JP5990542B2 - 全身性エリテマトーデスのリスクスコアを算出する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、全身性エリテマトーデスのリスクスコア算出する方法に関する。
全身性エリテマトーデス(SLE)は、血中で異常な自己抗体が産生されることを特徴とする自己免疫疾患である。これら自己抗体は、それぞれの抗原と結合し、循環して最終的に組織に沈着する免疫複合体を形成する。この免疫複合体沈着は、慢性炎症及び組織損傷を引き起こす。
狼瘡を引き起こす異常自己免疫の正確な原因は、知られていない。継承された遺伝子、ウイルス、紫外線、及び薬物は全て、ある程度の役割を果たす場合がある。遺伝的要因は、自己免疫疾患の発症傾向を増加させ、狼瘡、関節リウマチ、及び免疫甲状腺障害等の自己免疫疾患は、一般集団よりも、狼瘡を有する患者の親戚でより一般的である。科学者の中には、狼瘡の免疫系が、ウイルス又は紫外線等の外部要因によって、より容易に刺激されると考える者もいる。時には、狼瘡の症状は、短期間に過ぎない日光曝露により促進されるか又は悪化する場合がある。
SLEの患者は、多種多様な症状及び様々な組み合わせの器官併症を示し得るため、SLE診断は、単一の検査では確立されない。医師によるSLE診断の精度向上を支援するために、11項目の診断基準が米国リウマチ協会により確立された。これら11項目の診断基準は、SLEの患者で観察される様々な症状と密接に関連する。個人がこれら診断基準の4項目以上を示す場合、SLEの診断が強く示唆される。しかしながら、SLEが疑われる幾人かの患者は、確定診断に十分な診断基準を決して発症しない場合がある。他の患者では、観察の数か月後又は数年後になって初めて、十分な診断基準が蓄積される。しかしながら、SLEの診断は、幾つかの設定では、これら古典的診断基準の少数を示すに過ぎない患者で行われる場合がある。これらの患者のうち、幾人かは、後に他の診断基準を発症する場合があるが、多くは決して発症しない。SLEを診断するために従来から使用されている11項目の診断基準は、以下の通りである:
1 顔面の頬の頬骨(malar over the cheeks)又は「蝶型」発疹
2 円板状皮疹:瘢痕を引き起こす場合のある斑状発赤
3 光線過敏:日光暴露に反応した皮疹
4 粘膜潰瘍:口、鼻、又は喉の粘膜の潰瘍
5 関節炎:腫れて触ると痛い複数の四肢関節
6 胸膜炎/心膜炎:心臓又は肺周辺の内膜組織の炎症、通常は呼吸による胸痛を伴うかた
7 腎臓異常:異常量の尿タンパク質、又は円柱と呼ばれる細胞成分の凝集塊。
8 脳刺激:発作(痙攣)及び/又は精神病を呈する
9 血球数異常:白血球細胞数又は赤血球細胞数又は血小板数の低下
10 免疫学的障害:異常免疫検査には、抗dsDNA抗体若しくは抗Sm(Smith)抗体、梅毒の偽陽性血液検査、抗カルジオリピン抗体、ループス抗凝固因子、又は陽性エリテマトーデス組織標本検査が含まれる、及び
11 抗核抗体:陽性ANA抗体検査。
上記診断基準は、狼瘡を他の関連自己免疫疾患から区別する特徴の有用な注意喚起としての役目を果たすが、それらは、不確実であることを免れ得ない。診断基準の存在又は非存在を決定するには、解釈が求められる場合が多い。徴候又は症状の存在又は非存在の決定に対して寛大な基準が適用される場合、実際にはそうでない場合でも患者が狼瘡と安易に診断される可能性がある。同様に、SLEの臨床発現の幅は、11項目の診断基準により記述されたものよりはるかに大きく、各発現は、活動性及び重症度のレベルが患者により様々であり得る。困難な診断を更に複雑にするのは、SLEの症状が、この疾患の経過にわたって絶えず進展することである。時間の経過と共に、それまでは影響を受けなかった器官に新しい症状が現れる場合がある。従来では確定的な狼瘡検査が存在しないため、狼瘡は誤診されることが多い。
また、疾患活動性のモニターは、狼瘡を有する患者を介護する際に問題となる。狼瘡は、一連の紅斑又は急性疾患期間に進行し、その後寛解する。紅斑の症状は、患者間で及び同じ患者内でさえ相当に異なっており、それらには、倦怠感、発熱、対称性関節痛、及び光線過敏(短期間の日光曝露後の発疹発症)が含まれる。狼瘡の他の症状には、毛髪脱落、粘膜の潰瘍、及び胸痛に結び付く心臓内膜及び肺内膜の炎症が含まれる。
狼瘡では、赤血球細胞、血小板、及び白血球細胞が標的とされ、貧血及び出血問題がもたらされる場合がある。より深刻には、血管中の免疫複合体沈着及び慢性炎症は、腎臓併症に、時には透析及び腎臓移植を必要とする障害に結び付く場合がある。血管は、狼瘡では自己免疫応答の主な標的であるため、早発性卒中及び心臓疾患は、珍しくない。しかしながら、時間と共に、これら紅斑は、不可逆的な器官損傷に結び付く場合がある。そのような損傷を最小限に抑えるために、疾患紅斑をより早期に及びより正確に検出することは、適切な治療を促進するだけでなく、不必要な介入の頻度を低減することになるだろう。研究的な見地からは、個々の器官系の「炎症の程度」又は疾患の活動性を一律に、又は普遍的な尺度として記述する能力は、貴重な研究ツールである。更に、疾患活動性の尺度は、治験での応答変数として使用することができる。
第1の態様では、本発明は、全身性エリテマトーデス(SLE)の診断又はSLE疾患活動性のモニタリングに使用するために、SLEリスクスコアを算出する方法であって、以下を含む方法を提供する:
(a)(I)対象者に由来する生体試料中の赤血球C4d(EC4d)マーカー及びB細胞C4d(BC4d)マーカー、及び
(II)前記対象者に由来する生体試料中の抗MCV抗体マーカー
のレベルを決定する工程、
(b)1つ又は複数の変換分析により前記マーカーのうちの1つ又は複数のマーカーのレベルを調整することによってSLEリスクスコアを算出する工程、
(c)前記SLEリスクスコアを基準と比較する工程、並びに
(d)前記比較をSLE診断事業体及びSLE疾患活動性モニター事業体のうちの一方又は両方に提供する工程。
別の実施形態では、ステップ(a)及び(b)は、以下のもののレベルを決定することを含む:
(a)対象者に由来する生体試料中のEC4d、BC4d、PC4d、及びECR1、並びに
(b)対象者に由来する生体試料中のANAマーカー。この実施形態は、対象者に由来する生体試料中の抗MCV抗体マーカーのレベルを決定することを更に含んでいてもよい。
上記実施形態のいずれか又はそれらの組み合わせの別の実施形態では、本方法は、対象者に由来する生体試料中の二本鎖DNA抗体(抗dsDNA)マーカーのレベルを決定することを更に含む。更なる実施形態では、生体試料中の二本鎖DNA抗体(抗dsDNA)マーカーレベルの決定は、他のマーカーレベルを決定する前に実施される。
上記実施形態のいずれかの種々の実施形態では、ステップ(a)は、対象者に由来する生体試料中の列挙したマーカーの2つ、3つ、又は4つ全てのレベルを決定することを含む。
別の実施形態では、1つ又は複数の変換分析は、ロジスティック回帰分析を含み、ロジスティック回帰分析は、以下を含む:
(i)適切な加重係数でマーカーの1つ又は複数のレベルを調整して、各マーカーの加重スコアを生成すること、及び
(ii)各マーカーの加重スコアを統合して、SLEリスクスコアを生成すること。更なる実施形態では、2つ、3つ、4つ、5つ、又は全てのマーカーのレベルが調整される。更に別の実施形態では、SLEリスクスコアの算出は、以下を含む:
(i)マーカーの量に所定の加重係数を乗算して、各マーカーの加重スコアを生成すること、及び
(ii)個々の加重スコアを合計して、SLEリスクスコアを生成すること。
1つの実施形態では、生体試料は、血液試料を含む。別の実施形態では、BC4dマーカーレベルの決定は、Bリンパ球表面のBC4dのレベルを決定することを含み、PC4dマーカーレベルの決定は、血小板表面のPC4dのレベルを決定することを含み、並びに/又はEC4dマーカーレベル及び/若しくはECR1マーカーレベルの決定は、赤血球表面のEC4d及び/又はECR1のレベルを決定することを含む。更なる実施形態では、BC4dマーカーレベルの決定は、Bリンパ球を含む細胞又は組織抽出物中のBC4dレベルを決定することを含み、PC4dマーカーレベルの決定は、血小板を含む細胞又は組織抽出物中のPC4dレベルを決定することを含み、並びに/又はEC4dマーカーレベル及び/若しくはECR1マーカーレベルの決定は、赤血球を含む細胞又は組織抽出物中のEC4d及び/又はECR1のレベルを決定することを含む。また更なる実施形態では、BC4dマーカーのレベル、PC4dマーカーのレベル、及び/又はEC4dマーカーのレベルは、C4dに特異的な抗体を使用して決定される。
本方法は、生体試料を、IgM、IgG及び/若しくはIgAリウマチ因子、並びに/又は抗CCP抗体と、生体試料中のそれらの標的抗原に対する抗体の特異的結合を容易にするのに好適な条件下で接触させること、未結合抗体を除去すること、抗体と生体試料中のそれらの標的との結合複合体を検出すること、及びそのような結合複合体のレベルを基準と比較することを更に含み、基準と比べたそのような結合複合体の増加は、対象者が関節リウマチを有することを示す。
1つの実施形態では、本方法は、上記比較をSLE診断事業体に提供することを含む。別の実施形態では、本方法は、上記比較をSLE疾患活動性モニター事業体に提供することを含む。更なる実施形態では、本方法は、上記比較に基づいて、対象者がSLEであると診断することを含む。別の実施形態では、本方法は、上記比較に基づいて、SLE疾患活動性のレベルを決定することを含む。
の態様では、本発明は、生体試料中のマーカーレベルを測定するためのデバイスに、本発明の方法の実施形態のいずれかの方法又は本発明の方法の実施形態の組み合わせの方法を実行させるための1組の命令を含む非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
の態様では、本発明は、以下の3つを含む検査の組み合わせを提供する:
(a)EC4dのレベルに関する第1の検査、
(b)BC4dのレベルに関する第2の検査、及び
(c)抗MCV抗体のレベルに関する第3の検査。
3つの検出層を含む細胞系補体活性化産物の血液試料レベルに基づく、SLEを診断するための本発明の方法の実施形態を示すフローチャートである。 2つの検出層を含む細胞系補体活性化産物の血液試料レベルに基づく、SLEを診断するための本発明の方法の実施形態を示すフローチャートである。 EC4Dマーカーの識別能力を示すグラフである。 ECR1マーカーの識別能力を示すグラフである。 BC4Dマーカーの識別能力を示すグラフである。 ROCが、単変量分析によるdsDNAの指標値と比較して、マーカーの組み合わせを使用してロジスティック回帰分析式から算出した指標値の曲線下にあることを示すグラフである。 指標値とSLEの診断を示す確率との関係性を示す図である。 診断による指標値の分布を示す図である。 コホート全体での指標の識別能力を示すグラフである。 指標値とSLEの診断を示す確率との関係性を示すグラフである。 赤血球及びB細胞に沈着した血清学的マーカー(ANA、DsDNA、及びantMCV)をC4Dレベルと共に統合したモデルを使用した、SLEを有する確率のグラフ及び要約を示す図である。 dsDNA陰性患者の指標値を示すグラフである。 感度及び特異度を指標の関数として示すグラフである。 2つの検出層を含むマーカーレベルに基づいてSLEを診断するための本発明の方法の実施形態を示すフローチャートである。 ANA及び抗MCVが曖昧である場合の、指標に対するCB−CAPS成分の影響を示すグラフである。
引用された文献は全て、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
