JP2020164771A - ポリイミドフィルムおよびその製造方法 - Google Patents

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康孝 近藤
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正広 宮本
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敬介 片山
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Abstract

【課題】透明性と機械強度を兼ね備え、かつ均一性の高い透明ポリイミドフィルムを提供する。【解決手段】ポリイミドフィルムは、ポリイミド樹脂を含む。ポリイミド樹脂は、テトラカルボン酸二無水物由来構造とジアミン由来構造とを有し、ジアミンとして、フルオロアルキル置換ベンジジンを40〜90モル%、および3,3’−ジアミノジフェニルスルホンを10〜60モル%含む。ポリイミド樹脂の重量平均分子量が50,000〜100,000である。透明ポリイミドフィルムは、鉛筆硬度が3H以上であり、投影法による観察においてスジがないものが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリイミドフィルムおよびその製造方法に関する。
ディスプレイ、タッチパネル、および太陽電池等のエレクトロニクスデバイスの急速な進歩に伴い、デバイスの薄型化や軽量化、更にはフレキシブル化が要求されている。これらの要求に対して、基板やカバーウインドウ等に用いられているガラス材料のプラスチックフィルム材料への置き換えが検討されている。特に、高い耐熱性や、高温での寸法安定性、高機械強度が求められる用途では、ガラス代替材料としてポリイミドフィルムの適用が検討されている。
一般的なポリイミドは、黄色または褐色に着色しており、有機溶媒に対する溶解性を示さない。ポリイミドに可視光の透明性および可溶性を付与する手法として、脂環式構造の導入、屈曲構造の導入、フッ素置換基の導入等が知られている。このようなポリイミドを用いることにより、透明で着色の少ないポリイミドフィルムが得られる。
ポリイミドフィルムは、一般には、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸溶液を支持体上に膜状に塗布し、加熱により溶媒を除去すると共に、ポリアミド酸を脱水環化してイミド化する方法により製造される(例えば、特許文献1)。可溶性のポリイミド樹脂を用いる場合は、ポリイミド樹脂溶液を支持体上に塗布し、溶媒を除去する方法により、ポリイミドフィルムを製造することもできる(例えば特許文献2および特許文献3)。
ポリイミドフィルムの製造において、フィルム化とともにポリアミド酸の脱水環化(イミド化)を行う場合は、イミド化のための触媒および脱水剤、ならびにポリアミド酸の脱水により生じた水等がフィルム中に残存しやすい。また、イミド化のために高温での加熱処理を要するため、透明性の高いポリイミド樹脂材料を用いた場合でも、フィルムが黄色に着色しやすい。
ポリイミド樹脂溶液を用いてポリイミドフィルムを製造する場合は、まず、ポリアミド酸溶液にイミド化触媒および脱水剤を添加してイミド化を行い、ポリイミド樹脂を単離する。単離したポリイミド樹脂は、イミド化触媒、脱水剤、未反応のモノマー成分等の残存量が少ない。単離後の樹脂を洗浄することにより、不純物をさらに低減可能である。また、単離したポリイミド樹脂を溶媒に溶解した溶液を支持体上に膜状に塗布した後、イミド化のための高温加熱を必要としないため、透明性が高く着色の少ないフィルムが得られる。
WO2015/125895号 特開2004−258544号公報 WO2017/175869号
上記のように、溶液でイミド化を行った後、単離したポリイミド樹脂を用いてフィルム化することにより、透明性の高いポリイミドフィルムが得られる。しかし、特許文献2に記載されているフッ素含有芳香族ジアミン成分とフッ素含有芳香族酸二無水物成分とからなるポリイミドは、機械強度が十分とはいえず、その用途が限定されている。
特許文献3には、透明性と高い機械強度を兼ね備え、かつ有機溶媒への溶解性を示すポリイミド樹脂が開示されている。しかし、ポリイミド樹脂溶液を用いてフィルム化を行うと、フィルムの面内均一性が低く、外観不良や特性バラつきが生じる場合があり、特に、フィルムの厚みが大きい場合にその傾向が顕著となる。
上記に鑑み、本発明は、透明性と機械強度を兼ね備え、かつ均一性の高い透明ポリイミドフィルムの提供を目的とする。
本発明のポリイミドフィルムに含まれるポリイミド樹脂は、ジアミン成分として、フッ素含有芳香族ジアミンと3,3’−ジアミノジフェニルスルホンを含む。フッ素含有ジアミンとしては、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン等のフルオロアルキル置換ベンジジンが好ましい。ポリイミド樹脂は、ジアミン成分として、40〜90モル%のフルオロアルキル置換ベンジジンと、10〜60モル%の3,3’−ジアミノジフェニルスルホンを含んでいてもよい。
ポリイミド樹脂は、テトラカルボン酸二無水物成分として、フッ素含有芳香族テトラカルボン酸二無水物、脂環式テトラカルボン酸二無水物およびビス無水トリメリット酸芳香族エステルからなる群から選択される1種以上を含むものが好ましい。テトラカルボン酸二無水物成分は、フッ素含有芳香族テトラカルボン酸二無水物と、ビス無水トリメリット酸芳香族エステルを含んでいてもよい。
一実施形態において、ポリイミド樹脂は、テトラカルボン酸二無水物成分として、20〜65モル%のフッ素含有芳香族テトラカルボン酸二無水物と、35〜80モル%のビス無水トリメリット酸芳香族エステルを含む。
フッ素含有芳香族テトラカルボン酸二無水物は、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン酸二無水物であってもよい。ビス無水トリメリット酸芳香族エステルとしては、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2020164771
