジスティック回帰、CART、FlexTree、LART、ランダムフォレスト、MART、および/または生存分析回帰を使用して特定することができ、それらは、当業者に公知であり、本明細書にさらに記載されている。
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、その内容が他に明確に指示しない限り、複数の参照対象を含むことに留意しなければならない。このように、例えば、「バイオマーカー」への参照は、2個またはそれ超のバイオマーカーの混合物などを含む。
用語「約」は、特に所与の量を参照して、プラスまたはマイナス5パーセントの逸脱を包含することを意味する。
添付の特許請求の範囲を含めた本願において使用する場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、その内容が他に明確に指示しない限り、複数の参照対象を含み、「少なくとも1つ」および「1つまたは複数」と互換的に使用される。
本明細書において使用する場合、用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「含有する(contains)」、「含有する(containing)」およびそれらの任意の変化形は、非排他的な包含を対象とすることを意図しており、エレメントまたはエレメントのリストを含む(comprises)、含む(includes)、または含む(contains)プロセス、方法、プロダクト・バイ・プロセス、または組成物は、それらのエレメントのみを含むわけではなく、そのようなプロセス、方法、プロダクト・バイ・プロセス、または組成物に明らかに列挙されていない、またはそれらに固有ではない他のエレメントを含みうる。
本明細書において使用する場合、用語「パネル」は、1個または複数のバイオマーカーを含む組成物、例えばアレイまたはコレクションなどを指す。この用語は、また、本明細書において記載する1個または複数のバイオマーカーの発現パターンのプロファイルまたは指標を指しうる。バイオマーカーパネルのために有用なバイオマーカーの数は、バイオマーカー値の特定の組合せについての感度および特異度の値に基づく。
本明細書で使用される場合、別様の指示がない限り、用語「単離された」および「精製された」は、一般的に、その天然環境(例えば、それが自然に存在する場合は、自然環境)から取り出されており、したがって、構造、機能、および特性の少なくとも1つに関して著しく異なる特徴を有するように、その天然状態から人為的に変更されている組成物を記述する。単離されたタンパク質または核酸は、それが自然界に存在する様式とは異なっており、合成ペプチドおよびタンパク質を含む。
用語「バイオマーカー」は、生物学的分子、または生物学的分子の断片を指し、その変化および/または検出は、特定の身体条件または状態と相関しうる。用語「マーカー」および「バイオマーカー」は、本開示を通して互換的に使用される。例えば、本発明のバイオマーカーは、早産の増加した可能性と相関する。そのようなバイオマーカーは、任意の適切な分析物を含み、ヌクレオチド、核酸、ヌクレオシド、アミノ酸、糖、脂肪酸、ステロイド、代謝産物、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、炭水化物、脂質、ホルモン、抗体、生物学的高分子のためのサロゲートとしての役割を果たす目的の領域、およびそれらの組合せ(例えば、糖タンパク質、リボ核タンパク質、リポタンパク質)を含む生物学的分子を含むが、これらに限定されない。この用語は、また、生物学的分子の部分または断片、例えば、少なくとも5個の連続アミノ酸残基、少なくとも6個の連続アミノ酸残基、少なくとも7個の連続アミノ酸残基、少なくとも8個の連続アミノ酸残基、少なくとも9個の連続アミノ酸残基、少なくとも10個の連続アミノ酸残基、少なくとも11個の連続アミノ酸残基、少なくとも12個の連続アミノ酸残基、少なくとも13個の連続アミノ酸残基、少なくとも14個の連続アミノ酸残基、少なくとも15個の連続アミノ酸残基、少なくとも5個の連続アミノ酸残基、少なくとも16個の連続アミノ酸残基、少なくとも17個の連続アミノ酸残基、少なくとも18個の連続アミノ酸残基、少なくとも19個の連続アミノ酸残基、少なくとも20個の連続アミノ酸残基、少なくとも21個の連続アミノ酸残基、少なくとも22個の連続アミノ酸残基、少なくとも23個の連続アミノ酸残基、少なくとも24個の連続アミノ酸残基、少なくとも25個の連続アミノ酸残基、またはそれ超の連続アミノ酸残基を含むタンパク質またはポリペプチドのペプチド断片を包含する。
本明細書で使用される場合、用語「代用ペプチド」は、MRMアッセイ構成で目的のバイオマーカーを定量化するための代用物としての役割を果たすように選択されているペプチドを指す。代用ペプチドの定量化は、MRM検出技法と共に、安定同位体標識標準代用ペプチド(「SIS代用ペプチド」または「SISペプチド」)を使用すると、最も良好に達成される。代用ペプチドは合成であってもよい。例えば、アルギニンまたはリジンが、またはMRMアッセイの内部標準としての役割を果たすペプチドのC末端の任意の他のアミノ酸が重標識されたSIS代用ペプチドを合成することができる。SIS代用ペプチドは、天然に存在するペプチドではなく、その天然に存在する相当物と比較して著しく異なる構造および特性を有する。
一部の実施形態では、本発明は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、IBP4/SHBG、VTNC/VTDB、VTNC/SHBG、CATD/SHBG、PSG2/ITIH4、CHL1/ITIH4、PSG2/C1QB、PSG2/FBLN3、HPX/IBP4、HPX/PTGDSからなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも1対の比を測定して、上記妊娠女性の早産確率を決定することを含み、妊娠女性と満期対照との間に比の変化が存在することが、妊娠女性の早産確率を決定する方法を提供する。一部の実施形態では、比は、上方制御されたタンパク質を分子に含み、下方制御されたタンパク質を分母またはその両方に含んでいてもよい。例えば、本明細書で例示されているように、IBP4/SHBGは、分子の上方制御されたタンパク質および分母の下方制御されたタンパク質の比であり、本明細書では「反転」と定義されている。比が、上方制御されたタンパク質を分子に含むか、または下方制御されたタンパク質を分母に含む場合、調節されなかったタンパク質は、標準化役割を果たすだろう(例えば、分析前変動性または分析変動性を低減する)。比が「反転」である特定の場合、増幅および標準化の両方が可能である。本発明の方法は、反転のサブセットに制限されず、バイオマーカーの比も包含すると理解される。
本明細書で使用される場合、用語「反転」は、下方制御された分析物の測定値に対する上方制御された分析物の測定値の比を指す。一部の実施形態では、分析物値それ自体が、本明細書では応答比または相対比と呼ばれる、対応する安定同位体標準分析物のピーク面積の比に対する内因性分析物のピーク面積の比である。
本明細書で使用される場合、用語「反転対」は、比較されているクラス間の値の変化を示す、対をなすバイオマーカーを指す。タンパク質濃度または遺伝子発現レベルの反転を検出することにより、データ標準化または集団全体にわたる閾値確立の必要性が排除される。一部の実施形態では、反転対は、満期対照と比較して早産リスクのある妊娠女性間で反転値の変化を示す単離されたバイオマーカーの対IBP4/SHBGである。さらなる実施形態では、反転対IBP4/SHBGは、満期対照と比較して早産リスクのある妊娠女性でより高い比を示す。任意の反転対の定義内には、個々のバイオマーカーが分子と分母との間で交換されている対応する反転対が包含される。当業者であれば、そのような対応する反転対は、その予測力に関して等しく有益な情報をもたらすことを認識するだろう。
用語「反転値」は、下方制御された分析物の相対的ピーク面積に対する上方制御された分析物の相対的ピーク面積の比を指し、変動性の標準化および診断シグナル増幅の両方の役割を果たす。狭域ウィンドウ内のあらゆる考え得る反転の中から、個々の単変量性能に基づいてサブセットを選択することができる。本明細書に開示されているように、本明細書では反転値と呼ばれる、下方制御されたバイオマーカーの相対的ピーク面積に対する上方制御されたバイオマーカーの相対的ピーク面積の比を使用して、ロバストで正確な分類器を特定し、早産確率を予測し、満期出産の確率を予測し、出産時妊娠期間(GAB)を予測し、出産までの時間を予測し、および/または妊娠女性の予防療法の進行をモニタリングすることができる。
この反転法は、データ標準化に依存せず、過剰フィッティングの回避を支援し、診療所で簡単に実施される非常に単純な実験検査をもたらす、考え得る最も単純な分類器を提供するため有利である。本明細書に記載されているような、データ標準化に依存しない反転に基づくバイオマーカー対の使用は、臨床的に関連するPTBバイオマーカーを特定するための方法として、非常に高い能力を有する。任意の単一タンパク質の定量化は、測定変動性、通常の流動性、および基線発現の個々の関連するばらつきにより引き起こされる不確実性の影響下にあるため、協調的および系統的な調節下にあり得るマーカー対を特定することは、個別化された診断および予後のよりロバストな方法であることが証明されるはずである。
本発明は、IBP4/SHBG、VTNC/VTDB、VTNC/SHBG、CATD/SHBG、PSG2/ITIH4、CHL1/ITIH4、PSG2/C1QB、PSG2/FBLN3、HPX/IBP4、およびHPX/PTGDSからなる群から選択される、単離されたバイオマーカーの対を含む組成物であって、上記バイオマーカーの対が、早産リスクのある妊娠女性と満期対照との間で反転値の変化を示す組成物を提供する。一実施形態では、組成物は、上記バイオマーカーの各々に由来する代用ペプチドの安定同位体標識標準ペプチド(SISペプチド)を含む。
特定の実施形態では、本発明は、早産リスクのある妊娠女性と満期対照との間で反転値の変化を示す、IBP4およびSHBGからなる単離されたバイオマーカーの対を提供する。
IBP4は、インスリン様成長因子IGF1およびIGF2を負に制御するインスリン様成長因子結合タンパク質(IBP)のファミリーのメンバーである(Forbesら、Insulin-like growth factor I and II regulate the life cycle of trophoblast
in the developing human placenta.、Am J Physiol, Cell Physiol.、2008年;294巻(6号):C1313〜22頁)。IBP4は、合胞体栄養芽層(Crosleyら、IGFBP-4 and -5 are expressed in first-trimester villi and differentially regulate the migration of HTR-8/SVneo cells.、Reprod Biol Endocrinol.、2014年;12巻(1号):123頁)により発現され、絨毛外栄養芽層により発現される支配的なIBPである(Qiuら、Significance of IGFBP-4 in the development of fetal growth restriction.、J Clin Endocrinol Metab.、2012年;97巻(8号):E1429〜39頁)。妊娠初期の母体IBP4レベルは、満期妊娠と比較して、胎児発育遅延および子癇前症を併発した妊娠においてより高い。(Qiuら、
上記、2012年)
SHBGは、生物学的に活性な未結合ステロイドホルモンの利用能を制御する。Hammond GL.、Diverse roles for sex hormone-binding globulin in reproduction.、Biol Reprod.、2011年;85巻(3号):431〜41頁。血漿SHBGレベルは
、妊娠中に5〜10倍増加し(Anderson DC.、Sex-hormone-binding globulin.、Clin
Endocrinol (Oxf).、1974年;3巻(1号):69〜96頁)、胎盤栄養芽層細胞を含む肝外発現の証拠が存在する(Larreaら、Evidence that human placenta is a
site of sex hormone-binding globulin gene expression.、J Steroid Biochem Mol Biol.、1993年;46巻(4号):497〜505頁)。SHBGレベルは、生理学的に、トリグリセリドレベル、インスリンレベル、およびBMIと負に相関する(Simoら、Novel insights in SHBG regulation and clinical implications.、Trends Endocrinol Metab.、2015年;26巻(7号):376〜83頁)。SHB
Gレベルに対するBMIの影響は、部分には、BMI階層化による予測性能の向上を説明することができる。
羊水内感染症および炎症は、TNF−αおよびIL1−βを含む炎症促進性サイトカインのレベル増加を示すため、PTBと関連付けられている。(Mendelson CR. Minireview:fetal-maternal hormonal signaling in pregnancy and labor.、Mol Endocrinol.、2009年;23巻(7号):947〜54頁;Gomez-Lopezら、Immune cells
in term and preterm labor.、Cell Mol Immunol.、2014年;11巻(6号
):571〜81頁)。肝臓でのSHBG転写は、IL1−βおよびNF−kB媒介性TNF−αシグナル伝達(Simoら、Novel insights in SHBG regulation and clinical implications.、Trends Endocrinol Metab.、2015年;26巻(7号):37
6〜83頁)、正常および異常陣痛の開始に関与する経路(Lindstrom TM、Bennett PR.、The role of nuclear factor kappa B in human labour.、Reproduction.、2005年;130巻(5号):569〜81頁)により抑制される。sPTBの運命にある女性のSHBGレベルが低いことは、感染症および/または炎症の結果である可能性がある。したがって、SHBGは、上流の炎症性シグナルに応答した、胎盤胎児ユニットでのアンドロゲンおよびエストロゲン作用の制御に重要であり得る。
一実施形態では、本発明は、IBP4/SHBG、VTNC/VTDB、VTNC/SHBG、CATD/SHBG、PSG2/ITIH4、CHL1/ITIH4、PSG2/C1QB、PSG2/FBLN3、HPX/IBP4、およびHPX/PTGDSからなる群から選択される、バイオマーカーの対に対応する代用ペプチドの対を含む組成物であって、上記バイオマーカーの対が、早産リスクのある妊娠女性と満期対照との間で反転値の変化を示す組成物を提供する。
さらなる実施形態では、本発明は、IBP4/SHBG、VTNC/VTDB、VTNC/SHBG、CATD/SHBG、PSG2/ITIH4、CHL1/ITIH4、PSG2/C1QB、PSG2/FBLN3、HPX/IBP4、およびHPX/PTGDSからなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも2対のパネルであって、上記対が各々、早産リスクのある妊娠女性と満期対照との間で反転値の変化を示すパネルを提供する。
追加の実施形態では、本発明は、代用ペプチドの少なくとも2対のパネルであり、代用ペプチドの上記対が各々、IBP4/SHBG、VTNC/VTDB、VTNC/SHBG、CATD/SHBG、PSG2/ITIH4、CHL1/ITIH4、PSG2/C1QB、PSG2/FBLN3、HPX/IBP4、およびHPX/PTGDSからなる群から選択される、バイオマーカーの対に対応するパネルであって、上記対が各々、早産リスクのある妊娠女性と満期対照との間で反転値の変化を示すパネルを提供する。
一実施形態では、本発明は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、IBP4/SHBG、VTNC/VTDB、VTNC/SHBG、CATD/SHBG、PSG2/ITIH4、CHL1/ITIH4、PSG2/C1QB、PSG2/FBLN3、HPX/IBP4、およびHPX/PTGDSからなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも1対の反転値を測定して、妊娠女性の早産確率を決定することを含む方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、IBP4/SHBG、VTNC/VTDB、VTNC/SHBG、CATD/SHBG、PSG2/ITIH4、CHL1/ITIH4、PSG2/C1QB、PSG2/FBLN3、HPX/IBP4、およびHPX/PTGDSからなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも2対のパネルの反転値の変化を測定して、妊娠女性の早産確率を決定することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、反転値は、妊娠女性と満期対照との間に反転値の変化が存在することを明らかにし、妊娠女性の早産確率を示す。一部の実施形態では、測定ステップは、妊娠女性から得られた生物学的試料中のバイオマーカーの代用ペプチドを測定することを含む。
一実施形態では、本発明は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、妊娠女性の表1〜77および図1〜111のいずれかに列挙されているバイオマーカーからなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも1対の反転値を測定して、妊娠女性の早産確率を決定することを含む方法を提供する。
追加の実施形態では、本発明は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、妊娠女性の表27〜59、61〜72、76、および77に指定されているバイオマーカー対からなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも1対の反転値を測定して、妊娠女性の早産確率を決定することを含む方法を提供する。
さらなる実施形態では、本発明は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、妊娠女性の表26に列挙されているバイオマーカーからなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも1対の反転値を測定して、妊娠女性の早産確率を決定することを含む方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、妊娠女性の表1〜77および図1〜111のいずれかに指定されているバイオマーカー対からなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも2対のパネルの反転値の変化を測定して、妊娠女性の早産確率を決定することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、反転値は、妊娠女性と満期対照との間に反転値の変化が存在することを明らかにし、妊娠女性の早産確率を示す。一部の実施形態では、測定ステップは、妊娠女性から得られた生物学的試料中のバイオマーカーの代用ペプチドを測定することを含む。
別の実施形態では、本発明は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、妊娠女性の表27〜59、61〜72、76、および77に指定されているバイオマーカー対からなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも2対のパネルの反転値の変化を測定して、妊娠女性の早産確率を決定することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、反転値は、妊娠女性と満期対照との間に反転値の変化が存在することを明らかにし、妊娠女性の早産確率を示す。一部の実施形態では、測定ステップは、妊娠女性から得られた生物学的試料中のバイオマーカーの代用ペプチドを測定することを含む。
別の実施形態では、本発明は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、妊娠女性の表26に指定されているバイオマーカーからなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも2対のパネルの反転値の変化を測定して、妊娠女性の早産確率を決定することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、反転値は、妊娠女性と満期対照との間に反転値の変化が存在することを明らかにし、妊娠女性の早産確率を示す。一部の実施形態では、測定ステップは、妊娠女性から得られた生物学的試料中のバイオマーカーの代用ペプチドを測定することを含む。
出産までの時間を断定(predicate)することに向けられる方法については、「出産、
出生」は、破水を伴うまたは伴わない、陣痛の自然発症に続く出産を意味すると理解される。
妊娠女性において早産についての確率を決定する方法を参照して記載および例示したが、本開示は、出生時の妊娠期間(GAB)を予測する方法、満期出産を予測するための方法、妊娠女性において満期出産の確率を決定するための方法、ならびに妊娠女性において出産までの時間(TTB)を予測する方法に、同様に適用可能である。上記方法の各々が、母体−胎児の健康上の考慮事項に関する特定の実質的な有用性および利益を有することが、当業者には明らかであろう。
さらに、本開示は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法を参照して記載および例示されているが、同様に、異常グルコース検査、妊娠糖尿病、高血圧症、子癇前症、子宮内胎児発育遅延、死産、胎児発育遅延、HELLP症候群、羊水過少(oligohyramnios)、絨毛羊膜炎、絨毛羊膜炎、前置胎盤、癒着胎盤(placental acreta)、剥離、早期剥
離胎盤、胎盤出血、予定日前の早期破水、早期陣痛、不利な子宮頚部、過期妊娠、胆石症、子宮過膨張(uterine over distention)、ストレスを予測するための方法に応用可
能である。下記でより詳細に記載されているように、本明細書に記載の分類器は、例えば、子癇前症または妊娠糖尿病等の状態に基づいて医学的に示されたPTBの成分に感受性である。
一部の実施形態では、本開示は、ITIH4/CSHの使用により本明細書で例示されている、出産までの時間(TTB)の強力な予測因子であるバイオマーカー、バイオマーカー対、および/または反転を提供する(図10)。TTBは、GABDと出産時妊娠期間(GAB)との間の差として定義される。この発見は、個々にまたはそのような分析物の数学的な組合せのいずれかで、TTBまたはGABの予測を可能にする。症例対対照の差異を欠如するが、妊娠全体にわたって分析物強度の変化を示す分析物は、本発明の方法による妊娠時計に有用である。他の障害の早産の診断を行うことができない複数の分析物の較正を使用して、妊娠日数を決定することができる可能性がある。そのような妊娠時計は、別の測定による日数決定(例えば、最終月経および/または超音波による日数決定)を確認するために、または例えばsPTB、GAB、もしくはTTBを単独で事後におよびより正確に予測するために有用である。本明細書では「時計タンパク質」とも呼ばれるこうした分析物を、他の日数決定法を用いずにまたは他の日数決定法と共に使用して、妊娠日数を決定することができる。表60は、TTBおよびGABを予測するための本発明の妊娠時計に有用な時計タンパク質のリストを提供する。
追加の実施形態において、妊娠女性において早産についての確率を決定する方法は、さらに、早産に関連する1つまたは複数のリスク兆候についての測定可能な特徴を検出することを包含する。追加の実施形態において、リスク兆候は、以前の低出生体重または早期出産、複数の妊娠第2期自然流産、以前の妊娠第1期人工流産、家族性および世代間要因、不妊歴、未産、妊婦、初妊婦、経産婦、胎盤異常、子宮頸部および子宮の異常、妊娠出血、子宮内発育制限、子宮内ジエチルスチルベストロール曝露、多胎妊娠、幼児の性別、低身長、低い妊娠前体重、低または高ボディ・マス・インデックス、糖尿病、高血圧、および泌尿生殖器感染症からなる群から選択される。
「測定可能な特徴」は、対象において早産についての確率で決定することができ、それと相関させることができる任意の特徴、特徴、または態様である。この用語は、さらに、妊娠女性におけるGABの予測、満期出産の予測、または出産までの時間の予測との関連において決定することができ、それと相関させることができる任意の特徴、特徴、または態様を包含する。バイオマーカーについては、そのような測定可能な特徴は、例えば、生物学的試料におけるバイオマーカーまたはその断片の存在、非存在、もしくは濃度、変化した構造、例えば、翻訳後修飾の存在もしくは量、例えばバイオマーカーのアミノ酸配列上の1つまたは複数の位置での酸化など、または、例えば、出産予定日制御(term control)対象におけるバイオマーカーの立体構造と比較して変化した立体構造の存在、およ
び/または、1個を上回るバイオマーカーのプロファイルの一部としてのバイオマーカーの存在、量、もしくは変化した構造などを含みうる。
バイオマーカーに加えて、測定可能な特徴は、さらに、例えば、母体の特徴、年齢、人種、民族、病歴、過去の妊娠歴、産科歴、を含む、リスク兆候を含みうる。リスク兆候については、測定可能な特徴は、例えば、以前の低出生体重または早期出産、複数の妊娠第2期自然流産、以前の妊娠第1期人工流産、家族性および世代間要因、不妊歴、未産、胎盤異常、子宮頸部および子宮の異常、短い子宮頸長の測定値、妊娠出血、子宮内発育制限、子宮内ジエチルスチルベストロール曝露、多胎妊娠、幼児の性別、低身長、低い妊娠前体重/低ボディ・マス・インデックス、糖尿病、高血圧、泌尿生殖器感染症、甲状腺機能低下症、喘息、低学業成績、喫煙、薬物使用、およびアルコール消費を含みうる。
