JP2001050881A - 疲労き裂進展試験のための材料試験機制御方法及び材料試験機制御装置 - Google Patents

疲労き裂進展試験のための材料試験機制御方法及び材料試験機制御装置

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JP2001050881A
JP2001050881A JP11223406A JP22340699A JP2001050881A JP 2001050881 A JP2001050881 A JP 2001050881A JP 11223406 A JP11223406 A JP 11223406A JP 22340699 A JP22340699 A JP 22340699A JP 2001050881 A JP2001050881 A JP 2001050881A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 疲労き裂進展試験の実行中に材料試験機を運
転状態に維持したままでその制御モードを切換える際
の、材料試験機のショック発生を防止する。 【解決手段】 制御モード切換時に、材料試験機10の
アクチュエータ機構14をフィードバック制御するため
のフィードバックFD信号及び目標値信号DSのうち、
フィードバック信号FDは切換えることなくそのまま維
持し、目標値信号DSの方を切換えるようにし、そのた
めに、制御モード切換直前に検出した、制御モード切換
後に制御対象とする物理量の振幅検出値を、制御モード
切換後に当該物理量の振幅目標値として使用して、目標
値信号の振幅をフィードバック制御する。制御モードの
切換に際してフィードバック信号と目標値信号とが共に
完全な連続性を維持することから、材料試験機がショッ
クを発生するおそれが完全に払拭されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、疲労き裂進展試験
のための材料試験機制御方法及び材料試験機制御装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】材料に繰返荷重が作用すると、その材料
のき裂が成長して、疲労破壊に至るおそれがあることが
知られている。実際に疲労破壊が発生するか否かは、繰
返荷重が作用することによって、そのき裂が成長するか
否かにかかっている。き裂の成長の有無を予測するに
は、き裂先端部の力学的環境条件を調べる必要がある。
力学的環境条件を表すパラメータには様々なものがある
が、特に重要なパラメータとして、き裂先端部の応力拡
大係数Kがある。
【0003】き裂を有する材料に繰返荷重が作用する
と、き裂先端部の応力拡大係数Kも繰返して変動する。
このときの応力拡大係数Kの変動幅を応力拡大係数変動
幅ΔKと呼んでおり、き裂が成長する速度であるき裂進
展速度は、この応力拡大係数変動幅ΔKに大きく依存し
ている。き裂長さをaで表し、繰返荷重のサイクル数を
Nで表すとき、き裂進展速度は(da/dN)で表され
る。
【0004】応力拡大係数変動幅ΔKが大きいほど、き
裂進展速度(da/dN)も大きくなる傾向がある。一
方、応力拡大係数変動幅ΔKがある値以下であれば、も
はやき裂は成長せず、即ち、き裂進展が停留することが
知られている。このときの応力拡大係数変動幅ΔKの値
を、スレショルド応力拡大係数変動幅ということがあ
り、これは通常、ΔKthで表される。また、応力拡大
係数変動幅ΔKがある値以上であると、き裂が急速に成
長して破壊に至ることが知られている。このときの応力
拡大係数変動幅ΔKの値を、限界応力拡大係数変動幅と
いうことがあり、通常、ΔKcで表される。
【0005】応力拡大係数変動幅ΔKを、対数目盛を用
いて横軸に取り、き裂進展速度(da/dN)を、同じ
く対数目盛を用いて縦軸に取ることで、き裂進展速度
(da/dN)の、応力拡大係数変動幅ΔKに対する依
存性を表すグラフを作成することができる。このグラフ
は、応力拡大係数変動幅ΔKが、ΔKthからΔKcま
での範囲内にあるときには、その曲線の傾きが略々一定
になることが知られており、材料の破壊強度を評価する
上で極めて有用なグラフである。
【0006】このグラフを作成するには、材料試験機を
用いて試験片に繰返荷重を印加しつつ、試験片に実際に
作用している荷重や、試験片のき裂開口変位(COD)
を計測し、それらの計測値に基づいて、試験片のき裂長
さa、き裂進展速度(da/dN)、き裂先端部の応力
拡大係数K、それに、応力拡大係数変動幅ΔKの値を算
出し、それら値のうちの、き裂進展速度(da/dN)
の値と、応力拡大係数変動幅ΔKの値とを、試験データ
としてサンプリングすればよい。このような試験は、疲
労き裂進展試験と呼ばれている。
【0007】もし、疲労き裂進展試験の途中で、き裂の
進展が停留してしまい、再び進展を開始することができ
なければ、その時点で試験を中止しなければならず、そ
れまでに収集したデータが無駄になる。一般的に、試験
片に作用する荷重が小さすぎたためにき裂の進展が停留
した場合には、より大きな荷重を印加することで、き裂
の進展を再開させることができる。しかしながら、試験
片に過大な荷重が作用したために、き裂先端部に大きな
塑性変形が発生し、その塑性変形に伴う残留応力の影響
によってき裂の進展が停留した場合には、き裂の進展を
再開させることが困難である。
【0008】従って、疲労き裂進展試験の実行中に、試
験片のき裂先端部に大きな塑性変形を発生させないよう
に(即ち、き裂先端部を損傷させないように)、材料試
験機の設定に細心の注意を払い、また、材料試験機の制
御を高精度で実行する必要がある。これらに加えて更
に、材料試験機が作動中にショックを発生すると、その
ショックが試験片に伝達されて、き裂先端部を損傷させ
るおそれがあるため、ショックの発生を防止することも
重要である。
【0009】ショックの発生に関して特に問題となるの
は、疲労き裂進展試験の実行中に制御モードを変更する
場合である。良好な試験結果を得るためには、試験実行
中の制御モードの切換は是非とも可能にしておかねばな
らず、それは以下の理由による。
【0010】一般的に、疲労き裂進展試験では、下はス
レショルド応力係数変動幅ΔKthから、上は限界応力
係数変動幅ΔKcに至る範囲内の、様々な応力拡大係数
変動幅ΔKの値に対応した、き裂進展速度(da/d
N)の値を求めるが、応力拡大係数変動幅ΔKの値が小
さくなり、ΔKthに近づくほど、き裂進展速度(da
/dN)も小さくなり、応力拡大係数変動幅ΔKの値が
ΔKth以下になると、き裂進展は停留し、即ち、き裂
進展速度(da/dN)はゼロになる。
【0011】更に、実際に疲労き裂進展試験を行ってそ
の結果を得るまでは、ΔKthの正確な値は判らない。
そのため、疲労き裂進展試験を行う際に、応力拡大係数
変動幅ΔKの初期値を、ΔKthの近傍の小さな値に設
定し、そこから次第に変動幅ΔKの値を大きくしながら
試験を進めて行く方法を採用しようとすると、変動幅Δ
Kの初期値が小さすぎることがある。その場合に、もし
変動幅ΔKの初期値がΔKthより小さかったならば、
き裂は進展を開始しない。しかも、変動幅ΔKの値がΔ
Kthの近傍にあるときには、元々き裂進展速度(da
/dN)が小さいため、き裂の進展が開始していないこ
とが判明するまでに長時間を無駄に費やしてしまうこと
になる。
【0012】このことから、ΔKthの近傍領域の試験
データを得るためには、応力拡大係数変動幅ΔKの初期
値をΔKthよりある程度大きな値に設定し、そこから
次第に変動幅ΔKの値を小さくしながら試験を進めて行
く方法が採用されることが多い。この方法は、具体的に
は、試験片に繰返荷重を印加することによって発生する
試験片のCODの、その毎回の変動サイクルにおける振
幅及び中心値を、一定の目標値に維持するように材料試
験機を制御することによって実施されている。この場
合、時間の経過と共に、き裂長さaが次第に増大して行
くため、試験片のCODが一定であれば、応力拡大係数
変動幅ΔKの値は次第に低下してΔKthに近付いて行
き、ΔKthに至ったならば、き裂進展が停留する。
【0013】一方、応力拡大係数変動幅ΔKの値が、Δ
Kthより十分に大きい領域では、これとは逆に、この
変動幅ΔKの値を次第に大きくしながら試験を進めて行
く方法が有利である。その理由は、応力拡大係数Kの毎
回の変動サイクルにおける最大値Kmaxがやや大きす
ぎたために、き裂進展が停留した場合であっても、応力
拡大係数変動幅ΔKを更に増大させることによって、き
裂の進展を再開させ得る可能性が大いにあるからであ
る。このように、応力拡大係数変動幅ΔKの値を次第に
大きくしながら試験を進めて行く方法には、大きく2通
りの方式があり、その1つは、応力拡大係数変動幅ΔK
それ自体を制御対象として、変動幅ΔKの値の目標値を
段階的に増大させつつ、試験を進めて行く方式(応力拡
大係数変動幅ΔK制御モード)であり、もう1つは、試
験片に印加する荷重を制御対象として、その毎回の変動
サイクルにおける振幅及び中心値を一定の目標値に維持
しつつ、試験を進めて行く方式(荷重振幅制御モード)
である。荷重振幅制御モードでは、時間の経過と共に、
き裂長さaが増大するため、試験片に印加する荷重は一
定でも、応力拡大係数変動幅ΔKの値は次第に増大して
行く。
【0014】従って、応力拡大係数変動幅ΔKの値が、
ΔKthからΔKcまでの範囲内の比較的小さい値の領
域にあるときと、比較的大きな値の領域にあるときと
で、制御モードを切換えることが望ましく、また更に、
収集する試験データのデータポイントの分布を良好にす
るために、疲労き裂進展試験の実行中に応力拡大係数変
動幅ΔK制御モードと荷重振幅制御モードとの間で、制
御モードを切換えることが望まれることもある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上に説明した様々な制
御モードは夫々に異なった物理量を制御対象とするもの
であるため、材料試験機をフィードバック制御する制御
装置のフィードバック信号を、制御対象とする物理量を
表している信号に適宜切換えることで、制御モードの切
換を行うことができる。しかしながら、材料試験機の運
転中にフィードバック信号を切換えると、その切換時点
でフィードバック信号の連続性が失われるため、材料試
験機がショックを発生する。このショックが試験片に伝
達されて、試験片のき裂先端部を損傷させてしまうこと
が、これまでにしばしばあった。また、一旦材料試験機
の運転を停止して制御モードを切換えようとすると、そ
の停止及び再起動の際に材料試験機がショックを発生す
るため、やはり不都合が発生する。これによってき裂進
展が停留し、試験の続行が不可能になり、それまでに収
集した試験データが無効となることがしばしばあり、そ
のことが試験の作業能率を低下させる原因となってい
た。
【0016】本発明は上述した従来の問題点に鑑み成さ
れたものであり、本発明の目的は、疲労き裂進展試験の
実行中に材料試験機を運転状態に維持したままで、その
制御モードの切換を行う際に、材料試験機がショックを
発生することを防止し、それによって疲労き裂進展試験
の作業能率を向上させることにある。
【0017】また、本発明の更なる目的は、材料試験機
を運転状態に維持したままで制御モードの切換を行う疲
労き裂進展試験において、試験データを好適に収集する
ことのできる材料試験機制御方法及び材料試験機制御装
置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1に記載した本発明の疲労き裂進展試験のた
めの材料試験機制御方法は、試験片に荷重を印加するた
めのアクチュエータ機構と試験片に関連した複数の物理
量の夫々を検出するための複数のセンサとを備えた材料
試験機を用いた疲労き裂進展試験のための材料試験機制
御方法において、(イ)振幅及び中心値が制御可能な周
期信号を目標値信号として発生させ、(ロ)前記複数の
センサが送出する夫々のセンサ信号のうちから1つのセ
ンサ信号をフィードバック信号として選択し、当該フィ
ードバック信号と前記目標値信号との差分に基づいて前
記アクチュエータ機構を制御することで、前記材料試験
機をフィードバック制御し、(ハ)前記複数のセンサが
送出する夫々のセンサ信号が表している夫々の物理量な
いしはそれらセンサ信号から間接的に求められる物理量
のうちから、疲労き裂進展試験において試験片に繰返荷
重を印加する際にその振幅を制御対象とするところの物
理量を選択して当該物理量の振幅目標値を設定し、当該
物理量の振幅検出値と前記振幅目標値との差分に基づい
て前記目標値信号の振幅を制御することで、当該物理量
の振幅をフィードバック制御し、(ニ)疲労き裂進展試
験の実行中に前記材料試験機を運転状態に維持したまま
で、前記材料試験機の制御モードを、第1物理量の振幅
を制御対象とする第1制御モードから第2物理量の振幅
を制御対象とする第2制御モードへと切換える際に、前
記フィードバック信号として使用するセンサ信号の選択
を変更することなく維持すると共に、前記第1制御モー
ドの終了時の前記第2物理量の振幅検出値を前記第2制
御モードの開始時の前記第2物理量の振幅目標値として
使用することを特徴としている。
【0019】また、請求項2に記載した本発明の疲労き
裂進展試験のための材料試験機制御方法は、前記疲労き
裂進展試験が、前記材料試験機を用いて試験片に繰返荷
重を印加することで試験片のき裂先端の応力拡大係数K
を繰返変動させつつ試験片のき裂を進展させ、その際
に、き裂先端の応力拡大係数Kの変動幅である応力拡大
係数変動幅ΔKと、繰返荷重のサイクル数Nに対する試
験片のき裂長さaの進展速度であるき裂進展速度(da
/dN)とを試験データとしてサンプリングする試験で
あることを特徴としている。
【0020】また、請求項3に記載した本発明の疲労き
裂進展試験のための材料試験機制御方法は、前記複数の
センサが、前記材料試験機から試験片に印加される荷重
を検出してその検出した荷重を表す荷重センサ信号を送
出する荷重センサと、試験片に発生するき裂開口変位
(COD)を検出してその検出したCODを表すCOD
センサ信号を送出するCODセンサとを含んでいること
を特徴としている。
【0021】また、請求項4に記載した本発明の疲労き
裂進展試験のための材料試験機制御方法は、試験片に印
加される荷重の振幅を制御対象として選択することで荷
重振幅制御モードを選択し、試験片に発生するCODの
振幅を制御対象として選択することでCOD振幅制御モ
ードを選択し、試験片のき裂先端部に発生する応力拡大
係数Kの振幅である応力拡大係数変動幅ΔKを制御対象
として選択することで応力拡大係数変動幅制御モードを
選択することを特徴としている。
【0022】また、請求項5に記載した本発明の疲労き
裂進展試験のための材料試験機制御方法は、前記荷重振
幅制御モード、前記COD振幅制御モード、及び前記応
力拡大係数変動幅制御モードのいずれにおいても、試験
片に印加される荷重の毎回の変動サイクルにおける荷重
最小値と荷重最大値との比を一定の目標値に維持するよ
うに前記目標値信号の振幅及び中心値を制御することを
特徴としている。
【0023】また、請求項6に記載した本発明の疲労き
裂進展試験のための材料試験機制御方法は、前記第1物
理量が試験片に印加される荷重であり、前記第2物理量
が試験片に発生するCODであり、前記第1制御モード
において、試験片に印加される荷重の毎回の変動サイク
ルにおける振幅を一定の目標値に維持するように制御を
行い、前記第2制御モードにおいて、試験片に発生する
CODの毎回の変動サイクルにおける振幅を一定の目標
値に維持するように制御を行うことを特徴としている。
【0024】また、請求項7に記載した本発明の疲労き
裂進展試験のための材料試験機制御方法は、請求項6に
