JP2020163838A - Frp製筒体および動力伝達軸 - Google Patents

Frp製筒体および動力伝達軸 Download PDF

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雄太 伊藤
孝洋 奥野
Takahiro Okuno
孝洋 奥野
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Naoya Konagai
直哉 小長井
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Abstract

【課題】筒体の捩り強度を維持して、相手部材との接合強度をより向上させることができる繊維強化プラスチック製筒体およびその筒体を使用した動力伝達軸を提供する。【解決手段】補強繊維と樹脂からなるプリプレグを筒状に巻回してなる繊維強化プラスチック製筒体において、この筒体の径方向断面形状における外径形状が多角形であり、かつ、この筒体の径方向断面における内径形状が円形であり、該筒体の軸方向全体にわたり一定形状であり、特に上記多角形が正多角形である。【選択図】図1

Description

本発明は、捩り強度を低下させることなく、相手部材との接合強度を高めた繊維強化プラスチック(以下、FRPという)製筒体およびその筒体からなる動力伝達軸に関する。
近年、燃費向上による二酸化炭素排出量の削減要請を受けて、例えばドライブシャフトやプロペラシャフトなどの動力伝達軸などの車両部品をFRP(Fiber Reinforced Plastics)円筒体で構成して、車両部品ひいては車両全体を軽量化する研究が盛んに行なわれており、一部では実用化もされている。例えば、FRP製ドライブシャフトやプロペラシャフトの場合、(1)FRP製円筒体の捩り強度、(2)相手部材との接合強度の両立が求められる。特に接合技術は重要であり、種々の取り組みがされている。
従来のFRP製筒体の一例として、特許文献1が知られている。図20にこのFRP製筒体を示す。FRP製筒体11は、円筒体の本体16と、この本体16にテーパー部17を介して設けられた接合部15とを有する。FRP製筒体11において、円筒体の本体16の径方向断面における外径形状を円形とし、接合部15の径方向断面における外径形状12のみを正多角形(13は多角形の頂点)としている。このような構成により、大きなトルクに対してもすべりが生じず、全体が円形の場合よりも高い接合強度を得ている(特許文献1参照)。
また、従来のFRP製筒体の他の例として、円筒体の接合部を正六角形とし、正六角形の角の頂部からパイプ直管部に至るまで傾斜角10°以下のテーパー状にすることで応力集中を緩和し、高い接合強度が得られる筒体が知られている(特許文献2参照)。
特開平3−254926号公報 特開平4−307225号公報
特許文献1に記載されているFRP製筒体は、接合部を機械的に接合することで、高い接合強度が得られるが、正多角形状と円筒形状の境目にどうしても段差ができてしまい、応力集中により本来のFRP製筒体の捩り強度以下でしか接合できない。
特許文献2に記載されているFRP製筒体は、正六角形状テーパー形状にすることで応力集中が緩和されている。しかし、接合部を多角形状にすることで、接合強度は一定以上担保できているが、多角形から円筒にするためのテーパーエッジ部に特許文献1と同様に応力集中が発生してしまい、やはり本来のFRP製筒体の捩り強度以下でしか接合できない。
本発明はこのような問題に対処するためになされたものであり、FRP製筒体の捩り強度を維持して、相手部材との接合強度をより向上させることができるFRP製筒体およびその筒体を使用した動力伝達軸の提供を目的とする。