一部の実施形態では、本発明の方法は、体格指数(BMI)を算出することを含む。
一部の実施形態において、早産の確率を決定するための開示方法は、質量分析、捕捉剤、またはそれらの組合せを使用して1個または複数のバイオマーカーを検出および/または定量化することを包含する。
追加の実施形態において、妊娠女性において早産についての確率を決定する開示方法は、妊娠女性からの生物学的試料を用意する最初のステップを包含する。
一部の実施形態において、妊娠女性において早産についての確率を決定する開示方法は、医療提供者に確率を連絡することを包含する。GABを予測する開示方法、満期出産を予測するための方法、妊娠女性において満期出産の確率を決定するための方法、ならびに妊娠女性において出産までの時間を断定する方法は、同様に、医療提供者に確率を連絡することを包含する。上記の通り、妊娠女性において早産についての確率を決定することを参照して記載および例示したが、本開示を通して記載した全ての実施形態は、GABを予測する方法、満期出産を予測するための方法、妊娠女性において満期出産の確率を決定するための方法、ならびに妊娠女性において出産までの時間を断定する方法に、同様に適用可能である。具体的には、早産についての方法を明らかに参照した、本願を通して挙げられるバイオマーカーおよびパネルは、GABを予測するための方法、満期出産を予測するための方法、妊娠女性において満期出産の確率を決定するための方法、ならびに妊娠女性において出産までの時間を断定する方法において使用することもできる。上記方法の各々が、母体−胎児の健康上の考慮事項に関する特定の実質的な有用性および利益を有することが、当業者には明らかであろう。
追加の実施形態において、連絡によって、妊娠女性のために、その後の処置の決定を通知する。一部の実施形態において、妊娠女性において早産についての確率を決定する方法は、リスクスコアとして確率を表現する追加の特徴を包含する。
本明細書で開示されている方法では、妊娠女性の早産確率を決定することは、出産時妊娠期間が既知である早産妊娠および満期妊娠のコホートの群から選択される単離されたバイオマーカーの比を測定することにより確率/リスク指標を形成することを含む初期ステップを包含する。個々の妊娠の場合、妊娠女性の早産確率を決定することは、確率/リスク指標を生成する初期ステップで使用したものと同じ測定方法を使用して、単離されたバイオマーカーの比を測定すること、および測定したリスク指標の比を比較して、個々の妊娠の個別化リスクを導出することを包含する。一実施形態では、早産リスク指標は、出産時妊娠期間が記録されている早産妊娠および満期妊娠のコホートでIBP4/SHBGの比を測定することにより形成される。その後、臨床業務では、個々の妊娠でのIBP4/SHBGの測定された比を、指標群でIBP4/SHBGを導出したのと同じ単離および測定技法を使用して指標と比較して、早産リスクを導出する。
本明細書において使用する場合、用語「リスクスコア」は、妊娠女性から得られた生物学的試料中の1個または複数のバイオマーカーの量あるいは反転値を、妊娠女性のランダムプールから得られた生物学的試料から算出された1個または複数のバイオマーカーの平均量を表す標準スコアまたは基準スコアと比較することに基づいて割り当てることができるスコアを指す。一部の実施形態では、リスクスコアは、反転値、つまり個々のバイオマーカーの相対強度の比の対数として表される。当業者であれば、リスクスコアが、各種データ変換に基づいてならびに比自体として表すことができることを理解するだろう。さらに、特に反転対に関して、いかなる比は、分子および分母のバイオマーカーを交換しても同様に有用な情報をもたらすこと、または関連するデータ変換(例えば減算)が適用されることを、当業者であれば理解するだろう。バイオマーカーのレベルは妊娠を通して静的ではない可能性があるため、標準スコアまたは基準スコアは、試料が採取された時に妊娠女性のそれに対応する、妊娠時点について得られている必要がある。標準スコアまたは基準スコアを事前に決定し、予測モデル中に組み込むことができ、比較が、確率が対象について決定される毎に実際に実施するのではなく、間接的であるようにする。リスクスコアは、標準(例えば、番号)または閾値(例えば、グラフ上のライン)でありうる。リスクスコアの値は、妊娠女性のランダムプールから得られた生物学的試料から算出された1個または複数のバイオマーカーの平均量から上方または下方への逸脱と相関する。ある特定の実施形態において、リスクスコアが標準リスクスコアまたは基準リスクスコアよりも大きい場合、妊娠女性は、早産の増加した可能性を有する可能性がある。一部の実施形態において、妊娠女性のリスクスコアの大きさ、または基準リスクスコアを超える量は、その妊娠女性のリスクのレベルを示しうる、またはそれと相関しうる。
本明細書で例示されているように、PreTRM(商標)分類器は、IBP4ペプチドトランジション(QCHPALDGQR_394.5_475.2)およびSHBGペプチドトランジション(IALGGLLFPASNLR_481.3_657.4)のSIS標準化強度の自然対数であると定義される。スコア=ln(P1 n/P2 n)であり、式中P1 nおよびP2 nは、それぞれIBP4およびSHBGトランジションのSIS標準化ピーク面積値である。SIS標準化は、対応するSISピーク面積で除算された内因性ピーク面積の相対比として定義される。例えば、P1 n=P1 e/P1 SISであり、式中P1 e=IBP4内因性トランジションピーク面積、およびP1 SIS=IBP4 SISトランジションのピーク面積。PreTRM(商標)スコアの分布と、対応する有病率調整陽性予測値との関連性を特定することにより、sPTBの確率を、それらのスコアの決定に基づいて未知対象に割り当てることができる。この関係性または関連性は、図25に示されており、検査室測定を臨床予測に結び付けるものである。
PreTRM(商標)分類器は、IBP4ペプチドトランジション(QCHPALDGQR_394.5_475.2)およびSHBGペプチドトランジション(IALGGLLFPASNLR_481.3_657.4)のSIS標準化強度の自然対数として定義されるが、本発明は、複数の反転を含む分類器も含む。性能向上は、1つを超える反転から形成される予測因子を構築することにより達成することができる。したがって、追加の実施形態では、本発明の方法は、例えば、別々のGABDウィンドウ、予定日前の早期破水(PPROM)対PPROMを伴わない早期陣痛(PTL)、胎児性別、初妊婦対経産婦について、強力な予測性能を示す複数の反転を含む。この実施形態は、妊娠期間範囲の初期(例えば、17〜19週)または後期(例えば、19〜21週)のいずれかで強力な予測性能を生成したいずれかの反転に関して、実施例10および表61に例示されている。例示されているように、複数の反転の組合せ(SumLog)から形成された予測因子の性能を、血液採取範囲全体にわたって評価し、個々の反転の対数値の合計(SumLog)から予測因子スコアを導出した。当業者であれば、他のモデル(例えば、ロジスティック回帰)を選択して、1つを超える反転から形成される予測因子を構築することができる。
本発明の方法は、公知の臨床因子、例えば、血液採取期間、胎児性別、妊娠回数、ならびに任意の判別可能な患者特徴および/または本出願にわたって記載されている危険リスクに基づいて反転の1つまたはサブセットを選択する指標変数を含む分類器をさらに含む。この実施形態は、実施例10、表61〜64に例示されており、それらには、sPTB、PPROM、およびPTLの2つの異なる表現型の反転性能(17〜21週)が独立して例示されている。同様に、この実施形態は、実施例10、表76および77、ならびに図108および109に例示されており、それらには、sPTBの2つの異なる表現型である予定日前の早期破水(PPROM)およびPPROMを伴わない早期陣痛(PTL)の反転性能(19〜21週)が独立して例示されている。したがって、本発明の方法は、PPROMおよびPTLの独立予測因子を構築するために、または上記に記載のような単一予測因子の1つを超える反転の組合せを用いて性能を全体的に最大化にするために、反転を選択することを含む。この実施形態は、実施例10、表65〜68にさらに例示されており、それらには、2つの異なるタイプのsPTB、つまり初妊婦および経産婦の反転性能(17〜21週)が独立して例示されている。この実施形態は、実施例10、表69〜72および図106にさらに例示されており、それらには、胎児性別に基づく2つの異なるタイプのsPTBの反転性能(17〜21週)が独立して例示されている。本発明の方法は、PPROMおよびPTL、妊娠回数、ならびに胎児性別に関して例示されているが、GABD、または本明細書に記載のまたはそうでなければ当業者に公知の任意の公知の臨床因子/リスク因子に基づいて反転の1つまたはサブセットを選択する指標変数を含む分類器を含む。指標変数を含む分類器を有する代わりとして、本発明は、GABD、または本明細書に記載のまたはそうでなければ当業者に公知の任意の公知の臨床因子/リスク因子に基づいて妊婦のサブセットに適合する別々の分類器をさらに提供する。例えば、この実施形態は、各時間ウィンドウで最も性能のよい反転に基づく、連続および/または重複するGABDの時間ウィンドウのための別々の分類器を包含する。
本明細書で例示されているように、特許請求されている方法の予測性能は、22kg/m2超のおよび37kg/m2と等しいかまたはそれ未満のBMI階層化で向上させることができる。したがって、一部の実施形態では、本発明の方法は、指定されているBMIを有する妊娠女性から得られた試料で実施してもよい。手短に言えば、BMIは、個体のキログラム重量を、メートルで表される高さの2乗で除算したものである。BMIは、体脂肪を直接的に測定するものではないが、皮下脂肪厚測定、生体電気インピーダンス法、デンシトメトリー(水面下体重測定)法、二重エネルギーX線吸収法(DXA)、および他の方法から得られる体脂肪のより直接的な測定値と、BMIが相関することを示す研究がある。さらに、BMIは、身体肥満のより直接的な尺度であるため、種々の代謝および疾患転帰と強く相関すると考えられる。一般的に、18.5未満のBMIを有する個体は、体重不足であるとみなされ、18.5またはそれ超から24.9までのBMIを有する個体は、標準体重であるとみなされ、25.0またはそれ超から29.9までのBMIを有する個体は、太り過ぎであるとみなされ、30.0またはそれ超のBMIを有する個体は、肥満であるとみなされる。一部の実施形態では、特許請求されている方法の予測性能は、18もしくはそれ超の、19もしくはそれ超の、20もしくはそれ超の、21もしくはそれ超の、22もしくはそれ超の、23もしくはそれ超の、24もしくはそれ超の、25もしくはそれ超の、26もしくはそれ超の、27もしくはそれ超の、28もしくはそれ超の、29もしくはそれ超の、または30もしくはそれ超のBMI階層化により向上させることができる。他の実施形態では、特許請求されている方法の予測性能は、18もしくはそれ未満の、19もしくはそれ未満の、20もしくはそれ未満の、21もしくはそれ未満の、22もしくはそれ未満の、23もしくはそれ未満の、24もしくはそれ未満の、25もしくはそれ未満の、26もしくはそれ未満の、27もしくはそれ未満の、28もしくはそれ未満の、29もしくはそれ未満の、または30もしくはそれ未満のBMI階層化により向上させることができる。
本発明の文脈において、用語「生物学的試料」は、妊娠女性から採取された任意の試料を包含し、本明細書中に開示されるバイオマーカーの1個または複数を含む。本発明の文脈において適切な試料は、例えば、血液、血漿、血清、羊水、膣分泌物、唾液、および尿を含む。一部の実施形態において、生物学的試料は、全血、血漿、および血清からなる群から選択される。特定の実施形態において、生物学的試料は血清である。当業者により理解される通り、生物学的試料は、血液の任意の画分または成分、非限定的に、T細胞、単球、好中球、赤血球、血小板、および微小胞、例えばエキソソームおよびエキソソーム様小胞などを含みうる。特定の実施形態において、生物学的試料は血清である。
本明細書において使用する場合、用語「早産」は、妊娠期間満37週未満での出産または出産を指す。早産の他の一般に使用されるサブカテゴリが確立されており、中等度の早産(妊娠33〜36週での出生)、非常に早産(妊娠<33週で出生)、および極めて早産(妊娠≦28週で出生)を線引きする。本明細書において開示される方法に関して、当業者は、早産と満期出産を線引きするカットオフならびに早産のサブカテゴリを線引きするカットオフを、本明細書に開示する方法を実施する際に調整し、例えば、特定の健康上の利益を最大化できることを理解する。本発明の種々の実施形態では、早産を規定するカットオフは、例えば、妊娠≦37週での出産、妊娠≦36週での出産、妊娠≦35週での出産、妊娠≦34週での出産、妊娠≦33週での出産、妊娠≦32週での出産、妊娠≦30週での出産、妊娠≦29週での出産、妊娠≦28週での出産、妊娠≦27週での出産、妊娠≦26週での出産、妊娠≦25週での出産、妊娠≦24週での出産、妊娠≦23週での出産、または妊娠≦22週での出産を含む。一部の実施形態では、早産を規定するカットオフは、妊娠≦35週である。そのような調整は、当業者の技能の範囲内に十分にあり、本明細書において開示する本発明の範囲内に包含されることがさらに理解される。妊娠期間は、胎児の発育の程度および出産のために胎児の準備についての代用物である。妊娠期間は、典型的には、最後の正常な月経の日から出産日までの時間の長さとして定義されている。しかし、産科対策および超音波推定値は、また、妊娠期間を推定する際に助けとなりうる。早産は、一般的に、2つの別々のサブグループに分類されている。1つは、自発早産が、その後の陣痛増強または帝王切開にかかわらず、早期陣痛または早期破水の自然発症に続いて生じるものである。2つは、医学的に示される早産が、女性の介護者が母親および/または胎児の健康または生命を脅かすことを決定する1つまたは複数の状態についての誘導または帝王切開に続いて生じるものである。一部の実施形態において、本明細書において開示する方法は、自然早産または医学的に示される早産についての確率を決定することに向けられる。一部の実施形態では、本明細書で開示されている方法は、自然早産または医学的に示される早産の確率の決定に関する。一部の実施形態では、本明細書で開示されている方法は、自然早産の確率の決定に関する。追加の実施形態では、本明細書で開示されている方法は、医学的に示される早産に関する。追加の実施形態において、本明細書において開示する方法は、妊娠出産の予測に向けられる。
本明細書において使用する場合、用語「推定された妊娠期間」または「推定されたGA」は、最後の正常な月経の日付および追加の産科対策、超音波推定値、または非限定的に、前項において記載されるものを含む他の臨床パラメータに基づいて決定されるGAを指す。対照的に、用語「予測される出生時の妊娠期間」または「予測されたGAB」は、本明細書において開示する本発明の方法に基づいて決定されたGABを指す。本明細書において使用する場合、「満期出産」は妊娠期間満37週に等しいまたはそれを過ぎた出生を指す。
一部の実施形態において、妊娠女性は、生物学的試料が採取された時点(GABR(血液採取時の妊娠期間)ともいわれる)で、妊娠17〜28週の間である。他の実施形態において、妊娠女性は、生物学的試料が採取された時点で、妊娠16〜29週の間、妊娠17〜28週の間、妊娠18〜27週の間、妊娠19〜26週の間、妊娠20〜25週の間、妊娠21〜24週の間、または妊娠22〜23週の間である。さらなる実施形態において、妊娠女性は、生物学的試料が採取された時点で、妊娠約17〜22週の間、妊娠約16〜22週の間、妊娠約22〜25週の間、妊娠約13〜25週の間、妊娠約26〜28週の間、または妊娠約26〜29週の間である。したがって、生物学的試料が採取された時点での妊娠女性の妊娠期間は、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30週でありうる。特定の実施形態では、生物学的試料は、19〜21週の妊娠期間に得られる。特定の施形態では、生物学的試料は、19〜22週の妊娠期間に収集される。特定の実施形態では、生物学的試料は、19〜21週の妊娠期間に収集される。特定の実施形態では、生物学的試料は、19〜22週の妊娠期間に収集される。特定の実施形態では、生物学的試料は、18週の妊娠期間に収集される。さらなる実施形態では、連続または重複した時間ウィンドウで最も性能のよい反転を、単一の分類器と組み合わせて、血液採取時妊娠期間のより広いウィンドウにわたってsPTBの確率を予測することができる。
用語「量」または「レベル」は、本明細書において使用される場合、生物学的試料および/または対照中での検出可能または測定可能であるバイオマーカーの量を指す。バイオマーカーの量は、例えば、ポリペプチドの量、核酸の量、または断片もしくはサロゲートの量でありうる。この用語は、代わりに、それらの組合せを含みうる。バイオマーカーの用語「量」または「レベル」は、そのバイオマーカーの測定可能な特徴である。
また、本発明は、妊娠女性の表1〜77および図1〜111のいずれかに指定されているバイオマーカー対からなる群から選択される、単離されたバイオマーカーの対を検出するための方法であって、a.妊娠女性から生物学的試料を得るステップ;b.生物学的試料を、上記対の第1のメンバーと特異的に結合する第1の捕捉剤および上記対の第2のメンバーと特異的に結合する第2の捕捉剤と接触させることにより、上記単離されたバイオマーカーの対が生物学的試料中に存在するか否かを検出するステップ;および上記対の第1のバイオマーカーと第1の捕捉剤との結合および上記対の第2のメンバーと第2の捕捉剤との結合を検出するステップを含む方法を提供する。
また、本発明は、妊娠女性中の、表27〜59、61〜72、76、および77に指定されているバイオマーカー対からなる群から選択される、単離されたバイオマーカーの対を検出するための方法であって、a.妊娠女性から生物学的試料を得るステップ;b.生物学的試料を、上記対の第1のメンバーと特異的に結合する第1の捕捉剤および上記対の第2のメンバーと特異的に結合する第2の捕捉剤と接触させることにより、上記単離されたバイオマーカーの対が生物学的試料中に存在するか否かを検出するステップ;および上記対の第1のバイオマーカーと第1の捕捉剤との結合および上記対の第2のメンバーと第2の捕捉剤との結合を検出するステップを含む方法を提供する。
また、本発明は、妊娠女性中の、IBP4/SHBG、VTNC/VTDB、VTNC/SHBG、CATD/SHBG、PSG2/ITIH4、CHL1/ITIH4、PSG2/C1QB、PSG2/FBLN3、HPX/IBP4、およびHPX/PTGDSからなる群から選択される、単離されたバイオマーカーの対を検出するための方法であって、a.妊娠女性から生物学的試料を得るステップ;b.生物学的試料を、上記対の第1のメンバーと特異的に結合する第1の捕捉剤および上記対の第2のメンバーと特異的に結合する第2の捕捉剤と接触させることにより、上記単離されたバイオマーカーの対が生物学的試料中に存在するか否かを検出するステップ;および上記対の第1のバイオマーカーと第1の捕捉剤との結合および上記対の第2のメンバーと第2の捕捉剤との結合を検出するステップを含む方法を提供する。一実施形態では、本発明は、妊娠女性中のIBP4およびSHBGを検出するための方法であって、a.妊娠女性から生物学的試料を得るステップ;b.生物学的試料を、IBP4と特異的に結合する捕捉剤およびSHBGと特異的に結合する捕捉剤と接触させることにより、IBP4およびSHBGが生物学的試料中に存在するか否かを検出するステップ;およびc.IBP4と捕捉剤との結合およびSHBGと捕捉剤との結合を検出するステップを含む方法を提供する。一実施形態では、上記方法は、上記バイオマーカーの対の反転値を測定することを含む。さらなる実施形態では、妊娠女性と満期対照との間に反転値の変化が存在することは、妊娠女性の早産確率を示す。一実施形態では、試料は、19〜21週の妊娠期間に得られる。さらなる実施形態では、捕捉剤は、抗体、抗体断片、核酸ベースのタンパク結合試薬、低分子、またはそれらの変異体からなる群から選択される。追加の実施形態では、上記方法は、酵素免疫測定法(EIA)、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、およびラジオイムノアッセイ(RIA)からなる群から選択されるアッセイにより実施される。
本発明は、妊娠女性中の、IBP4/SHBG、VTNC/VTDB、VTNC/SHBG、CATD/SHBG、PSG2/ITIH4、CHL1/ITIH4、PSG2/C1QB、PSG2/FBLN3、HPX/IBP4、およびHPX/PTGDSからなる群から選択される、単離されたバイオマーカーの対を検出するための方法であって、a.妊娠女性から生物学的試料を得るステップ;およびb.生物学的試料を、質量分析定量化から構成されるプロテオミクスワークフローに供することを含む、上記単離されたバイオマーカーの対が試料中に存在するか否かを検出するステップを含む方法を提供する。
一実施形態では、本発明は、妊娠女性中のIBP4およびSHBGを検出するための方法であって、a.妊娠女性から生物学的試料を得るステップ;およびb.生物学的試料を、質量分析定量化から構成されるプロテオミクスワークフローに供することを含む、上記単離されたバイオマーカーの対が試料中に存在するか否かを検出するステップを含む方法を提供する。
「プロテオミクスワークフロー」は、一般的に、下記ステップの1つまたは複数を包含する:血清試料を解凍し、14個の最も存在量が多いタンパク質を免疫親和性クロマトグラフィーで枯渇させる。枯渇させた血清を、プロテアーゼ、例えばトリプシンで消化して、ペプチドを産出する。その後、消化物をSISペプチドの混合物で強化してから脱塩し、MRMモードで操作されるトリプル四重極(triple quadrapole)機器を備えたLC−MS/MSにかける。内因性ペプチドピークおよび対応するSISペプチド相当物ピークの面積比から、応答比を形成する。当業者であれば、例えば、MALDI−TOFまたはESI−TOF等の他のタイプのMSを本発明の方法に使用することができることを認識する。例えば、加えて、当業者であれば、特定の試薬(プロテアーゼ等)を選択することにより、またはあるステップを省くかもしくは順序を変更することにより、プロテオミクスワークフローを改変することができる。例えば、免疫枯渇は必要ではない場合があり、SISペプチドを以前にまたは後で添加してもよく、安定同位体標識タンパク質を、ペプチドの代わりに標準として使用してもよい。
任意の既存の、入手可能な、または従来の分離、検出、および定量化の方法を本明細書において使用して、試料中のバイオマーカー、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、および/またはそれら断片の、ならびに、任意選択で、1個または複数の他のバイオマーカーまたはそれらの断片の存在もしくは非存在(例えば、読み出しが存在対非存在;または検出可能な量対検出不可能な量)および/または量(例えば、読み出しが絶対量または相対量、例えば、絶対濃度または相対濃度など)を測定することができる。一部の実施形態において、1個または複数のバイオマーカーの検出および/または定量化は、捕捉剤を利用するアッセイを含む。さらなる実施形態において、捕捉剤は、抗体、抗体断片、核酸ベースのタンパク質結合試薬、小分子、またはそれらの変異体である。追加の実施形態において、アッセイは、酵素免疫測定法(EIA)、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、およびラジオイムノアッセイ(RIA)である。一部の実施形態において、1個または複数のバイオマーカーの検出および/または定量化は、質量分析(MS)をさらに含む。またさらなる実施形態において、質量分析は共免疫沈降−質量分析(co−IP MS)であり、全タンパク質複合体の単離のために適切な技術である共免疫沈降に質量分光分析が続く。
本明細書で使用する場合、用語「質量分析計」は、分析物を揮発/イオン化し、気相イオンを形成し、それらの絶対または相対分子量を決定することができるデバイスを指す。揮発/イオン化の適切な方法は、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)、エレクトロスプレー、レーザー/光、熱、電気、霧化/噴霧など、またはそれらの組合せである。質量分析法の適切な形態は、イオントラップ機器、四重極機器、静電磁場セクター機器、飛行時間機器、飛行時間タンデム質量分析計(TOF MS/MS)、フーリエ変換質量分析計、Orbitrap、およびこれらの型の質量分析器の種々の組合せで構成されるハイブリッド機器を含むが、これらに限定されない。これらの機器は、次に、試料を分画する(例えば、液体クロマトグラフィーまたは化学的もしくは生物学的特徴に基づく固相吸着技術)、および質量分析計に導入するための試料をイオン化する(マトリックス支援レーザー脱離(MALDI)、エレクトロスプレー、もしくはナノスプレーイオン化(ESI)、またはそれらの組合せを含む)他の種々の機器と適合させることができる。
一般的に、ペプチドの質量に関する、好ましくは、また、選択されたペプチドの断片化および/または(部分的)アミノ酸配列に関する正確な情報を提供することができる任意の質量分析(MS)技術(例えば、タンデム質量分析、MS/MS;または、ポストソース分解、TOF MS)は、本明細書において開示する方法において使用することができる。適切なペプチドのMSおよびMS/MS技術ならびにシステムは、それ自体が周知であり(例えば、Methods in Molecular Biology、146巻:「Mass Spectrometry of Proteins and Peptides」、Chapman編、Humana Press 2000年;Biemann 1990年 Methods Enzymol 193巻:455〜79頁;またはMethods in Enzymology、402巻:「Biological Mass Spectrometry」Burlingame編、Academic Press 2005年を参照のこと)、本明細書において開示する方法を実行する際に使用することができる。したがって、一部の実施形態において、開示する方法は、1個または複数のバイオマーカーを測定するために定量的MSを実施することを含む。そのような定量的方法は、自動(Villanuevaら、Nature Protocols(2006年)1巻(2号):880〜891頁)または半自動化フォーマットにおいて実施することができる。特定の実施形態において、MSは、液体クロマトグラフィーデバイス(LC−MS/MSまたはLC−MS)、またはガスクロマトグラフィーデバイス(GC−MSまたはGC−MS/MS)に動作可能に連結することができる。この文脈において有用な他の方法は、同位体コード親和性タグ(ICAT)、タンデム質量タグ(TMT)、または細胞培養中のアミノ酸による安定同位体標識(SILAC)を含み、クロマトグラフィーおよびMS/MSが続く。
