JP2020165706A - 材料試験機、及び、材料試験機の制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る材料試験機1の構成を模式的に示す図である。
材料試験機1は、引張試験や、圧縮試験、曲げ試験等の材料試験を実行し、試験対象である試験片TPの機械的性質を試験する試験機である。なお、試験対象は、各種材料や工業製品、この工業製品の部品又は部材等であり、試験片TPは、材料試験のために所定の規格に基づいて作成されている。
そして負荷機構12は、ウォーム減速機16、17を介して、一対のねじ棹8、9にサーボモータ18の回転を伝達し、ねじ棹8、9が同期して回転することにより、クロスヘッド10がねじ棹8、9に沿って昇降する。
制御ユニット4は、制御装置30と、表示装置32と、試験プログラム実行装置34と、を備える。
図1に示すように、制御装置30は、信号入出力ユニット40と、制御回路ユニット50と、を備える。
制御回路ユニット50は、CPUやMPUなどのプロセッサと、ROMやRAMなどのメモリデバイスと、HDDやSSDなどのストレージ装置と、信号入出力ユニット40とのインターフェース回路と、試験プログラム実行装置34と通信する通信装置と、表示装置32を制御する表示制御回路と、各種の電子回路と、を備えたコンピュータを備え、プロセッサがメモリデバイス又はストレージ装置に記憶されたコンピュータログラムを実行することで、制御部54の各機能部を実現する。また信号入出力ユニット40のインターフェース回路にはA/D変換器が設けられており、アナログ信号の試験力測定信号A1がA/D変換器によってデジタル信号に変換される。
なお、制御回路ユニット50は、コンピュータに限らず、ICチップやLSIなどの集積回路といった1又は複数の適宜の回路によって構成されてもよい。
目標データ562は、材料試験における種々の物理量の目標値の時間的変動を示す時系列データである。本実施形態の目標データ562は、破壊靭性試験におけるひずみSA及び応力SEの目標値の時系列データである。この目標データは、試験プログラム実行装置34に対するユーザ設定操作に応じて制御回路ユニット50によって変更記憶される。
図2を参照して、サーボモータ18をフィードバック制御する制御系の構成について説明する。図2を参照して説明する制御系は、応力制御におけるサーボモータ18のフィードバック制御の制御系である。
図2は、サーボモータ18のフィードバック制御の制御系を示すブロック線図である。図2において「t」は、制御周期の実行タイミングを示している。
図1を参照して、制御部54の機能ブロックについて説明する。
制御部54は、応力測定部541、ひずみ測定部542、制御コンプライアンス算出部543、及び、フィードバック制御部544を備える。応力測定部541は、本発明の「第2測定部」の一例に対応する。また、ひずみ測定部542は、本発明の「第1測定部」の一例に対応する。また、制御コンプライアンス算出部543は、本発明の「算出部」の一例に対応する。
Comp(t)=SAd(t)/SEd(t)・・・(1)
式(1)において、tは制御周期の実行タイミングである。また、Comp(t)は各制御周期における制御コンプライアンスを示す。また、SAd(t)は各制御周期におけるひずみ変化量SAdを示し、例えば前回の制御周期における測定値と今回の制御周期における測定値とに基づく試験片TPのひずみSAの変化量である。また、SEd(t)は各制御周期における応力変化量SEdを示し、例えば前回の制御周期における測定値と今回の制御周期における測定値とに基づく試験片TPに生じる応力SEの変化量である。
ここで、ひずみ制御、及び、応力制御で分けて、フィードバック制御部544について説明する。なお、フィードバック制御部544は、目標データ562や試験プログラム実行装置34から受信した試験条件等に基づいて、サーボモータ18のフィードバック制御をひずみ制御と応力制御とに切り替える。
フィードバック制御部544は、ひずみ制御の各制御周期において、ひずみSA(t)の目標値と、ひずみ測定部542が測定した試験片TPのひずみSA(t)との偏差を減少させるようなサーボモータ18の回転量Tr(t)を演算し、回転量Tr(t)を示す指令信号B1をサーボアンプ44に出力する。
フィードバック制御部544は、応力制御における各制御周期において、目標応力SEc(t)と応力測定部541が測定した測定応力SEs(t)との偏差e(t)に、制御コンプライアンス算出部543が算出した制御コンプライアンスComp、又は、記憶部56が記憶する切替前制御コンプライアンス561を乗じて偏差e´(t)を算出する。そして、フィードバック制御部544は、算出した偏差e´(t)に基づいて、測定応力SEs(t)と目標応力SEc(t)との偏差e(t)を減少させるサーボモータ18の回転量Tr(t)を演算し、回転量Tr(t)を示す指令信号B1をサーボアンプ44に出力する。