本出願内では、別様の記述がない限り、利用された技術は、以下のもの等の幾つかの周知の文献のいずれかに見出すことができる:Molecular Cloning:A Laboratory Manual (Sambrookら、1989年、Cold Spring Harbor Laboratory Press)、Gene Expression Technology(Methods in Enzymology、185巻、D.Goeddel編、1991年、Academic Press、サンディエゴ、カリフォルニア州)、「Guide to Protein Purification」in Methods in Enzymology(M.P.Deutshcer編(1990年)Academic Press,Inc.);PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications(Innisら、1990年、Academic Press、サンディエゴ、カリフォルニア州)、Culture of Animal Cells:A Manual of Basic Technique、第2版(R.I.Freshney、1987年、Liss,Inc.ニューヨーク、ニューヨーク州)、Gene Transfer and Expression Protocols、109〜128頁、E.J.Murray編、The Humana Press Inc.,クリフトン、ニュージャージー州)、及びthe Ambion 1998 Catalog(Ambion、オースティン、テキサス州)。
本明細書で開示された実施形態は全て、状況が明白にそうではないと示さない限り、本発明の同一の又は異なる態様の1つ又は複数の他の実施形態と組み合わせることができる。
第1の態様では、本発明は、全身性エリテマトーデス(SLE)を診断するための方法、又はSLE疾患活動性をモニターするための方法であって、以下を含む方法を提供する:
(a)対象者に由来する生体試料中のBC4d(Bリンパ球結合C4d)、EC4d(赤血球結合C4d)、PC4d(血小板結合C4d)、及びECR1(赤血球補体受容体1型)からなる群から選択される少なくとも1つのマーカーのレベルを決定すること、
(b)抗MCV抗体マーカー及び抗核抗体(ANA)マーカーからなる群から選択される、対象者に由来する生体試料中の少なくとも1つの更なるマーカーのレベルを決定すること、
(c)1つ又は複数の変換分析によりマーカーの1つ又は複数のレベルを調整することによってSLEリスクスコアを算出すること、
(d)SLEリスクスコアを基準と比較すること、並びに
(e)以下の1つ又は複数、
(I)上記比較に基づいて対象者がSLEであると診断すること、
(II)上記比較に基づいてSLE疾患活動性のレベルを決定すること、
(III)上記比較をSLE診断事業体に提供すること、及び
(IV)上記比較をSLE疾患活動性モニター事業体に提供すること。
本発明は、一群のバイオマーカーを使用して、全身性エリテマトーデス(SLE)を診断するための方法、並びにSLEの疾患活動性及び治療に対する応答性をモニターするための方法を提供する。本発明者らは、本明細書にて、本発明の方法が、以前の方法と比較して、SLE診断及び疾患モニターの特異度及び感度を提供することを示す。例えば、抗dsDNA抗体の存在が、SLEの診断及び疾患重症度のモニターに使用されているが、SLE確定患者の大きな亜集団(およそ40〜50%)は、抗dsDNA抗体検査に陰性である。したがって、対象者のSLEを診断及びモニターするための従来手段は、精度及び感度を欠如しており、診断方法及びモニター方法の向上が求められている。
対象者は、SLEのリスクがある任意の対象者であってもよく(SLEを診断する方法では)、又はSLEであることが判明している対象者であってもよく(疾患活動性をモニターする方法では)、好ましくはヒト対象者(成人又は小児)であってもよい。SLEは、血中で異常な自己抗体が産生されることを特徴とする自己免疫疾患である。これら自己抗体は、それぞれの抗原と結合し、循環して最終的に組織に沈着する免疫複合体を形成する。SLEの症状には、これらに限定されないが、以下のものが含まれる:倦怠感、発熱、慢性炎症、組織損傷;顔面の頬の頬骨又は「蝶型」発疹;円板状皮疹:瘢痕を引き起こす場合がある斑状発赤;光線過敏:日光暴露に反応した皮疹、粘膜潰瘍:口、鼻、又は喉の粘膜の潰瘍;関節炎:腫れて触ると痛い複数の四肢関節;胸膜炎/心膜炎:心臓又は肺周辺の内膜組織の炎症、呼吸に伴う胸痛;毛髪脱落;腎臓異常:異常量の尿タンパク質又は円柱と呼ばれる細胞成分の凝集塊;脳刺激:発作(痙攣)及び/又は精神病を呈する;血球数異常;免疫学的障害:異常免疫検査には、抗dsDNA抗体又は抗Sm(Smith)抗体、梅毒の偽陽性血液検査、抗カルジオリピン抗体、ループス抗凝固因子、及び陽性エリテマトーデス組織標本検査が含まれる。
本明細書で使用される場合、「生体試料」は、対象者の体内から得られる。対象者に由来するあらゆる好適な生体試料を使用することができる。本発明の方法で使用される特に好適な試料は、血液試料、生検試料であり、生検試料には、腎生検が含まれるが、それに限定されない。1つの実施形態では、血清学的マーカー(抗MCV抗体マーカー及びANAマーカーの一方又は両方等)は、血液試料から得られ、EC4d、PC4d、ECR1、及び/又はBC4dマーカーは、循環血液細胞に沈着したものである。
血液試料は、好ましくは、補体活性化を阻害するためにEDTA(エチレンジアミンテトラアセタート)で処理される。試料は、室温で維持するか、又は4℃で保管することができる。幾つかの実施形態では、全血試料は、様々な成分に分画することができる。例えば、1つの実施形態では、赤血球細胞は、分画遠心法により試料中の他の細胞タイプから分離される。赤血球に結合した補体活性化産物(例えば、EC4d及びECR1)の分析は、単離した赤血球細胞で実施することができる。幾つかの実施形態では、白血球細胞は、血液試料の他の成分から単離される。例えば、白血球細胞(バフィーコート)は、遠心分離により血漿及び赤血球細胞から単離することができる。各タイプの白血球細胞(例えば、リンパ球、単球等)は、その細胞タイプに特異的な既知細胞表面マーカーに対する抗体の使用により単離することができる。白血球細胞の細胞表面マーカーに対する抗体は、当業者に知られている。例えば、細胞表面マーカーCD3、CD4、CD8、及びCD19に特異的なモノクローナル抗体は、市販されており、リンパ球を選択するために使用することができる。BC4d等の、白血球細胞表面に見出される補体活性化産物の分析は、白血球細胞の単離画分で実施することができる。血小板画分は、PC4d等の血小板結合補体活性化産物の分析を可能にするために、他の血液成分に由来していてもよい。血小板単離は、分画遠心法、又は血小板に特異的な抗体(例えば、CD42b)を使用した免疫沈降を含む、当技術分野で公知の方法で実施することができる。
特定のバイオマーカーのレベル(例えば、分量(quantity)又は量(amount))は、当業者に公知の様々な方法を使用して、試料中で測定することができる。そのような方法には、これらに限定されないが、フローサイトメトリー、赤血球細胞、血小板、又は白血球細胞溶解産物(例えば、リンパ球溶解産物)を使用したELISA、及びラジオイムノアッセイが含まれる。1つの実施形態では、C4dのレベルの決定は、フローサイトメトリー法を使用し、分子の各々に特異的なポリクローナル又はモノクローナル抗体を使用した直接又は間接免疫蛍光法により得られる測定を用いて行われる。これら分子の各々は、別々の試料(例えば、赤血球細胞特異的画分、白血球細胞特異的画分、又は血小板特異的画分)を用いて測定してもよく、又は単一の試料(例えば、全血)を使用して測定してもよい。
1つの実施形態では、ステップ(a)及び(b)は、以下のレベルを決定することを含む:
(a)対象者に由来する生体試料中のEC4dマーカー及びBC4dマーカー、並びに
(b)対象者に由来する生体試料中の抗MCV抗体マーカー及び抗核抗体(ANA)マーカーの一方又は両方。1つの実施形態では、本方法は、抗MCVマーカー及びANAマーカーの両方のレベルを決定することを含む。別の実施形態では、ステップ(a)は、対象者に由来する生体試料中のECR1のレベルを決定することを更に含む。この実施形態は、以下の例に詳述されており、従来技術の方法と比べて著しい診断向上を示す。
別の実施形態では、ステップ(a)及び(b)は、以下のもののレベルを決定することを含む:
(a)対象者に由来する生体試料中のECR1及びPC4d、並びに
(b)対象者に由来する生体試料中のANAマーカー。この実施形態は、以下の例に詳述されており、従来技術の方法と比べて著しい診断向上を示す。

別の実施形態では、ステップ(a)及び(b)は、以下のもののレベルを決定することを含む:
(a)対象者に由来する生体試料中のEC4d、BC4d、PC4d、及びECR1、並びに
(b)対象者に由来する生体試料中のANAマーカー。この実施形態は、対象者に由来する生体試料中の抗MCV抗体マーカーのレベルを決定することを更に含んでいてもよい。この実施形態は、以下の例に詳述されており、従来技術の方法と比べて著しい診断向上を示す。
上記実施形態のいずれかの種々の実施形態では、ステップ(a)は、対象者に由来する生体試料中の列挙したマーカーのうちの2つ、3つ、又は4つ全てのレベルを決定することを含む。
上記実施形態のいずれかの種々の実施形態では、ステップ(b)は、抗MCV及びANAマーカーの両方のレベルを決定することを含む。
上記実施形態のいずれか又はそれらの組み合わせの別の実施形態では、本方法は、対象者に由来する生体試料中の二本鎖DNA抗体(抗dsDNA)マーカーのレベルを決定することを更に含む。更なる実施形態では、生体試料中の二本鎖DNA抗体(抗dsDNA)マーカーレベルの決定は、他のマーカーのレベルを決定する前に実施される。
本明細書で開示された任意の方法と組み合わせることができる更なる実施形態では、本方法は、対象者に由来する生体試料中の二本鎖DNA抗体(抗dsDNA)マーカーのレベルを決定することを更に含む。この実施形態では、本方法は、他のマーカーのレベルを決定する前に、生体試料中の(抗dsDNA)マーカーのレベルを決定することを含むことができる。
EC4d、BC4d、PC4d、ECR1、ANA、及び抗MCVのレベルを決定するための方法は、詳細に開示されており(以下の実施例等で)、当技術分野で公知であり、抗dsDNAのレベルを決定するための方法は、標準的ELISA等、当技術分野で周知である。下記で議論されているように、マーカーのレベルを決定するためのあらゆる好適なアッセイを使用することができる。1つの実施形態では、マーカーレベルの決定は、Bリンパ球表面のBC4dのレベルを決定すること、血小板表面のPC4dのレベルを決定すること、及び/又は赤血球表面の及び/又はECR1のレベルを決定することを含む。そのような測定を行うための好適なアッセイは、当技術分野で公知であり、それらには、本明細書に記載の方法が含まれる。1つの実施形態では、フローサイトメトリーが使用される。
別の実施形態では、マーカーレベルの決定は、Bリンパ球を含む細胞又は組織抽出物中のBC4dレベルを決定すること、血小板を含む細胞又は組織抽出物中のPC4dレベルを決定すること、及び/又は赤血球を含む細胞又は組織抽出物中のEC4dレベル及び/又はECR1レベルを決定することを含む。そのような測定を行うための好適なアッセイは、当技術分野で公知であり、それらには、C4dに特異的な抗体を使用した関連細胞抽出物のELISAアッセイが含まれる。
本方法又は本明細書の任意の実施形態又は実施形態の組み合わせは、EC4d及びECR1;BC4d及びECR1;並びにPC4d及びECR1の1つ又は複数の比率を決定することを更に含むことができる。EC4D、PC4d、及びBC4Dは、SLE患者で上昇する傾向があり、ECR1は、減少する傾向がある。これらの比率を本発明の方法と組み合わせて使用して、SLEの可能性の予測を支援することができる。1つの実施形態では、CR1のレベルの決定は、フローサイトメトリー法を使用し、分子の各々に特異的なポリクローナル又はモノクローナル抗体を使用した直接又は間接免疫蛍光法により得られる測定を用いて行うことができる。