本発明のFRP製筒体は、補強繊維と樹脂からなるプリプレグを筒状に巻回してなるFRP製筒体である。この筒体の径方向断面における外径形状が多角形であり、かつ、上記筒体の径方向断面における内径形状が円形であり、上記筒体の軸方向全体にわたり一定形状であることを特徴とする。特にこの多角形が、正多角形であることを特徴とする。
上記多角形が、五角形以上の多角形であることを特徴とする。また、上記プリプレグの巻き終わり端部が、上記多角形の頂点であるエッジ部に位置することを特徴とする。
上記補強繊維が炭素繊維であり、上記樹脂がエポキシ樹脂であることを特徴とする。
本発明の動力伝達軸は、捩り作用を受けながら回転することで動力を伝達するものであって、この動力伝達軸が本発明のFRP製筒体であることを特徴とする。
本発明のFRP製筒体は、接合部と本体との区別なく全体の外径形状が多角形であり、かつ、内径形状が円形であるので、捩り強度を低下させることなく高い接合強度を有する。
プリプレグの巻き終わり端部が、多角形の頂点であるエッジ部に位置するので、巻き終わり端部からの亀裂や層間破壊を好適に抑制でき、高いねじり強度になる。
本発明の動力伝達軸は、本発明の繊維強化プラスチック製筒体を使用するので、捩り強度を低下させることなく相手部材との高い接合強度が得られる。
外径形状が正五角形のFRP製筒体の側面図と正面図である。 外径形状が正六角形のFRP製筒体の側面図と正面図である。 外径形状が正八角形のFRP製筒体の側面図と正面図である。 外径形状が正四角形のFRP製筒体の側面図と正面図である。 外径形状が真円のFRP製筒体の側面図と正面図である。 比較例2で用いたFRP製筒体の側面図と正面図である。 比較例3で用いたFRP製筒体の側面図と正面図である。 比較例4で用いたFRP製筒体の側面図と正面図である。 比較例5で用いたFRP製筒体の側面図と正面図である。 比較例6で用いたFRP製筒体の側面図と正面図である。 比較例7で用いたFRP製筒体の側面図と正面図である。 試験方法を示す概念図である。 捩り試験の際にFRP製筒体に発生する応力の分布図である。 シートワインディング法による円筒体の作製を示す図などである。 外径形状が正四角形のFRP製筒体の斜視図などである。 実施例5〜7で用いたFRP製筒体の側面図である。 実施例8〜10で用いたFRP製筒体の側面図である。 比較例8〜9で用いたFRP製筒体の側面図である。 捩り試験の際にFRP製筒体に発生する応力の分布図である。 従来例のFRP製円筒体を説明する図である。
本発明者達は、FRP製筒体の捩り強度および接合強度を向上する目的で鋭意検討を行なった。従来のように、接合部の径方向断面の外径形状を六角形などの正多角形にすると共に、円筒体本体との境目をテーパーとすることで、接合強度は向上するが、正多角形部分と円筒部分もしくはテーパー部分の境目に応力が集中してしまい、本来のパイプの捩り強度以下でしか接合できない。円筒体全体を多角形とすることで、正多角形部分と円筒形部分の境目の応力集中をなくすことができ、パイプ強度と接合強度を両立できることを見い出した。本発明はこのような知見に基づいてなされたものである。
図1を参照して、本発明のFRP製筒体を説明する。図1はFRP製筒体を説明する図であり、図1(a)はFRP製筒体の側面図であり、図1(b)は正面図である。
本発明のFRP製筒体は、全体が多角形状の筒状体である。すなわち、筒体の径方向断面における外径形状が多角形であり、筒体の軸方向には端部を含めて一定の形状となる。例えば、図1に示す例では、FRP製筒体1は、径方向断面における外径形状2が正五角形である。また、多角形の頂点であるエッジ部3がシャープエッジとなる場合、応力集中や補強繊維の破壊などを抑えるため、面取り加工をすることが好ましい。筒体1の内径形状4は、円形、好ましく真円であることが、捩り強度を維持するために好ましい。また、筒体の径方向断面において、円形中心は、多角形の中心に位置することが好ましい。
