JP7229076B2 - ボード貼付け方法、ボード貼付け装置、及びコンピュータプログラム - Google Patents

ボード貼付け方法、ボード貼付け装置、及びコンピュータプログラム Download PDF

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本発明は、建築物の壁面などの施工領域にボードを貼り付けるボード貼付け方法、ボード貼付け装置、及びボード貼付け作業を支援するコンピュータプログラムに関する。
建築物、とりわけ倉庫、工場、プレハブハウスなどの比較的簡易な建築物のなかには、例えば壁面をなすべき場所に設けられたボード取付枠に規格化された壁面ボードを固定し、壁面を構成するようにしたものがある。ボード取付枠に対する壁面ボードの固定は、職人等の人手によって行われるのが一般的である。
これに対して特許文献1には、外装材をなす壁面ボードとは相違するものの、天井ボードや壁面ボードなどの内装材を貼り付ける内装工事を支援するための内装工事装置が開示されている。この装置は、ボードストックの位置に天井ボードである石膏ボードを積み込み、ロボットアームに装着したアタッチメントに設けた吸着パッドで石膏ボードを吸着把持しながら作業支援を行う。この文献には、天井ボードのみならず、壁面ボード(化粧ボード)についての作業支援のための装置と方法も記載されている(文献1の段落[0036]~[0038]、図14参照)。
特許文献1に記載された内装工事装置を用いれば、すべて手作業で行う場合に比べて作業が楽になり、作業の安全性の向上や作業時間の短縮といった効果も期待することができる。その一方で、この文献に記載された技術はあくまでも作業支援であり、自動でボード貼りをするような技術ではない。さらになる作業負担の軽減と作業効率の向上とが求められる。
この点特許文献2には、ボード貼りを自動化するようにした内装用施工機械が開示されている(文献2の段落[0014]~[0026]、図1~図4、図6(a)(b)参照)。XYZ軸の微動調整が可能な伸縮自在のアームを設けておき、ボードを吸着するための吸着パッドとビス打ち機とを備える内装工事用のアタッチメントをアームの先端部に取り付け、ボード貼りを自動化する機械である。この機械は、一枚目のボードを人手によって貼った後、一枚目のボードの位置を基準に二枚目以降のボードを自動的に貼っていく(段落[0024]参照)。そのための手段として採用しているのは、アタッチメントに設けたCCDカメラである。CCDカメラが撮影した画像は画像処理装置によって処理され、つぎに貼るボードの基準位置を示す情報として利用される(段落[0020][0024]参照)。
特開平05-321454号公報 特開2000-118288号公報
特許文献2に記載されている内装用施工機械は、CCDカメラの撮影画像を利用して既設のボードの位置データを得ている。ところがボードに反りや奥行き方向の誤差などがあると、このような現象をカメラの撮影画像から認識することは困難である。
以上の点を考慮すると、カメラを利用してボード貼りを自動化しようとすると、どうしても高い施工精度が出にくく、良好な施工品質を期待することができない。改善が求められる。
本発明の課題は、ボードの自動貼付けに際して、施工精度を向上させることである。
本発明のボード貼付け方法の一態様は、測定対象物の垂直方向をX方向、水平方向をY方向、奥行き方向をZ方向としたとき、X方向に沿うX軸とY方向に沿うY軸との交点である第1の位置と、X軸上で前記第1の位置から離れた第2の位置と、Y軸上で前記第1の位置から離れた第3の位置とを通るZ方向に沿うZ軸上に光軸を一致させてロボットハンドに取り付けられた三つの距離計測器から出力信号を受信する工程と、平板状のボードを把持し得る把持具を取り付けた前記ロボットハンドをロボットアームで駆動し、ボード貼り用の下地を有するボード貼り位置に前記把持具を対面させる工程と、前記距離計測器の出力信号に基づいて、前記ロボットハンドのZ方向の平行度を保つX軸及びY軸回りの回転角度と、前記ロボットハンドのXY方向の平行度を保つZ軸回りの回転角度とを求め、それぞれ貼付けX角度、貼付けY角度、及び貼付けZ角度として記憶領域に保存する工程と、前記距離計測器の出力信号に基づいて、前記下地に前記ボードを貼り付けるときの前記ロボットハンドのX軸、Y軸及びZ軸の座標を求め、それぞれ貼付けX座標、貼付けY座標、及び貼付けZ座標として記憶領域に保存する工程と、を備える。
本発明のボード貼付け装置の一態様は、ロボットハンドに取り付けられ、平板状のボードを把持してボード貼り位置に設けられたボード貼り用の下地に貼り付ける把持具と、測定対象物の垂直方向をX方向、水平方向をY方向、奥行き方向をZ方向としたとき、X方向に沿うX軸とY方向に沿うY軸との交点である第1の位置と、X軸上で前記第1の位置から離れた第2の位置と、Y軸上で前記第1の位置から離れた第3の位置とを通るZ方向に沿うZ軸上に光軸を一致させて前記ロボットハンドに取り付けられた三つの距離計測器と、各部を制御する制御部と、前記制御部が、前記ロボットハンドをロボットアーム駆動させ、前記把持具を前記ボード貼り位置に対面させる手段と、前記制御部が、前記距離計測器の出力信号に基づいて、前記ロボットハンドのZ方向の平行度を保つX軸及びY軸回りの回転角度と、前記ロボットハンドのXY方向の平行度を保つZ軸回りの回転角度とを求め、それぞれ貼付けX角度、貼付けY角度、及び貼付けZ角度として記憶領域に保存する手段と、前記制御部が、前記距離計測器の出力信号に基づいて、前記下地に前記ボードを貼り付けるときの前記ロボットハンドのX軸、Y軸及びZ軸の座標を求め、それぞれ貼付けX座標、貼付けY座標、及び貼付けZ座標として記憶領域に保存する手段と、を備える。
本発明のコンピュータプログラムの一態様は、ロボットハンドに取り付けられ、平板状のボードを把持してボード貼り位置に設けられたボード貼り用の下地に貼り付ける把持具と、測定対象物の垂直方向をX方向、水平方向をY方向、奥行き方向をZ方向としたとき、X方向に沿うX軸とY方向に沿うY軸との交点である第1の位置と、X軸上で前記第1の位置から離れた第2の位置と、Y軸上で前記第1の位置から離れた第3の位置とを通るZ方向に沿うZ軸上に光軸を一致させて前記ロボットハンドに取り付けられた三つの距離計測器と、を備えるボード貼り装置の各部を制御するコンピュータにインストールされ、このコンピュータに、前記ロボットハンドをロボットアーム駆動させ、前記把持具を前記ボード貼り位置に対面させる機能と、前記距離計測器の出力信号に基づいて、前記ロボットハンドのZ方向の平行度を保つX軸及びY軸回りの回転角度と、前記ロボットハンドのXY方向の平行度を保つZ軸回りの回転角度とを求め、それぞれ貼付けX角度、貼付けY角度、及び貼付けZ角度として記憶領域に保存する機能と、前記距離計測器の出力信号に基づいて、前記下地に前記ボードを貼り付けるときの前記ロボットハンドのX軸、Y軸及びZ軸の座標を求め、それぞれ貼付けX座標、貼付けY座標、及び貼付けZ座標として記憶領域に保存する機能と、を実行させる。
本発明によれば、施工領域にボードを貼り付けるに際して、施工精度を向上させることができる。
実施の一形態として、使用中のボード貼付け装置を示す斜視図。 ロボット装置の可動態様を側面方向から示す模式図。 施工領域に位置づけられているロボットハンドを示す斜視図。 (A)はボード貼り位置におけるXYZ方向と距離計測器の設置位置との関係を示す模式図、(B)はストック領域におけるXYZ方向と距離計測器の設置位置との関係を示す模式図。 制御盤における電気的接続のブロック図。 施工領域におけるボード貼り位置を示す模式図。 位置データ(貼付け位置データ、ピックアップ位置データ)の測定及び保存のための処理の流れを示すフローチャート。 施工領域での位置データ(貼付け位置データ)の取得処理の流れを示すフローチャート。 ストック領域での位置データ(ピックアップ位置データ)の取得処理の流れを示すフローチャート。 ボードの貼付け処理の流れを示すフローチャート。 ボードの固定動作を実行するロボットアームの状態遷移を示す模式図。
実施の一形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態は、建築物の壁面となるべき場所に壁面ボードを貼り付けるボード貼付け方法、ボード貼付け装置、及びボード貼付け作業を支援するコンピュータプログラムへの適用例である。ここではボードとして壁面ボードを取り扱う一例を説明するが、本実施の形態の方法、装置及びコンピュータプログラムは、天井ボードや石膏ボードなどの「ボード」の範疇に包摂される板状構造物全般に適宜適用することが可能である。