本明細書に記載の方法では、バイオマーカーの測定レベルと基準との比較が使用される。任意の好適な比較基準を使用することができ、比較基準には、これらに限定されないが、正常個体若しくはSLE罹患患者集団に由来する所定のレベル若しくは範囲、又は本明細書に別様に記載されている所定のレベル若しくは範囲が含まれる。本明細書で使用される場合、「所定のレベル」又は「所定の範囲」は、対照対象者(例えば、健常対象者)の集団又はSLE等の自己免疫疾患若しくは非SLE自己免疫障害を罹患している対象者の集団で測定された特定のバイオマーカーの分量又は量(例えば、絶対値又は濃度)から決定することができる数値又は数値の範囲を指す。所定のレベル又は所定の範囲は、特定のバイオマーカーの所与の組の分量又は量について最大の統計的有意差を達成する数値又は数値の範囲を算出することにより選択することができる。幾つかの実施形態では、所定のレベルは、対照/正常対象者の集団に由来する試料のバイオマーカー分量のばらつきに基づく。例えば、所定のレベルは、特定のバイオマーカーの正常範囲を超える少なくとも2、3、4、又は5標準偏差であってもよい。1つの実施形態では、所定のレベルは、バイオマーカーの正常範囲を超える少なくとも6標準偏差である。幾つかの実施形態では、所定のレベル又は所定の範囲は、全ての対象者(SLE患者を含む)から測定された2つの異なるバイオマーカーのレベルの比率であってもよい。また、所定のレベル又は所定の範囲は、そのレベル又は範囲内のバイオマーカーの分量を有する患者の50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%超がSLEであるバイオマーカー分量のレベル又は範囲を算出することにより決定することができる。バイオマーカーのレベルが、所定の範囲又は所定のレベル内に入らない試料は、SLEの診断が可能になるまで、追加バイオマーカーの測定が必要となる場合がある。
本明細書で使用される場合、「変換分析」は、一般化モデル(例えば、ロジスティック回帰分析、一般化加法モデル)、多変量分析(例えば、判別分析、主成分分析、因子分析)、及び事象までの時間(time-to-event)の「生存」分析を含むが、それらに限定されない任意の好適な数学的操作であってもよい。1つの好ましい実施形態では、1つ又は複数の変換分析は、ロジスティック回帰分析を含み、ロジスティック回帰分析は、以下を含む:
(i)適切な加重係数でマーカーの1つ又は複数のレベルを調整して、各マーカーの加重スコアを生成すること、及び
(ii)各マーカーの加重スコアを統合して、SLEリスクスコアを生成すること。
種々の実施形態では、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又はより多くの(追加マーカーを使用する場合)マーカーのレベルを、適切な加重係数で調整してもよい。
当業者であれば、本明細書の教示に基づいて理解するはずであるように、加重係数は、様々な技術により決定することができ、大きく変動する場合がある。適切な加重係数を決定するための1つの例では、多変量ロジスティック回帰分析(MLR)は、2群の患者内に、例えばSLEである患者及びSLEではない患者に見出されるマーカーレベルを使用して実施される。MLRと共に使用することができる変数(マーカー)の選択には幾つかの方法が存在し、それにより、選択されないマーカーがモデルから除外され、モデルに残った各予測マーカーの加重係数が決定される。その後、これら加重係数を、例えば試料中のマーカーレベルと乗算し(任意の好適な単位で表されており、任意の好適な単位には、重量/容積、重量/重量、重量/血中血球数が含まれるが、それらに限定されない)、その後、例えば合計してSLEリスクスコアを算出する。
本明細書で使用される場合、「統合する」は、マーカーを組み合わせて使用して、閾値と比較することができる単一のスコアに到着するためのあらゆる数学的操作(加算、減算、除算、乗算、及びそれらの組み合わせ)を含む。これらの方法では、マーカーの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は全てのレベルは、適切な加重係数を使用して調整することができる。好ましくは、マーカーは全て調整される。
更なる実施形態では、SLEリスクスコアの計算は、(i)マーカーの量に所定の加重係数を乗算して、各マーカーの加重スコアを生成すること;及び(ii)個々の加重スコアを合計して、SLEリスクスコアを生成することを含む。
1つの実施形態では、本方法は、リスク因子が、多変量ロジスティック回帰分析式から導き出される指標に基づく単層化分析を含み、多変量ロジスティック回帰分析式では、SLEの存在又は非存在(又は疾患活動性)が分類変数であり、マーカーが独立変数であり、それらの1つ又は複数(1、2、3、4、5、全て等)が係数と関連する。この実施形態の実施例は、以下の例に提供されている。他の実施形態では、本方法は、多層化分析を含む。1つの非限定的な実施形態では、図14には、多層化分析法が示されている。層1では、dsDNAの陽性は、SLEの診断と関連する。dsDNA陰性患者では、蛍光活性化細胞分類(FACS)及び抗MCV(ELISAによる)により測定されるANA、EC4d、及びBC4dレベルの複合指標スコアが算出される。閾値を超える指標は、SLEの診断と一致する。1つの実施形態では、指標スコアは、ELISAにより決定されるANAを使用して算出される。別の実施形態では、ANAがELISAで陰性の場合、間接免疫蛍光法が実施される。
1つの実施形態では、本方法は、上記比較に基づいて、対象者がSLEであるという診断をもたらすことができる。別の実施形態では、本方法は、SLE診断事業体への上記比較の提供をもたらすことができる。これらの実施形態では、対象者は、SLEのリスクがあるが、SLEであると確定的には診断されていない。種々の実施形態では、対象者は、上述のように、SLEの1つ又は複数の症状を呈している場合がある。「診断する/診断」は、本明細書で使用される場合、SLEの存在又は性質を特定することを意味する。診断方法は、それらの感度及び特異度が異なる。診断アッセイの「感度」は、陽性の検査結果を示す疾患個体の割合(「真陽性」の割合)である。アッセイにより検出されない疾患個体は、「偽陰性」である。罹患しておらず、アッセイで陰性検査結果を示す対象者は、「真陰性」と称される。診断アッセイの「特異度」は、1−偽陽性率であり、「偽陽性」率は、陽性検査結果を示す非疾患対象者の割合と定義される。特定の診断方法は、状態の確定的な診断を提供しない場合があるが、本方法が、診断を支援する陽性指標を提供すれば十分である。
別の実施形態では、本方法は、上記比較に基づいて、SLE疾患活動性レベルの決定をもたらすことができる。更なる実施形態では、本方法は、SLE疾患活動性モニター事業体への上記比較の提供をもたらすことができる。これらの実施形態では、本方法は、以下の例に示されているように、例えば、活動性疾患を有する対象者と非活動性疾患を有する対象者とを区別するために使用することができる。例えば、以下の例に示されているように、リスクスコアは、活動性疾患を有するSLE患者と非活動性疾患を有するSLE患者とを、高い感度および特異度で区別するために使用することができる。
これらの実施形態では、対象者は、SLEであることが知られている対象者であり、本方法は、疾患の経過を決定するために使用される。1つの実施形態では、対象者は、SLEの治療を受けている。そのような治療計画には、これらに限定されないが、以下のものが含まれる:免疫抑制剤(例えば、シクロホスファミド、コルチコステロイド、ミコフェノラート等)、及び/又は疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD;例えば、メトトレキサート、アザチオプリン、レフルノミド、ベリムマブ、並びにプラキニル及びヒドロキシクロロキン等の抗マラリア剤)。
別の実施形態では、患者は、寛解期にあり、本方法は、疾患紅斑等の再発を評価することを含む。SLEは、一連の紅斑又は急性疾患期間に進行し、その後寛解する。疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)は、紅斑の発生、疾患の経過を低減するために、及びステロイド使用の必要性を低減するために予防的に使用され、紅斑が生じる場合、それらは、コルチコステロイドで治療される。したがって、1つの実施形態では、本発明の方法は、例えば、紅斑の低減におけるDMARDの効力をモニターするために使用することができる。代替的な実施形態では、本方法は、例えば、紅斑の治療におけるステロイドの効力をモニターするために使用することができる。したがって、本発明の方法は、疾患活動性を測定するために、治療に対する応答をモニター及び/又は予測するために、並びにSLE患者の紅斑の発症をモニター及び/又は予測するために使用することができる。
1つの実施形態では、本方法は、SLEDAIスコア(当技術分野で公知であるような)と組み合わせて、SLE活動性をモニターする際の精度及び/又は対象者の活動性疾患と非活動性疾患とを区別する際の精度を向上させる。これら実施形態で使用することができる例示的なSLEDAI計算機は、下記に示されている。
本方法は、追加マーカーの寄与に基づきSLEリスクスコアを改変すると共に、所与の目的に望ましい任意の他のマーカーのレベルを決定することを含んでいてもよい。1つの実施形態では、1つ又は複数の追加マーカーのレベルは、1つ又は複数の変換分析により調整することができる。
本明細書に記載の方法はいずれも、鑑別診断アッセイと組み合わせて使用することができる。例えば、抗環状シトルリン化ペプチド抗体(抗CCP抗体)に対する抗体は、関節リウマチ(RA)を診断するための特異的血清学的マーカーである。加えて、リウマチ因子アイソタイプに対する抗体(RF IgM、IgA、及びIgG)は、一般的にリウマチ疾患の鑑別診断に使用される。したがって、本発明の方法のいずれかは、試料を、抗CCP抗体、並びに/又はIgM、IgG及びIgAリウマチ因子に、それらの標的抗原に対する抗体の特異的結合を容易にするのに好適な条件下で接触させること、未結合抗体を除去すること、抗体と試料中のそれらの標的との結合複合体を検出すること、及びそのような結合複合体のレベルを基準と比較することを更に含んでいてもよく、上記基準と比べたそのような結合複合体の増加は、対象者がRAを有することを示す。この実施形態は、対象者のSLEをRAと区別する役目を果たすことを支援する。
第2の態様では、本発明は、全身性エリテマトーデス(SLE)を診断するための方法であって、以下を含む方法を提供する:
(a)対象者に由来する生体試料中の二本鎖DNA抗体(抗dsDNA)、EC4d、及びBC4dマーカーのレベルを決定すること、
(b)1つ又は複数の変換分析によりマーカーの1つ又は複数のレベルを調整することによってSLEリスクスコアを算出すること、
(c)SLEリスクスコアを基準と比較すること、並びに
(d)以下の1つ又は複数、
(I)上記比較に基づいて対象者がSLEであると診断すること、
(II)上記比較に基づいてSLE疾患活動性のレベルを決定すること、
(III)上記比較をSLE診断事業体に提供すること、及び
(IV)上記比較をSLE疾患活動性モニター事業体に提供すること。
本発明の第1の態様で開示された実施形態及び実施形態の組み合わせは全て、この第2の実施形態で使用することができる。同様に、この第2の態様における一般的用語は全て、本発明の第1の実施形態に開示されているものと同じ意味及び実施形態を有する。以下の例に開示されているように、本発明者らは、本発明の方法が、以前の方法と比較して、SLE診断及び疾患モニタリングの特異度及び感度を提供することを示す。
本方法は、追加マーカーの寄与に基づきSLEリスクスコアを改変すると共に、所与の目的に望ましい任意の他のマーカーのレベルを決定することを含んでいてもよい。1つの実施形態では、1つ又は複数の追加マーカーのレベルは、1つ又は複数の変換分析により調整することができる。そのような追加マーカーには、これらに限定されないが、血小板C4d(PC4d)及び赤血球CR1(ECR1)が含まれる。血小板画分は、PC4d等の血小板結合補体活性化産物の分析を可能にするために、他の血液成分に由来していてもよい。血小板単離は、分画遠心法、又は血小板に特異的な抗体(例えば、CD42b)を使用した免疫沈降を含む、当技術分野で公知の方法で実施することができる。本方法は、EC4d及びECR1;BC4d及びECR1;PC4d及びECR1の1つ又は複数の比率を決定することを更に含んでいてもよい。EC4D、PC4d、及びBC4Dは、SLE患者で上昇する傾向があり、ECR1は、減少する傾向がある。これらの比率を本発明の方法と組み合わせて使用して、SLEの可能性の予測を支援することができる。1つの実施形態では、CR1のレベルの決定は、フローサイトメトリー法を使用し、分子の各々に特異的なポリクローナル又はモノクローナル抗体を使用した直接又は間接免疫蛍光法により得られる測定を用いて行うことができる。