一般式(1)において、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜20のアルキル基であり、nは1以上の整数である。ビス無水トリメリット酸芳香族エステルは、下記の式(3)で表される化合物でもよい。
Figure 2020164771
ポリイミド樹脂の重量平均分子量は、50,000〜100,000が好ましい。
溶媒可溶性ポリイミド樹脂と有機溶媒とを含む溶液を支持体上に塗布し、溶媒を除去することにより、ポリイミドフィルムが得られる。有機溶媒の沸点は90℃以下が好ましい。有機溶媒は、ケトン類またはハロゲン化アルキル類であってもよい。
ポリイミドフィルムは、鉛筆硬度が3H以上であり、かつ投影法による観察においてスジがないことが好ましい。ポリイミドフィルムの厚みは20μm以上であってもよい。
本発明のポリイミドフィルムは、機械強度が高く、かつスジがなく均一性に優れているため、カバーウインドウ等のディスプレイ材料として好適に用いられる。
透明ポリイミドフィルムは、有機溶媒可溶性のポリイミド樹脂を含む。ポリイミド樹脂と有機溶媒を含む溶液を支持体上に塗布し、溶媒を乾燥除去することにより、透明ポリイミドフィルムが形成される。
[ポリイミド樹脂]
ポリイミドは、一般に、テトラカルボン酸二無水物(以下、単に「酸二無水物」と記載する場合がある)とジアミンとの反応により得られるポリアミド酸を脱水環化することにより得られる。すなわち、ポリイミドは酸二無水物由来構造とジアミン由来構造とを有する。透明性および溶媒可溶性を示すポリイミド樹脂は、好ましくは、酸二無水物およびジアミンの少なくとも一方に、フッ素原子を含み、より好ましくは、酸二無水物およびジアミンの両方に、フッ素原子を含む。
(ジアミン)
溶媒可溶性および透明性を有するポリイミドは、ジアミン成分として、フッ素含有芳香族ジアミンを含むことが好ましい。
フッ素含有芳香族ジアミンとしては、1,4−ジアミノ−2−フルオロヘンゼン、1,4−ジアミノ−2,3−ジフルオロベンゼン、1,4−ジアミノ−2,5−ジフルオロベンゼン、1,4−ジアミノ−2,6−ジフルオロベンゼン、1,4−ジアミノ−2,3,5−トリフルオロベンゼン、1,4−ジアミノ、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼン、1,4−ジアミノ−2−(トリフルオロメチル)ヘンゼン、1,4−ジアミノ−2,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,4−ジアミノ−2,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,4−ジアミノ−2,6−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,4−ジアミノ−2,3,5−トリス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,4−ジアミノ−2,3,5,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ベンゼン、2−フルオロベンジジン、3−フルオロベンジジン、2,3−ジフルオロベンジジン、2,5−ジフルオロベンジジン、2,6−ジフルオロベンジジン、2,3,5−トリフルオロベンジジン、2,3,6−トリフルオロベンジジン、2,3,5,6−テトラフルオロベンジジン、2,2’−ジフルオロベンジジン、3,3’−ジフルオロベンジジン、2,3’−ジフルオロベンジジン、2,2’,3−トリフルオロベンジジン、2,3,3’−トリフルオロベンジジン、2,2’,5−トリフルオロベンジジン、2,2’,6−トリフルオロベンジジン、2,3’,5−トリフルオロベンジジン、2,3’,6,−トリフルオロベンジジン、2,2’,3,3’−テトラフルオロベンジジン、2,2’,5,5’−テトラフルオロベンジジン、2,2’,6,6’−テトラフルオロベンジジン、2,2’,3,3’,6,6’−ヘキサフルオロベンジジン、2,2’,3,3’,5,5’、6,6’−オクタフルオロベンジジン、2−(トリフルオロメチル)ベンジジン、3−(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,6−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3,5−トリス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3,6−トリス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3,5,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3,3’ −トリス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’,5−トリス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’,6−トリス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3’,5−トリス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3’,6,−トリス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’,3,3’−テトラキス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)ベンジジン等が挙げられる。透明性および機械強度に優れるポリイミドを得る観点から、フッ素含有芳香族ジアミンとしては、フルオロアルキル置換ベンジジンが好ましい。中でも、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン等のビス(トリフルオロメチル)ベンジジンが好ましく、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンが特に好ましい。
