JP2020163553A - ボードのピックアップ方法及びボードのピックアップ装置 - Google Patents

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【課題】ボードパレットからピックアップされたボードに貼り付いたボードの高所からの落下を防止すること。【解決手段】ロボット装置の可動自在なロボットハンド131に取り付けた把持具133で、平板状のボード、例えば壁面ボードWBを複数枚積み重ねて載置するボードパレット2に支持された最上位の壁面ボードWBを把持し、把持具133を上昇させて壁面ボードWBをピックアップする。この際ピックアップした壁面ボードWBを移動させ、ボードパレット2に残る最上位の壁面ボードWBに接触させる。ピックアップした壁面ボードWBの移動方向は、ボードパレット2に残る最上位の壁面ボードWBの上面を含む仮想面と、ピックアップした壁面ボードWBの下面を含む仮想面とを交差させる方向である。【選択図】図13

Description

本発明は、平板状のボード、例えば建築物の壁面となるべき場所に貼り付ける壁面ボードを保持するボードパレットからボードをピックアップするボードのピックアップ方法、及びボードのピックアップ装置に関する。
建築物、とりわけ倉庫、工場、プレハブハウスなどの比較的簡易な建築物のなかには、例えば壁面をなすべき場所に設けられたボード取付枠に対して、規格化された壁面ボードを固定し、壁面を構成するようにしたものがある。ボード取付枠に対する壁面ボードの固定は、職人等の人手によって行われるのが一般的である。
これに対して特許文献1には、天井ボードや壁面ボードなどの内装材を貼り付ける内装工事を支援するための内装工事装置が開示されている。この装置は、ボードストックの位置に天井ボードである石膏ボードを積み込み、ロボットアームに装着したアタッチメントに設けた吸着パッドで石膏ボードを吸着把持しながら作業支援を行う。
より詳細には、次の手順によって作業支援が行われる。
(1)石膏ボードに対する吸着パッドの位置を人手によって調整し、吸着位置が決まったら、吸着パッドに石膏ボードを吸着把持させる(文献1の段落[0026][0027][図7]参照)。
(2)その後ロボットアームの反転アームを反転させてアタッチメントを上向きにし、石膏ボードを天井の軽量鉄骨に軽く接触させる(文献1の段落[0028][図9]参照)。
(3)続いて人手により、既設の石膏ボードの端面に接触するまで石膏ボードをスライドさせた後、ロボットアームの上下動アームでアタッチメントを上昇させ、石膏ボードを天井の軽量鉄骨にしっかり密着させる(文献1の段落[0029][図10]参照)。
(4)そしてロボットアームの移動フレームに装着されているネジ留め機本体を人手で動作させ、一列目のネジ留め作業を行う。終了したら吸着パッドによる吸着を解除し、アタッチメントを人手でスライドさせて二列目のネジ留め作業を行い、これを繰り返すことで石膏ボードの全面をネジ留めする(文献1の段落[0022][0030][0031][図4][図11]参照)。
特開平05−321454号公報
特許文献1には、石膏ボードのストックについて、「図5に示すように、作業足場19上のボードストック位置に、石膏ボードBを積み込む。石膏ボードBを積み込んだら、図6に示すように、台車1を操縦して、張付けるべき天井位置の下まで移動し、張付け作業を開始する」と記載されている(文献1の段落[0025]参照)。
つまり特許文献1では、ロボットアームの吸着パットによって吸着し把持する石膏ボードは複数枚用意され、ボードストック位置に積み重ねられて保持されている。
石膏ボードなどのボード形態のボードがボードパレットに積み重ねられている場合、ロボットアームに設けた例えば吸着パットなどの把持具で最上位のボードを把持した際、その直下に位置する二枚目のボードが最上位のボードに貼り付き、追従してしまうことがある。場合によっては三枚目のボードも二枚目のボードに貼り付き追従する。このようなボード同士の貼り付きは、お互いの面が密着することによって発生する。
二枚あるいは三枚のボードが貼り付いてピックアップされたとき、二枚目三枚目のボードは最上位のボードとともに数百mmの高さまで運ばれ、その位置から落下することがある。これによってボードパレットに残っているつぎの最上位のボードの位置がずれてしまったり、破損してしまったりすることがある。
本発明の課題は、ボードパレットからピックアップされたボードの下面に貼り付いたボードの高所からの落下を防止することである。
本発明のボードのピックアップ方法の一態様は、ロボット装置の可動自在なロボットハンドに取り付けた把持具で、ボードを複数枚積み重ねて載置するボードパレットに支持された最上位の前記ボードを把持する工程と、前記ボードを把持した前記把持具を上昇させる工程と、前記ボードパレットに残る最上位のボードの上面を含む仮想面と、前記把持具が持ち上げたボードの下面を含む仮想面とを交差させる方向に向けて前記持ち上げたボードを移動させ、前記ボードパレットに残る最上位のボードに接触させる工程と、を備える。
本発明のボードのピックアップ装置の一態様は、ロボット装置が備えるロボットハンドと、このロボットハンドに装着されて平板状のボードを把持する把持具とを制御するための処理を実行する情報処理部と、前記情報処理部が、前記ボードを複数枚積み重ねて載置するボードパレットに前記ロボットハンドをアクセスさせ、最上位の前記ボードを前記把持具に把持させる手段と、前記情報処理部が、ボードを把持した前記把持具を上昇させる手段と、前記情報処理部が、前記ボードパレットに残る最上位のボードの上面を含む仮想面と、前記把持具が持ち上げたボードの下面を含む仮想面とを交差させる方向に向けて前記持ち上げたボードを移動させ、前記ボードパレットに残る最上位のボードに接触させる手段と、を実行する。
本発明のボードのピックアップ装置の別の一態様は、ロボット装置の可動自在なロボットハンドに取り付けた把持具で、平板状のボードを複数枚積み重ねて載置するボードパレットに支持された最上位のボードを把持する把持部と、前記ボードを把持した前記把持具を上昇させる離間部と、前記ボードパレットに残る最上位のボードの上面を含む仮想面と、前記把持具が持ち上げたボードの下面を含む仮想面とを交差させる方向に向けて前記持ち上げたボードを移動させ、前記ボードパレットに残る最上位のボードに接触させる接触部と、を備える。
本発明によれば、ボードパレットからボードをピックアップする際、ピックアップしたボードの下面に貼り付いたボードを速やかに剥し、その高所からの落下を防止することができる。
実施の一形態として、使用中のボード貼付け装置を示す斜視図。 ボードパレットを示す斜視図。 その側面図。 ボードパレットの別の形態を示す側面図。 ロボット装置の可動態様を側面方向から示す模式図。 ロボットハンドを底面方向から見た模式図。 ロボットハンドを側面方向から見た模式図。 壁面ボードを把持するロボットハンドを示す斜視図。 制御盤における電気的接続のブロック図。 学習処理の流れを示すフローチャート。 一枚目の壁面ボードの貼付け処理の流れを示すフローチャート。 二枚目以降の壁面ボードの貼付け処理の流れを示すフローチャート。 壁面ボードのピックアップ動作を経時的に示しており、(A)はボードパレット上に積み重ねられた壁面ボードに向けてロボットハンドが下降する様子を示す模式図、(B)は壁面ボードを把持したロボットハンドが鉛直方向に上昇する様子を示す模式図、(C)はピックアップした壁面ボードに貼り付いた壁面ボードを剥す動作を示す模式図、(D)は壁面ボードを把持したロボットハンドを回転させて移動させる動作を示す模式図。 図11中のステップS109の処理内容を示すフローチャート。 一枚目の壁面ボードの貼付け動作を実行するロボット装置の状態変位を示す模式図。 壁面ボードの固定動作を実行するロボットアームの状態遷移を示す模式図。 ボード貼付け装置の別の実施の形態として、施工領域に位置づけられているロボットハンドを示す斜視図。 (A)はボード貼り位置におけるXYZ方向と距離計測器の設置位置との関係を示す模式図、(B)はストック領域におけるXYZ方向と距離計測器の設置位置との関係を示す模式図。 制御盤における電気的接続のブロック図。 施工領域におけるボード貼り位置を示す模式図。 位置データ(貼付け位置データ、ピックアップ位置データ)の測定及び保存のための処理の流れを示すフローチャート。 施工領域での位置データ(貼付け位置データ)の取得処理の流れを示すフローチャート。 ストック領域での位置データ(ピックアップ位置データ)の取得処理の流れを示すフローチャート。 ボードの貼付け処理の流れを示すフローチャート。
実施の形態を図面に基づいて説明する。
本実施の形態は、建築物の壁面となるべき場所に貼り付ける壁面ボードを平板状のボードとして支持するボードパレットから壁面ボードをピックアップするボードのピックアップ方法及び装置への適用例である。ここではボードとして壁面ボードを取り扱う一例を説明するが、本実施の形態の方法及び装置は、天井ボードや石膏ボードなどの「ボード」の範疇に包摂される板状構造物全般に適宜適用することが可能である。
本実施の形態では、ボードのピックアップ方法及び装置を、ボード貼付け方法、ボード貼付け装置、及びボード貼付け作業を支援するコンピュータプログラムとともに、つぎの項目に沿って説明する。
1.概略構成
2.ボードパレット
3.ロボット装置
4.制御盤
5.ボード貼付け方法及び処理
(1)ロボット装置の据え付け工程
(2)目印座標点の取得工程
(3)一枚目の壁面ボードの把持工程
(4)一枚目の壁面ボードのピックアップ工程
(a)上昇させる工程
(b)接触させる工程
(c)姿勢を水平状態にする工程
(d)移動させる工程
(5)一枚目の壁面ボードの特徴点の認識工程
(6)一枚目の壁面ボードの配置工程
(7)一枚目の壁面ボードの固定工程
(8)目印座標点の取得工程
(9)二枚目の壁面ボードの把持工程
(10)二枚目の壁面ボードのピックアップ工程
(11)二枚目の壁面ボードの特徴点の認識工程
(12)二枚目の壁面ボードの配置工程
(13)二枚目の壁面ボードの固定工程
6.ボード貼付け装置の別の実施の形態
(1)ロボットハンド
(2)情報処理装置
(3)ボード貼付け方法及び処理
(a)概要
(位置データの測定及び保存)
(施工)
(b)位置データの測定及び保存
(イ)処理の概要
(施工領域)
(ストック領域)
(ロ)施工領域での処理
(概要)
(回転角度の設定処理)
(座標の設定処理)
(ハ)ストック領域での処理
(概要)
(回転角度の設定処理)
(座標の設定処理)
(c)施工
(イ)ボードのピックアップ
(ロ)ボードの位置決め
(ハ)ボードの貼付け
(ニ)二枚目以降のボード
7.効果
(1)貼り付き防止
(2)その他
8.変形例
1.概略構成
図1に示すように、本実施の形態では、建築物そのものは捨象し、壁面Wとなるべき場所に設置されているボード取付枠1に対して壁面ボードWBを貼付けるためのスキームの中で、ボードパレットからのボードのピックアップ方法、及びピックアップ装置を紹介する。壁面ボードWBを貼付けるためのスキームとして紹介するのは、ボード貼付け方法、ボード貼付け装置、及びボード貼付け作業を支援するコンピュータプログラムである。
ボード取付枠1は、壁面ボードWBを取り付けるための枠体であり(図15参照)、三列三行で壁面ボードWBが貼られる。このようなボード取付枠1は、建築物の壁面Wとなるべき施工領域Aを構成する。
施工領域Aの近傍には、二つのボードパレット2が設けられている。これらのボードパレット2には、ボード取付枠1に貼り付ける複数枚の壁面ボードWBが積み重ねて収納されている。二つのボードパレット2は施工領域Aの目の前に配置されており、ストック領域Bを構成する。
施工領域Aとストック領域Bとを含む空間は、施工空間WSとなる。
ボード貼付け装置11の中核をなすのは、施工空間WSに据え付けられたロボット装置101である。ロボット装置101は、二分割して置かれた一対のボードパレット2の間を跨ぐように設置されている台車111を土台として、台車111に設けられているリフタ112に搭載されているロボットアーム121及びロボットハンド131を主要な構成物としている。そこでロボット装置101は、ボードパレット2に収納されている壁面ボードWBをロボットハンド131によって把持し、ボード取付枠1に次々と貼り付けていく。
ボード貼付け装置11のもう一つの重要な構成要素は、制御盤201である。制御盤201はロボット装置101の動作を制御する。本実施の形態では、制御盤201はロボット装置101を挟んでボード取付枠1と対面する位置に配置され、作業者Hの操作に供される。