1つの実施形態では、本方法は、2層化分析を含む。2層化分析の実施例は、以下の例に提供されている。本方法は、対象者に由来する生体試料中の抗dsDNAマーカーのレベルを決定する第1の層を含む。抗dsDNAマーカーのレベルが所定のレベル内にある場合、対象者は、SLEと診断される。しかしながら、抗dsDNAマーカーのレベルが所定のレベル外にある場合、第2の層分析は、試料中のEC4d及びBC4dマーカーのレベルを決定することを含む。EC4d及びBC4dマーカーのレベルが所定のレベル内にある場合、対象者は、SLEと診断される。
別の実施形態では、層1分析は、DS−DNA分析、並びに細胞系補体活性化産物(CB−CAP)マーカー、EC4D、及びBC4D(及び任意にPC4d)のシグナル強度を両方とも含む。例えば、図2を参照されたい。患者が、dsDNA検査で陽性であるか、又は患者が、EC4D、PCD4、又はBC4Dの強度の「極限閾値」を有する(つまり、非狼瘡患者のそのマーカーの平均を超える少なくとも6標準偏差の範囲にある補体結合細胞シグナルを示す)場合、患者は、SLEに陽性であると分類される。その後、層1の検査に陰性であり(つまり、全ての確定SLE患者のおよそ40〜50%を占めるDS−DNA陰性であり、CB−CAPS分析で極限閾値結果を示さない)患者は、層2で評価される。層2分析は、EC4D/ECR1及び/又はBC4D/ECR1の比率を決定して、SLEリスクスコアを決定することを含む。EC4D及びBC4Dは、SLE患者で上昇する傾向があり、ECR1は、減少する傾向がある。これらの比率は、SLEの可能性又はSLE疾患活動性を予測するために使用することができる。
別の実施形態では、本方法は、3層化分析を含む(実施例1を参照)。3層化分析の実施例は、以下の例に提供されている。本方法は、対象者に由来する生体試料中の抗dsDNAマーカーのレベルを決定することを含む。抗dsDNAマーカーのレベルが所定のレベル内にある場合、対象者は、SLEと診断される。しかしながら、抗dsDNAマーカーのレベルが所定のレベル外にある場合、試料中のEC4d及びBC4dマーカー(及び任意に血小板C4d(PC4d))のレベルが決定される。層2分析は、EC4d、BC4d、及びPC4dマーカーの1、2、又は3つ全てのレベルが、「極限閾値」(つまり、そのマーカーの正常範囲を超える少なくとも6標準偏差の範囲)を超えるか否かを決定することを含む。極限レベル以上のEC4d、BC4d、及びPC4dマーカーのいずれかを有する対象者は、層2で確立された特異度及び診断予測精度で、SLEが疑われる患者であると宣言される。
検査したマーカーの極限閾値のいずれも超えない患者の場合、本方法は、EC4D/ECR1及び/又はBC4D/ECR1の比率を決定してSLEリスクスコアを決定することを含む層3分析へと進む。EC4D及びBC4Dは、狼瘡患者で上昇する傾向があり、ECR1は、減少する傾向がある。これらの比率は、狼瘡の可能性を予測する。確立された比率の閾値を超える患者は、層3で確立された特異度及び診断予測精度で、狼瘡が疑われる患者として指定される。
本明細書に記載の本発明の態様の方法は全て、手動で実施してもよく、又は自動システム若しくはコンピュータと併せて使用してもよい。例えば、本方法は、自動システムを使用して実施することができ、そこでは、対象者の血液試料が分析されて、特定のバイオマーカーのレベルの1つ又は複数の決定が行われ、所定のレベル又は所定の範囲との比較が、その目的に適切なソフトウェアにより自動的に実施される。本発明の方法で使用されるコンピュータソフトウェア又はコンピュータ可読媒体には、以下のものを含むコンピュータ可読媒体が含まれる:(a)赤血球細胞、血小板、又はリンパ球(例えば、B細胞)の表面に沈着した補体成分C4dの決定に対応するデータ、並びに生体試料中の抗MCV、ANA、及び/又は抗dsDNA抗体の量に対応するデータを受け取るためのコード;(b)個体のそのような細胞の表面に沈着した補体成分C4dの所定のレベルを取り出すためのコード、並びにそのような試料中の抗MCV抗体、ANA、及び/又は抗dsDNA抗体の所定のレベルを取り出すためのコード;並びに(c)(a)のデータを、(b)の所定のレベルと比較して、正確なSLE診断を行うことができるか否か、又は他のバイオマーカーの追加測定が必要か否かを決定するためのコード。幾つかの実施形態では、コンピュータ可読媒体は、以下のものを更に含む:(d)赤血球細胞の表面に沈着した補体受容体CR1の決定に対応するデータを受け取るためコード;(e)個体の赤血球細胞の表面に沈着した補体受容体CR1の所定のレベルを取り出すためのコード;及び(f)(d)のデータを、(e)の所定のレベルと比較するためのコード。
本発明のある実施形態では、バイオマーカーレベルの1つ又は複数の所定のレベル又は所定の範囲は、デジタルコンピュータに使われるメモリに格納することができる。補体C4d、抗MCV抗体、ANA、抗dsDNA抗体、及び/又は補体受容体CR1の決定に対応するデータを取得した後(例えば、適切な分析機器から)、デジタルコンピュータは、測定したバイオマーカーデータを、1つ又は複数の適切な所定のレベル又は所定の範囲と比較することができる。比較が行われた後、デジタルコンピュータは、データがSLE診断を示すか否かを自動的に計算することができる。
したがって、本発明の幾つかの実施形態は、デジタルコンピュータにより実行されるコンピュータコードにより実現することができる。デジタルコンピュータは、ウィンドウズ(登録商標)系オペレーティングシステム等の任意の標準的又は特殊オペレーティングシステムを使用する超小型、小型、又は大型コンピュータであってもよい。コードは、任意の好適なコンピュータ可読媒体に格納することができる。コンピュータ可読媒体の例には、磁気、電子、又は光ディスク、テープ、スティック、チップ等が含まれる。また、コードは、当業者であれば、C、C++等の、任意の好適なコンピュータプログラミング言語で記述することができる。
したがって、本発明は、試料中のマーカーレベルを測定するためのデバイスに、本発明の任意の態様又は実施形態の方法を実行させるための一組の命令を含む非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を更に含む。更なる態様では、本発明は、血液試料等の試料中の列挙したマーカーのレベルを測定するためのデバイスに接続されたコンピュータに、本発明の方法を自動的に実行させるための非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を提供する。本明細書で使用される場合、用語「コンピュータ可読媒体」は、磁気ディスク、光ディスク、有機メモリ、及びCPUにより読取り可能な任意の他の揮発性(例えば、ランダムアクセスメモリ(「RAM」))又は不揮発性(例えば、読み出し専用メモリ(「ROM」))大容量記憶システムを含む。コンピュータ可読媒体は、協同する又は相互接続されたコンピュータ可読媒体を含み、それは、処理システムにのみ存在するか、又は処理システムにローカルであってもよく又はリモートであってもよい複数の相互接続処理システム中に分散されている。マーカーレベルを測定するための任意の好適なデバイスを使用することでき、好適なデバイスには、これらに限定されないが、フローサイトメトリーデバイス、及びELISAを実施するためのデバイスが含まれる。
また、本発明は、SLEを診断するためのキット及び検査の組み合わせを提供する。1つの実施形態では、本発明は、以下の検査の少なくとも3つ(つまり、3、4、又は5つ全て)を含むSLEの診断に有用な検査の組み合わせを含む:EC4dのレベルに関する第1の検査、BC4dのレベルに関する第2の検査、抗MCV抗体のレベルに関する第3の検査、ANAのレベルに関する第4の検査、及び抗dsDNA抗体のレベルに関する第5の検査。幾つかの実施形態では、この組み合わせは、PC4d及び/又はECR1のレベルを決定するための少なくとも1つの追加検査を更に含む。特定のバイオマーカーのレベルを決定するためのキット又は検査は、本明細書に記載の方法により測定を実施するための種々の試薬を含む。例えば、1つの実施形態では、キット又は検査は、補体成分C4dに特異的なモノクローナル抗体と蛍光部分との結合体、及び幾つかの実施形態では、補体受容体CR1に特異的なモノクローナル抗体と異なる蛍光部分との結合体等の、バイオマーカーの各々に関する免疫蛍光アッセイを実施するための試薬を含む。ある実施形態では、キット又は検査は、蛍光標識、化学発光標識、又は放射性標識等で標識された二次抗体等の、抗核抗体又は抗dsDNA抗体を検出するための試薬を含むことができる。加えて、キットは、このタイプのアッセイの実施に必要な場合のある他の物質、例えば、緩衝液、放射性標識抗体、比色計試薬、全血から様々な細胞画分を分離するための説明書、及びバイオマーカーの特定の所定のレベルに基づいてSLEを診断するための説明書を含むことができる。
別の実施形態では、キット又は検査は、ELISA又はラジオイムノアッセイ等の、バイオマーカーの各々についての他の標準的アッセイを実施するための試薬を含む。そのような実施形態では、キット又は検査は、放射性ヨウ素、アビジン、ビオチン、又はペルオキシダーゼ等の酵素等の適切な標識と結合された、C4d及びCR1に特異的なモノクローナル抗体を含む。キットは、緩衝液、抗体結合酵素の基質、全血から様々な細胞画分を分離するための説明書、及びバイオマーカーの特定の所定のレベルに基づきSLEを診断するための説明書を更に含むことができる。
本明細書に記載の例及び実施形態は説明のために過ぎず、当業者には、それらに教示される種々の改変又は変更が示唆されるはずであり、それらは、本出願の趣旨及び範囲内に、及び添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることになることが理解される。本明細書中に引用された文献、出版物、特許、及び特許出願は全て、あらゆる目的のためにそれらの全体が参照により組み込まれる。
実施例
実施例1:SLEを診断及びモニターするための細胞系補体活性化産物法
この実施例では、2つの診断情報:1)標準的ELISAアッセイによる抗二本鎖DNA抗体(DS−DNA)の存在又は非存在;及び2)細胞結合補体活性化産物レベルのフローサイトメトリーによる決定(例えば、CB−CAPSアッセイ)に基づき、SLE罹患(又は非罹患)の高い確率を有するとして患者を分類する、本発明の方法の実施形態を概説する。この多段階法を示すフローチャートは、図1に示されている。
この多段階手法は、3つの「層」の分析を含む。層1分析は、DS−DNA分析のみを含む。二本鎖DNAの特異度が高いことを考慮し、DS−DNAに対する陽性を使用して、患者が狼瘡に陽性であると暫定的に宣言する。また、モニタリング及び重症度と関連する情報に関する、その患者のCB−CAPSデータを収集する。層1陽性患者を、DS−DNA+、狼瘡の疑いがあると表示し、CB−CAPS分析は、補体パターンも狼瘡と一致するか否かを示す。層1陽性患者は、層1陽性について確立された特異度及び診断予測精度値で示された結果を有する。
患者が、全ての確定SLE患者のおよそ40〜50%を占めるDS−DNA陰性である場合、CB−CAPS分析を使用して、層2の患者を評価する。「極限閾値」手法を使用し、3つの細胞系補体活性化産物(CB−CAP)マーカー、EC4D、PC4D、及びBC4Dを使用して一連のシグナル強度カットオフを開発し、それを使用して、患者が狼瘡患者である確率を更に特徴付ける。層2分析により、3つのCB−CAPマーカーの個々のレベルのいずれかが「極限閾値」を超えるか否かを決定する。極限閾値は、正常(例えば、健常対象者)及び/又はSLE以外の自己免疫疾患を有する対象者から経験的に開発されたものであった。極限閾値は、そのマーカーの正常範囲を超える6〜7標準偏差の範囲にある補体結合細胞シグナルを示す患者を認識するように設計されている。3つの細胞マーカーのいずれかが極限レベルである患者を、層2で確立された特異度及び診断予測精度で、狼瘡が疑われる患者であると宣言する。
