JP7247711B2 - 材料試験機、及び、材料試験機の制御方法 - Google Patents

材料試験機、及び、材料試験機の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、材料試験機、及び、材料試験機の制御方法に関する。
従来、材料試験機の材料試験においては、試験対象に負荷を付与する負荷機構の駆動対象に指示を与えて制御対象とする計測値をフィードバックするフィードバック制御が行われている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、クロスヘッドを移動させて試験片に試験力を付与する負荷機構をフィードバック制御する材料試験機を開示している。
特開2005-337812号公報
特許文献1記載のような材料試験では、フィードバック制御において、試験対象又は負荷機構に生じる物理量の変化と負荷機構に与える指示値と相関の高い物理量の変化との比を、制御パラメータとして加味する場合がある。この場合、材料試験機は、どのくらいの応答変化に対してどのくらいの物理量変化が試験対象又は負荷機構に生ずるかをフィードバック制御で加味できるため、負荷機構のフィードバック制御の精度が向上する。
ところで、前記比は、材料試験中において、試験対象の特性変化に応じて変化する制御パラメータである。したがって、より精度良く負荷機構のフィードバック制御を行うためには、前記比を試験対象の特性変化により追従した制御パラメータとする必要がある。そのため、負荷機構のフィードバック制御においては、短期間で測定された物理量を用いて前記比を算出できるようにすることが望まれる。しかしながら、一般に測定された物理量にはノイズが重畳するため、例えば最小二乗法等の従来の算出方法では、重畳するノイズが大きい場合や算出に用いる物理量の測定数が少ない場合、ノイズによる測定値の変動を大きく受けて前記比の算出精度が低下し得る。そのため、従来の前記比の算出方法では、短時間で測定された物理量を用いて前記比を精度良く算出することが難しかった。
本発明は、上述した事情に鑑みてならされたものであり、短期間で測定された物理量を用いても前記比を精度良く算出できるようにして、負荷機構のフィードバック制御をより精度良く行えるようにすることを目的とする。
本発明の第1の態様は、試験対象に負荷を付与する負荷機構と、前記負荷の付与に応じて前記試験対象又は前記負荷機構に生じる第1物理量を測定する第1測定部と、前記負荷機構のフィードバック制御において応答となる第2物理量を測定する第2測定部と、所定期間において前記第1測定部が測定した前記第1物理量と時間との関係を表す近似直線の傾きである第1傾きを算出する第1傾き算出部と、前記所定期間において前記第2測定部が測定した前記第2物理量と時間との関係を表す近似直線の傾きである第2傾きを算出する第2傾き算出部と、前記第1傾き算出部が算出した前記第1傾きと、前記第2傾き算出部が算出した前記第2傾きとの比を、前記第1物理量の変化を示す第1変化量と前記第2物理量の変化を示す第2変化量との比である変化量比として算出する変化量比算出部と、前記変化量比算出部が算出した前記変化量比に基づいて、前記試験対象における実際の前記第2物理量と、前記第2物理量の目標値である目標第2物理量との偏差を減少させるように前記負荷機構をフィードバック制御するフィードバック制御部と、を備え、前記第1傾き算出部、及び、前記第2傾き算出部は、前記所定期間の時間幅を変更して対応する傾きを算出し、前記第1傾き算出部は、前記所定期間における単位時間当たりの前記第1物理量の変化率が大きくなればなるほど前記所定期間の時間幅を狭くし、あるいは、前記第2傾き算出部は、前記所定期間における単位時間当たりの前記第2物理量の変化率が大きくなればなるほど前記所定期間の時間幅を狭くする、材料試験機に関する。
本発明の第2の態様は、試験対象に負荷を付与する負荷機構と、前記負荷の付与に応じて前記試験対象又は前記負荷機構に生じる第1物理量を測定する第1測定部と、前記負荷機構のフィードバック制御において応答となる第2物理量を測定する第2測定部と、制御装置と、を備える材料試験機の制御方法であって、前記制御装置が、所定期間において前記第1測定部が測定した前記第1物理量と時間との関係を表す近似直線の傾きである第1傾きを算出し、前記所定期間において前記第2測定部が測定した前記第2物理量と時間との関係を表す近似直線の傾きである第2傾きを算出し、算出した前記第1傾きと、算出した前記第2傾きとの比を、前記第1物理量の変化を示す第1変化量と前記第2物理量の変化を示す第2変化量との比である変化量比として算出し、算出した前記変化量比に基づいて、前記試験対象における実際の前記第2物理量と、前記第2物理量の目標値である目標第2物理量との偏差を減少させるように前記負荷機構をフィードバック制御し、前記所定期間における単位時間当たりの前記第1物理量の変化率が大きくなればなるほど前記所定期間の時間幅を狭くして、あるいは、前記所定期間における単位時間当たりの前記第2物理量の変化率が大きくなればなるほど前記所定期間の時間幅を狭くして、対応する傾きを算出する、材料試験機の制御方法に関する。
本発明の第1の態様によれば、ノイズによる測定値の変動が取り除かれた第1物理量及び第2物理量の変化に関するパラメータで変化量比を算出できる。そのため、第1物理量及び第2物理量に重畳したノイズによる測定値の変動が、変化量比の算出で加味されることがないため、短期間で測定された物理量を用いても変化量比を精度良く算出できるようになり、負荷機構のフィードバック制御をより精度良く行うことができる。
本発明の第2の態様によれば、本発明の第1の態様と同様の効果を奏する。
本実施形態の材料試験機の構成を模式的に示す図である。 負荷機構の制御系のブロック線図である。 制御装置の動作を示すフローチャートである。 対象物理量の時間変化を擬似的に示す図である。 応答物理量の時間変化を擬似的に示す図である。 種々の算出方法により算出した制御コンプライアンスを比較するための図である。 試験片の伸び量とクロスヘッドの移動距離との時間変化を示す図である。 試験片の伸び量とクロスヘッドの移動距離との関係を示す図である。