図1中、作業者Hの近傍に位置する大きな箱状のものは、コンプレッサCである。コンプレッサCは、リフタ112やロボットアーム121など駆動源となる。
本実施の形態のボード貼付け装置11は、施工領域Aでの作業者Hの作業を不要としている。そこで安全のために、施工領域Aとストック領域Bとが配置された施工空間WSを立ち入り禁止とするために、複数個のパイロン3でバー4を支える囲い5が設けられている。囲い5は作業者H側の空間と施工空間WSとを区切っている。
2.ボードパレット
壁面ボードWBは、矩形形状を有している。このため互いに対向する二辺の組のうちの一方が長辺、これと直角のもう一方の二辺の組が短辺になっている。
図2に示すように、ボードパレット2は、キャスタ21(図1参照)を介して設置面、本実施の形態では床面に設置されるパレット基部22を備え、このパレット基部22に、複数枚の壁面ボードWBを積み重ねた状態で支持するボード支持部23を設けている。
パレット基部22は、長短二本ずつ合計四本の金属製の角柱からなる基部フレーム24を矩形に組んだ枠組み構造の枠体25である。枠体の矩形形状は、壁面ボードWBの矩形形状に合わせたもので、パレット基部22の形状及び大きさは、壁面ボードWBとほぼ一致するように設定されている。
枠体25の下面四隅には、補強板26が取り付けられている。補強板26は、直角をなす二本の基部フレーム24にまたがって固定され、枠体25を構造的に補強し、その剛性を高めている。補強板26の下面には、キャスタ21(図2では図示を省略)が取り付けられている。
図2及び図3に示すように、ボード支持部23は、枠体25の相対向する長辺に架け渡された三本の棒状の部材を主要な要素として備えている。棒状の部材として本実施の形態が採用しているのは、金属製の角柱からなる支持フレーム27である。これらの支持フレーム27は、壁面ボードWBの短辺とほぼ一致する長さを有しており、枠体25の長辺をなす基部フレーム24に架け渡されている。支持フレーム27は、細長い上面で壁面ボードWBを支持する。したがって壁面ボードWBは、短辺方向に沿う三カ所の位置で、線状に支持される。
ボード支持部23は、パレット基部22に対する支持フレーム27の固定構造を含んでいる。この固定構造は、支持フレーム27の一端側の端部を枠体25に直接固定し、反対側の端部についてはスペーサ28を介して枠体25に固定する。支持フレーム27が固定されているのは、枠体25の長辺をなす一対の基部フレーム24である。その結果ボード支持部23は、水平面に対して傾斜した状態に維持される。このような構造上、ボード支持部23は、パレット基部22に対して直接固定される一端側よりも、スペーサ28を介して固定される一端側の方を高い位置に位置づける。したがってボード支持部23に支持される壁面ボードWBの長辺には、高所側と低所側とが生ずる。
ボード支持部23の傾斜角度は、水平面に対して4°以上10°以下であることが好ましい。傾斜角度が4°よりも小さいと、積み重ねた壁面ボードWB同士の貼り付きを防止することができなくなってしまうからであり、傾斜角度10°よりも大きいと、積み重ねた壁面ボードWBの重心が偏り、壁面ボードWBを積み重ねた状態で支えきれなくなってしまうからである。
パレット基部22は、ボード受けフレーム29を備えている。ボード受けフレーム29は、壁面ボードWBの低所側になる位置、つまり支持フレーム27の一端側が直接固定された基部フレーム24に固定されている。ボード受けフレーム29は、三本設けられた支持フレーム27の中間位置に一つずつ合計二個設けられており、上方に向けて延びることで、壁面ボードWBの低所側の辺を支持する。
このようなボード受けフレーム29は、ボード支持部23をなす三本の支持フレーム27に直交する方向に沿って延びている。このため図3に示すように、支持フレーム27の表面とボード受けフレーム29の側面とがなす角度は90°になる。ボード受けフレーム29が延びる方向は、ボード支持部23に支持される壁面ボードWBの端面に沿った方向である。このためボード支持部23上に積み重ねられた壁面ボードWBの端面は、ボード受けフレーム29を含む一面内にすべて揃えられて配置される。
以上のように構成されたボードパレット2は、全体的に金属製材料からなる部材を組み合わせたフレーム構造体である。各部材間の固定は、例えば溶接、リベット止め、接着などの各種の手法によって実現可能である。もちろんそれらの各部材は、カーボンなどの非金属材料によって形成されていてもよい。例えばカーボン同士であれば、接着によって強固な固定が可能である。
ボードパレット2の別の実施の形態を図4に示す。図2及び図3に示すボードパレット2と同一部分は同一符号で示し、説明も省略する。
ボード受けフレーム29は、必ずしも鉛直面に対して傾斜している必要はなく、鉛直面に沿って延びていてもよい。本例のボード受けフレーム29は、パレット基部22の枠体25をなす基部フレーム24の上面に対して、直角に延びるように固定されている。基部フレーム24は水平に配置されているので、図4に示すように、ボード受けフレーム29の側面は水平面に対して90°の角度をなす。このため支持フレーム27の表面とボード受けフレーム29の側面とがなす角度は90°未満になる。その結果ボード支持部23上に積み重ねられた壁面ボードWBの端面は、ボード受けフレーム29に傾斜状態で接触し、その傾斜分だけ互いにずれて配置される。
3.ロボット装置
ロボット装置101の実施の一形態を図1ないし図16に基づいて説明する。
図1及び図5に示すように、台車111は四脚構造をなしている強固なフレーム構造物であり、車輪113によって可搬性を持たされている。台車111には車輪113とは別に複数個の支持脚114も設けられ、所望の場所に設置した後は車輪113を上昇させることで、支持脚114によって安定的な設置が可能である。
台車111にはその中央部分に昇降自在のリフタ112が設けられており、ロボットアーム121はリフタ112に固定されている。ロボットアーム121は、リフタ112の昇降動作に応じて高さを変動させる。リフタ112はスライド移動構造をなしており、コンプレッサC(図1参照)によって圧縮された空気を送られるエアシリンダ(図示せず)によって昇降駆動される。したがってコンプレッサCは、リフタ112の駆動源PS(図9参照)となる。
リフタ112の昇降動作に応じて高さを変動させるロボットアーム121は、6軸構造を有している。複数個のリンクを六つのジョイント122a,122b,122c,122d,122e,122fで連結した構造である。
一つ目のジョイント122aは、垂直軸周りに回転自在にリフタ112に連結され、ロボットアーム121を旋回させる動作を担っている。二つ目のジョイント122bは、リンク123aを水平軸周りに回転自在に連結し、ロボットアーム121を前後方向に移動させる動作を担っている。三つ目のジョイント122cは、リンク123bを水平軸周りに回転自在に連結し、ロボットアーム121を上下方向に移動させる動作を担っている。四つ目のジョイント122dは、ジョイント122b及び122cと直交する軸周りにリンク123cを回転自在に連結し、ロボットアーム121を回転させる動作を担っている。五つ目のジョイント122eは、ジョイント122dと直交する軸周りにリンク123dを回転自在に連結し、ロボットハンド131を曲げる動作を担っている。六つ目のジョイント122fは、ロボットハンド131に回転自在に連結し、ロボットハンド131をひねる動作を担っている。
ロボットアーム121は、六つのジョイント122a〜122fの回転角度を調節することによって、各種の可動態様を実現する。
一例として、壁面ボードWBを縦方向に三列貼るために、ロボットアーム121はロボットハンド131を三段階の位置に位置付け、ボード取付枠1中、壁面ボードWBを貼り付けるべき三列三行合計九カ所の場所にロボットハンド131を位置付けることが可能である。
別の一例としては、ロボットハンド131を下向きにすることもできる。この姿勢は、ボードパレット2から壁面ボードWBをピックアップするときの姿勢である。
さらに別の一例としては、壁面ボードWBをピックアップするときの姿勢として、ロボットハンド131を真下に向けるだけではなく、水平面に対して僅かに傾斜した状態にもすることができる。この点については、後に詳しく述べる。
ロボットアーム121における各部の角度調節は、個々のジョイント122a,122b,122c,122d,122e,122fにそれぞれ内蔵されているアクチュエータ、減速機、エンコーダ、及び伝導機構(すべて図示せず)によって実行される。これらのアクチュエータ、減速機、エンコーダ、及び伝導機構は、ロボットアーム121の駆動源PS(図9参照)となる。
図6〜図8に示すように、ロボットハンド131は、矩形形状をしたフレーム132に各種の構造物を搭載している。搭載されている構造物は、壁面ボードWBを吸着して把持する把持具133、カメラ134、及び固定具としてのビス打ち機135である。
把持具133は、フレーム132の四隅及び長手方向の中央部分の六カ所に設けられたカップ形状の吸着パッド137によって壁面ボードWBを吸着して把持する。吸着パッド137に吸着作用を生じさせるために、把持具133は真空発生器138をフレーム132に搭載している。真空発生器138は、エアホース139を介して個々の吸着パッド137と連結し、空気を吸引する。これによって真空発生器138は、壁面ボードWBに開口部分を当てた吸着パッド137の内部に負圧を生じさせ、壁面ボードWBに対して吸着力を作用させる。真空発生器138は、把持具133を装着するロボットハンド131の駆動源となる。吸着パッド137はある程度の柔軟性を有しており、壁面ボードWBを吸着した際、壁面ボードWBとフレーム132との間の間隔を変動させる。
カメラ134は、フレーム132から飛び出すように延出するアーム140の先端部に取り付けられており、吸着パッド137の開口部分が対面する方向の空間を撮像する。
ビス打ち機135は、ボード取付枠1に壁面ボードWBを固定するためのビス(図示せず)を打ち出す。ビス打ち機135は一対設けられ、フレーム132の一端側の二つの隅部から互いに拡開する方向に延出している。
4.制御盤
制御盤201について説明する。
図9に示すように、ロボット装置101の動作を制御する制御盤201(図1参照)は、マイクロコンピュータである情報処理装置211を含んでいる。情報処理装置211の中核をなすのは、各種演算処理を実行して各部を集中的に制御するCPU231をはじめとする情報処理部232である。情報処理部232は、CPU231に接続されたEEPROM233とRAM234、それに時計回路235によって構成されている。EEPROM233は、各種のデータを固定的に記憶するメモリであり、例えばBIOSなどを格納している。RAM234は、各種のデータを書き換え自在に一時記憶するメモリであり、ワークエリアとしても用いられる。時計回路235は、図示しない水晶発振器を内蔵し、タイミング制御用のクロック信号を生成する。
情報処理部232にはI/O236が接続されている。I/O236にはHDD237、表示装置238、入力装置239が接続され、ロボット装置101の姿勢を制御するために各部を駆動する駆動系241の部品と、ロボットハンド131に搭載されて各種の動作を実行するワーク系251の部品とが接続されている。
HDD237は、オペレーティングシステムをはじめとして、ボード貼付け用のコンピュータプログラム及びその関連データを格納している。HDD237に格納されているオペレーティングシステムは、情報処理装置211の起動とともにその全部又は一部がRAM234に転送されてコピーされる。またHDD237に格納されているボード貼付け用のコンピュータプログラム及びその関連データは、起動プログラムによって立ち上げられた後、その全部又は一部がRAM234に転送されてコピーされる。そこでCPU231は、RAM234に駐留するオペレーティングシステムにしたがい、RAM234にコピーされたコンピュータプログラムに規定された各種処理動作を実行する。
表示装置238は、マン・マシン・インターフェースとなる例えば液晶ディスプレイ、ELディスプレイ等であり、HDD237に蓄積される各種データなどを表示する。
入力装置239は、マン・マシン・インターフェースとなるキーボード、マウスなどのポインティングディバイスであり、各種情報の入力を可能とする。
制御盤201は、表示装置238及び入力装置239を外部に露出させており(図1中には図示せず)、作業者Hに対する情報の提供と情報の入力とを支援する。