3つのマーカーの極限閾値をいずれも超えない患者の場合、この実施形態は、層3分析に進む。層3では、再帰分割手法を使用し、EC4D/ECR1及びBC4D/ECR1のシグナル強度の閾値比率を開発して、患者が狼瘡を有する確率を決定した。EC4D及びBC4Dは、狼瘡患者で上昇する傾向があり、ECR1は、減少する傾向がある。これらの比率は、狼瘡の可能性を予測する。確立された比率の閾値を超える患者は、層3で確立された特異度及び診断予測精度で、狼瘡が疑われる患者として指定される。
この段階的手法を使用することにより、本発明者らは、患者が狼瘡を有するか否かの確率に、診断精度値を割り当てることができる。陽性結果の信頼レベルは、診断がなされるレベルと関連する。第1の層では、DS−DNAの特異度が非常に高いことにより、その患者が実際に狼瘡患者であるという高い信頼性がもたらされる。また、この方法では、細胞結合補体のレベルが高いことを使用して、この指定の信頼性を更に増強することができる。各層の分析では、陽性及び陰性予測値は、最終報告に提供される。この手法の全体的価値は、診断分析中に、可能な限り高い特異度を維持しつつ、診断検査自体から可能な限り多くの情報を提供することである。
実施例2:SLEを診断及びモニターするための細胞系補体活性化産物法
この実施例は、以下2つの診断情報に基づき、SLE罹患(又は非罹患)の高い確率を有するとして患者を分類する、本発明の方法の第2の実施形態を概説し、実証する:
1)標準的ELISAアッセイによる抗二本鎖DNA抗体(DS−DNA)の存在又は非存在、並びに
(2)細胞結合補体活性化産物レベルのフローサイトメトリーによる決定(例えば、CB−CAPSアッセイ)。この多段階法を示すフローチャートは、図2に示されている。
この多段階手法は、2つの「層」の分析を含む。層1分析は、DS−DNA分析、並びに3つの細胞系補体活性化産物(CB−CAP)マーカー、EC4D、PC4D、及びBC4Dのシグナル強度を両方とも含む。患者が、dsDNA検査で陽性であるか、又は患者が、EC4D、PCD4、若しくはBC4Dの強度の「極限値」を有する(つまり、非狼瘡患者のそのマーカーの平均を超える6〜7標準偏差の範囲にある補体結合細胞シグナルを示す)場合、患者を、狼瘡に陽性であると分類する。層1陽性患者は、狼瘡診断を示すDS−DNA+として又は狼瘡診断を示すCB−CAPS結果を用いてのいずれか又はその両方で示される。層1陽性患者は、層1陽性について確立された特異度及び診断予測精度値で示された結果を有する。
層1の検査に陰性である(つまり、全ての確定SLE患者のおよそ40〜50%を占めるDS−DNA陰性であり、CB−CAPS分析で極限閾値結果を示さない)患者を、その後、層2で評価する。層2では、再帰分割手法を使用し、EC4D/ECR1及びBC4D/ECR1のシグナル強度の閾値比率を開発して、患者が狼瘡を有する確率を決定する。EC4D及びBC4Dは、狼瘡患者で上昇する傾向があり、ECR1は、減少する傾向がある。これらの比率は、狼瘡の可能性を予測する。確立された閾値比率の範囲外の比率を示す患者を、層1及び層2の組み合わせで確立された感度、特異度、及び診断予測精度で、狼瘡患者として指定する。
この段階的手法を使用することにより、本発明者らは、患者が狼瘡を有するか否かの確率に、診断精度値を割り当てることができる。陽性結果の信頼レベルは、診断がなされるレベルと関連する。第1の層では、DS−DNAの特異度が非常に高いことにより、DS−DNA陽性患者が実際に狼瘡患者であるという高い信頼性がもたらされる。細胞結合補体のいずれかのレベルが高いことにより、層1陽性患者を狼瘡患者として指定する信頼性が更に増強される。両層の分析では、陽性及び陰性予測値は、最終報告で提供される。この手法の全体的価値は、診断分析中に、可能な限り高い特異度を維持しつつ、診断検査自体から可能な限り多くの情報を提供することである。
本発明者らは、下記の表1に要約されている患者群に、2層化実施形態を適用した。
SLE患者を、ACRのSLE分類基準に従って診断した。他のリウマチ疾患には、関節リウマチ(67%)、全身性硬化症(12%)、皮膚筋炎(5%)、シェーグレン病(5%)、他の血管炎(4%)、多発性筋炎(4%)、及びその他(3%)が含まれていた。589人の治験対象者は全て、標準的ELISAアッセイを使用してdsDNAについて検査し、EC4D、BC4D、及びPC4Dのレベルを、上述の層1戦略に従って、フローサイトメトリーで決定した。
層1の結果は、表2に要約されている。
層1検査の感度は50%であり、特異度は97%である。
層1−陰性の治験対象者を、層2で分析した。ECR1の値を、フローサイトメトリーにより得て、EC4D/ECR1及びBC4D/ECR1の比率を算出した。再帰分割法を使用して、陽性検査結果の以下の規則を確立した:
(EC4D/ECR1>0.59及びBC4D/ECR1>3.69)又は(EC4D/ECR1<=0.59及びBC4D/ECR1>4.48)=>検査(+)
層2の結果は、表3に要約されている。
層1及び層2の統合された感度及び特異度は、以下の通りである。
特異度=351/381=92%
感度=(103+46)/208=149/208=72%。
層1及び層2の結果は、表4に要約されている。
実施例3
この例は、本発明の方法の第3の実施形態を概説する。本発明の方法の第3の実施形態では、別のリウマチ疾患ではなくSLEを示す可能性が、多変量ロジスティック回帰分析式から導き出される指標に基づいて算出され、多変量ロジスティック回帰分析式では、SLEの存在又は非存在が分類変数であり、循環細胞に沈着したCB−CAPS断片と共に血清学的マーカーが独立変数であり、それらの各々が係数に関連する。
SLE患者、正常健常志願者(NHV)、及び他のリウマチ疾患を有する患者を含む個人の治験集団において、CB−CAPS(EC4D、PC4D、BC4d、ECR1)、ANA、及びdsDNA抗体を決定した。この治験は、多施設横断治験であり、対象者は、スクリーニング及び血液試料採取のために、1回又は多くとも2回の来院が求められた。経過観察のための来院は必要ではなかった。対象者のインフォームドコンセントを得た後、下記の手順を実施した:ありとあらゆるリュウマチ学的状態の診断に関連する対象者の病歴を取得し、算入/除外基準について調査し、これら状態の診断に関する詳細を収集した。SLE及び他のリュウマチ学的状態の診断の日付を記録し、適合した特定のSLE診断基準を記録し(ACRの改訂SLE分類基準)、対象者人口統計を記録した(生年月日、性別、人種/民族)。尿試験紙による尿妊娠検査を、出産可能な全ての女性に対して実施した。およそ15mLの患者血液を、CB−CAPS、dsDNA分析用に採取した。血液試料は、断食条件下又は非絶食条件下のいずれかで採取した。試料は、1本の4.5ml EDTAチューブ(最上部がラベンダー色)及び1本の7.5ml SSTチューブ(最上部が赤黄色)で構成されており、発送前に遠心分離を必要とした。生体試料は全て、治験実施場所から臨床検査室まで翌日着で送付された(付属の輸送キットを使用して)。CB−CAPSは、試料採取の48時間以内に分析されるべきであるため、土曜日は試料を受理しなかった。したがって、対象者は、月曜日から木曜日までしか参加しなかった(木曜日の発送締切時間は、午前10:00である)。分析検査室での盲検性を保つために、症例記録表及び対象者の診断を開示する可能性のあるあらゆる対象者情報は、臨床主担当員にファックスされ、分析用の血液試料は、完全な対象者固有の調達書と共に分析検査室に直接送付された。これら検査の結果は、本治験の実施期間中研究者に利用させなかった。標本は、対象者番号及びイニシャルにより識別されていただけであり、分析検査室では、対象者に特異な診断に対して盲検性が維持された。臨床チームだけが、治験全体にわたって患者診断の入手権利を有していた。赤血球、Bリンパ球、及び血小板を、単離し、洗浄し、CR1及びCr由来リガンドC4dに特異的なモノクローナル及び/又はポリクローナル抗体を使用して免疫蛍光的に標識し、本発明者らの臨床検査室で検証されたアッセイを使用してフローサイトメトリーにより分析した(下記セクションを参照)。平均蛍光強度を、各細胞表面マーカーの発現レベルの指標として使用した。dsDNAを、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA、INOVA社、サンディエゴ、カリフォルニア州)を使用して測定した。
全血試料から得た赤血球を、一群のモノクローナル抗体を使用して検査し、C4d及びCR1補体活性化産物の細胞表面レベルを検出及び測定した。患者全血の試料の一定分量を希釈し、洗浄し、ヒトC4d又はCR1に対する精製モノクローナル抗体(特異的抗体)及び非特異的抗体(MOPC−21 msIgG1kアイソタイプ対照)で、45分間2〜8℃にて染色した。その後、試料を洗浄し、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)結合ヤギ抗マウス抗体を含有する溶液に、45分間2〜8℃(暗所)にて再懸濁し、細胞表面に結合したモノクローナル抗体C4d又はCR1を検出した。その後、細胞を洗浄し、緩衝生理食塩水に再懸濁し、Beckman Coulter社製FC500サイトメータ及びCXPソフトウェアを使用してFACS分析を行った。データ収集中に光散乱(前方及び側方)ゲート制御パラメータを使用して、非特異的及び特異的抗体結合(MFI)を定量化するための生存赤血球をFL1(FITC)チャネルに単離した。20,000個の事象から、アイソタイプバックグラウンド対照(MOPC−21 msIgG1k)及び各補体タンパク質(C4d、CR1)のMFIを取得し、その後、特異的MFI結果から非特異的MFIを減算することにより、正味MFIを決定した。患者全血試料から得たBリンパ球細胞を、C4dモノクローナル抗体を使用して検査し、C4dの細胞表面レベルをFACSにより測定した。全血試料に由来する試料の一定分量を、BD Pharm Lyse(商標)細胞溶解溶液(塩化アンモニウムに基づく細胞溶解試薬)を使用して細胞溶解し、モノクローナルC4d抗体で染色する前に赤血球細胞を除去した(2〜8℃にて45分間)。細胞表面C4d染色を、ヤギ抗マウスフルオレセインイソチオシアネート(FITC)抗体を使用して検出した(暗所、2〜8℃にて45分間)。ヒトCD−19(CD−19は、B細胞分化及び成熟の全段階で発現される95kDaのI型膜貫通糖タンパク質と反応する)に対する、R−フィコエリトリン(R−PE)結合モノクローナル抗体を使用して、Bリンパ球に特異的なC4d補体活性化由来断片を検出した。染色した細胞を洗浄し、緩衝生理食塩水に再懸濁し、Beckman Coulter社製FC500サイトメータ及びCXPソフトウェアを使用してFACS分析を行い、Bリンパ球を単離し、蛍光染色強度を測定した。光散乱(前方及び側方)ゲート制御パラメータをデータ収集中に使用して、全リンパ球を単離し(150,000個の生存事象)、その後、細胞のBリンパ球サブセットを分析するために、陽性CD−19 R−PE染色に基づく二次ゲート制御を行った。FL1(FITC)チャネルの非特異的(MOPC−21 msIgG1アイソタイプ対照)及び特異的(C4d)蛍光の定量化を、ゲート制御されたBリンパ球細胞サブセットについて決定した。上記のように、ゲート制御されたBリンパ球細胞のみで、アイソタイプ対照バックグラウンドMFI結果を、特異的C4d MFI結果から減算することにより、各患者試料の正味MFIを決定した。患者全血試料から得た血小板細胞を、C4dモノクローナル抗体を使用して検査し、C4dの細胞表面レベルをFACSにより測定した。未洗浄全血試料を希釈し、huC4dに対するモノクローナル抗体で染色し(2〜8℃にて45分間)、その後、FITC結合ヤギ抗マウスで染色した(2〜8℃、暗所にて、45分間)。ヒトCD−42bに対するR−フィコエリトリン(R−PE)結合モノクローナル抗体(血小板特異的マーカー)を使用して、血小板に特異的なC4d補体活性化由来断片を特定した。Beckman Coulter社FC500サイトメータ及びCXPソフトウェアを使用して、FACS分析を実施し、蛍光染色強度を測定した。光散乱(前方及び側方)ゲート制御パラメータをデータ収集中に使用して、血小板集団を単離し、その後、細胞の血小板サブセットを分析するために、陽性CD−42b R−PE染色に基づく二次ゲート制御(血小板)を行った。FL1(FITC)チャネルの非特異的(MOPC−21 msIgG1アイソタイプ対照)及び特異的(C4d)蛍光の定量化を、ゲート制御された血小板細胞(5,000個の事象)について決定した。上記のように、ゲート制御された血小板細胞のみで、アイソタイプ対照バックグラウンドMFI結果を、特異的C4d MFI結果から減算することにより、正味MFIを決定した。この治験の組み入れ基準は含んでいた。