記載した方法に関して、試験片に印加される荷重の振幅
を制御対象とする前記第1制御モードにおいて、き裂長
さaが所定長さ進展するごとに試験データをサンプリン
グし、試験片に発生するCODの振幅を制御対象とする
前記第2制御モードにおいて、所定回数の荷重印加サイ
クルが経過するごとに試験データをサンプリングするこ
とを特徴としている。
【0025】また、請求項8に記載した本発明の疲労き
裂進展試験のための材料試験機制御方法は、前記第1物
理量が試験片に印加される荷重であり、前記第2物理量
が試験片のき裂先端部に発生する応力拡大係数Kであ
り、前記第1制御モードにおいて、試験片に印加される
荷重の毎回の変動サイクルにおける振幅を一定の目標値
に維持するように制御を行い、前記第2制御モードにお
いて、試験片のき裂先端部に発生する応力拡大係数Kの
毎回の変動サイクルにおける振幅である応力拡大係数変
動幅ΔKを一定の目標値に維持するように制御を行うと
共に、その目標値を必要に応じて段階的に変化させるこ
とを特徴としている。
【0026】また、請求項9に記載した本発明の疲労き
裂進展試験のための材料試験機制御方法は、請求項8に
記載した方法に関して、試験片に印加される荷重の振幅
を制御対象とする前記第1制御モードにおいて、き裂長
さaが所定長さ進展するごとに試験データをサンプリン
グし、試験片のき裂先端部に発生する応力拡大係数Kの
振幅である応力拡大係数変動幅ΔKを制御対象とする前
記第2制御モードにおいて、該応力拡大係数変動幅ΔK
の目標値を所定増分だけ増大させたときから更にき裂長
さaが所定長さ進展した時点で、試験データをサンプリ
ングし、試験データをサンプリングしたならば再び該応
力拡大係数変動幅ΔKの目標値を前記所定増分だけ増大
させることを特徴としている。
【0027】また、請求項10に記載した本発明の疲労
き裂進展試験のための材料試験機制御方法は、前記第1
物理量が試験片に発生するCODであり、前記第2物理
量が試験片に印加される荷重であり、前記第1制御モー
ドにおいて、試験片に発生するCODの毎回の変動サイ
クルにおける振幅を一定の目標値に維持するように制御
を行い、前記第2制御モードにおいて、試験片に印加さ
れる荷重の毎回の変動サイクルにおける振幅を一定の目
標値に維持するように制御を行うことを特徴としてい
る。
【0028】また、請求項11に記載した本発明の疲労
き裂進展試験のための材料試験機制御方法は、請求項1
0に記載した方法に関して、試験片に発生するCODの
振幅を制御対象とする前記第1制御モードにおいて、所
定回数の荷重印加サイクルが経過するごとに試験データ
をサンプリングし、試験片に印加される荷重の振幅を制
御対象とする前記第2制御モードにおいて、き裂長さa
が所定長さ進展するごとに試験データをサンプリングす
ることを特徴としている。
【0029】また、請求項12に記載した本発明の疲労
き裂進展試験のための材料試験機制御方法は、前記第1
物理量が試験片のき裂先端部に発生する応力拡大係数K
であり、前記第2物理量が試験片に印加される荷重であ
り、前記第1制御モードにおいて、試験片のき裂先端部
に発生する応力拡大係数Kの毎回の変動サイクルにおけ
る振幅である応力拡大係数変動幅ΔKを一定の目標値に
維持するように制御を行うと共に、その目標値を必要に
応じて段階的に変化させ、前記第2制御モードにおい
て、試験片に印加される荷重の毎回の変動サイクルにお
ける振幅を一定の目標値に維持するように制御を行うこ
とを特徴としている。
【0030】また、請求項13に記載した本発明の疲労
き裂進展試験のための材料試験機制御方法は、請求項1
2に記載した方法に関して、試験片のき裂先端部に発生
する応力拡大係数Kの振幅である応力拡大係数変動幅Δ
Kを制御対象とする前記第1制御モードにおいて、該応
力拡大係数変動幅ΔKの目標値を所定増分だけ増大させ
たときから更にき裂長さaが所定長さ進展した時点で、
試験データをサンプリングし、試験データをサンプリン
グしたならば再び該応力拡大係数変動幅ΔKの目標値を
前記所定増分だけ増大させ、試験片に印加される荷重の
振幅を制御対象とする前記第2制御モードにおいて、き
裂長さaが所定長さ進展するごとに試験データをサンプ
リングすることを特徴としている。
【0031】また、請求項14に記載した本発明の疲労
き裂進展試験のための材料試験機制御方法は、前記第1
物理量が試験片に発生するCODであり、前記第2物理
量が試験片のき裂先端部に発生する応力拡大係数Kであ
り、前記第1制御モードにおいて、試験片に発生するC
ODの毎回の変動サイクルにおける振幅を一定の目標値
に維持するように制御を行い、前記第2制御モードにお
いて、試験片のき裂先端部に発生する応力拡大係数Kの
毎回の変動サイクルにおける振幅である応力拡大係数変
動幅ΔKを一定の目標値に維持するように制御を行うと
共に、その目標値を必要に応じて段階的に変化させるこ
とを特徴としている。
【0032】また、請求項15に記載した本発明の疲労
き裂進展試験のための材料試験機制御方法は、請求項1
4に記載した方法に関して、試験片に発生するCODの
振幅を制御対象とする前記第1制御モードにおいて、所
定回数の荷重印加サイクルが経過するごとに試験データ
をサンプリングし、試験片のき裂先端部に発生する応力
拡大係数Kの振幅である応力拡大係数変動幅ΔKを制御
対象とする前記第2制御モードにおいて、該応力拡大係
数変動幅ΔKの目標値を所定増分だけ増大させたときか
ら更にき裂長さaが所定長さ進展した時点で、試験デー
タをサンプリングし、試験データをサンプリングしたな
らば再び該応力拡大係数変動幅ΔKの目標値を前記所定
増分だけ増大させることを特徴としている。
【0033】また、請求項16に記載した本発明の疲労
き裂進展試験のための材料試験機制御方法は、前記第1
物理量が試験片のき裂先端部に発生する応力拡大係数K
であり、前記第2物理量が試験片に発生するCODであ
り、前記第1制御モードにおいて、試験片のき裂先端部
に発生する応力拡大係数Kの毎回の変動サイクルにおけ
る振幅である応力拡大係数変動幅ΔKを一定の目標値に
維持するように制御を行うと共に、その目標値を必要に
応じて段階的に変化させ、前記第2制御モードにおい
て、試験片に発生するCODの毎回の変動サイクルにお
ける振幅を一定の目標値に維持するように制御を行うこ
とを特徴としている。
【0034】また、請求項17に記載した本発明の疲労
き裂進展試験のための材料試験機制御方法は、請求項1
6に記載した方法に関して、試験片のき裂先端部に発生
する応力拡大係数Kの振幅である応力拡大係数変動幅Δ
Kを制御対象とする前記第1制御モードにおいて、該応
力拡大係数変動幅ΔKの目標値を所定増分だけ増大させ
たときから更にき裂長さaが所定長さ進展した時点で、
試験データをサンプリングし、試験データをサンプリン
グしたならば再び該応力拡大係数変動幅ΔKの目標値を
前記所定増分だけ増大させ、試験片に発生するCODの
振幅を制御対象とする前記第2制御モードにおいて、所
定回数の荷重印加サイクルが経過するごとに試験データ
をサンプリングすることを特徴としている。
【0035】また、請求項18に記載した本発明の疲労
き裂進展試験のための材料試験機制御方法は、前記第1
制御モード及び前記第2制御モードのいずれにおいて
も、試験片に印加される荷重の毎回の変動サイクルにお
ける荷重最小値と荷重最大値との比を一定の目標値に維
持するように前記目標値信号の振幅及び中心値を制御す
ることを特徴としている。
【0036】また、請求項19に記載した本発明の疲労
き裂進展試験のための材料試験機制御方法は、前記フィ
ードバック信号として前記荷重センサ信号を選択するこ
とを特徴としている。
【0037】また、請求項20に記載した本発明の疲労
き裂進展試験のための材料試験機制御方法は、(ホ)前
記荷重センサ信号と前記CODセンサ信号とに基づいて
試験片に発生しているき裂長さaの現在値を求め、
(ヘ)き裂長さaの現在値と前記荷重センサ信号とに基
づいて試験片のき裂先端部に発生している応力拡大係数
Kの現在値を求め、(ト)き裂長さaの現在値の変化か
らき裂亀進展速度(da/dN)を求め、(チ)試験片
に印加されている荷重、試験片に発生しているCOD、
及び試験片のき裂先端部に発生している応力拡大係数K
の、毎回の変動サイクルにおける夫々の最大値及び最小
値を検出し、(リ)検出した最大値及び最小値から、試
験片に印加されている荷重の毎回の変動サイクルにおけ
る振幅、試験片に発生しているCODの毎回の変動サイ
クルにおける振幅、及び試験片のき裂先端部に発生して
いる応力拡大係数Kの毎回の変動サイクルにおける振幅
である応力拡大係数変動幅ΔKを求め、(ヌ)得られた
荷重振幅、COD振幅、及び応力拡大係数変動幅ΔKの
値を、制御モードの切換時にラッチし、(ル)ラッチし
た振幅ないし応力拡大係数変動幅の値を、制御モードの
切換後の前記振幅目標値として使用することを特徴とし
ている。
【0038】また、請求項21に記載した本発明の疲労
き裂進展試験のための材料試験機制御装置は、試験片に
荷重を印加するためのアクチュエータ機構と試験片に関
連した複数の物理量の夫々を検出するための複数のセン
サとを備えた材料試験機を用いた疲労き裂進展試験のた
めの材料試験機制御装置において、(イ)振幅及び中心
値が制御可能な周期信号を目標値信号として発生する目
標値信号発生部と、(ロ)前記目標値信号発生部を制御
することで、前記目標値信号の振幅及び中心値を制御す
る、目標値信号発生部制御手段と、(ハ)前記複数のセ
ンサが送出する夫々のセンサ信号のうちから1つのセン
サ信号をフィードバック信号として選択するフィードバ
ック信号選択部と、(ニ)前記フィードバック信号と前
記目標値信号との差分に基づいて前記アクチュエータ機
構を制御することで、前記材料試験機をフィードバック
制御する、フィードバック制御手段とを備え、(ホ)前
記目標値信号発生部制御手段が、前記複数のセンサが送
出する夫々のセンサ信号が表している夫々の物理量ない
しはそれらセンサ信号から間接的に求められる物理量の
うちから、疲労き裂進展試験において試験片に繰返荷重
を印加する際にその振幅を制御対象とするところの物理
量を選択して当該物理量の振幅目標値を設定するため
の、選択及び設定手段を含んでおり、(ヘ)前記目標値
信号発生部制御手段が、前記選択された物理量の振幅検
出値と前記振幅目標値との差分に基づいて前記目標値信
号の振幅を制御することで、前記選択された物理量の振
幅をフィードバック制御するようにしてあり、(ト)前
記材料試験機の制御モードを、第1物理量の振幅を制御
対象とする第1制御モードから第2物理量の振幅を制御
対象とする第2制御モードへと切換える際に、前記目標
値信号発生部制御手段が、前記第1制御モードの終了時
の前記第2物理量の振幅検出値を前記第2制御モードの
開始時の前記第2物理量の振幅目標値として使用するよ
うにしてあることを特徴としている。
【0039】また、請求項22に記載した本発明の疲労
き裂進展試験のための材料試験機制御装置は、前記複数
のセンサが、前記材料試験機から試験片に印加される荷
重を検出してその検出した荷重を表す荷重センサ信号を
送出する荷重センサと、試験片に発生するき裂開口変位
(COD)を検出してその検出したCODを表すCOD
センサ信号を送出するCODセンサとを含んでいること
を特徴としている。
【0040】また、請求項23に記載した本発明の疲労
き裂進展試験のための材料試験機制御装置は、(チ)前
記荷重センサ信号と前記CODセンサ信号とに基づいて
試験片に発生しているき裂長さaの現在値を求めるき裂
長さ導出部と、(リ)き裂長さaの現在値と前記荷重セ
ンサ信号とに基づいて試験片のき裂先端部に発生してい
る応力拡大係数Kの現在値を求める応力拡大係数導出部
と、(ヌ)き裂長さaの現在値の変化からき裂進展速度
(da/dN)を求めるき裂進展速度導出部と、(ル)
前記応力拡大係数導出部が求めた応力拡大係数Kの現在
値と、前記き裂進展速度導出部が求めたき裂進展速度
(da/dN)の値とを、試験データとしてサンプリン
グする、試験データサンプリング部と、(ヲ)試験片に
印加されている荷重、試験片に発生しているCOD、及
び試験片のき裂先端部に発生している応力拡大係数K
の、毎回の変動サイクルにおける夫々の最大値及び最小
値を検出する最大値/最小値検出部と、(ワ)検出され
た最大値及び最小値から、試験片に印加されている荷重
の毎回の変動サイクルにおける振幅、試験片に発生して
いるCODの毎回の変動サイクルにおける振幅、及び試
験片のき裂先端部に発生している応力拡大係数Kの毎回
の変動サイクルにおける振幅である応力拡大係数変動幅
ΔKを求める振幅導出部と、(カ)得られた荷重振幅、
COD振幅、及び応力拡大係数変動幅ΔKの値を、制御
モードの切換時にラッチすることのできる振幅ラッチ部
とを更に備え、(ヨ)前記目標値信号発生部制御手段
が、前記振幅ラッチ部にラッチされた振幅ないし応力拡
大係数変動幅の値を、制御モードの切換後の前記振幅目
標値として使用するようにしたことを特徴としている。
【0041】また、請求項24に記載した本発明の疲労
き裂進展試験のための材料試験機制御装置は、前記制御
モード選択部が、試験片に印加される荷重、試験片に発
生するCOD、及び試験片のき裂先端部に発生する応力
拡大係数Kのうちからいずれか1つを、その振幅を制御
対象とするところの物理量として選択することで、夫
々、荷重振幅制御モード、COD振幅制御モード、及び
応力拡大係数変動幅制御モードを選択できるようにした
ことを特徴としている。
【0042】また、請求項25に記載した本発明の疲労
き裂進展試験のための材料試験機制御装置は、前記荷重
振幅制御モード、前記COD振幅制御モード、及び前記
応力拡大係数変動幅制御モードのいずれにおいても、前
記目標値信号発生部制御手段が前記目標値信号発生部を
制御して前記目標値信号の振幅及び中心値を制御するこ
とで、試験片に印加される荷重の毎回の変動サイクルに
おける荷重最小値と荷重最大値との比が一定の目標値に
維持されるようにしたことを特徴としている。
【0043】また、請求項26に記載した本発明の疲労
き裂進展試験のための材料試験機制御装置は、前記制御
モード選択部が、試験片に印加される荷重を、その振幅
を制御対象とするところの物理量として選択すること
で、荷重振幅制御モードを選択できるようにしてあり、
前記荷重振幅制御モードにおいては、前記目標値信号発
生部制御手段が前記目標値信号発生部を制御して前記目
標値信号の振幅及び中心値を制御することで、試験片に
印加される荷重の毎回の変動サイクルにおける振幅が一
定の目標値に維持され、且つ、試験片に印加される荷重
の毎回の変動サイクルにおける荷重最小値と荷重最大値
との比が一定の目標値に維持されるようにしたことを特
徴としている。
【0044】また、請求項27に記載した本発明の疲労
き裂進展試験のための材料試験機制御装置は、前記荷重
振幅制御モードにおいては、き裂長さaが所定長さ進展
するごとに、前記試験データサンプリング部が試験デー
タをサンプリングすることを特徴としている。
【0045】また、請求項28に記載した本発明の疲労
き裂進展試験のための材料試験機制御装置は、前記制御
モード選択部が、試験片に発生するCODを、その振幅
を制御対象とするところの物理量として選択すること
で、COD振幅制御モードを選択できるようにしてあ
り、前記COD振幅制御モードにおいては、前記目標値
信号発生部制御手段が前記目標値信号発生部を制御して
前記目標値信号の振幅及び中心値を制御することで、試
験片に発生するCODの毎回の変動サイクルにおける振
幅が一定の目標値に維持され、且つ、試験片に印加され
る荷重の毎回の変動サイクルにおける荷重最小値と荷重
最大値との比が一定の目標値に維持されるようにしたこ
とを特徴としている。
【0046】また、請求項29に記載した本発明の疲労