駆動系241は、リフタ112の駆動源PSとなるコンプレッサCや、ロボットアーム121の駆動源となる複数組のアクチュエータ、減速機、エンコーダ、及び伝導機構からなる駆動源PSを含んでいる。これらの駆動源PSの動作を制御するために、駆動系241にはセンシング装置SDが設けられている。つまり駆動系241は、情報処理部232の統制下で、センシング装置SDでセンシングしながら駆動源PSを駆動し、ロボット装置101の動作を制御するわけである。
もっともセンシング装置SDは、現実世界の物理量を検出する構造のもののみならず、駆動源PSの動作を計算上算出してセンシングするようなものであってもよい。
ワーク系251は、ロボットハンド131に搭載されている各部、つまり吸着パッド137に吸着力を生じさせる真空発生器138、カメラ134、及びビス打ち機135を含んでいる。これらの真空発生器138、カメラ134、及びビス打ち機135は情報処理部232によって動作制御される。
いうまでもないが、I/O236を介して情報処理部232に接続される各部は、すべてデジタル接続されている。例えば真空発生器138やビス打ち機135にはデジタル信号である駆動信号が与えられ、これによってこれらの機器138,135の内部において駆動信号が解釈される。センシング装置SDは変化量をアナログ値として出力するが、これをデジタル信号に変換してI/O236に入力する。
5.ボード貼付け方法及び処理
本実施の形態のボード貼付け方法は、制御盤201に設けられている情報処理装置211による処理と協働して実行される。情報処理装置211は、HDD237に格納されたボード貼付け用のコンピュータプログラムにしたがい、情報処理部232にボード貼付け処理を実行させる。以下、ボード貼付け方法及び処理を、手順を追って説明する。
(1)ロボット装置の据え付け工程
ボード貼付け方法は、施工空間WSにロボット装置101を据え付けることから始まる。ロボット装置101は、一例として、図1に示すような場所、つまり施工領域Aとなるボード取付枠1の目の前であって、ストック領域Bとなるボードパレット2の近傍の位置である。本実施の形態ではボードパレット2が二つ設けられているので、ロボット装置101は、二つのボードパレット2の間に据え付けられている。
続いて図10に示すように、学習処理を実行する。施工空間WSにロボット装置101を据え付けた際、ロボット装置101の動作を制御する制御盤201の情報処理装置211は、施工領域A及びストック領域Bの位置を認識していない。そこで情報処理装置211に、施工領域A及びストック領域Bの概略位置を学習させる必要がある。
学習処理を実行するには、まず入力装置239での指示によって、施工領域Aにロボットハンド131を移動させる(ステップS11)。この処理は、入力装置239での置数入力、あるいは表示装置238での表示と連携させたGUI入力によって実行される。
ステップS11では、ボード取付枠1中、一枚目の壁面ボードWBを貼り付けるべき位置である左側の最下位置にロボットハンド131を位置付け、壁面ボードWBを貼り付ける場所に吸着パッド137を対面させる。
ボード貼付け装置11は、ロボットアーム121を動作させてロボットハンド131を移動させた際、センシング装置SDでのセンシング動作によって、ロボットハンド131の座標をトレースしている。つまり時々刻々と変化するロボットハンド131の座標をセンシング装置SDによってセンシングし、これをメモリ、例えばRAM234やEEPROM233に記憶する。
情報処理部232のCPU231は、一枚目の壁面ボードWBを貼り付けるべき位置に位置づけられたロボットハンド131の座標をメモリに記憶する(ステップS12)。こうして記憶された座標点のデータをM1とする。
CPU231は、必要に応じて、一枚の壁面ボードWBの貼付け位置のみならず、二枚目以降のすべての壁面ボードWBの貼付け位置についてステップS11及びS12の処理を実行するようにしても良い。壁面ボードWBの大きさが予め既知である場合には、一枚目の壁面ボードWBの貼付け位置さえ学習させれば、二枚目以降の壁面ボードWBの貼付け位置を計算上求めることが可能である。これに対してそのような準備をしていない場合、あるいは壁面ボードWBの大きさを現場で初めて知ったような場合には、ステップS11及びS12の処理を繰り返すことで、すべての壁面ボードWBの貼付け位置に対面したときのロボットハンド131の座標をメモリに記憶することが可能となる。
続いてCPU231は、ストック領域Bにロボットハンド131を位置付け、ボードパレット2に収納されている壁面ボードWBに把持具133を対面させて、そのときのロボットハンド131の座標を取得する処理を支援する(ステップS13,S14)。
ステップS13中、CPU231は、入力装置239から入力された指示に応じて、ストック領域Bに設置されたボードパレット2に積み重ねられた壁面ボードWBの上方位置にロボットハンド131を移動させる。この位置は、ロボットハンド131をそのまま下降させたとき、ボードパレット2のボード受けフレーム29などに衝突することなく、ピックアップされる毎に高さが低くなる最上位の壁面ボードWBに吸着パッド137を接触させ得る位置である。この前後、CPU231は、吸着パッド137が下方を向くようにロボットハンド131の姿勢を制御する。
続いてCPU231は、ロボットハンド131を真っ直ぐ鉛直方向に下降させる。下降するロボットハンド131は、ボードパレット2に積み重ねられた壁面ボードWBに、いずれ吸着パッド137を接触させることになる。このとき壁面ボードWBは、傾斜した状態でボードパレット2に支持されているので、この壁面ボードWBの傾斜の向きと角度とにロボットハンド131を適合させる。この処理は、例えば入力装置239へのデータ入力などによって支援される。
ステップS13の処理は、ボードパレット2に積み重ねられた壁面ボードWBにすべての吸着パッド137を密接させ、壁面ボードWBを真空吸着によって把持し得る状態にすることで、完了する。
ステップS13においてロボットハンド131は、ストック領域Bに設置されたボードパレット2に積み重ねられた壁面ボードWBの上方位置(以下「準備位置P1」と呼ぶ)と、その位置から下降し、真空吸着によって把持し得る状態ですべての吸着パッド137を壁面ボードWBに密接させる位置(以下「密接位置P2」と呼ぶ)とに位置づけられる。このときCPU231は、ロボットハンド131の座標を認識しているので、上記ロボットハンド131の移動軌跡上のすべての座標を認識することが可能である。そこでCPU231は、準備位置P1と密接位置P2とにおけるロボットハンド131の座標をメモリに記憶する(ステップS14)。こうして記憶された座標点のデータをM2とする。
準備位置P1と密接位置P2は、図13(A)の模式図中に示している。
以上の処理によって、情報処理装置211に施工領域A及びストック領域Bの概略位置を学習させる処理が完了する。
(2)目印座標点の取得工程
この工程では、一枚目の壁面ボードWBを貼り付ける施工領域Aをロボットハンド131に設けたカメラ134で撮像し、その施工領域Aに正しく配置されたと想定される壁面ボードWBの三カ所の特徴点Fに対応付けられる施工領域A中の目印Mの座標点を推定して記憶する。
本実施の形態では、三カ所の特徴点Fは、壁面ボードWBの四隅のうちの三か所である(図15中の下段図参照)。この特徴点Fについては、二枚目以降の壁面ボードWBについても共通である。
図11に示すように、本工程を実行するために、情報処理部232のCPU231は、駆動系241を制御し、ロボットハンド131を施工領域Aに移動させる(ステップS101)。このときの施工領域Aは、ボード取付枠1中、一枚目の壁面ボードWBを貼り付けるべき左側の最下位置である。CPU231は、メモリ領域に記憶されている座標点のデータM1(図10中のステップS12参照)を利用することで、ロボットハンド131を施工領域Aに移動させることができる(以下同様)。
これによってロボット装置101は、図15中の上段図に示すような姿勢となる。
そこでCPU231は、施工領域Aをカメラ134で撮像し(ステップS102)、パターンマッチングを行う(ステップS103)。パターンマッチングは、施工領域Aに正しく配置されたと想定される壁面ボードWBの三カ所の特徴点Fに対応付けられる施工領域A中の目印Mについてのマッチングを意味する。情報処理装置211は、このような目印Mの周辺画像のデータを見本データとして例えばHDD237に保存しており、この見本データをRAM234やEEPROM233などのメモリ領域にコピーしている。そこで撮像画像中、こうしてメモリ領域に記録されている見本データと一致する領域をパターンマッチングさせるわけである。
パターンマッチングに用いる目印Mに関しては、例えば施工領域Aの特徴的な形状を目印Mとして用いることができる。あるいは施工領域Aにそのような特徴的な形状がない場合には、施工領域Aに予め付しておいたマーク(図示せず)を目印Mとして用いることができる。
CPU231は、ステップS103のパターンマッチングによって目印Mを認識したら、その座標を推定する(ステップS104)。情報処理装置211はロボットハンド131の位置をトレースしてその座標点を認識しているので、ロボットハンド131の現在位置の座標点から、目印Mの座標点を推定することが可能である。
CPU231は、推定した目印Mの座標点をメモリに記憶する(ステップS105)。こうして記憶された座標点のデータをM11とする。
(3)一枚目の壁面ボードの把持工程
図13(A)(B)(C)(D)に示すように、この工程では、ロボットハンド131をストック領域Bに移動させ、最上位の壁面ボードWBを一枚目の壁面ボードWBとして、ロボットハンド131に設けた把持具133で把持する(ステップS106〜S108)。
図13(A)(B)(C)(D)は、壁面ボードWBのピックアップ動作を経時的に示す模式図である。
図13(A)は、ボードパレット2上に積み重ねられた壁面ボードWBに向けてロボットハンド131が下降する様子を示している。
図13(B)は、壁面ボードWBを把持具133に把持させたロボットハンド131が鉛直方向に上昇する様子を示している。ロボットハンド131が上昇することによって、把持具133が把持する壁面ボードWBはボードパレット2からピックアップされる。
図13(C)は、ピックアップした壁面ボードWBの下面に貼り付いた壁面ボードWBを剥す動作を示している。
図13(D)は、壁面ボードWBを把持したロボットハンド131を回転させて移動させる動作を示している。
図11に示すように、本工程を実行するために、情報処理部232のCPU231は、駆動系241を制御し、ロボットハンド131をストック領域Bの上方に移動させる(ステップS106)。メモリ領域に記憶されている座標点のデータM2(図10中のステップS14参照)を利用することで、ロボットハンド131をストック領域Bに移動させることができる(以下同様)。
ストック領域Bでは、ボードパレット2に壁面ボードWBが収納されている。そこでCPU231は、壁面ボードWBをカメラ134で撮像し(ステップS107)、把持具133が最上位の壁面ボードWBを把持するように各部を制御する(ステップS108)。
ステップS107での撮像処理に先だってCPU231は、ボードパレット2に積み重ねられている壁面ボードWBの傾斜方向及び傾斜角に合わせて、準備位置P1に位置するロボットハンド131を傾斜させる(図13(A)参照)。ロボットハンド131を傾斜させるべき方向と角度とは、一例として、図10中のステップS14でメモリに記憶した座標点のデータM2に基づく計算によって得ることが可能である。別の一例としては、そのような計算を予めしておき、ロボットハンド131を傾斜させるべき方向及び角度のデータをデータM2の中に含めるようにしてもよい。さらに別の一例としては、ボードパレット2に積み重ねられている壁面ボードWBの傾斜角は初めから既知の情報なので、壁面ボードWBの傾斜角のデータについては、例えばデータM2に予め持たせておくようにしてもよい。
CPU231は、ロボットハンド131を傾斜させる処理を実行した後、壁面ボードWBをカメラ134で撮像する(ステップS107)。続いてCPU231はステップS108の処理に移行し、撮像画像中に含まれる特徴点Fから最上位の壁面ボードWBの位置を判定し、壁面ボードWBの中心位置を求める。そしてCPU231は、求めた壁面ボードWBの中心位置にロボットハンド131の中心位置を合わせるように駆動源PSを制御する。