[1.材料試験機の構成]
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る材料試験機1の構成を模式的に示す図である。
材料試験機1は、引張試験や、圧縮試験、曲げ試験等の材料試験を実行し、試験対象である試験片TPの機械的性質を試験する試験機である。なお、試験対象は、各種材料や工業製品、この工業製品の部品又は部材等であり、試験片TPは、材料試験のために所定の規格に基づいて作成されている。
図1に示すように、材料試験機1は、試験片TPに負荷として試験力Fを付与して材料試験を行う試験機本体2と、試験機本体2による材料試験動作を制御する制御ユニット4と、を備える。また、材料試験機1は、試験片TPの歪みを測定する際に使用する伸び計90を備える。伸び計90は、試験片TPの把持と解放を使用者の手作業に依らずに行う自動伸び計であり、試験片TPを把持して、試験片TPと共に変位する上アーム92及び下アーム93と、上アーム92及び下アーム93の変位を検出する歪みゲージ91とを備える。歪みゲージ91は、試験片TPの伸び量Pを測定し、伸び量測定信号A2を制御装置30に出力するセンサである。伸び計90は、本発明の「第2測定部」の一例に対応する。また、伸び量は、本発明の「第2物理量」、及び、「試験片の変位量」の一例に対応する。
[2.試験機本体の構成]
試験機本体2は、テーブル6と、このテーブル6上に鉛直方向を向く状態で回転可能に立設された一対のねじ棹8、9と、これらのねじ棹8、9に沿って移動可能なクロスヘッド10と、このクロスヘッド10を移動させて試験片TPに試験力Fを与える負荷機構12と、ロードセル14と、を備える。ロードセル14は、試験片TPに与えられる荷重である試験力Fを測定し、試験力測定信号A1を出力するセンサである。なお、試験機本体2は、ねじ棹を1本とする構成としてもよい。
一対のねじ棹8、9は、ボールねじから成り、クロスヘッド10は、各ねじ棹8、9に対して図示を省略したナットを介して連結されている。負荷機構12は、各ねじ棹8、9の下端部に連結されるウォーム減速機16、17と、各ウォーム減速機16、17に連結されるサーボモータ18とを備える。また、ねじ棹9には、エンコーダ20が装着されている。エンコーダ20は、ねじ棹9が所定角度回転する毎に1つのパルスを出力する移動距離測定信号A3を生成し、生成した移動距離測定信号A3をカウンタ回路43を介して制御装置30に出力する。
そして、負荷機構12は、ウォーム減速機16、17を介して、一対のねじ棹8、9にサーボモータ18の回転を伝達し、ねじ棹8、9が同期して回転することにより、クロスヘッド10がねじ棹8、9に沿って昇降する。
クロスヘッド10には、試験片TPの上端部を把持するための上つかみ具21が付設され、テーブル6には、試験片TPの下端部を把持するための下つかみ具22が付設されている。試験機本体2は、引張試験の際、試験片TPの上端部を上つかみ具21で把持すると共に、試験片TPの下端部を下つかみ具22で把持した状態で、制御装置30による制御により、クロスヘッド10を上昇させることによって、試験片TPに試験力Fを与える。上つかみ具21の上下のスライドに応じて、上つかみ具21と下つかみ具22との間隔が変更される。
[3.制御ユニットの構成]
制御ユニット4は、制御装置30と、表示装置32と、試験プログラム実行装置34と、を備える。
制御装置30は、試験機本体2を中枢的に制御する装置であり、試験機本体2との間で信号を送受信可能に接続される。試験機本体2から受信する信号は、ロードセル14が出力する試験力測定信号A1や、伸び計90が出力する伸び量測定信号A2、エンコーダ20が出力する移動距離測定信号A3、制御や試験に要する適宜の信号などである。
表示装置32は、制御装置30から入力される信号に基づいて各種情報を表示する装置であり、例えば、制御装置30は、材料試験の間、試験力測定信号A1に基づいて試験片TPに付与されている試験力Fの測定値や、移動距離測定信号A3に基づいてクロスヘッド10の位置等を表示装置32に表示する。
試験プログラム実行装置34は、材料試験の試験条件といった各種設定パラメータの設定操作や実行指示操作などのユーザ操作を受け付け、制御装置30に出力する機能や、試験力Fの測定値等のデータを解析する機能などを備えた装置である。試験プログラム実行装置34はコンピュータを備え、このコンピュータは、CPUやMPUなどのプロセッサと、ROMやRAMなどのメモリデバイスと、HDDやSSDなどのストレージ装置と、制御装置30や各種の周辺機器などを接続するためのインターフェース回路と、を備える。そして、プロセッサがメモリデバイス又はストレージ装置に記憶されたコンピュータログラムである材料試験プログラムを実行することで、上述の各種機能を実現する。
次いで、制御装置30について詳述する。
図1に示すように、制御装置30は、信号入出力ユニット40と、制御回路ユニット50と、を備える。
信号入出力ユニット40は、試験機本体2との間で信号を送受する入出力インターフェース回路を構成するものであり、本実施形態では、第1センサアンプ41と、第2センサアンプ42、カウンタ回路43と、サーボアンプ44と、を有する。
第1センサアンプ41は、ロードセル14が出力する試験力測定信号A1を増幅して制御回路ユニット50に入力する増幅器である。
第2センサアンプ42は、伸び計90が出力する伸び量測定信号A2を増幅して制御回路ユニット50に入力する増幅器である。
カウンタ回路43は、エンコーダ20が出力する移動距離測定信号A3のパルス数をカウントし、カウント値A4を制御回路ユニット50にデジタル信号で出力する。カウント値A4は、移動開始前のクロスヘッド10の位置から、サーボモータ18の回転によって移動したクロスヘッド10の位置までの距離である移動距離を示している。なお、エンコーダ20とカウンタ回路43とにより移動距離測定部60が構成され、この移動距離測定部60は、本発明の「第1測定部」の一例に対応する。また、クロスヘッド10の移動距離は、本発明の「第1物理量」の一例に対応する。