本明細書で使用する場合、用語「多重反応モニタリング(MRM)」または「選択反応モニタリング(SRM)」は、少量である分析物を定量化するために特に有用であるMSベースの定量方法を指す。SRM実験において、事前に定義された前駆体イオンおよびその断片の1つまたは複数は、三連四重極機器の2つの質量フィルタにより選択され、正確な定量化のために経時的にモニターされる。複数のSRM前駆体および断片イオン対は、MRM実験を実施するために異なる前駆体/断片対の間で迅速にトグルさせることにより、クロマトグラフタイムスケールで同じ実験内で測定することができる。標的分析物(例えば、ペプチドまたは小分子、例えば化学物質、ステロイド、ホルモンなど)の保持時間と組み合わせた一連のトランジション(前駆体/断片イオン対)は、最終的なアッセイを構成することができる。多数の分析物は、単一のLC−MS実験の間に定量化することができる。MRMまたはSRMへの参照における用語「スケジュール」または「ダイナミック」は、アッセイのバリエーションを指し、特定の分析物についてのトランジションが、予想保持時間の周囲の時間ウィンドウにおいてだけ取得され、単一のLC−MS実験において検出および定量化することができる分析物の数を有意に増加させ、テストの選択性に寄与する。なぜなら、保持時間は、分析物の物理的性質に依存した特徴であるからである。単一の分析物を、また、1を上回るトランジションを用いてモニターすることができる。最後に、目的の分析物(例えば、同じアミノ酸配列)に対応するが、安定同位体の包含により異なる標準がアッセイに含まれうる。安定同位体標準(SIS)は、正確なレベルでのアッセイ中に組み入れられ、対応する未知の分析物を定量化するために使用することができる。追加レベルの特異性が、未知の分析物およびその対応するSISの共溶出ならびにそれらのトランジションの特徴(例えば、未知の2つのトランジションのレベルの比率およびその対応するSISの2つのトランジションの比率における類似性)により寄与される。
バイオマーカーペプチド分析のために適切な質量分析アッセイ、機器、およびシステムは、非限定的に、マトリックス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間型(MALDI−TOF)MS;MALDI−TOFポストソース分解(PSD);MALDI−TOF/TOF;表面増強レーザー脱離/イオン化飛行時間型質量分析(SELDI−TOF)MS;エレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI−MS);ESI−MS/MS;ESI−MS/(MS)n(nはゼロよりも大きい整数である);ESI 3Dまたは線形(2D)イオントラップMS;ESI三重四重極MS;ESI四重極直交TOF(Q−TOF);ESIフーリエ変換MSシステム;シリコン上での脱離/イオン化(DIOS);二次イオン質量分析(SIMS);大気圧化学イオン化質量分析(APCI−MS);APCI−MS/MS;APCI−(MS)n;イオン移動度分光分析(IMS);誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS);大気圧光イオン化質量分析(APPI−MS);APPI−MS/MS、およびAPPI−(MS)nを含みうる。タンデムMS(MS/MS)配置におけるペプチドイオンの断片化は、当技術分野において確立された様式、例えば衝突誘起解離(CID)などを使用して達成することができる。本明細書に記載する通り、質量分析によるバイオマーカーの検出および定量化は、例えば、とりわけ、Kuhnら、Proteomics 4巻:1175〜86頁(2004年)により記載される多重反応モニタリング(MRM)を含みうる。LC−MS/MS分析の間のスケジュールされた多重反応モニタリング(スケジュールされたMRM)モード取得によって、ペプチド定量化の感度および精度が増強される。AndersonおよびHunter、Molecular and Cellular Proteomics 5巻(4号):573頁(2006年)。本明細書に記載する通り、質量分析ベースのアッセイは、有利には、上流ペプチドまたはタンパク質の分離または分画方法、例えば、クロマトグラフィーおよび本明細書において以下に記載する他の方法などと組み合わせることができる。本明細書においてさらに記載する通り、ショットガン定量的プロテオミクスを、ハイスループット同定および早産の予後バイオマーカーの検証のためのSRM/MRMベースのアッセイと組み合わせることができる。
当業者は、いくつかの方法を、バイオマーカーの量を決定するために使用することができることを理解するであろう(質量分析アプローチ、例えばMS/MS、LC−MS/MS、多重反応モニタリング(MRM)、またはSRM、および産物イオンモニタリング(PIM)などを含む、ならびに、また、抗体ベースの方法、例えばイムノアッセイなど、例えばウェスタンブロット、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、免疫沈降(immunopercipitation)、免疫組織化学、免疫蛍光、ラジオイムノアッセイ、ドットブロッティング、およびFACSなどを含む)。したがって、一部の実施形態において、少なくとも1個のバイオマーカーのレベルを決定することは、イムノアッセイおよび/または質量分析法を使用することを含む。追加の実施形態において、質量分析法は、MS、MS/MS、LC−MS/MS、SRM、PIM、および当技術分野において公知の他のそのような方法から選択される。他の実施形態において、LC−MS/MSは、さらに、1D LC−MS/MS、2D LC−MS/MS、または3D LC−MS/MSを含む。イムノアッセイ技術およびプロトコールは、一般的に、当業者に公知である(PriceおよびNewman、Principles and Practice
of Immunoassay、第2版、Grove’s Dictionaries、1997年およびGosling、Immunoassays: A Practical Approach、Oxford University Press、2000年)。競合的および非競合的イムノアッセイを含む種々のイムノアッセイ技術を使用することができる(Selfら、Curr. Opin. Biotechnol.、7巻:60〜65頁(1996年))。
さらなる実施形態において、イムノアッセイは、ウェスタンブロット、ELISA、免疫沈降、免疫組織化学、免疫蛍光、ラジオイムノアッセイ(RIA)、ドットブロッティング、およびFACSから選択される。ある特定の実施形態において、イムノアッセイはELISAである。またさらなる実施形態において、ELISAは、直接ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、間接ELISA、サンドイッチELISA、競合的ELISA、多重ELISA、ELISPOT技術、および当技術分野において公知の他の同様の技術である。これらのイムノアッセイ法の原理は、当技術分野において公知である(例えば、John R. Crowther、The ELISA Guidebook、第1版、Humana Press 2000年、ISBN 0896037282)。典型的には、ELISAは抗体を用いて実施されるが、それらは、本発明の1個または複数のバイオマーカーに特異的に結合し、検出することができる任意の捕捉剤を用いて実施することができる。多重ELISAによって、通常は複数のアレイアドレスで、単一の区画(例えば、マイクロプレートウェル)内での2つまたはそれ超の分析物の同時検出が可能になる(NielsenおよびGeierstanger 2004年、J Immunol Methods 290巻:107〜20頁(2004年)およびLingら、2007年、Expert Rev Mol Diagn 7巻:87〜98頁(2007年))。
一部の実施形態において、ラジオイムノアッセイ(RIA)を使用して、本発明の方法において1個または複数のバイオマーカーを検出することができる。RIAは、当技術分野において周知である競合ベースのアッセイであり、放射活性標識(例えば、125Iまたは131I標識)標的分析物の既知量と分析物に特異的な抗体を混合すること、次に試料からの非標識分析物を添加すること、および置換された標識分析物の量を測定することを含む(例えば、ガイダンスについては、An Introduction to Radioimmunoassay and Related Techniques、Chard T編、Elsevier Science 1995年、ISBN 0444821198を参照のこと)。
検出可能な標識は、本発明の方法におけるバイオマーカーの直接的または間接的な検出のために、本明細書において記載するアッセイにおいて使用することができる。多様な検出可能な標識を使用することができ、標識の選択は、要求される感度、抗体とのコンジュゲーションの容易さ、安定性要件、ならびに利用可能な機器および廃棄規定に依存する。当業者は、本発明の方法におけるバイオマーカーのアッセイ検出に基づいて、適切な検出可能な標識の選択に精通している。適切な検出可能な標識は、蛍光色素(例えば、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、Oregon Green(商標)、ローダミン、テキサスレッド、テトラローダミンイソチオシアネート(tetrarhodimine isothiocynate)(TRITC)、Cy3、Cy5など)、蛍光マーカー(例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)、フィコエリトリンなど)、酵素(例えば、ルシフェラーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼなど)、ナノ粒子、ビオチン、ジゴキシゲニン、金属などを含むが、これらに限定されない。
質量分析ベースの分析のために、同位体試薬を用いた異なるタグ付け(例えば、同位体コード親和性タグ(ICAT)または同重体タグ付け試薬、iTRAQ(Applied
Biosystems、Foster City、Calif.)を使用したより最近のバリエーション、またはタンデム質量タグ、TMT(Thermo Scientific、Rockford、IL)(多次元液体クロマトグラフィー(LC)およびタンデム質量分析(MS/MS)分析が続く)は、本発明の方法を実行する際にさらなる方法論を提供することができる。
化学発光抗体を使用した化学発光アッセイは、タンパク質レベルの高感度非放射性検出のために使用することができる。蛍光色素で標識された抗体も、適切でありうる。蛍光色素の例は、非限定的に、DAPI、フルオレセイン、ヘキスト33258、Rフィコシアニン、Bフィコエリトリン、Rフィコエリトリン、ローダミン、テキサスレッド、およびリサミンを含む。間接標識は、当技術分野において周知の種々の酵素、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ(AP)、ベータ−ガラクトシダーゼ、ウレアーゼなどを含む。西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼおよびベータ−ガラクトシダーゼのための適切な基質を使用した検出システムが、当技術分野において周知である。
直接または間接標識からのシグナルは、例えば、発色性基質からの色を検出するために分光光度計;放射線を検出するための放射線カウンター、例えば125Iの検出用のガンマカウンターなど;または、ある特定の波長の光の存在下で蛍光を検出する蛍光光度計を使用して分析することができる。酵素結合抗体の検出のために、定量的な分析は、分光光度計、例えばEMAX Microplate Reader(Molecular Devices;Menlo Park、Calif.)などを製造業者の指示に従って使用して行うことができる。所望の場合、本発明を実行するために使用されるアッセイは、自動化する、またはロボットで実施することができ、複数の試料からのシグナルを同時に検出することができる。
一部の実施形態において、本明細書において記載する方法は、質量分析(MS)を使用したバイオマーカーの定量化を包含する。さらなる実施形態において、質量分析は、液体クロマトグラフィー−質量分析(LC−MS)、多重反応モニタリング(MRM)、または選択反応モニタリング(SRM)でありうる。追加の実施形態において、MRMまたはSRMは、さらに、スケジュールされたMRMまたはスケジュールされたSRMを包含しうる。
上記の通り、クロマトグラフィーは、また、本発明の方法を実行する際に使用することができる。クロマトグラフィーは、化学物質を分離するための方法を包含し、一般的に、分析物の混合物が、液体または気体の移動流(「移動相」)により運ばれ、それらが固定液体または固体相(「固定相」)の周囲またはその上を流れる際、移動相と前記固定相の間で、分析物の異なる分布の結果として成分に分離される、プロセスを含む。固定相は、通常、細かく分割された固体、フィルタ材料のシート、または固体の表面上の液体の薄膜などでありうる。クロマトグラフィーは、生物学的由来の化学的化合物、例えば、アミノ酸、タンパク質、タンパク質の断片、またはペプチドなどの分離のために適用可能な技術として当業者に十分に理解されている。
クロマトグラフィーは、柱状(即ち、固定相がカラム中に沈着または充填されている)、好ましくは液体クロマトグラフィー、さらにより好ましくは高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、または超高速/高圧液体クロマトグラフィー(UHPLC)でありうる。クロマトグラフィーの細部は、当技術分野において周知である(Bidlingmeyer、Practical HPLC Methodology and Applications、John Wiley & Sons Inc.、1993年)。クロマトグラフィーの例示的な型は、非限定的に、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、UHPLC、順相HPLC(NP−HPLC)、逆相HPLC(RP−HPLC)、イオン交換クロマトグラフィー(IEC)(例えば陽イオンまたは陰イオン交換クロマトグラフィーなど)、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)(ゲル濾過クロマトグラフィーまたはゲル浸透クロマトグラフィーを含む)、クロマトフォーカシング、親和性クロマトグラフィー(例えば免疫親和性、固定化金属親和性クロマトグラフィーなど)などを含む。単一、二、またはそれ超の次元のクロマトグラフィーを含むクロマトグラフィーを、さらなるペプチド分析方法、例えば、本明細書の他の箇所に記載する下流の質量分析と併せたペプチド分画方法として使用することができる。
さらなるペプチドまたはポリペプチド分離、同定、または定量方法を、任意選択で、上に記載する分析方法のいずれかと併せて、本開示におけるバイオマーカーを測定するために使用してもよい。そのような方法は、非限定的に、化学的抽出分割、等電点電気泳動(IEF)(キャピラリー等電点電気泳動(CIEF)、キャピラリー等速電気泳動(CITP)、キャピラリー電気クロマトグラフィー(CEC)などを含む)、一次元ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)、二次元ポリアクリルアミドゲル電気泳動(2D−PAGE)、キャピラリーゲル電気泳動(CGE)、キャピラリーゾーン電気泳動(CZE)、ミセル動電クロマトグラフィー(MEKC)、フリーフロー電気泳動(FFE)などを含む。
本発明の文脈において、用語「捕捉剤」は、標的、特にバイオマーカーに特異的に結合することができる化合物を指す。この用語は、抗体、抗体断片、核酸ベースのタンパク質結合試薬(例えば、アプタマー、Slow Off−rate Modified Aptamer(SOMAmer(商標)))、タンパク質捕捉剤、天然リガンド(即ち、その受容体のためのホルモンまたはその逆)、小分子またはそれらの変異体を含む。
捕捉剤は、標的、特にバイオマーカーに特異的に結合するように構成することができる。捕捉剤は、有機分子、例えばポリペプチド、ポリヌクレオチド、および当業者に同定可能である他の非ポリマー分子などを含みうるが、これらに限定されない。本明細書において開示する実施形態において、捕捉剤は、標的、特にバイオマーカーを検出、精製、単離、または富化するために使用することができる任意の薬剤を含む。任意の当技術分野で公知の親和性捕捉技術を使用して、開示方法における使用のための生物学的培地の複雑な混合物の成分であるバイオマーカーを選択的に単離および富化/濃縮することができる。
バイオマーカーに特異的に結合する抗体捕捉剤は、当技術分野において公知の任意の適切な方法を使用して調製することができる。例えば、Coligan、Current Protocols in Immunology(1991年);Harlow & Lane、Antibodies: A Laboratory Manual(1988年);Goding、Monoclonal Antibodies: Principles and Practice(第2版、1986年)を参照のこと。抗体捕捉剤は、天然の、または全体的もしくは部分的に合成的に産生されたかを問わず、任意の免疫グロブリンまたはその誘導体でありうる。特異的結合能力を維持する全てのその誘導体もこの用語に含まれる。抗体捕捉剤は、免疫グロブリン結合ドメインに相同である、または大部分が相同である結合ドメインを有し、天然供給源から誘導することができる、または部分的もしくは全体的に合成的に産生することができる。抗体捕捉剤は、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体でありうる。一部の実施形態において、抗体は一本鎖抗体である。当業者は、抗体が、例えば、ヒト化、部分的ヒト化、キメラ、キメラヒト化などを含む種々の形態のいずれかで提供することができることを理解するであろう。抗体捕捉剤は、Fab、Fab’、F(ab’)2、scFv、Fv、dsFvダイアボディ、およびFd断片を含むが、これらに限定されない抗体断片でありうる。抗体捕捉剤は、任意の手段により産生することができる。例えば、抗体捕捉剤は、インタクトな抗体の断片化により酵素的または化学的に産生することができ、および/または、それは、部分的な抗体配列をコードする遺伝子から組換え的に産生することができる。抗体捕捉剤は、一本鎖抗体断片を含むことができる。あるいは、または加えて、抗体捕捉剤は、例えば、ジスルフィド結合により一緒に連結された複数の鎖;および、そのような分子から得られる任意の機能的断片(それにおいて、そのような断片は、親抗体分子の特異的結合特徴を保持する)を含むことができる。分子全体の機能性成分としてのそれらのより小さなサイズのため、抗体断片は、ある特定の免疫化学的技術および実験的適用における使用のためのインタクトな抗体を上回る利点を提供することができる。
本発明の実行のために有用な適切な捕捉剤は、アプタマーも含む。アプタマーは、固有の三次元(3−D)構造を介して特異的にその標的に結合することができるオリゴヌクレオチド配列である。アプタマーは、任意の適切な数のヌクレオチドを含むことができ、異なるアプタマーは、同じまたは異なる数のヌクレオチドを有することができる。アプタマーは、DNAもしくはRNAまたは化学的に修飾された核酸でありえ、一本鎖、二本鎖でありうる、または二本鎖領域を含み、より高次元な構造を含みうる。アプタマーは、また、光反応性または化学的に反応性の官能基が、それが共有結合的にその対応する標的に結合することができるように、アプタマーに含まれる、フォトアプタマーでありうる。アプタマー捕捉剤の使用は、同じバイオマーカーに特異的に結合する2つまたはそれ超のアプタマーの使用を含みうる。アプタマーは、タグを含みうる。アプタマーは、SELEX(指数関数的富化によるリガンドの系統的進化)プロセスを含む任意の公知の方法を使用して同定することができる。一度、同定された場合、アプタマーを、化学的合成法および酵素的合成法を含む、任意の公知の方法に従って調製または合成し、バイオマーカー検出のための種々の適用において使用することができる。Liuら、Curr Med Chem.18巻(27号):4117〜25頁(2011年)。本発明の方法を実行する際に有用な捕捉剤は、また、当技術分野において公知のSOMAmer(Slow Off−Rate Modified Aptamer)を含み、改善されたオフレート特徴を有する。Brodyら、J Mol Biol.422巻(5号):595〜606頁(2012年)。SOMAmerは、SELEX法を含む任意の公知の方法を使用して生成することができる。
バイオマーカーを分析前に修飾して、それらの解像度を改善する、またはそれらの同一性を決定することができることが当業者により理解される。例えば、バイオマーカーは、分析前に、タンパク質分解消化に供することができる。任意のプロテアーゼを使用することができる。バイオマーカーを別個の数の断片に切断する可能性のあるプロテアーゼ、例えばトリプシンなどは特に有用である。消化に起因する断片は、バイオマーカーのためのフィンガープリントとして機能し、それにより、それらの検出を間接的に可能にする。これは、問題のバイオマーカーについて混同されうる、同様の分子量を伴うバイオマーカーがある場合に特に有用である。また、タンパク質分解断片化は、高分子量のバイオマーカーのために有用である。なぜなら、より小さなバイオマーカーは、質量分析により、より簡単に分解されるためである。別の例において、バイオマーカーを修飾して、検出分解能を改善することができる。例えば、ノイラミニダーゼを使用して糖タンパク質から末端シアル酸残基を除去し、アニオン性吸着剤への結合を改善し、検出分解能を改善させることができる。別の例において、バイオマーカーは、分子バイオマーカーに特異的に結合する、特定の分子量のタグの付着により修飾することができ、それらをさらに区別する。任意選択で、そのような修飾されたバイオマーカーを検出した後、バイオマーカーの同一性は、さらに、タンパク質データベース(例えば、SwissProt)において修飾バイオマーカーの物理的および化学的特徴をマッチングさせることにより決定することができる。
試料中のバイオマーカーを、検出用に基材上で捕捉することができることが、当技術分野においてさらに理解されている。伝統的な基材は、タンパク質の存在についてその後にプローブされる抗体コーティング96ウェルプレートまたはニトロセルロース膜を含む。あるいは、マイクロスフェア、マイクロ粒子、マイクロビーズ、ビーズ、または他の粒子に付着されたタンパク質結合分子をバイオマーカーの捕捉および検出のために使用することができる。タンパク質結合分子は、抗体、ペプチド、ペプトイド、アプタマー、小分子リガンド、または粒子の表面に付着した他のタンパク質結合捕捉剤でありうる。各々のタンパク質結合分子は、コードされる固有の検出可能な標識を含むことができ、他のタンパク質結合分子に付着した他の検出可能な標識と区別し、多重アッセイにおいてバイオマーカーの検出を可能にすることができる。例は、公知の蛍光強度を伴うカラーコードマイクロスフェア(例えば、Luminex(Austin、Tex.)により産生されたxMAP技術を用いたマイクロスフェアを参照のこと);量子ドットナノ結晶を含む、例えば、量子ドットカラーの異なる比率および組合せを有するマイクロスフェア(例えば、Life Technologies(Carlsbad、Calif.)により産生されたQdotナノ結晶);ガラスコート金属ナノ粒子(例えば、Nanoplex Technologies,Inc.(Mountain View、Calif.)により産生されたSERSナノタグを参照のこと);バーコード材料(例えば、サブミクロンサイズのストライプ金属ロッド、例えばNanoplex Technologies,Inc.により産生されたNanobarcodeなどを参照のこと)、カラーバーコードを伴うコード微粒子(例えば、Vitra Bioscience,vitrabio.comにより産生されたCellCardを参照のこと)、デジタルホログラフィックコードイメージを伴うガラス微粒子(例えば、Illumina(San Diego、Calif.)により産生されたCyVeraマイクロビーズを参照のこと);化学発光色素、色素化合物の組合せ;および検出可能な異なるサイズのビーズを含むが、これらに限定されない。
別の態様において、バイオチップを、本発明のバイオマーカーの捕捉および検出のために使用することができる。多くのタンパク質バイオチップが、当技術分野において公知である。これらは、例えば、Packard BioScience Company(Meriden Conn.)、Zyomyx(Hayward、Calif.)、およびPhylos(Lexington、Mass.)により産生されるタンパク質バイオチップを含む。一般的に、タンパク質バイオチップは、表面を有する基質を含む。捕捉試薬または吸着剤は、基質の表面に付着される。頻繁には、表面は、複数のアドレス可能な位置を含み、その各々の位置が、そこに結合した捕捉剤を有する。捕捉剤は、生物学的分子、例えばポリペプチドまたは核酸などでありうるが、それらは、他のバイオマーカーを特異的に捕捉する。あるいは、捕捉剤は、クロマトグラフィー材料、例えば陰イオン交換物質または親水性物質などでありうる。タンパク質バイオチップの例は、当技術分野において周知である。
また、本開示は、バイオマーカー対の反転値の変化を測定することを含む、早産確率を予測するための方法を提供する。例えば、生物学的試料を、1つまたは複数のポリヌクレオチド結合剤を含むパネルと接触させてもよい。その後、検出されたバイオマーカーの1つまたは複数の発現を、下記に開示されている方法により、例えば、核酸増幅法を使用してまたは使用せずに評価してもよい。当業者であれば、本明細書に記載の方法では、遺伝子発現の測定を自動化することができることを認識する。例えば、遺伝子発現の多重測定を実施することができる、例えば数百のmRNA種の相対存在量の同時デジタル測定を提供するシステムを使用することができる。