次の項目に沿って説明する。
1.概略構成
2.ロボット装置
3.制御盤
4.ボード貼付け方法及び処理
(1)概要
(位置データの測定及び保存)
(施工)
(2)位置データの測定及び保存
(a)処理の概要
(施工領域)
(ストック領域)
(b)施工領域での処理
(概要)
(回転角度の設定)
(座標の設定)
(c)ストック領域での処理
(概要)
(回転角度の設定)
(座標の設定)
(3)施工
(a)ボードのピックアップ
(b)ボードの位置決め
(c)ボードの貼付け
(d)二枚目以降のボード
5.効果
6.変形例
1.概略構成
図1に示すように、本実施の形態では、建築物そのものは捨象し、壁面Wとなるべき場所に設置されているボード取付枠1に対して壁面ボードWBを貼付けるためのスキームを紹介する。壁面ボードWBは内装壁をなす構造のもので、平板状をなしている。
ボード取付枠1は、壁面ボードWBを取り付けるための枠体であり(図6参照)、複数列複数行で壁面ボードWBが貼られる。このようなボード取付枠1は、建築物の壁面Wとなるべき施工領域Aを構成する。ボード取付枠1は、壁面ボードWBを取り付けるための下地となる。施工領域A中、壁面ボードWBを貼り付ける位置はボード貼り位置A1、既に壁面ボードWBが張り付けられている位置はボード既設位置A2である(図6参照)。
施工領域Aの近傍には、二つのボードパレット2が設けられている。これらのボードパレット2には、ボード取付枠1に貼り付ける複数枚の壁面ボードWBが積み重ねて収納されている。二つのボードパレット2は施工領域Aの目の前に配置されており、ストック領域Bを構成する。
施工領域Aとストック領域Bとを含む空間は、施工空間WSとなる。
ボード貼付け装置11の中核をなすのは、施工空間WSに据え付けられたロボット装置101である。ロボット装置101は、二分割して置かれた一対のボードパレット2の間を跨ぐように設置されている台車111を土台として、台車111に設けられているリフタ112に搭載されているロボットアーム121を主要な構成物としている。ロボットアーム121にはロボットハンド131が取り付けられている。ロボット装置101は、ロボットアーム121によってロボットハンド131を可動させ、ロボットハンド131による各種の仕事の実行を支援する。ロボットハンド131は把持具133を備え、ボードパレット2に収納されている壁面ボードWBを把持具133によって把持し、ボード取付枠1に次々と貼り付けていく。
ボード貼付け装置11のもう一つの重要な構成要素は、制御盤201と、この制御盤201に含まれる情報処理装置211とである。制御盤201は、ロボット装置101の動作を制御する。情報処理装置211は制御部として機能し、ロボット装置101と協働しながらボード貼り処理を実行する。制御盤201及び情報処理装置211は、ロボット装置101を挟んでボード取付枠1と対面するボックス内容に配置され、作業者Hの操作に供される。
図1中、作業者Hの近傍に位置する大きな箱状のものは、コンプレッサCである。コンプレッサCは、リフタ112やロボットアーム121など駆動源となる。
ボード貼付け装置11は、施工領域Aでの作業者Hの作業を不要としている。そこで安全のために、施工領域Aとストック領域Bとが配置された施工空間WSを立ち入り禁止とするために、複数個のパイロン3でバー4を支える囲い5が設けられている。囲い5は作業者H側の空間と施工空間WSとを区切っている。
2.ロボット装置
ロボット装置101について説明する。
図1及び図2に示すように、台車111は四脚構造をなしている強固なフレーム構造物であり、車輪113によって可搬性を持たされている。台車111には車輪113とは別に複数個の支持脚114も設けられ、所望の場所に設置した後は車輪113を上昇させることで、支持脚114によって安定的な設置が可能である。
台車111にはその中央部分に昇降自在のリフタ112が設けられており、ロボットアーム121はリフタ112に固定されている。したがってロボットアーム121は、リフタ112の昇降動作に応じて高さを変動させることが可能である。リフタ112はスライド移動構造をなしており、コンプレッサCによって圧縮された空気を送られるエアシリンダAC(図示せず)によって昇降駆動される。したがってコンプレッサCは、リフタ112の駆動源PS(図5参照)となる。
リフタ112の昇降動作に応じて高さを変動させるロボットアーム121は、6軸構造を有している。複数個のリンクを六つのジョイント122a,122b,122c,122d,122e,122fで連結した構造である。
一つ目のジョイント122aは、垂直軸周りに回転自在にリフタ112に連結され、ロボットアーム121を旋回させる動作を担っている。二つ目のジョイント122bは、リンク123aを水平軸周りに回転自在に連結し、ロボットアーム121を前後方向に移動させる動作を担っている。三つ目のジョイント122cは、リンク123bを水平軸周りに回転自在に連結し、ロボットアーム121を上下方向に移動させる動作を担っている。四つ目のジョイント122dは、ジョイント122b及び122cと直交する軸周りにリンク123cを回転自在に連結し、ロボットアーム121を回転させる動作を担っている。五つ目のジョイント122eは、ジョイント122dと直交する軸周りにリンク123dを回転自在に連結し、ロボットハンド131を曲げる動作を担っている。六つ目のジョイント122fは、ロボットハンド131に回転自在に連結し、ロボットハンド131をひねる動作を担っている。
ロボットアーム121は、六つのジョイント122a~122fの回転角度を調節することによって、各種の可動態様を実現する。
一例として、壁面ボードWBを縦方向に三列貼るために、ロボットアーム121はロボットハンド131を三段階の位置に位置付け、ボード取付枠1中、壁面ボードWBを貼り付けるべき三列三行合計九カ所の場所にロボットハンド131を位置付けることが可能である。
別の一例としては、ロボットハンド131を下向きにすることもできる。この姿勢は、ボードパレット2から壁面ボードWBをピックアップするときの姿勢である。
さらに別の一例としては、壁面ボードWBをピックアップするときの姿勢として、ロボットハンド131を真下に向けるだけではなく、水平面に対して僅かに傾斜した状態にもすることができる。この点については、後に詳しく述べる。
ロボットアーム121における各部の角度調節は、個々のジョイント122a,122b,122c,122d,122e,122fにそれぞれ内蔵されているアクチュエータ、減速機、エンコーダ、及び伝導機構(すべて図示せず)によって実行される。これらのアクチュエータ、減速機、エンコーダ、及び伝導機構は、ロボットアーム121の駆動源PS(図5参照)となる。
図3に示すように、ロボットハンド131は、フレーム132に各種の構造物を搭載している。搭載されている構造物は、壁面ボードWBを吸着して把持する把持具133、三つの距離計測器134、及び固定具としてのビス打ち機135である。
把持具133は、フレーム132の四隅及び長手方向の中央部分の四カ所に設けられたカップ形状の吸着パッド137によって壁面ボードWBを吸着して把持する。吸着パッド137に吸着作用を生じさせるために、把持具133は真空発生器138をフレーム132に搭載している。真空発生器138は、図示しないエアホースを介して個々の吸着パッド137と連結し、空気を吸引する。これによって真空発生器138は、壁面ボードWBに開口部分を当てた吸着パッド137の内部に負圧を生じさせ、壁面ボードWBに対して吸着力を作用させる。吸着パッド137はある程度の柔軟性を有しており、壁面ボードWBを吸着した際、壁面ボードWBとフレーム132との間の間隔を変動させる。
距離計測器134について、図4(A)(B)も参照しながら説明する。
距離計測器134としては、レーザ距離計(レーザレンジファインダともいう)、ステレオカメラ、超音波センサ等適宜用いることができる。以下、距離計測器134として、レーザ距離計を用いた一例を説明する。
距離計測器134は、測定対象物Oにレーザ光LBを照射し、その反射光を受光して測定対象物まで距離を測定する。用いる距離計測器134は、その種類を問わない。数十mm~数百mm程度の近距離の距離を測定し得るものであれば各種の方式の距離計測器を用いることが可能である。
