JP2020163011A - 内視鏡用縫合糸結紮具 - Google Patents

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Abstract

【課題】処置を円滑に行い得る内視鏡用縫合糸結紮具を提供すること。【解決手段】柱状部11aを備える柱状部材11と、柱状部11aがスライド可能に内嵌された基端から先端に渡って貫通する被嵌合孔12dを備える筒状部材12とを有し、筒状部材12は、筒状部材12の先端に至る内外に貫通する溝12eであって、縫合糸が側方から挿入可能な溝12eを先端側に備える。【選択図】図1D

Description

本発明は、経管腔的内視鏡手術において、消化管等の管腔壁に形成された切開部等を縫合する縫合糸を結紮するための内視鏡用縫合糸結紮具に関する。
経管腔的内視鏡手術(NOTES:Natural Orifice Translumenal Endoscopic Surgery)において、消化管等の体内組織に形成された切開部(穿孔部や欠損部等を含む)を縫合する縫合装置としては、特許文献1に記載のものが提案されている。この縫合装置は、内視鏡の外側に取り付けられて体内に挿入して用いられるものであり、両端に係合部材を有する縫合糸が掛け渡すように装着される二股状の先端部を有する前側アームと、穿刺用の針状部材を有する後側アームと、これらを相対的に回動および移動させる機構を備えている。
この縫合装置によって縫合した糸の結紮に用いる結紮具としては、結紮用ループをその一端に連結用ループをその他端に有する本体部にチューブをスライド可能に外嵌したものが用いられており、この結紮具は、結紮用ループを縫合装置の針状部材の基端側における結紮具装着部に外嵌することにより、縫合装置に装着される。
そして、その結紮具を予め装着した縫合装置を縫合すべき切開部が存在する消化管(胃など)に挿入して、前側アームの先端部を消化管の内側から切開部に挿入して消化管の外側(体腔側)に配置し、縫合糸の一端の係合部材を該切開部の一側の消化管壁に穿刺した針状部材の先端に係合させた後に抜去する。次いで、縫合糸の他端の係合部材を、同様に、該切開部の他側の消化管壁に穿刺した針状部材の先端に係合させた後に抜去する。そして、結紮装置を用いて、結紮具を針状部材から抜けるように移動させるとともに、チューブを結紮用ループ側へスライドさせて、縫合糸の両端が通された結紮用ループを縫合糸とともにチューブの内側に引き込むことで、縫合糸が絞り込まれて切開部が閉塞された状態で結紮される。
しかしながら、従来技術では、結紮具は針状部材の基端側の結紮具装着部に外嵌されているため、内視鏡のカメラで視認した際に結紮具が視野を妨げるおそれがあるとともに、結紮具が回転したり、落下(針状部材の先端側に移動)したりしてしまう場合があり、円滑な処置の妨げとなる場合があった。また、体内で結紮具を結紮装置に連結する作業は必ずしも容易ではなかった。
国際公開第2017/111163号
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、処置を円滑に行い得る内視鏡用縫合糸結紮具を提供することを目的とする。
本発明に係る内視鏡用縫合糸結紮具は、
縫合糸を結紮する内視鏡用縫合糸結紮具であって、
柱状部を備える柱状部材と、
前記柱状部がスライド可能に内嵌された基端から先端に渡って貫通する被嵌合孔を備える筒状部材と、を有し、
前記筒状部材は、該筒状部材の先端に至る内外に貫通する溝であって、前記縫合糸が側方から挿入可能な溝を先端側に備える。
本発明に係る内視鏡用縫合糸結紮具を用いて縫合糸を結紮する際には、たとえば、縫合装置を用いて縫合すべき体内の切開部(穿孔部や欠損部等を含む)の周囲の体内組織を縫合糸で縫った後に、柱状部材を筒状部材に対して基端側にスライドさせた状態の結紮具を、該縫合装置とは別に、シース等を備える結紮装置の該シースの先端部に連結して、内視鏡の処置具案内管等を介して該切開部の近傍まで搬送する。
次いで、結紮具の溝内に、縫合糸の一部(体内組織を縫って両端が縫合装置により拘束されて実質的に無端状となっている縫合糸の互いに近接している両端部のうちの一方の端部における一部および他方の端部における一部)を側方から斜めに通過する(溝の基端側から筒状部材の内側に入り込んで被嵌合孔の先端の開口から外に出る)ように挿入する。
その後、適宜に、結紮具を該切開部側に進行させる(押し出す)ことにより、該縫合糸の一方の端部および他方の端部を絞り込む。この状態で、結紮具の柱状部材を筒状部材に対して先端側にスライドさせて、該縫合糸の両端部を被嵌合孔の内面と柱状部の外面との間に挟み込むことにより結紮する。すなわち、本発明に係る内視鏡用縫合糸結紮具によれば、結紮具を、縫合装置とは別に体内に搬送し、体内組織を縫って両端が縫合装置により拘束されて実質的に無端状となっている縫合糸の互いに近接している両端部における一部を絞り込みつつ、結紮することができる。