なお、移動距離測定部60は、エンコーダ20に代えて、サーボモータ18に設けられたロータリーエンコーダを備える構成でもよい。この構成の場合、当該ロータリーエンコーダは、サーボモータ18が所定角度回転する毎に1つのパルスを出力する信号を生成し、カウンタ回路43に出力する。そして、カウンタ回路43は、当該ロータリーエンコーダが出力する信号のパルス数をカウントし、カウント値A4を制御回路ユニット50にデジタル信号で出力する。
サーボアンプ44は、制御回路ユニット50の制御の下、サーボモータ18を制御する装置である。
制御回路ユニット50は、通信部52と、制御部54と、記憶部56とを備える。
制御回路ユニット50は、CPUやMPUなどのプロセッサと、ROMやRAMなどのメモリデバイスと、HDDやSSDなどのストレージ装置と、信号入出力ユニット40とのインターフェース回路と、試験プログラム実行装置34と通信する通信装置と、表示装置32を制御する表示制御回路と、各種の電子回路と、を備えたコンピュータを備え、プロセッサがメモリデバイス又はストレージ装置に記憶されたコンピュータログラムを実行することで、制御部54の各機能部を実現する。また信号入出力ユニット40のインターフェース回路にはA/D変換器が設けられており、アナログ信号の試験力測定信号A1がA/D変換器によってデジタル信号に変換される。
なお、制御回路ユニット50は、コンピュータに限らず、ICチップやLSIなどの集積回路といった1又は複数の適宜の回路によって構成されてもよい。
通信部52は、試験プログラム実行装置34との間で通信し、材料試験条件の設定や各種設定パラメータの設定値、材料試験の実行指示や中断指示などを試験プログラム実行装置34から受信する。また通信部52は、試験力測定信号A1に基づく試験力Fの測定値を適宜のタイミングで試験プログラム実行装置34に送信する。
記憶部56は、メモリデバイスにより構成され、目標データ561を記憶する。
目標データは、材料試験における試験力Fやクロスヘッド10の移動速度等の目標値の時間的変動を示す時系列データである。目標データ561は、試験プログラム実行装置34に対するユーザ設定操作に応じて制御回路ユニット50によって変更可能に記憶される。
制御部54は、試験機本体2の負荷機構12としてサーボモータ18をフィードバック制御して材料試験に係る処理を実行する機能部である。ここで、制御部54が具備する各機能部を説明する前に、サーボモータ18のフィードバック制御の制御系について説明する。
[3-1.制御系の構成]
図2を参照して、サーボモータ18をフィードバック制御する制御系の構成について説明する。
図2は、本実施形態におけるサーボモータ18のフィードバック制御の制御系を示すブロック線図である。図2においてtは、フィードバック制御の制御周期の実行タイミングを示している。
負荷機構12のフィードバック制御では、図2に示すようにPID制御が行われ、サーボモータ18の回転量Tr(t)を決定する。そして、サーボモータ18のフォードバック制御では、予め設定された制御周期毎に、サーボモータ18の回転量Tr(t)を更新する。
図2に示すようにフィーバック制御のブロック線図は、減算器70、換算器71、及び、制御器78を含む。制御器78は、比例器72、積分器73、第1微分器74、第1加算器75、第2加算器76、及び、第2微分器77を含む。
減算器70は、各制御周期において目標伸び量Pc(t)から測定伸び量Ps(t)を減じた偏差e(t)を算出し、算出した偏差e(t)を換算器71に出力する。なお、目標伸び量Pcは、目標となる試験片TPの伸び量Pを示し、本発明の「目標第2物理量」の一例に対応する。また、測定伸び量Psは、伸び計90が測定した試験片TPの伸び量Pであり、本発明の「実際の前記第2物理量」の一例に対応する。
換算器71は、減算器70が出力する偏差e(t)に後述する制御コンプライアンスComp(t)を乗じて、当該偏差e(t)をクロスヘッド10の移動量X(t)(ストローク値ともいう)に相当する偏差e´(t)に換算する。換算器71は、換算した偏差e´(t)を比例器72、積分器73、及び、第1微分器74に入力する。なお、本実施形態において、クロスヘッド10の移動量Xとは、あるタイミングにおけるクロスヘッド10の位置と、前記あるタイミングと異なるタイミングにおけるクロスヘッド10の位置との距離を示す。クロスヘッド10の移動量Xは、本発明の「第1変化量」、及び、「負荷機構の移動量」の一例に対応する。
第1加算器75は、比例器72、積分器73、及び、第1微分器74の出力を加算し、第1加算値K1(t)を第2加算器76に出力する。また、第2加算器76は、第1加算器75が出力した第1加算値K1(t)に移動量初期値U0を加算し、第2加算値K2(t)を第2微分器77出力する。
第2微分器77は、第2加算器76から出力された第2加算値K2(t)を微分することにより、第2加算値K2(t)が示すクロスヘッド10の移動量X(t)からサーボモータ18の回転量Tr(t)を算出する。そして、図2に示すフィードバック制御では、サーボモータ18の回転量Tr(t)を示す指令信号B1をサーボアンプ44に出力する。
[3-2.制御回路ユニットの構成]
図1を参照して、制御部54の機能ブロックについて説明する。
制御部54は、第1傾き算出部541、第2傾き算出部542、制御コンプライアンス算出部543、及び、フィードバック制御部544を備える。制御コンプライアンス算出部543は、本発明の「変化量比算出部」の一例に対応する。
また、第1傾き算出部541は、フィードバック制御の制御周期が到来すると、クロスヘッド10の移動距離と時間との関係を表す近似直線の傾きである第1傾きSlop1を算出する。すなわち、第1傾き算出部541は、到来した制御周期から過去に向かって予め設定された期間におけるクロスヘッド10の移動距離に基づいて、当該期間における単位時間当たりのクロスヘッド10の移動量Xを算出する。以下の説明において、到来した制御周期から過去に向かって予め設定された期間を、「傾き算出設定期間」という。傾き算出設定期間は、本発明の「所定期間」の一例に対応する。