ここで距離計測器134の測定対象物Oに対する三次元上の方向、軸、位置を次のように定義する。測定対象物Oの垂直方向をX方向、水平方向をY方向、奥行き方向をZ方向とする。X方向に沿う軸をX軸301、Y方向に沿う軸をY軸302、Z方向に沿う軸をZ軸303とする。そしてX軸301とY軸302との交点を第1の位置311、X軸301上で第1の位置311から離れた位置を第2の位置312、Y軸302上で第1の位置311から離れた位置を第3の位置313とする。この前提のもと、距離計測器134は、第1の位置311と第2の位置312と第3の位置313とを通るZ軸303上に光軸Lを一致させてロボットハンドに取り付けられている。
説明の便宜上、第1の位置311を通るZ軸303上に光軸を一致させているものを距離計測器134a、第2の位置312を通るZ軸303上に光軸を一致させているものを距離計測器134b、第3の位置313を通るZ軸303上に光軸を一致させているものを距離計測器134cと呼ぶ。
図4(A)に示すように、測定対象物Oが施工領域Aにおけるボード貼り位置A1中の下地、つまりボード取付枠1(図6参照)である場合、X軸301は鉛直方向、Y軸302及びZ軸303は水平方向を向く。ボード取付枠1は、垂直に立てられているからである。
図4(B)に示すように、測定対象物Oがストック領域Bに積み重ねられたうちの最上位の壁面ボードWBである場合、X軸301及びY軸302は水平方向、Z軸303は鉛直方向を向く。ストック領域Bにおいて、壁面ボードWBは水平に寝かされてボードパレット2に載せられているからである。
壁面ボードWBのサイズは、一例として長さ1820mm、幅910mmである。これに合わせてボード取付枠1の幅も910mmに設定されている。もっともボード取付枠1は、一つのボード貼り位置A1について鉛直向きに設置された複数の軽量鉄骨材1Sからなる。軽量鉄骨材1Sは、LGS(Light Gauge Steel)とも呼ばれている。
壁面ボードWBの910mmの幅は、両端側の二つの軽量鉄骨材1Sの配置間隔によって定められる。そこでY軸方向に並べられた二つの距離計測器134の光軸Lの離間距離を規定する第1の位置311と第3の位置313とは、ボード取付枠1において壁面ボードWBの幅で配置された二つの軽量鉄骨材1Sに対して、距離計測器134から照射されるレーザ光LBが干渉するような位置に設定されている。ボード取付枠1の軽量鉄骨材1Sが例えば50mmの幅を持っていると仮定すると、第1の位置311と第3の位置313との間の離間距離、つまりY軸方向に並べられた二つの距離計測器134の光軸Lの離間距離は860~960mmの範囲、例えば885.5mmである。
ビス打ち機135は、ボード取付枠1に壁面ボードWBを固定するためのビス(図示せず)を打ち出す。ビス打ち機135は一対設けられ、フレーム132の一端側の二つの隅部から互いに拡開する方向に延出している。
3.情報処理装置
情報処理装置211について説明する。
図5に示すように、情報処理装置211は、マイクロコンピュータによって構成されている。情報処理装置211の中核をなすのは、各種演算処理を実行して各部を集中的に制御するCPU231をはじめとする情報処理部232である。情報処理部232は、CPU231に接続されたEEPROM233とRAM234、それに時計回路235によって構成されている。EEPROM233は、各種のデータを固定的に記憶するメモリであり、例えばBIOSなどを格納している。RAM234は、各種のデータを書き換え自在に一時記憶するメモリであり、ワークエリアとしても用いられる。時計回路235は、図示しない水晶発振器を内蔵し、タイミング制御用のクロック信号を生成する。
情報処理部232にはI/O236が接続されている。I/O236にはHDD237、表示装置238、入力装置239が接続され、ロボット装置101の姿勢を制御するために各部を駆動する駆動系241の部品と、ロボットハンド131に搭載されて各種の動作を実行するワーク系251の部品とが接続されている。
HDD237は、オペレーティングシステムをはじめとして、ボード貼付け用のコンピュータプログラム及びその関連データを格納している。HDD237に格納されているオペレーティングシステムは、情報処理装置211の起動とともにその全部又は一部がRAM234に転送されてコピーされる。またHDD237に格納されているボード貼付け用のコンピュータプログラム及びその関連データは、起動プログラムによって立ち上げられた後、その全部又は一部がRAM234に転送されてコピーされる。そこでCPU231は、RAM234に駐留するオペレーティングシステムにしたがい、RAM234にコピーされたコンピュータプログラムに規定された各種処理動作を実行する。
表示装置238は、マン・マシン・インターフェースとなる例えば液晶ディスプレイ、ELディスプレイ等であり、HDD237に蓄積される各種データなどを表示する。
入力装置239は、マン・マシン・インターフェースとなるキーボード、マウスなどのポインティングディバイスであり、各種情報の入力を可能とする。
情報処理装置211は、表示装置238及び入力装置239を外部に露出させており(図1中には図示せず)、作業者Hに対する情報の提供と情報の入力とを支援する。
駆動系241は、リフタ112の駆動源となるコンプレッサCや、ロボットアーム121の駆動源となる複数個のアクチュエータからなる駆動源PSを含んでいる。これらの駆動源PSの動作を制御するために、駆動系241にはセンシング装置SDが設けられている。つまり駆動系241は、情報処理部232の統制下で、センシング装置SDでセンシングしながら駆動源PSを駆動し、ロボット装置101の動作を制御するわけである。
もっともセンシング装置SDは、現実世界の物理量を検出する構造のもののみならず、駆動源PSの動作を計算上算出してセンシングするようなものであってもよい。
ワーク系251は、ロボットハンド131に搭載されている各部、つまり吸着パッド137に吸着力を生じさせる真空発生器138、距離計測器134、及びビス打ち機135を含んでいる。これらの真空発生器138、距離計測器134、及びビス打ち機135は情報処理部232によって動作制御される。
いうまでもないが、I/O236を介して情報処理部232に接続される各部は、すべてデジタル接続されている。例えば真空発生器138やビス打ち機135にはデジタル信号である駆動信号が与えられ、これによってこれらの機器138,135の内部において駆動信号が解釈される。センシング装置SDは変化量をアナログ値として出力するが、これをデジタル信号に変換してI/O236に入力する。
4.ボード貼付け方法及び処理
ボード貼付け方法は、情報処理装置211による処理と協働して実行される。情報処理装置211は、HDD237に格納されたボード貼付け用のコンピュータプログラムにしたがい、情報処理部232にボード貼付け処理を実行させる。
(1)概要
ボード貼付け方法は、施工空間WSを出現させ、そこにロボット装置101を据え付けることから始まる。施工空間WSは、ボード取付枠1が設置された建築物の施工領域Aの近傍位置に、ボードパレット2に積み重ねた複数枚の壁面ボードWBを設置した空間である。ロボット装置101は、一例として、図1に示すような場所、つまり施工領域Aの目の前であって、ストック領域Bとなるボードパレット2の近傍位置に設置される。
ボード貼付け方法は、概略、ロボット装置101のロボットアーム121を駆動し、ボードパレット2に積み重ねられた最上位の壁面ボードWBをロボットハンド131に設けた把持具133で把持してピックアップし、施工領域Aに持ち運んでボード貼り位置A1に貼り付けるという方法である。この方法は、大別して二つの局面を有している。一つは位置データの測定及び保存、もう一つは施工である。
(位置データの測定及び保存)
施工空間WSにロボット装置101を据え付けた際、ロボット装置101の動作を制御する制御盤201はもとよりのこと、情報処理装置211も、施工領域A及びストック領域Bの位置を認識していない。そこで情報処理装置211には、実際にボード貼付けを行おうとする施工領域A中のボード貼り位置A1と、ボードパレット2から最上位の壁面ボードWBをピックアップするためのストック領域Bの位置データを情報処理装置211に与え、記憶保存させる必要がある。