筒体の径方向断面における外径形状は、三角形以上であればよく、頂点数としては3以上である。頂点数は、好ましくは4以上であり、より好ましくは5以上であり、さらに好ましくは5〜12程度である。また、筒体の捩り強度を確保しやすいことから、正多角形であることが好ましい。汎用性などを考慮すると、特に、正四角形、正五角形、正六角形、または正八角形とすることが好ましい。
本発明のFRP製筒体は、補強繊維と樹脂からなるプリプレグを巻回してなる。プリプレグに使用されるマトリックス樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれも使用することができるが、成形時に補強繊維への含浸が容易であり、高強度なものが得られやすいことから熱硬化性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。なかでも、耐熱性、耐水性、接着性に優れたエポキシ樹脂が好ましい。
また、補強繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、ポリアミド繊維、その他の高強度、高弾性率繊維を使用することができる。なかでも、比強度、比弾性率に優れた炭素繊維が好ましく、炭素繊維のなかでもPAN系炭素繊維が好ましい。なお、これらの補強繊維は、異なる種類のものを併用することができる。また、同じ種類のものであっても、特性の異なるものを併用することができる。
プリプレグに含まれる繊維含有率は、各層の特性、特に機械的特性を考慮すれば、好ましくは、プリプレグ全体に対して、30体積%〜85体積%、より好ましくは50体積%〜80体積%であり、さらに薄肉軽量を指向する場合には、65体積%〜75体積%であるのが好ましい。
ここで、FRP製筒体の作製方法として、炭素繊維などの補強繊維を樹脂に含浸させながらマンドレルに巻いていくフィラメントワインディング法や、炭素繊維などの補強繊維と樹脂からなる複数のプリプレグを筒状に巻回して熱硬化させ、複数のFRP層とするシートワインディング(プリプレグ)法が知られている。フィラメントワインディング法によるFRP製筒体は、所定量以上の樹脂を必要とし、かつ、補強繊維の体積含有率に上限があるため、軽量化と高強度化の要望に充分に応えることが困難である。
これに対して、シートワインディング法によるFRP製筒体は、必要最小限の樹脂量でも補強繊維の体積含有率を高くできるという特徴があり、軽量化と高強度化を同時に図る上で有利である。そのため、本発明のFRP製筒体では、シートワインディング法を用いることが好ましい。さらには、ねじりを受けた際の繊維座屈を抑制するために、FRP製筒体の複数のFRP層中に、筒体の軸方向に斜交する繊維層を有するねじり剛性保持プリプレグと、筒体の軸方向に直交する繊維層を有する座屈防止プリプレグを重ねたセットプリプレグを複数回連続して巻回して熱硬化させた同時多層巻回層を含ませてもよい。これにより、ねじり強度の向上を図ることができる。
図14に、シートワインディング法の概略を示す。図14(a)はFRP製筒体の製造過程を示す斜視図であり、図14(b)はFRP製円筒体の斜視図であり、図14(c)はB部拡大図である。図14(a)に示すように、マンドレル9を矢印Aの方向に回転させ、プリプレグ8をマンドレル9に巻き付けることでFRP製筒体を製造する。プリプレグ8は、補強繊維8bを多数本平行に引き揃えたシートに、マトリックス樹脂8aを含浸させた成形材料であり、一方向プリプレグ(UDプリプレグ)である。マトリックス樹脂8aには、上述のように熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を用いることができる。プリプレグ8の1枚の厚さは、例えば0.05mm〜1.0mmであり、好ましくは0.05mm〜0.5mmである。FRP製筒体を構成するプリプレグ8は、捩り強度を向上させるために、補強繊維8bが樹脂シート中において筒体の軸方向に対して角度θとなるように配向していることが好ましい。角度の範囲は、例えば30°≦θ≦60°であり、好ましくは40°≦θ≦50°である。捩り強度を考慮すると、より好ましい角度θは大略45°である。