第1傾き算出部541は、カウンタ回路43から入力されるカウント値A4に基づいてクロスヘッド10の移動距離を逐次算出する。そして、第1傾き算出部541は、制御周期が到来すると、傾き算出設定期間において算出したクロスヘッド10の移動距離に基づいて、当該クロスヘッド10の移動距離と時間との関係を表す近似直線を算出し、算出した近似直線の傾きを第1傾きSlop1として算出する。本実施形態では、第1傾き算出部541は、近似直線を最小二乗法により算出して第1傾きSlop1を算出する。
第2傾き算出部542は、フィードバック制御の制御周期が到来すると、試験片TPの伸び量Pと時間との関係を表す近似直線の傾きである第2傾きSlop2を算出する。すなわち、第2傾き算出部542は、傾き算出設定期間において取得した試験片TPの伸び量Pに基づいて、傾き算出設定期間における単位時間当たりの試験片TPの伸び量Pの変化量を算出する。なお、第1傾き算出部541の傾き算出設定期間と第2傾き算出部542の傾き算出設定期間とは、同期している。試験片TPの伸び量Pの変化量は、本発明の「第2変化量」、及び、「試験対象の変位量の変化量」の一例に対応する。
第2傾き算出部542は、第2センサアンプ42を介して伸び計90から入力される伸び量測定信号A2から、試験片TPの伸び量Pを逐次取得する。そして、第2傾き算出部542は、制御周期が到来すると、傾き算出設定期間において取得した試験片TPの伸び量Pに基づいて、試験片TPの伸び量Pの時間変化を表す近似直線を算出し、算出した近似直線の傾きを、第2傾きSlop2として算出する。本実施形態では、第2傾き算出部542は、近似直線を最小二乗法により算出して第2傾きSlop2を算出する。
制御コンプライアンス算出部543は、制御コンプライアンスCompを算出する。制御コンプライアンスCompとは、試験片TP又は負荷機構12に生じるフィードバック対象の物理量の変化と、負荷機構12の駆動対象に与える指示値(本実施形態ではサーボモータ18の回転量Tr)と相関の最も高い物理量の変化との比である。本実施形態では、制御コンプライアンス算出部543は、クロスヘッド10の移動量Xと、試験片TPの伸び量Pの変化量との比である制御コンプライアンスCompを算出する。制御コンプライアンスCompは、本発明の「変化量比」の一例に対応する。制御コンプライアンス算出部543は、例えば、以下の式(1)に基づいて制御コンプライアンスを算出する。
Comp(t)=Slop1(t)/Slop2(t)・・・(1)
式(1)において、tは制御周期の実行タイミングである。また、Comp(t)は各制御周期における制御コンプライアンスを示す。また、Slop1(t)は各制御周期における第1傾き算出部541が算出した第1傾きを示す。また、Slop2は各制御周期における第2傾き算出部542が算出した第2傾きを示す。
フィードバック制御部544は、サーボモータ18のフィードバック制御を実行する。フィードバック制御部544は、各制御周期において、目標伸び量Pc(t)と伸び計90が測定した測定伸び量Psとの偏差e(t)に、制御コンプライアンス算出部543が算出した制御コンプライアンスCompを乗じて偏差e´(t)を算出する。そして、フィードバック制御部544は、算出した偏差e´(t)に基づいて、測定伸び量Ps(t)と目標伸び量Pc(t)との偏差e(t)を減少させるサーボモータ18の回転量Tr(t)を演算し、回転量Tr(t)を示す指令信号B1をサーボアンプ44に出力する。
[4.材料試験機の動作]
次に、材料試験機1の動作について説明する。
図3は、材料試験機1の動作を示すフローチャートであり、特にサーボモータ18のフィードバック制御に係る動作を示すフローチャートである。
図3に示すフローチャートの説明では、負荷機構12のフィードバック制御について説明する。制御装置30は、材料試験の実行中に、図4に示すフローチャートの動作を所定の制御周期毎に実行して、負荷機構12をフィードバック制御する。
制御周期が到来すると、制御装置30の制御部54の第1傾き算出部541は、傾き算出設定期間において算出したクロスヘッド10の移動距離に基づいて、第1傾きSlop1(t)を算出する(ステップSA1)。
次いで、第2傾き算出部542は、傾き算出設定期間において取得した試験片TPの伸び量Pに基づいて、第2傾きSlop2(t)を算出する(ステップSA2)。
なお、ステップSA1とステップSA2との処理順は、この順に限定されず、逆でもよいし同時でもよい。
次いで、制御コンプライアンス算出部543は、制御コンプライアンスComp(t)を算出する(ステップSA3)。
次いで、フィードバック制御部544は、目標伸び量Pc(t)から測定伸び量Ps(t)を減じて、偏差e(t)を算出する(ステップSA4)。そして、フィードバック制御部544は、偏差e(t)にステップSA3で算出した制御コンプライアンスCompを乗じて偏差e´(t)を算出する(ステップSA5)。
次いで、フィードバック制御部544は、偏差e´(t)に基づいて、目標伸び量Pc(t)と測定伸び量Ps(t)とを一致させるサーボモータ18の回転量Tr(t)を算出する(ステップSA6)。
そして、フィードバック制御部544は、算出した回転量Tr(t)を示す指令信号B1をサーボアンプ46に出力する(ステップSA7)。
[5.精度の検証]
図4~図8を参照して、制御コンプライアンス算出部543が算出する制御コンプライアンスCompの精度について説明する。
[5-1.シミュレーションによる検証]
まず、シミュレーションから、制御コンプライアンス算出部543が算出する制御コンプライアンスCompの精度について説明する。
図4は、負荷機構12のフィードバック制御において、試験片TP又は負荷機構12に生じる物理量(以下では、「対象物理量」という)の時間変化を擬似的に示すグラフである。なお、対象物理量は、本実施形態においてはクロスヘッド10の移動距離であり、本発明の「第1物理量」である。
図4において、縦軸は対象物理量に設定される。なお、縦軸の単位を無次元としているのは、対象物理量の単位が無次元であることを意味しているのではなく、対象物理量の概念に種々の物理量が含まれていて特定の単位に限定されないことを意味している。なお、縦軸が本実施形態のクロスヘッド10の移動距離である場合、図4に示す縦軸の単位は例えば「mm」となる。図4において、横軸は時間(ms)に設定される。なお、図4の横軸は、サンプリング数としてもよい。