ジアミン成分として、フッ素含有芳香族ジアミンに加えてスルホニル基含有ジアミンを用いることにより、ポリイミド樹脂の機械強度が向上する傾向がある。スルホニル基含有ジアミンとしては、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、4,4’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ]ジフェニルスルホン等のジフェニルスルホン誘導体が挙げられる。中でも、ポリイミド樹脂の透明性と溶解性を損なうことなく機械強度を向上できることから、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン(3,3’−DDS)が特に好ましい。
ポリイミド樹脂は、ジアミン成分として、フッ素含有芳香族ジアミンおよびスルホニル基含有ジアミン以外の成分を含んでいてもよい。フッ素含有芳香族ジアミンおよびスルホニル基含有ジアミン以外のジアミンとしては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン等の1つの芳香環に2つのアミノ基が結合しているジアミン;ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルフィド、ジアミノベンゾフェノン、ジアミノジフェニルアルカン、ビス(アミノベンゾイル)ベンゼン等の異なる芳香環のそれぞれアミノ基が結合している芳香族ジアミン;ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン等の脂環式ジアミンが挙げられる。
ポリイミド樹脂の透明性および溶媒可溶性の観点から、ジアミン成分の合計100モル%のうち、フッ素含有芳香族ジアミンの含有量は、25モル%以上が好ましい。フッ素含有ジアミンの含有量は、30モル%以上、35モル%以上、40モル%以上、45モル%以上、50モル%以上、55モル%以上、または60モル%以上であってもよい。有機溶媒への溶解性および透明性に優れるポリイミド樹脂が得られることから、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンの含有量が上記範囲であることが好ましい。
ジアミン成分の合計100モル%のうち、スルホニル基含有ジアミンの含有量は、75モル%以下が好ましい。スルホニル基含有ジアミンの含有量は、70モル%以下、60モル%以下、55モル%以下、50モル%以下、45モル%以下または40モル%以下であってもよい。ジアミン成分の合計100モル%のうちのスルホニル基含有ジアミンの含有量は、10モル%以上が好ましく、15モル%以上、20モル%以上、25モル%以上または30モル%以上であってもよい。特に、3,3’−ジアミノジフェニルスルホンの含有量が上記範囲であることが好ましい。
ポリイミド樹脂の透明性および溶解性の観点から、ジアミン成分の合計100モル%のうち、フッ素含有芳香族ジアミンとスルホニル基含有ジアミンの合計は、60モル%以上が好ましい。ジアミン成分の合計100モル%のうちのフッ素含有芳香族ジアミンとスルホニル基含有ジアミンの合計は、65モル%以上、70モル%以上、75モル%以上、80モル%以上、85モル%以上、90モル%以上、または95モル%以上であり得る。ポリイミドフィルムの透明性と機械強度とを両立する観点から、ジアミン成分の合計100モル%に対して、フルオロアルキル置換ベンジジン等のフッ素含有芳香族ジアミンの量は40〜90モル%が好ましく、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン等のスルホニル基含有ジアミン量は10〜60モル%が好ましい。
(酸二無水物)
溶媒可溶性および透明性を有するポリイミドは、酸二無水物成分として、フッ素含有芳香族酸二無水物を含むことが好ましい。フッ素含有芳香族酸二無水物としては、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス{4−[4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ]フェニル}−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物等が挙げられる。フッ素含有芳香族酸二無水物を用いることにより、ポリイミド樹脂の溶媒への溶解性が高くなる傾向がある。
透明性が高く着色の少ない透明ポリイミドフィルムを得るためには、酸二無水物として、フッ素含有芳香族酸二無水物に加えて、脂環式酸二無水物、および/またはビス無水トリメリット酸エステル等の酸二無水物を含むことが好ましい。
ビス無水トリメリット酸エステルは、無水トリメリット酸とジオールとのエステルであり、ジオールとしては芳香族ジオールが好ましい。芳香族ジオールとしては、ヒドロキノン類、ビフェノール類、ビスフェノール類等が挙げられる。
ビス無水トリメリット酸芳香族エステルとしては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2020164771
一般式(1)において、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜20のアルキル基であり、nは1以上の整数である。好ましくは、R〜Rは水素原子またはメチル基であり、nは1または2である。
酸二無水物成分として、これらのビス無水トリメリット酸芳香族エステルを含むポリイミド樹脂は、塩化メチレン等の低沸点ハロゲン化アルキルにも高い溶解性を示す。中でも、透明性および機械強度に優れ、かつ有機溶媒に対する溶解性の高いポリイミドが得られることから、ビス無水トリメリット酸エステルとしては、下記式(2)で表されるp−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)(TMHQ)、および下記式(3)で表されるビス(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボン酸)2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチルビフェニル]−4,4’−ジイル(TAHMBP)が好ましい。
Figure 2020164771