き裂進展試験のための材料試験機制御装置は、前記CO
D振幅制御モードにおいては、所定回数の荷重印加サイ
クルが経過するごとに、前記試験データサンプリング部
が試験データをサンプリングすることを特徴としてい
る。
【0047】また、請求項30に記載した本発明の疲労
き裂進展試験のための材料試験機制御装置は、前記制御
モード選択部が、試験片のき裂先端部に発生する応力拡
大係数Kの振幅を、その振幅を制御対象とするところの
物理量として選択することで、応力拡大係数変動幅制御
モードを選択できるようにしてあり、前記応力拡大係数
変動幅制御モードにおいては、前記目標値信号発生部制
御手段が前記目標値信号発生部を制御して前記目標値信
号の振幅及び中心値を制御することで、試験片のき裂先
端部に発生する応力拡大係数Kの毎回の変動サイクルに
おける振幅である応力拡大係数変動幅ΔKが一定の目標
値に維持され、且つ、試験片に印加される荷重の毎回の
変動サイクルにおける荷重最小値と荷重最大値との比が
一定の目標値に維持されるようにしたことを特徴として
いる。
【0048】また、請求項31に記載した本発明の疲労
き裂進展試験のための材料試験機制御装置は、前記応力
拡大係数変動幅制御モードにおいては、前記目標値信号
発生部制御手段が該応力拡大係数変動幅ΔKの目標値を
所定増分だけ増大させたときから更にき裂長さaが所定
長さ進展した時点で、前記試験データサンプリング部が
試験データをサンプリングし、更に、試験データがサン
プリングされたならば、前記目標値信号発生部制御手段
が再び該応力拡大係数変動幅ΔKの目標値を前記所定増
分だけ増大させることを特徴としている。
【0049】また、請求項32に記載した本発明の疲労
き裂進展試験のための材料試験機制御装置は、前記フィ
ードバック信号選択部が、前記フィードバック信号とし
て前記荷重センサ信号を選択することを特徴としてい
る。
【0050】また、請求項33に記載した本発明の疲労
き裂進展試験のための材料試験機制御装置は、前記材料
試験機制御装置が、ディジタル信号処理装置と、このデ
ィジタル信号処理装置に接続したコンピュータシステム
とで構成されており、前記目標値信号発生部制御手段
と、前記制御モード選択部とが、前記コンピュータシス
テムにインストールされたプログラムによって構築され
ていることを特徴としている。
【0051】請求項1に記載した本発明の疲労き裂進展
試験のための材料試験機制御方法によれば、疲労き裂進
展試験の実行中に材料試験機を運転状態に維持したまま
でその制御モードを切換える際に、材料試験機のアクチ
ュエータ機構をフィードバック制御するためのフィード
バック信号及び目標値信号のうち、フィードバック信号
は切換えることなくそのまま維持し、目標値信号の方を
切換えるようにしている。従って、フィードバック信号
は、完全な連続性を維持することができる。更に、制御
モード切換直前に検出した、制御モード切換後に制御対
象とする物理量の振幅検出値を、制御モード切換後に当
該物理量の振幅目標値として使用して、目標値信号の振
幅をフィードバック制御するようにしたため、目標値信
号もまた、完全な連続性を維持することができる。この
ように、制御モードの切換に際してフィードバック信号
と目標値信号とが共に完全な連続性を維持することか
ら、材料試験機がショックを発生するおそれが完全に払
拭されている。
【0052】請求項2は、疲労き裂進展試験の特定の方
式を記載したものであり、ここに記載した方式の疲労き
裂進展試験は、本発明を適用することによって特に優れ
た効果が得られる。
【0053】請求項3は、材料試験機に装備する複数の
センサの特定の構成を記載したものであり、ここに記載
した構成の複数のセンサを備えた材料試験機は、本発明
の材料試験機制御方法を用いて制御するのに特に適して
いる。
【0054】請求項4は、荷重振幅制御モード、COD
振幅制御モード、及び応力拡大係数変動幅ΔK制御モー
ドの、3通りの制御モードを利用し得る本発明の疲労き
裂進展試験のための材料試験機制御方法を記載したもの
であり、これら3通りの制御モードを利用し得る材料試
験機制御方法は、様々な試験条件の疲労き裂進展試験に
好適に対応することが可能である。
【0055】請求項5に記載した、荷重の毎回の変動サ
イクルにおける荷重最小値と荷重最大値との比を一定の
目標値に維持する材料試験機制御方法は、コンパクト試
験片を使用して繰返引張荷重を印加する疲労き裂進展試
験に適した方法である。
【0056】請求項6は、本発明の疲労き裂進展試験の
ための材料試験機制御方法において、荷重振幅制御モー
ドからCOD振幅制御モードへの切換が可能であること
を明示したものであり、この制御モード切換は、多くの
疲労き裂進展試験において有用なものである。
【0057】請求項7に記載した本発明の疲労き裂進展
試験のための材料試験機制御方法によれば、請求項6に
記載した方法に関して、サンプリングした試験データの
データポイントを良好に分布させることが可能である。
【0058】請求項8は、本発明の疲労き裂進展試験の
ための材料試験機制御方法において、荷重振幅制御モー
ドから応力拡大係数変動幅制御モードへの切換が可能で
あることを明示したものであり、この制御モード切換
は、多くの疲労き裂進展試験において有用なものであ
る。
【0059】請求項9に記載した本発明の疲労き裂進展
試験のための材料試験機制御方法によれば、請求項8に
記載した方法に関して、サンプリングした試験データの
データポイントを良好に分布させることが可能である。
【0060】請求項10は、本発明の疲労き裂進展試験
のための材料試験機制御方法において、COD振幅制御
モードから荷重振幅制御モードへの切換が可能であるこ
とを明示したものであり、この制御モード切換は、多く
の疲労き裂進展試験において有用なものである。
【0061】請求項11に記載した本発明の疲労き裂進
展試験のための材料試験機制御方法によれば、請求項1
0に記載した方法に関して、サンプリングした試験デー
タのデータポイントを良好に分布させることが可能であ
る。
【0062】請求項12は、本発明の疲労き裂進展試験
のための材料試験機制御方法において、応力拡大係数変
動幅制御モードから荷重振幅制御モードへの切換が可能
であることを明示したものであり、この制御モード切換
は、多くの疲労き裂進展試験において有用なものであ
る。
【0063】請求項13に記載した本発明の疲労き裂進
展試験のための材料試験機制御方法によれば、請求項1
2に記載した方法に関して、サンプリングした試験デー
タのデータポイントを良好に分布させることが可能であ
る。
【0064】請求項14は、本発明の疲労き裂進展試験
のための材料試験機制御方法において、COD振幅制御
モードから応力拡大係数変動幅制御モードへの切換が可
能であることを明示したものであり、この制御モード切
換は、多くの疲労き裂進展試験において有用なものであ
る。
【0065】請求項15に記載した本発明の疲労き裂進
展試験のための材料試験機制御方法によれば、請求項1
4に記載した方法に関して、サンプリングした試験デー
タのデータポイントを良好に分布させることが可能であ
る。
【0066】請求項16は、本発明の疲労き裂進展試験
のための材料試験機制御方法において、応力拡大係数変
動幅制御モードからCOD振幅制御モードへの切換が可
能であることを明示したものであり、この制御モード切
換は、多くの疲労き裂進展試験において有用なものであ
る。
【0067】請求項17に記載した本発明の疲労き裂進
展試験のための材料試験機制御方法によれば、請求項1
6に記載した方法に関して、サンプリングした試験デー
タのデータポイントを良好に分布させることが可能であ
る。
【0068】請求項18に記載した、試験片に印加され
る荷重の毎回の変動サイクルにおける荷重最小値と荷重
最大値との比を一定の目標値に維持する材料試験機制御
方法は、コンパクト試験片を使用して繰返引張荷重を印
加する疲労き裂進展試験に適した制御方法である。
【0069】請求項19に記載したように、材料試験機
のアクチュエータ機構をフィードバック制御するための
フィードバック信号として、荷重センサ信号を使用する
ならば、その他のセンサ信号を使用した場合と比べて、
より滑らかな材料試験機制御動作が可能となる。
【0070】請求項20は、本発明の疲労き裂進展試験
のための材料試験機制御方法の更なる詳細を記載したも
のであり、ここに記載した材料試験機制御方法によれ
ば、疲労き裂進展試験を更に高い作業能率をもって実施
することが可能である。
【0071】請求項21に記載した本発明の疲労き裂進
展試験のための材料試験機制御装置を使用することで、
請求項1に記載した材料試験機制御方法を好適に実施す
ることができる。従って、疲労き裂進展試験の実行中に
材料試験機を運転状態に維持したままでその制御モード
を切換える際に、材料試験機のアクチュエータ機構をフ
ィードバック制御するためのフィードバック信号及び目
標値信号のうち、フィードバック信号は切換えることな
くそのまま維持し、目標値信号の方を切換えることがで
きる。これによって、フィードバック信号の、完全な連
続性を維持することができる。更に、制御モード切換直
前に検出した、制御モード切換後に制御対象とする物理
量の振幅検出値を、制御モード切換後に当該物理量の振
幅目標値として使用して、目標値信号の振幅をフィード
バック制御することができるため、目標値信号について
も、完全な連続性を維持することができる。このよう
に、制御モードの切換に際してフィードバック信号と目
標値信号とが共に完全な連続性を維持するようにできる
ことから、材料試験機がショックを発生するおそれを完
全に払拭することができる。
【0072】請求項22は、材料試験機に装備する複数
のセンサの特定の構成を記載したものであり、ここに記
載した構成の複数のセンサを備えた材料試験機は、本発
明の材料試験機制御装置を用いて制御するのに特に適し
ている。
【0073】請求項23は、本発明の疲労き裂進展試験
のための材料試験機制御装置の更なる詳細を記載したも
のであり、ここに記載した材料試験機制御装置を用いれ
ば、疲労き裂進展試験を更に高い作業能率をもって実施
することが可能である。
【0074】請求項24は、荷重振幅制御モード、CO
D振幅制御モード、及び応力拡大係数変動幅ΔK制御モ
ードの、3通りの制御モードを利用し得る本発明の疲労
き裂進展試験のための材料試験機制御装置を記載したも
のであり、これら3通りの制御モードを利用し得る材料
試験機制御装置は、様々な試験条件の疲労き裂進展試験
に好適に対応することが可能である。
【0075】請求項25に記載した、試験片に印加され
る荷重の毎回の変動サイクルにおける荷重最小値と荷重
最大値との比を一定の目標値に維持するように制御を行
える材料試験機制御装置は、コンパクト試験片を使用し
て繰返引張荷重を印加する疲労き裂進展試験に適した制
御装置である。
【0076】請求項26は、本発明の疲労き裂進展試験
のための材料試験機制御装置において荷重振幅制御モー
ドが利用可能であることを明示したものであり、この制
御モードは、多くの疲労き裂進展試験において有用なも
のである。
【0077】請求項27に記載した本発明のき裂進展試
験のための材料試験機制御装置によれば、請求項26に
記載した荷重振幅制御モードの実行時に、サンプリング
した試験データのデータポイントを良好に分布させるこ
とが可能である。
【0078】請求項28は、本発明の疲労き裂進展試験
のための材料試験機制御装置においてCOD振幅制御モ
ードが利用可能であることを明示したものであり、この
制御モードは、多くの疲労き裂進展試験において有用な
ものである。
【0079】請求項29に記載した本発明のき裂進展試
験のための材料試験機制御装置によれば、請求項28に
記載したCOD振幅制御モードの実行時に、サンプリン
グした試験データのデータポイントを良好に分布させる
ことが可能である。
【0080】請求項30は、本発明の疲労き裂進展試験
のための材料試験機制御装置において応力拡大係数変動
幅制御モードが利用可能であることを明示したものであ
り、この制御モードは、多くの疲労き裂進展試験におい
て有用なものである。
【0081】請求項31に記載した本発明のき裂進展試
験のための材料試験機制御装置によれば、請求項30に
記載した荷重振幅制御モードの実行時に、サンプリング
した試験データのデータポイントを良好に分布させるこ
とが可能である。
【0082】請求項32に記載したように、材料試験機
のアクチュエータ機構をフィードバック制御するための
フィードバック信号として、荷重センサ信号を使用する
ならば、その他のセンサ信号を使用した場合と比べて、
より滑らかな材料試験機制御動作が可能となる。
【0083】請求項33に記載した本発明の疲労き裂進
展試験のための材料試験機制御装置によれば、制御モー
ドの追加ないし変更を、ホストコンピュータにインスト
ールするプログラムの書き換えだけで容易に実施するこ
とが可能である。
【0084】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して本発明
の好適な実施の形態について説明して行く。図1は本発
明の好適な実施の形態にかかる制御装置を接続した材料
試験機の具体例を示した模式図、図2は図1には1個の
ブロックで示した制御装置を更に詳細に示したブロック
図、図3は図2の制御装置のホストコンピュータが実行
する機能を説明するための機能ブロック図である。
【0085】図1において、材料試験機10には試験片
TPが装着されており、図示した試験片TPは、いわゆ
るコンパクト試験片である。この材料試験機10を運転
して試験片TPに繰返荷重を印加することで、疲労き裂
進展試験を実行することができる。また、材料試験機1
0には制御装置30が接続されており、この制御装置3
0には、後に詳述するように、疲労き裂進展試験を実行
するためのプログラムがインストールされている。
【0086】材料試験機10は、フレーム12と、この
フレーム12に取付けられた油圧アクチュエータ機構1
4とを備えている。材料試験機10は更に、上下方向に
移動可能にフレーム12に支持された上側取付部材16
及び下側取付部材18を備えており、これら取付部材1
6、18に、夫々、試験片TPの上部と下部とが連結さ
れる。
【0087】上側取付部材16は、試験開始前に上下方
向に位置決めされて固定され、試験実行中は固定状態で
保持されている。一方、下側取付部材18は、試験実行
中は油圧アクチュエータ機構14によって上下方向に駆
動される。制御装置30は、この油圧アクチュエータ機
構14を制御することで、試験片TPに所望の荷重や変
位を印加することができる。
【0088】上側取付部材16は、荷重検出センサであ
るロードセル20を介してフレーム12に固定できるよ
うにしてある。ロードセル20は、材料試験機10から
試験片TPに印加される荷重を検出してその検出した荷
重を表す荷重センサ信号を送出する。この荷重センサ信
号は制御装置30へ供給されている。
【0089】下側取付部材18には変位センサ22が付
設されている。変位センサ22は、下側取付部材18の
(従って、油圧アクチュエータ機構14のピストンの)
上下方向の変位を検出してその検出した変位を表す変位
センサ信号を送出する。この変位センサ信号は制御装置
30へ供給されている。
【0090】疲労き裂進展試験を実行する際には、2本
の計測アームを有するき裂開口変位センサ(CODセン
サ)24を、試験片TPの開口部に装着する。CODセ
ンサ24は、試験片のき裂開口変位(COD)を検出し
てその検出したCODを表すCODセンサ信号を送出す
る。このCODセンサ信号は制御装置30へ供給されて
いる。CODセンサ24は、材料試験機10の本体とは
別体に形成されたデバイスであるが、機能的には材料試
験機10一部を構成するものである。