位置データの測定及び保存の局面では、ロボット装置101に与えるべきボードパレット2に積み重ねられた最上位の壁面ボードWBの位置と、施工領域Aにおけるボード貼り位置A1との位置データを測定し、例えばRAM234などのメモリに保存する。この場合の位置データは、ロボットハンド131のXYZの三軸の回転角度とXYZの座標である。ここでいうXYZの三軸というのは、図4(A)(B)に示したX軸301、Y軸302、及びZ軸303の三軸を意味し、ロボットアーム121のジョイント122a~122fによって定義される六軸とは意味が異なる。
施工領域Aでボード貼り位置A1に把持具133を対面させるロボットハンド131の回転角度及び座標については、貼付けX角度、貼付けY角度、貼付けZ角度、貼付けZ座標、貼付けX座標、及び貼付けY座標を測定して保存する。
ストック領域Bで最上位の壁面ボードWBに把持具133を対面させるロボットハンド131の回転角度及び座標については、把持X角度、把持Y角度、把持Z角度、把持Z座標、把持X座標、及び把持Y座標を測定して保存する。
(施工)
施工の局面は、上記位置データの測定及び保存の局面で保存した位置データを利用し、施工領域Aへのボード貼り作業を実施する。
以下、ボード貼付け方法及び処理の詳細を、
「(2)位置データの測定及び保存」
「(3)施工」
の二項目に分け、手順を追って説明する。
(2)位置データの測定及び保存
図6に示すように、施工領域Aで位置データの測定をするためには、ボード取付枠1の特定箇所に壁面ボードWBを貼り付けておく必要がある。
貼り付けを要するのは、これから壁面ボードWBを貼ろうとするボード貼り位置A1の左隣り及び下側である。図6に示す一例では、1~9の丸付き数字で示している箇所が施工領域A中のボード貼り位置A1である。三列三行の九枚分の領域を占めている。1~9の丸付き数字が示しているのは、壁面ボードWBの貼付け順序である。
このようなボード貼り位置A1に対して、壁面ボードWBの貼り付けを必要とするのは、ボード貼り位置A1に隣接するボード取付枠1の最左欄及び最下欄である。図6に示すように、ボード取付枠1の最左欄及び最下欄とには、合計七枚の壁面ボードWBが貼り付けられている。本実施の形態では、こうして事前に貼られている壁面ボードWBを既設壁面ボードWB1と呼び、壁面ボードWBが既に設置されている位置をボード既設位置A2と呼ぶ。既設壁面ボードWB1は、例えば手作業によってボード取付枠1に貼り付けられる。
(a)処理の概要
(施工領域)
図7に示すように、情報処理装置211の情報処理部232が有するCPU231は、入力装置239での指示によって、施工領域Aにロボットハンド131を移動させる(ステップS11)。この処理は、入力装置239での置数入力、あるいは表示装置238での表示と連携させたGUI入力によって実行される。情報処理装置211は、入力装置239での置数入力やGUI入力によってロボットハンド131の移動指示が入力されると、その入力に応じたX軸角度、Y軸角度、Z軸角度、X軸座標、Y軸座標、及びZ軸座標のデータを制御盤201に送信し、ロボットアーム121を動作させる。
この処理によって、ロボットハンド131に取り付けられた把持具133は、例えば図3に示すような状態になる。もっとも図3が示しているのは、把持具133が正確にボード貼り位置A1に位置づけられている状態である。ステップS11の処理では、これから施工しようとする施工領域Aに対して、より大まかな位置に把持具133を移動させる。
ステップS11の処理によって把持具133を対面させるボード取付枠1は、一組、本実施の形態では九枚一組のうちの最初に施工するボード取付枠1である。このボード取付枠1は、図6中、「1」の丸付き数字で示している。
続いてCPU231は、最初に施工するボード取付枠1に壁面ボードWBを貼り付けるときのロボットアーム121の貼付け角度及び貼付け座標を正確に求め、記憶領域に保存する(ステップS12)。貼付け角度は、より詳しくは貼付けX角度、貼付けY角度、及び貼付けZ角度である。貼付け座標は、より詳しくは貼付けX座標、貼付けY座標、及び貼付けZ座標である。記憶領域は、例えばRAM234やEEPROM233である。ステップS12の処理については、図8のフローチャートに基づいて詳しく述べる。
(ストック領域)
続いてCPU231は、ストック領域Bにロボットハンド131を位置付け、ボードパレット2に収納されている壁面ボードWBに把持具133を対面させる処理を支援する(ステップS13)。つまり入力装置239での指示によって、ストック領域Bにロボットハンド131を移動させ、吸着パッド137が真下を向くようにロボットハンド131の姿勢を制御するわけである。
続いてCPU231は、ストック領域Bに積み重ねられた最上位の壁面ボードWBを把持する時のロボットアーム121の把持角度及び把持座標を正確に求め、記憶領域に保存する(ステップS14)。把持角度は、より詳しくは把持X角度、把持Y角度、及び把持Z角度である。把持座標は、より詳しくは把持X座標、把持Y座標、及び把持Z座標である。記憶領域は、例えばRAM234やEEPROM233である。ステップS14の処理については、図9のフローチャートに基づいて詳しく述べる。
以上が、位置データの測定及び保存のための処理の概要である。以下、ボード貼り位置となる施工領域A及びボード把持位置となるストック領域Bでのロボットアーム121の位置データの測定及び保存について詳しく説明する。
(b)施工領域での処理
CPU231は、ロボットハンド131に取り付けられた三つの距離計測器134から出力信号を受信し、次の工程及び処理を実行する。
(概要)
図8に示すように、CPU231は、ロボット装置101を制御する制御盤201に指令を送り、ロボットハンド131をロボットアーム121で駆動させ、ボード貼り用の下地、つまりボード取付枠1を有するボード貼り位置A1に把持具133を対面させる(ステップS101)。
続いてロボットハンド131の回転角度の設定処理が行われる。この処理のためにCPU231は、距離計測器134の出力信号に基づいて、ロボットハンド131のZ方向の平行度を保つX軸301及びY軸302回りの回転角度と、ロボットハンド131のXY方向の平行度を保つZ軸303回りの回転角度とを求める。求められた回転角度は、貼付けX角度、貼付けY角度、及び貼付けZ角度としてRAM234等の記憶領域に保存される(ステップS102~107)。
続いてロボットハンド131の座標の設定処理が行われる。この処理のためにCPU231は、距離計測器134の出力信号に基づいて、ボード貼り位置A1に壁面ボードWBを貼り付けるときのロボットハンド131のX軸、Y軸及びZ軸の座標を求め、それぞれ貼付けX座標、貼付けY座標、及び貼付けZ座標としてRAM234等の記憶領域に保存する(ステップS108~110)。
(回転角度の設定処理)
ステップS102~107の処理を実行するCPU231は、ロボット装置101を制御する制御盤201に指令を送り、ロボットアーム121によってロボットハンド131を予め決められた経路に移動させたり、ロボットハンド131の姿勢を制御したりする。
まずCPU231は、ボード貼り位置A1からその左に隣接するボード既設位置A2に向けてロボットハンド131を移動させ(ステップS102)、その後再びボード貼り位置A1にロボットハンド131を戻させる(ステップS103)。
このときCPU231は、X軸方向に並ぶ二つの距離計測器134a、134b(図4参照)の出力信号を取り込み、検出対象の種類を認識する。距離計測器134(134a~134c)からの距離は、レーザ光LBが既設壁面ボードWB1を照射しているときよりもボード取付枠1を照射しているときの方が長く検出されるので、測定距離の差によって検出対象の認識が可能である。
こうしてボード既設位置A2へ向けて移動させたロボットハンド131を再度ボード貼り位置A1に復帰させることで、距離計測器134a~134cがレーザ光LBをボード貼り位置A1に位置するボード取付枠1に照射し得る状態が確保される。
CPU231は、回転角度の設定に先立ち、ロボットハンド131のZ軸回りの角度を仮補正する(ステップS104)。ここまでの段階では、貼付けX角度、貼付けY角度、及び貼付けZ角度のいずれも未調整であることから、各角度のずれがあまりにも大きすぎると、正しい設定を行い得なくなってしまうからである。もっともステップS104の仮補正の処理は必ずしも必須というわけではなく、この処理ルーチンを省略してもよい。ステップS104の処理を省略することで、その分ロボットハンド131の回転角度の設定に要する時間を短くすることが可能になる。