次に、材料試験機1の制御装置30の動作について説明する。
図3は、制御装置30の動作を示すフローチャートであり、サーボモータ18のフィードバック制御における応力制御に係る動作を特に示している。
図5、及び図6は、試験力F、及び、クロスヘッド10の移動変位の時間変化を示す測定データである。なお、試験力Fの時間変化は、試験片TPに生じている応力SEの時間変化に対応する。また、クロスヘッド10の移動変位の時間変化は、試験片TPのひずみSAの時間変化に対応する。そのため、図5、及び、図6の測定データは、試験片TPに生じている応力SEの時間変化、及び、試験片TPのひずみSAの時間変化の測定データに対応する。
図7に示す測定データは、単位時間当たりのひずみSAの変化が一定となるようにひずみ制御で塑性域まで試験片TPを引っ張り、その後、クロスヘッド10の移動方向を下方向DWに切り替えて、単位時間当たりの応力SEの変化が一定となるように応力制御で試験片TPから引張力を除荷することを繰り返した試験の測定データである。
以上、説明したように、材料試験機1は、クロスヘッド10を移動させて試験片TPに試験力Fを付与する負荷機構12と、試験片TPに生じるひずみSAを測定するひずみ測定部542と、試験片TPに生じる応力SEを測定する応力測定部541と、応力変化量SEdとひずみ変化量SAdとの比である制御コンプライアンスCompを算出する制御コンプライアンス算出部543と、制御コンプライアンス算出部543が算出した制御コンプライアンスCompに基づいて、測定応力SEsと目標応力SEcとの偏差eを減少させるようにサーボモータ18をフィードバック制御するフィードバック制御部544と、切替前制御コンプライアンスCompを記憶する記憶部56と、を備える。そして、フィードバック制御部544は、クロスヘッド10が移動方向を切り替えた際、切替後剛性制御期間、記憶部56が記憶する切替前制御コンプライアンスCompに基づいて偏差eを減少させるようにサーボモータ18をフィードバック制御する。
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を例示するものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、および応用が可能である。
上述した実施形態及び変形例は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
一態様に関わる材料試験機は、移動部材を移動させて試験対象に負荷を付与する負荷機構と、前記負荷に応じて前記試験対象又は前記負荷機構に生じる第1物理量を測定する第1測定部と、前記負荷機構のフィードバック制御において応答となる第2物理量を測定する第2測定部と、前記第1測定部が測定した前記第1物理量の変化を示す第1変化量と、前記第2測定部が測定した前記第2物理量の変化を示す第2変化量との比である変化量比を算出する算出部と、前記算出部が算出した前記変化量比に基づいて、実際の前記第2物理量と、前記第2物理量の目標値である目標第2物理量との偏差を減少させるように前記負荷機構をフィードバック制御するフィードバック制御部と、材料試験を開始してから前記移動部材が移動方向を切り替える前までに前記算出部が算出した前記変化量比である切替前変化量比を記憶する記憶部と、を備え、前記フィードバック制御部は、前記移動部材の移動方向を切り替えた際、所定期間、前記記憶部が記憶する前記切替前変化量比に基づいて前記偏差を減少させるように前記負荷機構をフィードバック制御する。
第1項に記載の材料試験機において、前記フィードバック制御部は、前記移動部材の移動方向を切り替えた際、前記算出部が算出した最新の前記変化量比と前記記憶部が記憶する前記切替前変化量比とのうち、値が小さい前記変化量比を、前記所定期間、前記偏差に乗じて前記負荷機構をフィードバック制御する。
第1項又は第2項に記載の前記負荷機構は、前記移動部材を第1方向に移動させて前記試験対象に試験力を付与し、前記移動部材を第2方向に移動させて前記試験対象に付与された前記試験力を除荷し、前記フィードバック制御部は、前記移動部材の移動方向を前記第1方向から前記第2方向へ切り替えた際、所定期間、前記記憶部が記憶する前記切替前変化量比に基づいて前記偏差を減少させるように前記負荷機構をフィードバック制御する。