一部の実施形態では、核酸増幅法を使用して、ポリヌクレオチドバイオマーカーを検出することができる。例えば、本発明のオリゴヌクレオチドプライマーおよびプローブは、様々な周知で確立されている方法(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning, A laboratory Manual、7.37〜7.57頁(第2版、1989年);Linら、Diagnostic Molecular Microbiology, Principles and Applications、605〜16頁(Persing
ら編(1993年);Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology(20
01年およびその後の最新版))のいずれかにより単離される核酸基質を使用する増幅および検出方法に使用することができる。核酸を増幅する方法としては、これらに限定されないが、以下のものが挙げられる:例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)および逆転写PCR(RT−PCR)(例えば、米国特許第4,683,195号;第4,683,202号;第4,800,159号;第4,965,188号を参照)、リガーゼ連鎖反応(LCR)(例えば、Weiss、Science、254巻:1292〜93頁(1991年))、鎖置換増幅法(SDA)(例えば、Walkerら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、89巻:392〜396頁(1992年);米国特許第5,270,184号および第5,455,166号を参照)、好熱性SDA(tSDA)(例えば、欧州特許第0 684 315号)、および米国特許第5,130,238号;Lizardiら、BioTechnol.、6巻:1197〜1202頁(1988年);Kwohら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、86巻:1173〜77頁(1989年);Guatelliら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、87巻:1874〜78頁(1990年);米国特許第5,480,784号;第5,399,491号;米国特許出願公開第2006/46265号に記載されている方法。
一部の実施形態において、生物学的試料中のmRNAの測定は、生物学的試料中の対応するタンパク質バイオマーカーのレベルを検出するための代用として使用することができる。このように、本明細書に記載するバイオマーカー、バイオマーカー対またはバイオマーカー反転パネルのいずれかを、適当なRNAを検出することにより検出することもできる。mRNAレベルを、逆転写定量的ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR、qPCRが続く)により測定することができる。RT−PCRを使用して、mRNAからcDNAを作製する。cDNAをqPCRアッセイにおいて使用して、DNA増幅プロセスが進行するにつれて蛍光を産生することができる。標準曲線との比較により、qPCRは、絶対測定値、例えば細胞1個当たりのmRNAコピー数などを産生することができる。ノーザンブロット、マイクロアレイ、インベーダーアッセイ、およびキャピラリー電気泳動と組み合わせたRT−PCRの全てを使用して、試料中のmRNAの発現レベルが測定されてきた。Gene Expression Profiling: Methods and
Protocols、Richard A. Shimkets編、Humana Press、2004年を参照のこと。
本明細書で開示される一部の実施形態は、妊娠女性において早産についての確率を決定する診断方法および予後診断方法に関する。1個または複数のバイオマーカーの発現レベルの検出および/またはバイオマーカーの比率の決定を使用して、妊娠女性における早産についての確率を決定することができる。そのような検出方法は、例えば、状態の早期診断のために使用することができ、対象に早産の素因があるか否かを判断する、早産の進行または処置プロトコールの進行をモニターする、早産の重症度を評価する、早産の転帰および/または回復もしくは満期出産の見通しを予測する、または早産のための適切な処置の決定を助ける。
生物学的試料中でのバイオマーカーの定量化は、非限定的に、上に記載する方法ならびに当技術分野において公知の任意の他の方法により決定することができる。このようにして得られた定量的データは、次に分析的な分類プロセスに供する。そのようなプロセスにおいて、例えば、本明細書において提供する実施例において記載する通り、生データを、データのトレーニングセットにより事前に定義されているアルゴリズムに従って操作される。アルゴリズムでは、本明細書において提供するデータのトレーニングセットを利用することができる、または、本明細書において提供するガイドラインを利用して、データの異なるセットを用いてアルゴリズムを生成することができる。
一部の実施形態において、測定可能な特徴を分析して妊娠女性において早産についての確率を決定することは、予測モデルの使用を包含する。さらなる実施形態において、測定可能な特徴を分析して妊娠女性において早産についての確率を決定することは、前記測定可能な特徴を、参照特徴と比較することを包含する。当業者が理解できる通り、そのような比較は、参照特徴との直接的な比較または参照特徴が予測モデル中に組み入れられている間接的な比較でありうる。さらなる実施形態において、測定可能な特徴を分析して妊娠女性において早産についての確率を決定することは、線形判別分析モデル、サポートベクターマシン分類アルゴリズム、再帰的特徴排除モデル、マイクロアレイモデルの予測分析、ロジスティック回帰モデル、CARTアルゴリズム、フレックスツリーアルゴリズム、LARTアルゴリズム、ランダムフォレストアルゴリズム、MARTアルゴリズム、機械学習アルゴリズム、罰則付き回帰法の1つもしくは複数、またはそれらの組合せを包含する。特定の実施形態において、分析はロジスティック回帰を含む。
分析的な分類プロセスでは、種々の統計的分析方法のいずれか1つを使用して、定量的データを操作し、試料の分類を提供することができる。有用な方法の例は、線形判別分析、再帰的特徴排除、マイクロアレイの予測分析、ロジスティック回帰、CARTアルゴリズム、FlexTreeアルゴリズム、LARTアルゴリズム、ランダムフォレストアルゴリズム、MARTアルゴリズム、機械学習アルゴリズムなどを含む。
GABの予測のためのランダムフォレストを作成するために、当業者は、出生時の妊娠期間(GAB)が公知であり、N個の分析物(トランジション)が、出産の数週間前に採取された血液検体中で測定されているk名の対象(妊娠女性)の組を考慮することができる。回帰ツリーは、全ての対象を含むルートノードから開始する。全ての対象についての平均GABは、ルートノードにおいて算出することができる。ルートノード内のGABの分散は高くなる。なぜなら、異なるGABを伴う女性の混合があるからである。ルートノードを、次に、2つのブランチに分割し(パーティション)、各ブランチが、類似のGABを伴う女性を含むようにする。各ブランチにおける対象についての平均GABを再び算出する。各ブランチ内のGABの分散は、ルートノードより低くなる。なぜなら、各ブランチ内の女性のサブセットは、ルートノード中のものより、比較的類似したGABを有するからである。2つのブランチを、分析物、および類似のGABを伴うブランチを作成する分析物についての閾値を選択することにより作成する。分析物および閾値は、全ての分析物および閾値の組の間から選ばれ、通常、各ノードで分析物のランダムなサブセットを伴う。手順は、ブランチを再帰的に産生し続け、対象が非常に類似したGABを有するリーフ(末端ノード)を作成する。各末端ノードにおける予測されたGABは、その末端ノードにおける対象についての平均GABである。この手順によって、単一の回帰ツリーが作成される。ランダムフォレストは、数百または数千のそのようなツリーからなりうる。
分類は、試料が所与のクラスに属する確率を決定するための閾値を設定する予測モデル方法に従って行うことができる。確率は、好ましくは、少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%またはそれより高い。分類は、また、得られたデータセットと参照データセットの間での比較によって、統計的な有意差がもたらされるか否かを決定することにより行うことができる。もしそうである場合、次にデータセットが得られた試料は、参照データセットのクラスに属さないとして分類される。逆に、そのような比較が、参照データセットと統計的に有意に異ならない場合、そのデータセットが得られた試料は、参照データセットのクラスに属するとして分類される。
モデルの予測能力は、品質メトリックを提供するその能力に従って評価することができる(例えば、特定の値、または値の範囲のAUROC(ROC曲線下面積)または精度)。曲線下面積の測定値は、完全なデータ範囲にわたり分類器の精度を比較するために有用である。より大きなAUCを伴う分類器は、目的の2群間で未知数を正確に分類するより大きな能力を有する。一部の実施形態において、所望の品質閾値は、少なくとも約0.5、少なくとも約0.55、少なくとも約0.6、少なくとも約0.7、少なくとも約0.75、少なくとも約0.8、少なくとも約0.85、少なくとも約0.9、少なくとも約0.95、またはそれより高い精度を伴い試料を分類する予測モデルである。代替測定値として、所望の品質閾値は、少なくとも約0.7、少なくとも約0.75、少なくとも約0.8、少なくとも約0.85、少なくとも約0.9、またはそれより高いAUCを伴う試料を分類する予測モデルを指しうる。
当技術分野において公知の通り、予測モデルの相対的な感度および特異性は、選択メトリックまたは感度メトリックのいずれかを優先するように調整することができ、ここで、2つのメトリックは反比例関係を有する。上に記載するモデルにおける制限は、実施されているテストの特定の要件に依存して、選択された感度または特異性のレベルを提供するように調整することができる。感度および特異性の1つまたは両方が、少なくとも約0.7、少なくとも約0.75、少なくとも約0.8、少なくとも約0.85、少なくとも約0.9、またはそれより高くなりうる。
生データは、最初は、通常3回または複数の3回で、各バイオマーカーについて値を測定することにより分析することができる。データは、操作することができ、例えば、生データは、標準曲線、ならびに各患者について平均値および標準偏差を算出するために使用される3回の測定の平均値を使用して変換することができる。これらの値は、モデルにおいて使用される前に変換することができる(例えば、対数変換、Box−Cox変換)(Box and Cox、Royal Stat. Soc.、Series B、26巻:211〜246頁(1964年))。データは、次に、状態に従って試料を分類する予測モデルに入力される。結果として得られた情報は、患者または医療提供者に連絡することができる。
早産についての予測モデルを生成するために、公知の対照試料および目的の早産分類に対応する試料を含む、頑強なデータセットが、トレーニングセットにおいて使用される。試料サイズは、一般的に受け入れられている基準を使用して選択することができる。上で考察する通り、異なる統計的方法を使用して、高度に正確な予測モデルを得ることができる。そのような分析の例を、実施例2に提供する。
一実施形態において、階層的クラスタリングが、予測モデルの誘導において実施され、そこでは、ピアソン相関がクラスタリングメトリックとして用いられる。1つのアプローチは、「教師あり学習」の問題において「学習試料」として早産データセットを検討することである。CARTは、医療への適用における標準であり(Singer、Recursive Partitioning in the Health Sciences、Springer(1999年))、任意の定性的特徴を定量的特徴に変換すること;ホテリングT2統計について試料再利用方法により評価された、達成された有意水準によりそれらを選別すること;および投げ縄方法の適切な適用により改変することができる。予測における問題は、回帰の品質を評価する際の分類のためのジニ基準の適切な使用を実際に行うことにより、予測の視力喪失を伴わず、回帰における問題になる。
このアプローチは、FlexTreeと呼ばれるものに導いた(Huang、Proc. Nat. Acad. Sci. U.S.A 101巻:10529〜10534頁(2004年))。FlexTreeは、シミュレーションにおいて、および複数の形態のデータに適用された場合、非常に上手く実施され、請求する方法を実行するのに有用である。FlexTreeを自動化するソフトウェアが開発されている。あるいは、LARTreeまたはLARTを使用することができる(Turnbull(2005年)Classification Trees with Subset Analysis
Selection by the Lasso、Stanford University)。この名称は、CARTおよびFlexTreeと同様に、バイナリツリー;記載されている投げ縄;および、Efronら(2004年)Annals of Statistics 32巻:407〜451頁(2004年)によりLARSと呼ばれるものを通じた投げ縄の実施を反映する。また、Huangら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA.101巻(29号):10529〜34頁(2004年)を参照のこと。使用することができる他の分析方法は、論理回帰を含む。論理回帰の1つの方法:Ruczinski、Journal of Computational and Graphical Statistics 12巻:475〜512頁(2003年)。論理回帰は、その分類器をバイナリツリーとして表示することができる点でCARTと似ている。それは、各ノードが、CARTにより産生される単純な「and」記述よりも一般的である、特徴に関するブール記述を有する点で異なる。
別のアプローチは、最も近い収縮重心のアプローチである(Tibshirani、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A 99巻:6567〜72頁(2002年))。この技術は、k−means様であるが、クラスター中心を収縮させることにより、投げ縄の場合と同様に、自動的に特徴を選択し、情報価値のある少数のものに注意を集中するという利点を有する。このアプローチは、PAMソフトウェアとして利用可能であり、広く使用されている。使用することができるアルゴリズムの2つのさらなる組は、ランダムフォレスト(Breiman、Machine Learning 45巻:5〜32頁(2001年))およびMART(Hastie、The Elements of Statistical Learning、Springer(2001年))である。これらの2つの方法は、転帰に「投票」する予測因子を含む「コミッティ方法」として当技術分野において公知である。
有意な順序を提供するために、偽発見率(FDR)を決定することができる。最初に、相違値のヌル分布のセットが生成される。一実施形態において、観察されたプロファイルの値は、順序を変え、偶然に得られる一連の相関係数の分布を作成し、それにより相関係数のヌル分布の適切なセットを作成する(Tusherら、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A 98巻、5116〜21頁(2001年))。ヌル分布のセットは、全ての利用可能なプロファイルの各プロファイルの値の順序を変え;全てのプロファイルについてペアワイズ相関係数を算出し;この並べ替えについて相関係数の確率密度関数を算出し;この手順をN回(ここで、Nは大きな数、通常は300である)にわたり繰り返すことにより得られる。N分布を使用して、それらの値が、所与の有意水準での実験的に観察された相似値の分布から得られる(相似の)値を超える、相関係数値のカウントの適当な測定値(平均値、中央値など)を算出する。
FDRは、予想される偽有意相関の数(ランダム化データセットにおける、この選択されたピアソン相関よりも大きい相関から推定される)と、経験的データにおける、この選択されたピアソン相関(有意な相関)よりも大きい相関の数の比率である。このカットオフ相関値は、実験プロファイル間の相関に適用することができる。上記の分布を使用して、信頼性の水準を有意性について選ぶ。これを使用して、偶然により得られたであろう結果を超える相関係数の最小値を決定する。この方法を使用して、正相関、負相関、またはその両方の閾値を得る。この閾値を使用して、使用者は、ペアワイズ相関係数の観測値をフィルタリングし、閾値を超えないものを排除することができる。さらに、偽陽性率の推定値を、所与の閾値について得ることができる。個々の「ランダム相関」分布の各々について、どれだけ多くの観察が閾値範囲外にあるのか見出すことができる。この手順は、一連のカウントを提供する。シーケンスの平均値および標準偏差は、潜在的な偽陽性の平均数およびその標準偏差を提供する。
代替の分析アプローチにおいて、断面分析において選ばれた変数は、時間事象分析(生存分析)における予測因子として別々に用いられ、そこでは、事象は早産の発生であり、事象を伴わない対象は、出産時に打ち切られたと見なされる。特定の妊娠転帰(早産事象または無事象)を仮定し、各患者が観察されるランダムな時間長、ならびにプロテオミクスおよび他の特徴の選択、生存を分析するパラメトリックアプローチが、広く適用されるセミパラメトリックCoxモデルよりも良好でありうる。生存のワイブルパラメトリック適合は、ハザード比が、単調に増加する、減少する、または一定であることを可能にし、また、比例ハザード表現(Coxモデルの場合と同様)および加速故障時間表現を有する。回帰係数のおおよその最尤推定量および対応する関数を得る際に利用可能な全ての標準的なツールは、このモデルにおいて利用可能である。
加えて、Coxモデルを使用することができる。特に、なぜなら、投げ縄で管理可能なサイズまでの共変量数の低下によって、分析が有意に簡素化され、早産までの時間の予測に対するノンパラメトリックまたはセミパラメトリックなアプローチの可能性を与える。これらの統計ツールは、当技術分野において公知であり、プロテオミクスデータの全ての様式に適用可能である。簡単に決定することができ、前記妊娠女性における早産についての確率および早産事象までの予測時間に関して高度に情報価値があるバイオマーカー、臨床データ、および遺伝子データの組が提供される。また、アルゴリズムは、妊娠女性における早産についての確率に関する情報を提供する。
したがって、当業者は、本発明に従った早産についての確率を、量的またはカテゴリ変数のいずれかを使用して決定することができることを理解する。例えば、本発明の方法を実行する際、N個のバイオマーカーの各々の測定可能な特徴を、カテゴリデータ分析に供し、バイナリカテゴリ転帰として早産についての確率を決定することができる。あるいは、本発明の方法は、量的変数、特に予測される出生時の妊娠期間を最初に算出することにより、N個のバイオマーカーの各々の測定可能な特徴を分析しうる。予測される出生時の妊娠期間を、その後に、早産のリスクを予測するための基礎として使用することができる。最初に、量的変数を使用し、その後に量的変数をカテゴリ変数に変換することにより、本発明の方法では、測定可能な特徴について検出された測定値の連続を考慮に入れる。例えば、早産対満期出産のバイナリ予測を行うよりもむしろ、出生時の妊娠期間を予測することにより、処置を妊娠女性に合わせて個別化することが可能である。例えば、より早期の予測される出生時の妊娠期間は、満期に近づく予測された妊娠期間よりも、集中的な出生前介入、即ち、モニタリングおよび処置をもたらすであろう。
j日間プラスまたはマイナスk日間の予測されたGABを伴う女性の間で、p(PTB)を、実際に37週の妊娠期間前に出産する、j日間プラスまたはマイナスk日間の予測されたGABを伴う、PAPR臨床試験における女性の割合として推定することができる(実施例1を参照のこと)。より一般的には、j日間プラスまたはマイナスk日間の予測されたGABを伴う女性については、出生時の実際の妊娠期間が指定された妊娠期間未満である確率p(実際のGAB<指定されたGAB)を、実際に指定された妊娠期間前に出産する、j日間プラスまたはマイナスk日間の予測されたGABを伴う、PAPR臨床試験における女性の割合として推定した。
予測モデルの開発においては、マーカーの完全なセットまで、マーカーのサブセット、即ち、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6を選択することが望ましいことがある。通常、精度の高い予測モデルを維持しながら、定量的な試料分析に必要なもの、例えば、試薬の可用性、定量の便宜などを提供するマーカーのサブセットを選ぶ。分類モデルを構築するためのいくつかの情報価値のあるマーカーの選択では、性能メトリックの定義および、このメトリックに基づく有用な予測能力を伴うモデルを産生するための、使用者が定義する閾値が要求される。例えば、性能メトリックは、AUC、予測の感度および/または特異性、ならびに予測モデルの全体的な精度でありうる。
当業者により理解される通り、分析的な分類プロセスでは、定量的データを操作し、試料の分類を提供するための、種々の統計分析方法のいずれか1つを使用することができる。有用な方法の例は、非限定的に、線形判別分析、再帰的特徴排除、マイクロアレイの予測分析、ロジスティック回帰、CARTアルゴリズム、FlexTreeアルゴリズム、LARTアルゴリズム、ランダムフォレストアルゴリズム、MARTアルゴリズム、および機械学習アルゴリズムを含む。種々の方法が訓練モデルにおいて使用される。マーカーのサブセットの選択は、マーカーサブセットの前進選択または後方選択についてでありうる。全てのマーカーを使用することなくモデルの性能を最適化するマーカーの数を選択することができる。最適数の項目を定義するための1つの方法は、所与のアルゴリズムについて使用される項目の任意の組合せおよび数を使用して、このメトリックについて得られた最大値からの1以下の標準誤差がある、所望の予測能力(例えば、AUC>0.75、または感度/特異性の等価の測定値)を伴うモデルを産生する項目数を選ぶことである。
さらに別の態様では、本発明は、早産確率を決定するためのキットを提供する。キットは、バイオマーカーの検出のための1つまたは複数の薬剤、妊娠女性から単離された生物学的試料を保持するための容器;および、生物学的試料中の単離されたバイオマーカーの存在または量を検出するために、生物学的試料または生物学的試料の一部と薬剤を反応させるための印刷された指示を含むことができる。薬剤は、別々の容器に包装することができる。キットは、さらに、イムノアッセイを実施するための1つまたは複数の対照参照試料および試薬を含むことができる。
キットは、キットに含まれる組成物のための1つまたは複数の容器を含むことができる。組成物は、液体形態でありうる、または凍結乾燥することができる。組成物のための適切な容器は、例えば、ボトル、バイアル、シリンジ、および試験管を含む。容器は、ガラスまたはプラスチックを含む、種々の材料から形成することができる。キットは、また、早産の確率を決定する方法についての指示書を含む添付文書を含みうる。
以上の記載から、変形形態および改変形態を、種々の使用法および条件に採用するために、本明細書に記載する本発明に対して作製することができることは明らかであろう。そのような実施形態も以下の特許請求の範囲内である。
本明細書における変数の任意の定義におけるエレメントのリストの列挙は、任意の単一エレメントまたは列挙されたエレメントの組合せ(またはサブコンビネーション)としてのその変数の定義を含む。本明細書における実施形態の列挙は、任意の単一の実施形態として、または任意の他の実施形態もしくはそれらの部分との組合せで、その実施形態を含む。
本明細書において言及する全ての特許および刊行物が、各々の独立した特許および刊行物が参照により組み入れられることが具体的かつ個別に示されるかのように、本明細書において同程度に参照により組み入れられる。
以下の実施例を、非限定的に、例示のために提供する。
(実施例1)早産についてのバイオマーカーの発見および検証のための試料セットの開発
Proteomic Assessment of Preterm Risk(PAPR)臨床研究の実施を管理する標準プロトコールが開発された。検体は、米国全土の協会審査委員会(Institutional Review Board;IRB)により認定された11カ所での女性から得られた。インフォームドコンセントを提供した後、血清および血漿試料、ならびに患者の人口統計学的特徴、過去の病歴および妊娠歴、現在の妊娠歴および併用投与に関する関連情報が得られた。出産に続いて、母体および乳児の状態および合併症に関連するデータが収集された。血清および血漿試料を、標準的な冷却遠心分離、2−Dバーコード化されたクライオバイアル中への試料の分注、およびその後の−80℃での凍結を要求するプロトコールに従って処理した。
出産に続き、早産症例を個別に検討し、それらの状態を自然早産または医学的に示された早産のいずれかとして決定した。自然早産症例だけを、この分析のために使用した。早産のバイオマーカーを発見するため、17週0日(17.0)〜28週6日(28.6)の血液採取時妊娠期間(GABD)にわたる86例の早産症例および172例の対照に由来する血清試料を分析した。また、別の試料セットを、裏付けのために分析した。このセットは、同じ妊娠期間範囲にわたる50例の早産症例および100例の対照に由来する血清で構成されていた。各症例につき、GABDが一致した2つの対照を、2012年全国人口動態報告書(National Vital Statistics Report)に報告されている出産の分布と一致させた幾つかのランダムに生成された対照のパネルから選択した。両試料セットに使用した対象の出産時妊娠期間および症例対対照状況が実験室職員に分からないことを保証するようにプロトコールを設けた。インフォマティクス職員にも、試料の分析的解析が完了するまで裏付け試料セットは知らされていなかった。