図4において、グラフGf-1は、直線のグラフGf-2に対してランダムノイズを重畳したグラフであって、測定された対象物理量の時間変化を擬似的に示している。なお、仮に、傾き算出設定期間において算出したクロスヘッド10の移動距離の時間変化がグラフGf-1の特性であった場合、第1傾き算出部541は、ステップSA1において、最小二乗法によりグラフGf-2の近似直線を算出して、グラフGf-2の傾きを第1傾きSlop1として算出する。
図5は、負荷機構12のフィードバック制御において、フィードバック制御において応答となる物理量(以下では、「応答物理量」という)の時間変化を擬似的に示すグラフである。なお、応答物理量は、本実施形態においては試験片TPの伸び量Pであり、本発明の「第2物理量」に相当する。
図5において、縦軸は応答物理量に設定される。なお、縦軸の単位を無次元としているのは、応答物理量の単位が無次元であることを意味しているのではなく、応答物理量の概念に種々の物理量が含まれていて特定の単位に限定されないことを意味している。なお、縦軸が本実施形態の試験片TPの伸び量Pを示す場合、縦軸の単位は例えば「mm」となる。図5において、横軸は時間(ms)に設定される。なお、図4の横軸は、サンプリング数としてもよい。
図5において、グラフGf-3は、直線のグラフGf-4に対してランダムノイズを重畳したグラフであって、測定された応答物理量の時間変化を擬似的に示している。なお、仮に、傾き算出設定期間において取得した試験片TPの伸び量Pの時間変化がグラフGf-3の特性であった場合、第2傾き算出部542は、最小二乗法によりグラフG-4の近似直線を算出して、グラフGf-4の傾きを第2傾きSlop2として算出する。
図6は、種々の算出方法により求めた制御コンプライアンスCompを比較するための図である。図6は、縦軸を応答物理量に設定して横軸を対象物理量に設定して図4及び図5に示す態様物理量と応答物理量との関係を示している。図6では、縦軸は応答物理量に設定され、横軸は対象物理量に設定される。なお、図6において縦軸及び横軸が無次元であるのは、図4及び図5の縦軸が無次元であることと同じである。
図6においては、直線の傾きが制御コンプライアンスCompに対応する。図6において、黒丸で示すプロットは、図6のグラフGf-5に重畳したランダムノイズ、すなわち、図4のグラフGf-1と図5のグラフGf-3とに重畳しているランダムノイズを示している。また、図6においてグラフGf-5は、プロットに基づく制御コンプライアンスCompの真の値を、傾きとして有する直線である。
図6では、グラフGf-6、Gf-7、Gf-8を示している。グラフGf-6は、図6に示す複数のプロットに基づいて最小二乗法により算出された制御コンプライアンスCompを傾きとして有する直線である。また、グラフGf-7は、図6に示す複数のプロットに基づく主成分分析により算出された制御コンプライアンスCompを傾きとして有する主成分軸である。また、グラフGf-8は、図6に示す複数のプロットに基づいて制御コンプライアンス算出部543が算出した制御コンプライアンスCompを傾きとして有する直線である。
前述した通り、図6において、直線の傾きは制御コンプライアンスCompに対応する。したがって、図6では、グラフGf-5の傾きに近い傾きを有するグラフであるほど、真の値に近い制御コンプライアンスCompを有するグラフである。グラフGf-6、Gf-7、Gf-8の中で、最もグラフGf-5の傾きに近い直線は、グラフGf-8である。したがって、制御コンプライアンス算出部543が算出した制御コンプライアンスCompは、最小二乗法、及び、主成分分析で求められた制御コンプライアンスCompより真の値に近い。これは、第1傾きSlop1及び第2傾きSlop2を制御コンプライアンスCompの算出パラメータとすることで、制御コンプライアンスCompの算出パラメータを、図4~図6が示すランダムノイズによる測定値の変動が取り除かれたパラメータとすることができるためであり、また、当該変動が制御コンプライアンスCompの算出に加味されないためである。例えば、以上のシミュレーションから、制御コンプライアンス算出部543が精度良く制御コンプライアンスCompを算出できることが検証された。
[5-2.測定データによる検証]
次に、測定データに基づいて、制御コンプライアンス算出部543が算出する制御コンプライアンスCompの精度について説明する。
図7は、試験片TPの伸び量Pとクロスヘッド10の移動距離との時間変化を示す図である。図7では、横軸が時間(sec)で設定され、左縦軸が試験片TPの伸び量(mm)に設定され、右縦軸がクロスヘッド10の移動距離(mm)に設定される。なお、右横軸においては、移動開始前のクロスヘッド10の所定位置を「0」としている。
図7において、グラフGf-9は、伸び計90によって測定された試験片TPの伸び量Pの測定データを示している。また、図7において、グラフGf-10は、移動距離測定部60によって測定されたクロスヘッド10の移動距離の測定データを示している。
図8は、図7の4-5秒区間における試験片TPの伸び量Pとクロスヘッド10の移動距離との関係を示す図である。図8において、縦軸はクロスヘッド10の移動距離(mm)に設定され、横軸は試験片TPの伸び量P(mm)に設定される。
図8において、グラフGf-11は、図7の4-5秒区間の波形を、クロスヘッド10の移動距離と試験片TPの伸び量Pとの波形で示した測定データである。図8において、直線の傾きが制御コンプライアンスCompになる。また、図8において、グラフGf-12は、グラフGf-11が示す測定データに基づいて最小二乗法により算出された近似直線である。グラフGf-13は、グラフGf-11が測定データに基づいて制御コンプライアンス算出部543が算出した制御コンプライアンスCompを、傾きとして有する測定データの近似直線である。