【0091】油圧アクチュエータ機構14はサーボ弁2
6を備えており、このサーボ弁26は不図示の油圧回路
に接続されている。制御装置30がサーボ弁26へ供給
する電気信号のアクチュエータ制御信号によって、この
サーボ弁26の動作が制御され、そして、このサーボ弁
26の動作方向及び開度に従って、油圧アクチュエータ
機構14が駆動される。
【0092】図2は制御装置30の構成を詳細に示した
ブロック図である。制御装置30はディジタル信号処理
装置(DSP)32と、このDSP32に接続したホス
トコンピュータ34とで構成されている。DSP32
は、CPU、RAM、ROM、それにシフトレジスタや
積和演算器等を組合せた一般的な構成のものである。た
だし、本発明にとっては、DSP32の具体的な構成よ
りもその機能の方が重要であるため、図2には、DSP
32の全体機能を、幾つかの機能要素を組合せたブロッ
ク図の形で示した。それら機能要素で示された個々の機
能を実現するために、ハードウェアを具体的にどのよう
に構成し、またプログラムを具体的にどのように作成す
ればよいかは、当業者には自明のことであるため、それ
らについての説明は省略する。
【0093】制御装置30は、材料試験機10をフィー
ドバック制御するように構成されている。フィードバッ
ク信号としては、荷重センサ信号、CODセンサ信号、
変位センサ信号のうちの1つを選択して使用することが
できる構成となっているが、ただし、ここに説明する本
発明の好適な実施の形態にかかる疲労き裂進展試験のた
めの材料試験機制御方法においては、荷重センサ信号だ
けをフィードバック信号として使用し、他の2つの信号
はフィードバック信号として使用しない。原理的には、
CODセンサ信号や、変位センサ信号をフィードバック
信号として使用することが不可能ではないが、荷重セン
サ信号を使用することによって、最も容易に滑らかな制
御動作を達成することができる。
【0094】DSP32は、荷重センサ信号、CODセ
ンサ信号、それに変位センサ信号の夫々をアナログ電気
信号からディジタル電気信号へ変換するためのA/Dコ
ンバータ36a、36b、36cを備えている。以下の
説明では、ディジタル化した荷重センサ信号を「LOA
D信号」、ディジタル化したCODセンサ信号を「CO
D信号」、そして、ディジタル化した変位センサ信号を
「DISP信号」と呼ぶことにする。
【0095】LOAD信号、COD信号、及びDISP
信号は、セレクタ(S/L)38に入力しており、この
セレクタ38において、それら信号のうちの1つがフィ
ードバック信号FBとして選択される。本発明の実施の
形態にかかる疲労き裂進展試験のための材料試験機制御
方法では、疲労き裂進展試験が開始してから終了するま
で、常に、LOAD信号をフィードバック信号FBとし
て選択しており、制御モードの切換に際しても、その選
択を変更することはない。
【0096】この点に関して、従来の疲労き裂進展試験
のための材料試験機制御方法では、制御モードの切換に
際してフィードバック信号の選択を切換えていたため、
材料試験機がショックを発生して、試験の中止を余儀な
くされることが多々あった。本発明によれば、試験中の
フィードバック信号の切換そのものを排除したため、か
かる事態に陥るおそれが完全に払拭されている。
【0097】尚、制御モードの切換に際して、フィード
バック信号FBの切換を行わないことは、本発明の重要
な局面であるが、そのフィードバック信号FBを、LO
AD信号以外の、その他のセンサ信号とすることも不可
能ではない。ただし、様々なセンサ信号のうちでも、荷
重センサ信号(LOAD信号)は、その他のセンサ信号
と比べて安定性に優れているため、LOAD信号をフィ
ードバック信号FBとして使用するのが好ましいことが
多い。
【0098】DSP32は更に、目標値信号発生部40
と、比較部42と、アクチュエータ制御信号発生部44
と、D/Aコンバータ46とを備えており、これらは材
料試験機10をフィードバック制御するための、フィー
ドバックループの一部を構成している。目標値信号発生
部40が発生する目標値信号DSが、比較部42におい
て、フィードバック信号FBと比較され、両者の差分が
誤差信号ERとして発生される。この誤差信号ERに基
づいて、アクチュエータ制御信号が生成され、それによ
ってフィードバック制御が行われる。
【0099】目標値信号発生部40は、振幅及び中心値
が制御可能な周期信号を目標値信号DSとして発生し得
るように構成されている。目標値信号DSの振幅及び中
心値は、ホストコンピュータ34にインストールされて
いるプログラムに従ってホストコンピュータ34から目
標値信号発生部40へ供給される制御信号によって、制
御されるようにしてある。目標値信号DSは、例えば、
正弦波信号、三角波信号、ないしはそれらに類似した形
状の周期信号として発生される、ディジタル信号であ
る。この周期信号の形状も、ホストコンピュータ34か
ら供給される制御信号によって設定される。
【0100】比較部42は、いずれもディジタル信号で
あるフィードバック信号FBと目標値信号DSとの差分
を算出し、その算出した差分を誤差信号ERとして出力
するものである。この比較部42は、反転器と加算器と
を組合せてハードウェアで構成することもでき、また、
DSP32のCPUに必要な演算処理を行わせることで
ソフトウェアによって実現することもできる。
【0101】アクチュエータ制御信号発生部44は、誤
差信号ERに基づいて、材料試験機10をフィードバッ
ク制御するためのアクチュエータ制御信号CSを、ディ
ジタル信号として発生させるものである。このフィード
バック制御を、比例制御として実行する場合には、誤差
信号ERに適当なゲインを乗じた値を、アクチュエータ
制御信号CSとして出力する構成とすればよい。また、
このフィードバック制御を、比例・積分・微分制御(P
ID制御)として実行する場合には、誤差信号ERに適
当なゲインを乗じた値に更に、誤差信号ERの変化率に
適当な係数を乗じた値や、誤差信号ERのそれまでの累
積値に適当な係数を乗じた値を加算した合計値を、アク
チュエータ制御信号CSとして出力する構成とすればよ
い。これらの制御方式は、ホストコンピュータ34から
設定することができ、材料試験機10の特性に応じて設
定される。
【0102】A/Dコンバータ46は、以上のようにし
て発生されたディジタル信号のアクチュエータ制御信号
CSを、サーボ弁26のソレノイドを制御するためのア
ナログ制御信号に変換するためのものである。以上に説
明した構成要素によって、材料試験機10をフィードバ
ック制御するための、フィードバック制御手段が構成さ
れている。
【0103】目標値信号算出部40は、参照番号70、
72、74、76、78、及び80を付した6個の機能
要素で構成されている。ただし、それら機能要素につい
て説明する前に、図2及び図3を参照して、ホストコン
ピュータ34の機能について先に説明する。
【0104】ホストコンピュータ34は、図2に示すよ
うに、DSP32から、DISP信号、COD信号、及
びLOAD信号を受取っており、それら信号に基づい
て、試験片TPのき裂長さa、き裂進展速度(da/d
N)、き裂先端部に発生している応力拡大係数K、それ
に応力拡大係数変動幅ΔKをはじめとする、様々な値を
算出する。
【0105】更に、ホストコンピュータ34は、疲労き
裂進展試験の実行中には互いに同じ周期をもって変動し
ている応力拡大係数K、DISP信号、COD信号、及
びLOAD信号の、夫々の値の、毎回の変動サイクルに
おける最大値及び最小値を検出している。ホストコンピ
ュータ34は、それら最大値及び最小値から、応力拡大
係数Kの振幅(即ち、変動幅ΔK)、荷重の振幅、CO
Dの振幅、荷重の最小値と最大値との比を求め、それら
の値に基づいて、DSP32を制御するための様々な制
御信号を発生する。
【0106】更に、ホストコンピュータ34は、疲労き
裂進展試験において収集すべき様々な試験データをサン
プリングする機能も果たしている。ただし、以上に列挙
したホストコンピュータ34の機能のうちには、DSP
32に担当させることができる機能も含まれており、以
上の機能の全てをホストコンピュータ34が担うこと
が、必ずしも要求されている訳ではない。
【0107】以上に列挙したホストコンピュータ34の
様々な機能は、このホストコンピュータ34にインスト
ールした疲労き裂進展試験のための制御プログラムによ
って実現されている。この制御プログラムが実現してい
る機能をブロック図の形で描いたのが図3である。この
図3において、個々のブロックは1つの機能単位を表し
ており、ブロックどうしを結合している矢印を付した線
は、DISP信号、COD信号、LOAD信号等の信号
値や、様々な算出値及び制御信号値が、どのブロックで
生成され、どのブロックで読取られるかを表している。
ブロック間の制御は、制御する側のブロックが制御信号
値を生成し、制御される側のブロックがそれを読取るこ
とで行われるが、ただし以下の説明では、簡明を旨とし
て、制御する側のブロックが、制御される側のブロック
に指令を発するという表現を使用する。
【0108】これより、ホストコンピュータ34の個々
の機能ブロックについて、図3を参照して更に詳しく説
明して行く。
【0109】き裂長さa算出部50は、疲労き裂進展試
験の実行中に、試験片TPに発生しているき裂長さ(図
1にaで示した)の現在値を求めるものであり、これは
所定の周期で、或いは必要に応じて行われ、その際に
は、試験片TPへの繰返荷重の印加が一時的に中断され
て、そこに、コンプライアンス法によるき裂長さ検出の
ための制御シーケンスが挿入される。
【0110】このき裂長さ検出のための制御シーケンス
においても、繰返荷重を印加しているときと同様に、フ
ィードバック信号FDとして、セレクタ38でLOAD
信号を選択して使用するようにしている。従って、この
制御シーケンスの開始時及び終了時にフィードバック信
号FBの選択を切換える必要がなく、その切換によって
材料試験機10がショックを発生するおそれがない。
【0111】周知のごとく、コンプライアンス法による
き裂長さ検出を行う際には、試験片TPに対する除荷ス
テップ及び再荷重ステップを含む制御シーケンスを実行
する必要がある。そのために、き裂長さa算出部50
は、図3にC1、C2、C3で示したように、目標値信
号発生部40へ適当な制御信号を送出することで目標値
信号DSを制御し、それによって油圧アクチュエータ機
構14を駆動して、必要な除荷ステップ及び再荷重ステ
ップを実行するようにしている。そして、この制御シー
ケンスの実行中に読取ったCOD信号及びLOAD信号
の値から、計算によってき裂長さaを求めている。
【0112】応力拡大係数K算出部52は、き裂長さa
の現在値とLOAD信号とを読取っており、それらの値
に基づいて、試験片TPのき裂先端部に発生している応
力拡大係数Kの現在値を求めている。図1に示したよう
にコンパクト試験片TPを使用して、これに材料試験機
10から引張荷重を印加するようにした疲労き裂進展試
験では、試験片TPのき裂先端部の応力拡大係数Kは、
いわゆるIモードの応力拡大係数となる。そのため、応
力拡大係数K算出部52は、公知のIモード応力拡大係
数算出式に従って、き裂長さaの値と、LOAD信号の
値(この値は、試験片TPに印加されている荷重を表し
ている)とから、応力拡大係数Kの現在値を算出してい
る。
【0113】き裂進展速度(da/dN)算出部54
は、き裂長さaの現在値を読取っており、このき裂長さ
aの現在値の変化から、き裂進展速度(da/dN)を
求めている。き裂進展速度(da/dN)は、荷重の変
動サイクルの1サイクルあたりの、き裂長さaの進展量
を表す値であり、き裂長さa算出部50から新たなき裂
長さaの現在値が送出されるたびに、それに基づいて算
出される。
【0114】最大値/最小値検出部56は、LOAD信
号、COD信号、DISP信号、及び応力拡大係数Kの
現在値を読取っている。これらの値は、疲労き裂進展試
験の実行中は互いに同一の周期で変動している。最大値
/最小値検出部56は、それら値の、変動の上下のピー
クを検出することで、試験片TPに印加されている荷
重、試験片に発生しているCOD、及び試験片のき裂先
端部に発生している応力拡大係数Kの、毎回の変動サイ
クルにおける夫々の最大値及び最小値を検出している。
尚、DISP信号についても、毎回の変動サイクルにお
ける最大値及び最小値が検出されているが、ここに説明
する本発明の実施の形態にかかる材料試験機制御方法で
はDISP信号の最大値及び最小値は利用されないた
め、以下の説明では、DISP信号については言及しな
い。
【0115】振幅算出部57は、最大値/最小値検出部
56から、試験片に印加されている荷重、試験片TPに
発生しているCOD、及び試験片のき裂先端部に発生し
ている応力拡大係数Kの、夫々の毎回の変動サイクルに
おける最大値及び最小値を読取っている。そして、夫々
の最大値と最小値との差分を求めることで、試験片に印
加されている荷重の毎回の変動サイクルにおける振幅Δ
F、試験片に発生しているCODの毎回の変動サイクル
における振幅ΔCOD、それに、試験片のき裂先端部に
発生している応力拡大係数Kの毎回の変動サイクルにお
ける振幅である応力拡大係数変動幅ΔK)を求めてい
る。従って、これら3つの振幅値ΔF、ΔCOD、及び
ΔKは、毎回の変動サイクルごとに算出される。
【0116】振幅ラッチ部58は、それら3つの振幅値
ΔF、ΔCOD、及びΔKを、制御モードの切換時にラ
ッチすることができ、このラッチ動作は、制御モード選
択部60からの指令に従って実行される。更に、振幅ラ
ッチ部58には、制御モード選択部60から、所望の大
きさの振幅値ΔF、ΔCOD、ΔKを格納することもで
き、この振幅ラッチ部58にラッチされ、ないしは制御
モード選択部60からこの振幅ラッチ部58に格納され
た振幅値ΔF、ΔCOD、ΔKは、DSP制御信号発生
部66によって読出され、荷重F、COD、応力拡大係
数Kの振幅をフィードバック制御するための目標振幅値
として使用される。
【0117】R算出部62は、最大値/最小値検出部5
6から、試験片に印加されている荷重の毎回の変動サイ
クルにおける最大値Fmax及び最小値Fminを読取
っている。そして、それら値の比R(=Fmin/Fm
ax)を、毎回の変動サイクルごとに算出している。
【0118】初期値設定部64には、制御モード選択部
60から、疲労き裂進展試験の実行に先立って設定され
る様々な制御パラメータが格納され、それら制御パラメ
ータは必要に応じてDSP制御信号発生部66によって
読出される。
【0119】DSP制御信号発生部66は、最大値/最
小値検出部56からは、検出された最大値及び最小値の
現在値を読取り、振幅算出部57からは、算出された振
幅値の現在値を読取る。また、制御モード選択部60か
らの指令に従って、振幅ラッチ部58からは、その振幅
を制御すべき物理量の目標振幅値を読取り、初期値設定
部64からは、必要な制御パラメータを読取る。そし
て、それら読取った値に基づいて、DSP32を制御す
るための様々な制御信号を発生する。
【0120】DSP制御信号発生部66が発生する制御
信号には、周期的関数信号である目標値信号DSの関数
形状及び周期を設定するための制御信号、同じく振幅を
制御するための制御信号、同じく中心値を制御するため
の制御信号(これらは夫々、図に接続記号C1〜C3で
示したように、目標値信号発生部40へ送出されてい
る)、セレクタ38にフィードバック信号FBを選択さ
せるための制御信号、それに、アクチュエータ制御信号
発生部44の特性を設定するため制御信号が含まれてい
る(これら制御信号の経路を、図に接続記号C4及びC
5で示した)。
【0121】材料試験機10の制御モードについては後
に詳述することとし、ここではその種類だけを述べてお