脂環式酸二無水物としては、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,1’−ビシクロヘキサン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸−3,4,3’,4’−二無水物挙げられる。中でも、透明性および機械強度に優れるポリイミドが得られることから、脂環式酸二無水物としては、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物が好ましく、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物(CBDA)が特に好ましい。
ポリイミド樹脂は、上記以外の酸二無水物成分を含んでいてもよい。上記以外の酸二無水物分としては、ピロメリット酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物等の1つの芳香環に4つのカルボニルが結合している芳香族テトラカルボン酸二無水物;2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,4’−オキシジフタル酸無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物等の異なる芳香環に2つずつのカルボニル基が結合している芳香族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
フッ素含有芳香族酸二無水物、脂環式酸二無水物およびビス無水トリメリット酸エステル以外の酸二無水物を用いる場合、有機溶媒に対する溶解性を保持しつつ、ポリイミドフィルムの機械強度を高める観点から、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)が特に好ましい。
ポリイミド樹脂の透明性および溶媒可溶性の観点から、酸二無水物成分の合計100モル%のうち、フッ素含有芳香族酸二無水物と、ビス無水トリメリット酸芳香族エステルと、脂環式酸二無水物の合計は、60モル%以上が好ましい。酸二無水物成分の合計100モル%のうち、フッ素含有芳香族酸二無水物と、ビス無水トリメリット酸芳香族エステルと、脂環式酸二無水物の合計は、65モル%以上、70モル%以上、75モル%以上、80モル%以上、85モル%以上、90モル%以上、または95モル%以上であり得る。酸二無水物成分として、BPDA等の異なる芳香環に2つずつのカルボニル基が結合している芳香族テトラカルボン酸二無水物を用いることにより、ポリイミド樹脂の透明性および溶解性を損なうことなく、耐熱性や機械強度を向上できる場合がある。
ポリイミド樹脂の透明性および溶媒可溶性の観点から、酸二無水物成分の合計100モル%のうち、フッ素含有芳香族酸二無水物の含有量は、20モル%以上が好ましく、30モル%以上、35モル%以上、40モル%以上、40モル%以上、45モル%以上または50モル%以上であり得る。溶解性および透明性に優れるポリイミド樹脂が得られることから、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)の含有量が上記範囲であることが好ましい。
ポリイミド樹脂の透明性と溶媒溶解性とを両立する観点から、酸二無水物成分の合計100モル%のうち、脂環式酸二無水物および/またはビス無水トリメリット酸芳香族エステルと、フッ素含有芳香族酸二無水物の合計は、20モル%以上が好ましく、25モル%以上、30モル%以上、35モル%以上、40モル%以上、45モル%以上または50モル%以上であり得る。酸二無水物成分としてCBDA等の脂環式酸二無水物を含むポリイミドは、メチルエチルケトン等のケトン類に対して高い溶解性を示す傾向がある。酸二無水物成分としてTMHQやTAHMBP等のビス無水トリメリット酸芳香族エステルを含むポリイミドは、ケトン類に加えて、塩化メチレン等のハロゲン化アルキル類に対しても高い溶解性を示す傾向がある。ビス無水トリメリット酸芳香族エステルに加えて、脂環式酸二無水物を含むポリイミドも、ハロゲン化アルキル類に対して高い溶解性を示す傾向がある。
低沸点(例えば沸点50℃以下)のハロゲン化アルキル類に対して高い溶解性を示し、ポリイミドフィルムの生産性を向上できることから、ポリイミド樹脂としては、フッ素含有芳香族酸二無水物とビス無水トリメリット酸芳香族エステルを含むものが好ましく、フッ素含有芳香族テトラカルボン酸二無水物を20〜65モル%、ビス無水トリメリット酸芳香族エステルを35〜80モル%含むものが好ましい。フッ素含有芳香族酸二無水物としては、6FDAが好ましく、ビス無水トリメリット酸芳香族エステルとしては、TMHQおよびTAHMBPが好ましい。
ポリイミド樹脂としては、酸二無水物成分として、20〜65モル%のビス無水トリメリット酸芳香族エステルと、35〜80モル%のフッ素含有芳香族テトラカルボン酸二無水物を含むものが好ましい。酸二無水物として、さらに、BPDAを40モル%以下含んでもよい。BPDAの量は10モル%以上でもよい。酸二無水物成分として、フッ素含有芳香族テトラカルボン酸二無水物とビス無水トリメリット酸芳香族エステルを含む場合、ジアミン成分として、40〜90モル%のフルオロアルキル置換ベンジジンと、10〜60モル%の3,3’−DDSを含むことが好ましい。フッ素含有芳香族テトラカルボン酸二無水物としては6FDAが好ましい。ビス無水トリメリット酸芳香族エステルとしては、TMHQおよび/またはTAHMBPが好ましい。フルオロアルキル置換ベンジジンとしてはTFMBが好ましい。
すなわち、ポリイミド樹脂としては、酸二無水物成分として、TAHMBPおよび/またはTMHQを合計20〜65モル%、6FDAを30〜80モル%含み、ジアミン成分として、TFMBを40〜100モル%、3,3’−DDSを60モル%以下含むことが好ましい。より好ましくは、ポリイミド樹脂は、酸二無水物成分として、TAHMBPおよび/またはTMHQを合計30〜60モル%、6FDAを35〜60モル%含み、ジアミン成分として、TFMBを60〜80モル%、3,3’−DDSを20〜40モル%含む。
(ポリアミド酸の合成)
ポリアミド酸は、例えば、有機溶媒中で酸二無水物とジアミンとを反応させることにより得られる。酸二無水物とジアミンは略等モル量を用いることが好ましく、酸二無水物に対するジアミンの量はモル比で、0.95〜1.05が好ましい。酸二無水物の開環を抑制するため、溶媒中にジアミンを溶解させた後、酸二無水物を添加する方法が好ましい。複数種のジアミンや複数種の酸二無水物を添加する場合は、一度に添加してもよく、複数回に分けて添加してもよい。ポリアミド酸溶液は、通常5〜35重量%、好ましくは10〜30重量%の濃度で得られる。