シートワインディング法で作製した筒体の場合、筒体の最外層にプリプレグ8の巻き終わり端部Pが形成される(図14(b)、(c)参照)。図14(b)に示すように、巻き終わり端部Pは、筒体の軸方向に沿って一端から他端にかけて形成される。ねじりの際には、この筒体の最外層に最大せん断応力が発生するため、繊維座屈を抑制しても巻き終わり端部Pから亀裂が進展するおそれがある。
そこで、筒体の径方向断面における外径形状を多角形、内径形状を円形とした上で、更に巻き終わり端部Pの位置を制御することでねじり強度を一層向上させることが好ましい。具体的な一形態を図15に示す。
図15(a)は、FRP製筒体の斜視図であり、図15(b)は側面図である。FRP製筒体10の外径形状10aは正四角形であり、内径形状10dは真円である。FRP製筒体10の径方向断面において、円形中心は、正四角形の中心に位置している。図15(b)に示すように、外径形状10aは、4つの辺部10bと4つのエッジ部10cとで形成される。エッジ部10cは、正四角形の頂点が面取りなどされた丸角となっている。この形態では、プリプレグの巻き終わり端部Pが、正四角形のエッジ部に位置することを特徴としている。ねじりの際、外径形状が円形の場合には外径部全周に均等に最大せん断応力がかかるが、外径形状を多角形とすることで、エッジ部にかかるせん断応力は低くなる。そのため、巻き終わり端部をせん断応力がかかりにくいエッジ部に位置させることで、巻き終わり端部からの亀裂や層間破壊を好適に抑制でき、高いねじり強度が得られる。
なお、外径形状の多角形のエッジ部はシャープエッジでもよいが、応力集中や補強繊維の破壊を防止する点から、チャンファーを付与すること(糸面取りなど)が好ましい。
本発明のFRP製筒体は、捩り強度および接合強度に優れるため、具体的には、例えば、航空機、自動車、自転車などにおける各種フレーム、パイプとして、またプロペラシャフト、ドライブシャフトなどの動力伝達軸として、さらに釣竿、ゴルフクラブ用シャフト、スキーポール、テントの支柱などの各種レジャー用品としてのFRP製筒体に使用できる。
実施例1〜4および比較例1〜7に用いたプリプレグは、厚さ0.1mmの東レ(株)製プリプレグP3252S−10を用いた。このプリプレグは、東レ(株)製PAN系炭素繊維T700SCを互いに平行かつシート状に引き揃えたものにBステージのエポキシ樹脂を含浸した一方向性プリプレグである。プリプレグ全体における炭素繊維の含有率は67体積%である。プリプレグは内層部分にプリプレグの繊維の配向方向が筒体の軸方向に対して90°となるように巻き付けた後、2枚目以降は±45°で巻き付け、130℃で120分間加熱してマトリックス樹脂を硬化させることで作製した。筒体外径部には研磨を施した。なお、プリプレグの巻き終わり端部は、この研磨によって消失している。また、実施例1〜4および比較例1〜7で得られたFRP製筒体に対して捩り試験および接合試験を行なった。
図12は試験方法を示す概念図であり、捩り強度評価方法を図12(a)に、接合試験方法を図12(b)、(c)に示す。捩り強度はFRP製筒体の試験体7の両端をチャック5(5aと5b)で固定し、一方の端部を捩るときの捩り力を測定した。図12(b)に示す接合試験は、試験体7の一方の端部の外径部に接合治具6を設け、試験体7の一方の端部をチャック5aで固定し、他方の端部は接合治具6をチャック5bで固定し、筒体の端部を捩るときの捩り力および捩りに伴う破断の状況を測定した。図12(c)に示す接合試験は、試験体7の一方の端部の内径部に接合治具6を設け、試験体7の一方の端部をチャック5aで固定し、他方の端部は接合治具6をチャック5bで固定し、筒体の端部を捩るときの捩り力および捩りに伴う破断の状況を測定した。接合試験の接合長さはすべて50mmで実施した。捩りの評価は、○が1500N・m以上、△が501〜1500N・m未満、×が500N・m以下である。