く。制御装置30は、材料試験機10を3通りの制御モ
ードで制御することができ、それらは、試験片TPのき
裂先端部に発生する応力拡大係数Kの振幅である応力拡
大係数変動幅ΔKを一定の目標値に制御する応力拡大係
数変動幅制御モード、試験片TPに印加される荷重Fの
振幅を一定の目標値に制御する荷重振幅制御モード、そ
れに、試験片TPに発生するCODの振幅を一定の目標
値に制御するCOD振幅制御モードである。
【0122】これら制御モードに関して、制御モード選
択部60は、振幅ラッチ部58、初期値設定部64、及
びDSP制御信号発生部66の夫々に指令を発すること
で、実際に用いる制御モードを設定し、或いは、疲労き
裂進展試験の実行中に制御モードの切換を行う。また、
DSP制御信号発生部66は、その制御モードを実現す
るために、周期関数信号である目標値信号DSの振幅及
び中心値を制御するための制御信号を発生する。
【0123】試験データサンプリング部68は、応力拡
大係数変動幅ΔK、応力拡大係数K、き裂進展速度(d
a/dN)、き裂長さa、DISP信号、COD信号、
及びLOAD信号の、夫々の値を読取ってサンプリング
することができ、必要とされる試験データをサンプリン
グする機能を果たすものである。尚、疲労き裂進展試験
に関して必要とされる試験データは、応力拡大係数変動
幅ΔKの値と、き裂進展速度(da/dN)の値であ
る。尚、図示例では、制御モードによって、サンプリン
グのタイミングを適切に定めるようにしており、それに
ついては制御モードについて詳述する際に併せて説明す
る。
【0124】次に再び図2を参照して、DSP制御信号
発生部66から送出される制御信号によって制御される
目標値信号発生部40の構成について更に説明する。既
述のごとく、目標値信号発生部40は、振幅及び中心値
が制御可能な周期信号を目標値信号DSとして発生する
機能を有するものである。そのために、図2に示したよ
うに、目標値信号発生部40は、関数信号発生部70、
関数形状/周期設定部72、可変利得増幅部74、利得
設定部76、加算部78、それに、オフセット設定部8
0を含んでいる。
【0125】関数信号発生部70は、例えば、正弦波関
数、三角波関数、またはそれらに類似した、材料試験の
目的に合った適切な形状の周期的関数をディジタル信号
として発生する。また、関数形状/周期設定部72は、
DSP制御信号発生部60から供給される制御信号に従
って、関数信号発生部70に発生させる周期的関数の関
数形状及び周期を設定する。関数信号発生部70が発生
する周期関数は、その中心値がゼロであり、その振幅が
一定の基準振幅となっている。
【0126】可変利得増幅部74は、関数信号発生部7
0が発生する関数信号を増幅して、その振幅を所望の振
幅に制御する。また、利得設定部76は、DSP制御信
号発生部60から供給される制御信号に従って、可変利
得増幅部74の利得を設定する。従って、可変利得増幅
部74と利得設定部76とは、目標値信号DSの振幅を
制御する振幅制御手段を構成している。
【0127】加算部78は、可変利得増幅部74から送
出される増幅された関数信号に所望の大きさのオフセッ
トを加算することで、その信号の中心値を所望の値に設
定する。また、オフセット設定部80は、DSP制御信
号発生部60から供給される制御信号に従って、加算部
78が導入するオフセット量を設定する。従って、加算
部78とオフセット設定部80とは、目標値信号DSの
中心値を制御する中心値制御手段を構成している。そし
て、この加算部78から出力される信号が、目標値信号
DSである。
【0128】以上の説明から明らかなように、DSP制
御信号発生部60が発生する制御信号によって、目標値
信号DSのの振幅及び中心値を制御することができる。
そして、その制御の仕方によって、先に列挙した3通り
の制御モードのうちから選択した制御モードで材料試験
機10を制御することができる。
【0129】尚、DSP制御信号発生部60は更に、セ
レクタ38を制御するための制御信号と、サーボ弁制御
信号発生部44を設定するための制御信号とを発生する
が、本発明にかかる疲労き裂進展試験のための材料試験
機制御方法では、疲労き裂進展試験の実行中にはセレク
タ38の選択の切換は行わず、常にLOAD信号がフィ
ードバック信号FBとして選択されている。サーボ弁制
御信号発生部44の設定変更も行わず、それによって、
試験片TPにショックが加わるおそれが払拭されてい
る。
【0130】以上に説明した制御装置30を使用して、
疲労き裂進展試験を実施することができる。実施するこ
とのできる疲労き裂進展試験は、例えば、材料試験機1
0を用いて試験片TPに繰返荷重を印加することで試験
片TPのき裂先端の応力拡大係数Kを繰返変動させつつ
試験片TPのき裂を進展させ、その際に、き裂先端の応
力拡大係数Kの変動幅である応力拡大係数変動幅ΔK
と、繰返荷重のサイクル数Nに対する試験片のき裂長さ
aの進展速度であるき裂進展速度(da/dN)とを試
験データとしてサンプリングする試験である。
【0131】そして、このような疲労き裂進展試験を実
施する際に、制御装置30を使用することによって、先
に列挙した、応力拡大係数変動幅制御モード、荷重振幅
制御モード、それにCOD振幅制御モードで材料試験機
10を制御することができ、以下にこれら制御モードに
ついて更に詳しく説明して行く。
【0132】応力拡大係数変動幅制御モードは、既述の
ごとく、試験片TPのき裂先端部に発生する応力拡大係
数Kの振幅である応力拡大係数変動幅ΔKを制御対象と
する制御モードである。疲労き裂進展試験の実行中は、
試験片TPに所定の周期で繰返荷重が印加されているた
め、その試験片TPのき裂先端部の応力拡大係数Kもそ
の周期をもって反復して変動している。応力拡大係数変
動幅制御モードにおいては、この応力拡大係数Kの毎回
の変動サイクルにおける振幅を一定の目標値に維持する
ように制御を行い、また、その目標値を必要に応じて段
階的に変化させる。
【0133】ここで、目標値を段階的に変化させるの
は、例えば、サンプリングする試験データのデータポイ
ントの位置を、応力拡大係数変動幅ΔKに関して所定の
位置に取りたい場合である。また特に、応力拡大係数変
動幅ΔKの所定間隔ごとにデータポイントを取りたいと
きには、その目標値を所定増分ずつ段階的に変化させる
ようにすればよい。
【0134】応力拡大係数変動幅ΔKをこのように制御
するために、DSP制御信号発生部66は、振幅ラッチ
部58から応力拡大係数変動幅ΔKの値を読取って、そ
れを応力拡大係数変動幅ΔKの制御のための目標値(即
ち、応力拡大係数Kの振幅目標値)として使用し、ま
た、振幅算出部57から送出される応力拡大係数変動幅
ΔKの現在値(即ち、応力拡大係数Kの振幅検出値)を
読取って、それをフィードバック値として使用する。そ
して、それら振幅目標値及びフィードバック値に基づい
て目標値信号DSの振幅を制御することで、応力拡大係
数変動幅ΔKをフィードバック制御する。
【0135】更に、DSP制御信号発生部66は、初期
値設定部64に格納されている比R(=Fmin/Fm
ax)の設定値を読取ってそれを制御目標値として使用
し、また、R算出部62から送出される比Rの現在値を
読取ってそれをフィードバック値として使用する。そし
て、それら制御目標値及びフィードバック値に基づいて
目標値信号DSの中心値をフィードバック制御すること
で比Rの値を一定に維持する制御を併せて実行する。
【0136】この制御によって、試験片に印加される荷
重の、毎回の変動サイクルにおける最大値Fmaxと最
小値Fminとの比Rが、初期値設定部64に格納され
ている設定値に等しくなるように維持される。ただし、
このように比Rの値を一定に維持するのは、図1に示し
たように、コンパクト試験片を使用してそれに引張荷重
を繰返印加するという試験方式を採用しているために必
要とされていることであって、応力拡大係数変動幅制御
モードにだけ必要なことではなく、荷重振幅制御モード
でも、またCOD振幅制御モードでも同様に実行される
ものである。
【0137】また、本発明の材料試験機製御装置及び材
料試験機制御方法は、コンパクト試験片以外のその他の
試験片を使用した、様々な荷重印加方式の疲労き裂進展
試験にも適用可能であり、そのような試験のうちには、
比Rの値を一定に維持する必要がないものもある。従っ
て、本発明の実施の形態のうちには、比Rの値の制御を
行わないものも含まれる。
【0138】荷重振幅制御モードは、既述のごとく、試
験片TPに印加される荷重Fの振幅ΔFを制御対象とす
る制御モードである。疲労き裂進展試験の実行中は、試
験片TPに所定の周期で繰返荷重が印加されており、従
って、荷重Fはその周期をもって反復して変動してい
る。荷重振幅制御モードにおいては、この荷重Fの毎回
の変動サイクルにおける振幅ΔFを一定の目標値に維持
するように制御を行う。
【0139】荷重振幅ΔFをこのように制御するため
に、DSP制御信号発生部66は、振幅ラッチ部58か
ら荷重振幅ΔFの値を読取って、それを荷重振幅ΔFの
制御のための目標値(即ち、荷重Fの振幅目標値)とし
て使用し、また、振幅算出部57から送出される荷重振
幅ΔFの現在値(即ち、荷重Fの振幅検出値)を読取っ
て、それをフィードバック値として使用する。そして、
それら振幅目標値及びフィードバック値に基づいて目標
値信号DSの振幅を制御することで、荷重振幅ΔFをフ
ィードバック制御する。更に、上で述べたように、この
荷重振幅制御モードにおいても、DSP制御信号発生部
66は、目標値信号DSの中心値をフィードバック制御
することで比Rの値を一定に維持する制御を併せて実行
する。
【0140】COD振幅制御モードは、既述のごとく、
試験片TPに発生するき裂開口変位CODの振幅ΔCO
Dを制御対象とする制御モードである。疲労き裂進展試
験の実行中は、試験片TPに所定の周期で繰返荷重が印
加されているため、その試験片TPのCODもその周期
をもって反復して変動している。COD振幅制御モード
においては、このCODの毎回の変動サイクルにおける
振幅ΔCODを一定の目標値に維持するように制御を行
う。
【0141】COD振幅ΔCODをこのように制御する
ために、DSP制御信号発生部66は、振幅ラッチ部5
8からCOD振幅ΔCODの値を読取って、それをCO
D振幅ΔCODの制御のための目標値(即ち、CODの
振幅目標値)として使用し、また、振幅算出部57から
送出されるCOD振幅ΔCODの現在値(即ち、COD
の振幅検出値)を読取って、それをフィードバック値と
して使用する。そして、それら振幅目標値及びフィード
バック値に基づいて目標値信号DSの振幅を制御するこ
とで、COD振幅ΔCODをフィードバック制御する。
更に、上で述べたように、このCOD振幅制御モードに
おいても、DSP制御信号発生部66は、目標値信号D
Sの中心値をフィードバック制御することで比Rの値を
一定に維持する制御を併せて実行する。
【0142】以上の説明から明らかなように、3つの制
御モードは夫々、応力拡大係数変動幅ΔK、荷重振幅Δ
F、及びCOD振幅ΔCODというように、各々が異な
った物理量の振幅を制御対象としているが、その制御の
仕方は基本的に同一である。それゆえ制御モードの切換
は、その振幅を制御対象とするところの物理量を切換え
ることによって行われる。この物理量の切換について以
下に説明する。尚、叙述を一般化するために、以下の説
明においては、第1物理量の振幅を制御対象とする第1
制御モードから、第2物理量の振幅を制御対象とする第
2制御モードへの制御モード切換が行われるものとして
説明する。いうまでもなく、それら第1物理量及び第2
物理量は、応力拡大係数K、荷重F、それにCODのい
ずれかである。
【0143】材料試験機10の制御モードが、第1制御
モードにあるときには、DSP制御信号発生部66は、
振幅ラッチ部58にラッチされ、または格納されている
第1物理量の振幅値(ΔK、ΔF、またはΔCOD)を
振幅目標値として使用すると共に、振幅算出部57から
供給される3通りの振幅検出値のうちの、第1物理量の
振幅検出値をフィードバック値として使用し、それら振
幅目標値と振幅検出値とに基づいて、目標値信号DSの
振幅を制御する制御信号を発生している。
【0144】この場合、目標値信号DSの振幅を制御す
る制御信号を発生するために使用している振幅目標値と
フィードバック値(振幅検出値)との両方が、第1物理
量の振幅についての値であるため、第1物理量の振幅が
フィードバック制御されており、従って、材料試験機1
0の制御モードは、第1制御モードとなっている。
【0145】この材料試験機10の制御モードを第2制
御モードへ切換える際には、制御モード選択部64が振
幅ラッチ部58へ指令を発して、最新に検出された第2
物理量の振幅検出値を振幅ラッチ部58にラッチさせ
る。即ち、第2制御モードが応力拡大係数変動幅制御モ
ードである場合には、制御モードの切換直前に検出され
た応力拡大係数変動幅ΔKの検出値をラッチさせる。ま
た、荷重振幅制御モードへ切換える場合には、その切換
の直前に検出された荷重振幅ΔFの検出値をラッチさ
せ、COD振幅制御へ切換える場合には、その切換の直
前に検出されたCOD振幅ΔCODの検出値をラッチさ
せる。
【0146】制御モード選択部64は更に、DSP制御
信号発生部66へ指令を発して、振幅ラッチ部58にラ
ッチさせた第2物理量の振幅値(ΔK、ΔF、またはΔ
COD)を、制御モードの切換後に振幅目標値として使
用させると共に、振幅算出部57から供給される3通り
の振幅検出値のうちの、第2物理量の振幅検出値をフィ
ードバック値として使用させ、それら振幅目標値と振幅
検出値とに基づいて、目標値信号DSの振幅を制御する
ための制御信号を発生させるようにする。
【0147】これによって、目標値信号DSの振幅を制
御する制御信号を発生するために使用する振幅目標値と
フィードバック値(振幅検出値)との両方が、第1物理
量の振幅についての値から、第2物理量の振幅について
の値に切換わるため、第2物理量の振幅がフィードバッ
ク制御されるようになり、従って、材料試験機10の制
御モードが、第1制御モードから第2制御モードへ切換
わる。
【0148】この切換方法によれば、制御モードの切換
前に検出された第2物理量の振幅検出値が、制御モード
の切換後に第2物理量の振幅目標値として使用されるた
め、制御モードの切換時に、目標値信号DSの振幅に変
動が生じるおそれがなく、制御モードの切換前後におけ
る目標値信号DSの振幅の連続性が維持される。
【0149】これに加えて、上述したように、この具体
的な疲労き裂進展試験においては、試験の実行中は、比
R(=Fmin/Fmax)の値を一定に維持するため
の制御が常に実行されており、この制御は、目標値信号
DSの中心値を制御することでなされている。そのた
め、目標値信号DSの中心値も、制御モードの切換時に
変動を生じるおそれがなく、制御モードの切換前後にお
ける目標値信号DSの中心値の連続性が維持される。
【0150】従ってここでは、疲労き裂進展試験の実行
中に材料試験機10を運転状態に維持したままで、材料
試験機10の制御モードを、第1物理量の振幅を制御対
象とする第1制御モードから第2物理量の振幅を制御対
象とする第2制御モードへと切換える際に、DSP制御
信号発生部66が、第1制御モードの終了時の第1物理
量の振幅検出値を、第2制御モードの開始時の第2物理
量の振幅目標として使用するようにしており、更に、そ
の制御モードの切換時には、材料試験機10のアクチュ
エータ機構14を制御するためのフィードバック信号の
選択は変更されておらず、その切換の前後で一貫してL
OAD信号が使用されている。
【0151】これによって、制御モードの切換時に、材
料試験機10がショックを発生することが完全に防止さ
れており、そのショックによって試験片TPのき裂先端