酸二無水物とジアミンの比率を調整することにより、ポリアミド酸の分子量を調整できる。酸二無水物とジアミンモル比が等量に近いほど、ポリアミド酸の分子量が大きくなり、ポリアミド酸の脱水環化により得られるポリイミドの分子量も大きくなる傾向がある。酸二無水物に対するジアミンのモル比を1から外すことにより、ポリアミド酸およびポリイミドの分子量を小さくできる。
ポリアミド酸の末端が酸無水物基である場合、酸無水物基が開環し、カルボキシ基を触媒とするポリアミド酸の解重合により分子量が変動しやすい。そのため、分子量の調整を目的として酸二無水物とジアミンのモル比を等量から外す場合は、ジアミンの量を酸二無水物の量よりも多くして、ポリアミド酸の末端のアミノ基の比率を大きくすることが好ましい。ジアミンに対する酸二無水物の量は、例えば、モル比で0.95〜0.999である。ジアミンに対する酸二無水物の量は、モル比で0.998以下、0.996以下、または0.995以下であってもよい。
ポリアミド酸の重合には、原料としてのジアミンおよび酸二無水物、ならびに重合生成物であるポリアミド酸を溶解可能な有機溶媒を特に限定なく使用できる。有機溶媒の具体例としては、メチル尿素、N,N−ジメチルエチルウレア等のウレア系溶媒;ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホン、テトラメチルスルフォン等のスルホン系溶媒;N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等のアミド系溶媒;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、p−クレゾールメチルエーテル等のエーテル系溶媒が挙げられる。これらの中でも、重合反応性およびポリアミド酸の溶解性に優れることから、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、またはN−メチルピロリドンが好ましく用いられる。
<イミド化>
ポリアミド酸の脱水環化によりポリイミドが得られる。溶液でのイミド化には、ポリアミド酸溶液に脱水剤およびイミド化触媒等を添加する化学イミド化法が適している。イミド化の進行を促進するために、ポリアミド酸溶液を加熱してもよい。
イミド化触媒としては、第三級アミンが用いられる。中でも、ピリジン、ピコリン、キノリン、イソキノリン等の複素環式の第三級アミンが好ましい。脱水剤としては、無水酢酸、プロピオン酸無水物、酪酸無水物、安息香酸無水物、トリフルオロ酢酸無水物等の酸無水物が用いられる。イミド化触媒の添加量は、ポリアミド酸のアミド基に対して、0.5〜5.0モル当量が好ましく、0.6〜2.5モル当量がより好ましく、0.7〜2.0モル当量がさらに好ましい。脱水剤の添加量は、ポリアミド酸のアミド基に対して、0.5〜10.0モル当量が好ましく、0.7〜7.0モル当量がより好ましく、1.0〜5.0モル当量がさらに好ましい。
(ポリイミド樹脂の析出)
ポリアミド酸のイミド化により得られたポリイミド溶液は、そのまま製膜用ドープとして用いることもできるが、一旦、ポリイミド樹脂を固形物として析出させることが好ましい。ポリイミド樹脂を固形物として析出させることにより、ポリアミド酸の重合時に発生した不純物や残存モノマー成分、ならびに脱水剤およびイミド化触媒等を、洗浄・除去できる。そのため、透明性や機械特性に優れたポリイミドフィルムが得られる。
ポリイミド溶液と貧溶媒とを混合することにより、ポリイミド樹脂が析出する。貧溶媒は、ポリイミド樹脂の貧溶媒であって、ポリイミド樹脂を溶解している溶媒と混和するものが好ましく、水、アルコール類等が挙げられる。アルコール類としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、トリエチレングリコール、2−ブチルアルコール、2−ヘキシルアルコール、シクロペンチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、フェノール、t−ブチルアルコール等が挙げられる。ポリイミドの開環等が生じ難いことから、イソプロピルアルコール、2−ブチルアルコール、2−ペンチルアルコール、フェノール、シクロペンチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルコールが好ましく、イソプロピルアルコールが特に好ましい。
ポリイミド樹脂溶液と貧溶媒とを混合する前に、ポリイミド溶液の固形分濃度を調整してもよい。ポリイミド溶液の固形分濃度は、3〜30重量%程度が好ましい。ポリイミド溶液と貧溶媒とを混合する方法としては、貧溶媒溶液中にポリイミド溶液を投入する方法、ポリイミド溶液中に貧溶媒を投入する方法、および貧溶媒とポリイミド溶液を同時混合する方法等が挙げられる。貧溶媒量はポリイミド樹脂溶液の等量以上が好ましく、1.5体積倍以上がより好ましく、2体積倍以上がさらに好ましい。析出したポリイミド樹脂には、少量のイミド化触媒や脱水剤等が残存している場合があるため、貧溶媒により洗浄することが好ましい。析出および洗浄後のポリイミド樹脂は、真空乾燥、熱風乾燥等により貧溶媒を除去することが好ましい。
ポリイミドの重量平均分子量は、50,000〜100,000が好ましく、55,000〜95,000がより好ましく、60、000〜90、000がさらに好ましい。重量平均分子量が50,000以上であれば、ポリアミド酸溶液からのイミド化により得られるポリイミドを、粒子状に析出させることが可能であり、ポリイミド樹脂のハンドリング性や有機溶媒への溶解の作業性が向上する。また、ポリイミドの重量平均分子量が大きいほど、ポリイミドフィルムの機械強度が向上する傾向がある。ポリイミドの重量平均分子量が100,000以下であれば、ポリイミド樹脂溶液の粘度を低くすることができるため、スジのない均一なフィルムを作製できる。フィルムの機械強度を保持できる範囲で、分子量をできる限り小さくして、溶液粘度を低くすることが好ましい。ポリイミド樹脂の重量平均分子量は、80,000以下または75,000以下であってもよい。本明細書における分子量は、ゲルパーミレーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリエチレンオキシド(PEO)換算の値である。上記のように、ポリアミド酸を重合する際のジアミンと酸二無水物のモル比を調整することにより、ポリアミド酸およびポリイミドの分子量を調整可能である。また、重合時の反応条件(温度、時間等)により分子量を調整してもよい。