臨床治験の組み入れ基準は、以下の通りであった:インフォームドコンセント承諾書を読み、理解し、署名する能力があること;18歳以上であること;血液試料採取に同意し、採取可能であることであり、対象者は、以下の2つの分類のリュウマチ学的状態を有する(ACR改訂SLE分類基準によるSLEの診察、以下のリュウマチ学的障害の1つを有するとの診断:抗リン脂質症候群;線維筋痛(ANA+患者のみ);全身性硬化症;関節リウマチ、多発性筋炎;皮膚筋炎;ウェゲナー肉芽腫症;結節性多発動脈炎;クリオグロブリン血症性血管炎;白血球破砕性血管炎;他の免疫学的血管炎;原発性シェーグレン病候群)。加えて、正常成人健常個人が参加した。除外基準は、以下のもので構成されていた:正常健常志願者の場合のみ:治験責任医師の判断に基づく、心臓血管、精神医学、神経性、消化器系(例えば、胃又は十二指腸潰瘍、炎症性腸疾患、GI出血の病歴)、代謝性、肺性(例えば、ぜん息、COPD)、腎性(腎不全を含む)、肝性、血液学的、免疫学的、内分泌性(例えば、甲状腺機能低下、糖尿病)、活動性感染症、又は慢性感染症(例えば、B型肝炎若しくはC型肝炎、又はHIV)の病歴、腫瘍疾患、及び/又は減量手術の病歴を含む、臨床的に重要な同時罹患状態。原発性免疫不全症候群の明白な又は臨床検査の証拠 妊娠又は授乳女性。参加施設を促して、SLE及び他のリュウマチ学的状態を有する同数の対象者を募集し、バランスのとれた試料を確保した。CB−CAPS及びdsDNA用に、各対象者から血液を採取した。提出されたデータ及び血液試料は全て、対象者ID番号の使用により、匿名性を厳格に維持した。各施設には、2桁の施設番号を割り当て、各施設には、二次ID番号を割り当てた。各施設は、治験番号及び対応する対象者氏名のリストを、それらの実施場所で維持する責任を負っていた。全ての対象者識別子をあらゆる付属文書から除外し、血液試料は全て、対象者ID番号及びイニシャルによってのみ識別した。加えて、治験依頼者の臨床検査室は、全対象者の診断に対して盲検だった。臨床検査室は、データ収集、データ検証、及び全データの報告の責任を負っていた。基礎的人口統計データ、病歴、及び疾患診断基準の記録は全て、標準的症例報告書(CRF)に収集した。輸送及び試料処理手順は、以下のように提供された:臨床検査室は、冷却材カートリッジを装備した、各参加対象者用の輸送キットを提供した。各輸送キットは、EDTA(4.5ml)チューブ、赤黄色SSTチューブ(7.5ml)、及び、該当する場合は、分離された血清を収集するための輸送用バイアルを含有していた(以下を参照)。あらかじめ印刷された航空貨物輸送状も、輸送キットに含まれていた。輸送キットを受領した際に、冷却材カートリッジを取り出し、輸送に必要とされるまで冷凍庫に入れておいた。対象者が参加し、EDTAチューブ及び赤黄色SSTチューブに採血をしたら、以下の手順を実施した:SST試料は、室温で自然に及び完全に凝血させ(およそ10分間)、その後、できるだけ早く遠心分離して、RBCの溶血を回避した。遠心分離した後、血清は、実施場所の試料処理手順に応じて、提供されている血清収集バイアルに移すか、又はSSTチューブの中に残しておいた。EDTA血液チューブ、SSTチューブ、及び血清収集バイアルは全て、直ちに、冷却材カートリッジを有する輸送キットに入れて、臨床検査室に翌日着で発送した。CB−CAPSアッセイには時間的制約性があるため、血液試料は、木曜日の午前10時以降は、採取又は発送しなかった。試料は全て翌日着で発送するものとする(サンディエゴ施設)。患者の血液試料は、採取後できるだけ早く集荷及び発送用に準備した。採取と輸送用包装との間に遅延があった場合、試料は、2〜8℃で冷却した。対象者記録は全て、イニシャル及び割り当てられた対象者IDによってのみ識別した。対象者の氏名は、臨床検査室には送らないこととした。各実施場所の治験医師が、対象者リスト原本を保管した。対象者は、一切の治験関連処置に参加する前のスクリーニング来院時に、治験について説明を受けた後、自発的な書面によるインフォームドコンセント及びHIPAA承認を与えた(21CFR Part50及び312に従って)。各対象者は、治験医師と相談する機会を持った後で、インフォームドコンセント及びHIPAA承認書を読み、署名した。全ての参加患者は、いつでも治験から離脱することができることを理解していた。インフォームドコンセントの記載及びHIPAA承認は、CFRに規定されている規定及び必須記載を全て含んでいた。署名したインフォームドコンセント及びHIPAA承認書のコピーを対象者に渡し、原本書類は両方とも、治験医師の研究ファイルに保管した。固有の対象者識別番号は、対象者がインフォームドコンセント用紙に署名した時点で割り当てた。CRFを完成させ、血液試料取得の1週以内に臨床検査室にファックスした。CRF原本は、治験実施場所で保持した。CRFは全て、きちんと読み易く完成させ、データの適切な解釈を保証した。黒インクを使用して、全てのCRFコピーの明瞭性を保証した。特定の対象者に対する参照は全て、氏名ではなく、イニシャルの使用により及び割り当てられた対象者ID番号によりなされた。対象者の秘密は、CRFと共に提出されたあらゆる報告又は記録中の氏名を全て削除することにより(黒色マーカーで塗ることにより)維持した。以前に入力されたデータの一切の変更は、元の記載に一本線を引き、イニシャル、変更した日付、及び修正データを記入することにより行った。不透明な修正液、訂正テープ、及び蛍光ペンの使用を禁止した。この治験は、優良臨床試験基準のプロトコール及びICHガイドラインに従って実施した。この治験では、事象が血液採取自体と関連していない限り、有害事象情報を記録しなかった。治験を開始する前に施設内倫理委員会(IRB)による承認を受けることは、治験医師の責任だった。
統計分析は、Rソフトウェアを使用し、ロジスティック回帰分析で実施した。必要に応じて、また多変量ロジスティック回帰分析式の結果として指標値を決定した後で、マーカーの各々(単変量分析)の受信者動作曲線を使用した。
結果:総数613人の個人が、2010年4月から8月までの治験に参加した。合計15か所の参加実施場所が参加した。213人の狼瘡の診断を有する患者(90%が女性)、206人の正常健常志願者(65%が女性)、及び185人の他のリウマチ疾患を有する患者(80%が女性)で構成されていた。SLEである患者の平均年齢は、41±14歳(平均±SD)であり、正常健常志願者では41±13歳(平均±SD)であり、他のリウマチ疾患を有する患者では、57±13歳だった。他のリウマチ疾患を有する患者のかなりの割合は、関節リウマチの診断を示した。
参加した613人の個人の中で、9人が、組み入れ基準を満たさなかった(4人がプロトコール違反;2人の患者が誤って参加、3人は他の理由)。したがって、603人が、分析で評価可能であった。下記の表では、SLE及び他の疾患を有する個人と比較して、正常健常個人のdsDNA、EC4d、PC4d、BC4d、及びECR1の平均レベルが強調されている。
最初のステップとして、本発明者らは、本治験で測定されたバイオマーカー(EC4D、ECR1、BC4d、PC4D)の各々の識別能力を試験した。EC4d、ECR1、及びBC4dの結果は、それぞれ図3〜5に示されている。PC4D(輸送中の分析物の安定性を考慮して、20正味MFIの事前設定カットオフを使用する)を含むマーカーの各々の臨床的感度及び特異度は、下記の表に示されており、単変量分析による各々個々のマーカーの能力が強調されている。
SLEである209人の患者、205人の正常健常志願者、及び181人の他のリウマチ疾患を有する患者(そのうち121人が関節リウマチの診断を有する)を含む595人の個人で、CB−CAPS及びDsDNA抗体が、多変量ロジスティック回帰分析に利用可能だった。この治験集団を、SLE患者とNHV及び他の疾患とを区別するモデルを開発するために、合計219人の個人(54人のNHV、101人のSLE、及び他のリウマチ疾患を有する64人の患者)を含む訓練セットに無作為に分割した(Rの機能を使用して)。その後、訓練セットで開発したモデルを、384人の個人(112人のSLE患者、151人のNHV、及び121人の他のリウマチ疾患)の独立検証セットで検証した。
多変量線形ロジスティック回帰モデルを、以下の初期予測因子:DsDNA[製造業者カットオフに従った301ユニットのカットオフ]、EC4d(正味MFI)、BC4d(正味MFI)、ECR1(正味MFI)、PC4d(正味MFI)に対する陽性を使用して訓練セットで開発した。正味MFI値は全て、logで正規化した。ロジスティック回帰モデルにおける各バイオマーカーの相対的寄与を反映する指標を算出した。その後、指標の妥当性を、上述のようなSLE又は他の疾患(NHVを含む)を有する個人の検証セットで試験した。受信者動作曲線(ROC)及び曲線下面積を決定し、感度及び特異度を最適化する指標カットオフを決定した。
訓練セットの多変量ロジスティック回帰分析モデルは、DsDNA、EC4D、及びBC4dが、SLE対他の疾患及びNHVの鑑別診断に有意に寄与したことを明らかにした。ECR1及びPC4dレベルは、有意に寄与しなかった(データ非表示)。以下のロジスティック回帰分析式が決定された:
指標=−8.3919+1.4469*(DsDNA>301)+1.6194*log(EC4D)+1.4121*log(BC4D)
下記の表には、モデルに含まれる独立変数/分析物の各々の係数、標準誤差、及び有意水準が示されている。
図6に示されているように、上述のロジスティック回帰分析式から算出された指標値のROC AUC(したがって、識別能力)は、単変量分析によるdsDNAと比較して(AUC=0.783)、有意に大きかった(AUC=0.912)。指標値の至適カットオフである0では、以下の臨床性能が明らかにされた。
感度、特異度、及び精度は、下記に示されており、SLE患者を他の疾患を有する患者と、又はNHV及び他の疾患を有する患者と区別する係数の能力が強調されている。
訓練セットで開発されたロジスティック回帰モデル(及び0未満又は0超の関連至適カットオフ)を、引き続き検証セット(112人のSLE患者、151人のNHV、及び121人の他のリウマチ疾患を含む、384人の個人)で独立試験した。
下記に示されているように、検証集団での感度、特異度、及び精度は、訓練セットで報告されたものに類似していた。それらは、開発された多変量ロジスティック回帰分析モデルの妥当性を示す。
まとめると、訓練セット及び検証セットの個人を統合することにより(n=595)、以下の性能(指標のカットオフ=0)を確立することができた。
臨床感度、特異度、及び精度は、下記に記述されており、75%を超える感度、特異度、及び全体的精度を有する診断法の性能が強調されている。dsDNAと比較した指標値のROC曲線は、図4に示されている。
図7には、指標値と、SLEの診断を示す確率との関係性が示されている。
実施例4
この例は、本発明の方法の第4の実施形態を概説する。本発明の方法の第4の実施形態では、別のリウマチ疾患ではなくSLEを示す可能性が、多変量ロジスティック回帰分析式から導き出される指標に基づき算出され、多変量ロジスティック回帰分析式では、SLEの存在又は非存在が分類変数であり、循環細胞に沈着したCB−CAPS断片と共にDsDNA及び抗MCVが独立変数であり、それらの各々が係数と関連する。
治験に参加した593人の個人の抗MCVレベルを、製造業者説明書に従って測定した。抗MCV陽性は、43/210人のSLE患者(特異度79.5%)、5/205人の正常健常個人(特異度95%)、79/119人のRA患者(感度66%)、及び8/59人の関節リウマチ以外の疾患を有する患者(特異度86.4%)に観察された。多変量ロジスティック回帰分析は、示されているようにdsDNA、logEC4d、及びLogBC4dと組み合わせた抗MCV陽性が、SLE対他の疾患の鑑別診断に寄与していたことを明らかにした。
388人の患者でのロジスティック回帰分析係数が得られた(119人の関節リウマチ患者を含む、210人の狼瘡患者及び178人の他の疾患患者)。