部が損傷するおそれが完全に払拭されている。
【0152】図4、図5、及び図6は、夫々、応力拡大
係数変動幅制御モード、荷重振幅制御モード、それにC
OD振幅制御モードで材料試験機10を制御するとき
の、荷重Fをはじめとする主要な物理量の変化の具体例
を示した波形図であり、それらについて以下に説明す
る。
【0153】図4〜図6のいずれの具体例においても、
疲労き裂進展試験の制御シーケンスを導入部分では、試
験片にき裂を発生させるために、比較的小さな荷重振幅
ΔFを設定して荷重振幅制御モードで材料試験機10を
運転している。小さな荷重振幅ΔFを用いるのは、毎回
の変動サイクルにおける荷重最大値Fmaxが大きすぎ
ると、き裂先端部に大きな塑性変形が発生して、き裂進
展が停留してしまうおそれがあるからである。Fmax
に対するFminの比Rの値が予め設定されているた
め、荷重振幅ΔFを小さく抑えれば、Fmaxも小さな
値となり、過大となることを防止できる。
【0154】この導入部分では、比較的小さな荷重振幅
ΔFとして繰返荷重を印加しつつ、き裂長さaを周期的
に算出し、き裂長さaが所定の長さになったならば、試
験データを収集するための制御に移行する。また、この
導入部分において、試験片のき裂先端部に発生する応力
拡大係数変動幅ΔKの算出値をモニタすることで、スレ
ショルド応力拡大係数変動幅ΔKthをかなりの精度で
予測することも可能になる。
【0155】図4の具体例では、時刻tcに、き裂長さ
aが所定長さa0になったため、制御シーケンスの導入
部分が終了して、制御モードが荷重振幅制御モードから
応力拡大係数変動幅制御モードに切換えられている。こ
の制御モード切換の際には、先に説明したように、切換
直前に検出された応力拡大係数変動幅ΔKの検出値を、
制御モード切換後の応力拡大係数変動幅ΔKの目標値と
するために、振幅ラッチ部58にラッチさせる。時刻t
1で、最初の試験データをサンプリングし、その直後に
(a)に示したように、振幅ラッチ部58にラッチされ
ている応力拡大係数変動幅ΔKの目標値をランプ関数的
に変化させて、所定増分だけ増大させる。これによって
応力拡大係数変動幅ΔKの目標値が更新される。
【0156】応力拡大係数変動幅ΔKの目標値を更新し
た直後には、図4の(d)に示すように、き裂進展速度
(da/dN)の値がまだ安定していない。そのため、
図4の(c)に示すように、応力拡大係数変動幅ΔKの
目標値を更新したときから更にき裂長さaが所定長さΔ
aだけ進展した時点(時刻t)で、試験データをサンプ
リングし、試験データをサンプリングしたならば再び応
力拡大係数変動幅ΔKの目標値を所定増分だけ増大させ
る。こうして、応力拡大係数変動幅ΔKの目標値を段階
的に変化させて、試験データをサンプリングして行くこ
とによって、データポイントを、応力拡大係数変動幅Δ
Kに関して等間隔で分布させることができ、良好な試験
データが得られる。尚、応力拡大係数変動幅ΔK制御モ
ードでは、試験片に印加される荷重Fは、(b)に示す
ように、応力拡大係数変動幅ΔKの目標値を増大させる
ときに増大し、この目標値を一定に維持している間に漸
減する。
【0157】図5の具体例では、時刻tcに、き裂長さ
aが所定長さa0になったため、制御シーケンスの導入
部分が終了するが、ただしこの例では、制御モードを切
換えることなく、荷重振幅ΔFを増大させて、荷重振幅
制御モードでの試験データのサンプリングを開始してい
る。荷重振幅ΔFを増大させるには、振幅ラッチ部58
に格納されている荷重振幅ΔFの振幅目標値をランプ関
数的に変化させて、試験データを得るのに適した所望の
値にまで変化させる。
【0158】時刻t1で、最初の試験データをサンプリ
ングしており、この後、(d)に、時刻t2や、時刻t
3で示したように、き裂長さaが所定長さΔa進展する
ごとに試験データをサンプリングする。荷重振幅制御モ
ードの場合には、このようにき裂長さaの進展に合わせ
て試験データをサンプリングして行くことによって、試
験データのデータポイントを適切に分布させることがで
きる。なぜならば、荷重振幅制御モードでは、き裂長さ
aが長くなると、き裂進展速度(da/dN)が急上昇
する傾向があるが、サンプリングのタイミングをこのよ
うに定めておけば、き裂進展速度(da/dN)が急上
昇しても、き裂進展速度(da/dN)に関してデータ
ポイント間隔が広がりすぎることがなく、良好な試験デ
ータが得られるからである。また、所定長さΔaは、オ
ペレータまたは制御プログラムが設定するパラメータで
ある。尚、荷重振幅制御モードでは、(c)に示したよ
うに、試験の進行に伴って、試験片TPのCODが次第
に増大して行く。
【0159】図6の具体例では、時刻tcに、き裂長さ
aが所定長さa0になったため、制御シーケンスの導入
部分が終了して、制御モードが荷重振幅制御モードから
COD振幅制御モードに切換えられている。この制御モ
ード切換の際には、先に説明したように、切換直前に検
出されたCOD振幅ΔCODの検出値を、制御モード切
換後のCOD振幅ΔCODの目標値とするために、振幅
ラッチ部58にラッチさせる。
【0160】時刻t1で、最初の試験データをサンプリ
ングしており、この後、(d)に、時刻t2や、時刻t
3で示したように、所定回数の荷重印加サイクルが経過
するごとに(従って、所定時間Δtが経過するごとに)
試験データをサンプリングする。COD振幅制御モード
は、多くの場合、応力拡大係数変動幅ΔKの値がスレシ
ョルド応力拡大係数変動幅ΔKthに近い領域で用いら
れ、その場合には、き裂進展速度(da/dN)が非常
に遅いことから、き裂長さaを基準とするのではなく、
所定時間が経過するごとに試験データをサンプリングす
ることにより、試験データのデータポイントを適切に分
布させることができる。尚、COD振幅制御モードで制
御を行うと、試験片TPに印加される荷重は、(b)に
示したように時間と共に漸減して行く。
【0161】制御モードの切換は、試験片にき裂を発生
させるための導入部分から、試験データを収集するため
の制御に移行するときだけに行われるのではなく、試験
データを収集している途中でも、制御モードの切換はし
ばしば行われ、それは例えば次のような場合である。
【0162】疲労き裂進展試験において、下はスレショ
ルド応力拡大係数変動幅ΔKthから上は限界応力拡大
係数変動幅ΔKcまでの範囲内の様々な応力拡大係数変
動幅ΔKの値について試験データを収集する際に、応力
拡大係数変動幅ΔKの比較的小さな、スレショルド応力
拡大係数変動幅ΔKthの近傍領域では、COD振幅制
御モードを用いることによって良好な結果が得られる。
その理由は以下の通りである。
【0163】スレショルド応力拡大係数変動幅ΔKth
の正確な値は、疲労き裂進展試験を実行することによっ
て、はじめて明らかになる。従って、疲労き裂進展試験
の試験計画を立てる段階では、おおざっぱな推定値しか
判っていない。そのため、応力拡大係数変動幅ΔKを、
ΔKthの近傍領域において小さな値から次第に大きな
値に変化させながら試験データを収集して行こうとする
と、最初からき裂進展が停留していたり、最初からき裂
進展速度(da/dN)が著しく低速になっていたりす
ることがあり、それによって、試験がなかなか進まない
という不都合が生じる。
【0164】これに対して、応力拡大係数変動幅ΔKの
初期値を、ΔKthよりある程度大きな値に設定し、C
OD振幅制御モードで試験片TPに繰返荷重を印加する
ようにすれば、最初からき裂進展が停留していることも
なく、また、最初からき裂進展速度(da/dN)が著
しく低速になっているということもない。しかも、この
場合、制御パラメータを変更せずとも、時間の経過と共
に、き裂長さaが次第に増大して行くため、試験片のC
ODが一定であれば、応力拡大係数変動幅ΔKは次第に
減少して、ΔKthに近付いて行き、ΔKthに至った
ならば、き裂進展が停留する。
【0165】一方、応力拡大係数変動幅ΔKの値が、Δ
Kthより十分に大きい領域では、応力拡大係数Kの毎
回の変動サイクルにおける最大値Kmaxが僅かに過大
となって、き裂進展が停留した場合であっても、応力拡
大係数変動幅ΔKを更に大きくすることによって、き裂
進展を再開できる可能性が大きい。そのため、そのよう
な領域では、応力拡大係数変動幅ΔKが次第に大きくな
るように材料試験機を制御する制御方式が望ましい。
【0166】この場合に、応力拡大係数変動幅ΔK制御
モードで制御を行い、応力拡大係数変動幅ΔKを段階的
に増大させて、次々とより大きな目標値に設定して行く
ようにしてもよく、また、荷重振幅制御モードで制御を
行って、試験片に印加する荷重の毎回の変動サイクルに
おける振幅及び中心値を一定の目標値に維持するように
してもよい。荷重振幅制御モードとしたときには、時間
の経過と共に、き裂長さaが増大するため、試験片に印
加する荷重が一定でも、応力拡大係数変動幅ΔKの値は
次第に増大して行く。
【0167】従って、応力拡大係数変動幅ΔKの値が、
ΔKthからΔKcまでの範囲内の比較的小さな値の領
域にあるときと、比較的大きな値の領域にあるときと
で、制御モードを切換えることが望ましく、また、試験
作業の能率を考慮するならば、ΔK制御と荷重一定制御
との間で、制御モードを切換えることが望ましい場合も
往々にしてあることである。
【0168】制御モードの切換が行われる理由は以上の
通りである。図示の実施の形態においては、疲労き裂試
験の実行中に、応力拡大係数変動幅制御モード、荷重振
幅制御モード、及びCOD振幅制御モードの3者間の切
換を任意に行うことができ、その際に材料試験機にショ
ックを発生させず、滑らかな動作させることができる。
荷重振幅制御モードから応力拡大係数変動幅制御モード
への切換は図4で、また荷重振幅制御モードからCOD
振幅制御モードへの切換は図5で、夫々説明したが、こ
れらの他に、応力拡大係数変動幅制御モードから荷重振
幅制御モードへ、COD振幅制御モードから荷重振幅制
御モードへ、また、応力拡大係数変動幅制御モードとC
OD制御モードとの間の双方向の切換も、全て同様の切
換手順を用いて実行することができる。いずれの場合
も、材料試験機10を動作状態に維持したままで、材料
試験機10にショックを発生させることなく、滑らかに
制御モードを切換えることができる。
【0169】これに関して従来は、疲労き裂進展試験の
実行中に材料試験機10を動作状態に維持したままで、
材料試験機の制御モードを切換える際には、アクチュエ
ータ制御信号を発生させるためのフィードバック信号
を、制御モードに対応したセンサ信号に切換えるとい
う、プリミティブな方法が用いられていたため、センサ
信号の切換時点で、フィードバック信号が不連続とな
り、材料試験機がショックを発生していた。本発明にお
いては、以上の説明から明らかなように、アクチュエー
タ制御信号を発生させるためのフィードバック信号FB
を切換えることなく、そのフィードバック信号と比較す
る目標値信号DSの方を、適切な方法をもって切換える
ようにしたため、材料試験機のショックの発生原因が根
本から除去されている。
【0170】尚、以上に説明した実施の形態では、材料
試験機10を制御する制御装置30が、DSP32と、
このDSPに接続したコンピュータシステム(ホストコ
ンピュータ34)とで構成されている。また更に、目標
値信号発生部40を制御しているDSP制御信号発生部
66と、制御モード選択部60とが、ホストコンピュー
タ34にインストールされた制御プログラムによって構
築されている。既述のごとく、図3に示したホストコン
ピュータ34内にソフトウェアで構築された機能ブロッ
クは、DSP32の内部に構築することも可能である
が、ただし、DSP制御信号発生部66と、制御モード
選択部60とをホストコンピュータ34の制御プログラ
ムで構築するようにしておけば、制御モードの追加ない
し変更を、ホストコンピュータ34の制御プログラムの
書き換えだけで容易に実施することができるため、多様
な制御計画に、より容易に対応することができる。
【0171】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載し
た本発明の疲労き裂進展試験のための材料試験機制御方
法によれば、疲労き裂進展試験の実行中に材料試験機を
運転状態に維持したままでその制御モードを切換える際
に、材料試験機のアクチュエータ機構をフィードバック
制御するためのフィードバック信号及び目標値信号が共
に完全な連続性を維持することから、材料試験機がショ
ックを発生するおそれが完全に払拭されており、試験片
のき裂先端部を損傷することがなく、疲労き裂進展試験
の作業能率を改善することができる。
【0172】また、本発明の制御方法は、様々な方式の
疲労き裂進展試験に適用して好適な結果が得られるもの
であるが、請求項2に記載した方式の疲労き裂進展試験
に適用するときに、一段と優れた効果が得られる。
【0173】また、本発明の制御方法は、様々な構成の
複数のセンサを装備した材料試験機に適用して好適な結
果が得られるものであるが、請求項3に記載した構成の
複数のセンサを備えた材料試験機に適用するときに、一
段と優れた効果が得られる。
【0174】また、本発明の制御方法を用いて切換える
ことが可能な制御モードは、以上に説明した応力拡大係
数変動幅制御モード、荷重振幅制御モード、及びCOD
振幅制御モードに限られるものではないが、請求項4に
記載したように、それら3通りの制御モードの間の切換
を行うために本発明を用いるとき、特に顕著な効果が得
られる。
【0175】また、本発明の制御方法は、様々な種類の
試験片を用いて実行する様々な疲労き裂進展試験に適用
して好適な結果が得られるものであるが、コンパクト試
験片を使用する疲労き裂進展試験においては、請求項5
に記載したように、荷重の毎回の変動サイクルにおける
荷重最小値と荷重最大値との比を一定の目標値に維持す
る方法とすることで、優れた効果が得られる。
【0176】また、請求項6に記載した荷重振幅制御モ
ードからCOD振幅制御モードへの切換は、多くの疲労
き裂進展試験において有用なものである。
【0177】また、請求項7に記載した試験データのサ
ンプリングの方式は、荷重振幅制御モードからCOD振
幅制御モードへ切換えて疲労き裂進展試験を進めて行く
場合に有用なものである。
【0178】また、請求項8に記載した荷重振幅制御モ
ードから応力拡大係数変動幅制御モードへの切換は、多
くの疲労き裂進展試験において有用なものである。
【0179】また、請求項9に記載した試験データのサ
ンプリングの方式は、荷重振幅制御モードから応力拡大
係数変動幅制御モードへ切換えて疲労き裂進展試験を進
めて行く場合に有用なものである。
【0180】また、請求項10に記載したCOD振幅制
御モードから荷重振幅制御モードへの切換は、多くの疲
労き裂進展試験において有用なものである。
【0181】また、請求項11に記載した試験データの
サンプリングの方式は、COD振幅制御モードから荷重
振幅制御モードへ切換えて疲労き裂進展試験を進めて行
く場合に有用なものである。
【0182】また、請求項12に記載した応力拡大係数
変動幅制御モードから荷重振幅制御モードへの切換は、
多くの疲労き裂進展試験において有用なものである。
【0183】また、請求項13に記載した試験データの
サンプリングの方式は、応力拡大係数変動幅制御モード
から荷重振幅制御モードへ切換えて疲労き裂進展試験を
進めて行く場合に有用なものである。
【0184】また、請求項14に記載したCOD振幅制
御モードから応力拡大係数変動幅制御モードへの切換
は、多くの疲労き裂進展試験において有用なものであ
る。
【0185】また、請求項15に記載した試験データの
サンプリングの方式は、COD振幅制御モードから応力
拡大係数変動幅制御モードへ切換えて疲労き裂進展試験
を進めて行く場合に有用なものである。