ステップS108を実行するCPU231は、壁面ボードWBの中心位置にロボットハンド131の中心位置を合わせた後、駆動源PSを制御し、密接位置P2までロボットハンド131を下降させる。下降方向は、壁面ボードWBに対して垂直の方向である(図13(A)参照)。
下降したロボットハンド131は、壁面ボードWBにまで達すると、把持具133が備える吸着パッド137を壁面ボードWBに密着させる。
次いでCPU231は、真空発生器138の作動指令を発する。これに応じて真空発生器138が作動し、吸着パッド137の内部を真空にする。その結果吸着パッド137が壁面ボードWBに吸着し、ロボットハンド131による壁面ボードWBの把持が可能になる。ロボットハンド131は、その中心を壁面ボードWBの中心に一致させている。
以上の処理によって、情報処理部232のCPU231が、ボードパレット2にロボットハンド131をアクセスさせ、最上位の壁面ボードWBを把持具133に把持させる手段が実行される。このような情報処理部232の処理内容は、ロボットハンド131に取り付けた把持具133を利用し、ボードパレット2に支持された最上位の壁面ボードWBを把持する把持部を構成する。
(4)一枚目の壁面ボードのピックアップ工程
図13(B)(C)に示すように、この工程では、把持具133に把持させた一枚目の壁面ボードWBをピックアップする。
壁面ボードWBのピックアップに際しては、ボードパレット2に積み重ねられている壁面ボードWBのうち、把持具133が把持した最上位の壁面ボードWBの下面に、その直下の壁面ボードWBが貼り付いてしまうことがある。場合によってはピックアップされた壁面ボードWBに貼り付いた壁面ボードWBの下面に、さらに壁面ボードWBが貼り付くことも珍しくない。
こうしてピックアップした最上位の壁面ボードWBに後続の壁面ボードWBが貼り付くことによる問題は、貼り付いた壁面ボードWBの高所からの落下である。壁面ボードWB同士の貼り付きは、互いに接する面同士が密着して両者間が真空状態になることによって発生する。このため真空状態が破られると壁面ボードWB同士の貼り付きが解消され、貼り付いていた壁面ボードWBが落下する。このとき問題になるのは、数百mmもの高所に持ち上げられた壁面ボードWBが落下することである。このような現象が発生すると、ボードパレット2に残っている最上位の壁面ボードWBの位置がずれてしまったり、破損してしまったりしてしまい不都合である。
本実施の形態では、たとえ壁面ボードWB同士の貼り付きが発生しても、貼り付いた壁面ボードWBを速やかに剥すようにして、上記問題の解決を図っている。
そのために本実施の形態は、図13(B)に示すように、壁面ボードWBを把持した把持具133を上昇させる(上昇させる工程)。続いて図13(C)に示すように、ボードパレット2に残る最上位の壁面ボードWBの上面を含む仮想面と、把持具133が持ち上げた壁面ボードWBの下面を含む仮想面とを交差させる方向に向けて持ち上げた壁面ボードWBを移動させ、ボードパレット2に残る最上位の壁面ボードWBに接触させる(接触させる工程)。
より詳細には、図13(B)に示す上記上昇させる工程は、壁面ボードWBを把持した把持具133を鉛直方向に上昇させる。図13(C)に示す上記接触させる工程は、ボードパレット2上で水平面に対して傾斜状態で積み重ねられた壁面ボードWBのうち、ボードパレット2に残る最上位の壁面ボードWBの高所側の辺に向けて、把持具133が持ち上げた壁面ボードWBを水平に移動させる。
壁面ボードWBのピックアップは、「上昇させる工程」「接触させる工程」「姿勢を水平状態にする工程」「移動させる工程」という四つの工程によって実行される。これらの各工程を、図11中のステップS109の処理内容の詳細を示す図14のフローチャートに基づいて説明する。
(a)上昇させる工程
情報処理部232のCPU231は、図13(A)に示す密接位置P2に位置するロボットハンド131が鉛直方向に真っ直ぐ上昇するように、駆動系241を制御する。つまり駆動源PSに駆動信号を出力し、把持具133を鉛直方向に上昇させる(ステップS109−1)。これによって把持具133に把持された壁面ボードWBは、鉛直方向に持ち上げられる(図13(B)参照)。
このときロボットハンド131は密接位置P2に位置づけられており、その位置は座標点M2によって特定される。そこで座標点M2から鉛直方向、つまりZ軸方向にロボットハンド131を移動させることで、把持具133を鉛直方向に上昇させることができる。
把持具133を上昇させる距離は、壁面ボードWBの厚み寸法分の距離を超えない範囲である。この距離は、壁面ボードWBの厚みの40%以上80%以下であることが好ましい。例えば壁面ボードWBの厚さが12.5mmの場合には、壁面ボードWBの厚みの40%は5mm、80%は10mmなので、5mm以上10mm以下の範囲で把持具133を上昇させことが好ましいわけである。
ボード貼付け作業を支援するコンピュータプログラムは、把持具133を上昇させる距離をN1として規定している。本コンピュータプログラムが起動すると、N1の値は、RAM234のボードエリアに一時記憶される。本コンピュータプログラムは、座標点M2によって規定される密接位置P2からZ軸方向に+N1の距離分ロボットハンド131が移動したか、つまり座標点がM2+ZN1になったかどうかを判定し(ステップS109−2)、座標点がM2+ZN1になったら(ステップS109−2のYES)、ロボットハンド131の移動を止めて把持具133を停止させる(ステップS109−3)。
ステップS109−1〜S109−3の処理内容は、壁面ボードWBを把持した把持具133を上昇させる離間部を構成する。
こうして離間部によって、ピックアップされた壁面ボードWBとボードパレット2に残る最上位の壁面ボードWBとの間には、壁面ボードWB一枚分の厚みにも満たないわずかな隙間が形成される。この隙間は、把持具133にピックアップされた壁面ボードWBが何枚になろうとも、ボードパレット2に残る最上位の壁面ボードWBとの間に発生する。
(b)接触させる工程
この工程では、隙間を挟んで対向する二枚の壁面ボードWB、つまりピックアップされた壁面ボードWBとボードパレット2に残る最上位の壁面ボードWBとの端部同士を接触させる。この接触は、ボードパレット2に残る最上位の壁面ボードWBの上面を含む仮想面と、把持具133が持ち上げた壁面ボードWBの下面を含む仮想面とが交差する交点で発生する。このため壁面ボードWB同士の貼り付きが生じている場合には、把持具133が把持する壁面ボードWBとこれに貼り付いている壁面ボードWBとの間に位置ずれが生ずる。その結果両者間に空気が入り込んで真空状態が解かれ、貼り付いている壁面ボードWBが脱落する。脱落した壁面ボードWBは、ボードパレット2に残る最上位の壁面ボードWBの上に落下するが、せいぜい十数mm程度の高さからの落下なので、上記問題を生じさせることはない。
本工程は、前述したとおり、ボードパレット2に残る最上位の壁面ボードWBの高所側の辺に向けて、把持具133が持ち上げた壁面ボードWBを水平に移動させることによって行われる。情報処理部232のCPU231は、駆動系241を制御し、ロボットハンド131によって把持具133を水平方向に移動させる(ステップS109−4)。
ボード貼付け作業を支援するコンピュータプログラムは、把持具133を水平方向に移動させる距離HDをN2として規定している。本コンピュータプログラムが起動すると、N2の値は、RAM234のボードエリアに一時記憶される。本コンピュータプログラムは、把持具133が水平方向へ移動する距離HDがN2に達したかどうかを判定し(ステップS109−5)、N2に達したら(ステップS109−5のYES)、ロボットハンド131の移動を止めて把持具133を停止させる(ステップS109−6)。
ステップS109−4〜S109−6の処理内容は、ボードパレット2に残る最上位の壁面ボードWBの上面を含む仮想面と、把持具133が持ち上げた壁面ボードWBの下面を含む仮想面とを交差させる方向に向けて持ち上げた壁面ボードWBを移動させ、ボードパレット2に残る最上位の壁面ボードWBに接触させる接触部を構成する。接触部は、ボードパレット2上で水平面に対して傾斜状態で積み重ねられた壁面ボードWBのうち、ボードパレット2に残る最上位の壁面ボードWBの高所側の辺に向けて、持ち上げた壁面ボードWBを水平に移動させる。
(c)姿勢を水平状態にする工程
図13(D)に示すように、本工程では、上記「(b)接触させる工程」後、把持具133が把持する壁面ボードWBの姿勢を水平状態にする。情報処理部232のCPU231は、駆動系241を制御し、壁面ボードWBを把持する把持具133を回転させるようにロボットハンド131を駆動し、壁面ボードWBの姿勢を水平状態にする(ステップS109−7)。
(d)移動させる工程
図13(D)に示すように、本工程では、水平状態にした壁面ボードWBを把持した把持具133を移動させる。移動方向は、鉛直方向上方である。情報処理部232のCPU231は、駆動系241を制御し、鉛直方向真上に向けてロボットハンド131を上昇させる(ステップS109−8)。
(5)一枚目の壁面ボードの特徴点の認識工程
この工程では、把持具133に把持させた一枚目の壁面ボードWBをカメラ134で撮像し、撮像画像から特徴点Fの位置を認識する。
本工程を実行するために情報処理部232のCPU231は、駆動系241を制御し、把持した最上位の壁面ボードWBを垂直にし、再度カメラ134で撮像する(ステップS110)。そして撮像データから特徴点Fの位置を認識し、その位置データをメモリに記憶する(ステップS111)。こうして記憶された位置データをM12とする。
このときロボット装置101は、図15中の下段図に示すような姿勢となる。
(6)一枚目の壁面ボードの配置工程
この工程では、一枚目の壁面ボードWBを把持するロボットハンド131を施工領域Aに移動させ、記憶する目印Mの座標点に認識した特徴点Fの位置を合わせ、一枚目の壁面ボードWBを施工領域Aに配置する。
本工程を実行するために情報処理部232のCPU231は、駆動系241を制御し、壁面ボードWBを把持しているロボットハンド131を施工領域Aに移動させる(ステップS112)。
そして把持する壁面ボードWBを施工領域Aに配置するに際して、特徴点Fを施工領域A中の目印Mの位置に合わせることができるように、CPU231は、メモリに記憶している目印Mの座標点のデータM11(ステップS105参照)と特徴点Fの位置データM12(ステップS111参照)とを合致させる空間移動のための計算を実行する(ステップS113)。
CPU231は続いて、ステップS113での計算結果によって得た施工領域A中の位置に、壁面ボードWBを配置する(ステップS114)。これによって壁面ボードWBは、ボード取付枠1に位置ずれすることなく正しく配置される。
(7)一枚目の壁面ボードの固定工程
この工程では、施工領域Aに配置された一枚目の壁面ボードWBをロボットハンド131に設けた固定具としてのビス打ち機135で施工領域Aに固定する。
本工程を実行するために情報処理部232のCPU231は、ビス打ち機135を駆動する(ステップS115)。これによってボード取付枠1に壁面ボードWBがビス止めされる。
図16に示すように、ボード取付枠1に対する壁面ボードWBのビス止めに際しては、最初に仮止めをする。仮止めは、ロボットハンド131によってボード取付枠1の施工領域Aに壁面ボードWBを押し付けて配置した状態(ステップS114〜S116参照)で行われる。仮止め後CPU231はロボットハンド131を移動させ、ビス打ち機135に外側の列OLをビス止めさせる。そしてCPU231はロボットハンド131を90°回転させ、ビス打ち機135に内側の列ILをビス止めさせる。このとき内側の列IL(1)をビス止めし、続いて内側の列IL(2)をビス止めする。
(8)目印座標点の取得工程
この工程では、二枚目の壁面ボードWBを貼り付ける施工領域Aをロボットハンド131に設けたカメラ134で撮像し、その施工領域Aに正しく配置されたと想定される壁面ボードWBの三カ所の特徴点Fに対応付けられる施工領域A中の目印Mの座標点を推定してメモリに記憶する。
本工程を実行するために情報処理部232のCPU231は、図11中のステップS101〜S105と同様の処理を実行し、既に固定されている壁面ボードWBの隣接位置に配置したときに想定される目印Mの位置を座標データM11として取得している。
(9)二枚目の壁面ボードの把持工程
この工程では、ロボットハンド131をストック領域Bに移動させ、最上位の壁面ボードWBを二枚目以降の壁面ボードWBとして把持具133で把持する。
図12に示すように、本工程を実行するために情報処理部232のCPU231は、駆動系241を制御し、ロボットハンド131をストック領域Bの上方に移動させる(ステップS201)。