グラフGf-12、Gf-13の傾きを比較して明らかな通り、グラフGf-13の傾きは、グラフGf-12の傾きよりグラフGf-11の傾きに近い。これは、最小二乗法によって制御コンプライアンスCompを算出するより、第1傾きSlop1と第2傾きSlop2との比を制御コンプライアンスCompとして算出する算出方法のほうが、精度良く制御コンプライアンスCompを算出できることを示している。これは、第1傾きSlop1及び第2傾きSlop2を制御コンプライアンスCompの算出パラメータとすることで、制御コンプライアンスCompの算出パラメータを、図7及び図8が示すノイズによる測定値の変動が取り除かれたパラメータとすることができるためであり、また、当該変動が制御コンプライアンスCompの算出に加味されないためである。以上より、測定データからも、制御コンプライアンス算出部543が精度良く制御コンプライアンスCompを算出できることが検証された。
[6.変形例]
次に、変形例について説明する。
変形例において第1傾き算出部541は、傾き算出設定期間における単位時間当たりのクロスヘッド10の移動距離の変化率、すなわち、傾き算出設定期間における単位時間当たりのクロスヘッド10の移動量Xに応じて、傾き算出設定期間の時間幅を変更する。また、変形例において第2傾き算出部542は、傾き算出設定期間における単位時間当たりの試験片TPの伸び量Pの変化率、すなわち、傾き算出設定期間における単位時間当たりの試験片TPの伸び量Pの変化量に応じて、傾き算出設定期間の時間幅を変更する。そして、第1傾き算出部541、及び、第2傾き算出部542は、いずれかの算出部が変更した傾き算出設定期間に基づいて、対応する近似直線の傾きを算出する。
例えば、第1傾き算出部541は、傾き算出設定期間における単位時間当たりのクロスヘッド10の移動量Xが大きくなればなるほど、傾き算出設定期間の時間幅を狭くする。そして、第1傾き算出部541、及び、第2傾き算出部542は、狭くした傾き算出設定期間に基づいて、対応する近似直線の傾きを算出する。また、例えば、第2傾き算出部542は、傾き算出設定期間における単位時間当たりの試験片TPの伸び量Pの変化量が大きくなればなるほど、傾き算出設定期間の時間幅を狭くする。そして、第1傾き算出部541、及び、第2傾き算出部542は、狭くした傾き算出設定期間に基づいて、対応する近似直線の傾きを算出する。
これにより、制御コンプライアンスCompが急激に変化した場合、傾き算出設定期間を変更できるため、より短期間で測定された物理量を用いて制御コンプライアンスCompを算出できるようになる。上述したように、制御コンプライアンス算出部543は、短期間で測定された物理量に用いても精度良く制御コンプライアンスCompを算出できる。よって、変形例は、実際の変化に追従した高精度の制御コンプライアンスCompを算出でき、負荷機構のフィードバック制御をより精度良く行うことができる。
[7.まとめ]
以上、説明したように、材料試験機1は、試験片TPに試験力Fを付与する負荷機構12と、クロスヘッド10の移動距離を測定する測定する移動距離測定部60と、負荷機構12のフィードバック制御において応答となる試験片TPの伸び量Pを測定する伸び計90と、移動距離測定部60が測定したクロスヘッド10の移動距離と時間との関係を表す近似直線の傾きである第1傾きSlop1を算出する第1傾き算出部541と、伸び計90が測定した伸び量Pと時間との関係を表す近似直線の傾きである第2傾きSlop2を算出する第2傾き算出部542と、第1傾きSlop1と第2傾きSlop2との比を制御コンプライアンスCompとして算出する制御コンプライアンス算出部543と、制御コンプライアンス算出部543が算出した制御コンプライアンスCompに基づいて、測定伸び量Psと目標伸び量Pcとの偏差eを減少させるように負荷機構12をフィードバック制御するフィードバック制御部544と、を備える。
この構成によれば、第1傾きSlop1及び第2傾きSlop2を制御コンプライアンスCompの算出パラメータとする。そのため、制御コンプライアンスCompの算出パラメータを、測定されたクロスヘッド10の移動距離及び試験片TPの伸び量Pに重畳したノイズによる測定値の変動が取り除かれたパラメータであって、且つ、クロスヘッド10の移動量X及び試験片TPの伸び量Pの変化量に関するパラメータとすることができる。したがって、第1傾きSlop1及び第2傾きSlop2の比を制御コンプライアンスCompとして算出することによって、ノイズによる測定値の変動が制御コンプライアンスCompの算出に加味されることがなく、精度良く制御コンプライアンスCompを算出できる。したがって、材料試験機1は、短期間で測定されたクロスヘッド10の移動距離及び試験片TPの伸び量Pを用いても精度良く制御コンプライアンスCompを算出できるようになり、負荷機構12のフィードバック制御をより精度良く行うことができる。
また、第1傾き算出部541は、最小二乗法によって第1傾きSlop1を算出し、第2傾き算出部542は、最小二乗法によって第2傾きSlop2を算出する。
この構成によれば、簡易な演算によって、測定した物理量に重畳したノイズを精度良く取り除いた第1傾きSlop1及び第2傾きSlop2を算出できるため、制御コンプライアンスCompを速やかに且つ精度良く算出できる。したがって、材料試験機1は、負荷機構12のフィードバック制御をさらに精度良く行うことができる。
また、制御コンプライアンスCompは、負荷機構12の移動量Xと試験片TPの伸び量Pの変化量との比を示す。フィードバック制御部544は、偏差eに制御コンプライアンスCompを乗じることによって、偏差eを試験片TPの伸び量Pから負荷機構12の移動量Xに換算し、換算した負荷機構12の移動量Xに基づいて負荷機構12をフィードバック制御する。
この構成によれば、制御コンプライアンスCompを乗じることにより、負荷機構12の移動量Xに基づく負荷機構12のフィードバック制御をより精度良く行うことができる。
また、第1傾き算出部541、及び、第2傾き算出部542は、傾き算出設定期間における単位時間当たりのクロスヘッド10の移動量X、及び、傾き算出設定期間における単位時間当たりの試験片TPの伸び量Pの変化量の少なくともいずれかに応じて、傾き算出設定期間の時間幅を変更して対応する傾きを算出する。