【0186】また、請求項16に記載した応力拡大係数
変動幅制御モードからCOD振幅制御モードへの切換
は、多くの疲労き裂進展試験において有用なものであ
る。
【0187】また、請求項17に記載した試験データの
サンプリングの方式は、応力拡大係数変動幅制御モード
からCOD振幅制御モードへ切換えて疲労き裂進展試験
を進めて行く場合に有用なものである。
【0188】また、請求項18に記載した特徴は、請求
項5に記載したものと同じであるが、それを請求項6乃
至17に記載した特徴と組合せたときに、特に優れた効
果が得られることを示したものである。
【0189】更に、本発明の制御方法は、材料試験機の
アクチュエータ機構をフィードバック制御するためのフ
ィードバック信号として様々なセンサ信号を使用し得る
ものであるが、請求項19に記載したように荷重センサ
信号を使用するならば、その他のセンサ信号を使用した
場合と比べて、一段と滑らかな材料試験機の制御動作が
可能となる。
【0190】また、請求項20は、本発明の疲労き裂進
展試験のための材料試験機制御方法の更なる詳細を記載
したものであり、ここに記載した材料試験機制御方法に
よれば、疲労き裂進展試験を更に高い作業能率をもって
実施することができる。
【0191】請求項21に記載した本発明の疲労き裂進
展試験のための材料試験機制御装置を使用することで、
請求項1に記載した材料試験機制御方法を好適に実施す
ることができる。従って、請求項1に関連して述べたよ
うに、疲労き裂進展試験の実行中に材料試験機を運転状
態に維持したままでその制御モードを切換える際に、材
料試験機のアクチュエータ機構をフィードバック制御す
るためのフィードバック信号及び目標値信号が共に完全
な連続性を維持することから、材料試験機がショックを
発生するおそれが完全に払拭されており、試験片のき裂
先端部を損傷することがなく、疲労き裂進展試験の作業
能率を改善することができる。
【0192】また、本発明の制御装置は、様々な構成の
複数のセンサを装備した材料試験機に適用して好適な結
果が得られるものであるが、請求項22に記載した構成
の複数のセンサを備えた材料試験機に適用するときに、
一段と優れた効果が得られる。
【0193】また、請求項23は、本発明の疲労き裂進
展試験のための材料試験機制御装置の更なる詳細を記載
したものであり、ここに記載した材料試験機制御装置を
用いれば、疲労き裂進展試験を更に高い作業能率をもっ
て実施することができる。
【0194】また、本発明の制御装置を用いて切換える
ことが可能な制御モードは、以上に説明した応力拡大係
数変動幅制御モード、荷重振幅制御モード、及びCOD
振幅制御モードに限られるものではないが、請求項24
に記載したように、それら3通りの制御モードの間の切
換を行うために本発明を用いるとき、特に顕著な効果が
得られる。
【0195】また、本発明の制御装置は、様々な種類の
試験片を用いて実行する様々な疲労き裂進展試験に適用
して好適な結果が得られるものであるが、コンパクト試
験片を使用する疲労き裂進展試験においては、請求項2
5に記載したように、荷重の毎回の変動サイクルにおけ
る荷重最小値と荷重最大値との比を一定の目標値に維持
する方法とすることで、優れた効果が得られる。
【0196】また、請求項26は、本発明の疲労き裂進
展試験のための材料試験機制御装置において荷重振幅制
御モードが利用可能であることを明示したものであり、
この制御モードは、多くの疲労き裂進展試験において有
用なものである。
【0197】また、請求項27に記載した本発明のき裂
進展試験のための材料試験機制御装置によれば、請求項
26に記載した荷重振幅制御モードの実行時に、サンプ
リングした試験データのデータポイントを良好に分布さ
せることができる。
【0198】また、請求項28は、本発明の疲労き裂進
展試験のための材料試験機制御装置においてCOD振幅
制御モードが利用可能であることを明示したものであ
り、この制御モードは、多くの疲労き裂進展試験におい
て有用なものである。
【0199】また、請求項29に記載した本発明のき裂
進展試験のための材料試験機制御装置によれば、請求項
28に記載したCOD振幅制御モードの実行時に、サン
プリングした試験データのデータポイントを良好に分布
させることができる。
【0200】また、請求項30は、本発明の疲労き裂進
展試験のための材料試験機制御装置において応力拡大係
数変動幅制御モードが利用可能であることを明示したも
のであり、この制御モードは、多くの疲労き裂進展試験
において有用なものである。
【0201】また、請求項31に記載した本発明のき裂
進展試験のための材料試験機制御装置によれば、請求項
30に記載した荷重振幅制御モードの実行時に、サンプ
リングした試験データのデータポイントを良好に分布さ
せることができる。
【0202】更に、本発明の制御装置は、材料試験機の
アクチュエータ機構をフィードバック制御するためのフ
ィードバック信号として様々なセンサ信号を使用し得る
ものであるが、請求項32に記載したように荷重センサ
信号を使用するならば、その他のセンサ信号を使用した
場合と比べて、一段と滑らかな材料試験機の制御動作が
可能となる。
【0203】また、請求項33に記載した本発明の疲労
き裂進展試験のための材料試験機制御装置によれば、制
御モードの追加ないし変更を、ホストコンピュータにイ
ンストールするプログラムの書き換えだけで容易に実施
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施の形態にかかる制御装置を
接続した材料試験機の具体例を示した模式図である。
【図2】図1には1個のブロックで示した制御装置を、
更に詳細に示したブロック図である。
【図3】図2の制御装置のホストコンピュータが実行す
る機能を説明するための機能ブロック図である。
【図4】応力拡大係数変動幅制御モードで図1の材料試
験機を制御するときの、荷重をはじめとする主要な物理
量の変化の具体例を示した波形図である。
【図5】荷重振幅制御モードで図1の材料試験機を制御
するときの、荷重をはじめとする主要な物理量の変化の
具体例を示した波形図である。
【図6】COD振幅制御モードで図1の材料試験機を制
御するときの、荷重をはじめとする主要な物理量の変化
の具体例を示した波形図である。
【符号の説明】
10 材料試験機 14 アクチュエータ機構 20 ロードセル(荷重検出センサ) 22 変位センサ 24 き裂開口変位センサ(CODセンサ) 30 制御装置 32 ディジタル信号処理装置(DSP) 34 ホストコンピュータ 38 セレクタ 40 目標値信号発生部 60 制御モード選択部 66 DSP制御信号発生部 TP 試験片

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試験片に荷重を印加するためのアクチュ
    エータ機構と試験片に関連した複数の物理量の夫々を検
    出するための複数のセンサとを備えた材料試験機を用い
    た疲労き裂進展試験のための材料試験機制御方法におい
    て、 (イ)振幅及び中心値が制御可能な周期信号を目標値信
    号として発生させ、 (ロ)前記複数のセンサが送出する夫々のセンサ信号の
    うちから1つのセンサ信号をフィードバック信号として
    選択し、当該フィードバック信号と前記目標値信号との
    差分に基づいて前記アクチュエータ機構を制御すること
    で、前記材料試験機をフィードバック制御し、 (ハ)前記複数のセンサが送出する夫々のセンサ信号が
    表している夫々の物理量ないしはそれらセンサ信号から
    間接的に求められる物理量のうちから、疲労き裂進展試
    験において試験片に繰返荷重を印加する際にその振幅を
    制御対象とするところの物理量を選択して当該物理量の
    振幅目標値を設定し、当該物理量の振幅検出値と前記振
    幅目標値との差分に基づいて前記目標値信号の振幅を制
    御することで、当該物理量の振幅をフィードバック制御
    し、 (ニ)疲労き裂進展試験の実行中に前記材料試験機を運
    転状態に維持したままで、前記材料試験機の制御モード
    を、第1物理量の振幅を制御対象とする第1制御モード
    から第2物理量の振幅を制御対象とする第2制御モード
    へと切換える際に、前記フィードバック信号として使用
    するセンサ信号の選択を変更することなく維持すると共
    に、前記第1制御モードの終了時の前記第2物理量の振
    幅検出値を前記第2制御モードの開始時の前記第2物理
    量の振幅目標値として使用する、 ことを特徴とする疲労き裂進展試験のための材料試験機
    制御方法。
  2. 【請求項2】 前記疲労き裂進展試験が、前記材料試験
    機を用いて試験片に繰返荷重を印加することで試験片の
    き裂先端の応力拡大係数Kを繰返変動させつつ試験片の
    き裂を進展させ、その際に、き裂先端の応力拡大係数K
    の変動幅である応力拡大係数変動幅ΔKと、繰返荷重の
    サイクル数Nに対する試験片のき裂長さaの進展速度で
    あるき裂進展速度(da/dN)とを試験データとして
    サンプリングする試験であることを特徴とする請求項1
    記載の疲労き裂進展試験のための材料試験機制御方法。
  3. 【請求項3】 前記複数のセンサが、前記材料試験機か
    ら試験片に印加される荷重を検出してその検出した荷重
    を表す荷重センサ信号を送出する荷重センサと、試験片
    に発生するき裂開口変位(COD)を検出してその検出
    したCODを表すCODセンサ信号を送出するCODセ
    ンサとを含んでいることを特徴とする請求項1または2
    記載の疲労き裂進展試験のための材料試験機制御方法。
  4. 【請求項4】 試験片に印加される荷重の振幅を制御対
    象として選択することで荷重振幅制御モードを選択し、 試験片に発生するCODの振幅を制御対象として選択す
    ることでCOD振幅制御モードを選択し、 試験片のき裂先端部に発生する応力拡大係数Kの振幅で
    ある応力拡大係数変動幅ΔKを制御対象として選択する
    ことで応力拡大係数変動幅制御モードを選択する、 ことを特徴とする請求項3記載の疲労き裂進展試験のた
    めの材料試験機制御方法。
  5. 【請求項5】 前記荷重振幅制御モード、前記COD振
    幅制御モード、及び前記応力拡大係数変動幅制御モード
    のいずれにおいても、試験片に印加される荷重の毎回の
    変動サイクルにおける荷重最小値と荷重最大値との比を
    一定の目標値に維持するように前記目標値信号の振幅及
    び中心値を制御することを特徴とする請求項4記載の疲
    労き裂進展試験のための材料試験機制御方法。
  6. 【請求項6】 前記第1物理量が試験片に印加される荷
    重であり、前記第2物理量が試験片に発生するCODで
    あり、 前記第1制御モードにおいて、試験片に印加される荷重
    の毎回の変動サイクルにおける振幅を一定の目標値に維
    持するように制御を行い、 前記第2制御モードにおいて、試験片に発生するCOD
    の毎回の変動サイクルにおける振幅を一定の目標値に維
    持するように制御を行う、 ことを特徴とする請求項3記載の疲労き裂進展試験のた
    めの材料試験機制御方法。
  7. 【請求項7】 試験片に印加される荷重の振幅を制御対
    象とする前記第1制御モードにおいて、き裂長さaが所
    定長さ進展するごとに試験データをサンプリングし、 試験片に発生するCODの振幅を制御対象とする前記第
    2制御モードにおいて、所定回数の荷重印加サイクルが
    経過するごとに試験データをサンプリングする、 ことを特徴とする請求項6記載の疲労き裂進展試験のた
    めの材料試験機制御方法。
  8. 【請求項8】 前記第1物理量が試験片に印加される荷
    重であり、前記第2物理量が試験片のき裂先端部に発生
    する応力拡大係数Kであり、 前記第1制御モードにおいて、試験片に印加される荷重
    の毎回の変動サイクルにおける振幅を一定の目標値に維
    持するように制御を行い、 前記第2制御モードにおいて、試験片のき裂先端部に発
    生する応力拡大係数Kの毎回の変動サイクルにおける振
    幅である応力拡大係数変動幅ΔKを一定の目標値に維持
    するように制御を行うと共に、その目標値を必要に応じ
    て段階的に変化させる、 ことを特徴とする請求項3記載の疲労き裂進展試験のた
    めの材料試験機制御方法。
  9. 【請求項9】 試験片に印加される荷重の振幅を制御対
    象とする前記第1制御モードにおいて、き裂長さaが所
    定長さ進展するごとに試験データをサンプリングし、 試験片のき裂先端部に発生する応力拡大係数Kの振幅で
    ある応力拡大係数変動幅ΔKを制御対象とする前記第2
    制御モードにおいて、該応力拡大係数変動幅ΔKの目標
    値を所定増分だけ増大させたときから更にき裂長さaが
    所定長さ進展した時点で、試験データをサンプリング
    し、試験データをサンプリングしたならば再び該応力拡
    大係数変動幅ΔKの目標値を前記所定増分だけ増大させ
    る、 ことを特徴とする請求項8記載の疲労き裂進展試験のた
    めの材料試験機制御方法。
  10. 【請求項10】 前記第1物理量が試験片に発生するC
    ODであり、前記第2物理量が試験片に印加される荷重
    であり、 前記第1制御モードにおいて、試験片に発生するCOD
    の毎回の変動サイクルにおける振幅を一定の目標値に維
    持するように制御を行い、 前記第2制御モードにおいて、試験片に印加される荷重
    の毎回の変動サイクルにおける振幅を一定の目標値に維
    持するように制御を行う、 ことを特徴とする請求項3記載の疲労き裂進展試験のた
    めの材料試験機制御方法。
  11. 【請求項11】 試験片に発生するCODの振幅を制御
    対象とする前記第1制御モードにおいて、所定回数の荷
    重印加サイクルが経過するごとに試験データをサンプリ
    ングし、 試験片に印加される荷重の振幅を制御対象とする前記第
    2制御モードにおいて、き裂長さaが所定長さ進展する
    ごとに試験データをサンプリングする、 ことを特徴とする請求項10記載の疲労き裂進展試験の
    ための材料試験機制御方法。
  12. 【請求項12】 前記第1物理量が試験片のき裂先端部
    に発生する応力拡大係数Kであり、前記第2物理量が試
    験片に印加される荷重であり、 前記第1制御モードにおいて、試験片のき裂先端部に発
    生する応力拡大係数Kの毎回の変動サイクルにおける振
    幅である応力拡大係数変動幅ΔKを一定の目標値に維持
    するように制御を行うと共に、その目標値を必要に応じ
    て段階的に変化させ、 前記第2制御モードにおいて、試験片に印加される荷重
    の毎回の変動サイクルにおける振幅を一定の目標値に維
    持するように制御を行う、 ことを特徴とする請求項3記載の疲労き裂進展試験のた
    めの材料試験機制御方法。
  13. 【請求項13】 試験片のき裂先端部に発生する応力拡
    大係数Kの振幅である応力拡大係数変動幅ΔKを制御対
    象とする前記第1制御モードにおいて、該応力拡大係数
    変動幅ΔKの目標値を所定増分だけ増大させたときから
    更にき裂長さaが所定長さ進展した時点で、試験データ
    をサンプリングし、試験データをサンプリングしたなら
    ば再び該応力拡大係数変動幅ΔKの目標値を前記所定増
    分だけ増大させ、 試験片に印加される荷重の振幅を制御対象とする前記第
    2制御モードにおいて、き裂長さaが所定長さ進展する