血清試料は、Human 14 Multiple Affinity Removal System(MARS14)を使用して、存在量の高いタンパク質を枯渇させた。これにより、血清プロテオームの疾患関連変化の特定に関して有益な情報をもたらさないとして扱われる最も存在量の高いタンパク質のうち14個が除去される。この目的のため、等容積(50μl)の各臨床のプールしたヒト血清試料(HGS)試料、またはヒトのプールした妊婦女性血清試料(pHGS)を、150μlのAgilentカラム緩衝液Aで希釈し、Captivaフィルタープレートで濾過して、析出物を除去した。濾過した試料を、製造業者のプロトコールに従って、MARS−14カラム(4.6×100mm、カタログ番号5188−6558、Agilent Technologies)を使用して枯渇させた。試料をオートサンプラーで4℃に冷却し、枯渇カラムを室温で流し、収集した画分を、さらなる分析まで4℃で維持した。未結合画分を、さらなる分析のために収集した。
枯渇させた血清試料をジチオトレイトールで還元し、ヨードアセトアミドを使用してアルキル化した。その後、5.0μgのTrypsin Gold−Mass Spec Grade(Promega)を用いて17時間(±1時間)37℃で消化した。トリプシン消化後、187個の安定同位体標準(SIS)ペプチドの混合物を試料に添加し、各試料の半分を、Empore C18 96ウェル固相抽出プレート(3M Bioanalytical Technologies)で脱塩した。プレートを、製造業者のプロトコールに従って前処理した。ペプチドを300μlの1.5%トリフルオロ酢酸、2%アセトニトリルで洗浄し、250μlの1.5%トリフルオロ酢酸、95%アセトニトリルで溶出し、30分間−80℃で凍結し、その後凍結乾燥で乾燥した。凍結乾燥したペプチドを、3つの非ヒト内部標準(IS)ペプチドを含有する2%アセトニトリル(acetontile)/0.1%ギ酸で復元した。ペプチドを、Agilent Poroshell
120EC−C18カラム(2.1×100mm、2.7μm)で400μl/分の30分間アセトニトリル勾配を用いて40℃にて分離し、Agilent6490トリプル四重極質量分析計にインジェクトした。
枯渇およびトリプシン消化した試料を、スケジュールされた多重反応モニタリング法(sMRM、scheduled Multiple Reaction Monitoring method)を使用して分析した。sMRMアッセイにより、259個の生物学的ペプチドおよび190個のISペプチド(187個のSIS+3個のIS)が測定された898個のトランジションをモニターした。これは、148個のタンパク質に相当する。Mass Hunter Quantitative Analysisソフトウェア(Agilent Technologies)を使用してクロマトグラフィーのピークを積分した。
データ分析
発見および裏付け試料データの分析は、2段階で実施した。第1段階では、発見試料を使用した選択および独立裏付け試料セットを使用した確認により、ロバストなバイオマーカーを特定した。第2段階では、発見データおよび裏付けデータを組み合わせて使用し、分類器を開発するための最良の分析物および分析物のパネルを特定した。
段階I:盲検分析
初期分類器開発では、妊娠期間17.0〜25.6に着目した。発見試料を使用して、62個のタンパク質に対応するペプチドのセットを、分析前および分析基準に基づいて選択した。分析物の診断性能は、隣接するウィンドウ間で2週間重複した3週間にわたる一連の狭域GABDウィンドウで評価した。診断性能の一貫性に基づき(GABDにわたる症例対対照の上方および下方制御)、43個の分析物のサブセットを、さらなる分析のために選択した。
狭域GABDウィンドウ毎に、狭域ウィンドウ内の上方および下方制御された分析物のあらゆる組合せを使用して反転のセットを形成した。反転値は、下方制御された分析物の相対的ピーク面積に対する上方制御された分析物の相対的ピーク面積の比を指し、変動性の標準化および診断シグナル増幅の両方の役割を果たす。狭域ウィンドウ内のあらゆる考え得る反転の中から、個々単変量性能(AUC>=0.6)に基づいてサブセットを選択した。
ウィンドウ毎に、様々なサイズの反転パネルを形成した(サイズ2、3、4、6、8)。ウィンドウ内のパネルサイズ毎に、それぞれ試料の70%および30%に対してロジスティックス分類器を1,000回反復して訓練および試験することによりモンテカルロ相互検証(MCCV)を実施した。その後、平均MCCV AUCにより最適であると決定されたサイズ4のパネルを、パネルで良好な性能を示す反転候補の特定に使用した。反転候補は、MCCV分析におけるサイズ4のパネルの上位高性能ロジスティックス分類器での出現頻度により特定した。ウィンドウ毎に、0.7から1までの範囲の感度のAUCまたは部分的AUC(pAUC)のいずれかの性能測定値、または分類器出力スコアと出産までの時間の値(TTB)(GABDと出産時妊娠期間との日数差)との相関性を使用して、3セットの反転頻度表を作成した。これら反転リストの各々から、上位15個の反転をさらなる分析のために選択した。
GABD狭域ウィンドウ毎に、サイズ2、3、4の反転パネルを、3つのリスト(AUC、pAUC、およびTTB)の各々から、MCCV分析の性能に基づいて形成した。各ウィンドウの各パネルサイズ毎に上位15個のパネルを選択した。各ウィンドウの3つのリスト(AUC、pAUC、およびTTB)の各々からの上位15個の反転と共に、サイズ2、3、および4のこれら上位15個のパネルを使用して、ロジスティックス分類器を発見試料で訓練し、裏付け試料の分類スコアを盲検様式で生成した。
全ての反転および分類器パネルの性能は、第三者統計専門家により評価された。ROC曲線のAUC、pAUC、および分類器スコアのTTB相関性が報告された。
段階II:非盲検分析
非盲検化した後、発見および裏付けデータセットを組み合わせて再分析した。診断タンパク質の発現は、妊娠全体にわたって変化する場合があるため、本発明者らは、タンパク質レベルをGABDの関数として検査した。+/−10日の中央値平滑化ウィンドウを適用して、動態プロットを作成した。タンパク質の相対的レベルは、その対応するSIS標準に対する内因性ペプチドピーク面積の比(相対比)として表した。妊娠で増加するが、PTB症例および対照では差異のないレベルを示すタンパク質の例は、図3、4、および10に示されている。そのようなタンパク質のレベルの測定は、正確な妊娠日数決定に有用であり得る(例えば、妊娠「時計」)。妊娠時計は、1つまたは複数のタンパク質(トランジション)の相対存在量から妊娠期間を予測する。あるいは、本発明者らは、この同じ分析にて、そのレベルがGABDにわたって変化するが、PTB症例と対照との間で差異を示すタンパク質を特定した(図5)。これらタンパク質は、PTB分類器を開発するための明白な診断候補である。また、過少発現タンパク質の比に対する過剰発現タンパク質の比を使用して、反転形成の影響を例示した(図8および21)。これによりPTB症例および対照の分離の増加がもたらされることは明らかである。以前の分析では、幾つかの分析物のレベルは、妊娠前の体格指数(BMI)により影響を受ける場合があることが示唆されている。CLIN. CHEM.、37巻/5号、667〜672頁(1991年);European Journal of Endocrinology(2004年)150巻、161〜171頁。そのため、分離に対するBMIの影響を、そのBMIが35未満である患者のみの妊娠全体にわたる反転値を表示することにより調査した(図21)。これは、分離のさらなる向上をもたらす。
発見および裏付けデータセットの組合せでの反転選択および分類器開発は、以前の研究と同様だった。本発明者らは、3番目の重複GABDウィンドウ(133〜153日目)に着目して、分析を例示した。MCCV分析を実施して反転候補を特定した。パネルの性能を評価するために、反転値を、単純LogSum分類器と組み合わせた。LogSum分類器は、その試料の各反転の相対比値の対数の合計に基づいて各試料にスコアを割り当てる。このタイプの分類器には係数が無いため、過剰フィッティング問題の回避が支援される。当業者であれば誰でも、十分に確立されている技法により、同じ分析物を使用して同様のロジスティックス分類器を導出することができる。4つのタンパク質から形成された3つの上位反転のパネルの多変量性能は、図8の、相互検証により得られたAUC値のヒストグラムとしておよびROC曲線に示されている。以前の分析では、幾つかの分析物のレベルは、妊娠前の体格指数(BMI)により影響を受ける場合があることが示唆されている。
本発明者らは、本明細書にてITIH4/CSHの使用により例示される、出産までの時間(TTB)の強力な予測因子であるタンパク質および/または反転を決定した(図10)。TTBは、GABDと出産時妊娠期間(GAB)との差として定義される。これにより、個々にまたはそのような分析物の数学的な組合せのいずれかで、TTB(またはGAB)を臨床的に推定する予測が可能になる。
(実施例2)
IBP4/SHBG sPTB予測因子の検証
この例では、妊娠初期の無症候女性の大規模母体血清プロテオミクス努力で特定されたIBP4/SHBG sPTB予測因子の検証が示されている。
対象
早産リスクのプロテオミクス評価(PAPR)研究を、全米の11箇所の施設内治験審査委員会(IRB)により承認された施設にて標準プロトコールに基づいて実施した(臨床試験政府識別番号:NCT01371019)。17 0/7〜28 6/7週GAの対象を登録した。初期超音波生物測定法により確認された月経日数決定の所定のプロトコールまたは超音波のみを使用して日数を確立して、最良の臨床推定妊娠期間を準備した。体格指標(BMI)を、身長および妊娠前の自己申告体重から導出した。多胎妊娠の妊娠および相当程度の胎児奇形であることが既知である、または疑われる妊娠を除外した。対象の人口統計的特徴、過去の病歴および妊娠歴、現在の妊娠歴、および併用薬物に関する関連情報を収集し、電子症例報告書式に入力した。分娩後、母体および幼児の転帰および合併症のデータを収集した。分娩は全て、満期(≧37 0/7週GA)、自然早産(予定日前の早期破水を含む)、または医学的に示された早産と判定した。不一致は、指示されているように、研究施設の治験責任医師が解決した。判定を完了し、検証研究前にデータをロックした。
試料収集
母体血液を以下のように収集および処理した:10分間の室温凝固期間後、直ちに冷却遠心分離するか、または遠心分離するまで4〜8℃の氷水浴に配置した。収集した2.5時間以内に血液を遠心分離し、分析するまで0.5mlの血清分取物を−80℃で保管した。
予測因子開発原理
IBP4/SHBG予測因子の開発は、「オミクス」研究のベストプラクティスに関する米国医学研究所(IOM)ガイドラインに準じた、独立および連続した発見ステップ、裏付けステップ、および検証ステップを含んでいた。IOM(米国医学研究所)、Evolution of Translation Omics: Lessons Learned and the Path Forward.、(Micheel CM、Nass SJ、Omenn GS編)、Washington, DC:The National Academies Press.;2012年:1〜355頁。分析的検証を、臨床検証試料分析より先行させた。分
析的検証は、バッチ間およびバッチ内の精度、持ち越し、および検出限界の評価を含んでいた。
検証ネステッド症例/対照分析を、発見および裏付けと無関係の、事前に指定されているsPTB症例ならびに対照検体に対して実施した。sPTB症例は、合計で9箇所の施設からの試料を含み、2箇所の施設は検証に固有だった。検証症例および対照には、質量分析(MS)血清分析前に、各対象の医療記録を用いて100%現場原文書照合を行った。このプロセスにより、対象が全て、選択および除外基準を満たすことが保証され、ならびに試料収集および分娩時の対象全てについて医学的合併症/妊娠合併症および出産時GA割り当てが確認された。検証研究設計、分析計画、および盲検プロトコールを含む、詳細な分析プロトコールを、事前に確立した。臨床業務長(DCO)および臨床データ管理者以外の人員には、対象症例、対照、および出産時GAデータ割り当てが知らされていなかった。データ分析計画は、事前に指定されていた検証主張および二重独立外部分析のプロトコールを含んでいた。下記に記載のように算出された予測因子スコアは、全対象試料が、盲検統計専門家により決定された。DCOにより予測因子スコアと関連付けられた症例、対照、およびGAデータを、独立した外部の統計分析にかけた。その後、受信者動作特性曲線下面積(AUROC)および有意性検定結果は、DCOに転送された。データの転送には、データ完全性の維持を保証するために、SUMPRODUCT機能(Microsoft、Microsoft Excel2013)の使用が組み込まれていた。各対象から検証結果までのデータ監査証跡を提供するために、リアルタイムデジタル時間刻印を、分析データ、計画、および報告書に適用した。
検証研究設計
一次分析では、sPTB症例は、満期前の早期破水(PPROM)または<37 0/7週GAでの自然陣痛の開始により分娩した対象と定義した。対照は、≧37 0/7週GAで分娩した対象であった。以前の発見および裏付け分析では、幅広い妊娠期間(17
0/7〜25 6/7週GA)にわたって収集された血清試料を使用して、44個の候補バイオマーカーが調査された(補足物質)。発見および裏付けにより、血液採取区間(19 0/7〜21 6/7週)の至適な狭域GA、およびAUROCによるsPTBの最良予測因子としての比(IBP4/SHBG)に使用される2つのタンパク質(IBP4およびSHBG)が特定された(補足物質)。発見および裏付けでは、BMI値が極端でない対象は、IBP4/SHBGによる分類性能を向上させた(補足結果)。発見および裏付け分析の後、本発明者らは、分析的および臨床的検証に移行した。
検証sPTB症例は、17 0/7〜28 6/7週のGAにわたって利用可能だった合計81人の対象から、19 0/7〜21 6/7週の血液採取時GA(GABD)に収集された合計18人の対象だった。GABDが一致したsPTB症例当たり2つの対照を含む対照のセットを、R統計プログラム(R 3.0.2)(Team RC.、R: a Language and Environment for Statistical Computing.、Vienna、Austria;2014
年、2015年;Matei A, Tille Y.、The R "sampling" package.、European Conference on Quality in Survey Statistics.、2006年)を使用してランダムに選択し、カイ二乗検定を使用して、2012年全国人口動態報告書(Martin JA、Hamilton BE、Osterman MJ、Curtin SC、Mathews TJ.、Births: Final Data for 2012.、National Vital Statistics Reports.、2014年;63巻(09号):1〜86
頁)に概説されている満期分娩分布と比較した。ランダムに生成された対照セット(各群10人)を、1.0に近いp値をもたらすセットについて検査した。
主な目的は、AUROCを使用して、sPTBの予測因子としてのIBP4/SHBG比の性能を検証することだった(Team RC.、R: a Language and Environment for
Statistical Computing.、Vienna、Austria;2014年、2015年;Sing T、Sander O、Beerenwinkel N、Lengauer T.、ROCR: visualizing classifier performance in R. Bioinformatics.、2005年;21巻(20号):7881頁)。全体的
な多重検定エラー率(α=0.05)を制御するため、固定順序法(Dmitrienko A、Tamhane AC、Bretz F編、 Multiple Testing Problems in Pharmaceutical Statistics.、Boca Raton、Florida:CRC Press;2009年:1〜320頁;Dmitrienko A
、D'Agostino RB、Huque MF.、Key multiplicity issues in clinical drug development.、Stat Med.、2012年;32巻(7号):1079〜111頁、doi:10.1002/sim.5642.)を、発見および裏付けで特定された至適区間(19 0/7〜21 6/7週のGA)内のGABD増分に、BMI階層化を行っておよび行わずに適用した(補足物質を参照)。有意性は、AUROC=0.5(偶然)との等価性を検定するウィルコクソン−マン−ホイットニー統計により評価した。(Bamber D.、The area above the
ordinal dominance graph and the area below the receiver operating characteristic graph.、Journal of mathematical psychology.、1975年;12巻(4号):387〜415頁、doi:10.1016/0022-2496(75)90001-2;Mason SJ, Graham
NE.、Areas beneath the relative operating characteristics (ROC) and relative operating levels (ROL) curves: Statistical significance and interpretation.、QJR Meteorol Soc.、2002年;128巻(584号):2145〜2
166頁、doi:10.1256/003590002320603584.)<37 0/7対≧37 0/7週のGA以外のGA境界(例えば、<36 0/7対≧36 0/7、<35 0/7対≧35
0/7)での分類性能を決定するために、症例および対照を、それぞれ特定の境界未満のおよびそれと同じ/それ超の全ての対象として再定義した。
検査室方法
システム生物学的手法を使用して、高度に多重化された多重反応モニタリング(MRM)MSアッセイを生成した(補足の方法および結果)。検証アッセイにより、予測因子タンパク質IBP4およびSHBGならびに他の対照に特異的なプロテオティピックペプチドを定量化した。試料を32個のバッチで処理し、バッチは、臨床対象(24個)、健康な非妊娠ドナー(HGS)に由来するプールした血清標準物(3個)、健康な妊娠ドナー(pHGS)に由来するプールした血清標準物(3個)、および処理対照としての役割を果たすリン酸緩衝生理食塩水(2個)で構成されていた。分析は全て、血清試料を、まず、MARS−14免疫枯渇カラム(Agilent Technologies)を使用して、存在量が高く非診断性のタンパク質を枯渇させ、ジチオトレイトールで還元し、ヨードアセトアミドでアルキル化し、トリプシンで消化した。その後、重標識安定同位体標準(SIS)ペプチドを試料に添加してから、それを脱塩し、逆相液体クロマトグラフィー(LC)/MRM−MSで分析した。血清中で測定されたペプチド断片イオン(つまり、トランジション)のピーク面積を、同じ血清試料にスパイクした対応するSISトランジションのピーク面積で除算した応答比(RR)を生成することにより、SISペプチドを標準化に使用した。
IBP4/SHBG予測因子
予測因子スコアは、IBP4ペプチドトランジション応答比およびSHBGペプチドトランジション応答比の比の自然対数として定義した:
式中、RRは、それぞれのペプチドの測定された応答比である。
結果
図23には、PAPRの研究対象の分布が要約されている。2011年3月〜2013年8月に、5,501人の対象が登録された。410人(6.7%)の対象は、妊娠1期後にプロゲストゲン療法を受けたため、プロトコールにあらかじめ定められていたように分析から除外した。さらに120人(2.2%)の対象が初期中断により除外され、146人(2.7%)が追跡不能だった。合計4,825人の対象が分析に利用可能だった。533例のPTB:248例(4.7%)の自然早産および285例(5.9%)の医学的に示された早産があった。sPTBの対象は、満期で分娩した対象と比較して、1回または複数回のPTB前歴を有し、研究妊娠での妊娠12週後に出血を経験する可能性がより高かった(表1)。検証に選択したsPTB症例および満期対照の特徴は、ヒスパニック対照が有意により多かったこと(47.5%対33.3%、p=0.035)を除いて、互いに有意な違いはなかった。同様に、検証に選択した対象は、満期対照の民族性を除いて、全体として研究コホートをおおむね代表していた(表1)。
検証分析
発見および裏付け分析では、それぞれAUROCおよびGA区間により、IBP4/SHBGの比および19 0/7〜21 6/7週のGA区間が、最も性能のよいsPTB予測因子であると特定された(補足結果、下記)。検証のため、所定の固定順序法により、BMI階層化を用いておよび用いずにIBP4/SHBG予測因子を検証した。至適性能は、19 1/7〜20 6/7週のGA区間で特定された。BMIを考慮に入れない場合、検証された性能は、AUROC=0.67(p=0.02)だった(補足結果)。しかしながら、予想通り、>22および≦37kg/m2のBMI階層化により性能が向上した。これは、0.75のAUROCに相当した(p=0.016、95%CI 0.56〜0.91)(図24)。BMI階層化のより詳述な特徴付けは、補足結果に見出すことができる。感度、特異性、AUROC、およびオッズ比(OR)の性能測定値を、様々な症例対対照の境界で決定した(表2)。sPTB対満期出産(<37 0/7対≧37 0/7週)では、感度および特異性は、それぞれ0.75および0.74であり、オッズ比(OR)は、5.04だった(95%CI 1.4〜18)。他の境界での結果は、表2に要約されている。検査の正確さは、より低いGA境界で向上した。
臨床リスクの尺度である有病率調整陽性予測値(PPV)は、予測因子スコアの関数として図25に示されている。PPVが、バックグラウンド値(米国での単生児出産の集団sPTB率は7.3%)(Martinら、Births: final data for 2013.、Natl Vital
Stat Rep.、2015年;64巻(1号):1〜65頁 Martin JA、Hamilton BE、Osterman MJ、Curtin SC、Matthews TJ.、Births: final data for 2013.、Natl
Vital Stat Rep.、2015年;64巻(1号):1〜65頁)から、2×(14.
6%)および3×(21.9%)(点線)ならびにそれ超の相対リスクへと増加すると供に、より増加した予測因子スコアを有する対象の階層化が生じた(図25)。出産時GAカテゴリーにより色分けされた対象のIBP4/SHBG予測因子スコア値の分布が、図25のボックスプロットに示されている。最も初期のsPTB症例(<35 0/7週GA)は、後期満期対照(≧39 0/7週GA)よりも高い予測因子スコアを有するが、後期sPTB症例(≧35 0/7〜<37 0/7週GA)は、初期満期対照(≧37
0/7〜<39 0/7週GA)と重複している(図25)。検証対象を、2×相対リスク(14.6%のPPV)に対応する予測因子スコアカットオフに応じて高リスクまたは低リスクと特定した。その後、高リスク群および低リスク群の出産率を、カプラン−マイヤー検定の事象として表示した(図26)。この分析によると、高リスクとして分類されたものは、概して、低リスクと分類されたものよりも初期に分娩した(p=0.0004)。
ポスト検証分析
予測因子性能を、盲検裏付けの対象および至適なBMIおよびGA区間内の検証分析の組合せを使用して測定した(補足データ、下記)。組合せ試料セットのROC曲線が示されており、0.72のAUROCに対応する(p=0.013)(図27)。
オミクス手法を使用して、本発明者らは、BMI区間が>22および≦37kg/m2で19〜20週のIBP4/SHBGレベルの比で構成されている母体血清予測因子を開発した。これは、sPTBの運命にある女性の75%を特定した。sPTB前歴(Goldenbergら、Epidemiology and causes of preterm birth.、Lancet.、2008年;3
71巻(9606号):75〜84頁、doi:10.1016/S0140-6736(08)60074-4、Petriniら、Estimated effect of 17 alpha-hydroxyprogesterone caproate on preterm birth in the United States.、Obstet Gynecol.、2005年;105巻(2号):267〜272頁)および子宮頚部長測定値(Iamsら、The length of the cervix and the risk of spontaneous premature delivery.、National Institute of Child Health and Human Development Maternal Fetal Medicine Unit Network.、N Engl J Med.、1996年;334巻(9号):567〜72頁;Hassanら、Vaginal progesterone reduces the rate of preterm birth in women with a sonographic short cervix: a multicenter, randomized, double-blind, placebo-controlled trial.、Ultrasound Obstet Gynecol.、2011年;38巻(1号):18〜31頁)は、現在まで、臨床リスクの最も良好な指標であると見なされているが、個々でもまたは組合せでもいずれでも、sPTBの大部分を予測することができない。
理想的なsPTB予測ツールは、侵襲性が最小限であり、日常的な産科来院のタイミングと一致する妊娠初期に実施され、最もリスクの高い者を正確に特定するだろう。本オミクス研究は、妊娠の生理学的状態の混乱を、sPTB対象中で測定される母体血清分析物で検出することができることを示唆する。PTBのオミクス発見研究としては、プロテオミクス手法(Gravettら、Proteomic analysis of cervical-vaginal fluid: identification of novel biomarkers for detection of intra-amniotic infection.