ストック領域Bでは、ボードパレット2に壁面ボードWBが収納されている。そこでCPU231は、壁面ボードWBをカメラ134で撮像し(ステップS202)、把持具133で最上位の壁面ボードWBを把持する(ステップS203)。つまり真空発生器138を作動させ、吸着パッド137で壁面ボードWBを吸着する。このときCPU231は、撮像画像を参照して、一枚目の壁面ボードWBについて判定した位置を基準として、二枚目以降となる最上位の壁面ボードWBの位置を推定し、壁面ボードWBの中心位置を求めてこの中心位置を把持する。
CPU231は、二枚目の壁面ボードWBについても一枚目のときと同様に、駆動源PSに制御信号を与え、ロボットハンド131の姿勢制御を行う。つまりボードパレット2に積み重ねられている壁面ボードWBの傾斜方向及び傾斜角に合わせて、ロボットハンド131も水平面に対して傾斜させる(図13(A)参照)。
本工程の詳細は、上記「(3)一枚目の壁面ボードの把持工程」に準ずる。
(10)二枚目の壁面ボードのピックアップ工程
図13(B)に示すように、この工程では、把持具133に把持させた二枚目の壁面ボードWBをピックアップする。壁面ボードWBのピックアップは、鉛直方向真上にロボットハンド131を上昇させることによって行う。
つまりCPU231は、図13(A)に示す密接位置P2に位置するロボットハンド131が鉛直方向に真っ直ぐ上昇するように、駆動源PSに駆動信号を出力する(ステップS204)。このときロボットハンド131は、把持具133に最上位の壁面ボードWBを把持させている。そこでロボットハンド131の上昇に伴い、最上位の壁面ボードWBも鉛直方向に真っ直ぐ上昇する。
(11)二枚目の壁面ボードの特徴点の認識工程
この工程では、把持具133に把持させた二枚目以降の壁面ボードWBをカメラ134で撮像し、撮像画像からその特徴点Fの位置を認識する。
本工程を実行するために情報処理部232のCPU231は、駆動系241を制御し、把持した最上位の壁面ボードWBを垂直にし、再度カメラ134で撮像する(ステップS205)。そして撮像データから特徴点Fの位置を認識し、その位置データをメモリに記憶する(ステップS206)。こうして記憶された位置データをM13とする。
このときロボット装置101は、図15中の下段図に示すような姿勢となる。
本工程の詳細は、上記「(4)二枚目の壁面ボードのピックアップ工程」に準ずる。
(12)二枚目の壁面ボードの配置工程
この工程では、二枚目以降の壁面ボードWBを把持するロボットハンド131を施工領域Aに移動させ、既に固定されている壁面ボードWBの隣接位置に配置したときに想定される目印Mの座標点に認識した特徴点Fの位置を合わせ、二枚目以降の壁面ボードWBを施工領域Aに配置する。
本工程を実行するために情報処理部232のCPU231は、駆動系241を制御し、壁面ボードWBを把持しているロボットハンド131を施工領域Aに移動させる(ステップS207)。
そして把持する壁面ボードWBを施工領域Aに配置するに際して、既に固定されている壁面ボードWBの隣接位置に配置したときに想定される目印Mの位置に、把持している壁面ボードWBの特徴点Fの位置を合わせることができるようにする。そのためにCPU231は、メモリに記憶している目印Mの座標点のデータM11と特徴点Fの位置データM13(ステップS206参照)とを合致させる空間移動のための計算を実行する(ステップS208)。
CPU231は続いて、ステップS208での計算結果によって得た施工領域A中の位置に壁面ボードWBを配置する(ステップS209)。このとき既に施工されている一枚目の壁面ボードWBとの間のずれをなくすために、ロボットハンド131で把持している二枚目の壁面ボードWBを一枚目の壁面ボードWBの方にスライド移動させても良い。これによって壁面ボードWBは、ボード取付枠1に位置ずれすることなく正しく配置される。
(13)二枚目の壁面ボードの固定工程
この工程では、施工領域Aに配置された二枚目以降の壁面ボードWBをビス打ち機135で施工領域Aに固定する。
本工程を実行するために情報処理部232のCPU231は、ビス打ち機135を駆動する(ステップS210)。これによってボード取付枠1に壁面ボードWBがビス止めされる。
図16に示すように、ボード取付枠1に対する壁面ボードWBのビス止めに際しては、最初に仮止めをする。仮止めは、ロボットハンド131によってボード取付枠1の施工領域Aに壁面ボードWBを押し付けて配置した状態(ステップS209参照)で行われる。仮止め後CPU231はロボットハンド131を移動させ、ビス打ち機135に外側の列OLをビス止めさせる。そしてCPU231はロボットハンド131を90°回転させ、ビス打ち機135に内側の列ILをビス止めさせる。このとき内側の列IL(1)をビス止めし、続いて内側の列IL(2)をビス止めする。
三枚目以降の壁面ボードWBをボード取付枠1の施工領域Aに貼り付けるには、ステップS201〜ステップS212の処理を繰り返せばよい。このとき既に施工が済んでいる施工領域Aの上段の施工領域Aに移行するには、一例として、再び左側の施工領域Aから施工をするようにしてもよく、あるいは最後に施工をした施工領域Aのすぐ上の施工領域Aから施工をするようにしてもよい。
6.ボード貼付け装置の別の実施の形態
ボード貼付け装置11の別の実施の形態を図17ないし図24に基づいて説明する。図1ないし図17に基づいて説明した上記実施の形態と同一部は同一符号で示し、説明も省略する。説明に際しては、図1ないし図17中の図面も適宜用いる。
(1)ロボットハンド
図17に示すように、本実施の形態のロボットハンド131はカメラ134を備えず、これに替えて距離計測器401を備えている。距離計測器401について、図18(A)(B)も参照しながら説明する。
距離計測器401としては、レーザ距離計(レーザレンジファインダともいう)、ステレオカメラ、超音波センサ等適宜用いることができる。以下、距離計測器401として、レーザ距離計を用いた一例を説明する。
距離計測器401は、測定対象物Oにレーザ光LBを照射し、その反射光を受光して測定対象物まで距離を測定する。用いる距離計測器401は、その種類を問わない。数十mm〜数百mm程度の近距離の距離を測定し得るものであれば各種の方式の距離計測器を用いることが可能である。
ここで距離計測器401の測定対象物Oに対する三次元上の方向、軸、位置を次のように定義する。測定対象物Oの垂直方向をX方向、水平方向をY方向、奥行き方向をZ方向とする。X方向に沿う軸をX軸301、Y方向に沿う軸をY軸302、Z方向に沿う軸をZ軸303とする。そしてX軸301とY軸302との交点を第1の位置311、X軸301上で第1の位置311から離れた位置を第2の位置312、Y軸302上で第1の位置311から離れた位置を第3の位置313とする。この前提のもと、距離計測器401は、第1の位置311と第2の位置312と第3の位置313とを通るZ軸303上に光軸Lを一致させてロボットハンドに取り付けられている。
説明の便宜上、第1の位置311を通るZ軸303上に光軸を一致させているものを距離計測器401a、第2の位置312を通るZ軸303上に光軸を一致させているものを距離計測器401b、第3の位置313を通るZ軸303上に光軸を一致させているものを距離計測器401cと呼ぶ。
図18(A)に示すように、測定対象物Oが施工領域Aにおけるボード貼り位置A1中の下地、つまりボード取付枠1(図20参照)である場合、X軸301は鉛直方向、Y軸302及びZ軸303は水平方向を向く。ボード取付枠1は、垂直に立てられているからである。
図18(B)に示すように、測定対象物Oがストック領域Bに積み重ねられたうちの最上位の壁面ボードWB(図1参照)である場合、X軸301及びY軸302は水平方向、Z軸303は鉛直方向を向く。ストック領域Bにおいて、壁面ボードWBは水平よりもやや傾斜した状態に寝かされてボードパレット2に載せられているからである。
壁面ボードWBのサイズは、一例として長さ1820mm、幅910mmである。これに合わせてボード取付枠1の幅も910mmに設定されている。もっともボード取付枠1は、一つのボード貼り位置A1について鉛直向きに設置された複数の軽量鉄骨材1Sからなる。軽量鉄骨材1Sは、LGS(Light Gauge Steel)とも呼ばれている。
壁面ボードWBの910mmの幅は、両端側の二つの軽量鉄骨材1Sの配置間隔によって定められる。そこでY軸方向に並べられた二つの距離計測器401の光軸Lの離間距離を規定する第1の位置311と第3の位置313とは、ボード取付枠1において壁面ボードWBの幅で配置された二つの軽量鉄骨材1Sに対して、距離計測器401から照射されるレーザ光LBが干渉するような位置に設定されている。ボード取付枠1の軽量鉄骨材1Sが例えば50mmの幅を持っていると仮定すると、第1の位置311と第3の位置313との間の離間距離、つまりY軸方向に並べられた二つの距離計測器401の光軸Lの離間距離は860〜960mmの範囲、例えば885.5mmである。
ビス打ち機135は、ボード取付枠1に壁面ボードWBを固定するためのビス(図示せず)を打ち出す。ビス打ち機135は一対設けられ、フレーム132の一端側の二つの隅部から互いに拡開する方向に延出している。
(2)情報処理装置
図19に示すように、マイクロコンピュータによって構成された情報処理装置211にI/O236を介して接続されるワーク系251には、距離計測器401がデジタル接続されている。距離計測器401は、対象物にレーザ光LBを照射して対象物との間の距離を測定し、測定結果をデジタル信号としてI/O236に入力する。
(3)ボード貼付け方法及び処理
ボード貼付け方法は、情報処理装置211による処理と協働して実行される。情報処理装置211は、HDD237に格納されたボード貼付け用のコンピュータプログラムにしたがい、情報処理部232にボード貼付け処理を実行させる。
(a)概要
ボード貼付け方法は、施工空間WSを出現させ、そこにロボット装置101を据え付けることから始まる。施工空間WSは、ボード取付枠1が設置された建築物の施工領域Aの近傍位置に、ボードパレット2に積み重ねた複数枚の壁面ボードWBを設置した空間である。ロボット装置101は、一例として、図1に示すような場所、つまり施工領域Aの目の前であって、ストック領域Bとなるボードパレット2の近傍位置に設置される。
ボード貼付け方法は、概略、ロボット装置101のロボットアーム121を駆動し、ボードパレット2に積み重ねられた最上位の壁面ボードWBをロボットハンド131に設けた把持具133で把持してピックアップし、施工領域Aに持ち運んでボード貼り位置A1に貼り付けるという方法である。この方法は、大別して二つの局面を有している。一つは位置データの測定及び保存、もう一つは施工である。
(位置データの測定及び保存)
施工空間WSにロボット装置101を据え付けた際、ロボット装置101の動作を制御する制御盤201はもとよりのこと、情報処理装置211も、施工領域A及びストック領域Bの位置を認識していない。そこで情報処理装置211には、実際にボード貼付けを行おうとする施工領域A中のボード貼り位置A1と、ボードパレット2から最上位の壁面ボードWBをピックアップするためのストック領域Bの位置データを情報処理装置211に与え、記憶保存させる必要がある。
位置データの測定及び保存の局面では、ロボット装置101に与えるべきボードパレット2に積み重ねられた最上位の壁面ボードWBの位置と、施工領域Aにおけるボード貼り位置A1との位置データを測定し、例えばRAM234などのメモリに保存する。この場合の位置データは、ロボットハンド131のXYZの三軸の回転角度とXYZの座標である。ここでいうXYZの三軸というのは、図18(A)(B)に示したX軸301、Y軸302、及びZ軸303の三軸を意味し、ロボットアーム121のジョイント122a〜122fによって定義される六軸とは意味が異なる。
施工領域Aでボード貼り位置A1に把持具133を対面させるロボットハンド131の回転角度及び座標については、貼付けX角度、貼付けY角度、貼付けZ角度、貼付けZ座標、貼付けX座標、及び貼付けY座標を測定して保存する。
ストック領域Bで最上位の壁面ボードWBに把持具133を対面させるロボットハンド131の回転角度及び座標については、把持X角度、把持Y角度、把持Z角度、把持Z座標、把持X座標、及び把持Y座標を測定して保存する。
(施工)
施工の局面は、上記位置データの測定及び保存の局面で保存した位置データを利用し、施工領域Aへのボード貼り作業を実施する。