    ごとに試験データをサンプリングする、 ことを特徴とする請求項12記載の疲労き裂進展試験の
    ための材料試験機制御方法。
  14. 【請求項14】 前記第1物理量が試験片に発生するC
    ODであり、前記第2物理量が試験片のき裂先端部に発
    生する応力拡大係数Kであり、 前記第1制御モードにおいて、試験片に発生するCOD
    の毎回の変動サイクルにおける振幅を一定の目標値に維
    持するように制御を行い、 前記第2制御モードにおいて、試験片のき裂先端部に発
    生する応力拡大係数Kの毎回の変動サイクルにおける振
    幅である応力拡大係数変動幅ΔKを一定の目標値に維持
    するように制御を行うと共に、その目標値を必要に応じ
    て段階的に変化させる、 ことを特徴とする請求項3記載の疲労き裂進展試験のた
    めの材料試験機制御方法。
  15. 【請求項15】 試験片に発生するCODの振幅を制御
    対象とする前記第1制御モードにおいて、所定回数の荷
    重印加サイクルが経過するごとに試験データをサンプリ
    ングし、 試験片のき裂先端部に発生する応力拡大係数Kの振幅で
    ある応力拡大係数変動幅ΔKを制御対象とする前記第2
    制御モードにおいて、該応力拡大係数変動幅ΔKの目標
    値を所定増分だけ増大させたときから更にき裂長さaが
    所定長さ進展した時点で、試験データをサンプリング
    し、試験データをサンプリングしたならば再び該応力拡
    大係数変動幅ΔKの目標値を前記所定増分だけ増大させ
    る、 ことを特徴とする請求項14記載の疲労き裂進展試験の
    ための材料試験機制御方法。
  16. 【請求項16】 前記第1物理量が試験片のき裂先端部
    に発生する応力拡大係数Kであり、前記第2物理量が試
    験片に発生するCODであり、 前記第1制御モードにおいて、試験片のき裂先端部に発
    生する応力拡大係数Kの毎回の変動サイクルにおける振
    幅である応力拡大係数変動幅ΔKを一定の目標値に維持
    するように制御を行うと共に、その目標値を必要に応じ
    て段階的に変化させ、 前記第2制御モードにおいて、試験片に発生するCOD
    の毎回の変動サイクルにおける振幅を一定の目標値に維
    持するように制御を行う、 ことを特徴とする請求項3記載の疲労き裂進展試験のた
    めの材料試験機制御方法。
  17. 【請求項17】 試験片のき裂先端部に発生する応力拡
    大係数Kの振幅である応力拡大係数変動幅ΔKを制御対
    象とする前記第1制御モードにおいて、該応力拡大係数
    変動幅ΔKの目標値を所定増分だけ増大させたときから
    更にき裂長さaが所定長さ進展した時点で、試験データ
    をサンプリングし、試験データをサンプリングしたなら
    ば再び該応力拡大係数変動幅ΔKの目標値を前記所定増
    分だけ増大させ、 試験片に発生するCODの振幅を制御対象とする前記第
    2制御モードにおいて、所定回数の荷重印加サイクルが
    経過するごとに試験データをサンプリングする、 ことを特徴とする請求項16記載の疲労き裂進展試験の
    ための材料試験機制御方法。
  18. 【請求項18】 前記第1制御モード及び前記第2制御
    モードのいずれにおいても、試験片に印加される荷重の
    毎回の変動サイクルにおける荷重最小値と荷重最大値と
    の比を一定の目標値に維持するように前記目標値信号の
    振幅及び中心値を制御することを特徴とする請求項6乃
    至17の何れか1項記載の疲労き裂進展試験のための材
    料試験機制御方法。
  19. 【請求項19】 前記フィードバック信号として前記荷
    重センサ信号を選択することを特徴とする請求項1乃至
    18の何れか1項記載の疲労き裂進展試験のための材料
    試験機制御方法。
  20. 【請求項20】 (ホ)前記荷重センサ信号と前記CO
    Dセンサ信号とに基づいて試験片に発生しているき裂長
    さaの現在値を求め、 (ヘ)き裂長さaの現在値と前記荷重センサ信号とに基
    づいて試験片のき裂先端部に発生している応力拡大係数
    Kの現在値を求め、 (ト)き裂長さaの現在値の変化からき裂亀進展速度
    (da/dN)を求め、 (チ)試験片に印加されている荷重、試験片に発生して
    いるCOD、及び試験片のき裂先端部に発生している応
    力拡大係数Kの、毎回の変動サイクルにおける夫々の最
    大値及び最小値を検出し、 (リ)検出した最大値及び最小値から、試験片に印加さ
    れている荷重の毎回の変動サイクルにおける振幅、試験
    片に発生しているCODの毎回の変動サイクルにおける
    振幅、及び試験片のき裂先端部に発生している応力拡大
    係数Kの毎回の変動サイクルにおける振幅である応力拡
    大係数変動幅ΔKを求め、 (ヌ)得られた荷重振幅、COD振幅、及び応力拡大係
    数変動幅ΔKの値を、制御モードの切換時にラッチし、 (ル)ラッチした振幅ないし応力拡大係数変動幅の値
    を、制御モードの切換後の前記振幅目標値として使用す
    る、 ことを特徴とする請求項3乃至19の何れか1項記載の
    疲労き裂進展試験のための材料試験機制御方法。
  21. 【請求項21】 試験片に荷重を印加するためのアクチ
    ュエータ機構と試験片に関連した複数の物理量の夫々を
    検出するための複数のセンサとを備えた材料試験機を用
    いた疲労き裂進展試験のための材料試験機制御装置にお
    いて、 (イ)振幅及び中心値が制御可能な周期信号を目標値信
    号として発生する目標値信号発生部と、 (ロ)前記目標値信号発生部を制御することで、前記目
    標値信号の振幅及び中心値を制御する、目標値信号発生
    部制御手段と、 (ハ)前記複数のセンサが送出する夫々のセンサ信号の
    うちから1つのセンサ信号をフィードバック信号として
    選択するフィードバック信号選択部と、 (ニ)前記フィードバック信号と前記目標値信号との差
    分に基づいて前記アクチュエータ機構を制御すること
    で、前記材料試験機をフィードバック制御する、フィー
    ドバック制御手段とを備え、 (ホ)前記目標値信号発生部制御手段が、前記複数のセ
    ンサが送出する夫々のセンサ信号が表している夫々の物
    理量ないしはそれらセンサ信号から間接的に求められる
    物理量のうちから、疲労き裂進展試験において試験片に
    繰返荷重を印加する際にその振幅を制御対象とするとこ
    ろの物理量を選択して当該物理量の振幅目標値を設定す
    るための、選択及び設定手段を含んでおり、 (ヘ)前記目標値信号発生部制御手段が、前記選択され
    た物理量の振幅検出値と前記振幅目標値との差分に基づ
    いて前記目標値信号の振幅を制御することで、前記選択
    された物理量の振幅をフィードバック制御するようにし
    てあり、 (ト)前記材料試験機の制御モードを、第1物理量の振
    幅を制御対象とする第1制御モードから第2物理量の振
    幅を制御対象とする第2制御モードへと切換える際に、
    前記目標値信号発生部制御手段が、前記第1制御モード
    の終了時の前記第2物理量の振幅検出値を前記第2制御
    モードの開始時の前記第2物理量の振幅目標値として使
    用するようにしてある、 ことを特徴とする疲労き裂進展試験のための材料試験機
    制御装置。
  22. 【請求項22】 前記複数のセンサが、前記材料試験機
    から試験片に印加される荷重を検出してその検出した荷
    重を表す荷重センサ信号を送出する荷重センサと、試験
    片に発生するき裂開口変位(COD)を検出してその検
    出したCODを表すCODセンサ信号を送出するCOD
    センサとを含んでいることを特徴とする請求項21記載
    の疲労き裂進展試験のための材料試験機制御装置。
  23. 【請求項23】 (チ)前記荷重センサ信号と前記CO
    Dセンサ信号とに基づいて試験片に発生しているき裂長
    さaの現在値を求めるき裂長さ導出部と、 (リ)き裂長さaの現在値と前記荷重センサ信号とに基
    づいて試験片のき裂先端部に発生している応力拡大係数
    Kの現在値を求める応力拡大係数導出部と、 (ヌ)き裂長さaの現在値の変化からき裂進展速度(d
    a/dN)を求めるき裂進展速度導出部と、 (ル)前記応力拡大係数導出部が求めた応力拡大係数K
    の現在値と、前記き裂進展速度導出部が求めたき裂進展
    速度(da/dN)の値とを、試験データとしてサンプ
    リングする、試験データサンプリング部と、 (ヲ)試験片に印加されている荷重、試験片に発生して
    いるCOD、及び試験片のき裂先端部に発生している応
    力拡大係数Kの、毎回の変動サイクルにおける夫々の最
    大値及び最小値を検出する最大値/最小値検出部と、 (ワ)検出された最大値及び最小値から、試験片に印加
    されている荷重の毎回の変動サイクルにおける振幅、試
    験片に発生しているCODの毎回の変動サイクルにおけ
    る振幅、及び試験片のき裂先端部に発生している応力拡
    大係数Kの毎回の変動サイクルにおける振幅である応力
    拡大係数変動幅ΔKを求める振幅導出部と、 (カ)得られた荷重振幅、COD振幅、及び応力拡大係
    数変動幅ΔKの値を、制御モードの切換時にラッチする
    ことのできる振幅ラッチ部とを更に備え、 (ヨ)前記目標値信号発生部制御手段が、前記振幅ラッ
    チ部にラッチされた振幅ないし応力拡大係数変動幅の値
    を、制御モードの切換後の前記振幅目標値として使用す
    るようにした、 ことを特徴とする請求項22記載の疲労き裂進展試験の
    ための材料試験機制御装置。
  24. 【請求項24】 前記制御モード選択部が、試験片に印
    加される荷重、試験片に発生するCOD、及び試験片の
    き裂先端部に発生する応力拡大係数Kのうちからいずれ
    か1つを、その振幅を制御対象とするところの物理量と
    して選択することで、夫々、荷重振幅制御モード、CO
    D振幅制御モード、及び応力拡大係数変動幅制御モード
    を選択できるようにしたことを特徴とする請求項23記
    載の疲労き裂進展試験のための材料試験機制御装置。
  25. 【請求項25】 前記荷重振幅制御モード、前記COD
    振幅制御モード、及び前記応力拡大係数変動幅制御モー
    ドのいずれにおいても、前記目標値信号発生部制御手段
    が前記目標値信号発生部を制御して前記目標値信号の振
    幅及び中心値を制御することで、試験片に印加される荷
    重の毎回の変動サイクルにおける荷重最小値と荷重最大
    値との比が一定の目標値に維持されるようにしたことを
    特徴とする請求項24記載の疲労き裂進展試験のための
    材料試験機制御装置。
  26. 【請求項26】 前記制御モード選択部が、試験片に印
    加される荷重を、その振幅を制御対象とするところの物
    理量として選択することで、荷重振幅制御モードを選択
    できるようにしてあり、 前記荷重振幅制御モードにおいては、前記目標値信号発
    生部制御手段が前記目標値信号発生部を制御して前記目
    標値信号の振幅及び中心値を制御することで、試験片に
    印加される荷重の毎回の変動サイクルにおける振幅が一
    定の目標値に維持され、且つ、試験片に印加される荷重
    の毎回の変動サイクルにおける荷重最小値と荷重最大値
    との比が一定の目標値に維持されるようにした、 ことを特徴とする請求項23記載の疲労き裂進展試験の
    ための材料試験機制御装置。
  27. 【請求項27】 前記荷重振幅制御モードにおいては、
    き裂長さaが所定長さ進展するごとに、前記試験データ
    サンプリング部が試験データをサンプリングすることを
    特徴とする請求項26記載の疲労き裂進展試験のための
    材料試験機制御装置。
  28. 【請求項28】 前記制御モード選択部が、試験片に発
    生するCODを、その振幅を制御対象とするところの物
    理量として選択することで、COD振幅制御モードを選
    択できるようにしてあり、 前記COD振幅制御モードにおいては、前記目標値信号
    発生部制御手段が前記目標値信号発生部を制御して前記
    目標値信号の振幅及び中心値を制御することで、試験片
    に発生するCODの毎回の変動サイクルにおける振幅が
    一定の目標値に維持され、且つ、試験片に印加される荷
    重の毎回の変動サイクルにおける荷重最小値と荷重最大
    値との比が一定の目標値に維持されるようにした、 ことを特徴とする請求項23記載の疲労き裂進展試験の
    ための材料試験機制御装置。
  29. 【請求項29】 前記COD振幅制御モードにおいて
    は、所定回数の荷重印加サイクルが経過するごとに、前
    記試験データサンプリング部が試験データをサンプリン
    グすることを特徴とする請求項28記載の疲労き裂進展
    試験のための材料試験機制御装置。
  30. 【請求項30】 前記制御モード選択部が、試験片のき
    裂先端部に発生する応力拡大係数Kの振幅を、その振幅
    を制御対象とするところの物理量として選択すること
    で、応力拡大係数変動幅制御モードを選択できるように
    してあり、 前記応力拡大係数変動幅制御モードにおいては、前記目
    標値信号発生部制御手段が前記目標値信号発生部を制御
    して前記目標値信号の振幅及び中心値を制御すること
    で、試験片のき裂先端部に発生する応力拡大係数Kの毎
    回の変動サイクルにおける振幅である応力拡大係数変動
    幅ΔKが一定の目標値に維持され、且つ、試験片に印加
    される荷重の毎回の変動サイクルにおける荷重最小値と
    荷重最大値との比が一定の目標値に維持されるようにし
    た、 ことを特徴とする請求項23記載の疲労き裂進展試験の
    ための材料試験機制御装置。
  31. 【請求項31】 前記応力拡大係数変動幅制御モードに
    おいては、前記目標値信号発生部制御手段が該応力拡大
    係数変動幅ΔKの目標値を所定増分だけ増大させたとき
    から更にき裂長さaが所定長さ進展した時点で、前記試
    験データサンプリング部が試験データをサンプリング
    し、更に、試験データがサンプリングされたならば、前
    記目標値信号発生部制御手段が再び該応力拡大係数変動
    幅ΔKの目標値を前記所定増分だけ増大させることを特
    徴とする請求項30記載の疲労き裂進展試験のための材
    料試験機制御装置。
  32. 【請求項32】 前記フィードバック信号選択部が、前
    記フィードバック信号として前記荷重センサ信号を選択
    することを特徴とする請求項21乃至31の何れか1項
    記載の疲労き裂進展試験のための材料試験機制御装置。
  33. 【請求項33】 前記材料試験機制御装置が、ディジタ
    ル信号処理装置と、このディジタル信号処理装置に接続
    したコンピュータシステムとで構成されており、前記目
    標値信号発生部制御手段と、前記制御モード選択部と
    が、前記コンピュータシステムにインストールされたプ
    ログラムによって構築されていることを特徴とする請求
    項21乃至32の何れか1項記載の疲労き裂進展試験の
    ための材料試験機制御装置。
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