、J Proteome Res.、2007年;6巻(1号):89〜96頁;Goldenbergら、The preterm prediction study: the value of new vs standard risk factors in predicting early and all spontaneous preterm births. NICHD MFMU Network.、Am J Public Health.、1998年;88巻(2号):233〜8頁;Gravett
ら、Diagnosis of intra-amniotic infection by proteomic profiling and identification of novel biomarkers.、JAMA.、2004年;292巻(4号):462〜469頁;Pereiraら、Insights into the multifactorial nature of preterm
birth: proteomic profiling of the maternal serum glycoproteome and maternal serum peptidome among women in preterm labor.、Am J Obstet Gynecol.、2010年;202巻(6号):555.e1〜10;32. Pereiraら、Identification of novel protein biomarkers of preterm birth in human cervical-vaginal fluid., J Proteome Res.、2007年;6巻(4号):1269〜76頁
;Dasariら、Comprehensive proteomic analysis of human cervical-vaginal fluid.、J Proteome Res.、2007年;6巻(4号):1258〜1268頁;Esplinら、Proteomic identification of serum peptides predicting subsequent spontaneous preterm birth.、Am J Obstet Gynecol.、2010年;204巻(5号):
391.e1〜8)、トランスクリプトーム手法(Weinerら、Human effector/initiator gene sets that regulate myometrial contractility during term and preterm labor.、Am J Obstet Gynecol.、2010年;202巻(5号):474.e
1〜20;Chimら、Systematic identification of spontaneous preterm birth-associated RNA transcripts in maternal plasma.、PLoS ONE.、2012年;7巻
(4号):e34328頁、Enquobahrieら、Early pregnancy peripheral blood gene expression and risk of preterm delivery: a nested case control study.、BMC Pregnancy Childbirth.、2009年;9巻(1号):56頁)、ゲノム手法(Bezoldら、The genomics of preterm birth: from animal models to human
studies.、Genome Med.、2013年;5巻(4号):34頁;Romeroら、Identification of fetal and maternal single nucleotide polymorphisms in candidate
genes that predispose to spontaneous preterm labor with intact membranes.、Am J Obstet Gynecol.、2010年;202巻(5号):431.e1〜34;Swaggartら、Genomics of preterm birth.、Cold Spring Harb Perspect Med.
、2015年;5巻(2号):a023127頁;Haatajaら、Mapping a new spontaneous preterm birth susceptibility gene, IGF1R, using linkage, haplotype
sharing, and association analysis.、PLoS Genet.、2011年;7巻(2号)
:e1001293;McElroyら、Maternal coding variants in complement receptor 1 and spontaneous idiopathic preterm birth.、Hum Genet.、2013年;132巻(8号):935〜42頁。)、およびメタボロミクス手法(Menonら、Amniotic fluid metabolomic analysis in spontaneous preterm birth.、Reprod Sci.
、2014年;21巻(6号):791〜803頁)が挙げられる。しかしながら、現在まで、これら手法はいずれも、無症候女性のsPTBのリスクを高い信頼性で予測するための検証された検査方法をもたらしていない。
本発明は、オミクスの検査開発に関するIOMガイドラインを遵守しつつ、独立した発見、裏付け、および検証分析を可能にした大規模前向き同時期臨床研究の結果である。それは、妊娠に関連する生物学的経路を調査するための大規模標準化多重プロテオミクスアッセイの構築を含んだ。また、研究サイズおよび比較的幅広い血液収集ウィンドウ(17
0/7〜28 6/7週のGA)は、sPTB症例と満期対照との間でタンパク質濃度に著しい変化があるGA区間の特定を可能にした。複雑性が低い予測因子モデル(つまり、2つのタンパク質の比)を使用することにより、過剰フィッティングの落とし穴が抑制された。
プロテオミクスアッセイおよびモデル構築の応用は、sPTBに関する一貫して良好な予測性能を有する重要なタンパク質の対(IBP4およびSHBG)の特定に結び付いた。複数の病因に起因する状態に関する分類器を構築するのは困難であるにもかかわらず、この予測因子は、<37 0/7対≧37 0/7週GAのカットオフ、AUROCが0.75で良好な性能を示した。重要なことには、予測因子の正確性が、より初期のsPTB(例えば、<35 0/7週GA)で向上し、罹患率の可能性が最も高いsPTBの検出が可能になる。IBP4/SHBG予測因子を使用してsPTBのリスクが高いと決定された対象は、低リスクであると特定された対象よりも有意により初期に分娩した。本発明者らの知見は、IBP4およびSHBGは、sPTBの病因と関連する重要な機能を果たし、および/または関連する生物学的経路の収束点として作用する可能性があることを示唆する。
子宮頚部長(CL)のユニバーサル経膣超音波(TVU)測定は、本発明者らの研究センターの大多数で日常的には実施されておらず、利用可能だったのは研究対象の1/3未満だった。CL測定値がプロテオミクス予測因子を向上させるか否か、またはその代わりに、IBP4/SHBG分類器によるリスク階層化が、連続CL測定から最も利益を得る女性を特定するか否かを、将来の研究で評価することは興味深いだろう。最後に、BMI変数と一緒にまたは恐らくは他の病歴/妊娠歴および社会人口統計学的特徴と組み合わせて、分子予測因子の性能を調査することは、非常に興味深いだろう。
結論として、無症候経産および未経産女性中のIBP4およびSHBGの血清測定値に基づくsPTBの所定の予測検査は、完全に独立した対象のセットで検証された。これらタンパク質、それらの遺伝子制御、および関連経路に関するさらなる機能的研究は、sPTBの分子的および生理学的基盤の解明を支援することができる。この予測因子を応用すると、sPTBのリスクがある女性の初期および高感度検出が可能になるはずである。これは、臨床監視の増加により妊娠転帰を向上させることができるだけでなく、PTB予防のための臨床介入の開発を加速させることができる。
補足の物質および方法
発見および裏付け対象
発見および裏付け対象は、この実施例で上述されているPAPR研究に由来する対象だった。
発見および裏付け原理
sPTBを、この実施例で上述されているように定義した。予測因子の発見および裏付けは、「オミクス」研究におけるベストプラクティスのガイドラインに従って実施した。(IOM(米国医学研究所)、Evolution of Translation Omics: Lessons Learned
and the Path Forward.(Micheel CM、Nass SJ、Omenn GS編)、Washington, DC:The National Academies Press.;2012年:1〜355頁)。ネステッド症例/対照分析には、互いに完全に独立した試料セットを使用した。発見および裏付けに選択した症例および対照は、対象内データ不一致について中央による再検討を受けた。医療記録との原資料検証(SDV)は実施しなかった。発見および裏付けのためのsPTB症例および対照は全て、主任医師により個々に判定され、不一致は、臨床施設のPIが解決した。研究設計、分析計画、および裏付け盲検プロトコールを含む、詳細な分析プロトコールを事前に確立した。実験室およびデータ分析人員は、裏付け対象の症例、対照、およびGAデータ割り当てを知らされていなかった。下記に記載のように算出した予測因子スコアを、内部盲検統計専門家が全対象試料に割り当てた。DCOにより予測因子スコアと関連付けられた症例、対照、およびGAデータを、分析のために、独立した外部の統計専門家に提供した。その後、AUROC結果は、DCOに転送された。データの転送には、データ完全性の維持を保証するために、ExcelのSUMPRODUCT(Microsoft、Microsoft Excel2013)機能が使用された。対象のデータから裏付け結果までの監査証跡を提供するために、デジタル時間刻印を、分析データ、計画、および報告書に適用した。
発見および裏付け研究設計
発見および裏付けsPTB症例は、それぞれ合計で86および50名の対象であり、17 0/7〜28 6/7週の血液採取時GA(GABD)にわたって収集された。発見および裏付けに使用した対象は、互いに完全に独立しており、検証に使用したものとも独立していた。発見および裏付けにおけるsPTB症例の一致対照を、この実施例に上述されているように特定した。
有病率分析
発見、裏付け、および検証分析の後、以前の研究で使用されなかった追加の満期対照をPAPRデータベースから選択し、この実施例に上述されている検証に適用したMRM−MSアッセイを使用して実験室で処理した。R統計ソフトウェア(バージョン3.0.3)(Team RC. R:a Language and Environment for Statistical Computing.、Vienna、Austria;2014年、2015年;Matei A、Tille Y.、The R "sampling"
package. European Conference on Quality in Survey Statistics.、2006年)のサンプリングパッケージを使用して、187名の対象のセットを、検証されているGA血液採取区間からランダムに選択し、単変量統計分析(カイ二乗検定)により、2012年全国人口動態報告書(NVSR)の出産時妊娠期間(GAB)データと比較した。Martinら:Final Data for 2012. National Vital Statistics Reports.、2014年;63巻(09号):1〜86頁。その後、p値(1.0に近く、最小許容値は0.950)に基づき、2012年NVSRの分娩分布に最も緊密に近似する対照のセットを選択し、全体として、PAPR研究のBMI分布と比較した。PAPR研究データベースのBMIデータに対する単変量統計分析(カイ二乗検定)を使用して、NVSRでのBMIの分布(1.0に近く、最小許容値が0.950)および分娩タイミングの分布に最も緊密に近似する対照のセットを選択し、検証されている血液採取試料GABDと比較した。3つの分布全てに最も緊密に近似するセットを、有病率研究の対象セットとして選択した。検証GABD区間およびBMI制限内の裏付け、検証、および有病率の予測因子スコア値は、合計で150名の対象だった。この複合データセットを使用して、図25のPPV曲線に関する信頼区間の最も良好な推定を得た。PPVに関する信頼区間は、二項比率の誤差の正規近似により算出した。Brownら、Interval estimation for a binomial
proportion、Statistical science、2001年;16巻(2号):101〜133頁。
実験室方法
システム生物学的手法を使用して、文献キュレーション、標的化および非標的化プロテオミクス発見、および対象試料の少量MRM−MS分析の反復適用による、高度に多重化された多重反応モニタリング(MRM)質量分析(MS)アッセイを生成した。147個のタンパク質を測定する成熟したMRM−MSアッセイを、発見および裏付け研究に適用した。全ての分析について、血清試料は、この実施例に上述されているように実験室で処理された。プールした血清対照(pHGS)の分取物を使用して、IBP4およびSHBGのバッチ間分析変動係数(CV)を算出した。
基本的な予測因子開発戦略
過剰フィッティングを回避するための、および妊娠中のタンパク質発現の性質が動的であるため幅広い妊娠期間範囲にわたって予想されるバイオマーカー性能の希釈を克服するための戦略を開発した。下方制御された分析物強度に対する上方制御された分析物強度の比を、予測因子開発に使用した。そのような「反転」は、上位得点対および2遺伝子分類器戦略に類似する。(Gemanら、Classifying gene expression profiles from pair
wise mRNA comparisons、Stat Appl Genet Mol Biol、2004年;3巻(1号
):Article19;Priceら、Highly accurate two-gene classifier for differentiating gastrointestinal stromal tumors and leiomyosarcomas、Proc Natl Acad
Sci USA、2007年;104巻(9号):3414〜9頁)この手法は、「反転」における両タンパク質が、同じ分析前および分析処理ステップを受けていたため、診断シグナルの増幅および自己標準化を可能にした。複雑なプロテオミクスワークフローにおけるペプチド強度測定値を標準化するための戦略としての反転は、「内因性タンパク質標準化(EPN)」と称される最近導入された手法にも類似している。(Liら、An integrated
quantification method to increase the precision, robustness, and resolution of protein measurement in human plasma samples、Clin Proteomics、
2015年;12巻(1号):3頁;Liら、A blood-based proteomic classifier for the molecular characterization of pulmonary nodules、Sci Transl Med、2013年;5巻(207号):207ra142)モデル構成のために使用される候補分析物の数を、分析基準により低減した。分析フィルターには、分析精度、強度、干渉の証拠、試料処理順序依存性、および分析前安定性のカットオフが含まれていた。任意の1つの予測因子の分析物の総数を、単一の反転に限定し、それにより複雑な数理モデルを回避した。予測因子スコアは、単一の反転値の自然対数として定義し、反転は、それ自体が応答比(この実施例の上記で定義されている)だった。最後に、予測性能は、狭域重複3週間妊娠区間で調査した。
受信者動作特性曲線
AUROC値および関連するp値を、この実施例に上述されているように、反転を決定するために算出した。発見および裏付け組合せセットでの予測因子AUROCの分布および平均値を、試料のランダムセットを選択して置換することにより反復して実施したブートストラップサンプリングを使用して算出した。Efron B、Tibshirani RJ.、An Introduction to the Bootstrap、Boca Raton、Florida:Chapman and Hall/CRC Press;1994年。各反復での選択試料の総数は、開始プールで利用可能な総数に対応した。
補足結果
発見、裏付け、および検証対象特徴は、表3に要約されている。発見sPTB症例において1つまたは複数のsPTB前歴を有する対象のパーセントは、裏付けまたは検証よりも高かった。他の特徴は、研究全体にわたっておおむね一貫していた。
発見および裏付け分析
44個のタンパク質が、重複する3週間GA区間で上方または下方制御され、分析フィルターを通過した(図28)。下方制御されたタンパク質に対する上方制御されたタンパク質の比から反転を形成し、重複する3週間GA区間の各々の試料で予測性能を試験した。代表的なパターンを示す反転のサブセットの性能は、図29に示されている。性能に波があることは明白だった:IBP4/SHBGおよびAPOH/SHBG反転は、初期ウィンドウでより良好なAUROC値を有していたが、ITIH4/BGH3およびPSG2/BGH3は、妊娠のより後期でピークに達した(図24)。幾つかの反転は、妊娠期間範囲全体にわたって、一貫しているが中程度の性能を示した(PSG2/PRG2)(図29)。全体として上位高性能反転IBP4/SHBGは、19 0/7から21 6/7までの区間でAUROC=0.74を有していた(図29)。対象を妊娠前BMI<35(kg/m2)により階層化すると、IBP4/SHBG予測因子のAUROC性能は、0.79に増加した(表4)。妊娠初期(つまり、17 0/7〜22 6/7週のGA)で一貫して性能が強力であり(図29)、潜在的に望ましい臨床的有用性があるため、IBP4/SHBG予測因子を裏付け分析に選択した。
裏付け試料での盲検IBP4/SHBG AUROC性能は、全対象およびBMI階層化対象で、それぞれ0.77および0.79だった。これは、発見で得られた性能と良好に一致した(表5)。盲検裏付けの後、ブートストラップ性能を決定するために、発見および裏付け試料を組み合わせた。0.76の平均AUROCが、2,000回のブートストラップ反復から得られた(図30)。
BMI検証分析
IBP4/SHBG予測因子の性能を、検証試料にて幾つかのBMIカットオフを用いて評価した(表5)。AUROCで測定した性能は、非常に高い(例えば、>37kg/m2)または低い(例えば、≦22kg/m2)BMIを排除することにより若干向上した。これら2つのカットオフの組合せによる階層化は、0.75のAUROCをもたらした(表5)。
(実施例3)
質量分析データおよびイムノアッセイデータの相関性
この例では、初期、中期、後期妊娠期間収集ウィンドウでの、IBP4、およびsPTBの他の個々のバイオマーカーを特定するMyriad RBMスクリーニングの結果、(2)SHBG/IBP4のMS結果およびイムノアッセイ結果の相関性、および(3)sPTBのバイオマーカーとしてSHBGに関する臨床データが示されている。
RBMデータ
手短に言えば、RBMでは、PAPRの40症例および40対照をアッセイした(初期ウィンドウから20/20、中期ウィンドウから10/10、後期ウィンドウから10/10)。RBMでは、Human Discovery MAP 250+ v2.0(Myriad RBM、オースティン、テキサス州)を使用した。これら分析の目的は、複数の分析物を使用してPTBを予測するための多変量モデルを開発することである。本発明者らは、4つのモデリング法:ランダムフォレスト(rf)、ブースティング、投げ縄、およびロジスティック(ロジット)を使用した。本発明者らは、各方法が、その方法の15個の最も良好な変数を独立して選択する変数選択の第1ラウンドを実施する。この15個から、アウトオブバッグブートストラップ試料を使用した、ROC曲線下面積(AUC)の変数減少選択および推定を使用して、4つのモデリング法の各々により、最良の分析物を独立して選択した。表6には、幾つかの多変量モデルからの上位ヒットが示されている。表7には、様々な多変量モデルによる初期ウィンドウ(GABD17〜22週)分析物ランキングが示されている。表8には、様々な多変量モデルによる中期ウィンドウ(GABD23〜25週)分析物ランキングが示されている。表9には、様々な多変量モデルによる後期ウィンドウ(GABD26〜28週)分析物ランキングが示されている。
質量分析データと相関する市販ELISAキットの特定
手短に言えば、ELISA対MSの比較は、PAPR試料を使用した、30〜40名の対象のサイズ範囲での複数の研究を含んでいた。各ELISAは、製造業者のプロトコールに従って実施した。その後、ELISAによる各分析物の予測濃度を、MSで導出した同一試料からの相対比と比較した。その後、ピアソンのr(Person's)相関値を、比較のために生成した。ELISA対MSの比較は、PAPR試料を使用した、30〜40名の対象のサイズ範囲での複数の研究を含んでいた。各ELISAは、製造業者のプロトコールに従って実施した。その後、ELISAによる各分析物の予測濃度を、MSで導出した同一試料からの相対比と比較した。その後、ピアソンのr相関値を、比較のために生成した。表10には、分析物IBP4_HUMANおよびSHBG_HUMANを試験したキットのエピトープおよびクローン性の情報が提供されている。表11には、相関性が存在するタンパク質の場合でさえ、全てのELISAキットがMSと相関するとは限らないことが示されている。例えば、IBP4、CHL1、ANGT、PAPP1を参照されたい。
転帰が既知であるPAPR研究からの120個の以前に凍結した血清試料を、ELISAとMSアッセイとを比較するために選択した。これら試料は、119〜180日の血液採取時妊娠期間(GABD)を有する。試料は、母体BMIによる除外を行わなかった。ELISAは、IBP4(AL−126、ANSCH Labs Webster、テキサス州)およびSHBG(DSHBG0B、R&D Systems、ミネアポリス、ミネソタ州)の市販キットで実施した。アッセイは、製造業者のプロトコールに従って実行した。プレート間の標準化に内部標準を使用した。スコアを、LN([IBP4]/[SHBG])によるELISA濃度値、およびLN(IBP4RR/SHBGRR)によるMSから算出した。式中、RRは、SISペプチドピーク面積に対する内因性ペプチドの相対比を指す。2つの手法から導出したスコアを、症例対対照分離について比較した(p値は、標準偏差が等しいと仮定して独立t−検定で導出した)(図31)。
転帰が既知であるPAPR研究からの57個の以前に凍結した血清試料(19例のsPTB症例、38例の満期対照)を、ELISAとMSアッセイとを比較するために選択した。これら試料は、133〜148日の血液採取時妊娠期間(GABD)を有する。ELISAは、IBP4(AL−126、ANSCH Labs Webster、テキサス州)およびSHBG(DSHBG0B、R&D Systems、ミネアポリス、ミネソタ州)の市販キットで実施した。アッセイは、製造業者のプロトコールに従って実行した。内部標準を使用して、異なるプレートで実行した試料を標準化した。スコアを、LN([IBP4]/[SHBG])によるELISA濃度値、およびLN(IBP4RR/SHBGRR)によるMSから算出した。式中、RRは、SISペプチドピーク面積に対する内因性ペプチドの相対比を指す。その後、受信者動作特性曲線下面積(AUC)によりイムノアッセイの性能を決定し、同じ試料セットでのMS導出AUCと比較した(図32)。また、BMI階層化を(BMI>22≦37)試料に適用して、総数34個の試料(13例のsPTB症例、21例の満期対照)を選択した後で、AUC値を決定した(図33)。
転帰が既知であるPAPR研究からの60個の以前に凍結した血清試料を、ELISAおよびMSアッセイで分析した。これら試料は、133〜146日の予測された血液採取時妊娠期間(GABD)を有する。全BMIの試料(図34、右パネル)、またはBMIが>22または≦37の試料のサブセット(図34、左パネル)で相関性分析を実施した。ELISAは、IBP4(AL−126、ANSCH Labs Webster、テキサス州)およびSHBG(DSHBG0B、R&D Systems、ミネアポリス、ミネソタ州)の市販キットで実施した。アッセイは、製造業者のプロトコールに従って実行した。プレート間の標準化に内部標準を使用した。スコアを、LN([IBP4]/[SHBG])によるELISA濃度値、およびLN(IBP4RR/SHBGRR)によるMSから算出した。式中、RRは、SISペプチドピーク面積に対する内因性ペプチドの相対比を指す。2つの手法から導出されたスコアを、相関性により、および症例対対照分離について比較した(p値は、標準偏差が等しいと仮定して独立t−検定で導出した)。表12には、sPTB対対照分離(単変量)を示すIBP4およびSHBG ELISAキットが示されている。