本発明に係る内視鏡用縫合糸結紮具において、前記筒状部材は、前記溝を経て前記被嵌合孔に前記縫合糸が挿入される際には該縫合糸の押圧により内側に弾性変形し、該被嵌合孔内に挿入された該縫合糸の抜け出しを防止するラッチ部材を備えることができる。このようなラッチ部材を備えることにより、縫合糸の絞り込みや結紮を容易かつ確実に行うことができる。
本発明に係る内視鏡用縫合糸結紮具において、前記筒状部材は、縫合装置が解除可能に連結される連結部を基端側に備えることができる。このような連結部を備えることにより、結紮具を結紮装置の先端部に任意に連結し、結紮後に、結紮装置による結紮具の連結を解除して結紮装置から分離することができる。
図1Aは、本発明の実施形態の内視鏡用縫合糸結紮具の斜視図である。 図1Bは、図1Aの内視鏡用縫合糸結紮具の柱状部材の正面図である。 図1Cは、図1Aの内視鏡用縫合糸結紮具の筒状部材の正面図である。 図1Dは、図1Aの内視鏡用縫合糸結紮具の正面図であり、筒状部材に対して柱状部材を基端側にスライドした状態を示す図である。 図1Eは、図1Aの内視鏡用縫合糸結紮具の平面図であり、筒状部材に対して柱状部材を基端側にスライドした状態を示す図である。 図1Fは、図1Aの内視鏡用縫合糸結紮具の基端側から見た側面図である。 図1Gは、図1Aの内視鏡用縫合糸結紮具の正面図であり、筒状部材に対して柱状部材を先端側にスライドした状態を示す図である。 図1Hは、図1Aの内視鏡用縫合糸結紮具の平面図であり、筒状部材に対して柱状部材を先端側にスライドした状態を示す図である。 図1Iは、図1Aの内視鏡用縫合糸結紮具の一部を省略して先端側から見た側面図であり、ラッチ部材が外力を受けていない状態を示す図である。 図1Jは、図1Aの内視鏡用縫合糸結紮具の一部を省略して先端側から見た側面図であり、ラッチ部材が外力を受けている状態を示す図である。 図2は、本発明の実施形態で用いる結紮装置(把持鉗子)を示す平面図である。 図3Aは、図1Aの内視鏡用縫合糸結紮具を結紮装置に連結する直前の状態を示す図である。 図3Bは、図3Aの状態から内視鏡用縫合糸結紮具を結紮装置の先端に連結した状態を示す図である。 図3Cは、図3Bの状態から、駆動ワイヤに対してシースを押し出して、内視鏡用縫合糸結紮具の筒状部材に対して柱状部材を先端側にスライドさせた状態を示す図である。 図4は、本発明の実施形態で用いる縫合装置の正面図である。 図5Aは、図4の縫合装置を用いて行われる手技(縫合)の手順を示す図であり、第1工程を示す図である。 図5Bは、図5Aの続きの第2工程を示す図である。 図5Cは、図5Bの続きの第3工程を示す図である。 図5Dは、図5Cの続きの第4工程を示す図である。 図5Eは、図5Dの続きの第5工程を示す図である。 図5Fは、図5Eの続きの第6工程を示す図である。 図5Gは、図5Fの続きの第7工程を示す図である。 図5Hは、図5Gの続きの第8工程を示す図である。 図5Iは、図5Hの続きの第9工程を示す図である。 図5Jは、図5Iの続きの第10工程を示す図である。 図5Kは、図5Jの続きの第11工程を示す図である。 図5Lは、図5Kの続きの第12工程を示す図である。 図5Mは、図5Lの続きの第13工程を示す図である。 図5Nは、図5Mの続きの最終工程を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(内視鏡用縫合糸結紮具)
図1A〜図1Fに示すように、内視鏡用縫合糸結紮具1は、柱状部材11、筒状部材12およびラッチ部材13を概略備えて構成されている。
柱状部材11は、柱状部11a、板状部11b、突起部11c、およびガイド部11dを概略備えている。柱状部11aは,本実施形態では、略円柱状に形成されている。ただし、柱状部11aは、楕円柱状、長丸柱状、角柱状であってもよい。柱状部11aの先端部は円錐台状に面取りされている。柱状部11aの側部には、突起部11cおよびガイド部11dがそれぞれ一体的に設けられている。
突起部11cは、略球欠(または球台)状に柱状部11aから僅かに突出した部位であり、ガイド部11dは、略矩形板状に柱状部11aから突出した部位である。ガイド部11dは、突起部11cに対して反対側の側面に設けられている。なお、突起部11cは、略楕円球欠(または楕円球台)状であってもよく、略円錐(または円錐台)状であってもよい。
柱状部11aの基端には、板状部11bが一体的に設けられている。本実施形態では、板状部11bは、略円板状となっている。板状部11bは、柱状部11aと略同軸上に配置されており、板状部11bの径は、柱状部11aの径よりも大径に設定されている。板状部11bには、互いに略180°対向する位置に一対の略円弧状の切欠部11e,11eが形成されている。
筒状部材12は、筒状部12a、鍔状部12b、連結部12cを概略備えている。筒状部12aは、本実施形態では、略円筒状に形成されている。ただし、筒状部12aは、柱状部11aの形状に対応して、楕円筒状、長丸筒状、角筒状であってもよい。鍔状部12bは、本実施形態では、略円環状となっている。鍔状部12bは、筒状部12aと略同軸上に配置された状態で、筒状部12aの先端に一体的に設けられている。筒状部12aの基端には、一対の支柱とそれらを架け渡す梁状の把持部を有する連結部12cが一体的に設けられている。