この構成によれば、例えば制御コンプライアンスCompが急激に変化した場合、傾き算出設定期間を変更できるため、より短期間で測定された物理量を用いて制御コンプライアンスCompを算出できるようになる。上述したように、制御コンプライアンス算出部543は、短期間で測定された物理量に用いても精度良く制御コンプライアンスCompを算出できる。以上より、材料試験機1は、実際の変化に追従した高精度の制御コンプライアンスCompを算出でき、負荷機構のフィードバック制御をより精度良く行うことができる。
[8.他の実施形態]
なお、上述した実施形態及び変形例は、あくまでも本発明の一態様を例示するものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、および応用が可能である。
例えば、上記実施形態及び変形例では、図2に示したブロック線図に示したように、PID制御により、サーボモータ18のフィードバック制御を行う。他の構成として、一般的なPD制御により、サーボモータ18のフィードバック制御を行ってもよい。
例えば、上記実施形態及び変形例では、クロスヘッド10の移動距離を本発明の第1物理量とし、クロスヘッド10の移動量Xを本発明の第1変化量とし、試験片TPの伸び量Pを本発明の応答物理量として、試験片TPの伸び量Pの変化量を本発明の第2変化量とした場合のサーボモータ18のフィードバック制御を例示した。本発明の第1物理量、第1変化量、第2物理量、及び、第2変化量はこれら限定されない。例えば、第1物理量は、試験片TPの伸び量Pとしてもよいし、この場合に第2物理量を試験力Fとしてもよい。
例えば、上記実施形態及び変形例では、エンコーダ20により、クロスヘッド10の移動距離を測定したが、サーボモータ18に設けられたロータリーエンコーダ等によって当該移動距離を測定する構成としてもよい。
例えば、上記実施形態及び変形例では、負荷機構12の駆動源としてサーボモータ18を用いたが、油圧源等の他の駆動源を用いてもよい。この場合は、図2のブロック線図における制御対象への出力は、駆動源に応じた物理量に設定する。
例えば、上述実施形態及び変形例において、図1に示した機能ブロックは、本願発明を理解容易にするために構成要素を主な処理内容に応じて分類して示した概略図であり、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
例えば、図3に示す動作のステップ単位は、材料試験機1の各部の動作の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が限定されることはない。処理内容に応じて、さらに多くのステップ単位に分割してもよい。また、1つのステップ単位がさらに多くの処理を含むように分割してもよい。また、そのステップの順番は、本発明の趣旨に支障のない範囲で適宜に入れ替えてもよい。
[9.態様]
上述した実施形態及び変形例は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(第1項)
一態様に関わる材料試験機は、試験対象に負荷を付与する負荷機構と、前記負荷の付与に応じて前記試験対象又は前記負荷機構に生じる第1物理量を測定する第1測定部と、前記負荷機構のフィードバック制御において応答となる第2物理量を測定する第2測定部と、前記第1測定部が測定した前記第1物理量と時間との関係を表す近似直線の傾きである第1傾きを算出する第1傾き算出部と、前記第2測定部が測定した前記第2物理量と時間との関係を表す近似直線の傾きである第2傾きを算出する第2傾き算出部と、前記第1傾き算出部が算出した前記第1傾きと、前記第2傾き算出部が算出した前記第2傾きとの比を、前記第1物理量の変化を示す第1変化量と前記第2物理量の変化を示す第2変化量との比である変化量比として算出する変化量比算出部と、前記変化量比算出部が算出した前記変化量比に基づいて、前記試験対象における実際の前記第2物理量と、前記第2物理量の目標値である目標第2物理量との偏差を減少させるように前記負荷機構をフィードバック制御するフィードバック制御部と、を備える。
第1項に記載の材料試験機によれば、ノイズによる測定値の変動が取り除かれた第1物理量及び第2物理量の変化に関するパラメータで変化量比を算出できる。そのため、第1物理量及び第2物理量に重畳したノイズによる測定値の変動が、変化量比の算出で加味されることがないため、短期間で測定された物理量を用いても変化量比を精度良く算出できるようになり、負荷機構のフィードバック制御をより精度良く行うことができる。
(第2項)
第1項に記載の材料試験機において、前記第1傾き算出部は、最小二乗法によって前記第1傾きを算出し、前記第2傾き算出部は、最小二乗法によって前記第2傾きを算出する。
第2項に記載の材料試験機によれば、第1傾き及び第2傾きを最小二乗法で算出することで、簡易な演算によって、測定した物理量に重畳したノイズを精度良く取り除いた第1傾き及び第2傾きを算出できるため、変化量比を速やかに且つ精度良く算出できる。したがって、負荷機構のフィードバック制御をより精度良く行うことができる。
(第3項)
第1項又は第2項に記載の材料試験機において、前記第1測定部は、前記第1物理量として前記負荷機構の移動距離を測定し、前記第2測定部は、前記第2物理量として前記試験対象の変位量を測定し、前記変化量比は、前記負荷機構の移動量と前記試験対象の変位量の変化量との比を示す制御コンプライアンスであり、前記フィードバック制御部は、前記偏差に前記制御コンプライアンスを乗じることによって、前記偏差を前記試験対象の変位量の変化量から前記負荷機構の移動量に換算し、換算した前記負荷機構の移動量に基づいて前記負荷機構をフィードバック制御する。
第3項に記載の材料試験機によれば、制御コンプライアンスを乗じることによって負荷機構の移動量に基づく負荷機構のフィードバック制御をより精度良く行うことができる。
(第4項)