[ポリイミド溶液]
上記のポリイミド樹脂を適切な溶媒に溶解することにより、ポリイミド溶液を調製する。溶媒は、上記のポリイミド樹脂を溶解可溶なものであれば特に限定されず、例えば、ポリアミド酸の重合に用いる有機溶媒として先に例示したウレア系溶媒、スルホン系溶媒、アミド系溶媒、ハロゲン化アルキル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒等が挙げられる。これらの他に、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノン等のケトン類;クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタンおよびトリクロロエタン等のハロゲン化アルキル類も、ポリイミドの溶媒として好適に用いられる。
これらの中でも、沸点が低く、ポリイミドフィルムの製造効率を向上可能であることから、ケトン類およびハロゲン化アルキル類が好ましい。溶媒の沸点は、90℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましい。溶媒の沸点は、70℃以下、60℃以下または50℃以下であってもよい。
前述のように、酸二無水物成分としてフッ素含有芳香族テトラカルボン酸二無水物および脂環式テトラカルボン酸二無水物を含むポリイミドは、メチルエチルケトン等のケトン類に対して高い溶解性を示す傾向がある。酸二無水物成分として、フッ素含有芳香族テトラカルボン酸二無水物およびビス無水トリメリット酸芳香族エステルを含むポリイミドは、ケトン類に加えて、塩化メチレン等のハロゲン化アルキル類に対して高い溶解性を示す傾向があり、フッ素含有芳香族テトラカルボン酸二無水物およびビス無水トリメリット酸芳香族エステルに加えて脂環式テトラカルボン酸二無水物を含む場合も同様である。
ポリイミド溶液は、ポリイミド以外の樹脂成分や添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、架橋剤、染料、界面活性剤、レベリング剤、可塑剤、微粒子等が挙げられる。ポリイミド樹脂の固形分100重量部に対するポリイミド樹脂の含有量は60重量部以上が好ましく、70重量部以上がより好ましく、80重量部以上がさらに好ましい。
ポリイミド溶液の25℃における粘度は、2〜60Pa・sが好ましく、3〜50Pa・sがより好ましく、5〜40Pa・sがさらに好ましい。ポリイミド溶液の固形分濃度は、10〜35重量%が好ましく、12〜29重量%がより好ましく、14〜23重量%がさらに好ましい。
溶液の粘度が高い場合は、支持体上に溶液を塗布する際のコーティング方向に沿ったスジが発生しやすい。一方、粘度を小さくするために溶液の固形分濃度を小さくすると、溶媒の乾燥に要する時間が長くなり、生産性の低下やコストアップの原因となる。上述のように、ポリイミドの重量平均分子量を小さくすることにより、ポリイミド溶液の固形分濃度が高い場合でも、溶液粘度が小さいため、スジのない均一なフィルムを作製できる。
[ポリイミドフィルム]
<ポリイミドフィルムの製造方法>
ポリイミドフィルムの製造方法としては、支持体上にポリアミド酸溶液を膜状に塗布し、溶媒を乾燥除去するとともにポリアミド酸をイミド化する方法と、ポリイミド樹脂溶液を支持体上に膜状に塗布して溶媒を乾燥除去する方法が挙げられる。残存不純物が少なく、透明性が高くかつ機械強度に優れるポリイミドフィルムを得る観点から、後者の方法が好ましい。後者の方法では、上記のポリイミド溶液が用いられる。
ポリイミドフィルムの厚みは特に限定されず、用途に応じて適宜設定すればよい。ポリイミドフィルムの厚みは、例えば5μm以上である。支持体から剥離後のポリイミドフィルムに自己支持性を持たせる観点から、ポリイミドフィルムの厚みは20μm以上が好ましく、25μm以上がより好ましく、30μm以上がさらに好ましい。ディスプレイのカバーウインドウ材料等の強度が求められる用途においては、ポリイミドフィルムの厚みは、40μm以上または50μm以上であってもよい。ポリイミドフィルムの厚みの上限は特に限定されないが、可撓性および透明性の観点からは200μm以下が好ましく、150μm以下がより好ましく、100μm以下がさらに好ましい。
ポリイミド樹脂溶液(製膜ドープ)を塗布する支持体としては、ガラス基板、SUS等の金属基板、金属ドラム、金属ベルト、プラスチックフィルム等を使用できる。生産性向上の観点から、支持体として、金属ドラム、金属ベルト等の無端支持体、または長尺プラスチックフィルム等を用い、ロールトゥーロールによりフィルムを製造することが好ましい。プラスチックフィルムを支持体として使用する場合、製膜ドープの溶媒に溶解しない材料を適宜選択すればよく、プラスチック材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエチレンナフタレート等が用いられる。
ポリイミド溶液を基材に塗布する方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、バーコーターやコンマコーター等の支持体とコーティングロールとのギャップを調整して一定の厚みに製膜する方法、およびダイコーター等の吐出量の調整により一定の厚みに製膜する方法が挙げられる。いずれの方法においても、ポリイミド樹脂溶液の粘度が過度に高い場合は、コーティング方向(支持体の移動方向)に沿ってスジが発生しやすい。
ディスプレイ用光学材料では、わずかな厚みの変化に起因する目視では確認できない微細なスジが光を屈折させる原因となる。そのため、高出力のキセノンランプからの光をフィルムに照射して投影した際に、スジが確認されないことが好ましい。ポリイミドフィルムのコーティング幅の両端から20mmの領域を除外し、長さ1mの範囲にわたって投影法による観察を行い、スジが確認されない場合に、スジなしと判定する。上記のように、ポリイミド樹脂の分子量を小さくして、固形分濃度を低下させることなく溶液の粘度を低くすることにより、投影法による観察においてスジのないポリイミドフィルムが得られる。