筒状部12aの内周(内腔)と鍔状部12bの内周(内腔)は連続しており、これらの内周により、筒状部12aの基端から鍔状部12bの先端に渡って貫通する被嵌合孔12dが構成されている。被嵌合孔12dの内径は、柱状部11aがスライド可能に嵌合(内嵌)されるように、柱状部11aの外径と同じか、僅かに小さいか、または僅かに大きい値に設定されている。
筒状部12aおよび鍔状部12bの側部には、内外に貫通する縫合糸挿入溝(溝)12eおよびガイド溝12fが形成されている。縫合糸挿入溝12eは、後述する縫合糸6の一部(体内組織を縫って両端が後述する縫合装置3により拘束されて実質的に無端状となっている縫合糸6の互いに近接している両端部のうちの一方の端部における一部および他方の端部における一部)が側方から挿入可能な溝である。縫合糸挿入溝12eは、筒状部12aおよび鍔状部12bの中心軸に略沿う方向に延在している。縫合糸挿入溝12eの先端は鍔状部12bの先端に至っており、縫合糸挿入溝12eの基端は筒状部12aの基端には至っていない。
筒状部12aの側部には、内外に貫通するガイド溝12fが形成されている。ガイド溝12fは、柱状部材11のガイド部11dを案内するための溝であり、柱状部11aを被嵌合孔12d内で基端側から先端側にスライドさせた際に、柱状部材11および筒状部材12が相対的に回転することを抑制して、突起部11cを縫合糸挿入溝12eに適切に導くためのものである。
柱状部材11の素材としては、筒状部材12の被嵌合孔12dに支障なく嵌入(圧入)することができる程度の適宜な剛性を有するものであれば特に限定されないが、たとえば、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂などの合成樹脂を用いることができる。筒状部材12の素材としては、筒状部材12が嵌合孔12dに嵌入(圧入)された際に、柱状部材11に対して適宜な締付力を発揮し得る程度の弾性を有するものであれば特に限定されないが、たとえば、シリコーンエラストマーなどの合成エラストマーを用いることができる。
柱状部材11の柱状部11aおよび筒状部材12の被嵌合孔12dのそれぞれの直径は、たとえばφ1〜2mmの範囲で設定することができる。柱状部材11の軸方向の寸法は、たとえば3〜6mmの範囲で設定することができる。柱状部材11の突起部11cの高さは、たとえば0.04〜0.5mmの範囲で設定することができる。筒状部材12の軸方向の寸法は、たとえば3〜5mmの範囲で設定することができる。筒状部材12の被嵌合孔12dの軸方向の寸法(筒状部12aの軸方向の寸法に鍔状部12bの軸方向の寸法を加算した寸法)は、たとえば6〜15mmの範囲で設定することができる。筒状部材12の縫合糸挿入溝12eの軸方向の寸法は、たとえば1〜3mmの範囲で設定することができる。筒状部材12の縫合糸挿入溝12eの溝幅は、たとえば0.5〜1mmの範囲で設定することができる。
ラッチ部材13は、縫合糸挿入溝12eから被嵌合孔12d内に縫合糸6の一部が側方から挿入される際には縫合糸6の押圧により内側に弾性変形し、被嵌合孔12d内に挿入された縫合糸6の抜け出しを防止する部材ないし機構である。ラッチ部材13は、本実施形態では、図1Iおよび図1Jに示すように、弾性を有する略円弧状に形成された金属板からなる板バネで構成されている。金属板としては、たとえばステンレス鋼を用いることができる。
鍔状部12bの内周の一部の縫合糸挿入溝12eの両側のそれぞれの近傍部分には、僅かに凹陥する一対の凹部が対応するように形成されており、ラッチ部材13は、鍔状部12bの縫合糸挿入溝12eの一部を内側から閉塞するように、ラッチ部材13の一端が鍔状部12bの一方の凹部に固定されており、ラッチ部材13の他端は固定されることなく、鍔状部12bの他方の凹部に内側から当接または圧接している。そして、ラッチ部材13に外側から外力が作用しない状態では、図1Iに示すように、被嵌合孔12dの断面円形の内腔と縫合糸挿入溝12eとを隔てるように略円弧状に湾曲した状態となっている。
ラッチ部材13は、拘束されていない他端部が縫合糸6の側部の一部により外側から押圧された場合には、図1Jに示すように、内側に撓み、該押圧が解除されると、図1Iに示すように、元の形状に復元する。したがって、縫合糸6の一部で、ラッチ部材13を外側から押圧することにより、縫合糸6の一部を縫合糸挿入溝12eを経て被嵌合孔12d内に挿入することはできるが、挿入後には、被嵌合孔12dから抜け出すことができないようになっている。
なお、ラッチ部材13としては、このような板バネを用いることが、部品点数が少なく、固定も比較的に容易であることから好ましいが、これに限定されず、金属板の一端を回動可能に支持して、ねじりコイルバネにより、他端を鍔状部12bの縫合糸挿入溝12eの近傍部分の内周に内側から当接または圧接させるようにしてもよい。
図1Dおよび図1Eに示すように、柱状部材11を筒状部材12に対して基端側(同図において、右側)にスライドさせた初期位置に設定した状態では、柱状部11aが縫合糸挿入溝12eよりも基端側の被嵌合孔12d内に位置しており、被嵌合孔12dの縫合糸挿入溝12eの存する部分は、空間となっている。