第4項に記載の材料試験機の制御方法は、移動部材を移動させて試験対象に負荷を付与する負荷機構と、前記負荷に応じて前記試験対象又は前記負荷機構に生じる第1物理量を測定する第1測定部、前記負荷機構のフィードバック制御において応答となる第2物理量を測定する第2測定部、前記第1測定部が測定した前記第1物理量の変化を示す第1変化量と、前記第2測定部が測定した前記第2物理量の変化を示す第2変化量との比である変化量比を算出する算出部、及び、前記算出部が算出した前記変化量比に基づいて、実際の前記第2物理量と、前記第2物理量の目標値である目標第2物理量との偏差を減少させるように前記負荷機構をフィードバック制御するフィードバック制御部、を有する制御装置と、を備える材料試験機の制御方法であって、前記制御装置が、材料試験を開始してから前記移動部材が移動方向を切り替える前までに前記算出部が算出した前記変化量比である切替前変化量比を記憶し、前記移動部材の移動方向を切り替えた際、所定期間、記憶した前記切替前変化量比に基づいて前記偏差を減少させるように前記負荷機構をフィードバック制御する。
2 試験機本体
10 クロスヘッド(移動部材)
12 負荷機構
30 制御装置
56 記憶部
541 応力測定部(第2測定部)
542 ひずみ測定部(第1測定部)
543 制御コンプライアンス算出部(算出部)
544 フィードバック制御部
561 切替前制御コンプライアンス(切替前変化量比)
561 目標データ
562 目標データ
DW 下方向(第2方向)
F 試験力(負荷)
SA ひずみ(第1物理量)
SAd ひずみ変化量(第1変化量)
SE 応力(第2物理量)
SEc 目標応力(目標第2物理量)
SEd 応力変化量(第2変化量)
SEs 測定応力(実際の前記第2物理量)
Comp 制御コンプライアンス(変化量比)
TP 試験片(試験対象)
e 偏差
Claims (4)
- 移動部材を移動させて試験対象に負荷を付与する負荷機構と、
前記負荷に応じて前記試験対象又は前記負荷機構に生じる第1物理量を測定する第1測定部と、
前記負荷機構のフィードバック制御において応答となる第2物理量を測定する第2測定部と、
前記第1測定部が測定した前記第1物理量の変化を示す第1変化量と、前記第2測定部が測定した前記第2物理量の変化を示す第2変化量との比である変化量比を算出する算出部と、
前記算出部が算出した前記変化量比に基づいて、実際の前記第2物理量と、前記第2物理量の目標値である目標第2物理量との偏差を減少させるように前記負荷機構をフィードバック制御するフィードバック制御部と、
材料試験を開始してから前記移動部材が移動方向を切り替える前までに前記算出部が算出した前記変化量比である切替前変化量比を記憶する記憶部と、を備え、
前記フィードバック制御部は、前記移動部材の移動方向を切り替えた際、所定期間、前記記憶部が記憶する前記切替前変化量比に基づいて前記偏差を減少させるように前記負荷機構をフィードバック制御する、
材料試験機。 - 前記フィードバック制御部は、
前記移動部材の移動方向を切り替えた際、前記算出部が算出した最新の前記変化量比と前記記憶部が記憶する前記切替前変化量比とのうち、負荷機構に与える指示値が小さい前記変化量比を、前記所定期間、前記偏差に乗じて前記負荷機構をフィードバック制御する、
請求項1記載の材料試験機。 - 前記負荷機構は、前記移動部材を第1方向に移動させて前記試験対象に試験力を付与し、前記移動部材を第2方向に移動させて前記試験対象に付与された前記試験力を除荷し、
前記フィードバック制御部は、前記移動部材の移動方向を前記第1方向から前記第2方向へ切り替えた際、所定期間、前記記憶部が記憶する前記切替前変化量比に基づいて前記偏差を減少させるように前記負荷機構をフィードバック制御する、
請求項1又は2に記載の材料試験機。 - 移動部材を移動させて試験対象に負荷を付与する負荷機構と、
前記負荷に応じて前記試験対象又は前記負荷機構に生じる第1物理量を測定する第1測定部、前記負荷機構のフィードバック制御において応答となる第2物理量を測定する第2測定部、前記第1測定部が測定した前記第1物理量の変化を示す第1変化量と、前記第2測定部が測定した前記第2物理量の変化を示す第2変化量との比である変化量比を算出する算出部、及び、前記算出部が算出した前記変化量比に基づいて、実際の前記第2物理量と、前記第2物理量の目標値である目標第2物理量との偏差を減少させるように前記負荷機構をフィードバック制御するフィードバック制御部、を有する制御装置と、を備える材料試験機の制御方法であって、
前記制御装置が、
材料試験を開始してから前記移動部材が移動方向を切り替える前までに前記算出部が算出した前記変化量比である切替前変化量比を記憶し、
前記移動部材の移動方向を切り替えた際、所定期間、記憶した前記切替前変化量比に基づいて前記偏差を減少させるように前記負荷機構をフィードバック制御する、
材料試験機の制御方法。
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