したがって、ロジスティック回帰分析式は、以下の通りである:指標=−6.199+1.2581*(DsDNA>301)+1.4670*log(EC4D)+1.0132*log(BC4D)−1.7962*(抗MCV>20)。
診断による指標値の分布は、図8に示されている。図9には、コホート全体における指標の識別能力が示されている。ROC曲線のAUCは、0.890だった。0を超える指標値は、患者のコホート全体において、81%(210人中170人)感度及び86%の特異度と関連した。図10には、指標値と、SLEの診断を示す確率との関係性が示されている。他の疾患を有する患者に対する特異度は、下記に示されている。
まとめると、これらのデータは、抗MCVの追加が、指標の臨床性能の著しい向上を提供することができることを示す。しかしながら、RA患者に対する特異度の全体的向上は、他の疾患を有するがRAを有していない個人に対する全体的特異度を犠牲にした。
59人の他の非RA疾患患者における、抗MCVを用いなかった場合(9人の偽陽性患者)と抗MCVを用いた場合(16人の偽陽性患者)との指標の特異度の差は、72%対85%であった。この差は、抗MCVを用いた指標の存在下では、5人の更なる患者が誤って分類されたことに関連していた(皮膚筋炎を有する2人の患者、多発性筋炎を有する1人の患者、原発性シェーグレン病候群を有する1人の患者、及びびまん性全身性硬化症を有する1人の患者)。
治験に参加した他の疾患の各々の特異度は、以下の表に示されている。
また、SLEを鑑別診断するための本方法は、他のリウマチ疾患の鑑別診断と関連する種々の血清学的マーカーを統合することができる。例えば、関節リウマチの診断は、リウマチ因子(IgM、IgG、IgA)の測定に依存する。したがって、上述のそれら血清学的マーカーの決定は、本発明者らが開発した指標の識別能力に統合されるだろう。
実施例5
この例は、本発明の方法の第5の実施形態を概説する。本発明の方法の第5の実施形態では、別のリウマチ疾患ではなくSLEを示す可能性が、多変量ロジスティック回帰分析式から導き出される指標に基づき算出され、多変量ロジスティック回帰分析式では、SLEの存在又は非存在が分類変数であり、循環細胞に沈着したCB−CAPS断片と共にDsDNA、抗MCV、及びANAが独立変数であり、それらの各々が係数と関連する。
治験に参加した593人の個人のANAレベル、DsDNA、及び抗MCVレベルを、製造業者の説明書に従って測定した。これらマーカーに陽性である患者の割合は、下記の表に示されている。
388人の患者(210人の狼瘡患者、及び関節リウマチを有する120人の患者を含む他の疾患を有する178人の患者)でのロジスティック回帰分析係数。
この表は、SLE対他の疾患の鑑別診断に対する、EC4D、BC4D、及び抗MCVの増分値を示す。
したがって、最も高い予測値を示すロジスティック回帰分析式は、以下の通りである:指標=−6.150+0.996*(DsDNA>301)+1.480*(ANA>20)+1.422*log(EC4D)+0.876*log(BC4D)−1.883*(抗MCV>20)。
盲検の対象者でのこのモデルの性能は、データの無作為サブセットからモデルを設計し、「盲検」の残りに適用し、結果を蓄積することを繰り返すことにより評価した。この技術は、in silico検証と類似しており、モデルを設計するために以前に使用した対象者の分類から性能を計算するものよりも良好な性能の推定を生成する。本発明者らの分析では、290人の各対象者の5,000無作為サブセットを使用してモデルを生成した。その後各モデルを、98人の盲検対象者に適用した。性能の尺度として、感度及び特異度を算出した。NHV対象者の場合、これら対象者はいずれもモデルを生成するためには使用しなかったため、これは必要ではなかった。
下記の表には、正常健常志願者、他の疾患を有する患者、及びSLEである患者の指標値が示されている。
診断による指標値の分布は、図10に示されている。
モデル1:(DsDNA>301)
モデル2:(DsDNA>301)+(ANA>20)
モデル3:(DsDNA>301)+(ANA>20)+LOG(EC4D)
モデル4:(DsDNA>301)+(ANA>20)+LOG(EC4D)+LOG(BC4D)
モデル5:(DsDNA>301)+(ANA>20)+LOG(EC4D)+LOG(BC4D)+(MCV>20)
他の疾患の指標値は、下記に表に示されている。
図11には、血清学的マーカー(ANA、DsDNA、及びantMCV)を、赤血球及びB細胞に沈着したC4Dレベルと共に統合する本モデルを使用した、SLEを有する確率が示されている。また、それには、結果を報告する方法が示されている。
開示された発明は、変更されてもよいと記載されているような特定の方法、プロトコール、及び物質に限定されないことが理解される。また、本明細書で使用されている用語は、特定の実施形態を説明することを目的としているに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることが理解される。
当業者であれば、単なる日常的な実験作業を使用して、本明細書に記載の本発明の特定の実施形態と等価な多くのものを認識又は確認することができるだろう。そのような等価なものは、添付の特許請求の範囲により包含されることが意図されている。
実施例6
全身性エリテマトーデス患者対他のリウマチ疾患患者及び健常正常体志願者のCB−CAPS(EC4d、BC4d)、ANA、dsDNA、及び抗MCVに関する治験(「Capital」と称する)を、分析的検証EC4d及びBC4d後に開始した。この治験の目的は、上記の実施例3に記載の治験集団において、SLEである対象者と他の類似疾患を有する対象者とを区別する、マーカーの精度を確立することだった。
統計分析は、Rソフトウェアを使用して、ロジスティック回帰分析で実施した。必要に応じて、また多変量ロジスティック回帰分析式の結果として指標値を決定した後で、マーカーの各々(単変量分析)の受信者動作曲線を使用した。
合計で210人のSLE患者(90.5%が女性、平均年齢42歳)、他のリウマチ疾患を有する178人の患者(80.3%が女性、平均年齢57歳)、及び205人の健常個人(65.8%が女性、平均年齢41歳)が、2010年4月から8月まで参加した。患者は全て、インフォームドコンセントを示した。他のリウマチ疾患を有する患者群は、主に関節リウマチ患者(n=120、67%)及び全身性硬化症患者(n=21、12%)で構成されていた。
単変量分析
表31には、3群の各々における、EC4d、BC4d正味平均蛍光強度(MFI)と共に血清学的マーカーの陽性割合が示されている。
SLE患者及び他の疾患患者(合計388人の患者)によるROC曲線は、8.9ユニット(正味MFI)を超えるEC4dレベルが、他の疾患患者に対して70.0%の感度及び83%の特異度をもたらすことを明らかにした(AUC 0.825、CI95% 0.784〜0.862)。或いは、48ユニット(正味MFI)を超えるBC4dレベルは、他の疾患患者に対して66%の感度及び86%の特異度をもたらした(AUC 0.822、CI95% 0.780〜0.858)。205人の正常健常個人の中で、15/205人は、8.9ユニットを超えるEC4dレベル(93%の特異度)を示し、他の9人は、48ユニットを超えるBC4dレベルを示した(96%の特異度)。
多変量指標アッセイ−分析後のデータ低減
抗dsDNAは、SLEに対して感度は悪かったが(29.5%)、非常に特異的な(96%)マーカーだった。この多段階手法は、2つの「層」の分析を含んでいた。層1分析は、dsDNA陽性(>301ユニット)が狼瘡の診断に関連していたDsDNA分析のみを含む。523人の抗−抗−dsDNA陰性個人に対応する第2の層分析では、多変量ロジスティック回帰分析は、SLEが、ANA陽性(ANA≧20ユニット、p<0.001)、抗MCV陰性(抗MCV陽性>70は、負の係数で影響を受ける、p<0.001),並びにlog正規化(LOG)EC4d及びBC4d正味MFIの両方の上昇(p<0.001)と関連していたことを明らかにした(ROC面積=0.907)。結果の要約は、表32に示されている。
ロジスティック回帰モデルの結果に対応する指標数式は、以下の通りである。
数式1 dsDNA陰性患者の指標数式
CAPITAL治験に参加した患者の指標計算の一例が、下記に提供されている。
これら4つのマーカーの加重和に対応する指標スコア(図12を参照)は、SLEでは1.20(CI95%:0.86;1.53)、他のリウマチ疾患では−2.53(CI95%:−2.83;−2.24)、及び正常健常志願者(NHV)では−2.74(CI95%:−2.89;−2.59)だった。感度は71.6%であり、他の疾患に対する特異度は90.1%患者であり、正常健常に対しては97.6%だった(表34)。
抗dsDNA陽性及び指標スコア(カットオフ0を使用)の組み合わせは、SLEに対する80.0%の感度、SLEを他のリウマチ疾患と区別する86.6%の特異度(SLEを健常対象者と区別する場合は97.1%の特異度)をもたらした(表34を参照)。図13には、任意の所定の指標値での感度及び特異度(他の疾患に対する)が示されている。
図14には、層分析方法が示されている。層1では、dsDNA陽性(レベル>301ユニット)が、SLEの診断と関連する。dsDNA陰性患者の中では、ANA(ELISAによる、20ユニットでのカットオフ)、FACSにより測定されたEC4d及びBC4dレベル(正味MFI)、及び抗MCV(ELISAによる、70ユニットでのカットオフ)の複合指標スコアを計算する。0を超える指標は、SLEの診断と一致する。ELISAにより決定されたANAを使用して指標スコアを計算し、ANAがELISAで陰性の場合、間接免疫蛍光を実施する。他のリウマチ疾患を有する患者に対する特異度は、表35に示されており、63%〜100%の範囲である。
更に、表36に示されているように、EC4d、BC4d、及び抗MCVの追加は、AUCを0.808(dsDNA+ANA)から0.918(dsDNA+ANA+EC4d+BC4d+抗MCV)に増加させた。
また、指標の日差再現性は、分析的検証治験に参加した11人のSLE患者に由来する合計23個の試料で決定した(赤血球及びBリンパ球C4dレベル)。これら患者はいずれも、臨床検証治験の一部ではなかった。指標は、4日連続の4回連続で決定した。平均標準偏差は、0.15(0.04〜0.31の範囲)だった。
ANA及び抗MCV曖昧値に基づく曖昧な指標結果
指標は、カットオフ値と関連する2つの成分(ANA及び抗MCV)の累積であるため、ANA(20ユニット)又は抗MCV(70ユニット)の医学的決定範囲での分析誤差に基づき、潜在的に正から負(又はその逆)へと変化する場合がある。例えば、表37では、指標は、決定範囲におけるANAの2ユニットの差(19対21ユニット)に基づき、−0.28(症例1、ANA陰性)から+2.00(症例2、ANA陽性)に変化する場合がある。
したがって、好ましくは、指標に関する曖昧な結果は、ANA及び/又は抗MCVレベルが、カットオフ値に近い(したがって、潜在的に指標の正又は負に影響を与えることができる)場合に定義される。本発明者らは、ANAレベルが16〜24ユニットの範囲(20ユニットカットオフで20%CV)である場合に曖昧なANAを定義し、抗MCVレベルが56〜84ユニットの範囲(70ユニットカットオフで20%CV)の場合に曖昧な抗MCVを定義した。
また、図15に示されているように、正から負への指標値の変化は、多指標アッセイ数式のCBCAPS成分に強く依存する。ANA及び抗MCVの曖昧な結果に基づく決定規則を確立した(表38)。CAPITAL治験では、合計15/523人のdsDNA陰性患者が、曖昧な結果を示した(2.8%:3人のSLE、3人の他の疾患、及び7人の正常)。これら患者を分析から除外した場合、感度は、72.0%(103/143)であり、他の疾患に対する特異度は、90.5%の患者(152/168)であり、正常健常分析に対しては98.4%(194/197)だった(比較には、表34の層2分析を参照)。集団に基づくと、これら感度及び特異度の値は類似しているが、患者1人当たりに基づくと、結果は曖昧であると報告されることになる。
指標0での分析誤差に基づく曖昧領域