この状態で、縫合糸6の一部(体内組織を縫って両端が後述する縫合装置3の針状部材52a(図5I参照)に拘束された状態で実質的に無端状となっている縫合糸6の互いに近接している両端と体内組織を縫って折り返されている部分との間の部分)をラッチ部材13の部分で側方から押圧すると、ラッチ部材13が内側に撓んで、縫合糸6の一部が縫合糸挿入溝12eの基端側から被嵌合孔12dの内側に入り込んで被嵌合孔12dの先端の開口から外に出るように配置される。
次いで、図1Gおよび図1Hに示すように、柱状部材11を筒状部材12に対して先端側(同図において、左側)に押し込んだ結紮位置までスライドさせることより、ガイド部11dがガイド溝12fに挿入されて案内されるとともに、突起部11cが縫合糸挿入溝12e内に導かれ、縫合糸6の両端部を被嵌合孔12dの内面と柱状部11aの外面との間に挟み込むことにより結紮することができる。なお、突起部11cは、結紮の確実性を高くするため、このスライドに伴う突起部11cの移動により、縫合糸6を被嵌合孔12dの内面と柱状部11aの外面との間に誘導するように作用する。
(結紮装置)
結紮装置としては、図2に示されているような把持鉗子を利用することができる。すなわち、結紮装置2は、連結フック21、シース22、駆動ワイヤ23、ベース側ロック部材25およびシース側ロック部材26を有するロック機構、ベース部27およびスライダ部28を有する操作部を概略備えて構成されている。
シース22は可撓性を有する中空チューブからなり、シース22としては、樹脂等からなる単純なチューブを用いてもよいが、本実施形態ではコイルチューブを用いている。コイルチューブとしては、金属(ステンレス鋼)等からなる長尺平板を螺旋状に巻回してなる平線コイルチューブを用いることができる。ただし、丸線コイルチューブまたは内面平コイルチューブを用いてもよい。なお、シース22としては、ワイヤチューブを用いてもよい。ワイヤチューブは、たとえば金属(ステンレス鋼)等からなる複数本のワイヤ(ケーブル)を中空となるように螺旋状に撚ってなる中空撚り線からなるチューブである。
シース22のコイルチューブの遠位端には、略円筒状の先端部材24が一体的に固定されており、先端部材24の遠位端面は、結紮具1の柱状部材11の板状部11bの基端側の面に当接可能な当接部となっている。ただし、コストや部品点数の低減等の観点から、先端部材24は設けなくてもよい。
駆動ワイヤ23は可撓性を有するワイヤからなり、本実施形態ではワイヤロープを用いている。ワイヤロープは、たとえば金属(ステンレス鋼)等からなる複数本のワイヤ(ケーブル)を螺旋状に撚ってなる撚り線からなるロープである。ただし、駆動ワイヤ23としては、単線からなるワイヤを用いてもよい。
駆動ワイヤ23の先端(遠位端)には、連結フック21が一体的に取り付けられている。連結フック21は、その先端に行くにしたがって互いに略V字状に開脚するように配置された一対のアーム部21a,21aおよび該アーム部21a,21aの先端部をそれぞれ内側に折り曲げてなる爪部21b,21bを有する弾性体からなり、アーム部21a,21aの基端部は互いに略U字状に一体化されて、駆動ワイヤ23の先端(遠位端)に溶接固定された円環部材に挿入されて、駆動ワイヤ23に対して首振りし得るようになっている(図3Aおよび図3B参照)。
連結フック21は、シース22を駆動ワイヤ23に対して近位端側にスライドさせることにより、シース22の遠位端から突出して自己の弾性により略V字状に開脚し、これと反対に、シース22を駆動ワイヤ23に対して遠位端側にスライドさせることにより、シース22の遠位端の内部に埋没して閉脚するようになっている。
駆動ワイヤ23を一定の位置に保持して、シース22を押し出すように操作すれば、連結フック21の位置を一定に保ったままで、連結フック21の一対のアーム部21a,21aを自在に開閉(把持または把持解除)することができる。連結フック21としては、ステンレス鋼等の金属からなるものを用いることができる。
駆動ワイヤ23が挿通されたシース22の近位端(基端部)は、ベース側ロック部材25およびシース側ロック部材26を有するルアーロック機構を介して、ベース部27の遠位端に着脱可能に接続・固定されている。
ベース部27には、スライダ部28がスライド可能に取り付けられており、駆動ワイヤ23の近位端は、スライダ部28まで至っており、ロックねじ29を介して、スライダ部28に着脱可能に固定されるようになっている。
ベース部27に対してスライダ部28を遠位端側にスライドさせることにより、駆動ワイヤ23の遠位端に設けられた連結フック21がシース22の遠位端から押し出され、自己の弾性によって略V字状に開脚する。これと反対に、ベース部27に対してスライダ部28を近位端側にスライドさせることにより、駆動ワイヤ23の遠位端に設けられた連結フック21がシース22の遠位端から埋没してシース22の内部に収容される。