以下、ボード貼付け方法及び処理の詳細を、
「(b)位置データの測定及び保存」
「(c)施工」
の二項目に分け、手順を追って説明する。
(b)位置データの測定及び保存
図20に示すように、施工領域Aで位置データの測定をするためには、ボード取付枠1の特定箇所に壁面ボードWBを貼り付けておく必要がある。
貼り付けを要するのは、これから壁面ボードWBを貼ろうとするボード貼り位置A1の左隣り及び下側である。図20に示す一例では、1〜9の丸付き数字で示している箇所が施工領域A中のボード貼り位置A1である。三列三行の九枚分の領域を占めている。1〜9の丸付き数字が示しているのは、壁面ボードWBの貼付け順序である。
このようなボード貼り位置A1に対して、壁面ボードWBの貼り付けを必要とするのは、ボード貼り位置A1に隣接するボード取付枠1の最左欄及び最下欄である。図20に示すように、ボード取付枠1の最左欄及び最下欄とには、合計七枚の壁面ボードWBが貼り付けられている。本実施の形態では、こうして事前に貼られている壁面ボードWBを既設壁面ボードWB1と呼び、壁面ボードWBが既に設置されている位置をボード既設位置A2と呼ぶ。既設壁面ボードWB1は、例えば手作業によってボード取付枠1に貼り付けられる。
(イ)処理の概要
(施工領域)
図21に示すように、情報処理装置211の情報処理部232が有するCPU231は、入力装置239での指示によって、施工領域Aにロボットハンド131を移動させる(ステップS11)。この処理は、入力装置239での置数入力、あるいは表示装置238での表示と連携させたGUI入力によって実行される。情報処理装置211は、入力装置239での置数入力やGUI入力によってロボットハンド131の移動指示が入力されると、その入力に応じたX軸角度、Y軸角度、Z軸角度、X軸座標、Y軸座標、及びZ軸座標のデータを制御盤201に送信し、ロボットアーム121を動作させる。
この処理によって、ロボットハンド131に取り付けられた把持具133は、例えば図17に示すような状態になる。もっとも図17が示しているのは、把持具133が正確にボード貼り位置A1に位置づけられている状態である。ステップS11の処理では、これから施工しようとする施工領域Aに対して、より大まかな位置に把持具133を移動させる。
ステップS11の処理によって把持具133を対面させるボード取付枠1は、一組、本実施の形態では九枚一組のうちの最初に施工するボード取付枠1である。このボード取付枠1は、図20中、「1」の丸付き数字で示している。
続いてCPU231は、最初に施工するボード取付枠1に壁面ボードWBを貼り付けるときのロボットアーム121の貼付け角度及び貼付け座標を正確に求め、記憶領域に保存する(ステップS12)。貼付け角度は、より詳しくは貼付けX角度、貼付けY角度、及び貼付けZ角度である。貼付け座標は、より詳しくは貼付けX座標、貼付けY座標、及び貼付けZ座標である。記憶領域は、例えばRAM234やEEPROM233である。ステップS12の処理については、図22のフローチャートに基づいて詳しく述べる。
(ストック領域)
続いてCPU231は、ストック領域Bにロボットハンド131を位置付け、ボードパレット2に収納されている壁面ボードWBに把持具133を対面させる処理を支援する(ステップS13)。つまり入力装置239での指示によって、ストック領域Bにロボットハンド131を移動させ、吸着パッド137が真下を向くようにロボットハンド131の姿勢を制御するわけである。
続いてCPU231は、ストック領域Bに積み重ねられた最上位の壁面ボードWBを把持する時のロボットアーム121の把持角度及び把持座標を正確に求め、記憶領域に保存する(ステップS14)。把持角度は、より詳しくは把持X角度、把持Y角度、及び把持Z角度である。把持座標は、より詳しくは把持X座標、把持Y座標、及び把持Z座標である。記憶領域は、例えばRAM234やEEPROM233である。ステップS14の処理については、図23のフローチャートに基づいて詳しく述べる。
以上が、位置データの測定及び保存のための処理の概要である。以下、ボード貼り位置となる施工領域A及びボード把持位置となるストック領域Bでのロボットアーム121の位置データの測定及び保存について詳しく説明する。
(ロ)施工領域での処理
CPU231は、ロボットハンド131に取り付けられた三つの距離計測器401から出力信号を受信し、次の工程及び処理を実行する。
(概要)
図8に示すように、CPU231は、ロボット装置101を制御する制御盤201に指令を送り、ロボットハンド131をロボットアーム121で駆動させ、ボード貼り用の下地、つまりボード取付枠1を有するボード貼り位置A1に把持具133を対面させる(ステップS1101)。
続いてロボットハンド131の回転角度の設定処理が行われる。この処理のためにCPU231は、距離計測器401の出力信号に基づいて、ロボットハンド131のZ方向の平行度を保つX軸301及びY軸302回りの回転角度と、ロボットハンド131のXY方向の平行度を保つZ軸303回りの回転角度とを求める。求められた回転角度は、貼付けX角度、貼付けY角度、及び貼付けZ角度としてRAM234等の記憶領域に保存される(ステップS1102〜S1107)。
続いてロボットハンド131の座標の設定処理が行われる。この処理のためにCPU231は、距離計測器401の出力信号に基づいて、ボード貼り位置A1に壁面ボードWBを貼り付けるときのロボットハンド131のX軸、Y軸及びZ軸の座標を求め、それぞれ貼付けX座標、貼付けY座標、及び貼付けZ座標としてRAM234等の記憶領域に保存する(ステップS1108〜S1110)。
(回転角度の設定処理)
ステップS1102〜S1107の処理を実行するCPU231は、ロボット装置101を制御する制御盤201に指令を送り、ロボットアーム121によってロボットハンド131を予め決められた経路に移動させたり、ロボットハンド131の姿勢を制御したりする。
まずCPU231は、ボード貼り位置A1からその左に隣接するボード既設位置A2に向けてロボットハンド131を移動させ(ステップS1102)、その後再びボード貼り位置A1にロボットハンド131を戻させる(ステップS1103)。
このときCPU231は、X軸方向に並ぶ二つの距離計測器401a、401b(図17参照)の出力信号を取り込み、検出対象の種類を認識する。距離計測器401(401a〜401c)からの距離は、レーザ光LBが既設壁面ボードWB1を照射しているときよりもボード取付枠1を照射しているときの方が長く検出されるので、測定距離の差によって検出対象の認識が可能である。
こうしてボード既設位置A2へ向けて移動させたロボットハンド131を再度ボード貼り位置A1に復帰させることで、距離計測器401a〜401cがレーザ光LBをボード貼り位置A1に位置するボード取付枠1に照射し得る状態が確保される。
CPU231は、回転角度の設定に先立ち、ロボットハンド131のZ軸回りの角度を仮補正する(ステップS1104)。ここまでの段階では、貼付けX角度、貼付けY角度、及び貼付けZ角度のいずれも未調整であることから、各角度のずれがあまりにも大きすぎると、正しい設定を行い得なくなってしまうからである。もっともステップS1104の仮補正の処理は必ずしも必須というわけではなく、この処理ルーチンを省略してもよい。ステップS1104の処理を省略することで、その分ロボットハンド131の回転角度の設定に要する時間を短くすることが可能になる。
ロボットハンド131のZ軸回りの角度の仮補正は、ボード貼り位置A1からその左に隣接するボード既設位置A2に向けてロボットハンド131を水平移動させ、X軸方向に並ぶ二つの距離計測器401a、401bの出力信号により検出される段差の検出位置を適合させることによって行われる。この段差は、ボード貼り位置A1中のボード取付枠1とボード既設位置A2中の既設壁面ボードWB1との間に生ずる段差である。距離計測器401a、401bが照射するレーザ光LBがこの段差を横切ったとき、距離計測器401a、401bの少なくとも一方の出力信号によって認識可能な測定距離が変動するため、CPU231は段差を検出することができる。
CPU231は、二つの距離計測器401の少なくとも一方、例えば距離計測器401bの出力信号に基づいて段差を検出すると、ロボットハンド131の水平移動を停止し、段差を横切ったレーザ光LBの軸を中心としてロボットハンド131をZ軸回りに回転させる。この回転の過程で、X軸方向に並ぶもう一つの距離計測器401aの出力信号に基づいて段差の検出を判定したとき、CPU231はロボットハンド131の回転動作を停止させる。これによってロボットハンド131のZ軸回りの角度が仮補正される。
ロボットハンド131のZ軸回りの角度の仮補正後、CPU231は、距離計測器401a〜401cがレーザ光LBをボード貼り位置A1に位置するボード取付枠1に照射し得る位置までロボットハンド131を戻す。この状態でロボットハンド131の貼付けY角度、貼付けX角度、及び貼付けZ角度の設定が順に行われる。ここで実行される貼付けZ角度の設定は、本設定である。
CPU231は、Y軸回りにロボットハンド131を回転させ、X軸方向に並ぶ二つの距離計測器401a、401bの出力信号に基づく測定距離が一致する回転角度を求める(ステップS1105)。この回転角度は、Y軸302方向に対するロボットハンド131の回転角度となる。CPU231は、この角度を「貼付けY角度」としてRAM234等の記憶領域に保存する。
ロボットハンド131の回転角度を求めるには、二種類の手法を適宜採用することができる。一つの手法は、計算によって求める手法である。別の手法は、計測によって求める手法である。「貼付けY角度」を求める場合を例に挙げ、詳しく説明する。
計算によって求める手法は、現実にロボットハンド131を回転させず、計算によってその回転角度を算出する手法である。例えばCPU231は、X軸方向に並ぶ二つの距離計測器401a、401bの出力信号を取り込み、これらの出力信号に基づく測定距離が一致するであろうY軸回りのロボットハンド131の回転角度を計算によって求める。こうして得られた角度を「貼付けY角度」として決定するわけである。
計測によって求める手法は、現実にロボットハンド131を回転させ、そのときの回転角度を実際に計測する手法である。例えばCPU231は、Y軸回りにロボットハンド131を回転させ、回転角度を計測する。このときCPU231は、X軸方向に並ぶ二つの距離計測器401a、401bの出力信号を取り込み、これらの出力に基づく測定距離が一致したときのロボットハンド131の回転角度を「貼付けY角度」として決定するわけである。
このようなロボットハンド131の回転角度を求める二種類の手法は、後述する「貼付けX角度」「貼付けZ角度」「把持Y角度」「把持X角度」「把持Z角度」においても同様である。
つづいて「貼付けX角度」等を取得する処理を説明する。
CPU231は、X軸回りにロボットハンド131を回転させ、Y軸方向に並ぶ二つの距離計測器401a、401cの出力信号に基づく測定距離が一致する回転角度を求める(ステップS1106)。この回転角度は、X軸301方向に対するロボットハンド131の回転角度となる。CPU231は、この角度を「貼付けX角度」としてRAM234等の記憶領域に保存する。
ステップS1107でのロボットハンド131の貼付けZ角度の本設定は、前述したZ軸回りの角度の仮補正と同様の手法を用いて実行される。ボード貼り位置A1からその左に隣接するボード既設位置A2に向けてロボットハンド131を水平移動させ、X軸方向に並ぶ二つの距離計測器401a、401bの出力信号により検出される段差の検出位置を適合させるという手法である。このとき段差は、Z軸回りの角度の仮補正のときと同様に、ボード貼り位置A1中のボード取付枠1とボード既設位置A2中の既設壁面ボードWB1との間に生ずる段差である。
CPU231は、ロボットハンド131の水平移動中、二つの距離計測器401a、401bの少なくとも一方、例えば距離計測器401aの出力信号に基づいて段差を検出すると、ロボットハンド131の水平移動を停止し、段差を横切ったレーザ光LBの軸を中心としてロボットハンド131をZ軸回りに回転させる。この回転の過程で、X軸方向に並ぶもう一つの距離計測器401bの出力信号に基づいて段差の検出を判定したとき、CPU231はロボットハンド131の回転動作を停止させる。CPU231は、このときの回転角度を「貼付けZ角度」としてRAM234等の記憶領域に保存する(ステップS1107)。