ロボットハンド131のZ軸回りの角度の仮補正は、ボード貼り位置A1からその左に隣接するボード既設位置A2に向けてロボットハンド131を水平移動させ、X軸方向に並ぶ二つの距離計測器134a、134bの出力信号により検出される段差の検出位置を適合させることによって行われる。この段差は、ボード貼り位置A1中のボード取付枠1とボード既設位置A2中の既設壁面ボードWB1との間に生ずる段差である。距離計測器134a、134bが照射するレーザ光LBがこの段差を横切ったとき、距離計測器134a、134bの少なくとも一方の出力信号によって認識可能な測定距離が変動するため、CPU231は段差を検出することができる。
CPU231は、二つの距離計測器134の少なくとも一方、例えば距離計測器134bの出力信号に基づいて段差を検出すると、ロボットハンド131の水平移動を停止し、段差を横切ったレーザ光LBの軸を中心としてロボットハンド131をZ軸回りに回転させる。この回転の過程で、X軸方向に並ぶもう一つの距離計測器134aの出力信号に基づいて段差の検出を判定したとき、CPU231はロボットハンド131の回転動作を停止させる。これによってロボットハンド131のZ軸回りの角度が仮補正される。
ロボットハンド131のZ軸回りの角度の仮補正後、CPU231は、距離計測器134a~134cがレーザ光LBをボード貼り位置A1に位置するボード取付枠1に照射し得る位置までロボットハンド131を戻す。この状態でロボットハンド131の貼付けY角度、貼付けX角度、及び貼付けZ角度の設定が順に行われる。ここで実行される貼付けZ角度の設定は、本設定である。
CPU231は、Y軸回りにロボットハンド131を回転させ、X軸方向に並ぶ二つの距離計測器134a、134bの出力信号に基づく測定距離が一致する回転角度を求める(ステップS105)。この回転角度は、Y軸302方向に対するロボットハンド131の回転角度となる。CPU231は、この角度を「貼付けY角度」としてRAM234等の記憶領域に保存する。
ロボットハンド131の回転角度を求めるには、二種類の手法を適宜採用することができる。一つの手法は、計算によって求める手法である。別の手法は、計測によって求める手法である。「貼付けY角度」を求める場合を例に挙げ、詳しく説明する。
計算によって求める手法は、現実にロボットハンド131を回転させず、計算によってその回転角度を算出する手法である。例えばCPU231は、X軸方向に並ぶ二つの距離計測器134a、134bの出力信号を取り込み、これらの出力信号に基づく測定距離が一致するであろうY軸回りのロボットハンド131の回転角度を計算によって求める。こうして得られた角度を「貼付けY角度」として決定するわけである。
計測によって求める手法は、現実にロボットハンド131を回転させ、そのときの回転角度を実際に計測する手法である。例えばCPU231は、Y軸回りにロボットハンド131を回転させ、回転角度を計測する。このときCPU231は、X軸方向に並ぶ二つの距離計測器134a、134bの出力信号を取り込み、これらの出力に基づく測定距離が一致したときのロボットハンド131の回転角度を「貼付けY角度」として決定するわけである。
このようなロボットハンド131の回転角度を求める二種類の手法は、後述する「貼付けX角度」「貼付けZ角度」「把持Y角度」「把持X角度」「把持Z角度」においても同様である。
つづいて「貼付けX角度」等を取得する処理を説明する。
CPU231は、X軸回りにロボットハンド131を回転させ、Y軸方向に並ぶ二つの距離計測器134a、134cの出力信号に基づく測定距離が一致する回転角度を求める(ステップS106)。この回転角度は、X軸301方向に対するロボットハンド131の回転角度となる。CPU231は、この角度を「貼付けX角度」としてRAM234等の記憶領域に保存する。
ステップS107でのロボットハンド131の貼付けZ角度の本設定は、前述したZ軸回りの角度の仮補正と同様の手法を用いて実行される。ボード貼り位置A1からその左に隣接するボード既設位置A2に向けてロボットハンド131を水平移動させ、X軸方向に並ぶ二つの距離計測器134a、134bの出力信号により検出される段差の検出位置を適合させるという手法である。このとき段差は、Z軸回りの角度の仮補正のときと同様に、ボード貼り位置A1中のボード取付枠1とボード既設位置A2中の既設壁面ボードWB1との間に生ずる段差である。
CPU231は、ロボットハンド131の水平移動中、二つの距離計測器134a、134bの少なくとも一方、例えば距離計測器134aの出力信号に基づいて段差を検出すると、ロボットハンド131の水平移動を停止し、段差を横切ったレーザ光LBの軸を中心としてロボットハンド131をZ軸回りに回転させる。この回転の過程で、X軸方向に並ぶもう一つの距離計測器134bの出力信号に基づいて段差の検出を判定したとき、CPU231はロボットハンド131の回転動作を停止させる。CPU231は、このときの回転角度を「貼付けZ角度」としてRAM234等の記憶領域に保存する(ステップS107)。
以上「貼付けY角度」を求める処理(ステップS105)、「貼付けX角度」を求める処理(ステップS106)、及び「貼付けZ角度」を求める処理(ステップS107)について説明した。実施に際しては、これらの処理の順番は上記ステップS105~S107に限られるわけではなく、適宜各ステップS105~107を入れ替えることも可能である。
(座標の設定処理)
ステップS108~110の処理を実行するCPU231は、ロボット装置101を制御する制御盤201に指令を送り、ロボットアーム121によってロボットハンド131を予め決められた経路に移動させたり、ロボットハンド131の姿勢を制御したりする。
CPU231は、貼付けZ角度を求めたときのロボットハンド131の位置及び姿勢、つまり貼付けZ角度が定まったロボットアーム121の姿勢での距離計測器134a、134bの出力信号に基づく測定距離を用いて貼付けZ座標を求める(ステップS108)。一例として貼付けZ座標は、距離計測器134a、134bの出力信号に基づく測定距離をロボットアーム121の現在のZ座標に加えた座標位置として求められる。
CPU231は、こうして求めた座標を「貼付けZ座標」としてRAM234等の記憶領域に保存する。
続いてCPU231は、貼付けY座標を求める(ステップS109)。そのための処理としてCPU231は、貼付けZ角度が定まったロボットアーム121の姿勢で、ボード既設位置A2に向けてロボットハンド131を水平移動させ、X軸上に並ぶ二つの距離計測器134a、134bの出力信号に基づいて垂直方向の段差を検出する。CPU231は、段差を検出した位置でのロボットアーム121の座標を用いて貼付けY座標を求める。一例として貼付けY座標は、段差を検出した位置でのロボットアーム121の座標にY軸方向の既知のオフセット量を加えた座標として求められる。
CPU231は、こうして求めた座標を「貼付けY座標」としてRAM234等の記憶領域に保存する。
続いてCPU231は、貼付けX座標を求める(ステップS110)。そのための処理としてCPU231は、貼付けZ角度が定まったロボットアーム121の姿勢で、ボード既設位置A2に向けてロボットハンド131を垂直移動させ(X軸方向の移動)、ボード既設位置A2に近い側の距離計測器134の出力信号を用いて水平方向の段差を検出する。このとき一例としてCPU231は、ロボットハンド131を反時計回り方向に90度回転させるように駆動制御し、本来はX軸上に並んでいる二つの距離計測器134の出力信号を用いて水平方向の段差を検出する。CPU231は、段差を検出した位置でのロボットアーム121の座標を用いて貼付けX座標を求める。一例として貼付けX座標は、段差を検出した位置でのロボットアーム121の座標にX軸方向の既知のオフセット量を加えた座標として求められる。
CPU231は、こうして求めた座標を「貼付けX座標」としてRAM234等の記憶領域に保存する。
以上「貼付けZ座標」を求める処理(ステップS108)、「貼付けY座標」を求める処理(ステップS109)、及び「貼付けX座標」を求める処理(ステップS110)について説明した。実施に際しては、これらの処理の順番は上記ステップS108~S110に限られるわけではなく、適宜各ステップS108~110を入れ替えることも可能である。
(c)ストック領域での処理
(概要)
図9に示すように、CPU231は、ロボット装置101を制御する制御盤201に指令を送り、ロボットハンド131をロボットアーム121で駆動させ、ストック領域Bでボードパレット2に積み重ねられた最上位の壁面ボードWBに把持具133を対面させる(ステップS201)。