結紮具1を結紮装置2のシース22の遠位端部に連結する際には、図3Aに示されているように、ベース部27をスライダ部28に対して近位端側にスライドさせて、駆動ワイヤ23に対してシース22を引き込み、駆動ワイヤ23の遠位端の連結フック21をシース22の遠位端から突出させて、自己の弾性により略V字状に開脚させる。
この状態から、ベース部27をスライダ部28に対して遠位端側にスライドさせると、駆動ワイヤ23に対してシース22が押し出されて、駆動ワイヤ23の遠位端の連結フック21がシース22内に入り込みつつ、除々に閉脚する。結紮具1の筒状部材12の連結部12cの基端部を連結フック21が把持するように位置決めして、シース22内に埋没させて、連結フック21を完全に閉脚させることにより、図3Bに示されているように、連結フック21で挟み込むようにして結紮具1の連結部12cを把持して、結紮具1の柱状部材11の板状部11bの基端側の面にシース22の遠位端を当接させた状態で、結紮具1をシース22の遠位端部に連結することができる。
次いで、ベース部27をスライダ部28に対してさらに遠位端側の位置にスライドさせて、シース22を駆動ワイヤ23に対して遠位端側にさらにスライドさせることにより、シース22の遠位端により筒状部材11の板状部11bが押圧され、図3Cに示されているように、柱状部材11を筒状部材12に対して先端側にスライドさせることができる。
この状態から、結紮具1のシース22の遠位端部に対する連結を解除する際には、ベース部27をスライダ部28に対して近位端側にスライドさせて、シース22を駆動ワイヤ23に対して近位端側にスライドさせることにより、連結フック21がシース22の遠位端から押し出されて開脚し、結紮具1の連結フック21による把持(連結)が解除され、結紮具1を結紮装置2から分離することができる。
(縫合装置)
図4に示されているように、縫合装置3は、内視鏡(軟性内視鏡等)7に取り付けられた状態で体内に挿入される装置であり、内視鏡7の不図示のカメラによって視認しながら、腹腔内の臓器や消化管に形成された切開部等を体外における操作により縫合するための装置である。
縫合装置3は、内視鏡7のシャフトに沿って配置されるシース部4、シース部4の近位端に設けられた操作部(不図示)、およびシース部4の遠位端に設けられた縫合部5を概略備えて構成されている。
シース部4は、軸方向に沿って延びた長尺な部材であり、内視鏡7のシャフトの屈曲に追従して屈曲できる程度の柔軟性を有する2本のチューブと1本のワイヤ(または3本のチューブ)から構成されている。すなわち、シース部4は、前側アーム移動ワイヤ41、後側アーム移動チューブ42、およびオーバーチューブ43を概略備えて構成されている。
前側アーム移動ワイヤ41は、可撓性を有する線材からなり、後側アーム移動チューブ42にスライド可能に挿通されて、該後側アーム移動チューブ42内において、その軸方向に沿って移動可能かつ軸周りに回転できるように設けられている。前側アーム移動ワイヤ41としては、本実施形態ではワイヤロープを用いている。ワイヤロープは、たとえば金属(ステンレス鋼)等からなる複数本のワイヤ(ケーブル)を螺旋状に撚ってなる撚り線からなるロープである。ただし、ワイヤ41としては、単線からなるワイヤを用いてもよい。また、ワイヤ41に代えて、中空チューブを用いてもよい。
後側アーム移動チューブ42は、オーバーチューブ43にスライド可能に挿通された中空チューブからなり、オーバーチューブ43内において、その軸方向に沿って移動可能かつ軸周りに回転できるように設けられている。後側アーム移動チューブ42としては、可撓性を有しており、樹脂等からなるチューブを用いてもよいが、本実施形態では、耐久性に優れるコイルチューブを用いている。コイルチューブとしては、金属(ステンレス鋼)等からなる長尺平板を螺旋状に巻回してなる平線コイルチューブを用いることができる。ただし、丸線コイルチューブまたは内面平コイルチューブを用いてもよい。
なお、後側アーム移動チューブ42としては、ワイヤチューブを用いてもよい。ワイヤチューブは、たとえば金属(ステンレス鋼)等からなる複数本のワイヤ(ケーブル)を中空となるように螺旋状に撚ってなるチューブである。
後側アーム移動チューブ42は、その近位端から遠位端まで一様な部材(たとえばコイルチューブ)としてもよいが、本実施形態では、コイルチューブの遠位端に剛性の高い金属からなる略円筒状の部材を溶接固定して、後側アーム移動チューブ42の先端部(チューブ先端部)42aとしている。
オーバーチューブ43は、樹脂等からなる可撓性を有する中空チューブである。前側アーム移動ワイヤ41および後側アーム移動チューブ42の近位端は操作部に接続されており、前側アーム移動ワイヤ41および後側アーム移動チューブ42の遠位端は縫合部5に接続されている。オーバーチューブ43の近位端は、操作部の近傍にまで至っているが、操作部には接続されておらず、オーバーチューブ43の遠位端は、縫合部5の近傍まで至っているが、縫合部5には接続されていない。オーバーチューブ43は、たとえば、ポリエチレンや塩化ビニル等の素材で形成することができる。