質量分析器および臨床分析器によるSHBG測定値の比較
個々の対象に由来する35個の試料および妊娠女性および非妊娠女性の血清プールを、Sera Prognosticsおよび2つの独立基準実験室、ARUP LaboratoriesおよびIntermountain Laboratory Servicesで同時に分析した。分取物を各実験室に冷却輸送し、試験が3つ全ての実験室で同日に開始されるように発送を調整した。ARUPでは、Roche社製cobas e602分析器を使用し、Intermountainでは、Abbott社製Architect CMIAを使用した。両方とも半自動イムノアッセイ機器であった。Sera Prognosticsでは、試料の免疫枯渇、酵素消化を含む固有のプロテオミクス分析法を使用し、Agilent 6490質量分析計で分析した。ARUPおよびIHCからの結果は両方とも、nmol/Lで報告されたが、Seraでは、重ペプチド代用物および軽ペプチド代用物の相対比(RR)が使用される。ARUPおよびIntermountainからのデータを互いに比較して、正確性を決定した(図39)。線形性および精度は、幅広い範囲の結果にわたって良好に一致した。線形傾きは1.032であり、r2値は0.990だった。その後、各基準実験室のデータを、SeraのRRおよび線形回帰プロットと比較した(図37および38)。データは、Seraの結果と良好に合致した。ARUPとはr2値が0.937であり、Intermountainとはr2値が0.934だった。
(実施例4)
PreTRM IBP4およびSHBGペプチド内のSNP、挿入および欠失、ならびに構造変異体
この例は、PreTRM IBP4およびSHBGペプチド内の公知のSNP、挿入および欠失(インデル)、ならびに構造変異体を示す。
表13および表14には、PreTRM IBP4およびSHBGペプチド内の公知のSNP、挿入および欠失(インデル)、ならびに構造変異体が詳述されている。この情報は、一塩基多型データベース(dbSNP)ビルド146に由来する。SHBGにおける単一ミスセンス変異(G>C)A179P(dbSNP id:rs115336700)は、0.0048の最も高い全体的な対立遺伝子頻度を有する。この対立遺伝子頻度は低いが、1000ゲノムプロジェクトで研究された幾つかの部分集団は、有意により高い頻度を示した。これら集団(対立遺伝子頻度)は;米国南西部のアフリカ祖先のアメリカ人(0.0492);バルバドス国のアフリカ系カリブ人(Carribbean)(0.0313);ナイジェリア国イバダン地方のヨルバ族(0.0278);ケニア国ウェブイエ地方のルイヤ族(0.0101);ナイジェリア国のエサン族(0.0101);コロンビア国メデジン地方出身のコロンビア人(0.0053);ガンビア国西部のガンビア人(0.0044)である。他の全ての研究されている部分集団は、このヌクレオチド位置に変異を有していなかった。表の見出しには、クラスターid−(dbSNP rs数)、ヘテロ接合性−平均ヘテロ接合性、検証−検証方法(または検証なしのブランク)、MAF−わずかな対立遺伝子頻度、機能−遺伝子多型の機能的特徴、dbSNP対立遺伝子−対立形質ヌクレオチドの同一性、タンパク質残基−対立遺伝子から生じる残基、コドン位置−コドンの位置、NP_001031.2アミノ酸位置−基準配列NP_001031.2でのアミノ酸位置、およびNM_001040.2 mRNA位置−基準配列NM_001040.2でのヌクレオチド位置が含まれている。
(実施例5)
IBP4/SHBG反転は、sPTBの診断シグナルを増幅し、分析変動性を低減する
この例は、IBP4/SHBG反転戦略を使用することにより得られる診断シグナルの増幅および変動性の低減を示す。
sPTB症例および満期対照の表示されている妊娠期間範囲にわたってMSにより別々に決定されたIBP4およびSHBGのレベルが示されている(図44および図45)。ペプチド相対比(対応するSISピーク面積に対する内因性ペプチドピーク面積)を平均平滑化することにより、曲線を生成した。症例対対照シグナルは、IBP4およびSHBGのおよそ最大10%差異に相当する。ln(IBP4RR/SHBGRR)として算出したスコアをプロットすると、シグナルの増幅は明白である(およそ最大20%の差異)(図46)。これらデータは、IBP4/SHBG反転戦略を使用して得られた診断シグナルの増幅を示すものである。
各タンパク質には同じ分析処理および分析前処理ステップが施されるため、2つのタンパク質のレベルの比を形成することにより、変動性を低減することができる。変動性に対する影響を検討するために、妊娠ドナーに由来するプールした対照血清試料(pHGS)中の個々のタンパク質(IBP4およびSHBGのRR)のCVおよびIBP4 RR/SHBG RR比のCVを決定した。生物学的変動性のないプールした対照試料を、複数のバッチで、数日間にわたって分析した。反転変動性は、個々のタンパク質に伴う変動性未満である。(図48)
反転の形成が診断シグナルを増幅するのは一般的であるか否かを調査するため、本発明者らは、多数のタンパク質の比により形成された高性能反転(AUC>0.6)のROC性能(AUC)を検討した。妊娠19/0週〜21/6週で収集された試料に由来するデータセットを使用したAUC値(sPTB症例対満期対照)の範囲が、図47の上段パネルに示されている。隣接するボックスプロットは、関連する反転を形成するために使用された個々の上方制御および下方制御されたタンパク質のROC性能の範囲を示す。同様に、反転のウィルコクソン検定(sPTB症例対満期対照)から導出されたp値は、対応する個々のタンパク質よりも有意である(図47、下部)。
反転の形成が変動性を低減するのはより一般的であるか否かを調査するため、本発明者らは、72個の異なる反転値の分析変動性(つまり、妊娠ドナーに由来するプールした対照血清試料(pHGS)中の、反転を含む個々のタンパク質の分析変動性に対する相対的ピーク面積の比)を検討した。生物学的変動性のないプールした対照試料を、複数のバッチで、数日間にわたって分析した。反転変動性は、個々のタンパク質に関連する変動性未満である(図49)。
分析変動性を低減する反転戦略の一般化可能性。
図48には、幾つかのバッチで、数日間、複数の機器で検査室にて分析されたpHGS検体(プールした妊娠試料)について算出されたCVが報告されている。CVは、生物学的な変動性を欠くpHGS検体を使用して算出されたため、試料の検査室処理で導入される分析変動性の尺度に相当する。72個の反転の比率化した値に関連する分析変動性は、反転を形成するために使用した個々の上方制御および下方制御されたタンパク質の相対的ピーク面積の分析変動性よりも低い(図49)。
(実施例6)
医学的に示されたPTB分析
この例は、分類器が、子癇前症または妊娠糖尿病等の状態に基づいて医学的に示されたPTBの成分に感受性であることを確認する。
PreTRM(商標)を、自然PTBの予測因子として開発および検証した。米国での全PTBの約75%は自然発生的であり、残りは、ある母体または胎児合併症(例えば、子癇前症、子宮内胎児発育遅延、感染症)により医学的に示されている。PAPRバイオバンクに由来する41個の医学的に示されたPTB試料を、検査室で分析し、PreTRMスコアを算出した。PreTRM(商標)スコアにより、子癇前症のため医学的に示されたと注釈されている対象と、他の処置が注釈されている対象とを比較した。子癇前症のため医学的に示された早期分娩対象は、他のものよりも有意に高いスコアを有していた(図50)。
図52には、糖尿病注釈での反転強度ヒートマップが示されている。赤い矢印は、糖尿病対象を示す。試料は、下部に列挙されており、スクリーンの右側がPTB症例であり、左側が満期出産である。糖尿病患者は、右側にクラスター化されている。これは、妊娠糖尿病を階層化する反転を特定することができ、したがって、妊娠糖尿病を予測するバイオマーカーから診断検査を構築することが可能であることを示している。
(実施例7)
他のトランジションおよびペプチド
表16には、IBP4ペプチドMSデータおよびトランジションMSデータの比較が示されている。4つの異なる重標識ペプチド(R*+10ダルトン)は、IBP4の定量化のためにモニターすることができる種々のトランジションおよびそれらの相対強度を例示する。当業者であれば、潜在的に、これらペプチドまたはトランジションのいずれか、またはIBP4の定量化に例示されていない他のものを選択することができるだろう。
表17には、IBP4ペプチドMSデータおよびトランジションMSデータの比較が示されている。組換えタンパク質に由来するIBP4トリプシンペプチドを、MRM−MSで分析して、代用ペプチド候補およびそれらのトランジションを特定した。当業者であれば、潜在的に、これらペプチドまたはトランジションのいずれか、またはIBP4の定量化に例示されていない他のものを選択することができるだろう。IBP4をRBM(上記)で特定し、その後、合成ペプチドを注文して、アッセイを構築した。
表18には、SHBGペプチドMSデータおよびトランジションMSデータの比較が示されている。組換えタンパク質に由来するSHBGトリプシンペプチドまたプールした妊娠血清を、MRM−MSで分析して、代用ペプチド候補およびそれらのトランジションを特定した。当業者であれば、潜在的に、これらペプチドまたはトランジションのいずれか、またはSHBGの定量化に例示されていない他のものを選択することができるだろう。血清中で特定されたアイソフォーム特異的ペプチドも示されている。
表19には、PTB試料中の、17〜25週GAにわたって血清レベルが変化するタンパク質が示されている。*PTBで19〜21週GAに限定される追加のタンパク質。複数の経路に由来する148個のタンパク質のLC−MS(MRM)アッセイにより、312名の女性(104例のsPTB症例、208例の満期対照)に由来する妊娠期間(GA)17〜25週の血清試料を分析した。MRMピーク面積データを、階層的クラスタリング、t検定、およびGAとの関係性により分析した。分析的フィルタリングの後、25個のタンパク質が、sPTB対満期対象で有意差(p<0.05)を示した(表1)。14個のタンパク質のレベルがより高く、3つは、GA範囲全体にわたってsPTB試料でより低かった。他のタンパク質は、GA期間の部分区間で動的に制御されていることが見出された。例えば、GA19〜21週では、さらに7つのタンパク質がsPTBで上昇し、1つがより低かった。
表20には、sPTB対満期対照で上方制御または下方制御された、分析フィルターを満たした44個のタンパク質が列挙されている。
(実施例8)
自然早産を予測する血清プロテオミクスバイオマーカーの機構的洞察
この例は、特定のタンパク質発現が妊娠全体にわたって動的に変化するため、バイオマーカー性能は、GAにわたってかなり変動することを示す。発現が異なるタンパク質は、ステロイド代謝、胎盤発達、免疫寛容、血管新生、および妊娠維持に関する機能を有する。図55、図57〜59。sPTBに見られるこれらタンパク質プロファイルの差は、妊娠2期中に胎児/胎盤区画内の発達推移が妨げられたことを反映する。
手短に言えば、この例に記載されている研究の目的は、自然早産(sPTB)予測とのバイオマーカー関連性の生理学的根拠に対する洞察を得ることだった。
研究設計
炎症、感染症、および出血等の経路が、早産の病因に関与することが示唆されている。しかしながら、どのタンパク質が血中で測定可能であるか、妊娠中のどの時期にそれらが妨害されるのかについてはあまり知られていない。これらの疑問に答えるため、本発明者らは、複数の経路に由来する148個のタンパク質のLC−MS(MRM)アッセイを生成し、312名の女性(104例のsPTB症例、208例の満期対照)の妊娠期間(GA)17〜25週の血清試料を分析した。
手短に言えば、血清試料は、存在量の高いタンパク質を枯渇させ、トリプシンで消化し、タンパク質のほぼ全てを重標識安定同位体標準(SIS)ペプチドで強化した。血清中で測定されたペプチド断片イオン(つまり、トランジション)のピーク面積を、対応するSISトランジションのピーク面積で除算した応答比を生成することにより、SISペプチドを標準化に使用した。MRMピーク面積データの応答比を、階層的クラスタリング、t検定、およびGAとの関係性により分析した。
図53に示されているように、同じタンパク質に対して複数のペプチドが良好に相関している。異なる分岐(色によりグループ化されている)は、急性期タンパク質、アポリポタンパク質、および公知の妊娠特異的タンパク質等の特定可能な機能別カテゴリーに対応する。PAPP1:PRG2、INHBE:INHBC、およびIGF2:IBP3:ALS等の生殖生物学に重要なタンパク質複合体が明らかにされている。こうした品質評価および関係性強調により、妊娠生物学の調査およびsPTBを予測する分析物の発見に使用するための、本出願に記載されている高度に多重化されたMRM−MSアッセイを検証する。
図54には、細胞外マトリックス相互作用で機能する、発現が異なるタンパク質が示されている。TENXは、細胞栄養芽層分化の移行点で、潜在性TGF−bを活性化し、胎児および母体間質に局在化される。Alcaraz, L.ら、2014年、J. Cell Biol.、2
05巻(3号)409〜428頁;Damsky, C.ら、1992年、J. Clin. Invest.、
89巻(1号)210〜222頁。sPTBでの血清TENXレベル低減は、胎盤の血管異常またはTGF−b活性低減を示す。NCAM1(CD56)は、神経細胞およびナチュラルキラー細胞で高度に発現される。また、NCAM1は、血管内栄養芽層により発現されるが、PE胎盤では低減されるかまたは存在しない。Red-Horse, K.ら、2004年、J. Clin. Invest.、114巻:744〜754頁。sPTB症例での血清NCAM1レベル反転は、らせん動脈再構築不良および/または免疫調節異常を反映する場合がある。CHL1は、NCAM1と相同性であり、インテグリン媒介性細胞遊走を指図する。BGH3(TGFBI)は、血管内皮細胞で発現される細胞接着分子であり、αv/β3インテグリンとの特異的な相互作用により血管新生を阻害する。Son, H-N.ら、2013年、Biochimica et Biophysica Acta、1833巻(10号)2378〜2388頁。sPTB症例でのTGFBI上昇は、胎盤血管新生の低減を示す場合がある。
図55には、18週で最大の分離を示す、IGF−2経路で機能する発現の異なるタンパク質の動態プロットが示されている。IGF2は、妊娠初期に絨毛外栄養芽層による増殖、分化、および子宮内膜侵入を刺激する。IBP4は、母体−胎児インターフェースでIGF2に結合し、IGF2の生物学的利用能を調節する。妊娠1期中のIBP4上昇およびIGF2低減は、それぞれIUGRおよびSGAと相関する。Qiu, Q.ら、2012年、J. Clin. Endocrino.l Metab.、97巻(8号):E1429〜39頁;Demetriou, C.ら、2014年、PLOS、9巻(1号):e85454頁。PAPP1は、IBP4を切断し、活性IGF2を放出する胎盤特異的プロテアーゼである。妊娠初期の低い血清PAPP1レベルは、IUGR、PE、およびPTBと関連する。Huynh, L.ら、2014年、Canadian Family Physician、60巻(10号)899〜903頁。PRG2(
proMBP)は、胎盤で発現され、PAPP1と共有結合で結合し、PAPP1を不活化する。PRG2:PAPP1不活性複合体は、母体血清を循環する。Huynh, L.ら、2014年、Canadian Family Physician、60巻(10号)899〜903頁。経路調
節の妨害は、異常な胎盤形成をもたらす場合がある、sPTB症例でのIGF2活性不全と一致する。図56Aには、sPTB中の前述のタンパク質の動的な調節および生物学的利用能が模式的に示されている。
図56Bには、インスリンがIR−Bと結合することにより、ならびにインスリンおよびIGFがIR−AまたはIGF1Rのいずれかと結合することにより優先的に活性化される細胞内シグナルが模式的に示されている。BelfioreおよびMalaguarnera、Endocrine-Related Cancer(2011年)18巻、R125〜R147頁。インスリンおよびIG
FによるIR−AおよびIGF1Rの活性化は、IRS1/2およびShcタンパク質のリン酸化による成長および増殖シグナルの優位性に結び付く。Shc活性化は、Grb2/Sos複合体の動員に結び付き、Ras/Raf/MEK1およびErk1/2がその後活性化される。この後者のキナーゼは、核に移行し、細胞増殖および生存に関与する幾つかの遺伝子の転写を誘導する。IRS1/2のリン酸化は、PI3K/PDK1/AKT経路の活性化を誘導する。代謝効果におけるその役割に加えて、AKTは、アポトーシスおよび生存の制御(BAD、Mdm2、FKHR、NFkB、およびJNK)ならびにタンパク質合成および細胞増殖(mTOR)に関与するエフェクターの活性化に結び付く。
図57には、代謝ホルモンバランスに関する機能を有する、発現の異なるタンパク質の動態プロットが示されている。胎盤タンパク質である性ホルモン結合グロブリン(SHBG)は、妊娠中に増加し、性ステロイドホルモンの生物学的利用能および代謝を決定する。SHBGレベル減少は、より高い遊離アンドロゲンおよびエストロゲンレベルをもたらす。遊離アンドロゲンは、胎盤アロマターゼ活性によりエストロゲンに変換される場合がある。エストロゲンの反プロゲステロン活性は、妊娠/陣痛を加速させる。チロキシン結合グロブリン(THBG)は、エストロゲンにより誘導され、妊娠中期までに約2.5倍増加する。sPTB症例での血清THBGレベル上昇は、遊離甲状腺ホルモンの低減をもたらす場合がある。妊娠中の甲状腺機能低下症は、流産および早産のリスク増加と関連している。Stagnaro-Green A.およびPearce E.、2012年、Nat. Rev. Endocrinol.
、8巻(11号):650〜8頁。アンギオテンシノゲンは、妊娠中期までにエストロゲンにより約3倍増加され、血漿容積の約40%増加を刺激する。ANGTの上方制御は、sPTBのリスク増加に関連する状態である妊娠高血圧症に結び付く場合がある。
図58には、血管新生に関する機能を有する、発現の異なるタンパク質の動態プロットが示されている。TIE1は、TIE2アンギオポエチン受容体の抑制性共受容体であり、血管新生を刺激するAng−2の能力を阻止する。Seegar, T.ら、2010年、Mol.
Cell.、37巻(5号):643〜655頁。色素上皮由来因子(PEDF)は、胎盤
で発現される抗血管新生因子であり、ガンマ−セクレターゼによるVEGFR−1の切断および不活化を刺激する。10カテプシンD(CATD)は、プロラクチンを切断し、血管新生を阻害するバソインヒビンを生成する。血清CATDおよびバソインヒビン上昇は、子癇前症と関連している。Nakajima, R.ら、2015年、Hypertension Research、
38巻、899〜901頁。ロイシンリッチアルファ−2−糖タンパク質(LRG1/A2GL)は、共受容体であるエンドグリンと結合することによりTGF−βシグナル伝達を促進する。TGF−βは、Smad1/5/8シグナル伝達経路による、内皮細胞有糸分裂誘発および血管新生を活性化する。Wang, X.ら、2013年、Nature、499巻(
7458号)。PSG3は、単球およびマクロファージから抗炎症サイトカインを誘導し、TGF−βと結合することにより血管新生を刺激する。低レベルのPSGは、IUGRと関連している。Moore, T.およびDveksler, G.、2014年、Int. J. Dev. Biol.、58巻:273〜280頁。ENPP2(オートタキシン)は、リゾホスホリパーゼD活性を有する細胞外酵素であり、リゾホスファチジン酸(LPA)を産生する。LPAは胎盤受容体に作用して、血管新生ならびにNK細胞および単球の走化性を刺激する。オートタキシンのレベルは、PIHおよび初期発症PEの場合に低減される。Chen, S-U.ら
、2010年、Endocrinology、151巻(1号):369〜379頁。
図59には、自然免疫に関する機能を有する、発現の異なるタンパク質の動態プロットが示されている。LBPは、その共受容体CD14を介して自然免疫経路の炎症応答を誘導するトール様受容体−4に対する細菌性LPSである。フェチュイン−A(アルファ−2−HS−糖タンパク質)は、血中脂肪酸の担体タンパク質であり、FetA−FA複合体は、TLR4受容体と結合し、TLR4受容体を活性化することができる。Pal, D.ら、2012年、Nature Med.、18巻(8号):1279〜85頁。
図60には、凝固に関する機能を有する、発現の異なるタンパク質の動態プロットが示されている。
図61には、発現の異なる血清/分泌タンパク質の動態プロットが示されている。
図62には、発現の異なるPSG/IBPの動態プロットが示されている。
図63には、発現の異なるECM/細胞表面タンパク質の動態プロットが示されている。
図64には、発現の異なる補体/急性期タンパク質−1の動態プロットが示されている。
図65には、発現の異なる補体/急性期タンパク質−2の動態プロットが示されている。
図66には、発現の異なる補体/急性期タンパク質−3の動態プロットが示されている。
図67には、発現の異なる補体/急性期タンパク質−4の動態プロットが示されている。
(実施例9)
SDT4/SV4動態分析
この例は、17週0日目から28週6日目までのデータを用いて、上述の実施例1に最初に例示されている全ての分析物の動態分析を提供する。
図68〜85では、各ペプチドトランジションの平均相対比を、平均平滑化機能(ウィンドウ=+/−10日)を使用し、R ggplot2パッケージを使用してGABDに対してプロットした。グラフは、2つの異なる出産時妊娠期間カットオフ(<37 0/7対>=37 0/7週、および<35 0/7対>=35 0/7週)を使用した症例対対照の別々のプロットであることを特色とする。プロットタイトルには、タンパク質の略名、下線、およびペプチド配列が表示されている。分析物配列は、タイトルがプロットの大きさに合うように省略されている場合がある。
本明細書に例示されている動態分析は、幾つかの目的に有用である。これら分析は、分析物レベルが、妊娠中に変化しているか否かおよびどの方向に変化しているかを示し、症例および対照で変化が異なるか否かを示し、診断の違いを妊娠期間の関数として示すものである。幾つかの場合には、診断シグナルは、狭い妊娠期間範囲に位置し、時間と共に増加または減少する。また、動態プロットの形状は、反転が良好な対のタンパク質を選択するための視覚的指針を提供する。
初期ウィンドウで、例えば、妊娠期間の18〜20週の試料収集で有意な症例対対照分離を示すことが発見された分析物としては、例えば、AFAM、B2M、CATD、CAH1、C1QB、C1S、F13A、GELS、FETUA、HEMO、LBP、PEDF、PEPD、PLMN、PRG2、SHBG、TENX、THRB、およびVCAM1が挙げられる。後期ウィンドウで、例えば、妊娠期間の26〜28週の試料収集で有意な症例対対照分離を示すことが発見された分析物としては、例えば、ITIH4、HEP2、IBP3、IGF2、KNG1、PSG11、PZP、VASN、およびVTDBが挙げられる。症例対対照の分離は、例えば、AFAM、APOH、CAH1、CATD、CD14、CLUS、CRIS3、F13B、IBP6、ITIH4、LYAM1、PGRP2、PRDX、PSG2、PTGDS、SHBG、およびSPRL1を含む分析物で見られるように、35 0/7週未満対35 0/7週またはそれ超対37 0/7週未満対37 0/7週またはそれ超のカットオフを使用すると向上した。多数の炎症性および免疫調節性分子は、より低い出産時妊娠期間カットオフを使用すると分離の向上を示すことが発見された。当業者であれば、所与の時間ウィンドウに関して添付の図面に示されている、症例と対照との有意な分離を示す分析物はいずれも、単一のバイオマーカーまたは分析物のバイオマーカーパネルの一部として、本発明の反転対に使用するための候補であることを理解する。
最後に、症例対対照の差異を欠如するが、妊娠全体にわたって分析物強度の変化を示す分析物の動態プロットは、本発明の方法による妊娠時計に有用である。本明細書では「時計タンパク質」とも呼ばれるこうした分析物は、他の日数決定法(例えば、最終月経日、超音波日数決定法)を用いずにまたは他の日数決定法と共に妊娠日数の決定に使用することができる。表60には、本発明の妊娠時計に有用な時計タンパク質のリストが提供されている。
(実施例10)
発見2 sPTB症例の分析
この例では、上記の例に記載されている以前に分析された全てのsPTB症例、それらの一致対照(各症例当たり2つ)、および2つの新しい対照の分析を説明する。この例で説明されているこの分析は、商業的な血液採取ウィンドウを19週および20週を超えて延長し、以前の全ての例に由来する多数の試料に基づいて<35週のsPTBの予測に関する追加のデータを生成し、新しい分析物および反転の発見に結び付き、分子時計タンパク質を画定し、リスク閾値を解明し、将来の臨床研究のための正確な検証主張を形成した。
試料処理方法