実施例1
円筒のマンドレルにプリプレグをシートワインディング法で巻き付け、五角形形状を付与したい箇所に外径より正五角形の割型にて拘束し、硬化させることにより、図1に示す正五角形状のFRP製筒体を作製した。なお、後述の実施例2〜4および比較例2〜3では、それぞれ所望の多角形形状の割型を用いて作製した。図1は、外径形状2が正五角形のFRP製筒体1の側面図(a)および正面図(b)である。内径形状4は真円であり、円形中心は、外径形状2の正五角形の中心に位置する。筒体の長軸の長さrが30mm、一辺の長さrが20mm、内径φが22mmであった。その後、接合試験のため、治具にエポキシ系接着剤を用いて嵌め合わせ、ねじり速度0.5°/sで捩り試験を行なった。結果を表1に示す。
実施例2
実施例1と同様の方法により、図2に示す正六角形状のFRP製筒体を作製した。図2は、外径形状2Aが正六角形のFRP製筒体1Aの側面図(a)および正面図(b)である。内径形状4は真円であり、円形中心は、外径形状2Aの正六角形の中心に位置する。筒体の対辺の長さrが30.5mm、内径φが22mmであった。その後、接合試験のため、治具にエポキシ系接着剤を用い嵌め合わせ、ねじり速度0.5°/sで捩り試験を行なった。結果を表1に示す。
実施例3
実施例1と同様の方法により、図3に示す正八角形状のFRP製筒体を作製した。図3は、外径形状2Bが正八角形のFRP製筒体1Bの側面図(a)および正面図(b)である。内径形状4は真円であり、円形中心は、外径形状2Bの正八角形の中心に位置する。筒体の対辺の長さrが29.5mm、内径φが22mmであった。その後、接合試験のため、治具にエポキシ系接着剤を用い嵌め合わせ、ねじり速度0.5°/sで捩り試験を行なった。結果を表1に示す。
実施例4
実施例1と同様の方法により、図4に示す正四角形状のFRP製筒体を作製した。図4は、外径形状2Cが正四角形のFRP製筒体1Cの側面図(a)および正面図(b)である。内径形状4は真円であり、円形中心は、外径形状2Cの正四角形の中心に位置する。一辺の長さrが29.4mm、内径φが22mmであった。その後、接合試験のため、治具にエポキシ系接着剤を用い嵌め合わせ、ねじり速度0.5°/sで捩り試験を行なった。結果を表1に示す。
比較例1
シートワインディング法により、図5に示す真円筒形状のFRP製筒体を作製した。図5は、外径形状12Aが真円形のFRP製筒体11Aの側面図(a)および正面図(b)である。内径形状14は真円であり、その円形中心は、外径形状12Aの円形中心と同心である。筒体の外径rが30.0mm、内径φが22mmであった。その後、接合試験のため、治具にエポキシ系接着剤を用い嵌め合わせ、ねじり速度0.5°/sで捩り試験を行なった。結果を表1に示す。
比較例2
実施例1と同様の方法により、図6に示すFRP製筒体を作製した。図6は、接合部15の断面の外径形状12Bが正四角形であり、この接合部15からテーパー部17を経て設けられた本体16が円筒形のFRP製筒体11Bの側面図(a)および正面図(b)である。内径形状14は真円であり、その円形中心は、接合部15の外径形状12Bの正四角形の中心に位置し、かつ、本体16の外径形状の円形中心と同心である。接合部15の一辺の長さrが26.6mm、内径φが22mm、本体16における円筒外径が25mmであった。その後、接合試験のため、治具にエポキシ系接着剤を用い嵌め合わせ、ねじり速度0.5°/sで捩り試験を行なった。結果を表1に示す。
比較例3