オーバーチューブ43の遠位端には、略円筒状の固定部材43aが一体的に取り付けられており、固定部材43aに内視鏡7のシャフトの先端部が圧入されることにより、縫合装置3を内視鏡7に対して、着脱可能に固定できるようになっている。操作部の全体をオーバーチューブ43に対して遠位端側または近位端側に移動(スライド)させることにより、内視鏡7に対して、縫合部5の全体を移動させ、操作部の全体をオーバーチューブ43に対してその軸周りに回転させることにより、縫合部5の全体を回転させることができる。
縫合部5は、縫合糸6が装着される前側アーム51と、後側アーム52とを備えて構成されている。
後側アーム52は、針状部材52a、針支持部52b、後側ガイド部52c、および突起部材52dを有している。後側ガイド部52cは略円筒状の部材からなり、後側ガイド部52cの上端側に略短冊板状の針支持部52bの一端が固定されており、後側ガイド部52cの下端側に突起部材52dが固定されている。
針支持部52bの他端には、前方(遠位端側)を指向して、針状部材52aの基端部が固定されている。これらの針状部材52a、針支持部52b、後側ガイド部52cおよび突起部材52dは、特に限定されないが、ステンレス鋼等の金属からなり、それぞれ別々の部品として形成された後に、レーザ溶接等により互いに一体的に固定されている。
後側アーム52は、後側ガイド部52cの後端面(近位端側の端面)が後側アーム移動チューブ42の先端部42aに、レーザ溶接等により一体的に固定されている。後側ガイド部52cは、突起部材52d側の端部から、後述する前側ガイド部53の内側に挿入され、その軸方向に沿ってスライド可能かつ軸周りに回動可能に保持されるようになっている。
針状部材52aは、その基端側から先端側に向かって、直胴状の大径部、先細のテーパ部、直胴状の小径部、および先端が鋭利に形成されたやじり部を有している。やじり部は、その基端の外径が小径部の先端の外径よりも大きく、小径部との連結部分に僅かに段差ができるように形成されている。針状部材52aは、その先端が前側アーム51に向いた状態かつ、その中心軸が後側ガイド部52cの中心軸と略平行となるように針支持部52bに固定されている。
後側アーム移動チューブ42をその中心軸周りに回転させれば、針状部材52aの中心軸がチューブ先端部42aの中心軸と略平行な状態を維持したまま、針状部材52aをチューブ先端部42aの中心軸周りに回動(旋回)させることができる。
なお、針状部材52aは、縫合する対象(管腔壁)に突き刺してその対象を貫通させることができ、しかも、対象を貫通した状態から逆方向に移動させて対象から引き抜くことができる程度の長さおよび強度を有するものであればよく、その素材や長さ、軸径は特に限定されない。たとえば、縫合装置3によって胃壁を縫合する場合であれば、その長さは、胃壁を貫通できる程度の長さであればよく、その素材は金属製が強度の点で好ましい。たとえば、針状部材52aの長さは、7〜20mm程度が好ましく、7〜10mm程度がより好ましい。また、針状部材52aの大径部の軸径は1.5〜3.0mm程度、小径部の軸径は0.5〜1mm程度、やじり部の軸径は最大径で0.6〜1.5mm程度が好ましい。
前側アーム51は、一対の糸支持部51a,51aおよび前側ガイド部53を概略備えて構成されている。一対の糸支持部51a,51aは、略V状(円弧状、U字状等であってもよい)に形成されて二股状になっており、糸支持部51a,51aのそれぞれの先端部近傍間に渡るように、縫合糸6が装着される。
縫合糸6は、後側アーム52の針状部材52aの先端部としてのやじり部が係合される一対の係合部材6a,6bと、糸状部材とを備えて構成されており、糸状部材の両端に係合部材6a,6bが取り付けられている。係合部材6a,6bは、略円環状に形成された薄板から構成され、中央の貫通穴に針状部材52aのやじり部が挿入される。
前側アーム51の糸支持部51a,51aのそれぞれの先端部には、前面(遠位端側の面)および後面(近位端側の面)に渡って貫通する貫通孔が形成されており、該貫通孔の後面側に係合部材6a,6bが係合可能な収容空間(不図示)が形成されている。貫通孔の側部の一部には、縫合糸6が通過し得るように、内外に渡り貫通溝が形成されている。収容空間は、該貫通孔よりも僅かに大きい径であって、係合部材6a,6bをその貫通穴が糸支持部51a,51aの貫通孔に対して略同心となるように配置した状態で、その内壁によって係脱可能に係合され得る程度の径に設定されている。糸支持部51a,51aの中央部には縫合糸収容部(不図示)が設けられており、糸支持部51a,51aに渡って配置された縫合糸6(糸状部材)の中間部分は、この縫合糸収容部に収容されるようになっている。
前側ガイド部53は、略円筒状の部材からなり、前側ガイド部53の正面側の上部には、切欠部が形成されている。この切欠部の底辺部(前端側の辺部)の両側には、上下方向(中心軸に実質的に平行する方向)に延在するとともに、内外に渡って貫通して形成された貫通ガイド溝53a,53aが形成されている。これらの貫通ガイド溝53a,53aは、そのいずれかに、後側アーム52の針支持部52bがスライド可能に遊嵌されることにより、該後側アーム52の中心軸方向のスライドを案内する部位である。