早産リスクのプロテオミクスの評価(PAPR)臨床研究の実施を管理する標準プロトコールを開発した。このプロトコールは、試料および臨床情報を使用して、他の妊娠合併症を研究することもできることが明記されている。検体は、全米の11箇所の施設内治験審査委員会(IRB)により承認された施設にて女性から得た。インフォームドコンセントを提供した後、血清および血漿試料、ならびに患者の人口統計的特徴、過去の病歴および妊娠歴、現在の妊娠歴、ならびに併用薬物に関する関連情報を得た。分娩後、母体および幼児の状態ならびに合併症に関するデータを収集した。血清および血漿試料を、標準化された冷却遠心分離、0.5mlの2Dバーコード付きクライオバイアルへの試料の分注、およびその後の−80℃での凍結が求められるプロトコールに従って処理した。
分娩後、早産症例を個別に検討して、それらの状態を、自然早産または医学的に示された早産のいずれかとして決定した。自然早産症例のみを、この分析に使用した。早産バイオマーカーの発見では、妊娠期間17 0/7〜21 6/7週にわたる413個の試料(82例のsPTB症例、331例の満期対照)のLC−MSデータを生成した。各早産試料は、血液採取時妊娠期間を4つの満期対照と一致させた。17 0/7〜21 6/7週以内のあらゆる妊娠期間には、1日を除いて、少なくとも1つのsPTB症例(および一致する満期対照)が含まれていた。その日からの血液採取で、4つの満期対照を選択した。この研究の1つの満期対照は、検査室分析が失敗したが、再分析はしなかった。
続いて、血清試料は、Human 14 Multiple Affinity Removal System(MARS−14)を使用して、存在量が高いタンパク質を枯渇させた。これにより、存在量が最も高いタンパク質のうち14個が除去される。等容積の各臨床試料または2つの品質管理用血清プールの重複物を、カラム緩衝液で希釈し、濾過して沈殿物を除去した。濾過した試料を、MARS−14カラム(4.6×100mm、Agilent Technologies)を使用して枯渇させた。試料をオートサンプラーで4℃に冷却し、枯渇カラムを室温で流し、収集した画分を、さらなる分析まで4℃で維持した。未結合画分を、さらなる分析のために収集した。
枯渇させた血清試料を、ジチオトレイトールで還元し、ヨードアセトアミドを使用してアルキル化し、その後トリプシンで消化した。トリプシン消化後、試料を、代用ペプチド分析物の濃度に近似させた濃度の安定同位体標準物質のプールで強化した。SIS強化試料を混合し、2つの等容積に分割した。各分割物は、作業工程を継続する準備ができるまで−80℃の保存容器に入れておいた。各試料の一方の凍結分割物を、−80℃の保存容器から取り出し、解凍してからC18固相抽出プレート(Empore、3M)で脱塩した。溶出したペプチドを、凍結乾燥で乾燥した。凍結乾燥した試料を、LC−MSステップの品質をモニターする内部標準のみを含む復元溶液に再溶解した(IS Recon)。
完全に処理した試料を、動的多重反応モニタリング法(dMRM)を使用して分析した。ペプチドを、Agilent 1290 UPLCを使用し、0.4mL/分の流速にて、2.1×100mmのPoroshell EC−C18、2.7μ粒子サイズカラムで分離し、アセトニトリル勾配を使用して、陽イオンモードで操作されているエレクトロスプレー源を有するAgilent 6490トリプル四重極質量分析計へと溶出した。dMRMアッセイでは、診断および品質の両方の役目を果たす119個のペプチドおよび77個のタンパク質に相当する442個のトランジションを測定した。クロマトグラフィーピークを、MassHunter定量分析ソフトウェア(Agilent Technologies)を使用して積分した。対応するSISクロマトグラフィーピーク面積に対する代用ペプチド分析物のクロマトグラフィーピーク面積の比が報告された。
dMRM法で測定された、血清分析物のタンパク質、ペプチド、およびトランジション、SISトランジション、ならびにIS Recon標準物質の要約は、表21に示されている。MARS−14枯渇タンパク質は、MARS−14免疫枯渇カラムにより標的とされた分析物を特定し、品質管理目的のために測定される。定量トランジションは、相対的応答比のために使用し、定性トランジションは、品質管理目的の役目を果たす。星印(*)は、名称変更を示す。CSHは、このペプチドがCSH1およびCSH2の両方に対応することを示す。HLAGは、このペプチドが幾つかのI型HLAアイソタイプで保存されているため、ここでは、HLACIと称されている。LYAM3は、このペプチド配列が各々に存在するものの、トリプシン切断によりLYAM1から派生するに過ぎないため、ここではLYAM1と称されている。SOM2は、ここではSOM2と称されている。ペプチドとしてのCSHは、SOM2およびCSHの両方に特異的である。
有意なタンパク質および反転の選択
分析物毎に、2週間および3週間の重複ウィンドウの各々にて、BMI制限を用いておよび用いずに、2つのSPTB定義(37/37および35/35)を用いて、SPTB症例試料の平均が、TERM対照試料の平均よりも高かったかまたは低かったかを示す変化倍数値を算出した。表22および23には、1週間重複する2週間の妊娠期間ウィンドウ(例えば、119〜132は、妊娠17週および18週と等しい妊娠日数119〜132を指す)のタンパク質/トランジションAUROCが示されている。各2週間ウィンドウでの性能は、2つの異なる症例対対照カットオフ(<37 0/7対>=37 0/7、<35 0/7対>=35 0/7)ならびにBMI階層化を用いた場合(rBMI)および用いなかった場合(aBMI)について報告されている。表24および25には、2週間重複した3週間の妊娠期間ウィンドウ(日数で示されている。例えば、「119〜139」は、妊娠17週、18週、および19週と等しい妊娠日数119〜139を指す)のタンパク質/トランジションAUROCが示されている。各3週間ウィンドウでの性能は、2つの異なる症例対対照カットオフ(<37 0/7対>=37 0/7、<35
0/7対>=35 0/7)ならびにBMI階層化を用いた場合(rBMI)および用いなかった場合(aBMI)について報告されている。
図86〜95には、<37 0/7対>=37 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、症例対対照の種々のペプチドトランジションの動態プロットが示されている。図96〜105には、<35 0/7対>=35 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、症例対対照の種々のペプチドトランジションの動態プロットが示されている。手短に言えば、各ペプチドトランジションの平均相対比を、R ggplot2パッケージを使用し、平均平滑化機能(ウィンドウ=+/−10日)を使用して、GABDに対してプロットする。グラフは、2つの異なる出産時妊娠期間カットオフ(<37 0/7対>=37 0/7週、および<35 0/7対>=35 0/7週)を使用した症例対対照の別々のプロットであることを特色とする。プロットタイトルには、タンパク質の略名、下線、およびペプチド配列が表示されている。分析物配列は、タイトルがプロットの大きさに合うように省略されている場合がある。
SPTB症例試料の平均が、TERM対照試料の平均よりも高かったかまたは低かったかを示す変化倍数値に基づき、各分析物に、組合せ(つまり、重複する2週間または3週間のウィンドウ、BMI制限、およびSPTB定義)の各々について上方制御されたかまたは下方制御されたかを付記し、上方制御されたと付記されている組合せが大部分だった場合、その分析物を、全体的に上方制御された分析物と呼んだ。逆も同様である。これは表26に示されている。
こうした上方制御および下方制御の割り当てに基づき(55個が上方制御され、30個が下方制御された)、上方制御分析物相対比値の各々を、下方制御分析物の相対比値で除算し、その結果の自然対数を取ることにより、反転を生成した。この結果は、1650個の反転をもたらす(55×30=1650)。各反転毎に、SPTBおよびTERM分離を示すROC曲線下面積(AUCROC)、およびAUCROC値がAUCROC=0.5(つまり、SPTBおよびTERM分離は有意ではない)と有意に異なるか否かを示すp値を算出した。AUCROCが>0.6でp値が<0.05の反転について、異なる条件での各反転の性能を表にした(例えば、妊娠ウィンドウ、BMI制限を用いておよび用いずに、ならびに2つのsPTBカットオフ)。表27〜42には、妊娠17週および18週の反転分類性能が示されている。表47〜58には、妊娠17、18、および19週の反転分類性能が示されている。表43〜46には、妊娠17〜21週の反転分類性能が示されている。潜在的に有意な追加の反転は、表59に示されている。
また、1つを超える反転(17〜21週)から形成された予測因子の性能向上が実証された。手短に言えば、この妊娠期間範囲の初期(例えば、17〜19週)または後期(例えば、19〜21週)のいずれかで強力な予測性能を示した反転を組み合わせ、血液採取範囲全体にわたる複数の反転の組合せ(SumLog)から形成された予測因子の性能を評価した。これは、表61に示されている。予測因子スコアは、個々の反転の対数値の合計(SumLog)から導出したが、当業者であれば、他のモデル(例えば、ロジスティック回帰)を選択することができる。また、この複数反転手法を、予定日前の早期破水(PPROM)対PPROM(PTL)を伴わない早期陣痛、胎児性別、および妊娠回数に特異的な反転の組合せに応用することが企図される。予測因子は、血液採取期間、胎児性別、または妊娠回数が分かれば、使用される反転のサブセットを選択する指標変数を含むことができることがさらに企図される。
図110には、<37 0/7妊娠週対>=37 0/7妊娠週のカットオフを使用した、sPTBの予測因子スコア(ln IBP4/SHBG)と有病率調整相対リスク(陽性予測値)との関係性が示されている。19 1/7週〜20 6/7週に、BMIが>22、<=37の試料を採取した。相対リスクは、予測因子スコアがバックグラウンド率である7.3%(単胎妊娠でのsPTBの平均集団リスク)からおよそ50%に増加すると共に増加する。全てのスコア閾値のスクリーニング陽性率曲線が重ね合わされている。二項分布観察を仮定し、正規分布を用いて誤差分布を近似して、信頼区間(灰色の網掛け)を算出した。分類器スコアによる試料分布は、図凡例の色分けに従って棒グラフにより示されている。
図111には、<35 0/7妊娠週対>=35 0/7妊娠週のカットオフを使用した、sPTBの予測因子スコア(ln IBP4/SHBG)と有病率調整相対リスク(陽性予測値)との関係性が示されている。試料は、19 1/7週〜20 6/7週に採取された。相対リスクは、予測因子スコアがバックグラウンド率である4.4%の(単胎妊娠でのsPTB(<35)の平均集団リスク)からおよそ50%に増加すると共に増加する。全てのスコア閾値のスクリーニング陽性率曲線が重ね合わされている。二項分布観察を仮定し、正規分布を用いて誤差分布を近似して、信頼区間(灰色の網掛け)を算出した。分類器スコアによる試料分布は、図凡例の色分けに従って棒グラフにより示されている。
臨床観察:sPTB、PPROM、およびPTL
反転性能(GABD17〜21週)を、sPTB、PPROM、およびPTLの2つの異なる表現型について独立して評価した。PPROMは、初期に生じることがより多く、感染症または炎症と関連する。PTLは、後期に生じる場合があり、一般的にそれほど重篤ではない表現型であると考えられている。より有意な反転が存在し、PPROMについて性能がより高く、そうした反転は、炎症および感染症に関与することが公知のタンパク質で占められている。PPROMおよびPTLの独立検定方法を構築するために、または単一予測因子で1つを超える反転の組合せを用いて性能を全体的に最大化するために、反転を選択することが企図される。表61〜64に示されている分析では、PPROMまたはPTLのいずれの場合でも、AUC>0.65およびp<0.05が必要だった。
表61には、BMI階層化を行わず、<37 0/7対≧37 0/7週の症例対対照カットオフを使用した、妊娠17 0/7〜21 6/7週の反転AUROCが、PPROMおよびPTLについて別々に示されている。表62には、BMI階層化を行い(>22、<=37)、<37 0/7対>=37 0/7週の症例対対照カットオフを使用した、妊娠17 0/7〜21 6/7週の反転AUROCが、PPROMおよびPTLについて別々に示されている。表63には、BMI階層化を行わず、<35 0/7対>=35 0/7週の症例対対照カットオフを使用した、妊娠17 0/7〜21 6/7週の反転AUROCが、PPROMおよびPTLについて別々に示されている。表64には、BMI階層化を行い(>22、<=37)、<35 0/7対>=35 0/7週の症例対対照カットオフを使用した、妊娠17 0/7〜21 6/7週の反転AUROCが、PPROMおよびPTLについて別々に示されている。
また、GABD19〜20週において、PTLについて最も性能のよい分析物、およびPPROMについて最も性能のよい分析物を決定した。幾つかの反転は、性能が最も強力なのものから構築されていた。IBP4は、PTLおよびPPROMの両方で性能が良好なものとして存在し、sPTBに関して一般的にその有用性が可能になる。表76には、BMI階層化を行わずに、<37 0/7対>=37 0/7週の症例対対照カットオフを使用した、妊娠19 1/7〜20 6/7週のトランジションAUROCが、PTLについて列挙されている。表77には、BMI階層化を行わずに、<37 0/7対>=37 0/7週の症例対対照カットオフを使用した、妊娠19 1/7〜20 6/7週のトランジションAUROCが、PPROMについて列挙されている。図108には、PTLにおいて、19〜20週で良好な性能を有する反転が例示されている。図109には、PPROMにおいて、19〜20週で良好な性能を有する反転が例示されている。
臨床観察:初妊婦および経産婦
反転性能(17〜21週)を、sPTBの2つの異なる表現型、初妊婦および経産婦についてさらに独立して評価した。表65〜68では、上位高性能反転(17〜21週)が、初妊婦対象(初めての母親)および経産婦対象について別々に示されている。初めての母親は、医師がリスクを決定/推定するための妊娠歴を有していないため、PTBの確率を予測するための検査を最も必要とする。これら結果は、検定をこれら2つの群に関して独立したものにすることができ、または単一分類器での高性能反転を組み合わせて、両方のリスクを予測することを可能にする。表65〜68に示されている分析では、初妊婦または経産婦のいずれの場合でも、AUC>0.65およびp<0.05が必要だった。
表65には、BMI階層化を行わず、<37 0/7対>=37 0/7週の症例対対照カットオフを使用した、妊娠17 0/7〜21 6/7週の反転AUROCが、初妊婦および経産婦について別々に示されている。表66には、BMI階層化を行い(>22、<=37)、<37 0/7対>=37 0/7週の症例対対照カットオフを使用した、妊娠17 0/7〜21 6/7週の反転AUROCが、初妊婦および経産婦について別々に示されている。表67には、BMI階層化を行わず、<35 0/7対>=35 0/7週の症例対対照カットオフを使用した、妊娠17 0/7〜21 6/7週の反転AUROCが、初妊婦および経産婦について別々に示されている。表68には、BMI階層化を行い(>22、<=37)、<35 0/7対>=35 0/7週の症例対対照カットオフを使用した、妊娠17 0/7〜21 6/7週の反転AUROCが、初妊婦および経産婦について別々に示されている。
臨床観察:胎児性別
反転性能(17〜21週)を、男性胎児を妊娠している対象対女性胎児を妊娠している対象についてさらに独立して評価した。幾つかの反転は、胎児性別特異的な予測性能を有することが発見された。図106には、胎児性別特異的なIBP4およびSHBG分析物およびスコア(IBP4/SHBG)の差異が示されている。IBP4は、男性胎児を有する対象で有意により高い。反転性能は、BMI階層化を行わなかった妊娠期間19〜21週でも依然として同等である(図106)。加えて、PAPRでは、治験男性胎児は、sPTBのリスクが増加することが発見された。その際、p値は0.0002であり、オッズ比は1.6だった。つまり、胎児性別を、予測因子に組み込むことができる(例えば、反転値+胎児性別)。表69〜72に示されている分析では、男性または女性の胎児のいずれの場合でも、AUC>0.65およびp<0.05が必要だった。
表69には、BMI階層化を行わず、<37 0/7対>=37 0/7週の症例対対照カットオフを使用した、妊娠17 0/7〜21 6/7週の反転AUROCが、胎児性別により別々に示されている。表70には、BMI階層化を行い(>22、<=37)、<37 0/7対>=37 0/7週の症例対対照カットオフを使用した、妊娠17 0/7〜21 6/7週の反転AUROCが、胎児性別により別々に示されている。表71には、BMI階層化を行わず、<35 0/7対>=35 0/7週の症例対対照カットオフを使用した、妊娠17 0/7〜21 6/7週の反転AUROCが、胎児性別により別々に示されている。表72には、BMI階層化を行い(>22、<=37)、<35 0/7対>=35 0/7週の症例対対照カットオフを使用した、妊娠17 0/7〜21 6/7週の反転AUROCが、胎児性別により別々に示されている。
(実施例11)
質量分析データとイムノアッセイデータとの相関性
この例は、MSDプラットフォームを使用したイムノアッセイの実施を示す(例えば、MSDデータは、市販ELISAのデータならびにIBP4およびSHBGのMSデータと相関する)。
物質
以下の抗体を使用した:性ホルモン結合グロブリン(Biospacificのカタログ番号 6002−100051および6001−100050;R&D Systemsのカタログ番号 MAB2656およびAF2656)、IGFBP−4(Anshのカタログ番号 AB−308−AI039およびAB−308−AI042)。Origene(カタログ番号 TP328307)、Biospacific(カタログ番号J65200)、NIBSC(コード:95/560)、およびR&D Systems(ELISA SHBGキットの一部としてのみ入手可能)からのSHBGタンパク質を、較正物質として試験した。組換えヒトIGFBP−4(Ansh、カタログ番号AG−308−AI050)を較正物質として使用した。
個々のU−PLEXカップリング抗体溶液の生成
各ビオチン化抗体を、希釈液100で10μg/mLに希釈し、最終容積を≧200μLにした。その後、ビオチン化抗体を、300μLの対応するU−PLEXリンカーに添加した。(各ビオチン化抗体毎に異なるリンカーを使用した)。試料をボルテックスし、30分間室温でインキュベートした。停止溶液(200μl)を各チューブに添加した。チューブをボルテックスし、30分間室温でインキュベートした。
多重コーティング溶液の調製
各U−PLEXカップリング抗体(600μL)溶液を、単一のチューブ内で一緒にし、ボルテックスして混合した。10個未満の抗体を一緒にする場合、停止溶液を用いて溶液容積を6mLまで増加させて、最終1×濃度にした。これら実験では、1ウェル当たり存在するのは単一抗体のみだったことに留意されたい。
U−PLEXプレートのコーティング。
多重コーティング溶液(50μL)を、各ウェルに添加した。プレートを粘着性プレートシールで密封し、約700rpmで振とうしながら、室温で1時間または2〜8℃で一晩インキュベートした。少なくとも150μLの1×MSD洗浄緩衝液で3回洗浄した後、プレートの使用準備が完了した。
試料分析
試料または較正物質の分取物50μlを、各ウェルに添加した。プレートを密封し、約700rpmで振とうしながら室温で1時間インキュベートした。その後、プレートを、少なくとも150μLの1×MSD洗浄緩衝液*で3回洗浄した。検出抗体溶液50μLを、各ウェルに添加した。密封した後、プレートを約700rpmで振とうしながら室温で1時間インキュベートした。プレートを、少なくとも150μLの1×MSD洗浄緩衝液で3回洗浄した。150μLの2×測定緩衝液を各ウェルに添加した後、プレートを、MSD機器で直ちに測定した。
SHBG抗体および較正物質スクリーニング
抗体は全て、両方の捕捉検出器配向性で、全ての対の組合せを試験した。10μg/mLの捕捉抗体を準備し、U−PLEXリンカーとカップリングさせ、U−PLEXプレートにコーティングした。SHBG R&D Systems較正物質を、希釈液43で希釈して、アッセイ希釈液ブランクと共に7点標準曲線を作成した。試料を、希釈液43で以下のように希釈し、アッセイで試験した:血清SHBG「高」および「低」試料:100倍および500倍希釈、および血清妊娠プール:100倍、200倍、400倍、800倍希釈。検出抗体は、希釈液3中1μg/mLで試験した。標準曲線および血清中の天然分析物との結合を評価した。その後、上位分析物対を、上記のように希釈したNIBSC較正物質およびBiospacific較正物質で試験した。
IGFBP−4抗体および較正物質スクリーニング。
2つの抗体を、両方の捕捉検出器配向性で試験した。10μg/mLの捕捉抗体を準備し、U−PLEXリンカーとカップリングさせ、U−PLEXプレートにコーティングした。IGFBP−4較正物質を、希釈液12で希釈し、アッセイ希釈液ブランクと共に7点標準曲線を作成した。試料を、希釈液12で以下のように希釈し、アッセイで試験した:血清IGFBP−4「高」および「低」試料:5倍、血清妊娠プール:2倍から64倍までの2倍希釈、および2つの個々のヒト血清試料(MSD試料):2倍、4倍、8倍、および16倍。検出抗体は、希釈液12中1μg/mLで試験した。標準曲線および血清中の天然分析物との結合を評価した。
60個の血清試料を使用したSHBGおよびIGFBP−4試験。
抗体対12を選択して、血清に由来する60個の血漿試料中のSHBGを重複して測定した。IGFBP−4については、対2を選択した。SHBGおよびIGFBP−4の場合、血漿試料を、それぞれ1:1000および1:20に希釈した。MSD ELISAの結果を、市販ELISAキットおよびMS−MRMデータと比較した。
結果:
SHBG抗体スクリーニング
抗体対1(R&Dモノ捕捉、ポリ検出)のみが、Origene較正物質で強力なシグナルをもたらした。これは、この較正物質が、内因性SHBG分析物の部分集団を代表することができることを示唆した。したがって、追加の較正物質を、全ての対で機能する較正物質を特定するためのその後の研究で試験した。しかしながら、抗体対は全て、血清高試料、血清低試料、および妊娠プール試料中の天然分析物を認識した。R&DポリAF2656およびBiospacificモノ6001−100050は、同様の性能を示した。対2、3、および12は、試料希釈でほぼ線形の滴定性を示した(表73)。その後、上位4つの抗体対を、3つの追加の較正物質での性能に関して試験した。良好な較正物質曲線が、3つの較正物質にわたって上位4つの対で達成された(表74)。シグナルの差は、部分的には、割り当てた濃度の差によるものであり得る。
下段パネルには、R&D較正物質に対するNIBSCシグナルまたはBiospacificシグナルが、抗体対に依存して変動することが示されている。対3および対10(捕捉検出配向性を逆にした同じ抗体)は、同様のプロファイルを有していた。対2は、NIBSCおよびBiospacificの場合、より低いシグナルを示した(対3と比較して、同じ捕捉)。対12は、Biospacificの場合、より高いシグナルを示し、NIBSC標準物質の場合、3倍を超える高いシグナルを示した。
IGFBP−4抗体スクリーニング
抗体対2標準曲線は、対1と比較して、4〜6倍高い特異的な較正物質シグナルおよびバックグラウンドを示した(表75)。血清試料シグナルは、試験したほとんどの希釈物で線形範囲内あった。妊娠プールは、32倍および64倍の希釈物でバックグラウンドに接近した。対2は、試料で約12倍高いシグナルを示し、量的に2〜4倍の差をもたらした。シグナルCVは、概して、両対で<5%だった。
60個の血清試料中のSHBGおよびIGFBP−4の測定
SHBGの場合、1000倍希釈であり、試料は、標準較正物質1〜3間に入っていた。中央値測定濃度は、58.4μg/mLだった。重複測定のCVは低く、中央値CVが2.4%だった。IGFBP−4の中央値測定濃度は、234ng/mlだった。重複試料間の中央値CVは、2.2%だった。図107に示されているように、市販ELISAキットおよびMS−MRMアッセイと比較して、MSDアッセイでは、両タンパク質との良好な相関性が見られた。
以上の記載から、変形形態および改変形態を、種々の使用法および条件に採用するために、本明細書に記載される本発明に対して作製することができることは明らかであろう。そのような実施形態も以下の特許請求の範囲内である。
本明細書における変数の任意の定義におけるエレメントのリストの列挙は、任意の単一のエレメントまたは列挙されたエレメントの組合せ(またはサブコンビネーション)としてのその変数の定義を含む。本明細書における実施形態の列挙は、任意の単一の実施形態として、または任意の他の実施形態もしくはその部分と組み合わせて、その実施形態を含む。
本明細書において言及する全ての特許および刊行物は、各々の独立した特許および刊行物が、参照により組み入れられることが具体的かつ個別に示されるかのように、本明細書において同程度に参照により組み入れられる。