医学的決定範囲(指標0)での精度、及び曖昧領域の定義を、上記で報告した検証試料で観察された平均標準偏差(0.15)の1.96倍に基づき、95%信頼区間で確立した。これは、−0.3〜0.3の曖昧領域に相当する。
表39には、曖昧さのない性能と比較した、全患者における指標の性能特徴(層2、dsDNA陰性患者)が示されている。予想通り、より高い性能特徴が、曖昧な結果を示さずに達成された。
合計8.8%の患者が、ANA及び抗MCVの医学的決定範囲での不確実性に基づく曖昧な結果のいずれかを示した。添付の患者報告書に示されているように、報告した性能特徴は、集団全体から算出されたものである(曖昧なANA及び抗MCVに基づく曖昧な指標結果を含む)。注意書きが患者報告書に添えられており、それには、指標値が−0.3〜0.3である場合、結果は注意して解釈されるべきであると明記されている。
検証治験
この診断法を、SLE及び他のリウマチ疾患の患者の独立コホートで予測的に検証した。治験は、Lupus Center of Excellence(ピッツバーグ、ペンシルベニア州、Susan Manzi医師及びJoseph Ahearn医師の監督下)と共同で行った。この施設にて参加した患者はいずれも、CAPITAL治験に参加した患者の一部ではなかった。
対象者のインフォームドコンセントを得た後、CB−CAPS、dsDNA、及びANAを分析するために血液を得た。試料は、1本の10ml EDTAチューブ(最上部がラベンダー色)及び1本の5ml SSTチューブ(最上部が金色)で構成されていた。それらは、発送前に遠心分離が必要だった。生体試料は全て、Lupus Center of Excellenceの実施場所からExagen Diagnostics社に翌日配達で送付された(付属の輸送キットを使用して)。CB−CAPSは、試料採取の48時間以内に分析されるべきであるため、土曜日は試料を受理しなかった。したがって、対象者は、月曜日から木曜日までしか参加しなかった。分析臨床検査室での盲検性を保つために、CRF及び、対象者の診断を開示する可能性のある一切の対象者情報は、臨床検査室に提供されなかった。標本は、対象者番号及びイニシャルにより識別されていただけであり、分析検査室では、対象者特有の診断に対して盲検性が維持された。赤血球及びBリンパ球を、単離し、洗浄し、Cr由来リガンドC4dに特異的なモノクローナル及び/又はポリクローナル抗体を使用して免疫蛍光的に標識し、本発明者らの臨床検査室で検証されたアッセイを使用してフローサイトメトリーにより分析した(下記セクションを参照)。平均蛍光強度を、各細胞表面マーカーの発現レベルの指標として使用した。dsDNA、ANA、及び抗MCVを、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を使用して測定した。
結果
6/8/2011から9/30/2011まで、合計52人の患者が、検証治験に参加した。これは、36人のSLE患者、16人の他のリウマチ疾患を有する患者(そのうち、7人が関節リウマチ患者であり、5人が原発性シェーグレン症候群を有する患者だった)で構成されていた。表40には、血清学的マーカー及びCB−CAPSの性能が強調されている。
抗dsDNAは、SLEに対する感度は悪かったが(22%、8陽性)、非常に特異的な(94%)マーカーだった。上記で開発された2つの「層」を含む多段階手法を適用した。dsDNA陰性患者の指標スコアは、SLE(28人の患者)では、−0.22(CI95%:−1.28;0.84)であり、他のリウマチ疾患(15人の患者)では、−2.63(CI95%:−3.86;−1.41)だった。抗dsDNA陽性及び指標スコア(カットオフ0を使用)の組み合わせは、SLEに対する67%の感度、SLEを他のリウマチ疾患と区別する88.0%の特異度をもたらした(表41を参照)。この感度は、CAPITAL治験で観察された感度と有意に異なるものではなかった(81%;p=0.117)。同様に、2つの治験間の特異度は同一だった(86.5%対87.5%;p=1)。
表42に示されているように、EC4d、BC4d、及び抗MCVの追加は、AUCを0.588(dsDNA+ANA)から0.762(dsDNA+ANA+EC4d+BC4d+抗MCV)に増加させた。
全体的臨床性能
まとめると、CAPITAL治験を検証治験と組み合わせると、以下の性能特徴を導き出すことができる。
抗dsDNA陽性及び指標スコア(カットオフ0を使用)の組み合わせは、SLEに対する78%の感度、SLEを他のリウマチ疾患と区別する86.6%の特異度(SLEを健常対象者と区別する場合は97.1%の特異度)をもたらした(表44を参照)。
表45に示されているように、EC4d、BC4d、及び抗MCVの追加は、AUCを0.787(dsDNA+ANA)から0.893(dsDNA+ANA+EC4d+BC4d+抗MCV)に増加させた。
他のリウマチ疾患(n=194)における全体的特異度は、表46に示されており、56%〜100%の範囲である。
実施例7.活動性疾患に対する血清学及びCB−CAPの寄与
全てのSLE患者の疾患活動性を、エリテマトーデス国内評価試験におけるエストロゲンの安全性(SELENA、the Safety of Estrogens in Lupus Erythematosus National Assessment)版のSLE疾患活動性指標(SLEDAI、SLE Disease Activity Index)を使用して、治験来院時に測定した。SLEDAI≧6を使用して評価したところ、合計41人のSLE患者(19.6%)が活動性疾患を示した。表47に示されているように、活動性疾患を示す患者は、ANA、EC4d、BC4d、PC4dのレベル上昇及びECR1のレベル低下を示した(p<0.003)。ROC分析は、90ユニット(AUC=0.696)を超えるANAが、4倍高い活動性疾患の可能性(CI95%:1.8〜8.8)と関連したことを示した。同様に、14.8ユニット(ROC AUC=0.647)を超えるEC4d、71.5ユニット(ROC AUC=0.645)を超えるBC4d、及び6.3ユニット(ROC AUC=0.720)を超えるPC4dは、それぞれ、3.4倍(CI95%:1.6〜7.0)、4.3倍(CI95%:1.9〜9.7)、及び5.4倍(CI95%:2.4〜12.1)高い活動性疾患の可能性と関連した。或いは、10正味MFI(AUC=0.690)未満のECR1は、4.1倍高い活動性疾患の可能性(CI95%:2.0〜8.5)と関連した。更に、SLEを他の疾患と区別するために算出された指標スコアは、非活動性疾患を有する患者よりも活動性疾患を示すSLE患者において有意に高かった。ROC分析は、指標のカットオフを1.36にすると、90.2%の感度及び54%の特異度(46%の偽陽性)で、活動性疾患を有するSLE患者が、非活動性疾患を有する患者から区別されたことを明らかにした。多変量ロジスティック回帰分析は、ANAレベル、ECR1レベル、及びPC4dレベルが、活動性疾患に寄与することを示した。
ANA、ECR1、及びPC4dの加重和としての活動性スコア(ロジスティック回帰分析の推定値を使用した)は、非活動性疾患を有する患者では−2.05±1.13であり、活動性疾患を有する患者では−0.67±1.42であった。ROC分析は、−1.38ユニットを超える活動性スコアは、活動性疾患を有する患者と非活動性疾患を有する患者とを区別する感度が75.6%であり、特異度が72.6%だったことを示した(AUC=0.784)。

Claims (13)

  1. 全身性エリテマトーデス(SLE)の診断又はSLE疾患活動性のモニタリングに使用するために、SLEリスクスコアを算出する方法であって、
    (a)(I)対象者に由来する生体試料中の赤血球C4d(EC4d)マーカー及びB細胞C4d(BC4d)マーカー、及び
    (II)前記対象者に由来する生体試料中の抗MCV抗体マーカ
    のレベルを決定する工程、
    (b)1つ又は複数の変換分析により前記マーカーのうちの1つ又は複数のマーカーのレベルを調整することによってSLEリスクスコアを算出する工程、
    (c)前記SLEリスクスコアを基準と比較する工程、並びに
    (d)前記比較をSLE診断事業体及びSLE疾患活動性モニター事業体のうちの一方又は両方に提供する工程
    を含む方法。
  2. 前記生体試料中の抗核抗体(ANAマーカーのレベルを決定する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. 工程(a)が、前記対象者に由来する生体試料中の二本鎖DNA抗体(抗dsDNA)マーカーのレベルを決定する工程を含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記生体試料中の前記二本鎖DNA抗体(抗dsDNA)マーカーのレベルの決定が、他のマーカーのレベルを決定する前に実施される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記1つ又は複数の変換分析が、ロジスティック回帰分析を含み、前記ロジスティック回帰分析が、
    (i)適切な加重係数で前記マーカーのうちの1つ又は複数のマーカーのレベルを調整して、各マーカーの加重スコアを生成する工程、及び
    (ii)前記各マーカーの加重スコアを統合して、前記SLEリスクスコアを生成する工程
    を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 全ての前記マーカーのレベルが調整される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記SLEリスクスコアの計算が、
    (i)各マーカーの量に所定の加重係数を乗算し、各マーカーの加重スコアを生成する工程、及び
    (ii)個々の加重スコアを合計して、前記SLEリスクスコアを生成する工程
    を含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記生体試料が、血液試料を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. (i)BC4dマーカーレベルの決定が、Bリンパ球表面のBC4dのレベルを決定する工程を含み、EC4dマーカーレベルの決定が、赤血球表面のEC4dのレベルを決定する工程を含むか、又は
    (ii)BC4dマーカーレベルの決定が、Bリンパ球を含む細胞又は組織抽出物中のBC4dのレベルを決定する工程を含み、EC4dマーカーレベルの決定が、赤血球を含む細胞又は組織抽出物中のEC4dのレベルを決定する工程を含む、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. BC4dマーカーのレベル及びEC4dマーカーのレベルが、C4dに特異的な抗体を使用して決定される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記生体試料を、IgMリウマチ因子、IgGリウマチ因子、IgAリウマチ因子、及び抗CCP抗体のうちの少なくともいずれか1つと、前記生体試料中のそれらの標的抗原に対する前記抗体の特異的結合を容易にするのに好適な条件下で接触させる工程、未結合抗体を除去する工程、前記抗体と前記生体試料中のそれらの標的との結合複合体を検出する工程、及びそのような結合複合体のレベルを基準と比較する工程を更に含み、前記基準と比べたそのような結合複合体の増加が、前記対象者が関節リウマチを有することを示す、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 生体試料中のマーカーレベルを測定するためのデバイスに請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法を実行させる一組の命令を含む、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
  13. (a)EC4dのレベルに関する第1の検査、
    (b)BC4dのレベルに関する第2の検査、及び
    (c)抗MCV抗体のレベルに関する第3の検
    含む、検査の組み合わせ。
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