以上「貼付けY角度」を求める処理(ステップS1105)、「貼付けX角度」を求める処理(ステップS1106)、及び「貼付けZ角度」を求める処理(ステップS1107)について説明した。実施に際しては、これらの処理の順番は上記ステップS1105〜S1107に限られるわけではなく、適宜各ステップS1105〜S1107を入れ替えることも可能である。
(座標の設定処理)
ステップS1108〜S1110の処理を実行するCPU231は、ロボット装置101を制御する制御盤201に指令を送り、ロボットアーム121によってロボットハンド131を予め決められた経路に移動させたり、ロボットハンド131の姿勢を制御したりする。
CPU231は、貼付けZ角度を求めたときのロボットハンド131の位置及び姿勢、つまり貼付けZ角度が定まったロボットアーム121の姿勢での距離計測器401a、401bの出力信号に基づく測定距離を用いて貼付けZ座標を求める(ステップS1108)。一例として貼付けZ座標は、距離計測器401a、401bの出力信号に基づく測定距離をロボットアーム121の現在のZ座標に加えた座標位置として求められる。
CPU231は、こうして求めた座標を「貼付けZ座標」としてRAM234等の記憶領域に保存する。
続いてCPU231は、貼付けY座標を求める(ステップS1109)。そのための処理としてCPU231は、貼付けZ角度が定まったロボットアーム121の姿勢で、ボード既設位置A2に向けてロボットハンド131を水平移動させ、X軸上に並ぶ二つの距離計測器401a、401bの出力信号に基づいて垂直方向の段差を検出する。CPU231は、段差を検出した位置でのロボットアーム121の座標を用いて貼付けY座標を求める。一例として貼付けY座標は、段差を検出した位置でのロボットアーム121の座標にY軸方向の既知のオフセット量を加えた座標として求められる。
CPU231は、こうして求めた座標を「貼付けY座標」としてRAM234等の記憶領域に保存する。
続いてCPU231は、貼付けX座標を求める(ステップS1110)。そのための処理としてCPU231は、貼付けZ角度が定まったロボットアーム121の姿勢で、ボード既設位置A2に向けてロボットハンド131を垂直移動させ(X軸方向の移動)、ボード既設位置A2に近い側の距離計測器401の出力信号を用いて水平方向の段差を検出する。このとき一例としてCPU231は、ロボットハンド131を反時計回り方向に90度回転させるように駆動制御し、本来はX軸上に並んでいる二つの距離計測器401の出力信号を用いて水平方向の段差を検出する。CPU231は、段差を検出した位置でのロボットアーム121の座標を用いて貼付けX座標を求める。一例として貼付けX座標は、段差を検出した位置でのロボットアーム121の座標にX軸方向の既知のオフセット量を加えた座標として求められる。
CPU231は、こうして求めた座標を「貼付けX座標」としてRAM234等の記憶領域に保存する。
以上「貼付けZ座標」を求める処理(ステップS1108)、「貼付けY座標」を求める処理(ステップS1109)、及び「貼付けX座標」を求める処理(ステップS1110)について説明した。実施に際しては、これらの処理の順番は上記ステップS1108〜S1110に限られるわけではなく、適宜各ステップS1108〜S1110を入れ替えることも可能である。
(ハ)ストック領域での処理
(概要)
図23に示すように、CPU231は、ロボット装置101を制御する制御盤201に指令を送り、ロボットハンド131をロボットアーム121で駆動させ、ストック領域Bでボードパレット2に積み重ねられた最上位の壁面ボードWBに把持具133を対面させる(ステップS1201)。
続いてロボットハンド131の回転角度の設定処理が行われる。この処理のためにCPU231は、距離計測器401の出力信号に基づいて、ロボットハンド131のZ方向の平行度を保つX軸301及びY軸302回りの回転角度と、ロボットハンド131のXY方向の平行度を保つZ軸303回りの回転角度とを求める。求められた回転角度は、把持X角度、把持Y角度、及び把持Z角度としてRAM234等の記憶領域に保存される(ステップS1202〜S1204)。
続いてロボットハンド131の座標の設定処理が行われる。この処理のためにCPU231は、距離計測器401の出力信号に基づいて、ボードパレット2から壁面ボードWBをピックアップするときのロボットハンド131のX軸、Y軸及びZ軸の座標を求め、それぞれ把持X座標、把持Y座標、及び把持Z座標としてRAM234等の記憶領域に保存する(ステップS1205〜S1207)。
(回転角度の設定処理)
ステップS1202〜S1204の処理を実行するCPU231は、ロボット装置101を制御する制御盤201に指令を送り、ロボットアーム121によってロボットハンド131を予め決められた経路に移動させたり、ロボットハンド131の姿勢を制御したりする。
CPU231は、把持Y角度を求める処理として、ロボットアーム121をY軸回りに回転させる(ステップS1202)。これによってロボットハンド131もY軸回りに回転し、X軸方向に並ぶ二つの距離計測器401a、401bの測定距離の関係が変動する。CPU231はこれらの距離計測器401a、401bの出力信号に基づく二つの測定距離を参照しており、両者が一致するとロボットアーム121の回転を停止し、このときの回転角度を把持Y角度と認識する。
CPU231は、こうして求めた回転角度を「把持Y角度」としてRAM234等の記憶領域に保存する。
続いてCPU231は、把持X角度を求める処理として、ロボットアーム121をX軸回りに回転させる(ステップS1203)。これによってロボットハンド131もX軸回りに回転し、Y軸方向に並ぶ二つの距離計測器401a、401cの測定距離の関係が変動する。CPU231はこれらの距離計測器401a、401cの出力信号に基づく二つの測定距離を参照しており、両者が一致するとロボットアーム121の回転を停止し、このときの回転角度を把持X角度と認識する。
CPU231は、こうして求めた回転角度を「把持X角度」としてRAM234等の記憶領域に保存する。
続いてCPU231は、把持Z角度を求める処理として、把持X角度及び把持Y角度が定まったロボットアーム121の姿勢で、ロボットハンド131をY軸方向に移動させる(ステップS1204)。ロボットハンド131の移動中にCPU231は、X軸上に並ぶ二つの距離計測器401a、401bの出力信号に基づいて、最上位の壁面ボードWBの端部を検出している。CPU231は、二つの距離計測器401a、401bのうちの一方、例えば距離計測器401aが壁面ボードWBの端部を検出した位置でロボットハンド131の移動を停止し、端部を検出したレーザ光LBの光軸回りにロボットハンド131を回転させる。そしてCPU231は、X軸上に並ぶもう一方の距離計測器401bの出力信号を参照し、そのレーザ光LBが最上位の壁面ボードWBの端部を横切った位置を把持Z角度として認識する。
CPU231は、こうして求めた回転角度を「把持Z角度」としてRAM234等の記憶領域に保存する。
以上「把持Y角度」を求める処理(ステップS1202)、「把持X角度」を求める処理(ステップS1203)、及び「把持Z角度」を求める処理(ステップS1204)について説明した。実施に際しては、これらの処理の順番は上記ステップS1202〜S1204に限られるわけではなく、適宜各ステップS1202〜S1204を入れ替えることも可能である。
(座標の設定処理)
ステップS1205〜S1207の処理を実行するCPU231は、ロボット装置101を制御する制御盤201に指令を送り、ロボットアーム121によってロボットハンド131を予め決められた経路に移動させたり、ロボットハンド131の姿勢を制御したりする。
CPU231は、把持Z角度を求めたときのロボットハンド131の位置及び姿勢、つまり把持Z角度が定まったロボットアーム121の姿勢での距離計測器401a、401bの出力信号に基づく測定距離を用いて把持Z座標を求める(ステップS1205)。一例として把持Z座標は、距離計測器401a、401bの出力信号に基づく測定距離をロボットアーム121の現在のZ座標に加えた座標位置として求められる。
CPU231は、こうして求めた座標を「把持Z座標」としてRAM234等の記憶領域に保存する。
CPU231は、把持Z角度を求めたときのロボットアーム121の座標に基づいて把持Y座標を求める(ステップS1206)。一例として把持Y座標は、把持Z角度を求めたときのロボットアーム121の座標に、Y軸方向の既知のオフセット量を加えた座標位置として求められる。
CPU231は、こうして求めた座標を「把持Y座標」としてRAM234等の記憶領域に保存する。
続いてCPU231は、把持X座標を求める(ステップS1207)。そのための処理としてCPU231は、把持Z角度が定まったロボットアーム121の姿勢で、ロボットハンド131をX軸方向に移動させ、最上位の壁面ボードWBの端部をY軸上に並ぶ二つの距離計測器401a、401cの出力信号を用いて検出する。CPU231は、壁面ボードWBの端部を検出した位置でのロボットアーム121の座標を用いて把持X座標を求める。一例として把持X座標は、壁面ボードWBの端部を検出した位置でのロボットアーム121の座標にX軸方向の既知のオフセット量を加えた座標として求められる。
CPU231は、こうして求めた座標を「把持X座標」としてRAM234等の記憶領域に保存する。
以上「把持Z座標」を求める処理(ステップS1205)、「把持Y座標」を求める処理(ステップS1206)、及び「把持X座標」を求める処理(ステップS1207)について説明した。実施に際しては、これらの処理の順番は上記ステップS1205〜S207に限られるわけではなく、適宜各ステップS1205〜S1207を入れ替えることも可能である。
(c)施工
施工の局面では、以上のように測定し保存した位置データを利用し、ストック領域Bから壁面ボードWBをピックアップし、施工領域Aに運んでボード貼り作業を実施する。測定し保存した位置データは、RAM234等の記憶領域に保存した二つの群のデータである。一の群の位置データは、壁面ボードWBのピックアップに使用する位置データ(以下「ピックアップ位置データ」と呼ぶ)であり、もう一つの群の位置データは、壁面ボードWBの貼付けに使用する位置データ(以下「貼付け位置データ」と呼ぶ)である。
ピックアップ位置データは、
・把持X角度、把持Y角度、把持Z角度
・把持X座標、把持Y座標、把持Z座標
である。
貼付け位置データは、
・貼付けX角度、貼付けY角度、貼付けZ角度
・貼付けX座標、貼付けY座標、貼付けZ座標
である。
(イ)ボードのピックアップ
図24に示すように、情報処理部232が有するCPU231は、RAM234の記憶領域に保存したピックアップ位置データにしたがい駆動源PSを制御し、ロボットアーム121をストック領域Bに移動させる(ステップS301)。これによってロボットハンド131は、ボードパレット2に積み重ねられている最上位の壁面ボードWBに対面する。
続いてCPU231は、真空発生器138を駆動し、ロボットハンド131の吸着パッド137に壁面ボードWBを吸着させて把持する(ステップS302)。
続いてCPU231は、最上位の壁面ボードWBをロボットハンド131に把持させた状態のまま、貼付け位置データにしたがい駆動源PSを制御し、ロボットアーム121をボード貼り位置A1に移動させる(ステップS303)。このときボード貼付け用のコンピュータプログラムは、ロボットアーム121に上昇させる動作をさせるように記述されており、これに応じてロボットハンド131が最上位の壁面ボードWBを把持する位置から上昇する。これによって最上位の壁面ボードWBがストック領域Bからピックアップされる。
(ロ)ボードの位置決め
CPU231が貼付け位置データにしたがい駆動源PSを制御し、ロボットアーム121をボード貼り位置A1に移動させるステップS303の処理を実行すると、ロボットハンド131に把持された壁面ボードWBは施工領域Aに運ばれ、これから壁面ボードWBを貼り付けようとするボード貼り位置A1に位置づけられて対面する。
吸着パッド137は蛇腹タイプであり、相手部材に対する押し付け方向に数mm程度の遊びを持っている。このため壁面ボードWBを若干押し付け気味にしても、その差異を吸収することができる。これによって壁面ボードWBは、ボード貼り位置A1に位置するボード取付枠1に位置ずれすることなく正しく配置される。
(ハ)ボードの貼付け
CPU231は、ビス打ち機135を駆動する(ステップS305)。これによってボード取付枠1に壁面ボードWBがビス止めされる。