続いてロボットハンド131の回転角度の設定処理が行われる。この処理のためにCPU231は、距離計測器134の出力信号に基づいて、ロボットハンド131のZ方向の平行度を保つX軸301及びY軸302回りの回転角度と、ロボットハンド131のXY方向の平行度を保つZ軸303回りの回転角度とを求める。求められた回転角度は、把持X角度、把持Y角度、及び把持Z角度としてRAM234等の記憶領域に保存される(ステップS202~204)。
続いてロボットハンド131の座標の設定処理が行われる。この処理のためにCPU231は、距離計測器134の出力信号に基づいて、ボードパレット2から壁面ボードWBをピックアップするときのロボットハンド131のX軸、Y軸及びZ軸の座標を求め、それぞれ把持X座標、把持Y座標、及び把持Z座標としてRAM234等の記憶領域に保存する(ステップS205~207)。
(回転角度の設定処理)
ステップS202~204の処理を実行するCPU231は、ロボット装置101を制御する制御盤201に指令を送り、ロボットアーム121によってロボットハンド131を予め決められた経路に移動させたり、ロボットハンド131の姿勢を制御したりする。
CPU231は、把持Y角度を求める処理として、ロボットアーム121をY軸回りに回転させる(ステップS202)。これによってロボットハンド131もY軸回りに回転し、X軸方向に並ぶ二つの距離計測器134a、134bの測定距離の関係が変動する。CPU231はこれらの距離計測器134a、134bの出力信号に基づく二つの測定距離を参照しており、両者が一致するとロボットアーム121の回転を停止し、このときの回転角度を把持Y角度と認識する。
CPU231は、こうして求めた回転角度を「把持Y角度」としてRAM234等の記憶領域に保存する。
続いてCPU231は、把持X角度を求める処理として、ロボットアーム121をX軸回りに回転させる(ステップS203)。これによってロボットハンド131もX軸回りに回転し、Y軸方向に並ぶ二つの距離計測器134a、134cの測定距離の関係が変動する。CPU231はこれらの距離計測器134a、134cの出力信号に基づく二つの測定距離を参照しており、両者が一致するとロボットアーム121の回転を停止し、このときの回転角度を把持X角度と認識する。
CPU231は、こうして求めた回転角度を「把持X角度」としてRAM234等の記憶領域に保存する。
続いてCPU231は、把持Z角度を求める処理として、把持X角度及び把持Y角度が定まったロボットアーム121の姿勢で、ロボットハンド131をY軸方向に移動させる(ステップS204)。ロボットハンド131の移動中にCPU231は、X軸上に並ぶ二つの距離計測器134a、134bの出力信号に基づいて、最上位の壁面ボードWBの端部を検出している。CPU231は、二つの距離計測器134a、134bのうちの一方、例えば距離計測器134aが壁面ボードWBの端部を検出した位置でロボットハンド131の移動を停止し、端部を検出したレーザ光LBの光軸回りにロボットハンド131を回転させる。そしてCPU231は、X軸上に並ぶもう一方の距離計測器134bの出力信号を参照し、そのレーザ光LBが最上位の壁面ボードWBの端部を横切った位置を把持Z角度として認識する。
CPU231は、こうして求めた回転角度を「把持Z角度」としてRAM234等の記憶領域に保存する。
以上「把持Y角度」を求める処理(ステップS202)、「把持X角度」を求める処理(ステップS203)、及び「把持Z角度」を求める処理(ステップS204)について説明した。実施に際しては、これらの処理の順番は上記ステップS202~S204に限られるわけではなく、適宜各ステップS202~204を入れ替えることも可能である。
(座標の設定処理)
ステップS205~207の処理を実行するCPU231は、ロボット装置101を制御する制御盤201に指令を送り、ロボットアーム121によってロボットハンド131を予め決められた経路に移動させたり、ロボットハンド131の姿勢を制御したりする。
CPU231は、把持Z角度を求めたときのロボットハンド131の位置及び姿勢、つまり把持Z角度が定まったロボットアーム121の姿勢での距離計測器134a、134bの出力信号に基づく測定距離を用いて把持Z座標を求める(ステップS205)。一例として把持Z座標は、距離計測器134a、134bの出力信号に基づく測定距離をロボットアーム121の現在のZ座標に加えた座標位置として求められる。
CPU231は、こうして求めた座標を「把持Z座標」としてRAM234等の記憶領域に保存する。
CPU231は、把持Z角度を求めたときのロボットアーム121の座標に基づいて把持Y座標を求める(ステップS206)。一例として把持Y座標は、把持Z角度を求めたときのロボットアーム121の座標に、Y軸方向の既知のオフセット量を加えた座標位置として求められる。
CPU231は、こうして求めた座標を「把持Y座標」としてRAM234等の記憶領域に保存する。
続いてCPU231は、把持X座標を求める(ステップS207)。そのための処理としてCPU231は、把持Z角度が定まったロボットアーム121の姿勢で、ロボットハンド131をX軸方向に移動させ、最上位の壁面ボードWBの端部をY軸上に並ぶ二つの距離計測器134a、134cの出力信号を用いて検出する。CPU231は、壁面ボードWBの端部を検出した位置でのロボットアーム121の座標を用いて把持X座標を求める。一例として把持X座標は、壁面ボードWBの端部を検出した位置でのロボットアーム121の座標にX軸方向の既知のオフセット量を加えた座標として求められる。
CPU231は、こうして求めた座標を「把持X座標」としてRAM234等の記憶領域に保存する。
以上「把持Z座標」を求める処理(ステップS205)、「把持Y座標」を求める処理(ステップS206)、及び「把持X座標」を求める処理(ステップS207)について説明した。実施に際しては、これらの処理の順番は上記ステップS205~S207に限られるわけではなく、適宜各ステップS205~207を入れ替えることも可能である。
(3)施工
施工の局面では、以上のように測定し保存した位置データを利用し、ストック領域Bから壁面ボードWBをピックアップし、施工領域Aに運んでボード貼り作業を実施する。測定し保存した位置データは、RAM234等の記憶領域に保存した二つの群のデータである。一の群の位置データは、壁面ボードWBのピックアップに使用する位置データ(以下「ピックアップ位置データ」と呼ぶ)であり、もう一つの群の位置データは、壁面ボードWBの貼付けに使用する位置データ(以下「貼付け位置データ」と呼ぶ)である。
ピックアップ位置データは、
・把持X角度、把持Y角度、把持Z角度
・把持X座標、把持Y座標、把持Z座標
である。
貼付け位置データは、
・貼付けX角度、貼付けY角度、貼付けZ角度
・貼付けX座標、貼付けY座標、貼付けZ座標
である。
(a)ボードのピックアップ
図10に示すように、情報処理部232が有するCPU231は、RAM234の記憶領域に保存したピックアップ位置データにしたがい駆動源PSを制御し、ロボットアーム121をストック領域Bに移動させる(ステップS301)。これによってロボットハンド131は、ボードパレット2に積み重ねられている最上位の壁面ボードWBに対面する。
続いてCPU231は、真空発生器138を駆動し、ロボットハンド131の吸着パッド137に壁面ボードWBを吸着させて把持する(ステップS302)。
続いてCPU231は、最上位の壁面ボードWBをロボットハンド131に把持させた状態のまま、貼付け位置データにしたがい駆動源PSを制御し、ロボットアーム121をボード貼り位置A1に移動させる(ステップS303)。このときボード貼付け用のコンピュータプログラムは、ロボットアーム121に上昇させる動作をさせるように記述されており、これに応じてロボットハンド131が最上位の壁面ボードWBを把持する位置から上昇する。これによって最上位の壁面ボードWBがストック領域Bからピックアップされる。
(b)ボードの位置決め
CPU231が貼付け位置データにしたがい駆動源PSを制御し、ロボットアーム121をボード貼り位置A1に移動させるステップS303の処理を実行すると、ロボットハンド131に把持された壁面ボードWBは施工領域Aに運ばれ、これから壁面ボードWBを貼り付けようとするボード貼り位置A1に位置づけられて配置される(ステップS304)。
(c)ボードの貼付け