支持体上にポリイミド樹脂溶液を塗布し、溶媒を乾燥除去することにより、ポリイミドフィルムが得られる。溶媒の乾燥時には加熱を行うことが好ましい。加熱温度は特に限定されず、室温〜250℃程度で適宜に設定される。段階的に加熱温度を上昇させてもよい。
<ポリイミドフィルムの特性>
ディスプレイ等に用いられるポリイミドフィルムは、黄色度(YI)が低いことが好ましい。ポリイミドフィルムの黄色度は、3.0以下が好ましく2.5以下がより好ましく、2.0以下がさらに好ましく、1.5以下が特に好ましい。ポリイミドフィルムの波長400mにおける光透過率は、70%以上が好ましく、75%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましい。ポリイミドフィルムの波長400nmにおける吸光度A400は、厚み100μmあたり0.3以下が好ましく、0.25以下がより好ましく、0.2以下がさらに好ましく、0.15以下が特に好ましい。ポリイミドフィルムの全光線透過率は、85%以上が好ましく、88%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。ポリイミドフィルムのヘイズは、1.5%以下が好ましく、1%以下がより好ましい。
ポリイミドフィルムの鉛筆硬度は、3H以上である。ポリイミドフィルムが高い硬度を有することにより、ポリイミドフィルムをロールトゥーロール搬送する際のロールとの接触や、巻取時のフィルム同士の接触によるフィルムの傷付きを防止できる。また、ポリイミドフィルムがディスプレイのカバーウインドウ等に用いられる場合は、外部からの接触に対する耐擦傷性が高められる。ポリイミドフィルムの鉛筆硬度は4H以上であってもよい。上記のように、ポリイミドのジアミン成分として、フッ素含有芳香族ジアミンに加えて、3,3’−ジアミノジフェニルスルホンを含むことにより、ポリイミドフィルムの機械強度が向上する傾向がある。また、ポリイミドの酸二無水物成分として、フッ素含有芳香族テトラカルボン酸二無水物に加えて、脂環式テトラカルボン酸二無水物、および/またはビス無水トリメリット酸芳香族エステルを含むことにより、ポリイミドの有機溶媒溶解性を維持または向上させつつ、ポリイミドフィルムの機械強度を高めることができる。
<ポリイミドフィルムの用途>
上記の透明ポリイミドフィルムは、機械強度が高く、かつ投影法による観察においてスジが確認されず均一性に優れているため、ディスプレイ材料として好適に用いられる。特に、機械的強度が高いポリイミドフィルムは、ディスプレイのカバーウインドウ等の表面部材への適用が可能である。ポリイミドフィルムは、実用に際して、表面に帯電防止層、易接着層、ハードコート層、反射防止層等を設けてもよい。
以下、実施例および比較例に基づき、本発明についてさらに具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
ジアミン、テトラカルボン酸二無水物、および有機溶媒については、以下の略称を使用している。
TFMB:2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン
3,3’−DDS:3,3’−ジアミノジフェニルスルホン
6FDA:2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物
CBDA:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
TAHMBP:(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボン酸)2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチルビフェニル]−4,4’−ジイル
DMF;N,N−ジメチルホルムアミド
MEK:メチルエチルケトン
DCM:塩化メチレン
[ポリイミド樹脂の調製]
<ポリイミド樹脂1>
(ポリアミド酸の重合)
反応容器に、DMF:382.7重量部を投入し、窒素雰囲気下で攪拌しながらTFMB:26.3重量部、および3,3’−DDS:9.6重量部を順に投入し、窒素雰囲気下で攪拌して溶解させた後、TAHMBP:37.3重量部、6FDA:26.5重量部、および酢酸68.3重量部を順次添加し、窒素雰囲気下で5時間攪拌して反応させて、固形分濃度18%のポリアミド酸溶液を得た。
(イミド化およびポリイミド樹脂の抽出)
ポリイミド酸溶液555重量部(ポリアミド酸100重量部)に、DMF:154重量部を添加して希釈し、イミド化触媒としてピリジン28.8重量部を添加し、攪拌した後、無水酢酸37.2重量部を添加し、80℃で4時間攪拌後、室温まで冷却してポリイミド溶液を得た。溶液を攪拌しながら、イソプロピルアルコールとDMFの混合液(重量比85:15)を滴下して、ポリイミド樹脂を析出させた。その後、濾別したポリイミド樹脂をイソプロピルアルコールで3回洗浄した後、120℃の真空オーブンで8時間乾燥させて白色のポリイミド樹脂粉体を得た。
<ポリイミド樹脂2〜5>
ポリアミド酸の重合における6FDAの投入量を表2に示すように変更して、ジアミンに対する酸二無水物のモル比を小さくした。それ以外は、ポリイミド樹脂1の調製と同様にして、ポリイミド樹脂粉体を得た。ポリイミド樹脂5は、分子量が低く、ポリイミド樹脂を粉体として得ることができなかった。
<ポリイミド樹脂6>
酸二無水物として、TAHMBPに代えてCBDAを用い、ジアミンおよび酸二無水物の投入量を表2に示すように変更した。ポリアミド酸の重合においては、6FDAを投入後にCBDAを投入した。それ以外は、ポリイミド樹脂1の調製と同様にして、ポリイミド樹脂粉体を得た。
<ポリイミド樹脂7>
ジアミンとしてTFMBのみを用い、酸二無水物として6FDAのみを用い、TFMBおよび6FDAの投入量を表2に示すように変更した。それ以外は、ポリイミド樹脂1の調製と同様にして、ポリイミド樹脂粉体を得た。
[ポリイミド樹脂溶液の調製およびポリイミドフィルムの作製]