第1項から第3項のいずれか一つの材料試験機において、前記第1傾き算出部は、所定期間において前記第1測定部が測定した前記第1物理量に基づいて前記第1傾きを算出し、前記第2傾き算出部は、前記所定期間において前記第2測定部が測定した前記第2物理量に基づいて前記第2傾きを算出し、前記第1傾き算出部、及び、前記第2傾き算出部は、前記所定期間における単位時間当たりの前記第1物理量の変化率、及び、前記所定期間における単位時間当たりの前記第2物理量の変化率の少なくともいずれかに応じて、前記所定期間の時間幅を変更して対応する傾きを算出する。
第4項に記載の材料試験機によれば、実際の変化により追従した高精度の変化量比を算出できるようになり、負荷機構のフィードバック制御をより精度良く行うことができる。
(第5項)
別の一態様に関わる材料試験機の制御方法は、試験対象に負荷を付与する負荷機構と、前記負荷の付与に応じて前記試験対象又は前記負荷機構に生じる第1物理量を測定する第1測定部と、前記負荷機構のフィードバック制御において応答となる第2物理量を測定する第2測定部と、制御装置と、を備える材料試験機の制御方法であって、前記制御装置が、前記第1測定部が測定した前記第1物理量と時間との関係を表す近似直線の傾きである第1傾きを算出し、前記第2測定部が測定した前記第2物理量と時間との関係を表す近似直線の傾きである第2傾きを算出し、算出した前記第1傾きと、算出した前記第2傾きとの比を、前記第1物理量の変化を示す第1変化量と前記第2物理量の変化を示す第2変化量との比である変化量比として算出し、算出した前記変化量比に基づいて、前記試験対象における実際の前記第2物理量と、前記第2物理量の目標値である目標第2物理量との偏差を減少させるように前記負荷機構をフィードバック制御する。
第5項に記載の材料試験機の制御方法によれば、第1項に記載の材料試験機と同様の効果を奏する。
1 材料試験機
12 負荷機構
30 制御装置
60 移動距離測定部(第1測定部)
90 伸び計(第2測定部)
541 第1傾き算出部
542 第2傾き算出部
543 制御コンプライアンス算出部(変化量比算出部)
544 フィードバック制御部
P 伸び量(第2物理量)
Pc 目標伸び量(目標第2物理量)
Ps 測定伸び量(実際の前記第2物理量)
Slop1 第1傾き
Slop2 第2傾き
Comp 制御コンプライアンス(変化量比)
TP 試験片(試験対象)
X 移動量(第1変化量)

Claims (4)

  1. 試験対象に負荷を付与する負荷機構と、
    前記負荷の付与に応じて前記試験対象又は前記負荷機構に生じる第1物理量を測定する第1測定部と、
    前記負荷機構のフィードバック制御において応答となる第2物理量を測定する第2測定部と、
    所定期間において前記第1測定部が測定した前記第1物理量と時間との関係を表す近似直線の傾きである第1傾きを算出する第1傾き算出部と、
    前記所定期間において前記第2測定部が測定した前記第2物理量と時間との関係を表す近似直線の傾きである第2傾きを算出する第2傾き算出部と、
    前記第1傾き算出部が算出した前記第1傾きと、前記第2傾き算出部が算出した前記第2傾きとの比を、前記第1物理量の変化を示す第1変化量と前記第2物理量の変化を示す第2変化量との比である変化量比として算出する変化量比算出部と、
    前記変化量比算出部が算出した前記変化量比に基づいて、前記試験対象における実際の前記第2物理量と、前記第2物理量の目標値である目標第2物理量との偏差を減少させるように前記負荷機構をフィードバック制御するフィードバック制御部と、を備え、
    前記第1傾き算出部、及び、前記第2傾き算出部は、前記所定期間の時間幅を変更して対応する傾きを算出し、
    前記第1傾き算出部は、前記所定期間における単位時間当たりの前記第1物理量の変化率が大きくなればなるほど前記所定期間の時間幅を狭くし、あるいは、前記第2傾き算出部は、前記所定期間における単位時間当たりの前記第2物理量の変化率が大きくなればなるほど前記所定期間の時間幅を狭くする、
    材料試験機。
  2. 前記第1傾き算出部は、最小二乗法によって前記第1傾きを算出し、
    前記第2傾き算出部は、最小二乗法によって前記第2傾きを算出する、
    請求項1に記載の材料試験機。
  3. 前記第1測定部は、前記第1物理量として前記負荷機構の移動距離を測定し、
    前記第2測定部は、前記第2物理量として前記試験対象の変位量を測定し、
    前記変化量比は、前記負荷機構の移動量と前記試験対象の変位量の変化量との比を示す制御コンプライアンスであり、
    前記フィードバック制御部は、前記偏差に前記制御コンプライアンスを乗じることによって、前記偏差を前記試験対象の変位量の変化量から前記負荷機構の移動量に換算し、換算した前記負荷機構の移動量に基づいて前記負荷機構をフィードバック制御する、
    請求項1又は2に記載の材料試験機。
  4. 試験対象に負荷を付与する負荷機構と、前記負荷の付与に応じて前記試験対象又は前記負荷機構に生じる第1物理量を測定する第1測定部と、前記負荷機構のフィードバック制御において応答となる第2物理量を測定する第2測定部と、制御装置と、を備える材料試験機の制御方法であって、
    前記制御装置が、
    所定期間において前記第1測定部が測定した前記第1物理量と時間との関係を表す近似直線の傾きである第1傾きを算出し、
    前記所定期間において前記第2測定部が測定した前記第2物理量と時間との関係を表す近似直線の傾きである第2傾きを算出し、
    算出した前記第1傾きと、算出した前記第2傾きとの比を、前記第1物理量の変化を示す第1変化量と前記第2物理量の変化を示す第2変化量との比である変化量比として算出し、
    算出した前記変化量比に基づいて、前記試験対象における実際の前記第2物理量と、前記第2物理量の目標値である目標第2物理量との偏差を減少させるように前記負荷機構をフィードバック制御し、
    前記所定期間における単位時間当たりの前記第1物理量の変化率が大きくなればなるほど前記所定期間の時間幅を狭くして、あるいは、前記所定期間における単位時間当たりの前記第2物理量の変化率が大きくなればなるほど前記所定期間の時間幅を狭くして、対応する傾きを算出する、
    材料試験機の制御方法。
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