実施例1と同様の方法により、図7に示すFRP製筒体を作製した。図7は、接合部15の断面の外径形状12Cが正六角形であり、この接合部15からテーパー部17を経て設けられた本体16が円筒形のFRP製筒体11Cの側面図(a)および正面図(b)である。内径形状14は真円であり、その円形中心は、接合部15の外径形状12Cの正六角形の中心に位置し、かつ、本体16の外径形状の円形中心と同心である。接合部15の対辺の長さrが30.5mm、本体16における円筒外径rが30mm、内径φが22mmであった。その後、接合試験のため、治具にエポキシ系接着剤を用い嵌め合わせ、ねじり速度0.5°/sで捩り試験を行なった。結果を表1に示す。
比較例4
正四角形のマンドレルにプリプレグをシートワインディング法で巻き付け、四角形形状を付与したい箇所に外径より正四角形の割型にて拘束し、硬化させることにより、図8に示す正四角形状のFRP製筒体を作製した。なお、後述の比較例5〜7では、それぞれ所望の多角形形状のマンドレルおよび多角形形状の割型を用いて作製した。図8は、外径形状12Dが正四角形のFRP製筒体11Dの側面図(a)および正面図(b)である。内径形状14は正四角形であり、該正四角形の中心は、外径形状12Dの正四角形の中心に位置する。外径の正四角形の一辺の長さr10が29.4mm、内径の正四角形の一辺の長さr11が21.4mmであった。その後、接合試験のため、内径接合となるように治具にエポキシ系接着剤を用い嵌め合わせ、ねじり速度0.5°/sで捩り試験を行なった。結果を表1に示す。
比較例5
比較例4と同様の方法により、図9に示す正五角形状のFRP製筒体を作製した。図9は、外径形状12Eが正五角形のFRP製筒体11Eの側面図(a)および正面図(b)である。内径形状14は正五角形であり、該正五角形の中心は、外径形状12Eの正五角形の中心に位置する。外径の正五角形の長軸の長さr12が30mm、一辺の長さr13が20mm、内径の正五角形の長軸の長さr14が22mm、一辺の長さr15が14.7mmであった。その後、接合試験のため、内径接合となるように治具にエポキシ系接着剤を用い嵌め合わせ、ねじり速度0.5°/sで捩り試験を行なった。結果を表1に示す。
比較例6
比較例4と同様の方法により、図10に示す正六角形状のFRP製筒体を作製した。図10は、外径形状12Fが正六角形のFRP製筒体11Fの側面図(a)および正面図(b)である。内径形状14は正六角形であり、該正六角形の中心は、外径形状12Fの正六角形の中心に位置する。外径の正六角形の対辺の長さr16が30.5mm、内径の正六角形の対辺の長さr17が22.5mmであった。その後、接合試験のため、内径接合となるように治具にエポキシ系接着剤を用い嵌め合わせ、ねじり速度0.5°/sで捩り試験を行なった。結果を表1に示す。
比較例7
比較例4と同様の方法により、図11に示す正八角形状のFRP製筒体を作製した。図11は、外径形状12Gが正八角形のFRP製筒体11Gの側面図(a)および正面図(b)である。内径形状14は正八角形であり、該正八角形の中心は、外径形状12Gの正八角形の中心に位置する。外径の正八角形の対辺の長さr18が29.5mm、内径の正八角形の対辺の長さr19が21.5mmであった。その後、接合試験のため、内径接合となるように治具にエポキシ系接着剤を用い嵌め合わせ、ねじり速度0.5°/sで捩り試験を行なった。結果を表1に示す。
また、一部のFRP製筒体において、ねじりを受けた際の応力状態を図13に示す。
表1に示すように、実施例1〜4は、FRP製筒体の捩り強度に優れていると共に、接合試験においても筒体と接合治具との接着強さが優れていた。特に、実施例1〜3は、実施例4に比べて、多角形の頂点数が多く、接合部の応力集中がより抑制され、捩り強度と同等の接合試験結果が得られた。また、接合試験においても、捩りに対する破断が筒体中心で発生し、筒体と接合治具との接着強さが優れていた。これに対して、比較例1は、接合部の接着剤より破断した。比較例2および比較例3は、FRP製筒体でねじり試験をした際も、形状が変わる境目より割れが発生し、本来の材料規格値以下の捩り強度となった。