CPU231は、ビス打ち機135を駆動する(ステップS305)。これによってボード取付枠1に壁面ボードWBがビス止めされる。
図11に示すように、ボード取付枠1に対する壁面ボードWBのビス止めに際しては、最初に仮止めをする。仮止めは、ロボットハンド131によってボード取付枠1に壁面ボードWBを押し付けて配置した状態(ステップS304~S306参照)で行われる。仮止め後CPU231はロボットハンド131を移動させ、ビス打ち機135に外側の列OLをビス止めさせる。そしてCPU231はロボットハンド131を90°回転させ、ビス打ち機135に内側の列ILをビス止めさせる。このとき内側の列IL(1)をビス止めし、続いて内側の列IL(2)をビス止めする。
(d)二枚目以降のボード
ストック領域Bでは、壁面ボードWBがピックアップされていくにしたがい、ボードパレット2に積み重ねられた壁面ボードWBの高さが低くなっていく。そこでボード貼付け用のコンピュータプログラムは、壁面ボードWBを一枚ピックアップする毎にピックアップ位置データを修正するように記述されている。このときの修正は、ロボットハンド131の姿勢を変えることなく、このロボットハンド131のボード把持位置を壁面ボードWBの厚みの分だけZ方向に低めるように、ピックアップ位置データ、つまり
・把持X角度、把持Y角度、把持Z角度
・把持X座標、把持Y座標、把持Z座標
の値を変更することによって行われる。
このようなボード貼付け用のコンピュータプログラムの記述にしたがいCPU231が駆動源PSを制御すれば、ボードパレット2に積み重ねられた壁面ボードWBの高さが低くなっていったとしても、ロボットハンド131は、常に把持可能な高さ及び姿勢で最上位の壁面ボードWBに対面する。
施工領域Aでは、図6中、1~9の丸付き数字で示している箇所がボード貼り位置A1になる。壁面ボードWBは、1~9の順番でボード貼り位置A1に貼付けられていく。そこでボード貼付け用のコンピュータプログラムは、壁面ボードWBを一枚貼る毎に貼付け位置データ、つまり
・貼付けX角度、貼付けY角度、貼付けZ角度
・貼付けX座標、貼付けY座標、貼付けZ座標
の値を変更する。このとき変更される値は、一枚の壁面ボードWBをボード貼り位置A1に貼り付ける毎に、ピックアップした壁面ボードWBを把持するロボットハンド131の移動先を次の順番のボード貼り位置A1に切り替える値である。
このようなボード貼付け用のコンピュータプログラムの記述にしたがいCPU231が駆動源PSを制御すれば、図6中、1~9の順番で、ボード貼り位置A1に次から次へと壁面ボードWBが貼られる。
ボード貼付け用のコンピュータプログラムによるピックアップ位置データ及び貼付け位置データの変更は、一例として、壁面ボードWBをボードパレット2から一枚ピックアップしてボード貼り位置A1に貼り付けるたびに位置データを測定し、RAM234等の記憶領域に保存するデータを測定後のデータに書き換えることによって実行される。
5.効果
本実施の形態によれば、施工領域Aに壁面ボードWBを貼り付けるに際して、人手を要する作業が大幅に減少するので、その作業負担を減少させ、作業効率を向上させることができる。
高所での作業が不要となるため、作業の安全性を向上させることもできる。
施工領域Aに壁面ボードWBを位置決めする作業に人手を介さないため、施工精度の向上も図られる。
6.変形例
実施に際しては、各種の変形や変更が許容される。
1 ボード取付枠
1S 軽量鉄骨材
2 ボードパレット
3 パイロン
4 バー
5 囲い
11 ボード貼付け装置
21 キャスタ
22 パレット基部
23 ボード支持部
24 基部フレーム
25 枠体
26 補強板
27 支持フレーム
28 スペーサ
29 ボード受けフレーム
101 ロボット装置
111 台車
112 リフタ
113 車輪
114 支持脚
121 ロボットアーム
122a~122f ジョイント
123a~123d リンク
131 ロボットハンド
132 フレーム
133 把持具
134 距離計測器(レーザ距離計)
135 ビス打ち機(固定具)
137 吸着パッド
138 真空発生器
201 制御盤
211 情報処理装置(制御部)
231 CPU
232 情報処理部
233 EEPROM
234 RAM
235 時計回路
236 I/O
237 HDD
238 表示装置
239 入力装置
241 駆動系
A 施工領域
A1 ボード貼り位置
A2 ボード既設位置
B ストック領域
C コンプレッサ
F 特徴点
H 作業者
IL 内側の列
L 光軸
LB レーザ光
OL 外側の列
O 測定対象物
PS 駆動源
SD センシング装置
W 壁面
WB 壁面ボード(ボード)
WS 施工空間

Claims (18)

  1. 測定対象物の垂直方向をX方向、水平方向をY方向、奥行き方向をZ方向としたとき、X方向に沿うX軸とY方向に沿うY軸との交点である第1の位置と、X軸上で前記第1の位置から離れた第2の位置と、Y軸上で前記第1の位置から離れた第3の位置とを通るZ方向に沿うZ軸上に光軸を一致させてロボットハンドに取り付けられた三つの距離計測器から出力信号を受信する工程と、
    平板状のボードを把持し得る把持具を取り付けた前記ロボットハンドをロボットアームで駆動し、ボード貼り用の下地を有するボード貼り位置に前記把持具を対面させる工程と、
    前記距離計測器の出力信号に基づいて、前記ロボットハンドのZ方向の平行度を保つX軸及びY軸回りの回転角度と、前記ロボットハンドのXY方向の平行度を保つZ軸回りの回転角度とを求め、それぞれ貼付けX角度、貼付けY角度、及び貼付けZ角度として記憶領域に保存する工程と、
    前記距離計測器の出力信号に基づいて、前記下地に前記ボードを貼り付けるときの前記ロボットハンドのX軸、Y軸及びZ軸の座標を求め、それぞれ貼付けX座標、貼付けY座標、及び貼付けZ座標として記憶領域に保存する工程と、
    を備えるボード貼付け方法。
  2. 前記ロボットハンドをX軸回りに回転させ、Y軸方向に並ぶ前記二つの距離計測器の出力信号に基づく測定距離が一致する回転角度を前記貼付けX角度として求める工程と、
    前記ロボットハンドをY軸回りに回転させ、前記X軸方向に並ぶ二つの距離計測器の出力信号に基づく測定距離が一致する回転角度を前記貼付けY角度として求める工程と、
    を備える請求項1に記載のボード貼付け方法。
  3. 前記貼付けX角度と前記貼付けY角度とが定まった前記ロボットアームの姿勢で、前記ボード貼り位置の水平方向に隣接するボード既設位置に向けて前記ロボットハンドを水平移動させ、前記ボード貼り位置と前記既設ボードとの間の段差を軸上に並ぶ二つのうちの一方の前記距離計測器の出力信号に基づいて検出する工程と、
    前記一方の距離計測器が前記段差を検出した位置で前記ロボットハンドの移動を停止し、前記段差を検出したレーザ光の光軸回りに前記ロボットハンドを回転させ、その過程で、前記軸上に並ぶもう一方の前記距離計測器が前記段差を検出した位置を前記貼付けZ角度として求める工程と、
    を備える請求項2に記載のボード貼付け方法。
  4. 前記貼付けZ角度が定まった前記ロボットアームの姿勢で、X軸上に並ぶ二つの前記距離計測器の出力信号に基づく測定距離を前記ロボットアームの現在のZ座標に加えた座標位置を前記貼付けZ座標として求める工程
    を備える請求項3に記載のボード貼付け方法。
  5. 前記貼付けZ角度が定まった前記ロボットアームの姿勢で、前記ボード既設位置に向けて前記ロボットハンドを水平移動させ、垂直方向の前記段差を軸上に並ぶ前記二つの距離計測器の出力信号に基づいて検出する工程と、
    前記段差の検出位置の座標にY軸方向の既知のオフセット量を加えた座標を前記貼付けY座標として求める工程と、
    を備える請求項4に記載のボード貼付け方法。
  6. 前記貼付けZ角度が定まった前記ロボットアームの姿勢で、前記ロボットハンドを反時計方向に90度回転させるとともに、前記ボード既設位置に向けて前記ロボットハンドを垂直移動させ、水平方向の前記段差を本来はX軸上に並ぶ二つの前記距離計測器の出力信号に基づいて検出する工程と、
    前記段差の検出位置の座標にX軸方向の既知のオフセット量を加えた座標を前記貼付けX座標として求める工程と、
    を備える請求項4又は5に記載のボード貼付け方法。
  7. 前記ロボットハンドを前記ロボットアームで駆動し、ストック領域に積み重ねられた最上位のボートに前記把持具を対面させる工程と、