これらの貫通ガイド溝53a,53aの上端(後端)は切欠部の底辺部に至っており、下端(前端)は前側ガイド部53の下部(前端)には至っていない。貫通ガイド溝53a,53aの下端(前端)の位置は、前側アーム51の針支持部52bが嵌合されて、当該下端まで至った際に、針状部材52aのやじり部の後端が、縫合糸6の係合部材6aまたは6bを貫通して、係合し得る程度の位置に設定されている。
前側ガイド部53の後端には、後側ガイド部52cが配置される円弧状の凹部を有するキャップ54が取り付けられている。後側ガイド部52cが前側ガイド部53内に挿入されて、後側アーム52と前側アーム51とが組み合わされた状態において、前側ガイド部53の後端にキャップ54を取り付けることにより、後側アーム52が前側アーム51から抜け出さないようになっている。
(切開部の縫合)
以下、上述した縫合糸結紮具1、結紮装置2、縫合装置3、縫合糸6、および内視鏡7を使用した切開部の縫合工程(縫合作業)について、図5A〜図5Nを参照して説明する。なお、以下では、胃壁に形成された切開部を縫合する場合を例として説明する。
まず、縫合装置3を取り付けた内視鏡7のシャフトを胃内に挿入して、縫合装置3の縫合部5を縫合すべき切開部近傍に配置する。次いで、操作部を操作して、図4に示すように、前側アーム51に対して後側アーム52を離間させた状態とする。
この状態で、図5Aに示す第1工程を実施する。図5Aに示す第1工程では、まず、操作部をオーバーチューブ43に対して全体的に遠位端側に押し込むとともに、必要に応じて回転させて、同図に示されているように、後側アーム52に対して離間して配置されている前側アーム51のみを切開部SHに挿入する。これと前後して、前側アーム51に対して後側アーム52を回動させて、前側アーム51の一方の糸支持部51aと針状部材52a(やじり部)によって切開部SHの一方の口縁部Saが挟まれた状態となるように、前側アーム51と後側アーム52を配置する。
次いで、後側アーム52に対して前側アーム51を近接させると、図5Bに示されているように、針状部材52aが一方の口縁部Saに突き刺さり、該口縁部Saを貫通し、さらに針状部材52aのやじり部が一方の糸支持部51aの収容空間内に収容(支持)された係合部材6aの貫通孔を貫通して通過する。これにより、係合部材6aの貫通孔は、針状部材52aの小径部に至り、係合部材6aが針状部材52aに係合された状態となる。
次いで、後側アーム52に対して前側アーム51を離間させた状態とすると、図5Cに示されているように、係合部材6aが係合された針状部材52aが一方の口縁部Saに挿通させる際に形成された孔(以下、第1穿孔という)を逆行して胃内に戻る。これにより、縫合糸6の一部(係合部材6a側の一部)が一方の口縁部Saを貫通した状態となる。
その後、図5Dに示されているように、前側アーム51の他方の糸支持部51aと針状部材52aによって切開部SHの他方の口縁部Sbが挟まれた状態となるように、前側アーム51と後側アーム52を配置する。
この状態から、前側アーム51に対して後側アーム52を近接させると、図5Eに示されているように、針状部材52aが他方の口縁部Sbに突き刺さり、該口縁部Sbを貫通し、さらに針状部材52aのやじり部が他方の糸支持部51aの収容空間内に収容(支持)された係合部材6bの貫通孔を貫通して通過する。これにより、係合部材6bの貫通孔は、針状部材52aの小径部に至り、係合部材6bが針状部材52aに係合された状態となる。
次いで、後側アーム52に対して前側アーム51を離間させた状態とすると、図5Fに示されているように、係合部材6bが係合された針状部材52aが他方の口縁部Sbに挿通させる際に形成された孔(以下、第2穿孔という)を逆行して胃内に戻る。これにより、縫合糸6の一部(係合部材6b側の一部)が他方の口縁部Sbを貫通した状態となる。
これにより、縫合糸6の両端が固定されている一対の係合部材6a,6bがいずれも一本の針状部材52aに係合した状態となり、縫合糸6によって、針状部材52a(つまり胃内)から第1穿孔を貫通して胃外に出て、胃外面から第2穿孔を貫通して針状部材52a(つまり胃内)に戻る輪(ループ)が形成される。
次いで、図5Gに示されているように、前側アーム51(糸支持部51a)を、切開部SHを通して胃内に移動させる。前側アーム51(糸支持部51a)が胃内に入ると、針状部材52aが切開部SHから離間し、縫合糸6の両端が切開部SHから離間するように移動するので、縫合糸6において第1穿孔を貫通している部分と第2穿孔を貫通している部分とが引き寄せられ、切開部SHの一対の口縁部Sa,Sbの端面同士が当接して接合される。
縫合装置3による切開部SHの縫合作業が終了したならば、続いて、縫合糸6の結紮作業を行う。この作業には、図2の結紮装置2が用いられる。結紮装置2のシース22の遠位端部に連結された結紮具1(図3B参照)を、たとえば、縫合装置3が取り付けられている内視鏡7の処置具案内管(鉗子口)を介して挿入し、図5Hに示されているように、口縁部Sa,Sbに縫い込まれた状態でその両端が針状部材52aに拘束されて実質的に無端状(ループ状)となっている縫合糸6の互いに近接している両端部の近傍まで搬送する。