ボード取付枠1に対する壁面ボードWBのビス止めに際しては、最初に仮止めをする(最初の実施の形態の図17参照)。仮止めは、ロボットハンド131によってボード取付枠1に壁面ボードWBを押し付けて配置した状態(ステップS304参照)で行われる。仮止め後CPU231はロボットハンド131を移動させ、ビス打ち機135に外側の列OLをビス止めさせる。そしてCPU231はロボットハンド131を90°回転させ、ビス打ち機135に内側の列ILをビス止めさせる。このとき内側の列IL(1)をビス止めし、続いて内側の列IL(2)をビス止めする。
(ニ)二枚目以降のボード
ストック領域Bでは、壁面ボードWBがピックアップされていくにしたがい、ボードパレット2に積み重ねられた壁面ボードWBの高さが低くなっていく。そこでボード貼付け用のコンピュータプログラムは、壁面ボードWBを一枚ピックアップする毎にピックアップ位置データを修正するように記述されている。このときの修正は、ロボットハンド131の姿勢を変えることなく、このロボットハンド131のボード把持位置を壁面ボードWBの厚みの分だけZ方向に低めるように、ピックアップ位置データ、つまり
・把持X角度、把持Y角度、把持Z角度
・把持X座標、把持Y座標、把持Z座標
の値を変更することによって行われる。
このようなボード貼付け用のコンピュータプログラムの記述にしたがいCPU231が駆動源PSを制御すれば、ボードパレット2に積み重ねられた壁面ボードWBの高さが低くなっていったとしても、ロボットハンド131は、常に把持可能な高さ及び姿勢で最上位の壁面ボードWBに対面する。
施工領域Aでは、図20中、1〜9の丸付き数字で示している箇所がボード貼り位置A1になる。壁面ボードWBは、1〜9の順番でボード貼り位置A1に貼付けられていく。そこでボード貼付け用のコンピュータプログラムは、壁面ボードWBを一枚貼る毎に貼付け位置データ、つまり
・貼付けX角度、貼付けY角度、貼付けZ角度
・貼付けX座標、貼付けY座標、貼付けZ座標
の値を変更する。このとき変更される値は、一枚の壁面ボードWBをボード貼り位置A1に貼り付ける毎に、ピックアップした壁面ボードWBを把持するロボットハンド131の移動先を次の順番のボード貼り位置A1に切り替える値である。
このようなボード貼付け用のコンピュータプログラムの記述にしたがいCPU231が駆動源PSを制御すれば、図20中、1〜9の順番で、ボード貼り位置A1に次から次へと壁面ボードWBが貼られる。
ボード貼付け用のコンピュータプログラムによるピックアップ位置データ及び貼付け位置データの変更は、一例として、壁面ボードWBをボードパレット2から一枚ピックアップしてボード貼り位置A1に貼り付けるたびに位置データを測定し、RAM234等の記憶領域に保存するデータを測定後のデータに書き換えることによって実行される。
7.効果
(1)貼り付き防止
本実施の形態によれば、ボードパレット2から壁面ボードWBがピックアップされたとき、ピックアップされた壁面ボードWBからその下面に貼り付いた壁面ボードWBを速やかに剥し、貼り付いた壁面ボードWBが高所から落下することを防止することができる。
上記「(4)一枚目の壁面ボードのピックアップ工程」「(10)二枚目の壁面ボードのピックアップ工程」中、ロボットハンド131は、壁面ボードWBの厚み寸法分の距離を超えない範囲で把持具133を上昇させる。把持具133を上昇させる高さは、ピックアップされた壁面ボードWBからこれに貼り付いている壁面ボードWBを落下させる高さを決定づける。壁面ボードWBの厚み寸法分の距離を超えない範囲であれば、たとえ壁面ボードWBの貼り付きが発生しても、貼り付いた壁面ボードWBを低所から落下させることが可能になる。これによってボードパレット2に残っているつぎの最上位の壁面ボードWBの位置ずれや破損を防止することができる。
本実施の形態では、上記「上昇させる工程」において、壁面ボードWBを把持した把持具133を鉛直方向に上昇させる。上記「接触させる工程」において、ボードパレット2上で水平面に対して傾斜状態で積み重ねられた壁面ボードWBのうち、ボードパレット2に残る最上位の壁面ボードWBの高所側の辺に向けて、把持具133が持ち上げた壁面ボードWBを水平に移動させる。したがってピックアップした壁面ボードWBからその下面に貼り付いた壁面ボードWBを剥すための処理を簡略化することができる。
本実施の形態では、上記「接触させる工程」後、把持具133が把持する壁面ボードWBの姿勢を水平状態にしてから、水平状態にした壁面ボードWBを把持した把持具133を移動させるようにしたので、その後の壁面ボードWBの姿勢制御を容易にすることができる。
(2)その他
本実施の形態によれば、施工領域Aに壁面ボードWBを貼り付けるに際して、人手を要する作業が大幅に減少するので、その作業負担を減少させ、作業効率を向上させることができる。
また高所での作業が不要となるため、作業の安全性を向上させることができる。
また施工領域Aに壁面ボードWBを位置決めする作業に人手を介さないため、施工精度を向上させることができる。
本実施の形態によれば、壁面ボードWBの少なくとも三カ所の隅部を特徴点Fとして扱うようにしたので、特徴点Fの形状が明確で誤認識を生じにくくすることができ、また別途意図的な特徴点を設けるような手間をなくすことができる。
また施工領域Aに設けられているボード取付枠1の形状を目印Mとして認識するようにした場合には、別途意図的な目印を設けるような手間をなくすことができる。
また施工領域Aに付したマークを目印Mとして認識するようにした場合には、目印Mが明確で誤認識を生じにくくすることができる。
本実施の形態によれば、ストック領域Bに積み重ねられた壁面ボードWBをカメラ134で撮像し、撮像画像中に含まれる特徴点Fから最上位の壁面ボードWBの位置を判定して把持具133で把持するようにしたので、壁面ボードWBを所望の位置で正確に把持することができる。
また一枚目の壁面ボードWBについて判定した位置を基準として、二枚目以降となる最上位の壁面ボードWBの位置を推定して把持具133で把持するようにしたので、処理の高速化を図ることができる。
8.変形例
実施に際しては、各種の変形や変更が許容される。
例えばボードパレット2に残る最上位の壁面ボードWBの上面を含む仮想面と、把持具133が持ち上げた壁面ボードWBの下面を含む仮想面とを交差させる方向に向けて持ち上げた壁面ボードWBを移動させ、ボードパレット2に残る最上位の壁面ボードWBに接触させるための手法としては、上記実施の形態で説明した手法に限らず、あらゆる手法を採用することができる。
また「(4)一枚目の壁面ボードのピックアップ工程」「(10)二枚目の壁面ボードのピックアップ工程」中で把持具133を上昇させる距離は、壁面ボードWBの厚み寸法分の距離を超えない範囲に限らず、より大きな距離としてもよい。前述したとおり、この距離は、壁面ボードWBの落下距離を決定づける。そこで壁面ボードWBの落下によって生ずる不利益等を勘案し、把持具133を上昇させる距離を適宜決めればよい。
支持フレーム27は、枠体25の長辺をなす一対の基部フレーム24の側ではなく、枠体25の短辺をなす一対の基部フレーム24に固定されてもよい。支持フレーム27の本数も三本に限らず、四本以上であってもよい。支持フレーム27の本数が多くなれば、壁面ボードWBの反りがより低減される。
ボード受けフレーム29の個数は、二個に限らず三個以上であってもよい。ボード受けフレーム29の本数を増やすことで、より多くの壁面ボードWBをボードパレット2に積載することが可能である。
その他実施に際しては、あらゆる変形や変更が可能である。
1 ボード取付枠
1S 軽量鉄骨材
2 ボードパレット
3 パイロン
4 バー
5 囲い
11 ボード貼付け装置
21 キャスタ
22 パレット基部
23 ボード支持部
24 基部フレーム
25 枠体
26 補強板
27 支持フレーム
28 スペーサ
29 ボード受けフレーム
101 ロボット装置
111 台車
112 リフタ
113 車輪
114 支持脚
121 ロボットアーム
122a〜122f ジョイント
123a〜123d リンク
131 ロボットハンド
132 フレーム
133 把持具
134 カメラ
135 ビス打ち機(固定具)
137 吸着パッド
138 真空発生器
139 エアホース
140 アーム
201 制御盤
211 情報処理装置
231 CPU
232 情報処理部
233 EEPROM
234 RAM
235 時計回路
236 I/O
237 HDD
238 表示装置
239 入力装置
241 駆動系
301 X軸
302 Y軸
303 Z軸
311 第1の位置
312 第2の位置
313 第3の位置
401 距離計測器(レーザ距離計)
A 施工領域
A1 ボード貼り位置
A2 ボード既設位置
B ストック領域
C コンプレッサ
F 特徴点
H 作業者
IL 内側の列
L 光軸
LB レーザ光
M 目印
O 測定対象物
OL 外側の列
P1 準備位置
P2 密接位置
PS 駆動源
SD センシング装置
W 壁面
WB 壁面ボード(ボード)
WS 施工空間

Claims (8)

  1. ロボット装置の可動自在なロボットハンドに取り付けた把持具で、平板状のボードを複数枚積み重ねて載置するボードパレットに支持された最上位のボードを把持する工程と、
    前記ボードを把持した前記把持具を上昇させる工程と、
    前記ボードパレットに残る最上位のボードの上面を含む仮想面と、前記把持具が持ち上げたボードの下面を含む仮想面とを交差させる方向に向けて前記持ち上げたボードを移動させ、前記ボードパレットに残る最上位のボードに接触させる工程と、
    を備えるボードのピックアップ方法。
  2. 前記ロボットハンドは、前記ボードの厚み寸法分の距離を超えない範囲で前記把持具を上昇させる、
    請求項1に記載のボードのピックアップ方法。
  3. 前記上昇させる工程は、前記ボードを把持した前記把持具を鉛直方向に上昇させ、
    前記接触させる工程は、前記ボードパレット上で水平面に対して傾斜状態で積み重ねられた前記ボードのうち、前記ボードパレットに残る最上位のボードの高所側の辺に向けて、前記把持具が持ち上げたボードを水平に移動させる、
    請求項1又は2に記載のボードのピックアップ方法。
  4. 前記接触させる工程後、前記把持具が把持するボードの姿勢を水平状態にする工程と、
    前記水平状態にしたボードを把持した前記把持具を移動させる工程と、
    を備える請求項3に記載のボードのピックアップ方法。
  5. ロボット装置が備えるロボットハンドと、このロボットハンドに装着されて平板状のボードを把持する把持具とを制御するための処理を実行する情報処理部と、
    前記情報処理部が、前記ボードを複数枚積み重ねて載置するボードパレットに前記ロボットハンドをアクセスさせ、最上位の前記ボードを前記把持具に把持させる手段と、
    前記情報処理部が、ボードを把持した前記把持具を上昇させる手段と、
    前記情報処理部が、前記ボードパレットに残る最上位のボードの上面を含む仮想面と、前記把持具が持ち上げたボードの下面を含む仮想面とを交差させる方向に向けて前記持ち上げたボードを移動させ、前記ボードパレットに残る最上位のボードに接触させる手段と、
    を実行するボードのピックアップ装置。
  6. ロボット装置の可動自在なロボットハンドに取り付けた把持具で、平板状のボードを複数枚積み重ねて載置するボードパレットに支持された最上位のボードを把持する把持部と、
    前記ボードを把持した前記把持具を上昇させる離間部と、
    前記ボードパレットに残る最上位のボードの上面を含む仮想面と、前記把持具が持ち上げたボードの下面を含む仮想面とを交差させる方向に向けて前記持ち上げたボードを移動させ、前記ボードパレットに残る最上位のボードに接触させる接触部と、
    を備えるボードのピックアップ装置。
  7. 前記ボードの厚み寸法分の距離を超えない範囲で前記把持具を上昇させる、
    請求項5又は6に記載のボードのピックアップ装置。
  8. 前記ボードを把持した前記把持具の上昇は、前記把持具を鉛直方向に上昇させることによって実行され、
    前記ボードパレットに残る最上位のボードに対する前記把持具が持ち上げたボードの接触は、前記ボードパレット上で水平面に対して傾斜状態で積み重ねられた前記ボードのうち、前記ボードパレットに残る最上位のボードの高所側の辺に向けて、前記持ち上げたボードを水平に移動させることによって実行される、
    請求項5又は6に記載のボードのピックアップ装置。
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