    前記把持具を前記最上位のボードに対面させた状態での前記距離計測器の出力信号に基づいて、前記ロボットハンドのZ方向の平行度を保つX軸及びY軸回りの回転角度と、前記ロボットハンドのXY方向の平行度を保つZ軸回りの回転角度とを求め、それぞれ把持X角度、把持Y角度、及び把持Z角度として記憶領域に保存する工程と、
    前記把持具を前記最上位のボードに対面させた状態での前記距離計測器の出力信号に基づいて、前記最上位のボードを把持するときの前記ロボットハンドのX軸、Y軸及びZ軸方向の座標を求め、それぞれ把持X座標、把持Y座標、及び把持Z座標として記憶領域に保存する工程と、
    を備える請求項1ないし6のいずれか一に記載のボード貼付け方法。
  8. 前記ロボットアームをX軸回りに回転させ、Y軸方向に並ぶ前記二つの距離計測器の出力信号に基づく測定距離が一致する回転角度を前記把持X角度として求める工程と、
    前記ロボットアームをY軸回りに回転させ、前記X軸方向に並ぶ二つの距離計測器の出力信号に基づく測定距離が一致する回転角度を前記把持Y角度として求める工程と、
    を備える請求項7に記載のボード貼付け方法。
  9. 前記把持X角度と前記把持Y角度とが定まった前記ロボットアームの姿勢で、前記ロボットハンドをY軸方向に移動させ、X軸上に並ぶ二つのうちの一方の前記距離計測器の出力信号に基づいて前記最上位のボードの端部を検出する工程と、
    前記一方の距離計測器が前記ボードの端部を検出した位置で前記ロボットハンドの移動を停止し、前記端部を検出したレーザ光の光軸回りに前記ロボットハンドを回転させ、その過程で、前記X軸上に並ぶもう一方の前記距離計測器が前記最上位のボードの端部を検出した位置を把持Z角度として求める工程と、
    を備える請求項8に記載のボード貼付け方法。
  10. 前記把持Z角度が定まった前記ロボットアームの姿勢で、X軸方向に並ぶ二つの前記距離計測器の出力信号に基づく測定距離を求め、求めた測定距離を前記ロボットアームの現在のZ軸座標に加えた座標位置を前記把持Z座標として求める工程
    を備える請求項9に記載のボード貼付け方法。
  11. 前記把持Z角度を求めたときの前記ロボットアームの座標に、Y軸方向の既知のオフセット量を加えた座標を前記把持Y座標として求める工程
    を備える請求項10に記載のボード貼付け方法。
  12. 前記把持Z角度が定まった前記ロボットアームの姿勢で、前記ロボットハンドをX軸方向に移動させ、その過程で、前記最上位のボードの端部を前記距離計測器の出力信号に基づいて検出する工程と、
    前記最上位のボードの端部の検出位置の座標にX軸方向の既知のオフセット量を加えた座標を前記把持X座標として求める工程と、
    を備える請求項11に記載のボード貼付け方法。
  13. 前記記憶領域に保存されている前記把持X角度、前記把持Y角度、前記把持Z角度、前記把持Z座標、前記把持X座標、及び前記把持Y座標のデータにしたがって前記ロボットアームを駆動し、前記把持具を前記最上位のボードの上面に対面させる工程と、
    前記把持具に前記最上位のボードを把持させる工程と、
    前記ロボットアームを駆動し、前記把持具が把持する前記最上位のボードを前記ストック領域からピックアップする工程と、
    を備える請求項7ないし12のいずれか一に記載のボード貼付け方法。
  14. 前記記憶領域に保存されている前記貼付けX角度、前記貼付けY角度、前記貼付けZ角度、前記貼付けZ座標、前記貼付けX座標、及び前記貼付けY座標のデータにしたがって前記ロボットアームを駆動し、前記把持具が把持する前記ボードを前記ボード貼り位置に位置づける工程と、
    前記ロボットハンドに設けた固定具を駆動し、前記ボード貼り位置に位置づけられた前記ボードを前記下地に貼り付ける工程と、
    を備える請求項1ないし12のいずれか一に記載のボード貼付け方法。
  15. ロボットハンドに取り付けられ、平板状のボードを把持してボード貼り位置に設けられたボード貼り用の下地に貼り付ける把持具と、
    測定対象物の垂直方向をX方向、水平方向をY方向、奥行き方向をZ方向としたとき、X方向に沿うX軸とY方向に沿うY軸との交点である第1の位置と、X軸上で前記第1の位置から離れた第2の位置と、Y軸上で前記第1の位置から離れた第3の位置とを通るZ方向に沿うZ軸上に光軸を一致させて前記ロボットハンドに取り付けられた三つの距離計測器と、
    各部を制御する制御部と、
    前記制御部が、前記ロボットハンドをロボットアーム駆動させ、前記把持具を前記ボード貼り位置に対面させる手段と、
    前記制御部が、前記距離計測器の出力信号に基づいて、前記ロボットハンドのZ方向の平行度を保つX軸及びY軸回りの回転角度と、前記ロボットハンドのXY方向の平行度を保つZ軸回りの回転角度とを求め、それぞれ貼付けX角度、貼付けY角度、及び貼付けZ角度として記憶領域に保存する手段と、
    前記制御部が、前記距離計測器の出力信号に基づいて、前記下地に前記ボードを貼り付けるときの前記ロボットハンドのX軸、Y軸及びZ軸の座標を求め、それぞれ貼付けX座標、貼付けY座標、及び貼付けZ座標として記憶領域に保存する手段と、
    を備えるボード貼付け装置。
  16. 前記制御部が、前記ロボットハンドを前記ロボットアーム駆動させ、ストック領域に積み重ねられた最上位の前記ボートに前記把持具を対面させる手段と、
    前記制御部が、前記把持具を前記最上位のボードに対面させたときの前記距離計測器の出力信号に基づいて、前記ロボットハンドのZ方向の平行度を保つX軸及びY軸回りの回転角度と、前記ロボットハンドのXY方向の平行度を保つZ軸回りの回転角度とを求め、それぞれ把持X角度、把持Y角度、及び把持Z角度として記憶領域に保存する手段と、
    前記制御部が、前記把持具を前記最上位のボードに対面させたときの前記距離計測器の出力信号に基づいて、前記最上位のボードを把持するときの前記ロボットハンドのX軸、Y軸及びZ軸方向の座標を求め、それぞれ把持X座標、把持Y座標、及び把持Z座標として記憶領域に保存する手段と、
    を備える請求項15に記載のボード貼付け装置。
  17. ロボットハンドに取り付けられ、平板状のボードを把持してボード貼り位置に設けられたボード貼り用の下地に貼り付ける把持具と、
    測定対象物の垂直方向をX方向、水平方向をY方向、奥行き方向をZ方向としたとき、X方向に沿うX軸とY方向に沿うY軸との交点である第1の位置と、X軸上で前記第1の位置から離れた第2の位置と、Y軸上で前記第1の位置から離れた第3の位置とを通るZ方向に沿うZ軸上に光軸を一致させて前記ロボットハンドに取り付けられた三つの距離計測器と、
    を備えるボード貼り装置の各部を制御するコンピュータにインストールされ、このコンピュータに、
    前記ロボットハンドをロボットアーム駆動させ、前記把持具を前記ボード貼り位置に対面させる機能と、
    前記距離計測器の出力信号に基づいて、前記ロボットハンドのZ方向の平行度を保つX軸及びY軸回りの回転角度と、前記ロボットハンドのXY方向の平行度を保つZ軸回りの回転角度とを求め、それぞれ貼付けX角度、貼付けY角度、及び貼付けZ角度として記憶領域に保存する機能と、
    前記距離計測器の出力信号に基づいて、前記下地に前記ボードを貼り付けるときの前記ロボットハンドのX軸、Y軸及びZ軸の座標を求め、それぞれ貼付けX座標、貼付けY座標、及び貼付けZ座標として記憶領域に保存する機能と、
    を実行させるコンピュータプログラム。
  18. 前記コンピュータに、
    前記ロボットハンドを前記ロボットアームで駆動させ、ストック領域に積み重ねられた最上位の前記ボートに前記把持具を対面させる機能と、
    前記把持具を前記最上位のボードに対面させたときの前記距離計測器の出力信号に基づいて、前記ロボットハンドのZ方向の平行度を保つX軸及びY軸回りの回転角度と、前記ロボットハンドのXY方向の平行度を保つZ軸回りの回転角度とを求め、それぞれ把持X角度、把持Y角度、及び把持Z角度として記憶領域に保存する機能と、
    前記把持具を前記最上位のボードに対面させたときの前記距離計測器の出力信号に基づいて、前記最上位のボードを把持するときの前記ロボットハンドのX軸、Y軸及びZ軸方向の座標を求め、それぞれ把持X座標、把持Y座標、及び把持Z座標として記憶領域に保存する機能と、
    を実行させる請求項17に記載のコンピュータプログラム。
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