比較例4〜比較例7は、内径形状を多角形として内径接合にて接合試験を実施した。これらでは筒体単体の強度を評価したが、内径部の応力集中により、本来の材料規格値以下の捩り強度となった。表1の結果より、内径形状は円形にしないと材料規格値の捩り強度が得られないことが判明した。また、筒体の材料規格値を十分に発揮し接合するためには、外径側を用いて接合することが好ましい。
また、図13より、外径形状が多角形で、かつ、内径形状が円形の筒体(実施例2)では平面部の略中央部に最大応力がかかるに対して、真円筒形状(比較例1)では外径部に最大応力がかかり、外径形状および内径形状が多角形の筒体(比較例6)では内径形状の多角形のエッジ部に最大応力がかかることが分かる。言い換えると、外径形状が多角形で、かつ、内径形状が円形の筒体では、ねじりの際に外径形状の多角形のエッジ部にはせん断応力がかかりにくいことが分かる。
次に、シートワインディング法で筒体を作製した際の巻き終わり端部の位置について検討した。以下の実施例5〜10および比較例8〜9に用いたプリプレグは、上記と同様に、厚さ0.1mmの東レ(株)製プリプレグP3252S−10を用いた。プリプレグは、内層部分にプリプレグの繊維の配向方向が筒体の軸方向に対して90°となるように巻き付けた後、2枚目以降を±45°の繊維配向で巻き付け、130℃で120分間加熱してマトリックス樹脂を硬化させることで作製した。
実施例5〜7
円筒のマンドレルにプリプレグをシートワインディング法で巻き付け、各多角形形状を付与したい箇所に外径より正多角形の割型にて拘束し、硬化させることにより、図16(a)〜(c)に示す各多角形状のFRP製筒体を作製した。各FRP製筒体の内径形状は内径φ22mmの真円であり、その円形中心は、外径形状の正多角形の中心に位置する。各FRP製筒体の筒体長さは210mmである。図16(a)は、実施例5を示し、外径形状が正三角形(一辺の長さ50mm)のFRP製筒体である。図16(b)は、実施例6を示し、外径形状が正四角形(一辺の長さ29.4mm)のFRP製筒体である。図16(c)は、実施例7を示し、外径形状が正六角形(対辺の長さ30.5mm)のFRP製筒体である。なお、図16に示すように、巻き終わり端部Pは各多角形の辺部の略中央に位置している。
実施例8〜10
円筒のマンドレルにプリプレグをシートワインディング法で巻き付け、各多角形形状を付与したい箇所に外径より正多角形の割型にて拘束し、硬化させることにより、図17(a)〜(c)に示す各多角形状のFRP製筒体を作製した。各FRP製筒体の内径形状は内径φ22mmの真円であり、その円形中心は、外径形状の正多角形の中心に位置する。各FRP製筒体の筒体長さは210mmである。図17(a)は、実施例8を示し、外径形状が正三角形(一辺の長さ50mm)のFRP製筒体である。図17(b)は、実施例9を示し、外径形状が正四角形(一辺の長さ29.4mm)のFRP製筒体である。図17(c)は、実施例10を示し、外径形状が正六角形(対辺の長さ30.5mm)のFRP製筒体である。なお、図17に示すように、巻き終わり端部Pは各多角形のエッジ部に位置している。
比較例8〜9
シートワインディング法により、図18(a)に示す真円筒形状のFRP製筒体、および図18(b)に示す楕円筒形状のFRP製筒体を作製した。図18(b)のFRP製筒体は、楕円筒のマンドレルにプリプレグをシートワインディング法で巻き付け、楕円形状を付与したい箇所に外径より楕円形の割型にて拘束し、硬化させることにより作製した。各FRP製筒体の筒体長さは210mmである。図18(a)は、比較例8を示し、外径φが28mm、内径φが22mmである。図18(b)は、比較例9を示し、外径側の楕円の長径が32mm、短径が28mmであり、内径側の楕円の長径が22.5mm、短径が18.5mmである。なお、図18に示す筒体の外径形状にはエッジ部がなく、巻き終わり端部Pは、図18に示した位置にそれぞれ位置している。