次いで、図5Iに示されているように、縫合糸6の両端部のうちの一方に側方から結紮具1のラッチ部材13の部分を押し当てて、ラッチ部材13を内側に弾性変形させ、縫合糸6の一方の端部を縫合糸挿入溝12eを経させて被嵌合孔12d内に導き入れる。その後、図5Jに示されているように、縫合糸6の両端部のうちの他方に側方から結紮具1のラッチ部材13を押し当てて、ラッチ部材13を内側に弾性変形させ、縫合糸6の他方の端部を縫合糸挿入溝12eを経させて被嵌合孔12d内に導き入れる。これにより、縫合糸6の当該両端部は縫合糸挿入溝12eの基端側から被嵌合孔12d内に入り込み、被嵌合孔12dの先端の開口から抜け出て配置された状態となる。
その後、結紮装置2のシース22の遠位端を切開部SHに向けて押し込む(進行させる)と、図5Kに示されているように、縫合糸6の両端部が絞り込まれて束ねられた状態となる。この状態で、駆動ワイヤ23に対してシース22を遠位端側にスライドさせることにより、柱状部材11の板状部11bがシース22の遠位端により押圧されて、結紮具1の柱状部材11が筒状部材12に対して先端側にスライドされる。
これにより、図5Lに示されているように、縫合糸6の両端部のそれぞれの一部(縫合糸挿入溝12eおよび被嵌合孔12d内に存する部分)が、被嵌合孔12d(場合によりラッチ部材13)の内面と柱状部11aの外面との間に挟み込まれて、縫合糸6の両端部が結紮される。
縫合糸6の結紮が完了したならば、駆動ワイヤ23の位置が変化しないようにしつつ、駆動ワイヤ23に対してシース22を近位端側にスライドすると、結紮具1の連結部12cを把持している連結フック21(一対のアーム部21a,21a)が自己の弾性により開脚して、把持が解除され、図5Mに示されているように、結紮状態とされた結紮具1から結紮装置2が分離される。
最後に、図5Nに示されているように、結紮具1と縫合部5(針状部材52a)との間の縫合糸6をループカッターと称される内視鏡用鋏鉗子等により切断して、結紮具1と縫合部5とを切り離すことにより、1針の縫合に係る一連の手技が完了する。
本実施形態によれば、結紮具1を、縫合装置3とは別に、結紮装置2を用いて体内に搬送して、縫合装置3により体内組織を縫った未結紮状態の縫合糸6の両端部を絞り込みつつ、結紮することができる。したがって、従来技術では、結紮具は針状部材の基端側の結紮具装着部に外嵌されているため、内視鏡のカメラで視認した際に結紮具が視野を妨げるおそれがあるとともに、結紮具が回転したり、落下(針状部材の先端側に移動)したりしてしまう場合があり、円滑な処置の妨げとなる場合があったが、そのような問題が無い。また、従来技術では、体内で結紮具を結紮装置の遠位端に連結する作業が必要であり、その作業が必ずしも容易ではなく、連結の確実性が低かったが、本実施形態の結紮具1では、体外で結紮具1を結紮装置2の遠位端に連結することができ、その作業が容易であり、連結の確実性も高い。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上述した実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
1…縫合糸結紮具
11…柱状部材
11a…柱状部
11b…板状部
11c…突起部
12…筒状部材
12a…筒状部
12b…鍔状部
12c…連結部
12d…被嵌合孔
12e…縫合糸挿入溝
13…ラッチ部材
2…結紮装置
21…連結フック
21a…アーム部
21b…爪部
22…シース
23…駆動ワイヤ
27…ベース部
28…スライダ部
3…縫合装置
4…シース部
41…前側アーム移動ワイヤ
42…後側アーム移動チューブ
43…オーバーチューブ
5…縫合部
51…前側アーム
51a…糸支持部
52…後側アーム
52a…針状部材
52b…針支持部
52c…後側ガイド部
53…前側ガイド部
53a…貫通ガイド溝
6…縫合糸
6a,6b…係合部材
7…内視鏡
SH…切開部
Sa,Sb…口縁部

Claims (3)

  1. 縫合糸を結紮する内視鏡用縫合糸結紮具であって、
    柱状部を備える柱状部材と、
    前記柱状部がスライド可能に内嵌された基端から先端に渡って貫通する被嵌合孔を備える筒状部材と、を有し、
    前記筒状部材は、該筒状部材の先端に至る内外に貫通する溝であって、前記縫合糸が側方から挿入可能な溝を先端側に備える内視鏡用縫合糸結紮具。
  2. 前記筒状部材は、前記溝を経て前記被嵌合孔に前記縫合糸が挿入される際には該縫合糸の押圧により内側に弾性変形し、該被嵌合孔内に挿入された該縫合糸の抜け出しを防止するラッチ部材を備える請求項1に記載の内視鏡用縫合糸結紮具。
  3. 前記筒状部材は、縫合装置が解除可能に連結される連結部を基端側に備える請求項1または2に記載の内視鏡用縫合糸結紮具。
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