上記のポリイミド樹脂1〜4、6、7を表3に示す有機溶媒に溶解して、固形分濃度18重量%のポリイミド樹脂溶液を調製した。厚み188μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを搬送しながら、ロールコーターを用いて、ポリイミド溶液を1540mm幅の領域に塗布し、40℃で15分、60℃で15分、80℃で30分乾燥を行った。その後、ポリイミドフィルムをPETフィルムから剥離し、130℃で15分、160℃で15分、190℃で15分乾燥し、厚さ50μmの透明ポリイミドフィルムを得た。なお、粉体が得られなかったポリイミド樹脂5については、ポリイミドフィルムの作製を行わなかった。
[評価]
<ポリイミド樹脂の分子量>
表1に示す条件にて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリイミド樹脂の重量平均分子量(Mw)を求めた。
Figure 2020164771
<鉛筆硬度>
JIS K−5400−1990の「8.4.1 鉛筆引っかき試験」により、フィルムの鉛筆硬度を測定した。
<投影観察>
暗室内で、白色スクリーンから140cm離れた位置に、150Wの高安定キセノンランプ(浜松ホトニクス製「L2274」)を収容したランプハウスを配置し、ランプハウスおよび白色スクリーンから等距離(それぞれからの距離が70cm)の位置に、ポリイミドフィルムを配置した。キセノンランプからの光をポリイミドフィルムに照射して、その投影光を白色スクリーンに映し、スジ状の影の有無を確認した。ポリイミドフィルムの幅方向の両端から20mmを除いた幅1500mmの領域を長さ方向に1m投影観察し、1本でもスジ状の影が確認されたものをNG,スジ状の影が確認されなかったものをOKとした。
各例におけるポリアミド酸の重合時のジアミンおよび酸二無水物の仕込み量を表2に示し、ポリイミド樹脂の組成、分子量、およびフィルムの評価結果を表3に示す。
Figure 2020164771
Figure 2020164771
ジアミンとしてTFMBのみを含むポリイミド樹脂7を用いた例では、ポリイミドフィルムの投影観察においてスジが確認されず均一性に優れていたが、機械強度が不足していた。
ジアミンとしてTFMBに加えて3,3’−DDSを含むポリイミド樹脂6を用いた例では、ポリイミドフィルムが高い硬度を示したが、投影観察においてスジがみられた。ポリイミド樹脂6と略同等の分子量を有するポリイミド樹脂1を用いた場合も、同様であった。
ポリイミド樹脂2〜4を用いたフィルムは、投影観察においてスジがみられなかった。分子量が4万のポリイミド樹脂5では、ポリイミド樹脂を適切に造粒することができなかった。ポリイミド樹脂1〜4は、いずれもポリイミド樹脂の造粒が可能であり、分子量が小さい場合でも、鉛筆硬度の低下はみられず、優れた機械強度を示した。
以上の結果から、所定の分子量を有するポリイミド樹脂を用いることにより、固形分濃度を保ったまま溶液粘度を小さくすることが可能であり、機械強度が高く、かつスジがなく均一性の高い透明ポリイミドフィルムが得られることが分かる。

Claims (11)

  1. ポリイミド樹脂を含むポリイミドフィルムであって、
    前記ポリイミド樹脂は、テトラカルボン酸二無水物由来構造とジアミン由来構造とを有し、前記ジアミンとして、フルオロアルキル置換ベンジジンを40〜90モル%、および3,3’−ジアミノジフェニルスルホンを10〜60モル%含み、
    前記ポリイミド樹脂の重量平均分子量が50,000〜100,000であり、
    フィルムの鉛筆硬度が3H以上であり、投影法による観察においてスジがない、ポリイミドフィルム。
  2. 前記ポリイミド樹脂は、前記テトラカルボン酸二無水物として、フッ素含有芳香族テトラカルボン酸二無水物、脂環式テトラカルボン酸二無水物、およびビス無水トリメリット酸芳香族エステルからなる群から選択される1種以上を含む、請求項1に記載のポリイミドフィルム。
  3. 前記ポリイミド樹脂は、前記テトラカルボン酸二無水物として、フッ素含有芳香族テトラカルボン酸二無水物、および一般式(1)で表されるビス無水トリメリット酸芳香族エステルを含む、請求項1に記載のポリイミドフィルム:
    Figure 2020164771
    一般式(1)において、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜20のアルキル基であり、nは1以上の整数である。
  4. 前記ポリイミド樹脂は、前記テトラカルボン酸二無水物として、フッ素含有芳香族テトラカルボン酸二無水物を20〜65モル%、前記一般式(1)で表されるビス無水トリメリット酸芳香族エステルを35〜80モル%含む、請求項3に記載のポリイミドフィルム。
  5. 前記無水トリメリット酸芳香族エステルが、下記式(3)で表される化合物である、請求項2〜4のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
    Figure 2020164771
  6. 前記フッ素含有芳香族テトラカルボン酸二無水物が、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン酸二無水物である請求項2〜5のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
  7. 前記フルオロアルキル置換ベンジジンが2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンである請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
  8. 厚みが20μm以上である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリイミドフィルムの製造方法であって、
    溶媒可溶性ポリイミド樹脂と有機溶媒とを含む溶液を支持体上に塗布し、前記溶媒を除去する、ポリイミドフィルムの製造方法。
  10. 前記有機溶媒の沸点が90℃以下である、請求項9に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  11. 前記有機溶媒が、ケトン類またはハロゲン化アルキル類である、請求項9または10に記載のポリイミドフィルムの製造方法。

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