上記で得た実施例5〜10および比較例8〜9のFRP製筒体に対して、ねじり速度0.5°/sで捩り試験を行なった。捩り試験は、上述した図12(a)の方法に基づいて実施した。なお、各FRP製筒体の断面積の違いで破断トルクが異なるため、最大せん断応力にて評価した。各FRP製筒体の最大せん断応力を表2にそれぞれ示す。また、一部のFRP製筒体において、ねじりを受けた際の応力状態を図19に示す。
捩り試験の結果、実施例5〜7および比較例8〜9は、巻き終わり端部が起点となって破断した。一方、実施例8〜10は、巻き終わり端部からではない箇所が起点となって破断した。表2に示すように、巻き終わり端部をエッジ部に位置させることで、巻き終わり端部に起因する破断の影響を抑制できるため、より高い最大せん断応力が得られた。
また、図19に示すように、ねじりの際、外径形状が円形の場合には外径部全周に均等に最大せん断応力がかかるが、外径形状を多角形とすることで、エッジ部にかかるせん断応力は低くなる。そのため、巻き終わり端部をせん断応力がかかりにくいエッジ部に位置させることで、巻き終わり端部からの亀裂や層間破壊を好適に抑制でき、結果的に高いねじり強度が得られる。このように、特に実施例8〜10では、筒体の形状および巻き終わり端部を制御することで、高いねじり強度を有するFRP製筒体が得られた。
本発明の繊維強化プラスチック製筒体および動力伝達軸は、捩り強度が大幅に向上すると共に、接合強度にも優れているので、自動車用ドライブシャフトなど、特定の捩り方向に捩り負荷の掛かりやすい部材に利用することができる。
1、1A、1B、1C FRP製筒体
2、2A、2B、2C 外径形状
3 エッジ部
4 内径形状
5 チャック
6 接合治具
7 試験体
8 プリプレグ
9 マンドレル
10 FRP製筒体
11、11A、11B、11C、11D、11E、11F、11G FRP製筒体
12、12A、12B、12C、12D、12E、12F、12G 外径形状
13 多角形の頂点
14 内径形状
15 接合部
16 本体
17 テーパー部
P 巻き終わり端部

Claims (6)

  1. 補強繊維と樹脂からなるプリプレグを筒状に巻回してなる繊維強化プラスチック製筒体であって、
    前記筒体の径方向断面における外径形状が多角形であり、かつ、前記筒体の径方向断面における内径形状が円形であり、前記筒体の軸方向全体にわたり一定形状であることを特徴とする繊維強化プラスチック製筒体。
  2. 前記多角形が、正多角形であることを特徴とする請求項1記載の繊維強化プラスチック製筒体。
  3. 前記多角形が、五角形以上の多角形であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の繊維強化プラスチック製筒体。
  4. 前記プリプレグの巻き終わり端部が、前記多角形の頂点であるエッジ部に位置することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項記載の繊維強化プラスチック製筒体。
  5. 前記補強繊維が炭素繊維であり、前記樹脂がエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項記載の繊維強化プラスチック製筒体。
  6. 捩り作用を受けながら回転することで動力を伝達する動力伝達軸であって、この動力伝達軸が請求項1から請求項5までのいずれか1項記載の繊維強化プラスチック製筒体であることを特徴とする動力伝達軸。
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